JP4630645B2 - 光学系 - Google Patents

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Description

本発明は、光学系に関し、例えば、銀塩フィルム用カメラ、デジタルスチルカメラ、ビデオカメラ、望遠鏡、双眼鏡、プロジェクター、複写機等の光学系に好適なものである。
一般にデジタルカメラやビデオカメラ等の光学機器に用いられる光学系では、レンズ全長(光学全長、物体側の第1レンズ面から像面までの長さ)を短縮し、光学系全体の小型化を図るほど該収差、特に軸上色収差及び倍率色収差などの色収差が多く発生し、光学性能が低下する傾向にある。特にレンズ全長の短縮化を図ったテレフォトタイプの光学系では、焦点距離を伸ばすほど(長くするほど)色収差が多く発生する。
このような色収差の発生を低減する方法として、光学材料に異常部分分散材料を用いる方法や光路中に回折光学素子を用いる方法が一般的によく知られている。
テレフォトタイプの光学系では近軸軸上光線(光学系全系の焦点距離を1に正規化し、光学系の光軸と平行に、光軸からの高さ1の光を入射させたときの近軸光線である。以下物体は光学系の左側にあるものとし、物体側から光学系に入射する光線は左から右へ進むものとして扱う。)と瞳近軸光線(光学系全系の焦点距離を1に正規化し、光軸に対して−45°で入射する光線の内、光学系の入射瞳と光軸との交点を通過する近軸光線である。以下光学系への入射角度は、光軸から測って時計回りを正、反時計回りを負とする)の光軸からの通過位置が比較的に高くなる前方レンズ群に、蛍石等の異常部分分散を持った低分散の光学材料(アッベ数の大きな光学部材)で構成した正の屈折力のレンズと高分散の光学材料で構成した負の屈折力のレンズを用いて色収差の低減を行うのが一般的であり、このようなテレフォトタイプの光学系が種々提案されている(特許文献1〜3)。
また、異常部分分散の光学材料を用いず、回折光学素子を用いてテレフォトタイプの光学系において、色収差の補正を行った光学系が知られている(特許文献4、5)。特許文献4や特許文献5には、回折型光学素子と屈折型光学素子とを組み合わせることで、色収差を比較的良好に補正したFナンバーF2.8程度のテレフォトタイプの光学系が開示されている。
一般に回折光学素子は、アッベ数に相当する数値の絶対値が3.45と小さく、回折によるパワー(焦点距離の逆数)を僅かに変化させるだけで、球面収差、コマ収差、非点収差等にほとんど影響を与えることなく、色収差を大きく変化できる特徴がある。また、扱う光が回折光であるため、入射光の波長の変化に対してパワーが線形変化し、色収差係数の波長特性は完全な直線となる。
したがって、レンズ全長の短縮に際しては、主に球面収差、コマ収差、非点収差の補正に特化して収差補正を行えば良く、色収差に関しては、悪化した絶対量を気にすることなく色収差係数の波長特性の線形性が得られるように、構成レンズの材料の硝材と屈折力を最適化して設計を行えば、レンズ全長が短縮されたテレフォトタイプの光学系が得られる。
また、回折光学素子の光学特性に似た色収差の補正作用を持つ光学材料に、比較的高分散で、かつ比較的異常部分分散な特性を示す液体材料が知られていおり、それを用いた色消し光学系が提案されている(特許文献6,7)。
特公昭60−49883号公報 特公昭60−55805号公報 特開平11−119092号公報 特開平6−324262号公報 特開平6−331887号公報 米国特許第5731907号明細書 米国特許第5638215号明細書
特許文献1〜3に開示されている光学材料に蛍石等を使ったテレフォトタイプの光学系では、レンズ全長を比較的長めに設定した場合は色収差の補正が容易である。しかしながら、レンズ全長の短縮化を図ると色収差が多く発生し、これを良好に補正することが困難となる。この方法は、蛍石等の材料が持つ低分散と異常部分分散を利用して正の屈折力の前玉レンズ系で発生する色収差を単に低減するに留まるためである。レンズ全長の短縮に伴って悪化した色収差を補正しようとすると、例えば、蛍石のようなアッベ数の大きい低分散ガラスを使ったレンズでは、レンズ面の屈折力を大きく変化させないと色収差が大きく変化しない。このため、色収差の補正と、屈折力を大きくしたことによって発生する球面収差、コマ収差、非点収差などの諸収差の補正との両立が困難となる。
一方、回折光学素子は十分な色収差の補正作用があるものの、実際に用いる設計回折次数の回折光以外の不要な回折次数の回折光が発生し、この不要な回折光が色の付いたフレア光となって結像性能を悪化させるという問題が生じてくる。この不要な回折光を減ずる方法として、複数のブレーズ型の回折格子を光軸方向に積層した、所謂、積層型の回折光学素子を用い、これによって設計回折次数へエネルギーを集中させ、不要な回折光を大幅に減らす方法があるが、これでも依然として高輝度な被写体を撮影すると、不要な回折光によるフレアが現れてくるという問題がある。
また、回折光学素子の製造方法として、紫外線硬化樹脂等を金型で成型する方法が知られている。しかしながらこの方法は、回折光学素子の回折効率の敏感度が製造上極めて高い為、非常に高い金型精度や成型精度が要求され、製造が難しいという問題がある。
特許文献6,7に開示された材料は、液体であるために、それを封止する構造が必要となり、光学材料に用いる場合、製造が難しくなる。また、温度変化により屈折率、分散などの特性が大きく変化し、耐環境性が十分でない。更に空気との界面が得られないために十分な色収差の補正作用が得難い。
本発明は、色収差を始めとする諸収差を良好に補正することができる、製造が容易で、耐環境性に優れた光学系及びそれを有する光学機器の提供を目的とする。
本発明の光学系は、光入射側と光射出側が共に屈折面であり、アッベ数をνd、部分分散比をθgFとするとき、
−2.100×10-3・νd+0.693 < θgF
0.555 < θgF <0.9
なる条件を満足する固体材料からなる屈折光学素子を有し、前記固体材料は樹脂からなることを特徴としている。
この他本発明の光学系は、光入射側と光射出側が共に屈折面であり、アッベ数をνd、部分分散比をθgFとするとき、
−2.100×10 -3 ・νd+0.693 < θgF
0.555 < θgF <0.9
17.6≦νd<60
なる条件を満足する固体材料からなる屈折光学素子を有することを特徴としている。
また、この固体材料の部分分散比をθgdとするとき、
−2.407×10-3・νd+1.420 < θgd
1.255 < θgd < 1.67
なる条件を満足すると、更に好ましい。
ここでアッベ数νd、部分分散比θgF,θgdはg線(波長435.8nm),F線(486.1nm),d線(587.6nm),C線(656.3nm)に対する材料の屈折率をそれぞれNg,Nd,NF,NCとするとき、
νd=(Nd−1)/(NF−NC)
θgd=(Ng−Nd)/(NF−NC)
θgF=(Ng−NF)/(NF−NC)
である。
本発明によれば、製造が容易で、耐環境特性に優れた、高い光学性能を有するコンパクトな光学系が得られる。
以下、本発明の光学系について説明する。
本発明の光学系は、デジタルカメラ・ビデオカメラ、銀塩フィルム用カメラ等の撮像装置や、望遠鏡、双眼鏡等の観察装置、複写機、プロジェクター等の機器に用いられるものである。
本発明の光学系は、部分分散比の大きい(高い)固体材料(常温常圧)に屈折作用を持たせたことを特徴としている。すなわち、パワーを有する屈折光学素子(光学部材)を、部分分散比が大きい固体材料で形成したことを特徴としている。
尚、ここで屈折光学素子とは屈折作用でパワーが生じる、例えば屈折レンズ等を意味し、回折作用でパワーが生じる回折光学素子を含んでいない。
また、固体材料とは、光学系を使用する状態で固体の材料を指し、製造時などの光学系を使用する前での状態は、どのような状態であっても良い。例えば、製造時には液体材料であっても、それを硬化させて固体材料としたものも、ここでいう固体材料に該当する。
各実施例の光学系中に用いられる光学部材は、光入射側と光射出側が共に屈折面であり、このうち少なくとも一方の屈折面にパワーがあり、アッベ数をνd、部分分散比をθgFとするとき、以下の条件式(1),(2))を満足する常温常圧で固体材料より成っている。
−2.100×10-3・νd+0.693 < θgF …(1)
0.555 < θgF < 0.9 …(2)
条件式(1),(2)を満足する固体材料を光学系中に屈折光学素子として用いることによって、g線〜C線の広い波長帯域にわたって色収差の良好な補正が行える。
更に、条件式(1),(2)を満足する固体材料は、以下の条件式(3),(4)をも満足することが好ましい。
−2.407×10-3・νd+1.420 < θgd …(3)

1.255 < θgd < 1.67 …(4)
条件式(1),(2)に加えて、条件式(3),(4)をも同時に満足することによって、g線とd線間の色収差補正を行うことが可能になる。これにより、g線〜C線の波長帯域でより緻密な色収差補正が可能となる。
色収差補正の観点から、更に、
νd < 60 …(5)
を満足する固体材料とすることが好ましい。
条件式(1),(2)を満足する固体材料(以下「光学材料」ともいう。)の具体例としては、例えば樹脂がある。様々な樹脂の中でも特にUV硬化樹脂(Nd=1.635,νd=22.7,θgF=0.69)やN−ポリビニルカルバゾール(Nd=1.696,νd=17.7,θgF=0.69)は条件式(1),(2)を満足する光学材料である。尚、条件式(1),(2)を満足する樹脂であれば、これらに限定するものではない。
また、一般の硝材とは異なる特性を持つ光学材料として、下記の無機酸化物ナノ微粒子(無機微粒子)を合成樹脂(透明媒体)中に分散させた混合体がある。すなわち、TiO2(Nd=2.304,νd=13.8),Nb25(Nd=2.367,νd=14.0),ITO(Nd=1.8581,νd=5.53),Cr23(Nd=2.2178,νd=13.4),BaTiO3(Nd=2.4362,νd=11.3)等がある。
これらの無機酸化物の中では、TiO2(Nd=2.304,νd=13.8,θgF=0.87)微粒子を合成樹脂中に適切なる体積比で分散させた場合、上記条件式(1),(2)を満足する光学材料が得られる。
TiO2は様々な用途で使われる材料であり、光学分野では反射防止膜などの光学薄膜を構成する蒸着用材料として用いられている。他にも光触媒、白色顔料などとして、またTiO2微粒子は化粧品材料として用いられている。
各実施例において樹脂に分散させるTiO2微粒子の平均径は、散乱などの影響を考えると2nm〜50nm程度がよく、凝集を抑えるために分散剤などを添加しても良い。
TiO2を分散させる媒体材料としては、ポリマーが良く、成形型等を用いて光重合成形または熱重合成形することにより高い量産性を得ることができる。
また、ポリマーの光学定数の特性としても、部分分散比が比較的大きいポリマー、あるいはアッベ数が比較的小さいポリマーか、両者を満たすポリマーが良く、N−ポリビニルカルバゾール、スチレン、ポリメタクリル酸メチル(アクリル)、などが適用できる。後述する実施例ではTiO2微粒子を分散させるホストポリマーとしてUV硬化樹脂、N−ポリビニルカルバゾールを用いている。しかし、これに限定するものではない。
ナノ微粒子を分散させた混合体の分散特性N(λ)は、良く知られたDrudeの式から導きだされた次式によって簡単に計算することができる。即ち、波長λにおける屈折率N(λ)は、
N(λ)=[1+V{NTiO 2(λ)−1}+(1−V){NP 2(λ)−1}]1/2
である。
ここで、λは任意の波長、NTiOはTiO2の屈折率、NPはポリマーの屈折率、Vはポリマー体積に対するTiO2微粒子の総体積の分率である。
また、条件式(1),(2)を満足する光学材料としては、0℃〜40℃の範囲内におけるd線の屈折率の温度変化(変化率)の絶対値を|dn/dT|とするとき、以下の条件を満足することが好ましい。
すなわち、
|dn/dT|< 2.5×10-4(1/℃) …(6)
ここで条件式(6)の範囲をはずれると、0℃〜40℃の温度範囲で良好な光学性能を維持することが困難になる。
各実施例では、条件式(1),(2)を満足する光学材料を光学系中のレンズやレンズ表面に設けられた屈折力のある層(面)に適用している。
そして、この光学材料で構成された屈折面を非球面とすれば、色の球面収差などの色収差フレアを良好に補正することができる。また、この光学部材と空気などの雰囲気とで界面を形成したり、比較的屈折率の低い光学材料とで界面を形成したりすれば、界面の僅かな曲率変化で色収差を比較的大きく変化させることができるため好ましい。
次に部分分散比が大きい光学材料でパワーのある光学部材を光学系中に用いたときの光学系の収差補正に及ぼす作用について説明する。
光学材料の屈折率の波長依存特性(分散特性)において、アッベ数は分散特性曲線の全体の傾きを表し、部分分散比は分散特性曲線の曲がり具合を表している。
一般的に光学材料は、短波長側の屈折率が長波長側の屈折率よりも高く(アッベ数が正の値)、分散特性曲線は下に凸状(部分分散比が正の値)の軌跡を描き、短波長側になるほど波長の変化に対する屈折率の変化は大きくなる。そして、アッベ数の小さい分散の大きな光学材料ほど部分分散比が大きくなり、分散特性曲線は下に凸状が強まる傾向にある。
部分分散比が大きな光学材料では、その光学材料を用いたレンズ面の色収差係数の波長依存特性曲線は、部分分散比が小さな光学材料を用いた場合に比べて短波長側でより大きな曲がりを示す。
一方、部分分散比が小さな光学材料では、その光学材料を用いたレンズ面の色収差係数の波長依存特性曲線は波長域全体でより直線に近い形状を示す。
硝材など一般的な光学材料の部分分散比は、アッベ数に対してほとんど直線的な変化をする。この直線的な変化から外れた特性を持つ光学材料が、異常部分分散性を示す光学材料である。異常部分分散を持つ光学材料として、一般的には分散の小さな蛍石などがある。しかし、分散が小さく異常部分分散を持つ光学材料もアッベ数に対する変化はほとんど一様である。
異常部分分散を持つ光学材料をパワーのあるレンズとして用いた場合、レンズ面の色収差係数の波長依存特性曲線は一般の硝材を用いた場合と比べると、より線形性が高くなるか(部分分散比が小さい)又は、より曲がりが大きくなる(部分分散比が大きい)。
色収差係数の波長依存特性曲線の線形性が高いという点で、回折光学素子は部分分散比が極めて小さい。回折光学素子を用いた光学系では、全波長域に渡って色収差を良好に補正できる。しかし回折と屈折では光への影響が全く異なる。一般の光学材料は、上述の様にアッベ数は常に正の値をとり、また分散特性曲線は多かれ少なかれ下に凸状となる。
これに対して回折光学素子では逆に長波長側の屈折率の方が短波長側の屈折率よりも高くなり、また屈折率の波長に対する変化も一様となる。したがって回折光学素子のアッベ数は−3.45と負の値をとり、またその分散特性は直線となる。
このような一般の屈折材料とは全く異なる特性を活かした、回折光学素子を用いた光学系では、回折光学素子以外の部分で発生した比較的大きな色収差を回折光学素子部分でキャンセルすることにより、全波長域に渡って色収差を良好に補正することができる。
このように、部分分散比が極めて小さな光学材料を用いて光学系全体で全波長域に渡って色収差を良好に補正できる。
各実施例では異常部分分散材料のうち一般の硝材と比べて部分分散比が高い光学材料を用いて光学系全体で全波長域に渡って色収差を良好に補正している。
一般の硝材と比べて部分分散比の小さな光学材料と部分分散比の高い光学材料とをレンズに用いた場合の違いは、そのレンズ面における色収差係数の波長依存特性曲線の短波長側の曲がりが少なくなるか大きくなるかということである。
また、この短波長側の曲がりは光学材料の分散特性の曲がりによるものである。ここで今、単純化のためにd線の屈折率とアッベ数が等しい光学材料について説明する。部分分散比が大きい材料、普通の部分分散比が普通の材料(一般の光学材料)、そして部分分散比が小さな材料を同じパワーでレンズとして使った時の、この短波長側と長波長側の色収差係数の差をそれぞれΔN、ΔN、ΔNとすると、これらの関係は以下の式で表される。
ΔN > ΔN > ΔN > 0 …(a)
片方のレンズを異常部分分散の材料で構成した2枚のレンズの組み合わせから成る光学系について説明する。
まず部分分散比が普通の材料と部分分散比が小さな材料で構成される同じパワーのレンズが2枚並んでいるとすると、この光学系の短波長側と長波長側の色収差係数の差は、ΔN+ΔNとなる。これは部分分散比の普通の材料を2枚用いた時と比べると、ΔN−ΔNだけ減っていることになる。
つまり部分分散比が普通の材料を2枚用いたときに比べて色収差を減らすことができる。
次に部分分散比が普通の材料と、部分分散比が大きな材料の組み合わせについて説明する。この光学系の短波長側と長波長側の色収差係数の差は、ΔN+ΔNとなる。
これは部分分散比が普通の材料を2枚用いた時と比べると、ΔN−ΔNだけ増えている。したがって、曲がりの少ない部分分散比が小さい材料を用いた場合に、短波長側の色収差を減らすことができるとすれば、曲がりの大きい部分分散比が大きな材料を用いた場合は、逆に短波長側の色収差を増やしてしまう。しかし、これは部分分散比が大きな材料と部分分散比が小さな材料を同じパワーで用いた場合である。
この状態で部分分散比が大きな材料を用いたレンズのパワーを正,負逆にする、つまり2枚並んでいるレンズのうち片方のレンズのパワーを正,負逆にして、そこに部分分散比が大きな材料を用いる。すると部分分散比の大きな材料を用いた場合は、部分分散比が普通の材料を2枚用いたときと比べると逆にΔN−ΔNだけ短波長側の収差を減らすことができる。
部分分散比が普通の材料を組み合わせても、色収差係数の波長依存特性曲線の曲がり成分と傾き成分を同時に波長域全体で色収差を良好に補正することは困難である。そこで部分分散比が普通の硝材に比べて短波長側の曲がり成分を減らすことのできる部分分散比が小さな材料を適切に用いて色収差を補正することができる。しかし短波長側の色収差を減らすという観点では、部分分散比が大きな材料を部分分散比が小さな材料とは逆のパワーで用いてやれば同様なことが可能である。なお、パワーの正負が異なるということは、部分分散比が大きな材料と部分分散比が小さな材料では短波長側以外でも逆の作用をする。したがって、それとバランスを取るための光学系の他の硝材の動かし方も逆になる。
このことを、部分分散比が大きな材料を用いた屈折光学系部分GNLと部分分散比が大きくない普通の材料を用いた屈折光学系部分Gから構成される望遠レンズでの色消し作用を例にとり説明する。
まず屈折光学系部分Gが部分系としてある程度、色収差が補正された状態から、屈折光学系部分Gを構成する負レンズに比較的、部分分散比の大きな材料を選択する。ここで一般的に部分分散比の大きな材料は同時に分散が大きいので、屈折光学系部分Gの色収差係数の波長依存特性曲線は、もとの状態よりも大きく曲がりながら全体の傾きが変化する。
この状態で、屈折光学系部分GNLに適当なパワーを与えると同時に、屈折光学系部分Gを構成する正レンズも比較的分散の大きな材料を選択する。ところが、屈折光学系部分GNLをアッベ数に対して一様な部分分散比を持つ一般の光学材料で構成している場合、屈折光学系部分GNLは、屈折光学系部分Gの収差係数の波長依存特性曲線の曲がり成分と傾き成分に同時に一定の割合で寄与するため、そのどちらの成分も同時にキャンセルすることができない結果となる。
これに対し、屈折光学系部分GNLを一般の材料に比べて部分分散比の大きな材料で構成している場合は、屈折光学系部分GNLは主に屈折系部分Gの色収差の波長依存特性曲線全体の曲がり成分に寄与するため、主に曲がり成分だけをキャンセルさせることができる。
その結果、屈折光学系部分GNLでは主に屈折系部分Gの色収差の波長依存特性曲線全体の曲がり成分を、屈折光学系部分Gを構成する正レンズでは主に傾き成分を、それぞれ独立に同時にキャンセルさせることができる。
また屈折光学系部分GNLのアッベ数の絶対値が小さい、すなわち分散が大きければ、色収差を独立に補正することが可能となるので好ましい。このことをレンズ面の軸上色収差係数及び倍率色収差係数を用いて説明する。
屈折レンズの面のパワー変化をΔψとするとレンズ面での軸上色収差係数の変化ΔLと倍率色収差係数の変化△Tは、次のように表せる。
ΔL ∝ Δψ/ν …(b)
ΔT ∝ Δψ/ν …(c)
式(b)及び式(c)から明らかなとおり、レンズ面のパワー変化に対する各収差係数の変化ΔL,ΔTは、アッベ数νの絶対値が小さい(すなわち、分散が大きい)ほど大きくなる。したがって、アッベ数νの絶対値が小さい分散の大きな材料を用いれば、必要な色収差を得るためのパワー変化量は小さくて済むことになる。
このことは収差論上、球面収差、コマ収差や非点収差などに大きな影響を及ぼすことなく色収差をコントロールでき、色収差補正の独立性が高まることを意味する。
逆に、分散の小さな材料を用いると、必要な色収差を得るためのパワー変化量は大きくなり、それに伴って球面収差などの諸収差が大きく変化し、色収差補正の独立性が弱まることになる。したがって、光学系を構成するレンズの内、少なくとも1つのレンズ面は、高分散材料で形成された屈折レンズ面であることが収差補正上重要である。
また屈折光学系部分GNLは一般の光学材料と組み合わせて使用するため、屈折光学系部分GNLに用いられる材料の部分分散比は一般の光学材料とは異なることが必要ではあるが、あまりかけ離れすぎては良くない。
あまりに一般の光学材料とかけ離れた材料より成るレンズとして用いた場合、そのレンズ面の色収差係数の波長依存特性曲線の短波長側の曲がりが特に大きくなる。その大きな曲がりを打ち消すためには、他のレンズのパワーも強くしなければならず、結局、球面収差、コマ収差や非点収差などに大きな影響を及ぼし、収差補正上困難となる。
つまり、屈折光学系部分GNLの材料としては、一般の光学材料に比べて部分分散比が大きな光学材料であり、かつ一般の光学材料と比べて部分分散比がかけ離れすぎないことも重要である。本発明の各実施例で特定する条件式(1),(2)は、上で説明した原理に基づいて色収差を良好に補正するためのアッベ数νdと部分分散比θgFの関係を表したものである。
なお、条件式(1)の数値範囲は、以下の範囲とすることで更に良好な色収差補正効果が期待できる。
−2.100×10-3・νd+0.693 < θgF <
−1.231×10-3・νd+0.900…(1a)
更に望ましくは、以下に示す範囲とするのが良い。
−2.100×10-3・νd+0.693 < θgF <
−1.389×10-3・νd+0.823…(1b)
更に望ましくは、以下に示す範囲とするのが良い。
−1.682×10-3・νd+0.700 < θgF <
−1.682×10-3・νd+0.756…(1c)
条件式(2)の数値範囲は、条件式(1),(1a),(1b)又は(1c)を満足した上で、以下の範囲とすると更に良好な色収差補正効果が期待できる。
0.555 < θgF < 0.86 …(2a)
更に望ましくは、以下に示す範囲とするのが良い。
0.555 < θgF < 0.80 …(2b)
条件式(3)の数値範囲は、以下の範囲とすることで更に良好な色収差補正効果が期待できる。
−2.407×10-3・νd+1.420 < θgd <
−1.152×10-3・νd+1.651…(3a)
更に望ましくは、以下に示す範囲とするのが良い。
−2.407×10-3・νd+1.420 < θgd <
−1.865×10-3・νd+1.572…(3b)
更に望ましくは、以下に示す範囲とするのが良い。
−2.076×10-3・νd+1.426 < θgd <
−2.076×10-3・νd+1.512…(3c)
条件式(4)の数値範囲は、条件式(3),(3a),(3b)又は(3c)を満足した上で、以下の範囲とすると更に良好な色収差補正効果が期待できる。
1.255 < θgd < 1.61 …(4a)
更に望ましくは、以下に示す範囲とするのが良い。
1.255 < θgd < 1.54 …(4b)
条件式(5)の数値範囲は、以下の範囲とすることで更に良好な色収差補正効果が期待できる。
17.6≦νd<60 ・・・(5)
更に望ましくは以下に示す範囲とするのが良い。
17.6≦νd<45 ・・・(5a)
更に望ましくは、以下に示す範囲とするのが良い。
17.6≦νd < 30 …(5b)
条件式(1),(2)を満足する光学材料より成る光学部材を具体的な光学系に応用した実施例について説明する。ここでは、条件式(1),(2)を満足する光学材料として、UV硬化樹脂1、N−ポリビニルカルバゾール、またTiO2をホストポリマーであるUV硬化樹脂、N−ポリビニルカルバゾールに分散させたTiO2微粒子分散材料を用いている。なおTiO2微粒子を分散させるUV硬化樹脂は2種類(UV硬化樹脂1、UV硬化樹脂2)を用いている。
後述する実施例1〜5で用いている光学材料(UV硬化樹脂1、TiO2微粒子分散材料、N−ポリビニルカルバゾール)の光学定数値を表―1に、TiO2微粒子分散材料を構成するUV硬化樹脂2とTiO2の単独の光学定数値を表−2に示す。各表には、各光学材料のd線、g線、C線及びF線に対する屈折率及びアッベ数、部分分散比の値を示している。図12,13にこれらの光学材料と、条件式(1)〜(5)との関係を示す。
図1は数値実施例1の光学系の断面図であり、焦点距離300mmの超望遠レンズにUV硬化樹脂1を用いた例である。図1中、UV硬化樹脂1で形成したレンズ(層)をGNL1で示している。SPは開口絞りである。
IPは像面であり、ビデオカメラやデジタルスチルカメラの撮影光学系として使用する際にはCCDセンサやCMOSセンサ等の固体撮像素子(光電変換素子)の撮像面に、銀塩フィルム用カメラの撮影光学系として使用する際にはフィルム面に相当する感光面が置かれる。
図2は数値実施例1の光学系の無限遠物体に合焦した状態での収差図である。図1において、左側が物体側(前方)、右側が像側(後方)であり、これは他の数値実施例でも同様である。
収差図において、d,gは各々d線及びg線、ΔM,ΔSは各々メリディオナル像面,サジタル像面、FnoはFナンバー、ωは半画角、倍率色収差はg線によって表わしており、これは他の収差図も同様である。
数値実施例1の光学系では、近軸軸上光線の光軸からの通過位置が比較的高くなる物体側にUV硬化樹脂1(表−1)より成るレンズ(パワーのある光学部材)を導入している。そして、UV硬化樹脂1で形成されたレンズ(層)GNL1に正の屈折力を与え、主に軸上色収差を補正することにより、望遠比0.677と非常にコンパクトな超望遠レンズを得ている。
図3は数値実施例2の光学系の断面図であり、焦点距離300mmの超望遠レンズにTiO2微粒子をUV硬化樹脂1に体積比で20%分散させた混合体を用いた例である。図3中、TiO2微粒子分散材料で形成したレンズ(層)をGNL1で示しており、SPは開口絞り、IPは像面である。
図4は数値実施例2の光学系の無限遠物体に合焦した状態での収差図である。
数値実施例2の光学系では、近軸軸上光線の光軸からの通過位置が比較的高くなる物体側にTiO2微粒子分散材料より成るレンズを導入している。そして、TiO2微粒子分散材料で形成されたレンズ(層)GNL1に正の屈折力を与え、主に軸上色収差を補正することにより、望遠比0.700と非常にコンパクトな超望遠レンズを得ている。
図5は数値実施例3の光学系の断面図であり、焦点距離300mmの超望遠レンズにTiO2微粒子をUV硬化樹脂2に体積比で20%分散させた混合体を用いた例である。図3中、TiO2微粒子分散材料で形成したレンズ(層)をGNL1で示しており、SPは開口絞り、IPは像面である。図6は数値実施例3の光学系の無限遠物体に合焦した状態での収差図である。
数値実施例3の光学系では、近軸軸上光線の光軸からの通過位置が比較的高くなる物体側にTiO2微粒子分散材料より成るレンズを導入している。そして、TiO2微粒子分散材料で形成されたレンズ(層)GNL1に正の屈折力を与え、主に軸上色収差を補正することにより、望遠比0.700と非常にコンパクトな超望遠レンズを得ている。
図7は数値実施例4の光学系の断面図であり、正の屈折力の第1レンズ群L1、負の屈折力の第2レンズ群L2、正の屈折力の第3レンズ群L3、正の屈折力の第4レンズ群L4からなるズーム比4程度の4群構成のズームレンズの一部にN−ポリビニルカルバゾールより成るレンズを用いた例である。
図7中、N−ポリビニルカルバゾールで形成したレンズ(層)をGNL1で示しており、SPは開口絞り、IPは像面である。
Gは差込フィルターや、光学的ローパスフィルター、赤外カットフィルター等に相当するものである。
図8(A)〜(C)はそれぞれ、数値実施例4の光学系(ズームレンズ)の広角端、中間焦点距離、望遠端における無限遠物体に合焦した状態での収差図である。
数値実施例4の光学系では、ズームレンズを構成するレンズ群の内、瞳近軸光線の光軸からの通過位置が比較的高くなる像側の第3レンズ群L3にN−ポリビニルカルバゾールより成るレンズを導入している。
そして、N−ポリビニルカルバゾールで形成されたレンズ(層)GNL1に正の屈折力を与え、主に倍率色収差を補正することにより、コンパクト化を達成している。
図9は数値実施例5の光学系の断面図であり、正の屈折力の第1レンズ群L1、負の屈折力の第2レンズ群L2、正の屈折力の第3レンズ群L3、正の屈折力の第4レンズ群L4からなるズーム比4程度の4群構成のズームレンズの一部にTiO2微粒子をUV硬化樹脂2に分散させた混合体より成るレンズを用いた例である。
図9中、TiO2微粒子分散材料で形成したレンズ(層)をGNL1で示しており、SPは開口絞りである。Gはガラスブロックである。図10(A)〜(C)はそれぞれ、数値実施例4の光学系(ズームレンズ)の広角端、中間焦点距離、望遠端における無限遠物体に合焦した状態での収差図である。
数値実施例5の光学系では、ズームレンズを構成するレンズ群の内、瞳近軸光線の光軸からの通過位置が比較的高くなる像側の第3レンズ群L3にTiO2微粒子分散材料より成るレンズを導入している。
そして、TiO2微粒子をUV硬化樹脂2に体積比で3%分散させた材料で形成されたレンズ(層)GNL1に正の屈折力を与え、主に倍率色収差を補正することにより、コンパクト化を達成している。
以下、数値実施例1〜5の具体的な数値データを示す。各数値実施例において、iは物体側から数えた面の番号を示し、Riは第i番目の光学面(第i面)の曲率半径、Diは第i面と第(i+1)面との間の軸上間隔、Ni,νiはそれぞれd線に対する第i番目(樹脂やTiO2微粒子分散材料で形成されたレンズ(層)は除く)の光学部材の材料の屈折率、アッベ数を示す。樹脂やTiO2微粒子分散材料で形成されたレンズGNLjのd線に対する屈折率、アッベ数は別途NGNLj,νGNLj(j=1,2,…)で示している。fは焦点距離、FnoはFナンバー、ωは半画角である。
また、非球面形状は、Xを光軸方向の面頂点からの変位量、hを光軸と垂直な方向の光軸からの高さ、rを近軸曲率半径、kを円錐定数、B,C,D,E…を各次数の非球面係数とするとき、
で表す。
なお、各非球面係数における「E±XX」は「×10±XX」を意味している。
数値実施例4,5の最も像側の平面(曲率半径∞の面)R18〜R22は、差込フィルターや、光学的ローパスフィルター、赤外カットフィルター等に相当するものである。
数値実施例1,4ではそれぞれUV硬化樹脂1、N−ポリビニルカルバゾールを単体で用いている。数値実施例2,3及び5ではTiO2をホストポリマーに分散させた状態で用いており、TiO2微粒子分散材料の屈折率は、前述の(d)式を用いて計算した値を用いて算出している。数値実施例2ではホストポリマーとしてUV硬化樹脂1を用いており、TiO2の体積分率は20%である。数値実施例3及び5ではホストポリマーとしてUV硬化樹脂2を用いており、TiO2の体積分率はそれぞれ20%及び3%である。
次に本発明の光学系を撮影光学系として用いたデジタルスチルカメラ(撮像装置)の実施例を図11を用いて説明する。
図11において、20はカメラ本体、21は本発明の光学系によって構成された撮影光学系、22はカメラ本体に内蔵され、撮影光学系21によって形成された被写体像を受光するCCDセンサやCMOSセンサ等の固体撮像素子(光電変換素子)、23は撮像素子22によって光電変換された被写体像に対応する情報を記録するメモリ、24は液晶ディスプレイパネル等によって構成され、固体撮像素子22上に形成された被写体像を観察するためのファインダである。
このように本発明の光学系をデジタルスチルカメラ等の撮像素子に適用することにより、小型で高い光学性能を有する撮像装置を実現している。
図12はアッベ数と部分分散比θgFについて、本発明の条件式(1),(2)の範囲と、表1,表2の物質及び一般の光学ガラスとの関係を示したものである。図13はアッベ数と部分分散比θgdについて、本発明の条件式(3),(4)の範囲と、表1,表2の物質及び一般の光学ガラスとの関係を示したものである。
実施例1の光学系の光学断面図 実施例1の光学系の収差図 実施例2の光学系の光学断面図 実施例2の光学系の収差図 実施例3の光学系の光学断面図 実施例3の光学系の収差図 実施例4の光学系の光学断面図 実施例4の光学系の収差図 実施例4の光学系の収差図 実施例4の光学系の収差図 実施例5の光学系の光学断面図 実施5の光学系の収差図 実施5の光学系の収差図 実施5の光学系の収差図 本発明の撮像装置の要部概略図 本発明の条件式(1),(2)の範囲を説明する図 本発明の条件式(3),(4)の範囲を説明する図
符号の説明
L1 第1レンズ群
L2 第2レンズ群
L3 第3レンズ群
L4 第4レンズ群
SP 絞り
IP 像面
G ガラスブロック
d d線
g g線
ΔS サジタル像面
ΔM メリディオナル像面

Claims (13)

  1. 光入射側と光射出側が共に屈折面であり、アッベ数をνd、部分分散比をθgFとするとき、
    −2.100×10-3・νd+0.693 < θgF
    0.555 < θgF <0.9
    なる条件を満足する固体材料からなる屈折光学素子を有し、前記固体材料は樹脂からなることを特徴とする光学系。
  2. 前記固体材料のアッベ数をνdとするとき、
    νd < 60
    なる条件を満足することを特徴とする請求項に記載の光学系。
  3. 光入射側と光射出側が共に屈折面であり、アッベ数をνd、部分分散比をθgFとするとき、
    −2.100×10-3・νd+0.693 < θgF
    0.555 < θgF <0.9
    17.6≦νd<60
    なる条件を満足する固体材料からなる屈折光学素子を有することを特徴とする光学系。
  4. 前記固体材料は、樹脂からなることを特徴とする請求項に記載の光学系。
  5. 前記固体材料は、無機微粒子を透明媒体に分散させた混合体からなることを特徴とする請求項に記載の光学系。
  6. 前記無機微粒子は、TiO微粒子であることを特徴とする請求項5に記載の光学系。
  7. 前記固体材料の部分分散比をθgdとするとき、
    −2.407×10-3・νd+1.420 < θgd
    1.255 < θgd <1.67
    なる条件を満足することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の光学系。
  8. 前記固体材料の0℃〜40℃の範囲内におけるd線の屈折率の温度に対する変化率の絶対値を|dn/dT|とするとき、
    |dn/dT| < 2.5×10-4/℃
    なる条件を満足することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の光学系。
  9. 前記屈折光学素子は、成形型を用いて光重合成形または熱重合成形されることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の光学系。
  10. 前記屈折光学素子の2つの屈折面のうち、少なくとも一方の屈折面は非球面形状であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の光学系。
  11. 前記屈折光学素子の2つの屈折面のうち、少なくとも一方の屈折面は空気に接することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の光学系。
  12. 光電変換素子に像を形成することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の光学系。
  13. 請求項1乃至12のいずれか1項の光学系と、該光学系によって形成される像を受光する光電変換素子とを備えることを特徴とする光学機器。
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