JP4411026B2 - 光学材料及び、光学素子、回折光学素子、積層型回折光学素子、光学系 - Google Patents

光学材料及び、光学素子、回折光学素子、積層型回折光学素子、光学系 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レンズ、フィルター、ミラーとして使用される光学素子に関するものであり、特に屈折率分散が高い光学材料からなる回折光学素子及び屈折光学素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から光の屈折のみによって構成される屈折光学系においては、分散特性の異なる硝材を組み合わせることによって色収差を減らしている。例えば、望遠鏡等の対物レンズでは分散の小さい硝材を正レンズ、分散の大きい硝材を負レンズとし、これらを組み合わせて用いることで軸上に現れる色収差を補正している。この為、レンズの構成、枚数が制限される場合や使用される硝材が限られている場合などでは、色収差を十分に補正することが非常に困難である。
【0003】
また、SPIE Vol.1354 International Lens Design Conference(1990)には、レンズ面やあるいは光学系の一部に、回折格子を有する回折光学素子を用いることで色収差を減じる方法が開示されている。これは、光学素子としての屈折面と回折面とでは、ある基準波長の光線に対する色収差の発生する方向が、逆になるという物理現象を利用したものである。さらに、このような回折光学素子は、その回折格子の周期的構造の周期を変化させることで、非球面レンズと同等の効果を持たせることができる。そのため、色収差の低減に非常に大きな効果がある。
【0004】
ここで、光線の回折作用について説明する。一般に屈折系の光学素子である球面及び非球面レンズに入射した1本の光線は、その球面及び非球面で屈折した後も1本の光線となる。これに対し、回折系の光学素子である回折光学素子に入射した1本の光線は、回折作用により各次数の複数の光に分かれる。
【0005】
そのため、光学系として用いられた回折光学素子の特長を充分に発揮させるには、使用波長領域の光束を特定次数(以後設計次数とも言う)に集中させなければならない。使用波長領域の光束が設計次数に集中している場合は、それ以外の回折次数の回折光の強度は非常に低いものとなる。そのため、設計次数以外の光線が設計次数の光線とは別な所に結像してしまうフレア光となる事はない。
【0006】
使用波長領域の光束が設計次数に集中するように、回折格子の格子構造をあらかじめ決定し、回折効率を十分に高くする構成は、特開平09−127321号(特許文献1)、特開平09−127322号(特許文献2)、特開平11−044808号(特許文献3)、特開平11−044810号(特許文献4)に開示されている。これらは複数の光学素子を組み合わせて積層型回折光学素子を形成しており、各光学素子の屈折率分散と光学素子の境界面に形成される格子の形状を最適に選ぶことで、広波長範囲で高い回折効率を有する構成となっている。具体的には基板上に複数の光学材料を積層し、その境界面の少なくとも1つにレリーフパターン、階段形状、キノフォーム等を形成することで、所望の回折光学素子を形成している。
【0007】
これらの先行特許においては、広い波長範囲で高い回折効率を有する構成を得るために、相対的に屈折率分散の低い材料と屈折率分散の高い材料とを組み合わせている。具体的には、特開平09−127321号の場合は、屈折率分散の低い材料としてBMS81(nd=1.64,νd=60.1:オハラ製)を、屈折率分散の高い材料としてプラスチック光学材料PC(nd=1.58,νd=30.5:帝人化成)を用いている。同様に特開平09−127322号の場合は、屈折率分散の低い材料としてLaL14(nd=1.698,νd=55.5:オハラ製)、アクリル樹脂(nd=1.49,νd=57.7)、Cytop(nd=1.34149,νd=93.8:旭硝子製)を、屈折率分散の高い材料としてプラスチック光学材料PC(nd=1.58,νd=30.5:帝人化成)を用いている。特開平11−044808号及び特開平11−044810号の場合は、屈折率分散の低い材料としてC001(nd=1.525,νd=50.8:大日本インキ製)、PMMA(nd=1.4917,νd=57.4)、BMS81(nd=1.64,νd=60.1:オハラ製)を、屈折率分散の高い材料としてプラスチック光学材料PC(nd=1.58,νd=30.5:帝人化成)、PS(nd=1.5918,νd=31.1)、等を用いている。
【0008】
図1は、光学材料として市販されている材料の、アッベ数と屈折率を示したグラフである。図1において縦軸は屈折率(nd)、横軸はアッベ数(νd)である。前述した特開平09−127321号、特開平09−127322号、特開平11−044808号、特開平11−044810号に記載された光学材料は図1に含まれている。図1からわかるように、一般の光学材料の屈折率はnd>−6.667×10−3νd+1.70を満たしている事がわかる。尚、図に示した直線はnd=−6.667×10−3νd+1.70である。
【0009】
【特許文献1】
特開平09−127321号
【特許文献2】
特開平09−127322号
【特許文献3】
特開平11−044808号
【特許文献4】
特開平11−044810号
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
積層型回折光学素子の構成においては、屈折率分散の高い材料と低い材料における屈折率分散の差が大きいほど構成される光学素子の回折効率は高くなり、光学素子の画角は広くなる。またそのため、回折光学素子の更なる機能向上を図るには、より屈折率分散の高い(アッペ数が小さい)材料を使用する事が必要であり、それにより色収差をより正確に補正する事ができる。図1に示されている有機高分子の光学材料の中でアッペ数が最も小さいのは、アッペ数が17.3であるポリビニルカルバゾール(PVCZ)である。
【0011】
しかしながら近年、光学素子において要求される特性はさらに厳しくなっている。そのため、回折光学素子において使用波長領域の光束が設計次数に集中させ、回折効率を高くするには、単に屈折率分散の高い材料と低い材料を使用する事により、使用波長領域(400nm〜700nm)における回折効率が95%以上とするだけではなく、入射角10°のおける光損失率が3.40%以下の光学特性を示すことが必要となっている。アッペ数が17.3であるポリビニルカルバゾール(PVCZ)は、後述する比較例1で示すように、使用波長領域(400nm〜700nm)における回折効率95%以上であるが、入射角10°のおいて光損失率が3.40%以下を満足する事ができない。即ち、使用波長領域の光束を特定次数に集中した、所望の高い回折効率を達成することができない。
【0012】
本発明は、屈折率(nd)がnd>−6.667×10−3νd+1.70であり、アッペ数(νd)がνd≦16の光学材料からなる光学素子を使用することにより、可視領域全域における回折効率を向上させるとともに、各入射角度における次回折光の強度の光損失率が少なく、使用波長領域の光束を特定次数に集中している光学素子を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明においては前述の課題を解決するために、平均粒径が2〜100nmのTiO2、Nb2O5、Cr2O3、BaTiO3のうちの少なくとも一つの無機物質と、ポリビニルカルバゾールとを含み、d線の屈折率(nd)とアッペ数(νd)との関係が、nd>−6.667×10−3νd+1.70であり、アッペ数(νd)がνd≦16である光学材料及びそれにより形成された光学素子を提供している。
【0014】
また本発明は、第1の基板の表面に、平均粒径が2〜100nmのTiO2、Nb2O5、Cr2O3、BaTiO3のうちの少なくとも一つの無機物質と、ポリビニルカルバゾールとを含み、d線の屈折率(nd)とアッペ数(νd)との関係が、nd>−6.667×10−3νd+1.70であり、アッペ数(νd)がνd≦16である第1の光学材料からなり、前記第1の基板の表面と逆の表面が回折形状を有する回折面である第1の光学部材が形成された第1の回折光学素子と、第2の基板の表面に、前記第1の光学材料よりもアッペ数が大きい第2の光学材料からなり、前記第2の基板の表面と逆の表面が回折形状を有する回折面である第2の光学部材が形成された第2の第2の回折光学素子とを有し、前記第1の回折光学素子と前記第2の回折光学素子は、お互いの回折面が対向して配置されていることを特徴とする積層型回折光学素子を提供している。
【0015】
また本発明は、基板の表面に形成され、平均粒径が2〜100nmのTiO2、Nb2O5、Cr2O3、BaTiO3のうちの少なくとも一つの無機物質と、ポリビニルカルバゾールとを含み、d線の屈折率(nd)とアッペ数(νd)との関係が、nd>−6.667×10−3νd+1.70であり、アッペ数(νd)がνd≦16である第1の光学材料からなり、一方の表面が回折形状を有する回折面である第1の層と、該第1の層の回折面の上に形成され、前記第1の光学材料よりもアッペ数が大きい第2の光学材料からなる第2の層とを有することを特徴とする積層型回折光学素子を提供している。
【0016】
【発明の実施の形態】
[第1の実施の形態]
本発明者は、通常光学材料には使用されないアッペ数の小さな無機酸化物の微粒子をポリマー等の光学材料に含有させる事で、アッペ数が小さい光学材料とすることができないかを検討した。アッペ数の小さな無機酸化物としては、TiO2(nd=2.2652,νd=11.8),Nb2O5(nd=2.367,νd=14.0),ITO(nd=1.8581,νd=5.53),Cr2O3(nd=2.2178,νd=13.4),BaTiO3(nd=2.4362,νd=11.3)等が考えられる。
【0017】
しかしこれらの無機酸化物は、通常反射防止膜を構成する材料であり、その厚みは50〜500nmの範囲で使用される事が多い。しかしながら、真空成膜により形状を整えることにより50nm以下の厚さの回折光学素子に使用する事が可能である。また、ホストポリマーとして市販のUV硬化樹脂との組み合わせることにより、非常に容易に光学材料として製造することができる。また容易に形状を整えることも可能であり、屈折光学素子や回折光学素子への適用が容易である。
【0018】
また、無機酸化物を用いる際にはその粒径が2〜100nmであることが望ましい。粒径が100nmよりも大きくなると混合物の光散乱が大きくなり、光学素子として用いることができない。また、粒径が2nm以下になると表面の量子効果が大きくなり、無機酸化物の特性を示さなくなる。
【0019】
また、無機酸化物を含有するポリマーとしては、微粒子を混合し均一に分散することのできるポリビニルカルバゾールが最も好適である。無機酸化物を含有したポリビニルカルバゾールは無機酸化物微粒子をN−ビニルカルバゾールに添加されたものを硬化させることにより得られる。但し、無機酸化物を含有するポリマーはポリビニルカルバゾールに限られるものではなく、光学材料としてnd>−6.667×10−3νd+1.70でかつ、νd≦16を満足するものであれば良い。またアッベ数をνd≦16とする事により、光学素子の開口数を上げる事ができ、光学素子の厚さをさらに薄くすることも可能となる。そのため、前述の無機酸化物を光学材料として使用することがより容易となる。
【0020】
(実施例1)
図2乃至図6を参照して、実施例1における積層型回折光学素子の構成とその製造方法を説明する。まず、平均粒径10nmのTiO2微粒子を10w%分散させたクロロフォルム溶液に100gにN−ビニルカルバゾール(東京化成工業製)を12gと光開始剤1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン0.15g添加した後、クロロフォルムを減圧して除去し光学原料2を製造した。
【0021】
次に図2(a)に示す様に、回折格子形状に加工された金型1に光学原料2を供給した。次に、図2(b)に示すように、光学原料2上にガラス(BK7)平板3を乗せ、型ごと70℃に保った状態でUV露光機(EX250:HOYA−SCHOTT社製)で20000mJ/cm2(100mW/cm2,200秒)で照射した。その後、図2(c)に示すように、硬化した光学素子2’を金型1から離型して回折光学素子4を製造した。この光学原料2はUV露光し硬化することにより重合が進み、ポリビニルカルバゾールとTiO2微粒子の光学材料が形成される。尚、この光学素子2’を形成する光学材料の光学特性は(nd=1.824,νd=15.1)であった。この光学特性はnd>−6.667×10−3νd+1.70、νd≦16をともに満足するものである。
【0022】
一方、もう一つの光学素子を形成するため、光学特性が(nd=1.513,νd=51.0)の光硬化樹脂6を光学材料として準備した。図3(a)に示す様に、回折格子形状に加工された金型5に光硬化樹脂6を流し込んだ。その上にガラス(BK7)平板7を乗せて、図3(b)に示すように加圧した。その後不図示のUV露光機(EX250:HOYA−SCHOTT社製)で3000mJ/cm2(100mW/cm2,30秒)照射した後、図3(c)に示すように、硬化した光硬化樹脂6を金型5から離型して回折光学素子8を製造した。
【0023】
次に回折光学素子4と回折光学素子8の回折面に反射防止膜を成膜した後、図4に示す様に、お互いの回折格子が対向する様に組み合わせて積層型回折光学素子10を製造した。9は回折光学素子4と回折光学素子8の間隔を決定するスペーサである。回折光学素子4と回折光学素子8のそれぞれの格子間ピッチは共に80.00μmである。回折光学素子4と回折光学素子8のお互いの回折格子の谷間の間隔は9.89μm、山間の間隔は1.50μmである。回折光学素子4の山の高さは2.78μm、回折光学素子8の山の高さは5.61μmである。
【0024】
図5は、製造された積層型回折光学素子10における、入射角度0°の一次回折光の各波長(400nm〜700nm)における強度を示したグラフである。横軸は波長、縦軸は回折効率を示している。図5において、積層型回折光学素子10の回折効率は、使用波長の全域である波長400nm〜700nmの範囲において95%以上になっており、非常に良好な強度の波長分布を示していると言える。
【0025】
また図6は、積層型回折光学素子10への入射角度を変異させた際の、各入射角度における次回折光の強度の低下する比率を示したグラフである。横軸は入射角、縦軸は光の損失率である。図6において、入射角が大きくなればなるほど損失率は高くなるが、入射角10°のおける光損失率は3.27%であり、3.40%以下である。従ってこの値は非常に良好な特性を示しており、積層型回折光学素子10は、特定次数に光線が充分集中していると言うことができる。
【0026】
(比較例1)
次に図7、図8、図9、図10を参照して、比較例1における積層型回折光学素子の構成とその製造方法を説明する。比較例1としては、光開始剤1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン1%添加したN−ビニルカルバゾール(東京化成工業製)からなる光学原料202を製造した。
【0027】
次に図7(a)に示すように光学原料202を金型201に供給した。その次に、図7(b)に示すように、光学原料202上をガラス(BK7)平板203で押さえ込み、型ごと70℃に保った状態で不図示のUV露光機(EX250:HOYA−SCHOTT社製)で20000mJ/cm2(100mW/cm2,200秒)照射した。その後図7(c)に示すように、光硬化樹脂202を金型201から離型して回折光学素子204を製造した。この光硬化樹脂202はUV露光し硬化することにより重合が進みポリビニルカルバゾールからなる光学材料となる。この光学材料の光学特性は(nd=1.702,νd=17.4)であった。この光学特性はnd>−6.667×10−3νd+1.70は満足するが、νd≦16を満足するものではない。
【0028】
一方、もう一つの光学素子を形成するための光学材料としては、実施例1と同様に光学特性が(nd=1.513,νd=51.0)の光硬化樹脂6を準備し、図3(a)〜(c)に示す実施例1と同様の方法により回折光学素子8を製造した。
【0029】
次に回折光学素子204と回折光学素子8に反射防止膜を成膜した後、図8に示す様に、お互いの回折格子が対向する様に組み合わせて積層型回折光学素子210を製造した。209は回折光学素子204と回折光学素子8の間隔を決定するスペーサである。回折光学素子204と回折光学素子8のそれぞれの格子間ピッチは80.00μmである。回折光学素子204と回折光学素子8のお互いの回折格子の谷間の間隔は11.87μm、山間の間隔は1.50μmである。回折光学素子14の山の高さは3.92μm、回折光学素子8の山の高さは6.45μmである。
【0030】
図9は、製造された積層型回折光学素子210における、入射角度0°の一次回折光の各波長(400nm〜700nm)における強度を示したグラフである。横軸は波長、縦軸は回折効率を示している。図9において、積層型回折光学素子210の回折効率は、使用波長の全域である波長400nm〜700nmの範囲において95%以上になっており、非常に良好な強度の波長分布を示していると言える。
【0031】
しかしながら、図10は、積層型回折光学素子210への入射角度を変異させた際の、各入射角度における次回折光の強度の低下する比率を示したグラフである。横軸は入射角、縦軸は光の損失率である。尚比較のために実施例1の図6の値もあわせて表示している。図10において、入射角が大きくなればなるほど損失率は高くなり、入射角10°のおける光損失率は3.52%である。この値は、要求される光損失率の値である3.40%以下である。従って積層型回折光学素子210は、積層型回折光学素子として特定次数に光線が充分に集中しているとはいえない。
【0032】
(実施例2)
次に図11、図12、図13、図14を参照して、実施例2における積層型回折光学素子の構成とその製造方法を説明する。まず、平均粒径10nmのNb2O3微粒子を10w%分散させたクロロフォルム溶液に100gにN−ビニルカルバゾール(東京化成工業製)を12gと光開始剤1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン0.15g添加した後、クロロフォルムを減圧して除去し光学原料12を製造した。
【0033】
次に図11(a)に示す様に、回折格子形状に加工された金型11に光学原料12を供給した。次に、図11(b)に示すように、光学材料12上にガラス(BK7)平板13を乗せ、型ごと70℃に保った状態でUV露光機(EX250:HOYA−SCHOTT社製)で20000mJ/cm2(100mW/cm2,200秒)で照射した。その後、図11(c)に示すように、硬化した光学素子12’を金型11から離型して回折光学素子14を製造した。この光学原料12はUV露光し硬化することにより、重合が進みポリビニルカルバゾールとNb2O3微粒子の光学材料が形成される。尚、この光学素子12’を形成する光学材料の光学特性は(nd=1.850,νd=16.0)であった。この光学特性はnd>−6.667×10−3νd+1.70、νd≦16をともに満足するものである。
【0034】
一方、もう一つの光学素子を形成するため光学材料としては、実施例1と同様に光学特性が(nd=1.513,νd=51.0)の光硬化樹脂6を準備し、図3(a)〜(c)に示す実施例1と同様の方法により回折光学素子8を製造した。
【0035】
次に回折光学素子14と回折光学素子8の回折面に反射防止膜を成膜した後、図12に示す様に、お互いの回折格子が対向する様に組み合わせて積層型回折光学素子20を製造した。19は回折光学素子14と回折光学素子8の間隔を決定するスペーサである。回折光学素子14と回折光学素子8のそれぞれの格子間ピッチは共に80.00μmである。回折光学素子4と回折光学素子8のお互いの回折格子の谷間の間隔は10.41μm、山間の間隔は1.50μmである。回折光学素子14の山の高さは2.92μm、回折光学素子8の山の高さは5.99μmである。
【0036】
図13は、製造された積層型回折光学素子20における、入射角度0°の一次回折光の各波長(400nm〜700nm)における強度を示したグラフである。横軸は波長、縦軸は回折効率を示している。図13において、積層型回折光学素子20の回折効率は、使用波長の全域である波長400nm〜700nmの範囲において95%以上になっており、非常に良好な強度の波長分布を示していると言える。
【0037】
また図14は、積層型回折光学素子20への入射角度を変異させた際の、各入射角度における次回折光の強度の低下する比率を示したグラフである。横軸は入射角、縦軸は光の損失率である。図14において、入射角が大きくなればなるほど損失率は高くなるが、入射角10°のおける光損失率は3.40%である。従ってこの値は非常に良好な特性を示しており、積層型回折光学素子20は、特定次数に光線が充分集中していると言うことができる。
【0038】
(実施例3)
次に図15、図16、図17、図18を参照して、実施例3における積層型回折光学素子の構成とその製造方法を説明する。まず、平均粒径10nmのCr2O5微粒子を10w%分散させたクロロフォルム溶液に130gにN−ビニルカルバゾール(東京化成工業製)を12gと光開始剤1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン0.15g添加した後、クロロフォルムを減圧して除去し光学原料22を製造した。
【0039】
次に図15(a)に示す様に、回折格子形状に加工された金型21に光学原料12を供給した。次に、図15(b)に示すように、光学材料22上にガラス(BK7)平板23を乗せ、型ごと70℃に保った状態でUV露光機(EX250:HOYA−SCHOTT社製)で20000mJ/cm2(100mW/cm2,200秒)で照射した。その後、図15(c)に示すように、硬化した光学素子22’を金型21から離型して回折光学素子24を製造した。この光学原料22はUV露光し硬化することにより、重合が進みポリビニルカルバゾールとCr2O5微粒子の光学材料が形成される。尚、この光学素子22’を形成する光学材料の光学特性は(nd=1.824,νd=15.9)であった。この光学特性はnd>−6.667×10−3νd+1.70、νd≦16をともに満足するものである。
【0040】
一方、もう一つの光学素子を形成するための光学材料としては、実施例1と同様に光学特性が(nd=1.513,νd=51.0)の光硬化樹脂6を準備し、図3(a)〜(c)に示す実施例1と同様の方法により回折光学素子8を製造した。
【0041】
次に回折光学素子24と回折光学素子8の回折面に反射防止膜を成膜した後、図16に示す様に、お互いの回折格子が対向する様に組み合わせて積層型回折光学素子30を製造した。29は回折光学素子24と回折光学素子8の間隔を決定するスペーサである。回折光学素子24と回折光学素子8のそれぞれの格子間ピッチは共に80.00μmである。回折光学素子24と回折光学素子8のお互いの回折格子の谷間の間隔は10.50μm、山間の間隔は1.50μmである。回折光学素子24の山の高さは2.94μm、回折光学素子8の山の高さは6.06μmである。
【0042】
図17は、製造された積層型回折光学素子30における、入射角度0°の一次回折光の各波長(400nm〜700nm)における強度を示したグラフである。横軸は波長、縦軸は回折効率を示している。図17において、積層型回折光学素子30の回折効率は、使用波長の全域である波長400nm〜700nmの範囲において95%以上になっており、非常に良好な強度の波長分布を示していると言える。
【0043】
また図18は、積層型回折光学素子30への入射角度を変異させた際の、各入射角度における次回折光の強度の低下する比率を示したグラフである。横軸は入射角、縦軸は光の損失率である。図18において、入射角が大きくなればなるほど損失率は高くなるが、入射角10°のおける光損失率は3.40%である。従ってこの値は非常に良好な特性を示しており、積層型回折光学素子30は、特定次数に光線が充分集中していると言うことができる。
【0044】
(実施例4)
次に図19、図20、図21、図23を参照して、実施例4における積層型回折光学素子の構成とその製造方法を説明する。まず、平均粒径10nmのBaTiO3微粒子を10w%分散させたクロロフォルム溶液に100gにN−ビニルカルバゾール(東京化成工業製)を12gと光開始剤1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン0.15g添加した後、クロロフォルムを減圧して除去し光学原料32を製造した。
【0045】
次に図19(a)に示す様に、回折格子形状に加工された金型31に光学原料32を供給した。次に、図19(b)に示すように、光学材料32上にガラス(BK7)平板33を乗せ、型ごと70℃に保った状態でUV露光機(EX250:HOYA−SCHOTT社製)で20000mJ/cm2(100mW/cm2,200秒)で照射した。その後、図19(c)に示すように、硬化した光学素子32’を金型31から離型して回折光学素子34を製造した。この光学原料32はUV露光し硬化することにより、重合が進みポリビニルカルバゾールとBaTiO3微粒子の光学材料が形成される。尚、この光学素子32’を形成する光学材料の光学特性は(nd=1.867,νd=14.7)であった。この光学特性はnd>−6.667×10−3νd+1.70、νd≦16をともに満足するものである。
【0046】
一方、もう一つの光学素子を形成するための光学材料としては、実施例1と同様に光学特性が(nd=1.513,νd=51.0)の光硬化樹脂6を準備し、図3(a)〜(c)に示す実施例1と同様の方法により回折光学素子8を製造した。
【0047】
次に回折光学素子34と回折光学素子8の回折面に反射防止膜を成膜した後、図20に示す様に、お互いの回折格子が対向する様に組み合わせて積層型回折光学素子40を製造した。39は回折光学素子34と回折光学素子8の間隔を決定するスペーサである。回折光学素子34と回折光学素子8のそれぞれの格子間ピッチは共に80.00μmである。回折光学素子34と回折光学素子8のお互いの回折格子の谷間の間隔は9.60μm、山間の間隔は1.50μmである。回折光学素子24の山の高さは2.64μm、回折光学素子8の山の高さは5.46μmである。
【0048】
図21は、製造された積層型回折光学素子40における、入射角度0°の一次回折光の各波長(400nm〜700nm)における強度を示したグラフである。横軸は波長、縦軸は回折効率を示している。図21において、積層型回折光学素子40の回折効率は、使用波長の全域である波長400nm〜700nmの範囲において95%以上になっており、非常に良好な強度の波長分布を示していると言える。
【0049】
また図22は、積層型回折光学素子40への入射角度を変異させた際の、各入射角度における次回折光の強度の低下する比率を示したグラフである。横軸は入射角、縦軸は光の損失率である。図14において、入射角が大きくなればなるほど損失率は高くなるが、入射角10°のおける光損失率は3.24%であり、3.40%以下である。従ってこの値は非常に良好な特性を示しており、積層型回折光学素子40は、特定次数に光線が充分集中していると言うことができる。
【0050】
(比較例2)
次に図23、図24、図25、図26を参照して、比較例2における積層型回折光学素子の構成とその製造方法を説明する。比較例2としては、平均粒径10nmのTiO2微粒子を10w%分散させたフッ素系溶剤に100gに、下記一般式(1)で表わされる化合物の構造の非晶性フッ素樹脂を13.8g添加し光学原料212を製造した。
【0051】
一般式(1)
【0052】
【化1】
【0053】
次に図23(a)に示す様に、回折格子形状に加工された金型211に光学原料212を流し込んだ。次に、図23(b)に示すように、光学原料212の溶剤成分を70℃で加熱することにより70%程蒸発させた。その後、図23(c)に示すように、光学原料212上にガラス(BK7)平板213を乗せ、図39(d)に示すように、真空チャンバー215内に配置し、金型211ごと70℃に保った状態で2hPaの真空状態で48時間保持した。その後、図23(e)に示すように、硬化した光学素子212’を金型211から離型して回折光学素子214を作製した。尚、この光学素子212’を形成する光学材料の光学特性は(nd=1.589,νd=15.0)であった。この光学特性はνd≦16は満足しているが、nd>−6.667×10−3νd+1.70、は満足していない。
【0054】
一方、もう一つの光学素子を形成するための光学材料としては、実施例1と同様に光学特性が(nd=1.513,νd=51.0)の光硬化樹脂6を準備し、図3(a)〜(c)に示す実施例1と同様の方法により回折光学素子8を製造した。
【0055】
次に回折光学素子214と回折光学素子8に反射防止膜を成膜した後、図24に示す様に、お互いの回折格子が対向する様に組み合わせて積層型回折光学素子220を製造した。219は回折光学素子214と回折光学素子8の間隔を決定するスペーサである。回折光学素子214と回折光学素子8のそれぞれの格子間ピッチは80.00μmである。回折光学素子214と回折光学素子8のお互いの回折格子の谷間の間隔は11.49μm、山間の間隔は1.50μmである。回折光学素子214の山の高さは4.11μm、回折光学素子8の山の高さは5.87μmである。
【0056】
図25は、製造された積層型回折光学素子220における、入射角度0°の一次回折光の各波長(400nm〜700nm)における強度を示したグラフである。横軸は波長、縦軸は回折効率を示している。図25において、製造された積層型回折光学素子220における、入射角度0°の一次回折光の各波長(400nm〜700nm)における強度を示したグラフである。横軸は波長、縦軸は回折効率を示している。図6において、積層型回折光学素子220の回折効率は、使用波長の全域である波長400nm〜700nmの範囲において95%以上になっており、非常に良好な強度の波長分布を示していると言える。
【0057】
しかしながら、図26は、積層型回折光学素子220への入射角度を変異させた際の、各入射角度における次回折光の強度の低下する比率を示したグラフである。横軸は入射角、縦軸は光の損失率である。尚比較のために実施例1の図6の値もあわせて表示している。図26において、入射角が大きくなればなるほど損失率は高くなり、入射角10°のおける光損失率は3.48%である。この値は、要求される光損失率の値である3.40%以下である。従って積層型回折光学素子220は、積層型回折光学素子として特定次数に光線が充分に集中しているとはいえない。
【0058】
次に、前述の実施例1〜8及び比較例1〜2の、入射角10°のおける光損失率を表1に示した。表1において条件1とはnd>−6.667×10−3νd+1.70であり、条件2とはνd≦16である。各光学材料が条件を満足している場合には○、満足していなければ×で示してある。積層型回折光学素子に要求させるのは、入射角10°のおける光損失率は3.40%以下であるので、良否の判定は3.40%以下かどうかにより決定した。
【0059】
【表1】
【0060】
表1から分かるように実施例1〜8の光学材料においては、比較例1、2の光学素子に比べ、入射角10°のおける光損失率が小さく、特定次数に光線が集中していることが分かる。すなわち、条件1であるnd>−6.667×10−3νd+1.70及び条件2であるνd≦16の少なくとも一方でも満足していないと、所望の光損失率を達成する事ができずで、特定次数に光線を集中させる事ができない。
【0061】
また、本実施の形態においては2つの回折光学素子を、それらの回折面を対向して配置した2層型回折光学素子について述べるが、本発明はこれに限られるものではなく、3つ以上の回折光学素子または層を積層して配置し積層回折光学素子に使用することもできる。図27は、3層の積層型回折光学素子90の一例を示す断面図である。図27において、7はガラス基板であり、81は第1層、82は第2層、83は第3層である。第3層83は前述の実施例1〜8に示したnd>−6.667×10−3νd+1.70でかつ、νd≦16を満足する光学材料により形成されている。第1層81、第2層82を形成する光学材料は、そのアッペ数が第3層83を形成する光学材料のアッベ数よりも大きな値を有している。回折光学素子の層数を増やすことにより、より複雑な機能を有する光学素子とする事ができる。
【0062】
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態は、前述の第1の実施の形態で示した回折光学素子を投影光学系に使用したものである。図28に投影光学系93を示す。図28において91は光源、92はレチクル、98のレンズ鏡筒、94はレンズ、95は本発明の回折光学素子、96はウエハ、97はウエハステージである。
【0063】
回折光学素子95は、レンズ94の色収差を補正するように設けてある。ウエハステージ97によってウエハ96を所望の位置に位置決めし、不図示のフォーカス検出手段により、ウエハ高さをフォーカス位置に調整する。ここで、場合に応じて不図示の検出系によって、ウエハにすでに露光されている下のレイヤーのマークに対してレチクル92をアライメントする。フォーカスとアライメントが完了したとき、不図示のシャッターを開き、光源91からの照明光によってレチクルを照明し、レチクル92の上の回路パターンを投影光学系98によってウエハ96のレジスト上に投影露光する。
【0064】
こうして露光したウエハ96は公知の現像処理工程やエッチング工程等を介して複数のデバイスとなる。本発明に係る光学素子を有した光学系は画像形成用の光学機器や照明用の照明装置等にも同様に適用することができる。また本発明の光学素子としては、回折光学素子以外にも所望の形状を有する光学素子を使用する事ができる。
【0065】
[第3の実施の形態]
第3の実施の形態は、前述の第1の実施の形態で示した回折光学素子を撮影光学系に使用したものである。図29に撮影光学系を示す。図29において撮影光学系108は回折光学素子105、屈折光学素子103、絞り104を各々少なくとも1つ以上有している。図29では撮影光学系108に入射した物体からの光束が受光部(撮像手段)106に結像する状態を示している。
【0066】
回折光学素子105の設計次数の回折光は、屈折光学素子103との合成で特定の波長域で良好な光学性能が得られるように収差補正されている。受光部106は異なる分光感度を有する複数の受光体から構成され、異なる分光感度の受光体からの画像を合成することでカラー画像が得られる構成となっている。尚受光部106としてはCCD、銀塩フィルム、感光体、そして人眼の眼などが通常は用いられる。
【0067】
【発明の効果】
本発明によれば、d線の屈折率(nd)とアッペ数(νd)との関係がnd>−6.667×10−3νd+1.70および、アッペ数(νd)がνd≦16である光学材料とする事により、可視領域全域における各使用波長領域の回折効率が良好な光学素子を提供することができる。また使用波長域全域で特定次数(設計次数)の光線が充分集中させ、回折次数の回折光の強度を高める事ができる。またそれにより、設計次数以外の光線が設計次数の光線とは別な所に結像してしまうフレア光の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一般の光学材料における屈折率とアッペ数の分布を示すグラフ。
【図2】 実施例1における光学素子の成形プロセスを示す断面図。
【図3】 実施例1における光学素子の成形プロセスを示す断面図。
【図4】 実施例1における多層回折光学素子の構造を示す断面図。
【図5】 実施例1における多層回折光学素子の一次回折光強度を示すグラフ。
【図6】 実施例1における多層回折光学素子の光損失率を示すグラフ。
【図7】 比較例1における光学素子の成形プロセスを示す断面図。
【図8】 比較例1における多層回折光学素子の構造を示す断面図。
【図9】 比較例1における多層回折光学素子の一次回折光強度を示すグラフ。
【図10】 比較例1における多層回折光学素子の光損失率を示すグラフ。
【図11】 実施例2における光学素子の成形プロセスを示す断面図。
【図12】 実施例2における多層回折光学素子の構造を示す断面図。
【図13】 実施例2における多層回折光学素子の一次回折光強度を示すグラフ。
【図14】 実施例2における多層回折光学素子の光損失率を示すグラフ。
【図15】 実施例3における光学素子の成形プロセスを示す断面図。
【図16】 実施例3における多層回折光学素子の構造を示す断面図。
【図17】 実施例3における多層回折光学素子の一次回折光強度を示すグラフ。
【図18】 実施例3における多層回折光学素子の光損失率を示すグラフ。
【図19】 実施例4における光学素子の成形プロセスを示す断面図。
【図20】 実施例4における多層回折光学素子の構造を示す断面図。
【図21】 実施例4における多層回折光学素子の一次回折光強度を示すグラフ。
【図22】 実施例4における多層回折光学素子の一次回折光強度を示すグラフ。
【図23】 比較例2における光学素子の成形プロセスを示す断面図。
【図24】 比較例2における多層回折光学素子の構造を示す断面図。
【図25】 比較例2における多層回折光学素子の一次回折光強度を示すグラフ。
【図26】 比較例2における多層回折光学素子の光損失率を示すグラフ。
【図27】 3層の積層型回折光学素子の断面図。
【図28】 第2の実施の形態における投影光学系の模式図
【図29】 第3の実施の形態における撮影光学系の模式図
【符号の説明】
1,5,11,21,31,201,211 金型
2,12,22,32 光学原料
2’,12’,22’,32’,212’ 光学素子
3,7,13,23,33, ガラス平板
4,8,14,24,34,85,95,204,214 回折光学素子
光硬化樹脂
9,19,29,39,209,219 スペーサ
10,20,30,80,90,210,220 積層型回折光学素子
215 真空チャンバー
81 第1層
82 第2層
83 第3層
92 レチクル
93 レンズ鏡筒
94 レンズ
96 ウエハ
97 ウエハステージ
98 投影光学系
103 屈折光学素子
104 絞り
106 受光部
108 撮影光学系

Claims (5)

  1. 平均粒径が2〜100nmのTiO2、Nb2O5、Cr2O3、BaTiO3のうちの少なくとも一つの無機物質と、ポリビニルカルバゾールとを含み、d線の屈折率(nd)とアッペ数(νd)との関係が、nd>−6.667×10−3νd+1.70であり、アッペ数(νd)がνd≦16であることを特徴とする光学材料。
  2. 請求項1に記載の光学材料により形成された光学部材と、該光学部材をその表面に形成した基板からなることを特徴とする光学素子。
  3. 請求項2に記載の光学部材の表面は、回折形状が形成された回折面であることを特徴とする回折光学素子。
  4. 第1の基板の表面に、平均粒径が2〜100nmのTiO2、Nb2O5、Cr2O3、BaTiO3のうちの少なくとも一つの無機物質と、ポリビニルカルバゾールとを含み、d線の屈折率(nd)とアッペ数(νd)との関係が、nd>−6.667×10−3νd+1.70であり、アッペ数(νd)がνd≦16である第1の光学材料からなり、前記第1の基板の表面と逆の表面が回折形状を有する回折面である第1の光学部材が形成された第1の回折光学素子と、
    第2の基板の表面に、前記第1の光学材料よりもアッペ数が大きい第2の光学材料からなり、前記第2の基板の表面と逆の表面が回折形状を有する回折面である第2の光学部材が形成された第2の第2の回折光学素子とを有し、
    前記第1の回折光学素子と前記第2の回折光学素子は、お互いの回折面が対向して配置されていることを特徴とする積層型回折光学素子。
  5. 基板の表面に形成され、平均粒径が2〜100nmのTiO2、Nb2O5、Cr2O3、BaTiO3のうちの少なくとも一つの無機物質と、ポリビニルカルバゾールとを含み、d線の屈折率(nd)とアッペ数(νd)との関係が、nd>−6.667×10−3νd+1.70であり、アッペ数(νd)がνd≦16である第1の光学材料からなり、一方の表面が回折形状を有する回折面である第1の層と、該第1の層の回折面の上に形成され、前記第1の光学材料よりもアッペ数が大きい第2の光学材料からなる第2の層とを有することを特徴とする積層型回折光学素子。
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