JP5046746B2 - 光学系及びそれを有する光学機器 - Google Patents

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Description

本発明は、光学系に関し、例えば銀塩フィルム用カメラ、デジタルスチルカメラ、ビデオカメラ、デジタルビデオカメラ、望遠鏡、双眼鏡、プロジェクター、複写機等の光学機器に好適なものである。
デジタルカメラやビデオカメラ等の光学機器に用いられる光学系には、レンズ全長(光学全長、物体側の第1レンズ面から像面までの長さ)が短く、光学系全体が小型であることが求められている。一般に、光学系の小型化を図るほど該収差、特に軸上色収差及び倍率色収差などの色収差が多く発生し、光学性能が低下する傾向にある。
全系の焦点距離が短く、バックフォーカスが長い光学系として、レトロフォーカスタイプの光学系が知られている。このレトロフォーカスタイプの光学系では、光学系の前方(カメラ等の撮像光学系においては被写体側、プロジェクター等の投影光学系ではスクリーン側を指し、拡大側ともいう)に全体として負の屈折力のレンズ群を配置する。
また、光学系の後方(カメラ等の撮像光学系においては像側、プロジェクター等の投影光学系では原画側を指し、縮小側ともいう)には全体として正の屈折力のレンズ群を配置する。このような構成によって長いバックフォーカスを有する光学系を実現している。
しかしながらレトロフォーカスタイプの光学系は、開口絞りに対し、非対称な屈折力配置となっている。
レトロフォーカスタイプの光学系は、この非対称な屈折力配置によって、負の歪曲収差(樽型の歪曲収差)や倍率色収差が発生しやすい。
レトロフォーカスタイプの光学系において、倍率色収差を補正する方法として、瞳近軸光線のレンズ面を通過する光軸からの高さが比較的高くなる、開口絞りよりも縮小側のレンズ群に蛍石等の異常分散材料を用いる方法が知られている。
この方法を用いたレトロフォーカスタイプの光学系は種々提案されている(特許文献1、2)。
また、色収差の補正作用を持つ光学材料として、高分散で、かつ異常部分分散特性を示す液体材料が知られており、それを用いて色消しを行った光学系が知られている(特許文献3、4)。
又、異常部分分散特性を持つ固体材料として透明媒体にIndium−Tin Oxide(ITO)微粒子を分散させた混合体からなる固体材料を用いて、色消しを行った光学系が知られている(特許文献5、6)。
又、異常部分分散特性を持つ固体材料として、透明媒体にTiO微粒子を分散させた混合体や樹脂からなる固体材料を用いて色消しを行った光学系が知られている(特許文献7、8)。
特開平06−082689号公報 特開2002−287031号公報 米国特許第4913535号明細書 米国特許第5731907号明細書 特開2005−181392号公報 特開2005−338801号公報 特開2006−145823号公報 特開2006−301416号公報
特許文献1及び2に開示されている、光学材料に蛍石等を使ったレトロフォーカスタイプの光学系では、レンズ全長を比較的長めに設定した場合は色収差の補正が容易である。しかし、レンズ全長の短縮化を図ると色収差が多く発生し、これを良好に補正することが困難となる。この方法は、蛍石等の材料が持つ低分散と異常部分分散を利用して開口絞りよりも縮小側にある、正の屈折力のレンズ系で発生する色収差を単に低減するに留まるためである。
レンズ全長の短縮に伴って悪化した色収差を補正するために、例えば、蛍石のようなアッベ数の大きい低分散ガラスを使う方法は、レンズ面の屈折力を大きく変化させないと色収差が大きく変化しない。
このため、色収差の補正と、屈折力を大きくしたことによって発生する球面収差、コマ収差、非点収差などの諸収差の補正との両立が困難となる。また、蛍石等の異常部分分散特性を有するガラス材料は、非常に加工が難しいという問題や、表面が傷つきやすいため光学系への使用箇所が制限されるという問題がある。
特許文献3、4に開示された材料は、液体であるために、それを封止する構造が必要となり、光学材料に用いる場合、製造が難しくなる。また、温度変化により屈折率、分散な
どの特性が大きく変化し、耐環境性が十分でない。更に空気との界面が得られないために
十分な色収差の補正作用が得られにくい。
特許文献5乃至8で開示されている異常部分分散特性を有する固体材料は、一般の光学材料と比べて透過率が比較的低い。光学系全系として透過率の低下を防ぐためには、この固体材料の光軸方向の厚さが薄い方が望ましい。一方、固体材料を用いて色収差を良好に補正するためには、一定の厚さが必要である。
しかし、光路中において固体材料の厚みが増すほど、環境下での光学特性の変動も大きくなり、耐環境性が悪化する。また、厚い固体材料を成型することは難しいため、製造が容易ではない。
そのため、特許文献5乃至8で開示されている異常部分分散性を有する固体材料より成る光学素子を光学系中に、レンズもしくは屈折力のある層として用いる場合には、光軸方向の厚さを薄くしつつ、色収差の補正をすることが重要である。
本発明は、色収差を始めとする諸収差を良好に補正することができる、製造が容易で、耐環境性に優れた光学系及びそれを有する光学機器の提供を目的とする。
本発明の光学系は、物体側から像側へ順に、負の屈折力の第1レンズ群、フォーカスのために光軸方向に移動する正又は負の屈折力の第2レンズ群、フォーカスのために光軸方向に移動する正の屈折力の第3レンズ群からなり、光軸と瞳近軸光線の交わる点をPとするとき、点Pよりも拡大側で近軸軸上光線がレンズ面を通過する光軸からの高さの最大値が、点Pよりも縮小側で近軸軸上光線がレンズ面を通過する光軸からの高さの最大値よりも小さい光学系において、
点Pよりも拡大側又は縮小側の少なくとも一方に、光入射面と光出射面が共に屈折面で固体材料より成る第1、第2光学素子を有し、該第1、第2光学素子の材料のg線とF線に関する異常部分分散性をそれぞれΔθgF1、ΔθgF2、該第1、第2光学素子の光入出射面が共に空気に接する面としたときの屈折力をそれぞれφ1、φ2とするとき、
ΔθgF1>0.0272
ΔθgF2<−0.0278
φ1×φ2<0
なる条件を満足することを特徴としている。
本発明によれば、製造が容易で、耐環境性に優れた、高い光学性能を有するコンパクトな光学系が得られる。
以下、本発明の光学系およびそれを有する光学機器について説明する。
本発明の光学系は、デジタルカメラ・ビデオカメラ・銀塩フィルム用カメラ、望遠鏡、双眼鏡、複写機、プロジェクター等の光学機器に用いられるものである。
本発明の光学系は、光軸と瞳近軸光線の交わる点をPとするとき、点Pよりも拡大側で近軸軸上光線がレンズ面を通過する光軸からの高さの最大値が、点Pよりも縮小側で近軸軸上光線がレンズ面を通過する光軸からの高さの最大値よりも小さい光学系である。
即ち、本発明の光学系は、所謂レトロフォーカスタイプの光学系(換言すると、光学系の焦点距離がレンズ全長(第1レンズ面から像面までの長さ)よりも短い光学系)である。
本発明の光学系は、点Pよりも拡大側又は縮小側の少なくとも一方に、光入射面と光出射面が共に屈折面で固体材料より成る第1、第2光学素子を有している。
ここで第1、第2光学素子は、後述する条件を満足する屈折作用を有する屈折型の光学素子(以下単に「光学素子」ともいう)である。
又、ここで屈折型の光学素子における固体材料とは、光学系を使用する状態で固体の材料を指し、製造時などの光学系を使用する前での状態は、どのような状態であっても良い。例えば、製造時には液体材料であっても、それを硬化させて固体材料としたものも、ここでいう固体材料に該当する。
図12は、本発明の光学系の光学作用を説明する為の近軸屈折力配置の概略図である。
図12において左方が拡大側(物体側)であり、右方が縮小側(像側)である。
図12の光学系OLはレンズ全長(第1レンズ面から像面までの距離)が焦点距離よりも長いレトロフォーカスタイプの光学系である。図12において、Gn,Gpは、それぞれレトロフォーカスタイプの光学系OLを構成する負の屈折力の前群と正の屈折力の後群である。GNL1、GL1は、それぞれ後群Gpに導入した、後述する条件式(2)〜(11)を満足する材料より成る第1、第2屈折光学素子(第1、第2光学素子)である。
構成を簡単にするために、前群Gn、後群Gpを構成するレンズは全て薄肉単レンズとし、前群Gn、後群Gp内でそれぞれレンズ間隔が0で光軸上に配置されているものとしている。また、第1、第2光学素子GNL1、GL1も薄肉単レンズとし、それぞれ後群Gpにレンズ間隔が0で光軸La上に配置されるものとしている。
図12において第1、第2光学素子GNL1、GL1は共に後群Gpに配置されているが、条件式(2)〜(11)を満足するならば前群Gnに配置しても良い。
Qは近軸軸上光線であり、光学系全系の焦点距離を1に正規化し、光学系の光軸と平行に、光軸から高さ1の光を入射させたときの近軸光線である。
以下、物体は光学系の左側にあるものとし、物体側から光学系OLに入射する光線は左から右へ進むものとして扱う。Rは瞳近軸光線であり、光学系OL全系の焦点距離を1に正規化し、光軸に対して−45°で入射する光線の内、光学系OLの入射瞳と光軸との交点を通過する近軸光線である。
以下、光学系への入射角度は、光軸から測って時計回りを正、反時計回りを負とする。点Pは瞳近軸光線Rと光軸Laとの交点である。IPは像面である。
図12の光学系OLは、点Pよりも拡大側で近軸軸上光線がレンズ面を通過する光軸からの高さの最大値hGnが、点Pよりも縮小側で近軸軸上光線Qがレンズ面を通過する光軸からの高さの最大値hGpよりも小さい光学系である。
図12においてHGn、HGpは瞳近軸光線Rが前群Gnと後群Gpのレンズ面に入射するときの光軸Laからの高さである。
本実施例の光学系OLの特徴は、次のとおりである。
光学系全系の焦点距離をft、レンズ全長をLtとする。
点Pよりも拡大側又は縮小側の少なくとも一方に、光入射面と光出射面が共に屈折面で固体材料より成る第1、第2光学素子GNL1、GL1を有している。
第1、第2光学素子GNL1、GL1のg線とF線に関する異常部分分散性を各々ΔθgF1、ΔθgF2とする。
第1、第2光学素子GNL1、GL1の光入出射面が共に空気に接する面としたときの屈折力をそれぞれφ1、φ2とする。
第1、第2光学素子GNL1、GL1のg線とd線に関する異常部分分散性を各々Δθgd1、Δθgd2とする。
第1、第2光学素子GNL1、GL1の固体材料のアッベ数をそれぞれνd1、νd2とする。
このとき次の条件のうち1以上を満足している。
2<Lt/ft<15 ・・・・・・(1)
ΔθgF1 > 0.0272 ・・・・・・(2)
ΔθgF2 < −0.0278 ・・・・・・(3)
Δθgd1 > 0.038 ・・・・・・(4)
Δθgd2 < −0.037 ・・・・・・(5)
νd1 < 60 ・・・・・・(6)
νd2 < 60 ・・・・・・(7)
φ1×φ2 < 0 ・・・・・・(8)
点Pよりも縮小側に配置された第1、第2光学素子の屈折力をφ1a、φ2a、材料のアッベ数をνd1a、νd2a、g線とF線に関する異常部分分散性をΔθgF1a、ΔθgF2aとする。
このとき
(φ1a×ΔθgF1a/νd1a)/(φ2a×ΔθgF2a/νd2a)>0.8
・・・・・・(9)
φ1a>0 φ2a<0 ・・・・・・(10)
なる条件式のうち少なくとも1つを満足している。
点Pよりも拡大側に配置されている第1、第2光学素子の屈折力をφ1b、φ2bとするとき、
φ1b<0 φ2b>0 ・・・・・・(11)
なる条件を満足している。
本実施例の光学系に用いる光学素子の固体材料の異常部分分散性ΔθgF、Δθgdとアッベ数νdは次のとおりである。
フラウンフォーファ線のg線(435.8nm)、F線(486.1nm)、d線(587.6nm)、C線(656.3nm)に対する屈折率をそれぞれNg、NF、Nd、NCとする。このときアッベ数νd、g線とd線に関する部分分散比θgd、g線とF線に関する部分分散比θgFは次のとおりである。
νd =(Nd−1)/(NF−NC)
θgd =(Ng−Nd)/(NF−NC)
θgF =(Ng−NF)/(NF−NC)
g線とd線に関する異常部分分散性Δθgdと、g線とF線に関する異常部分分散性ΔθgFは次のとおりである。一般的にレンズ系に使用される固体材料の部分分散比θgd、θgFを
θgd=−1.687×10−7νd+5.702×10−5νd
−6.603×10−3νd+1.462
θgF=−1.665×10−7νd+5.213×10−5νd
−5.656×10−3νd+0.7278
として近似する。
このとき異常部分分散性Δθgd、ΔθgFは、
Δθgd=θgd−(−1.687×10−7νd+5.702×10−5νd
−6.603×10−3νd+1.462)
ΔθgF=θgF−(−1.665×10−7νd+5.213×10−5νd
−5.656×10−3νd+0.7278)
である。
本実施例の光学系OLは、屈折力を有する屈折光学素子として、高分散で部分分散比が大きい固体材料で形成した第1光学素子GNL1と、高分散で部分分散比が小さい固体材料で形成した第2光学素子GL1とを、少なくともそれぞれ1枚ずつ用いている。
尚、ここでいう屈折光学素子とは、屈折作用でパワー(屈折力)を生じる、例えば屈折レンズ等を意味し、回折作用でパワーが生じる回折光学素子を含まない。
次に前述の各条件式の技術的意味について説明する。
本実施例の光学系は条件式(1)を満足するようなレトロフォーカスタイプの光学系である。この条件式(1)を満足する光学系において、条件式(2)〜(11)のうち少なくとも1を満足することにより、各条件式に相当する効果を効果的に得ている。
条件式(2)を満足する固体材料で形成される第1光学素子GNL1と、条件式(3)を満足する固体材料で形成される第2光学素子GL1とを少なくとも1つずつ光学系中に用いるのが良い。これによれば、可視域の波長域全体にわたって、良好に色収差を補正することが容易となる。
条件式(4)と条件式(5)を満足する第1、第2光学素子GNL1、GL1を用いるのが良い。これによれば短波長から中間波長までの間の波長域において色収差の補正を良好に行うことが容易となる。条件式(2)〜(5)を全て満足すれば、短波長から長波長までの広い波長域において、より良好に色収差を補正することが容易となる。
第1、第2光学素子GNL1、GL1には、条件式(6)、(7)を満足する固体材料を用いるのが良い。これによれば色収差の補正を容易に行うことができる。
条件式(8)を満足するように第1、第2光学素子GNL1、GL1の屈折力を構成するのが良い。これによれば広い波長域にわたり色収差を良好に補正するのが容易となる。
第1、第2光学素子GNL1、GL1が共に点Pよりも縮小側に配置されているときは、更に第1、第2光学素子GNL1、GL1の屈折力と材料等が条件式(9)、(10)のうち少なくとも一方を満足するのが良い。
又、第1、第2光学素子GNL1、GL1が点Pに対し、拡大側に配置されているときは更に条件式(11)を満足するのが良い。
これによれば本実施例の光学系をレトロフォーカスタイプで構成したとき色収差を良好に補正するのが容易となる。
尚、本実施例において、第1、第2光学素子GNL1、GL1を光学系中に設けるときは、光軸と瞳近軸光線の交わる、点Pの拡大側と縮小側の一方に限らず双方に設けるのが、より望ましい。
これによれば、より良好なる色収差の補正が容易となる。
条件式(2)を満足する固体材料(以下、「光学材料」ともいう。)の具体例としては、例えば樹脂がある。
さまざまな樹脂の中でも特にUV硬化樹脂(屈折率Nd=1.635,アッベ数νd=22.7,部分分散比θgF=0.69)やN−ポリビニルカルバゾール(Nd=1.696,νd=17.7,θgF=0.69)は条件式(2)を満足する光学材料である。
尚、条件式(2)を満足すれば、これらの材料に限定するものではない。
また、一般の硝材とは異なる特性を持つ光学材料として、下記の無機酸化物ナノ微粒子を合成樹脂中に分散させた混合体がある。すなわち、TiO(Nd=2.304,νd=13.8)、Nb(Nd=2.367,νd=14.0)、ITO(Nd=1.8571,νd=5.69)がある。更に、CrO(Nd=2.2178,νd=13.4)、BaTiO(Nd=2.4362,νd=11.3)等が挙げられる。
これらの無機酸化物の中では、TiO(Nd=2.304,νd=13.8,θgF=0.87)微粒子を合成樹脂中に適切なる体積比で分散させた場合、上記条件式(2)を満足する光学材料が得られる。
また、ITO(Indium−Tin−Oxide)(Nd=1.8571,νd=5.69,θgF=0.873)微粒子を合成樹脂中に適切なる体積比で分散させた場合、上記条件式(3)を満足する光学材料が得られる。尚、条件式(2)、(3)を満足すれば、これらの材料に限定するものではない。
各実施例では、一般的な光学材料に比べて、部分分散比の大きい光学材料と、部分分散比の小さい光学材料とを用いて、良好な色収差補正を行っている。
光学材料の屈折率の波長依存特性(分散特性)において、アッベ数は分散特性曲線の傾きを表し、部分分散比は分散特性曲線の曲がり具合を表すものである。
一般的に光学材料は、短波長側の屈折率が長波長側の屈折率よりも高く、アッベ数、部分分散比は正の値をとる。
このため、分散特性曲線は下に凸を描き、短波長側になるにつれて波長の変化に対する屈折率の変化は大きくなる。
例えば、(株)OHARA社の商品名S−BSL7(Nd=1.516、νd=64.1)、商品名S−TIH53(Nd=1.847、νd=23.8)の屈折率の波長特性は図13のようになる。
そして、アッベ数の小さい高分散な光学材料ほど、g線とF線に関する部分分散比θgF及びg線とd線に関する部分分散比θgdは大きくなる傾向がある。
一般の光学材料において、部分分散比はアッベ数に対してほぼ直線的な変化をする。この直線的な変化から外れたものが異常部分分散を有する光学材料であり、一般的には蛍石等が挙げられる。
一般の光学材料と比較して、部分分散比が大きい光学材料では、色収差係数の波長依存特性曲線が、短波長側で大きく曲がっているという特性を持つ。
色収差をコントロールするために、部分分散比の大きな光学材料のレンズ面のパワーを変化させると、色収差係数の波長依存特性曲線は設計基準波長の位置を回転中心として全体に傾きが変化する。
この変化は、部分分散比が大きい材料では特に短波長側での変化が大きくなる。結果として、短波長側で大きく曲がり量を変化させながら全体の傾きが変化することになる。
これを利用することで、色収差係数の波長依存特性曲線の短波長側での曲がりをキャンセルすることができる。
しかし、残存する色収差係数の波長依存特性曲線の傾きを同時に補正することは難しい。さらに、短波長側の曲がりを補正したことによって、長波長側の色収差は比較的悪化してしまう。この長波長側の補正を行うには、光学系中の適切なガラス面のパワーを変化させる必要があるが、色収差以外の諸収差の補正をするためには好ましくない。
一方、部分分散比が小さい光学材料では、色収差係数の波長依存特性曲線における短波長側での曲がりが小さい。このため、一般の光学材料と比較して、波長の変化に対して色収差係数がより直線的に変化するという特性を持つ。色収差をコントロールするために、部分分散比の小さな光学材料でレンズ面のパワーを変化させると、色収差係数の波長依存特性曲線は、設計基準波長の位置を回転中心として、波長に対して比較的直線性を保ちつつ傾きが変化する。このことから、色収差係数の波長依存特性曲線の傾きを補正することができる。
そこで部分分散比の大きな光学材料に加えて、部分分散比の小さな光学材料を用いることで、色収差係数の波長依存特性曲線の短波長側の曲がりと全体的な傾きを同時に補正することが可能となる。つまり、光学系全体としての色収差を、g線からC線までの広い波長領域において、良好に補正することができる。
これを、部分分散比が大きな光学材料を用いた屈折光学系部分GNLと、部分分散比が小さな光学材料を用いた屈折光学系部分GLと、部分分散比が一般的な値である光学材料を用いた屈折光学系部分Gより構成される光学系の色収差の補正を説明する。
まず、屈折光学系部分Gが部分系としてある程度色収差が補正された状態から、屈折光学系部分Gを構成する負レンズに比較的、高分散な光学材料を選択する。このとき屈折光学系部分Gの色収差係数の波長依存特性曲線は、短波長側で元の状態よりも大きく曲がりながら全体の傾きが変化する。
この状態で、屈折光学系部分GNLに適当なパワーを与えると同時に、屈折光学系部分Gを構成する正レンズも比較的分散の大きな材料を選択する。ところが、屈折光学系部分GNLをアッベ数に対して一様な部分分散比を持つ一般の光学材料で構成している場合、屈折光学系部分GNLは、屈折光学系部分Gの色収差係数の波長依存特性曲線の曲がり成分と傾き成分と同時に一定の割合で寄与する。このため、これら曲がり成分と傾き成分とを同時にキャンセルすることは困難である。
これに対し、屈折光学系部分GNLを一般の光学材料に比べて部分分散比の大きい材料で構成している場合には、屈折光学系部分GNLは主屈折光学系部分Gの色収差係数の波長依存特性曲線全体の曲がり成分に主に寄与する。このため、主に曲がり成分をキャンセルさせることができる。これより、元の状態よりも直線性を増しながら、色収差係数の波長依存特性曲線の全体の傾きを変化させることができる。
この状態でさらに、屈折光学系部分GLに、屈折光学系部分GNLとは符号の異なる適当なパワーを与えることで、屈折光学系部分Gの色収差係数の波長依存特性曲線の全体の傾きを補正することができる。
ところが、屈折光学系部分GLを一般の光学材料で構成している場合、屈折光学系部分GLは、屈折光学系部分Gの色収差の波長依存特性曲線の曲がりよりも逆方向に比較的大きな曲がりを持つ。
そのため、光学系全体として色収差係数の波長依存特性曲線の傾き成分はキャンセルできるが、色収差を悪化させるような曲がり成分が発生してしまうことになる。このとき発生する色収差係数の波長依存特性曲線の曲がり成分を補正するためには、部分分散比の大きい材料で構成する屈折光学系部分GNLのパワーをより変化させる必要がある。しかし、パワー(屈折力)をより変化させるとレンズとしての光軸方向の厚みが増すため、好ましくない。
これに対し、屈折光学系部分GLを部分分散比の小さな光学材料で構成している場合、屈折光学系部分GLの色収差係数の波長依存特性曲線が比較的線形性を示す。
つまり、色収差をコントロールするために屈折光学系部分GLのパワーを変化させると、比較的直線性を維持したまま、設計基準波長を回転中心として傾きを変化させることができるため、色収差を良好に補正することができる。
このように、主屈折光学系部分Gに屈折光学系部分GNLと屈折光学系部分GLの両者を用いることで、比較的容易に色収差係数の波長依存特性曲線の傾き成分と曲がり成分を同時に補正することができる。
図14はレトロフォーカスタイプの光学系における軸上色収差係数Lと波長の関係を図示したものである。この図を用いて、本実施例では可視域の波長全域で色収差が補正できることを説明する。
図14において補正前とは、屈折光学系部分GNL,GLを用いる前の色収差係数波長依存特性曲線を意味している。
このような光学系に短波長側での曲がりを補正するように屈折光学系部分GNLに適切な屈折力を与える。
さらに、屈折光学系部分GNLの傾き成分を補正するようにGLに適切な屈折力を与える。この時、屈折光学系部分GNL、GLの屈折力の積は負となる。その結果、補正後の色収差係数の波長依存特性曲線は長波長側で色収差が悪化することなく、短波長側の曲がり成分を補正することができ、可視域全域の波長で色収差の補正が可能となる。
屈折光学系部分GNL、屈折光学系部分GLのどちらか一方のみを用いて色消しを行う場合には、屈折光学系部分GNLもしくはGLと、屈折光学系部分Gのどちらもレンズ面のパワーを比較的大きく変化させないと十分な効果を得がたい。
つまり、屈折光学系部分GNL、GLの両者を用いることで個々の屈折力が比較的小さくてすむために、結果的に固体材料の光軸方向の厚みを薄くすることができる。
さらに、屈折光学系部分GNL、GLの両者を用いることで屈折光学系部分Gも比較的大きくパワーを変化させずに色消し効果を得ることができるため、色収差以外の諸収差も大きく変化しないですむことになる。
このとき、色収差を独立に補正するという観点から、屈折光学系部分GNL、屈折光学系部分GLは共にアッベ数が小さい、すなわち高分散材料から形成されていることが好ましい。さらに、レトロフォーカスタイプの光学系においては、屈折光学系部分GNL、GLは瞳近軸光線が光軸と交わる点Pよりも縮小側に、少なくとも1枚ずつあることが好ましい。このことをレンズ面での軸上色収差係数及び倍率色収差係数を用いて説明する。
屈折レンズの面におけるパワー変化をΔψ、アッベ数をν、近軸軸上光線及び瞳近軸光線がレンズ面を通過する光軸からの高さをそれぞれh、Hとする。このとき、レンズ面での軸上色収差係数の変化ΔLと倍率色収差係数の変化ΔTは、以下のように表すことができる。
ΔL = h・Δψ/ν …(a)
ΔT = h・H・Δψ/ν …(b)
式(a)及び式(b)から明らかなとおり、レンズ面のパワー変化に対する各収差係数の変化は、アッベ数の絶対値が小さい(すなわち分散が大きい)ほど大きくなる。したがって、アッベ数の絶対値が小さい高分散材料を用いれば、必要な色収差を得るためのパワー変化量は小さくて済む。
このことは収差論上、球面収差、コマ収差、非点収差などに大きな影響を及ぼすことなく色収差をコントロールできるため、色収差補正の独立性が高まることを意味する。
逆に、低分散材料を用いると、必要な色収差を得るためのパワー変化量は大きくなり、それに伴って球面収差などの諸収差が大きく変化し、色収差補正の独立性が弱まることになる。したがって、光学系を構成するレンズの内、少なくとも1つのレンズ面は、高分散材料で形成された屈折レンズ面であることが収差補正上重要である。
また、式(a)及び式(b)から、軸上色収差係数、倍率色収差係数の変化量は高さh及びHの値によって決まることが分かる。このことから、屈折光学系部分GNL,GLを光学系のどのような位置に配置させるのが適しているのかを説明する。
色収差を良好に補正するためには、色収差係数の波長依存特性の傾き成分と曲がり成分を同時に補正する必要がある。しかし、パワー変化Δψを小さくすると十分な色収差補正効果を得ることはできない。逆に、パワー変化Δψを大きくすると、レンズとしての光学素子の厚さが厚くなってしまう。
屈折光学系部分GNL及びGLを構成する異常部分分散特性を有する光学材料では一般的に透過率が低いため、レンズとして用いる場合には厚みを比較的薄くする必要がある。また、厚みが薄いほうが、環境変化に対する性能変化が小さいため耐環境性がよくなり、成型はより容易になる。
つまり、十分な色収差の補正効果を得つつ、屈折光学系部分GNL及びGLの厚みを薄くするためには、色収差係数の波長依存特性曲線の曲がり成分と傾き成分の補正量を適度に調整することが好ましい。
この補正量は(a)、(b)式より高さh、Hに影響されるため、光学系中のどの位置に屈折光学系部分GNL及びGLを配置するかによって変化する。つまり、色収差を良好に補正し、かつその時の屈折光学系部分GNL及びGLのパワー変化を小さくするためには、光学系中に屈折光学系部分GNL、GLを配置させる場所を適切に選択することが重要である。
屈折光学系部分GNL、GLを光学系中のどの位置に配置させるとき色収差が良好に補正できパワー変化が小さくなるかは、光学系が有する収差構造によって異なる。また、その収差構造は光学系のタイプによって差異がある。
また、収差係数ΔLとΔTの符号関係について考えると、ΔL/ΔTの符号は高さhとHの符号によって決まる。一般的に高さhは常に正であり、高さHは前記点Pより拡大側で負、縮小側で正となる。
レトロフォーカスタイプの光学系では、ΔL/ΔTの値が正のときに軸上色収差と倍率色収差を同時に補正することが容易である。
これより、本実施例のようなレトロフォーカスタイプの光学系では、屈折光学系部分GNL及びGLは前記点Pより縮小側に配置するのが良い。これによれば軸上色収差と倍率色収差を同時に良好に補正することが容易となる。
さらに、色収差係数の波長依存特性曲線の曲がり成分と傾き成分を良好に補正して屈折光学系部分GNL及びGLのそれぞれの厚みを薄くするには、屈折光学系部分GNL、GLの光学特性が条件式(9)を満足することが好ましい。
この時、屈折光学系部分GNLの屈折力(φ1)と、屈折光学系部分GLの屈折力(φ2)との積が条件式(8)の如く負となれば色収差係数の波長依存特性曲線の曲がり成分と傾き成分をキャンセルできる。これらはレトロフォーカスタイプの光学系が有する色収差の波長依存特性によるものである。
一般的に、ズーミングやフォーカシングや像位置の補正に際し、レンズ群の移動によって、各レンズ群に入射する光線の状態が変化する。それに伴い各レンズ群で発生する収差は変化する。したがって、すべての使用状態で光学系全体の収差を良好に補正するには、各レンズ群個々で、すべての使用状態で連立するような収差係数を与える必要がある。屈折光学素子GNL及びGLを同一のレンズ群内に配置させれば、所望の収差が得やすいことになる。
また、屈折光学素子GNL及びGLの厚みを薄くすれば、環境下での変動が小さくなる。さらに双方の屈折力が条件式(8)を満足することで該屈折光学素子GNL、GLの環境下での変動は互いにキャンセルするので、耐環境性は良くなる。
屈折光学系部分GNL、GLは一般の光学材料と組み合わせて、色収差をはじめとする諸収差を補正する。そのため、それらの部分分散比は一般の光学材料とは異なる特性と持つことが収差補正上必要ではあるが、異常部分分散性が強すぎると良くない。
一般の光学材料とかけ離れた特性を持つ材料から成るレンズを用いた場合、そのレンズ面での色収差係数の波長依存特性の曲がりは特に大きくなる。その大きな曲がり成分を補正するためには、他のレンズのパワーも大きく変化させることになる。このとき、球面収差やコマ収差や非点収差などに大きな影響を及ぼすため、収差補正が困難となる。
つまり、屈折光学系部分GNLの材料としては、一般の光学材料に比べて部分分散比が大きな光学材料であり、かつ一般の光学材料と比べて部分分散比がかけ離れすぎないことも重要である。
尚、本実施例において更に好ましくは条件式(1)の数値範囲が次の条件を満足するレトロフォーカスタイプの光学系であることが良い。
3<Lt/ft<12 …(1a)
又、第1光学素子GNL1に関する条件式(2)の異常部分分散性ΔθgF1の数値範囲は、以下の範囲とすることで更に良好な色収差の補正効果が期待できる。
0.0272 < ΔθgF1 < 0.2832 …(2a)
また収差補正上の観点から、更に望ましくは、(2a)の数値範囲を以下に示す範囲とするのが良い。
0.0342 < ΔθgF1 < 0.2832 …(2b)
第2光学素子GL1に関して、条件式(3)の異常部分分散性ΔθgF2の数値範囲は、以下の範囲とすることで更に良好な色収差補正効果が期待できる。
−0.4278 < ΔθgF2 < −0.0528 …(3a)
更に望ましくは、(2a)式の数値範囲を以下に示す範囲とするのが良い。
−0.4278 < ΔθgF2 < −0.0778 …(3b)
第1光学素子GNL1に関して、条件式(4)の異常部分分散性Δθgd1の数値範囲は、以下の範囲とすることで更に良好な色収差補正効果が期待できる。
0.038 < Δθgd1 < 0.347 …(4a)
更に望ましくは、(4a)式の数値範囲を以下に示す範囲とするのが良い。
0.051 < Δθgd1 < 0.347 …(4b)
第2光学素子GL1に関して、条件式(5)の異常部分分散性Δθgd2の数値範囲は、以下の範囲とすることで更に良好な色収差補正効果が期待できる。
−0.5620 < Δθgd2 < −0.062 …(5a)
更に望ましくは、(5a)式の数値範囲を以下に示す範囲とするのが良い。
−0.5620 < Δθgd2 < −0.112 …(5b)
条件式(6)、(7)のアッベ数νd1、νd2の数値範囲は、以下の範囲とすることで更に良好な色収差補正効果が期待できる。
νd1 < 50 …(6a)
νd2 < 50 …(7a)
更に望ましくは、(6a)、(7a)の数値範囲を以下に示す範囲とするのが良い。
νd1 < 45 …(6b)
νd2 < 45 …(7b)
更に望ましくは、(6b)、(7b)条件式の数値範囲を以下に示す範囲とするのが良い。
νd1 < 40 …(6c)
νd2 < 40 …(7c)
各実施例では、条件式(2)及び(3)を満足する光学材料より成る光学素子GNL1、GL1を光学系中のレンズやレンズ表面に設けられた屈折力のある層に適用している。そして、この光学材料で構成された屈折面を非球面形状とすれば、色の球面収差などの色収差フレアを補正することができる。また、これらの光学素子と空気などの雰囲気とで界面を形成したり、比較的、屈折率の低い光学材料とで界面を形成したりすれば、界面の僅かな曲率変化で色収差を比較的大きく変化させることができるため好ましい。
又、条件式(9)は、
(φ1a×ΔθgF1a/νd1a)/(φ2a×ΔθgF2a/νd2a)>0.9
…(9a)
なる条件を満足するのが良い。
次に、前述した条件式(2)〜(11)を満足する光学材料から形成された光学素子を、条件式(1)を満足する具体的な光学系に応用した実施例について説明する。
ここでは、第1光学素子GNL1に関する条件式(2)、(4)、(6)を満足する光学材料としてUV硬化樹脂1やN‐ポリビニルカルバゾール、UV硬化樹脂2にTiO微粒子を分散させた混合体等を用いている。第2光学素子GL1に関する条件式(3)、(5)、(7)を満足する光学材料としては、UV硬化樹脂2及びN−ポリビニルカルバゾールにITO微粒子を分散させた混合体等を用いている。
図1は実施例1の光学系のレンズ断面図である。図2は実施例1の光学系が無限遠物体に合焦したときの収差図である。
図3は実施例2の光学系のレンズ断面図である。図4は実施例2の光学系が無限遠物体に合焦したときの収差図である。
図5は実施例3の光学系のレンズ断面図である。図6は実施例3の光学系が無限遠物体に合焦したときの収差図である。
図7は実施例4の光学系のレンズ断面図である。図8は実施例4の光学系が無限遠物体に合焦したときの収差図である。
図9は実施例5の光学系のレンズ断面図である。図10は実施例5の光学系が無限遠物体に合焦したときの収差図である。
図11は本発明の光学系を備えるカメラ(撮像装置)の要部概略図である。
各実施例の光学系は、ビデオカメラやデジタルカメラそして銀塩フィルムカメラ等の撮像装置に用いられる撮影レンズ系である。レンズ断面図において、左方が物体側(前方)で、右方が像側(後方)である。
尚、各実施例の光学系をプロジェクター等の投射レンズとして用いるときは、左方がスクリーン、右方が被投射画像となる。
レンズ断面図において、iは物体側からのレンズ群の順番を示し、Liは第iレンズ群である。
SPは開口絞りであり、第2レンズ群L2と第3レンズ群L3との間に配置している。IPは像面であり、ビデオカメラやデジタルスチルカメラの撮影レンズとして使用する際にはCCDセンサやCMOSセンサ等の固体撮像素子(光電変換素子)の撮像面に、銀塩フィルム用カメラのときはフィルム面に相当する感光面が置かれる。GNL1は第1光学素子、GL1は第2光学素子である。
収差図においてd、gは各々d線及びg線である。ΔM、ΔSはメリディオナル像面、サジタル像面である。倍率色収差はg線によって表している。ωは半画角、FnoはFナンバーである。
図1の実施例1の光学系は、負の屈折力の第1レンズ群L1、フォーカスのため光軸方向に移動する負の屈折力の第2レンズ群L2、フォーカスのため光軸方向に移動する正の屈折力の第3レンズ群L3からなる。実施例1の光学系は焦点距離24mmの広角レンズ(レトロフォーカスタイプの光学系)である。
本実施例では、点Pよりも縮小側にUV硬化樹脂1より成る第1光学素子GNL1と、UV硬化樹脂2にITO微粒子を体積比で14.2%分散させた混合体より成る第2光学素子GL1とを用いた例である。図1中のGNL1は、UV硬化樹脂1で形成したレンズ(層)より成る第1光学素子を示している。GL1は、ITOの混合物で形成したレンズ(層)より成る第2光学素子を示している。
実施例1の光学系では、瞳近軸光線の光軸からの通過位置が比較的高くなる開口絞りSPより像側に、UV硬化樹脂1からなる正のパワーを持つ第1光学素子GNL1と、ITO微粒子の混合体からなる負のパワーを持つ第2光学素子GL1とを導入している。
また、これらの第1、第2光学素子GNL1、GL1は密着している。これにより軸上色収差と倍率色収差を良好に補正している。
図3の実施例2の光学系は、負の屈折力の第1レンズ群L1、フォーカスのため光軸方向に移動する負の屈折力の第2レンズ群L2、フォーカスのため光軸方向に移動する正の屈折力の第3レンズ群L3からなる。実施例2の光学系は、焦点距離24mmの広角レンズである。
本実施例では、点Pよりも縮小側にUV硬化樹脂2にTiO2を体積比で20%分散させた混合体より成る第1光学素子GNL1と、UV硬化樹脂2にITO微粒子を体積比で20%分散させた混合体より成る第2光学素子GL1とを用いた例である。
図3中のGNL1は、TiOの混合物で形成したレンズ(層)より成る第1光学素子である。GL1は、ITOの混合物で形成したレンズ(層)より成る第2光学素子である。
実施例2の光学系では、瞳近軸光線の光軸からの通過位置が比較的高くなる開口絞りSPより像側に、TiOの混合体からなる正のパワーを持つ第1光学素子GNL1と、ITO微粒子の混合体からなる負のパワーを持つ第2光学素子GL1とを導入している。
また、これらの第1、第2光学素子GNL1、GL1は密着している。これにより軸上色収差と倍率色収差を良好に補正している。
図5の実施例3の光学系は、負の屈折力の第1レンズ群L1、フォーカスのため光軸方向に移動する正の屈折力の第2レンズ群L2、フォーカスのため光軸方向に移動する正の屈折力の第3レンズ群L3からなる。実施例3の光学系は、焦点距離14mmの広角レンズである。
本実施例では、点Pよりも縮小側にUV硬化樹脂1より成る第1光学素子GNL1と、UV硬化樹脂2にITO微粒子を体積比で5%分散させた混合体より成る第2光学素子GL1とを用いた例である。
図5中のGNL1は、UV硬化樹脂1で形成したレンズ(層)より成る第1光学素子である。GL1は、ITOの混合物で形成したレンズ(層)より成る第2光学素子である。
実施例3の光学系では、瞳近軸光線の光軸からの通過位置が比較的高くなる開口絞りSPよりも像側に、UV硬化樹脂1からなる正のパワーを持つ第1光学素子GNL1と、ITO微粒子の混合体からなる負のパワーを持つ第2光学素子GL1とを導入している。
また、これらの第1、第2光学素子GNL1、GL1は密着していて、レンズ間に接合されている。
これにより軸上色収差と倍率色収差を良好に補正している。
図7の実施例4の光学系は、負の屈折力の第1レンズ群L1、フォーカスのため光軸方向に移動する負の屈折力の第2レンズ群L2、フォーカスのため光軸方向に移動する正の屈折力の第3レンズ群L3からなる。実施例4の光学系は焦点距離24mmの広角レンズである。
本実施例では、点Pよりも拡大側にUV硬化樹脂2にTiO2を体積比で3%分散させた混合体より成る第1光学素子GNL1と、N−ポリビニルカルバゾールにITO微粒子を体積比で10%分散させた混合体より成る第2光学素子GL1とを用いた例である。
図7中のGNL1は、TiOの混合物で形成したレンズ(層)より成る第1光学素子である。GL1は、ITOの混合物で形成したレンズ(層)より成る第2光学素子である。
実施例4の光学系では、開口絞りSPよりも拡大側にTiOの混合体からなる負のパワーを持つ非球面形状の第1光学素子GNL1と、ITO微粒子の混合体からなる正のパワーを持つ非球面形状の第2光学素子GL1とを導入している。これにより倍率色収差を良好に補正している。
図9の実施例5の光学系は、負の屈折力の第1レンズ群L1、フォーカスのため光軸方向に移動する正の屈折力の第2レンズ群L2、フォーカスのため光軸方向に移動する正の屈折力の第3レンズ群L3からなる。
実施例5の光学系は、焦点距離14mmの広角レンズである。
本実施例では、点Pよりも拡大側にN−ポリビニルカルバゾールにITOを体積比で10%分散させた混合体より成る第2光学素子GL1とN−ポリビニルカルバゾールより成る第1光学素子GNL1とを用いている。
また、点Pよりも縮小側にUV硬化樹脂1より成る2番目の第1光学素子GNL2と、UV硬化樹脂2にITO微粒子を体積比で5%分散させた混合体より成る2番目の第2光学素子GL2とを用いている。
図9中のGNL1は、N−ポリビニルカルバゾールで形成したレンズ(層)より成る第1光学素子である。GNL2はUV硬化樹脂1で形成したレンズ(層)より成る2番目の第2光学素子である。GL1及びGL2は、それぞれITOの混合物で形成したより成る第1光学素子と2番目の第2光学素子(層)である。
実施例5の光学系では、開口絞りSPより拡大側に、N−ポリビニルカルバゾールからなる負のパワーを持つ第1光学素子GNL1と、ITO微粒子の混合体からなる正のパワーを持つ第2光学素子GL1とを導入している。
また、瞳近軸光線の光軸からの通過位置が比較的高くなる開口絞りSPより縮小側に、UV硬化樹脂1からなる正のパワーを持つ第1光学素子GNL2と、ITO微粒子の混合体からなる負のパワーを持つ2番目の第2光学素子GL2とを導入している。これらの第1、第2光学素子GNL2、GL2は密着していて、レンズ間に接合されている。これにより軸上色収差と倍率色収差を良好に補正している。
以下、実施例1から5に対応する数値実施例1から5について具体的な数値データを示す。各数値実施例において、iは物体側から数えた面の番号を示し、Riは第i番目の光学面(第i面)の曲率半径である。Diは第i面と第(i+1)面との間の軸上間隔である。
Ni、νiはそれぞれd線に対する第i番目(樹脂やTiO微粒子分散材料やITO微粒子分散材料で形成されたレンズ(層)は除く)の光学部材の材料の屈折率、アッベ数を表す。
樹脂やTiO微粒子分散材料で形成された光学素子(レンズ)GNLjのd線に対する屈折率、アッベ数は別途NGNLj、νGNLj(j=1,2,…)で示す。また、樹脂やITO微粒子分散材料で形成された光学素子GLjのd線に対する屈折率、アッベ数は別途NGLj、νGLj(j=1,2,…)で示す。fは光学系の焦点距離、FnoはFナンバー、ωは半画角である。
また、非球面形状は、Xを光軸方向の面頂点からの変位量、hを光軸と垂直な方向の光軸からの高さ、rを近軸曲率半径、kを円錐定数、B,C,D,E…を各次数の非球面係数とするとき、
Figure 0005046746
で表す。
なお、表3及び各非球面係数における「E±XX」は「×10±XX」を意味している。
各数値実施例に用いた屈折光学系部分GNL1及びGL1のd線、g線、C線、及びF線に対する屈折率、及びアッベ数、部分分散比、パワー、条件式(1)に対応する数値を表1に示す。
また、表2にUV効果樹脂2及びITO及びTiOのd線、g線、C線、及びF線に対する屈折率、及びアッベ数、部分分散比を示す。表3は各数値実施例における前記点Pよりも縮小側の屈折光学素子GNLjおよびGLjの条件式(9)に対応した数値を示している。
Figure 0005046746
Figure 0005046746
Figure 0005046746
Figure 0005046746
Figure 0005046746
Figure 0005046746
Figure 0005046746
Figure 0005046746
次に各実施例に示した光学系を撮影光学系として用いたデジタルスチルカメラの実施形態を図11を用いて説明する。
図11において、20はカメラ本体である。21は実施例1〜5で説明したいずれかの光学系によって構成された撮影光学系である。22はカメラ本体に内蔵され、撮影光学系21によって形成された被写体像を受光するCCDセンサやCMOSセンサ等の固体撮像素子(光電変換素子)である。
23は固体撮像素子22によって光電変換された被写体像に対応する情報を記録するメモリである。24は液晶ディスプレイパネル等によって構成され、固体撮像素子22上に形成された被写体像を観察するためのファインダである。
このように本発明の光学系をデジタルスチルカメラに適用することにより、小型で高い光学性能を有する光学機器が実現できる。
数値実施例1の光学系の光学系断面図である。 数値実施例1の収差図である。 数値実施例2の光学系の光学系断面図である。 数値実施例2の収差図である。 数値実施例3の光学系の光学系断面図である。 数値実施例3の収差図である。 数値実施例4の光学系の光学系断面図である。 数値実施例4の収差図である。 数値実施例5の光学系の光学系断面図である。 数値実施例5の収差図である。 本発明の撮像装置の要部概略図である。 本発明の光学系の近軸屈折力配置の説明図である。 一般的な光学素子の屈折率の波長特性の図である。 本発明における色収差係数の波長特性に関する説明図である。
符号の説明
OL 光学系
Gp 前群
Gn 後群
Q 近軸軸上光線
R 瞳近軸光線
GNL1 光学素子
GL1 光学素子
L1 第1レンズ群
L2 第2レンズ群
L3 第3レンズ群
SP 開口絞り
IP 像面
d d線
g g線
ΔM メリディオナル像面
ΔS サジタル像面

Claims (10)

  1. 物体側から像側へ順に、負の屈折力の第1レンズ群、フォーカスのために光軸方向に移動する正又は負の屈折力の第2レンズ群、フォーカスのために光軸方向に移動する正の屈折力の第3レンズ群からなり、光軸と瞳近軸光線の交わる点をPとするとき、点Pよりも拡大側で近軸軸上光線がレンズ面を通過する光軸からの高さの最大値が、点Pよりも縮小側で近軸軸上光線がレンズ面を通過する光軸からの高さの最大値よりも小さい光学系において、
    点Pよりも拡大側又は縮小側の少なくとも一方に、光入射面と光出射面が共に屈折面で固体材料より成る第1、第2光学素子を有し、該第1、第2光学素子の材料のg線とF線に関する異常部分分散性をそれぞれΔθgF1、ΔθgF2、該第1、第2光学素子の光入出射面が共に空気に接する面としたときの屈折力をそれぞれφ1、φ2とするとき、
    ΔθgF1>0.0272
    ΔθgF2<−0.0278
    φ1×φ2<0
    なる条件を満足することを特徴とする光学系。
  2. 前記光学系の全系の焦点距離をft、レンズ全長をLtとするとき、
    2<Lt/ft<15
    なる条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載の光学系。
  3. 前記第1、第2光学素子の材料のg線とd線に関する異常部分分散性を各々Δθgd1、Δθgd2とするとき、
    Δθgd1>0.038
    Δθgd2<−0.037
    なる条件式を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載の光学系。
  4. 前記第1、第2光学素子の材料のアッベ数をそれぞれνd1、νd2とするとき、
    νd1<60
    νd2<60
    なる条件式を満足することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の光学系。
  5. 前記第1、第2光学素子は共に点Pよりも縮小側に配置されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光学系。
  6. 点Pよりも縮小側に配置された前記第1、第2光学素子の前記屈折力をφ1a、φ2aとするとき、
    φ1a>0
    φ2a<0
    なる条件式を満足することを特徴とする請求項5に記載の光学系。
  7. 点Pよりも縮小側に配置された前記第1、第2光学素子の屈折力をφ1a、φ2a、材料のアッベ数をνd1a、νd2a、g線とF線に関する異常部分分散性をΔθgF1a、ΔθgF2aとするとき
    (φ1a×ΔθgF1a/νd1a)/(φ2a×ΔθgF2a/νd2a)>0.8
    なる条件式を満足することを特徴とする請求項5又は6に記載の光学系。
  8. 前記第1、第2光学素子は、共に点Pに対し、拡大側に配置されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項の光学系。
  9. 点Pよりも拡大側に配置されている前記第1、第2光学素子の屈折力をφ1b、φ2bとするとき、
    φ1b<0
    φ2b>0
    なる条件を満足することを特徴とする請求項8の光学系。
  10. 請求項1乃至9のいずれか1項の光学系を備えていることを特徴とする光学機器。
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