JP7326762B2 - 半導体モジュールおよび駆動回路 - Google Patents

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Description

本発明は、インバータ装置などの電力変換装置に用いられる半導体スイッチング素子の過電流保護技術に係り、特に半導体スイッチング素子に流れる過電流を精度良く検出する半導体モジュール、および半導体スイッチング素子を駆動する駆動回路に関する。
一般に、インバータ装置などの電力変換装置では、半導体スイッチング素子に流れる過電流を検出して該半導体スイッチング素子のオン駆動を停止させる過電流保護回路が設けられている。この過電流保護回路は、過電流状態検出時に電力変換装置に接続された負荷、並びに半導体スイッチング素子を過電流から保護する役割を担う。ちなみに、半導体スイッチング素子は、例えば高耐圧のIGBTやMOS-FETからなる。
過電流検出回路は、例えば半導体スイッチング素子に一体に組み込まれた電流検出素子(センス端子)から出力される該半導体スイッチング素子の主電流に比例したセンス電流を、電流検出抵抗を介して電圧値(センス電圧)に変換し、この電圧値と所定の参照電圧値とを比較して半導体スイッチング素子に流れる主電流が過電流状態にあることを検出する比較器を備えて構成される。そして、過電流検出回路は過電流状態を検出すると、半導体スイッチング素子を駆動する駆動回路を停止させる過電流保護動作を実行する。
従来、この過電流状態の検出精度を高めて誤動作を防止する技術が提案されている。例えば、特許文献1では、図7に示すように、センス端子TSから出力されるセンス電流をもとに生成されたセンス電圧Vsに発生するノイズによって、誤って過電流保護動作が実行される懸念がある。このような誤動作を防止するため、半導体スイッチング素子のコレクタ-エミッタ間電圧Vceの変化量を検出し、当該電圧の変化量Vcsと所定の閾値電圧Vref2とを比較している。電圧の変化量Vcsが閾値電圧Vref2を超えた場合にHレベル(ハイレベル)になる電圧変化検知用の比較器COMP2を設けている。この比較器COMP2は、従来の過電流状態検出用の比較器COMP1とは別に設けられている。そして、両比較器COMP1,COMP2の出力のAND条件によって過電流異常を検知して過電流保護動作を実行する駆動回路が開示されている。
しかしながら、過電流異常の場合、図8に示すように、従来の過電流状態を検出する比較器COMP1によって過電流状態を検出するタイミングT0の付近では、コレクタ-エミッタ間電圧Vceはほぼフラットな状態で推移し、急峻な変化は生じない。なお、図8中、タイミングT0より後にコレクタ-エミッタ間電圧Vceが立ち上がっているが、これはタイミングT0において、比較器COMP1による従来の過電流保護動作により、半導体スイッチ素子のゲート信号をオフにしたために生じたものである。したがって、タイミングT0付近あるいはそれより前の本来の検出タイミング、すなわち図8中符号Aで示した丸印の範囲で、コレクタ-エミッタ間電圧Vceの僅かな変化量Vcsを捉えて、過電流保護動作を実行するのは簡単ではない。特に過電流異常時のコレクタ電流Icを抑えるために過電流状態の検出タイミングを速めようとすると、図9に示すようにコレクタ-エミッタ間電圧Vceは、図中符号Aの範囲に示すように図8に比べてさらにフラットな状態になる。なお、図8,9は後述の図6に相当するものから関連信号を抜粋したものであり、図9は図1に示すコンデンサC1の静電容量値を小さくした場合の図である。
以上のごとく、特許文献1の技術を用いて過電流異常の検出を行う場合は、微分回路の時定数(図7のコンデンサC0,抵抗R0の値)の選択が極めて難しいという問題がある。
また、半導体スイッチング素子のセンス端子から出力されるセンス電流を用いて主電流の過電流状態を検知する場合、センス電流は主電流に必ずしも比例するものではなく、図10に示すような特性を有することを考慮する必要がある。すなわち、センス電流(図10ではセンス電圧Vs)と主電流Icとの比は全ての動作期間において一定ではなく、たとえば半導体スイッチング素子のターンオン直後の逆回復期間やミラー期間中は、センス電流が設計値(ミラー期間後の安定状態におけるセンス電流値)よりも大きな値となる。この期間中のセンス電流は設計値の2~3倍になることがある。このため、通常動作において過電流異常を誤検出しないように、半導体スイッチング素子のターンオン後、ミラー期間が経過し、センス電流が安定するまでは過電流異常を検出しないいわゆるブランキング期間を設けるなどの対応が必要となる。しかしながら、ブランキング期間を設けると通常動作時の誤検出は回避できるものの、過電流異常の検出が遅くなるという問題がある。
特開2002-084173号
本発明は、上述のかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、上記のような長いブランキング期間を設けることなく、半導体スイッチング素子の過電流異常を迅速かつ精度良く検出することのできる半導体モジュールおよび駆動回路を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の半導体モジュールにおいては、
第1の主電極端子、第2の主電極端子、制御電極端子、および前記第1の主電極端子と前記第2の主電極端子との間に流れる電流に応じたセンス電流を出力するセンス端子を備え、前記制御電極端子に加えられる駆動信号の電圧に応じて前記第1の主電極端子と前記第2の主電極端子との間に流れる電流を制御する半導体スイッチング素子と、
通常動作中における入力信号に同期して前記駆動信号を生成し、該駆動信号により前記半導体スイッチング素子をオン・オフ制御するドライブ回路と、
ダイオードと第1のコンデンサを備える外部回路であって、前記ダイオードのカソードは前記第1の主電極端子に接続され、前記ダイオードのアノードは前記第1のコンデンサの一方の端子に接続され、前記第1のコンデンサの他方の端子は前記第2の主電極端子および基準電位に接続された外部回路と、
前記第1のコンデンサの前記一方の端子に接続され、前記入力信号に同期して前記第1のコンデンサの充電を行う充電回路と、
前記第1のコンデンサの充電電圧の値に基づいて、前記半導体スイッチング素子の前記第1の主電極端子と前記第2の主電極端子との間の電圧が不飽和電圧状態にあることを検出して不飽和電圧状態検出信号を出力する不飽和電圧検出回路と、
前記センス端子から出力されるセンス電流を電圧に変換してセンス電圧信号を出力するセンス電圧生成回路と、
前記センス電圧信号に基づいて、前記半導体スイッチング素子の前記第1の主電極端子と前記第2の主電極端子との間に流れる電流が過電流状態にあることを検出して過電流状態検出信号を出力する電流センス回路と、
前記入力信号がオン状態のときに、前記不飽和電圧検出回路から前記不飽和電圧状態検出信号が出力され、かつ前記電流センス回路から前記過電流状態検出信号が出力された場合に、遅延回路により前記第1のコンデンサの充電開始タイミングを遅延させて過電流保護信号を出力する遮断制御回路と、を備え、
前記ドライブ回路は、当該過電流保護信号に基づいて、前記駆動信号をオフにすることを特徴とする。
本発明では、電流センス回路と不飽和電圧検出回路の2つの回路の検出結果によって、過電流保護が必要か否かを決定する。半導体スイッチング素子の正常動作時は、ターンオンしたとき、通常は逆回復期間の開始時点付近では飽和電圧になる。この特性を利用して上記構成の外部回路のコンデンサを半導体スイッチのターンオンによって充電開始すると共に、充電された電荷はダイオードを介して半導体スイッチング素子側に速やかに逃がすようにする。これにより、不飽和電圧検出回路は、通常動作時は入力信号がオンになった直後は一旦不飽和電圧状態を検出するものの、半導体スイッチング素子の主電極間の電圧降下に伴ってすぐに不飽和電圧状態の不検出状態になる。一方、センス電流を用いた電流センス回路は、概略逆回復期間中に主電流との比例状態から逸脱して大きく立ち上がるセンス電圧によって過電流状態を検出する。したがって、電流センス回路によって過電流状態が検出されたときに、不飽和電圧検出回路が不飽和電圧状態を検出していなければ正常(過電流保護動作は不要)、不飽和電圧検出回路が不飽和電圧状態を検出していれば過電流異常(過電流保護動作が必要)と判定することにより、迅速にかつ精度良く過電流異常を検出することができる。
電流センス回路による過電流状態の検出タイミングと、不飽和電圧検出回路による不飽和電圧状態の検出/不検出のタイミングの調整は、外部回路のコンデンサの静電容量や充電電流の調整によって行うこともできるが、センス電圧生成回路と電流センス回路との間に、抵抗と第2のコンデンサを有するCRフィルタ回路を挿入し、このCR時定数によって電流センス回路の過電流常態の検出タイミングを一定時間遅延させるようにしても良い。これにより、半導体スイッチング素子の正常動作時において、入力信号がオンになったとき、不飽和電圧検出回路が不飽和電圧状態の検出状態から不検出状態に変化した後に、電流センス回路が過電流状態を検出するように調整でき、センス電圧信号がノイズに強くなるのみならず、正常動作時での過電流異常の誤検出を確実に回避することができる。
なお、前記不飽和電圧検出回路は、前記第1のコンデンサの充電電圧の値と第1の基準電圧値とを比較して、前記第1のコンデンサの充電電圧の値の方が前記第1の基準電圧値よりも高いときに、前記半導体スイッチング素子の前記第1の主電極端子と前記第2の主電極端子との間の電圧は不飽和電圧状態であることを示す不飽和電圧状態検出信号を出力する比較器によって実現することができる。
また、前記電流センス回路は、前記CRフィルタ回路から入力される遅延された前記センス電圧信号の値と第2の基準電圧値とを比較して、当該センス電圧信号の値の方が前記第2の基準電圧値よりも高いときに、前記半導体スイッチング素子の前記第1の主電極端子と前記第2の主電極端子との間に流れる電流が過電流状態であることを示す過電流状態検出信号を出力する比較器によって実現することができる。
この第1の基準電圧値は、半導体スイッチング素子の主電極間の飽和電圧値とダイオードの順方向降下電圧値の合計値よりも大きな値とする。第2の基準電圧値は、一般に半導体スイッチング素子の性能や負荷の仕様等によって過電流異常とされる値に設定される。
また、前記遮断制御回路は、不飽和電圧状態検出信号および過電流状態検出信号が共に出力されたときにセットされ、前記入力信号がオフのときにリセットされるラッチ回路を備え、当該ラッチ回路がセットされたときに前記過電流保護信号を出力する。
特に、前記充電回路は、前記第1のコンデンサの前記一方の端子と基準電位との間に介挿されたスイッチを備え、当該スイッチは、前記入力信号がオフ状態のとき、または前記ラッチ回路がセットされ前記過電流保護信号が出力されているときに導通状態となって前記第1のコンデンサに蓄積された電荷を放電し、前記入力信号がオン状態のときに非導通状態となって前記第1のコンデンサを充電することを特徴とする。
なお、前記ダイオードに並列に接続された第3のコンデンサを装着するようにしても良い。この第3のコンデンサは、前記半導体スイッチング素子の正常動作時において、前記入力信号がオンになったときに前記不飽和電圧検出回路が不飽和電圧状態の検出状態から不検出状態への変化のタイミングを速める役割を担う。
上記目的を達成するため、本発明に係わる駆動回路は、
第1の主電極端子、第2の主電極端子、制御電極端子、および前記第1の主電極端子と前記第2の主電極端子との間に流れる電流に応じたセンス電流を出力するセンス端子を備えた半導体スイッチング素子の前記制御電極端子に印加して前記第1の主電極端子と前記第2の主電極端子との間に流れる電流を制御するための駆動信号を出力する駆動回路であって、
通常動作中における入力信号に同期して前記駆動信号を生成し、該駆動信号により前記半導体スイッチング素子をオン・オフ制御するドライブ回路と、
ダイオードとコンデンサを備え、前記ダイオードのカソードは前記第1の主電極端子に接続され、前記ダイオードのアノードは前記コンデンサの一方の端子および充電回路に接続され、前記コンデンサの他方の端子は前記第2の主電極端子および基準電位に接続された外部回路の前記ダイオードのアノードと電気的に接続するためのDesat端子と、
当該Desat端子と基準電位との間に介挿され、前記コンデンサの充放電を行うためのスイッチと、
前記コンデンサの充電電圧の値に基づいて、前記半導体スイッチング素子の前記第1の主電極端子と前記第2の主電極端子との間の電圧が不飽和電圧状態にあることを検出して不飽和電圧状態検出信号を出力する不飽和電圧検出回路と、
前記センス電流をもとに生成されたセンス電圧信号に基づいて、前記半導体スイッチング素子の前記第1の主電極端子と前記第2の主電極端子間に流れる電流が過電流状態にあることを検出して過電流状態検出信号を出力する電流センス回路と、
前記入力信号がオン状態のときに、前記不飽和電圧検出回路から前記不飽和電圧状態検出信号が出力され、かつ前記電流センス回路から前記過電流状態検出信号が出力された場合に、遅延回路により前記コンデンサの充電開始タイミングを遅延させて過電流保護信号を出力する遮断制御回路と、を備え、
前記スイッチは、前記入力信号がオフ状態のとき、または前記過電流保護信号が出力されているときに導通状態となって前記コンデンサに蓄積された電荷を放電し、前記入力信号がオン状態のときに非導通状態となって前記充電回路により前記コンデンサを充電させ、前記ドライブ回路は、前記過電流保護信号に基づいて、前記駆動信号をオフにすることを特徴とする。この駆動回路は、高集積化した回路として実現することができる。
以上の如く、本発明によれば、電流センス回路が過電流状態を検知した時点において、不飽和電圧検出回路の検出結果に基づいて、過電流異常か否かを判定するので、従来のような長いブランキング期間を設けることなく、半導体スイッチング素子の過電流異常を迅速かつ精度良く検出することが可能となる。
本発明の実施の形態による半導体モジュールおよび駆動回路のブロック図である。 図1の他の実施例による半導体モジュールおよび駆動回路のブロック図である。 本発明回路の通常動作時の動作波形を示す図である。 ゲート抵抗が1Ω、ゲート、エミッタ間にコンデンサ27nFのときの波形図である。 ゲート抵抗が47Ω、ゲート、エミッタ間にコンデンサ27nFのときの波形図である。 対向のIGBTが既にショートしている状態から、他方のIGBTがターンオンした場合の波形図である。 従来の過電流保護回路の回路図である。 図7の効果の説明図である。 図7の他の条件による効果の説明図である。 一般的な主電流とセンス電流との関係の説明図である。
以下に本発明に係る半導体モジュールおよび駆動回路の実施の形態を図1に基づいて説明する。なお、本実施の形態では、半導体スイッチング素子としてIGBTを例に説明するが、MOS-FET等にも適用可能である。
(構成)
図1において、本実施の形態による半導体モジュール1は、半導体スイッチング素子であるIGBT2を備える。このIGBT2には、フリーホイールダイオード(FWD)がIGBT2のコレクタ-エミッタ間に逆並列に接続される。IGBT2には、コレクタ電流に応じたセンス電流を出力するセンス端子TSが設けられる。
半導体モジュール1は、さらにIGBT2を駆動するための駆動回路10を備える。IGBT2のコレクタには、高耐圧ダイオードD1のカソードが接続され、高耐圧ダイオードD1のアノードは、コンデンサC1の一端および駆動回路10のDesat端子に接続される。コンデンサC1の他端は、IGBT2のエミッタおよび駆動回路10の基準電位(図1ではGND端子として例示)に接続される。この高耐圧ダイオードD1とコンデンサC1は、外部回路3を構成する。
IGBT2のセンス端子TSは、直列に接続された分圧抵抗Rs1,Rs2を介して基準電位に接続される。この分圧抵抗Rs1,Rs2の接続点は抵抗R2の一端に接続され、抵抗R2の他端はコンデンサC2の一端に接続されると共に、駆動回路のIsense端子に接続される。コンデンサC2の他端は基準電位に接続される。
分圧抵抗Rs1,Rs2は、IGBTのセンス端子から出力されるセンス電流をもとにその接続点でセンス電圧信号Vsを発生させる回路であり、センス電圧生成回路4を形成する。抵抗R2およびコンデンサC2は、センス電圧信号Vsを一定時間遅延させて駆動回路10のIsense端子へ出力する、いわゆる積分回路を構成するCRフィルタ回路5を形成する。
駆動回路10のVDD端子には、電源VDDが接続される。本実施の形態では、駆動回路10に内蔵する定電流源11bによってVDD端子を介して供給される電力から定電流を発生させる。この定電流源11bの出力は、コンパレータ1(12a)の正入力端子に接続されると共に、Desat端子を介してコンデンサC1に供給される。
定電流源11bの出力は、またNチャンネルMOSFET11aのドレインに接続され、NチャンネルMOSFET11aのソースは基準電位に接続される。
コンパレータ1(12a)の負入力端子には、閾値電圧Vref1が印加される。この閾値電圧Vref1は、電源電圧VDDの8割程度にするのが好ましい。
一方、コンパレータ2(13a)の正入力端子はIsense端子に接続され、センス電圧信号VsがCRフィルタ回路5を介して印加される。コンパレータ2(13a)の負入力端子には、閾値電圧Vref2が印加される。
コンパレータ1(12a)およびコンパレータ2(13a)の出力端子は、それぞれNAND回路14cの入力端子に接続され、NAND回路14cの出力端子は、NOT回路14dを介してHigh時遅延回路1(14e)の入力端子に接続される。このHigh時遅延回路は、入力信号がHレベルのときのみ一定時間その信号を遅延させて出力する機能を有する。すなわち、High時遅延回路は入力信号がHレベルになりその状態が一定時間継続したときに出力がHレベルになる。入力信号がLレベルのときは、遅延させずにそのままLレベルを出力する。このHigh時遅延回路の出力はラッチ回路14fのセット入力(図中のS)になる。ラッチ回路14fは例えばRSフリップフロップで実現することができる。
一方、外部から入力されるIGBT2を制御するための入力信号INは、NOT回路14b、High時遅延回路2(14a)、およびドライブ回路15の入力となる。NOT回路14bの出力はラッチ回路14fのリセット入力(図中のR)になる。ラッチ回路14fのQ出力は、過電流保護信号としてNOT回路14gを介してNAND回路14hの入力端子に接続される。一方、NAND回路14hの他の入力端子にはHigh時遅延回路2(14a)の出力端子が接続され、NAND回路14hの出力端子は、NチャンネルMOSFET11aのゲートに接続される。
ドライブ回路15は、入力信号INをもとにIGBT2を駆動する駆動信号を生成し、OUT端子を介してその駆動信号をIGBT2のゲートに供給する。このドライブ回路15は、ラッチ回路のQ出力がHレベルすなわち過電流保護信号が有効になったことを検知すると、駆動信号の電圧を低下させてIGBT2を緩やかにオフする、いわゆるソフトシャットダウン機能を有する。ソフトシャットダウン機能については、例えば特開2015-201980号に記載されている技術を用いることができる。
上記の構成において、コンパレータ1(12a)は、IGBT2のコレクタ-エミッタ間電圧Vceが不飽和電圧(定格内のコレクタ電流に対するコレクタ-エミッタ間電圧Vceより高い電圧)状態にあることを検出して不飽和電圧状態検出信号を出力する不飽和電圧検出回路12として機能する。、コンパレータ2(13a)は、IGBT2のコレクタ電流Icが過電流状態にあることを検出して過電流状態検出信号を出力する電流センス回路13として機能する。
また、各素子14a~14hは、入力信号IN、および不飽和電圧検出回路12と電流センス回路13の出力に基づいて、IGBT2に過電流異常が発生していることを検知しする。また、各素子14a~14hは、過電流保護信号をドライブ回路15に出力することによって過電流保護動作を実行させる遮断制御回路14として機能する。
(機能概要)
以上、本実施の形態による半導体モジュール1の構成は上述の如くであるが、その主な特徴は以下のとおりである。
(1)外付け部品に高耐圧ダイオードD1とコンデンサC1を接続することでIGBT2のコレクタ-エミッタ間の不飽和電圧を検出する不飽和電圧検出回路12を設けたこと。
(2)IGBT2のセンス電流出力端子TSから出力された電流を抵抗によって電圧変換し、この生成した電圧値が閾値電圧Vref2を超えたことを検出する電流センス回路13を設けたこと。
なお、過電流状態とは必ずしも過電流による異常発生(過電流異常)を意味するものではなく、センス電流が一定の値を超えたことを意味するものである。閾値電圧Vref2は実際に過電流異常を検出し得る値に設定される。
(3)不飽和電圧検出回路12と電流センス回路13の出力によって過電流異常を検出する遮断制御回路14を設けたこと。
上記不飽和電圧検出回路12においては、過電流状態になることによってコレクタ-エミッタ間電圧Vceが上昇したとき、高耐圧ダイオードD1の逆耐圧の作用と、比較的大きな電流に設定した定電流源11bによって、比較的小さな静電容量値の外付けコンデンサC1をすばやく充電する。このため、不飽和電圧検出回路12は、コレクタ-エミッタ間の不飽和電圧状態をすばやく検出することができる。過電流状態検出の基準となる閾値電圧Vref1は、最大充電電圧(VDD)に比較的近い電圧に設定し、外付けコンデンサC1が満充電状態から低下したことも素早く検出できるようにするのが好ましい。
遮断制御回路14は、入力信号INがオン状態のときに、不飽和電圧検出回路12が不飽和電圧状態を検出し、かつ電流センス回路13が過電流状態を検出する場合に限り真の過電流異常が発生したと判断し、その後ある程度短く設定したHigh時遅延回路1(14e)の遅延時間をもってIGBT2のゲートを強制ターンオフする機能を有する。これにより、ターンオン直後のブランキング時間の設定や大きな検出遅延を持たせることなく、過電流の不検出期間を従来よりも短くでき、かつ通常動作時においては過電流異常を誤検出しないようにすることが可能となる。なお、「入力信号INがオン状態」とは入力信号INがスイッチング素子(本実施の形態ではIGBT)のオンを指示する状態になっていることを意味し、同様に「入力信号INがオフ状態」とは入力信号INがスイッチング素子のオフを指示する状態になっていることを意味する。
(動作)
図1において、充電回路11を構成する定電流源11bは、駆動回路10に入力される電源VDDから作られ、コンデンサC1を充電する。このため、コンデンサC1の満充電電圧はVDD程度(本図では16V)になる。閾値電圧Vref1はVDD電圧に比較的近い値に設定され、コンデンサC1が満充電状態から電圧低下したことを検出し易くすることが好ましい。コンデンサC1は、定電流源11bの設定値にもよるが、Desat端子電圧がIGBT2のターンオン後、例えば500ns程度までには閾値電圧Vref1を超えるような静電容量値にして、できる限り早い段階(逆回復期間より前)で不飽和電圧を検出できるように設定する。
通常動作時において、IGBT2がターンオンした直後のコレクタ-エミッタ間電圧がまだ高い正常な不飽和電圧状態においては、コレクタ-エミッタ間電圧がコンパレータ1(12a)の閾値電圧Vref1より高ければ、コンデンサC1の充電電圧は、閾値電圧まで上昇する。するとコンパレータ1(12a)の出力はHレベルに反転する。ただし、一旦コンパレータ1(12a)の出力がHレベルになっても、その後コレクタ-エミッタ間電圧が低下して、Desat端子電圧が閾値電圧Vref1以下まで低下するとコンパレータ1(12a)の出力は再びLレベル(ローレベル)に戻る。
図1の他の実施例を図2に示す。図1と図2の回路の違いは、Desat端子のコンデンサC1の充電を駆動回路10内の定電流源11bで行うか、電源VDDから外付けの抵抗11cを経由して行うかの違いのみである。図2の回路は図1の回路に比べて、外付け抵抗により調整範囲が広がるというメリットがある。
図3に、本発明回路の通常動作時の動作波形を示す。この図には、ゲート電圧Vge、コレクタ-エミッタ間電圧Vce、コレクタ電流Ic、Desat端子電圧Vd、Isense端子電圧Vs’の各波形が示されている。ターンオン直後は、まだコレクタ-エミッタ間電圧Vceが高い期間である。このため、ターンオン後500ns程度までにコンデンサC1は急速に充電される。このとき、Desat端子電圧Vdは、閾値電圧Vref1の12.8V(本実施形態ではVDD値に対して0.8倍程度に設定)を超え、定電流源11bのVDD電圧の16V程度の状態になる。
その後、Desat端子電圧Vdは、IGBT2のコレクタ-エミッタ間電圧Vceが低下し始めると、外付けの高耐圧ダイオードD1のアノード-カソード間の寄生容量C3によって、急激に低下させられる。なお、電圧Vceの低下がある程度進むと高耐圧ダイオードD1が導通し、これによってもDesat端子電圧Vdの低下が進む。このとき、コンパレータ1(12a)の閾値電圧Vref1は、上述したVDD電圧に近い値に設定されているため、Desat端子電圧が閾値電圧Vref1より低下するとコンパレータ1(12a)の出力はLレベルに戻る。
ここで、コンデンサC1は、Desat端子電圧Vdをターンオン直後に素早く上昇させるために比較的小さい静電容量値に調整される。このため、Desat端子電圧Vdはコレクタ-エミッタ間電圧Vceの低下の影響も受けやすい。すなわち、コレクタ-エミッタ間電圧Vceが低下するとDesat端子電圧Vdもそれに追従して速やかに低下する。なお、高耐圧ダイオードD1と並列に高耐圧コンデンサを接続することによって、Desat端子電圧Vdの追従をさらに速めることができる。
次に、過電流状態検出機能について説明する。図1に示す如く、本実施の形態ではIGBT2などの半導体スイッチング素子内に主電流に対して所定の割合で電流を分流する素子を内蔵して、その分流電流を出力する電流センス出力端子TSを有しているモジュールを使用する。そして、電流センス出力端子TSから出力された電流を抵抗Rs1,Rs2によって電圧変換して生成されたセンス電圧Vsを、CRフィルタ回路5を介して駆動回路10のIsense端子に入力する。CRフィルタ回路5は、センス電圧信号に重畳するノイズを除去する効果がある。また、CRフィルタ回路5は、時定数(R2,C2の値)によって過電流状態の検出タイミングを調整することもできる。
Isense端子に入力された電圧Vs’は、駆動回路10のコンパレータ2(13a)によって閾値電圧Vref2と比較される。電流センス回路13も不飽和電圧検出回路12と同様に、コンパレータ2(13a)の出力がHレベルに反転しても、Isense端子電圧Vs’がコンパレータ2(13a)の閾値電圧Vref2以下に低下すれコンパレータ2(13a)の出力は再びLレベルに戻る。
本駆動回路10の通常時の動作としては、図3に示すように、IGBT2がターンオンして逆回復時のコレクタ電流Icがピークになるまでは、その電圧波形に合わせて、Isense端子電圧Vs’の波形もピークを迎えている。ここでIsense端子のCRフィルタ回路5の時定数を調整することによって実際のコレクタ電流Icの波形に対して、Isense端子電圧Vs’の波形を任意の時間遅れた波形にすることもできる。
次にコレクタ電流Icが所定の出力電流(図3では800A)に落ち着く期間であるミラー期間に入ると、一旦Isense端子電圧Vs’の波形も一定になる。このとき、電流分流比は高い状態にある。その後、分流比が設計値(本来の分流比)に戻ることによってIsense端子電圧Vs’も低下して一定レベルに落ち着く。
次に、コンパレータ1(12a)、コンパレータ2(13a)の出力から先の回路動作について説明する。コンパレータ1(12a)の出力とコンパレータ2(13a)の出力は、NAND回路14cの入力となる。そしてNAND回路14cの出力は、NOT回路14d,High時遅延回路1(14e)を通ってラッチ回路14fのセット信号Sとして入力される。このラッチ回路14fは、不飽和電圧検出回路12が不飽和電圧状態を検出している状態において電流センス回路13が過電流状態を検出したときのみセットされる。ちなみに、High時遅延回路1(14e)は、不飽和電圧検出回路12および電流センス回路13によってそれぞれ不飽和電圧状態および過電流状態が検出され、その状態がある時間継続しないとセットされないようにするためのもので、誤動作防止の役割を果す。
具体的に図3の波形を参照して説明する。ゲート電圧Vgeが上昇し始めてから約600ns経過した時点近傍では、Desat端子電圧が低下し、Isense端子電圧が上昇している。この重なりの部分の誤検出を防止するため、High時遅延回路1(14e)の遅延時間は、100ns~200ns程度に設定するのが好ましい。なお、さらに分圧抵抗Rs1,Rs2とIsense端子間のCRフィルタ回路5によってIsense端子電圧Vs’の立ち上がりを遅らせてDesat端子電圧とIsense端子電圧波形の重なり(誤検出の原因)を減らすことできる。
ラッチ回路14fのQ出力信号はドライブ回路15に入力されている。このドライブ回路15は、ラッチ回路14fのQ出力がHレベルになるとIGBT2のゲートへ出力する駆動信号を低下させて、IGBT2を強制的にターンオフする。ただし、過電流が流れた状態でターンオン中のIGBT2のゲート電圧を急速にLレベルにすると大きなターンオフ時サージ電圧が発生する。このため、過電流保護時の強制ターンオフはソフトシャットダウンとするのが好ましい。ラッチ回路14fのリセットには、IGBT2のオン、オフ用の入力信号INが利用される。IGBT2のターンオフ時にはラッチ回路14fのリセット入力RにHレベルが入力され、ターンオン時にはLレベルが入力される。これにより、IGBT2のターンオン時にはセット信号Sを受け付け可能な状態になる。
また、ラッチ回路14fのQ出力はNOT回路14gを通してNAND回路14hの一方に入力される。IGBT2のON/OFF用の入力信号INはNAND回路14hの他方の入力に与えられる。NAND回路14hの出力はNチャンネルMOSFET11aのゲートに接続される。このため、ラッチ回路14fの出力がHレベルになったとき、すなわち過電流保護信号が出力されたとき、または入力信号INがLレベルになったときに、Desat端子に接続されたコンデンサC1の電荷が引き抜かれる。
なお、入力信号INと、NチャンネルMOSFET11aをオン/オフするNAND回路14hとの間には、High時遅延回路2(14a)が存在する。High時遅延回路2(14a)はIGBT2のターンオン直後に、このNチャンネルMOSFET11aをオフする。このときIGBT2のコレクタ-エミッタ間電圧が高い場合は、コンデンサC1が充電されDesat端子が上昇し始める。High時遅延回路2(14a)は、この充電開始タイミングを調整する役割を果す。図3では、ゲート電圧Vgeが上昇しはじめてから、120ns程度してからDesat端子電圧が上昇し始めているが、この充電開始タイミングの調整用であり、数100ns程度の遅延時間で良い。
次にIGBT2がオフ状態以降の駆動回路10の動作説明をする。入力信号INがLレベルでIGBT2がオフしている状態では、High時遅延回路2(14a)がLレベルの入力を遅延させない。このため、NAND回路14hの出力はHレベルとなっていて、NチャンネルMOSFET11aはオン(導通状態)になる。すると、Desat端子は基準電位付近まで低くなる。すると、コンパレータ1(12a)の出力はLレベルとなり、ラッチ回路14fのS入力は、Lレベルとなる。一方、ラッチ回路14fのR入力はHレベルになるので、ラッチ回路14fのQ出力はLレベルとなる。
次に、入力信号INがHレベルになりIGBT2がターンオンされると、ラッチ回路14fのR入力はLレベルになる。このときQ出力は変化せずLレベルの状態を維持する。この結果、NAND回路14hの入力はHigh時遅延回路2(14a)で設定された遅延時間後に両方ともHレベルになる。すると、そのタイミングでNAND回路14hの出力はLレベルに反転し、NチャンネルMOSFET11aはオフ(非導通)になる。これにより、Desat端子の強制Low状態が解除され、定電流源11bによってコンデンサC1が充電される。そして、Desat端子電圧がコンパレータ1(12a)の閾値電圧Vref1より高くなると、コンパレータ1(12a)の出力がHレベルに反転し、不飽和電圧状態を検出したことを示す。過電流異常のときはこの不飽和電圧状態が継続することになり、コンパレータ1(12a)の出力がHレベルとなる状態が正常時に比べて長時間維持される。この過電流異常のとき、同時にIsense端子電圧がコンパレータ2(13a)の閾値電圧Vref2より高くなると、コンパレータ2もHレベルに反転する。このように両方の検出回路12,13がそれぞれ不飽和電圧状態、過電流状態を同時に検出するとNAND回路14cの出力はLレベルとなり、NOT回路14dはHレベルとなる。
そして、この状態がHigh時遅延回路1(14e)の遅延時間分継続すると、ラッチ回路14fのS入力がHレベルになる。一方ラッチ回路14fのR入力はLレベルなので、ラッチ回路14fのQ出力はHレベルにラッチされ、過電流保護信号が有効になる。この結果、ドライブ回路15は強制的にIGBT2のゲートをソフトシャットダウンさせる。また、ラッチ回路14fのQ出力がHレベルになることによってNAND回路14hの出力はHレベルとなる。すると、NチャンネルMOSFET11aはオンして、Desat端子のコンデンサC1の電荷は強制的に放電させられる。その結果、コンデンサC1はリセット状態に戻る。このように、本駆動回路10は不飽和電圧検出回路12と電流センス回路13の両方が検出状態になって初めて、IGBTを強制ターンオフする回路となっている。
(本実施の形態の効果)
図3の本発明回路を適用した場合の通常動作波形のとおり、High時遅延回路2(14a)の設定値によって、ゲート電圧が上昇開始してから、120ns程度後からDesat端子電圧が上昇し始めている。これはこの時点でIGBT2のコレクタ-エミッタ間電圧がまだ十分に低下していない正常な不飽和電圧状態にあるからである。このときのDesat端子電圧の上昇スピードは、図1のコンデンサC1の静電容量値によって調整可能である。図2の構成では抵抗11cの抵抗値とコンデンサC1の静電容量値によって調整可能できる。Desat端子電圧の上昇スピードを十分速く設定すれば、図3に示すようにDesat端子電圧は定電流源11bの電源電圧のVDD(本回路図で16V)まで上昇してクランプされる。
その時点でIGBT2のコレクタ-エミッタ間電圧は下降し始める。このdv/dtと高耐圧ダイオードD1の寄生容量(もしくは追加コンデンサ容量)C3の影響で、Desat端子電圧Vdは引き下げられる。具体的にDesat端子内のコンパレータ1の閾値電圧Vref1は、例えば比較的高めのVDD×0.8=12.8V程度に設定されているとする。Desat端子電圧Vdはこの閾値電圧Vref1より低下して不飽和電圧検出状態が解除される。
それと同じタイミングにおいて、IGBT2のコレクタ電流は増大する。例えば、過電流状態の検出漏れがないようセンス電圧生成回路4の分圧抵抗Rs1,Rs2の分圧比を高めに設定したとする。このとき、IGBT2のターンオン時の逆回復期間において、Isense端子電圧Vs’はコンパレータ2(13a)の閾値電圧を超え、過電流検出状態になる可能性がある。しかし、本実施の形態の駆動回路10では、Desat端子電圧Vdがコンパレータ12aの閾値電圧を超え、かつIsense端子電圧Vs’がコンパレータ12aの閾値電圧を超えた状態が、High時遅延回路1(14e)で設定した遅延時間継続しないとラッチ回路14fがセットされない。このため本実施形態においては、通常動作時の過電流保護動作が実行されない。
ある仕様のIGBTにおいて、ゲート抵抗Rgを変更した場合の波形を図4、図5に示す。図4は、IGBT2のゲート抵抗Rgの抵抗値を1Ω、ゲート-エミッタ間のコンデンサCgeの静電容量値を27nFに設定して、ゲート電圧Vgeの波形をある程度なまらせた波形になっている。
図5は、図4に比べてIGBT2のゲート抵抗Rgの値のみを大きくしたときの波形図である。具体的には、IGBT2の抵抗値を4.7Ω、ゲート-エミッタ間のコンデンサCgeの静電容量値を27nFに設定した。図4,図5からも分かるように、IGBTの仕様の違いによってスイッチング波形は大きく変わる。これらの図に示すようにゲート電圧が上昇を開始してからIGBTがターンオンして逆回復期間に至るまでの時間が、2倍近くまで変化したとする。符号Bで示した点線の丸で囲んだ箇所は、逆回復期間のコレクタ電流Icがピークを迎えているタイミングである。このタイミングでは、不飽和電圧検出回路12,電流センス回路13がそれぞれ不飽和電圧検出状態,過電流検出状態に同時になる可能性は低い。このため、本実施形態にかかる半導体モジュールは、ゲート抵抗やゲート-エミッタ間の容量など周辺部品定数および半導体スイッチング素子のジャンクション温度などの動作条件が変わった場合でも、通常動作時の過電流保護機能の誤検出を防止できる。
図6は、対向のIGBTが既にショートしている状態において、他方のIGBTがターンオンしたときの波形を示す。コンパレータ1(12a)の閾値電圧Vref1は12.8V、コンパレータ2の閾値電圧Vref2は2Vに設定している。この図からわかるように、Isense端子電圧Vs’の波形は、ほぼIGBTのコレクタ電流Icの波形に追従している。ゲート電圧が上昇を開始し始めてから、800ns前後のタイミングでは、まずIsense端子電圧Vs’が2Vを超え、次にDesat端子電圧が12.8Vを超えている。その時点からHigh時遅延回路1(14e)で設定された遅延時間後(図6の波形では150ns程度後)に過電流状態と判定され、ゲート電圧がソフトシャットダウン動作に入り低下し始めている。ソフトシャットダウン動作のためゲート電圧は比較的緩やかに低下する。このため、シャットダウン開始後もしばらくはコレクタ電流Icは上昇してピークを迎える。しかし、ピーク後、コレクタ電流Icは急速に低下する。また、過電流状態と判定されるとNチャンネルMOSFET11aがオンするので、Isense端子電圧Vs’は即座に低下する。
このように、本実施の形態の半導体モジュールおよび駆動回路によれば、ゲート抵抗、ゲート-エミッタ間容量などのドライブ条件の変更や、半導体スイッチング素子のジャンクション温度などが変化した場合においても、駆動回路に内蔵の過電流保護回路の特性を調整する機能などを必要とすることなく、短絡時に高速にシャットダウンでき、かつ高速検出設定による通常動作時にも誤検出の可能性の低い、安定した過電流保護機能を実現することができる。
1 半導体モジュール
2 IGBT(半導体スイッチング素子)
3 外部回路
4 センス電圧生成回路
5 CRフィルタ回路
10 駆動回路
11 充電回路
11a NチャンネルMOSFET(スイッチ)
11b 定電流源
11c 抵抗
12 不飽和電圧検出回路
13 電流センス回路
14 遮断制御回路
14a,14e High時遅延回路
14b,14d,14g NOT回路
14c,14h NAND回路
14f ラッチ回路(RSフリップフロップ)
15 ドライブ回路
C0~C3 コンデンサ
COMP1,COMP2 比較器
D1 高耐圧ダイオード
R0,R2,Rs1,Rs2 抵抗

Claims (10)

  1. 第1の主電極端子、第2の主電極端子、制御電極端子、および前記第1の主電極端子と前記第2の主電極端子との間に流れる電流に応じたセンス電流を出力するセンス端子を備え、前記制御電極端子に加えられる駆動信号の電圧に応じて前記第1の主電極端子と前記第2の主電極端子との間に流れる電流を制御する半導体スイッチング素子と、
    通常動作中における入力信号に同期して前記駆動信号を生成し、該駆動信号により前記半導体スイッチング素子をオン・オフ制御するドライブ回路と、
    ダイオードと第1のコンデンサを備える外部回路であって、前記ダイオードのカソードは前記第1の主電極端子に接続され、前記ダイオードのアノードは前記第1のコンデンサの一方の端子に接続され、前記第1のコンデンサの他方の端子は前記第2の主電極端子および基準電位に接続された外部回路と、
    前記第1のコンデンサの前記一方の端子に接続され、前記入力信号に同期して前記第1のコンデンサの充電を行う充電回路と、
    前記第1のコンデンサの充電電圧の値に基づいて、前記半導体スイッチング素子の前記第1の主電極端子と前記第2の主電極端子との間の電圧が不飽和電圧状態にあることを検出して不飽和電圧状態検出信号を出力する不飽和電圧検出回路と、
    前記センス端子から出力されるセンス電流を電圧に変換してセンス電圧信号を出力するセンス電圧生成回路と、
    前記センス電圧信号に基づいて、前記半導体スイッチング素子の前記第1の主電極端子と前記第2の主電極端子との間に流れる電流が過電流状態にあることを検出して過電流状態検出信号を出力する電流センス回路と、
    前記入力信号がオン状態のときに、前記不飽和電圧検出回路から前記不飽和電圧状態検出信号が出力され、かつ前記電流センス回路から前記過電流状態検出信号が出力された場合に、遅延回路により前記第1のコンデンサの充電開始タイミングを遅延させて過電流保護信号を出力する遮断制御回路と、を備え、
    前記ドライブ回路は、当該過電流保護信号に基づいて、前記駆動信号をオフにすることを特徴とする半導体モジュール。
  2. 抵抗と第2のコンデンサを有するCRフィルタ回路を備え、該CRフィルタ回路は前記センス電圧生成回路と前記電流センス回路との間に介挿され、前記センス電圧信号を一定時間遅延させることを特徴とする請求項1に記載の半導体モジュール。
  3. 前記CRフィルタ回路の時定数は、前記半導体スイッチング素子の正常動作時において、前記入力信号がオンになったとき、前記不飽和電圧検出回路が不飽和電圧状態の検出状態から不検出状態に変化した後に、前記電流センス回路が過電流状態を検出するように設定されていることを特徴とする請求項2に記載の半導体モジュール。
  4. 前記不飽和電圧検出回路は、前記第1のコンデンサの充電電圧の値と第1の基準電圧値とを比較して、前記第1のコンデンサの充電電圧の値の方が前記第1の基準電圧値よりも高いときに、前記半導体スイッチング素子の前記第1の主電極端子と前記第2の主電極端子との間の電圧が不飽和電圧状態であることを示す前記不飽和電圧状態検出信号を出力する比較器を備え、
    前記電流センス回路は、前記CRフィルタ回路から出力される遅延された前記センス電圧信号の値と第2の基準電圧値とを比較して、当該センス電圧信号の値の方が前記第2の基準電圧値よりも高いときに、前記半導体スイッチング素子の前記第1の主電極端子と前記第2の主電極端子との間に流れる電流が過電流状態であることを示す前記過電流状態検出信号を出力する比較器を備えていることを特徴とする請求項2または3に記載の半導体モジュール。
  5. 前記遮断制御回路は、前記不飽和電圧状態検出信号および前記過電流状態検出信号が共に出力されたときにセットされ、前記入力信号がオフのときにリセットされるラッチ回路を備え、
    当該ラッチ回路がセットされたときに前記過電流保護信号を出力することを特徴とする請求項4に記載の半導体モジュール。
  6. 前記充電回路は、前記第1のコンデンサの前記一方の端子と基準電位との間に介挿されたスイッチを備え、当該スイッチは、前記入力信号がオフ状態のとき、または前記ラッチ回路がセットされ、かつ、前記過電流保護信号が出力されているときに導通状態となって前記第1のコンデンサに蓄積された電荷を放電し、前記入力信号がオン状態のときに非導通状態となって前記第1のコンデンサを充電することを特徴とする請求項5に記載の半導体モジュール。
  7. 前記半導体スイッチング素子のターンオン時に前記不飽和電圧検出回路による不飽和電圧状態の検出状態から不検出状態へ変化するタイミングを速める第3のコンデンサが前記ダイオードに並列に接続されていることを特徴とすることを請求項1~6にいずれか一項に記載の半導体モジュール。
  8. 第1の主電極端子、第2の主電極端子、制御電極端子、および前記第1の主電極端子と前記第2の主電極端子との間に流れる電流に応じたセンス電流を出力するセンス端子を備えた半導体スイッチング素子の前記制御電極端子に印加して前記第1の主電極端子と前記第2の主電極端子との間に流れる電流を制御する駆動信号を出力する駆動回路であって、
    通常動作中における入力信号に同期して前記駆動信号を生成し、該駆動信号により前記半導体スイッチング素子をオン・オフ制御するドライブ回路と、
    ダイオードとコンデンサを備え、前記ダイオードのカソードは前記第1の主電極端子に接続され、前記ダイオードのアノードは前記コンデンサの一方の端子および充電回路に接続され、前記コンデンサの他方の端子は前記第2の主電極端子および基準電位に接続され、前記ダイオードのアノードと電気的に接続するためのDesat端子と、
    当該Desat端子と基準電位との間に介挿され、前記コンデンサの充放電を行うためのスイッチと、
    前記コンデンサの充電電圧の値に基づいて、前記半導体スイッチング素子の前記第1の主電極端子と前記第2の主電極端子との間の電圧が不飽和電圧状態にあることを検出して不飽和電圧状態検出信号を出力する不飽和電圧検出回路と、
    前記センス電流をもとに生成されたセンス電圧信号に基づいて、前記半導体スイッチング素子の前記第1の主電極端子と前記第2の主電極端子との間に流れる電流が過電流状態にあることを検出して過電流状態検出信号を出力する電流センス回路と、
    前記入力信号がオン状態のときに、前記不飽和電圧検出回路から前記不飽和電圧状態検出信号が出力され、かつ前記電流センス回路から前記過電流状態検出信号が出力された場合に、遅延回路により前記コンデンサの充電開始タイミングを遅延させて過電流保護信号を出力する遮断制御回路と、を備え、
    前記スイッチは、前記入力信号がオフ状態のとき、または前記過電流保護信号が出力されているときに導通状態となって前記コンデンサに蓄積された電荷を放電し、前記入力信号がオン状態のときに非導通状態となって前記充電回路により前記コンデンサを充電させ、前記ドライブ回路は、前記過電流保護信号に基づいて、前記駆動信号をオフにすることを特徴とする駆動回路。
  9. 前記不飽和電圧検出回路は、前記コンデンサの充電電圧の値と第1の基準電圧値とを比較して、前記コンデンサの充電電圧の値の方が前記第1の基準電圧値よりも高いときに、前記半導体スイッチング素子の前記第1の主電極端子と前記第2の主電極端子との間の電圧は不飽和電圧状態であることを示す前記不飽和電圧状態検出信号を出力する比較器を備え、
    前記電流センス回路は、前記センス電圧信号の値と第2の基準電圧値とを比較して、当
    該センス電圧信号の値の方が前記第2の基準電圧値よりも高いときに、前記半導体スイッチング素子の前記第1の主電極端子と前記第2の主電極端子との間に流れる電流が過電流状態であることを示す前記過電流状態検出信号を出力する比較器を備えていることを特徴とする請求項8に記載の駆動回路。

  10. 前記遮断制御回路は、前記不飽和電圧状態検出信号および前記過電流状態検出信号が共に出力されたときにセットされ、前記入力信号がオフのときにリセットされるラッチ回路を備え、
    当該ラッチ回路がセットされたときに前記過電流保護信号を出力することを特徴とする請求項8または9に記載の駆動回路。
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