JPH11349393A - シリコン単結晶ウエーハおよびシリコン単結晶ウエーハの製造方法 - Google Patents
シリコン単結晶ウエーハおよびシリコン単結晶ウエーハの製造方法Info
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Abstract
エーハにおいて、結晶欠陥の形成を抑制したデバイス用
シリコン単結晶ウエーハを高生産性で得る。 【解決手段】 CZ法により窒素ドープされたシリコン
単結晶棒をウエーハ加工して得られたシリコン単結晶ウ
エーハで、該シリコン単結晶ウエーハのGrown-in欠陥の
サイズが70nm以下であるシリコン単結晶ウエーハ。C
Z法により窒素ドープされたシリコン単結晶棒をウエー
ハ加工して得られたシリコン単結晶ウエーハで、該単結
晶棒は1150〜1080℃における冷却速度を2.3
℃/min 以上に制御されて育成された単結晶棒であるシ
リコン単結晶ウエーハ。CZ法により窒素ドープしたシ
リコン単結晶棒を、該単結晶棒の1150〜1080℃
における冷却速度を2.3℃/min 以上に制御しつつ育
成した後、該単結晶棒をウエーハ加工してシリコン単結
晶ウエーハを製造するシリコン単結晶ウエーハの製造方
法。
Description
法(CZ法)によってシリコン単結晶を引上げる際に、
窒素をドープし、かつ最適な冷却速度、窒素濃度及び酸
素濃度に制御して結晶成長を行うことにより結晶内部に
存在するグローンイン(Grown−in)欠陥と呼ば
れる結晶欠陥のサイズを最小限にしたシリコン単結晶ウ
エーハ及びその製造方法に関する。
ためのウエーハとしては、主にチョクラルスキー法(C
Z法)によって育成された、シリコン単結晶ウエーハが
用いられている。このようなシリコン単結晶ウエーハに
結晶欠陥が存在すると、半導体デバイス作製時にパター
ン不良などを引き起こしてしまう。特に、近年の高度に
集積化されたデバイスにおけるパターン幅は、0.3μ
m以下といった非常に微細となっているため、このよう
なパターン形成時には、0.1μmサイズの結晶欠陥の
存在でもパターン不良等の原因になり、デバイスの生産
歩留あるいは品質特性を著しく低下させてしまう。従っ
て、シリコン単結晶ウエーハに存在する結晶欠陥は極力
サイズを小さくさせなければならない。
たシリコン単結晶中には、上記Grown-in欠陥と呼ばれ
る、結晶成長中に導入された結晶欠陥がさまざまな測定
法で見いだされることが報告されている。例えば、これ
らの結晶欠陥は商業レベルで生産されている一般的な成
長速度(例えば、約1mm/min以上)で引き上げら
れた単結晶では、Secco液(K2 Cr2 O7 と弗酸
と水の混合液)で表面を選択的にエッチング(Secc
oエッチング)することによりピットとして検出が可能
である(特開平4−192345号公報参照)。
中に凝集する原子空孔のクラスタあるいは石英ルツボか
ら混入する酸素原子の凝集体である酸素析出物であると
考えられている。これらの結晶欠陥はデバイスが形成さ
れるウエーハの表層部(0〜5ミクロン)に存在する
と、デバイス特性を劣化させる有害な欠陥となるので、
このような結晶欠陥を低減するための種々の方法が検討
されている。
低減するためには、結晶成長速度を極端に低下(例え
ば、0.4mm/min以下)して結晶を育成させれば
よいことが知られている(特開平2−267195号公
報参照)。ところが、この方法であると、新たに過剰な
格子間シリコンが集まって形成する転位ループと考えら
れる結晶欠陥が発生し、デバイス特性を著しく劣化さ
せ、問題の解決とはならないことがわかってきた。しか
も、結晶成長速度を従来の約1.0mm/min以上か
ら、0.4mm/min以下に低下させるのであるか
ら、著しい単結晶の生産性の低下、コストの上昇をもた
らしてしまう。
題点に鑑みて為されたもので、CZ法によって作製され
るシリコン単結晶ウエーハにおける、結晶欠陥の形成を
抑制したデバイス用シリコン単結晶ウエーハを、高生産
性で得ることを主たる目的とする。
め、本発明の請求項1に記載した発明は、チョクラルス
キー法により窒素をドープされたシリコン単結晶棒をウ
エーハに加工して得られたシリコン単結晶ウエーハであ
って、該シリコン単結晶ウエーハのGrown-in欠陥のサイ
ズが70nm以下であることを特徴とするシリコン単結晶
ウエーハである。
されたシリコン単結晶棒をウエーハに加工して得られた
シリコン単結晶ウエーハは、窒素をドープされているこ
とによってウエーハのGrown-in欠陥のサイズを70nm以
下にすることができる。このように、結晶欠陥の大きさ
を微細とすれば、デバイス作製上の影響がほとんどなく
なり、デバイスの生産歩留あるいは品質特性を向上させ
ることができるシリコン単結晶ウエーハとなる。
は、チョクラルスキー法により窒素をドープされたシリ
コン単結晶棒をウエーハに加工して得られたシリコン単
結晶ウエーハであって、該単結晶棒は1150〜108
0℃における冷却速度を2.3℃/min 以上に制御され
て育成された単結晶棒であることを特徴とするシリコン
単結晶ウエーハである。
されたシリコン単結晶棒をウエーハに加工して得られた
シリコン単結晶ウエーハは、窒素をドープされているこ
とによってウエーハ上に検出される結晶欠陥は極めて少
なく、また1150〜1080℃における冷却速度を
2.3℃/min 以上に制御されて育成されていることに
より、結晶欠陥の大きさはデバイス作成上問題とならな
いほど微細である。また、結晶欠陥の発生が抑制される
結果、結晶成長速度を高速化することが出来るので、生
産性の高いシリコン単結晶ウエーハとなる。
に、前記シリコン単結晶ウエーハの窒素濃度が、0.2
〜5×1015atoms/cm3 であることが好ましい。結晶欠
陥の形成を抑制するには、窒素濃度を1×1010atoms/
cm3 以上にするのが望ましく、シリコン単結晶の単結晶
化の妨げにならないようにするためには、5×1015at
oms/cm3 以下とするのが好ましいが、この0.2〜5×
1015atoms/cm3 の範囲の窒素濃度は、結晶欠陥の発生
の抑制に最も効果的な窒素濃度であるため、ウエーハの
窒素濃度がこの範囲であれば、結晶欠陥の発生を十分に
抑制することができる。
ラルスキー法によって窒素をドープしたシリコン単結晶
棒を育成する際に、単結晶棒に含有される酸素濃度を、
1.0×1018atoms/cm3 (ASTM ’79値)以下
にするのが好ましい。このように、低酸素とすれば、結
晶欠陥の形成を一層抑制することができるし、表面層で
の酸素析出物の形成を防止することも出来る。
ハであれば、表面に検出される結晶欠陥がきわめて少な
いものとすることができ、特に、請求項5に記載したよ
うに、ウエーハ表面の結晶欠陥の密度を40ケ/cm2
以下とすることができるので、デバイス作製時の歩留を
著しく改善出来るものとなり、結晶の生産性を著しく改
善することができる。
は、シリコン単結晶ウエーハの製造方法において、チョ
クラルスキー法によって窒素をドープしたシリコン単結
晶棒を、該単結晶棒の1150〜1080℃における冷
却速度を2.3℃/min 以上に制御しつつ育成した後、
該単結晶棒をウエーハに加工してシリコン単結晶ウエー
ハを製造することを特徴とするシリコン単結晶ウエーハ
の製造方法である。
する際に、窒素をドープすることによって結晶成長中に
導入される結晶欠陥の発生を抑制することが出来る。そ
して該単結晶棒の1150〜1080℃における冷却速
度を2.3℃/min 以上に制御しつつ結晶育成を行うこ
とにより、結晶欠陥の成長を抑制できるので結晶欠陥の
大きさを極めて微細なものとすることができる。さら
に、結晶欠陥の発生が抑制される結果、結晶成長速度を
高速化することが出来るので、結晶の生産性を著しく改
善することが出来る。
結晶棒にドープする窒素濃度を、0.2〜5×1015at
oms/cm3 にすることが好ましく、請求項8に記載したよ
うに、該単結晶棒に含有される酸素濃度を、1.0×1
018atoms/cm3 以下にすることが好ましい。このよう
に、CZ法により窒素をドープしてシリコン単結晶を製
造する際に、上記温度域を高速冷却するとともに最適な
窒素濃度と酸素濃度に制御することにより、結晶欠陥が
少なく高品質のシリコン単結晶ウエーハを、高生産性で
得ることができる。
本発明はこれらに限定されるものではない。本発明は、
CZ法によってシリコン単結晶育成中に窒素をドープす
る技術に加えて、結晶製造条件として、1150〜10
80℃における結晶の冷却速度が結晶欠陥の大きさに大
きく影響することに着目し、これを2.3℃/min 以上
の高速冷却速度に制御することにより、結晶欠陥の凝集
等による成長が抑制され、デバイス形成層(ウエーハ表
面層)中の結晶欠陥が問題とならないほど微細なシリコ
ン単結晶ウエーハを高生産性で得ることが出来ることを
見出し、諸条件を精査して本発明を完成させたものであ
る。
プすると、シリコン中の原子空孔の凝集が抑制され、結
晶欠陥密度が低下することが指摘されている(T.Abe an
d H.Takeno,Mat.Res.Soc.Symp.Proc.Vol.262,3,1992
)。この効果は原子空孔の凝集過程が、均一核形成か
ら不均一核形成に移行するためであると考えられる。し
たがって、CZ法によりシリコン単結晶を育成する際
に、窒素をドープすれば、近年問題となっているような
結晶欠陥のサイズを非常に小さくしてシリコン単結晶お
よびこれを加工してシリコン単結晶ウエーハを得ること
が出来る。しかも、この方法によれば、前記従来法のよ
うに、結晶成長速度を必ずしも低速化する必要がないた
め、高生産性で低欠陥のシリコン単結晶ウエーハを得る
ことが出来る可能性がある。
集温度帯域の通過時間に大きく影響される。この原子空
孔の凝集温度帯域は1150〜1080℃であることが
知られており、単結晶を育成する際に、この温度帯域を
短時間で通過させることにより結晶欠陥の大きさをより
小さくすることができることが予想される。そのため本
発明では、この原子空孔の凝集温度帯域である1150
〜1080℃における冷却速度を、2.3℃/min 以
上、より好ましくは3.5℃/min 以上程度の高速に制
御しつつ結晶の育成を行うこととした。このようにすれ
ば、この凝集温度帯域を短時間で通過させることができ
るため、結晶欠陥のサイズをデバイス作製において問題
とならないほど著しく微細にすることができる。
シリコン中に導入される結晶欠陥が減少する理由は、前
述の通り原子空孔の凝集過程が、均一核形成から不均一
核形成に移行するためであると考えられる。従って、ド
ープする窒素の濃度は、十分に不均一核形成を引き起こ
す、1×1010atoms/cm3 以上にするのが好ましく、ま
たシリコン単結晶中の固溶限界である5×1015atoms/
cm3 を越えると、シリコン単結晶の単結晶化そのものが
阻害されるので、この濃度を越えないようにすることが
望ましい。
ついてさらに研究・検討を重ねた結果、結晶欠陥の抑制
に最も効果的な窒素濃度は、0.2〜5.0×1015at
oms/cm3 の範囲であることを見出した。ドープする窒素
の濃度が比較的高い、このような濃度範囲であれば、窒
素ドープによる結晶欠陥の発生を抑制する効果は最も顕
著なものとなり、問題となる大きさの結晶欠陥の発生を
ほぼ完全に防止することができる。
助長させる効果があることも知られている。(例えば、
F.Shimura and R.S.Hockett,Appl.Phys.Lett.48,224,19
86)。従って、通常の酸素濃度(1×1018atoms/cm3
以上)を持つ単結晶を用いた場合、ウエーハ加工後、ご
く表面近傍のデバイス形成層に有害な酸素析出物を形成
してしまう危険がある。このため本発明者らは通常より
も低い、1.0×1018atoms/cm3 (ASTM’79)
以下の酸素濃度のCZシリコン単結晶中に窒素をドープ
することによりこの問題を解決した。
のような低酸素濃度の場合、結晶の強度が低下するとい
う問題があるが、本発明の単結晶中には上述のように、
例えば0.2〜5×1015atoms/cm3 の窒素がドープさ
れているため、従来より指摘されているように(例え
ば、K.Sumino, I.Yonenaga, and M.Imai, J.Appl.Phys.
54, 5016, 1983)、窒素の効果により十分な結晶強度が
得られるという利点もある。
窒素をドープしたシリコン単結晶棒を育成するには、例
えば特開昭60−251190号に記載されているよう
な公知の方法によれば良い。
された多結晶シリコン原料の融液に種結晶を接触させ、
これを回転させながらゆっくりと引き上げて所望直径の
シリコン単結晶棒を育成する方法であるが、あらかじめ
石英ルツボ内に窒化物を入れておくか、シリコン融液中
に窒化物を投入するか、雰囲気ガスを窒素を含む雰囲気
等とすることによって、引き上げ結晶中に窒素をドープ
することができる。この際、窒化物の量あるいは窒素ガ
スの濃度あるいは導入時間等を調整することによって、
結晶中のドープ量を制御することが出来る。こうして前
述の0.2〜5.0×1015atoms/cm3 の窒素濃度に制
御することも容易に行える。
成する際に、窒素をドープすることによって、結晶成長
中に導入される結晶欠陥の発生を抑制することが出来
る。また、従来法のように、結晶欠陥の発生を抑制する
ために、結晶成長速度を例えば、0.4mm/min以
下といった低速化する必要がないので、結晶の生産性を
著しく改善することが出来る。
度帯である1150〜1080℃における冷却速度を
2.3℃/min 以上程度の高速にすることが重要であ
る。実際にこのような結晶製造条件を実現するために
は、例えばCZ法シリコン単結晶製造装置のチャンバー
内において、シリコン単結晶の温度が1150〜108
0℃となる領域で結晶を任意の冷却強度で冷却すること
ができる装置を設ければ良い。このような冷却装置とし
ては、冷却ガスを吹きつけて結晶を冷却できる装置ある
いは、融液面上の一定位置に、結晶を囲うように水冷リ
ングを設ける等の方法を適用することができる。この場
合、結晶の引上速度を調整することによって、所望冷却
速度範囲内とすることができる。
によって窒素をドープしたシリコン単結晶棒を育成する
際に、単結晶棒に含有される酸素濃度を、1.0×10
18atoms/cm3 以下にするのが好ましい。シリコン単結晶
棒を育成する際に、含有される酸素濃度を上記範囲に低
下させる方法は、従来から慣用されている方法によれば
良い。例えば、ルツボ回転数の減少、導入ガス流量の増
加、雰囲気圧力の低下、シリコン融液の温度分布および
対流の調整等の手段によって、簡単に上記酸素濃度範囲
とすることが出来る。
で結晶成長がなされ、所望濃度の窒素がドープされ、所
望濃度の酸素を含有する、シリコン単結晶棒が得られ
る。これを通常の方法にしたがい、内周刃スライサある
いはワイヤソー等の切断装置でスライスした後、面取
り、ラッピング、エッチング、研磨等の工程を経てシリ
コン単結晶ウエーハに加工する。もちろん、これらの工
程は例示列挙したにとどまり、この他にも洗浄等種々の
工程があり得るし、工程順の変更、一部省略等目的に応
じ適宜工程は変更使用されている。
をドープされたシリコン単結晶棒をウエーハに加工して
得られたシリコン単結晶ウエーハであって、単結晶棒は
1150〜1080℃における冷却速度を2.3℃/mi
n 以上に制御されて育成された単結晶棒であるという本
発明のシリコン単結晶ウエーハを得ることが出来る。こ
のようなシリコン単結晶ウエーハは、表面層では結晶欠
陥がきわめて少なく、特にウエーハ表面の結晶欠陥の密
度を40ケ/cm2 以下とすることができる。特に、デ
バイス工程で問題となる表面結晶欠陥をほとんど0とす
ることが可能となりデバイス作製時の歩留りを著しく改
善出来るものとなる。
具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。 (実施例、比較例)CZ法により、直径18インチの石
英ルツボに、原料多結晶シリコン40kgをチャージ
し、直径6インチ、P型、方位<100>の結晶棒を、
通常の引き上げ速度である、1.2mm/minで6本
引き上げた。そのうちの5本の引き上げでは、原料中に
あらかじめ窒化珪素膜を有するシリコンウエーハを投入
しておき、結晶中の窒素濃度が0.2〜5.0×1015
atoms/cm3 となるようにした。また、引き上げ中ルツボ
回転を制御して、各単結晶中の酸素濃度が0.8×10
18atoms/cm3 の低酸素濃度となるようにした。そして、
このCZ法シリコン単結晶成長装置のチャンバー内に設
けられた冷却装置により、この結晶棒の1150〜10
80℃における冷却速度を各々1.2、1.6、2.
3、3.0、3.5℃/min に制御しつつ引き上げた。
従来の方法により、原料に窒素をドープせずに引き上げ
を行い、この結晶棒の1150〜1080℃における冷
却速度を2.3℃/min の速度に制御しつつ引き上げ
た。そして単結晶中の酸素濃度が0.8×1018atoms/
cm3 となるようにした。
を用いてウエーハを切り出し、面取り、ラッピング、エ
ッチング、鏡面研磨加工を施して、窒素のドープの有
無、冷却速度及び酸素濃度以外の条件はほぼ同一とした
直径6インチのシリコン単結晶鏡面ウエーハを作製し
た。
℃/min の窒素ドープ無しと窒素ドープ量0.2〜5.
0×1015atoms/cm3 のウエーハ中のGrown-in欠陥のサ
イズをLST(Laser Scattering Tomography )にて測
定し比較した。その結果を図1及び図2に示す。図1及
び図2より、比較的高速の同一冷却速度2.3℃/min
で製造された同一酸素濃度0.8×1018atoms/cm3 の
結晶でありながら、窒素ドープ無しの通常のウエーハで
はGrown-in欠陥のサイズが約140nmであるのに対し
(図2)、窒素ドープされたウエーハはGrown-in欠陥の
サイズが約60nmと半分に抑制されていることがわかる
(図1)。
eccoエッチングを施し、表面を顕微鏡観察してピッ
ト密度を測定することによって、結晶欠陥(Grown-in欠
陥)の密度を測定した。測定は、それぞれの単結晶棒の
肩部からの距離が10、20、30、40、50、60
cmの位置から切り出されたウエーハについて行い、各
ウエーハの中心部、中心からウエーハ半径/2の距離の
点、及びウエーハの周辺部の結晶欠陥密度を測定した。
は、窒素をドープした5本のシリコン単結晶棒から切り
出されたシリコン単結晶ウエーハの結晶欠陥密度の平均
値と冷却速度との関係を示した図である。図4が本発明
の窒素をドープし結晶成長時の冷却速度を2.3℃/mi
n に固定し制御したシリコン単結晶ウエーハの欠陥密度
の成長方向分布、図5が従来の窒素をドープしていない
シリコン単結晶ウエーハの欠陥密度の成長方向分布であ
る。また、各図とも四角形のプロットがウエーハの中心
部の測定値であり、円形のプロットがウエーハの中心か
らウエーハ半径/2の距離の点の測定値であり、三角形
のプロットがウエーハの周辺部の測定値を示す。図3か
ら、冷却速度が高くなるとともに欠陥密度が減少し、
2.3℃/min 以上、特には3.5℃/min 以上とする
のが好ましいことが判る。このように、冷却速度を高速
にすると、欠陥の凝集が抑制されサイズが微細化するた
めと思われる。
結晶ウエーハでは、引き上げ速度を1.0mm/min
以上という、従来と同等以上の速度で引き上げているに
もかかわらず、従来法より結晶欠陥密度が、同じ単結晶
棒から切り出した全ウエーハの全域にわたり極端に減少
しほとんど0になっている。すなわち、本発明の方法に
よって確実にウエーハ表面の結晶欠陥密度が40ケ/cm
2 以下のシリコン単結晶ウエーハを実現することができ
ることがわかる。
結晶ウエーハでは、結晶欠陥密度がウエーハの全域にわ
たって単結晶棒の肩部からの距離が遠い部位から切り出
されたウエーハほど大きい傾向があり、特に単結晶棒の
肩部から20cm以上の部位から切り出されたウエーハ
では、結晶欠陥密度が600ケ/cm2 以上のものとなっ
ていることがわかる。
るものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明
の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同
一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いか
なるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
法によって窒素をドープしたシリコン単結晶棒を育成す
るに際しては、融液に磁場が印加されているか否かは問
われないものであり、本発明のチョクラルスキー法には
いわゆる磁場を印加するMCZ法も含まれる。
て窒素をドープしたシリコン単結晶棒をウエーハに加工
してシリコン単結晶ウエーハを得ることにより、シリコ
ン単結晶ウエーハのGrown-in欠陥のサイズを70nm以下
にすることができ、デバイスの生産歩留あるいは品質特
性を向上させることができる。またシリコン単結晶ウエ
ーハの製造において、チョクラルスキー法によって窒素
をドープしたシリコン単結晶棒を、該単結晶棒の115
0〜1080℃における冷却速度を2.3℃/min 以上
に制御しつつ育成した後、該単結晶棒をウエーハに加工
してシリコン単結晶ウエーハを製造することにより、C
Z法によって作製されるシリコン単結晶中の結晶欠陥の
形成を抑制し、ウエーハの表面層での結晶欠陥のサイズ
がきわめて小さく、検出される結晶欠陥数がきわめて少
ないシリコン単結晶ウエーハを、高生産性でかつ簡単に
作製することができる。
own-in欠陥のサイズとそのサイズの欠陥数との関係を示
した図である。
ウエーハのGrown-in欠陥のサイズとそのサイズの欠陥数
との関係を示した図である。
切り出されたシリコン単結晶ウエーハの結晶欠陥密度の
平均値と冷却速度との関係を示した図である。
℃/min に制御したシリコン単結晶ウエーハの欠陥密度
を示した図である。
ウエーハの欠陥密度を示した図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 チョクラルスキー法により窒素をドープ
されたシリコン単結晶棒をウエーハに加工して得られた
シリコン単結晶ウエーハであって、該シリコン単結晶ウ
エーハのGrown-in欠陥のサイズが70nm以下であること
を特徴とするシリコン単結晶ウエーハ。 - 【請求項2】 チョクラルスキー法により窒素をドープ
されたシリコン単結晶棒をウエーハに加工して得られた
シリコン単結晶ウエーハであって、該単結晶棒が115
0〜1080℃における冷却速度を2.3℃/min 以上
に制御されて育成された単結晶棒であることを特徴とす
るシリコン単結晶ウエーハ。 - 【請求項3】 前記シリコン単結晶ウエーハの窒素濃度
が、0.2〜5×1015atoms/cm3 であることを特徴と
する請求項1または請求項2に記載したシリコン単結晶
ウエーハ。 - 【請求項4】 前記シリコン単結晶ウエーハの酸素濃度
が、1.0×1018atoms/cm3 以下であることを特徴と
する請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載した
シリコン単結晶ウエーハ。 - 【請求項5】 前記シリコン単結晶ウエーハのウエーハ
表面の結晶欠陥の密度が、40ケ/cm2 以下であること
を特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に
記載したシリコン単結晶ウエーハ。 - 【請求項6】 シリコン単結晶ウエーハの製造方法にお
いて、チョクラルスキー法によって窒素をドープしたシ
リコン単結晶棒を、該単結晶棒の1150〜1080℃
における冷却速度を2.3℃/min 以上に制御しつつ育
成した後、該単結晶棒をウエーハに加工してシリコン単
結晶ウエーハを製造することを特徴とするシリコン単結
晶ウエーハの製造方法。 - 【請求項7】 前記チョクラルスキー法によって窒素を
ドープしたシリコン単結晶棒を育成する際に、該単結晶
棒にドープする窒素濃度を、0.2〜5×10 15atoms/
cm3 にすることを特徴とする請求項6に記載したシリコ
ン単結晶ウエーハの製造方法。 - 【請求項8】 前記チョクラルスキー法によって窒素を
ドープしたシリコン単結晶棒を育成する際に、該単結晶
棒に含有される酸素濃度を、1.0×1018atoms/cm3
以下にすることを特徴とする請求項6または請求項7に
記載したシリコン単結晶ウエーハの製造方法。
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