JP6112936B2 - 光学系および光学機器 - Google Patents

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本発明は、回折光学素子を用いた光学系に関し、特にデジタルスチルカメラ、ビデオカメラおよび交換レンズ等の光学機器に用いられる撮影光学系として好適な光学系に関する。
上記のような光学機器に用いられる光学系には、光学全長を短縮し、小型化や軽量化を進めると、軸上色収差や倍率色収差等の諸収差が増加し、光学性能が低下する傾向がある。特に光学全長を短縮したテレフォトタイプの光学系では、焦点距離が長くなるほど色収差が増加する。このような色収差の発生を低減する方法としては、回折光学素子を用いる方法が知られている。
回折光学素子には、通常の硝材と異なる負の分散特性や強い異常部分分散性を利用した色収差の補正効果と、周期構造を変化させることによる非球面効果の大きな2つの効果がある。これらの効果を利用すれば、光学系の光学性能を向上させることができる。
回折光学素子をテレフォトタイプの光学系に用いる場合には、開口絞りより物体側にある前側レンズ群、特に該前側レンズ群のうち最も物体側のレンズに回折光学素子を設けることが色収差補正の観点からは好ましい。ただし、最も物体側のレンズに回折光学素子を設けると、撮影画角外に存在する高輝度光源(太陽等)からの光が回折光学素子に入射し易く、撮影において不要な回折次数光が撮像面に到達する割合が増え、フレアやゴーストを発生させる。その対策として、回折光学素子の回折光学面を、撮影画角外に存在する高輝度光源の光が直接入射し難い箇所に配置することが挙げられる。つまり、回折光学素子の回折光学面を像面により近い位置に配置すること(以下、回折光学面のインナー化という)である。
特許文献1には、開口絞りよりも物体側にある前側レンズ群内に、異常部分分散特性を有する光学材料を用いたレンズを含ませることによって、回折光学面をインナー化したテレフォトタイプの光学系が開示されている。また、特許文献2では、物体側から像側に順に、正の屈折力の第1レンズ群と、フォーカシングに際して移動する第2レンズ群と、第3レンズ群とにより構成され、正と負の屈折力を有する回折光学素子を1つずつ設けたテレフォトタイプの光学系が開示されている。正の屈折力の回折光学素子は第1から第3のいずれかのレンズ群内に設けられ、負の屈折力の回折光学素子は第3レンズ群内において、正の屈折力の回折光学素子よりも像側に設けられている。さらに、特許文献3には、テレフォトタイプの光学系ではないが、物体側から順に、前側レンズ群、開口絞りおよび後側レンズ群により構成され、異常部分分散特性を有した固体材料素子と回折光学素子を併用した光学系が開示されている。
特開2007−121440号公報 特開2009−271354号公報 特開2009−186888号公報
しかしながら、特許文献1にて開示された光学系では、前側レンズ群に、異常部分分散特性を有する光学材料を用いたレンズ以外の複数枚のレンズも含まれている。このため、前側レンズ群の大型化や重量増加を招く。また、特許文献2にて開示された光学系では、回折光学素子により発生するフレアやゴーストに対する対策ではなく、収差補正を主目的とした構成を有する。このため、回折光学面の屈折力がかなり強く設定されており、回折光学面で発生する設計回折次数以外の回折次数の不要光によるフレアの発生のおそれがある。さらに、特許文献3にて開示された光学系では、回折光学面が像面に近づくほど、フレアとは別に、設計回折次数とは異なる高次の回折次数の不要光が像面上にて集光しやすくなり、これに伴ってフレアが増加するおそれがある。
本発明は、回折光学素子を用いた光学系であって、回折光学面をインナー配置化しながら、小型化および軽量化が可能であり、色収差等の諸収差も良好に補正可能な光学系を提供する。
本発明の一側面としての光学系は、物体側から像側に順に、正の屈折力第1レンズ群と、無限遠物体から近距離物体へのフォーカシングに際して像側に移動する負の屈折力の第2レンズ群と、第3レンズ群とにより構成される。該光学系は、
0.55<Ltot/f<0.70
なる条件を満足する。第1レンズ群は、物体側から像側に順に、第1の正レンズと、第2の正レンズと、負レンズと、回折光学素子とを含む。第2の正レンズは、
0.01<ΔθgF_fp2<0.05

70<νd_fp2<100
なる条件を満足する光学材料を用いて形成されている。そして、回折光学素子は、

0.85<|hdoe/hbdoe|<1.30
なる条件を満足する位置に配置されていることを特徴とする。
ただし、およびLtotはそれぞれ、無限遠物体に合焦したときの全系の焦点距離および光学全長である。また、ΔθgF_fp2は
ΔθgF_fp2=θgF_fp2−(−1.665×10 −7 ×νd_fp2 +5.213×10 −5 ×νd_fp2 −5.656×10 −3 ×νd_fp2+0.7278)
なる式で定義される異常部分分散比である。
こで、νd_fp2およびθgF_fp2はそれぞれ、第2の正レンズに用いられる光学材料のg線、F線、d線およびC線における屈折率をそれぞれng_fp2,nF_fp2,nd_fp2およびnC_fp2とするときに、νd_fp2=(nd_fp2-1)/(nF_fp2-nC_fp2)で表されるアッベ数およびθgF_fp2=(ng_fp2-nF_fp2)/(nF_fp2-nC_fp2)で表される部分分散比である。また、hdoeは近軸軸上光線が回折光学素子の回折光学面を通過する際の光軸からの高さであり、hbdoeは瞳近軸光線が回折光学面を通過する際の光軸からの高さである。
なお、上記光学系を備えた光学機器も、本発明の他の一側面を構成する。
本発明によれば、第1レンズ群に異常部分分散特性を有する光学材料を用いて形成されたレンズ(第2の正レンズ)を含ませることで、回折光学素子に適切な屈折力を与えつつ、その回折光学面を撮影画角外からの光が直接入射しにくい位置に配置することができる。しかも、小型かつ軽量であり、色収差等の諸収差も良好に補正可能な光学系を実現することができる。
本発明の実施例1である光学系の断面図。 実施例1の光学系の無限遠物体合焦状態での収差図。 本発明の実施例2である光学系の断面図、 実施例2の光学系の無限遠物体合焦状態での収差図。 回折光学素子を用いた光学系の設計手法を説明する図。 通常の光学ガラスのnd−νd特性および屈折率の波長依存特性を示す図。 回折光学素子の換算屈折率の波長依存特性を示す図。 回折光学素子を用いた光学系の光学作用を説明するための近軸配置図。 回折光学素子を用いた光学系における回折光学面の配置箇所を説明するための近軸配置図。 実施例における第1レンズ群の物体側から2番目の正レンズに用いる光学材料のθgF−νd特性および屈折率の波長依存特性を示す図。 実施例における第3レンズ群内の少なくとも1つの負レンズに用いられる光学材料のθgF−νd特性および屈折率の波長依存特性を示す図。 実施例における第3レンズ群内の少なくとも1つの負レンズに用いる光学材料のθgF−νd特性および屈折率の波長依存特性を示図。 2積層型回折光学素子の構成およびその回折効率の波長依存特性を説明する図。 3積層型回折光学素子の構成およびその回折効率の波長依存特性を説明する図。 密着2層型回折光学素子の構成およびその回折効率の波長依存特性を説明する図。 実施例1,2の光学系を用いたデジタルスチルカメラの斜視図。
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。まず、具体的な実施例(数値例)の説明に先立って、各実施例の光学系に共通する光学系の特徴について説明する。
実施例の光学系は、物体側から像側に順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有し、無限遠物体から近距離物体へのフォーカシングに際して光軸上を像側に移動する第2レンズ群と、第3レンズ群とにより構成される。また、第1レンズ群は、物体側から像側に順に、第1の正レンズと、
第2の正レンズと、負レンズと、回折光学素子とにより構成されている。実施例では、無限遠物体に合焦した状態での光学系の光学全長(テレ比)が0.55より大きく、0.7より小さい小型の望遠レンズ用の光学系について説明する。すなわち、実施例の光学系は、以下の式(1)の条件を満足する。
0.55<Ltot/f<0.70 ・・・ (1)
ただし、Ltotおよびfはそれぞれ、無限遠物体に合焦したときの該光学系の光学全長および焦点距離である。
式(1)の条件において、Ltot/fが上限値を超えると、光学系の無限遠物体への合焦状態での光学全長が大きくなり、重量が重くなるので、好ましくない。一方、Ltot/fが下限値を下回ると、光学系の無限遠物体への合焦状態での光学全長が小さくなり過ぎ、色収差をはじめとする諸収差の補正が困難になるので、好ましくない。
実施例の光学系は、さらに以下の式(1−1)の条件を満足することが、より好ましい。
0.60<Ltot/f<0.70 ・・・(1-1)
また、実施例の光学系では、第1から第3レンズ群のそれぞれに含まれる少なくとも1つのレンズを形成する材料として、異常部分分散特性を有した光学材料を用いている。これにより、回折光学素子の回折光学面のインナー配置化が可能となり、かつ光学系の小型化および軽量化を実現しつつ、色収差等の諸収差を良好に補正することができる。
回折光学素子による色消し方法について、図5から図7を用いて説明する。回折光学素子は、通常の硝材とは異なる負の分散特性(νd=−3.453)を持つことにより、光の波長の違いによる光軸方向での結像位置が、同じ焦点距離の符号(正、負)を持つ屈折光学系とは逆の位置になる。
また、回折光学素子の光軸方向における波長ごとの結像位置は等間隔であり、その間隔は、回折光学素子の屈折力と回折次数が決まると一意に決まる。このため、回折光学素子の屈折力を変化させることで、結像位置の間隔を等間隔のまま調整することができる。Ulytra-High Index法で換算した回折光学素子の屈折率の波長依存特性を、図7に示す。図7において、横軸は波長(nm)を示し、縦軸は換算屈折率を示している。縦軸の絶対値自体には意味はない。図7に示すように屈折率(換算屈折率)が波長に対して直線的に変化することから、回折光学素子の光軸方向における波長ごとの結像位置は等間隔となる。
一方、通常の光学ガラスは、該ガラスの屈折率が、例えば緑の波長に対して青側でより高く、赤側でやや低くなるという波長に対して非直線な分散特性を持つ。そして、高分散なガラスほど分散特性の曲がりが顕著になることが、図6(a),(b)より明らかである。図6(a)は光学ガラスのnd−νd特性を表したものであり、横軸はνdを、縦軸はndをそれぞれ示す。また、図6(b)は光学ガラスの屈折率の波長依存特性を表したものであり、横軸は波長(nm)を、縦軸は屈折率を示す。分散特性の曲がりが顕著になると、結像位置は等間隔にならず、レンズの屈折力を高めるほど青側の結像位置が赤側よりも大きく変化することになる。屈折光学系のみの光学系は、このような性質を持った複数の凸凹レンズで構成されている。このような構成を有する焦点距離400mm、FナンバーF4の超望遠光学系を、図5(a)に示す。
この超望遠光学系を小型化するために各レンズの屈折力を強める場合、色収差補正のために、凹レンズに高分散ガラスを、凸レンズに低分散ガラスを使用するのが一般的である。このとき、各ガラスの屈折率の波長分散特性は、図6(b)より、低分散ガラスでは波長に対してほぼ直線的に変化し、高分散ガラスでは傾きを持った曲線状に変化する。このような特性のため、高分散ガラスの影響により、波長ごとの結像位置の非直線性が強まり、特に青側の結像位置が大きく変化する。その例を図5(b)に示す。この場合、波長に対して直線的な結像特性を持つ回折光学素子を導入しても、良好な色消しは行われない。このため、色収差を補正するためには、色が消される側の屈折光学系も各構成レンズの硝材を適切に選択して、波長に対する結像位置の直線性を得る必要がある。
したがって、色が消される側の屈折光学系の凹レンズには高分散でありながら、なるべく屈折率の波長依存特性に直線性を有した硝材を、凸レンズには低分散でありながら、屈折率の波長依存特性にやや非直線性を有した硝材をそれぞれ選択することが必要である。これにより、光学系全体の波長に対する結像位置の直線性を高める。その例を図5(c)に示す。
さらに、図5(c)に示した光学系に対して、適切な屈折力を与えた回折光学素子を、該光学系内の最適な位置に導入することで、光学系全系で色収差が補正される。その例を図5(d)に示す。
次に、色収差補正の手法を、テレフォトタイプの望遠光学系を例として、軸上色収差および倍率色収差の係数(色収差係数)の波長依存特性の面から説明する。各色収差係数を説明するために、図8に示す、回折光学素子を用いた光学系の近軸配置図を用いる。図8において、Dは回折光学素子部であり、Mは複数の通常レンズ(N1,N2,N3,…)で構成された屈折光学系部である。ここでの説明では、構成レンズは全て薄肉単レンズとして扱う。Oは望遠光学系の光軸である。Qは、近軸軸上光線である。Rは、瞳近軸光線である。近軸軸上光線とは、光学系全系の焦点距離を1に正規化したとき、光学系の光軸と平行に、光軸からの高さを1として入射させた近軸光線である。また、瞳近軸光線とは、光軸に対して−45°で入射する光線の内、光学系の入射瞳と光軸との交点を通過する近軸光線である。光学系の入射角度は、光軸から測って時計回りを正、反時計回りを負とする。なお、物体は光学系の左側にあるものとし、物体側から光学系に入射する光線は左側から右へ進むものとする。hは近軸軸上光線Qが回折光学素子部Dおよび屈折光学系部Mを通過する際の該近軸軸上光線Qの光軸Oからの高さである。hbは瞳近軸光線Rが回折光学素子部Dおよび屈折光学系部Mを通過する際の該瞳近軸光線Rの光軸Oからの高さである。IPは撮像面である。
図8に示した光学系全系での軸上色収差係数L(λ)および倍率色収差係数T(λ)は、下記の式(a1),(a2)により表される。
ただし、hdoeは回折光学素子部Dを構成する薄肉単レンズに入射する近軸軸上光線Qの光軸Oから高さを示し、hbdoeは回折光学素子部Dを構成する薄肉単レンズに入射する瞳近軸光線Rの光軸Pからの高さを示す。φdoeは回折光学素子部Dを構成する薄肉単レンズの屈折力を示す。hMiは屈折光学系部M内の各薄肉単レンズに入射する近軸軸上光線Qの光軸Oからの高さを示し、hbMiは屈折光学系部M内の各薄肉単レンズに入射する瞳近軸光線Rの光軸Oからの高さを示す。φMiは屈折光学系部Mを構成する薄肉単レンズの屈折力を示す。λは任意の波長、λ0は設計波長(使用波長ともいう)である。
式(a1),(a2)において、右辺の第1項は回折光学素子部Dの色収差係数を、右辺の第2項は屈折光学系部Mの各色収差係数を表している。
図5(a)に示した通常の光学系では、回折光学素子部Dがない状態で各色収差を補正しなければならないので、式(a1),(a2)の右辺の第1項がない状態で、第2項が0になるように設計される。ここから、図5(b)に示すように光学系を小型化するために各レンズの屈折力φMiを強めていくと、式(a1),(a2)の第2項は0でなくなってくる。
この場合に、屈折光学系部Mの各構成レンズの硝材を適切に選択して、波長に対する結像位置の直線性を得るためには、式(a1),(a2)の波長に対する一階微分の値dL(λ)/dλ,dT(λ)/dλにおいて屈折光学系部Mの項が波長特性を持たなくすればよい。すなわち、以下の式(b1),(b2)のようにすればよい。
このことは、さらに式(a1),(a2)の波長λに対する二階微分の値d2L(λ)/dλ2,d2T(λ)/dλ2(式(c1),(c2))が0になることを意味している。
式(c1),(c2)が0に近づき、一階微分の値dL(λ)/dλおよびdT(λ)/dλの屈折光学系部Mの項が波長特性を持たない定数となればよい。これにより、回折光学素子部Dの項で、屈折光学系部Mの項を打ち消すようにhdoeおよびφdoe、すなわち光学系に挿入する位置と屈折力を最適に与えて、図5(d)に示すようにdL(λ)/dλおよびdT(λ)/dλを0にした光学系を得ることが可能となる。
次に、上記理論を用いて、実施例の光学系が、式(1)の条件に加えて満たすべき条件について説明する。まず、回折光学素子の回折光学面の配置箇所について、図9を用いて説明する。図9は、物体側から像側に順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、第3レンズ群G3とにより構成される一般的な望遠光学系の光学作用を説明するための近軸配置図である。この図でも、各レンズ群を薄肉単レンズとして扱う。Pは瞳近軸光線Qと光軸Oとの交点(開口絞りの位置)である。それ以外の符号は、基本的に図8中の符号と同じものを示す。
回折光学素子の回折光学面を、開口絞り(P)よりも像側に配置すると、前述したように設計次数とは異なる高次の回折次数光が像面上で集光しやすく、フレアが悪化することが懸念される。このため、回折光学素子の回折光学面は、開口絞り(P)よりも物体側に配置する。
開口絞り(P)よりも物体側に回折光学面の配置箇所を考えるために、回折光学面を通過する近軸軸上光線Qの光軸Oからの高さhdoeと瞳近軸光線Rの光軸Oからの高さhbdoeとの比率から、Area1からArea3に分ける。このとき、Area1は0.50<|hdoe/hbdoe|<0.85、Area2は0.85<|hdoe/hbdoe|<1.30、Area3は1.30<|hdoe/hbdoe|<2.00をそれぞれ満足する範囲である。ここでは、近軸軸上光線Qの光軸Oからの高さをhG1とし、瞳近軸光線Rの光軸Oからの高さをhbG1とする。また、各Areaに配置した回折光学面をGdoe1,Gdoe2,Gdoe3として、各回折光学面を通過する際の近軸軸上光線Qの光軸Oからの高さをhdoe1,hdoe2,hdoe3とする。さらに、各回折光学面を通過する際の瞳近軸光線Rの光軸Oからの高さをhbdoe1,hbdoe2,hbdoe3とする。
式(a1),(a2)より、各色収差係数を0にするためには、hdoeが高い位置(例えばArea1内の位置)にあるほど、より効果的に屈折光学系部Mの各色収差係数を打ち消すことができることが分かる。また、hdoeが高い位置にあれば、色収差補正に必要とする回折光学面の屈折力が小さくて済み、逆にhdoeが低い位置(例えばArea3内の位置)にあると、回折光学面の屈折力がより強く必要となる。hdoeが低い位置でも色収差補正は可能であるが、回折光学面の屈折力が強くなり過ぎると、撮影画角内で設計次数近傍の低次の回折次数の光によるフレアが増加することが懸念される。
次に、図9において、撮影画角外にある高輝度光源Aから、Gdoe1,Gdoe2,Gdoe3で表される位置にある回折光学面と光軸Oとの交点に入射する光線の光軸Oに対する角度θ1,θ2,θ3を考える。θ1〜θ3の値は、前提とする光学系の焦点距離と光学全長とによって異なるが、実施例で想定している光学系では、θ1=約20〜70度、θ2=約10〜20度、θ3=約5〜10度となる。発明者の実験によれば、入射角度が20度以下(θ2、θ3の範囲に相当)であれば、撮影画角外にある高輝度光源Aが原因となるフレアが許容範囲におさまることが分かった。
そこで、実施例では、回折光学素子の回折光学面を、θ2=約10〜20度となるArea2(0.85<|hdoe/hbdoe|<1.30)に設ける。すなわち、回折光学面の位置を式(2)の条件を満足するように設定する。
0.85<|hdoe/hbdoe|<1.30 ・・・(2)
式(2)の条件において、|hdoe/hbdoe|の値が上限値を超えると、回折光学面の配置箇所が像側に寄り過ぎてしまうため、光学系全系での色収差を補正するには、回折光学素子の回折光学面の屈折力が強くしなければならない。それに伴い、撮影画角内で設計次数近傍の低次の回折次数の光によるフレアが増加するので、好ましくない。一方、|hdoe/hbdoe|の値が下限値を下回ると、回折光学面の配置箇所が物体側に寄り過ぎてしまうため、撮影画角外にある高輝度光源が原因となるフレアが増加してしまうので、好ましくない。
回折光学面の位置は、式(2−1)の条件を満足することがより好ましい。
0.90<|hdoe/hbdoe|<1.00 ・・・(2-1)
さらに、式(2)の条件を満足した上で、以下に示す式(3)の条件を満足するように回折光学面の屈折力を設定することが好ましい。これにより、撮影画角内で設計次数近傍の低次の回折次数の光によるフレアを抑制することができる。式(3)において、fdoeは回折光学面の焦点距離である。
0.01<f/fdoe<0.10 ・・・(3)
式(3)の条件において、f/fdoeの値が上限値を超えると、回折光学面の屈折力が強くなり過ぎて、撮影画角内で設計次数近傍の低次の回折次数の光によるフレアが増加するので、好ましくない。また、これ以上に回折光学面の屈折力を強めると、色収差の補正が過剰となり、好ましくない。一方、f/fdoeの値が下限値を下回ると、回折光学面の屈折力が弱くなり過ぎて、上述した式(1)の条件のテレ比を満足する光学系が得られなくなるので、好ましくない。
回折光学面の屈折力は、式(3−1)の条件を満足することがより好ましい。
0.02<f/fdoe<0.06 ・・・(3-1)
式(2)(さらに好ましくは式(3))の条件を満足するように回折光学面の配置箇所(さらには屈折力)を設定した上で、式(a1)から(c2)の部分で説明したように回折光学素子部Dの各色収差係数を打ち消すように屈折光学系部Mの硝材を選択すればよい。実施例では、屈折光学系部Mとして、物体側から像側に順に、第1の正レンズと、第2の正レンズと、負レンズと、接合レンズ(回折光学素子)とを含む第1レンズ群L1を有する。そして、この第1レンズ群L1のうち第2の正レンズの光学材料として、以下の式(4),(5)の条件を満足する硝材を用いる。第2の正レンズは、第1レンズ群L1のうち物体側から2番目の正レンズである。
0.01<ΔθgF_fp2<0.05 ・・・(4)
70<νd_fp2<100 ・・・(5)
ただし、ΔθgF_fp2は、以下の式で定義される異常部分分散比である。
ΔθgF_fp2=θgF_fp2−(−1.665×10−7×νd_fp2
+5.213×10−5×νd_fp2−5.656×10−3×νd_fp2+0.7278)
ここで、第2の正レンズに用いられる光学材料のg線、F線、d線およびC線における屈折率をそれぞれ、ng_fp2,nF_fp2,nd_fp2およびnC_fp2とする。このとき、νd_fp2およびθgF_fp2はそれぞれ、νd_fp2=(nd_fp2-1)/(nF_fp2-nC_fp2)で表されるアッベ数および
θgF_fp2=(ng_fp2-nF_fp2)/(nF_fp2-nC_fp2)で表される部分分散比である。
図10(a),(b)を用いて、上記式(4),(5)の条件について説明する。図10(a)は式(4),(5)の条件を満足する光学材料(以下、実施例の光学材料という)の範囲を示しており、縦軸はθgFを、横軸にνdをそれぞれ示している。図10(a)から、実施例の光学材料は、通常の一般硝材よりも低分散で、高θgFであることが分かる。
実施例の光学材料である異常部分分散硝材の屈折率とこの硝材に屈折率(nd)が近い一般硝材の屈折率の代表的な波長依存特性を図10(b)に示す。図10(b)において、縦軸は屈折率を、横軸は波長(nm)を示す。また、実線は実施例の光学材料としての異常部分分散硝材の屈折率の波長依存特性を、点線は一般硝材(通常硝材)の屈折率の波長依存特性を示す。実施例の異常部分分散硝材は、一般硝材に比べて、全体の曲線の傾きが緩くなっている(低分散である)にも関わらず、短波長(青)側の曲がりがややきつく(高θgFに)なっている。具体的には、一般硝材はνd=70.2、θgF=0.530であるのに対して、実施例の硝材はνd=81.6、θgF=0.538である。これにより、本実施例の異常部分分散硝材を用いれば、屈折光学系部Mを構成する凸レンズが、低分散でありながら屈折率の波長依存特性にやや非直線性を有した形にすることができ、屈折光学系部M発生する各色収差係数を低減することができる。
式(4)の条件において、ΔθgF_fp2が上限値を超えると、第2の正レンズの短波長(青)側の屈折率波長特性の曲がりがきつくなる。これにより、負レンズに用いる一般的な高分散ガラスとのバランスから、光学系全系での短波長(青)側の屈折率波長特性の曲がりがきつくなり過ぎる。この場合、その特性をキャンセルするために、回折光学面の屈折力を強めなくてならなくなるので、フレアの観点から好ましくない。一方、ΔθgF_fp2が下限値を下回ると、一般硝材の特性と変わらなくなり、屈折光学系部Mの正レンズに求められる高θgFが得られなくので、好ましくない。
式(5)の条件において、νd_fp2が上限値を超えると、低分散な特性になり過ぎる。これにより、負レンズに用いる一般的な高分散ガラスとのバランスから、光学系全系での屈折率波長特性の傾きが緩くなり過ぎて、回折光学素子部Dの特性をキャンセルすることが困難になり、好ましくない。一方、νd_fp2が下限値を下回ると、高分散な特性になり過ぎる。これにより、負レンズに用いる一般的な高分散ガラスとのバランスから、光学系全系での屈折率波長特性の傾きがきつくなり過ぎて、その特性をキャンセルするための回折光学面の屈折力を強めなくてならず、フレアの観点から好ましくない。
物体側から2番目の正レンズ(第2の正レンズ)に式(4),(5)の条件を満足する硝材を用いるのは、以下の理由による。最も物体側の正レンズ(第1の正レンズ)にこの硝材を用いると、ガラス重量が増加するとともに、表面が傷つき易くなり、急激な温度変化によって割れが生ずるおそれがあるためである。
第2の正レンズを形成する光学材料として、以下の式(4−1),(5−1)の条件を満足する硝材を用いると、さらに良い。
0.01<ΔθgF_fp2<0.03 ・・・(4-1)
75<νd_fp2<97 ・・・(5-1)
式(4),(5)の条件を満足した光学材料を、第1レンズ群L1の第2の正レンズに用いる場合、第2の正レンズは、以下の式(6)の条件を満足する位置に、式(7)条件を満足する屈折力で設けることが好ましい。
0.70<|hanm_fp2/hbanm_fp2|<0.85 ・・・(6)
0.10<fanm_fp2/f<0.50 ・・・(7)
ただし、hanm_fp2は、近軸軸上光線Qが、第2の正レンズの物体側の光学面を通過する際の光軸Oからの高さである。hbanm_fp2は瞳近軸光線Rが、第2の正レンズの物体側の光学面を通過する際の光軸Oからの高さである。また、fanm_fp2は第2の正レンズの焦点距離である。
式(6),(7)を満足することで、先に式(a1),(a2)を用いた軸上色収差係数L(λ)および倍率色収差係数T(λ)において、屈折光学系部Mを構成する正レンズを弱い屈折力で配置することができる。
式(6)において、|hanm_fp2/hbanm_fp2|が上限値を超えると、第2の正レンズの配置箇所が開口絞りに近づき、色収差を補正するための所望の効果が得られなくなるので、好ましくない。一方、|hanm_fp2/hbanm_fp2|が下限値を下回ると、第2の正レンズの配置箇所が物体側に寄り、色収差を補正するには効果を発揮するが、レンズ径が大きくなり、その結果、ガラス重量の増加につながるので、好ましくない。式(7)において、上限値を超えると、第2の正レンズの屈折力が弱くなり過ぎて、色収差の補正上、その配置箇所をより物体側に寄せなければならなくなる。その結果、レンズ径が大きくなり、ガラス重量の増加につながるので、好ましくない。さらに、|hanm_fp2/hbanm_fp2|が下限値を下回ると、第2の正レンズの屈折力が強くなり過ぎて、他の光学要素による色収差補正とのバランスから色収差補正過剰となり、好ましくない。
なお、第2の正レンズは、さらに以下の条件を満足すると、より良い。
0.75<|hanm_fp2/hbanm_fp2|<0.85 ・・・(6-1)
0.20<fanm_fp2/f<0.40 ・・・(7-1)
次に、式(a1),(a2)から(c1),(c2)の部分で説明した回折光学素子部Dの各色収差係数を打ち消すような、屈折光学系部Mを構成する負レンズの硝材を選択するための条件について説明する。その条件は、第3レンズ群L3の少なくとも1つの負レンズに、以下の式(8),(9)の条件を満足する光学材料を用いることである。
0.005<ΔθgF_mr<0.03 ・・・(8)

10<νd_mr<30 ・・・(9)
ただし、ΔθgF_mrは以下の式で定義される異常部分分散比である。
ΔθgF_mr=θgF_mr−(−1.665×10−7×νd_mr
+5.213×10−5×νd_mr−5.656×10−3×νd_mr+0.7278)
ここで、第3レンズ群L3の少なくとも1つの負レンズに用いられた光学材料のg線、F線、d線およびC線における各屈折率をng_mr,nF_mr,nd_mrおよびnC_mrとする。この場合において、νd_mrおよびθgF_mrはそれぞれ、νd_mr=(nd_mr-1)/(nF_mr-nC_mr)で表されるアッベ数およびθgF_mr=(ng_mr-nF_mr)/(nF_mr-nC_mr)で表される部分分散比である。
図11(a),(b)を用いて式(8),(9)の条件について説明する。図11(a)における縦軸および横軸が示すものは図10(a)と同じである。図11(a)から、式(8),(9)を満足する実施例の光学材料である異常部分分散硝材は、通常の一般硝材よりも高分散で、やや高θgFであることが分かる。
実施例の異常部分分散硝材の屈折率とこの硝材に屈折率(nd)が近い一般硝材の屈折率の波長依存特性を図11(b)に示す。図11(b)における縦軸、横軸、実線および点線が示すものは、図10(b)と同じである。図11(b)から、実施例の異常部分分散硝材は、一般硝材に比べて、全体の曲線の傾きがきつく(高分散であり)、かつ短波長(青)側の曲がりもきつく(高θgFに)なっていることが分かる。具体的には、一般硝材はνd=25.4、θgF=0.617であるのに対して、実施例の硝材はνd=22.8、θgF=0.631である。ただし、これでは屈折光学系部Mを構成する負レンズに必要な、高分散および直線的な屈折率の波長依存特性を得ることができない。これを補正する方法については、後に式(11),(12)の条件において説明する。
これにもかかわらず、式(8),(9)の条件を満足する光学材料を負レンズに用いる理由は、以下の通りである。上述した式(4),(5)を満足する光学材料を正レンズに用いると、波長依存特性の曲線の傾きがより緩やか、つまりはより低分散になる。このため、このようにより緩やかになった特性をキャンセルするために、より曲線の傾きがきつくなる光学材料を負レンズに用いる。
式(8)の条件において、ΔθgF_mrが上限値を超えると、短波長(青)側の屈折率波長特性の曲がりがきつくなり過ぎ、回折光学面の屈折率波長特性の直線的な特性をキャンセルできなくなり、色収差が残存してしまうので、好ましくない。一方、ΔθgF_mrが下限値を下回ると、存在する硝材としては、より低分散な特性のものとなってしまい、屈折率波長特性の曲線の傾きが緩くなる。これに伴い、屈折光学系Mの全系での曲線の傾きも緩くなり過ぎ、回折光学面の屈折率波長特性の直線的な特性の傾きをキャンセルできなくなり、可視波長域全域で色収差が残存してしまうので、好ましくない。
式(9)の条件において、νd_mrが上限値を超えると、低分散な特性となり過ぎ、前述した理由と同じ理由で、可視波長域全域で色収差が残存してしまうので、好ましくない。一方、νd_mrが下限値を下回ると、高分散な特性となり過ぎ、屈折光学系Mの全系での曲線の傾きもきつくなり、その特性をキャンセルさせるには回折光学素子の回折光学面の屈折力を強める必要がある。回折光学面の屈折力を強めると、撮影画角内で設計次数近傍の低次の回折次数の光によるフレアが増加するので、好ましくない。
負レンズに用いる光学材料として、以下の式(8−1),(9−1)の条件を満足する硝材を用いると、さらに良い。
0.005<ΔθgF_mr<0.01 ・・・(8-1)
15<νd_mr<25 ・・・(9-1)
式(8),(9)を満足する光学材料は、第3レンズ群L3における最も像側に配置された負レンズ(以下、第1の負レンズという)に用いると、色収差、特に倍率色収差の補正に効果的である。このとき、第1の負レンズには、以下の式(10)の条件を満足する屈折力を与えることが好ましい。
0.05<|fanm_rn1/f|<0.50 ・・・(10)
ただし、fanm_rn1は第3レンズ群L3における第1の負レンズの焦点距離である。
式(10)の条件において、|fanm_rn1/f|が上限値を超えると、第1の負レンズの屈折力が弱くなり過ぎ、色収差を補正するには、その配置箇所をより像面に近づけなくてはならなくなり、光学系の全長の増加につながるので、好ましくない。一方、|fanm_rn1/f|が下限値を下回ると、第1の負レンズの屈折力が強くなり過ぎ、それをキャンセルするためには、回折光学素子の回折光学面の屈折力を強めなければならない。回折光学面の屈折力を強めると、撮影画角内で設計次数近傍の低次の回折次数の光によるフレアが増加するので、好ましくない。
第1の負レンズに与える屈折力として、以下の式(10−1)の条件を満足すると、さらに良い。
0.08<|fanm_rn1/f|<0.25 ・・・(10-1)
次に、第3レンズ群L3が以下の式(11),(12)を満足する光学材料を用いて形成された少なくとも1つの負レンズを含むのが好ましいことについて説明する。
0.01<ΔθgF_rn2<0.05 ・・・(11)
50<νd_rn2<70 ・・・(12)
ただし、ΔθgF_rn2は以下の式で定義される異常部分分散比である。
ΔθgF_rn2=θgF_rn2−(−1.665×10−7×νd_rn2
+5.213×10−5×νd_rn2−5.656×10−3×νd_rn2+0.7278)
ここで、第3レンズ群L3における上記少なくとも1つの負レンズの光学材料のg線、F線、d線およびC線における屈折率をそれぞれng_rn2,nF_rn2,nd_rn2およびnC_rn2とする。このとき、νd_rnおよびθgF_rn2はそれぞれ、νd_rn2=(nd_rn2-1)/(nF_rn2-nC_rn2)で表されるアッベ数およびθgF_rn2=(ng_rn2-nF_rn2)/(nF_rn2-nC_rn2)で表される部分分散比である。
図12(a),(b)を用いて、式(11),(12)の条件について説明する。図12(a)における縦軸および横軸が示すものは図10(a)および図11(a)と同じである。図12(a)から、式(11),(12)を満足する実施例の光学材料である異常部分分散硝材は、通常の一般硝材よりもやや低分散で、高θgFであることが分かる。
また、実施例の異常部分分散硝材の屈折率とこの硝材に屈折率(nd)が近い一般硝材の屈折率の波長依存特性を図12(b)に示す。図12(b)における縦軸、横軸、実線および点線が示すものは、図10(b)および図11(b)と同じである。図11(b)から、実施例の異常部分分散硝材は、一般硝材に比べて、全体の曲線の傾きが緩く(低分散に)なりがら、短波長(青)側の曲がりはほぼ同じになっていることが分かる。具体的には、一般硝材はνd=67.7、θgF=0.544であるのに対して、実施例の硝材はνd=68.7、θgF=0.545である。実施例において、この硝材を負レンズに用いただけでは、屈折光学系部Mを構成する負レンズに必要な、高分散および直線的な屈折率の波長依存特性を直接得ることができない。しかし、式(8),(9)の条件を満足する硝材との組合せ(平均)を考えると、高分散でありながら低θgFとなり、直線的な屈折率の波長依存特性を得ることができる。したがって、上述した式(8),(9)を満足する光学材料と式(11),(12)を満足する光学材料とをともに負レンズの材料として用いることで、屈折率の波長依存特性に直線性を得ることができる。これにより、回折光学面による屈折率の波長依存特性の直線性をキャンセルすることができる。
式(11)において、ΔθgF_rn2が上限値を超えると、短波長(青)側の屈折率波長特性の曲がりがきつくなり過ぎ、回折光学素子の回折光学面における屈折率波長特性の直線的な特性をキャンセルできなくなり、色収差が残存してしまうので、好ましくない。一方、ΔθgF_rn2が下限値を下回ると、一般硝材の特性と変わらなくなり、色収差を補正できなくなるので、好ましくない。
また、式(12)において、νd_rn2が上限値を超えると、低分散な特性となり過ぎ、前述したのと同じ理由で、色収差を補正できなくなるので、好ましくない。一方、νd_rn2が下限値を下回ると、高分散な特性となり過ぎ、式(8),(9)の条件を満足する硝材との組合せを考えても、屈折光学系Mの全系での曲線の傾きがきつくなり過ぎてしまう。そして、これに伴って、その特性をキャンセルするには、回折光学素子の回折光学面の屈折力を強める必要があり、撮影画角内で設計次数近傍の低次の回折次数の光によるフレアが増加するおそれがあるので、好ましくない。
負レンズに用いる光学材料として、以下の式(11−1),(12−1)の条件を満足する硝材を用いると、さらに良い。
0.01<ΔθgF_rn2<0.03 ・・・(11-1)
55<νd_rn2<70 ・・・(12-1)
そして、式(11),(12)を満足する材料を、第3レンズ群L3のうち像側から2番目の負レンズ(以下、第2の負レンズという)に用いる場合に、該第2の負レンズに以下の式(13)の条件を満足する屈折力を付与することが、色収差の補正上好ましい。
0.01<|fanm_rn2/f|<0.30 ・・・(13)
ただし、fanm_rn2は第2の負レンズの焦点距離である。
式(13)の条件において、|fanm_rn2/f|が上限値を超えると、第2の負レンズの屈折力が弱くなり過ぎ、色収差を補正するのが困難になるので、好ましくない。一方、|fanm_rn2/f|が下限値を下回ると、第2の負レンズの屈折力が強くなり過ぎ、それをキャンセルするために、回折光学素子の回折光学面の屈折力を強める必要がある。そして、これに伴い、撮影画角内で設計次数近傍の低次の回折次数の光によるフレアが増加するので、好ましくない。
第2の負レンズに与える屈折力は、さらに以下の式(13−1)の条件を満足すると、より良い。
0.03<|fanm_rn2/f|<0.10 ・・・(13-1)
以上、回折光学素子を用いた実施例の光学系での色収差補正のための条件およびそれを満足することにより得られる効果について説明した。
次に、色収差補正に関する条件以外で、実施例の光学系が満足することが好ましい条件について説明する。
実施例の光学系の第1レンズ群L1を構成するレンズのうち少なくとも1つのレンズは、レンズ面として非球面を有する。該非球面は、光軸Oから周辺に向かって負の屈折力が強くなる形状を有する。そして、該非球面を有するレンズは、以下の式(14)の条件を満足することが好ましい。また、該非球面を有するレンズは、以下の式(15)の条件を満足する位置に設けられることが好ましい。
1.00×10-4<|dsag/fasph|<1.00×10-3 ・・・(14)
0.50<|hasph/hbasph|<0.85 ・・・(15)
ただし、dsagは該非球面を通過する最外周の光線の位置における近軸球面に対する該非球面の光軸方向での離れ量であり、fasphは該非球面を有するレンズの焦点距離である。また、hasphは近軸軸上光線が該非球面を通過する際の光軸Oからの高さである。また、hbasphは瞳近軸光線が該非球面を通過する際の光軸Oからの高さである。
式(14)において、|dsag/fasph|が上限値を超えると、非球面量が大きくなり過ぎ、球面収差、コマ収差および像面湾曲の補正が過剰になるので、好ましくない。一方、|dsag/fasph|が下限値を下回ると、非球面量が小さくなり過ぎ、球面収差、コマ収差および像面湾曲の補正が不十分になるので、好ましくない。
また、式(15)の条件において、|hasph/hbasph|が上限値を超えると、非球面の配置箇所が開口絞り(P)寄りの位置になり、球面収差等の諸収差を抑えることが困難になるので、好ましくない。一方、|hasph/hbasph|が下限値を下回ると、非球面の配置箇所が物体寄りの位置になる。これは、大口径のレンズに非球面を設けることになるので、加工精度や耐環境性の観点から好ましくない。
非球面を有するレンズは、さらに以下の式(14−1),(15−1)の条件を満足すると、より良い。
1.50×10-4<|dsag/fasph|<7.00×10-4 ・・・(14-1)
0.60<|hasph/hbasph|<0.85 ・・・(15-1)
次に、具体的な実施例(数値例)について説明する。
図1に示す本発明の実施例1(数値例1)の光学系は、望遠光学系(焦点距離400mm、Fno4.0)である。図1において、L1は正の屈折力を有する第1レンズ群であり、L2は負の屈折力を有する第2レンズ群である。L3は負の屈折力を有する第3レンズ群である。Sは開口絞りであり、Oは光学系の光軸を示している。また、IPは像面を、Gは水晶ローパスフィルタや赤外カットフィルタ等のガラスブロックを示している。
本実施例の光学系の光学系は、上述した式(1)の条件を満足するテレ比を有する。また、本実施例において、回折光学素子Ldoeは、物体側から数えて4番目の接合レンズであり、その接合面に回折光学面を設けている。回折光学面の位置および屈折力はそれぞれ、上述した式(2),(3)の条件を満足する。
また、Lanm_fp2は第1レンズ群L1のうち物体側から2番目の正レンズ(第2の正レンズ)であり、上述した式(4),(5)の条件を満足する異常部分分散硝材を用いて形成されている。この正レンズLanm_fp2は、上述した式(6)の条件を満足する位置に配置され、式(7)条件を満足する屈折力を有する。
Lanm_rn1は第3レンズ群L3のうち最も像側に配置された負レンズ(第1の負レンズ)であり、上述した式(8),(9)の条件を満足する異常部分分散硝材を用いて形成されている。この負レンズLanm_rn1は、上述した式(10)の条件を満足する屈折力を有する。
Lanm_rn2は第3レンズ群L3のうち像側から2番目に配置された負レンズ(第2の負レンズ)であり、負レンズLanm_rn1とは異なる硝材、すなわち上述した式(11),(12)を満足する異常部分分散硝材用いて形成されている。負レンズLanm_rn2は、上述した式(13)の条件を満足する屈折力を有する。
また、Asphは非球面を表し、本実施例では、物体側から3番目の負レンズの像側のレンズ面に設けている。
本実施例では、無限遠物体から至近距離物体へのフォーカシングは、第2レンズ群L2の接合レンズLfoを像側へ移動させることで行う。また、第3レンズ群L3中のレンズユニットLISを光軸Oに直交する方向に移動させることにより、手振れ等の振動による像振れを補正することが可能である。
本実施例1の無限遠物体に合焦した状態での収差図を図2に示す。図2の球面収差において、実線はd線の球面収差を、二点鎖線はg線の球面収差を示す。また、非点収差において、実線はd線のサジタル光線(ΔS)の非点収差を、点線はd線のメリディオナル光線(ΔM)の非点収差を示す。さらに、倍率色収差においては、二点鎖線はg線の倍率色収差を示す。FnoはFナンバー、ωは半画角をそれぞれ示す。
本実施例の光学系は、上述した各条件を満足しているので、回折光学素子の回折光学面をインナー配置化しながら、小型および軽量で、色収差等の諸収差が良好に補正された光学系として実現されている。
図3に示す本発明の実施例2(数値例2)の光学系は、実施例1の光学系と同じ仕様を有する。図3中の符号が示す構成要素は、図1中の符号と同じである。ただし、本実施例では、非球面を第1レンズ群L1のうち最も物体側に配置されたレンズの物体側レンズ面に設けている。本実施例の無限遠物体に合焦した状態での収差図を図4に示す。
本実施例の光学系も、上述した各条件を満足しているので、回折光学素子の回折光学面をインナー配置化しながら、小型および軽量で、色収差等の諸収差が良好に補正された光学系として実現されている。
次に、実施例1,2で用いられる回折光学素子について説明する。回折光学素子には、図13(a)に示すように、第1の回折格子6と第2の回折格子7との間に空気層8を挟んだ2積層構造のものがある。この回折光学素子では、ガラス基板4上に紫外線硬化樹脂により第1の回折格子6を形成し、他のガラス基板5上に第1の回折格子6の材料とは異なる紫外線硬化樹脂により第2の回折格子7を形成し、これらを間隔Dの空気層8を挟んで近接配置している。第1および第2の回折格子6,7は、2つの回折格子で1つの回折光学素子として作用する。第1の回折格子6の格子厚はd1であり、第2の回折格子7の格子厚はd2である。格子の向き(格子厚が単調増加する方向)は、第1の回折格子6と第2の回折格子7とで互いに逆である。
図13(a)において、光をガラス基板4側から第1の回折格子6に、さらに空気層8を介して第2の回折格子7に入射させる。この場合、射出光のうち入射光と同じ方向に進む光が0次回折光であり、入射光に対して斜め方向に進む光が1次回折光である。
図13(b)には、図13(a)に示した2積層構造の回折光学素子の数値例における設計次数光である1次回折光と、設計次数±1次光である0次回折光および2次回折光の回折効率の波長依存特性を示す。第1の回折格子6の材料は、(nd1,νd1)=(1.636,22.8)であり、格子厚d1は7.88μmである。また、第2の回折格子7の材料は、(nd2,νd2)=(1.524,51.6)で、格子厚d2は10.71μmである。空気層の間隔Dは1.5μmである。さらに、各回折格子の格子ピッチPは200μmである。図13(b)から分かるように、設計次数光(1次回折光)の回折効率は、使用波長全域で約90%以上と高い一方、不要回折次数光(0、2次回折光)の回折効率は使用波長全域で約5%以下と良好に抑制されている。
また、回折光学素子には、図14(a)に示すように、第1の回折格子6と、第2の回折格子7の谷の部分を埋める紫外線硬化樹脂9との間に空気層8を挟んだ3積層構造のものもある。この回折光学素子では、ガラス基板4上に紫外線硬化樹脂により第1の回折格子6を形成し、他のガラス基板5上に第1の回折格子6の材料と同じ紫外線硬化樹脂により第2の回折格子7を形成している。そして、第2の回折格子7の谷の部分を、両回折格子の材料とは異なる紫外線硬化樹脂9で埋め、該紫外線硬化樹脂9と第1の回折格子6とを間隔Dの空気層8を挟んで近接配置している。第1および第2の回折格子6,7は、2つの回折格子で1つの回折光学素子として作用する。第1の回折格子6の格子厚はd1であり、第2の回折格子7の格子厚はd2である。格子の向き(格子厚が単調増加する方向)は、第1の回折格子6と第2の回折格子7とで互いに同じである。
図14(a)において、光をガラス基板4側から第1の回折格子6に、さらに空気層8および紫外線硬化樹脂9を介して第2の回折格子7に入射させる。この場合、射出光のうち入射光と同じ方向に進む光が0次回折光であり、入射光に対して斜め方向に進む光が1次回折光である。
図14(b)には、図14(a)に示した3積層構造の回折光学素子の数値例における設計次数光である1次回折光と、設計次数±1次光である0次回折光および2次回折光の回折効率の波長依存特性を示す。第1の回折格子6の材料は、(nd1,νd1)=(1.636,22.8)で、格子厚d1は2.83μmである。また、紫外線硬化樹脂9は、(nd2−1,νd2−1)=(1.524,51.6)であり、第2の回折格子7の材料は、(nd2−2,νd2−2)=(1.636,22.8)である。格子厚d2は7.88μmである。空気間隔Dは1.5μmである。さらに、各回折格子の格子ピッチP=200μmである。図14(b)から分かるように、設計次数光(1次回折光)の回折効率は、使用波長全域で約90%以上と高い一方、不要回折次数光(0および2次回折光)の回折効率は使用波長全域で約5%以下と良好に抑制されている。
さらに、回折光学素子には、図15(a)に示すように、第1の回折格子6と第2の回折格子7が同一の格子厚で形成され、かつ互いに密着した密着2層構造のものもある。この回折光学素子では、ガラス基板4上に紫外線硬化樹脂により第1の回折格子6を形成し、他のガラス基板5上に第1の回折格子6の材料とは異なる紫外線硬化樹脂により、第1の回折格子6と同一の格子厚で第2の回折格子7を形成している。そして、これらの回折格子6,7を、間に空気層を挟むことなく、互いに密着させている。第1および第2の回折格子6,7は、2つの回折格子で1つの回折光学素子として作用する。第1および第2の回折格子6,7の格子厚はdである。また、格子の向き(格子厚が単調増加する方向)は、第1の回折格子6と第2の回折格子7とで互いに逆である。
図15(a)において、光をガラス基板4側から第1の回折格子6に、さらに空気層8および紫外線硬化樹脂9を介して第2の回折格子7に入射させる。この場合、射出光のうち入射光と同じ方向に進む光が0次回折光であり、入射光に対して斜め方向に進む光が1次回折光である。
図15(b)には、図15(a)に示した密着2層構造の回折光学素子の数値例における設計次数光である1次回折光と、設計次数±1次光である0次回折光および2次回折光の回折効率の波長依存特性を示す。第1の回折格子6の材料は、(nd1,νd1)=(1.567,46.6)であり、第2の回折格子7の材料は、(nd2,νd2)=(1.504,16.3)である。格子厚dは9.29μmである。また、各回折格子の格子ピッチPは200μmである。図15(b)から分かるように、設計次数光(1次回折光)の回折効率は、使用波長全域で約99.5%以上ときわめて高い一方、不要回折次数光(0、2次回折光)の回折効率は使用波長全域で約0.05%以下ときわめて良好に抑制されている。
図13(a)、図14(a)および図15(a)に示した回折光学素子の構造は代表的なものであり、回折効率等の回折光学素子としての性能が図13(a)、図14(a)および図15(a)に示した回折光学素子と同等以上であれば、その構造は問わない。
また、回折光学素子は、レンズ面等の光学面上に設けられるが、その光学面の曲率半径には限定がなく、さらに光学面が球面、平面または非球面でもよい。また各実施例では、回折光学素子を接合レンズの接合面に設けた場合について説明したが、回折光学素子を設ける場所はこれに限定されない。
さらに、各実施例での回折光学素子の製造方法としては、バイナリオプティクス形状をフォトレジストにより直接レンズ面に成形する方法や、この方法によって作成した型を用いるレプリカ成形やモールド成形を行う方法を採用することができる。また、回折格子を鋸状形状のキノフォームとすれば、回折効率が向上し、良好な回折効率を実現することができる。
以下、各数値例の諸数値を示す。各数値例において、面番号iは物体側からi番目の光学面を示し、riは該i番目の光学面の曲率半径を、diは該i番目の光学面間の基準状態での光軸上での間隔を示している。また、ndiおよびνdiはそれぞれ、該i番目の光学部材のd線における屈折率とアッべ数を示す。「e±XXX」は、「×10±XXX」の意味である。
各実施例の回折光学面の位相形状ψは、回折光の回折次数をmとし、設計波長をλ0とし、光軸に対して直交する方向での高さをrとし、位相係数をCi(i=1,2,3,…)とするとき、次式によって表される。
ψ(r,m)=(2π/mλ0)×(C1・r+C2・r+C3・r+…)
さらに、非球面形状は、Xを光軸方向での面頂点からの変位量とし、rを光軸に直交する方向での光軸からの高さとし、Rを近軸曲率半径とし、kを円錐定数とし、B,C,D,E,…を各次数の非球面係数とするとき、次式によって表される。
表1には、数値例1,2における式(1)〜(15)の条件の値をまとめて示す。

(数値例1)
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd 有効径
1 97.838 17.00 1.48749 70.2 95.19
2 -1975.272 22.00 93.75
3 86.131 14.75 1.49700 81.5 76.07
4 -276.924 0.11 73.67
5 -265.871 3.90 1.77250 49.6 73.66
6(Asph) 184.189 15.96 68.59
7 81.740 2.85 1.78590 44.2 57.36
8(Ldoe) 40.575 10.90 1.48749 70.2 52.43
9 150.229 27.50 50.67
10 189.794 2.85 1.80809 22.8 35.18
11 -658.718 1.80 1.83400 37.2 34.44
12 66.010 22.30 32.80
13(S) ∞ 10.03 26.52
14 60.729 1.30 1.84666 23.9 25.59
15 25.091 5.15 1.67300 38.1 25.15
16 2689.449 0.50 25.09
17 58.412 3.80 1.84666 23.9 25.02
18 -133.607 1.30 1.81600 46.6 24.61
19 29.825 3.79 23.61
20 -67.417 1.30 1.81600 46.6 23.70
21 100.728 1.35 24.68
22 ∞ 0.00 25.19
23 53.472 9.30 1.61340 44.3 26.63
24 -21.357 1.80 1.59282 68.6 27.36
25 86.942 1.41 29.35
26 300.147 1.80 1.80809 22.8 29.70
27 44.437 4.95 1.65412 39.7 30.93
28 -246.365 0.15 31.62
29 63.527 4.10 1.64769 33.8 33.31
30 -389.695 2.38 33.49
31 ∞ 2.00 1.51633 64.1 33.89
32 ∞ 24.00 37.57
IP ∞

非球面データ
第6面
K = 9.75955e-001 B = 1.12746e-008 C = 2.44386e-012 D =-3.08520e-015 E = 4.01819e-019

第8面(Ldoe)
C1 =-6.08503e-005 C2 =-8.89834e-009 C3=-9.52930e-012 C4= 6.89814e-016
C5= 1.00958e-018

各種データ
焦点距離 392.19
Fナンバー 4.12
画角 3.16
像高 21.64
レンズ全長 262.06
BF 39.73

入射瞳位置 522.78
射出瞳位置 -73.84
前側主点位置 -439.35
後側主点位置 -352.45

レンズ群データ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長 前側主点位置 後側主点位置
1 1 164.51 87.47 -18.53 -76.88
2 10 -120.79 4.65 3.91 1.31
3 13 -526.17 80.41 -29.10 -104.64

単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離
1 1 191.74
2 3 133.99
3 5 -140.32
4 7 -107.10
5 8 108.94
6 10 182.61
7 11 -71.86
8 14 -51.36
9 15 37.60
10 17 48.44
11 18 -29.77
12 20 -49.32
13 23 26.11
14 24 -28.74
15 26 -64.75
16 27 57.94
17 29 84.64
18 31 0.00

(数値例2)
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd 有効径
1(Asph) 95.138 17.00 1.48749 70.2 95.19
2 -2457.304 21.48 93.80
3 96.544 14.77 1.49700 81.5 76.64
4 -193.628 0.11 74.48
5 -188.214 3.90 1.77250 49.6 74.47
6 268.023 15.98 69.77
7 77.174 2.85 1.78590 44.2 57.34
8(Ldoe) 39.279 10.75 1.48749 70.2 52.33
9 122.457 27.12 50.61
10 185.843 2.87 1.80809 22.8 35.17
11 -623.281 1.80 1.83400 37.2 34.44
12 64.986 0.00 32.77
13 ∞ 22.57 33.41
14(S) ∞ 10.64 26.48
15 59.330 1.30 1.84666 23.9 25.69
16 24.707 5.20 1.67300 38.1 25.22
17 1183.034 0.50 25.17
18 58.053 3.79 1.84666 23.9 25.30
19 -130.442 1.30 1.81600 46.6 24.95
20 30.098 3.77 24.08
21 -69.310 1.30 1.81600 46.6 24.15
22 96.701 1.39 25.30
23 ∞ 0.00 25.27
24 54.566 9.27 1.61340 44.3 26.69
25 -21.570 1.80 1.59282 68.6 27.43
26 102.415 1.35 29.48
27 424.739 1.80 1.80809 22.8 29.82
28 48.342 4.82 1.65412 39.7 31.05
29 -276.783 0.15 31.77
30 66.695 4.43 1.63980 34.5 33.40
31 -283.299 0.00 33.65
32 ∞ 2.38 33.72
33 ∞ 2.00 1.51633 64.1 34.07
34 ∞ 24.00 40.63
IP ∞

非球面データ
第1面
K =-1.54920e-002 B =-7.02090e-009 C = 2.40280e-013 D = 1.55193e-016 E = 7.46032e-020

第8面(Ldoe)
C1 =-6.08686e-005 C2 =-8.15115e-009 C3 =-1.13295e-011 C4 = 5.16165e-015
C5 =-2.29838e-018

各種データ
焦点距離 392.19
Fナンバー 4.12
画角 3.16
像高 21.64
レンズ全長 261.67
BF 39.27

入射瞳位置 521.02
射出瞳位置 -74.55
前側主点位置 -438.15
後側主点位置 -352.92

レンズ群データ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長 前側主点位置 後側主点位置
1 1 164.42 86.85 -20.38 -77.03
2 10 -119.28 4.67 3.94 1.33
3 14 -565.50 81.20 -30.76 -107.08

単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離
1 1 188.30
2 3 131.85
3 5 -142.60
4 7 -106.61
5 8 112.21
6 10 177.44
7 11 -70.48
8 15 -50.88
9 16 37.43
10 18 47.89
11 19 -29.86
12 21 -49.30
13 24 26.43
14 25 -29.89
15 27 -67.65
16 28 63.29
17 30 84.80
18 33 0.00
図16には、上記実施例の光学系を撮影光学系として用いた光学機器としてのデジタルスチルカメラ(撮像装置)を示している。図16において、20はカメラ本体、21は実施例の光学系である撮影光学系、22はカメラ本体20に内蔵され、撮影光学系21によって形成された被写体像を受光するCCDセンサやCMOSセンサ等の固体撮像素子(光電変換素子)である。23は撮像素子22によって光電変換された被写体像に対応する情報を記録するメモリ、24は液晶ディスプレイパネル等によって構成され、固体撮像素子22上に形成された被写体像を観察するためのファインダである。
このように実施例のレンズを撮像装置に適用することにより、高い光学性能を有する撮像装置を実現することができる。
なお、実施例の光学系は、ビデオカメラ、交換レンズ等の他の撮影用光学機器の撮影光学系や、望遠鏡等の観察用光学機器の観察光学系としても用いることができる。
以上説明した各実施例は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、各実施例に対して種々の変形や変更が可能である。
本発明は、回折光学素子を用いた光学系であって、ビデオカメラやデジタルスチルカメラ等の光学機器の性能向上に有効な光学系を提供できる。
L1 第1レンズ群
L2 第2レンズ群
L3 第3レンズ群
Ldoe 回折光学素子
Q 近軸軸上光線
R 瞳近軸光線

Claims (7)

  1. 物体側から像側に順に、正の屈折力第1レンズ群と、無限遠物体から近距離物体へのフォーカシングに際して像側に移動する負の屈折力の第2レンズ群と、第3レンズ群とにより構成される光学系であって
    0.55<Ltot/f<0.70
    なる条件を満足し、
    前記第1レンズ群は、物体側から像側に順に、第1の正レンズと、第2の正レンズと、負レンズと、回折光学素子とを含み、
    前記第2の正レンズは、
    0.01<ΔθgF_fp2<0.05
    70<νd_fp2<100
    なる条件を満足する光学材料を用いて形成されており、
    前記回折光学素子は、
    0.85<|hdoe/hbdoe|<1.30
    なる条件を満足する位置に配置されていることを特徴とする光学系。
    ただし、およびLtotはそれぞれ、無限遠物体に合焦したときの全系の焦点距離および光学全長であり、
    ΔθgF_fp2は、ΔθgF_fp2=θgF_fp2−(−1.665×10−7×νd_fp2+5.213×10−5×νd_fp2−5.656×10−3×νd_fp2+0.7278)なる式で定義される異常部分分散比であり、
    νd_fp2およびθgF_fp2はそれぞれ、前記第2の正レンズに用いられる前記光学材料のg線、F線、d線およびC線における屈折率をそれぞれng_fp2,nF_fp2,nd_fp2およびnC_fp2とするときに、νd_fp2=(nd_fp2−1)/(nF_fp2−nC_fp2)で表されるアッベ数およびθgF_fp2=(ng_fp2−nF_fp2)/(nF_fp2−nC_fp2)で表される部分分散比であり、
    hdoeは近軸軸上光線が前記回折光学素子の回折光学面を通過する際の光軸からの高さであり、hbdoeは瞳近軸光線が前記回折光学面を通過する際の光軸からの高さである。
  2. 以下の条件を満足することを特徴とする請求項1に記載の光学系。
    0.01<f/fdoe<0.10
    ただし、fdoeは前記回折光学面の焦点距離である。
  3. 記第2の正レンズは、以下の条件を満足することを特徴とする請求項1または2に記載の光学系。
    0.70<|hanm_fp2/hbanm_fp2|<0.85
    0.10<fanm_fp2/f<0.50
    ただし、hanm_fp2は近軸軸上光線が前記第2の正レンズの物体側の光学面を通過する際の光軸からの高さであり、hbanm_fp2は瞳近軸光線が前記第2の正レンズの物体側の光学面を通過する際の光軸からの高さであり、fanm_fp2は前記第2の正レンズの焦点距離である。
  4. 前記前記第3レンズ群
    0.005<ΔθgF_mr<0.03
    10<νd_mr<30
    なる条件を満足する光学材料を用いて形成される少なくとも1つの負レンズを含み
    前記少なくとも1つの負レンズのうち最も像側に配置された第1の負レンズは、
    0.05<|fanm_rn1/f|<0.50
    なる条件を満足することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の光学系。
    ただし、ΔθgF_mrは、ΔθgF_mr=θgF_mr−(−1.665×10−7×νd_mr+5.213×10−5×νd_mr−5.656×10−3×νd_mr+0.7278)なる式で定義される異常部分分散比であり、νd_mrおよびθgF_mrはそれぞれ、前記少なくとも1つの負レンズに用いられ前記光学材料のg線、F線、d線およびC線における屈折率をそれぞれng_mr,nF_mr,nd_mrおよびnC_mrとするときに、νd_mr=(nd_mr−1)/(nF_mr−nC_mr)で表されるアッベ数およびθgF_mr=(ng_mr−nF_mr)/(nF_mr− nC_mr)で表される部分分散比であり、fanm_rn1は、前記第1の負レンズの焦点距離である。
  5. 前記第3レンズ群は、複数の負レンズを含み、
    複数の負レンズのうち少なくとも1つの負レンズは、
    0.01<ΔθgF_rn2<0.05
    50<νd_rn2<70
    なる条件を満足する光学材料を用いて形成されており
    複数の負レンズうち像側から2番目に配置された第2の負レンズは、
    0.01<|fanm_rn2/f|<0.30
    なる条件を満足することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の光学系。
    ただし、ΔθgF_rn2は、ΔθgF_rn2=θgF_rn2−(−1.665×10−7×νd_rn2+5.213×10−5×νd_rn2−5.656×10−3×νd_rn2+0.7278)なる式で定義される異常部分分散比であり、νd_rnおよびθgF_rn2はそれぞれ、前記少なくとも1つの負レンズに用いられる前記光学材料のg線、F線、d線およびC線における屈折率をそれぞれng_rn2,nF_rn2,nd_rn2およびnC_rn2とするときに、νd_rn2=(nd_rn2−1)/(nF_rn2−nC_rn2)で表されるアッベ数およびθgF_rn2=(ng_rn2−nF_rn2)/(nF_rn2−nC_rn2)で表される部分分散比であり、fanm_rn2は前記第2の負レンズの焦点距離である。
  6. 前記第1レンズ群は、非球面を有するレンズを含み
    該非球面は光軸から周辺に向かって負の屈折力が強くなる形状を有するとともに、
    1.00×10−4<|dsag/fasph|<1.00×10−3
    0.50<|hasph/hbasph|<0.85
    なる条件を満足することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の光学系。
    ただし、dsagは前記非球面を通過する最外周の光線の位置における近軸球面に対する該非球面の光軸方向での離れ量であり、fasphは前記非球面を有するレンズの焦点距離であり、hasphは近軸軸上光線が前記非球面を通過する際の光軸からの高さであり、hbasphは瞳近軸光線が前記非球面を通過する際の光軸からの高さである。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載の光学系を有することを特徴とする光学機器。
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