JP3933091B2 - 車両用ロックアップクラッチ付流体伝動装置の油圧制御回路 - Google Patents
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- F16H2061/145—Control of torque converter lock-up clutches using electric control means for controlling slip, e.g. approaching target slip value
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、係合側油室と解放側油室との差圧によって作動状態が切り換えられるロックアップクラッチを備えた車両用ロックアップクラッチ付流体伝動装置の油圧制御回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
トルクコンバータやフルードカップリングのような流体伝動装置を機械的に連結してトルクを直接伝達することが可能なロックアップクラッチが備えられている車両が知られている。このロックアップクラッチでは、流体伝動装置の入力側回転部材であるフロントカバーと出力側回転部材であるタービン或いはポンプとの間に配置されているため、フロントカバーとタービン或いはポンプとの空間がフロントカバー側の解放側油室とタービン或いはポンプ側の係合側油室とに分割されている。これにより、ロックアップクラッチは係合側油室と解放側油室との差圧(=係合側油室の油圧−解放側油室の油圧)によってフロントカバーとの接触状態すなわちロックアップクラッチの作動状態の切換えが制御されている。たとえば、解放側油室に連通する第1油路から作動油がドレンされて係合側油室に連通する第2油路から作動油が供給されると、解放側油室に比較して係合側油室の油圧が高められすなわち差圧が正領域となってロックアップクラッチは摩擦材を介してフロントカバーに係合させられる。すなわち、ロックアップクラッチの作動において、ロックアップクラッチの係合力が大きくなる側へその作動状態が切り換えられて、その係合状態が完全係合とされることによりロックアップクラッチがロックアップオン状態とされる。このとき解放側油室へも作動油を供給して前記差圧が小さく制御されて係合状態が半係合状態とされると、ロックアップクラッチがスリップ状態とされる。
【0003】
このロックアップクラッチがスリップ状態とされる作動がひんぱんに行われると、そのスリップにより発生させられる摩擦熱の増大による熱劣化によって前記摩擦材の耐久性が低下する可能性があった。そこで、上記係合側油室に連通する第3油路を設け、第2油路から第3油路へと作動油を循環させることでロックアップクラッチを冷却してその摩擦材の耐久性を向上させる技術が提案されている。たとえば、特許文献1に示すように係合側油室に連通する第3油路からドレン油路へ流出する作動油を油温に基づいて開閉制御するようにたとえばバイメタルオリフィスと称される感温開閉弁を設け、ロックアップクラッチがフロントカバーに係合している時に、作動油の油温が設定温度以上上昇するとそのバイメタルオリフィスの開放によって係合側油室内の作動油の一部をドレンし、第2油路から係合側油室、第3油路、ドレン、再び第2油路へと作動油を循環させてロックアップクラッチを冷却し、その摩擦材の耐久性を向上させる技術が提案されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−187541号公報
【特許文献2】
特開平8−14381号公報
【特許文献3】
特開平8−4891号公報
【特許文献4】
特開平7−180768号公報
【特許文献5】
特開平4−4354号公報
【特許文献6】
特開平10−89462号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記バイメタルオリフィスは開閉のみを切り換えるものでありその開放による作動油の流出量を制御できるものではないので、その流出量によっては前記差圧が変化してしまいロックアップクラッチの制御作動たとえばスリップ制御作動を適切に実行できない可能性があった。
【0006】
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、係合側油室と解放側油室との差圧によって作動状態が切り換えられるロックアップクラッチを備えた車両において、係合側油室の作動油温の上昇を抑制して摩擦材の耐久性を向上するとともに、ロックアップクラッチの制御作動が適切に実行される車両用ロックアップクラッチ付流体伝動装置の油圧制御回路を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための第1の手段】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、(a) 係合側油室と解放側油室との差圧によって作動状態が切り換えられるロックアップクラッチを備えた車両用ロックアップクラッチ付流体伝動装置の油圧制御回路であって、(b) 前記解放側油室に連通する第1油路と、(c) 前記係合側油室に連通する第2油路と、(d) 前記係合側油室に連通する第3油路と、(e) 作動油が導かれる高圧油路と、 (f) 前記高圧油路よりも圧力の低い作動油が導かれる低圧油路と、(g) 作動油を排出する排出油路と、 (h) 前記ロックアップクラッチの作動状態に応じて、前記第1油路、前記第2油路、および前記第3油路のそれぞれを前記高圧油路、前記低圧油路、或いは前記排出油路に選択的に接続する切換制御弁とを有し、 (i) 前記切換制御弁は、前記ロックアップクラッチの作動状態が解放状態であるときには前記第1油路を前記高圧油路に、前記第2油路および前記第3油路を前記排出油路にそれぞれ接続するように切り換え、前記ロックアップクラッチの作動状態がスリップ制御状態であるときには前記第1油路を前記高圧油路に、前記第2油路および前記第3油路のうちの一方を前記高圧油路に、他方を前記低圧油路にそれぞれ接続するように切り換え、前記ロックアップクラッチの作動状態が完全係合状態であるときには前記第1油路を前記排出油路に、前記第2油路および前記第3油路を前記高圧油路にそれぞれ接続するように切り換えることにある。
【0008】
【第1発明の効果】
このようにすれば、切換制御弁によって係合側油室に連通する2つの油路と高圧側の作動油を導くための高圧油路および低圧側の作動油を導くための低圧油路とのそれぞれの接続が、ロックアップクラッチの作動状態に応じて切り換えられるので、係合側油室の油圧と解放側油室の油圧との差圧によって制御されるロックアップクラッチの作動状態が適切に実行される。たとえば、ロックアップクラッチの完全係合状態であるロックアップオン制御時には係合側油室へ連通する油路すべてに高圧油路から作動油が供給されるように接続を切り換えて係合側油室の油圧を高め、或いはロックアップクラッチの解放状態であるロックアップオフ制御時には係合側油室へ連通する油路すべてから排出油路へ作動油が流出されるように接続を切り換えて係合側油室の油圧を低めるので、ロックアップクラッチの作動状態が適切に制御される。特に、ロックアップオン制御時には、スリップによる発熱がないため作動油の循環による冷却が不要な完全係合状態であるときには係合側油室から作動油が流出されないので、係合側油室の油圧の低下をより防止できてロックアップクラッチの完全係合状態の制御作動が適切に実行されて、ロックアップクラッチの伝達トルク容量が十分に確保される。また、ロックアップクラッチのスリップ制御時には、係合側油室へ連通する2つの油路のうちの一方が高圧油路に他方が低圧油路となるように接続状態が切り換えられて係合側油室の作動油が循環させられるので、つまり高圧油路から第2油路および第3油路のうちの一方を通して係合側油室に供給される作動油が他方を通して低圧油路に流出されるので、スリップ制御中の作動油温の上昇が抑制されてロックアップクラッチのスリップ面が冷却され、摩擦材の耐久性が向上する。この係合側油室に供給される作動油の低圧油路への流出は、排出油路への排出ではないので、作動油の供給が減少しても係合側油室内の油圧を低下させるものではない。また、ロックアップオフ制御時には、係合側油室の油圧を速やかに低下できるので、ロックアップクラッチの解放状態の制御作動が適切に実行される。
【0009】
【第1発明の他の態様】
ここで、好適には、前記切換制御弁は、前記スリップ制御状態であるときには前記係合側油室を介して前記高圧油路から前記低圧油路へ循環させられる作動油の流量をスリップ制御とは独立して自由に制御するものである。このようにすれば、スリップ制御とは独立して作動油温の上昇を抑制することができて摩擦材の耐久性がより向上する。
【0010】
また、好適には、前記高圧油路から前記低圧油路へ循環させられる作動油の流量は、前記スリップ制御状態であるときの発生熱量に基づいて作動油の油温を所定の油温よりも抑制するように制御されるものである。このようにすれば、ロックアップクラッチのスリップ面の冷却がより適切に実行される。
【0011】
また、好適には、前記低圧油路の圧力を制御する調圧弁を更に有するものである。このようにすれば、調圧弁によって低圧油路の油圧が切換制御弁とは独立に制御されて係合側油室の作動油の循環流量が適切に設定されるので、ロックアップクラッチの冷却がより適切に実行され、摩擦材の耐久性が向上するとともにスリップ制御がより適切に制御される。
【0012】
【課題を解決するための第2の手段】
前記目的を達成するための本発明の要旨とするところは、(a) 係合側油室と解放側油室との差圧によって作動状態が切り換えられるロックアップクラッチを備えた車両用ロックアップクラッチ付流体伝動装置の油圧制御回路であって、(b) 前記解放側油室に連通する第1油路と、(c) 前記係合側油室に連通する第2油路と、(d) 前記係合側油室に連通する第3油路と、(e) 作動油が導かれる高圧油路と、 (f) 前記高圧油路よりも圧力の低い作動油が導かれる低圧油路と、(g) 作動油を排出する排出油路と、 (h) 前記ロックアップクラッチの作動状態に応じて、前記第1油路、前記第2油路、および前記第3油路のそれぞれを前記高圧油路、前記低圧油路、或いは前記排出油路に選択的に接続する切換制御弁と、 (i) 前記低圧油路の圧力を制御する調圧弁とを有し、 (j) 前記切換制御弁は、前記ロックアップクラッチの作動状態が解放状態であるときには前記第1油路を前記高圧油路に、前記第2油路および前記第3油路を前記排出油路にそれぞれ接続するように切り換え、前記ロックアップクラッチの作動状態がスリップ制御状態であるときには前記第1油路を前記高圧油路に、前記第2油路および前記第3油路のうちの一方を前記高圧油路に、他方を前記低圧油路にそれぞれ接続するように切り換え、前記ロックアップクラッチの作動状態が完全係合状態であるときには前記第1油路を前記排出油路に、前記第2油路および前記第3油路を前記高圧油路にそれぞれ接続するように切り換えることにある。
【0013】
【第2発明の効果】
このようにすれば、切換制御弁によって係合側油室に連通する2つの油路と高圧側の作動油を導くための高圧油路および低圧側の作動油を導くための低圧油路とのそれぞれの接続が、ロックアップクラッチの作動状態に応じて切り換えられるので、係合側油室の油圧と解放側油室の油圧との差圧によって制御されるロックアップクラッチの作動状態が適切に実行される。たとえば、ロックアップクラッチの完全係合状態であるロックアップオン制御時には係合側油室へ連通する油路すべてに高圧油路から作動油が供給されるように接続を切り換えて係合側油室の油圧を高め、或いはロックアップクラッチの解放状態であるロックアップオフ制御時には係合側油室へ連通する油路すべてから排出油路へ作動油が流出されるように接続を切り換えて係合側油室の油圧を低めるので、ロックアップクラッチの作動状態が適切に制御される。特に、ロックアップオン制御時には、スリップによる発熱がないため作動油の循環による冷却が不要な完全係合状態であるときには係合側油室から作動油が流出されないので、係合側油室の油圧の低下をより防止できてロックアップクラッチの完全係合状態の制御作動が適切に実行されて、ロックアップクラッチの伝達トルク容量が十分に確保される。また、ロックアップクラッチのスリップ制御時には、係合側油室へ連通する2つの油路のうちの一方が高圧油路に他方が低圧油路となるように接続状態が切り換えられて係合側油室の作動油が循環させられるので、つまり高圧油路から第2油路および第3油路のうちの一方を通して係合側油室に供給される作動油が他方を通して低圧油路に流出されるので、スリップ制御中の作動油温の上昇が抑制されてロックアップクラッチのスリップ面が冷却され、摩擦材の耐久性が向上する。この係合側油室に供給される作動油の低圧油路への流出は、排出油路への排出ではないので、作動油の供給が減少しても係合側油室内の油圧を低下させるものではない。また、ロックアップオフ制御時には、係合側油室の油圧を速やかに低下できるので、ロックアップクラッチの解放状態の制御作動が適切に実行される。さらに、調圧弁によって低圧油路の油圧が切換制御弁とは独立に制御されて係合側油室の作動油の循環流量が適切に設定されるので、ロックアップクラッチの冷却がより適切に実行され、摩擦材の耐久性が向上するとともにスリップ制御がより適切に制御される。
【0014】
【第2発明の他の態様】
ここで、好適には、前記調圧弁は、前記スリップ制御状態であるときには前記係合側油室を介して前記高圧油路から前記低圧油路へ循環させられる作動油の流量が必要な循環流量となるように前記低圧油路の圧力を制御するものである。このようにすれば、ロックアップクラッチの冷却がより適切に実行されるとともにスリップ制御がより適切に制御される。
また、好適には、前記必要な循環流量は、作動油の油温を所定の油温よりも抑制するのに必要な流量であって、前記スリップ制御状態であるときの発生熱量に基づいて作動油の油温を所定の油温よりも抑制するように設定されるものである。このようにすれば、ロックアップクラッチのスリップ面の冷却がより適切に実行される。
また、好適には、(a) ロックアップクラッチのスリップ制御作動時に発生する発生熱量に比例するパラメータに基づいて作動油温を所定の油温より抑制するための必要循環流量を算出する必要循環流量算出手段と、(b) その必要循環流量に基づいて前記低圧油路の目標潤滑圧を設定する潤滑圧設定手段と、(c) その目標潤滑圧となるように前記調圧弁を制御する電磁弁出力圧設定手段とを備えるものである。このようにすれば、調圧弁によって前記低圧油路の油圧としての目標潤滑圧が、発生熱量に比例するパラメータたとえば流体伝動装置への入力トルク或いはスリップ回転速度或いは作動油温に基づいて算出された発生熱量を抑制するに必要な必要循環流量を得るように制御されるので、低圧油路の油圧が切換制御弁とは独立に制御されて係合側油室の作動油の循環流量が適切に設定されるので、ロックアップクラッチの冷却がより適切に実行され、摩擦材の耐久性が向上するとともにスリップ制御がより適切に制御される。
[第1、2発明の他の態様]
ここで、好適には、前記切換制御弁は、ロックアップリレー弁とロックアップコントロール弁とで構成されているものである。このようにすれば、前記ロックアップクラッチの作動状態に応じて、前記第1油路、前記第2油路、および前記第3油路のそれぞれを前記高圧油路、前記低圧油路、或いは前記排出油路に選択的に接続することが容易にできる。
また、好適には、前記ロックアップリレー弁は、前記ロックアップクラッチの作動状態が解放状態であるときには前記第2油路および前記第3油路を前記排出油路に接続するものである。このようにすれば、ロックアップリレー弁によりロックアップクラッチの作動状態を解放状態へ容易に切り換えることができる。
また、好適には、前記ロックアップリレー弁は、前記第1油路を前記高圧油路に接続する第1の切換弁部と、前記第2油路を前記高圧油路或いは前記排出油路に選択的に接続する第2の切換弁部と、前記第3油路を前記排出油路に接続する第3の切換弁部とで構成されているものである。このようにすれば、ロックアップリレー弁によりロックアップクラッチの作動状態を解放状態と完全係合状態とで容易に切り換えることができる。
また、好適には、前記ロックアップコントロール弁は、前記ロックアップクラッチの作動状態がスリップ制御状態であるときには前記第3油路を前記低圧油路に接続する一方で、前記ロックアップクラッチの作動状態が完全係合状態であるときには前記第3油路を前記高圧油路に接続するものである。このようにすれば、ロックアップコントロール弁によりロックアップクラッチの作動状態をスリップ制御状態と完全係合状態とで容易に切り換えることができる。
また、好適には、前記ロックアップコントロール弁は、前記第1油路を前記高圧油路或いは前記排出油路に選択的に接続する第1の切換弁部と、前記第3油路を前記高圧油路或いは前記低圧油路に選択的に接続する第2の切換弁部とで構成されているものである。このようにすれば、ロックアップコントロール弁によりロックアップクラッチの作動状態をスリップ制御状態と完全係合状態とで容易に切り換えることができる。
【0015】
【発明の好適な実施の形態】
以下、本発明の一実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態の流体伝動装置であるロックアップクラッチ11を備えたトルクコンバータ10を示す図である。トルクコンバータ10は、図示しないエンジンのクランク軸と一体的に回転する入力側回転部材であるカバー12を有している。上記カバー12は、エンジン側(図1では左側)のカバーであるフロントカバー14と、トランスミッション側(図1では右側)のカバーであるポンプシェル16とが溶接により一体的に結合されて油密に構成されている。フロントカバー14は一方向に開口する有底円柱状の部材であり、その開口部の外周面にポンプシェル16の外周部が結合されている。
【0017】
カバー12内には作動油が充填されるとともに、互いに対向するように、トルクコンバータ10の入力要素であるそのカバー12と一体のポンプ翼車18および出力要素であるタービン翼車20が収容配置されている。ポンプ翼車18は図示しないクランク軸に結合されており、タービン翼車20は、タービンハブ22を介して被動軸24に結合されており、ポンプ翼車18が回転させられて作動油流が生じ、この作動油流がさらにタービン翼車20に回転トルクを与えることにより、被動軸24が回転させられる。この被動軸24はたとえば図示しない自動変速機の入力軸に相当するものであり、その自動変速機を介してエンジン出力トルクTEが図示しない駆動輪へと伝達される。
【0018】
ポンプ翼車18とタービン翼車20との間には、ステータ翼車28が一方向クラッチ26を介して一方向に回転可能に設けられている。タービン翼車20を出た作動油はステータ翼車28に沿って流れ、再度、ポンプ翼車18に戻る。
【0019】
ロックアップクラッチ11はクラッチピストン30、ダンパ32、コイルスプリング34等で構成されている。このクラッチピストン30はタービン翼車20とフロントカバー14との間にフロントカバー14へ接近離隔する方向へ移動可能に設けられている。このクラッチピストン30とポンプシェル16との間の空間たとえばトルクコンバータ10の前記入出力要素間の空間が係合側油室31である。ダンパ32はクラッチピストン30とタービン翼車20との間に設けられており、上記クラッチピストン30とダンパ32とは、外周端においてコイルスプリング34を介して連結させられているので、クラッチピストン30とダンパ32とは所定範囲の相対回転を許容しつつ一体的に回転させられるようになっている。また、ダンパ32は、その内周部においてリベット35によりタービン翼車20およびタービンハブ22に固定されているので、ダンパ32が回転させられると、タービンハブ22およびそのタービンハブ22に結合された被動軸24も回転させられる。
【0020】
クラッチピストン30には、フロントカバー14と対向する面に摩擦材36が貼り着けられている。この摩擦材36は、耐久性或いは耐摩耗性を高めるためにたとえばセルロースに樹脂を含浸させた材料などの、熱伝導率の比較的小さい材料で構成されている。
【0021】
フロントカバー14とタービンハブ22との間には第1油路38が形成されている。この第1油路38は、被動軸24の軸心に形成されている孔部からフロントカバー14とタービンハブ22との間を経て、フロントカバー14とクラッチピストン30との空間すなわち背圧室である解放側油室44へと連通する油路である。また、ポンプ翼車18とステータ翼車28との間には第2油路40が、タービンハブ22とステータ翼車28との間には第3油路42がそれぞれ形成されている。上記第2油路40と第3油路42とは、上記係合側油室31へ連通する油路であるのでその係合側油室31内で互いに連通させられていることになる。
【0022】
このように構成されたトルクコンバータ10において、ロックアップクラッチ11は係合側油室31内の油圧と解放側油室44内の油圧との差圧ΔPによりフロントカバー14に摩擦係合させられる油圧式摩擦クラッチであり、それが完全係合させられることにより、ポンプ翼車20およびタービン翼車24は一体回転させられる。また、所定のスリップ状態で係合するように差圧ΔPすなわち係合トルクがフィードバック制御されることにより、車両の低負荷低速の駆動(パワーオン)走行時には例えば50rpm程度の所定のスリップ量でタービン翼車24をポンプ翼車20に対して追従回転させる一方、車両の非駆動(パワーオフ)走行時には例えば−50rpm程度の所定のスリップ量でポンプ翼車20をタービン翼車24に対して追従回転させられる。以下にロックアップクラッチ制御について詳しく説明する。
【0023】
車両に備えられた電子制御装置90は、CPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより、エンジンの出力制御や自動変速機の変速制御、ロックアップクラッチ11のロックアップクラッチ制御などを実行するようになっており、必要に応じてエンジン制御用と油圧制御用とに分けて構成される。
【0024】
電子制御装置90はたとえば図2に示すようにスロットル弁開度θTHおよび車速Vをパラメータ(変数)とする二次元座標において解放領域、スリップ制御領域、係合領域を有する予め記憶されたマップ(関係)に従ってロックアップクラッチ11の作動状態を制御するロックアップクラッチ制御手段100(図6参照)を機能的に備えていて、タービン回転速度NTとエンジン回転速度NEとの回転速度差(スリップ量)NSLP(=NE−NT)を目標回転速度差(目標スリップ量)NSLP *に制御したりロックアップクラッチの解放状態であるロックアップオフ状態或いはロックアップクラッチの完全係合状態であるロックアップオン状態への切換えのためにロックアップクラッチ11の前記差圧ΔPを制御するソレノイド弁SLU用の駆動信号である駆動デューティ比DSLUをロックアップクラッチ11の制御に関する油圧回路部分としての油圧制御回路200に出力する。
【0025】
上記ロックアップオン状態に制御されるとエンジンの回転軸と結合されている駆動軸と被動軸24としての自動変速機の入力軸が直結されることになり、エンジントルクTEすなわちトルクコンバータへの入力トルクTINTCはトルクコンバータ10での動力伝達損失が略零で自動変速機に伝達される。この入力トルクTINTC容量はロックアップクラッチ11の係合力が大きいほどすなわち係合側油室31内の油圧がより大きくて前記差圧ΔPがより大きいほどより多く確保される。また、上記スリップ制御では、運転性を損なうことなく燃費を可及的に良くすることを目的としてエンジン10の回転変動を吸収しつつトルクコンバータ14の動力伝達損失を可及的に抑制するために、ロックアップクラッチ11がスリップ状態に維持される。たとえば、このスリップ制御のうちの減速走行時スリップ制御は、スロットル開度θTHが略零で惰性走行(減速走行)する前進走行時において生じる駆動輪側からの逆入力をエンジン12側へ伝達する変速段で行われ、タービン回転速度NTおよびエンジン回転速度NEは、ソレノイド弁SLU用の駆動デューティ比DSLUを用いたフィードバック制御により回転速度差NSLPが目標回転速度差NSLP *たとえば−50rpmに略一致された状態で車両の減速にしたがって緩やかに減少させられる。このようにロックアップクラッチ11がスリップ係合させられると、エンジン回転速度NEがタービン回転速度NT付近まで引き上げられるため、エンジン12に対する燃料供給を停止するフューエルカット領域(車速範囲)が拡大されて燃費が向上する。
【0026】
たとえば、上記ロックアップクラッチ制御手段100によるスリップ制御中にフロントカバー14とロックアップクラッチ11のスリップによる発熱によって摩擦材36の耐久性が損なわれる可能性があるが、前記油圧制御回路200はロックアップクラッチ11の作動状態を切り換えるため以外にその摩擦材36の耐久性向上のために係合側油室31への作動油の供給状態を変化させるように油圧制御回路が切り換えられるようになっている。
【0027】
図3はその油圧制御回路200の一例を示す図である。制御圧PSLUは制御圧発生弁として機能するリニアソレノイド弁SLUによってモジュレータ圧PMを元圧として、ロックアップクラッチ11の作動状態を切り換えるためのロックアップリレー弁250およびスリップ状態を制御するためのロックアップコントロール弁252へ供給される。制御圧PSLTはリニアソレノイド弁SLTによって主にライン油圧PL1およびPL2を制御するために第1調圧弁260および第2調圧弁262に供給される。リバース圧PRは自動変速機の変速レンジを切り換えるためのマニュアルシフト弁がRレンジ(後進用レンジ)に切り換えられたときにライン油圧PL1を元圧として、ロックアップクラッチ11の作動状態の切換制御のためにロックアップリレー弁250に、およびライン油圧PL1を制御するために第1調圧弁260にマニュアルシフト弁から供給される。ライン油圧PL1はたとえばエンジンにより直接回転駆動されるオイルポンプ270から発生する油圧を元圧として第1調圧弁260によって調圧されたものであり、主に図示しない自動変速機の変速用の油圧制御回路へ供給される。ライン油圧PL2は第1調圧弁260によるライン油圧PL1の調圧のためにオイルポンプ270から発生する油圧を元圧として第1調圧弁260より排出される油圧を元圧として第2調圧弁262によって調圧されたものであり、ロックアップクラッチ11を制御する作動油をロックアップリレー弁250およびロックアップコントロール弁252へ供給する。たとえば、このライン油圧PL2はライン油圧PL1に対して第2ライン油圧PL2或いはセカンダリ圧PL2等として表される。
【0028】
ロックアップリレー弁250は、そのロックアップリレー弁250に備えられた図示しないスプール弁子B250の一方の軸端側に設けられそのスプール弁子B250を解放(OFF)側位置へ向かう推力を付与するスプリング202と、そのスプール弁子B250の一方の軸端側に付近に設けられスプール弁子B250を解放(OFF)側位置へ付勢するためにリバース圧PRを受け入れる油室204と、そのスプール弁子B250の他方の軸端側に設けられスプール弁子B250を係合(ON)側の位置へ付勢するために制御圧PSLUを受け入れる油室206とを備えている。
【0029】
ロックアップコントロール弁252は、ロックアップリレー弁250が係合側位置にあるときに制御圧PSLUに従ってロックアップクラッチ11のスリップ量NSLPを制御し、或いはロックアップクラッチ11を係合させるためのものであって、図示しないスプール弁子B252と、スプール弁子B252にSLIP側位置へ向かう推力F238を付与するスプリング238と、スプリング238を収容し且つスプール弁子B252をSLIP側位置へ向かって付勢するためにトルクコンバータ10の解放側油室44内の油圧POFFを受け入れる油室240と、スプール弁子B252をON側位置へ向かって付勢するためにトルクコンバータ10の係合側油室31内の油圧PONを受け入れる油室242と、制御圧PSLUを受け入れる油室244とを備えている。
【0030】
このように構成された油圧制御回路200によって係合側油室31および解放側油室44への作動油の供給状態が切り換えられて、ロックアップクラッチ11の作動状態の切換えおよび係合側油室31内の作動油の循環状態が変化させられる。ここで、係合側油室31および解放側油室44へ作動油を供給することになる油路である高圧油路はライン油圧PL2を供給する供給油路254であり、また係合側油室31および解放側油室44から作動油を排出することになる上記高圧油路に比較して低圧な油路である低圧油路は、その作動油をオイルクーラ226へ排出する冷却油路258或いは自動変速機等の装置を潤滑するために潤滑圧PLUBで潤滑油を供給している潤滑油路256或いは作動油を大気圧に排出する油路EX等である。
【0031】
以下にロックアップクラッチ11の作動状態の制御をその作動状態ごとに説明する。まず、ロックアップクラッチ11をロックアップオフ状態に制御する場合を説明する。ロックアップリレー弁250に備えられたスプール弁子B250が上記解放(OFF)側位置に位置すると、入力ポート212に供給された第2ライン圧PL2が解放側ポート214からトルクコンバータ10の第1油路38を通り解放側油室44へ供給されると同時に、トルクコンバータ10の係合側油室31内の作動油が第2油路40を通り係合側ポート220から排出ポート222を経てオイルクーラ226へ排出され、また同時にその係合側油室31内の作動油が第3油路42を通り制御ポート216から冷却ポート218を経てオイルクーラ226へ排出されて、ロックアップクラッチ11の係合圧すなわち差圧ΔP(=係合側油室31内の油圧PON−解放側油室44内の油圧POFF)が低められる。つまり、ロックアップリレー弁250は、ロックアップクラッチ11の作動状態がロックアップオフ状態であるときには係合側油室31に連通する第2油路40および第3油路42を前記低圧油路としての冷却油路258に接続し、且つ解放側油室44に連通する第1油路38を前記高圧油路としての供給油路254に接続する。
【0032】
次に、ロックアップクラッチ11をロックアップオン状態に制御する場合を説明する。ロックアップリレー弁250に備えられたスプール弁子B250が上記係合(ON)側位置に位置すると、入力ポート212に供給された第2ライン圧PL2が係合側ポート220からトルクコンバータ10の第2油路40を通り係合側油室31へ供給されると同時に、スプール弁子B252がON側位置に位置しているロックアップコントロール弁252の供給ポート246に供給された第2ライン圧PL2が制御ポート234を経てさらに迂回ポート224から制御ポート216を経てトルクコンバータ10の第3油路42を通り係合側油室31へ供給され、また同時にトルクコンバータ10の解放側油室44内の作動油が解放側ポート214から排出ポート228を経てさらにロックアップコントロール弁252の制御ポート230から排出ポート232を経て排出されて、ロックアップクラッチ11の係合圧が高められる。つまり、ロックアップリレー弁250およびロックアップコントロール弁252は、ロックアップクラッチ11の作動状態がロックアップオン状態であるときには係合側油室31に連通する第2油路40および第3油路42を前記高圧油路としての供給油路254に接続し、且つ解放側油室44に連通する第1油路38を前記低圧油路としての油路EXに接続する。この結果、ロックアップクラッチ11は係合側油室から作動油が流出することがないので、係合側油室31内の油圧が低下することなく十分な伝達トルク容量が確保できる。
【0033】
次に、ロックアップクラッチ11をスリップ状態に制御する場合を説明する。ロックアップリレー弁250に備えられたスプール弁子B250が上記係合(ON)側位置に位置すると、入力ポート212に供給された第2ライン圧PL2が係合側ポート220からトルクコンバータ10の第2油路40を通り係合側油室31へ供給されると同時に、その係合側油室31内の作動油が第3油路42を通り制御ポート216から迂回ポート224を経てさらにスプール弁子B252がSLIP側位置に位置しているロックアップコントロール弁252の制御ポート234から排出ポート236を経て潤滑油路256へ、および迂回ポート210から排出ポート222を経てオイルクーラ226へ排出され、また同時にロックアップコントロール弁252の供給ポート246に供給された第2ライン圧PL2が制御ポート230を経てさらに排出ポート228から解放側ポート214を経てトルクコンバータ10の第1油路38を通り解放側油室44へ供給されて、上記ロックアップオン状態に比較して差圧ΔPが小さくなってロックアップクラッチ11の係合圧が低められてスリップ状態となる。ここで解放側油室44に供給される第2ライン圧PL2は、ロックアップクラッチ11のスリップ量NSLPが目標スリップ量NSLP *となるための差圧ΔPとするためにロックアップコントロール弁252によって制御される。すなわち、ロックアップコントロール弁252では、トルクコンバータ10の係合側油室31内の油圧PONと解放側油室44内の油圧POFFとが制御圧PSLUに従って変化させられるので、係合圧すなわちそれら油圧PONおよびPOFFの差圧ΔP(PON−POFF)に対応するロックアップクラッチ11の係合トルクも制御圧PSLUに従って変化させられてスリップ量NSLPが制御されるのである。たとえば、ロックアップコントロール弁252においてスプール弁子B252の油室240側および油室242側の受圧面積をともにS252、油室244の受圧面積をS244とすると、(PON−POFF)×S252+PSLU×S244=F238となり、差圧ΔPは制御圧PSLUに従って変化させられる。このようにロックアップリレー弁250がON側に切り換えられたときのロックアップクラッチ11の係合或いはスリップ状態は、制御圧PSLUの大きさに従って作動するロックアップコントロール弁252により制御される。
【0034】
つまり、ロックアップリレー弁250およびロックアップコントロール弁252は、ロックアップクラッチ11の作動状態がスリップ制御状態であるときには、係合側油室31に連通する第2油路40を前記高圧油路としての供給油路254に接続しその係合側油室31に連通する第3油路42を、前記低圧油路としての潤滑油路256および冷却油路258に接続し且つ解放側油室44に連通する第1油路38を前記高圧油路としての供給油路254に接続する。この結果、ロックアップクラッチ11のスリップ制御状態は差圧ΔPによって適切に制御されるとともに、スリップによって発生した発熱による油温の上昇が第2油路40を通り係合側油室31内へ供給された作動油が第3油路42を通り流出されることですなわち係合側油室31内の作動油が循環させられることで抑制されて、前記摩擦材36が冷却されてその摩擦材36の耐久性が向上する。この循環による作動油の循環流量Qは主に第2ライン圧PL2と潤滑圧PLUBとの循環差圧ΔJ(=PL2−PLUB)によって決定されるものであり、単に大気圧への排出ではないので作動油の供給が減少しても係合側油室31内の油圧を低下させるものではない。
【0035】
このロックアップリレー弁250およびロックアップコントロール弁252は、係合側油室31に連通する第2油路40および第3油路42と前記高圧油路および前記低圧油路とのそれぞれの接続をロックアップクラッチ11の作動状態に応じて切り換える切換制御弁として機能することになる。
【0036】
つぎに、本発明の他の実施例を説明する。図4は本発明の他の実施例の油圧制御回路280であり、図3の油圧制御回路200に破線部Aを追加したものである。図4においてその破線部A以外の部分は図3と同一であるので以下の説明においてその同一部分についての説明は省略する。
【0037】
破線部Aは前記潤滑圧PLUBを制御するために潤滑圧調圧弁282とソレノイド弁284とが備えられており、潤滑圧PLUBを制御することで循環差圧ΔJ(=PL2−PLUB)によって決定される循環流量Qを制御するものである。潤滑圧調圧弁282はリリーフ弁形式の弁であり、第2調圧弁262から流出させられた余剰分の作動油の圧力をソレノイド弁284からの潤滑制御圧PJに従って潤滑油路256を所望の潤滑圧PLUBに調圧する。そのソレノイド弁284は電子制御装置90からの指令に従って必要循環流量Qとなるための潤滑圧PLUBとなるように潤滑制御圧PJを出力する。この結果、ロックアップクラッチ11の作動状態および係合側油室31への作動油の供給状態の切換えを制御する切換制御弁としてのロックアップリレー弁250およびロックアップコントロール弁252とは別に、低圧油路としての潤滑油路256の油圧を制御できる調圧弁としての破線部Aを備えているので、ロックアップクラッチ11の制御に関わらず、循環差圧ΔJ(=PL2−PLUB)によって決定される循環流量Qを制御でき作動油の油温の上昇を抑制できて摩擦材36の耐久性が向上する。上記ソレノイド弁284からの潤滑制御圧PJは、潤滑圧PLUBを連続的に変化させるように制御するものであってもよいし、潤滑圧PLUBをたとえば高低の2段階に切り換えるように制御するものであってもよい。
【0038】
また、本発明の他の実施例を説明する。図5は本発明の他の実施例の油圧制御回路290であり、図4の油圧制御回路280に破線部Bを追加したものである。図5においてその破線部B以外の部分は図4と同一であるので以下の説明においてその同一部分についての説明は省略する。
【0039】
破線部Bは、第3油路への作動油の供給状態を切り換える油圧制御回路をロックアップコントロール弁252から独立させたものであり、切換弁292とソレノイド弁294とを備えている。切換弁292の各ポートは制御ポート234が制御ポート295に、排出ポート236が排出ポート298に、供給ポート246が供給ポート296にそれぞれ対応していて、切換弁292はソレノイド弁294からの切換制御圧PCに従ってON位置或いはSLIP位置に切り換えられる。そのソレノイド弁294は電子制御装置90からの指令に従ってロックアップクラッチ11を制御するために前述したロックアップコントロール弁252による油路の切換と同様の切換となるように切換制御圧PCを出力するが、スリップ制御中において制御ポート295から排出ポート298を流れる循環流量Qをロックアップコントロール弁252によるスリップ制御に影響されないように制御する切換制御圧PCを出力することができる。この結果、ロックアップクラッチ11の制御に関わらず、循環差圧ΔJ(=PL2−PLUB)によって決定される循環流量Qをより自由に制御でき作動油の油温の上昇を抑制できて摩擦材36の耐久性がより向上する。
【0040】
図6は、電子制御装置90の油圧制御回路280或いは290を制御するための制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。また、図7は潤滑圧調圧弁282を制御するための作動を説明するフローチャートである。ロックアップクラッチ制御手段100は、上述したように油圧制御回路200、280、290を作動させてロックアップクラッチ11の作動を制御する。
【0041】
必要循環流量算出手段102および潤滑圧設定手段104および電磁弁出力圧設定手段106は、油圧制御回路280或いは290によって循環流量Qを制御するためにソレノイド弁284からの潤滑制御圧PJを設定する。以下、図7のフローチャートに対応させながらその設定の方法を説明する。
【0042】
必要循環流量算出手段102は図7のステップS1乃至S2に対応するものであり、トルクコンバータ10への入力トルクすなわちエンジン出力トルクTE或いはスリップ制御回転速度NSLIP或いは作動油の油温TOIL等を読み込んでスリップ制御作動による発生熱量を算出して、たとえば予め実験等によって求められた発生熱量と作動油温を所定の油温より抑制するに必要となる循環流量Qとの関係に基づいて必要循環流量Q*を算出する。この必要循環流量Q*の算出は図8に示す予め設定された関係図(マップ)を用いて行ってもよい。図8は発生熱量に対応するマップであるともいえる。図8に示すとおり必要循環流量Q*は発生熱量に比例するパラメータたとえば入力トルク(エンジン出力トルクTE)、スリップ制御回転速度NSLIP、作動油の油温TOILのいずれにも比例していて、入力トルク(エンジン出力トルクTE)、スリップ制御回転速度NSLIPが大きくなったり作動油の油温TOILが高くなるすなわち発生熱量が大きくなると必要循環流量Q*が多くなるように設定されている。たとえば、このエンジン出力トルクTEは図9に示す予め記憶された関係図(マップ)から実際の要求負荷たとえばスロットル開度θおよびエンジン回転速度NEに基づいてエンジン出力トルク推定値TE0として算出される。上記所定の油温はたとえば予め実験等によって求められた摩擦材36の耐久性がその油温以下であれば十分維持できるような油温である。
【0043】
潤滑圧設定手段104はステップS3に対応するものであり、上記必要循環流量Q*を得るために必要な循環差圧ΔJ(=PL2−PLUB)となるための目標潤滑圧PLUB *を設定する。必要循環流量Q*は循環差圧ΔJによって決定されるものであり、たとえば必要循環流量Q*を増やすためには循環差圧ΔJを大きくするすなわち目標潤滑圧PLUB *を下げることになる。
【0044】
電磁弁出力圧設定手段106はステップS4に対応するものであり、潤滑圧調圧弁282によって調圧される潤滑圧PLUBを上記目標潤滑圧PLUB *とするためのソレノイド弁284の出力圧が潤滑制御圧PJとなるようにソレノイド弁に信号Dを出力する。この結果、潤滑油路256は目標潤滑圧PLUB *となって必要循環流量Q*を得ることができ作動油温を所定の油温よりも抑制することができて、スリップ作動時の発熱を抑制して摩擦材36が冷却されてその摩擦材36の耐久性能が向上する。また、この必要循環流量Q*の設定はロックアップクラッチ11の制御とは別に実行されるので、ロックアップクラッチ制御手段100によるロックアップクラッチ11の制御が適切に実行される。
【0045】
上述のように、本実施例によれば、切換制御弁(ロックアップリレー弁250およびロックアップコントロール弁252)によって係合側油室31に連通する2つの油路と、高圧側の作動油を導くための高圧油路および低圧側の作動油を導くための低圧油路とのそれぞれの接続が、ロックアップクラッチ11の作動状態に応じて切り換えられるので、係合側油室31の油圧PONと解放側油室44の油圧POFFとの差圧ΔP(=PON−POFF)によって制御されるロックアップクラッチ11の作動状態が適切に実行される。たとえば、ロックアップクラッチ11の完全係合状態であるロックアップオン制御時には係合側油室31へ連通する油路すべてに高圧油路から作動油が供給されるように接続を切り換えて係合側油室31の油圧PONを高め、或いはロックアップクラッチ11の解放状態であるロックアップオフ制御時には係合側油室31へ連通する油路すべてに低圧油路へ作動油が流出されるように接続を切り換えて係合側油室31の油圧PONを低めるので、ロックアップクラッチ11の作動状態が適切に制御される。特に、ロックアップオン制御時にはロックアップクラッチ11の伝達トルク容量が十分に確保される。また、ロックアップクラッチ11のスリップ制御時には係合側油室31へ連通する2つの油路の一方が高圧油路に他方が低圧油路となるように接続状態が切り換えられて係合側油室31の作動油が循環させられるので、スリップ制御中の作動油温の上昇が抑制されてロックアップクラッチ11のスリップ面が冷却され、摩擦材36の耐久性が向上する。
【0046】
また、本実施例によれば、係合側油室31に連通する2つの油路は、第2油路40および第3油路42であり、前記切換制御弁は、ロックアップクラッチ11の作動状態がスリップ制御状態であるときにはその第2油路40および第3油路42のうちの一方を前記高圧油路たとえば供給油路254に、他方を前記低圧油路たとえば潤滑油路256、冷却油路258等に接続するように切り換えるものであるので、高圧油路から第2油路40および第3油路42のうちの一方を通して係合側油室31に供給される作動油が他方を通して低圧油路に流出されるすなわちその係合側油室31に供給される作動油が循環させられるので、スリップ制御中の作動油温の上昇が抑制されてロックアップクラッチ11のスリップ面が冷却され、摩擦材36の耐久性が向上する。
【0047】
また、本実施例によれば、前記切換制御弁は、ロックアップクラッチ11の作動状態が解放状態であるときには前記2つの油路たとえば第2油路40および第3油路42を前記低圧油路たとえば潤滑油路256、冷却油路258等に接続するように切り換えるものであるので、係合側油室31の油圧PONを速やかに低下できるので、ロックアップクラッチ11の解放状態の制御作動が適切に実行される。
【0048】
また、本実施例によれば、前記切換制御弁は、ロックアップクラッチ11の作動状態が完全係合状態であるときには前記2つの油路たとえば第2油路40および第3油路42を前記高圧油路たとえば供給油路254に接続するように切り換えるものであるので、スリップ作動による発熱がないため作動油の循環による冷却が不要な完全係合状態であるときには係合側油室31から作動油が流出されないので、係合側油室31の油圧PONの低下をより防止できてロックアップクラッチ11の完全係合状態の制御作動が適切に実行されて、ロックアップクラッチ11のトルク容量がより確保される。
【0049】
また、本実施例によれば、切換制御弁(ロックアップリレー弁250およびロックアップコントロール弁252)によって係合側油室31に連通する2つの油路と、高圧側の作動油を導くための高圧油路および低圧側の作動油を導くための低圧油路とのそれぞれの接続が、ロックアップクラッチ11の作動状態に応じて切り換えられるので、係合側油室31の油圧PONと解放側油室44の油圧POFFとの差圧ΔP(=PON−POFF)によって制御されるロックアップクラッチ11の作動状態が適切に実行される。たとえば、ロックアップクラッチ11の完全係合状態であるロックアップオン制御時には係合側油室31へ連通する油路すべてに高圧油路から作動油が供給されるように接続を切り換えて係合側油室31の油圧PONを高め、或いはロックアップクラッチ11の解放状態であるロックアップオフ制御時には係合側油室31へ連通する油路すべてに低圧油路へ作動油が流出されるように接続を切り換えて係合側油室31の油圧PONを低めるので、ロックアップクラッチ11の作動状態が適切に制御される。特に、ロックアップオン制御時にはロックアップクラッチ11の伝達トルク容量が十分に確保される。また、ロックアップクラッチ11のスリップ制御時には係合側油室31へ連通する2つの油路の一方が高圧油路に他方が低圧油路となるように接続状態が切り換えられて係合側油室31の作動油が循環させられるので、スリップ制御中の作動油温の上昇が抑制されてロックアップクラッチ11のスリップ面が冷却され、摩擦材36の耐久性が向上する。さらに、調圧弁(潤滑圧調圧弁282、ソレノイド弁284)によって低圧油路の油圧が切換制御弁とは独立に制御されて係合側油室31の作動油の循環流量Qが適切に設定されるので、ロックアップクラッチ11の冷却がより適切に実行され、摩擦材36の耐久性が向上するとともにスリップ制御がより適切に制御される。
【0050】
また、本実施例によれば、ロックアップクラッチ11のスリップ制御作動時に発生する発生熱量に比例するパラメータに基づいて作動油温を所定の油温より抑制するための必要循環流量Q*を算出する必要循環流量算出手段102(ステップS1、S2)と、その必要循環流量Q*に基づいて前記低圧油路たとえば潤滑油路256の目標潤滑圧PLUB *を設定する潤滑圧設定手段104(S3)と、その目標潤滑圧PLUB *となるように前記調圧弁(潤滑圧調圧弁282、ソレノイド弁284)を制御する電磁弁出力圧設定手段106(S4)とを備えるものであるので、その調圧弁によって前記低圧油路の油圧としての目標潤滑圧PLUB *が、発生熱量に比例するパラメータたとえばトルクコンバータ10への入力トルク(エンジン出力トルクTE)或いはスリップ回転速度NSLIP或いは作動油温TOILに基づいて算出された発生熱量を抑制するに必要な必要循環流量Q*を得るように制御されるので、低圧油路の油圧が切換制御弁(ロックアップリレー弁250およびロックアップコントロール弁252)とは独立に制御されて係合側油室31の作動油の循環流量Qが適切に設定されるので、ロックアップクラッチ11の冷却がより適切に実行され、摩擦材36の耐久性が向上するとともにスリップ制御がより適切に制御される。
【0051】
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
【0052】
たとえば、前述の実施例において、流体伝動装置としてロックアップクラッチ11が備えられているトルクコンバータ10が用いられていたが、トルク増幅作用のないフルードカップリングが用いられてもよい。
【0053】
また、前述の実施例において、図4に示す潤滑圧調圧弁282の制御のための潤滑制御圧PJを出力する専用のソレノイド弁284が用いられていたが、たとえば潤滑圧PLUBを連続的に変化させるように制御したり潤滑圧PLUBを高低の2段階に切り換えるように制御するための潤滑制御圧PJを出力するソレノイド弁であればよく、車両に搭載されている他の油圧制御回路で用いられているソレノイド弁であってもよい。
【0054】
また、前述の実施例において、図5に示す切替弁292の制御のために専用のソレノイド弁294が用いられていたが、たとえばロックアップリレー弁250およびロックアップコントロール弁252を制御するリニアソレノイド弁SLUによって制御されるようにしてもよい。
【0055】
また、前述の実施例では、係合側油室31に連通する油路として、第2油路40および第3油路42の2つの油路を備えるものであったが、係合側油室31に連通する油路は少なくとも2つの油路を備えておればよく、第2油路40および第3油路42の他に油路が備えられてもよい。
【0056】
また、前述の実施例では、係合側油室31の作動油を循環させるために低圧油路として潤滑油路256に接続する油圧制御回路の構成としたが、その低圧油路はたとえば冷却油路258或いは油路EX或いは高圧油路に比較して低圧である所定の油圧となっているような低圧側の作動油を導くものであってもよい。また、その高圧油路はライン油圧PL2を供給する供給油路254であったが、ライン油圧PL2の元圧であるライン油圧PL1等の高圧側の作動油を導くものであってもよい。
【0057】
また、前述の実施例では、ロックアップクラッチ11のスリップ制御時に係合側油室31の作動油を循環させるための油路は、第2油路40を通り係合側油室31内へ供給された作動油が第3油路42を通り流出される油路であったが、反対に第3油路42を通り係合側油室31内へ供給された作動油が第2油路40を通り流出される油路となるように構成されてもよい。
【0058】
また、前述の実施例では、その第1油路乃至第3油路と高圧油路及び低圧油路とのそれぞれの接続を切り換える油圧制御回路は、油圧制御回路200、280、290が用いられていたが、油路を接続する油圧回路の構成は種々のものが好適に用いられてもよい。要するに、上述したようにロックアップクラッチ11の作動状態に応じて係合側油室31への作動油の供給状態が切り換えられるものであればよい。
【0059】
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のロックアップクラッチを備えたトルクコンバータを示す図である。
【図2】図1のトルクコンバータにおけるロックアップクラッチの制御に用いられるロックアップ領域線図を説明する図である。
【図3】ロックアップクラッチの制御ための油圧制御回路の一例を示す図である。
【図4】油圧制御回路の他の実施例を示す図であり、図3の油圧制御回路に破線部Aを追加したものである。
【図5】油圧制御回路の他の実施例を示す図であり、図4の油圧制御回路に破線部Bを追加したものである。
【図6】電子制御装置が備えている油圧制御回路の制御を実行する制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。
【図7】潤滑圧調圧弁を制御するための作動を説明するフローチャートである。
【図8】入力トルク(エンジン出力トルク)、スリップ制御回転速度、作動油の油温のそれぞれに基づいて必要循環流量を算出するための予め設定された関係図(マップ)である。
【図9】エンジン出力トルクをスロットル開度およびエンジン回転速度に基づいてエンジン出力トルク推定値として算出するための予め記憶された関係図(マップ)である。
【符号の説明】
10:トルクコンバータ(車両用ロックアップクラッチ付流体伝動装置)
11:ロックアップクラッチ
31:係合側油室
38:第1油路
40:第2油路
42:第3油路
44:解放側油室
200、280、290:油圧制御回路
250:ロックアップリレー弁(切換制御弁)
252:ロックアップコントロール弁(切換制御弁)
254:供給油路(高圧油路)
256:潤滑油路(低圧油路)
258:冷却油路(低圧油路)
282:潤滑圧調圧弁(調圧弁)
284:ソレノイド弁(調圧弁)
EX:油路(低圧油路)
Claims (12)
- 係合側油室と解放側油室との差圧によって作動状態が切り換えられるロックアップクラッチを備えた車両用ロックアップクラッチ付流体伝動装置の油圧制御回路であって、
前記解放側油室に連通する第1油路と、
前記係合側油室に連通する第2油路と、
前記係合側油室に連通する第3油路と、
作動油が導かれる高圧油路と、
前記高圧油路よりも圧力の低い作動油が導かれる低圧油路と、
作動油を排出する排出油路と、
前記ロックアップクラッチの作動状態に応じて、前記第1油路、前記第2油路、および前記第3油路のそれぞれを前記高圧油路、前記低圧油路、或いは前記排出油路に選択的に接続する切換制御弁とを有し、
前記切換制御弁は、前記ロックアップクラッチの作動状態が解放状態であるときには前記第1油路を前記高圧油路に、前記第2油路および前記第3油路を前記排出油路にそれぞれ接続するように切り換え、
前記ロックアップクラッチの作動状態がスリップ制御状態であるときには前記第1油路を前記高圧油路に、前記第2油路および前記第3油路のうちの一方を前記高圧油路に、他方を前記低圧油路にそれぞれ接続するように切り換え、
前記ロックアップクラッチの作動状態が完全係合状態であるときには前記第1油路を前記排出油路に、前記第2油路および前記第3油路を前記高圧油路にそれぞれ接続するように切り換えることを特徴とする車両用ロックアップクラッチ付流体伝動装置の油圧制御回路。 - 前記切換制御弁は、前記スリップ制御状態であるときには前記係合側油室を介して前記高圧油路から前記低圧油路へ循環させられる作動油の流量をスリップ制御とは独立して自由に制御するものである請求項1の車両用ロックアップクラッチ付流体伝動装置の油圧制御回路。
- 前記高圧油路から前記低圧油路へ循環させられる作動油の流量は、前記スリップ制御状態であるときの発生熱量に基づいて作動油の油温を所定の油温よりも抑制するように制御されるものである請求項2の車両用ロックアップクラッチ付流体伝動装置の油圧制御回路。
- 前記低圧油路の圧力を制御する調圧弁を更に有するものである請求項1乃至3のいずれかの車両用ロックアップクラッチ付流体伝動装置の油圧制御回路。
- 係合側油室と解放側油室との差圧によって作動状態が切り換えられるロックアップクラッチを備えた車両用ロックアップクラッチ付流体伝動装置の油圧制御回路であって、
前記解放側油室に連通する第1油路と、
前記係合側油室に連通する第2油路と、
前記係合側油室に連通する第3油路と、
作動油が導かれる高圧油路と、
前記高圧油路の圧力よりも低い圧力に調圧された作動油が導かれる低圧油路と、
作動油を排出する排出油路と、
前記ロックアップクラッチの作動状態に応じて、前記第1油路、前記第2油路、および前記第3油路のそれぞれを前記高圧油路、前記低圧油路、或いは前記排出油路に選択的に接続する切換制御弁と、
前記低圧油路の圧力を制御する調圧弁とを有し、
前記切換制御弁は、前記ロックアップクラッチの作動状態が解放状態であるときには前記第1油路を前記高圧油路に、前記第2油路および前記第3油路を前記排出油路にそれぞれ接続するように切り換え、
前記ロックアップクラッチの作動状態がスリップ制御状態であるときには前記第1油路 を前記高圧油路に、前記第2油路および前記第3油路のうちの一方を前記高圧油路に、他方を前記低圧油路にそれぞれ接続するように切り換え、
前記ロックアップクラッチの作動状態が完全係合状態であるときには前記第1油路を前記排出油路に、前記第2油路および前記第3油路を前記高圧油路にそれぞれ接続するように切り換えることを特徴とする車両用ロックアップクラッチ付流体伝動装置の油圧制御回路。 - 前記調圧弁は、前記スリップ制御状態であるときには前記係合側油室を介して前記高圧油路から前記低圧油路へ循環させられる作動油の流量が必要な循環流量となるように前記低圧油路の圧力を制御するものである請求項5の車両用ロックアップクラッチ付流体伝動装置の油圧制御回路。
- 前記必要な循環流量は、作動油の油温を所定の油温よりも抑制するのに必要な流量であって、前記スリップ制御状態であるときの発生熱量に基づいて作動油の油温を所定の油温よりも抑制するように設定されるものである請求項6の車両用ロックアップクラッチ付流体伝動装置の油圧制御回路。
- 前記切換制御弁は、ロックアップリレー弁とロックアップコントロール弁とで構成されているものである請求項1乃至7のいずれかの車両用ロックアップクラッチ付流体伝動装置の油圧制御回路。
- 前記ロックアップリレー弁は、前記ロックアップクラッチの作動状態が解放状態であるときには前記第2油路および前記第3油路を前記排出油路に接続するものである請求項8の車両用ロックアップクラッチ付流体伝動装置の油圧制御回路。
- 前記ロックアップリレー弁は、前記第1油路を前記高圧油路に接続する第1の切換弁部と、前記第2油路を前記高圧油路或いは前記排出油路に選択的に接続する第2の切換弁部と、前記第3油路を前記排出油路に接続する第3の切換弁部とで構成されているものである請求項8または9の車両用ロックアップクラッチ付流体伝動装置の油圧制御回路。
- 前記ロックアップコントロール弁は、前記ロックアップクラッチの作動状態がスリップ制御状態であるときには前記第3油路を前記低圧油路に接続する一方で、前記ロックアップクラッチの作動状態が完全係合状態であるときには前記第3油路を前記高圧油路に接続するものである請求項8乃至10のいずれかの車両用ロックアップクラッチ付流体伝動装置の油圧制御回路。
- 前記ロックアップコントロール弁は、前記第1油路を前記高圧油路或いは前記排出油路に選択的に接続する第1の切換弁部と、前記第3油路を前記高圧油路或いは前記低圧油路に選択的に接続する第2の切換弁部とで構成されているものである請求項8乃至11のいずれかの車両用ロックアップクラッチ付流体伝動装置の油圧制御回路。
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