JP3886876B2 - 電力用半導体素子の駆動回路 - Google Patents

電力用半導体素子の駆動回路 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電力用半導体素子の駆動回路に関し、特に、IGBT等の電力用半導体素子を駆動させるための駆動回路であって、スイッチング時に発生するサージ電圧を抑制するための電力用半導体素子の駆動回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の電力用半導体素子におけるIGBTの過電流保護の方法について説明する。IGBTに過電流が流れた場合、IGBTのゲート電位と基準電圧とをコンパレータで比較し、基準電圧よりIGBTのゲートエミッタ間電圧が上昇した場合にのみ、コンパレータが動作して、スイッチをオンさせる。これによりゲート電位をツェナーダイオードの降伏電圧およびダイオードの降伏電圧にクランプすることで、過電流時にIGBTが破壊するまでの時間が長くなる。なお、モノマルチの働きにより、いったん、オフされたスイッチは、再び、IGBTのゲートエミッタ間電圧が低下しても、スイッチはオンされない(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平4−165916号公報(第2頁)
【0004】
また、他の従来装置において、過電流時のゲート−エミッタ間の電圧上昇を利用した保護装置を有する電力用半導体素子の駆動回路の一例について説明する。従来の装置は、負荷回路に挿入されたパワー素子のゲートとゲート駆動用直流電源の正極間に入力側が挿入され、過電流によるパワー素子のゲート電圧の上昇を制限するとともに、過電流に起因する入力側の電流を絶縁して出力可能なホトカプラを備え、ホトカプラの出力を過電流の検出信号としてパワー素子の過電流を遮断もしくは制限するパワー素子の過電流保護装置である。また、当該ホトカプラは、入力側としてのLEDと出力側としてのホトトランジスタから構成されている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
このような構成における従来の装置においては、過電流時にゲート電圧が上昇するとLEDが通電し、ホトトランジスタがLEDの通電電流に応じた電流を過電流の検出信号として制御回路に出力する。制御回路はこの検出信号の入力により電力用半導体素子の通電を遮断もしくは制限するように制御信号を出力する。また、LEDは、ゲート電圧Vgeの上昇をクランプし、過電流のピーク電流を抑制する効果も果たしている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献2】
特許第2674355号公報(第3頁、第1図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記の特許文献1や上記の特許文献2に代表されるゲート−エミッタ間電圧の上昇を利用した過電流検知方式ではある程度ゲート−エミッタ間電圧が上昇することが必要であり、場合によっては過電流を検知できる電流値は定格電流の数倍に達する。そのため、電力用半導体素子の定格電流以上であっても過電流と検知できる電流以下の電流が流れている状態で、外部からオフ指令が入力された場合、通常遮断する。そのため、電流遮断時に発生するサージ電圧が高くなり、装置を破壊する可能性があった。特に、電力用半導体素子から離れた箇所で短絡が起きた場合等で電流上昇率di/dtが低い場合にはゲート−エミッタ間電圧が検知レベルに達するまでに時間がかかるため、その間に外部からオフ指令が入力される確率は高くなり、装置を破壊する可能性は高くなってしまうという問題点があった。
【0008】
この発明は、かかる問題点を解決するためになされたものであり、上記従来例のようにゲート−エミッタ間電圧が上昇するほどの大電流よりも低い電流レベルでの過電流検知および保護遮断が可能な電力用半導体素子の駆動回路を得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明は、電力用半導体素子を駆動させるための駆動回路であって、入力制御信号が外部から入力されて、上記電力用半導体素子のオン/オフのスイッチングを行う回路と、上記入力制御信号を検知して、上記入力制御信号がオフを指示するものであった場合に、上記電力用半導体素子のミラー期間の略々開始時刻にサンプリング信号を出力するサンプリング信号発生回路と、上記電力用半導体素子のゲートラインに接続され、上記サンプリング信号が入力されるタイミングで上記電力用半導体素子のミラー電圧を検知して、上記ミラー電圧が所定のしきい値以上であった場合に、過電流検知信号を出力するゲート電圧検知回路と、電力用半導体素子のゲートラインに接続され、上記ゲート電圧検知回路からの上記過電流検知信号を受けて、上記電力用半導体素子を通常時よりも遅い速度でオフするように、上記電力用半導体素子のゲート電圧を制御するゲート電圧制御回路とを備えた電力用半導体素子の駆動回路である。
【0010】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
本発明は、サージ電圧の発生を抑制するために、電力用半導体素子が流している電流値によって電流遮断時のゲート電圧波形を調整できるようにしたものである。そのために、電力用半導体素子の電流値を推測するためにターンオフ時の半導体電力素子のゲート電圧(ミラー電圧)を検知できるようにした。さらにこの検知するタイミングを入力制御信号を用いてサンプリング信号発生回路によって調整できるようにした。
【0011】
図1に本発明の実施の形態1に係る電力用半導体素子の駆動回路の構成を示した回路図を示す。図1において、100は電力用半導体素子のオン/オフのスイッチングを行うメインインバータ回路、7は入力制御信号からの信号を参照してターンオフのときにだけサンプリング信号を発生するサンプリング信号発生回路、8は電力用半導体素子のゲートラインに接続され、後述するゲート電圧検知回路の検知結果に基づいて、ゲート電圧の制御を行うゲート電圧制御回路、9は電力用半導体素子のゲートラインに接続され、上記サンプリング信号が入力された時に、その時点のゲート電圧の検知を行うゲート電圧検知回路、10は本発明の駆動回路の駆動対象である電力用半導体素子であり、本実施の形態においては、IGBTを例に挙げて説明する(以降、IGBT10とする。)。また、1〜6は、メインインバータ100内に設けられており、1は電源、2はアース、3はPchのMOSFET、4,5は抵抗、6はNchのMOSFETである。なお、このように、図1においては、メインインバータ100が、電源1、アース2、MOSFET3、抵抗4,5、および、MOSFET6で構成されている例について示されているが、この場合に限らず、メインインバータ100がインバータの機能を持てばいずれのものでもよく、本発明において上記構成にとらわれるものではない。また論理を変えればバッファの構成でもかまわない。
【0012】
動作について説明する。まず、入力制御信号がメインインバータ100に入力されると、サンプリング信号発生回路7は、当該入力制御信号からの信号を参照して、ターンオフであれば、(ミラー期間の開始付近になるような)所定時間後に、サンプリング信号を発生する。一方、ターンオンの場合には、信号は発生させない。これにより、ターンオフのときだけ動作させることができる。次に、当該サンプリング信号がゲート電圧検知回路9に入力されると、ゲート電圧検知回路9は、そのときのゲート電圧(すなわち、ミラー電圧)を検知する。ゲート電圧検知回路9により、IGBT10に過電流が流れていると検出された場合には、ゲート電圧制御回路8に所定の過電流検知信号が出力され、フィードバックがかかる。これにより、過電流のときだけ、ゲート電圧がフィードバック制御されてIGBT10がゆっくり遮断(オフ)される。また、サンプリング信号発生回路7がミラー期間の開始付近の時刻にサンプリング信号を発生するようにしたので、ゲート電圧検知回路9およびゲート電圧制御回路8の働きにより、通常時は高速にターンオフするので、ターンオフ損失が小さく、過電流時は、ゆっくりとIGBT10を遮断できるようにゲート電圧を制御するため、ターンオフ時に発生するサージ電圧を小さくすることができる。
【0013】
ここで、ターンオフ時のゲート波形を図2に、コレクタ電圧波形を図3に、コレクタ電流波形を図4にそれぞれ示す。
【0014】
図2〜図4を用いてさらに詳細にターンオフ時の動作について説明する。まず、ターンオフするために時刻T1でメインインバータ100の入力にはHIGHが入力される。従って、スイッチ3はオフし、スイッチ6がオンするので、IGBT10のゲートエミッタ間容量に蓄えられていた電荷は、抵抗5およびスイッチ6を介してアース2に放電される。この時の放電電流はスイッチ6のオン抵抗が十分低いので無視でき、抵抗5の大きさによって決まり、図2のようにゲート電圧が減少し始める。
【0015】
時刻T2になるとIGBT10のゲートコレクタ間に存在する帰還容量を通る変位電流がIGBT10のゲートから流れ込みはじめる。このためゲートエミッタ間容量の放電が見かけ上停止するために、図2のように、ゲート電圧が所定の電圧Vで一定となる。
【0016】
時刻T3に近づくと、図3に示すように、IGBT10のコレクタ電圧が増加し始める。
【0017】
時刻T3をすぎると再び抵抗5によって決まる電流でIGBT10のゲートエミッタ間容量が放電されるので、図2のように、ゲート電圧は低下し始める。この間にコレクタ電流は図4に示すように急激に遮断される。
【0018】
ところでIGBT10が含まれるインバータなどの主回路の配線には必ず寄生インダクタンスLが存在する。これよりIGBT10のコレクタ端子にはコレクタ電流が急激に遮断されたことによるサージ電圧(VCP−V=L×dI/dt)が発生する。従って、コレクタ電圧波形は図3に示すように一度ピーク電圧VCPとなった後に定常値Vとなる。
【0019】
その後、時刻T4でIGBT10のゲートエミッタ間容量の放電が終了するので、ゲート電圧が0Vとなる。
【0020】
従って、IGBT10に過電流が流れている時に遮断を行った場合、通常時より大きなサージ電圧が発生するのでIGBT10の耐圧を超えてしまいIGBT10が破壊される。
【0021】
本発明においては、時刻T2から時刻T3の時間(便宜上「ミラー期間」と称する)とその時のゲート電圧(便宜上「ミラー電圧V」と称する)に着目する。IGBTがターンオフするとき、必ず、(ゲート電圧が所定の電圧Vで一定となる)ミラー期間が存在し、この期間の終わりにコレクタ電流が下がり始めるという事実と、ミラー電圧はIGBTのコレクタ電流の大きさに依存して大きくなるという事実がある。
【0022】
そこでミラー電圧を検知して所定の値より大きい場合は過電流と判断し、ゆっくり遮断できるようにゲート電圧を制御すれば、ターンオフ時に発生するサージ電圧を小さくできる。この方式では、通常時はターンオフが早く、従って損失も小さくできる。また、過電流時はミラー期間までの時間は通常時と同様に早いので、制御に遅れが生じにくく、また、ミラー期間以降はゆっくりと遮断させるため、サージ電圧の発生も抑制されるのでIGBTが保護できる。また、本発明によれば、コレクタ電流に依存するターンオフ時のミラー電圧を検出して、その値によって過電流かどうか判断する。すなわち、ミラー電圧値によって過電流検出レベルを調節できるので、従来のようなゲート電圧の持ち上がりを検出する方式よりも低い電流を過電流として検出できる。
【0023】
本発明は、図1に示すように、サンプリング信号発生回路7を設けることにより、入力制御信号からの信号を参照することでターンオフのときだけ動作させることができる。これにより、ターンオン時には影響を与えないので、ターンオン損失は増加することはない。
【0024】
また、サンプリング信号発生回路7は、ミラー期間の開始付近にサンプリング時刻を合わせる機能を持つ。この発生したサンプリング信号を受けて、ゲート電圧検知回路9はその時のミラー電圧を検知できる。
【0025】
ゲート電圧検知回路9によって、IGBT10に過電流が流れていると検知されたときだけ、ゲート電圧制御回路8にフィードバックがかかる。これにより過電流時のときだけゲート電圧が制御されてIGBT10がゆっくり遮断される。これにより、ターンオフ時に発生するサージ電圧を小さく抑えることができ、サージ電圧によるIGBT10の破壊を防止することができる。
【0026】
以上のように、本実施の形態によれば、サンプリング信号発生回路7、ゲート電圧検知回路9、ゲート電圧制御回路8を設けたので、ターンオフの時だけにゲート電圧検知回路9が動作するので、ターンオン損失は小さくすることができる。また、通常時は高速にターンオフするのでターンオフ損失が小さい。また、ミラー電圧検出レベルを調節することにより、過電流検出レベルをかえることができるので、従来のような大電流でなく、低い電流でも過電流検出し、サージ電圧の発生を抑える過電流保護を行うことができる。
【0027】
実施の形態2.
上記実施の形態1のサンプリング信号発生回路7の構成例として、ASICを用いる方法がある。この場合、任意の波形を作ることができる。例えば、図5の実線により示すような入力制御信号90(実線)がドライバに入力されたとき、ゲート電圧91は、図5の破線のようになる。本発明の上記回路はターンオフの時だけ働けばよいので、図6に示すような波形をASICが出力するようにすればよい。
【0028】
本実施の形態においても、上述の実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0029】
実施の形態3.
図7に、上述の実施の形態2とは別のサンプリング信号発生回路7の例を示す。図7において、11は抵抗、12はキャパシタンス、13はバッファ、14はノードである。図7に示すように、抵抗11が入力制御信号の入力側に設けられ、バッファ13がゲート電圧検知回路9側に設けられている。抵抗11とバッファ13とは接続されており、その間に設けられたノード14とアースとの間にキャパシタンス12が接続されている。抵抗11とキャパシタンス12はローパスフィルタを構成するので、図5に示すような入力制御信号が入力されると、ノード14の電圧93(破線)は、図8に示すようななまった波形(すなわち、変化点の変化が緩やかな波形)が生じる。ここでバッファ13の閾値電圧を入力の半分のVDD/2として、ノード14に生じた電圧をバッファに入力することで、図8に示すような矩形波92が得られる。この矩形波92は、図5に示す入力制御信号90より一定時間遅れた信号となり、この遅れ時間は抵抗11あるいはキャパシタンス12の値を変化させることで調整可能である。また、この方法は、ASICを用いる場合に比べてコストが小さい。尚、遅れ時間が任意に調整できるので、バッファ13の閾値電圧は厳密にVDD/2である必要はない。
【0030】
以上のように、本実施の形態によれば、図1のサンプリング信号発生回路7が抵抗11、キャパシタンス12を用いた遅延回路、および、バッファ13により構成されているので、コストを小さくすることができる。また、抵抗11あるいはキャパシタンス12の値を変化させることで遅れ時間を任意に調整できる。
【0031】
実施の形態4.
上述の実施の形態3の回路の場合、HIGH(高)からLOW(低)に変わる時の遅れ時間とLOWからHIGHに変わる時の遅れ時間が同じとなる。従って、ターンオンの時のミラー期間の始まる時刻がターンオフの時のミラー期間の始まる時刻より十分早い場合には、上記実施の形態3の回路を用いるとターンオンの時にもサンプリングされてしまうという問題が生じる。
【0032】
そこで図9に示すような実施の形態4によるサンプリング信号発生回路7の例を示す。図9では、図7に示す実施の形態3の回路に対して、さらに、ダイオード15が図9の向きのように接続されて追加されている。すなわち、ダイオード15は、抵抗11に対して並列に、かつ、入力制御信号方向が順方向となるように、接続されている。ダイオード15は順方向には電流を流すので、キャパシタンス12から電荷を放電する時、即ち、入力制御信号がHIGHからLOWに変化する時だけ、放電電流がダイオード15を介して流れる。従って、実施の形態3が抵抗11を介して放電するのに比べて、本実施の形態は、非常に早く放電できるので、放電時の遅れ時間がほとんどなくなる。これより図10に示すようにLOWからHIGHに変化する時だけ遅れ、HIGHからLOWに変化する時は入力制御信号と同期したサンプリング信号が得られる。
【0033】
この回路を用いると、ターンオフの時に一定時間遅れてサンプリング信号を発生し、逆にターンオンの時は入力制御信号と同期してオフとなるのでサンプリングをすることはない。これにより例1に比べてより精確なサンプリング信号が得られる。
【0034】
以上のように、本実施の形態によれば、実施の形態3と同様に、上記サンプリング信号発生回路7が抵抗11、キャパシタンス12を用いた遅延回路、バッファ13により構成されているのでコストを小さくすることができる。また、抵抗11あるいはキャパシタンス12の値を変化させることで遅れ時間を任意に調整することができる。
【0035】
また、本実施の形態においては、サンプリング信号発生回路7が、上記抵抗11に対して並列に、入力制御信号方向が順方向となるように接続されたダイオード15をさらに備えているので、HIGHからLOWに変わるときは入力制御信号に同期できる。従って、電力用半導体素子がターンオンするときに駆動回路が動作することは確実に無くなる。
【0036】
実施の形態5.
図11に実施の形態5であるサンプリング信号発生回路7の例を示す。上記の実施の形態3及び4のバッファ13に代えて、コンパレータ16と抵抗17、18より構成される参照回路とにより構成される。図11において、16はコンパレータ、17、18は、コンパレータ16の前段に設けられ、電源1の電圧を分圧するための抵抗、20はコンパレータ16の後段にコンパレータ16と電源1との間に設けられた抵抗である。他の構成については上記の実施の形態と同じであるため、ここでは説明を省略する。ターンオフ時に入力制御信号がLOWよりHIGHに切り替わるとコンデンサ12が充電される。コンパレータ16へ入力されるノード14の電圧が、参照回路の電源1を抵抗17、18で分圧したノード19の電圧より高くなると、コンパレータ16はサンプリング信号を出力する。出力の遅れ時間の調整は抵抗11あるいはキャパシタンス12の値を変えて行っても良いし、参照回路の抵抗17、18を調節して参照回路の電圧を調整してもよい。
【0037】
実施の形態3のようにバッファを用いる場合にはバッファのしきい値のバラツキによりサンプリング信号の出力の遅れ時間がばらつく可能性があるが、本実施の形態のようにコンパレータを用いる構成にした場合には出力のバラツキを少なくすることができ、誤動作をさらに防ぐことができる。
【0038】
以上のように、本実施の形態によれば、サンプリング信号発生回路7が、予め設定された所定の参照電圧を出力する参照回路17,18と、抵抗11およびキャパシタンス12よりなる遅延回路と、遅延回路の出力電圧が参照電圧よりも大きいかまたは小さいかを検知するコンパレータ16(電圧比較器)により構成されているので、サンプリング信号の出力の遅れ時間のバラツキを少なくすることができ、誤動作をさらに防ぐことができる。
【0039】
実施の形態6.
図12に実施の形態6であるサンプリング信号発生回路7の例を示す。抵抗11、キャパシタンス12、ダイオード15よりなる第1の回路に加え、入力制御信号を反転させるインバータ21と、抵抗22、キャパシタンス23により構成される第2の回路と、AND素子24とにより構成されている。第1の回路と第2の回路とは並列に接続されており、それらの出力がAND素子24に入力される。また、第1の回路の構成は、上記の実施の形態4のバッファ13を除いたものと同一である。第2の回路の構成は、インバータ21に抵抗22が直列に接続され、抵抗22とAND素子24の片側の入力との間に設けられたノード25とアースとの間にキャパシタンス23が設けられている。
【0040】
ターンオフ時の動作を図13に示す。ターンオフ時に入力制御信号がLOWからHIGHに切り替わる場合、ノード14の電圧は徐々に上昇し、AND素子24のしきい値電圧に達する。一方、ノード25の電圧はインバータ21が挿入してあるため、徐々に低下し、AND素子24のしきい値以下となる。ノード14の電圧がAND素子16のしきい値電圧に達するまでの時間に対してノード25の電圧がAND素子24のしきい値電圧以下に低下するまでの時間を遅くすれば、その間のみAND素子24よりサンプリング信号が出力される。
【0041】
以上のように、本実施の形態においては、このような回路構成にすることにより、サンプリング信号の出力期間を定めることができる。サンプリング信号の出力期間をミラー期間より短く設定すればミラー期間後の電流減少時のノイズにより、誤動作することを防ぐことができる。また、図1には示されていないが過電流を検知した場合の検知信号を外部回路に出力するような場合であれば、ミラー期間の終了付近で動作し、ゲート電圧制御回路8の動作が遅れ、実際には通常遮断しているにも関わらず、検出信号を出力することを防ぐことができる。
【0042】
また、本実施の形態によれば、上記サンプリング信号発生回路7が、抵抗11およびキャパシタンス12を用いた遅延回路と、インバータ21と抵抗22とから構成された回路とにより構成されているのでコストを小さくすることができる。また、抵抗11あるいはキャパシタンス12の値を変化させることで遅れ時間を任意に調整できる。
【0043】
実施の形態7.
上述の実施の形態6ではAND素子24にノード14、25から直接入力しているが、実施の形態5で用いたようにコンパレータ(図11)を用い、その出力をAND素子24に入力しても良い。AND素子24への入力にコンパレータを用いた構成を図14に示す。図14の構成は、図11に示す回路からダイオードを削除した回路を2つ並列に設け、それぞれの出力をAND素子24に入力している。なお、AND素子24への入力の片側には図12のようにインバータ21を用いて入力信号を反転させても良いが、コンパレータへ入力する端子を参照側と入れ替えても良い。
【0044】
このように、コンパレータを用いた場合にはAND素子24のしきい値のバラツキによるサンプリング出力のバラツキを低減することができる。
【0045】
以上のように、本実施の形態によれば、上記サンプリング信号発生回路7が、予め設定された所定の参照電圧を出力する参照回路17,18と、抵抗11およびキャパシタンス12によりなる遅延回路と、上記遅延回路の出力電圧が、上記参照電圧よりも、大きいかまたは小さいかを検知するコンパレータ26とから構成される第1の回路と第2の回路と、それらの回路の出力が入力されるAND素子24とにより構成されているので、サンプリング信号の出力の遅れ時間のバラツキを少なくすることができ、誤動作を防ぐことができる。
【0046】
実施の形態8.
実施の形態7ではAND素子の両側入力ともコンパレータを用いたが、図15のようにモニター期間の開始点のみコンパレータ16を用いて設定し、終了点についてはコンパレータ16の出力を抵抗32とキャパシタンス33よりなる遅延回路にて設定しても良い。図15において、31はインバータ、32は抵抗、33はコンデンサである。他の構成については上記の図11の構成と同じであるため、ここでは説明を省略する。図15に示すように、前段部分は図11の回路からダイオードを削除したものと同一の構成であり、その出力をインバータ31により反転させたものがAND素子24の片側に入力される。AND素子24のもう一方の入力には、コンパレータ16の出力を抵抗32とキャパシタンス33よりなる遅延回路にて遅延させたものが入力される。
【0047】
図15の回路の場合には終了点がAND素子24のバラツキにより変動するが、コンパレータ16を用いない場合に比べれば小さくなる。また、モニター期間の開始点が変動した場合にはゲート電圧が高い期間をモニターし、誤動作する可能性があるが、終了点については多少変動した場合でも誤動作する可能性は少ない。
【0048】
実施の形態9.
図16に実施の形態9によるサンプリング信号発生回路7の別の例を示す。図15に示した遅延回路に用いるコンデンサ12および参照回路の抵抗18の一端を、それぞれ、アースではなく、エミッタ電源34に接続している。一般に電源電圧が変動した場合でも電源1の電圧の変動に比べて電源1とエミッタ電源34との間の電圧変動は少なく、一定に保たれている場合が多い。そのためコンデンサ12および参照回路の抵抗18の一端をエミッタ電源に接続すると電源電圧が変動した場合でも電源1とエミッタ電源34との間の電圧変動が少ないため一定の時間でモニター期間を出力することができる。そのため、電源電圧が変動した場合でもモニター期間のバラツキにより誤動作することを防ぐことができる。なお、ここではエミッタ電源を用いて構成しているがレギュレータ等を用いた電圧変動の少ない電源を用いても良い。
【0049】
実施の形態10.
図17に実施の形態10によるサンプリング信号発生回路7の別の例を示す。駆動回路の電源電圧が変動した場合、図1に示すようなメインインバータではMOSFET3、6の動作時間が変動し、入力制御信号のオフ指令からゲート電圧が低下するまでの時間が変動する場合がある。本発明はその場合に対応したものである。図17に示すように、コンデンサ12の端子は、図16と同様にエミッタ電源34に接続したままであるが、コンパレータ16の参照回路の抵抗18の一端は、図15と同様にアース2に接続している。また、コンパレータの参照回路の抵抗17と電源1との間にツェナーダイオード35が設けられている。電源電圧が変動した場合には入力制御信号、エミッタ電源34が変動し、コンパレータ16への入力であるノード14の電圧は電源電圧と同様に変動する。一方、コンパレータ16への参照回路側の入力であるノード19の電圧は抵抗18の一端がアース2に接続されているため電源電圧と変動量が異なる。そのため電源電圧変動時にサンプリング信号を出力するタイミングが変化する。タイミングの変化量は参照回路の抵抗17、18の分圧比、ツェナーダイオード35の値を変えることにより調節することができる。そのため、電源電圧変動時に入力制御信号のオフ時間からゲート電圧が低下するまでの時間の変動と同程度にサンプリング信号の出力するタイミングが変化するように調整すれば、電源電圧が変動した場合でもゲート電圧低下からサンプリング信号の出力までの時間を一定にすることができる。
【0050】
図17においてツェナーダイオード35、抵抗17、18の値を調整(場合によってはツェナーダイオード35の位置を抵抗18とアース2間に変更)すれば電源電圧の変動に対してゲート電圧が低下し始めてから検出するまでの期間を変動するように設定することもできる。電源電圧が低下した場合、電流値が同じでもミラー期間のゲート電圧は低くなる。そのため、ゲート線のインダクタンスの影響等によりゲート電圧が一定のミラー期間に達するまでの期間が長くなる。そのため電源電圧が低下した場合に検出期間が遅くなるように設定しておけば、それらの影響により誤動作することを防止することができる。また、電源電圧が低下した場合はエミッタに対して接地電位の差が低くなるため、ミラー期間が長くなる。そのため、電源電圧低下時のミラー期間の範囲に収まる程度に検出期間を遅らせても検知が遅れることはない。
【0051】
以上のように、本実施の形態によれば、サンプリング信号発生回路7の出力期間が駆動回路の電源電圧によらず、上記入力制御信号のオフ指令により、ゲート電圧が低下し始めてから一定の期間で出力されるようにしたのでモニター期間のバラツキにより誤動作することを防ぐことができる。
【0052】
また、サンプリング信号発生回路7の出力期間が電源電圧に依存し、電源電圧が低下する程、出力期間が遅れるようにしたので、電源電圧低下時にゲート電圧が一定のミラー期間に達するまでの時間が長くなった場合でも誤動作することを防止することができる。
【0053】
実施の形態11.
上述の実施の形態1〜10ではゲート電圧を検知する期間を入力制御信号を用いて設定しているがゲート電圧から直接設定することも可能である。
【0054】
図18に本発明の実施の形態11に係る電力用半導体素子の駆動回路の構成を示した回路図を示す。本実施の形態11では、上記実施の形態1〜10で示したサンプリング信号発生回路7をなくし、その代わりにタイミング検知回路200を新たに設けたものである。他の構成は、図1と同じであるため、ここではその説明を省略する。
【0055】
タイミング検知回路200はミラー期間に入ったら信号を出力する回路である。これよりミラー期間に入ったらすぐにゲート電圧検知回路を動作させることができ、入力制御信号からターンオフするまでの遅れ時間をより短くできる。また、本実施の形態11はゲート電圧から直接タイミングを作れるので、入力制御信号の発生回路に余分な負荷をかけることが無い。
【0056】
図19に本発明の実施の形態11のタイミング検知回路200の具体的回路例を示す。図19において、1は電源、36はキャパシタンス、37はノード、38は抵抗、39はバッファである。図19に示すように、キャパシタンス36がゲートラインに接続されており、キャパシタンス36と電源1との間には抵抗38が接続されている。抵抗38とキャパシタンス36との間に設けられたノード37には、図のように、バッファ39が接続されており、バッファ39から出力される出力信号は、ゲート電圧検知回路9に入力される。
【0057】
キャパシタンス36と抵抗38はハイパスフィルタを構成する。これによりゲート電位が急激に変化した時だけノード37にパルスが発生する。入力制御信号がHIGHになりターンオフが始まるとゲート電圧は低下し始めるが、この時の変化はミラー期間に入るときの変化より緩やかである。従って、キャパシタンス36と抵抗38の値を調整することで、この回路はミラー期間を精確に検知できる。
【0058】
本実施の形態において抵抗38は電源1に接続されている。これは仮にアースに抵抗38を接続してしまうと、ターンオフ時にノード37の電位がアース以下の値を取ってしまうからである。タイミング検知回路200の出力信号はロジック処理できるようにアースから電源の範囲にあるべきで、このような場合では信号を処理できない。
【0059】
逆に、電源1に接続することでノード37の電位はアース以上の電圧を常に持つことになる。特にターンオフ時のミラー期間に入るときのゲート電圧変化によって、ノード37の電位はキャパシタンス36を介して低下し、アース電位を取る。
【0060】
上記より、本実施の形態のタイミング検知回路200はミラー期間に入った時に信号を出力できる。
【0061】
以上のように、本実施の形態においては、タイミング検知回路200を設けて、ミラー期間に入った時をゲート電圧から直接検知するようにしたので、ミラー期間に入ったら、すぐにゲート電圧検知回路9を動作させることができ、入力制御信号からターンオフするまでの遅れ時間をより短くすることができるとともに、入力制御信号の発生回路に余分な負荷をかけることを防止することができる。
【0062】
このように、本実施の形態によれば、タイミング検知回路200、ゲート電圧検知回路9、ゲート電圧制御回路8を設けたので、ターンオフの時だけに動作するのでターンオン損失は小さくできる。また、通常時は高速にターンオフするのでターンオフ損失が小さい。また、ミラー電圧検出レベルを調節することにより、過電流検出レベルをかえることができるので、従来のような大電流でなく、低い電流でも過電流検出し、サージ電圧の発生を抑える過電流保護を行うことができる。また、ミラー期間に入ったらすぐにゲート電圧検知回路を動作させることができ、入力制御信号からのターンオフするまでの遅れ時間をより短くできる。また、ゲート電圧から直接タイミングを作れるので、入力制御信号の発生回路に余分な負荷をかけることが無い。
【0063】
さらに、タイミング検知回路200が、図19に示すように、抵抗38、キャパシタンス36を用いた遅延回路、および、バッファ39により構成されているのでコストを小さくすることができる。また、抵抗38あるいはキャパシタンス36の値を変化させることで遅れ時間を任意に調整できる。
【0064】
実施の形態12.
ゲート電圧検知回路9は、IGBT10のゲート電圧を測定する回路である。ゲート電圧はアース2から電源1までの値をアナログに変化する。図20に実施の形態12によるゲート電圧検知回路9の例を示す。図20において、40はIGBT10のゲートラインに接続された電圧増幅器、41はサンプリング信号発生回路7またはタイミング検知回路200から出力されるサンプリング信号に基づいて切り替わるスイッチである。この例ではゲート電圧は電圧増幅器40によって任意のレベルに変化および増幅される。電圧増幅器40からの出力信号は上記サンプリング信号発生回路7またはタイミング検知回路200によって発生されたサンプリング信号によって制御されるスイッチ41によって出力するかどうかが決められる。この例ではゲート電圧値を検知してアナログ値として出力するので、可変的な制御に応用できる。
【0065】
以上のように、本実施の形態によれば、ゲート電圧検知回路9が、電力用半導体素子のゲートラインに接続され、ゲート電圧を所定のレベルに増幅する電圧増幅器40と、電圧増幅器40に接続され、タイミング検知回路200から出力される信号に基づいて切り替わるスイッチ41とを備えているので、ゲート電圧検知回路9が電圧増幅器40とサンプリング信号発生回路7から作られた信号で切り替わるスイッチ41で構成され、検知した情報がアナログ値として出力されるので、可変的な制御に応用できる。
【0066】
実施の形態13.
図21に実施の形態13であるゲート電圧検知回路9の例を示す。図21において、41はサンプリング信号発生回路7またはタイミング検知回路200から出力されるサンプリング信号に基づいて切り替わるスイッチ、42はIGBT10のゲートラインに接続され、ゲート電圧が後述する参照電圧発生調整回路43から出力される参照電圧に対してLOWかHIGHかを検知する電圧比較器、43は予め設定された所定の参照電圧を出力する参照電圧発生調整回路である。この例では、ゲート電圧が、参照電圧発生調整回路43が出力する参照電圧より大きいかどうかを電圧比較器42が判断して出力をLOWかHIGHの2値で出力する。電圧比較器42からの出力信号は上記サンプリング信号発生回路7またはタイミング検知回路200によって発生されたサンプリング信号によって制御されるスイッチ41によって出力するかどうかが決められる。
【0067】
上述したように電流値によってミラー電圧が一意に決まるので、参照電圧を所定のミラー電圧の値に設定しておけば、それ以上の電流が流れたときに電圧比較器42の出力を切り替えることができる。
【0068】
この例ではゲート電圧値を検知してディジタル値として出力するので、可変的な制御には応用できないが、ノイズに強く、誤動作しにくい回路を構成できる。
【0069】
実施の形態14.
図22に実施の形態14であるゲート電圧検知回路9の例を示す。図22において、1は電源、2はアース、44,49はツェナーダイオード、45,50はダイオード、46,48,51,55は抵抗、47はMOSトランジスタ、52はバイポーラトランジスタ、53はキャパシタンス、54はバッファである。
【0070】
ツェナーダイオード49、抵抗48、MOSトランジスタ47は検知回路を動作させるかどうかを決める回路である。図のように、ツェナーダイオード49がサンプリング信号発生回路7またはタイミング検知回路200に接続され、当該ツェナーダイオード49の他端にMOSトランジスタ47が接続されている。ツェナーダイオード49とMOSトランジスタ47との間に設けられたノードとアース2との間に抵抗48が接続されている。ツェナーダイオード49の降伏電圧とMOSトランジスタ47の閾値電圧の和より大きな電圧がサンプリング信号より入力されると検知回路はON状態となる。ここでツェナーダイオード49を入れることでONするときの電圧を制御できる。また抵抗48はツェナーダイオード49とMOSトランジスタ47の間の電荷を放電させるためのものである。従って、ツェナーダイオードを使わない場合、これらは無くても良い。
【0071】
抵抗55、キャパシタンス53、バッファ54は検知した信号を出力するための回路である。図に示すように、バッファ54がゲート電圧制御回路8に接続されており、バッファ54と電源1との間には抵抗55が接続されている。バッファ54と抵抗55との間に設けられたノードとアースとの間にキャパシタンス53が接続されている。ここでキャパシタンス53の電圧は抵抗55を介して電源1に接続されているのでノーマリーHIGHとなっている。ここでバッファ54はキャパシタンスの信号を受けて電流増幅または電圧増幅するものである。従って、バッファ54の代わりにインバータを用いた場合、論理が反転するが、はじめからそのような論理構成の上で回路を組めばよいので問題はない。
【0072】
ツェナーダイオード44、ダイオード45,50、抵抗46,51、バイポーラトランジスタ52は、ゲート電圧を検知するための回路である。図のように、ツェナーダイオード44がIGBT10のゲートラインに接続されており、ツェナーダイオード44の他端にダイオード45が接続されており、ダイオード45の他端には抵抗46が接続されている。抵抗46には、上述のMOSトランジスタ47が接続されている。ダイオード45と抵抗46との間に設けられたノードと、上述したバッファ54と抵抗55との間に設けられたノードとの間には、図のように、ダイオード45側から順に、ダイオード50、抵抗51、バイポーラトランジスタ52が接続されている。
【0073】
以下に本実施の形態の動作方法を示す。まず、MOSトランジスタ47がオフの場合、抵抗46の端子間に電圧は生じない。従って、バイポーラトランジスタ52がONしないので、キャパシタンス53の電荷は放電されず、HIGHのままである。これより出力信号はHIGHとなっている。
【0074】
これに対しサンプリング信号を受けてMOSトランジスタ47がオンしたとする。するとMOSトランジスタ47のオン抵抗が十分低い場合、抵抗46の一方の端子はアース電位と考えてよい。従って、抵抗46にかかる電圧はゲート電圧からツェナーダイオード44の降伏電圧とダイオード45の順方向のオン電圧を引いた電圧が生じることになる。
【0075】
これよりゲート電圧が十分大きい場合、抵抗46にかかる電圧が十分大きくなりバイポーラトランジスタ52はON状態となる。従って、キャパシタンス53の電圧はバイポーラトランジスタ52を介してアースに放電されるので、出力信号はLOWとなる。
【0076】
逆に、ゲート電圧が十分低い場合、抵抗に電圧は生じない。従って、バイポーラトランジスタ52はOFF状態のままであるので、キャパシタンス53の電荷は放電されず、出力信号はHIGHのままとなる。
【0077】
即ち、過電流であると判断したい電流値のときのミラー電圧に於いて、抵抗46に電圧が発生するようにツェナーダイオード44の降伏電圧を選ぶ。またサンプル信号発生回路7またはタイミング検知回路200を調整してミラー期間時のゲート電圧、即ち、ミラー電圧を検知できるようにする。これらによって本例では過電流であるかどうかの判断ができる。
【0078】
尚、ON状態となったバイポーラトランジスタ52はバイアス電流の大きさによってコレクタ電流値を変えられるが、これは抵抗51と抵抗46の調整で変えることができる。
【0079】
また、ダイオード50は逆方向に電流が流れないように入れているが、無くても良い。
【0080】
また、ダイオード45はツェナーダイオード44の温度特性を補正するものであり、温度変化がない場合には用いなくても良い。
【0081】
また、バッファ54は駆動能力と論理合成をしやすくするために挿入されているものなので、無くても良い。
【0082】
実施の形態15.
実施の形態13に示すような電圧比較器42としてコンパレータを用いたゲート電圧検知回路9の具体的回路例を図23に示す。図において、56はゲート電圧の分圧値と参照電圧発生調整回路43からの入力を比較し、出力するコンパレータ、57、58は電源1を分圧し、参照電圧発生調整回路43を構成する抵抗、59、60はゲート電圧を分圧する抵抗、47は抵抗60と並列接続され、サンプリング信号発生回路7またはタイミング検知回路200からのサンプリング信号によって動作するMOSトランジスタ、61はフィルタとしてのコンデンサ、62は電源1とコンパレータ56の出力間に接続された抵抗、63はフィルタとしてのコンデンサである。
【0083】
定常オン状態ではサンプリング信号発生回路7またはタイミング検知回路200よりMOSトランジスタ47にオン指令が入力されており、抵抗60は短絡される。本実施の形態ではサンプリング信号をMOSトランジスタ47に直接入力しているが実施の形態14に示すようにツェナーダイオード49、抵抗48を用いても良い。抵抗60が短絡されるためコンパレータ56へのゲート電圧側の入力はほぼ接地電位となり、参照電圧発生調整回路43より入力される電圧より低いため検知されない。オフ動作時のミラー期間にはサンプリング信号発生回路7またはタイミング検知回路200よりMOSトランジスタ47のオフ指令が出され、MOSトランジスタ47はオフする。それによりコンパレータ56にはゲート電圧を抵抗59、60で分圧した値が入力される。その値が参照電圧発生調整回路43からの入力電圧より高い場合はコンパレータ56が動作し、検出信号が出力される。コンパレータ56の出力は抵抗62を通して電源1に接続されており、コンパレータ56の動作により、HIGHまたはLOWが出力されるが、コンパレータ56の入力側の接続法によって、過電流時にLOW、通常時にHIGHを出力するか、あるいは、過電流時にHIGH、通常時にLOWを出力するかのいずれにも設定でき、出力信号を受けるゲート電圧設定回路の状態によって決められる。
【0084】
従って、本実施の形態のような構成とすれば過電流であると判断したい電流値の時のミラー電圧に於いて、コンパレータ56のゲート電圧を分圧した入力が参照電圧発生調整回路43からの入力より高くなるように抵抗57〜60を調整すれば、過電流であるかどうか判断し、出力することができる。
【0085】
以上のように、本実施の形態によれば、ゲート電圧検知回路9が、予め設定された所定の参照電圧を出力する参照電圧発生調整回路43と、電力用半導体素子のゲートラインに接続され、電力用半導体素子のゲート電圧が、上記参照電圧よりも、大きいかまたは小さいかを検知するコンパレータ56と、コンパレータ56に接続され、タイミング検知回路200から出力される信号に基づいて切り替わるスイッチ47とを備えているので、ゲート電圧検知回路9が、コンパレータと、基準電圧を発生するための回路と、サンプリング信号発生回路から作られた信号で切り替わるスイッチで構成され、検知した情報がディジタル値として出力されるので、ノイズに強く、誤動作しにくい回路を構成できる。
【0086】
実施の形態16.
図24に実施の形態15とはまた別の形態によるゲート電圧検知回路9の具体例回路例を示す。本実施の形態では実施の形態13に示す電圧比較器42としてバイポーラトランジスタ64を用いて参照電圧発生調整回路43とゲート電圧を比較している。図に於いて、64はバイポーラトランジスタ、65は電流の逆流を防ぐダイオード、66は参照電圧発生調整回路43の出力とバイポーラトランジスタ64のエミッタ間に接続された抵抗、67は参照電圧発生調整回路43の出力とバイポーラトランジスタ64のベース間に接続された抵抗、68は一端がバイポーラトランジスタに接続され、他端がMOSトランジスタ47、抵抗60、キャパシタンス61と接続された抵抗である。他の構成については、図23と同様であるため、ここではその説明を省略する。
【0087】
定常オン状態ではサンプリング信号発生回路7またはタイミング検知回路200よりMOSトランジスタ47にオン指令が入力されており、出力信号はほぼアース電位となる。オフ時のミラー期間にはMOSトランジスタ47にオフ指令が入力され、MOSトランジスタ47はオフする。ミラー期間中のゲート電圧が参照電圧発生調整回路43の電圧より高い場合は抵抗66に電流が流れ、バイポーラトランジスタ64のベース−エミッタ間に電圧が生じ、バイポーラトランジスタ64が導通する。抵抗68、60に電流が流れるため、抵抗60に電圧が生じ、その電圧を出力信号として出力する。
【0088】
従って本実施の形態のような構成としても過電流であると判断したい電流値の時のミラー電圧に於いて、ゲートの入力電圧が参照電圧発生調整回路43の電圧からの入力より高くなるように抵抗57、58を調整すれば、過電流であるかどうか判断し、出力することができる。
【0089】
実施の形態17.
上記実施の形態14〜16に示すようなゲート電圧検知回路を用いた場合、IGBT10を駆動する電源電圧が変動した場合に、ゲート電圧が変動し、過電流を検知する電流レベルが変動する場合がある。図25にIGBT10をターンオフする際の回路構成を簡略化したものを示す。IGBT10には内部にバランス抵抗69を含んでいる場合があり。また、IGBT10のエミッタにゲートを駆動する電源とは別にエミッタ電源70を用いる場合がある。図ではそのような場合を示している。ゲート電圧検知回路8に出力されるミラー期間中のアース電位から見たゲート電圧Vgは接地電位から見るとエミッタ電圧Ve、電流によって決められるオフ時のミラー期間中のゲート−エミッタ間電圧Vgem、バランス抵抗R1、オフ時のゲート抵抗R2を用いて次で与えられる。
【0090】
Vg = (Ve+Vgem)R2/(R1+R2) (1)
【0091】
Vgemは電流によって定まり、電源電圧によって変化しないが、電源電圧変動によりエミッタ電源70の電圧Veが変化する場合には、ゲート電圧Vgが変化する。そのため、過電流を検知する電流レベルが変化する。
【0092】
そのため、実施の形態15や16に示すように参照電圧発生調整回路43を用いる場合、電流値が同じでも電源電圧の変動によりゲート電圧が変動するのに合わせて出力する電圧が変動する参照電圧発生調整回路43を用いれば電源電圧変動時も同じ電流値で検知することが可能となる。
【0093】
図26に本発明の実施の形態17による電力用半導体素子の駆動回路を示す。過電流検知回路の具体的構成を示してある。実施の形態15や16に示す参照電圧発生調整回路43に加えて、参照電圧発生調整回路43の電源1と抵抗57間にツェナーダイオード71が挿入されている。(1)式より一般にエミッタ電圧Veは電源電圧Vcc、定常時のゲート−エミッタ間電圧VgeよりVe = Vcc-Vgeで与えられる。そのため(1)式は以下となる。
【0094】
Vg = (Vcc - (Vge - Vgem)) R2/(R1+R2) (2)
【0095】
これより、ツェナーダイオード71の電圧をVge−Vgem、参照電圧発生調整回路43の抵抗57、58の抵抗比をバランス抵抗69とオフ時のゲート抵抗5の抵抗比と同程度にすれば設定したい電流値におけるゲート電圧と同じ、参照電圧発生回路の43の電圧を得ることができ、それを電圧比較器で比較することにより、電源電圧が変動した場合でも一定の電流で検知することができる。そのため電源電圧が変動した場合でも検知したい電流値で検知しない、検知したい電流値以下で検知するというような誤動作を防止することができる。実施の形態15のようにゲート電圧をさらに分圧して比較する場合には(2)にさらに分圧比によって分圧された値と同様の分圧比となるように参照電圧発生調整回路の抵抗を設定すればよい。
【0096】
以上のように、本実施の形態によれば、ゲート電圧検知回路が駆動回路の電源電圧の変動により、上記ミラー電圧が変動した場合でも、過電流に対する検知レベルは変化せず、一定以上の電流が流れた場合に過電流検知信号を出力するようにしたので、電源電圧が変動した場合でも検知したい電流値で検知しない、検知したい電流値以下で検知するというような誤動作を防止することができる。
【0097】
実施の形態18.
図27に実施の形態18となる電力用半導体素子の駆動回路の過電流検知回路の具体例を示す。実施の形態14においてもダイオードを用いた温度補正について述べているがここでは実施の形態16に示す回路を例としてより具体的な方式について示す。図27では、上記の実施の形態16(図24)の構成に加えて、参照電圧発生調整回路43内の抵抗57と電源1との間に、ツェナーダイオード71、ダイオード74、73、72を挿入している。他の構成は、図24と同様である。ツェナーダイオード71は実施の形態17で述べた電源電電圧変動時の誤動作を防止するものである。一般にツェナーダイオード、ダイオード、バイポーラトランジスタ等の素子は温度によってオン電圧が変化する。そのためこれらの素子を用いて過電流検知回路を構成する場合には過電流を検知する電流レベルが変化する可能性がある。そのため逆の温度特性を持つ素子を用いたり、電圧比較器42を用いる場合にはゲート電圧入力側と参照電圧発生調整回路43に同じ温度特性を持つ素子を用いる等で温度によって過電流検知レベルが変化するのを補正することができる。図27の回路ではゲート電圧からの入力に対し、ダイオード65を用いている。そのため参照電圧発生調整回路43にダイオード72を挿入すれば、温度による特性変化を相殺することができる。また、バイポーラトランジスタ64を用いているため、参照電圧発生調整回路43に同様の温度特性を持つダイオード73を挿入することで温度による特性変化を相殺することができる。また、参照電圧発生調整回路43に用いるツェナーダイオード71は用いる電圧によって温度による電圧変動が異なる。温度による電圧変動は温度上昇時に電圧が低下する場合と上昇する場合があり、上昇する場合は図27のように逆に温度上昇によって低下するダイオード74を参照電圧発生調整回路43に挿入すればよい。逆に低下する場合はゲート電圧入力側にダイオード65と直列に同様の温度特性を持つダイオードを挿入すればよい。挿入するダイオードは1つであっても良いし、複数個を用いて温度特性が同程度になるようにしても良い。
【0098】
ここでは説明上、1つの素子に1つのダイオードを用いているが必ずしもそうする必要はなく、全体で温度特性が同じになるようになればよい。また、ダイオードを用いた場合、オン電圧分バイポーラトランジスタ64に入力される電圧が変わるためツェナーダイオード71の調整が必要である。また、ここではバイポーラトランジスタ64を用いた場合について述べたが、他の方式に於いても同様に温度に対する補正を行うことができる。
【0099】
このように温度に対する補正を行ったため温度が変化した場合でも検知したい電流値で検知しない、検知したい電流値以下で検知するというような誤動作を防止することができる。
【0100】
また、上記ゲート電圧検知回路が駆動回路の電源電圧の変動により、上記ミラー電圧が変動した場合でも、過電流に対する検知レベルは変化せず、一定以上の電流が流れた場合に過電流検知信号を出力するようにしたので、電源電圧が変動した場合でも検知したい電流値で検知しない、検知したい電流値以下で検知するというような誤動作を防止することができる。
【0101】
また、上記ゲート電圧検知回路が駆動回路の温度が変動した場合でも、過電流に対する検知レベルは変化せず、一定以上の電流が流れた場合に過電流検知信号を出力するようにしたので、温度が変化した場合でも検知したい電流値で検知しない、検知したい電流値以下で検知するというような誤動作を防止することができる。
【0102】
実施の形態19.
ゲート電圧制御回路は電流遮断時のゲート電圧を調整するための回路である。図28は実施の形態1、11のゲート電圧制御回路8の具体例を示す回路図である。図28において、1は電源、2はアース、3はPchのMOSFET、4,5は抵抗、6はNchのMOSFET、10はIGBT、75はMOSトランジスタ、76はツェナーダイオード、77は抵抗である。本例において、ゲート電圧制御回路8は、MOSトランジスタ75、ツェナーダイオード76、抵抗77から構成されている。なお、符号1〜6の構成は、上述した通り、メインインバータ100を構成するものである。図に示すように、MOSトランジスタ75はゲート電圧検知回路9に接続されており、ゲート電圧検知回路9からの検知信号に基づいて、通常時はHIGH、過電流時はLOWを出力する。MOSトランジスタ75には、図のように、ツェナーダイオード76が接続されている。抵抗77は、ツェナーダイオード76とIGBT10のゲートラインとに接続されている。ターンオフ時は入力制御信号はHIGHとなっているので、MOSトランジスタ3はオフ、MOSトランジスタ6がオンとなるので、IGBT10のゲート電荷は抵抗5を介して放電されることでIGBT10はターンオフする。そこで過電流が流れているときに急激にオフしたときに発生するサージ電圧を抑えるためには、例えば、ゲートから放電される電荷量と同じくらい、または、より多くの電荷がゲートに流れ込めば、ゲート電圧は急激に下がることは無くなり、サージ電圧の発生を抑制できる。
【0103】
ここではMOSトランジスタ75はPchであるので、ゲート電圧検知回路9からの出力信号を通常時にHIGHにし、過電流が流れたときにLOWとする。このようにすると過電流時だけMOSトランジスタ75は導通するので、抵抗77には電源1からツェナーダイオード76の降伏電圧とゲート電圧を引いた電圧がかかる。これよりIGBT10のゲートに抵抗77を介して充電電流が流れ込む。従って、急激にゲート電圧が低下することがなくなり、サージ電圧の発生を抑制できる。
【0104】
ここで抵抗77が流す充電電流が抵抗5が流す放電電流より小さく設定した場合、ゲート電位はゆっくり低下していくのでIGBTはゆっくり遮断される。
【0105】
逆に大きく設定した場合、ゲート電位はツェナーダイオード76の降伏電圧で決まるある電位にクランプされ、ターンオフは行われない。この場合、本実施の形態ではゲート電圧検知回路の出力信号はサンプル信号によってON、OFFを必ず繰り返すので、次のターンオフ時までにはゲート電圧検知回路9の出力信号はHIGHとなり通常状態に回復している。従って、次のターンオフ動作にはまた検知可能な状態に復帰していることになる。
【0106】
尚、MOSトランジスタ75に逆にNchを用いれば、ゲートへの論理を反転するだけで同様の効果が得られる。
【0107】
以上のように、本実施の形態によれば、ゲート電圧制御回路8が、ゲート電圧検知回路9に接続され、ゲート電圧検知回路9からの信号に基づいて切り替わるMOSトランジスタ75と、電力用半導体素子のゲートラインとMOSトランジスタ75との間に接続されたツェナーダイオード76とを備えているため、ゲート電圧制御回路8が、ゲート電圧検知回路9からの出力によって切り替わるスイッチと、ツェナーダイオードと、さらには抵抗を任意につけられるので、ゲート電圧がゆっくり低下したり、またはある値にクランプできる。従って、ゆっくりターンオフできるのでサージ電圧の発生を抑制できる。また入力制御信号がHIGHになってからミラー期間までは通常のターンオフと同様の遅れ時間であるので、入力制御信号を発生する制御回路は上記遅れ時間だけ考慮して設計すればよいので設計が簡単になる。
【0108】
実施の形態20.
図29は実施の形態19とは異なるゲート電圧制御回路8の具体例を示す回路図である。図29において、1は電源、2はアース、3はPchのMOSFET、4,5は抵抗、6はNchのMOSFET、10はIGBT、78は抵抗、79はMOSトランジスタである。本例において、ゲート電圧制御回路8は、MOSトランジスタ79、抵抗78から構成されている。なお、符号1〜6の構成は、上述した通り、メインインバータ100を構成するものである。図に示すように、MOSトランジスタ79はゲート電圧検知回路9に接続されている。MOSトランジスタ79とIGBT10のゲートラインには、図のように、抵抗78が接続されている。
【0109】
本実施の形態では通常時にはMOSトランジスタ79は導通状態とする。この場合、メインインバータのオフ抵抗は抵抗5と抵抗78の合成抵抗となる。またNchのMOSトランジスタ79が導通状態となるためにゲート電圧検知回路9の出力信号はHIGHを出力させる。
【0110】
過電流が流れたとき、ゲート電圧検知回路9の出力信号はLOWを出力するので、MOSトランジスタ79はオフになる。従って、メインインバータ100のオフ抵抗は抵抗5だけとなり、抵抗値が通常時よりも大きくなる。これよりIGBT10からの放電電流が通常時よりも小さくなるので、IGBT10はゆっくり遮断されることになり、サージ電圧の発生が抑制される。
【0111】
図30は何も制御をしない時の、IGBTのターンオフ波形を示す。図30のように入力制御信号がHIGHになってゲート電圧が下がり始める。ミラー期間の終了近くになると急激にIGBTのコレクタエミッタ間電圧が上昇する。またIGBTが遮断し始めるのでコレクタ電流が急激に減少しだす。これより非常に大きなサージ電圧が発生することになり、例えば図30の場合では439V発生している。
【0112】
一方、図31は図22と図29に示す回路を用いてIGBTのゲート電圧を制御した時のIGBTのターンオフ波形である。図31のように入力制御信号から遅れてサンプリング信号が発生し、ミラー期間の電圧を検知できるようになっている。ここでは過電流と検知されたので、MOSトランジスタ54がオフした。従って、メインインバータ100のオフ抵抗が抵抗5だけになり、放電電流が通常時よりも抑制され始める。これによりゲート電圧は一度上昇した後、ゆっくり低下していく。図31より本実施の形態20の回路を用いた場合、発生したサージ電圧は小さく、138V程度になる。即ち、サージ電圧をおよそ31%に抑制している。
【0113】
また上記効果のほかの本例の特徴として、図31からわかるように入力制御信号がHIGHになってからミラー期間までは通常のターンオフと同様の遅れ時間である。従って、入力制御信号を発生する制御回路は上記遅れ時間だけ考慮して設計すればよいので設計が簡単になる。
【0114】
尚、本例ではゲート電圧検知回路と抵抗78とMOSトランジスタ79は一組だけ用いているが、もちろん、ゲート電圧検知回路9と抵抗78とMOSトランジスタ79のペアを並列にいくつも並べて、多段階に放電電流を制御してゲート電圧を変化させることも同様に可能である。この場合はより細かい制御ができることになる。
【0115】
以上のように、本実施の形態においては、サンプリング信号発生回路7が入力制御信号からの信号を参照して、ターンオフのときだけサンプリング信号を出力するようにしたので、ターンオフの時にだけ動作するようにすることができ、ターンオン損失は小さくすることができる。また、サンプリング信号発生回路7がミラー期間の開始付近の時刻にサンプリング信号を発生するようにしたので、ゲート電圧制御回路8がミラー電圧を検知することができ、ミラー電圧が所定のしきい値以上であったときに、IGBT10に過電流が流れていると判断することにより、通常時は高速にターンオフするので、ターンオフ損失が小さい。過電流時は、ゆっくりとIGBT10を遮断できるようにゲート電圧制御回路8によりゲート電圧を制御するため、ターンオフ時に発生するサージ電圧を小さくすることができ、過電流保護を実施することができる。
【0116】
また、上記ゲート電圧制御回路が、上記ゲート電圧検知回路に接続され、上記ゲート電圧検知回路からの信号に基づいて切り替わるMOSトランジスタと、上記電力用半導体素子のゲートラインと上記MOSトランジスタとの間に接続された抵抗とを備え、上記抵抗からの出力が上記メインインバータのオフ側のスイッチに接続されているため、ゲート電圧をゆっくり低下できる。従って、ゆっくりターンオフできるのでサージ電圧の発生を抑制できる。また、電力用半導体素子のゲートからの放電電流を抑制しているだけなので電力半導体素子のオン/オフのスイッチングを行う上記回路には貫通電流が流れず、消費電力があまり増加しない。また入力制御信号がHIGHになってからミラー期間までは通常のターンオフと同様の遅れ時間であるので、入力制御信号を発生する制御回路は上記遅れ時間だけ考慮して設計すればよいので設計が簡単になる。
【0117】
実施の形態21.
上記実施の形態では遮断時に生じるサージを抑制するための保護方式について述べているが本方式ではオン状態で短絡電流等の大きな過電流が流れ続けた場合には過電流を検知する手段を持たないため、電力用半導体素子を保護することができない。オン状態での過電流を保護するためには他の検知回路と組み合わせることが必要となる。
【0118】
図32に他の検知回路と組み合わせた例を示す。図において80はオン状態で過電流を検知する過電流検知回路、81は外部からの入力指令により入力制御信号を出力する制御回路である。過電流検知回路80としては例えば従来例に示されているようなゲート電圧の上昇を利用した検知方式等が用いられる。オン状態で過電流が流れた場合には過電流検知回路80が検知信号を制御回路81に出力し、制御回路81は過電流検知回路80からの出力を受けて、IGBT10を遮断する。そのため長時間過電流を流すことが無く、装置の破壊を防ぐことができる。また、同時に過電流検知回路80の検知信号はゲート電圧制御回路8に出力され、ゲート電圧制御回路8は通常よりも遅い速度で遮断する。それによりサージを抑制でき、装置の破壊を防ぐことができる。
【0119】
また、過電流であっても過電流検知回路80の検知レベル以下のような場合に、遮断指令が入力された場合には、ゲート電圧検知回路9が過電流と判断し、ゲート電圧検知回路9からの検知信号によりゲート電圧制御回路8が通常よりも遅い速度で遮断する。そのためサージが抑制され、装置の破壊を防止することができる。
【0120】
従って、本構成とすることにより、オン状態で短絡電流のような大きな過電流が流れた場合であっても、過電流検知回路80が検知できない比較的低い過電流であっても保護することができる。
【0121】
また、電力用半導体素子を駆動させるための駆動回路であって、入力制御信号が外部から入力されて、上記電力用半導体素子のオン/オフのスイッチングを行う回路と、上記入力制御信号を検知して、上記入力制御信号がオフを指示するものであった場合に、上記電力用半導体素子のミラー期間の略々開始時刻にサンプリング信号を出力するサンプリング信号発生回路または上記電力用半導体素子のゲートラインに接続され、上記電力用半導体素子のミラー期間を検知して、上記ミラー期間の略々開始時刻にタイミング信号を出力するタイミング検知回路と、上記電力用半導体素子のゲートラインに接続され、上記サンプリング信号またはタイミング信号が入力されるタイミングで上記電力用半導体素子のミラー電圧を検知して、上記ミラー電圧が所定のしきい値以上であった場合に、過電流検知信号を出力するゲート電圧検知回路と、オン状態におけるゲート電圧を検知して、ゲート電圧の上昇より過電流を検知してオン時過電流検知信号を出力する過電流検知回路と、電力用半導体素子のゲートラインに接続され、上記ゲート電圧検知回路または過電流検知回路からの上記過電流検知信号または上記オン時過電流検知信号を受けて、上記電力用半導体素子を通常時よりも遅い速度でオフするように、上記電力用半導体素子のゲート電圧を制御するゲート電圧制御回路とを備えたため、オン状態で短絡電流のような大きな過電流が流れた場合であっても、過電流検知回路が検知できない比較的低い過電流であっても保護することができる。
【0122】
【発明の効果】
この発明は、電力用半導体素子を駆動させるための駆動回路であって、入力制御信号が外部から入力されて、上記電力用半導体素子のオン/オフのスイッチングを行う回路と、上記入力制御信号を検知して、上記入力制御信号がオフを指示するものであった場合に、上記電力用半導体素子のミラー期間の略々開始時刻にサンプリング信号を出力するサンプリング信号発生回路と、上記電力用半導体素子のゲートラインに接続され、上記サンプリング信号が入力されるタイミングで上記電力用半導体素子のミラー電圧を検知して、上記ミラー電圧が所定のしきい値以上であった場合に、過電流検知信号を出力するゲート電圧検知回路と、電力用半導体素子のゲートラインに接続され、上記ゲート電圧検知回路からの上記過電流検知信号を受けて、上記電力用半導体素子を通常時よりも遅い速度でオフするように、上記電力用半導体素子のゲート電圧を制御するゲート電圧制御回路とを備えた電力用半導体素子の駆動回路であるので、サンプリング信号発生回路の働きにより、ゲート電圧検知回路およびゲート電圧制御回路をターンオフの時だけに動作させるのでターンオン損失は小さくできる。また、通常時は高速にターンオフするのでターンオフ損失が小さい。また、ミラー電圧検出レベルを調節することにより、過電流検出レベルをかえることができるので、従来のような大電流でなく、低い電流でも過電流検出し、サージ電圧の発生を抑える過電流保護を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1に係る電力用半導体素子の駆動回路の構成を示した構成図である。
【図2】 IGBTのターンオフした時の、ゲート電圧の波形を示した説明図である。
【図3】 IGBTのターンオフした時の、コレクタ電圧の波形を示した説明図である。
【図4】 IGBTのターンオフした時の、コレクタ電流の波形を示した説明図である。
【図5】 本発明の実施の形態2における入力制御信号とゲート電圧の波形を示した説明図である。
【図6】 本発明の実施の形態2のサンプリング波形を示した説明図である。
【図7】 本発明の実施の形態3のサンプリング信号発生回路の構成を示した構成図である。
【図8】 本発明の実施の形態3のサンプリング波形を示した説明図である。
【図9】 本発明の実施の形態4のサンプリング信号発生回路の構成を示した構成図である。
【図10】 本発明の実施の形態4のサンプリング波形を示した説明図である。
【図11】 本発明の実施の形態5のサンプリング信号発生回路の構成を示した構成図である。
【図12】 本発明の実施の形態6のサンプリング信号発生回路の構成を示した構成図である。
【図13】 本発明の実施の形態6のサンプリング波形を示した説明図である。
【図14】 本発明の実施の形態7のサンプリング信号発生回路の構成を示した構成図である。
【図15】 本発明の実施の形態8のサンプリング信号発生回路の構成を示した構成図である。
【図16】 本発明の実施の形態9のサンプリング信号発生回路の構成を示した構成図である。
【図17】 本発明の実施の形態10のサンプリング信号発生回路の構成を示した構成図である。
【図18】 本発明の実施の形態11における電力用半導体素子の駆動回路の構成を示した構成図である。
【図19】 本発明の実施の形態11のタイミング検知回路の構成を示した構成図である。
【図20】 本発明の実施の形態12のゲート電圧検知回路の構成を示した構成図である。
【図21】 本発明の実施の形態13のゲート電圧検知回路の構成を示した構成図である。
【図22】 本発明の実施の形態14のゲート電圧検知回路の構成を示した構成図である。
【図23】 本発明の実施の形態15のゲート電圧検知回路の構成を示した構成図である。
【図24】 本発明の実施の形態16のゲート電圧検知回路の構成を示した構成図である。
【図25】 IGBTをターンオフする際の簡略化した回路構成を示した構成図である。
【図26】 本発明の実施の形態17のゲート電圧検知回路の構成を示した構成図である。
【図27】 本発明の実施の形態18のゲート電圧検知回路の構成を示した構成図である。
【図28】 本発明の実施の形態19のゲート電圧制御回路の構成を示した構成図である。
【図29】 本発明の実施の形態20のゲート電圧制御回路の構成を示した構成図である。
【図30】 制御をしない場合のIGBTのターンオフ時の、入力制御信号の波形、コレクタエミッタ間電圧の波形、コレクタ電流の波形、ゲート電圧の波形をそれぞれ示した説明図である。
【図31】 制御をしない場合のIGBTのターンオフ時の、入力制御信号の波形、サンプリング信号の波形、コレクタエミッタ間電圧の波形、コレクタ電流の波形、ゲート電圧の波形をそれぞれ示した説明図である。
【図32】 本発明の実施の形態21に係る電力用半導体素子の駆動回路の構成を示した構成図である。
【符号の説明】
1 電源、2 アース、3 MOSFET、4 抵抗、5 抵抗、6 MOSFET、7 サンプリング信号発生回路、8 ゲート電圧制御回路、9 ゲート電圧検知回路、10 IGBT(電力用半導体素子)、11 抵抗、12 キャパシタンス、13 バッファ、14 ノード、15 ダイオード、16 コンパレータ、17 抵抗、18 抵抗、19 ノード、20 抵抗、21 インバータ、22 抵抗、23 キャパシタンス、24 AND素子、25 ノード、26 コンパレータ、27 抵抗、28 抵抗、29 ノード、30 抵抗、31インバータ、32 抵抗、33 コンデンサ、34 エミッタ電源、35 ツェナー、36 キャパシタンス、37 ノード、38 抵抗、39 バッファ、40 電圧増幅器、41 スイッチ、42 電圧比較器、43 参照電圧発生調整回路、44 ツェナーダイオード、45 ダイオード、46 抵抗、47 MOSトランジスタ、48 抵抗、49 ツェナーダイオード、50 ダイオード、51 抵抗、52 バイポーラトランジスタ、53 キャパシタンス、54 バッファ、55 抵抗、56 コンパレータ、57 抵抗、58 抵抗、59 抵抗、60 抵抗、61 キャパシタンス、62 抵抗、63 キャパシタンス、64 バイポーラトランジスタ、65 ダイオード、66 抵抗、67 抵抗、68 抵抗、69 バランス抵抗、70 エミッタ電源、71 ツェナーダイオード、72 ダイオード、73 ダイオード、74 ダイオード、75 MOSトランジスタ、76 ツェナーダイオード、77 抵抗、78 抵抗、79 MOSトランジスタ、80 過電流検知回路、81 制御回路、90 入力制御信号、91 ゲート電圧、92 バッファの出力、93 ノードの電圧、94 ノード14の電圧、95 ノード25の電圧、100 メインインバータ、200 タイミング検知回路。

Claims (16)

  1. 電力用半導体素子を駆動させるための駆動回路であって、
    入力制御信号が外部から入力されて、上記電力用半導体素子のオン/オフのスイッチングを行うスイッチング回路と、
    上記入力制御信号を検知して、上記入力制御信号がオフを指示するものであった場合に、上記電力用半導体素子のミラー期間の略々開始時刻にサンプリング信号を出力するサンプリング信号発生回路と、
    上記電力用半導体素子のゲートラインに接続され、上記サンプリング信号が入力されるタイミングで上記電力用半導体素子のミラー電圧を検知して、上記ミラー電圧が所定のしきい値以上であった場合に、過電流検知信号を出力するゲート電圧検知回路と、
    電力用半導体素子のゲートラインに接続され、上記ゲート電圧検知回路からの上記過電流検知信号を受けて、上記電力用半導体素子を通常時よりも遅い速度でオフするように、上記電力用半導体素子のゲート電圧を制御するゲート電圧制御回路と
    を備えたことを特徴とする電力用半導体素子の駆動回路。
  2. 電力用半導体素子を駆動させるための駆動回路であって、
    入力制御信号が外部から入力されて、上記電力用半導体素子のオン/オフのスイッチングを行うスイッチング回路と、
    上記電力用半導体素子のゲートラインに接続され、上記電力用半導体素子のミラー期間を検知して、上記ミラー期間の略々開始時刻にタイミング信号を出力するタイミング検知回路と、
    上記電力用半導体素子のゲートラインに接続され、上記タイミング信号が入力されるタイミングで上記電力用半導体素子のミラー電圧を検知して、上記ミラー電圧が所定のしきい値以上であった場合に、過電流検知信号を出力するゲート電圧検知回路と、
    上記電力用半導体素子のゲートラインに接続され、上記ゲート電圧検知回路からの上記過電流検知信号を受けて、上記電力用半導体素子を通常時よりも遅い速度でオフするように、上記電力用半導体素子のゲート電圧を制御するゲート電圧制御回路と
    を備えたことを特徴とする電力用半導体素子の駆動回路。
  3. 上記サンプリング信号発生回路または上記タイミング検知回路が、抵抗及びキャパシタンスを有する遅延回路とバッファとにより構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の電力用半導体素子の駆動回路。
  4. 上記サンプリング信号発生回路が、予め設定された所定の参照電圧を出力する参照電圧発生回路と、抵抗及びキャパシタンスを有する遅延回路と、上記遅延回路の出力電圧が、上記参照電圧よりも、大きいかまたは小さいかを検知する電圧比較器とにより構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の電力用半導体素子の駆動回路。
  5. 上記サンプリング信号発生回路が、上記抵抗に対して並列に、上記入力制御信号方向が順方向となるように接続されたダイオードをさらに備えたことを特徴とする請求項3または4に記載の電力用半導体素子の駆動回路。
  6. 上記サンプリング信号発生回路の出力期間が、上記電力用半導体素子のミラー期間より短くなるように設定されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の電力用半導体素子の駆動回路。
  7. 上記入力制御信号のオフ指令により、ゲート電圧が低下し始めてから、上記サンプリング信号の出力までの時間が、一定となるように設定されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の電力用半導体素子の駆動回路。
  8. 上記サンプリング信号発生回路の出力期間が電源電圧に依存し、電源電圧が低下する程、出力期間が遅れることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の電力用半導体素子の駆動回路。
  9. 上記ゲート電圧検知回路が、
    上記電力用半導体素子のゲートラインに接続され、ゲート電圧を所定のレベルに増幅する電圧増幅器と、
    上記電圧増幅器に接続され、上記サンプリング信号発生回路または上記タイミング検知回路から出力される信号に基づいて切り替わるスイッチと
    を備えていることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の電力用半導体素子の駆動回路。
  10. 上記ゲート電圧検知回路が、
    予め設定された所定の参照電圧を出力する参照電圧発生回路と、
    上記電力用半導体素子のゲートラインに接続され、上記電力用半導体素子のゲート電圧が、上記参照電圧よりも、大きいかまたは小さいかを検知する電圧比較器と、
    上記電圧比較器に接続され、上記サンプリング信号発生回路または上記タイミング検知回路から出力される信号に基づいて切り替わるスイッチと
    を備えていることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の電力用半導体素子の駆動回路。
  11. 上記ゲート電圧検知回路が、駆動回路の電源電圧の変動により上記ミラー電圧が変動した場合でも過電流に対する検知レベルは変化させずに、一定以上の電流が流れた場合に過電流検知信号を出力することを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載の電力用半導体素子の駆動回路。
  12. 上記ゲート電圧検知回路が、駆動回路の温度が変動した場合でも過電流に対する検知レベルは変化させずに、一定以上の電流が流れた場合に過電流検知信号を出力することを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1項に記載の電力用半導体素子の駆動回路。
  13. 上記ゲート電圧制御回路が、
    上記ゲート電圧検知回路に接続され、上記ゲート電圧検知回路からの信号に基づいて切り替わるMOSトランジスタと、
    上記電力用半導体素子のゲートラインと上記MOSトランジスタとの間に接続されたツェナーダイオードと
    を備えたことを特徴とする請求項1ないし12のいずれか1項に記載の電力用半導体素子の駆動回路。
  14. 上記ゲート電圧制御回路が、
    上記ゲート電圧検知回路に接続され、上記ゲート電圧検知回路からの信号に基づいて切り替わるMOSトランジスタと、
    上記電力用半導体素子のゲートラインと上記MOSトランジスタとの間に接続された抵抗と
    を備え、
    上記抵抗からの出力が上記スイッチング回路のオフ側のスイッチに接続されている
    ことを特徴とする請求項1ないし12のいずれか1項に記載の電力用半導体素子の駆動回路。
  15. 電力用半導体素子を駆動させるための駆動回路であって、
    入力制御信号が外部から入力されて、上記電力用半導体素子のオン/オフのスイッチングを行うスイッチング回路と、
    上記入力制御信号を検知して、上記入力制御信号がオフを指示するものであった場合に、上記電力用半導体素子のミラー期間の略々開始時刻にサンプリング信号を出力するサンプリング信号発生回路と、
    上記電力用半導体素子のゲートラインに接続され、上記サンプリング信号が入力されるタイミングで上記電力用半導体素子のミラー電圧を検知して、上記ミラー電圧が所定のしきい値以上であった場合に、過電流検知信号を出力するゲート電圧検知回路と、
    オン状態におけるゲート電圧を検知して、ゲート電圧の上昇に基づいて過電流を検知してオン時過電流検知信号を出力する過電流検知回路と、
    電力用半導体素子のゲートラインに接続され、上記ゲート電圧検知回路からの上記過電流検知信号または上記過電流検知回路からの上記オン時過電流検知信号を受けて、上記電力用半導体素子を通常時よりも遅い速度でオフするように、上記電力用半導体素子のゲート電圧を制御するゲート電圧制御回路と
    を備えたことを特徴とする電力用半導体素子の駆動回路。
  16. 電力用半導体素子を駆動させるための駆動回路であって、
    入力制御信号が外部から入力されて、上記電力用半導体素子のオン/オフのスイッチングを行うスイッチング回路と、
    上記電力用半導体素子のゲートラインに接続され、上記電力用半導体素子のミラー期間を検知して、上記ミラー期間の略々開始時刻にタイミング信号を出力するタイミング検知回路と、
    上記電力用半導体素子のゲートラインに接続され、上記タイミング信号が入力されるタイミングで上記電力用半導体素子のミラー電圧を検知して、上記ミラー電圧が所定のしきい値以上であった場合に、過電流検知信号を出力するゲート電圧検知回路と、
    オン状態におけるゲート電圧を検知して、ゲート電圧の上昇より過電流を検知してオン時過電流検知信号を出力する過電流検知回路と、
    電力用半導体素子のゲートラインに接続され、上記ゲート電圧検知回路からの上記過電流検知信号または上記過電流検知回路からの上記オン時過電流検知信号を受けて、上記電力用半導体素子を通常時よりも遅い速度でオフするように、上記電力用半導体素子のゲート電圧を制御するゲート電圧制御回路と
    を備えたことを特徴とする電力用半導体素子の駆動回路。
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