JP3904832B2 - 結晶成長導入欠陥を実質的に有さないエピタキシャルシリコンウエハ - Google Patents

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Description

【0001】
(技術分野)
本発明は一般に、エピタキシャルシリコンウエハの製造に関する。詳しくは、本発明は、エピタキシャル層を成長させる基材の表面に、凝集シリコン自己格子間原子欠陥の存在によって生じる結晶成長導入欠陥を実質的に有さないエピタキシャル層を各ウエハが有する、ウエハカセット、ボートまたは他のウエハキャリヤーにおいて集成される(または組み立てられる)エピタキシャルシリコンウエハのセットの製造に関する。
【0002】
(背景技術)
単結晶シリコンウエハを製造できる単結晶シリコンは一般に、いわゆるチョクラルスキー(Cz)法によって製造される。この方法において、多結晶シリコン(ポリシリコン)をルツボに装填し、溶融し、種結晶を溶融シリコンに接触させ、単結晶をゆっくり引き上げることによって成長させる。ネックの形成が終了した後に、引き上げ速度および/または溶融温度を減少させることによって、所望のまたは目的とする直径に達するまで結晶の直径を大きくする。次に、減少するメルト量を補充しながら、引き上げ速度およびメルト温度を制御することによって、ほぼ一定の直径を有する結晶の柱状本体を成長させる。成長工程の終わり近くに、ルツボから溶融シリコンがなくなる前に、結晶直径を徐々に減少させて、エンドコーン(end-cone)を形成しなければならない。エンドコーンは一般に、結晶引き上げ速度およびルツボに供給される熱を増加させることによって形成される。直径が充分に小さくなった際に、結晶をメルトから分離する。
【0003】
最近、単結晶シリコンにおける多くの欠陥が、凝固後に結晶が冷却するとともに、結晶成長室において形成されることが見い出された。そのような欠陥は、部分的に、空孔および自己格子間原子として知られている過剰(即ち、溶解限度を越える濃度)の真性点欠陥の存在に原因して生じる。メルトから成長するシリコン結晶は一般に、過剰の、結晶格子空孔(V)またはシリコン自己格子間原子(I)のいずれか1つの種類の真性点欠陥を有して成長する。シリコンにおけるこれらの点欠陥の種類および初期濃度は凝固の際に決まり、および、これらの濃度が系における臨界過飽和のレベルに達し、点欠陥の移動性が充分に高い場合に、反応または凝集事象が起こりうることが報告されている。シリコンにおける凝集真性点欠陥は、複雑な高集積回路の製造において、材料の歩留まり能に大きな影響を与える。
【0004】
空孔型欠陥は、D欠陥、フローパターン欠陥(FPD)、ゲートオキシドインテグリティ(GOI)欠陥、結晶起源パーティクル(COP)欠陥、結晶起源ライトポイント欠陥(LPD)のような観察しうる結晶欠陥、ならびに、走査赤外線鏡検法およびレーザー走査断層撮影法のような赤外線散乱法によって観察されるある種のバルク欠陥の起源であると考えられる。リング酸化誘起積層欠陥(OISF)の核として作用する欠陥も、過剰空孔領域に存在する。この特定の欠陥は、過剰空孔の存在によって触媒される高温有核酸素凝集物であると考えられる。
【0005】
自己格子間原子に関係する欠陥は、あまり研究されていない。それらは一般に、低密度の格子間原子型転位ループまたはネットワークであると考えられる。そのような欠陥は、重要なウエハ性能の基準であるゲートオキシドインテグリティ欠陥に関与しないが、それらは、一般に漏れ電流の問題に関係する他の種類のデバイス欠陥の原因であることが広く認識されている。
【0006】
エピタキシャルシリコン成長は一般に、単結晶シリコンウエハのような基材を加熱し、その間に、気体シリコン化合物をウエハ表面に通して、熱分解または分解を行う化学蒸着法を含む。単結晶シリコンウエハが基材として使用される場合、単結晶構造の成長を継続させるような方法で、シリコンを付着させる。その結果、基材表面に存在する欠陥、例えば、凝集シリコン自己格子間原子欠陥が、得られるエピタキシャルウエハの品質に直接的に影響を与えうる。この品質への影響は、単結晶構造の成長を継続させることによって、基材表面に存在する欠陥の成長が継続し、その結果、新たな結晶欠陥、即ち、結晶成長導入欠陥が、エピタキシャル層に形成されることによるものである。例えば、レーザーに基づく自動検出装置の現在の検出限度約0.1ミクロン〜約10ミクロン以上の最大断面幅を有する、エピタキシャル欠陥、例えば、マウンド(mounds)、エピタキシャル積層欠陥(stacking faults)、およびヒロック(hillocks)が形成しうる。
【0007】
現在のところ、結晶成長導入欠陥の課題を解決する主要な方法は、エピタキシャル付着の前に、基材表面を検査する方法である。しかし、そのような方法は、時間を要し、しかも、必ずしも充分に、付着工程の前に欠陥のある基材を特定し除去できるわけではない。従って、凝集格子間原子欠陥を実質的に有さず、従って、それに伴う結晶成長導入欠陥を有さない表面を有する基材を、エピタキシャル付着のために、確実に、一貫して、提供する方法が、今なお求められている。
【0008】
(発明の開示)
従って、本発明の目的は、結晶成長導入欠陥を実質的に有さないエピタキシャル層を各ウエハが有する、ウエハカセット、ボートまたは他のウエハキャリヤーにおいて組み立てられるエピタキシャルシリコンウエハのセットを提供し;凝集シリコン自己格子間原子欠陥を実質的に有さない、軸対称領域を有する単結晶シリコン基材を有する、そのようなエピタキシャルウエハを提供し;凝集空孔欠陥を実質的に有さない、空孔優勢材の軸対称領域をさらに有する、そのような基材を提供する;ことである。
【0009】
従って、簡単に言えば、本発明は、エピタキシャルシリコン層がその上に付着される単結晶シリコン基材を、各エピタキシャルウエハが有して成る、エピタキシャルシリコンウエハのセットに関する。基材は、中心軸、中心軸にほぼ垂直な前表面および後表面、周囲の縁、ならびに中心軸から周囲の縁に延在する半径を有する。基材は、凝集格子間原子欠陥を実質的に有さないシリコン自己格子間原子優勢材の軸対称領域を有し、該軸対称領域は、基材の周囲の縁から半径方向に内側に延在する。基材表面に付着されるエピタキシャル層は、基材表面の凝集格子間原子欠陥の存在によって生じる結晶成長導入欠陥を実質的に有さない。
【0010】
他の目的は、一部は明らかであり、一部は下記に示される。
【0011】
本発明の方法によれば、凝集シリコン自己格子間原子の真性点欠陥を実質的に有さない第一軸方向領域を有する単結晶シリコンウエハを、基材として使用することによって、結晶成長導入欠陥を実質的に有さないエピタキシャル層を有するエピタキシャルシリコンウエハを形成しうることが見い出された。どのような特定の理論にも縛られるわけではないが、エピタキシャルシリコンウエハのエピタキシャル層における結晶成長導入欠陥の重大な原因が、エピタキシャル層がその上に成長される単結晶シリコン基材の表面における凝集格子間原子欠陥の存在であると考えられる。例えば転位ループまたはもつれ(tangles)のような形態で存在するそのような凝集格子間原子欠陥は、エピタキシャル付着後に、エピタキシャル層において、「ヒロック」(hillocks)と一般に称される、対応する欠陥部位に導くと考えられる。これらのような結晶成長導入欠陥の形成は、エピタキシャル層における欠陥伝達(defect propagation)の結果である。従って、凝集格子間原子欠陥を実質的に有さない単結晶シリコン基材を使用することによって、向上したエピタキシャル層を製造しうると考えられる。
【0012】
基材
現在までの実験証拠に基づいて、単結晶シリコンウエハにおける、シリコン格子空孔またはシリコン自己格子間原子のような真性点欠陥の種類および初期濃度が、これらのウエハがそれから得られるインゴットが、凝固温度(即ち、約1410℃)から1300℃より高い温度(即ち、少なくとも約1325℃、少なくとも約1350℃、または、少なくとも約1375℃)に冷却される際に、最初に決められると考えられる;即ち、これらの欠陥の種類および初期濃度は、v/G[vは、成長速度であり、Gは、この温度範囲における平均軸方向温度勾配である]によって制御される。
【0013】
図1を参照すると、v/G値の増加に関して、漸減的な自己格子間原子優勢成長から漸増的な空孔優勢成長への転移がv/Gの臨界値の近くで生じる。この臨界値は、現在入手できる情報に基づき、約2.1×10−5cm/sKであるようである。この場合、Gは、軸方向温度勾配が上記の温度範囲内で一定である条件下で測定される。この臨界値において、これらの真性点欠陥の濃度は平衡している。しかし、v/G値が臨界値を超えると、空孔濃度は増加する。同様に、v/G値が臨界値よりも小さくなると、自己格子間原子濃度は増加する。これらの濃度が系の臨界的な過飽和レベルに達する場合、および点欠陥の移動性が充分に高い場合、反応または凝集事象が生じ得る。
【0014】
従って、他の出願(例えば、PCT/US98/07365およびPCT/US98/07304)において報告したように、シリコンマトリックス内の空孔が反応して、凝集した空孔欠陥を生成する反応、およびシリコンマトリックス内の自己格子間原子が反応して、凝集した格子間原子欠陥を生成する反応が抑制され得ることが発見された。特定の理論に縛られるわけではないが、システムの自由エネルギー(△G)の変化がこれらの凝集反応が自発的に起こる臨界値を越えないように、結晶インゴットの成長および冷却の際に、空孔および自己格子間原子の濃度が制御される場合に、これらの反応を抑制しうると一般に考えられる。言い換えるならば、システムが空孔および格子間原子において臨界的過不飽和になるのを防止することによって、インゴットが凝固温度から冷却する際に、空孔および格子間原子の凝集を防止しうると考えられる。
【0015】
臨界過飽和が起こらないように充分に低い、空孔または格子間原子の初期濃度を確立することによって(該初期濃度は、v/G(r)によって制御される。ここで、v/G(r)は、下記に詳しく説明されるように、半径方向位置の関数としてのv/Gを表す。)、そのような欠陥の形成を防止することができる。しかし、実際には、そのような濃度は、結晶半径の全体を通して達成することは困難である。従って、一般には、臨界的な過飽和は、結晶凝固の後に、すなわち、v/G(r)によって決定される初期濃度を確立した後に初期の空孔濃度および初期の格子間原子濃度を抑制することによって回避することができる。
【0016】
約10−4cm/秒である自己格子間原子の比較的大きな移動性のために、そしてより小さい程度に、空孔の移動性のために、比較的大きな距離、すなわち、約5cm〜約10cm以上またはそれ以上の距離にわたる格子間原子および空孔は、自己格子間原子を、結晶表面に位置するシンク(sinks)に対して、または結晶内に位置する空孔優勢領域に対して半径方向に拡散させることによって抑制できることが見出された。充分な時間が初期濃度の真性の点欠陥を半径方向に拡散させることが可能であるならば、半径方向の拡散は、自己格子間原子および空孔の濃度を抑制するために効果的に使用することができる。一般に、拡散時間は、自己格子間原子および空孔の初期濃度における半径方向の変化に依存する。半径方向の変化が小さいほど、拡散時間は短い。
【0017】
平均軸方向温度勾配Gは、典型的には、チョクラルスキー法により成長する単結晶シリコンに関して、半径の増大とともに大きくなる。このことは、v/G値は、典型的には、インゴットの半径を横切って単一でないことを意味する。このような変化の結果として、真性の点欠陥の種類および初期濃度は一定していない。図3および図4においてV/I境界2と記されているv/Gの臨界値がインゴットの半径4に沿ったある点で達成される場合、この材料は、空孔優勢から自己格子間原子優勢に変わる。さらに、インゴットは、自己格子間原子優勢材6(この場合、シリコンの自己格子間原子の初期濃度は半径の増大とともに増大する)の軸対称領域を含有し、この領域は、空孔優勢材8(この場合、空孔の初期濃度は、半径の増大とともに減少する)の一般にはシリンダー状領域を囲む。
【0018】
V/I境界を含有するインゴットが凝固温度から冷却されるとき、格子間原子および空孔の半径方向の拡散は、自己格子間原子と空孔との再結合のためにV/I境界を半径方向に内側に移動させる。さらに、自己格子間原子の結晶表面への半径方向の拡散は、結晶が冷えるときに生じる。結晶表面は、結晶が冷えるときにほぼ平衡した点欠陥濃度を維持することができる。点欠陥の半径方向の拡散は、V/I境界の外側での自己格子間原子の濃度、およびV/I境界の内側での空孔の濃度を低下させる傾向がある。従って、充分な時間が拡散のために可能であるならば、あらゆる場所における空孔および格子間原子の濃度は、ΔGおよびΔGが、空孔の凝集反応および格子間原子の凝集反応が生じる臨界値よりも小さくなるようにすることができる。
【0019】
図5を参照すると、(成長速度v、平均軸方向温度勾配Gおよび冷却速度を含む)結晶成長条件は、好ましくは、中心軸12、シードコーン14、エンドコーン16、およびシードコーンとエンドコーンとの間の定直径部分18を有する単結晶シリコンインゴット10がチョクラルースキー法によって形成されるように制御される。定直径部分は、周囲の縁20、および中心軸12から周囲の縁20に延在する半径4を有する。(i)実質的に欠陥を有さない、格子間原子優勢材の軸対称領域6、および/または(ii)実質的に欠陥を有さない軸対称領域9も含む場合がある、空孔優勢材のほぼシリンダー状の領域8、を形成するように、結晶成長条件を制御することができる。軸対称領域6および9が存在する場合、それらは、下記に詳しく説明される変動幅を有することができる。
【0020】
成長速度vおよび平均軸方向温度勾配Gは、典型的には、比v/Gが、v/G臨界値の約0.5倍〜約2.5倍の値の範囲であるように制御される(すなわち、v/G臨界値に関して現在入手可能な情報に基づき、約1×10−5cm/sK〜約5×10−5cm/sK)。この比v/Gは、好ましくは、v/G臨界値の約0.6倍〜約1.5倍の値の範囲である(すなわち、v/G臨界値に関して現在入手可能な情報に基づき、約1.3×10−5cm/sK〜約3×10−5cm/sK)。この比v/Gは、最も好ましくは、v/G臨界値の約0.75倍〜約1.25倍の値の範囲である(すなわち、v/G臨界値に関して現在入手可能な情報に基づき、約1.6×10−5cm/sK〜約2.1×10−5cm/sK)。1つの特に好ましい実施形態において、軸対称領域9におけるv/Gは、v/G臨界値と、v/G臨界値の1.1倍との間に含まれる値を有する。別の特に好ましい実施形態において、軸対称領域6におけるv/Gは、v/G臨界値の約0.75倍と、v/G臨界値との間に含まれる値を有する。
【0021】
軸対称領域6または9の幅を最大にするためには、インゴットを凝固温度から、約1050℃を超える温度にまで、下記の時間をかけて冷却することが好ましい:(i)150mmの公称直径のシリコン結晶に関して、少なくとも約5時間、好ましくは少なくとも約10時間、より好ましくは少なくとも約15時間、(ii)200mmの公称直径のシリコン結晶に関して、少なくとも約5時間、好ましくは少なくとも約10時間、より好ましくは少なくとも約20時間、さらにより好ましくは少なくとも約25時間、最も好ましくは少なくとも約30時間、および(iii)200mmを超える公称直径を有するシリコン結晶に関して、少なくとも約20時間、好ましくは少なくとも約40時間、より好ましくは少なくとも約60時間、最も好ましくは少なくとも約75時間。冷却速度の制御は、熱移動を最小限にするためにこの分野で現在知られている任意の手段を使用することによって行うことができる。このような手段には、断熱材、ヒーター、輻射遮蔽材および磁場の使用が含まれる。
【0022】
平均軸方向温度勾配Gの制御は、結晶引き上げ装置の「ホットゾーン」の設計、すなわち、特に、ヒーター、断熱材、熱および輻射遮蔽材を作製するグラファイト(または、他の材料)の設計を行うことにより達成され得る。個々の設計は、結晶引き上げ装置の構造および型式に依存して変化し得るが、一般に、Gは、メルト/固体の界面での熱移動を制御するためにこの分野で現在知られている任意の手段を使用して行うことができる。このような手段には、反射材、輻射遮蔽材、パージ管、光パイプおよびヒーターが含まれる。一般に、Gの半径方向の変化は、そのような装置をメルト/固体の界面上方の約1結晶直径以内に配置することによって最小にされる。Gは、メルトおよび結晶に対して、装置の位置を調節することによってさらに制御することができる。これは、ホットゾーンにおける装置の位置を調節することによって、あるいはホットゾーンにおけるメルト表面の位置を調節することによって達成される。さらに、ヒーターが用いられる場合、Gは、ヒーターに供給される出力を調節することによってさらに制御することができる。これらの方法のいずれかまたはすべてを、メルト容量がそのプロセスの間になくなる回分式のチョクラルスキープロセスを行っているときに使用することができる。
【0023】
平均軸方向温度勾配Gが、インゴットの直径の関数として比較的一定していることは本発明のいくつかの実施形態に一般に好ましいことである。しかし、ホットゾーン機構はGの変化を最小にするように改善されるので、一定の成長速度を維持することに伴う機械的な問題はますます重要な因子になることに注意しなければならない。このために、成長プロセスは、成長速度vにも同様に直接的な影響を与える引き上げ速度における何らかの変化に対してより一層敏感になる。プロセス制御に関して、これは、インゴットの半径において異なるG値を有することが好ましいことを意味する。しかし、G値の大きな差により、ウエハ縁に向かってほぼ増大する自己格子間原子の大きな濃度が生じ、それにより、凝集した真性の点欠陥の生成を回避することがますます困難になり得る。
【0024】
前記を参照して、Gの制御には、Gの半径方向の変化を最小にすることと、好ましいプロセス制御条件の維持とのバランスが含まれる。従って、典型的には、約1直径分の結晶長後の引き上げ速度は、約0.2mm/分〜約0.8mm/分の範囲である。引き上げ速度は、好ましくは、約0.25mm/分〜約0.6mm/分の範囲であり、より好ましくは約0.3mm/分〜約0.5mm/分の範囲である。引き上げ速度は、結晶の直径および結晶引き上げ設計の両方に依存することに注意しなければならない、上記の範囲は、直径が200mmの結晶には典型的である。一般に、引き上げ速度は、結晶の直径が大きくなると低下する。しかし、結晶引き上げ装置は、引き上げ速度を本明細書に記載される速度を超えるように設計することができる。結果として、最も好ましくは、結晶引き上げ装置は、本発明によって、軸対称領域の形成を依然として可能にしたままで、引き上げ速度をできる限り早くするように設計される。
【0025】
自己格子間原子の拡散量は、商業的に実用的なプロセスに関して、インゴットが凝固温度(約1410℃)から、シリコンの自己格子間原子が不動化する温度にまで冷却されるときの冷却速度を制御することによって制御される。シリコンの自己格子間原子は、シリコンの凝固温度(すなわち、約1410℃)付近の温度で極端に移動し得るようである。しかし、この移動性は、単結晶シリコンインゴットの温度が低下すると減少する。一般に、自己格子間原子の拡散速度は、それらが、約700℃未満の温度で、そしておそらくは、800℃、900℃、1000℃もの温度で、あるいは1050℃でさえもの温度で、商業的に実用的な時間で本質的に移動し得ない程度に遅い。
【0026】
このことに関して、自己格子間原子の凝集反応が理論的に生じる温度は、広範囲の温度にわたり変化するが、実際上、この範囲は、従来のチョクラルスキー成長シリコンに関しては比較的狭いことに注意しなければならない。これは、チョクラルスキー法によって成長させたシリコンにおいて典型的に得られる自己格子間原子の初期濃度が比較的狭い範囲であるという結果である。従って、一般に、自己格子間原子の凝集反応が、生じるとすれば、約1100℃〜約800℃の範囲内の温度で、典型的には約1050℃の温度で起こり得る。
【0027】
したがって、自己格子間原子が移動し得ることが考えられる温度範囲において、ホットゾーンでの温度に依存して、冷却速度は、典型的には、約0.1℃/分〜約3℃/分の範囲である。冷却速度は、好ましくは、約0.1℃/分〜約1.5℃/分の範囲であり、より好ましくは約0.1℃/分〜約1℃/分の範囲であり、さらにより好ましくは約0.1℃/分〜約0.5℃/分の範囲である。
【0028】
自己格子間原子が移動し得ることが考えられる温度範囲にインゴットの冷却速度を制御することによって、自己格子間原子は数倍になり、結晶表面に位置するシンクに、あるいは空孔優勢領域に拡散することができ、そこでそれらは消滅し得る。従って、そのような格子間原子の濃度は抑制され、凝集事象が生じないように作用する。冷却速度を制御することによる格子間原子の拡散率の利用は、凝集した欠陥を実質的に含まない軸対称領域を得るために必要とされ得るその他の点での厳しいv/G条件を緩和させるように作用する。言い換えれば、格子間原子を数倍拡散させることを可能にするために、冷却速度が制御され得るという事実の結果として、臨界値に対して大きな範囲のv/G値が、凝集した欠陥を含まない軸対称領域を得るために許容され得る。
【0029】
結晶の直径一定部分のかなりの長さにわたってそのような冷却速度を達成するために、検討を、インゴットのエンドコーンの成長プロセスに対しても、エンドコーンの成長が終了したときのインゴットの処理に対するのと同様に行わなければならない。典型的には、インゴットの直径一定部分の成長が完了したとき、引き上げ速度は、エンドコーンを形成させるために必要な先細り化を始めるために大きくされる。しかし、引き上げ速度のそのような増大により、直径一定部分の下側領域は、上記のように、格子間原子が充分に移動し得る温度範囲内において一層早く冷却される。結果として、これらの格子間原子は、消滅し得るシンクに拡散するのに充分な時間を有さない。すなわち、この下側領域における濃度は充分な程度に抑制され得ず、格子間原子欠陥が凝集し得る。
【0030】
従って、そのような欠陥の形成がインゴットのこの下部領域において生じないようにするためには、インゴットの直径一定部分が、チョクラルスキー法に従って均一な熱履歴を有することが好ましい。定直径部分の成長の間だけでなく、結晶のエンドコーンの成長の間、および可能であればエンドコーンの成長後も、比較的一定した速度において、インゴットをシリコンメルトから引き上げることによって、均一な熱履歴が得られる。特に、エンドコーンの成長が開始される際に、約1050℃より高い温度に留まっているインゴットの定直径部分のどのセグメントも、約1050℃より低い温度に既に冷却されている凝集真性点欠陥を有さない軸対称領域を有するインゴットの定直径部分の他のセグメントと同じ熱履歴を経験することを確実にする、エンドコーン引き上げ速度を確立させるのが好ましい。
【0031】
比較的一定の速度は、例えば、下記により達成することができる:(i)結晶の直径一定部分の成長を行っているときのるつぼおよび結晶の回転速度に対して、エンドコーンの成長を行っているときのるつぼおよび結晶の回転速度を低下させること、および/または(ii)エンドコーンの成長を行っているときに従来のように供給される出力に対して、エンドコーンの成長を行っているときにシリコン溶融物を加熱するために使用されるヒーターに供給される出力を増加させること。プロセス変数のこれらのさらなる調整は、個々にあるいは組み合わせて行うことができる。
【0032】
前記のように、空孔優勢領域の最小半径が存在し、このために、凝集した格子間原子欠陥は抑制され得る。最小半径の値は、v/G(r)および冷却速度に依存する。結晶引き上げ装置およびホットゾーンの機構が変化するとともに、v/G(r)に関して上記に示した範囲、引き上げ速度および冷却速度もまた変化する。同様に、これらの条件は、成長する結晶の長さに沿って変化し得る。上記のように、凝集した格子間原子欠陥を含まない格子間原子優勢領域の幅は、好ましくは最大にされる。従って、この領域の幅を、結晶の半径と、所与の引き上げ装置における成長中の結晶の長さに沿った空孔優勢領域の最小半径との差にできる限り近い値で、その差を超えない値に維持することが望まれる。
【0033】
所与の結晶引き上げ装置のホットゾーン設計のための軸対称領域6および要すれば9の幅を最大にするために必要とされる結晶引き上げ速度特性は、実験的に決定することができる。一般的に言って、このような実験的な方法には、特定の結晶引き上げ装置で成長させたインゴットに関する軸方向の温度特性、ならびに同じ引き上げ装置で成長させたインゴットの平均軸方向温度勾配における半径方向の変化に対する容易に入手できるデータを最初に得ることが含まれる。まとめると、このようなデータを使用して、1つまたは複数の単結晶シリコンインゴットを引き上げ、次いでこのインゴットを、凝集した格子間原子欠陥の存在について分析する。このようにして、最適な引き上げ速度特性を決定することができる。
【0034】
インゴットの半径にわたってGが増大することから生じるv/Gの半径方向の変化に加えて、v/Gはまた、vが変化する結果として、あるいはチョクラルスキープロセスによるGにおける自然の変化の結果として軸方向に変化し得る。標準的なチョクラルスキープロセスに関して、vは、インゴットを一定の直径で維持するために、引き上げ速度が成長周期全体で調節されるように変更される。引き上げ速度におけるこれらの調節または変化は、次いで、v/Gを、インゴットの直径一定部分の長さにわたって変化させる。従って、引き上げ速度を、インゴットの軸対称領域6および/または9の幅を最大にするために制御することが望まれる。しかし、結果として、インゴットの半径は変化し得る。従って、得られるインゴットが一定の直径を有することを確実にするために、インゴットは、所望される直径よりも大きい直径に成長させることが好ましい。次いで、インゴットは、この分野で標準的なプロセスに供され、表面から余分な材料が除かれる。このように、直径一定部分を有するインゴットが確実に得られる。
【0035】
再び図5を参照すると、空孔優勢材のほぼシリンダー形(円柱形)の領域8(その一部または全体が、実質的に欠陥を有さない)をさらに囲む、実質的に欠陥を有さない格子間原子優勢材の領域6を有する単結晶シリコンインゴット10から、本発明の基材ウエハがスライスされる。代替的に、領域6が中心から縁に延在するか、または領域9が中心から縁に延在することができ、即ち、実質的に欠陥を有さない領域6または領域9の幅が、インゴットの幅とほぼ同じである場合もある。
【0036】
軸対称領域6は一般に、周囲の縁20から中心軸12に向かって半径方向に内側に測定される幅を有し、いくつかの実施形態において、その幅は、インゴットの定直径部分の半径の少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、さらには少なくとも約30%であり、他の実施形態においては、該半径の少なくとも約40%、少なくとも約60%、好ましくは少なくとも約80%でさえある。さらに、軸対称領域9が存在する場合に、それは一般に、V/I境界2から軸12に延在する半径に沿って測定される幅を有し、その幅は少なくとも約15mmであり、インゴットの定直径部分の半径の好ましくは少なくとも約7.5%、より好ましくは少なくとも約15%、さらに好ましくは少なくとも約25%、最も好ましくは少なくとも約50%である。特に好ましい実施形態においては、軸対称領域9が、インゴットの軸12を含み、即ち、軸対称領域9およびほぼシリンダー形の領域8が一致する。
【0037】
軸対称領域6および9は一般に、インゴットの定直径部分の長さの少なくとも約20%の長さに延在する。しかし、これらの領域が、インゴットの定直径部分の長さの、少なくとも約40%、より好ましくは少なくとも約60%、さらに好ましくは少なくとも約80%の長さを有するのが好ましい。
【0038】
軸対称領域6および9の幅が、中心軸12の長さに沿っていつかの変動を有しうることに注意すべきである。従って、所定の長さの軸対称領域6に関して、インゴット10の周囲の縁20から半径方向に向かって、中心軸から最も離れた点までの距離を測定することによってその幅が求められる。同様に、軸対称領域9の幅は、V/I境界2から半径方向に向かって、中心軸から最も離れた点までの距離を測定することによって求められる。言い換えるならば、各領域の幅は、軸対称領域6または9の所定の長さにおいて最少の距離を求めるように測定される。
【0039】
V/I境界を有するインゴットに関しては、即ち、空孔優勢材を有するインゴットに関しては、低酸素含有量材料、即ち約13PPMA(100万原子当たりの部、ASTM規格F-121-83)未満の酸素含有量材料が、一般に好ましい。単結晶シリコンは、より好ましくは約12PPMA未満の酸素、さらに好ましくは約11PPMA未満の酸素、最も好ましくは約10PPMA未満の酸素を含有する。中〜高酸素含有量ウエハ(即ち、14PPMA〜18PPMA)において、V/I境界内における酸素誘起積層欠陥および増加酸素クラスタリングのバンドの形成がより顕著になり、エピタキシャル層にも不利益になる故に、低酸素含有量が好ましい。
【0040】
増加酸素クラスタリングの影響は、単一でまたは組み合わせて使用される多くの方法によって減少させることができる。例えば、酸素析出核形成中心が、約350℃〜750℃の温度でアニールされるシリコンにおいて一般に形成される。従って、ある種の適用において、結晶が、「短い」結晶、即ち、シードエンドをシリコンの融点(約1410℃)から約750℃に冷却し、次に、インゴットを急激に冷却するまで、チョクラルスキー法において成長させた結晶、であるのが好ましい。このようにして、核形成中心の形成に重要な温度範囲における消費される時間が最少限に保たれ、結晶引き取り装置において酸素析出核形成中心の形成に充分な時間を与えない。
【0041】
しかし、単結晶の成長の間に形成される酸素析出核形成中心は、単結晶シリコンをアニールすることによって溶解させるのが好ましい。それらが安定化熱処理にかけられなかった場合、シリコンを少なくとも約875℃の温度に急激に加熱し、および、好ましくは、少なくとも1000℃、少なくとも1100℃、またはそれ以上の温度に加熱を継続することによって、酸素析出核形成中心をアニールによってシリコンから除去することができる。シリコンが1000℃に到達する時までに、実質的に全て(例えば、>99%)のそのような欠陥がアニールによって除去される。ウエハをこれらの温度に急激に加熱することが重要であり、即ち、温度増加の速度は、少なくとも約10℃/分、より好ましくは少なくとも約50℃/分である。
【0042】
別の方法では、酸素析出核形成中心のいくらかまたは全てが、熱処理によって安定化される。比較的短い時間、即ち、約60秒またはそれ以下の程度で、平衡に達すると考えられる。従って、少なくとも約875℃、好ましくは少なくとも約950℃、より好ましくは少なくとも約1100℃の温度において、少なくとも約5秒間、好ましくは少なくとも約10分間にわたって、単結晶シリコンをアニールすることによって、単結晶シリコンにおける酸素析出核形成中心を溶解させることができる。
【0043】
この溶解は、従来の炉、または急速熱アニーリング(RTA)システムにおいて行うことができる。シリコンの急速熱アニールは、高電力ランプの列によってウエハを個々に加熱する多くの商業的に入手可能な急速熱アニーリング(RTA)炉のいずれかによって行うことができる。RTA炉は、シリコンウエハを急激に加熱することができ、例えば、それらは、数秒間で、室温から1200℃にウエハを加熱することができる。1つのそのような商業的に入手可能なRTA炉は、AG Associates(Mountain View, カルフォルニア州)から入手しうるモデル610炉である。さらに、そのような溶解は、シリコンインゴット、シリコンウエハ、好ましくはウエハ、において行うことができる。
【0044】
エピタキシャル層
エピタキシャル層は、当分野において既知の手段によって、前記基材の表面に、付着させるかまたは成長させることができる(例えば、米国特許第5789309号を参照)。エピタキシャル層の成長は、一般に、半導体材料上にエピタキシャル層を成長させる最も順応性のある、コスト効率の高い方法の1つである化学蒸着によって行われる。一般的に言えば、化学蒸着は、揮発性反応物(例えば、SiCl、CiHCl、SiHCl、またはSiH)をキャリヤーガス(一般に、水素)を使用して、エピタキシャル反応器に導入することを含む。工程条件は変動しうるが、単結晶層の付着の場合、温度は一般に1080℃〜1150℃である。さらに、付着が起こる環境は、清浄であり(即ち、粒状汚染物を含まない)、約1PPMA未満の酸素含有量であるのが好ましい。
【0045】
本発明によれば、下記実施例8に例示されるように、凝集格子間原子欠陥を実質的に有さない単結晶シリコン基材を使用するのが好ましいことを、現在までの経験が示している。付着の間に、ウエハ表面に付着されるシリコン材料が、これらの凝集欠陥の部位において、それらを囲む平坦表面と比較して、より急速に堆積する傾向があるので、そのような基材が好ましい。これらの凝集欠陥部位におけるシリコン材料の付着および堆積は、エピタキシャル層に、結晶成長導入欠陥、即ち、ヒロックまたは積層欠陥を形成させる。特に関心があるのは、当分野で一般的なレーザービーム表面走査装置(例えば、Mountain View, CaliforniaのTencor Inc.から商業的に入手可能なモデル6220のような、Tencor 6200シリーズのレーザースキャナー)によって測定される約10ミクロンまたはそれ以上の直径を有する広い面積の結晶成長導入欠陥である。
【0046】
どのような特定の理論にも縛られるわけではないが、エピタキシャル層における欠陥は、多くの種々の原因によって生じると考えられる。例えば、基材表面に存在する粒状および他の有機汚染物が、凝集格子間原子欠陥と一緒に、付着の間に、シリコン材料が堆積する部位として作用する。従って、向上した基材清浄法および取扱法のような他の方法と組み合わせて本発明を使用して、エピタキシャル層における欠陥を充分に除去することができる。しかし、本発明は、単独で使用する場合に、エピタキシャル層の欠陥の重大な原因を除去するのに有効に作用し、従って、そのような欠陥の全体的濃度を減少させる。
【0047】
前記のように、本発明の基材は、凝集格子間原子欠陥を実質的に有さない格子間原子型材料の軸対称領域を有する。この領域の幅は変化し得る。従って、エピタキシャル付着の終了時に、凝集格子間原子欠陥を実質的に有さない基材表面の領域が、これらの凝集欠陥によって生じる結晶成長導入欠陥を実質的に有さない、エピタキシャル層における対応する領域を生じることが、現在までの経験が示していることに注意すべきである。しかし、エピタキシャル層のこの領域が、実質的に欠陥を有さない格子間原子優勢材の領域だけでなく、基材における空孔優勢材の領域にも対応することにも注意すべきである。言い換えるならば、中心から縁において実質的に欠陥を有さない格子間原子優勢のウエハの表面に、層を付着させるか、中心から縁において空孔優勢のウエハに層を付着させるか、または空孔優勢のコア領域を囲む実質的に欠陥を有さない格子間原子優勢領域を有するウエハに層を付着させることによって、向上したエピタキシャル層が得られる。
【0048】
いかなる特定の理論にも縛られるわけではないが、基材表面における、空隙(voids)とも称される凝集空孔欠陥の存在が、結晶成長導入欠陥を実質的に有さないエピタキシャル層の製造にとってそれほど重大ではないと考えられる。むしろ、シリコン材料が基材表面に付着される際に、これらの空隙が効果的に被覆されるかまたは「充填される」と考えられる。その結果、凝集空孔欠陥がエピタキシャル層に伝播しない。しかし、空隙または「ピット」(pits)が、エピタキシャル層表面に存在しないことを確実にするために、エピタキシャル層は一般に、基材の表面に存在する凝集空孔欠陥を被覆するのに充分な厚みを有し、その厚みは、そのような欠陥の寸法または深さが増加するとともに増加する。一般に、エピタキシャル層の厚みは、少なくとも約1ミクロン〜約15ミクロンまたはそれ以上である。好ましくは、エピタキシャル層の厚みは、約1〜約10ミクロン、より好ましくは約1〜約8ミクロン、さらに好ましくは約1〜約5ミクロン、最も好ましくは約1〜約4ミクロンである。これに関係して、凝集空孔欠陥が効果的に被覆されることを条件として、より薄い層は、得られるエピタキシャルウエハのコストを減少させることができるので、好ましいことに注意すべきである。
【0049】
従って、本発明は、エピタキシャル層がその上に付着される基材表面上の凝集格子間原子欠陥の存在によって生じる、結晶成長導入欠陥を実質的に有さないエピタキシャル層を各ウエハが有する、エピタキシャルシリコンウエハのセットを、集成することを可能にする。本発明は特に、各ウエハが前記のように、ウエハの周囲の縁から半径方向に内側に延在する、凝集欠陥を実質的に有さない格子間原子型材料の第一軸対称領域を有する基材を有する、エピタキシャルシリコンウエハのセットの集成を可能にする。軸対称領域の幅が、基材の半径より小さい場合に、基材は、凝集空孔欠陥を有するかまたは有さない、前記のような幅および位置を有する空孔型材料の第二軸対称領域をさらに有する。基材の軸対称領域の幅に関係なく、エピタキシャル付着後に、得られるエピタキシャル層は、そのような基材を使用した結果として、本質的にウエハの半径全体にわたって、この種の結晶成長導入欠陥を実質的に有さない;即ち、エピタキシャル層は、エピタキシャルウエハの表面積の少なくとも約40%、60%、80%、90%、またはそれ以上において、結晶成長導入欠陥を実質的に有さない。
【0050】
本発明の方法によって製造される単結晶インゴットから得られる一連の基材を使用して、エピタキシャルウエハのセットが製造され、組み立てられる(集成される)という点において、本発明が有利であることに注意すべきである。言い換えるならば、本発明は、工程の一貫性および確実性を有するので有利である。エピタキシャルウエハのセットを、本質的に単結晶インゴットから順に得られる基材の組から製造し、組み立てることができる。従って、適切な基材(即ち、凝集格子間原子欠陥を実質的に有さない基材)を識別するために、時間のかかる検査工程を必要としない。同様に、使用される基材の品質の故に、これらの結晶成長導入欠陥を実質的に有さず、従って、セットに含むのに適しているエピタキシャルウエハを識別するために、時間のかかる検査工程を必要としない。
【0051】
エピタキシャルウエハのセットは、例えば、一般にウエハが保存され運搬される種類のウエハカセット、シリコンウエハの熱処理に一般に使用される種類のボートまたは同等のウエハキャリヤーにおいて、集成することができる。ウエハは、5、10、20、25、50またはそれ以上のセットにおいて、組み立てることができる。しかし、一般に、約200mmまでの直径を有するウエハは、現在のところ25の組において集成され、一方、約300mmまたはそれ以上の直径を有するウエハは、現在のところ13の組において集成される。
【0052】
全体的に空孔優勢の材料を製造するために高速においてインゴットを成長させる従来の高速引き上げ法と比較して、本発明の方法は、単結晶シリコンインゴットの直径が増加する場合に、特に好ましい。いかなる理論にも縛られるわけではないが、比較的大きい直径(例えば、少なくとも約300mmまたはそれ以上)を有するインゴットに関しては、シリコン材料が全体的に空孔優勢であることを確実にする充分に速い成長速度を維持することは、不可能であると一般に考えられる。言い換えるならば、インゴットの直径の増加とともに、インゴットの定直径部分が、格子間原子優勢材の領域を有するセグメントを有する可能性が高くなる。従って、成長条件を適切に制御して、この領域における凝集格子間原子欠陥の形成を防止しなければならない。
【0053】
凝集した欠陥の目視による検出
凝集した欠陥は、多数の異なる技法により検出することができる。例えば、フローパターン欠陥またはD欠陥は、典型的には、単結晶シリコンサンプルをセコー(Secco)エッチング液中で約30分間選択的にエッチングし、次いでサンプルを顕微鏡検査に供することにより検出される(例えば、H. Yamagishi他、Semicond. Sci. Technol. 7、A135(1992)を参照のこと)。この方法は、凝集した空孔欠陥を検出するには標準的ではあるが、この方法はまた、凝集した格子間原子欠陥を検出するために使用することができる。この技法を使用する場合、そのような欠陥は、存在する場合にはサンプル表面での大きなくぼみ(pit)として現れる。
【0054】
凝集した欠陥はまた、レーザー散乱トモグラフィーなどのレーザー散乱技法を使用して検出することができる。レーザー散乱技法は、典型的には、他のエッチング技法よりも低い欠陥密度の検出限界を有する。
【0055】
さらに、凝集した真性の点欠陥は、熱を加えたときに単結晶シリコンマトリックス内に拡散し得る金属でこれらの欠陥をデコレーションすることによって視覚的に検出することができる。具体的には、ウエハ、スラグまたはスラブなどの単結晶シリコンサンプルは、硝酸銅の濃厚溶液などのこれらの欠陥をデコレーションし得る金属を含有する組成物で、サンプルの表面を最初にコーティングすることによってそのような欠陥の存在について目視検査を行うことができる。次いで、コーティングされたサンプルは、金属をサンプル内に拡散させるために、約900℃〜約1000℃の間の温度で約5分間〜約15分間加熱される。次いで、加熱処理されたサンプルを室温に冷却する。このように、金属を臨界的に過飽和にして、欠陥が存在するサンプルマトリックス内の部位に析出させる。
【0056】
冷却後、まず、表面残渣および析出化剤を除くために、サンプルを活性なエッチング溶液で約8分間〜約12分間処理することによる無欠陥ディリニエーション・エッチングにサンプルを供する。代表的な活性なエッチング溶液は、約55%の硝酸(70重量%溶液)、約20%のフッ化水素酸(49重量%溶液)および約25%の塩酸(濃溶液)を含む。
【0057】
次いで、サンプルを脱イオン水で洗浄し、サンプルを、約35分間〜約55分間、セコー(Secco)エッチング液またはライト(Wright)エッチング液に浸すか、それで処理することによる第2のエッチング工程に供する。典型的には、サンプルは、約1:2の比の0.15M二クロム酸カリウムおよびフッ化水素酸(49重量%溶液)を含むセコーエッチング液を使用してエッチングされる。このエッチング工程は、存在し得る凝集した欠陥を明らかにするように、すなわち輪郭化するように作用する。
【0058】
一般に、凝集した欠陥を有しない格子間原子優勢材および空孔優勢材の領域は、上記の銅デコレーション技法によって互いに区別することができ、そして凝集した欠陥を含有する材料から区別することができる。欠陥を含まない格子間原子優勢材の領域は、エッチングによって明らかにされるデコレーションされた特徴を含有しないが、(上記の高温の酸素核溶解処理を行う前の)欠陥を含まない空孔優勢材の領域は、酸素核の銅デコレーションによる小さなエッチピットを有する。
【0059】
定義
本明細書において使用される「結晶成長導入欠陥を実質的に有さない」という語句は、現在のところ約0.1ミクロンの結晶成長導入欠陥検出限度を有する当分野において一般的な自動検出装置(例えば、Tencor 6220レーザー検出装置)によって測定される、エピタキシャル層が付着される基材表面における凝集格子間原子欠陥の存在によって生じるヒロックまたは積層欠陥とも称される結晶成長導入欠陥、を有さない本発明のエピタキシャル層を意味し;「重ねマップにする」(stacked mapped)という語句は、一連のサンプルエピウエハまたは基材をレーザー検出装置によって分析し、一連のウエハの各ウエハに関する結果を1つのマップに堆積するかまたは「重ね」て、1連のウエハまたは基材における欠陥の半径方向位置を示す方法を意味する。
【0060】
加えて、本明細書中で使用されているように、下記の表現または用語は、下記の意味を有するものとする。「凝集した真性の点欠陥」は、下記によって生じる欠陥を意味する:(i)空孔が凝集して、D欠陥、フローパターン欠陥、ゲート(gate)酸化物の保全性欠陥(integrity defect)、結晶起源の粒子欠陥、結晶起源の光点欠陥、および他のそのような空孔に関連する欠陥を生成する反応、または(ii)自己格子間原子が凝集して、転位ループおよび転位ネットワーク、ならびに他のそのような自己格子間原子に関連する欠陥を生成する反応。
【0061】
「凝集した格子間原子欠陥」は、シリコン自己格子間原子が凝集する反応によって生じる凝集した真性の点欠陥を意味するものとする。「凝集した空孔欠陥」は、結晶格子の空孔が凝集する反応によって生じる凝集した空孔欠陥を意味するものとする。「半径」は、中心軸から、ウエハまたはインゴットの周囲縁まで測定される距離を意味する。「凝集した真性の点欠陥を実質的に含まない」は、凝集した欠陥の濃度がこれらの欠陥の検出限界未満であることを意味するものとする(検出限界は、現在、約10欠陥/cmである)。「V/I境界」は、インゴットまたはウエハの半径に沿った位置で、材料が空孔優勢から自己格子間原子優勢に変化する位置を意味する。「空孔優勢」および「自己格子間原子優勢」は、真性の点欠陥が、それぞれ、優勢的に空孔または自己格子間原子である材料を意味する。
【0062】
(実施例)
実施例1〜7は、本発明に使用するのに好適な基材ウエハの製造に関し、即ち、チョクラルスキー法によってインゴットが凝固温度から冷却される際に、インゴットの定直径部分の軸対称領域において真性点欠陥の凝集が防止され、本発明の基材ウエハがそれからスライスされる、単結晶シリコンインゴットの製造を例示する。実施例8は、本発明のエピタキシャルウエハの特徴を示す。
【0063】
実施例1〜7に関しては、これらの実施例が、所望の結果を得るために使用される1組の条件を示すことに注意すべきである。所定の結晶引き取り装置に関して最適な引き上げ速度プロファイルを求める代替的方法が存在する。例えば、種々の引き上げ速度において一連のインゴットを成長させるのではなく、結晶の長さに沿って増加し減少する引き上げ速度において単結晶を成長させることができ、この方法において、単結晶の成長の間に、凝集自己格子間原子欠陥が何度も現れたり消えたりする。従って、多くの種々の結晶位置に関して、最適引き上げ速度を求めることができる。
【0064】
全ての実施例は、例示するためのものであって、限定することを意図するものではない。
【0065】
基材
実施例1
所定のホットゾーン機構を有する結晶引き上げ装置の最適化手順
最初の200mmの単結晶シリコンインゴットを、結晶の長さに関して、引き上げ速度を0.75mm/分から約0.35mm/分に直線的に変化させた条件下で成長させた。図7は、結晶の長さを関数とする引き上げ速度を示す。結晶引き上げ装置内における成長中の200mmインゴットの以前に確立された軸方向温度特性と、平均軸方向温度勾配G、すなわち、メルト/固体界面での軸方向温度勾配における以前に確立された半径方向の変化とを考慮して、このような引き上げ速度を選択して、インゴットが、中心からインゴットの一方の末端の縁まで空孔優勢材であり、そして中心からインゴットのもう一方の末端の縁まで格子間原子優勢材であることを確実にした。成長したインゴットを長さ方向にスライスし、凝集した格子間原子欠陥の生成がどこから始まっているかを決定するために分析した。
【0066】
図8は、欠陥分布パターンを明らかにする一連の酸素析出熱処理を行った後のインゴットの肩から約635mm〜約760mmの範囲の部分に関して、インゴットの軸切断面の少数キャリア寿命を走査することによって得られた像である。約680mmの結晶位置で、凝集した格子間原子欠陥28のバンドを認めることができる。この位置は、v(680mm)=0.33mm/分の臨界引き上げ速度に対応する。この点において、軸対称領域6(格子間原子優勢材であるが、凝集した格子間原子欠陥を有さない領域)の幅はその最大値である;空孔優勢領域8の幅R (680)は約35mmであり、軸対称領域の幅R (680)は約65mmである。
【0067】
次いで、一連の4個の単結晶シリコンインゴットを、最初の200mmインゴットの軸対称領域の最大幅が得られた引き上げ速度よりも若干大きな定常的な引き上げ速度、およびそれよりも若干小さい定常的な引き上げ速度で成長させた。図9は、1〜4とそれぞれ記された4個の各結晶の結晶の長さを関数とする引き上げ速度を示す。次いで、これらの4個の結晶を分析して、凝集した格子間原子欠陥が最初に現れるかまたは消失する軸方向位置(および対応する引き上げ速度)を決定した。これらの4つの実験的に決定された点(「」を付ける)を図9に示す。これらの点からの内挿および外挿によって、図9においてv(Z)と印を付けた曲線が得られる。この曲線は、最初の近似に対して、軸対称領域がその最大幅である結晶引き上げ装置における長さを関数とする200mm結晶に関する引き上げ速度を表す。
【0068】
他の引き上げ速度でのさらなる結晶の成長およびこのような結晶のさらなる分析により、v(Z)の実験的な定義をさらに精密化する。
【0069】
実施例2
(r)における半径方向変化の低下
図10および図11は、メルト/固体界面での軸方向温度勾配G(r)の半径方向変化の減少によって達成され得る品質の改善を例示する。空孔および格子間原子の(メルト/固体界面から約1cmでの)初期濃度を、2つの場合について、異なるG(r)を用いて計算した:(1)G(r)=2.65+5×10−4(K/mm)および(2)G(r)=2.65+5×10−5(K/mm)。それぞれの場合について、引き上げ速度を、空孔が多いシリコンと格子間原子が多いシリコンとの境界が3cmの半径のところに位置するように調節した。場合1および場合2のために使用した引き上げ速度は、それぞれ、0.4mm/分および0.35mm/分であった。図11から、結晶の格子間原子が多い部分における格子間原子の初期濃度は、初期軸方向温度勾配の半径方向の変化が減少すると、劇的に減少することが明らかである。これにより、格子間原子の過飽和による格子間原子欠陥クラスターの生成を回避することがより容易になるために材料品質は改善される。
【0070】
実施例3
格子間原子に関する増加した外方拡散時間
図12および図13は、格子間原子の外方拡散に必要な時間を増大させることによって達成され得る品質の改善を例示する。格子間原子の濃度を、2つの場合について、結晶において異なる軸方向温度特性dT/dzを用いて計算した。メルト/固体界面での軸方向温度勾配は両方の場合について同じであり、その結果、格子間原子の(メルト/固体界面から約1cmでの)初期濃度は両方の場合について同じである。本実施例において、引き上げ速度を、結晶全体が、格子間原子が多くなるように制御した。引き上げ速度は、両方の場合について同じであり、0.32mm/分であった。場合2における格子間原子の外方拡散に必要な時間が長いほど、格子間原子濃度の全体的な減少が得られる。これにより、格子間原子の過飽和による格子間原子欠陥クラスターの生成を回避することがより容易になるために材料品質は改善される。
【0071】
実施例4
長さが700mmで、直径が150mmの結晶を、様々な引き上げ速度で成長させた。引き上げ速度を、肩部での約1.2mm/分から、肩部から430mmのところでの約0.4mm/分までほぼ直線的に変化させ、次いで、肩部から700mmのところでの約0.65mm/分にまでほぼ直線的に戻した。この特定の結晶引き上げ装置におけるこのような条件下において、半径全体を、結晶の肩部から約320mm〜約525mmの範囲の結晶の長さにわたって、格子間原子が多い条件下で成長させた。図14を参照して、約525mmの軸方向位置および約0.47mm/分の引き上げ速度で、結晶は、直径全体にわたって、凝集した真性の点欠陥クラスターを含まない。言い換えれば、軸対称領域の幅、すなわち、凝集した欠陥を実質的に有しない領域の幅がインゴットの半径に等しい結晶の小さな部分が存在する。
【0072】
実施例5
実施例1に示すように、一連の単結晶シリコンインゴットを様々な引き上げ速度で成長させ、次いで、凝集した格子間原子欠陥が最初に現れるか消失する軸方向位置(および対応する引き上げ速度)を決定するために分析した。軸方向位置に対して引き上げ速度をグラフにプロットしたこれらの点からの内挿および外挿によって、第1の近似に対して、軸対称領域がその最大幅である結晶引き上げ装置における長さを関数とする200mmの結晶に関する引き上げ速度を示す曲線が得られた。次いで、さらなる結晶を他の引き上げ速度で成長させ、これらの結晶のさらなる分析を使用して、この実験的に決定した最適な引き上げ速度特性の精度を上げた。
【0073】
このデータを使用し、そしてこの最適な引き上げ速度特性に従って、長さが約1000mmで、直径が約200mmの結晶を成長させた。次いで、成長させた結晶の、様々な軸方向位置から得られたスライス物を、(i)凝集した格子間原子欠陥が生成しているかどうかを決定するために、そして(ii)スライス物の半径を関数としてV/I境界の位置を決定するために、この分野で標準的な酸素析出法を使用して分析した。このように、軸対称領域の存在を、結晶の長さまたは位置を関数としてこの領域の幅と同様に決定した。
【0074】
インゴットの肩から約200mm〜約950mmの範囲の軸方向位置に関して得られた結果を図15のグラフに示す。これらの結果は、引き上げ速度特性が、単結晶シリコンインゴットの成長に関して、インゴットの直径一定部分が、直径一定部分の半径の少なくとも約40%の長さである幅(周囲方向の縁からインゴットの中心軸に向かって半径方向に測定される)を有する軸対称領域を含有するように決定され得ることを示す。さらに、これらの結果は、この軸対称領域が、インゴットの直径一定部分の長さの約75%の長さである長さ(インゴットの中心軸に沿って測定される)を有し得ることを示す。
【0075】
実施例6
長さが約1100mmで、直径が約150mmの単結晶シリコンインゴットを、引き上げ速度を低下させて成長させた。インゴットの直径一定部分の肩での引き上げ速度は約1mm/分であった。引き上げ速度を、肩から約200mmの軸方向位置に対応する約0.4mm/分にまで指数関数的に低下させた。次いで、引き上げ速度を、約0.3mm/分の速度がインゴットの直径一定部分の終端付近で得られるまで直線的に低下させた。
【0076】
この特定のホットゾーン配置でのこのようなプロセス条件下において、得られたインゴットは、軸対称領域が、インゴットの半径にほぼ等しい幅を有する領域を含有した。次に、一連の酸素析出熱処理を行った後のインゴットの一部の軸切断面の少数キャリア寿命を走査することによって得られた像である図16aおよび図16bを参照して、軸方向位置が約100mm〜約250mmおよび約250mm〜約400mmの範囲であるインゴットの連続領域が存在する。軸方向位置が肩から約170mm〜約290mmの範囲にあり、直径全体にわたって凝集した真性の点欠陥を含まない領域がインゴット内に存在することがこれらの図から認めることができる。言い換えれば、軸対称領域の幅、すなわち、凝集した格子間原子欠陥を実質的に含まない領域の幅がインゴットの半径にほぼ等しい領域がインゴット内に存在する。
【0077】
さらに、軸方向位置から、約125mm〜約170mmの範囲および約290mm〜400mmを超える部分の範囲の領域において、凝集した真性の点欠陥を含まず、凝集した真性の点欠陥を同様に含まない空孔優勢材のほぼシリンダー状のコアを囲む格子間原子優勢材の軸対称領域が存在する。
【0078】
最後に、軸方向位置から、約100mm〜約125mmの範囲の領域において、凝集した欠陥を含まず、空孔優勢材の一般にはシリンダー状コアを囲む格子間原子優勢材の軸対称領域が存在する。空孔優勢材の内部において、凝集した欠陥を含まず、凝集した空孔欠陥を含有するコアを囲む軸対称領域が存在する。
【0079】
実施例7
冷却速度およびV/I境界の位置
一連の単結晶シリコンインゴット(150mmおよび200mmの公称直径)を、チョクラルスキー法に従って、約1050℃を超える温度でシリコンの滞留時間に影響を与える異なるホットゾーン配置(この分野での一般的な手段により設計)を使用して成長させた。各インゴットの引き上げ速度特性をインゴットの長さに沿って変化させ、凝集した空孔の点欠陥領域から、凝集した格子間原子点欠陥領域に転移させることを試みた。
【0080】
一旦成長させ、インゴットを、成長方向に平行する中心軸に沿って長さ方向に切断し、次いで、それぞれが約2mmの厚さの部分にさらに分割した。次いで、前記の銅デコレーション技法を使用して、そのような長さ方向の部分の1組を加熱し、銅をわざと混入させた。加熱条件は、高濃度の銅格子間原子を溶解させるのに適していた。次いで、このような熱処理の後に、サンプルを急冷した。この間に、銅不純物は、酸化物クラスター、または存在する場合には、凝集した格子間原子欠陥の部位で外方拡散するかまたは析出した。標準的な欠陥ディリニエーションエッチングを行った後に、サンプルを析出不純物について目視で検査した;そのような析出不純物を含まないそのような領域は、凝集した格子間原子欠陥を含まない領域に対応した。
【0081】
長さ方向の部分の別組を、キャリア寿命マッピングの前に新しい酸化物クラスターの核形成および成長を行うために一連の酸素析出熱処理に供した。寿命マッピングにおけるコントラストバンドを、各インゴットにおける様々な軸方向位置での瞬間的なメルト/固体界面の形状の決定および測定を行うために利用した。次いで、メルト/固体界面の形状に関する情報を使用して、下記においてさらに考察するように、平均軸方向温度勾配Gの絶対値およびその半径方向の変化を見積もった。この情報はまた、引き上げ速度とともにv/Gの半径方向の変化を見積もるために使用された。
【0082】
単結晶シリコンインゴットの得られる品質に対する成長条件の効果をより詳細に調べるために、今日までの実験的証拠に基づいて妥当と考えられるいくつかの仮定を行った。最初に、格子間原子欠陥の凝集が生じる温度にまで冷却するのに要した時間に関する熱履歴の処理を単純化するために、約1050℃は、シリコン自己格子間原子の凝集が生じる温度に関して合理的な近似であると仮定した。この温度は、異なる冷却速度が用いられる実験を行っているときに観測された凝集した格子間原子欠陥の密度での変化と一致するようである。
【0083】
上記のように、凝集が生じるかどうかは、格子間原子濃度の因子でもあるが、凝集は、約1050℃を超える温度では生じないと考えられる。なぜなら、格子間原子濃度の範囲がチョクラルスキー型の成長プロセスに典型的であるならば、この系は、この温度より高い温度で、格子間原子により臨界的に過飽和にならないと仮定することは妥当であるからである。言い換えれば、チョクラルスキー型の成長プロセスに典型的な格子間原子濃度に関して、系は約1050℃を超える温度で臨界的に過飽和にならない、従って、凝集事象は生じないと仮定することは妥当である。
【0084】
単結晶シリコンの品質に対する成長条件の効果をパラメーター化するために行った第2の仮定は、シリコン自己格子間原子の拡散率の温度依存性は無視できるということである。言い換えれば、自己格子間原子は、約1400℃と約1050℃との間のすべての温度で同じ速度で拡散すると仮定する。約1050℃は、凝集の温度に関して妥当な近似と見なされると理解すると、この仮定の本質的な点は、融点からの冷却曲線の細部は問題とならないということである。拡散距離は、融点から約1050℃までの冷却に費やされた総時間にだけに依存する。
【0085】
各ホットゾーン機構に関する軸方向温度特性データおよび特定のインゴットに関する実際の引き上げ速度特性を使用して、約1400℃から約1050℃までの総冷却時間を計算することができる。温度が各ホットゾーンに関して変化する速度はかなり均一であったことに注意しなければならない。この均一性は、凝集した格子間原子欠陥に必要な核形成温度(すなわち、約1050℃)の選択における何らかの誤差は、議論の余地はあるが、計算された冷却時間における誤差を比例的に増減させるだけであることを意味する。
【0086】
インゴットの空孔優勢領域の半径方向の拡がり(Rvacancy)、あるいは軸対称領域の幅を決定するために、空孔優勢コアの半径は、寿命マッピングによって決定されるように、v/G=v/G臨界である凝固での点に等しいとさらに仮定した。言い換えれば、軸対称領域の幅は、一般的には、室温に冷却した後のV/I境界の位置に基づくと仮定した。これは、上記のように、インゴットが冷えると、空孔とシリコン自己格子間原子との再結合が生じ得るので注目される。再結合が生じるとき、V/I境界の実際の位置は、インゴットの中心軸に向かって内側に移動する。本明細書で示されているのはこの最終的な位置である。
【0087】
凝固時の結晶における平均軸方向温度勾配Gの計算を単純化するために、メルト/固体界面の形状は融点等温線であると仮定した。結晶の表面温度を、有限要素モデル化(FEA)技法およびホットゾーン機構の細部を使用して計算した。結晶内の全体の温度場、従ってGを、ラプラス式を適切な境界条件、すなわち、メルト/固体界面に沿った融点および結晶軸に沿った表面温度に関するFEA結果を用いて解くことによって得た。調製および評価を行ったインゴットの1つから様々な軸方向位置で得られる結果を図17に示す。
【0088】
格子間原子の初期濃度に対するGの半径方向の効果を評価するために、半径方向の位置R’、すなわち、V/I境界と結晶表面との間の途中の位置は、シリコン自己格子間原子がインゴットにおいてシンクから離れ得る最も遠い点であると仮定したが、そのようなシンクは、空孔優勢領域に存在するか、または結晶表面に存在するかにはよらない。上記のインゴットに関する成長速度およびGデータを使用することによって、位置R’で計算されたv/GとV/I境界でのv/G(すなわち、臨界v/G値)との差は、過剰な格子間原子が結晶表面上のシンクまたは空孔優勢領域でのシンクに到達し得ることに対する効果、および格子間原子の初期濃度での半径方向の変化を示す。
【0089】
この特定のデータ組に関して、結晶の品質は、全体的には、v/Gでの半径方向の変化に依存していないようである。図28から明らかであり得るように、インゴットにおける軸方向依存性はこのサンプルで最小である。この実験系列に含まれる成長条件は、Gの半径方向の変化においてかなり狭い範囲を示す。結果として、このデータ組は狭すぎて、Gの半径方向の変化に対する品質(すなわち、凝集した真性の点欠陥の有無)の認識可能な依存性を解明することができない。
【0090】
上記のように、調製した各インゴットのサンプルを、凝集した格子間原子欠陥の有無について様々な軸方向位置で評価した。調べた各軸方向位置に関して、サンプルの品質と軸対称領域の幅との間に相関が存在し得る。次に、図29を参照して、サンプルが、そのような特定の軸方向位置において、凝固から約1050℃に冷却された時間に対する所与サンプルの品質を比較するグラフを得ることができる。予想されるように、このグラフは、軸対称領域の幅(すなわち、Rcrystal−Rvacancy)が、この特定の温度範囲におけるサンプルの冷却履歴に強く依存していることを示す。軸対称領域の幅が大きくなるに従って、より長い拡散時間またはより遅い冷却速度が必要であるという傾向が示唆される。
【0091】
このグラフに示されるデータに基づいて、この特定の温度範囲内における所与インゴット直径に可能な冷却速度の関数として、「良好」(すなわち、無欠陥)から「不良」(すなわち、欠陥含有)までのシリコンの品質での転移を一般的に示す最良の近似線を計算することができる。軸対称領域の幅と冷却速度との間の一般的な関係は、下記の式で表すことができる:
【0092】
(Rcrystal−Rtransition) = Deff 1050℃
【0093】
上式において、
crystalは、インゴットの半径であり、
transitionは、無欠陥部から欠陥含有部まで、あるいはその逆の格子間原子優勢材において転移が生じるサンプルの軸方向位置での軸対称領域の半径であり、
effは、格子間原子拡散率の平均時間および温度を表す定数で、約9.310−4cmsec−1であり、そして
1050℃は、サンプルの所与の軸方向位置が凝固から約1050℃に冷却されるのに必要な時間である。
【0094】
再度、図19を参照して、所与のインゴット直径に関して、冷却時間を、所望する直径の軸対称領域を得るために見積もれることが理解され得る。例えば、約150mmの直径を有するインゴットに関して、インゴットの半径にほぼ等しい幅を有する軸対称領域は、約1410℃〜約1050℃の温度範囲域で、インゴットのこの特定部分が約10時間〜約15時間で冷却される場合に得ることができる。同様に、約200mmの直径を有するインゴットに関して、インゴットの半径にほぼ等しい幅を有する軸対称領域は、この温度範囲域で、インゴットのこの特定部分が約25時間〜約35時間で冷却される場合に得ることができる。この線がさらに外挿される場合、約65時間〜約75時間の冷却時間が、約300mmの直径を有するインゴットの半径にほぼ等しい幅を有する軸対称領域を得るために必要とされ得る。この点に関して、インゴットの直径が大きくなるに従って、格子間原子がインゴット表面または空孔コアでシンクに達するために拡散しなければならない距離が増大するために、さらなる冷却時間が必要であることに注意しなければならない。
【0095】
次に、図20、図21、図22および図23を参照して、様々なインゴットに関する冷却時間の増加による効果を認めることができる。これらの図のそれぞれは、凝固温度から1050℃までの冷却時間が図20から図23まで段階的に増大した公称直径が200mmのインゴットの一部を示す。
【0096】
図20を参照して、軸方向位置が肩から約235mm〜約350mmの範囲にあるインゴットの一部を示す。約255mmの軸方向位置において、凝集した格子間原子欠陥を含まない軸対称領域の幅は最大であり、インゴットの半径の約45%である。この位置を超えると、そのような欠陥を含まない領域から、そのような欠陥が存在する領域への転移が生じる。
【0097】
次に、図21を参照して、軸方向位置が肩から約305mm〜約460mmの範囲にあるインゴットの一部を示す。約360mmの軸方向位置において、凝集した格子間原子欠陥を含まない軸対称領域の幅は最大であり、インゴットの半径の約65%である。この位置を超えると、欠陥生成が始まる。
【0098】
次に、図22を参照して、軸方向位置が肩から約140mm〜約275mmの範囲にあるインゴットの一部を示す。約210mmの軸方向位置において、軸対称領域の幅は、インゴットの半径にほぼ等しい;すなわち、この範囲内のインゴットの小部分は、凝集した真性の点欠陥を含まない。
【0099】
次に、図23を参照して、軸方向位置が肩から約600mm〜約730mmの範囲にあるインゴットの一部を示す。約640mm〜約665mmの範囲の軸方向位置に関して、軸対称領域の幅は、インゴットの半径にほぼ等しい。さらに、軸対称領域の幅がインゴットの半径にほぼ等しいインゴット領域の長さは、図22のインゴットに関連して認められる長さよりも大きい。
【0100】
従って、図20、図21、図22および図23を組み合わせて見た場合、これらの図は、1050℃への冷却時間の欠陥を含まない軸対称領域の幅および長さに対する効果を明らかにしている。一般に、凝集した格子間原子欠陥を含有する領域が、結晶のそのような部分の冷却時間に関して低下させるには大きすぎる格子間原子の初期濃度を導く結晶の引き上げ速度の連続的な低下の結果として生じた。
【0101】
軸対称領域の長さが大きくなることは、より大きな範囲の引き上げ速度(すなわち、格子間原子の初期濃度)を、欠陥を含まないそのような材料に関して得ることができることを意味する。冷却時間の増大は、格子間原子のより大きな初期濃度を可能にする。なぜなら、半径方向の拡散に充分な時間が達成され、その濃度を格子間原子欠陥の凝集に必要とされる臨界濃度よりも低く抑えることができるからである。言い換えれば、冷却時間が長くなることに関して、引き上げ速度を少し低くしても(従って、格子間原子のより大きな初期濃度)、依然として最大の軸対称領域6が得られる。従って、冷却時間を長くすると、最大の軸対称領域の直径に必要とされる条件について許容可能な引き上げ速度の変化を大きくし、プロセス制御に対する制限を緩くする。結果として、インゴットのより大きな長さにわたる軸対称領域に関する制御が一層容易になる。
【0102】
再度、図23を参照すると、結晶の肩から約665mmから730mmを超えるところまでの範囲の軸方向位置に関して、凝集した欠陥を含まない空孔優勢材の領域が存在し、その領域におけるその領域の幅はインゴットの半径に等しい。
【0103】
上記の結果から明らかであり得るように、冷却速度を制御することにより、自己格子間原子濃度は、それらが消滅し得る領域に格子間原子が拡散するのにより多くの時間を可能にすることによって抑制され得る。結果として、凝集した格子間原子欠陥の形成が、単結晶シリコンインゴットの大部分において防止される。
【0104】
エピタキシャルウエハ
実施例8
本発明の方法によって、(公称)直径約200mmの2種類のチョクラルスキーp型単結晶シリコンインゴットを成長させた。インゴットAは、前記の方法によって製造して、凝集欠陥を実質的に有さない格子間原子優勢材の軸対称領域を有する部分を得た。これに対して、インゴットBは、当分野で一般的な工程条件を使用して製造した。成長の終了後に、スライシング、ラッピング、エッチング、および研磨を含む当分野で一般的な方法によって、各インゴットをさらに処理してウエハを得た。そのような方法は、例えば、F.Shimura, Semiconductor Silicon Crystal Technology, Academic Press,1989、およびSilicon Chemical Etching,(J.Grabmaier発行)Springer-Verlag, New York, 1982に記載されている(それらに記載の内容は本発明の一部を構成するものとする)。
【0105】
インゴットAから得られる12個のウエハ、およびインゴットBから得られる13個のウエハを、凝集格子間原子欠陥および空孔欠陥に関して分析した(Tencorレーザースキャン)。次に、所定のセットにおける各ウエハに関して得られる結果を、そのセットの他のウエハの結果と一緒に重ねマップにして、図26および図27(それぞれ、インゴットAおよびBから得られるウエハに関する)に示される結果を得た。図26を参照すると、インゴットAから得られるウエハが、半径の約60%に相当する幅を有する凝集格子間原子欠陥を実質的に有さない格子間原子型材料の軸対称領域、および凝集空孔欠陥を有する空孔型材料の中心コアを有することを、結果が示している。これに対して、図27から分かるように、インゴットBから得られるウエハが凝集格子間原子欠陥を有し、ウエハが、インゴットの縁に近いところから内側に向かって半径の約80%に延在する、インゴットの半径にほぼ等しい幅を有するそのような欠陥のバンドを有することを、結果が示している。
【0106】
はじめのTencor分析が終了した後、ウエハをエピタキシャル付着工程にかけ、その工程において、約4ミクロンの厚みのエピタキシャル層を付着させた。次に、得られるエピタキシャルウエハを、Tencor分析によって再評価し、結果を重ねマップで示す。次に、図28および図29(それぞれ、インゴットAおよびBから得られるウエハに関する結果を示す)を参照すると、インゴットA(図28)から得られるエピタキシャルウエハは、結晶成長導入欠陥の濃度について、インゴットBから得られるエピタキシャルウエハと比較して、優れた品質であることを分析結果が示す。特に図29を参照すると、基材における凝集格子間原子欠陥の存在が、エピタキシャルウエハにおける結晶成長導入欠陥のバンドを形成させることが分かる。これに対して、図28を参照すると、そのような凝集欠陥の不存在が、結晶成長導入欠陥を実質的に有さないエピタキシャル層を形成させる。さらに、凝集空孔欠陥の中心コアの存在が、得られるエピタキシャル層の品質にそれほど重大でないことも、図28および図29の両図から分かる。特に、凝集空孔欠陥の存在は一般に、エピタキシャル層における欠陥形成につながらなかった。
【0107】
図28に示される結果に関して、エピタキシャル層の表面に他の欠陥が存在すると考えられることに注意すべきである。いかなる特定の理論にも縛られるわけではないが、これらの欠陥は、基材表面に存在する凝集格子間原子欠陥または空孔欠陥によるものではないと考えられる。例えば、図28および図29の両方において、10ミクロンより大きいサイズの欠陥パターンが存在する。観察されるパターンの故に、およびインゴットAからのウエハがそのような凝集欠陥を実質的に有さないように製造される(所定結晶引き取り装置において前もって決められる成長条件に基づいて、そのような結果を得る)故に、これらの欠陥は、凝集格子間原子欠陥以外の物によって生じたと一般に考えられる。Tencor分析によって検出される他の欠陥は、エピタキシャル付着前の基材表面の粒状または他の有機汚染物のような物、あるいは単に、エピタキシャル層の表面に存在するダスト粒子または他の微粒子によると考えられる。
【0108】
基材表面における凝集格子間原子欠陥の存在に関係する、エピタキシャル層における結晶成長導入欠陥は、顕微鏡によるエピタキシャル層の検査を含む種々の方法によって、これらの他の種類の欠陥と区別することができる。例えば、顕微鏡で観察した場合に、そのような結晶成長導入欠陥は、明確な結晶学的配向を有する、即ち、ヒロックまたは積層欠陥が一般に[110]結晶面に沿って形成されると一般に考えられる。例えば、図30を参照すると、インゴットBから得られるエピタキシャルウエハの表面に検出される欠陥の光学顕微鏡像が示されている。約0.12ミクロンの大きさを有する欠陥は、高さが非常に低いヒロックであり、長さが約10ミクロン、幅が約2〜3ミクロンである。その欠陥は、約6時のノッチ配列と約45°の配向を有する。
【0109】
これに対して、基材表面における、粒状または他の汚染物の部位における付着材料の堆積から生じる欠陥は、結晶学的配向を有さないと考えられる。そのような欠陥は、大面積欠陥(large area defects)、またはLAD、と称されることもある。従って、先ず基材を分析して、凝集空孔欠陥および格子間原子欠陥の領域を確認し、次に、エピタキシャル付着後にその同じ領域を分析して、欠陥が存在する場合に、エピタキシャルウエハ表面に存在する欠陥の種類を決定することによって、本発明を確認しうることに注意すべきである。
【0110】
前記のように、凝集格子間原子欠陥および空孔欠陥は、化学エッチングによるデコレーション(decoration)によっても検出することができる。インゴットBからのエピタキシャルウエハの結晶成長導入欠陥の領域が、基材の凝集格子間原子欠陥の領域に対応することをさらに確認するために、ウエハが取られた部分の近くの軸方向位置からスライスしたインゴットBの4分の1の部分を、前記に詳しく説明したように、銅デコレーション法にかけた。次に、図31を参照すると、銅デコレーション後に、この4分の1の部分が、凝集空孔欠陥(ウエハの中心に近い、「空孔」として示されている領域)および凝集格子間原子欠陥(空孔の半径方向に外側に位置する、「I欠陥」として示されている領域)の優勢な材料の明確な領域を有するのが観察される。凝集格子間原子欠陥の領域が、中心軸から約30mmから始まり、中心軸から約90mmで終わることも観察される。図29を再び参照すると、エピタキシャル層における結晶成長導入欠陥の濃厚バンドが、中心軸から約30mmで始まり、中心軸から約90mmで終わることが観察される。
【0111】
前記に鑑みて、本発明のいくつかの目的が達成されることが理解される。
【0112】
本発明の範囲を逸脱せず、前記の構成および方法に種々の変更を加えることが可能であるので、前記に開示される全ての内容は、例示するものであって、限定することを意図するものではないと理解すべきものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 自己格子間原子[I]および空孔[V]の初期濃度が、比率v/G[vは成長速度であり、Gは平均軸方向温度勾配である。]の数値の増加に伴って、変化する例を示すグラフである。
【図2】 自己格子間原子[I]の所定初期濃度に関して温度Tが低下するに伴って、凝集格子間原子欠陥の形成に必要とされる自由エネルギーの変化ΔGが増加する例を示すグラフである。
【図3】 Gの数値の増加によって比率v/Gの数値が減少するに伴って、自己格子間原子[I]および空孔[V]の初期濃度が、ウエハまたはインゴットの半径に沿って変化する例を示すグラフである。
【図4】 それぞれ優勢材料の空孔Vおよび自己格子間原子Iの領域、ならびそれらの間に存在するV/I境界を示す単結晶シリコンインゴットまたはウエハの正面図である。
【図5】 インゴットの直径一定部分の軸対称領域を詳細に示す、単結晶シリコンインゴットの縦断面図である。
【図6】 空孔優勢材料のほぼシリンダー状の領域、自己格子間原子優勢材料のほぼ環状の軸対称領域、それらの間に存在するV/I境界、および凝集格子間原子欠陥の領域を詳細に示す、一連の酸素析出熱処理後のインゴットの軸方向カットの少数担体寿命のスキャンによって得られる画像である。
【図7】 引き上げ速度が、結晶の長さの一部において線状に減少することを示す、結晶の長さの関数としての引き上げ速度(即ち、種の引き上げ)のグラフである。
【図8】 実施例1に記載のような、一連の酸素析出熱処理後の、インゴットの軸方向カットの少数担体寿命のスキャンによって得られる画像である。
【図9】 実施例1に記載のような、v(Z)で示される曲線を得るために使用される、それぞれ1〜4で示される4つの単結晶シリコンインゴットにおける、結晶の長さの関数としての引き上げ速度のグラフである。
【図10】 実施例2に記載の2種類の場合における、半径方向位置の関数としての、メルト/固体界面Gにおける平均軸方向温度勾配のグラフである。
【図11】 実施例2に記載の2種類の場合における、半径方向位置の関数としての、空孔「V」および自己格子間原子「I」の初期濃度のグラフである。
【図12】 実施例3に記載の2種類の場合における、インゴットにおける軸方向温度プロファイルを示す、軸方向位置の関数としての温度のグラフである。
【図13】 図12に示され、実施例3にさらに詳しく記載される2種類の冷却条件から得られる自己格子間原子濃度のグラフである。
【図14】 実施例4に記載のような、一連の酸素析出熱処理後の、全インゴットの軸方向カットの少数担体寿命のスキャンによって得られる画像である。
【図15】 実施例5に記載のような、単結晶シリコンインゴットの長さの関数としての、V/I境界の位置を示すグラフである。
【図16a】 実施例6に記載のような、一連の酸素析出熱処理後の、インゴットのショルダーから約100mm〜約250mmにわたるインゴットのセグメントの軸方向カットの少数担体寿命のスキャンによって得られる画像である。
【図16b】 実施例6に記載のような、一連の酸素析出熱処理後の、インゴットのショルダーから約250mm〜約400mmにわたるインゴットのセグメントの軸方向カットの少数担体寿命のスキャンによって得られる画像である。
【図17】 実施例7に記載のような、インゴットの種々の軸方向位置における、軸方向温度勾配Gのグラフである。
【図18】 実施例7に記載のような、インゴットの種々の軸方向位置における、平均軸方向温度勾配Gにおける半径方向変化のグラフである。
【図19】 実施例7に記載のような、軸対称領域の幅と冷却速度の関係を示すグラフである。
【図20】 実施例7に記載のような、銅デコレーション(copper decoration)および欠陥ディリニエーションエッチング(defect−delineating etch)後の、インゴットのショルダーから約235mm〜約350mmにわたるインゴットのセグメントの軸方向カットの写真である。
【図21】 実施例7に記載のような、銅デコレーションおよび欠陥ディリニエーションエッチング後の、インゴットのショルダーから約305mm〜約460mmにわたるインゴットのセグメントの軸方向カットの写真である。
【図22】 実施例7に記載のような、銅デコレーションおよび欠陥ディリニエーションエッチング後の、インゴットのショルダーから約140mm〜約275mmにわたるインゴットのセグメントの軸方向カットの写真である。
【図23】 実施例7に記載のような、銅デコレーションおよび欠陥ディリニエーションエッチング後の、インゴットのショルダーから約600mm〜約730mmにわたるインゴットのセグメントの軸方向カットの写真である。
【図24】 種々の形態のホットゾーン(hot zones)において生じる、(固化温度からx軸における温度への勾配を平均することによって求めた)インゴット中心からインゴット半径の約1/2までの平均軸方向温度勾配G(r)における半径方向変化を示すグラフである。
【図25】 4種類のホットゾーン形態におけるインゴットの軸方向温度プロファイルを示すグラフである。
【図26】 実施例8に記載の12個のチョクラルスキーp型単結晶シリコン基材ウエハの、光散乱欠陥分析の結果を示すオーバーレイグラフ(即ち、重ねマップ)である。
【図27】 実施例8に記載の13個のチョクラルスキーp型単結晶シリコン基材ウエハの、光散乱欠陥分析の結果を示すオーバーレイグラフ(即ち、重ねマップ)である。
【図28】 図26の12個の基材に対応する、実施例8に記載の、12個のエピタキシャルシリコンウエハの光散乱欠陥分析の結果を示すオーバーレイグラフ(即ち、重ねマップ)である。
【図29】 図27の13個の基材に対応する、実施例8に記載の、13個のエピタキシャルシリコンウエハの光散乱欠陥分析の結果を示すオーバーレイグラフ(即ち、重ねマップ)である。
【図30】 顕微鏡拡大によって観察される、実施例8に記載の、エピタキシャル層の表面に存在する結晶成長導入欠陥の写真である。
【図31】 銅デコレーションおよび欠陥ディリニエーションエッチング後の、実施例8に記載の、インゴットの4分の1の部分の写真である。

Claims (25)

  1. ウエハカセット、ボートまたは他のウエハキャリヤーにおいて集成される、エピタキシャルシリコンウエハのセットであって、各ウエハが、
    中心軸、中心軸にほぼ垂直な前表面および後表面、周囲縁、ならびに中心軸から周囲縁に延在する半径を有する単結晶シリコン基材であって、該基材が、シリコン自己格子間原子が優勢な真性点欠陥であり、凝集格子間原子欠陥を実質的に有さない、基材の周囲縁から内側に半径方向に延在する第一軸対称領域、を有する基材;および、
    該基材の表面に付着されるエピタキシャル層であって、結晶成長導入欠陥を実質的に有さないエピタキシャル層;
    を有して成り、
    各基材の第一軸対称領域が、周囲縁から中心軸に向かって半径方向に測定される幅を有し、該幅が基材の半径長さの少なくとも約20%である、エピタキシャルシリコンウエハのセット。
  2. 各基材の第一軸対称領域が、周囲縁から中心軸に向かって半径方向に測定される幅を有し、該幅が基材の半径長さ少なくとも約40%である、請求項1に記載のエピタキシャルウエハのセット。
  3. 各基材の第一軸対称領域が、周囲縁から中心軸に向かって半径方向に測定される幅を有し、該幅が基材の半径長さ少なくとも約80%である、請求項1に記載のエピタキシャルウエハのセット。
  4. 各基材の第一軸対称領域が、周囲縁から中心軸に向かって半径方向に測定される幅を有し、該幅が基材の半径にほぼ等しい、請求項1に記載のエピタキシャルウエハのセット。
  5. 該セットが少なくとも約10個のウエハを有する、請求項1に記載のエピタキシャルウエハのセット。
  6. 該セットが少なくとも約25個のウエハを有する、請求項1に記載のエピタキシャルウエハのセット。
  7. 各ウエハのエピタキシャル層が約1〜約10ミクロンの厚みを有する、請求項1に記載のエピタキシャルウエハのセット。
  8. 空孔が優勢な真性点欠陥であり、凝集空孔欠陥を実質的に有さない第二軸対称領域であって、中心軸を有するかまたは少なくとも約15mmの幅を有する第二軸対称領域を、各基材がさらに有する、請求項1に記載のエピタキシャルウエハのセット。
  9. 基材の第二軸対称領域が、半径の少なくとも約15%の幅を有する、請求項に記載のエピタキシャルウエハのセット。
  10. 基材の第二軸対称領域が、半径の少なくとも約25%の幅を有する、請求項に記載のエピタキシャルウエハのセット。
  11. 基材の第二軸対称領域が中心軸を有する、請求項に記載のエピタキシャルウエハのセット。
  12. 基材の第二軸対称領域が、少なくとも約15mmの幅を有する、請求項に記載のエピタキシャルウエハのセット。
  13. セットの中の各ウエハが、約10PPMA未満の酸素含有量を有する、請求項1に記載のエピタキシャルウエハのセット。
  14. 各ウエハが、少なくとも約150mmの公称直径を有する、請求項1に記載のエピタキシャルウエハのセット。
  15. 各ウエハが、少なくとも約200mmの公称直径を有する、請求項1に記載のエピタキシャルウエハのセット。
  16. ウエハカセット、ボートまたは他のウエハキャリヤーにおいて集成される、エピタキシャルシリコンウエハのセットであって、各ウエハが、
    チョクラルスキー法によって製造され少なくとも約150mmの公称直径を有する単結晶シリコンインゴットから得られる単結晶シリコン基材ウエハであって、該基材が、中心軸、中心軸にほぼ垂直な前表面および後表面、周囲縁、ならびに中心軸から周囲縁に延在する半径を有し、該基材が、シリコン自己格子間原子が優勢な真性点欠陥であり、凝集格子間原子欠陥を実質的に有さない、基材の周囲縁から内側に半径方向に延在する第一軸対称領域、を有することを特徴とする基材;および、
    該基材の表面に付着されるエピタキシャル層であって、該エピタキシャル層が付着される基材表面に存在する凝集格子間原子欠陥によって生じる結晶成長導入欠陥を実質的に有さないエピタキシャル層;
    を有して成り、各基材の第一軸対称領域が、周囲縁から中心軸に向かって半径方向に測定される幅を有し、該幅が基材の半径長さの少なくとも約40%である、エピタキシャルシリコンウエハのセット。
  17. 各基材の第一軸対称領域が、周囲縁から中心軸に向かって半径方向に測定される幅を有し、該幅が基材の半径長さ少なくとも約80%である、請求項16に記載のエピタキシャルウエハのセット。
  18. 各基材の第一軸対称領域が、周囲縁から中心軸に向かって半径方向に測定される幅を有し、該幅が基材の半径にほぼ等しい、請求項1に記載のエピタキシャルウエハのセット。
  19. 各ウエハが、少なくとも約200mmの公称直径を有する、請求項1に記載のエピタキシャルウエハのセット。
  20. 該セットが約25個のウエハを有する、請求項19に記載のエピタキシャルウエハのセット。
  21. 各ウエハが、少なくとも約300mmの公称直径を有する、請求項1に記載のエピタキシャルウエハのセット。
  22. 該セットが約13個のウエハを有する、請求項2に記載のエピタキシャルウエハのセット。
  23. 各ウエハのエピタキシャル層が約1〜約10ミクロンの厚みを有する、請求項1に記載のエピタキシャルウエハのセット。
  24. 空孔が優勢な真性点欠陥であり、凝集空孔欠陥を実質的に有さない第二軸対称領域であって、中心軸を有するかまたは少なくとも約15mmの幅を有する第二軸対称領域を、各基材がさらに有する、請求項1に記載のエピタキシャルウエハのセット。
  25. セットの中の各ウエハが、約12PPMA未満の酸素含有量を有する、請求項1に記載のエピタキシャルウエハのセット。
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