JP2007213022A - 透明成形体とその製造方法、およびレンズ基材 - Google Patents

透明成形体とその製造方法、およびレンズ基材 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた透明性と高い屈折率を有するレンズ基材等に有用な透明成形体を提供する。
【解決手段】樹脂中に酸化ジルコニウムを主成分とする微粒子を含有し、厚さ1mm換算の光線透過率が波長405nmにおいて60%以上かつ波長589nmにおいて70%以上であることを特徴とする厚さ0.5mm以上の透明成形体。
【選択図】なし

Description

本発明は、高屈折性、透明性、軽量性に優れる材料組成物を含んで構成されるレンズ基材(例えば、眼鏡レンズ、光学機器用レンズ、オプトエレクトロニクス用レンズ、レーザー用レンズ、ピックアップ用レンズ、車載カメラ用レンズ、携帯カメラ用レンズ、デジタルカメラ用レンズ、OHP用レンズ、マイクロレンズアレイ等を構成するレンズ基材)に関する。
近年、光学材料の研究が盛んに行われており、特にレンズの分野においては高屈折性、耐熱性、透明性、易成形性、軽量性、耐薬品性・耐溶剤性等に優れた材料の開発が強く望まれている。
プラスチックレンズは、ガラスなどの無機材料に比べ軽量で割れにくく、様々な形状に加工できるため、眼鏡レンズのみならず近年では携帯カメラ用レンズやピックアップレンズ等の光学材料にも急速に普及しつつある。
それに伴い、レンズの薄肉化、撮像素子の小型化を目的として素材自体を高屈折率化することが求められるようになっており、例えば、硫黄原子をポリマー中に導入する技術(特許文献1、特許文献2参照)や、ハロゲン原子や芳香環をポリマー中に導入する技術(特許文献3)等が活発に研究されてきた。しかし、十分に屈折率が大きくて良好な透明性を有しており、ガラスの代替となるようなプラスチック材料は未だ開発されるに至っていない。
樹脂の屈折率を高める別の手段として、樹脂中に高屈折率の無機微粒子を均一分散させる方法が知られており(特許文献4〜9)、無機微粒子としてジルコニアを用いることも知られている(特許文献6〜9)。屈折率には加成性が成り立つため、有機−無機コンポジット化技術は、樹脂構造単独の設計のみでは困難なレベルの高屈折率材料を実現する有望な手法として期待されてきた。しかしながら、該手法を光学レンズのような厚い成形体に適用する場合には、レイリー散乱に起因する透明性の低下が大きな問題となり、有意な高屈折率化を実現するレベルまで微粒子の添加量を増やした場合、十分な透明性を維持することができなかった。また、光の照射によるヘイズや着色の発生が著しいなどの点でも問題があった。このため、0.5mm以上の厚みを有する高屈折率な透明成形体に関する技術開示はなされていない。
特開2002−131502号公報 特開平10−298287号公報 特開2004−244444号公報 特開昭61−291650号公報 特開2003−73559号公報 特開2005−316219号公報 特開2001−89535号公報 特開2005−161111号公報 特開2005−185924号公報
よって、高屈折性、透明性、軽量性、耐光性を併せ持つプラスチック材料、およびそれを含んで構成されるレンズ基材などの成形体は未だ見出されておらず、その開発が望まれていた。
本発明は上記実状に鑑みてなされたものであり、その目的は、微粒子が樹脂マトリックス中に均一に分散していて、優れた透明性と高い屈折率を有する成形体とその製造方法を提供し、さらにこれらを利用してレンズ基材を提供することにある。
本発明者らは上記の目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、高屈折率を有する透明性に優れた樹脂と該樹脂への相溶性を有する特定の無機微粒子とを原料とした材料組成物が、微粒子の均一分散効果により、厚く成形した場合であっても高屈折性と優れた透明性を有することを見出し、本発明の完成に至った。
すなわち、本発明は以下の[1]〜[11]に記載した事項に特定される。
[1] 樹脂中に酸化ジルコニウムを主成分とする微粒子を含有し、厚さ1mm換算の光線透過率が波長405nmにおいて60%以上かつ波長589nmにおいて70%以上であることを特徴とする厚さ0.5mm以上の透明成形体。
[2] 酸化ジルコニウムを主成分とする前記微粒子を30質量%以上含有することを特徴とする[1]に記載の透明成形体。
[3] 酸化ジルコニウムを主成分とする前記微粒子の数平均粒子サイズが1〜7nmであることを特徴とする[1]または[2]に記載の透明成形体。
[4] 波長589nmにおける屈折率が1.7以上であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれか一項に記載の透明成形体。
[5]
Figure 2007213022
[R1、R2、R3およびR4はそれぞれ独立に水素原子、または置換または無置換のアルキル基を表わす。]、−SO3H、−OSO3H、および−CO2Hからなる群より選択される基を有する化合物を含有することを特徴とする[1]〜[4]のいずれか一項に記載の透明成形体。
[6] 前記樹脂の屈折率が1.58〜1.80であることを特徴とする[1]〜[5]のいずれか一項に記載の透明成形体。
[7] [1]〜[6]のいずれか一項に記載の透明成形体からなることを特徴とするレンズ基材。
[8] 厚さ1mm換算の光線透過率が波長405nmにおいて60%以上かつ波長589nmにおいて70%以上であって、厚さが0.5mm以上である透明成形体の製造方法であって、
酸化ジルコニウムを主成分とする微粒子を樹脂中に分散させる工程を含むことを特徴とする透明成形体の製造方法。
[9] 前記微粒子の数平均粒子サイズが1〜7nmであることを特徴とする[8]に記載の透明成形体の製造方法。
[10] 前記微粒子を分散剤の存在下で樹脂中に分散することを特徴とする[8]または[9]に記載の透明成形体の製造方法。
[11] 前記分散剤が、
Figure 2007213022
[R1、R2、R3およびR4はそれぞれ独立に水素原子、または置換または無置換のアルキル基を表わす。]、−SO3H、−OSO3H、および−CO2Hからなる群より選択される基を有する化合物であることを特徴とする[10]に記載の透明成形体の製造方法。
本発明の透明成形体は、微粒子が樹脂マトリックス中に均一に分散していて、優れた透明性と高い屈折率を有している。また、本発明の透明成形体は、機械的強度や耐光性も良好である。本発明の製造方法によれば、このような優れた性質を有する透明成形体を効率よく製造することができる。本発明の透明成形体を用いることによって、優れたレンズ基材を提供することができる。
以下において、本発明の透明成形体とその製造方法、およびレンズ基材について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
[材料組成物]
本発明の透明成形体を構成する材料組成物は、樹脂中に酸化ジルコニウムを主成分とする微粒子を含有する。好ましい材料組成物は、高屈折率を有する樹脂に酸化ジルコニウムを主成分とする無機微粒子が分散している組成物である。
材料組成物の作成方法は特に限定されるものではない。具体的には、樹脂と無機微粒子をそれぞれ独立に合成して両者を混合させる方法、予め合成した無機微粒子の存在下で樹脂を合成する方法、予め合成した樹脂の存在下で無機微粒子を合成する方法、樹脂と無機微粒子の両者を同時に合成する方法等を挙げることができ、これらのいずれの方法で作成してもよい。
例えば、樹脂と無機微粒子をそれぞれ独立に合成して両者を混合させる方法を採用する場合は、無機微粒子と樹脂溶液を攪拌混合してもよいし、無機微粒子の分散液と樹脂溶液を攪拌混合してもよい。このとき、無機微粒子またはその分散液を一気に樹脂溶液と混合してもよいし、徐々に樹脂溶液に滴下してもよい。また、攪拌混合に際しては、可塑剤や分散剤を存在させておいてもよい。このような可塑剤や分散剤は、予め樹脂溶液や無機微粒子分散液に添加しておいてもよいし、樹脂溶液と無機微粒子の混合物に添加してもよい。
本発明における材料組成物は、波長405nmにおける光線透過率が60%以上であり、65%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましい。また波長589nmにおける光線透過率が70%以上であり、75%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましい。波長589nmにおける光線透過率が80%以上であればより好ましい性質を有するレンズ基材を得やすい。なお本発明における光線透過率は、材料組成物を成形して厚さ1.0mmの基板を作成し、反射防止層を設けずに、紫外可視吸収スペクトル測定用装置UV−3100(島津製作所)で測定した値であり、成形体の表面および裏面での反射による透過率減少を含んだ値である。光学レンズなどに使用する際に通常、レンズ表面に反射防止層が設置されるが、反射防止層を設置した成形体では波長589nmにおける光線透過率が80%以上であることが好ましく、より好ましくは85%以上であり、特に好ましくは90%以上である。
本発明における材料組成物は、ガラス転移温度が100℃〜400℃であることが好ましく、130℃〜380℃であることがより好ましい。ガラス転移温度が100℃以上であれば十分な耐熱性が得られやすく、ガラス転移温度が400℃以下であれば成形加工を行いやすい傾向がある。
[微粒子]
本発明では、樹脂中に分散させる微粒子として酸化ジルコニウムを主成分とする微粒子を用いる。ここでいう、主成分とは本発明で用いられる微粒子におけるジルコニウム元素の割合が50質量%以上であることを意味する。本発明の微粒子ではジルコニウム元素の割合が55質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましい。本発明の微粒子には屈折率や透明性や安定性の観点から、酸化ジルコニウム以外の無機物との複合物として用いてもよい。酸化ジルコニウム以外の無機物としては、酸化物、硫化物、セレン化物、テルル化物等が挙げられる。より具体的には、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、硫化亜鉛等を挙げることができるが、本発明で用いることができる無機物はこれらに限定されるものではない。該微粒子の屈折率は2.0〜2.3であることが好ましい。
本発明において用いる酸化ジルコニウム微粒子の製造方法は、特に限定されるものではなく、公知のいずれの方法も用いることができる。例えば、酸化ジルコニウム微粒子またはその懸濁液を得る方法として、ジルコニウム塩を含む水溶液をアルカリで中和し水和ジルコニウムを得た後、乾燥および焼成し、溶媒に分散させて酸化ジルコニウム懸濁液を得る方法、ジルコニウム塩を含む水溶液を加水分解して酸化ジルコニウム懸濁液を得る方法、ジルコニウム塩を含む水溶液を加水分解して酸化ジルコニウム懸濁液を得た後、限外ろ過する方法、ジルコニウムアルコキシドを加水分解して酸化ジルコニウム懸濁液を得る方法、ジルコニウム塩を含む水溶液を水熱の加圧下で加熱処理することにより酸化ジルコニウム懸濁液を得る方法が知られており、これらのいずれの方法を用いてもよい。
本発明で用いる酸化ジルコニウム微粒子の数平均粒子サイズは、小さすぎると該微粒子を構成する物質固有の特性が変化する場合があり、逆に該数平均粒子サイズが大きすぎるとレイリー散乱の影響が顕著となり、材料組成物の透明性が極端に低下する場合がある。従って、本発明で用いる無機微粒子の数平均粒子サイズの下限値は、好ましくは1nm、より好ましくは2nm、さらに好ましくは3nmであり、上限値は好ましくは7nm、より好ましくは6nm、さらに好ましくは5nmである。材料組成物中に含まれる酸化ジルコニウムの含量は30〜90質量%であることが好ましく、35〜80質量%であることがさらに好ましく、40〜80質量%であることが特に好ましい。
[分散剤]
本発明に用いる酸化ジルコニウム微粒子は、分散剤を用いて樹脂中に分散されていることが好ましい。樹脂中に分散されている酸化ジルコニウム微粒子の数平均粒子サイズの好ましい範囲は、本発明で用いる酸化ジルコニウム微粒子の数平均粒子サイズの好ましい範囲(前述)と同じである。
本発明に用いる酸化ジルコ二ウム微粒子は粒子サイズが小さく、表面エネルギーが高いため、固体で単離すると再分散させることが難しい。よって、水中やアルコール中に分散している酸化ジルコニウム微粒子を有機溶媒中に分散剤を用いて抽出したのち、モノマーやポリマーと混合することが好ましい。
抽出に使用する分散剤は樹脂へ分散する際の分散剤と同じでも異なっていてもよい。異なっている場合には、有機溶媒中で配位子交換を行った後、使用する。
本発明に使用される分散剤の分子量は、通常50〜10000、より好ましくは100〜5000、さらに好ましくは200〜1000である。成形過程で重合することによって高分子量化するものも好ましく用いられる。あるいは主体となる樹脂マトリックス自体が微粒子分散基を有していることも好ましい。
本発明に使用する前記微粒子は、後記樹脂を主体とする樹脂マトリックスへの相溶性を有する有機化合物によって配位あるいは修飾されると、該樹脂マトリックスへの微粒子の分散性が向上し、本発明の材料組成物の透明性や機械的強度が向上する場合がある。このような有機化合物も分散剤として本発明において好ましく用いることができる。この種の分散剤の効果は、微粒子同士の凝集が抑制される効果、上記樹脂マトリックスへの相溶性が向上する効果等の組み合わせによるものと考えられる。
かかる分散剤の好ましい構造は下記一般式(1)で表される。
一般式(1)
A−R
ただし、Aは微粒子の表面と任意の化学結合を形成しうる官能基を表し、Rは樹脂マトリックスへの相溶性または反応性を有する炭素数1〜30の1価の基またはポリマーを表す。化学結合とは、例えば共有結合、イオン結合、配位結合、水素結合等である。
かかる酸化ジルコニウム微粒子に結合する上記Aの具体例としては、
Figure 2007213022
[R1、R2、R3およびR4はそれぞれ独立に水素原子、または置換または無置換のアルキル基を表わす。]、−SO3H、−OSO3H、−CO2H、−Si(OR5m6 3-m、−Al(OR72、−Ti(OR83[R5、R6、R7およびR8はそれぞれ独立に水素原子、置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のアルケニル基、置換または無置換のアルキニル基、または置換または無置換のアリール基を表す。mは1〜3の整数を表す。]が挙げられ、好ましくは、
Figure 2007213022
−SO3H、−OSO3H、−CO2Hであり、特に好ましくは、
Figure 2007213022
である。R1〜R4で表されるアルキル基は、不飽和結合や水酸基などを有していてもよい。不飽和結合としては、炭素−炭素二重結合が好ましい。
一方、上記Rは樹脂マトリックスへの相溶性または反応性を有する基であり、その化学構造は、該樹脂マトリックスの主体である樹脂の化学構造の一部または全部と同一または類似であることが好ましい。好ましいRとして、芳香環を有する基(例えばフェニル基、ベンジル基、4−n−オクチルフェニル基など)および反応性不飽和基を有する基(例えば(メタ)アクリロイル基を有するアルキル基などが挙げられる。
本発明で好適に用いられる分散剤の具体例としては、KAYAMER PM−21、KAYAMER PM−2(以上商品名;日本化薬(株)社製)、ホスマーPE、ホスマーPP(以上商品名;ユニケミカル(株)社製)、フェニルホスホン酸、リン酸ジベンジル、4−ビニルベンゼンスルホン酸、ビニルスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、4−ビニル安息香酸、β-カルボキシエチルアクリレート等が例示される。
これらの分散剤は、1種類を単独で用いてもよく、また複数種を併用してもよい。
これら分散剤の添加量は、ジルコニア微粒子固形分に対して、5〜200質量%であることが好ましく、より好ましくは10〜100質量%であり、特に好ましくは20〜50質量%である。
[樹脂]
本発明において用いる樹脂は、熱可塑性樹脂、熱または紫外線や電子線などの活性エネルギー線の作用で硬化する樹脂のいずれであってもよい。熱可塑性樹脂の場合、ガラス転移温度が80℃〜400℃であることが好ましく、130℃〜380℃であることがより好ましい。ガラス転移温度が80℃以上の樹脂を用いれば十分な耐熱性を有する光学部品が得られやすくなり、また、ガラス転移温度が400℃以下の樹脂を用いれば成形加工が行いやすくなる傾向がある。
本発明において用いる樹脂の厚み1mmでの光線透過率は、波長400nmおよび589nmにおいてそれぞれ80%以上であることが好ましく、それぞれ85%以上であることがより好ましい。ここでいう光線透過率は、上記材料組成物の光線透過率と同様に、反射防止膜を設置せずに測定したものであり、表面および裏面での光線の反射による透過率減少を含んだ値である。また、本発明において用いる樹脂の屈折率は、波長589nmにおいて1.58〜1.80であることが好ましく、1.60〜1.80であることがより好ましく、1.65〜1.80であることが特に好ましい。ここでいう屈折率は、アッベ屈折計(アタゴ社製、DR−M4)を用いて波長589nmの光について測定した値である。
以下に本発明で使用することができる熱可塑性樹脂の好ましい具体例を挙げるが、本発明で用いることができる熱可塑性樹脂はこれらに限定されるものではない。繰り返し単位のxおよびyは共重合比(mol比)を表す。
Figure 2007213022
Figure 2007213022
Figure 2007213022
Figure 2007213022
その他、特開平11−202101号、特開平7−316295号、特開平8−92367号、特開平8−104751号、特開平8−100065号、特開平5−178929号、特開平7−267919号各公報に記載の硫黄を含む高屈折率熱可塑性樹脂なども挙げられる。
これらの樹脂は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
次に本発明で好適に用いられる熱または活性エネルギー線の作用によって硬化する樹脂の好ましい具体例を挙げるが、本発明で用いることができる樹脂はこれらに限定されるものではない。なお、M−1からM−7はモノマーとして表記している。
Figure 2007213022
Figure 2007213022
その他、特開平5−148340号、特開平5−208950号、特開平6−192250号、特開平7−252207号、特開平9-110979号、特開平9−255781号、特開平10−298287号、特開2001−342252号、特開2002−131502号等の各公報に記載の硫黄を含有する硬化性樹脂も好適に用いることができる。
上記樹脂を形成するモノマーを効率的に硬化させるために、本発明では重合開始剤を併用してもよい。
ラジカル重合開始剤としては、熱の作用によりラジカルを発生するもの、あるいは光の作用によりラジカルを発生するもののいずれであっても使用可能である。
熱の作用によりラジカル重合を開始する化合物としては、有機あるいは無機過酸化物、有機アゾ及びジアゾ化合物等を用いることができる。
具体的には、有機過酸化物として過酸化ベンゾイル、過酸化ハロゲンベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化アセチル、過酸化ジブチル、クメンヒドロぺルオキシド、ブチルヒドロぺルオキシド、無機過酸化物として、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等、アゾ化合物として2−アゾービスーイソブチロニトリル、2−アゾービスープロピオニトリル、2−アゾ−ビスーシクロヘキサンジニトリル等、ジアゾ化合物としてジアゾアミノベンゼン、p−ニトロベンゼンジアゾニウム等を挙げることができる。
光の作用によりラジカル重合を開始する化合物を使用する場合は、活性エネルギー線の照射によって硬化が行われる。
このような光ラジカル重合開始剤の例としては、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物類、2,3−ジアルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、フルオロアミン化合物類や芳香族スルホニウム類がある。アセトフェノン類の例には、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、1−ヒドロキシジメチルフェニルケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−4−メチルチオ−2−モルフォリノプロピオフェノンおよび2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノンが含まれる。ベンゾイン類の例には、ベンゾインベンゼンスルホン酸エステル、ベンゾイントルエンスルホン酸エステル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテルおよびベンゾインイソプロピルエーテルが含まれる。ベンゾフェノン類の例には、ベンゾフェノン、2,4−ジクロロベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノンおよびp−クロロベンゾフェノンが含まれる。ホスフィンオキシド類の例には、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシドが含まれる。これらの光ラジカル重合開始剤と併用して増感色素も好ましく用いることができる。
熱または光の作用によってラジカル重合を開始する化合物の添加量としては重合を開始できる量であればよいが、一般的には樹脂組成物中の全固形分に対して0.1〜15質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜10質量%であり、特に好ましくは2〜5質量%の場合である。
カチオン重合開始剤としては、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等のプロトン酸、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩、ベンジルジメチルアミン、トリブチルアミン、トリス(ジメチルアミノ)メチルフェノール等の3級アミン、2−メチルー4−エチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物、トルエンスルホン酸シクロへキシルエステル、トルエンスルホン酸イソプロピルエステル等の加熱により分解してプロトン酸を発生する化合物、あるいは以下に記載する光の作用により酸触媒を発生する各種化合物を挙げることができるが本発明では特に光の作用により酸を発生する化合物が好ましい。
光の作用により酸を発生する化合物としては、例えば有機エレクトロニクス材料研究会(ぶんしん出版)編「イメージング用有機材料」p187〜198、特開平10−282644号公報等に種々の例が記載されておりこれら公知の化合物を使用することができる。具体的には、RSO3 -(Rはアルキル基、アリール基を表す)、AsF6 -、SbF6 -、PF6 -、BF4 -等をカウンターイオンとするジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、セレノニウム塩、アルソニウム塩等の各種オニウム塩、トリハロメチル基が置換したオキサジアゾール誘導体やS−トリアジン誘導体等の有機ハロゲン化物、有機酸のo−ニトロベンジルエステル、ベンゾインエステル、イミノエステル、ジスルホン化合物等が挙げられ、好ましくは、オニウム塩類、特に好ましくはスルホニウム塩、ヨードニウム塩類である。
これらの光の作用により、酸を発生する化合物と併用して増感色素も好ましく用いることができる。
熱または光の作用によってカチオン重合を開始する化合物の添加量もラジカル開始剤と同様に、一般的には樹脂組成物中の全固形分に対して0.1〜15質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜10質量%であり、特に好ましくは2〜5質量%である。
[可塑剤]
本発明で用いる樹脂のガラス転移温度が高い場合、成形が必ずしも容易ではないことがある。このため、成形温度を下げるために可塑剤を使用してもよい。本発明で使用する可塑剤としては、一般式(2)で表される構造を有するものが好ましい。
一般式(2)
Figure 2007213022
(式中、B1 およびB2 は炭素数6〜18のアルキル基または炭素数6〜18のアリールアルキル基、mは0または1、Xは
Figure 2007213022
のうちのいずれかであり、R11 およびR12 はそれぞれ独立に水素原子または炭素数4以下のアルキル基を示す。)
また、一般式(2)で表される化合物において、B1 ,B2 は炭素数6〜18の範囲内において任意のアルキル基またはアリールアルキル基を選ぶことができる。炭素数が6未満では、分子量が低すぎてポリマーの溶融温度で沸騰し、気泡を生じたりする場合がある。また、炭素数が18を超えると、ポリマーとの相溶性が悪くなるので添加効果が不十分である場合がある。
1 ,B2 の基としては、具体的には、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−テトラデシル基、n−ヘキサデシル基、n−オクタデシル基等の直鎖アルキル基や、2−ヘキシルデシル基、メチル分岐オクタデシル基等の分岐アルキル基、またはベンジル基、2−フェニルエチル基等のアリールアルキル基が挙げられる。本発明に用いる一般式(2)で示される化合物の具体例としては、 次に示すものが挙げられ、中でも、W−1(花王株式会社製の商品名〔KP−L155〕)が好ましい。
Figure 2007213022
[成形法]
本発明における有機無機複合材料の成形法としては、射出成形、押出成形、圧縮成形、キャスト成形等、一般の熱可塑性樹脂材料の成形法を適用できるが、有機無機複合材料の流動性が低いことから、本発明では圧縮成形が好ましい。
[透明成形体]
本発明の透明成形体は0.5mm以上の厚みを有し、好ましくは0.5〜5mm、より好ましくは0.7〜3mm、特に好ましくは1〜2mmの厚みを有する。このため、本発明の透明成形体は光学レンズのような厚みの必要とされる部材に好適に使用することができる。レンズの屈折パワーは曲率(厚み)と屈折率によって決定される。携帯電話・デジカメ等に用いられる光学レンズの設計においては0.5mm以上の厚みが要求されるため、このような厚みにおいても屈折率と透明性を両立させることが必要とされているが、従来公知の樹脂成形体では満足が行く程度に両立させることができなかった。
本発明の透明成形体は、0.5mm以上の厚みを有していながら、可視域透明性が高いという特徴を有する。具体的には、厚さ1mm換算の光線透過率が波長405nmにおいて60%以上、好ましくは65%以上、特に好ましくは70%以上であり、かつ厚さ1mm換算の光線透過率が波長589nmにおいて70%以上、より好ましくは75%以上、特に好ましくは80%以上である。
[レンズ基材]
本発明の透明成形体を光学レンズに適用する場合、特に、高アッベ数、具体的にはアッベ数45〜60のレンズと組み合わせて色収差の補正を行なう用途に用いられることが好ましく、この場合には透明成形体はアッベ数が20〜35程度であることが好ましい。本発明のレンズ基材は、高屈折性、透明性、軽量性を併せ持ち、光学特性に優れている。また、材料組成物を構成するモノマーの種類や分散させる酸化ジルコニウムの量を適宜調節することにより、本発明のレンズ基材の屈折率を任意に調節することが可能である。
本発明における「レンズ基材」とは、レンズ機能を発揮することができる単一部材を意味する。レンズ基材の表面や周囲には、レンズの使用環境や用途に応じて膜や部材を設けることができる。例えば、レンズ基材の表面には、保護膜、反射防止膜、ハードコート膜等を形成することができる。また、レンズ基材の周囲を基材保持枠などに嵌入して固定することもできる。ただし、これらの膜や枠などは、本発明でいうレンズ基材に付加される部材であり、本発明でいうレンズ基材そのものとは区別される。
レンズとして利用するに際しては、本発明のレンズ基材そのものを単独でレンズとして用いてもよいし、上記のように膜や枠などを付加してレンズとして用いてもよい。本発明のレンズ基材を用いたレンズの種類や形状は、特に制限されない。本発明のレンズ基材は、例えば、眼鏡レンズ、光学機器用レンズ、オプトエレクトロニクス用レンズ、レーザー用レンズ、ピックアップ用レンズ、車載カメラ用レンズ、携帯カメラ用レンズ、デジタルカメラ用レンズ、OHP用レンズ、マイクロレンズアレイ等)に使用される。
[その他の用途]
また、材料組成物の優れた光学特性を利用した光学部品、特に光を透過する光学部品(いわゆるパッシブ光学部品)に使用することも可能である。かかる光学部品を備えた機能装置としては、各種ディスプレイ装置(液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等)、各種プロジェクタ装置(OHP、液晶プロジェクタ等)、光ファイバー通信装置(光導波路、光増幅器等)、カメラやビデオ等の撮影装置等が例示される。かかる光学機能装置における上記パッシブ光学部品としては、レンズ、プリズム、プリズムシート、パネル、フィルム、光導波路、光ディスク、LEDの封止剤等が例示される。
以下に実施例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
[分析および評価方法]
(1)X線回折(XRD)スペクトル測定
リガク(株)製RINT1500(X線源:銅Kα線、波長1.5418Å)を用いて、23℃で測定した。
(2)透過型電子顕微鏡(TEM)観察
日立製作所(株)社製H−9000UHR型透過型電子顕微鏡(加速電圧200kV、観察時の真空度約7.6×10-9Pa)にて行った。
(3)光線透過率測定
測定する材料を厚さ1.0mmに成形し、紫外可視吸収スペクトル測定用装置UV−3100(島津製作所製)で測定した。
(4)屈折率測定
アッベ屈折計(アタゴ社製DR−M4)にて、波長589nmの光について行った。
[材料組成物の合成]
実施例1
(1)酸化ジルコニウム微粒子の調製
50g/Lの濃度のオキシ塩化ジルコニウム溶液を48%水酸化ナトリウム水溶液で中和し、水和ジルコニウム懸濁液を得た。この懸濁液をろ過した後、イオン交換水で洗浄し、水和ジルコニウムケーキを得た。このケーキを、イオン交換水を溶媒として酸化ジルコニウム換算で濃度15質量%に調整して、オートクレーブに入れ、圧力150気圧、150℃で24時間水熱処理して酸化ジルコニウム微粒子懸濁液を得た。TEMより数平均粒子サイズが5nmの酸化ジルコニウム微粒子の生成を確認した。同様にして酸化ジルコニウム換算で濃度17質量%および19質量%で反応を行なうことによりそれぞれ数平均粒子サイズが7nmおよび9nmの酸化ジルコニウム微粒子を得た。得られた酸化ジルコニウム中の酸化ジルコニウムの含率をICP-MSを用いた解析により見積もったところ、いずれのサンプルについても95質量%以上であることが確認された。酸化ジルコニウム以外には、微量の塩化物イオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンおよびハフニウムイオンの存在が確認された。
(2)酸化ジルコニウム微粒子トルエン分散液の調製
(1)で調製した数平均粒子サイズが5nmの酸化ジルコニウム水分散液と日本化薬(株)社製のKAYAMER PM−21(商品名)を溶解させたトルエン溶液を混合後、50℃で8時間攪拌した後、トルエン溶液を抽出し、酸化ジルコニウム微粒子トルエン分散液を作製した。
(3)加熱成形によるレンズ基材の製造
(2)で調製した酸化ジルコニウム微粒子トルエン分散液にモノマーM−1とアゾビスイソブロニトリルを混合した後、溶媒を除去し、酸化ジルコニウム微粒子とモノマーM−1の混合物を作成した。この混合物を厚さ1mmの鋳型に流しこみ、30℃で1時間、50℃で1時間、70℃で1時間、100℃で1時間重合を行い、厚さ1mmの成形物(レンズ基材)を得た。成形物を切削し、断面をTEMで観察した結果、無機微粒子が樹脂中に均一に分散していることを確認した。光線透過率測定と屈折率測定を行った結果を表1に示す。
実施例2〜13、比較例1および6
実施例1と同様にして厚さ1mmの成形物を作成した。ただし、モノマーの種類、酸化ジルコニウムの粒子サイズおよび添加量、分散剤を表1に記載される通りに変更した。光線透過率測定、屈折率測定および微粒子のマトリックス中への分散状態を成形物を切削して断面をTEMで観察することにより調べた結果を表1に示す。
比較例2
(1)酸化チタン微粒子の合成
特開2003−73559号公報に従い、酸化チタン微粒子を合成した。XRDとTEMより、アナタ―ス型酸化チタン微粒子(数平均粒子サイズは約5nm)の生成を確認した。
(2) 加熱成形によるレンズ基材の製造
(1)で合成した酸化チタン微粒子を1−ブタノールに懸濁させ、超音波処理を30分行った後、100℃にて30分加熱した。得られた白濁液を、モノマーM−1が10質量%で溶解したクロロホルム溶液に撹拌しながら常温で5分かけて滴下した。得られた混合液から溶媒を留去し、厚さ1mmの鋳型に流しこみ、30℃で1時間、50℃で1時間、70℃で1時間、100℃で1時間、重合を行い、厚さ1mmの成形物(レンズ基材)を得た。
成形物を切削し、断面をTEMで観察した結果、無機微粒子が樹脂中に均一に分散していることを確認した。光線透過率測定と屈折率測定を行った結果を表1に示す。
比較例3〜5
比較例1と同様にして厚さ1mmの成形物を作成した。ただし、モノマーの種類をM−1からM−2に変更し、酸化チタンの添加量と分散剤の添加量を表1に記載される通りに変更した。比較例3〜5で得られた成形物をそれぞれ切削し、断面をTEMで観察した結果、いずれも無機微粒子が樹脂中に均一に分散していることを確認した。光線透過率測定と屈折率測定を行った結果を表1に示す。
比較例7〜10
無機微粒子を加えずに、樹脂のみを成形し、光線透過率測定と屈折率測定を行った。結果を表1に示す。
Figure 2007213022
表1から明らかなように、本発明により高屈折率で1mmの厚みで透明性も良好な成形品が得られた(実施例1〜13)。一方、酸化チタンを分散させた成形物はすべて黄色の着色が認められ、波長405nmにおける透明性が低かった。さらに波長589nmにおいても、本発明の成形物より屈折率同等のものは透明性が低く(実施例1,5と比較例2,3との比較、および実施例6と比較例4の比較)、透明性同等のものは屈折率が低い(実施例5と比較例5の比較)ことが確認された。酸化ジルコニウムを用いた場合にも数平均粒子サイズが7nmを超えると透明性が低下することが分り、7nm以下の粒子サイズが好ましいことが分る(実施例1、2と比較例1の比較)。
次に実施例1〜13の本発明の酸化ジルコニウムを含むサンプルおよび比較例2〜4の酸化チタンを含むサンプルに対して、サンシャインウエザオメータWEL―SU(スガ試験機(株)社製)を用いて相対湿度60%、90時間の条件で耐候性試験を行なった。比較例2〜4のサンプルでは黄変が認められたのに対して本発明の実施例1〜13のサンプルは着色が起こらず耐候性も良好であることが確認された。
本発明の透明成形体とレンズ基材は、高屈折性、透明性、軽量性を併せ持つ。本発明によれば、屈折率を任意に調節したレンズを比較的容易に提供することができる。また、機械的強度や耐候性が良好なレンズも提供しやすい。このため、本発明は、高屈折レンズ等の広範な光学部品の提供に有用であり、産業上の利用可能性が高い。

Claims (11)

  1. 樹脂中に酸化ジルコニウムを主成分とする微粒子を含有し、厚さ1mm換算の光線透過率が波長405nmにおいて60%以上かつ波長589nmにおいて70%以上であることを特徴とする厚さ0.5mm以上の透明成形体。
  2. 酸化ジルコニウムを主成分とする前記微粒子を30質量%以上含有することを特徴とする請求項1に記載の透明成形体。
  3. 酸化ジルコニウムを主成分とする前記微粒子の数平均粒子サイズが1〜7nmであることを特徴とする請求項1または2に記載の透明成形体。
  4. 波長589nmにおける屈折率が1.7以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の透明成形体。
  5. Figure 2007213022
    [R1、R2、R3およびR4はそれぞれ独立に水素原子、または置換または無置換のアルキル基を表わす。]、−SO3H、−OSO3H、および−CO2Hからなる群より選択される基を有する化合物を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の透明成形体。
  6. 前記樹脂の屈折率が1.58〜1.80であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の透明成形体。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の透明成形体からなることを特徴とするレンズ基材。
  8. 厚さ1mm換算の光線透過率が波長405nmにおいて60%以上かつ波長589nmにおいて70%以上であって、厚さが0.5mm以上である透明成形体の製造方法であって、
    酸化ジルコニウムを主成分とする微粒子を樹脂中に分散させる工程を含むことを特徴とする透明成形体の製造方法。
  9. 前記微粒子の数平均粒子サイズが1〜7nmであることを特徴とする請求項8に記載の透明成形体の製造方法。
  10. 前記微粒子を分散剤の存在下で樹脂中に分散することを特徴とする請求項8または9に記載の透明成形体の製造方法。
  11. 前記分散剤が、
    Figure 2007213022
    [R1、R2、R3およびR4はそれぞれ独立に水素原子、または置換または無置換のアルキル基を表わす。]、−SO3H、−OSO3H、および−CO2Hからなる群より選択される基を有する化合物であることを特徴とする請求項10に記載の透明成形体の製造方法。
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