JPH06331887A - 複合レンズ - Google Patents

複合レンズ

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JPH06331887A
JPH06331887A JP5607394A JP5607394A JPH06331887A JP H06331887 A JPH06331887 A JP H06331887A JP 5607394 A JP5607394 A JP 5607394A JP 5607394 A JP5607394 A JP 5607394A JP H06331887 A JPH06331887 A JP H06331887A
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JP
Japan
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lens
glass
diffractive element
optical axis
compound
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JP5607394A
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English (en)
Inventor
Koichi Maruyama
晃一 丸山
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Pentax Corp
Original Assignee
Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 回折格子のパターンを正確に転写することが
でき、かつ、環境の変化により内部屈折率が不均一とな
らずにレンズ性能が安定した色収差補正された複合レン
ズを提供することを目的とする。 【構成】 環境の変化に対する影響が小さいガラスレン
ズ1を屈折作用を持つレンズとして用い、このガラスレ
ンズに回折素子2を接合して構成される。回折素子2の
ガラスレンズ1に接合されない側の面は、光軸に対して
同心円状の複数の輪帯面が光軸から離れるにしたがって
レンズ厚が厚くなるよう階段状に形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、レンズの色収差補正
に関し、特に単レンズの色収差を回折作用を持つ素子に
より補正する複合レンズに関わる。
【0002】
【従来の技術】レンズの色収差は構成する物質の特性、
特に分散値によって決まる。分散があればレンズのパワ
ーは波長毎に異なるため、単レンズでは色収差を補正で
きない。そこで、色収差の補正が必要な光学系では、一
般に2枚以上のレンズを組み合わせて分散による波長毎
のパワーの違いを打ち消し合わせることにより色収差を
補正している。
【0003】これに対して、SPIE Vol. 1354 Internati
onal Lens Design Conference(1990)のApplications of
Diffractive Opticsには、ガラスレンズの一方の面に
光軸を中心とする同心円状の輪帯面を階段状に形成して
回折作用を持たせ、これによりガラスレンズの色収差を
補正する技術が開示されている。ガラスレンズの表面に
輪帯面を階段状に形成するためには、エッチングによる
加工では量産は困難であるため、ガラスモールドの技術
を利用することとなる。この技術を利用すれば、理論的
には色収差が補正されたガラス単レンズを得ることがで
きる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、現実的
には、ガラスの粘性のために上記の回折面のような微細
な構造をモールド型からガラスに正確に転写することは
現在の技術では困難である。回折面が正確に転写できず
に段差部分が滑らかになった場合には、所望する次数の
回折光以外の光が漏れ出すため、このレンズを光情報記
録再生装置に用いると媒体上の光スポットの径が増大
し、光記録書き込み、読み出しの誤り率が増加すること
となり、また、写真レンズへ適用するとフレアーの増
加、解像力の低下を招く。
【0005】一方、プラスチックレンズは成形型からの
微細構造の転写が容易であり、回折面を作るのには適し
ているが、プラスチックレンズは成形時において既に屈
折率が不均一となる可能性が高い上、使用環境の湿度、
湿度の変化による影響も受け易いため、プラスチックで
上記のような回折面を有するレンズを形成した場合に
は、性能が安定しないという問題がある。
【0006】内部の屈折率が不均一なプラスチックレン
ズは、収束レンズとして用いるとスポット径の増大を招
き、また、写真レンズなどの大口径のレンズに利用する
と像の劣化が顕著となるため、いずれの用途にも利用が
困難である。
【0007】
【発明の目的】この発明は、上記の問題に鑑み、回折面
のパターンを正確に転写することができ、かつ、環境の
変化等により内部屈折率の分布が不均一とならずにレン
ズ性能が安定した色収差補正された複合レンズを提供す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明にかかる複合レ
ンズは、上記の目的を達成させるため、屈折作用を持つ
レンズには環境の変化に対する影響が小さいガラスレン
ズを用いると共に、このガラスレンズとは独立した回折
素子を接合して構成される。回折素子のガラスレンズに
接合されない側の面は、光軸に対して同心円状の複数の
輪帯面が光軸から離れるにしたがってレンズ厚が厚くな
るよう階段状に形成されている。
【0009】
【実施例】以下、この発明にかかる複合レンズの実施例
を説明する。実施例の複合レンズは、図1(A)に模式的
に示すように、屈折作用を持つガラスレンズ1と、この
ガラスレンズ1の一方の面に接合された透明な回折素子
2とから構成される。回折素子2は、この実施例ではプ
ラスチックにより成形されている。プラスチックは、回
折面の形成が容易であるため、回折素子として用いるの
に適している。なお、ここで透明とは、使用される波長
の光が透過するという意味であり、例えば赤外光を使用
する場合には、肉眼では不透明に見えても赤外光が透過
すればよい。
【0010】回折素子には、回折のタイプにより振幅型
回折素子及び位相型の回折素子が考えられ、位相型には
屈折率変調型とレリーフ型とがあるが、実施例では光の
利用効率と製造の容易性との点から位相型のレリーフ型
の回折素子を用いている。
【0011】位相型のレリーフ型回折素子2の非接合側
の面は、図1(B)に示すように光軸に対して同心円状の
複数の輪帯面3,3,…が光軸Axから離れるにしたが
ってレンズ厚が厚くなるよう階段状に形成されている。
【0012】厚さtの媒質を通った光と空気中を通る光
との間に発生する光路長差は、媒質の屈折率をnとし
て、(n−1)tで与えられる。したがって、回折素子2
の隣接する輪帯間の光路に沿った厚さの差は、使用波長
をλとして以下の(1)式で得られるt、もしくはその整
数倍とする必要がある。
【0013】
【数1】t(h)=λ/(n−1) …(1)
【0014】また、回折素子の輪帯毎の光軸方向の厚さ
の差tによる光路長差t(n−1)と波長λとの比率は、
以下の条件(2)を満たすことが望ましい。
【0015】
【数2】 0.8 ≦ t(n−1)/λ ≦ 10 …(2)
【0016】一般に、回折素子面は、輪帯毎の光路長差
が一波長分となるよう形成すれば、1次の回折光を用い
ることとなり、波長の変化による波面収差の劣化を抑え
ることができるため、波長変化による回折効率および結
像性能の低下を防ぐことができる。
【0017】そして、使用波長幅が狭い場合、あるいは
輪帯幅が狭く製造が困難な場合等には、輪帯毎の光路長
差を波長の2倍、あるいは3倍以上の整数倍としても色
収差補正は可能である。ただし、条件(1)の上限を越え
て光路長差を10波長分以上とすると、従来のフレネル
レンズと同等の構成となり、製作上の誤差による位相整
合のズレが大きくなり易く、かつ、設計波長から離れた
波長の入射光に対して回折素子の効率が低下する。
【0018】反対に、条件(1)の下限を下回る場合に
は、回折素子の位相整合をとることができず実質的に回
折素子としての機能を果たさない。
【0019】なお、実施例の複合レンズを光情報記録再
生装置用のレンズのようなNAが明るいレンズに利用す
る場合、あるいは画角が広いレンズに用いる場合には、
光路長差t(n−1)と波長λとの比率は、以下の条件
(2)を満たすことが望ましい。
【0020】
【数3】 0.8 ≦ t(n−1)/λ ≦ 1 …(2)
【0021】例えば、光路長差t(n−1)と波長λとの
比率を1とすると、基準波長λ0=780nmで波長が変動す
る半導体レーザーを光源として用いるレンズを株式会社
オハラのLAL13(商品名:n780=1.68468)を用いて
製作する場合、1輪帯面毎の回折素子の厚さの差tは、
以下の(3)式のとおりとなる。
【0022】
【数4】t=0.78O×10-3/(n−1) = 0.78O×10-3/0.68468 = 1.14×10-3 …(3)
【0023】1.14μmの厚さの差は微細であるた
め、現在のガラスモールドの技術ではガラスの粘性によ
り型のパターンを正確に転写することができない。この
ため、プラスチック製の回折素子2を用いている。
【0024】
【実施例1】図2は、この発明の実施例1にかかる複合
レンズを用いた光学系を示す。この例では、複合レンズ
を光ディスク装置の対物レンズとして用いている。図中
左側から入射した平行光束は、ガラスレンズ1と回折素
子2とから成る対物レンズにより、光ディスクのカバー
ガラスDの内側(図中右側)に位置する記録面に収束され
る。
【0025】図中左側となる最も物体側の面が回折素子
面として作用する輪帯を形成した不連続面であり、その
巨視的形状であるベースカーブは非球面である。ガラス
レンズ1は、両面球面のレンズである。
【0026】実施例1の具体的な数値構成は、表1に示
される。表中の記号λ0は使用波長、fは焦点距離、N
Aは開口数、rは曲率半径、dはレンズ厚もしくは空気
間隔、ndはd線における屈折率、νdはアッベ数、n78
0は波長780nmにおける屈折率である。また、図3は、こ
の構成による770nm,780nm,790nmの球面収差により示さ
れる色収差、非点収差(S:サジタル、M:メリディオナル)
を示す。
【0027】
【表1】
【0028】複合レンズの第1面の形状は、光軸からの
距離hの点の非球面のサグ量X(h)を以下の(4)式で定
義したとき、表2に示した各係数により与えられる。
(4)式は、普通の非球面表現形式にΔNの項が追加され
たものである。Nは高さhの点の属す輪帯番号であり、
非球面を規定する各係数はNの関数となる。なお、INT
(x)は、xの整数部分を取り出す関数である。
【0029】
【数5】 X(h)=h2/(rN×(1+√(1−(1+KN)×h2/rN2))) +A4N×h4+A6N×h6+A8N×h8+A10N×h10+ΔN …(4) ただし、rは非球面頂点の曲率半径、Kは円錐係数、A
4,A6,A8,A10はそれぞれ4次、6次、8次、10次の
非球面係数である。
【0030】
【表2】 N = INT(7.20×h2+0.33×h4+0.5) rN = 2.700+5.13×10-4×N KN = −0.5000 A4N = −1.570×10-3+1.00×10-6×N A6N = −1.900×10-4+3.02×10-7×N A8N = −1.900×10-5+1.51×10-8×N A10N = −9.000×10-7 ΔN = −0.001510 ×N
【0031】対物レンズを高屈折率ガラスを用いて製造
する場合には、非球面を用いなくとも高NAの対物レン
ズとして十分な性能を得ることができるため、この実施
例のように球面レンズを用いることができる。
【0032】
【実施例2】図4は、この発明の実施例2にかかる複合
レンズを用いた光学系を示す。この例でも、複合レンズ
を光ディスク装置用の対物レンズとして用いている。具
体的な数値構成は表3に示されている。この複合レンズ
は、第1面が回折面であり、第3面が通常の滑らかな非
球面である。図5は、この構成による諸収差を示す。
【0033】
【表3】
【0034】第1面の形状は、光軸からの距離hの点の
非球面のサグ量X(h)を前記の(4)式で定義したとき、
表4に示した各係数により与えられる。
【0035】
【表4】 N = INT(4.41×h2+0.20×h4+0.5) rN = 2.182+5.14×10-4 ×N KN = −0.3610 A4N = −1.731×10-3+1.27×10-6×N A6N = −2.010×10-4+4.23×10-7×N A8N = −3.170×10-5−6.04×10-9×N A10N = 6.000×10-7+6.04×10-9×N ΔN = −0.001510 ×N
【0036】また、第3面の非球面形状は、光軸からの
距離hの点の非球面のサグ量X(h)を以下の(5)式で定
義したとき、表5に示した各係数により与えられる。記
号の意味は、前記の(4)式と同一である。
【0037】ガラスモールドレンズの硝材は、屈折率が
低い方が低温での成形が可能であるため、ガラスレンズ
をモールド法で作る場合には、低屈折率の硝材を利用す
ることが望ましい。そして、その場合には、実施例2の
ように貼合わせ面でない側の面を非球面とすることによ
り、高NAの対物レンズとして十分な程度に収差を補正
することができる。
【0038】
【数6】 X(h)=h2/(r×(1+√(1−(1+K)×h2/r2))) +A4×h4+A6×h6+A8×h8+A10×h10 …(5)
【0039】
【表5】r = -9.585 K = 0.000 A4 = 1.320×10-2 A6 = -2.520×10-3 A8 = 5.580×10-4 A10 = -5.340×10-5
【0040】なお、図6は、色収差以外は実施例2と同
程度の性能を持つ両面非球面単レンズの従来例を示す。
具体的な数値構成は表6、非球面係数は表7に示される
通りである。この構成による諸収差は、図7に示され
る。図5と図7とを比較することにより、回折素子を設
けたことによる色収差補正効果は明らかとなる。
【0041】
【表6】
【0042】
【表7】 第1面 第2面 r = 2.206 r = -9.585 K = -0.328 K = 0.000 A4 = -0.150×10-2 A4 = 0.132×10-1 A6 = -0.167×10-3 A6 = -0.252×10-2 A8 = -0.305×10-4 A8 = 0.558×10-3 A10 = 0.800×10-6 A10 = -0.534×10-4
【0043】実施例1、2によれば、上述した従来の非
球面レンズとほぼ同じ大きさ重さで色収差が補正された
対物レンズを提供することができる。また、屈折力を持
つ部分がガラスレンズであるため、結像性能が湿度変化
の影響を受けず、かつ、温度変化にも影響を受け難い。
【0044】
【実施例3】図8は、この発明の実施例3にかかる複合
レンズを用いた光学系を示す。この実施例では、複合レ
ンズを光ディスク装置のコリメートレンズとして用いて
いる。図中右側の平行平面板Cは、半導体レーザーのカ
バーガラスである。具体的な数値構成は表8に示されて
いる。この例では、第1面が通常の非球面であり、第3
面が回折面である。図9は、この構成による諸収差をそ
れぞれ示す。
【0045】
【表8】
【0046】第1面の非球面形状は、光軸からの距離h
の点の非球面のサグ量X(h)を前記の(5)式で定義した
とき、表9に示した各係数により与えられる。
【0047】
【表9】r = 7.231 K = −0.5933 A4 = 0.000 A6 = −3.440×10-7 A8 = −4.370×10-9 A10 = 0.000
【0048】また、第3面の形状は、光軸からの距離h
の点のサグ量X(h)を以下の(6)式で表したときに、表
10に示す係数で与えられる。
【0049】
【数7】X(h)=ΔN …(6)
【0050】
【表10】N=INT(2.61×h2−0.0212×h4+0.5) ΔN=0.001510×N
【0051】レンズのNAが大きい場合、レンズ周辺部で
は光線が回折素子に対して斜めに入射するため、ほぼ垂
直に入射する中心部と比較すると、厚さが同一でも光線
が通過する光路長が長くなる。したがって、輪帯ごとの
位相差を中心部、周辺部のいずれにおいても同一にする
ためには、周辺に向かうに伴って輪帯毎の厚さの差を小
さくしてゆく必要がある。
【0052】例えば、この実施例で用いる程度のNAを
持つレンズにおいては、最周辺部の輪帯における輪帯毎
の厚さの差を中心部の輪帯における差より約1%小さく
することにより位相を連続させることができる。ただ
し、全域に亙って輪帯毎の厚さの差を同一にしても、そ
れによる位相飛びは実用上は問題とならないため、この
実施例ではΔNをNの一次関数として輪帯毎の厚さの差
を中央と周辺とで同一に設定している。
【0053】なお、この実施例のようにNAが高くない
レンズの場合には、回折面を平面のみで構成することは
型加工、形状測定が容易となるために望ましい。
【0054】
【実施例4】図10は、この発明の実施例4の複合レン
ズを望遠レンズに適用した光学系を示している。具体的
な数値構成は表11に示されている。表中の記号ωは半
画角、fbはバックフォーカスである。
【0055】この望遠レンズは、最も物体側の第1レン
ズの図中左側となる物体側面に熱硬化型プラスチックで
形成される回折素子が接合されているが、回折素子の厚
さが薄いため、図10上では第1面と第2面とを重複さ
せて示してある。
【0056】この望遠レンズは、435〜656nmが使用波長
帯域であり、回折素子設計時の基準波長λ0は546.07nm
である。図11は、この構成による諸収差をそれぞれ示
す。
【0057】
【表11】
【0058】第1面の形状は、光軸からの距離hの点の
サグ量X(h)を以下の(7)式で表すとき、表12に示さ
れる係数により与えられる。第1レンズの有効半径は5
2.3mmであり、その第1面は133の輪帯状の面で構成され
る回折面である。
【0059】
【数8】 X(h)=rN×(1−√(1−h2/rN2))+ΔN …(7)
【0060】
【表12】 N=INT(4.43×10-2×h2+1.54×10-6×h4+0.5) rN=135.029+3.58×10-4×N ΔN=−0.001041×N
【0061】なお、図12は、上記実施例4の望遠レン
ズの最も物体側の複合レンズを回折素子を持たない単レ
ンズに置き換え、それより物体側に回折素子が接合され
た色収差補正フィルターを設けた例を示す。回折素子
は、色収差補正フィルターの像側面に接合されている。
ただし、この例でも回折素子の厚さが薄いため、図12
中では第2面と第3面とを重複して示してある。
【0062】このレンズの具体的な数値構成は表13に
示すとおりであり、第5面以降は実施例4の第3面以降
と同一であり、また、収差等の性能も実施例4と同一で
ある。
【0063】
【表13】
【0064】第3面の形状は、光軸からの距離hの点の
サグ量X(h)を前記の(6)式で表すとき、表14に示す
係数により与えられる。
【0065】
【表14】 N=INT(4.43×10-2×h2+1.51×10-6×h4+0.5) ΔN=0.001041×N
【0066】図13は、実施例4と同等の性能で回折素
子を用いずに硝材の組合わせにより色収差を補正した望
遠レンズを示す。具体的な数値構成は、表15に示され
る通りである。この構成による諸収差は、図14に示さ
れるとおりである。図11と図14とを比較することに
より、回折素子を用いることにより他の性能を変化させ
ずに色収差のみを非常に良好に補正できることが理解で
きる。
【0067】
【表15】
【0068】なお、上記の実施例では、この発明の複合
レンズを光ディスク用のレンズ、あるいは望遠レンズに
適用した例についてのみのべたが、これら以外にも画角
が著しく広くなければ、他の光学系にも適用することで
きる。
【0069】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、屈折作用を持つレンズと回折作用を持つ素子とを別
個の部材として形成して接合することにより、それぞれ
の作用に適した材料を選択することができ、例えばガラ
スレンズとプラスチック製の回折素子とを組み合せた場
合には、環境の変化による性能への影響を受け難く、か
つ、回折パターンを正確に転写することができる色収差
が補正された複合レンズを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例にかかる複合レンズを模式的に示し、
(A)が側面図、(B)が平面図である。
【図2】 実施例1にかかる複合レンズを利用した対物
レンズのレンズ図である。
【図3】 図2の対物レンズの諸収差図である。
【図4】 実施例2にかかる複合レンズを利用した対物
レンズのレンズ図である。
【図5】 図4の対物レンズの諸収差図である。
【図6】 実施例2の比較例としての回折素子を持たな
い対物レンズのレンズ図である。
【図7】 図6の対物レンズの諸収差図である。
【図8】 実施例3にかかる複合レンズを利用したコリ
メートレンズのレンズ図である。
【図9】 図8のコリメートレンズの諸収差図である。
【図10】 実施例4にかかる複合レンズを利用した望
遠レンズのレンズ図である。
【図11】 図10の望遠レンズの諸収差図である。
【図12】 実施例4の変形例としてフィルターに回折
素子を設けた望遠レンズのレンズ図である。
【図13】 実施例4の比較例としての回折素子を持た
ない対物レンズのレンズ図である。
【図14】 図13の対物レンズの諸収差図である。
【符号の説明】
1…ガラスレンズ 2…回折素子 3…輪帯面

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】屈折作用を持つガラスレンズと、 一方の面で前記ガラスレンズに接合され、他方の面に光
    軸に対して同心円状の複数の輪帯面が前記光軸から離れ
    るにしたがってレンズ厚が厚くなるよう階段状に形成さ
    れている透明な回折素子とから構成されることを特徴と
    する複合レンズ。
  2. 【請求項2】前記回折素子は、プラスチックにより形成
    されていることを特徴とする請求項1に記載の複合レン
    ズ。
  3. 【請求項3】さらに、以下の条件を満足することを特徴
    とする請求項1に記載の複合レンズ。 0.8≦t(n-1)/λ≦10 ただし、λ:使用波長、 t:光軸方向への1輪帯ごとの回折素子の厚さの差、 n:回折素子を構成する媒質の屈折率である。
  4. 【請求項4】前記ガラスレンズの前記回折素子が接合さ
    れない側の面は、連続した非球面であることを特徴とす
    る請求項1に記載の複合レンズ。
  5. 【請求項5】前記複数の輪帯面は、前記光軸に対して垂
    直な平面であることを特徴とする請求項1に記載の複合
    レンズ。
  6. 【請求項6】請求項1の複合レンズと、屈折作用を持つ
    単一または複数のレンズとを組み合わせて構成されるこ
    とを特徴とするレンズ系。
JP5607394A 1993-03-25 1994-03-25 複合レンズ Pending JPH06331887A (ja)

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Cited By (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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