JP2011001395A - 複合光学素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 光学系において色収差およびその他の収差の低減に効果がある樹脂のみからなる複合光学素子を提供する。
【解決手段】 繰り返し単位に硫黄を含有する合成樹脂層と、繰り返し単位にベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環のいずれかの環構造を有し硫黄を含有しない合成樹脂層の2層を密着して積層した複合光学素子。
【選択図】 なし

Description

本発明は、光学素子を形成するのに適した光学用の組成物およびその組成物を用いた光学素子に関するものであり、特に従来の光学材料であるガラスや樹脂にないような加工性と、低い異常分散性に加えて透明性と耐性を有する組成物と前記組成物からなる光学レンズ等の光学素子に関するものである。
撮像モジュールとして、カメラ、ビデオカメラ、カメラ付携帯電話、テレビ電話あるいはカメラ付ドアホンなどが知られている。近年、この撮像モジュールなどに用いられる光学系の小型軽量、低コスト化が大きな課題となっている。そこでこれらの光学系では収差をなくすため、非球面レンズや異常分散ガラスからなるレンズを多用するようになってきた。特に光学系の小型には異常分散ガラスによる色収差の低減は非常に有用である。
従来、異常分散ガラスとしては、弗燐酸系、B23―Al23―PbO系、SiO2―B23―ZrO2―Nb25系などの光学ガラスが知られている。これらの異常分散ガラスをレンズなどの光学素子として用いるには研削および研磨加工して用いている。
低融点な異常分散ガラスも開発され、高温で押圧成形することによって光学素子を得ることが可能であった。ところが、従来の異常分散ガラスでは、所望の形状の光学素子を得るには研削および研磨加工が必要であり、加工に時間を要するので量産には不適であった。また、加工工程においてガラスが柔らかいため、欠けたり表面が変色したりするなど加工性が悪いという欠点がある。
高温で押圧成形可能な低融点な異常分散ガラスでも、高温での成形中に失透やにごりを生じ欠点がある。また、色収差補正に大きな効果があるような高い異常分散性を有したものはあるが、低い異常分散性を有したものは提供されていなかった。
また、ガラス以外に樹脂や有機無機複合材料を光学系のレンズ材料として用いることも行なわれている。ただし、樹脂のみでは実現可能な光学特性に限りがあり、ガラス同様高い異常分散性を有したものはあるが、低い異常分散性を有したものはない。また、樹脂は加工性が良く、軽量であるという利点を活かし、他の材料と組み合わせて複合化して使用することもが行なわれている。この複合化した素子(複合素子)では、組み合わせによって色収差補正効果を得る事ができる。
有機無機複合材料としては、例えば樹脂中に粒子径数nm〜100nmの微粒子を均一に分散させた微粒子分散型が知られている。このような有機無機複合材料も加工が容易である。また、有機無機複合材料においても、ガラス・樹脂と同様に高い異常分散性を有したものは知られている。
また、低い異常分散性を有した有機無機複合材料用いた光学系が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
特許文献1、特許文献2には、従来の光学材料であるガラスや樹脂にはない低い異常分散性を有した有機無機複合材料、及びそれを用いた回折素子が示されている。回折素子においては、回折により光を制御している為、有機無機複合材料の厚みは数十μm程度の厚み、すなわち格子高さがあれば光を曲げられる。これに対して、屈折光学系においては、レンズの光を曲げる力が光学面の曲率により決定される。そして、光を曲げる力を出す為には光学面の曲率を小さくする必要がある。そのため、屈折光学系(レンズや複合素子)に有機無機複合材料を用いる場合には、レンズ径にもよるが、最低でも数百μm以上の厚さ、すなわち偏肉が必要になってくる。
また、樹脂材料や有機無機複合材料は、ガラス材料に比べて加工性が良好であるとは言っても、用いる材料の種類や割合、調整条件によっては光学素子の実用に耐え得る特性が得られない場合がある。
例えば、十分に硬化が進まないような条件では、硬化時の応力や実用上の衝撃、温湿度変化によりクラックや変形が生じたりする。有機無機複合材料では、無機粒子を添加することで、樹脂の硬化反応が阻害され十硬化が進みにくい、粒子が起点となるため機械的に脆くなりクラックが入り易いなどの、実用上の耐性に課題が出てくる。
また、ITO等の導電性粒子を用いる場合、これらの材料は紫外や赤外での吸収・反射をもつため、異常分散性を低くする効果はあるが、着色をするために透明性の維持が非常に大きな問題となってくる。
これらの問題は、厚みのある素子をつくる場合にはより顕著となる。無機粒子の添加量の増加とともにこの問題は大きくなる。
特開2006−276195号公報 特開2004−145273号公報
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、低い異常分散性を有しつつ、光学素子、特に複合素子として加工が容易で、実用上の耐性や透明性を備えた光学用の材料組成物およびそれを用いた光学素子を提供することを目的とする。
本発明は、ガリウム、アルミニウム、インジウムの少なくともいずれか一種を酸化亜鉛にドープした酸化亜鉛粒子(A)0.5質量%以上20質量%以下と、1分子中に1個以上の重合性官能基を有する有機化合物(B)80質量%以上99質量%以下と、重合開始剤(C)0.05質量%以上5質量%以下を含む材料組成物である。
また、ガリウム、アルミニウム、インジウムの少なくともいずれか一種を酸化亜鉛にドープした酸化亜鉛粒子(A)、1分子中に1個以上の重合性官能基を有する有機化合物(B)と、重合開始剤(C)の材料組成物の硬化物において、d線での屈折率nd、アッベ数νdとしたとき、15≦νd≦55 かつ 1.49≦nd≦1.72である材料組成物である。
ガリウム、アルミニウム、インジウムの少なくともいずれか一種を酸化亜鉛にドープした酸化亜鉛粒子(A)と、1分子中に1個以上の重合性官能基を有する有機化合物(B)と、重合開始剤(C)の材料組成物の硬化物において、アッベ数νd、F線とg線の異常分散度ΔθgFとしたとき、(vd,ΔθgF)=(55,0.00)、(30,0.00)、(30,−0.05)、(55,−0.05)もしくは、(30,0.01)、(15,0.09)、(15,0.04)、(30,−0.04)で囲まれた光学恒数を有する材料組成物である。
また、ガリウム、アルミニウム、インジウムの少なくともいずれか一種を酸化亜鉛にドープした酸化亜鉛粒子(A)、1分子中に1個以上の重合性官能基を有する有機化合物(B)と、重合開始剤(C)の材料組成物の硬化物において、アッベ数νd、F線とg線の異常分散度ΔθgFとしたとき、(vd,ΔθgF)=(55,−0.01)、(30,−0.01)、(30,−0.04)、(55,−0.04)もしくは、(30,0.00)、(15,0.08)、(15,0.05)、(30,−0.03)である材料組成物である。
ガリウム、アルミニウム、インジウムの少なくともいずれか一種を酸化亜鉛にドープした酸化亜鉛粒子が、ガリウム、アルミニウム、インジウムの総和の亜鉛に対する原子比が0.1〜30原子%である前記の材料組成物である。
有機化合物(B)はビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、イソシアネート基、エポキシ基、オキセタン基から選ばれる官能基の少なくとも1つを有する前記の材料組成物である。
また、有機化合物(B)は1分子中に1個の重合性官能基を有する有機化合物(B1)と1分子中に2個以上の重合性官能基を有する有機化合物(B2)からなり、質量比(B1)/(B2)が0.10以上100以下の条件を満たす前記の材料組成物である。
また、有機化合物(B)は、芳香環、ナフタレン環やアントラセン環から選ばれる縮合多環、カルバゾール環、フルオレン環から選ばれる官能基の少なくても1つを有する化合物を少なくても1種含む前記の材料組成物である。
ガリウム、アルミニウム、インジウムの少なくともいずれか一種を酸化亜鉛にドープした酸化亜鉛粒子(A)0.5質量%以上20質量%以下と、1分子中に1個以上の材料官能基を有する有機化合物(B)80質量%以上99質量%以下と、重合開始剤(C)0.05質量%以上5質量%以下である材料組成物の硬化物から光学素子である。
また、ガリウム、アルミニウム、インジウムの少なくともいずれか一種を酸化亜鉛にドープした酸化亜鉛粒子(A)と、1分子中に1個以上の材料官能基を有する有機化合物(B)と、重合開始剤(C)である材料組成物の硬化物からなり、アッベ数νd、f線とg線の異常分散度ΔθgFとしたとき、15≦νd≦30では −0.05 ≦ΔθgF≦ 0.04、30≦νd≦20では −0.04 ≦ΔθgF≦ 0.04、15≦νd≦20では −0.01 ≦ΔθgF≦ 0.08である光学素子である。
前記光学素子が光学基材の表面に、光硬化によって光学用の材料組成物の硬化物を積層した複合型光学素子である前記の光学素子である。
本発明によれば、低い異常分散を有する材料組成物を得ることができる。また、この材料組成物の硬化物を光学素子に用いた場合、加工性、耐性、透明性を有した光学素子を得ることが可能となる。
本発明の組成物を重合させた硬化物のみから構成される光学素子を成形に用いる成形装置の一例を示す図である。 複合型光学素子の一例を示す図である。 複合型光学素子の製造装置の一例を示す図である。 本発明の光学用組成物の展延状態を示す図である。 異常分散性ΔθgFを示す図である。
本発明は、酸化亜鉛に異種元素をドープした導電性酸化亜鉛が、可視光に対する透明性を保ちつつ、赤外線に対する反射特性を有することに着目し、酸化亜鉛に異種元素をドープした導電性酸化亜鉛が異常分散性を発現する可能性があるものと考えて、導電性亜鉛粒子と、重合性官能基を有する有機化合物及び重合開始剤とを配合して材料組成物を得、この材料組成物の硬化物を作製したところ、低い異常分散性を有する光学素子が製造可能であることを見出したものである。
すなわち、本実施形態の材料組成物は、ガリウム、アルミニウム、インジウムの少なくともいずれか一種を酸化亜鉛にドープした酸化亜鉛粒子(A)0.5質量%以上20質量%以下と、1分子中に1個以上の重合性官能基を有する有機化合物(B)80質量%以上99質量%以下と、重合開始剤(C)0.05質量%以上5質量%以下を含むことを特徴とする。
ガリウム、アルミニウム、インジウムの少なくともいずれか一種を酸化亜鉛にドープした酸化亜鉛粒子(A)は、低い異常分散特性を発現するとともに、導電性酸化物であるITOに比べて赤外域の吸収が小さいので、透明な材料組成物を得ることが可能であるという特徴を有している。
また、酸化亜鉛を構成する亜鉛は代表的な非鉄金属であって、資源的にも多く存在しており、入手も容易である。
ガリウム、アルミニウム、インジウムの少なくともいずれかを酸化亜鉛にドープした酸化亜鉛粒子の粒径は100nm以下、好ましくは20nm以下、より好ましくは、9nm以下であると、硬化物の透明性が保たれて好ましい。
本実施形態の材料組成物において粒子径は動的光散乱法よって求めたもので、平均粒子径とは粒子径分布の中心値を、また90%粒子径とは全粒子の90%が含まれる範囲の粒子径のことを言う。動的光散乱式粒径分布測定装置 LB-550(株式会社 堀場製作所製)などを用いて測定できる。
本実施形態の材料組成物では、上記のように、ガリウム、アルミニウム、インジウムの少なくともいずれかを酸化亜鉛にドープした導電性酸化亜鉛粒子(以下、単に導電性酸化亜鉛粒子とする)が用いられる。酸化亜鉛系超微粒子の調製方法の一例を述べると、酸化亜鉛の水性スラリーに、ガリウム、アルミニウム、インジウムの少なくともいずれかの水溶性塩類を添加した後に、アルカリで中和した後、濾過、水洗、乾燥し、解砕処理後、還元焙焼を行う。このような調製方法を利用することにより、導電性酸化亜鉛粒子を得ることが出来る。
また、導電性酸化亜鉛粒子は、酸化亜鉛の水性スラリーに炭酸アルカリ塩を反応させて塩基性炭酸亜鉛を得る工程、該塩基性炭酸亜鉛を加熱熟成する工程、得られる熟成液に、ガリウム、アルミニウム、インジウムよりなる群から選択される少なくとも1種の元素の水溶性塩を混合して再熟成した後に、熟成物を脱水し乾燥して焼成し、更に焼成物を解砕する工程によって得ることができる。
また、ガリウム、アルミニウム、インジウムの少なくともいずれか一種を酸化亜鉛にドープした酸化亜鉛化合物粒子の含有量は、0.5質量%以上20質量%以下が好ましい。0.5質量%未満では色収差補正に効果がでるような低い異常分散性を有する組成物を得ることができず、20質量%を超えて含有すると、着色により透明性が低下し、光学素子として用いるには適さない。
本実施形態の材料組成物において、重合性官能基を有する有機化合物(B)、及び重合開始剤(C)は、紫外線照射、加熱などのエネルギー付与により硬化反応を起こし、硬化物を得るための必須成分である。
重合性官能基を有する有機化合物の含有量は80質量%以上99質量%以下が好ましい。99質量%を超えて含有すると、色収差補正に効果を発揮するような低い異常分散性を有する組成物を得ることができず、80質量%未満では樹脂成分が少ないため、硬化物として加工がし難くなってしまう。
具体的には、メタクリレート、アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ノニルフェニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ジメチルロールトリシクロデカンジメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、トリメチルプロパントリ(メタ)アクリレート、ノニルフェニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエチレンオキシド付加物ジアクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、2−メタクリロイルオキシエチルイソシナネート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、N−(β−アクリロイルオキシエチル)カルバゾール、N−(β−メタクリロイルオキシエチル)カルバゾール、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、1−アクリロキシ−4−メトキシナフタレン、1,4−ジアクリロキシナフタレン、ビス(2−メタクリロイルチオエチル)スルフィド等の、アクリレート、メタクリレート系モノマー、オレフィン系モノマー、ジエン系モノマー、ハロゲン化オレフィン系モノマー、スチレン系モノマー、N−ビニルカルバゾール、N−アリルカルバゾール等のビニル化合物系モノマー、含硫黄化合物モノマー、環状モノマーなどをあげることができる。
ここで、(メタ)アクリレートは、アクリレート、メタクリレートの少なくともいずれか一方を含有するものを意味する。
重合性開始剤(C)は、紫外線照射、加熱などのエネルギー付与により硬化反応を開始させる為の成分であり、硬化物の形成には必須の成分である。
重合開始剤の含有量は、0.05質量%以上5質量%以下が好ましい。0.05質量%未満では十分な硬化性を有する組成物が得られず硬化度の低い硬化物になってしまう。一方、5質量%を超えて含有する硬化物の透明性が低下したり、太陽光による黄変が大きくなるという問題がある。
重合開始剤としては、光重合開始剤あるいは熱重合開始剤を用いることができる。光重合開始剤は熱重合開始剤と比較して短時間で組成物を硬化させることが可能で、生産性が求められる光学素子の製造には好適である。
一方、熱重合開始剤は、所定の温度まで加熱することが必要であるために、光重合よりも時間を要するが、硬化収縮による応力が残りにくい。このため、複合光学素子の様な異なる材質の部材と接触した状態で硬化を行うため、硬化収縮による応力が大きくなりやすい光学素子の製造に使用する場合に適している。
光重合開始剤としては、例えば4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸エステル、アルコキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、ベンゾフェノンおよびベンゾフェノン誘導体、ベンゾイル安息香酸アルキル、ビス(4−ジアルキルアミノフェニル)ケトン、ベンジルおよびベンジル誘導体、ベンゾインおよびベンゾイン誘導体、ベンゾインアルキルエーテル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、チオキサントンおよびチオキサントン誘導体、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルホスフィンオキシド、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1等が挙げられる。これらの光重合開始剤は、1種のみで用いても、2種以上を併用しても良い。
特に、これらの光重合開始剤の中でも、370〜460nmに吸収を有するものを用いるのが望ましい。370nm以下にしか吸収をもたない開始剤では、重合を開始させるための紫外光が導電性酸化亜鉛により吸収されてしまうため、開始剤として働かなくなってしまう。また、吸収波長が460nm以上にあると可視域での着色原因となり好ましくない。
また、光重合開始剤が吸収を有するか否かは、光重合開始剤を溶解することが可能なクロロホルムやアセトニトリルなどの溶媒に組成物中と同様の濃度で溶解した溶液の光路長10mmの透過率が、溶媒のみでの光路長10mmの透過率を100%とした時に、99%以下か否かで判断することができる。
光重合開始剤としては、具体的には、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルホスフィンオキシド、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1などを用いると、十分な硬化性および硬化物の透明性が得られるので特に好ましい。
熱重合開始剤としては、過酸化ベンゾイル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス―2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスカルボアミド、イソプロピルヒドロペルオキシド、第3ブチルヒドロペルオキシド、クミルヒドロペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ビスヘキサンなどが挙げられる。
本実施形態の材料組成物には、紫外線吸収剤を添加する必要がない。通常、光学用に用いる材料組成物には、その硬化物において耐久性を向上させるために、紫外線吸収剤を添加するが、本実施形態の材料組成物では酸化亜鉛化合物の微粒子(A)が紫外線を吸収する。そのため、本実施形態の材料組成物では、紫外線吸収剤を添加しなくても、硬化物において耐久性を向上させることができる。光学素子は太陽光もしくは短波長の光に多く曝されることが多い。本実施形態の材料組成物は、このような光学素子の材料として用いるには適している。
更に、本実施形態の材料組成物には、上記の成分の他に、さらにヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、リン酸エステル系、あるいは硫黄系などの酸化防止剤を添加してもよい。このようにして、材料組成物を硬化させた硬化物において耐久性を向上させても良い。
また、本実施形態の材料組成物は、ガリウム、アルミニウム、インジウムの少なくともいずれか一種を酸化亜鉛にドープした酸化亜鉛化合物の粒子(A)、1分子中に1個以上の重合性官能基を有する有機化合物(B)と、重合開始剤(C)を硬化して硬化物を得た場合、その硬化物のd線での屈折率ndとアッベ数νdが15≦νd≦55 かつ 1.49≦nd≦1.72となる材料組成物であることが好ましい。
ガリウム、アルミニウム、インジウムの少なくともいずれか一種の元素を酸化亜鉛にドープした酸化亜鉛化合物によって、樹脂成分のみを硬化した場合とは異なる屈折率とアッベ数の関係を実現することが可能となる。
ここで、異常分散性の度合いを表す異常分散性ΔθgFの値は、以下の方法により算出したものである。すなわち、下記の式1により、それぞれの部分分散比θgFを求め、横軸にアッベ数(νd)、縦軸に部分分散比θgFをとり、異常分散性を示さない正常な光学ガラスのうちF7(νd=60.5、θgF=0.547)およびK2(νd=36.3、θgF=0.583)を基準分散ガラスとして選び、これら2種類の光学ガラスの座標(νd、θgF)を直線で結び、この直線と、比較するガラスのθgFおよびνdを示す座標との縦座標の差(ΔθgF)を異常分散性を示す度合い、すなわち異常分散性とした。
θgF=(ng−nF)/(nF−nc) 式1
(ng:g線に対する屈折率、nF:F線に対する屈折率、nc:C線に対する屈折率である)
アッベ数νdが15未満ではC線からF線までの波長範囲で色収差低減の効果が過大になり好ましくない。アッベ数νdが55より大きい場合は、C線からF線までの波長範囲で色収差低減の効果が小さく好ましくない。色収差低減の効果をより得るには、15≦νd≦55が好ましい。
また、異常分散性ΔθgFが上記記載の上限値をこえると、低い異常分散性を利用した色収差低減の効果が得られなくなる。
また、下限値未満となる量の上記酸化亜鉛化合物を添加すると着色が大きく好ましくない。
また、本実施形態の材料組成物は、ガリウム、アルミニウム、インジウムの少なくともいずれか一種を酸化亜鉛にドープした酸化亜鉛化合物の微粒子(A)、1分子中に1個以上の重合性官能基を有する有機化合物(B)と、重合開始剤(C)を硬化して硬化物を得た場合、その硬化物のアッベ数νd、F線とg線の異常分散度ΔθgFが(vd,ΔθgF)=(55,0.00)、(30,0.00)、(30,−0.05)、(55,−0.05)もしくは、(30,0.01)、(15,0.09)、(15,0.04)、(30,−0.04)で囲まれた範囲内の光学恒数を有するような材料組成物であることが好ましい。
この範囲でC線からg線までの広い可視光の範囲において、色収差の低減が効果的に行うことができる。
硬化物のアッベ数νd、F線とg線の異常分散度ΔθgFが(vd、ΔθgF)=(55,0.00)、(30,0.00)、(30,−0.05)、(55,−0.05)の範囲にある場合は、その硬化物(例えば、レンズ)は、C線からg線全域での色収差補正が重視される高精度な光学系において有効である。
一方、硬化物のアッベ数νd、F線とg線の異常分散度ΔθgFが(vd、ΔθgF)=(30、0.01)、(15、0.09)、(15、0.04)、(30、-0.04)(55,0.00)、(30,0.00)、(30,−0.05)、(55,−0.05)の範囲にある場合は、その硬化物(例えば、レンズ)は、C線からF線の色収差補正が重視されるものの、F線からg線までの収差が悪くならなければいいような光学系において有効である。
また、本実施形態の材料組成物は、硬化物のアッベ数νd、F線とg線の異常分散度ΔθgFが(vd,ΔθgF)=(55,−0.01)、(30,−0.01)、(30,−0.04)、(55,−0.04)もしくは、(30,0.00)、(15,0.08)、(15,0.05)、(30,−0.03)で囲まれた範囲内の光学恒数を有するような材料組成物であるとすることが好ましい。これにより、透明性とより良い色収差低減効果を両立した硬化物を得ることができる。
また、本実施形態の材料組成物において、ガリウム、アルミニウム、インジウムから選ばれるドープ元素の総和が、酸化亜鉛化合物中の亜鉛に対して、0.1〜30原子%であることが好ましい。これらの元素の含有量は、EDS、EPMA、ICP、XPS、XRFなど各種分析装置を用いて測定することができる。
ガリウム、アルミニウム、インジウムから選ばれるドープ元素の総和が,亜鉛に対して0.1原子%未満では、光学特性はドープされていない酸化亜鉛との変化が小さいために色収差低減の効果を得られるような低い異常分散性を発現することができない。
一方、ガリウム、アルミニウム、インジウムから選ばれるドープ元素の総和が亜鉛に対して、30原子%を超えると、赤外域での反射が大きくなり光学素子に用いるための透過率が維持できなくなってしまう。より好ましくは、1〜20原子%である。
本実施形態の材料組成物では、有機化合物(B)がビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、イソシアネート基、エポキシ基、オキセタン基から選ばれる官能基の少なくても1つを有することを特徴としている。
これら重合性官能基を有していると、エネルギー硬化型のモノマーは硬化性が良く、実用性が高い。又、種類も豊富で入手も容易である。特に、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基を用いると、上記酸化亜鉛粒子を添加すると着色が問題となるが、これらの官能基は可視光域に吸収を持たない為、着色を抑えられる点でも好ましい。
具体的には、上記した重合性官能基を有する化合物が挙げられる。また、モノマーを用いても良いし、オリゴマーとしてから用いても良い。オリゴマーとした場合には、硬化時の収縮量がへるため、レンズ内部の応力を低減することができる。
また、本実施形態の材料組成物では、有機化合物(B)は1分子中に1個の重合性官能基を有する有機化合物(B1)と1分子中に2個以上の重合性官能基を有する有機化合物(B2)からなり、質量比(B1)/(B2)が0.10以上100以下の条件を満たすことが好ましい。
有機化合物(B)は、本実施形態の材料組成物の硬化物をレンズ材料として用いるために、その硬化度、すなわち硬化反応の進み具合を調整するための必須成分である。本実施形態の材料組成物の硬化物は無機粒子を含んでいるため、機械的に脆くなりやすい。そこで、通常の樹脂をレンズ材料として用いる時よりも硬化度、つまりは硬化物の硬さの調整が重要となる。
硬化度が低すぎると、硬化物は柔らかくなり強度が得られないし、温湿度の変化により特性が変化してしまい、レンズとしての耐性が得られない。また、硬化度が高すぎると、硬化物は硬く応力が大きくなり、温湿度変化によりレンズが割れる等の現象が生じ耐性が良くない。又、急激に硬化反応を進んだような場合は光学特性が不均一になるという問題も生じる。
硬化度の調整は、硬化速度を調整するのが有効な手法である。有機化合物(B)は、その重合性官能基を介して硬化反応を起こすので、重合性官能基の数によって硬化反応の進み具合を調整でき、得られる硬化物の硬化度を変えることができる。したがって、重合性官能基の数が異なる化合物(B1)、(B2)の比率を変えることで、硬化度の調整が可能となる。
上述のように、適切な硬化度を得るためには、重合性官能基の数が異なる有機化合物(B1)と有機化合物(B2)が必要である。光学素子として用いるための加工性と耐性を実現する適切な硬化度を得るためには、有機化合物(B1)と化合物(B2)の割合(B1)/(B2)が0.01以上100以下であることが望ましい。100を超えると硬化度が低くなり、0.01未満では硬化度が高くなりすぎる。
更に、有機化合物(B2)は重合性官能基を2個以上有しているため、硬化物の高分子鎖は3次元構造を有している。その為、溶剤に対して溶解し難く、且つ熱による変化もおき難くなり、実用的なレンズ材料としての特性が得られる。
また、本実施形態の材料組成物では、重合性官能基を有する有機化合物(B)は、芳香環、ナフタレン環やアントラセン環などの縮合多環、カルバゾール環、フルオレン環から選ばれる官能基もしくは硫黄元素を含む官能基の少なくても1つを有する化合物を少なくても1種含んでいる。
これらの化学構造および元素を含むことによって、有機化合物自体の屈折率、アッベ数、異常分散性を変化させることが可能となる。
所望の屈折率、アッベ数、異常分散性に近い光学特性を有した有機化合物を用いれば、添加する酸化亜鉛化合粒子の添加量を少なく抑えることがきるのでの、粒子添加に伴う加工性低下が抑えられる。
高屈折率で低アッベ数にするには、芳香環、ナフタレン環やアントラセン環などの縮合多環、カルバゾール環、フルオレン環を有する化合物が有効である。更に、これらの中でもフルオレン環、芳香環は透過率の点で好ましい。有機化合物には通常、屈折率が高くなると紫外域での吸収があり、透過率が低下する傾向にあるが、フルオレン環、芳香環は高屈折率化に効果があるなかでは着色が小さくてよい。また、高屈折率で高アッベ数にするには、硫黄元素を含む官能基を有する化合物が有効である。 具体的には、上記した重合性官能基を有する化合物の中で構造中にベンゼン骨格もしくは硫黄、窒素を有しているものなどを挙げることができる。また、モノマーのまま用いても良いし、オリゴマーとしてから用いても良い。オリゴマーとした場合には、硬化時の収縮量がへるため、レンズ内部の応力を低減することができる。
また、本実施形態の材料組成物においては、散乱による透明性低下を防ぐために、有機化合物中に酸化亜鉛化合物微粒子が凝集することなく存在していることが好ましい。この様な状態にするために、上記成分の他に分散剤を添加してもよい。
また、上記酸化亜鉛粒子を、粒子表面の水酸基と加水分解反応するような有機金属化合物や、水素結合するような水酸基を構造内にもつ有機化合物と結合を形成することによって表面修飾理したものを有機化合物中に導入することが好ましい。
また、分散剤を用いると、粒子を修飾する工程を必要としない点で好ましく、有機金属化合物や水酸基を構造内にもつ有機化合物を用いると粒子と結合をもつため、これらの成分が溶出することがない点で好ましい。
分散剤や表面修飾剤としては、添加しても本実施形態の材料組成物の低異常分散性を保てるような低異常分散性を有したものを用いることが好ましい。具体的には、水酸基や下記式で表されるような,リン酸エステル、スルホン酸が挙げられる。
0=P(OR)n (OH)m ただしn+m=3
R−SO3
ここで、Rは有機基で、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルケニル基、アリール基、ハロゲン化アリール基、シクロアルキル基、アシル基などである。
また、分散剤や表面修飾剤として、芳香環、ナフタレン環やアントラセン環などの縮合多環、カルバゾール環、フルオレン環から選ばれる官能基もしくは硫黄元素を含む官能基を有する化合物を用いても良い。重合性官能基を有する化合物において説明したものと同様にこれらの官能基もしくは元素を化学構造中に有する分散剤や表面修飾剤を用いることで、添加しても所望の屈折率、アッベ数、異常分散性を得ることが可能となる。更に、重合性官能基を有する化合物と同様の構造及び、元素をもつことで重合性官能基を有する化合物への分散性を高めることができるという効果も得ることができる。
また、本実施形態の光学素子では、光学素子が屈折を利用した素子の場合、素子中での光軸方向の最大厚みが20μm〜3mmであることが好ましい。
20μm以下では、素子中の厚みの差は、20μm未満となるので、素子における径にもよるが曲率が大きくなり過ぎる、つまり光を曲げるパワーが得られなくなってしまう。一方、3mmを超えると着色による影響で、透過率が低くなってしまう。
以下に図面を参照して複合光学素子の製造方法について説明する。
図1は、複合光学素子の基板となる光学素子を成形する成形装置の一例を示す図である。
光学素子成形装置1は、筒状の金属製胴型2、所望の光学面3A1を有する金属製の上型3A、所望の光学面3B1を有する金属製の下型3b、上型3Aを上下に駆動するための駆動棒5、下型3Bから硬化した光学素子を離型するための離型筒6を備えており、金属製胴型2の周囲には加熱手段4が配置されている。
筒状の金属製胴型2には、重合性組成物を注入するための注入口7と、過剰の重合性組成物を排出するための排出口8が設けられている。駆動棒5は図示しない駆動源によって、金属製胴型2内で上型3Aを上下に摺動する。また離型筒6は金属製胴型2の内周面に接して上下に摺動する。上型3Aおよび下型3Bの各光学面と、金属製胴型2の内周面とで光学素子成形用の成形室9が形成されている。
光学素子の成形は以下の手順で行う。金属製の上型3Aと下型3Bを、光学面3A1、3B1が対向するように金属製胴型2内に載置する。この時、上型3Aを、駆動棒5によって第一段階の所定高さに保持する。この第一段階の所定高さは、上型3Aが排出口8より上部に位置する高さである。上型3Aをこの高さに保持することによって、成形室9を形成する。
次に熱重合開始剤を含有させた本発明の重合性組成物を、注入口7より注入して成形室9内に充填していく。この時、成形室9内を負圧にしておくと、重合性組成物の注入時における気泡の巻き込みや、成形室内の空気残りを防ぐことができる。また材料組成物を注入しやすい粘度になるように温度調整すると良い。排出口8から重合性組成物があふれ出てきた時点で成形室9内が充填されたものと判断して重合性組成物の注入を停止する。
注入口7を塞ぎ、上型3Aを下方に押圧して第二段階の高さにする。このとき、さらに過剰の重合性組成物が排出口8から流出する。次に加熱手段4により加熱して重合性反応によって硬化させる。次いで重合性組成物の硬化にともなう収縮にあわせて、上型3Aを下方にゆっくりと移動させる。収縮に連動させて上型3Aを下降させることで、硬化後の光学素子の内部応力を低減できる。重合性組成物が十分に硬化した後、駆動棒5を上昇させて上型3Aを離型させる。次に離型筒6を上に移動させて、下型3Bから硬化物を離型させる。このようにして重合性組成物の硬化物を、所望の形状を有する光学素子として取り出すことができる。
なお、図1において、光学面3A1、3B1がいずれも球面であれば球面レンズが、光学面3A1、3B1のいずれかあるいは両方が非球面であれば非球面レンズが、光学面3A1、3B1のいずれかあるいは両方が回折面であれば回折レンズが、光学素子として製造できる。
また、複合光学素子は、先に硬化した上記の光学素子が繰り返し単位に硫黄を有する硬化物である場合には、繰り返し単位にベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環の少なくも一種の環構造を有する単一の硬化物を形成する重合性組成物を、上記の光学素子の表面に載置した状態で硬化させて、光学素子と当該重合性組成物とを積層させることによって製造することができる。
また、先に作製した光学素子が繰り返し単位にベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環の少なくとも一種の環構造を有する単一の合成樹脂あるいはこれらの複数種を含む硬化物である場合には、繰り返し単位に硫黄を有する硬化物を形成する重合性組成物を用いて同様に複合素子を作製することができる。
複合光学素子は、異種の硬化物の界面が、球面、非球面、自由曲面あるいは回折面である複合光学素子となる。
また、先に硬化した光学素子の表面に所望の組成の重合性組成物を塗布等の方法によって載置し、所望の形になるようにその上面に型を接触させる。この際に用いる型は、金属製でもガラス製でも良いが、先に硬化した光学素子の反対面から紫外線を照射して当該重合性組成物を硬化させる場合は、ガラス製の型を用いる。また、金属製の型を用いた場合は、先に硬化した光学素子の側から紫外線を照射し前記重合性組成物を硬化させる。
このような方法により、例えば、図2のような複合光学素子を製造することができる。図2で示す複合光学素子10は、先に作製した光学素子11が繰り返し単位に硫黄を含む合成樹脂である場合には、その表面の硬化物13として、繰り返し単位にベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環のいずれかの環構造を有する単一の合成樹脂を積層させることによって製造することができる。
また、先に作製した光学素子11が繰り返し単位にベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環の少なくともいずれかの環構造を有する単一の合成樹脂あるいはこれらの複数種を含む場合には、その表面に繰り返し単位に硫黄を含む硬化物13が一体に形成されている。
以下、複合光学素子の製造方法について説明する。
以下、複合型光学素子の製造方法について説明する。
図3は、複合型光学素子の製造装置の一例を説明する図であり、光軸から左側は断面を示す。複合型光学素子の製造装置20は、支持枠(図示しない)、支持台21、受け部22および保持筒23を備えている。支持台21は、支持枠により支持されている。受け部22は筒状の形状であって、支持台21に取り付けられている。受け部22には、ベアリングを内蔵した軸受け24が設けられている。
保持筒23は、この軸受24を介して受け部22に取り付けられており、保持筒23は、この軸受24の作用によって受け部22に対して回転自在になっている。また、保持筒23には、その内周上部に、光学基材11の外縁部を受ける環状の係合縁25が設けられている。また、保持筒23の下部には、プーリ26が−体に形成されている。
一方、支持台21の下側には、モータ27が固定されている。モータ27の駆動軸28には、プーリ29が取り付けられている。そして、プーリ29とプーリ26の間にベルト30が巻き掛けられている。これらにより、保持筒23を回転する回転機構を構成している。
なお、軸受24は、それぞれ押さえリング31、32によって固定されている。すなわち、押さえリング31は受け部22のねじ部22aに、また押さえリング32は、保持筒23のねじ部23aにそれぞれ螺合している。これにより、受け部22と保持筒23の間に、軸受24を固定することができる。
また、前記支持台21の上方には、支持手段35が設けられている。支持手段35は、上部金型3を上下動して、上部金型3を所望の位置に支持する支持手段35の支持柱36は支持台21の上面に固定されており、支持柱36にはシリンダ37が設けられている。
そして、シリンダ37にはシリンダロッド38が取り付けられている。さらに、シリンダロッド38の先端には、上部金型3が取り付けられている。
また、保持筒23の係合縁25に光学基材11を載置した状態で、光学基材11の光軸39と上部金型3の軸が一致するように、上部金型3が支持されている。
以上に説明した複合型光学素子の製造装置を使用した複合型光学素子の製造方法を説明する。
所望の光学特性を有するレンズからなる光学基材11を、保持筒23の係合縁25によって位置決めされるように載置する。なお、光学基材11の表面11aの組成物形成面には、組成物とガラス製の光学基材との密着性を向上させるためのカップリング処理を施しても良い。次いで、光学基材11の表面11aに、組成物12を吐出手段(図示しない)によって所要量吐出する。
次に、シリンダ35を作動させて、上型3を下降させて、上型3の光学面3aを、光学基材11の表面11aに吐出された光学用組成物12に当接させる。さらに下降を続けることで、組成物12は所定の形状に展延される。
所定の形状まで展延する前に、上型3の下降を停止させる。この状態で、モータ27を作動させて保持筒23を回転させることによって、光学基材11を少なくとも1回転させる。
図4は、組成物12の展延状態を示す図である。光学基材11の表面11aに載せられた組成物12に、光学基材11の光軸39と上型3の軸が一致するように上型3を押し当てて、光学基材11側を少なくとも1回転させる。このようにするとで、組成物12は光学基材11の表面11aと上型3との間の空間を均一に延びて組成物層が形成される。
その後、再びシリンダ37を作動させて、再び上型3を下降させる。そして、組成物12の層が所望の厚みと直径に達したところで(所定の形状となったところで)、上型3の下降を停止し、光学基材11の下側から紫外線照射装置(図示しない)にて紫外線を照射する。
その結果、上型3と光学基材11の間にある組成物が硬化し、組成物の硬化物13を光学基材11の表面11aに−体に形成することができる。このとき、組成物の硬化物13の表面には、上型3の光学面3aが転写された光学面が形成される。そして、組成物の硬化物13の表面から上型3の光学面3aから硬化物を離型することにより、所望の形状を有する複合型光学素子を得ることができる。
以下に,実施例、比較例を示して本発明を説明する。
実施例1
(組成物の調製)
重合性官能基を有する成分(B)メチルメタクリレート500g、重合開始剤である成分(C)ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド10gを混合して30分攪拌し、樹脂溶液を調製した。
調製した成分(B)と成分(C)を含む前記樹脂溶液の100質量部に対して、5,10,20質量部となるように平均粒径20nmのガリウムドープ酸化亜鉛粒子(ハクスイテック製)成分(A)を秤量し、先に調製した樹脂溶液100質量部にそれぞれ添加して、湿式ビーズミルを用いて溶液内に分散させ、濃度が異なる3種の組成物を調製した。
得られた3種の組成物を50℃の温度を保持して超音波を加えて分散状態を保持した。ガリウムドープ酸化亜鉛粒子のガリウムの亜鉛に対する比率は、5原子%であった。
(硬化物の作製)
組成物を直径20mmで厚さ1mmの大きさに成形し、波長405nmにおける紫外線を照度100mW/cm2 で100秒間照射し、更に80℃で1時間加熱し、硬化物を作製した。
得られた硬化物について、屈折率、透過率を測定し、アッベ数νd、部分分散比θgFおよび異常分散性ΔθgFを以下の方法により求めた。その結果を表1に示す。
(1)屈折率の測定
厚さ1mmの硬化物のd線、C線、F線、g線における屈折率を精密屈折率計KPR−200(島津デバイス製造)を用いて測定した。測定環境は20℃60%RHであった。
(2)アッベ数νdの算出
測定して得られたd線、C線、F線、g線に対する屈折率をそれぞれ、nd、nC、nF、ngとするとき、アッベ数νdは以下の式2から計算した。
νd=(nd−1)/(nF−nC) … 式2
(3)部分分散比θgFの算出
測定して得られたd線、C線、F線、g線に対する屈折率をそれぞれ、nd、
nC、nF、ngとするとき、部分分散比θgFは以下の式3から計算した。
θgF=(ng−nF)/(nF−nC) … 式3
(4)異常分散性ΔθgFの算出
上記式2および式3により、それぞれの硬化物のアッベ数νd、部分分散比θgFをもとめ、横軸にアッベ数νd、縦軸に部分分散比θgFをとり、異常分散性を示さない正常な光学ガラスのうちF7(νd=60.5、θgF=0.547)およびK2(νd=36.3、θgF=0.583)を基準分散ガラスとして選び、これら2種類の光学ガラスの座標(νd、θgF)を直線で結び、この直線と比較する硬化物のθgFおよびνdを示す座標との縦座標の差(ΔθgF)を異常分散性とした。
すなわち、基準分散ガラス2種を結ぶ直線の関係は、アッベ数νd0と部分分散比θgF0とすると式4で示される。式2から求めた硬化物のアッベ数をνd、式3から求めた硬化物の部分分散比をθgFとすると、異常分散性ΔθgFは式5から計算した。
θgF0=−0.0149×νd0+0.637 … 式4
ΔθgF=θgF−θgF0
=θgF−(−0.0149×νd+0.637)… 式5
(5)透明性の評価
上記硬化物の300nm〜800nmの透過率を分光光度計 U−4100(日立ハイテクノロジーズ製)を用いて測定した。500nmにおける透過率が50%以上であれば「良好」、それ未満の場合は「不良」とした。良好の下限は、50%ではあるが70%以上の透過率を有しているとより好ましい。
(複合型光学素子の作製)
本発明の組成物とBK7(SCH00T製)ガラスからなる基材を図3に示した成形装置を用いて、図2に示すような形状の複合型光学素子を作製した。いずれの場合でも波長400nmでの紫外線を照度100mW/cm2の強度で100秒間照射し、硬化を行った。 本発明の組成物の粘度が高い場合、若しくは固体の場合、適宜50〜70℃の加温を行った。硬化後、80℃で1時間加熱して、図2に示す形状の複合型光学素子を作製した。
図2において、基材のガラスレンズは曲率半径R1=16mm、曲率半径R2=16mm、L1=10mm、L3=2.5mmである。この基材上に曲率半径R3=26mm、口径L2=7.5mm 、L4=1mmとなるように複合型光学素子を作製した。作製した複合型光学素子について、加工性を以下の方法で評価し、その結果を表1に示す。
(6)加工性の評価
作製した複合型光学素子のうち、光学用組成物が硬化した面について測定を行った。測定は接触式の表面形状測定器フォームタリサーフ PGIプラス(テイラーホブソン製)を用い、硬化面の曲率半径を測定し、目標とした曲率半径R3に対しての変形量を求めた。変形量が±2μm以内であれば「良好」、それ以上の場合は「不良」とした。
(7)耐性の評価
作製した複合型光学素子に、1周期の時間が3時間で、その間の温度変化が−40℃から+80℃となる温度サイクルを10周期分加えた。温度サイクルは図6に示すように、1周期における温度と時間は、+20℃で30分、−40℃で60分、+20℃で30分、+80℃で60分と変化する。温度サイクル後の組成物の硬化物にクラックや変形が起きていなければ「良好」、クラックや変形が起きていれば「不良」とした。
実施例2
実施例1における光学用組成物における成分の配合比率を表1に記載のように、成分Aであるガリウムドープ酸化亜鉛粒子を平均粒子径9nmでガリウムが10原子%のものに変えたるともに、成分Bをメチルメタクリレートをトリメチルプロパントリアクリレートを用いた点を除き実施例1と同様にして光学用組成物を調製し、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表2に示した。
実施例3
実施例1の光学用組成物の成分Bを9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレンとし、配合比率を表1に記載のように変え、更にトルエン500gを加えてビーズミルを用いて分散を行った。この後、減圧下にてトルエンを除去した以外は実施例1と同様にして光学用組成物を調製し、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表2に示す。
実施例4
実施例1の光学用組成物の成分Bをメチルメタクリレートと9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレンとし、配合比率を表1に記載のように変え、更に成分Aとして、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン10質量%メチルエチルケトン溶液100g中に、メチルエチルケトン中に実施例1で用いたものと同じガリウムドープ酸化亜鉛粒子を20質量%分散した分散液を50gを徐々に加えて、30分攪拌したのち、25℃にて24時間乾燥させて得た表面修飾したガリウムドープ酸化亜鉛粒子を用いた。
これらを、メチルエチルケトン500gを加えてビーズミルを用いて分散を行った後に減圧下にてメチルエチルケトンを除去した以外は実施例1と同様にして光学用組成物を調製し、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表2に示した。
実施例5
実施例1の光学用組成物の成分BをN−アリルカルバゾールとジメチロールトリシクロデカンジアクリレートとし、配合比率を表1に記載のように変えるとともに、更に成分Aとして、2−メタクリロイロキシエチルアシッドホスフェート10質量%メチルエチルケトン溶液100g中に、実施例1と同じガリウムドープ酸化亜鉛粒子を20質量%分散した分散液を50gを徐々に加えて、30分攪拌したのち、25℃にて24時間乾燥させて表面修飾したガリウムドープ酸化亜鉛粒子を用いた。
これらを、メチルエチルケトン500gを加えてビーズミルを用いて分散を行った後に減圧下にてメチルエチルケトンを除去した以外は実施例1と同様にして光学用組成物を調製し、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表2に示す。
実施例6
実施例1の光学用組成物の成分Bを、1−アクリロキシ−4−メトキシナフタレン、およびネオペンチルグリコールジアクリレートとし、配合比率を表1に記載のように変えた点を除き実施例1と同様にして光学用組成物を調製し、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表2に示す。
実施例7
実施例1の光学用組成物の成分(B)を、N−(β−アクリロイルオキシエチル)カルバゾール、下記構造式で示されるビスフェノールAのエチレンオキシド付加物ジメタクリレートとし、配合比率を表1に記載のように変えた点を除き実施例1と同様にして光学用組成物を調製し、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表2に示す。
Figure 2011001395
実施例8
実施例1の光学用組成物の成分(B)を、メチルメタクリレート、ビス(2−メタクリロイルチオエチル)スルフィドとし、成分の配合比率を表1に記載のように変えた点を除き実施例1と同様にして光学用組成物を調製し、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表2に示す。
実施例9
実施例1の光学用組成物の成分(A)のガリウムドープ酸化亜鉛粒子を平均粒子径9nmでガリウムが10原子%のものに変えたるともに、成分(B)を、メチルメタクリレート、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレンとし、配合比率を表1に記載のように変え、更にトルエン500gを加えてビーズミルを用いて分散を行った。この後、減圧下にてトルエンを除去した以外は実施例1と同様にして光学用組成物を調製し、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表2に示す。
比較例1
実施例1の光学用組成物の成分(B)を、N−アリルカルバゾールとし、成分の配合比率を表1に記載のように変え、更にトルエン500gを加えてビーズミルを用いて分散を行った。この後、減圧下にてトルエンを除去した以外は実施例1と同様にして光学用組成物を調製し、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表2に示す。
比較例3
実施例1の光学用組成物の成分Bをメチルメタクリレートと9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレンとし、配合比率を表1に記載のように変えた点を除き実施例1と同様にして光学用組成物を調製し、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表2に示す。
比較例4
実施例1の光学用組成物の成分(B)をN−アリルカルバゾールととジメチロールトリシクロデカンジアクリレートとし、配合比率を表1に記載のように変えるとともに、更に成分Aとして、ドープしていない平均粒子径15nmの酸化亜鉛粒子を用いた点を除き、実施例1と同様にして光学用組成物を調製し、実施例1と同様の評価を行った。その結果を表2に示す。
表2に示すように本発明の各実施例の光学用組成物の硬化物の屈折率nd、アッベ数νdおよび異常分散性ΔθgFは、いずれも好ましい範囲に入っており、色収差の効果的に低減ができる異常分散性を有していることがわかった。
また、本発明の有機成分を配合した光学用組成物を用いた光学素子は、加工性、透明性も良好であった。
更に、実施例4〜9に示すように、有機化合物成分として2種の成分を配合して両者の配合比を調製することによって良好な特性を有するものを得ることが可能であった。
一方、比較例1、2は、着色に問題がありレンズ材料としては実用性が悪いことがわかった。
比較例3は、着色と加工性に問題がありレンズ材料としては実用性が悪いことがわかった。
比較例4は、色収差低減に効果があるような異常分散性が得られていないことがわかった。
Figure 2011001395
Figure 2011001395
本発明のように、ガリウム、アルミニウム、インジウムの少なくともいずれか一種を酸化亜鉛にドープした酸化亜鉛複合酸化物粒子(A)0.5質量%以上20質量%以下と、1分子中に1個以上の重合性官能基を有する有機化合物(B)80質量%以上99質量%以下と、重合開始剤(C)0.05質量%以上5質量%以下を含む材料組成物の硬化物によって、異常分散性を有し、透明性、加工性、耐性に優れた光学素子を得ることができる。
1…複合光学素子成形装置、2…金属製胴型、3A…上型、3B…下型、3A1…光学面、3B1…光学面、4…加熱手段、5…駆動棒、6…離型筒、7…注入口、8…排出口、9…成形室、10…複合光学素子、11…光学素子、11A…表面、12…重合性組成物、13…硬化物、21…支持台、23…保持筒、25…係合縁、27…モータ、35…支持手段、36…支持柱、37…シリンダ

Claims (11)

  1. ガリウム、アルミニウム、インジウムの少なくともいずれか一種を酸化亜鉛にドープした酸化亜鉛複合酸化物粒子(A)0.5質量%以上20質量%以下と、1分子中に1個以上の重合性官能基を有する有機化合物(B)80質量%以上99質量%以下と、重合開始剤(C)0.05質量%以上5質量%以下を含むことを特徴とする材料組成物。
  2. ガリウム、アルミニウム、インジウムの少なくともいずれか一種を酸化亜鉛にドープした酸化亜鉛粒子(A)、1分子中に1個以上の重合性官能基を有する有機化合物(B)と、重合開始剤(C)の材料組成物の硬化物において、d線での屈折率nd、アッベ数νdとしたとき、15≦νd≦55 かつ 1.49≦nd≦1.72であることを特徴とする材料組成物。
  3. ガリウム、アルミニウム、インジウムの少なくともいずれか一種を酸化亜鉛にドープした酸化亜鉛粒子(A)と、1分子中に1個以上の重合性官能基を有する有機化合物(B)と、重合開始剤(C)の材料組成物の硬化物において、アッベ数νd、F線とg線の異常分散度ΔθgFとしたとき、(vd,ΔθgF)=(55,0.00)、(30,0.00)、(30,−0.05)、(55,−0.05)もしくは、(30,0.01)、(15,0.09)、(15,0.04)、(30,−0.04)で囲まれた光学恒数を有することを特徴とする材料組成物。
  4. ガリウム、アルミニウム、インジウムの少なくともいずれか一種を酸化亜鉛にドープした酸化亜鉛粒子(A)と、1分子中に1個以上の重合性官能基を有する有機化合物(B)と、重合開始剤(C)の材料組成物の硬化物において、アッベ数νd、F線とg線の異常分散度ΔθgFとしたとき、(vd,ΔθgF)=(55,−0.01)、(30,−0.01)、(30,−0.04)、(55,−0.04)もしくは、(30,0.00)、(15,0.08)、(15,0.05)、(30,−0.03)であることを特徴とする材料組成物。
  5. ガリウム、アルミニウム、インジウムの少なくともいずれか一種を酸化亜鉛にドープした酸化亜鉛粒子が、ガリウム、アルミニウム、インジウムの総和の亜鉛に対する原子比が0.1〜30原子%であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の材料組成物。
  6. 有機化合物(B)はビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、イソシアネート基、エポキシ基、オキセタン基から選ばれる官能基の少なくとも1つを有することを特徴とする請求項1から5のいずれ1項に記載の材料組成物。
  7. 有機化合物(B)は1分子中に1個の重合性官能基を有する有機化合物(B1)と1分子中に2個以上の重合性官能基を有する有機化合物(B2)からなり、質量比(B1)/(B2)が0.10以上100以下の条件を満たすことを特徴とする請求項6に記載の材料組成物。
  8. 有機化合物(B)は、芳香環、ナフタレン環やアントラセン環から選ばれる縮合多環、カルバゾール環、フルオレン環から選ばれる官能基の少なくても1つを有する化合物を少なくても1種含むことを特徴とする請求項6または7のいずれか1項に記載の材料組成物。
  9. ガリウム、アルミニウム、インジウムの少なくともいずれか一種を酸化亜鉛にドープした酸化亜鉛粒子(A)0.5質量%以上20質量%以下と、1分子中に1個以上の材料官能基を有する有機化合物(B)80質量%以上99質量%以下と、重合開始剤(C)0.05質量%以上5質量%以下である材料組成物の硬化物からなることを特徴とする光学素子。
  10. ガリウム、アルミニウム、インジウムの少なくともいずれか一種を酸化亜鉛にドープした酸化亜鉛粒子(A)と、1分子中に1個以上の材料官能基を有する有機化合物(B)と、重合開始剤(C)である材料組成物の硬化物からなり、アッベ数νd、f線とg線の異常分散度ΔθgFとしたとき、15≦νd≦30では −0.05 ≦ΔθgF≦ 0.04、30≦νd≦20では −0.04 ≦ΔθgF≦ 0.04、15≦νd≦20では −0.01 ≦ΔθgF≦ 0.08であることを特徴とする光学素子。
  11. 前記光学素子が光学基材の表面に、光硬化によって光学用の材料組成物の硬化物を積層した複合型光学素子であることを特徴とする請求項9または10のいずれか1項に記載の光学素子。
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