JP4323595B2 - 撮影光学系及びカメラ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、銀塩写真カメラ、ビデオカメラ、電子スチルカメラ等に好適な撮影光学系に関し、更に詳しくは、屈折光学素子と回折光学素子を組み合わせて結像性能を良好に保ったバックフォーカスの長いレトロフォーカス型の撮影光学系及びカメラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より長い物体側から順に、負の第1レンズ群と正の第2レンズ群を有するレトロフォーカス型光学系は、前玉径を小さくしたり、バックフォーカスを長くとるのに有利であることから、特に一眼レフカメラ用の広角レンズに広く用いられており、特開平6-324262号公報に開示されている。
【0003】
一方、撮影レンズの収差補正、特に色収差の補正を分散の異なる材質より成る複数のレンズ(屈折光学素子)を用いて行う方法の他に、回折光学素子を用いる方法がある。回折光学素子を用いて色収差を含めた諸収差の補正を行った撮影レンズが、例えば特開平6-324262号公報で提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、広画角でしかも長いバックフォーカスを確保するためには、物体側のレンズ群を強い負の屈折力、像側のレンズ群を正の屈折力とした所謂、逆望遠型(レトロフォーカス型)となるようにレンズ系を構成するのが望ましい。
【0005】
しかしながら一般に、レトロフォーカス型の撮影レンズは、負の屈折力の第1レンズ群において軸外光線が光軸から比較的離れた位置を通過するために、負の倍率色収差が発生しやすい。
【0006】
この倍率色収差を補正するための手法として、負の屈折力の第1レンズ群内部や近傍に高分散ガラスを使用した凸レンズ(正レンズ)を配置することが行われている。しかしながら、この凸レンズだけで前記倍率色収差を完全に補正しようとすると、像高の高い部分で、倍率色収差が補正過剰(正の色の歪曲収差)となるので、全画面での倍率色収差のバランスをとるために、前記倍率色収差を中間像高でアンダー、最大像高でオーバーというように残存させざるを得なかった。
【0007】
また、前記凸レンズの倍率色収差の補正負担を小とし、前記色の歪曲収差を低減する手法として、正の屈折力の第2レンズ群内の絞りよりも像側の光学系において、凸レンズの材質に低分散ガラスを使用したり、接合レンズを配置することなども行われている。しかしながら、正の屈折力の第2レンズ群は、負の屈折力の第1レンズ群にくらべて、軸外光線の通過位置が光軸に近いので、倍率色収差の補正効果が少なく、十分な補正ができない。更に、前記低分散ガラスは屈折率が低いので、正の屈折力の第2レンズ群の屈折力をある程度確保するためには、レンズ枚数を多くする必要があり、接合レンズについても、一つのレンズユニットを最低2枚(正レンズと負レンズ)で構成しなければならないことから、光学系の大型化を招いていた。
【0008】
本発明の目的は、広画角レンズでありながら、特に倍率色収差が良好に補正されたレトロフォーカス型の撮影レンズ及びカメラを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明の撮影光学系は、物体側から順に、負の屈折力の第1レンズ群と正の屈折力の第2レンズ群より構成される撮影光学系において、
前記第2レンズ群は正の屈折力の第2aレンズ群と正の屈折力の第2bレンズ群より構成され、
前記第1レンズ群は、物体側に凸面を向けたメニスカス状の2つの負レンズ、両レンズ面が凸面の正レンズより構成され、
前記第2aレンズ群は、正レンズと負レンズの貼合わせレンズ、両レンズ面が凸面の正レンズ、像側に凹面を向けた負レンズより構成され、
前記第2bレンズ群は、物体側から順に、物体側に凹面を向けた負レンズ又は物体側に凹面を向けた負レンズと正レンズの貼合わせレンズ、像面側に凸面を向けた2つの正レンズより構成され、
無限遠物体から近距離物体へのフォーカシングに際して前記第2aレンズ群と前記第2bレンズ群は互いの間隔を縮小させつつ物体側へ移動し、
前記第2aレンズ群と前記第2bレンズ群の間に絞りを有し、該絞りと前記第2bレンズ群はフォーカシングに際して一体に移動し、
前記絞りよりも像側に回折光学面を有しており、
h:光軸に対して垂直方向の高さ
m:回折光の回折次数
λ:設計波長
とし、前記回折光学面の位相形状をψ(h,m)とし、Cn を下記の多項式のn次の位相係数としたとき、
ψ(h,m)=(2π/mλ)(C22+C44+C66…)
2<0
を満足することを特徴としている。
【0010】
請求項2の発明の撮影光学系は、物体側から順に、負の屈折力の第1レンズ群と正の屈折力の第2レンズ群より構成される撮影光学系において、
前記第2レンズ群は正の屈折力の第2aレンズ群と正の屈折力の第2bレンズ群より構成され、
前記第1レンズ群は、物体側に凸面を向けたメニスカス状の2つの負レンズ、両レンズ面が凸面の正レンズより構成され、
前記第2aレンズ群は、両レンズ面が凸面の正レンズ、物体側に凸面を向けたメニスカス状の負レンズ、正レンズと負レンズの貼合わせレンズより構成され、
前記第2bレンズ群は、物体側から順に、物体側に凹面を向けた負レンズ又は負レンズと正レンズの貼合わせレンズ、像面側に凸面を向けた2つの正レンズより構成され、
無限遠物体から近距離物体へのフォーカシングに際して前記第2aレンズ群と前記第2bレンズ群は互いの間隔を縮小させつつ物体側へ移動し、
前記第2aレンズ群と前記第2bレンズ群の間に絞りを有し、該絞りと前記第2bレンズ群はフォーカシングに際して一体に移動し、
前記絞りよりも像側に回折光学面を有しており、
h:光軸に対して垂直方向の高さ
m:回折光の回折次数
λ :設計波長
とし、前記回折光学面の位相形状をψ(h,m)とし、C n を下記の多項式のn次の位相係数としたとき、
ψ(h,m)=(2π/mλ )(C 2 2 +C 4 4 +C 6 6 …)
2 <0
を満足することを特徴としている。
【0011】
請求項3の発明は請求項1又は2の発明において、前記第2レンズ群はフレアーカット絞りを有していることを特徴としている。
請求項4の発明のカメラは、請求項1、2又は3の撮影光学系を有していることを特徴としている。
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の撮影光学系(撮影レンズ)の光学作用を説明する為の近軸屈折力配置の説明図である。
【0018】
本発明は、物体側から順に、負の屈折力の第1レンズ群と正の屈折力の第2レンズ群を有するレトロフォーカス型の撮影光学系において、少なくとも1つのレンズ面に光軸に対して回転対称形状の回折光学面(回折面又は回折光学素子ともいう)を設けたことを特徴としている。
【0019】
以下、本発明の光学作用について図1を用いて説明する。
【0020】
図1(A)および図1(B)は本発明の光学作用を説明するための近軸配置概略図である。図1(A)は回折面Aが絞りSPより物体側に配置された場合で、図1(B)は回折面Aが絞りSPより像側に配置された場合をそれぞれ示す。Mは光学系(撮影光学系)を構成する屈折光学部分(ここでは、問題を簡単に扱うため、薄肉単レンズとして考える。)、Aは回折面であり、Pは近軸軸上光線、Qは瞳近軸光線である。IPは像面である。
【0021】
上記の光学配置について、倍率色の収差係数(T)の式を立てると、
【0022】
【数1】
となる。但し、
φM :光学系を構成する屈折光学系部分の屈折力
φA :回折面の設計次数回折光の屈折力
νM :光学系を構成する屈折光学系部分の(薄肉単レンズの)アッべ数
νA :回折面の換算アッべ数(−3.45相当)
M :光学系を構成する屈折光学系部分へ入射する近軸軸上光線の高さ
A :回折面へ入射する近軸軸上光線の高さ
【0023】
【数2】
である。
【0024】
前述したように広画角の撮影レンズの場合、一般に負の倍率色収差が残存する傾向にある。この場合、倍率色収差係数は正であるから、(1)式で、第1項の屈折光学系部分の倍率色の収差係数は、
【0025】
【数3】
となる。従って、全系の倍率色の収差係数を小さくする為には、第2項の回折面の倍率色の収差係数が負の値とすればよい。すなわち、
【0026】
【数4】
である。
【0027】
ここで、図1(A)のように、回折面Aが絞りSPよりも物体側に配置された場合、
【0028】
【数5】
であるので、回折面Aの屈折力は、
φA <0と
すればよい。逆に、図1(B)のように、回折面Aが絞りSPよりも像側に配置された場合、
【0029】
【数6】
であるので、回折面の屈折力は、
φA >0
とすればよい。
【0030】
回折面の屈折力φは、回折面の位相形状ψを、次の様な多項式で与えた場合、
ψ(h,m)=(2π/mλ0 )(C22 +C44 +C66 …)…(2)
ただし、
h:光軸に対して垂直方向の高さ
m:回折光の回折次数
λ0 :設計波長
Ci:位相係数(i=1,2,3…)
である。
【0031】
任意の波長λ、任意の回折次数mに対して、位相係数C2 を用いて次のようになる。
φ(λ,m)=−2C2 ・mλ/λ0(3)
したがって、図1(A)のように、回折部分が絞りよりも物体側に配置された場合、m>0、λ>0、λ0 >0、φA <0より
位相係数C2 >0
としている。逆に、図1(B)のように、回折部分が絞りよりも像側に配置された場合、
位相係数C2 <0
としている。
【0032】
さらに、軸上色収差を考慮した場合について説明する。これまで述べた光学系について、軸上色収差係数(L)をたてると、
L= hM 2・φM /νM +hA 2・φA/νA(4)
広画角の撮影レンズの場合、焦点距離が比較的短いので、一般に負の軸上色収差が残存する傾向にある。この場合、軸上色収差係数は正であるから、(4)式で、第1項の屈折光学系部分の軸上収差係数は、
M 2・φM/νM >0
となる。
【0033】
従って、全系の軸上色収差係数を小さくする為には、第2項の回折面の軸上色の収差係数が負の値とすればよい。すなわち、
A 2・φA/νA <0
である。ここで、hA >0、νA <0であるので、回折面の屈折力は、
φA >0
とすればよい。
【0034】
回折面の位相係数C2(3)式を用いて、
位相係数C2 <0
となる。
【0035】
したがって、倍率色収差と軸上色収差を同一の回折面で補正するには、回折面を絞りより像側に配置し、
位相係数C2 <0
とすればよく、これによってさらに良好な結像性能が得られる。
【0036】
また、光学系全系で正の色の歪曲収差が著しく大きい場合は、回折面周辺部の光軸に対して垂直方向の高さをHh、回折面中間部(中心部と周辺部の間)の光軸に対して垂直方向の高さをHmとしたとき、(2)式で与えられる位相形状ψが図1(A)のように、回折部分が絞りよりも物体側に配置された場合、
ψ(Hh,m)<ψ(Hm,m)
逆に、図1(B)のように、回折部分が絞りよりも像側に配置された場合、
ψ(Hh,m)>ψ(Hm,m)
となるように、高次の位相係数を設定すれば良い。本発明の撮影光学系は以上の光学的性質を利用して各要素を適切に構成している。
【0037】
次に具体的なレンズ構成について説明する。
【0038】
図2,図3は本発明の数値実施例1のレンズ断面図と収差図である。図4,図5は本発明の数値実施例2のレンズ断面図と収差図である。図6,図7は本発明の参考例1のレンズ断面図と収差図である。図8,図9は本発明の参考例2のレンズ断面図と収差図である。図10,図11は本発明の参考例3のレンズ断面図と収差図である。図12,図13は本発明の参考例4のレンズ断面図と収差図である。図14,図15は本発明の参考例5のレンズ断面図と収差図である。図16,図17は本発明の参考例6のレンズ断面図と収差図である。図18,図19は本発明の数値実施例のレンズ断面図と収差図である。図20,図21は本発明の数値実施例のレンズ断面図と収差図である。図中(A)は無限遠物体の合焦時のレンズ断面図と収差図を示し、(B)は近距離物体(数値実施例1,2,参考例3〜6は−250、参考例1,2,数値実施例3,4は−300)の合焦時のレンズ断面図と収差図を示している。
【0039】
本実施形態ではこれらの数値実施例で示す撮影光学系をカメラ本体(不図示)に固着又は着脱可能に装着してカメラを構成している。
【0040】
次に各図の数値実施例について順に説明する。
【0041】
図2は、物体側から順に負の屈折力の第1レンズ群(第1群)L1、正の屈折力の第2aレンズ群L2a、正の屈折力の第2bレンズ群L2bが配置されている。第2aレンズ群L2aと第2bレンズ群L2bで正の屈折力の第2レンズ群(第2群L2を構成している。FSはフレアーカッター(フレアー絞り)、SPは絞り、IPは像面である。無限遠物体から近距離物体へのフォーカシングは、第1レンズ群L1を固定とし、第2aレンズ群L2aと第2bレンズ群L2bの間隔を小としつつ、各々を物体側へ移動させて行うフローティングを採用している。その際絞りSPは第2bレンズ群と一体に移動している。
【0042】
第1群は物体側に凸面を向けたメニスカス状の2つの負レンズG1, G2、両レンズ面が凸面の正レンズG3を有している。第2a群は正レンズG4と負レンズG5の貼合わせレンズ、両レンズ面が凸面の正レンズG6、像面側に凹面を向けた負レンズG7を有している。第2b群は物体側に凹面を向けた負レンズG8と正レンズG9の貼合わせレンズ、像面側に凸面を向けた2つの正レンズG10, G11を有している。最終レンズG11の物体側のレンズ面に回折光学素子を設けている。
【0043】
図4は、物体側から順に負の屈折力の第1レンズ群L1、正の屈折力の第2aレンズ群L2a、正の屈折力の第2bレンズ群L2bが配置されている。第2aレンズ群L2aと第2bレンズ群L2bで正の屈折力の第2群L2を構成している。FSはフレアーカッター(フレアー絞り)、SPは絞り、IPは像面である。無限遠物体から近距離物体へのフォーカシングは、第1レンズ群L1を固定とし、第2aレンズ群L2aと第2bレンズ群L2bの間隔を小としつつ、各々を物体側へ移動させて行うフローティングを採用している。その際絞りSPは第2bレンズ群と一体に移動している。
【0044】
レンズ構成は図2の数値実施例1に比べて、第2bレンズ群L2bを物体側に凹面を向けた負レンズG8, 像面に凸面を向けた2つの正レンズG9, G10より構成した点が異なっており、その他の構成は同じである。正レンズG9の像面側のレンズ面に回折光学素子を設けている。
【0045】
図6,8は、物体側から順に負の屈折力の第1レンズ群L1、正の屈折力の第2レンズ群L2が配置されている。FSはフレアーカッター、SPは絞り、IPは像面である。無限遠物体から近距離物体へのフォーカシングは、第1レンズ群L1と第2レンズ群L2を一体に物体側へ移動させて行っている。
【0046】
図6の参考例1は第1群を物体側に凸面を向けたメニスカス状の負レンズG1より構成し、第2群を両レンズ面が凸面の正レンズG2, 両レンズ面が凹面の負レンズG3、2つの正レンズG4,G5より構成している。正レンズG4の像面側のレンズ面に回折光学素子を設けている。
【0047】
図8の参考例2は第1群を物体側に凸面を向けたメニスカス状の負レンズG1より構成し、第2群を正レンズG2と負レンズG3の貼合わせレンズ、両レンズ面が凹面の負レンズG4、負レンズG5と正レンズG6の貼合わせレンズ、正レンズG7より構成している。正レンズG6の像面側のレンズ面に回折光学素子を設けている。
【0048】
図10, 図12, 図14, 図16は、物体側から順に負の屈折力の第1レンズ群、正の屈折力の第2レンズ群が配置されている。SPは絞り、IPは像面である。無限遠物体から近距離物体へのフォーカシングは、第1レンズ群を固定とし、第2レンズ群を物体側へ移動させて行っている。
【0049】
図10の参考例3は第1群を正レンズG1、物体側に凸面を向けたメニスカス状の負レンズG2, 正レンズG3で構成している。第2群を物体側に凸面を向けたメニスカス状の負レンズG4, 3つの正レンズG5, G6, G7、両レンズ面が凹面の負レンズG8、そして2つの正レンズG9, G10で構成している。正レンズG9の像面側のレンズ面に回折光学素子を設けている。
【0050】
図12の参考例4は第1群を物体側に凸面を向けたメニスカス状の負レンズG1、物体側に凸面を向けたメニスカス状の正レンズG2、物体側に凸面を向けたメニスカス状の2つの負レンズG3, G4、負レンズG5と正レンズG6の貼合わせレンズより構成している。第2群を正レンズG7と負レンズG8の貼合わせレンズ、負レンズG9、正レンズG10と負レンズG11の貼合わせレンズ、負レンズG12と正レンズG13との貼合わせレンズ、正レンズG14より構成している。正レンズG13の像面側のレンズ面に回折光学素子を設けている。
【0051】
図14の参考例5は第1群を物体側に凸面を向けたメニスカス状の2つの負レンズG1, G2、正レンズG3より構成している。第2群を物体側に凸面を向けたメニスカス状の負レンズG4、正レンズG5、正レンズG6、負レンズG7と正レンズG8の貼合わせレンズ、負レンズG9と正レンズG10の貼合わせレンズ、正レンズG11より構成している。正レンズG10の像面側のレンズ面に回折光学素子を設けている。
【0052】
図16の参考例6は第1群を物体側に凸面を向けたメニスカス状の負レンズG1、両レンズ面が凸面の正レンズG2より構成している。第2群を物体側に凸面を向けたメニスカス状の負レンズG3、両レンズ面が凹面の負レンズG4、両レンズ面が凸面の正レンズG5,負レンズG6、非球面形成用のレンズG7、正レンズG8と負レンズG9の貼合わせレンズ、正レンズG10、正レンズG11より構成している。正レンズG10の像面側のレンズ面に回折光学素子を設けている。
【0053】
図18、図20は物体側から順に負の屈折力の第1レンズ群L1、正の屈折力の第2aレンズ群L2a、正の屈折力の第2bレンズ群L2bが配置されている。第2aレンズ群L2aと第2bレンズ群L2bとで正の屈折力の第2群L2を構成している。SPは絞り、IPは像面である。無限遠物体から近距離物体へのフォーカシングは、第1レンズ群を固定とし、第2aレンズ群と第2bレンズ群の間隔を小としつつ、各々を物体側へ移動させて行っている。その際絞りSPは第2bレンズ群と一体に移動している。
【0054】
図18の数値実施例は第1群を物体側に凸面を向けたメニスカス状の2つの負レンズG1, G2、両レンズ面が凸面の正レンズG3より構成している。第2群を両レンズ面が凸面の正レンズG4、物体側に凸面を向けたメニスカス状の負レンズG5、正レンズG6と負レンズG7の貼合わせレンズ、負レンズG8と正レンズG9の貼合わせレンズ、2つの正レンズG10,G11より構成している。正レンズG10の像面側のレンズ面に回折光学素子を設けている。
【0055】
図20の数値実施例は第1群を物体側に凸面を向けたメニスカス状の2つの負レンズG1, G2、両レンズ面が凸面の正レンズG3より構成している。第2群を両レンズ面が凸面の正レンズG4、物体側に凸面を向けたメニスカス状の負レンズG5、正レンズG6と負レンズG7の貼合わせレンズ、物体側に凹面を向けた負レンズG8、2つの正レンズG9, G10より構成している。正レンズG9の像面側のレンズ面に回折光学素子を設けている。
【0056】
なお、本発明の各実施例では、正の屈折力の回折面を1面設けた場合を示したが、更に回折面を1つ以上追加しても良く、これにより、更に良好な光学性能が得られる。また、回折面は球面レンズをベースとして片面に施しているが、非球面レンズ或いは平行平板ガラス(回折面を施していない平行平板ガラスはフィルター)をベースとしてもよく、両面に施してもよい。更に、接合レンズの接合面に施しても良く、ベースの材質は光を透過するものであれば、特にガラスでなくても良い。
【0057】
前述の実施例における回折光学素子部の回折格子形状101は図22に示すキノフォーム形状をしている。図23は図22に示す回折光学素子の1次回折効率の波長依存特性を示している。実際の回折格子の構成は、前述した基材102の表面に紫外線硬化樹脂を塗布し、樹脂部に波長530nmで1次回折効率が100%となるような格子厚dの格子103を形成している。図23で明らかなように設計次数での回折効率は最適化した波長530nmから離れるに従って低下し、一方設計次数近傍の次数0次、2次回折光が増大している。この設計次数以外の回折光の増加は、フレアとなり、光学系の解像度の低下につながる。図24に図22の格子形状で前述の実施例を作成した場合の空間周波数に対するMTF特性を示す。この図で、低周波数領域のMTFが所望の値より低下していることがわかる。そこで図25に示す積層型の回折格子を本発明の実施例における回折光学素子部の格子形状とする。図26はこの構成の回折光学素子の1次回折効率の波長依存特性である。具体的な構成としては、基材上に紫外線硬化樹脂(nd=1.499、νd=54)からなる第1の回折格子104を形成し、その上に別の紫外線硬化樹脂(nd=1.598、νd=28)からなる第2の回折格子105を形成している。この材質の組み合わせでは、第1の回折格子部の格子厚d1はd1=13.8 μm、第2の回折格子部の格子厚d2はd=10.5 μmとしている。図26からわかるように積層構造の回折格子にすることで、設計次数の回折効率は、使用波長域全域で95%以上の高い回折効率を有している。図27にこの場合の空間周波数に対するMTF特性を示す。積層構造の回折格子を用いることで、低周波数のMTFは改善され、所望のMTF特性が得られている。このように、本発明の実施例の回折光学素子として積層構造の回折格子を用いることで、光学性能はさらに改善される。
【0058】
なお前述の積層構造の回折光学素子として、材質を紫外線硬化樹脂に限定するものではなく、他のプラスチック材なども使用できるし、基材によっては、第1の回折格子部104を直接基材に形成してもよい。また各格子厚が異なる必要はなく、材料の組み合わせによっては図28に示すように2つの格子厚を等しくできる。この場合は、回折光学素子表面に格子形状が形成されないので、防塵性に優れ、回折光学素子の組み立て作業性が向上し、より安価な光学系を提供できる。
【0059】
以下、本発明と参考例の数値実施例を示す。但し、各実施例において、riは物体側から数えて第i番目の面の曲率半径、diは物体側から数えて第i番目の基準状態の軸上面間隔を示し、ni、νiは物体側から数えて第i番目のレンズのd線に対する屈折率、アッベ数を示す。fは焦点距離、FnoはFナンバー、2ωは画角を示す。
【0060】
また、k,A,B,C,D,E,F,……は非球面係数であり、非球面の形状は光の進行方向を正としレンズ面と光軸との交点と非球面との光軸方向の距離をX、光軸と垂直方向の光軸と非球面の距離をYとしたとき
【0061】
【数7】
なる式であらわされるものとする。
【0062】
なお、各実施例の回折面の位相形状ψは、次式によって表される。
【0063】
ψ(h,m)=(2π/mλ0 )(C22 +C44 +C66 …)
ここに、
h:光軸に対して垂直方向の高さ
m:回折光の回折次数
λ0 :設計波長
Ci:位相係数(i=1,2,3…)
である。
【0064】
各実施例において、回折光の回折次数mは1であり、設計波長λ0 はd線の波長(587.56nm)である。
【0065】
【表1】
【0066】
【表2】
【0067】
【表3】
【0068】
【表4】
【0069】
【表5】
【0070】
【表6】
【0071】
【表7】
【0072】
【表8】
【0073】
【表9】
【0074】
【表10】
【0075】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、広画角でありながら、色収差、特に倍率色収差等の色収差が良好に補正されたレトロフォーカス型の撮影レンズ及びカメラを達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の撮影光学系の光学作用を説明する為の近軸屈折力の配置図
【図2】 本発明の数値実施例1のレンズ断面図
【図3】 本発明の数値実施例1の収差図
【図4】 本発明の数値実施例2のレンズ断面図
【図5】 本発明の数値実施例2の収差図
【図6】 本発明の参考例1のレンズ断面図
【図7】 本発明の参考例1の収差図
【図8】 本発明の参考例2のレンズ断面図
【図9】 本発明の参考例2の収差図
【図10】 本発明の参考例3のレンズ断面図
【図11】 本発明の参考例3の収差図
【図12】 本発明の参考例4のレンズ断面図
【図13】 本発明の参考例4の収差図
【図14】 本発明の参考例5のレンズ断面図
【図15】 本発明の参考例5の収差図
【図16】 本発明の参考例6のレンズ断面図
【図17】 本発明の参考例6の収差図
【図18】 本発明の数値実施例のレンズ断面図
【図19】 本発明の数値実施例の収差図
【図20】 本発明の数値実施例のレンズ断面図
【図21】 本発明の数値実施例の収差図
【図22】 本発明に係る回折光学素子の説明図
【図23】 本発明に係る回折光学素子の波長依存性の説明図
【図24】 本発明に係る回折光学素子のMTF特性図
【図25】 本発明に係る回折光学素子の説明図
【図26】 本発明に係る回折光学素子の波長依存性の説明図
【図27】 本発明に係る回折光学素子のMTF特性図
【図28】 本発明に係る回折光学素子の説明図
【符号の説明】
L1 第1群
L2a 第2a群
L2b 第2b群
L2 第2群
SP 絞り
FS フレアーカット絞り
IP 像面
d d線
g g線
C C線
ΔM d線に対するメリディオナル像面
△S d線に対するサジタル像面

Claims (4)

  1. 物体側から順に、負の屈折力の第1レンズ群と正の屈折力の第2レンズ群より構成される撮影光学系において、
    前記第2レンズ群は正の屈折力の第2aレンズ群と正の屈折力の第2bレンズ群より構成され、
    前記第1レンズ群は、物体側に凸面を向けたメニスカス状の2つの負レンズ、両レンズ面が凸面の正レンズより構成され、
    前記第2aレンズ群は、正レンズと負レンズの貼合わせレンズ、両レンズ面が凸面の正レンズ、像側に凹面を向けた負レンズより構成され、
    前記第2bレンズ群は、物体側から順に、物体側に凹面を向けた負レンズ又は物体側に凹面を向けた負レンズと正レンズの貼合わせレンズ、像面側に凸面を向けた2つの正レンズより構成され、
    無限遠物体から近距離物体へのフォーカシングに際して前記第2aレンズ群と前記第2bレンズ群は互いの間隔を縮小させつつ物体側へ移動し、
    前記第2aレンズ群と前記第2bレンズ群の間に絞りを有し、該絞りと前記第2bレンズ群はフォーカシングに際して一体に移動し、
    前記絞りよりも像側に回折光学面を有しており、
    h:光軸に対して垂直方向の高さ
    m:回折光の回折次数
    λ:設計波長
    とし、前記回折光学面の位相形状をψ(h,m)とし、Cn を下記の多項式のn次の位相係数としたとき、
    ψ(h,m)=(2π/mλ)(C22+C44+C66…)
    2<0
    を満足することを特徴とする撮影光学系。
  2. 物体側から順に、負の屈折力の第1レンズ群と正の屈折力の第2レンズ群より構成される撮影光学系において、
    前記第2レンズ群は正の屈折力の第2aレンズ群と正の屈折力の第2bレンズ群より構成され、
    前記第1レンズ群は、物体側に凸面を向けたメニスカス状の2つの負レンズ、両レンズ面が凸面の正レンズより構成され、
    前記第2aレンズ群は、両レンズ面が凸面の正レンズ、物体側に凸面を向けたメニスカス状の負レンズ、正レンズと負レンズの貼合わせレンズより構成され、
    前記第2bレンズ群は、物体側から順に、物体側に凹面を向けた負レンズ又は負レンズと正レンズの貼合わせレンズ、像面側に凸面を向けた2つの正レンズより構成され、
    無限遠物体から近距離物体へのフォーカシングに際して前記第2aレンズ群と前記第2bレンズ群は互いの間隔を縮小させつつ物体側へ移動し、
    前記第2aレンズ群と前記第2bレンズ群の間に絞りを有し、該絞りと前記第2bレンズ群はフォーカシングに際して一体に移動し、
    前記絞りよりも像側に回折光学面を有しており、
    h:光軸に対して垂直方向の高さ
    m:回折光の回折次数
    λ :設計波長
    とし、前記回折光学面の位相形状をψ(h,m)とし、C n を下記の多項式のn次の位相係数としたとき、
    ψ(h,m)=(2π/mλ )(C 2 2 +C 4 4 +C 6 6 …)
    2 <0
    を満足することを特徴とする撮影光学系。
  3. 前記第2レンズ群はフレアーカット絞りを有していることを特徴とする請求項1又は2の撮影光学系。
  4. 請求項1、2又は3の撮影光学系を有していることを特徴とするカメラ。
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