JP5142472B2 - 有機無機複合組成物および光学部品 - Google Patents

有機無機複合組成物および光学部品 Download PDF

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Description

本発明は、高屈折性、透明性、軽量性、加工性に優れる有機無機複合組成物、並びに、これを含んで構成されるレンズ基材(例えば、眼鏡レンズ、光学機器用レンズ、オプトエレクトロニクス用レンズ、レーザー用レンズ、ピックアップ用レンズ、車載カメラ用レンズ、携帯カメラ用レンズ、デジタルカメラ用レンズ、OHP用レンズ等)等の光学部品に関する。
近年、光学材料の研究が盛んに行われており、特にレンズ材料の分野においては高屈折性、低分散性(すなわち高いアッベ数)、耐熱性、透明性、易成形性、軽量性、耐薬品性・耐溶剤性等に優れた材料の開発が強く望まれている。
プラスチックレンズは、ガラスなどの無機材料に比べ軽量で割れにくく、様々な形状に加工できるため、眼鏡レンズのみならず近年では携帯カメラ用レンズやピックアップレンズ等の光学材料にも急速に普及しつつある。
それに伴い、レンズを薄肉化するために素材自体を高屈折率化することが求められるようになっており、例えば、硫黄原子をポリマー中に導入する技術(例えば、特許文献1および2参照)や、ハロゲン原子や芳香環をポリマー中に導入する技術(例えば、特許文献3参照)等が活発に研究されてきた。しかし、屈折率が大きくて良好な透明性を有しており、ガラスの代替となるようなプラスチック材料は未だ開発されるに至っていない。また、光ファイバーや光導波路では、異なる屈折率を有する材料を併用したり、屈折率に分布を有する材料を使用したりする。これらに対応するために、屈折率を任意に調節できる技術の開発も望まれている。
有機物のみで屈折率を高めることは難しいことから、高屈折率を有する無機物を樹脂マトリックス中に分散させることによって高屈折率材料をつくる手法が報告されている(例えば、特許文献4参照)。また、レイリー散乱による透過光の減衰を低減するためには、粒子サイズが15nm以下の無機微粒子を樹脂マトリックス中に均一に分散させることが好ましい。しかし、粒子サイズが15nm以下の1次粒子は非常に凝集しやすいために、樹脂マトリックス中に均一に分散させることは極めて難しい。また、レンズの厚みに相当する光路長における透過光の減衰を考慮すると、無機微粒子の添加量を制限せざるを得ない。このため、樹脂の透明性を低下させずに微粒子を高濃度で樹脂マトリックスに分散することはこれまでできなかった。
特開2002−131502号公報 特開平10−298287号公報 特開2004−244444号公報 特開2003−73559号公報
上述のように、高屈折性、透明性および軽量性を併せ持つプラスチック材料、およびそれを含んで構成されるレンズ等の光学部品は未だ見出されておらず、その開発が望まれていた。
本発明は上記実状に鑑みてなされたものであり、その目的は、微粒子が樹脂マトリックス中に均一に分散され、優れた透明性と高い屈折率とを有する有機無機複合組成物、並びに、これを用いたレンズ基材等の光学部品を提供することにある。
本発明者らは上記の目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、高屈折率を有する透明性に優れた特定の樹脂と該樹脂マトリックスへの相溶性を有する無機微粒子とを原料とした有機無機複合組成物が、微粒子の均一分散効果により、高屈折性と優れた透明性とを有することを見出し、以下に記載する本発明の完成に至った。
[1]疎水性セグメントおよび親水性セグメントで構成されるブロック共重合体と、数平均粒子径が1nm〜15nmの無機微粒子とを含む有機無機複合組成物であって、
成形体とした際の、波長589nmにおける厚さ1mm換算の光線透過率が70%以上であることを特徴とする有機無機複合組成物。
[2]前記ブロック共重合体が、−PO312、−OPO312、−SO3H、−OSO3H、−CO2H、−OH、および、−Si(OR1m3 3-m〔R1、R2、R3はそれぞれ独立に、水素原子、置換されてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいアルキニル基、または置換されていてもよいフェニル基を表す。mは1〜3の整数を表す。〕からなる群より選ばれる官能基を有し、且つ、前記官能基の含有量が前記ブロック共重合体の全体に対して0.05〜5.0mmol/gであることを特徴とする前記[1]に記載の有機無機複合組成物。
[3]前記ブロック共重合体の波長589nmにおける屈折率が1.55以上であることを特徴とする前記[1]または[2]に記載の有機無機複合組成物。
[4]前記無機微粒子が、チタン酸化物、および/または、ジルコニウム酸化物を含むことを特徴とする前記[1]〜[3]のいずれかに記載の有機無機複合組成物。
[5]前記[1]〜[4]のいずれか1項に記載の有機無機複合組成物を含むことを特徴とする光学部品。
[6]レンズ基材であることを特徴とする前記[5]に記載の光学部品。
本発明によれば優れた透明性と高い屈折率とを併せもつ有機無機複合組成物、およびこれを用いた光学部品を提供することができる。また、本発明によれば、機械的強度や耐熱性が良好な光学部品も提供しやすい。
以下において、本発明の有機無機複合組成物およびそれを含んで構成される光学部品について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
[有機無機複合組成物]
本発明の有機無機複合組成物は、疎水性セグメントおよび親水性セグメントで構成されるブロック共重合体と、数平均粒子径が1nm〜15nmの無機微粒子とを含み、成形体とした際の、波長589nmにおける屈折率が1.67以上であり、かつ、波長589nmにおける厚さ1mm換算の光線透過率が70%以上であることを特徴とする。即ち、本発明の有機無機複合組成物は、本発明における樹脂に無機微粒子が分散している組成物である。
また、本発明の有機無機複合組成物は、成形体とした際の、波長589nmにおける屈折率が1.67以上であり、かつ、波長589nmにおける厚さ1mm換算の光線透過率が70%以上である。
成形体とした際に、波長589nmにおける屈折率が1.67未満であると高屈折率レンズ用途に適さない。また、本発明の組成物を成形体とした際に、波長589nmにおける厚さ1mm換算の光線透過率が70未満%であると、光学レンズとしての用途に適さない。
本発明の組成物を成形体とした際の波長589nmにおける屈折率としては、1.67以上が好ましく、1.70以上が更に好ましい。また、この場合の屈折率の上限は特に限定はない。 また、本発明の組成物を成形体とした際の波長589nmにおける厚さ1mm換算の光線透過率としては、70%以上が好ましく、80%以上が更に好ましい。
[樹脂]
本発明における有機無機複合組成物は、後述する無機微粒子と疎水性セグメントおよび親水性セグメントで構成されるブロック共重合体(以下、「本発明におけるブロック共重合体」と呼ぶ場合がある。)を含む有機無機複合組成物である。
単に無機微粒子として粒子サイズが光の波長より十分小さいものを使用しても、無機微粒子の凝集を防ぎきれず、レイリー散乱により透過光は減衰してしまう。このため、従来の方法では透過光を大きく減衰させないために有機無機複合組成物中の無機成分を増やすことができなかった。しかし、本発明では粒子サイズの小さい無機微粒子を使用するだけでなく、マトリックスとして疎水性セグメントおよび親水性セグメントで構成されるブロック共重合体を用いることで、均一な無機微粒子のマトリックス中への分散を実現し、無機微粒子と樹脂との界面での散乱を抑制して屈折率1.67以上の有機無機複合組成物、およびそれを含んで構成される光学部品を得ることができる。
本発明で用いられる樹脂は、屈折率が1.50より大きいことが好ましく、1.55以上であることがより好ましく、1.60より大きいことがさらに好ましく、1.65より大きいことが特に好ましい。なお、本発明における屈折率は、アッベ屈折計(アタゴ社「DR−M4」)にて波長589nmの光について測定した値である。
本発明において用いられる樹脂は、ガラス転移温度が80℃〜400℃であることが好ましく、130℃〜380℃であることがより好ましい。ガラス転移温度が80℃以上の樹脂を用いれば十分な耐熱性を有する光学部品が得られやすくなり、また、ガラス転移温度が400℃以下の樹脂を用いれば成形加工が行いやすくなる傾向がある。
本発明において用いられる樹脂は、波長589nmにおける光線透過率が80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましい。
本発明において、ブロック共重合体とは、疎水性セグメント(A)と親水性セグメント(B)とから構成されるブロック共重合体である。前記疎水性セグメント(A)とは、セグメント(A)のみからなるポリマーが水またはメタノールに溶解しない特性を有するセグメントをいい、前記親水性セグメント(B)とは、セグメント(B)のみからなるポリマーが水またはメタノールに溶解する特性を有するセグメントをいう。前記ブロック共重合体の型としては、AB型、B1AB2型(2つの親水性セグメントB1とB2とは同じでも異なっていてもよい)およびA1BA2型(2つの疎水性セグメントA1とA2とは同じでも異なっていてもよい)が挙げられ、分散特性が良好な点から、AB型あるいはA1BA2型のブロック共重合体が好ましく、製造適性の点から、AB型あるいはABA型(A1BA2型の2つの疎水性セグメントが同じ型)がより好ましく、AB型が特に好ましい。
前記疎水性セグメントおよび前記親水性セグメントは、各々、ビニルモノマーの重合によって得られるビニルポリマー、ポリエーテル、開環メタセシス重合ポリマーおよび縮合ポリマー(ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルスルホンなど)など従来公知のポリマーのいずれからでも選択可能であるが、ビニルポリマー、開環メタセシス重合ポリマー、ポリカーボネート、ポリエステルが好ましく、製造適性の点からビニルポリマーがより好ましい。
前記疎水性セグメント(A)を形成するビニルモノマー(A)としては、例えば、以下のものが挙げられる。
アクリル酸エステル類やメタクリル酸エステル類(エステル基は置換または無置換の脂肪族エステル基、置換または無置換の芳香族エステル基であり、例えば、メチル基、フェニル基、ナフチル基など);
アクリルアミド類、メタクリルアミド類、具体的には、N−モノ置換アクリルアミド、N−ジ置換アクリルアミド、N−モノ置換メタクリルアミド、N−ジ置換メタクリルアミド(モノ置換体およびジ置換体の置換基は、置換または無置換の脂肪族基、置換または無置換の芳香族基であり、前記置換基としては、例えば、メチル基、フェニル基、ナフチル基など);
オレフィン類、具体的には、ジシクロペンタジエン、ノルボルネン誘導体、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、イソプレン、クロロプレン、ブタジエン、2,3−ジメチルブタジエン、ビニルカルバゾールなど;スチレン類、具体的には、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、クロロメチルスチレン、メトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、トリブロモスチレン、ビニル安息香酸メチルエステルなど;
ビニルエーテル類、具体的には、メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテルなど;その他のモノマーとして、クロトン酸ブチル、クロトン酸ヘキシル、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジブチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジブチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジメチル、フマル酸ジブチル、メチルビニルケトン、フェニルビニルケトン、メトキシエチルビニルケトン、N−ビニルオキサゾリドン、N−ビニルピロリドン、ビニリデンクロライド、メチレンマロンニトリル、ビニリデン、ジフェニル−2−アクリロイルオキシエチルホスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイルオキシエチルホスフェート、ジブチル−2−アクリロイルオキシエチルホスフェート、ジオクチル−2−メタクリロイルオキシエチルホスフェートなどが挙げられる。
中でも、エステル基が無置換の脂肪族基、置換または無置換芳香族基であるアクリル酸エステル類およびメタクリル酸エステル類;置換基が無置換の脂肪族基、置換または無置換芳香族基であるN−モノ置換アクリルアミド、N−ジ置換アクリルアミド、N−モノ置換メタクリルアミドおよびN−ジ置換メタクリルアミド;スチレン類;が好ましく、エステル基が置換または無置換芳香族基であるアクリル酸エステル類およびメタクリル酸エステル類;スチレン類;がより好ましい。
前記親水性セグメント(B)を形成するビニルモノマー(B)としては、例えば、以下のものが挙げられる。
アクリル酸、メタクリル酸、エステル部位に親水性の置換基を有するアクリル酸エステル類およびメタクリル酸エステル類;芳香環部に親水性の置換基を有するスチレン類;親水性の置換基を有するビニルエーテル、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−モノ置換アクリルアミド、N−ジ置換アクリルアミド、N−モノ置換メタクリルアミドならびにN−ジ置換メタクリルアミドなどが挙げられる。
親水性の置換基としては−PO312、−OPO312、−SO3H、−OSO3H、−CO2H、−OH、および、−Si(OR1m3 3-m〔R1、R2、R3はそれぞれ独立に、水素原子、置換されてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいアルキニル基、または置換されていてもよいフェニル基を表す。mは1〜3の整数を表す。〕からなる群より選ばれる官能基を有するのが好ましい。前記官能基としては、−PO312、−OPO312、−CO2H、もしくは、−Si(OR1m3 3-mが好ましく、−PO312、−OPO312、もしくは―CO2Hがより好ましく、―PO312、もしくは−OPO312が特に好ましい。前記R1、R2は、独立に水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいアルキニル基、または置換されていてもよいフェニル基を表し、好ましくは、水素原子、もしくはアルキル基である。mは1〜3の整数を表し、好ましくは3である。
中でも、親水性セグメント(B)としては、アクリル酸、メタクリル酸、エステル部位に親水性の置換基を有するアクリル酸エステル類およびメタクリル酸エステル類、芳香環部に親水性の置換基を有するスチレン類が好ましい。
前記疎水性セグメント(A)を形成するビニルモノマー(A)は疎水性の特性を妨げない範囲で、前記ビニルモノマー(B)を含有していてもよい。前記疎水性セグメント(A)に含有される前記ビニルモノマー(A)と前記ビニルモノマー(B)とのモル比は、100:0〜60:40であるのが好ましい。
前記親水性セグメント(B)を形成するビニルモノマー(B)は親水性の特性を妨げない範囲で、前記ビニルモノマー(A)を含有していてもよい。前記親水性セグメント(B)に含有される前記ビニルモノマー(B)と前記ビニルモノマー(A)とのモル比は、100:0〜60:40であるのが好ましい。
前記ビニルモノマー(A)および前記ビニルモノマー(B)は各々、1種類を単独で用いても、2種類以上を用いてもよい。前記ビニルモノマー(A)および前記ビニルモノマー(B)は、種々の目的(例えば、酸含量調節やガラス転移点(Tg)の調節、有機溶剤や水への溶解性調節、分散物安定性の調節)に応じて選択される。
前記官能基の含有量は前記ブロック共重合体の全体に対して0.05〜5.0mmol/gであるのが好ましく、0.1〜4.5mmol/gであるのがさらに好ましく、0.15〜3.5mmol/gであるのが特に好ましい。前記官能基の含有量が少なすぎると分散適性が小さくなる場合があり、多すぎると水溶性が高くなりすぎたり、有機無機複合組成物がゲル化したりする場合がある。尚、前記ブロック共重合体において、前記官能基はアルカリ金属イオン(例えば、Na+、K+など)またはアンモニウムイオンなどカチオン性のイオンと塩を形成していてもよい。
前記ブロック共重合体の分子量(Mn)としては、1000〜100000が好ましく、2000〜80000であることがより好ましく、3000〜50000であることが特に好ましい。ブロック共重合体の分子量が1000より小さい場合、安定な分散物を得るのが難しくなる傾向にあり、100000より大きい場合、有機溶剤への溶解性が悪くなったり、溶解はしても、該溶液の粘度が増加して分散し難くなる傾向にあるので好ましくない。
前記ブロック共重合体の具体例(例示化合物P−1〜P−20)を以下に列挙する。尚、本発明に用いられるブロック共重合体は、これらの具体例に何ら限定されるものではない。
Figure 0005142472
Figure 0005142472
前記ブロック共重合体は、必要に応じてカルボキシル基などを保護したり、ポリマーに官能基を導入する手法を用いてリビングラジカル重合およびリビングイオン重合を利用して合成することができる。また、末端官能基ポリマーからのラジカル重合および末端官能基ポリマー同士の連結によって合成することができる。中でも、分子量制御やブロック共重合体の収率の点から、リビングラジカル重合およびリビングイオン重合を利用するのが好ましい。前記ブロック共重合体の製造方法については、例えば、「高分子の合成と反応(1)(高分子学会編、共立出版(株)発行(1992))」、「精密重合(日本化学会編、学会出版センター発行(1993))」、「高分子の合成・反応(1)(高分子学会編、共立出版(株)発行(1995))」、「テレケリックポリマー:合成と性質、応用(R.Jerome他、Prog.Polym.Sci.Vol16.837−906頁(1991))」、「光によるブロック,グラフト共重合体の合成(Y.Yagch他、Prog.Polym.Sci.Vol15.551−601頁(1990))」、米国特許5085698号明細書などに記載されている。
これらの樹脂は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。また、本発明の効果を阻害しない限り、ブロック共重合体ではない樹脂と混合して使用してもよい。ブロック共重合体ではない樹脂の種類に特に制限はないが、上記で挙げた光学物性、熱物性、分子量を満たすものが好ましい。
次にブロック共重合体の製造方法の例を示す。但し、本発明に用いられる前記ブロック共重合体は以下の合成例によって製造されたものに限定されるものではない。
<合成例>
tert−ブチルアクリレート12.8g、2−ブロモプロピオン酸メチルエステル0.56g、臭化銅(I)0.24g、N,N,N’,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレンテトラミン0.29g、メチルエチルケトン4mlからなる混合液を調製し、窒素置換する。油浴温度80℃で3時間攪拌し、スチレン91.0g、メチルエチルケトン35mlの混合液を窒素気流下添加する。油浴温度90℃で20時間攪拌し、室温に戻してからアセトン100ml、アルミナ30gを加え30分攪拌する。この反応液をろ過し、濾液を過剰のメタノールに滴下する。生じる沈殿を濾取、メタノール洗浄、乾燥し、ブロック共重合体P−1を74g得ることができる。
[無機微粒子]
本発明において用いる無機微粒子としては、例えば、酸化物微粒子、硫化物微粒子、セレン化物微粒子、テルル化物微粒子等が挙げられる。より具体的には、例えば、酸化チタン微粒子、酸化亜鉛微粒子、酸化ジルコニウム微粒子、酸化錫微粒子、硫化亜鉛微粒子等を挙げることができ、好ましくは酸化チタン微粒子、酸化ジルコニウム硫化亜鉛微粒子であり、より好ましくは酸化チタン微粒子、および/または酸化ジルコニウムを含む微粒子であるが、これらに限定されるものではない。本発明では、1種類の無機微粒子を単独で用いてもよいし、複数種の無機微粒子を併用してもよい。
本発明において用いる無機微粒子の製造方法は、特に限定されるものではなく、公知のいずれの方法も用いることができる。ハロゲン化金属やアルコキシ金属を原料に用い、水を含有する反応系において加水分解することにより、所望の酸化物微粒子を得ることができる。
具体的には、酸化チタンナノ粒子の合成には硫酸チタニルが例示され、酸化亜鉛ナノ粒子の合成には酢酸亜鉛や硝酸亜鉛等の亜鉛塩が例示される。テトラエトキシシランやチタニウムテトライソプロポキサイド等の金属アルコキシド類も無機微粒子の原料として好適である。このような無機微粒子の合成方法としては、例えば、ジャパニーズ・ジャーナル・オブ・アプライド・フィジクス第37巻4603〜4608頁(1998年)、あるいは、ラングミュア第16巻第1号241〜246頁(2000年)に記載の公知の方法を用いることができる。
特にゾル生成法により酸化物ナノ粒子を合成する場合においては、例えば硫酸チタニルを原料として用いる酸化チタンナノ粒子の合成のように、水酸化物等の前駆体を経由し次いで酸やアルカリによりこれを脱水縮合または解膠してヒドロゾルを生成させる手順も可能である。かかる前駆体を経由する手順では、該前駆体を、濾過や遠心分離等の任意の方法で単離精製することが最終製品の純度の点で好適である。得られたヒドロゾルにドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(略称DBS)やジアルキルスルホスクシネートモノナトリウム塩(三洋化成工業(株)製、商標名「エレミノールJS−2」)等の適当な界面活性剤を加えて、ゾル粒子を非水溶化させて単離してもよい。例えば、「色材」57巻6号,305〜308(1984)に記載の公知の方法を用いることができる。
また、水中で加水分解させる方法以外には有機溶媒中や本発明における樹脂が溶解した有機溶媒中で無機微粒子を作製してもよい。
これらの方法に用いられる溶媒としては、アセトン、2−ブタノン、ジクロロメタン、クロロホルム、トルエン、酢酸エチル、シクロヘキサノン、アニソール等が例として挙げられる。これらは、1種類を単独で使用してもよく、また複数種を混合して使用してもよい。
本発明で用いられる無機微粒子の数平均粒子サイズは1nm〜15nmである。無機微粒子の数平均粒子径が1nm未満であると該微粒子を構成する物質固有の特性が変化する場合があり、逆に数平均粒子径15nmを超えるとレイリー散乱の影響が顕著となり、有機無機複合組成物の透明性が極端に低下する場合がある。本発明で用いられる無機微粒子の数平均粒子サイズの下限値は、好ましくは2nm以上、さらに好ましくは3nm以上であり、上限値は好ましくは10nm以下、さらに好ましくは5nm以下である。すなわち、本発明における無機微粒子の数平均粒子サイズとしては、2nm〜10nmが好ましく、3nm〜5nmがさらに好ましい。
ここで、上述の数平均粒子サイズは、例えばX線回折(XRD)または透過型電子顕微鏡(TEM)で測定された値である。
本発明で用いられる無機微粒子の屈折率の範囲は、1.90〜3.00であることが好ましく、1.90〜2.70であることがより好ましく、2.00〜2.70であることがさらに好ましい。屈折率が1.90以上である無機微粒子を用いれば屈折率が1.80より大きい有機無機複合組成物を作製しやすくなり、屈折率が3.00以下の無機微粒子を用いれば透過率が80%以上の有機無機複合組成物を作製しやすい傾向がある。
前記無機微粒子の本発明における有機無機複合組成物中樹脂中の含有量は、屈折率向上の点から、10〜90質量%が好ましく、20〜80質量%がさらに好ましく、30〜80質量%が特に好ましい。
[分散剤]
本発明に用いる微粒子は、分散剤を用いて樹脂中に分散されていてもよい。前記分散剤の分子量としては、通常100〜1000程度であり、分子量が大きすぎると、有機無機複合組成物の屈折率を上げることが難しくなる傾向がある。
本発明に使用される前記無機微粒子は、前記樹脂を主体とする樹脂マトリックスへの相溶性を有する有機化合物(本発明では「分散剤」と称する)を配位あるいは修飾すると、前記樹脂マトリックスへの微粒子の分散性が向上し、本発明の有機無機複合組成物の透明性や機械的強度が向上する場合がある。分散剤の効果は、微粒子同士の凝集が抑制される効果、上記樹脂マトリックスへの相溶性が向上する効果等の組み合わせによるものと考えられる。
前記分散剤としては、下記一般式(1)で表される構造を有するものが好ましい。
A−R …一般式(1)
一般式(1)中、Aは本発明における無機微粒子の表面と任意の化学結合を形成しうる官能基を表し、Rは本発明における樹脂(本発明におけるブロック共重合体)を主成分とする樹脂マトリックスとの相溶性または反応性を有する炭素数1〜30の1価の基またはポリマーを表す。ここで「化学結合」とは、例えば、共有結合、イオン結合、配位結合、水素結合等が挙げられる。
無機微粒子への分散剤の配位方法および共有結合による修飾方法とこれに使用する有機物の分子構造に制限はない。無機微粒子に配位結合で配位する上記Aの具体例としては、チオールやスルホン酸類等の硫黄含有有機化合物;ホスフィンやホスフィンオキシド、ホスホン酸、リン酸エステル等を有するリン含有有機配位子;アルキルアミンや芳香族アミン等を有する窒素含有配位子;カルボン酸類を有する配位子が有効である。これら例示のうち、好ましく用いられるのはリン含有有機配位子であり、例えば、日本化薬製の「KAYAMER PM−21」などが好適である。
また、無機微粒子を共有結合で修飾する上記Aの具体例としては、シリカ、アルミナ、チタニア等の酸化物の表面処理に従来使用されているシランカップリング剤やチタネート系カップリング剤やアルミニウム系カップリング剤等の活性官能基である金属アルコキシド基や、比較的マイルドな条件で金属酸化物表面と共有結合を形成することが知られているホスホン酸やホスホン酸エステルといったホスホン酸誘導体が有効である。この中でもシランカップリング剤が好ましく、特開平5−221640号、特開平9−100111号、特開2002−187921号各公報などに記載の方法を用いることができる。
一方、上記Rが上記樹脂マトリックスとの相溶性または反応性を有する基である場合、その化学構造は、該樹脂マトリックスの主体である樹脂の化学構造の一部または全部と同一または類似であることが好ましい。
これらの分散剤は、1種類を単独で用いてもよく、また複数種を併用してもよい。
[可塑剤]
本発明における樹脂(本発明におけるブロック共重合体)のガラス転移温度が高い場合、成形が必ずしも容易ではないことがある。このため、本発明の組成物の成形温度を下げるために可塑剤を使用してもよい。本発明で使用できる可塑剤としては、下記一般式(2)で表される構造を有するものが好ましい。
Figure 0005142472
(式中、B1およびB2は炭素数6〜18のアルキル基またはアリールアルキル基を表し、mは0または1を表す。Xは、下記の2価の結合基のうちいずれかを表す。)
Figure 0005142472
(式中、R1およびR2は水素原子または炭素数4以下のアルキル基を示す。)
また、一般式(2)で表される化合物において、B1,B2は炭素数6〜18の範囲内において任意のアルキル基またはアリールアルキル基を選ぶことができる。炭素数が6未満では、分子量が低すぎてポリマーの溶融温度で沸騰し、気泡を生じたりする場合がある。また、炭素数が18を超えると、ポリマーとの相溶性が悪くなるので添加効果が不十分となることがある。
1,B2の基としては、具体的に、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−テトラデシル基、n−ヘキサデシル基、n−オクタデシル基等の直鎖アルキル基や、2−ヘキシルデシル基、メチル分岐オクタデシル基等の分岐アルキル基、またはベンジル基、2−フェニルエチル基等のアリールアルキル基が挙げられる。また、前記一般式(2)で表される化合物の具体例としては、次に示すものが挙げられ、中でも、W−1(花王株式会社製の商品名「KP−L155」)が好ましい。
Figure 0005142472
[有機無機複合組成物]
有機無機複合組成物の作製方法は特に限定されるものではない。具体的には、(1)本発明における樹脂と無機微粒子とをそれぞれ独立に合成して両者を混合させる方法、(2)予め合成した無機微粒子の存在下で本発明における樹脂を合成する方法、(3)予め合成した本発明における樹脂の存在下で無機微粒子を合成する方法、(4)本発明における樹脂と無機微粒子の両者を同時に合成する方法等を挙げることができ、これらのいずれの方法で作製してもよい。
例えば、前記(1)本発明における樹脂と無機微粒子とをそれぞれ独立に合成して、本発明における樹脂中に無機微粒子を混合させる方法を採用する場合は、無機微粒子と本発明における樹脂を含む樹脂溶液とを攪拌混合してもよいし、無機微粒子の分散液と前記樹脂溶液とを攪拌混合してもよい。この際、無機微粒子またはその分散液を一気に樹脂溶液と混合してもよいし、これを徐々に樹脂溶液に滴下してもよい。また、攪拌混合に際しては、可塑剤や分散剤を存在させておいてもよい。このような可塑剤や分散剤は、予め樹脂溶液や無機微粒子分散液に添加しておいてもよいし、樹脂溶液と無機微粒子との混合物に添加してもよい。
本発明の有機無機複合組成物は、波長589nmにおける厚さ1mm換算の光線透過率が80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましい。波長589nmにおける厚さ1mm換算の光線透過率が80%以上であればより好ましい性質を有するレンズ基材を得やすい。なお、本発明における厚さ1mm換算の光線透過率は、有機無機複合組成物を成形して厚さ1.0mmの基板を作製し、紫外可視吸収スペクトル測定用装置(UV−3100、(株)島津製作所製)で測定した値である。
本発明の有機無機複合組成物は、ガラス転移温度が100℃〜400℃であることが好ましく、130℃〜380℃であることがより好ましい。ガラス転移温度が100℃以上であれば十分な耐熱性が得られやすく、ガラス転移温度が400℃以下であれば成形加工を行いやすくなる傾向がある。
[光学部品]
上記の有機無機複合組成物は、高屈折性、低分散性(高いアッベ数)、光線透過性、軽量性を併せ持ち、光学特性に優れた有機無機複合組成物である。また、有機無機複合組成物の屈折率は任意に調節することが可能である。本発明の光学部品は、上記の有機無機複合組成物を含むものである。本発明の光学部品の種類は、特に制限されない。特に、有機無機複合組成物の優れた光学特性を利用した光学部品、特に光を透過する光学部品(いわゆるパッシブ光学部品)として好適に利用することができる。かかる光学部品を備えた光学機能装置としては、例えば、各種ディスプレイ装置(液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等)、各種プロジェクタ装置(OHP、液晶プロジェクタ等)、光ファイバー通信装置(光導波路、光増幅器等)、カメラやビデオ等の撮影装置等が例示される。
かかる光学機能装置に用いられる上記パッシブ光学部品としては、例えば、レンズ、プリズム、パネル(板状成形体)、フィルム、光導波路(フィルム状やファイバー状等)、光ディスク等が例示される。これら例示の光学部品のなかでも、本発明の光学部品はレンズ基材として特に好ましく用いることができる。かかるパッシブ光学部品には、必要に応じて任意の被覆層、例えば摩擦や摩耗による塗布面の機械的損傷を防止する保護層、無機粒子や基材等の劣化原因となる望ましくない波長の光線を吸収する光線吸収層、水分や酸素ガス等の反応性低分子の透過を抑制あるいは防止する透過遮蔽層、防眩層、反射防止層、低屈折率層等や、任意の付加機能層を設けて多層構造としてもよい。かかる任意の被覆層の具体例としては、無機酸化物コーティング層からなる透明導電膜やガスバリア膜、有機物コーティング層からなるガスバリア膜やハードコート等が挙げられ、そのコーティング法としては真空蒸着法、CVD法、スパッタリング法、ディップコート法、スピンコート法等公知のコーティング法を用いることができる。
以下に実施例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
[分析および評価方法]
本実施例において、各分析および評価方法は、下記の手段でおこなった。
(1)透過型電子顕微鏡(TEM)観察
日立製作所(株)社製「H−9000UHR型透過型電子顕微鏡」(加速電圧200kV、観察時の真空度約7.6×10-9Pa)にて行った。
(2)光線透過率測定
測定する樹脂を成形して厚さ1.0mmの基板を作製し、紫外可視吸収スペクトル測定用装置「UV−3100」((株)島津製作所製)で測定した。
(3)屈折率測定
アッベ屈折計(アタゴ社製「DR−M4」)にて、波長589nmの光について行った。
(4)X線回折(XRD)スペクトル測定
リガク(株)製「RINT1500」(X線源:銅Kα線、波長1.5418Å)を用いて、23℃で測定した。
[有機無機複合組成物の材料の合成]
(1)酸化チタンナノ粒子の合成
特開2003−73559号公報の合成例9の記載に従い、酸化チタン微粒子を合成した。XRDとTEMより、アナタ―ス型酸化チタン微粒子(数平均粒子サイズは約5nm)の生成を確認した。
(2)酸化ジルコニウム微粒子の合成
50g/lの濃度のオキシ塩化ジルコニウム溶液を48%水酸化ナトリウム水溶液で中和し、水和ジルコニウム懸濁液を得た。この懸濁液をろ過した後、イオン交換水で洗浄し、水和ジルコニウムケーキを得た。このケーキを、イオン交換水で溶媒として酸化ジルコニウム換算で濃度15質量%に調整して、オートクレーブに入れ、圧力150気圧、150℃で24時間水熱処理して酸化ジルコニウム微粒子懸濁液を得た。TEMより数平均粒子サイズが5nmの酸化ジルコニウム微粒子の生成を確認した。
(3)酸化ジルコニウム微粒子トルエン分散液の合成
前記(2)で合成した酸化ジルコニウム微粒子懸濁液と日本化薬製の「KAYAMER PM−21」を溶解させたトルエン溶液を混合後、50℃で8時間攪拌した後、トルエン溶液を抽出し、酸化ジルコニウム微粒子トルエン分散液を作製した。
(4)PMMA(ポリメチルメタクリレート)の合成
メタクリル酸メチル5.00g、アゾビスイソブチロ二トリル0.25gを2-ブタノン中に加え、窒素下70℃で重合を行い、PMMAを合成した。重量平均分子量は100,000であった。
[実施例1〜6、比較例1〜3]
[加熱成形による光学部品の製造]
実施例1〜6と比較例1〜3との各レンズを以下の手順で製造した。以下の手順において使用した樹脂の種類と無機微粒子の種類と使用量とは下記表3に示す通りとした。但し、比較例1では無機微粒子を添加せず樹脂のみを成形した。
トルエンに分散させた酸化チタン微粒子、もしくは酸化ジルコニウム微粒子を、樹脂のアニソール溶液に5分かけて滴下し、これを1時間攪拌した後、溶媒を除去した。得られた有機無機複合組成物を220℃で加熱成形し、厚さ1mmのレンズ用成形体を作製した。成形体を切削し、断面をTEMで観察して、無機微粒子が樹脂中に均一に分散しているか否かを確認した。さらに光線透過率測定と屈折率測定を行った。これらの結果は以下の表3に記載した。その後、レンズ用成形体をレンズの形状に成形して、光学部品であるレンズを得た。
Figure 0005142472
表3から明らかなように、本発明によれば屈折率が1.67以上で透明性が良好な光学部品が得られることがわかる(実施例1〜6)。また、比較例2のポリスチレン、比較例3のPMMAでは無機微粒子を均一に分散することができず、白濁してしまい、透明なレンズが得られなかった。更に、無機微粒子を用いなかった比較例1では、屈折率が1.60よりも低かった。
本発明の光学部品は、高屈折性、光線透過性、軽量性を併せ持つ有機無機複合組成物を含むものである。本発明によれば、屈折率を任意に調節した光学部品を比較的容易に提供することができる。また、機械的強度や耐熱性が良好な光学部品も提供しやすい。このため、本発明は、高屈折レンズ等の広範な光学部品の提供に有用であり、産業上の利用可能性が高い。

Claims (12)

  1. 疎水性セグメントおよび親水性セグメントで構成されるブロック共重合体と、数平均粒子径が1nm〜15nmの無機微粒子とを含む有機無機複合組成物であって、前記無機微粒子を有機無機複合組成物中20〜80質量%含み、波長589nmにおける屈折率が1.67以上であり、かつ、波長589nmにおける厚さ1mm換算の光線透過率が70%以上であり、
    前記ブロック共重合体の疎水性セグメントが、エステル基が無置換の脂肪族基、置換または無置換芳香族基であるアクリル酸エステル類およびメタクリル酸エステル類;置換基が無置換の脂肪族基、置換または無置換芳香族基であるN−モノ置換アクリルアミド、N−ジ置換アクリルアミド、N−モノ置換メタクリルアミドおよびN−ジ置換メタクリルアミド;オレフィン類;スチレン類;ビニルアルコールのいずれかであり、
    前記ブロック共重合体の親水性セグメントが、アクリル酸、メタクリル酸、エステル部位に親水性の置換基を有するアクリル酸エステル類およびメタクリル酸エステル類;芳香環部に親水性の置換基を有するスチレン類;親水性の置換基を有するビニルエーテル、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−モノ置換アクリルアミド、N−ジ置換アクリルアミド、N−モノ置換メタクリルアミドならびにN−ジ置換メタクリルアミド;親水性の置換基を有するオレフィン類のいずれかであり、
    前記ブロック共重合体が、−PO 3 1 2 、−OPO 3 1 2 、−SO 3 H、−OSO 3 H、−CO 2 H、−OH、および、−Si(OR 1 m 3 3-m 〔R 1 、R 2 、R 3 はそれぞれ独立に、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいアルキニル基、または置換されていてもよいフェニル基を表す。mは1〜3の整数を表す。〕からなる群より選ばれる官能基を有し、
    前記官能基の含有量が前記ブロック共重合体の全体に対して0.05〜5.0mmol/gであり、
    前記無機微粒子が、チタン酸化物およびジルコニウム酸化物のうち少なくとも一方を含むことを特徴とする有機無機複合組成物。
  2. 前記ブロック共重合体の波長589nmにおける屈折率が1.55以上であることを特徴とする請求項に記載の有機無機複合組成物。
  3. 前記ブロック共重合体の疎水性セグメントが、エステル基が無置換の脂肪族基、置換または無置換芳香族基であるアクリル酸エステル類およびメタクリル酸エステル類;置換基が無置換の脂肪族基、置換または無置換芳香族基であるN−モノ置換アクリルアミド、N−ジ置換アクリルアミド、N−モノ置換メタクリルアミドおよびN−ジ置換メタクリルアミド;オレフィン類;スチレン類のいずれかであり、
    前記ブロック共重合体の親水性セグメントが、アクリル酸、メタクリル酸、エステル部位に親水性の置換基を有するアクリル酸エステル類およびメタクリル酸エステル類;親水性の置換基を有するオレフィン類のいずれかであることを特徴とする請求項1または2に記載の有機無機複合組成物。
  4. 前記ブロック共重合体の疎水性セグメントが、エステル基が無置換の脂肪族基、置換または無置換芳香族基であるアクリル酸エステル類およびメタクリル酸エステル類;置換基が無置換の脂肪族基、置換または無置換芳香族基であるN−モノ置換アクリルアミド、N−ジ置換アクリルアミド、N−モノ置換メタクリルアミドおよびN−ジ置換メタクリルアミド;スチレン類のいずれかであり、
    前記ブロック共重合体の親水性セグメントが、アクリル酸、メタクリル酸、エステル部位に親水性の置換基を有するアクリル酸エステル類およびメタクリル酸エステル類;のいずれかであることを特徴とする請求項1または2に記載の有機無機複合組成物。
  5. 前記ブロック共重合体の疎水性セグメントが、芳香族基を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機無機複合組成物。
  6. 前記ブロック共重合体の疎水性セグメントが、エステル基が置換もしくは無置換芳香族基であるアクリル酸エステル類およびメタクリル酸エステル類、または、スチレン類であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の有機無機複合組成物。
  7. 前記ブロック共重合体の疎水性セグメントが下記−A−のいずれかであり、
    前記ブロック共重合体の親水性セグメントが下記−B−のいずれかであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機無機複合組成物。
    Figure 0005142472
    Figure 0005142472
  8. 前記ブロック共重合体が下記P−1〜P−20のいずれかであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機無機複合組成物。
    Figure 0005142472

    Figure 0005142472
  9. 前記無機微粒子を有機無機複合組成物中30〜80質量%含むことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の有機無機複合組成物。
  10. 前記ブロック共重合体が、−PO 3 1 2 、−OPO 3 1 2 および−CO 2 Hからなる群より選ばれる官能基を有すことを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の有機無機複合組成物。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の有機無機複合組成物を含むことを特徴とする光学部品。
  12. レンズ基材であることを特徴とする請求項11に記載の光学部品。
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