JP2019073609A - 光硬化性組成物、硬化物、マイクロレンズアレイ及び積層体 - Google Patents
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Abstract
Description
成分A:下記一般式(1)で示されるビス(メルカプトフェニル)スルホン骨格含有ジ(メタ)アクリレート化合物
成分B:N−(メタ)アクリロイルカルバゾール
成分C:1,2−ベンゼンジチオール、1,3−ベンゼンジチオール、1,4−ベンゼンジチオール及び1,3,5−ベンゼントリチオールから選ばれる少なくとも1種以上の芳香族系多官能チオール
成分D:光重合開始剤
以下の説明において、「(メタ)アクリレート」の記載は、アクリレートとメタクリレートの両方を示す。「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリロイル」等の記載についても同様である。
本発明の光硬化性組成物は、下記成分A、成分B、成分C及び成分Dを含有し、透明な液体である。
なお、本発明において「透明な液体」とは、常態(温度25℃、1気圧)で、全成分が透明な液体である状態(均一溶液)のみならず、相溶又は溶解した状態も含む趣旨である。
本発明で使用される成分Aは、下記一般式(1)で示されるビス(メルカプトフェニル)スルホン骨格含有ジ(メタ)アクリレート化合物である。この化合物は分子構造中にスルホン基と芳香環を有し、これらの電子リッチな原子団を隣接させることで、硬化物のアッベ数を低減することができる。さらに、スルホン基とフェニレン基を直接結合させることにより、化合物を構成する他の原子が同じでも、硬化物のアッベ数を効果的に低減できる。
上記一般式(1)において、Xは、酸素原子又は硫黄原子を表す。Xは、化合物の安定性の点で酸素原子であることが好ましい。
本発明で使用される成分Bは、N−(メタ)アクリロイルカルバゾールである。好ましくは速硬化性の点で、N−アクリロイルカルバゾールである。N−アクリロイルカルバゾールとN−メタクリロイルカルバゾールは、併用してもよい。N−(メタ)アクリロイルカルバゾールは、分子構造中に芳香族系の複素環を有し、アッベ数を低減することができる。また、成分Bは、成分Aと同様に(メタ)アクリロイル基を分子中に有することから、成分Aとの相溶性が高く、均一で透明な液体が得られると推定される。
本発明で使用される成分Cは、1,2−ベンゼンジチオール、1,3−ベンゼンジチオール、1,4−ベンゼンジチオール及び1,3,5−ベンゼントリチオールから選ばれる少なくとも1種以上の芳香族系多官能チオールである。これらの芳香族系多官能チオールのなかでも、光硬化性組成物の透明液状化の点で、非対称構造を有する1,2−ベンゼンジチオールと1,3−ベンゼンジチオールが好ましい。これらの芳香族系多官能チオールは単独で用いてもよいし2種以上併用してもよい。成分Cの芳香族系多官能チオールは、分子構造中に芳香環とチオール基を有し、このような電子リッチな原子団を直接結合させることで、アッベ数を効果的に低減することができる。また、脂肪族系多官能チオールを用いると、光硬化性組成物の保存安定性が低下し、ゲル化しやすい傾向にあるが、芳香族系多官能チオールを用いることにより、かかる保存安定性を向上することができる。なお、チオール系化合物は、通常、光重合の際に連鎖移動剤として添加されるが、本発明においては、チオール系化合物のなかでも上記芳香族系多官能チオールが、硬化物のアッベ数を低減するために積極的に配合される。
成分A:40〜90質量%
成分B:10〜60質量%
成分C:0.1〜15質量%
成分A:50〜85質量%
成分B:15〜55質量%
成分C:1〜10質量%
成分A:50〜85質量%
成分B:20〜50質量%
成分C:1〜5質量%
同様に、低アッベ数化の観点から、成分Cに対する成分Bの含有量(B/C)が、10〜600質量倍であることが好ましく、50〜520質量倍がより好ましい。
本発明における成分Dの光重合開始剤としては、光の作用によりラジカルを発生する化合物であれば、公知の光重合開始剤が使用できる。成分Dの光重合開始剤としては、例えば、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピレンフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノプロパン−1、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4′−メチルジフェニルサルファイド、3,3′−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、チオキサンソン、2−クロルチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、2,4−ジメチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、カンファーキノン、ジベンゾスベロン、2−エチルアンスラキノン、4′,4″−ジエチルイソフタロフェノン、3,3′,4,4′−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、α−アシロキシムエステル、アシルホスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2,6−ジメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド等が挙げられる。これらのなかでも、他成分への影響が少ない点では、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンが好ましく、光による分解性が高く、添加量を減らせる点では、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドが、好適に用いられる。上記光重合開始剤は、複数用いることも可能である。
本発明においては、光硬化性組成物が、さらに、下記成分E、成分F、成分G及び成分Hから選ばれる少なくとも1種以上を含有することが、耐久性に優れ、目的の光学特性を有する硬化物を得やすく、好ましい。
成分E:酸化防止剤
成分F:紫外線吸収剤
成分G:近赤外吸収剤
成分H:帯電防止剤
使用できる希釈モノマーとしては、成分A、成分B及び成分Dを除くものであり、なかでも安価な単官能(メタ)アクリレートがより好ましく、例えば、2−(o−フェニルフェノキシ)メチル(メタ)アクリレート、2−(m−フェニルフェノキシ)メチル(メタ)アクリレート、2−(p−フェニルフェノキシ)メチル(メタ)アクリレート、2−(o−フェニルフェノキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−(m−フェニルフェノキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−(p−フェニルフェノキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−(o−フェニルフェノキシ)プロピル(メタ)アクリレート、2−(m−フェニルフェノキシ)プロピル(メタ)アクリレート、2−(p−フェニルフェノキシ)プロピル(メタ)アクリレート等のビフェニル系モノマー、2−フェニル−2′−(β−(メタ)アクリロイルオキシメトキシフェニル)プロパン、2−フェニル−2′−(β−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル)プロパン、2−フェニル−2′−(β−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシフェニル)プロパン等のビスフェノールA系モノマーが挙げられる。これらのなかでも、低アッベ数化の点から、ビフェニル系モノマーが好ましく、速硬化性の点から、アクリレートがより好ましく、低粘度の点から、2−(o−フェニルフェノキシ)エチルアクリレートが特に好ましい。希釈モノマーは、単独でも複数用いてもよい。
本発明の光硬化性組成物の製造方法は、特に限定されないが、(S1)常温では固体である成分Aを40〜60℃で加温して溶融させて液状にした後、(S2)常温では固体である成分Bを添加して40〜60℃で溶解させ、(S3)最後に成分C及び成分Dを添加して40〜60℃で均一になるまで撹拌することが好ましい。成分A、成分B及び成分Cを含有する光硬化性組成物は、上述した好ましい含有量の範囲内であると、室温付近に冷却しても、室温付近で長期保管しても、透明で均一な液体状態を維持しやすく、保存安定性に優れる。
本発明の硬化物は、上述した本発明の光硬化性組成物の硬化物であり、本発明の光硬化性組成物を光硬化することにより得ることができる。
本発明の光硬化性組成物を光硬化する手法としては、光照射によって硬化させることができるのであれば、特に限定されない。照射する光としては、遠紫外線、紫外線、近紫外線、可視光線、赤外線等が利用できる。硬化速度、照射装置の入手の容易性等からは、紫外線が好ましい。
工程(1):光硬化性組成物を、表面に微細な凹凸が形成された成形型に塗布する工程
工程(2):上記光硬化性組成物を、透明基材で覆う工程
工程(3):光照射により、光硬化性組成物を光硬化する工程
工程(4):基材と硬化物の積層体を、成形型から剥離する工程
工程(5):必要に応じて上記積層体を熱処理し、光学部品とする工程
本発明においては、硬化物のアッベ数νDが重要であり、23以下と低いことが好ましく、より好ましくは18〜22、さらに好ましくは19〜21である。硬化物のアッベ数νDが低い方が、近年の光学素子に対する光学性能の要求を満たしやすい傾向がある。逆に、低すぎると、硬化物が黄色くなる傾向があり、硬化物の下限値は通常、10である。
本発明のマイクロレンズアレイは、上述した本発明の光硬化性組成物の硬化物である。
本発明のマイクロレンズアレイは、上記光インプリントにより製造することができ、上記工程(1)における成形型として、表面に所望のマイクロレンズアレイ形状を有する成形型を使用すればよい。透明基材としては、ガラス、樹脂フィルム等が挙げられる。透明基材の表面は、硬化物との密着性向上のため、シランカップリング剤等で表面処理することが好ましい。
本発明の積層体は、上述した本発明のマイクロレンズアレイを、カラーフィルター上に有する。
本発明の積層体は、例えば透明基材としてカラーフィルターが形成されたガラスを用いて、当該カラーフィルターの画素に合わせて、成形型表面のマイクロレンズの位置を調節し、上記工程(2)〜(5)を実施すれば得られる。工程(3)の光照射は、カラーフィルター側から行ってもよいが、成形型にガラス製の透明型を用いて、成形型側から行ってもよい。
図1に示すように、積層体10は、透明基材1の一方の面上にマイクロレンズアレイ2を有し、他方の面上にカラーフィルター3を有する。すなわち、積層体10は、透明基材1を挟んで、カラーフィルター3上にマイクロレンズアレイ2が積層されている。カラーフィルター3は、R(赤)、G(緑)及びB(青)の各色のフィルターが2次元状に配列している。
なお、実施例中の「部」、「%」等の記載は、断りのない限り、質量基準の記載を意味する。
(粘度(Pa・s))
東機産業社製、粘度計「TVE−25L」を用いて、25℃、回転数0.1rpm(コーンロータ:1°34′×R24)で測定した。
光量1.5J/cm2(照度250mw/cm2)の紫外線を6秒照射して、光硬化性組成物の硬化具合を観察し、下記の基準で評価した。
○:十分に硬化した
△:十分に硬化しておらず、柔らかい
×:硬化しておらず、ゲル状
長さ30mm×幅7mm×厚み0.5mmの硬化物を用意し、アタゴ社製の「3波長アッベ屈折計DR−M4」を用いて、23℃で、NaD線におけるアッベ数νDと屈折率nDを測定した。
長さ20mm×幅5mm×厚み0.5mmの硬化物を用意し、レオロジ社製、動的粘弾性装置「DVE−V4型 FTレオスペクトラー」の引っ張りモードを用いて、周波数10Hz、昇温速度3℃/分、歪0.025%で測定を行った。得られた複素弾性率実数部(貯蔵弾性率)に対する虚数部(損失弾性率)の比(tanδ)を求め、このtanδの最大ピーク温度をガラス転移温度(Tg)とした。
長さ50mm×幅50mm×厚み0.5mmの硬化物を用意し、島津製作所社製、島津分光光度計「UV−3150」を用いて、波長が410nm及び700nmの光線透過率(%)を測定した。
長さ50mm×幅50mm×厚み0.5mmの試験片を用意し、23℃の水に1週間浸漬した後の質量増加から吸水率(%)を算出した。
長さ25(mm)×幅10(mm)×厚み0.5mmの硬化物を用意し、島津製作所社製、「オートグラフAG−5kNE」(支点間距離20mm、0.5mm/分)にて25℃で測定した。
長さ50mm×幅50mm×厚み0.5mmの硬化物を用意し、イソプロピルアルコールに23℃で10分間浸漬した後、表面を目視観察し、下記の基準で評価した。
○:変化なし
×:白濁や荒れ等の異常が見られる
長さ50mm×幅50mm×厚み0.5mmの硬化物を用意し、160℃で10分間加熱した後、表面を目視観察し、下記の基準で評価した。
○:析出物が無く、耐熱性に優れる
×:析出物が有り、耐熱性が低い
三菱化学社製の抵抗率計「ハイレスターUP」を用いて、温度23℃、相対湿度50%RH環境下での表面抵抗値(Ω/□)を測定した。
ガラス上に厚み0.15mmの硬化物が形成された積層体を用意し、JIS K 5400(1990年版)に準じてクロスハッチ法により、ガラスと硬化物の密着性を下記のように評価した。
〇:硬化物の剥がれ無し
×:硬化物の剥がれ有り
ガラス上に厚み0.15mmの硬化物が形成された積層体を用意し、150℃で1時間の耐熱試験を行い、試験前後の波長550nmにおける光線透過率(%)を、島津製作所社製、島津分光光度計「UV−3150」を用いて測定した。測定した全光線透過率の変化から、耐熱性を下記の基準で評価した。
◎:全光線透過率の変化が1%未満であり、耐熱性が非常に高い
○:全光線透過率の変化が1〜2%であり、耐熱性が高い
×:全光線透過率の変化が2%を超え、耐熱性が低い
ガラス上に厚み0.15mmの硬化物が形成された積層体を用意し、UVA0.8W/m2100時間の耐光性試験を行い、色相を目視観察し、下記の基準で評価した。
◎:黄変が無い
○:かすかに黄変が有る
×:はっきりと黄変が有る
ガラス上に厚み0.15mmの硬化物が形成された積層体を用意し、温度85℃湿度85%の環境下で500時間の耐高温高湿試験を行い、試験前後の波長550nmにおける光線透過率(%)を、島津製作所社製、島津分光光度計「UV−3150」を用いて測定した。測定した全光線透過率の変化から、耐高温高湿性を下記の基準で評価した。
◎:全光線透過率の変化が1%未満であり、耐高温高湿性が非常に高い
○:全光線透過率の変化が1〜2%であり、耐高温高湿性が高い
×:全光線透過率の変化が2%を超え、耐高温高湿性が低い
ガラス上に厚み0.15mmの硬化物が形成された積層体を用意し、−40℃で10分と85℃で10分のヒートサイクルを500サイクル繰り返す耐熱衝撃試験を行った。試験前後の波長550nmにおける光線透過率(%)を、島津製作所社製、島津分光光度計「UV−3150」を用いて測定した。測定した全光線透過率の変化から、耐熱衝撃性を下記の基準で評価した。
◎:全光線透過率の変化が1%未満であり、耐熱衝撃性が非常に高い
○:全光線透過率の変化が1〜2%であり、耐熱衝撃性が高い
×:全光線透過率の変化が2%を超え、耐熱衝撃性が低い
(光硬化性組成物[I]の製造)
温度25℃で固体状の4,4′−ビス(β−メタクリロイルオキシエチルチオ)ジフェニルスルホン(成分A)77部を、200mlの容器に入れ、ウォーターバスを用いて50℃に加温して溶融した。その後、温度25℃で固体状のN−アクリロイルカルバゾール(成分B)21部を投入して50℃で溶融した。次いで、温度25℃で液状の1,2−ベンゼンジチオール(成分C)2部を投入して50℃で溶解し、最後に、温度25℃で固体状の1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASF社製「IRGACURE 184」)(成分D)2部を投入した。室温で均一に溶解するまで撹拌して、光硬化性組成物[I]を得た。得られた光硬化性組成物[I]の粘度は25℃において10Pa・sであり、浮遊物が見られず均一で透明な液体であった。
カドミウム:原子吸光光度法(測定限界値0.5ppm)
鉛 :原子吸光光度法(測定限界値5ppm)
水銀 :還元気化原子吸光光度法(測定限界値2ppm)
クロム :ジフェニルカルバジド吸光光度法(測定限界値1ppm)
塩素 :イオンクロマトグラフ法(測定限界30ppm)
臭素 :イオンクロマトグラフ法(測定限界30ppm)
長さ100mm×幅100mm×厚さ1mmのガラス板2枚を、厚さ0.5mmのシリコンスペーサーを介して対向させ、硬化物製造用の成形型を用意した。この成形型に上記光硬化性組成物[I]を温度25℃で注液し、同温度で、高圧水銀ランプを用いて光量1.5J/cm2(照度250mw/cm2、6秒)の紫外線を照射した。両面のガラスを剥離して得られた成形体は十分に硬化しており、光硬化性組成物[I]は速硬化性を有していた。さらに、成形体をオーブンにより100℃で1時間加熱して、硬化物[I]を得た。得られた硬化物[I]は、表2に示される通り、波長410nmにおける光線透過率は80%、アッベ数νDは22、屈折率nDは1.65であり、良好な光学特性を有していた。また、ガラス転移温度は130℃と高く、吸水率、曲げ弾性率、耐溶剤性、耐熱性(析出)等の諸特性も、表2に示される通り、良好であった。
長さ100mm×幅100mm×厚さ1mmのガラスを1枚用意し、かかるガラスの片面(面A)を、シランカップリング剤で処理した。具体的な手法は、面Aに3−メタアクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製「KBM503」)の0.1質量%イソプロピルアルコール溶液をスピンコート法(500rpm、10秒)で塗布し、ホットプレート上で150℃、5分乾燥させた。
表1−1に示される組成とする以外は、実施例1と同様にして光硬化性組成物[II]〜[VIII]を得た。得られた光硬化性組成物[II]〜[VIII]の特性は表1−1に示される通りである。さらに、実施例1と同様にして硬化物[II]〜[VIII]と積層体[II]〜[VIII]を得た。得られた硬化物[II]〜[VIII]と積層体[II]〜[VIII]の特性は表2と表3に示される通りである。
表1−1に示される組成とする以外は、実施例1と同様にして光硬化性組成物[IX]を得た。得られた光硬化性組成物[IX]は25℃では固体であり、常温での光硬化は不可能であった。
表1−1に示される組成とする以外は、実施例1と同様にして光硬化性組成物[X]を得た。得られた光硬化性組成物[X]は25℃では固体であり、常温での光硬化は不可能であった。
表1−1に示される組成とする以外は、実施例1と同様にして光硬化性組成物[XI]を得た。得られた光硬化性組成物[XI]は調合後1時間でゲル化したため、光硬化は不可能であった。
表1−1に示される組成とする以外は、実施例1と同様にして光硬化性組成物[XII]を得た。得られた光硬化性組成物[XII]の特性は表1−1に示される通りである。なお、常温において光硬化組成物[XII]は、粘度が10Pa・sの液状であった。さらに、実施例1と同様にして硬化物[XII]と積層体[XII]を得た。得られた硬化物[XII]と積層体[XII]の特性は表2と表3に示される通りである。
なお、硬化物[XII]の作製において、紫外線照射後に得られた成形体は柔らかく、十分に硬化していなかったが、実施例1と同様に、オーブン中で100℃、1時間加熱して、硬化物[XII]とした。また、硬化物[XII]の吸水率の測定中に、水への溶出成分が確認されたため、測定を中止した。
表1−1に示される組成とする以外は、実施例1と同様にして光硬化性組成物[XIII]を得た。得られた光硬化性組成物[XIII]の特性は、表1−1に示す。さらに、実施例1と同様にして硬化物[XIII]と積層体[XIII]を得た。得られた硬化物[XIII]と積層体[XIII]の特性は表2と表3に示す。
なお、参考例4及び5において成分Bとして使用したN−メタリルカルバゾール中のメタリル基は、メチルアリル基とも呼ばれ、化学式は、CH2=CH(−CH3)−CH2−で表される。
また、参考例4及び5の光硬化性組成物は、透明液状化及び低アッベ数化できているもの、速硬化性が十分ではなく、ガラス転移温度も100℃以下であった。得られた硬化物は、耐熱試験後に表面への析出が有り、耐久性が十分でないことがわかる。また、参考例4及び5の光硬化性組成物を室温に戻してすぐは透明な液体であったため、その状態で光硬化を行ったが、室温に戻してから数時間から数日経過させた光硬化性組成物を観察すると、析出物が浮遊又は沈殿するか、ゲル状態になる様子が見られた。
1 透明基板
2 マイクロレンズアレイ
3 カラーフィルター
Claims (11)
- 光インプリント用の光硬化性組成物であって、下記成分A、成分B、成分C及び成分Dを含有し、透明な液体であることを特徴とする光硬化性組成物。
成分A:下記一般式(1)で示されるビス(メルカプトフェニル)スルホン骨格含有ジ(メタ)アクリレート化合物
成分B:N−(メタ)アクリロイルカルバゾール
成分C:1,2−ベンゼンジチオール、1,3−ベンゼンジチオール、1,4−ベンゼンジチオール及び1,3,5−ベンゼントリチオールから選ばれる少なくとも1種以上の芳香族系多官能チオール
成分D:光重合開始剤 - 前記光硬化性組成物中の成分A、成分B及び成分Cの含有量が、それぞれ下記範囲であることを特徴とする請求項1に記載の光硬化性組成物。
成分A:40〜90質量%
成分B:10〜60質量%
成分C:0.1〜15質量% - さらに、下記成分E、成分F、成分G及び成分Hから選ばれる少なくとも1種以上を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の光硬化性組成物。
成分E:酸化防止剤
成分F:紫外線吸収剤
成分G:近赤外吸収剤
成分H:帯電防止剤 - 前記光硬化性組成物の硬化物のアッベ数νDが、22以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の光硬化性組成物。
- 前記光硬化性組成物の硬化物のガラス転移温度が、105℃以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の光硬化性組成物。
- 前記光硬化性組成物の硬化物の屈折率nDが、1.7以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の光硬化性組成物。
- 前記光硬化性組成物の硬化物の光線透過率が、波長410nmにおいて60%以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の光硬化性組成物。
- 請求項1〜7のいずれか一項に記載の光硬化性組成物の硬化物。
- 前記硬化物のガラス転移温度が、105℃以上であることを特徴とする請求項8に記載の硬化物。
- 請求項1〜7のいずれか一項に記載の光硬化性組成物の硬化物であることを特徴とするマイクロレンズアレイ。
- 請求項10に記載のマイクロレンズアレイを、カラーフィルター上に有することを特徴とする積層体。
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