JP4164787B2 - 無段変速機の変速比制御装置 - Google Patents

無段変速機の変速比制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は無段変速機の変速比制御装置に係り、特にレシオソレノイドの作動不良時に生ずる急激な変速を回避する無段変速機の変速比制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この変速機としては、内燃機関のクランク軸と同軸心上に配設されて変速機ケースに回転自在に支持された駆動側軸(「プライマリシャフト」ともいう)とこの駆動側軸に固定した駆動側固定プーリ片と駆動側軸に軸方向移動可能且つ回転不可能に装着した駆動側可動プーリ片とからなる駆動側プーリ(「プライマリプーリ」ともいう)を設け、駆動側軸と平行に配設されて変速機ケースに回転自在に支持された被動側軸(「セカンダリシャフト」ともいう)とこの被動側軸に固定した被動側固定プーリ片と被動側軸に軸方向移動可能且つ回転不可能に装着した被動側可動プーリ片とからなる被動側プーリ(「セカンダリプーリ」ともいう)を設け、駆動側プーリと被動側プーリとに金属製のベルトを巻掛けて変速部を構成した無段変速機がある。
【0003】
そして、前記駆動側プーリと被動側プーリとの各溝幅を夫々プライマリ圧とライン圧との圧油により相対的に増減させ、前記駆動側プーリと被動側プーリとに巻掛けられたベルトの回転半径を相対的に減増させて変速比を変化させている。
【0004】
このような無段変速機としては、特許番号第2984755号公報に開示されるものがある。この公報に開示される無段変速機の変速比制御装置は、変速制限バルブを制御する電磁ソレノイドバルブとして、非通電時に油路を開放してパイロット圧を低下させるオフドレンタイプの電磁ソレノイドバルブが採用されるとともに、この電磁ソレノイドバルブの非通電時に変速制限バルブが作動油の流通を阻止または制限する状態に切替えられるように構成し、電磁ソレノイドバルブのフェイル時にはダウンシフトが阻止される効果を有する。
【0005】
また、特開平5−106728号公報に開示されるものがある。この公報に開示される無段変速機の制御装置は、無断変速機の油圧制御系に設けられて変速信号により電子的に変速制御するプライマリ制御弁において、制御側の弁等のスプリングの荷重を、プライマリとセカンダリのクランプ力比、トルク比及び変速比の関係に基づき、非通電時に中間変速比を保つように調節し、変速用のプライマリ制御弁の故障による非通電時に高速段側に変速制御する方式において、更に発進性等を改善している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の無段変速機において、流量制御式バルブによる変速機構では、プライマリ圧力とセカンダリ圧力との制御によって行われており、この油圧制御は、バルブボディ内に配設されるレシオソレノイドにより行われている。
【0007】
第1の従来例として、このレシオソレノイドの概略油圧回路を説明すると、図17に示す如く、オイルポンプ222と図示しない潤滑・冷却系統部とを連絡するライン油路294を設け、このライン油路294にプレッシャレギュレータバルブ296を設けるとともに、ライン油路294には、オイルポンプ222とプレッシャレギュレータバルブ296との間で駆動側プーリ226に連絡するプライマリ油路302と被動側プーリ228に連絡するセカンダリ油路304とを連絡して設ける。
【0008】
また、前記プライマリ油路302にレシオコントロールバルブ312を設け、レシオコントロールバルブ312にレシオソレノイド324を連絡して設けている。
【0009】
このため、レシオソレノイドの断線等による故障時、つまり作動不良時に、プライマリ圧が最大、または最小となり、強制的にシフトアップまたはシフトダウンされてしまい、急激な変速が行われると、クラッチやベルトに悪影響を与えるという不具合がある。
【0010】
このような不具合を解消する方策としては、上述した特開平5−106728号公報に開示されるものがあり、この公報に開示されるものがある。
【0011】
しかし、この公報に開示されるものは、リニアソレノイドバルブ等の高価なソレノイドを使用し、中間変速比を保つ構成を有しているが、発進時に変速比がフルローまで戻らず、再発進性等に問題が残るという不都合がある。
【0012】
また、図18に沿って第2の従来例の無段変速機404について説明すると、無段変速機404は、油圧により溝幅を変更される駆動側プーリ426と被動側プーリ428とを有し、両プーリ426、428間に捲回されたV字状ベルト430を介して入力軸410と出力軸416との間で無段階のトルク伝達を行っている。
【0013】
そして、駆動側プーリ426の油圧室450に供給される油圧によって変速比を制御する方策がある。
【0014】
前記無段変速機において、既油圧を制御するのは、図19に示す如き、流量制御によって調圧を行うレシオコントロールバルブ512である。
【0015】
ここで、参考として、図19に沿って従来の油圧回路を説明すると、油圧回路は、オイルポンプ422からのオイルを導く複数の油圧通路や油路を有している。この油圧通路や油路は、ボディ側油路とケース側油路とプレート側油孔(図示せず)とによって構成される。
【0016】
つまり、オイルポンプ422には、ライン油路494の一端側が接続されている。オイルポンプ422は、オイルパン内のオイルストレーナから吸引するオイルをこのライン油路494に圧送してライン圧を発生させるものである。このライン油路494の他端側は、被動側プーリ428の被駆動側油圧室に連通されている。
【0017】
このライン油路494には、第1油路602−1を介して第1ラインコントロールバルブ604が連絡され、第2油路602−2を介して第2ラインコントロールバルブ606が連絡され、第3油路602−3を介して変速比制御弁であるレシオコントロールバルブ512が連絡され、第4油路602−4を介してクラッチコントロールバルブ498が連絡され、第1ライン圧連絡通路である第5油路602−5を介してマニュアルバルブ516が連絡され、第6油路602−6を介してソレノイドレギュレータバルブ496が連絡され、そして第7油路602−7を介してリリーフバルブ608が連絡されている。
【0018】
前記第1ラインコントロールバルブ604と第2ラインコントロールバルブ606とは、第8油路602−8によって連絡されている。前記第1ラインコントロールバルブ604には、ラインソレノイドバルブ610が設けられた第9油路としてのライン側油路602−9が連絡されている。
【0019】
このライン側油路602−9途中には、オイル温度が高い時に、油圧脈動を抑制するオリフィス612が設けられている。このオリフィス612は、図示しないセパレートプレートのライン圧孔に設けられている。
【0020】
また、前記レシオコントロールバルブ512には、変速比制御電磁弁であるレシオソレノイド524が設けられた第10油路602−10が連絡されている。ライン側油路602−9と第10油路602−10とは、接続部614において接続されている。
【0021】
前記レシオコントロールバルブ512は、バルブボディに形成したボディレシオ圧油路616の一端側が接続されている。このボディレシオ圧油路616の他端側は、駆動側プーリ426の駆動側油圧室に連通している。このボディレシオ圧通路616途中には、クーリングコントロールバルブ618に連絡する第11油路602−11が接続されている。
【0022】
このクーリングコントロールバルブ618には、第12油路602−12を介してオイルクーラ620が連絡され、クラッチ圧が作用する第13通路602−13を介して前記クラッチコントロールバルブ498が連絡され、クーリングオイル通路622を介してクラッチ420に連絡されている。第13通路602−13の途中には、前記マニュアルバルブ516に連絡する第14油路602−14が接続されている。この第14油路602−14は、クラッチ連絡通路として機能し、クラッチ420に接続されている。
【0023】
前記クラッチコントロールバルブ498には、第15油路602−15を介してクラッチソレノイドバルブ624が連絡されている。
【0024】
前記マニュアルバルブ516は、シフト機構のシフトサーボバルブ626に連絡されている。
【0025】
また、前記オイルポンプ422と第2ラインコントロールバルブ606間には、ルーブ圧通路628が連絡されている。このルーブ圧通路628途中には、ルーブレギュレータバルブ630が介設されている。
【0026】
なお符号632は、クラッチ圧を検出する油圧センサである。
【0027】
このレシオコントロールバルブは、レシオソレノイドからの出力圧によって駆動側プーリの油圧室に供給する油圧を調圧している。
【0028】
なお、レシオソレノイドの駆動デューティ比とレシオコントロールバルブの出力圧力(Ppri)とのおおよその関係を、図20に開示する。
【0029】
そして、レシオコントロールバルブとレシオソレノイドとは、レシオソレノイドが断線等によって故障、つまり作動不良の場合には、変速比が最大(フルロー)になるように構成されている。
【0030】
このような構成は、レシオソレノイドが故障した場合でも、発進性を確保し、走行できる状態とすることを目的としているためである。
【0031】
しかし、このような構成とした場合、レシオソレノイドの故障時には、変速比が急激に最大(フルロー)に変化するため、V字状ベルトにスリップが生じ、ベルト及び駆動側プーリ、被動側プーリが損傷するという不都合がある。
【0032】
また、中高速走行時であれば、急激なエンジンブレーキがかかることとなり、タイヤがスリップし、車両安定性が損なわれるという不都合がある。
【0033】
更に、上述したV字状ベルトのスリップを回避するために、クラッチの締結力(クラッチに作用する油圧)を落とし、クラッチをスリップさせて駆動力を吸収する方策がある。この方策においては、ベルト及び駆動側プーリ、被動側プーリの損傷防止及びタイヤのスリップ防止を行うという利点がある。
【0034】
しかし、レシオソレノイドの故障時に、クラッチのスリップによる発進時、加速時のもたつきが生ずるとともに、クラッチの摩耗耐久性等が問題となるという不都合がある。
【0035】
このため、この発明は、
駆動側プーリの油圧室からのドレン回路の途中に、レシオソレノイドの作動不良時に比較的流路抵抗の大きな回路に切り換えるべく動作するフェールセーフ用のレシオシフトバルブを設け、レシオソレノイドの断線等による作動不良時における急激な変速を回避することを目的としている。
【0036】
【課題を解決するための手段】
そこで、この発明は、上述不都合を除去するために、駆動側プーリと被動側プーリとの各溝幅を夫々プライマリ圧とライン圧との圧油により相対的に増減させることにより前記駆動側プーリと被動側プーリとに巻掛けられたベルトの回転半径を相対的に減増させて変速比を変化させる無段変速機において、オイルポンプと潤滑・冷却系統部とを連通するライン油路を設け、このライン油路にプレッシャレギュレータバルブを設け、前記オイルポンプとプレッシャレギュレータバルブ間で前記駆動側プーリに連絡するプライマリ油路を設けるとともに前記被動側プーリに連絡するセカンダリ油路を設け、前記プライマリ油路にレシオコントロールバルブを設け、このレシオコントロールバルブに連絡するレシオソレノイドを設け、このレシオソレノイドの非通電時には変速比がローになる構成とし、前記プライマリ油路の前記駆動側プーリとレシオコントロールバルブ間またはレシオコントロールバルブのドレン側にはレシオソレノイドの作動不良時に比較的に流路抵抗の大きな回路に切り換えるべく動作するレシオシフトバルブを設け、前記無段変速機にロックアップ機能を有するトルクコンバータを設け、前記レシオシフトバルブに連絡するロックアップ制御弁を設け、前記レシオシフトバルブの作動油圧としてロックアップ制御弁のロック アップ作動油圧と前記レシオコントロールバルブの作動油圧との少なくともいずれか一方を使用する構成としたことを特徴とする。
【0037】
【発明の実施の形態】
上述の如く発明したことにより、レシオソレノイドの作動不良時には、レシオシフトバルブを比較的に流路抵抗の大きな回路に切り換え、レシオソレノイドの断線等による作動不良時における急激な変速を回避している。
【0038】
【実施例】
以下図面に基づいてこの発明の実施例を詳細に説明する。
【0039】
図1〜図5はこの発明の第1の参考例を示すものである。図2において、2は車両(図示せず)に搭載される内燃機関、4はこの内燃機関2に連結された無段変速機(CVT)、6は変速機ケースである。この変速機ケース6は、第1ケース6−1と第2ケース6−2と第3ケース6−3とからなる。
【0040】
無段変速機4の変速機ケース6内においては、図2に示す如く、内燃機関2のクランク軸8と同軸心上に配置された入力軸10と、この入力軸10と同軸心上に配置された駆動側軸(「プライマリシャフト」ともいう)12と、この駆動側軸12と平行に配置された被動側軸(「セカンダリシャフト」ともいう)14と、この被動側軸14と同軸心上に配置された出力軸16と、この出力軸16及び被動側軸14と平行に配置されたカウンタ軸18と、駆動側軸12の内燃機関2側の端部位に配置されたトルクコンバータ20と、このトルクコンバータ20に隣接したオイルポンプ22と、このオイルポンプ22に隣接した前後進切換機構24と、この前後進切換機構24に隣接して駆動側軸12の内燃機関2から離れた端部位に設けられた駆動側プーリ(「プライマリプーリ」ともいう)26と、この駆動側プーリ26に対応して被動側軸14の内燃機関2から離れた端部位に設けられた被動側プーリ(「セカンダリプーリ」ともいう)28と、駆動側プーリ26と被動側プーリ28とに巻掛けられた金属製のベルト30と、被動側軸14と出力軸16との間に設けられたクラッチであるアウトプットクラッチ32と、出力軸16とカウンタ軸18との間に設けられたリダクションギヤ機構34と、カウンタ軸18に連結されたファイナルギヤ機構36と、このファイナルギヤ機構36に連結された差動機38とが設けられている。駆動側軸12と被動側軸14と出力軸16とカウンタ軸18とは、変速機ケース6に回転自在に支持されている。前後進切換機構24には、フォーワードクラッチ40とリバースクラッチ42とが設けられている。
【0041】
従って、この第1の参考例において、無段変速機4には、駆動側プーリ26と被動側プーリ28とベルト30とによって変速部44が構成され、また、この変速部44の内燃機関2側の前段に前後進切換機構24が配設され、変速部44のタイヤ(図示せず)側の後段にアウトプットクラッチ32が配設される。
【0042】
駆動側プーリ26にあっては、駆動側軸12に固定した駆動側固定プーリ片46と駆動側軸12に軸方向移動可能且つ回転不可能に装着した駆動側可動プーリ片48とが設けられ、また、この駆動側可動プーリ片48の背面で駆動側油室50を形成する駆動側油室ハウジング52が設けられている。被動側プーリ28にあっては、被動側軸14に固定した被動側固定プーリ片54と被動側軸14に軸方向移動可能且つ回転不可能に装着した被動側可動プーリ片56とが設けられ、また、この被動側可動プーリ片56の背面で被動側油室58を形成する被動側油室ハウジング60が設けられている。
【0043】
リダクションギヤ機構34は、出力軸16に一体的に形成されたリダクションドライブギヤ62とこのリダクションドライブギヤ62に噛合してカウンタ軸18に固定されたリダクションドリブンギヤ64とからなる。
【0044】
ファイナルギヤ機構36は、カウンタ軸18に固定されたファイナルドライブギヤ66と、このファイナルドライブギヤ66に噛合するファイナルドリブンギヤ68とからなる。このファイナルドリブンギヤ68は、差動機38のデフケース70に固定されている。
【0045】
アウトプットクラッチ32は、被動側軸14にスプライン結合されたクラッチハブ72と、このクラッチハブ72の外縁部位に設けられた複数のクラッチディスク74と、出力軸16に固定されたクラッチハウジング76と、このクラッチハウジング76の外縁部位に固定されてクラッチディスク74と交互に配置された複数のクラッチプレート78と、クラッチハウジング76の端部位に固定されたクラッチエンドプレート80と、クラッチ油室82を形成するクラッチピストン84と、このクラッチピストン84を戻すように付勢するクラッチスプリング86とからなる。
【0046】
図1に示す如く、駆動側プーリ26と被動側プーリ28と前後進切換機構24とアウトプットクラッチ32とトルクコンバータ20とは、バルブボディ88に構成した油圧回路90の油圧状態によって作動される。
【0047】
このバルブボデイ88には、オイルポンプ22と潤滑・冷却系統部92とを連絡するライン油路94が設けられている。このライン油路94には、オイルポンプ22側から順次に、プレッシャレギュレータバルブ96と、クラッチコントロールバルブ98と、トルコンレギュレータバルブ100とが設けられている。
【0048】
また、ライン油路94には、オイルポンプ22とプレッシャレギュレータバルブ96との間で駆動側プーリ26に連絡するプライマリ油路102と被動側プーリ28に連絡するセカンダリ油路104とが連絡し、また、プレッシャレギュレータバルブ96とクラッチコントロールバルブ98との間で前後進切換機構24に連絡する前後進切換油路106とアウトプットクラッチ32に連絡するクラッチ油路108とが連絡し、クラッチコントロールバルブ98とトルコンレギュレータバルブ100との間でトルクコンバータ20に連絡するトルコン油路110が連絡している。
【0049】
このとき、前記駆動側プーリ26とレシオコントロールバルブ112間またはレシオコントロールバルブ112のドレン側に、レシオソレノイド124の作動不良時に比較的に流路抵抗の大きな回路、例えばオリフィス132側に切り換えるべく動作するレシオシフトバルブ114を設ける。
【0050】
詳述すれば、前記プライマリ油路102にレシオコントロールバルブ112とこのレシオコントロールバルブ112と駆動側プーリ26との間にレシオシフトバルブ(方向制御バルブ)114とが設けられ、前後進切換側油路106にマニュアルバルブ116が設けられ、クラッチ油路108にニュートラルコントロールバルブ118が設けられ、トルコン油路110にロックアップコントロールバルブ120が設けられている。
【0051】
更に、プレッシャレギュレータバルブ96に連絡するラインソレノイド122が設けられ、レシオコントロールバルブ112及びレシオシフトバルブ114に連絡するレシオソレノイド124が設けられ、ニュートラルコントロールバルブ(圧力制御バルブ)118に連絡するデューティ用ソレノイドであるニュートラルソレノイド126が設けられ、ロックアップコントロールバルブ120に連絡するロックアップソレノイド128が設けられている。
【0052】
これらラインソレノイド122とレシオソレノイド124とニュートラルソレノイド126とロックアップソレノイド128とは、変速機制御手段(「CVTコントローラ」、「制御ユニット」ともいう)130によって作動され、各バルブを作動制御するものである。
【0053】
そして、このレシオコントロールバルブ112及びレシオソレノイド124は、レシオソレノイド124の非通電時に変速比がローとなるように構成する。
【0054】
この場合に、レシオシフトバルブ114は、前記レシオソレノイド124の作動不良時に、前記駆動側プーリ26とレシオコントロールバルブ112間のプライマリ油路102のプライマリ圧を低下させるものであり、レシオコントロールバルブ112のドレンに比べドレンの抵抗が大きく設定してある。ニュートラルコントロールバルブ118は、アウトプットクラッチ32への油圧をゼロからクラッチ圧の間で調整するものである。レシオコントロールバルブ112及びレシオシフトバルブ114は、一のレシオソレノイド124によって制御される。また、ニュートラルコントロールバルブ118は、ニュートラルソレノイド126によって制御される。
【0055】
なお、符号132は、前記レシオシフトバルブ114のドレン側に設けられるオリフィスである。
【0056】
また、前記レシオシフトバルブ114の作動油圧としては、レシオコントロールバルブ112の作動油圧を使用するとともに、前記レシオシフトバルブ114の切り替わるデューティ比を前記レシオコントロールバルブ112の切り替わるデューティ比よりも前記レシオソレノイド124の非通電時のデューティ比側とするものである。
【0057】
次に作用を説明する。
【0058】
通常変速制御時には、図3に示す如く、流量制御弁を用いたレシオコントロールバルブ112ではプライマリ圧を調整するためのデューティ用ソレノイドであるレシオソレノイド124のデューティ比は中立値付近で変速比を制御している。通常のデューティ比では、レシオシフトバルブ114はオープン状態にあり、レシオコントロールバルブ112からの油はレシオシフトバルブ114を通過して駆動側プーリ26に流れ、図5に示す如く、プライマリ圧を発生させる。
【0059】
そしてこのとき、制御ユニットである変速機制御手段130からの断線等が起こると、レシオコントロールバルブ112は発進性を考えてフルロー状態となるように構成されており、レシオソレノイド124の断線によって駆動側プーリ26内の油がレシオコントロールバルブ112のドレンから一気に抜け、急激なシフトダウンが起こる状態となるが、図4に示す如く、レシオシフトバルブ114がカット状態に作動し、駆動側プーリ26からの油はレシオシフトバルブ114のドレン側へ導かれる。
【0060】
また、このドレンポート部分は、急激な油の流出を抑えるためのオリフィス132によって絞られており、このオリフィス132によって急激なプライマリ圧の減少を防止し、ゆつくりとしたシフトダウンが行われる。
【0061】
更に、レシオコントロールバルブ112とレシオシフトバルブ114間の油の流れが断たれており、このフェールセーフ時のシフトダウンの変速速度は、ドレン側に設けられたオリフィス132の径によって調整される。
【0062】
このように、断線等の故障時においても、ベルト30はフルロー状態にまでゆっくりと変速され、停車後もロー状態の走行が可能となる。
【0063】
これにより、前記プライマリ油路102に設けたレシオシフトバルブ114によって、レシオシフトバルブ114のドレン側が故障時のダウンシフト側変速の変速速度を制御するので、レシオコントロールバルブ112の設計に故障時のダウンシフト側変速の変速速度を考慮する必要がなくなり、従来のものに比し、変速に及ぼす影響を少なくすることができ、実用上有利である。
【0064】
また、流量関係を考慮する必要性が少なくなることにより、レシオシフトバルブ114の大きさを小さくすることができる。
【0065】
更に、駆動側プーリ26とレシオコントロールバルブ112間のプライマリ油路102途中にレシオソレノイド124の作動不良時に前記オリフィス132側に切り換えるべく動作するレシオシフトバルブ114を設ける構成としたことにより、従来のものに比し、油圧回路構成の自由度を大とし得る。
【0066】
更にまた、前記レシオシフトバルブ114の作動油圧として、レシオコントロールバルブ112の作動油圧を使用するとともに、前記レシオシフトバルブ114の切り替わるデューティ比を前記レシオコントロールバルブ112の切り替わるデューティ比よりも前記レシオソレノイド124の非通電時のデューティ比側とすることにより、断線時の現象を利用することとなり、特別な構成を必要とせず、簡略な構成でフェールセーフを実現することができるものである。
【0067】
そして、上述第1の参考例としては、レシオシフトバルブ114を設ける際に、駆動側プーリ26とレシオコントロールバルブ112間のプライマリ油路102途中に設ける構成としたが、駆動側プーリ26からドレンまでの間に、レシオソレノイド124の作動不良時に前記オリフィス132側に切り換えるべく動作するレシオシフトバルブ114を設ける構成であれば良く、例えば、図6に示す如く、レシオシフトバルブ142の設置位置を、駆動側プーリ26とレシオコントロールバルブ112間のプライマリ油路102途中ではなく、レシオコントロールバルブ112のドレンポート下流側に変更することも可能である。
【0068】
さすれば、通常の変速制御における駆動側プーリ26への給油(シフトアップ)の油路と、レシオシフトバルブ142は、独立に設けることができ、レシオシフトバルブ142の変速に及ぼす影響を少なくすることができるとともに、レシオシフトバルブ142の変更にて駆動側プーリ26からの排油(ダウンシフト)速度などのチューニングも容易となる。さらに油圧回路構成の自由度をより一層大とし得て、実用上有利である。
【0069】
図7及び図8は、この発明の第2の参考例を示すものである。
【0070】
この第2の参考例において、上述の第1の参考例のものと同一機能を果たす箇所には、同一符号を付して説明する。
【0071】
この第2の参考例の特徴とするところは、前記レシオシフトバルブ114の作動油圧としてロックアップ制御弁144のロックアップ作動油圧を使用する構成とした点にある。
【0072】
そして、この第2の参考例の主要な構成要件は、以下の如くである。
(1)ロックアップ機能を有するトルクコンバータ20とロックアップを制御するロックアップ制御電磁弁144とを有する。
(2)変速比制御電磁弁であるレシオソレノイド124が故障した時には、変速比が最大(フルロー)になる回路構成である。
(3)駆動側プーリ26のドレン回路の途中に方向制御弁であるレシオシフトバルブ114を設ける。
(4)レシオシフトバルブ114は、ロックアップ制御電磁弁144からの信号圧によって2位置に制御され、2つの回路を選択的に切り換える。
(5)2つの回路には抵抗差を付けておく。
(6)前記レシオシフトバルブ114は、低速走行時(トルコン 非ロックアップ時)に抵抗の少ない回路を選択し、中高速走行時(トルコン ロックアップ時)には抵抗の大きな回路を選択する。
(7)前記駆動側プーリ26の油圧で変速比を制御する。
【0073】
すなわち、前記無段変速機にロックアップ機能を有するトルクコンバータ20(図2参照)を設けるとともに、このトルクコンバータ20のロックアップを制御するロックアップ制御電磁弁144を設ける。
【0074】
詳述すれば、前記トルクコンバータ20は、変速比とは無関係にロックアップ、非ロックアップの制御がなされるものであり、基本的には、低速走行時に非ロックアップ、中高速走行時にはロックアップされるものである。
【0075】
そして、前記無段変速機においては、図7に示す如く、変速比制御弁であるレシオコントロールバルブ112と駆動側プーリ26の油圧室とを連絡する油路途中に方向制御弁であるレシオシフトバルブ114を設ける。このレシオシフトバルブ114は、ロックアップ制御電磁弁144の出力圧によって2位置に制御され、図8に示す如く、2つの回路である第1、第2回路146−1、146−2を選択的に切り換える。
【0076】
また、前記レシオシフトバルブ114によって切り換えられる2つの第1、第2回路146−1、146−2には、回路抵抗に差を設ける。つまり、第1回路146−1には、必要十分な回路面積を持たせて回路抵抗を小とし、第2回路146−2は、第1回路146−1に比し、回路抵抗を大とする。
【0077】
このとき、回路抵抗の調節には、図7に示す如く、第2回路146−2にオリフィス等からなる回路抵抗調節手段148を設ける構成としてもよい。
【0078】
前記レシオシフトバルブ114は、ロックアップ制御電磁弁144の出力圧に対して、非ロックアップ時には第1回路146−1を選択し、ロックアップ時には第2回路146−2を選択する。
【0079】
さすれば、変速比制御電磁弁であるレシオソレノイド124が故障した場合には、レシオコントロールバルブ112は駆動側プーリ26の油圧室の圧力を抜くために、ドレンポートを開く。
【0080】
このドレンポートを開く動作は従来のものと同様であるが、中高速走行中(ロックアップ時)であれば、駆動側プーリ26の油圧室の作動油は方向制御弁であるレシオシフトバルブ114を経由して、抵抗の大きい第2回路146−2からドレンされる。
【0081】
このため、変速比の変化速度が緩和され、ベルト及び駆動側プーリ、被動側プーリの損傷及びタイヤのスリップを低減することができるとともに、最終的には変速比が最大(フルロー)となるため、初期の目的である発進性が確保できる。
【0082】
一方、低速走行中(非ロックアップ時)は、抵抗の少ない第1回路146−1から作動油がドレンされることとなるが、はじめから変速比が大きいため、また前記トルクコンバータ20の吸収もあって、車両は不安定とならないとともに、低速時では発進準備がオリフィスを通さないために早くなり、変速比制御電磁弁であるレシオソレノイド124の故障によるベルト及び駆動側プーリ、被動側プーリの損傷及びタイヤのスリップ等の惧れがほとんどないものである。
【0083】
また、急加速時のキックダウンの際には、トルクコンバータ20のロックアップを解除し、抵抗の少ない第1回路146−1で駆動側プーリ26の油圧室に作動油を供給するため、変速応答遅れを回避できる。
【0084】
これにより、変速比制御電磁弁であるレシオソレノイド124が故障した時の発進性を確保しつつ、急減速時をはじめとする変速比を素早く変化させたい時(非ロックアップ時)には、支障のない変速を可能とすることができ、一方、中高速走行時(ロックアップ時)におけるレシオソレノイド124の故障の場合には、急激なダウンシフトを防止し、ベルト及び駆動側プーリ、被動側プーリの損傷を回避し、車両の安定性を確保することができ、実用上有利である。
【0085】
そして、この第2の参考例においては、変速比制御弁であるレシオコントロールバルブ112と駆動側プーリ26の油圧室とを連絡する油路途中に方向制御弁であるレシオシフトバルブ114を設ける構成としたが、図9に示す如く、方向制御弁であるレシオシフトバルブ114をレシオコントロールバルブ112のドレン回路152の途中に設ける構成とすることも可能である。
【0086】
すなわち、図9に示す如く、駆動側プーリ26とレシオコントロールバルブ112とを通常の連絡油路154によって接続し、このレシオコントロールバルブ112のドレン側とレシオシフトバルブ114とをドレン回路152によって連絡するものである。
【0087】
この場合、レシオコントロールバルブ112のドレン油路152に設けたレシオシフトバルブ114によって、レシオシフトバルブ114がダウンシフト側変速時のみ重要となる部分にあり、シフトアップ時にはレシオシフトバルブ114が関係しなくなり、従来のものに比し、変速に及ぼす影響を少なくすることができ、実用上有利である。
【0088】
更に、流量関係を考慮する必要性が少なくなることにより、レシオシフトバルブ114の大きさを小さくすることができる。
【0089】
更に、レシオコントロールバルブ112のドレン油路152に、レシオソレノイド124の作動不良時にオリフィス側に切り換えるべく動作するレシオシフトバルブ114を設ける構成としたことにより、従来のものに比し、油圧回路構成の自由度を大とし得る。
【0090】
また、図10に示す如く、トルクコンバータ20のロックアップ制御弁162に方向制御弁であるレシオシフトバルブの機能を持たせる構成とすることも可能である。
【0091】
すなわち、図10に示す如く、駆動側プーリ26を分岐した第1、第2油路164−1、164−2によってロックアップ制御弁162に連絡して設け、ロックアップ制御電磁弁144を第3油路164−3によってロックアップ制御弁162に連絡して設けるとともに、このロックアップ制御弁162を第4油路164−4によってレシオコントロールバルブ112に連絡して設け、方向制御弁であるレシオシフトバルブを使用しない構成とするものである。
【0092】
図11〜図14は、この発明の第1実施例を示すものである。
【0093】
この第1実施例において、上述の第1の参考例のものと同一機能を果たす箇所には、同一符号を付して説明する。
【0094】
この第1実施例の特徴とするところは、前記レシオシフトバルブ114の作動油圧としてロックアップ制御弁142のロックアップ作動油圧と前記レシオコントロールバルブ112の作動油圧との少なくともいずれか一方を使用する構成とした点にある。
【0095】
そして、この第1実施例の主要な構成要件は、以下の如くである。
(1)ロックアップ機能を有するトルクコンバータ20とロックアップを制御するロックアップ制御電磁弁144とを有する。
(2)前記駆動側プーリ26に作用する油圧で変速比を制御する。
(3)変速比制御電磁弁であるレシオソレノイド124が故障した時には、変速比が最大(フルロー)になる回路構成である。
(4)駆動側プーリ26のドレン回路の途中に方向制御弁であるレシオシフトバルブ114を設ける。
(5)レシオシフトバルブ114は、ロックアップ制御電磁弁144からの信号圧、及びレシオソレノイド124からの信号圧によって2位置に制御され、2つの回路を選択的に切り換える。
(6)2つの回路には抵抗差を付けておく。(第2の参考例に記載の如く、オリフィス等の回路抵抗増加手段を用いても良い。)
(7)前記レシオシフトバルブ114は、中高速走行時(トルコン ロックアップ時)に抵抗の大きな回路を選択する。
(8)レシオシフトバルブ114は、レシオソレノイド124が故障した場合に回路抵抗の大きな回路を選択する。
【0096】
すなわち、前記無段変速機にロックアップ機能を有するトルクコンバータ20(図2参照)を設けるとともに、このトルクコンバータ20のロックアップを制御するロックアップ制御電磁弁144を設け、変速比制御電磁弁であるレシオソレノイド124と方向制御弁であるレシオシフトバルブ114とを連絡する回路172を設ける。
【0097】
詳述すれば、前記トルクコンバータ20は、上述第2の参考例のものと同様に、変速比とは無関係にロックアップ、非ロックアップの制御がなされるものであり、基本的には、低速走行時に非ロックアップ、中高速走行時にはロックアップされるものである。
【0098】
そして、前記無段変速機においては、図11に示す如く、変速比制御弁であるレシオコントロールバルブ112と駆動側プーリ26の油圧室とを連絡する油路途中に方向制御弁であるレシオシフトバルブ114を設ける。このレシオシフトバルブ114は、ロックアップ制御電磁弁144及びレシオソレノイド124の出力圧によって2位置に制御され、図12及び図14に示す如く、2つの回路である第1、第2回路146−1、146−2を選択的に切り換える。
【0099】
また、前記レシオシフトバルブ114によって切り換えられる2つの第1、第2回路146−1、146−2には、回路抵抗に差を設ける。つまり、第1回路146−1には、必要十分な回路面積を持たせて回路抵抗を小とし、第2回路146−2は、第1回路146−1に比し、回路抵抗を大とする。
【0100】
このとき、回路抵抗の調節には、図11に示す如く、第2回路146−2にオリフィス等からなる回路抵抗調節手段148を設ける構成としてもよい。
【0101】
前記レシオシフトバルブ114は、ロックアップ制御電磁弁144の出力圧に対して、ロックアップ時に第2回路146−2を選択する構成とし、変速比制御電磁弁であるレシオソレノイド124の出力圧に対して、非常時にも第2回路146−2を選択する構成とする。
【0102】
このため、どちらの条件にも合致しない場合(通常走行且つ非ロックアップ時)には、第1回路146−1が選択される。
【0103】
さすれば、図14に沿って説明すると、中高速走行時(ロックアップ時)には、ロックアップ制御電磁弁144の出力圧力により、方向制御弁であるレシオシフトバルブ114は比較的抵抗の大きい第2回路146−2を選択する。
【0104】
このとき、変速比制御弁であるレシオコントロールバルブ112が故障しても、駆動側プーリ26の作動油はゆっくり排出されることとなり、変速比の変化速度が緩和され、ベルト及び駆動側プーリ、被動側プーリの損傷及びタイヤのスリップを低減することができる。
【0105】
また、アクセルペダルを急に踏み込んだ場合には、一時的にロックアップを解除し、変速比を大きくする(いわゆる「キックダウン」状態となる)。このキックダウンの場合は、ロックアップ解除に伴い、方向制御弁であるレシオシフトバルブ114は比較的抵抗の小さい第1回路146−1を選択するため、変速の応答遅れはない。
【0106】
低速走行時(非ロックアップ時)には、方向制御弁であるレシオシフトバルブ114は比較的抵抗の少ない第1回路146−1を選択し、この時点で変速比制御弁であるレシオコントロールバルブ112が故障すると、すぐに第2回路146−2に切り替わり、変速速度を緩和させる。
【0107】
これにより、変速比制御電磁弁であるレシオソレノイド124が故障した時の発進性を確保しつつ、急減速時をはじめとする変速比を素早く変化させたい時(通常走行、非ロックアップ時)には、応答遅れのない変速を可能とすることができ、一方、レシオソレノイド124の故障の場合には、急激なダウンシフトを防止し、ベルト及び駆動側プーリ、被動側プーリの損傷を回避し、車両の安定性を確保することができ、実用上有利である。
【0108】
あるいは、図15に示す如く、方向制御弁であるレシオシフトバルブ114に作用する変速比制御電磁弁であるレシオソレノイドとロックアップ制御電磁弁との夫々の出力圧力のいずれか一方、例えば高い方を選択的にレシオシフトバルブ114に作用させる回路構成とすることも可能である。
【0109】
すなわち、前記方向制御弁であるレシオシフトバルブ114に連絡する1本の連絡油路182を設け、この連絡油路182の途中部位を分岐して第1、第2連絡油路182−1、182−2を設け、第1連絡油路182−1を変速比制御電磁弁であるレシオソレノイドに連絡して設けるとともに、第2連絡油路182−2をロックアップ制御電磁弁に連絡して設け、前記連絡油路182の分岐部位には、出力圧力の高い方の連絡油路を連通状態とするチェックボール184を配設するものである。
【0110】
また、前記方向制御弁であるレシオシフトバルブ114を、図16に示す如く、変速比制御弁であるレシオコントロールバルブ112のドレン回路192途中に配設する構成とすることも可能である。
【0111】
すなわち、図16に示す如く、駆動側プーリ26を、方向制御弁であるレシオシフトバルブ114に連絡させずに、変速比制御弁であるレシオコントロールバルブ112に、連絡油路194によって連絡して設けるとともに、このレシオコントロールバルブ112のドレン回路192とレシオシフトバルブ114とを前記第1、第2回路146−1、146−2によって連絡して設けるものである。
【0112】
この場合、レシオコントロールバルブ112のドレン油路192に設けたレシオシフトバルブ114によって、レシオシフトバルブ114ダウンシフト側変速時のみ重要となる部分にあり、シフトアップ時にはレシオシフトバルブ114が関係しなくなり、従来のものに比し、変速に及ぼす影響を少なくすることができ、実用上有利である。
【0113】
更に、流量関係を考慮する必要性が少なくなることにより、レシオシフトバルブ114の大きさを小さくすることができる。
【0114】
更にまた、レシオコントロールバルブ112のドレン油路192に、レシオソレノイド124の作動不良時にオリフィス側に切り換えるべく動作するレシオシフトバルブ114を設ける構成としたことにより、従来のものに比し、油圧回路構成の自由度を大とし得る。
【0115】
【発明の効果】
以上詳細に説明した如くこの本発明によれば、レシオソレノイドが故障した時の発進性を確保しつつ、急減速時をはじめとする変速比を素早く変化させたい時(通常走行、非ロックアップ時)には、応答遅れのない変速を可能とすることができ、一方、レシオソレノイドの故障の場合には、急激なダウンシフトを防止し、ベルト及び駆動側プーリ、被動側プーリの損傷を回避し、車両の安定性を確保することができ、実用上有利である。
また、レシオシフトバルブによってレシオシフトバルブのドレン側がダウンシフト側変速時のみ重要となる部分であり、シフトアップ時にはレシオソレノイドが関係しなくなり、従来のものに比し、変速に及ぼす影響を少なくすることができ、実用上有利である。
更に、流量関係を考慮する必要性が少なくなることにより、レシオシフトバルブの大きさを小さくすることができる。
従来のものに比し、油圧回路構成の自由度を大とし得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の第1の参考例を示す無段変速機のバルブボデイの油圧回路の図である。
【図2】 無段変速機の断面図である。
【図3】 通常走行時の概略油圧回路の図である。
【図4】 フェールセーフ時の概略油圧回路の図である。
【図5】 油圧特性を示す図である。
【図6】 この第1の参考例の改良例を示す概略油圧回路の図である。
【図7】 この発明の第2の参考例を示す無段変速機の油圧回路の図である。
【図8】 レシオシフトバルブの概略拡大図である。
【図9】 この第2の参考例の第1の改良例を示す無段変速機の油圧回路の図である。
【図10】 この第2の参考例の第2の改良例を示す無段変速機の油圧回路の図である。
【図11】 この発明の第1実施例を示す無段変速機の油圧回路の図である。
【図12】 レシオシフトバルブの概略拡大図である。
【図13】 レシオソレノイドのデューティ比とレシオコントロールバルブの出力圧力との関係を示す図である。
【図14】 条件毎に選択される回路を示す図である。
【図15】 この第1実施例の第1の改良例を示すレシオシフトバルブの概略拡大図である。
【図16】 この第1実施例の第2の改良例を示す無段変速機の油圧回路の図である。
【図17】 この発明の従来技術の第1の従来例を示す概略油圧回路の図である。
【図18】 第2の従来例を示す無段変速機の概略断面図である。
【図19】 無段変速機の油圧回路の図である。
【図20】 レシオソレノイドのデューティ比とレシオコントロールバルブの出力圧力との関係を示す図である。
【符号の説明】
2 内燃機関
4 無段変速機(CVT)
6 変速機ケース
20 トルクコンバータ
22 オイルポンプ
26 駆動側プーリ(「プライマリプーリ」ともいう)
28 被動側プーリ(「セカンダリプーリ」ともいう)
30 ベルト
88 バルブボディ
90 油圧回路
92 潤滑・冷却系統部
94 ライン油路
96 プレッシャレギュレータバルブ
98 クラッチコントロールバルブ
100 トルコンレギュレータバルブ
102 プライマリ油路
104 セカンダリ油路
112 レシオコントロールバルブ
114 レシオシフトバルブ
116 マニュアルバルブ
118 ニュートラルコントロールバルブ
120 ロックアップコントロールバルブ
122 ラインソレノイド
124 レシオソレノイド
126 ニュートラルソレノイド
128 ロックアップソレノイド
130 変速機制御手段
132 オリフィス

Claims (1)

  1. 駆動側プーリと被動側プーリとの各溝幅を夫々プライマリ圧とライン圧との圧油により相対的に増減させることにより前記駆動側プーリと被動側プーリとに巻掛けられたベルトの回転半径を相対的に減増させて変速比を変化させる無段変速機において、オイルポンプと潤滑・冷却系統部とを連通するライン油路を設け、このライン油路にプレッシャレギュレータバルブを設け、前記オイルポンプとプレッシャレギュレータバルブ間で前記駆動側プーリに連絡するプライマリ油路を設けるとともに前記被動側プーリに連絡するセカンダリ油路を設け、前記プライマリ油路にレシオコントロールバルブを設け、このレシオコントロールバルブに連絡するレシオソレノイドを設け、このレシオソレノイドの非通電時には変速比がローになる構成とし、前記プライマリ油路の前記駆動側プーリとレシオコントロールバルブ間またはレシオコントロールバルブのドレン側にはレシオソレノイドの作動不良時に比較的に流路抵抗の大きな回路に切り換えるべく動作するレシオシフトバルブを設け、前記無段変速機にロックアップ機能を有するトルクコンバータを設け、前記レシオシフトバルブに連絡するロックアップ制御弁を設け、前記レシオシフトバルブの作動油圧としてロックアップ制御弁のロックアップ作動油圧と前記レシオコントロールバルブの作動油圧との少なくともいずれか一方を使用する構成としたことを特徴とする無段変速機の変速比制御装置。
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