JP3926843B2 - 食品級生物における海洋魚不凍ペプチドの発現及び食品におけるその適用 - Google Patents
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Description
極地魚類の血液は不凍ペプチド(又は、抗凍結ペプチドとも言う)の存在により凍結から保護されている。これらの不凍ペプチドはその構造により4種類に分類することができる(DaviesとHew,1990)。I型AFPはアラニン含量が高く、トレオニンとアスパラギン残基が等間隔で分配されており、α螺旋構造をもつ。II型AFPは特徴的な高い(8%)システイン含量をもつ。III型AFPは小さい(約64アミノ酸長)球状ペプチドである。最後のグループである不凍糖タンパク質は、特定二糖が結合した反復トリペプチドモチーフをもつ。これらの全ペプチドは共通して非束一性凝固点降下及び氷晶成長抑制性をもつ。これらの特徴は冷凍品の氷晶状態を改変するのに利用できると考えられる。魚類の血液からこれらのペプチドを精製するのは経済的に決して有効な方法とは思われないので、最新バイオテクノロジーを利用してAFPを大量生産する方法が求められている。
微生物における不凍ペプチドの生産に関する初期研究は酵母と大腸菌におけるI型AFPの発現に集中していた(Warrenら,1993,McKownら,1991)。大腸菌は毒素を生産する能力があるので、この細菌は一般に安全とみなす(GRAS)ことができず、食品産業用AFPの製造に使用するには問題がある。
酵母株のうちにはSaccharomyces cerevisiaeのようにGRAS生物とみなされるものが知られており、大腸菌と異なり、増殖培地に異種タンパク質を分泌する能力をもち、産物の下流処理を助長する。従って、酵母は種々の異種タンパク質の生産用宿主生物として魅力的である(Romanosら,1992)。
酵母におけるAFP生産の最初の報告は、合成I型AFPと末端を欠失させたStaphylococcus aureusプロテインAの融合物の細胞内蓄積に関するものであった(Warrenら,1993)。このペプチドは有害な凍結作用から酵母を保護すると主張された。I型AFP自体の細胞外生産については記載されていない。他の型のAFPについては全く記載されていない。
本研究室では、天然ニシナメタガレイ(Winter Flounder)I型AFP(HPLC6)の合成遺伝子を含む発現ベクターをもつ酵母形質転換細胞が構築されており(Driedonksら,1995)、これは現在放棄されている出願人のPCT出願第WO94/03617号に記載されている。これらの酵母による活性モノマーAFPの分泌は立証できなかった。有意な氷再結晶抑制活性を得る唯一の方法は、内因性酵母プロテアーゼによる後期処理により活性モノマーを生成できるように設計されたI型AFPのマルチマーを発現させることであった(Driedonksら,1995)。このアブローチは最終的に活性なI型AFPを生産できるが、部分的に処理された不均一形態のマルチマーAFPの分泌を伴った。活性ペプチドをモノマーとして得るように後期処理するのは工業生産目的には許容できないとみなされた。労力と費用が増すだけでなく、食品適用認可を得るにも問題があった。これはまず第1に、活性モノマーを得るための薬品の使用に起因し、第2に非天然配列の発現に起因する。
従って、食品級生物を使用して簡単で効果的に活性モノマーAFPを発現及び分泌させ、食品製造に適用可能な工業的に許容可能な方法を提供することは不可能であると思われた。
酵母でI型AFPを発現させることにより生じる問題を解決するために、本発明者らは酵母でオーシャンパウト(Ocean Pout、ゲンゲ科の魚の一種)からのIII型AFPを発現させようと試みた。III型AFPは小さい球状タンパク質であり、この理由からα螺旋I型AFPよりも酵母で発現させるのに適しているのではないかと考えた。
III型AFPはオーシャンパウト(Macrozoarces americanus)やオオカミウオ等の極地魚類の血液中に存在する(DaviesとHew,1990)。オーシャンパウトの血液を分画すると、III型AFPの少なくとも12種の異なる変種の存在が判明すると記載されている(図1、Hewら,1984、DaviesとHew,1990)。これらのペプチドは相同度が高く、少なくとも60%のアミノ酸が一致し、in vitro突然変異誘発は、氷に結合するために必要な全種のオーシャンパウトAFPに共通の1群の表面残基を立証している(Chaoら,1994)。23及び36位のグルタミン酸(Glu)の負電荷はポリペプチドの熱安定性と熱ヒステリシス活性に関与すると思われる(Liら,1991)。これに続く3種の保存アミノ酸である14位のアスパラギン(Asn)、18位のトレオニン(Thr)及び44位のグルタミン(Gln)もAFP−IIIの氷結合活性に重要な残基であると思われる(Chaoら,1994)。
本発明者らはオーシャンパウトIII型AFPのHPLC−1変種を酵母で発現させることに成功したが、III型AFPの十分活性なモノマーを分泌させることはできなかった。これでは上記問題を解決していないことは明白である。
更に、本発明者らは酵母により生産されるIII型AFPHPLC−1がオーシャンパウト血液から単離したAFP調製物と比較した場合に予想外に低い特異活性を示すことを確認した。この低い活性は恐らくペプチドの不適正な折り畳み又はHPLC−1変種の固有の低い特異活性に起因すると考えられた。ニシナメタガレイにみられるものよりも高活性のAFPを生産するためにこのような研究を続けても明らかに見込みがないと思われた。
本発明者らは更に、オーシャンパウト血液からのAFPを種々のHPLCフラクションに分画してその再結晶活性を分析し、HPLC−1以外のどのフラクションが本発明者らの所望の用途に潜在的に有用であるかを調べた。12種のIII型AFPフラクションのうちで試験濃度で再結晶抑制に活性な唯一のフラクションはHPLC−12であると思われた。従って、I型AFP及びIII型AFPのHPLC−1に伴う組換え生産の問題を解決できるならば、HPLC−12は有用であろうと判断した。
その後、I型AFPとIII型AFPの両者の上記実験を行った結果からみて全く予想外であったが、本発明者らは、III型AFP HPLC−12に決定されたアミノ酸配列をコードする核酸の酵母発現により、モノマーとして発現及び分泌され且つ活性の低下しない産物が得られることを発見した。こうして、組換えDNA技術を使用して純粋な活性AFPを製造する非常に適切な製造方法が入手可能になった。
また、モノマー自体として酵母により分泌される組換えHPLC−12がオーシャンパウト血液から単離したAFPの混合物の高い不凍ペプチド活性を示すことができることも実際に発見された。この不凍活性はニシナメタガレイI型AFPのほぼ2倍である。更に、産物はこのように他のAFPよりも再結晶アッセイで高活性であり、所望の用途に著しく適している。
天然に存在する種々のIII型AFPのアミノ酸組成、配列及び核酸配列は既に知られている。DaviesとHew(1990)はこれについて記載しており、ファージにおける魚のゲノムDNAのcDNAクローンに基づいてオーシャンパウトに決定されたHPLC−1,4,5〜7,9,11及び12の配列について1985年以降のLiらの論文と1988年以降のHewらの論文に言及している。Protein Science in 1994においてChao,H.らは、III型AFP HPLC−12のイソ型を二次元NMR試験のために大腸菌でどのように合成及び発現させるかを記載しており、不凍タンパク質における構造/機能関係の理解を助けると共に、氷結合のためのモチーフを定義している。次いで、核酸を突然変異させ、プロリン突然変異体である突然変異III型AFPポリペプチドを製造している。非突然変異組換えHPLC−12の熱ヒステリシス値をオーシャンパウトから単離したAFP即ちIII型AFPと比較している。活性プロフィルは標準誤差の範囲内で区別できないと記載されている。他のAFP型との比較は述べられていない。異常に高い熱ヒステリシス値は示されておらず、実際に値は全く与えられていない。再結晶性に及ぼす効果については全く記載されていない。本発明者らはここで熱ヒステリシス活性が再結晶性と無関係であることを指摘する。熱ヒステリシス値は結合強度の指標であり、再結晶アッセイのように不凍活性の尺度を与えるものではない。高いヒステリシス値を示すが、再結晶に効果がないか又はその逆のタンパク質の例は公知であり、相関の欠如を裏付けている。
組換えHPLC−1で得られる結果と、AFPに関する刊行物に開示されている内容を考慮すると、組換えHPLC−12の高いAFP活性は全く予想外であった。血液からのオーシャンパウトIII型AFPのセファデックスカラム分画により得られるようなIII型AFPフラクションの熱ヒステリシス値は、ニシナメタガレイAFP(I型)及びケムシカジカAFP(II型)の値と共にHewら,1984の論文の表1に与えられている。これらの値は、組換えDNA技術を用いずに該当種の血液に由来するフラクションから得たものである。AFP間の活性にはほんの僅かな差があり、QAE−Aが最高活性であると思われた。QAE−AはQAEセファデックスカラムで分離できた5種の異なる変種の1種であり、その後、HPLC−12に由来することが示された。しかし、その差は非常に僅かで測定変動による偏差の範囲内であると記載されている。熱ヒステリシス値の差は同一論文中でHewら自身が明らかに無関係として退けている。同著者らは「オーシャンパウトAFPの殆どは他の公知AFGP及びAFPで検出されると同等の熱ヒステリシスを示した」と述べている。その後の文献では種々の型の熱ヒステリシス値又はI型とIII型の比較は記載されていない。種々のフラクションの再結晶効果については全く教示又は示唆されていない。従って、単一のIII型AFPがニシナメタガレイAFPよりも著しく高い氷晶成長抑制特異活性を示すとは予想外であった。HPLC−12がI型AFPペプチド又は他のIII型AFPペプチドよりも著しく高い活性を示すことも開示又は示唆されていなかった。
III型HPLC−12のAFP活性が高いかどうかを試験するために、本発明者らはHPLCにより血液からのオーシャンパウトAFP調製物を分画し、個々のペプチド成分が氷晶成長を抑制する能力を試験した。本発明者らはHPLC−12変種が最高の特異活性をもつことを確認した。他の成分は魚III型AFP100mg/mlに等価の濃度で検出可能な活性を示さなかった。
こうして、本発明者らはI型AFPのほぼ2倍のAFP活性を示す純粋な食品級ポリペプチドの製造方法を見いだした。このポリペプチドはI型AFPとは対照的にモノマーとして分泌できるので、大規模生産に理想的であり、組換え技術により製造されるI型AFPよりも著しく少ない下流処理工程しか必要としない。更に、モノマーとしての発現は、オーシャンパウト血液中に天然に存在するペプチドとほぼ同一の製品を製造できることを意味する。このような製品は天然食品級生物であるオーシャンパウトに天然に存在するAFPと非常によく似ているため、食品用に許容され易い。
こうして本発明により、ニシナメタガレイI型AFPよりも内在的に高い特異活性をもつHPLC−12型の組換えIII型AFPを安価で非常に容易に大量生産することが初めて可能になった。本発明によるIII型不凍ペプチドは、特異再結晶抑制活性が高いため、アイスクリームや冷凍生地及び他の冷凍パン製品等の冷凍用食品で利用するのに最も有望な候補である。
この方法では活性ポリペプチド、好ましくはモノマーとしての発現産物の分泌が食品製造工程で現場で行われるため、AFP自体を加える必要がないという付加的利点もある。こうして発酵工程でIII型AFP HPLC−12に実質的に対応するポリペプチドを分泌することが可能な酵母を使用して発酵産物を製造することが可能になったため、食品製造工程でポリペプチドの精製やその後期添加等の付加段階を必要とせずに、III型AFP HPLC−12に実質的に対応するポリペプチドを現場で製造できるようになった。III型AFP HPLC−12に実質的に対応するポリペプチドを現場で発現できるため、良好な凍結性をもつ植物、果物もしくは野菜及びトランスジェニック動物又はその部分を開発することも今や可能である。
2.発明の詳細な説明
本発明は、例えば凍結後の製品の氷再結晶を防止又は抑制することにより例えば潜在的凍結損傷を最小限にするように氷晶成長プロセスを改変して特に再成長における氷の寸法及び形状特徴を変更した改善製品の製造方法に関し、該方法は、非改善製品又は非改善製品の製造で通常使用される成分もしくは混合物に、ニシナメタガレイからのI型AFPよりも高いAFP活性を示すIII型AFP HPLC−12に実質的に対応するアミノ酸配列をもつポリペプチド又はタンパク質を、氷晶成長を改変するに十分な量で加えることを特徴とする。製品は食品でも生物材料でもよい。生物材料は例えば動物臓器もしくは組織又は植物材料であり得る。特に、組換えポリペプチドを加えることができる。ポリペプチドは食品級状態の最終製品を提供するように食品級状態であることが好ましい。本発明による方法は製品が食品であると好ましい。適切なポリペプチドの特定態様は実施例に例示するような酵母AFPである。改善された凍結性を示す改善製品の製造を目的とする本発明の製造方法は、明細書の他の項で説明する同様に本発明の範囲に含まれる新規ポリペプチド製造方法で得られるAFPを加えると適切である。
「III型AFP HPLC−12のアミノ酸配列に実質的に対応するアミノ酸配列をもつポリペプチド又はタンパク質」なる用語は、オーシャンパウトから単離したHPLC−12のアミノ酸配列に等しいアミノ酸配列を意味し、更に、天然タンパク質と同一のAFP活性をもつポリペプチドをコードするものであれば公知アミノ酸配列と1又は2個のアミノ酸が異なるアミノ酸配列も意味する。突然変異又は差異はポリペプチドの活性に不可欠であると知られているアミノ酸には存在すべきでない。従って、プロリン残基は欠失又は置換していないことが好ましい。アミノ酸配列に差異がある場合にはサイレント突然変異であることが好ましく、置換はポリペプチドのヒドロパシープロフィルを変えず、従って、ポリペプチド構造と活性をさほど変えないと予想される保存性置換であり、即ち疎水性側鎖をもつアミノ酸は疎水性側鎖をもつ別のアミノ酸のみで置換し、親水性側鎖をもつアミノ酸は親水性側鎖をもつ別のアミノ酸のみで置換することが好ましい。HPLC−12とHPLC−1のアミノ酸相同度は60%未満である。60%を越える、好ましくは70%を越える、より好ましくは80%を越える相同度を示すアミノ酸配列がHPLC−12に類似の性質を示すポリペプチドを表すと予想することができ、従って、HPLC−12に実質的に対応するとみなされる。更に、前記アミノ酸配列によりコードされるポリペプチドは少なくともニシナメタガレイからのI型AFPのAFP活性、好ましくは少なくとも天然HPLC−12のAFP活性を示すべきである。AFP活性は定量しようとするポリペプチドの連続希釈液と、同量のI型AFP及び/又はオーシャンパウト血液から得られるような天然HPLC−12の希釈液を使用して再結晶アッセイで比較することにより定量できる。このような再結晶アッセイを実施及び評価することが可能な方法については実施例に例示する。上記特徴の全部又は多くを示すポリペプチドはHPLC−12に実質的に対応するとみなすことができる。
例えば凍結後の製品の氷再結晶を防止又は抑制することにより例えば潜在的凍結損傷を最小限にするように氷晶成長プロセスを改変して特に再成長における氷の寸法及び形状特徴を変更して性質を改善した改善製品の製造方法であって、非改善製品自体又は非改善製品を製造するために通常使用される成分もしくは混合物に、III型AFP HPLC−12のアミノ酸配列に実質的に対応するアミノ酸配列をもつ食品級組換えポリペプチド又はタンパク質を発現させることが可能な宿主生物を加え、次いで、非改善製品を製造するために通常使用される段階以外に明細書の他の項に開示するような本発明によるポリペプチド製造方法を実施することにより、III型AFP HPLC−12をコードする核酸配列を製品又は成分もしくは混合物で発現させるような条件下に宿主生物を置くことを特徴とする方法も本発明の範囲に含まれる。製品は食品又は生物材料が適切であり得る。生物材料は例えば動物臓器もしくは組織又は植物材料であり得る。特に、組換えポリペプチドを加えることができる。ポリペプチドは食品級状態の最終製品を提供するように食品級状態であることが好ましい。改善する製品を食品とする方法が好ましい。本発明による方法に適切なポリペプチドの特定態様は、実施例に例示するような酵母AFPである。AFPポリペプチド又はタンパク質を製品の混合物もしくは成分又は製品自体に放出するために、製造工程中又は後に宿主生物を死滅又は損傷させてもよい。このような死滅又は損傷は当業者に公知の多数の方法で実施することができ、ポリペプチド又はタンパク質のAFP活性が低下するほど苛酷な条件下で方法を実施しないように注意する必要がある。あるいは、成分もしくは混合物又は食品自体にAFPポリペプチド又はタンパク質を分泌することが可能な宿主生物を製造工程で使用してもよい。例えば、パン製品等の食品の製造工程ではパン酵母を宿主生物として利用できる。製造方法は焼く前又はその間に別の酵母即ちIII型AFP HPLC−12に実質的に対応するポリペプチド又はタンパク質を生地で発現及び分泌することが可能なDNA構築物を含む酵母を加える以外は通常通りに実施し、改善された凍結性をもつ生地又は焼き菓子製品を製造することができる。同様に、乳酸菌等の細菌を使用する方法も本発明の適切な態様を構成する。発酵を必要とするチーズ製造及びヨーグルト製造方法又は他の食品製造方法も本発明に含まれる型の方法である。
本発明により製品を改善する製造方法は、III型AFP HPLC−12に実質的に対応するアミノ酸配列をもつ組換えポリペプチド又はタンパク質が発現又は分泌された後に、AFPポリペプチド又はタンパク質をモノマー産物として得るためにプロテアーゼ又は薬品の添加する必要なしに実施できるという利点がある。
例えば凍結後の製品の氷再結晶を防止又は抑制することにより例えば潜在的凍結損傷を最小限にするように氷晶成長プロセスを改変して特に再成長における氷の寸法及び形状特徴を変更して性質を改善する製品改善用製品添加剤としての、上記に開示した態様のいずれかのIII型AFP HPLC−12に実質的に対応するアミノ酸配列をもつポリペプチド又はタンパク質の使用であって、ニシナメタガレイAFPで得られるよりも高い特異不凍活性を得るようにAFPにそれ自体公知の方法で実施することを特徴とする使用も本発明の範囲に含まれる。製品は食品が好ましい。製品は生物材料も適切である。タンパク質又はポリペプチドは組換えタンパク質又はポリペプチドであり得る。
製品を改善するための方法又は使用の好適態様は、製品が冷凍用製品であるような方法又は使用である。食品ではアイスクリームが適切な例である。上述のように、生地又はパン製品も有用である。
例えば凍結後の製品の氷再結晶を防止又は抑制することにより例えば潜在的凍結損傷を最小限にするように氷晶成長プロセスを改変して特に再成長における氷の寸法及び形状特徴を変更して性質を改善する食品改善用食品添加剤として、上記に開示した態様のいずれかのIII型AFP HPLC−12に実質的に対応するアミノ酸配列をもつ食品級組換えポリペプチド又はタンパク質を含む食品も本発明の範囲に含まれる。このような食品は、単にオーシャンパウトに天然に存在する形態及び数でオーシャンパウトHPLC−12のアミノ酸配列に対応するアミノ酸配列をもつポリペプチド又はタンパク質をコードする配列を含むオーシャンパウト等の天然食用生物を含まない。本発明による製品の適切な分類は非動物製品である。別の適切な分類は人造製品の分類である。植物製品も本発明による製品の適切な例である。本発明による食品は、上記態様のいずれかの製品改善方法又は使用により得られる。
特に、例えば凍結後の製品の氷再結晶を防止又は抑制することにより例えば潜在的凍結損傷を最小限にするように氷晶成長プロセスを改変して特に再成長における氷の寸法及び形状特徴を変更して改善された耐凍結性をもつ食品級組換え宿主生物を含む食品であって、食品級宿主生物が上記に開示した態様のいずれかのIII型AFP HPLC−12に実質的に対応するアミノ酸配列をもつ食品級組換えポリペプチド又はタンパク質を含むか及び/又はこれに囲まれており、及び/又は凍結前にこのようなポリペプチド又はタンパク質を発現及び/又は分泌することが可能な食品も本発明の範囲に含まれる。
このような組換え食品級宿主生物も本発明の保護範囲に含まれる。食品級組換え宿主生物は少なくとも1種のAFPコーディング核酸配列を発現することが可能であり、前記核酸配列はDNA構築物に含まれ、前記DNA構築物は天然宿主生物には存在せず、前記DNA構築物は、
(a)宿主生物で活性な強力で場合により誘導性のプロモーターと、
(b)下記(c)のAFPコーディング核酸配列の発現中に宿主生物により生産されるタンパク質を分泌することが可能な任意DNAシグナル配列中に存在していてもよいATG開始コドン(その場合にはシグナル配列はAFPコーディング核酸配列と同種でも異種でもよく、ATG開始コドンと同一読み枠に配置される)と、
(c)III型AFPタンパク質HPLC−12のアミノ酸配列に実質的に対応するアミノ酸配列をコードし、ATG開始コドンと同一読み枠に配置された少なくとも1種の核酸配列と、場合により、
(d)AFPコーディング核酸配列の3’末端に結合した停止コドン
をこの順序で含む。
このような組換え宿主生物の適切な態様はポリペプチド製造方法に関して以下に記載し、これらの生物自体も発明の範囲に含まれる。
本発明は更に、氷晶の成長及び形状改変活性を示す組換えポリペプチド又はタンパク質、即ちニシナメタガレイAFPの不凍活性よりも高い特異不凍活性を示す組換え不凍ペプチド(AFP)の製造方法にも関し、該方法は、
1)天然宿主生物には存在せず且つ
(a)宿主生物で活性な強力で場合により誘導性のプロモーターと、
(b)下記(c)のAFPコーディング核酸配列の発現中に宿主生物により生産されるタンパク質を分泌することが可能な任意DNAシグナル配列中に存在していてもよいATG開始コドン(その場合にはシグナル配列はAFPコーディング核酸配列と同種でも異種でもよく、ATG開始コドンと同一読み枠に配置される)と、
(c)III型AFPタンパク質HPLC−12のアミノ酸配列に実質的に対応するアミノ酸配列をコードし、ATG開始コドンと同一読み枠に配置された少なくとも1種の核酸配列と、場合により、
(d)AFPコーディング核酸配列の3’末端に結合した停止コドン
をこの順序で含むDNA構築物に含まれる少なくとも1種のAFPコーディング核酸配列の発現を生じるか又は誘導するような条件下で食品級宿主生物を培養することを特徴とする。
前記方法は場合により更に、それ自体公知の方法で更に処理することにより得られるAFPコーディング核酸配列から発現される産物を採取する段階を含んでもよい。III型AFPタンパク質HPLC−12のアミノ酸配列に実質的に対応するアミノ酸配列をコードする核酸配列の発現産物の分泌を得るために、DNA構築物は更に、宿主の培養中に宿主による分泌を可能にする宿主生物のシグナル配列も含んでいてもよい。宿主生物は微生物が適切である。適切な食品級微生物は酵母等の真菌類と、乳酸菌等の細菌類である。酵母細胞Saccharomyces cerevisiae、Saccharomyces fragilis、Saccharomyces lactisが適切な酵母宿主細胞の例である。どの酵母細胞が適切であるか、また、どの形質転換及び発現系を利用できるかは食品製造発酵方法の当業者により判断されよう(Romanosら,CampbellとDuffus)。乳酸菌Lactobacillus、Streptococcus及びBifidobacteriumも適切な細菌宿主生物の例であり、乳製品に関連する細菌の組換えDNA研究に携わる当業者に公知の通り、多数の菌株が知られ、適切な形質転換及び発現系が存在する(Gasson,1993)。FDAには公衆に入手可能な食品級生物のリストがある。当業者は食品級とみなされる生物、即ちGRAS(一般に安全と認められる)状態の生物を判断できる。特に、食品発酵及び乳製品製造に関連する生物が適切である。
「III型AFPタンパク質HPLC−12のアミノ酸配列に実質的に対応するアミノ酸配列をコードする1つの核酸配列」なる用語は、オーシャンパウトからの天然HPLC−12のアミノ酸配列を厳密にコードする任意の核酸を意味する。このような核酸は遺伝コードの縮重、即ち異なる核酸コドンが同一アミノ酸をコードするという事実による差異があってもよい。更に、天然タンパク質と同一のAFP活性をもつポリペプチドをコードするものであれば、既知アミノ酸配列と1又は2個のアミノ酸が異なるアミノ酸配列をコードする核酸配列も本発明の範囲に含まれる。突然変異又は差異はポリペプチドの活性に不可欠であると知られているアミノ酸には存在すべきでない。従って、プロリン残基は欠失又は置換していないことが好ましい。アミノ酸配列に変異がある場合にはサイレント突然変異であることが好ましく、置換はポリペプチドのヒドロパシープロフィルを変えず、従って、ポリペプチド構造と活性をさほど変えないと予想される保存性置換であり、即ち疎水性側鎖をもつアミノ酸は疎水性側鎖をもつ別のアミノ酸のみで置換し、親水性側鎖をもつアミノ酸は親水性側鎖をもつ別のアミノ酸のみで置換することが好ましい。HPLC−12とHPLC−1のアミノ酸相同度は60%未満である。60%を越える、好ましくは70%を越える、より好ましくは80%を越える相同度を示すアミノ酸配列がHPLC−12に類似の性質を示すポリペプチドを表すと予想することができ、従って、HPLC−12に実質的に対応するとみなすことができる。従って、「実質的に対応」なる用語は、天然HPLC−12のアミノ酸配列に60%を上回る相同度を示すアミノ酸配列をコードする核酸配列を意味する。更に、前記アミノ酸配列によりコードされるポリペプチドは、少なくともニシナメタガレイからのI型AFPのAFP活性、好ましくは少なくとも天然HPLC−12のAFP活性を示すべきである。AFP活性は、定量しようとするポリペプチドの連続希釈液と、被験ポリペプチドと同一希釈液中のI型AFP及び/又はオーシャンパウト血液から得られるような天然HPLC−12を使用して再結晶アッセイで比較すること、即ち同一w/vのポリペプチド又はタンパク質の比較により定量することができる。このような再結晶アッセイを実施及び評価することが可能な方法については実施例に例示する。上記特徴の全部又は多くを示すポリペプチドはHPLC−12に実質的に対応するとみなすことができる。
本発明の好適態様では、DNA構築物と宿主生物の培養条件は、III型AFPタンパク質HPLC−12のアミノ酸配列に実質的に対応するアミノ酸配列をもつモノマーポリペプチドを分泌するように選択される。従って、DNA構築物はIII型AFPタンパク質HPLC−12のアミノ酸配列に実質的に対応するアミノ酸配列のダイマー又はマルチマーをタンデムに発現しないことが好ましい。ダイマー又はマルチマーが生産されると、付加的な下流処理段階が必要になったり、活性ポリペプチドを分泌できなくなったりする。従って、DNA構築物はIII型AFPタンパク質HPLC−12のアミノ酸配列に実質的に対応するアミノ酸配列をコードする核酸配列をモノマー形態で含むことが好ましい。当然のことながら、DNA構築物はIII型AFPタンパク質HPLC−12のアミノ酸配列に実質的に対応するアミノ酸配列をコードする核酸配列の多重コピーをモノマー形態でタンデムに含んでいてもよい。
本発明の別の好ましい態様は、III型AFP HPLC−12に実質的に対応するアミノ酸配列をコードする核酸配列が該方法の宿主生物の好適コドンを含むDNA構築物を含む。これは、特に宿主生物で所定のコドンを避けることにより翻訳効率が増すという点で好ましい。原核生物、酵母及び植物で好ましいコドン使用はニシナメタガレイのコドン使用と異なる。例えばコドンGCA、GCG及びGCTの合計は大腸菌、S.Cerevisiae及びZ.maysでは公知遺伝子のアラニンコドンの65%以上に相当するが、ニシナメタガレイ等の魚類のアラニンコドンでは25%未満である。トレオニンコドンACA、ACG及びACTの場合も同様である(PCT/US90/02626)。乳酸菌及び酵母で好ましいコドン使用はこれらの微生物群に関する文献から得られる。どのコドンが好ましいかは、これらの特定発現生物を用いる組換えDNA技術の当業者により判断されよう。
宿主生物が酵母である場合には、DNA構築物の好ましい態様はシグナル配列としてS.cerevisiaeのα接合因子(α-mating factor)のDNAプレ配列を含む。別の態様では、プレ配列とAFPコーディング核酸配列の間にS.cerevisiaeのα接合因子のプロ配列も含んでいてもよく、従って、プレ配列とプロ配列とAFPコーディング核酸配列が同一読み枠に配置される。あるいは宿主生物が酵母である場合には、DNA構築物の好適態様はAFPをコードする核酸配列の前にS.cerevisiaeのインベルターゼシグナル配列を含む。
宿主生物が酵母である場合には、DNA構築物の好適態様はSaccharomyces cerevisiaeの誘導的GAL7プロモーター又は構成的GAPDHプロモーターを含む。他の宿主生物でDNA構築物に含まれる適切なプロモーターも周知である。
利用可能な形質転換系又はその要素の例は、酵母についてはCampbellとDuffus、植物についてはPCT/US90/0626及びvan den Elzenら(1985)、動物についてはHanahan(1988)の各文献に挙げられている。
本発明以前にこのような高いAFP活性を示すIII型AFP HPLC−12に実質的に等価の実質的に単離精製された食品級組換えポリペプチド又はタンパク質は製造されていなかった。ニシナメタガレイよりも高いAFP活性を示すIII型AFP HPLC−12に実質的に等価の実質的に単離された食品級組換えポリペプチド又はタンパク質が製造されたのはこれが最初である。本発明は、例えば凍結後の製品の氷再結晶を防止又は抑制することにより例えば潜在的凍結損傷を最小限にするように氷晶成長プロセスを改変して特に再成長における氷の寸法及び形状特徴を変更して改善された性質を示す実質的に純粋な単離組換え食品級ポリペプチド又はタンパク質、即ち同量のニシナメタガレイI型AFPよりも高いAFP活性を示す組換え不凍ペプチド(AFP)を含み、前記ポリペプチド又はタンパク質はIII型AFPタンパク質HPLC−12のアミノ酸配列に実質的に対応するアミノ酸配列をもつ。このような組換えポリペプチド、特に氷晶成長抑制活性等の上記改変活性を示す組換えポリペプチド又はタンパク質、即ち本発明の上記態様のいずれかに記載の方法により製造され、ニシナメタガレイよりも高い特異不凍活性を示す組換え不凍ペプチド(AFP)も本発明の範囲に含まれる。
2.材料と方法
2.1 菌株と増殖条件
プラスミドの増幅には大腸菌株JM109(endA1,recA1,syrA96,thi,hsdR17,rk-,mk+ relA1 supE44,Yanisch−Perronら,1985)を用いた。多重コピー組み込みプラスミドの形質転換にはS.cerevisiae株SU50(MATa,cir°,leu2,his4,can1; Verbakel,1991)を用いた。100μg/mlアンピシリンを含むルリア寒天プレートで大腸菌形質転換細胞を選択した(Sambrookら,1989)。必須アミノ酸(ヒスチジン20μg/ml、ウラシル20μg/ml)を補充した選択YNBプレート(アミノ酸を含まない0.67% Difco酵母窒素ベース、2%グルコース、2%寒天)で酵母株を保存した。同一液体培地を予備培養に使用し、30℃で48時間培養し、GAL7プロモーターを誘導するために5%ガラクトースを含むYP培地(1%Difco酵母エキス、2%Difcoペプトン)で1:10に希釈した。
プラスミド
AFP−IIIを含むプラスミドの詳細については表1に示す。
形質転換
JM109の形質転換はChungら(1989)に従った。酵母株の形質転換は主にBeckerら(1991)により記載されているようにエレクトロポレーションにより実施した。形質転換細胞を選択YNBプレートで回収した。当業者は種々の形質転換方法を実施できることを理解し得る。どのような方法を使用するかは形質転換しようとする生物に依存し、Sambrookら(1989)やCampbellとDuffus(1988)等の種々の便覧に詳細に記載されている。
分子生物学手順
制限酵素とDNA修飾酵素は製造業者により推奨されているように適用した。
オリゴヌクレオチドはApplied Biosystems 380A DNA合成器で合成し、標準手順により精製した。
AFP−IIIの精製
オーシャンパウト(Macrozoarces americanus)からのAFP−IIIはニューファンドランド島の近海で捕獲した魚の血液から精製した。AFP−IIIサンプルはHewら(1984)により記載されているように凝固した魚の血清の遠心分離により調製した。
カチオン交換クロマトグラフィー
カチオン交換クロマトグラフィーはSMARTシステム(Pharmacia Biotech)でMono Sカラム(HR5/5,Pharmacia Biotech)で実施した。サンプル緩衝液は10mM Na2HPO4/NaH2PO4(Merck)pH6.0とし、溶離は0→0.5M NaCl(Merck)直線勾配を100μl/分の流速で用いて実施した。μピークモニター(Pharmacia Biotech)を用いて214及び280nmでペプチドを検出した。システム温度を15℃に設定して一体型SMARTシステムフラクションコレクターを使用して214nmシグナルをモニターしながらフラクションを集めた。
逆相高性能液体クロマトグラフィー
SMARTシステム(Pharmacia Biotech)でμRPC C4/C18 SC2.1/10カラム(Pharmacia Biotech)を使用して逆相高性能液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)を実施した。Milli Q水中0.06%トリフルオロ酢酸(TFA,Merck)(溶媒A)中でサンプルをカラムに加え、Milli Q水中80%アセトニトリル(Merck)、0.054%TFA、(溶媒B)を使用して溶離した。使用した標準勾配は、100μl/分の流速で0分100%溶媒A、5分100%溶媒A、10分65%溶媒A、50分40%溶媒A、55分0%溶媒A、57.5分0%溶媒A、58分100%溶媒Aにプログラムした。μピークモニター(Pharmacia Biotech)を用いて214、256及び280nmの3種の波長でペプチドを検出した。システム温度を20℃に設定して一体型SMARTシステムフラクションコレクターを使用して214nmシグナルをモニターしながらピークを集めた。
0分100%溶媒A、10分60%溶媒A、35分55%溶媒A、36分45%溶媒A、45分45%溶媒A、46分0%溶媒A、50分0%溶媒A、50.1分100%溶媒A、60分100%溶媒Aの修正勾配によりAFP−IIIイソ型1、2及び3を分離した。緩衝液と全SMARTシステムの詳細は標準勾配で使用したものと同一である。
ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動
製造業者のプロトコルに従って16%ポリアクリルアミドTricineゲル(Novex)をXcell電気泳動セル(Novex)用いて泳動させた。サンプル緩衝液はNovex製品であり、3.0ml TRIS−HCl 3.0M,2.4mlグリセロール,0.8g SDS,1.5ml 0.1%クーマシーブルーG,0.5ml 0.1%フェノールレッド及び5%β−メルカプトエタノールから構成されるものを蒸留水で最終容量10mlに調整し、pH=8.45とした。移動用緩衝液もNovex製品であり、合計1リットルの蒸留水中に12.1g TRIS,17.9g Tricine及び1g SDSを含むものとし、pH値は約pH8.3とした。40%エタノール(Merck)、10%酢酸(Merck)及び50%蒸留水の溶液に溶かした10%クーマシーブリリアントブルーR250(Bio−Rad)を使用してゲルを着色し、この溶液をマイクロ波で45秒間加熱した後、ゲルを回転震盪器で15分間染色した。ゲルを10%エタノール(Merck)、7.5%酢酸(Merck)及び82.5%蒸留水の溶液で脱色した。分子量測定の場合には、MARK12予備染色マーカー(Novex)を用いた。
ウェスタンブロッティング
製造業者のプロトコルに従ってウェスタントランスファーブロットモジュール(Novex)でトランスブロットトランスファー培地(Bio−Rad)を使用してNovex Tricineゲルをブロットした。ブロッティング後、膜を150mM NaCl,50mM Tris/HCl(pH7.4)中5%脱脂粉乳でブロックした後、150mM NaCl,50mM Tris/HCl,0.1%Tween 20(pH7.4)及びオーシャンパント不凍ペプチドに対するモノクローナル抗血清中1%脱脂粉乳中でインキュベートした。S基の判定とQ基の判定に用いる2種の異なる抗体を入手した(M.M Gani,Unilever Research,Colworth House Laboratoryから寄贈)。温和に撹拌しながら室温で一晩インキュベートした。未吸着抗体をインキュベーション用緩衝液で洗浄して除去した(3×5分)。膜を二次抗体(ヤギ抗マウスIgG(H+L)、アルカリ性ホスファターゼ結合体、BioRad,Richmond)と共に室温で2時間インキュベートした。BCIP/NBT(BioRad)を使用して酵素を展開した。
トリプシン消化
トリプシン消化に備え、サンプルを0.1M NH4HCO3緩衝液(pH8.3)に溶かした。トリプシン(TPCK処理、Worthington,Millipore Corporation)を1:100の酵素:基質比で加えた。30分後にpHを調べ、同一量のトリプシンをもう一度加えた。37℃で一晩インキュベーションを行った。TFAを加えて消化を停止し、pH値をpH2にした。SMARTシステム(Pharmacia)でRP−HPLCによりペプチドを分離した。
N末端アミノ酸配列分析
製造業者のプロトコルに従ってLF 3000タンパク質シーケンサー(Beckman)でN末端アミノ酸配列分析を行った。自動RP−HPLCシステムであるシステムGold(Beckman)でアミノ酸のPTH誘導体を分析した。
アミノ酸分析によるタンパク質定量
1%フェノールを含む6M HCl中でAFP−IIIサンプルを110℃で減圧下に24時間加水分解した後、乾燥した。分析は製造業者のプロトコルを使用してアルファプラスシリーズ2アミノ酸分析器(Pharmacia Biotech)で実施した。
再結晶アッセイ
AFP−III活性を試験しようとするサンプルをスクロース粉末と混合し、30容量%スクロース溶液とした。この溶液の一部を顕微鏡スライドに載せ、蒸発しないようにカバースリップを被せてLinkam THMS冷却段に置き、冷却段をLinkam CS 196冷却システムに接続してLinkam TMS 91コントローラーにより制御した。この溶液を−40℃まで急冷(δ99℃/分)した後、−6℃まで加熱した。−6℃で30分間インキュベートする間に氷晶の成長を顕微鏡試験した。
HPLC精製ペプチドのアッセイに備え、精製AFP−IIIイソ型を含むRP−HPLCカラムからのサンプルをMilli Q水で1回再水和段階後にSpeed Vac Concentrator(Savant)で2回乾燥した。2度目の乾燥段階後にサンプルをMilli Q水100μlに可溶化し、pHを調べ、RP−HPLC緩衝系からの全TFAが除去されていることを確認した。サンプルをλ=214nmで0.700の吸光度値まで希釈し、約0.1μg/mlの魚AFP−III溶液と等価にした。サンプルが等量のAFP−IIIを含んでいることを確かめるために、アミノ酸分析により事後確認した。精製サンプルAFP−IIIイソ型を使用した場合には、N末端アミノ酸配列分析によりその純度を調べた。
補給バッチ発酵(Fed batch fermentation)
接種手順:適当な形質転換細胞を25mlの最小培地で30℃で300rpmで一晩培養した。次に、2%グルコースを含むYP500mlを入れた1000ml容震盪フラスコに培養物を移し、30℃で300rpmで一晩培養した。この培養物を補給バッチ実験の接種材料として使用した。
以下のバッチ培地を使用した。110gグルコース・1H2Oに脱イオン水を加えて500gとした。25g Trusoy,50g酵母エキス(Ohly),10.5g K2HPO4,5ml 1000×Egliビタミン溶液,50ml 100×Egliトレーサー金属(Egli,1980),0.25g L−ヒスチジン・HCl(Sigma),3g MgSO4,2g消泡剤に脱イオン水を加えて4500gとした。グルコース溶液は熱滅菌し、ビタミン溶液は別個に濾過滅菌した。他の全成分は発酵槽で熱滅菌した。温度は30℃に調節し、pHは5.0の値に調節した。発酵槽に材料を接種し、空気流速2リットル/分及び撹拌機速度600rpmで細胞を培養した。18時間後に補給相を開始した。
以下の補給培地を使用した。グルコース・1H2O 1100gに脱イオン水を加えて1750gとした。62.5g酵母エキス(Ohly),30g K2HPO4,5ml 1000×Egliビタミン溶液,50ml 100×Egliトレーサー金属(Egli,1980),6.25g L−ヒスチジン・HCl(Sigma),6.25g MgSO4・7H2O,2g消泡剤に脱イオン水を加えて850gとした。
Keulers(1993)により記載されているようなソフトウェアツールにより補給ポンプを1.05の一定RQ値(生成CO2モルと消費O2モルの比)に調節した。37時間後に培養物を回収した。
実施例1:III型AFPをコードする合成遺伝子の構築
Saccharomyces cerevisiae中で発現するように最適化されたHPLC I 抗凍結ペプチドをコードするヌクレオチド配列を以下のように構築した:主として、優先的に用いられるS.cerevisiaeコドン中に発現した成熟AFPのDNA配列を含む12個からなる1セットのオリゴヌクレオチド(invafp1、invafp2、invafp3、invafp4、invafp5、invafp6、invafp7、invafp8、invafp9、invafp10、invafp11及びinvafp12)を合成した。該合成遺伝子は、PstI及びHindIIIにより産生された付着端に対して適合性の5′一本鎖領域を含むように設計した(図2)。
合成AFP遺伝子アセンブリーを得るために、各50pmolのオリゴヌクレオチドを12μlの水に溶解し、95℃で2分間インキュベートし、そのまま氷上に置いた。この変性ステップの後、オリゴヌクレオチドを、2.5mMのATP、5mMのDTT及び約10Uのポリヌクレオチドキナーゼを含む最終容量20μl中37℃で40分間リン酸化し、次いで95℃で2分間変性させて、氷上に置いた。各10μlのリン酸化オリゴヌクレオチドをそれらに最も相補的なDNAオリゴヌクレオチドと混合して二重鎖を形成させた。95℃で2分間インキュベートして変性させた後、各二重鎖をゆっくり30℃に冷却した。再度、全部で6種の二重鎖混合物各10μlをプールし、50mMのTris/HCl(pH7.5)、8mMのMgCl2、8mMのDTT、40μg/mlのゼラチン及び10UのDNAリガーゼを含む最終容量100μl中20℃で2時間インキュベートした。次いで、連結混合物を沈降させ、30μlのTE緩衝液に再溶解した。混合物15μlを2%アガロースゲル上に置き、ゲルから予測サイズ(約224塩基対)のDNAバンドを切り出し、最後に、供給業者により推奨されたGene Clean II手順に従って精製した。
次いで、得られたDNAフラグメントをPstI/HindIII線状化ベクターpTZ19R(Pharmacia)に連結し、標準的手順に従ってE.coli JM109に形質転換した。わずかに変更を加えたアルカリ溶解微小分離法(alkaline-lysis mini-preparation method)に従って数個の形質転換体のプラスミドDNAを単離し、数種の酵素を用いて制限分析により分析した。そのようなプラスミドの1つに含まれていた挿入体の配列を、二本鎖プラスミドのサンガージデオキシ配列決定法(Sangerら,1977)により確認した。合成AFP−IIIカセットのコード領域を含むこの中間体構築物をpUR7700と称した(図3)。
実施例2:AFP−III HPLC−1をコードする合成遺伝子を含む酵母発現ベクターの構築
pUR7700によって運ばれる合成AFP−III遺伝子は、酵母中でこのペプチドを発現させるのに必要な情報を全く含んでいない。この遺伝子を発現・分泌させるためには、AFP−III遺伝子と適当な分泌シグナル配列との翻訳融合体を含む構築物を作って、これらの融合体の配列を酵母遺伝子プロモーターの制御下に置かなければならない。
適当な分泌シグナル配列は、酵母により効率的に分泌されたタンパク質をコードする種々の遺伝子、例えば、SUC2がコードするインベルターゼ又はMFα1及びMFα2がコードするα接合因子から選択することができる。インベルターゼシグナル配列との適当な融合体を得るために、インベルターゼシグナル配列、GAL7プロモーターの一部及び適当な制限酵素部位を含むPCRフラグメントを作製して、インベルターゼシグナル配列と合成AFP−III遺伝子とを確実にフレームが合うように融合させた。
このフラグメントを得るために、以下の配列を用いてPCRプライマー、invafp14を設計した:
このプライマーをPCR反応の3′プライマーとして用い、GAL7プロモーター中に認められた配列とハイブリダイズさせる5′プライマーPG7 05 AF(Verbakel,1991)と組み合わせた。鋳型としてpUR2778プラスミドDNA(図4,van Gorcomら,1991)を用いて反応させ、約243bpのフラグメントを作製した。このフラグメントをアガロースゲルから溶離し、製造業者の指示に従ってGene Clean手順に従って精製した。次いで、精製されたフラグメントをSacI及びBamHIで消化し、得られた約88bpのフラグメントをプラスミドpTZ19Rの適切な部位に連結した。連結混合物を形質転換してE.coli JM109に導入し、1つの形質転換体からプラスミドDNAを単離し、配列決定して、クローン化挿入体の同一性を確認した。このプラスミドをpUR7701と称した(図5)。
インベルターゼシグナル配列と合成AFP−III遺伝子とのフレーム内融合体を得るために、pUR7700をNheI及びHindIIIで消化し、約196bpのフラグメントを単離し、pUR7701をNheI及びHindIIIで消化して形成した約2911bpのフラグメントと連結した。得られたプラスミドをpUR7702と称した(図6)。
同様な方法で、3′プライマーとしてプライマーMFαAFPIII:
を用いて、α接合因子プレプロシグナル配列を含むPCRフラグメントを作製した。
プライマーとしてMFαAFPIII及びPG7 05 AFを用い、pUR2660(WO94/03617号)DNA鋳型から、GAL7プロモーターの一部とプレプロα接合因子コード配列の全てを含むPCRフラグメントを作製した。pUR2660は、GAL7プロモーター制御下のプレプロα接合因子配列を含んでいる。得られた約462bpのフラグメントを上述のように精製し、SacI及びNheIで消化した。そのようにして得られた約292bPのフラグメントを、SacI及びNheIでpUR7702を消化して得られた約3025bpのフラグメントに連結した。連結して得られた数種のE.coli JM109形質転換体由来のプラスミドDNAの配列を決定して、正しいフラグメントがクローン化されていることを確認した。これらのプラスミドのうちの1種をpUR7703と称した(図7)。
酵母中でAFP−IIIカセットを発現し得るプラスミドを構築するために、合成遺伝子−シグナル配列融合体を以下のように種々の酵母発現ベクターに導入した:
標準法を用い、それぞれインベルターゼ及びα接合因子とAFP−IIIとの融合体を保有する、pUR7702の約278bpのSacI/HindIIIフラグメントとpUR7703の約488bpのSacI/HindIIIフラグメントとを別々に、SacI及びHindIIIで消化した酵母発現ベクターにクローン化した。これらの発現ベクターはどちらもS.cervisiae GAL7プロモーターを保有しているので、遺伝子をSacI部位に挿入すると、GAL7に誘導されて、挿入された遺伝子が形質転換され得る。
pUR7704(図8)は、pUR7702由来のインベルターゼシグナル配列AFP−IIIカセットを多重コピーリボソームDNA組込みベクターpUR2778に挿入して作製し、pUR7706(図9)は、SacI部位とHindIII部位の間に挿入されたpUR7703由来のα接合因子AFP−IIIカセットを含むpUR2778である。
実施例3:S.cerevisiaeにおけるAFP−IIIの発現
プラスミドpUR7704及びpUR7706を、酵母rDNA領域に組み込むためにHpaIで消化して線状化し、次いで電気泳動により別々にS.cerevisiae株SU50に導入した。形質転換体は、ロイシンの不在下に増殖する該形質転換体の能力に基づいて選択される。クローン化AFP−III遺伝子を発現させるために、先ず、pUR7704又はpUR7706を保有する形質転換体を液体最少培地中30℃で40時間増殖させ、次いで、新たに調製した誘導培地(酵母エキス1%、Difcoペプトン2%、ガラクトース5%)に1:10稀釈し、30℃でさらに48時間インキュベートした。その後、培養上清試料を氷の結晶の成長を阻害する該試料の能力についてテストした。
−6℃で30分間のインキュベーションを通して氷の結晶の成長を顕微鏡で調べた。合成AFP−III遺伝子を保有する酵母由来の上清試料は、形質転換されていない酵母又は発現ベクターは有するが合成AFP−III遺伝子を欠失する酵母の上清から調製した類似の対照試料に比べると氷の結晶の成長に対する阻害作用を有することが明らかに証明できた。しかし、該酵母により産生された物質の再結晶阻害活性は、等量の魚AFP標本の該活性より有意に低かった。
産生された抗凍結ペプチドをさらに分析するために、pUR7704及びpUR7706形質転換体の誘導培養物由来の試料10mlを4000rpmで5分間遠心し、細胞及び上清を収集し、−20℃で保存した。変性SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動を用いてタンパク質を分離し、抗AFP特異的モノクローナル抗体を用いてウエスタンブロッティングによりAFPを検出した。
pUR7704及びpUR7706を保有する酵母形質転換体由来の上清試料中に6.5kDの見かけ分子量を有するバンドが存在するということは、これらの形質転換体がAFP−IIIを産生し得ることを明らかに示している。該ペプチドを逆相HPLCにかけて精製し、N末端配列を決定した。この配列は、HPLC−1ペプチドが酵母により正しくプロセシング且つ分泌されたことを示していた。
実施例4:最も活性なオーシャンパウト抗凍結ペプチドサブタイプの同定
2段階手順を用いてAFP−III由来のイソ型を精製した。先ず、試料を陽イオン交換Mono Sカラムに装入し、記載勾配を用いて溶離した。溶離パターンを図10に示す。該カラムから1つの非遅延(non-retarded)ピーク(Qピーク)と4つの溶離ピーク(S1〜S4)を単離した。S1は、これらの条件下でのMono S陽イオン交換カラムに対する結合能が最も低いタンパク質を表し、S4は、該カラムに対する結合能が最も高いタンパク質を含む。ピークを収集し、記載勾配を用いるRP−HPLCカラムに装入した。全物質からのクロマトグラムを図11に示す。ピークはAFP−IIIのイソ型であり、特定条件を用いたこのカラム上での挙動に従って1から12までの番号が付されている。AFP−IIIのイソ型は全て25〜45分の間に溶離する。Q及びS1〜S4分画のRP−HPLCクロマトグラムを図12〜図16に示す。分画はそれぞれ異なるAFP−IIIイソ型を生成するが、どのAFPイソ型がどのピークに含まれていたかを表2に要約する。Mono Sカラム及びRP−HPLCカラムから収集した分画をマウス抗AFP−III抗血清を用いてテストしたが、S1からS4までの全てのイソ型はS型抗血清に対して陽性の反応を示し、Qグループからのイソ型12はQ型抗血清に対して陽性の反応を示した。5種のイソ型からN末端アミノ酸配列を決定した(表3)。AFP−IIIHPLC7のピークは魚リゾチームで汚染されていたが、同定された他のアミノ酸配列はAFP−IIIイソ型の既知配列と関連付けることができた。等量の精製タンパク質を抗凍結活性についてテストした。
再結晶阻害活性アッセイで証明されたように、AFP−IIIのHPLC−12イソ型のみが有意な抗凍結活性を示した。この知見を確認するために、HPLC−12イソ型の存在下及び不在下にオーシャンパウト(Ocean Pout)AFP−IIIイソ型を再構成した。再結晶アッセイにより証明されたように、完全に再構成されたペプチド標本は粗魚標本の活性を保持していたが、HPLC−12イソ型を欠失する標本は抗凍結活性が著しく減少していた。
イソ型12のトリプシン消化を用い、このイソ型の全アミノ酸配列を決定した。該配列は、文献記載(Davies及びChow,1990)の配列と同一であることが判明した。
実施例5:III型AFPのHPLC−12変異体をコードする合成遺伝子の構築
以下のように、インベルターゼシグナル配列に結合し且つSaccharomyces cerevisiae中での発現に最適化されたコドンを含むHPLC−12抗凍結ペプチドをコードするヌクレオチド配列を構築した:主として、優先的に用いられるS.cerevisiaeコドン中に発現した成熟AFPのDNA配列を含む15個からなる1セットのオリゴヌクレオチド(HPLC12.1、HPLC12.2、HPLC12.3、HPLC12.4、HPLC12.5、HPLC12.6、HPLC12.7、HPLC12.8、HPLC12.9、HPLC12.10、HPLC12.11、HPLC12.12、HPLC12.13、HPLC12.14及びHPLC12.15)を合成した。該合成遺伝子は、SacI及びHindIIIにより産生された付着端に対して適合性の一本鎖領域を含むように設計した(図17)
合成HPLC−12遺伝子アセンブリーを得るために、各50pmolのオリゴヌクレオチドを12μlの水に溶解し、95℃で2分間インキュベートし、そのまま氷上に置いた。この変性ステップの後、オリゴヌクレオチを、2.5mMのATP、5mMのDTT及び約10Uのポリヌクレオチドキナーゼを含む最終容量20μl中37℃で40分間リン酸化し、次いで、95℃で2分間変性させ、氷上に置いた。各10μlのリン酸化オリゴヌクレオチドをそれらと最も相補的なDNAオリゴヌクレオチドと混合して二重鎖を形成した。95℃で2分間インキュベートして変性させた後、各二重鎖をゆっくり30℃に冷却した。再度、全二重鎖混合物10μlをプールし、50mMのTris/HCl(pH7.5)、8mMのMgCl2、8mMのDTT、40μg/mlのゼラチン及び10UのDNAリガーゼを含む最終容量100μl中20℃で2時間インキュベートした。次いで、連結混合物を沈降させ、30μlのTE緩衝液に再溶解した。混合物15μlを2%アガロースゲル上に置き、ゲルから予測サイズ(約291塩基対)のDNAバンドを切り出し、最後に、供給業者により推奨されたGene Clean II手順に従って精製した。
このフラグメントを、SacI及びHindIIIで消化して、多重コピー組込みベクターpUR2778由来のベクターフラグメントに連結した。該挿入体の配列を確認し、得られたプラスミドをpUR7718と称した(図18)。
プラスミドpUR7718を、酵母rDNA領域に組み込むためにHpaIで消化して線状化し、次いで電気泳動によりS.cerevisiae株SU50に導入した。得られた形質転換体を、ロイシンの不在下に増殖するそれらの能力に基づいて選択した。
クローン化HPLC−12遺伝子を発現させるために、先ず、pUR7718を保有する形質転換体を液体最少培地中30℃で40時間増殖させ、次いで、新たに調製した誘導培地(酵母エキス1%、Difcoペプトン2%、ガラクトース5%)に1:10稀釈し、30℃でさらに48時間インキュベートした。次いで、培養上清試料を、氷の結晶の成長を阻害するそれらの能力についてテストした。
結果(再結晶アッセイ)は、培養上清が高レベルの抗凍結活性を有することを明らかに示している。これらの結果をHPLC−1変異体の酵母発現で得られた結果と比べて見ると、最低レベルのHPLC−12抗凍結活性しか生成しなかった形質転換体由来の上清でも、最高のHPLC−1形質転換体由来のものより優れていることが示された。
pUR7718を保有するSU50形質転換体を用いて補給バッチ発酵(fed batch fermentation)を行った。供給段階の後、1L容バケツを用いるJouan LR 5.22遠心機中4650rpm(7200g)で30分間遠心して細胞を収集した。氷再結晶阻害テストにかけて上清の抗凍結活性をテストした。非稀釈上清は結晶の成長を明らかに阻害したが、これは、培養上清中に高レベルの活性抗凍結ペプチドが存在することを示している。
この発酵体の上清をウエスタンブロットにかけると、AFPIII−HPLC12物質が分泌されたことが示された。酵母により産生されたHPLC12の見かけ分子量は、魚により産生されたHPLC12のものと等しかった。酵母により産生されたペプチドを精製し、アミノ酸配列を決定すると、該物質がオーシャンパウトにより産生されたHPLC12ペプチドと区別がつかないことが確認された。
参考文献
図面の説明
図1.III型AFPのイソ型。ボックスで囲まれた領域は同一領域を表し、四角で囲んだ(shaded)アミノ酸はペプチドの抗凍結特性に関して重要であると認められたものである。
図2.AFP−III型HPLC1をコードする合成遺伝子。
図3.合成AFP−III遺伝子を保有するプラスミド、pUR7700の構築を概略的に示す図。
図4.酵母発現ベクターpUR2778の制限マップ。
図5.インベルターゼシグナル配列を保有するプラスミド、pUR7701の構築を概略的に示す図。
図6.フレームが合うようにインベルターゼシグナル配列に結合させた合成AFP−III遺伝子を保有するプラスミド、pUR7702の構築を概略的に示す図。
図7.フレームが合うように接合因子プレプロ分泌シグナル配列と融合させた合成AFP−III遺伝子を保有するプラスミド、pUR7703の構築を概略的に示す図。
図8.フレームが合うようにインベルターゼシグナル配列に結合させた合成AFP−III遺伝子を保有する多重コピーrDNA組込みベクター、pUR7704の構築を概略的に示す図。
図9.フレームが合うようにプレプロ接合因子シグナル配列に結合させた合成AFP−III遺伝子を保有する多重コピーrDNA組込みベクター、pUR7706の構築を概略的に示す図。
図10.Mono Sカラムからのオーシャンパウト抗凍結ペプチドの溶離パターン。
図11.逆相HPLCで分離した抗凍結ペプチドのクロマトグラム。
図12.逆相HPLCで分離したMono S S1抗凍結ペプチドのクロマトグラム。
図13.逆相HPLCで分離したMono S S2抗凍結ペプチドのクロマトグラム。
図14.逆相HPLCで分離したMono S S3抗凍結ペプチドのクロマトグラム。
図15.逆相HPLCで分離したMono S S4抗凍結ペプチドのクロマトグラム。
図16.逆相HPLCで分離したMono S S1抗凍結ペプチドのクロマトグラム。
図17.III型AFP HPLC12インベルターゼシグナル配列融合タンパク質をコードする合成遺伝子。
図18.プラスミドpUR7718の概略図。
Claims (7)
- 組換えポリペプチド又はタンパク質の製造方法であって、
天然酵母には存在しないDNA構築物であって、
(a)酵母で活性な強力なプロモーターと、
(b)ATG開始コドンと、
(c)III型AFPタンパク質HPLC12のアミノ酸配列またはIII型AFPタンパク質HPLC12の該アミノ酸配列中の1もしくは2個のアミノ酸が欠失もしくは置換しているアミノ酸配列であって当該アミノ酸配列を有するポリペプチド又はタンパク質がIII型AFPタンパク質HPLC12と同一の不凍活性を有するアミノ酸配列をコードし、ATG開示コドンと同一の解読枠に配置された少なくとも1つの核酸配列と、
(d)AFPコード核酸配列の3’末端に結合した停止コドン
をこの順序で含むDNA構築物に含まれる少なくとも1つのAFPコード核酸配列の発現を生じるか又は誘導するような条件下で該酵母を培養する段階、および得られたAFPコード核酸配列から発現される産物を採取する段階を含む前記方法。 - 該DNA構築物が、該酵母の培養中、該アミノ酸配列をコードする該核酸配列の発現産物を該酵母が分泌し得るように、AFPコード核酸配列と同種でも異種でもよく、ATG開始コドンと同一の解読枠に配置されるシグナル配列をさらに含む、請求項1に記載の方法。
- DNAシグナル配列がサッカロミセス セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)のα接合因子のDNAプレ配列である、請求項2に記載の方法。
- プロモーターがS.セレビシエの誘導性GAL7プロモーター又は構造性GAPDHプロモーターである、請求項1に記載の方法。
- DNA構築物を含む組換え酵母であって、該DNA構築物は天然酵母には存在せず、
(a)酵母で活性な強力なプロモーターと、
(b)ATG開始コドンと、
(c)III型AFPタンパク質HPLC12のアミノ酸配列またはIII型AFPタンパク質HPLC12の該アミノ酸配列中の1もしくは2個のアミノ酸が欠失もしくは置換しているアミノ酸配列であって当該アミノ酸配列を有するポリペプチド又はタンパク質がIII型AFPタンパク質HPLC12と同一の不凍活性を有するアミノ酸配列をコードし、ATG開示コドンと同一の解読枠に配置された少なくとも1つの核酸配列と、
(d)AFPコード核酸配列の3’末端に結合した停止コドン
をこの順序で含むことを特徴とする、前記組換え酵母。 - DNA構築物が、(c)のAFPコード核酸配列を発現して酵母により生産されるタンパク質を分泌し得るDNAシグナル配列をさらに含み、当該シグナル配列がAFPコード核酸配列と同種でも異種でもよく、ATG開始コドンと同一の解読枠に配置される、請求項5に記載の組換え酵母。
- 該プロモーターが誘導性である、請求項6に記載の組換え酵母。
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