JP4767836B2 - 光学用樹脂組成物およびそれを用いた光学素子 - Google Patents

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Description

本発明は、光学素子を形成するのに適した光学用樹脂組成物およびその光学用樹脂組成物を用いた光学素子に関するものであり、特に異常分散性を有する光学素子が得られる光学用樹脂組成物およびその光学用樹脂組成物を用いた光学素子に関するものである。
近年、カメラ、ビデオカメラあるいはカメラ付携帯電話、テレビ電話あるいはカメラ付ドアホン等に用いられる撮像モジュールでは光学系の小型軽量、低コスト化が大きな課題となっている。そこでこれらの光学系では収差をなくすため、非球面レンズや異常分散ガラスからなるレンズを多用するようになってきた。特に光学系の小型には異常分散ガラスによる色収差の低減は非常に有用である。
従来、異常分散ガラスとしては、弗燐酸系、B23−Al23−PbO系、SiO2−B23−ZrO2−Nb25系等の光学ガラスが知られている。これらの異常分散ガラスをレンズ等の光学素子として用いる場合、所望の形状にするため研削および研磨加工が必要であり、加工に時間がかかるので量産にはむかない、あるいは加工工程においてガラスが柔らかいため、欠けたり表面が変色したりするなど加工性が悪いという欠点があった。
また近年、低融点な異常分散ガラスが開発され、高温で押圧成形することによって光学素子を得ることが可能となってきた。しかしながら、高温で押圧成形可能な低融点な異常分散ガラスでは、高温での成形中に失透や濁りを生じる欠点があった。
さらに、異常分散性を有する紫外線硬化型硬化樹脂あるいはN−ポリビニルカルバゾールに、TiO2 やNb25、ITO、Cr23、BaTiO3 等の無機酸化物ナノ微粒子を分散させた光学材料が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この光学材料は、樹脂にナノ微粒子を分散させるため、ナノ微粒子の粒径を小さく制御したり、分散剤によってナノ微粒子の凝集を防いだりしても、光散乱を完全に抑えることは困難であった。
特開2006−145823号公報
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、加工が容易であり、硬化物において十分な異常分散性と耐久性を有する光学用樹脂組成物、およびそれを用いた光学素子を提供することを目的とする。
本発明は、N−アクリロイルカルバゾール(A)50〜60質量%、多官能ポリエステルアクリレート(B)15〜35質量%、およびジメチロールトリシクロデカンジアクリレート(C)15〜25質量%からなる樹脂成分100質量部に対して、重合開始剤(E)0.1〜5質量部を含有した光学用樹脂組成物の硬化物からなり、前記光学用樹脂組成物の硬化物のアッベ数νdの範囲が10〜30であり、かつF線とg線における異常分散度ΔθgFの範囲が0.03〜0.10である可視光光学系用光学素子である。
また、N−アクリロイルカルバゾール(A)50〜60質量%、多官能ポリエステルアクリレート(B)5〜34質量%、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート(C)15〜25質量%および9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン(D)1〜15質量%からなる樹脂成分100質量部に対して、重合開始剤(E)0.1〜5質量部を含有した光学用樹脂組成物の硬化物からなり、
前記光学用樹脂組成物の硬化物のアッベ数νdの範囲が10〜30であり、かつF線とg線における異常分散度ΔθgFの範囲が0.03〜0.10である可視光光学系用光学
前記重合開始剤(E)が、光重合開始剤である前記の可視光光学系用光学素子である。
N−アクリロイルカルバゾール(A)50〜60質量%、多官能ポリエステルアクリレート(B)15〜35質量%、およびジメチロールトリシクロデカンジアクリレート(C)15〜25質量%からなる樹脂成分100質量部に対して、重合開始剤(E)0.1〜5質量部を含有し、硬化物のアッベ数νdの範囲が10〜30であり、かつF線とg線における異常分散度ΔθgFの範囲が0.03〜0.10である光学用樹脂組成物の硬化物を積層した可視光光学系用複合型光学素子である。
N−アクリロイルカルバゾール(A)50〜60質量%、多官能ポリエステルアクリレート(B)5〜34質量%、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート(C)15〜25質量%および9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン(D)1〜15質量%からなる樹脂成分100質量部に対して、重合開始剤(E)0.1〜5質量部を含有し、硬化物のアッベ数νdの範囲が10〜30であり、かつF線とg線における異常分散度ΔθgFの範囲が0.03〜0.10である光学用樹脂組成物の硬化物を積層した可視光光学系用複合型光学素子である。
前記重合開始剤(E)が、光重合開始剤である前記の可視光光学系用複合型光学素子である。
また、前記のいずれかに記載の可視光光学系である。
N−アクリロイルカルバゾール(A)50〜60質量%、多官能ポリエステルアクリレート(B)15〜35質量%、およびジメチロールトリシクロデカンジアクリレート(C)15〜25質量%からなる樹脂成分100質量部に対して、重合開始剤(E)0.1〜5質量部を含有した光学用樹脂組成物の硬化物からなり、前記光学用樹脂組成物の硬化物のアッベ数νdの範囲が10〜30であり、かつF線とg線における異常分散度ΔθgFの範囲が0.03〜0.10であることを特徴とする光学素子を光学系に用い、前記光学系を可視光を対象とした撮像に用いる光学素子の使用方法である。
N−アクリロイルカルバゾール(A)50〜60質量%、多官能ポリエステルアクリレート(B)5〜34質量%、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート(C)15〜25質量%および9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン(D)1〜15質量%からなる樹脂成分100質量部に対して、重合開始剤(E)0.1〜5質量部を含有した光学用樹脂組成物の硬化物からなり、前記光学用樹脂組成物の硬化物のアッベ数νdの範囲が10〜30であり、かつF線とg線における異常分散度ΔθgFの範囲が0.03〜0.10であることを特徴とする光学素子を光学系に用い、前記光学系を可視光を対象とした撮像に用いる光学素子の使用方法である。
N−アクリロイルカルバゾール(A)50〜60質量%、多官能ポリエステルアクリレート(B)5〜34質量%、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート(C)15〜25質量%および9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン(D)1〜15質量%からなる樹脂成分100質量部に対して、重合開始剤(E)0.1〜5質量部を含有し、硬化物のアッベ数νdの範囲が10〜30であり、かつF線とg線における異常分散度ΔθgFの範囲が0.03〜0.10である光学用樹脂組成物の硬化物を積層したことを特徴とする複合型光学素子を光学系に用い、前記光学系を可視光を対象とした撮像に用いる光学素子の使用方法である。
本発明の光学用樹脂組成物は、紫外線等の照射により容易に硬化物とすることができるので、加工性に優れ生産性が高い。また、その硬化物、すなわち光学素子は十分な異常分散性を有する。そのため、この光学素子を光学系の補正に用いることで、色収差の小さい光学系を実現することができる。その際、少ない枚数で光学系の色収差を補正できるので、光学系の小型軽量化も図ることができる。また、当該光学素子は、透明性、耐光性および温度サイクルでの耐久性に優れるため、カメラ、ビデオカメラあるいはカメラ付携帯電話、テレビ電話あるいはカメラ付ドアホン等に用いられる撮像モジュールの光学系に最適である。
本発明の光学用樹脂組成物およびそれを用いた光学素子は、N−アクリロイルカルバゾール(A)、多官能ポリエステルアクリレート(B)、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート(C)からなる樹脂成分100質量部、または上記成分(A)〜(C)と9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン(D)からなる樹脂成分100質量部に対して、重合開始剤(E)0.1〜5質量部を含有するものである。
N−アクリロイルカルバゾール(A)は、カルバゾールあるいはカルバゾール誘導体にアクリル基を導入した化合物で、本発明の光学用樹脂組成物の主成分として用いられる。N−アクリロイルカルバゾール(A)は、非常にアッベ数が小さくかつ異常分散性の高い化合物である。
多官能ポリエステルアクリレート(B)は、多価アルコール、多価カルボン酸または酸無水物、およびアクリル酸、メタクリル酸またはペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスルトールペンタアクリレート等の水酸基含有アクリレート等を硫酸等の触媒存在下で反応させることにより得られる。
反応させる多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ノナメチレングリコール、ビスフェノールAエチレンオキシド付加物、ビスフェノールAプロピレンオキシド付加物、水素化ビスフェノールA、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリメチロールプロパンモノアリルエーテル、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
また、多価カルボン酸または酸無水物としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水ヘット酸等が挙げられる。これらの多価アルコール、多価カルボン酸または酸無水物は、それぞれ1種のみで用いても、2種以上を併用しても良い。
なかでもビスフェノールAエチレンオキシド付加物、ビスフェノールAプロピレンオキシド付加物とアジピン酸から得られる多官能ポリエステルアクリレート(B)は、加工性、耐久性に優れるため好ましい。
また、多官能ポリエステルアクリレート(B)には、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート等の多官能アクリレートが含有されていても構わない。本発明で用いることができる多官能ポリエステルアクリレートとして、アロニックスM−7300K(東亞合成製)が挙げられる。
本発明の光学用樹脂組成物は、多官能ポリエステルアクリレート(B)を含有することにより、光学用樹脂組成物の硬化物を得る際の加工性が向上する。また、得られた硬化物において耐久性が向上する。
ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート(C)は、ジメチロールトリシクロデカンにアクリル酸またはメタクリル酸をエステル化反応により付加させることによって得ることができる。
本発明の光学用樹脂組成物は、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート(C)を含有することにより粘度が低粘度となるので、硬化物を得る際の加工性が向上する。また、得られた硬化物は低吸水であるとともに、環状構造によって強度の高い硬化物となるので耐久性も向上する。
9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン(D)は縮合多環系のジアクリレートである。
本発明の光学用樹脂組成物は、上記成分(A)〜(C)と共に,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン(D)を含有することにより、高屈折率を維持しつつ、光学用樹脂組成物の硬化物を得る際の加工性を向上することができる。
アッベ数が小さくかつ異常分散性の大きい光学素子は、光学系における色収差を低減させる上で重要な素子である。上述のN−アクリロイルカルバゾール(A)は、このような光学素子を得るための光学用樹脂組成物を作るのに非常に有用な成分である。
しかし、光学素子に加工する工程の雰囲気温度である室温付近では、N−アクリロイルカルバゾール(A)は固体であるので、単独では光学素子に加工できない。また、N−アクリロイルカルバゾール(A)単独の硬化物は、太陽光による劣化によって黄変が起きやすい。さらに、−40℃程度の低温から80℃程度の高温の温度領域での温度サイクルによる変形、割れが起こる問題がある。
そこで、本発明の光学用樹脂組成物では、N−アクリロイルカルバゾール(A)に多官能ポリエステルアクリレート(B)およびジメチロールトリシクロデカンジアクリレート(C)、必要に応じて9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン(D)を所定の比率で含有する樹脂成分に対して、重合開始剤(E)を含有させている。
このようにすると、室温付近で液体状となった光学用樹脂組成物を得ることができる。そして、この光学用樹脂組成物を硬化させることで、任意の形状の硬化物、すなわち光学素子を得ることができる。また、この硬化物(光学素子)において、太陽光線による劣化を防止し、温度変化による変形、割れ等を防止することができる。
ここで、本発明の光学用樹脂組成物における樹脂組成中のN−アクリロイルカルバゾール(A)の含有比率は、50〜60質量%とすることが必要である。この含有比率が、50質量%未満では十分なアッベ数および異常分散性が得られない。一方、60質量%を超えると、光学用樹脂組成物の硬化物において、太陽光による劣化、あるいは温度サイクルによる変形、割れが起こりやすい。
また、本発明の光学樹脂用組成物では、樹脂成分中の各成分(成分(A)を除く)の含有比率を、多官能ポリエステルアクリレート(B)は15〜35質量%、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート(C)は15〜25質量%とする。なお、多官能ポリエステルアクリレート(B)の含有比率は、15〜25質量%とすることがより好ましい。また、多官能ポリエステルアクリレートの製品中にペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート等の多官能アクリレートが含有される場合は、多官能ポリエステルアクリレート(B)の含有比率に、多官能アクリレートを含めるものとする(後述する(D)成分を含む場合も同じ。)。
成分(B)と成分(C)の含有比率がこの範囲であれば、本発明の光学樹脂用組成物における粘度が、硬化物を製造する際に加工性に優れた適正な粘度となる。また、得られる硬化物において、耐光性および温度サイクルを加えた際の耐クラック性が良好となる。
また、本発明の光学用樹脂組成物が上記成分(A)〜(C)と共に,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン(D)を含有する場合、各成分(成分(A)を除く)の含有比率を、多官能ポリエステルアクリレート(B)は5〜34質量%、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート(C)は15〜25質量%、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン(D)は1〜15質量%とする。なお、多官能ポリエステルアクリレート(B)の含有比率は、5〜20質量%とすることがより好ましい。
成分(B)、成分(C)および成分(D)の含有比率がこの範囲であれば、本発明の光学樹脂用組成物における粘度が、硬化物を製造する際に加工性に優れた適正な粘度となる。また、得られる硬化物において、耐光性および温度サイクルを加えた際の耐クラック性が良好となる。
また、本発明の光学用樹脂組成物は、上記の樹脂成分に加えて、重合開始剤(E)を含有する。重合開始剤(E)の含有比率は、上記成分(A)〜(D)の樹脂成分合計100質量部に対して、0.1〜5質量部とする。0.1質量部未満では、十分な硬化性を有する光学用樹脂組成物が得られない。一方、5質量部を超えると硬化物の透明性が低下したり、耐光性が低下したりする問題がある。
また、重合開始剤(E)としては、熱重合開始剤、光重合開始剤のいずれも用いることが可能である。このうち、光重合開始剤を用いた場合には、紫外線等の照射により短時間で光学用樹脂組成物を硬化させることが可能となる。そのため、硬化物を生産性良く製造できるという利点がある。
本発明の光学用樹脂組成物に配合することができる光重合開始剤としては、4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸エステル、アルコキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、ベンゾフェノンおよびベンゾフェノン誘導体、ベンゾイル安息香酸アルキル、ビス(4−ジアルキルアミノフェニル)ケトン、ベンジルおよびベンジル誘導体、ベンゾインおよびベンゾイン誘導体、ベンゾインアルキルエーテル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、チオキサントンおよびチオキサントン誘導体、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド等が挙げられる。
これらの光重合開始剤は、1種あるいは2種以上を併用することもできる。また、これらの光重合開始剤の中でも、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、フェニルビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−ホスフィンオキシド等のアシルホスフィンオキシド系化合物を用いると、十分な硬化性および硬化物の透明性が得られるので特に好ましい。
さらに、本発明の光学用樹脂組成物は、ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、リン酸エステル系、硫黄系等の光安定剤または酸化防止剤;ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系等の紫外線吸収剤を含有しても良い。本発明の光学用樹脂組成物に紫外線吸収剤を含有させることで、光学用樹脂組成物の硬化物において耐久性をさらに向上させることができる。
以上、本発明の光学用樹脂組成物が含有している成分およびその含有比率について説明した。なお、発明の光学用樹脂組成物を製造する場合、上記の各成分を所定の比率で配合すればよい。配合の際の比率(配合比率)は、上記の含有比率と同じである。
次に、本発明の光学用樹脂組成物の硬化物について説明する。本発明の光学用樹脂組成物の硬化物は、十分な異常分散性(大きい異常分散性)を示す。異常分散性の度合いを表す異常分散度ΔθgFは、横軸にアッベ数νd、縦軸に部分分散比θgFをとり、異常分散性を示さない正常な光学ガラスのうちF7(νd=60.5、θgF=0.547)およびK2(νd=36.3、θgF=0.583)を基準分散ガラスとして選び、これら2種類の光学ガラスの座標(νd、θgF)を結んだ直線を設定したとき、この直線と比較対象のθgFおよびνdを示す座標との縦軸方向の座標の差(ΔθgF)である(図6)。なお、異常分散度ΔθgFの具体的な算出方法は、実施例の説明で述べる。
上述のように、硬化物の異常分散度ΔθgFを算出するには、硬化物のアッベ数νdと部分分散比θgFの値が必要である。アッベ数νdおよび部分分散比θgFの値は、硬化物の屈折率から、下記の式1および式2を用いて求めることができる。
νd =(nd−1)/(nF−nC) ……式1
θgF=(ng−nF)/(nF−nC)……式2
(nd:d線に対する屈折率、ng:g線に対する屈折率、nF:F線に対する屈折率、nC:C線に対する屈折率)
本発明の光学用樹脂組成物の硬化物は、アッベ数νdの範囲を10〜30とし、かつF線とg線における異常分散度ΔθgFの範囲を0.03〜0.10としている。そのため、この硬化物を光学素子として光学系に用いた場合、C線からg線までの広い可視光の範囲において、光学系の色収差の低減を効果的に行うことができる。
アッベ数νdが10未満では、この硬化物を光学素子として光学系に用いた場合、C線からF線までの波長範囲で色収差低減の効果は得られるが、他の収差の補正が困難になるので好ましくない。また、アッベ数νdが30を超えると、C線からF線までの波長範囲で色収差低減の効果が小さくなるので好ましくない。一方、異常分散度ΔθgFが0.03未満では、この硬化物を光学素子として光学系に用いた場合、異常分散性が小さいため、C線からg線領域までの波長範囲で色収差低減の効果が小さくなるので好ましくない。また、異常分散度ΔθgFが0.10を超えると、異常分散性が大き過ぎて、C線からg線領域までの波長範囲で色収差低減の効果が過大になるので好ましくない。
本発明の光学用樹脂組成物は、光学素子の製造および複合型光学素子の製造に利用することができる。光学素子の製造では、本発明の光学用樹脂組成物を型に注入した後、重合させて硬化物を得る。この硬化物のみから構成されるのが、本発明の光学素子である。また、複合型光学素子の製造では、他の光学基材上に本発明の光学用樹脂組成物を載せた後、重合させて他の光学基材と一体になった硬化物を得る。他の光学基材と硬化物のみから構成されるのが、本発明の複合型光学素子である。
以下に図面を参照して本発明の光学素子、および複合型光学素子について説明する。
図1は、本発明の光学素子を成形する成形装置の一例を示す図である。なお、本発明の光学素子は、上述のように、本発明の光学用樹脂組成物を重合させた硬化物のみから構成される素子である。
光学素子成形装置1は、筒状の金属製胴型2、所望の光学面3aを有する金属製の上型3、所望の光学面4aを有する紫外線を透過するガラスからなる下型4、上型3を上下に駆動するための駆動ロッド5、下型4から硬化した光学素子を離型するための離型筒6を備えている。
筒状の金属製胴型2には、光学用樹脂組成物を注入するための注入口7と、過剰の光学用樹脂組成物を排出するための排出口8が設けられている。駆動ロッド4は図示しない駆動源によって、金属製胴型2内で上型3を上下に摺動する。また、離型リング6は金属製胴型2の内周面に接して上下に摺動する。上型3および下型4の各光学面と、金属製胴型2の内周面とで光学素子成形用の成形室9が形成されている。
光学素子の成形は以下の手順で行う。金属製の上型3とガラス製の下型4を、光学面3a、4aが対向するように金属製胴型2内に載置する。この時、上型3を、駆動ロッド5によって第一段階の所定高さに保持する。この第一段階の所定高さは、上型3が排出口8より上部に位置する高さである。上型3をこの高さに保持することによって、成形室9を形成する。
次に光重合開始剤を含有させた本発明の光学用樹脂組成物を、注入口7より注入して成形室9内に充填していく。この時、成形室9内を負圧にしておくと、光学用樹脂組成物の注入時における気泡の巻き込みや、成形室内の空気残りを防ぐことができる。排出口8から光学用樹脂組成物があふれ出てきた時点で成形室9内が充填されたものと判断して、光学用樹脂組成物の注入を停止する。
注入口7を塞ぎ、上型3を下方に押圧して第二段階の高さにする。このとき、さらに過剰の光学用樹脂組成物が排出口8から流出する。次に下型4の下方より、紫外線を照射し光学用樹脂組成物を硬化させる。なお、紫外線照射装置は離型リング6の下方に配置されているが、図示を省略している。光学用樹脂組成物の硬化にともなう収縮にあわせて上型3を下方にゆっくりと移動させる。収縮に連動させて上型3を下降させることで、硬化後の光学素子の内部応力を低減できる。光学用樹脂組成物が十分に硬化した後、駆動ロッド5を上昇させて上型3を離型させる。次に離型リング6を上に移動させて、下型4から硬化物を離型させる。このようにして、光学用樹脂組成物からなる硬化物を、所望の形状を有する光学素子をとして取り出すことができる。
なお、図1において、光学面3a、4aがいずれも球面であれば球面レンズが、光学面3a、4aのいずれかあるいは両方が非球面であれば非球面レンズが、光学面3a、4aのいずれかあるいは両方が回折面であれば回折レンズがそれぞれ、光学素子として製造できる。
また、本発明の複合型光学素子は、上記の光学用樹脂組成物を光学基材の表面にせた状態で硬化させて、光学基材と当該樹脂組成物の硬化物とを積層させることによって製造することができる。
この複合型光学素子は、光学基材と当該樹脂組成物の硬化物の界面が、球面、非球面、自由曲面あるいは回折面である複合型光学素子となる。複合型光学素子に用いる光学基材としては、所望の形状に加工するときに欠け、表面変色、失透やあるいは濁り等の問題が起きない通常の光学用ガラス、光学用樹脂あるいは透明セラミックスを用いることができる。光学用ガラスとしては、石英、BK7(SCHOOT)、BACD11(HOYA)、BAL42、LAH53(オハラ社)等を挙げることができる。光学用樹脂としては非晶質ポリオレフィンであるゼオネックス(日本ゼオン)、ARTON(JSR)、アペル(三井化学)等、アクリル樹脂であるアクリペット(三菱レイヨン)、デルペット(旭化成)等を挙げることができる。
光学基材の表面に本発明の光学用樹脂組成物を載せ(塗布し)、所望の形になるようにその上面に型を接触させる。この際に用いる型は、金属製でもガラス製でも良いが、光学基材の反対面から紫外線を照射して当該樹脂組成物を硬化させる場合は、ガラス製の型を用いる。また、金属製の型を用いた場合は、光学基材の側から紫外線を照射して、当該樹脂組成物を硬化させる。
このような方法により、例えば、図2のような複合型光学素子を製造することができる。図2で示す複合型光学素子10は、光学基材11の表面に光学用樹脂組成物の硬化物13が一体に形成されている。
以下、複合型光学素子の製造方法について説明する。
図3は、複合型光学素子の製造装置の一例を説明する図であり、光軸から左側は断面を示す。複合型光学素子の製造装置20は、支持枠(図示しない)、支持台21、受け部22および保持筒23を備えている。支持台21は、支持枠により支持されている。受け部22は筒状の形状であって、支持台21に取り付けられている。受け部22には、ベアリングを内蔵した軸受け24が設けられている。
保持筒23は、この軸受24を介して受け部22に取り付けられており、保持筒23は、この軸受24の作用によって受け部22に対して回転自在になっている。また、保持筒23には、その内周上部に、光学基材11の外縁部を受ける環状の係合縁25が設けられている。また、保持筒23の下部には、プーリ26が一体に形成されている。
一方、支持台21の下側には、モータ27が固定されている。モータ27の駆動軸28には、プーリ29が取り付けられている。そして、プーリ29とプーリ26の間にベルト30が巻き掛けられている。これらにより、保持筒23を回転する回転機構を構成している。
なお、軸受24は、それぞれ押さえリング31、32によって固定されている。すなわち、押さえリング31は受け部22のねじ部22aに、また押さえリング32は、保持筒23のねじ部23aにそれぞれ螺合している。これにより、受け部22と保持筒23の間に、軸受24を固定することができる。
また、前記支持台21の上方には、支持手段35が設けられている。支持手段35は、上部金型3を上下動して、上部金型3を所望の位置に支持する支持手段35の支持柱36は支持台21の上面に固定されており、支持柱36にはシリンダ37が設けられている。そして、シリンダ37にはシリンダロッド38が取り付けられている。さらに、シリンダロッド38の先端には、上部金型3が取り付けられている。
また、保持筒23の係合縁25に光学基材11を載置した状態で、光学基材11の光軸39と上部金型3の軸が一致するように、上部金型3が支持されている。
以上に説明した複合型光学素子の製造装置を使用した複合型光学素子の製造方法を説明する。
所望の光学特性を有するレンズからなる光学基材11を、保持筒23の係合縁25によって位置決めされるように載置する。なお、光学基材11の表面11aの光学用樹脂組成物形成面には、光学用樹脂組成物とガラス製の光学基材との密着性を向上させるためのカップリング処理を施しても良い。次いで、光学基材11の表面11aに、光学用樹脂組成物12を吐出手段(図示しない)によって所要量吐出する。
次に、シリンダ35を作動させて、上型3を下降させて、上型3の光学面3aを、光学基材11の表面11aに吐出された光学用樹脂組成物12に当接させる。さらに下降を続けることで、光学用樹脂組成物12は所定の形状に展延される。
所定の形状まで展延する前に、上型3の下降を停止させる。この状態で、モータ27を作動させて保持筒23を回転させることによって、光学基材11を少なくとも1回転させる。
図4は、光学用樹脂組成物12の展延状態を示す図である。光学基材11の表面11aに載せられた光学用樹脂組成物12に、光学基材11の光軸39と上型3の軸が一致するように上型3を押し当てて、光学基材11側を少なくとも1回転させる。このようにすると、光学用樹脂組成物12は光学基材11の表面11aと上型3との間の空間を均一に延びて光学用樹脂組成物層が形成される。
その後、再びシリンダ37を作動させて、再び上型3を下降させる。そして、光学用樹脂組成物12の層が所望の厚みと直径に達したところで(所定の形状となったところで)、上型3の下降を停止し、光学基材11の下側から紫外線照射装置(図示しない)にて紫外線を照射する。
その結果、上型3と光学基材11の間にある光学用樹脂組成物が硬化し、光学用樹脂組成物の硬化物13を光学基材11の表面11aに一体に形成することができる。このとき、光学用樹脂組成物の硬化物13の表面には、上型3の光学面3aが転写された光学面が形成される。そして、光学用樹脂組成物の硬化物13の表面から上型3の光学面3aから硬化物を離型することにより、所望の形状を有する複合型光学素子を得ることができる。
実施例1
(光学用樹脂組成物の調製)
N−アクリロイルカルバゾール(A)(大日本インキ化学工業製)60質量部、多官能ポリエステルアクリレート(B)(東亞合成製アロニックスM−7300K:ビスフェノールAエチレンオキシド付加物、アジピン酸、アクリル酸およびペンタエリスリトールトリアクリレートより合成されたもので、その成分の一部に多官能アクリレートであるペンタエリスリトールテトラアクリレートを含有する。)15質量部、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート(C)25質量部、および光重合開始剤としてフェニルビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−ホスフィンオキシド1質量部を均一に撹拌混合して、光学用樹脂組成物を調製した。
(硬化物の作製)
光学用樹脂組成物を、直径20mm、厚さ1mmの大きさに成形し、波長400nmの紫外線を100mW/cm2 の強度で100秒間照射し、さらに80℃で1時間加熱して、硬化物を作製した。得られた硬化物について、屈折率を測定し、アッベ数νd、部分分散比θgFおよび異常分散度ΔθgFを以下の方法により求めた。その結果を表1に示す。
(1)屈折率の測定
硬化物のd線、C線、F線、g線における屈折率を、精密屈折率計(カルニュー光学工業製KPR−200)を用いて測定した。測定環境は20℃60%RHであった。
(2)アッベ数νdの算出
屈折率の測定によって得られたd線、C線、F線、g線に対する屈折率をそれぞれ、nd、nC、nF、ngとし、アッベ数νdを以下の式1から計算した。
νd=(nd−1)/(nF−nC)……式1
(3)部分分散比θgFの算出
屈折率の測定によって得られたd線、C線、F線、g線に対する屈折率をそれぞれ、nd、nC、nF、ngとし、部分分散比θgFを以下の式2から計算した。
θgF=(ng−nF)/(nF−nC)……式2
(4)異常分散度ΔθgFの算出
横軸にアッベ数νd、縦軸に部分分散比θgFをとり、異常分散性を示さない正常な光学ガラスのうちF7(νd=60.5、θgF=0.547)およびK2(νd=36.3、θgF=0.583)を基準分散ガラスとして選び、これら2種類の光学ガラスの座標(νd、θgF)を直線を設定した。そして、この直線と硬化物のθgFおよびνdを示す座標との縦軸方向の座標の差(ΔθgF)を異常分散度として算出した。
すなわち、アッベ数νd0と部分分散比θgF0とすると、2つの基準分散ガラスの座標を結ぶ直線は、式3で示される。そこで、式1から求めた硬化物のアッベ数をνdの値を、式3のνd0に代入する。これにより、硬化物のアッベ数νdにおける直線上の部分分散比θgF0が求まる。ここで、式2から求めた硬化物の部分分散比をθgFとすると、異常分散度ΔθgFは以下の式4から計算できる。
θgF0=−0.00149×νd0+0.637……式3
ΔθgF=θgF−θgF0
=θgF−(−0.00149×νd+0.637)……式4
(5)透明性の評価
透明性は、硬化物の透過率で評価した。硬化物の透過率を、分光光度計(日立ハイテクノロジーズ製U−4100)を用いて測定した。波長450nm、550nmおよび650nmおける透過率がいずれも70%以上であれば透明性が高く:良好、70%未満であれば透明性が低く:不良とした。
(6)耐光性の評価
耐光性は、紫外線照射後における硬化物の透過率で評価した。硬化物に対する紫外線の照射はキセノンランプを用い、促進暴露試験を実施した。紫外線の照射条件は照度6mW/cm2(波長500〜600nmでの平均値)、試料温度60℃、200時間である。上記試験後の硬化物の透過率を、分光光度計(日立ハイテクノロジーズU−4100)を用いて測定した。波長450nm、および550nmおける透過率をそれぞれT450、T550としたときに、T=T450/T550が0.8以上1以下であれば紫外線による劣化が少なく:良好、0.8未満であれば紫外線による劣化が大きく:不良とした。
(複合型光学素子の作製)
光学用樹脂組成物と、BK7(SCHOOT製)ガラスからなるレンズ(光学基材)を、図3に示した成形装置を用いて、波長400nmの紫外線を100mW/cm2 の強度で100秒間照射し、さらに80℃で1時間加熱して、図2に示す形状の複合型光学素子を作製した。
なお、図2において、光学基材のガラスレンズは、曲率半径R1=16mm、曲率半径R2=16mm、L1=20mm、L3=5mmである。この光学基材上に曲率半径R3=26mm、口径L2=16mmとなるように、複合型光学素子を作製した。
作製した複合型光学素子について、加工性、透明性、耐光性、および温度サイクルでの耐クラック性について、以下の方法で評価して、その結果を表1に示す。
(7)加工性の評価
作製した複合型光学素子のうち、光学用樹脂組成物が硬化した面について測定を行った。測定は接触式の表面形状測定器(テイラーホブソン社製フォームタリサーフ PGIプラス)を用い、硬化面の曲率半径を測定し、目標とした曲率半径R3に対しての変形量を求めた。変形量が±2μm以内であれば:良好、それ以上の場合は:不良とした。
(8)耐クラック・変形性の評価
作製した複合型光学素子に、1周期の時間が3時間で、その間の温度変化が−40℃から+80℃となる温度サイクルを10周期分加えた。温度サイクルは図5に示すように、1周期における温度と時間は、+20℃で30分、−40℃で60分、+20℃で30分、+80℃で60分と変化する。温度サイクル後の樹脂組成物の硬化物にクラックや変形が起きていなければ:良好、クラックや変形が起きていれば:不良とした。
実施例2−3
樹脂成分における各成分の配合比率を表1に記載の様に変えた点を除き、実施例1と同様にして光学用樹脂組成物を調製し、実施例1と同様に評価を行なった。その結果を表1に示した。
実施例4−8
実施例1に記載の樹脂成分に加えて、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン(D)(大阪ガスケミカル製 BPEFA)を配合するとともに、樹脂成分における各成分の配合比率を表1に記載のものとした点を除き、実施例1と同様にして光学用樹脂組成物を調製し、実施例1と同様に評価を行なった。その結果を表1に示した。
比較例1−3
実施例1に記載の樹脂成分における各成分の配合比率に代えて、表1に記載の配合比率とした点を除き、実施例1と同様にして光学用樹脂組成物を調製し、実施例1と同様に評価を行なった。その結果を表1に示した。
Figure 0004767836
表1に示した結果から、実施例1〜8における本発明の光学用樹脂組成物の硬化物は、そのアッベ数νdおよび異常分散度ΔθgFの値が、いずれも好ましい範囲に入っている。よって、この硬化物からなる光学素子は、光学系に用いた場合に色収差を効果的に低減できる異常分散性を有していることがわかった。また、実施例1〜8における本発明の光学用樹脂組成物は加工性に優れ、この光学用樹脂組成物の硬化物は、透明性、耐光性、温度サイクルでの耐クラック・変形性のいずれにも優れていることがわかった。
一方、比較例1は、N−アクリロイルカルバゾール(A)の配合比率を50質量%未満の30質量%とし、多官能ポリエステルアクリレート(B)の配合比率を20質量%、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート(C)の配合比率を25質量%超の30質量%とし、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン(D)の配合比率を15質量%超の20質量%とした光学用樹脂組成物の例である。
この光学用樹脂組成物の加工性、この光学用樹脂組成物の硬化物の透明性、耐光性、温度サイクルでの耐クラック・変形性に問題はなかった。しかしながら、この光学用樹脂組成物の硬化物の異常分散度ΔθgFの値は好ましい範囲に入っているものの、アッベ数νdが30より大きい値となった。そのため、この硬化物を光学素子として光学系に使用しても、光学系において十分な色収差低減の効果が得られないことがわかった。
比較例2は、N−アクリロイルカルバゾール(A)の配合比率を50質量%未満の40質量%とし、多官能ポリエステルアクリレート(B)の配合比率を20質量%未満の10質量%とし、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート(C)の配合比率を20質量%超の40質量%とし、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン(D)の配合比率を10質量%とした光学用樹脂組成物の例である。
この光学用樹脂組成物の加工性、この光学用樹脂組成物の硬化物の透明性、耐光性、温度サイクルでの耐クラック・変形性に問題はなかった。しかしながら、この光学用樹脂組成物の硬化物の異常分散度ΔθgFの値は好ましい範囲に入っているものの、アッベ数νdが30より大きい値となった。そのため、この硬化物を光学素子として光学系に使用しても、光学系において十分な色収差低減の効果が得られないことがわかった。
比較例3は、N−アクリロイルカルバゾール(A)の配合比率を60質量%超の80質量%とし、多官能ポリエステルアクリレート(B)を配合せず、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート(C)の配合比率を20質量%未満の10質量%とし、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン(D)の配合比率を10質量%とした光学用樹脂組成物の例である。
この光学用樹脂組成物の硬化物のアッベ数νdおよび異常分散度ΔθgFの値は、好ましい範囲に入っている。そのため、この硬化物を光学素子として光学系に使用した場合、光学系において十分な色収差低減の効果が得られた。しかしながら、この光学用樹脂組成物の硬化物は、耐光性および温度サイクルでの耐クラック・変形性が不十分であることがわかった。
本発明の光学用樹脂組成物は、紫外線等の照射により容易に硬化物とすることができるので生産性が高く、その硬化物は十分な異常分散性を有するため、光学素子に用いることで色収差の少ない光学素子を得ることができる。得られた光学用樹脂組成物は加工性に優れ、光学用樹脂組成物の硬化物は、透明性、耐光性および温度サイクルでの耐久性に優れる。そのため、この硬化物からなる光学素子は、各種の光学機器に好適であり、光学系の色収差を小さくすることができ、また小型軽量化も図ることができる。
図1は、本発明の光学用樹脂組成物を重合させた硬化物のみから構成される光学素子を成形に用いる成形装置の一例を示す図である。 図2は、複合型光学素子の一例を示す図である。 図3は、複合型光学素子の製造装置の一例を示す図である。 図4は、本発明の光学用樹脂組成物の展延状態を示す図である。 図5は、温度サイクルの1周期における時間と温度の関係を示す図である。 図6は、異常分散度ΔθgFを示す図である。
符号の説明
1…光学素子成形装置、2…金属製胴型、3…上型、3a…光学面、4…下型、4a…光学面、5…駆動ロッド、6…離型筒、7…注入口、8…排出口、9…成形室、10…複合型光学素子、11…光学基材、11a…表面、12…光学用樹脂組成物、13…光学用樹脂組成物の硬化物、20…複合型光学素子の製造装置、21…支持台、22…受け部、22a…ねじ部、23…保持筒、23…ねじ部、24…軸受、25…係合縁、26…プーリ、27…モータ、28…駆動軸、29…プーリ、30…ベルト、31,32…押さえリング、35…支持手段、36…支持柱、37…シリンダ、38…シリンダロッド、39…光軸

Claims (11)

  1. N−アクリロイルカルバゾール(A)50〜60質量%、多官能ポリエステルアクリレート(B)15〜35質量%、およびジメチロールトリシクロデカンジアクリレート(C)15〜25質量%からなる樹脂成分100質量部に対して、重合開始剤(E)0.1〜5質量部を含有した光学用樹脂組成物の硬化物からなり、
    前記光学用樹脂組成物の硬化物のアッベ数νdの範囲が10〜30であり、かつF線とg線における異常分散度ΔθgFの範囲が0.03〜0.10であることを特徴とする可視光光学系用光学素子。
  2. N−アクリロイルカルバゾール(A)50〜60質量%、多官能ポリエステルアクリレート(B)5〜34質量%、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート(C)15〜25質量%および9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン(D)1〜15質量%からなる樹脂成分100質量部に対して、重合開始剤(E)0.1〜5質量部を含有した光学用樹脂組成物の硬化物からなり、
    前記光学用樹脂組成物の硬化物のアッベ数νdの範囲が10〜30であり、かつF線とg線における異常分散度ΔθgFの範囲が0.03〜0.10であることを特徴とする可視光光学系用光学素子。
  3. 前記重合開始剤(E)が、光重合開始剤である請求項1または2記載の可視光光学系用光学素子。
  4. N−アクリロイルカルバゾール(A)50〜60質量%、多官能ポリエステルアクリレート(B)15〜35質量%、およびジメチロールトリシクロデカンジアクリレート(C)15〜25質量%からなる樹脂成分100質量部に対して、重合開始剤(E)0.1〜5質量部を含有し、硬化物のアッベ数νdの範囲が10〜30であり、かつF線とg線における異常分散度ΔθgFの範囲が0.03〜0.10である光学用樹脂組成物の硬化物を積層したことを特徴とする可視光光学系用複合型光学素子。
  5. N−アクリロイルカルバゾール(A)50〜60質量%、多官能ポリエステルアクリレート(B)5〜34質量%、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート(C)15〜25質量%および9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン(D)1〜15質量%からなる樹脂成分100質量部に対して、重合開始剤(E)0.1〜5質量部を含有し、硬化物のアッベ数νdの範囲が10〜30であり、かつF線とg線における異常分散度ΔθgFの範囲が0.03〜0.10である光学用樹脂組成物の硬化物を積層したことを特徴とする可視光光学系用複合型光学素子。
  6. 前記重合開始剤(E)が、光重合開始剤である請求項4または5記載の可視光光学系用複合型光学素子。
  7. 請求項1から6のいずれか1項記載の光学素子を有する可視光光学系。
  8. N−アクリロイルカルバゾール(A)50〜60質量%、多官能ポリエステルアクリレート(B)15〜35質量%、およびジメチロールトリシクロデカンジアクリレート(C)15〜25質量%からなる樹脂成分100質量部に対して、重合開始剤(E)0.1〜5質量部を含有した光学用樹脂組成物の硬化物からなり、
    前記光学用樹脂組成物の硬化物のアッベ数νdの範囲が10〜30であり、かつF線とg線における異常分散度ΔθgFの範囲が0.03〜0.10であることを特徴とする光学素子を光学系に用い、
    前記光学系を可視光を対象とした撮像に用いることを特徴とする光学素子の使用方法。
  9. N−アクリロイルカルバゾール(A)50〜60質量%、多官能ポリエステルアクリレート(B)5〜34質量%、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート(C)15〜25質量%および9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン(D)1〜15質量%からなる樹脂成分100質量部に対して、重合開始剤(E)0.1〜5質量部を含有した光学用樹脂組成物の硬化物からなり、
    前記光学用樹脂組成物の硬化物のアッベ数νdの範囲が10〜30であり、かつF線とg線における異常分散度ΔθgFの範囲が0.03〜0.10であることを特徴とする光学素子を光学系に用い、
    前記光学系を可視光を対象とした撮像に用いることを特徴とする光学素子の使用方法。
  10. N−アクリロイルカルバゾール(A)50〜60質量%、多官能ポリエステルアクリレート(B)15〜35質量%、およびジメチロールトリシクロデカンジアクリレート(C)
    15〜25質量%からなる樹脂成分100質量部に対して、重合開始剤(E)0.1〜5
    質量部を含有し、硬化物のアッベ数νdの範囲が10〜30であり、かつF線とg線における異常分散度ΔθgFの範囲が0.03〜0.10である光学用樹脂組成物の硬化物を積層したことを特徴とする複合型光学素子を光学系に用い、
    前記光学系を可視光を対象とした撮像に用いることを特徴とする光学素子の使用方法。
  11. N−アクリロイルカルバゾール(A)50〜60質量%、多官能ポリエステルアクリレート(B)5〜34質量%、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート(C)15〜25質量%および9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン(D)1〜15質量%からなる樹脂成分100質量部に対して、重合開始剤(E)0.1〜5質量部を含有し、硬化物のアッベ数νdの範囲が10〜30であり、かつF線とg線における異常分散度ΔθgFの範囲が0.03〜0.10である光学用樹脂組成物の硬化物を積層したことを特徴とする複合型光学素子を光学系に用い、
    前記光学系を可視光を対象とした撮像に用いることを特徴とする光学素子の使用方法。
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