JP3240489B2 - Igbtの過電流保護装置及びigbtの保護装置 - Google Patents

Igbtの過電流保護装置及びigbtの保護装置

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JP3240489B2
JP3240489B2 JP13559293A JP13559293A JP3240489B2 JP 3240489 B2 JP3240489 B2 JP 3240489B2 JP 13559293 A JP13559293 A JP 13559293A JP 13559293 A JP13559293 A JP 13559293A JP 3240489 B2 JP3240489 B2 JP 3240489B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、絶縁ゲート・バイポー
ラ・トランジスタ(以下IGBTと略称する。)の過電
流保護装置に係り、特にインバータなどの電力変換装置
において、短絡事故などによって生じる過電流からIG
BTを保護するに好適な過電流保護装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、IGBTのオン時の内部抵抗の低
減化、すなわち低オン抵抗化などの特性改善が進めら
れ、IGBTはインバータなどの電力変換装置に多く用
いられ始めている。そして、インバータの運転中にアー
ム短絡や負荷短絡によってIGBTに過電流が流れた場
合に、IGBTを破壊させないように保護することが重
要になっている。
【0003】IGBTのコレクタ電圧とコレクタ電流、
及びゲート電圧との間には図5に示すような関係があ
る。すなわち同図に示すようにコレクタ電流が過電流に
なるとコレクタ電圧が上昇するのでコレクタ電圧を検出
することによりコレクタ電流の過電流状態を判断するこ
とが出来る。そして過電流(コレクタ電流)はIGBT
のゲート電圧を低下することによって低減できる。した
がって、過電流を如何に早く検出し、ゲート電圧を如何
に低下させるかが過電流からIGBTを保護するための
ポイントとなる。
【0004】これまでにIGBTのコレクタ電圧の上昇
を過電流検出信号とした過電流保護装置が各種、提案さ
れている(特開昭59-103567 号公報、特開昭61-147736
号公報、特開昭61-185064 号公報、特開昭61-251323 号
公報、特開昭62-277063 号公報など)。
【0005】これらの過電流保護装置は、過大になった
コレクタ電流をゲート電圧を低下することで一旦減流
し、それから遮断する、いわゆるソフト遮断である。過
電流を直ちに遮断すると過電圧が発生してIGBTを破
壊するが、それを回避しようとするものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、IGB
Tの低オン抵抗化などの特性改善が進められるにしたが
って、従来技術では回路動作を遅くしているためにIG
BTが破壊したり、高速スイッチング素子であるIGB
Tの特徴を充分に活かせないという問題が生じている。
例えば特開昭59-103567 号公報、特開昭61-147736 号公
報、特開昭61-251323 号公報に記載されている過電流保
護装置ではコレクタ電圧による過電流検出を行なうの
に、所定時間の検出遅れを設けている。これはターンオ
ン時の遅延による過渡現象を検出しないようにするため
である。従来のIGBTはこのような検出遅れを設けて
いても保護することができた。
【0007】しかしIGBTが低オン抵抗化されて電流
が流れやすくなると、検出遅れ期間に流れる事故時のコ
レクタ電流も大きくなる。このために熱的負担が増加
し、IGBTの破壊の原因となるという問題があった。
【0008】一方、特開昭61-185064 号公報や特開昭62
-277063 号公報に記載されている過電流保護装置では、
前述したような過電流検出遅れ時間を設けていない。こ
のため事故時の過電流を早く検出することができる。し
かし、IGBTがターンオンする過渡時において過電流
検出回路が動作しているため、ゲート電圧を絞った状態
でターンオンすることになる。このためターンオン時間
が長く、損失が増加するので、高速スイッチング素子で
あるIGBTの特徴を充分に活かせないという問題もあ
った。
【0009】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、IGBTを過電流から確実に保護すること
ができると共に、通常動作においても高速スイッチング
素子としての特徴を損なうことがないIGBTの過電流
保護装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のIGBTの過電
流保護装置は、IGBTのスイッチング動作のタイミン
グを制御する制御信号を増幅する駆動手段と、IGBT
のコレクタ電流が所定値以上であるとき過電流であると
判別する過電流検出手段と、該過電流検出手段が電流を
検出している間、前記駆動手段の出力電圧を時間経過に
伴って徐々に降下させる電圧可変手段と、前記過電流検
出手段の動作に追従して、前記駆動手段と前記電圧可変
手段との間の導通を制御する切換手段とを有することを
特徴とする。
【0011】本発明のIGBTの過電流保護装置は、前
記切換手段はPNPトランジスタを含んで構成されるこ
とを特徴とする。
【0012】本発明のIGBTの過電流保護装置は、前
記駆動手段は、共通接続されたベースと共通接続された
エミッタを有するコンプリメンタリトランジスタを有
し、該コンプリメンタリトランジスタを構成する各トラ
ンジスタのコレクタにIGBTをオン動作又はオフ動作
させるための抵抗が接続されていることを特徴とする。
【0013】本発明のIGBTの過電流保護装置は、前
記駆動手段の出力端子にIGBTをオン動作またはオフ
動作させるための抵抗の一端が接続され、該抵抗の他端
がIGBTのゲート及びダイオードのアノードに接続さ
れ、該ダイオードのカソードが前記切換手段の内部回路
に接続されることを特徴とする。
【0014】本発明のIGBTの過電流保護装置は、前
記電圧可変手段は、コンデンサ、抵抗及びスイッチング
素子を含んで構成されることを特徴とする。
【0015】本発明のIGBTの過電流保護装置は、前
記過電流手段が動作してからの所定時間は、前記制御信
号がオフ状態となっても前記駆動手段の出力電圧を出力
しつづける状態に維持するオン保持手段と、ターンオン
したIGBTに供給される前記駆動手段の出力電圧が所
定値にまで低下するまでの所定時間、前記オン保持手段
の動作を遅延させる動作遅延手段とを有することを特徴
とする。
【0016】本発明のIGBTの保護装置は、IGBT
のスイッチング動作のタイミングを制御する制御信号を
増幅する駆動手段と、IGBTのターンオン時における
過渡現象を検出する過渡現象検出手段と、該過渡現象検
出手段が過渡現象を検出している間、前記駆動手段の出
力を時間経過に伴って徐々に降下させる出力可変手段
と、前記過渡現象検出手段により過渡現象が検出された
ときに前記出力可変手段の出力を前記駆動手段に伝達し
前記過渡現象検出手段により過渡現象が検出されないと
きには前記出力可変手段の出力を前記駆動手段から切り
離す切換手段とを有することを特徴とする。
【0017】
【作用】IGBTのコレクタ電流が過電流になるとその
コレクタ電圧が上昇するので過電流検出手段が動作し、
その出力信号により電圧可変手段と駆動手段間の導通を
制御する切換手段が両者を接続するように動作する。
【0018】その結果、駆動手段の出力電圧が徐々に降
下し、これにともないIGBTのゲート電圧が低下する
ことになるので、過大となったコレクタ電流は徐々に減
少し、IGBTを確実に保護できる。
【0019】一方、検出遅れの短い過電流検出手段を設
けたことにより、通常の動作においても過電流検出手段
が動作する。これに対しては、駆動手段と該駆動手段の
出力電圧を徐々に降下させる電圧可変手段との間に設け
られた切換手段が、ターンオンの過渡状態が終了した時
点で駆動手段から電圧可変手段を切離すように動作する
ので、過電流検出手段が一旦は動作しても、従来のよう
にターンオンタイムが長くなって高速スイッチング素子
であるIGBTの特徴を損なうようなことがない。 ま
た、制御信号のオン期間が数μsと短い場合は、過電流
保護動作中にオン信号が無くなるので充分な保護が出来
ない場合が生じる。この対策として、過電流検出中は制
御信号がオフ状態になっても所定時間だけオン状態を持
続するオン保持手段(特開平2-50518 号公報)を設けて
いる。このオン保持手段の動作は過電流検出手段の動作
に追従させるが、制御信号の最小オン期間が管理されて
いない場合は、正常なオン動作が行われないような狭い
パルスの場合にも、オン保持手段が動作して過電流保護
動作を行ってしまう。これに対してはオン保持手段の動
作をIGBTのターンオン動作遅れ分だけ遅延させる動
作遅延手段を設けているので、無用な過電流保護動作を
行うようなことがない。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図1には本発明に係るIGBTの過電流保護装置
の基本的構成が示されている。同図において、過電流保
護装置は、IGBTのスイッチング動作のタイミングを
制御する制御信号を増幅し出力するIGBT10の駆動
回路1と、駆動回路1の出力が正の時、IGBT10の
コレクタ電圧が所定値以上になったことを過電流と判断
する過電流検出回路2と、過電流検出回路2から出力さ
れる過電流検出信号を受けて駆動回路1の出力電圧を徐
々に降下させる電圧可変回路3と、過電流検出信号に応
じて電圧可変回路3を駆動回路1に接続する切換回路4
とを有している。
【0021】次に図1に示した過電流保護装置の動作を
図2の動作波形図を用いて説明する。図2には負荷が正
常な場合(図2(a))と、負荷が短絡した場合(図2
(b))の動作波形例が示されている。駆動回路1は、
図示していない制御装置から出力されるIGBTのスイ
ッチング動作のタイミングを制御する制御信号に応じて
方形波電圧波形を出力するようになっている。そして過
電流検出回路2が動作して電圧可変回路3が切換回路4
を介して駆動回路1に接続されると、駆動回路1の出力
電圧は電圧可変回路3の出力に応じて降下するようにな
る。
【0022】図2(a)及び図2(b)の場合とも、I
GBT10のターンオン直後の駆動回路1の出力が降下
している。これはIGBT10のターンオンの遅れ期
間、あるいはIGBT10が使用されているインバータ
の転流期間などにより、IGBT10のターンオン動作
初期のコレクタ電圧が充分に低下しない過渡現象が生じ
るため、駆動回路1の出力が正のときIGBT10のコ
レクタ電圧が所定値以上であることを過電流とみなす過
電流検出回路2が動作するためである。即ち、過電流検
出回路2が動作し、電圧可変回路3が切換回路4を介し
て駆動回路1に接続されるためである。
【0023】図2(a)に示すように負荷が正常な場合
は、ターンオン動作初期に発生する過渡現象が終了する
時刻t1で過電流検出回路2の動作が停止し、切換回路
4により電圧可変回路3が駆動回路1から切り離され
る。このため駆動回路1の出力は直ちに所定の電圧に復
帰する。
【0024】これに対して例えば特開昭61-185064 号公
報に記載の過電流保護装置では、駆動回路1の出力電圧
が図2(a)の点線に示すようになって、スイッチング
損失増大の要因となっていた。しかし本発明による過電
流保護装置ではIGBT10のターンオン動作初期に所
定の電圧を出力し、そこから駆動回路1の出力電圧を降
下させていること、及びIGBT10のターンオン動作
初期の過渡現象が終了した後、駆動回路1の出力電圧が
直ちに所定値に復帰しているので、ターンオン動作遅れ
に及ぼす影響が非常に小さく、スイッチング損失の増加
を防止できる。
【0025】図2(b)に示すように負荷が短絡した場
合は、過電流検出回路2が動作し続けているので、駆動
回路1の出力電圧は電圧可変回路3の出力に応じてさら
に降下し続ける。その結果、図5に示すIGBT10の
出力特性に応じてIGBT10に流れるコレクタ電流が
低減して、IGBT10を確実に保護することができ
る。
【0026】これに対して、例えば特開昭59-103567 号
公報や特開昭61-147736 号公報に記載の過電流保護装置
では、図2(b)に点線で示すように、ターンオン動作
初期の過渡現象発生期間(t0〜t1)に過電流検出回
路2が動作しないように検出動作のマスク期間(t0〜
t2)を設けている。このため当然、保護動作が遅れて
いた。従来のIGBTの特性では、このような保護動作
の遅れがあったとしても充分に保護できた。
【0027】しかし、IGBTの低オン抵抗化の特性改
善が進められるに従って、負荷短絡時のコレクタ電流の
上昇が早くなるため、コレクタ電流の尖頭値が大きくな
って熱的負担が大きくなってる。このため過電流からI
GBTを保護できないことがしばしば発生していたが、
本発明によれば過電流が大きくならないうちに保護動作
に入れるためIGBTを確実に保護できる。
【0028】次に図3に本発明に係るIGBTの過電流
保護装置の一実施例の構成を示す。同図においてIGB
Tの過電流保護装置は駆動回路1と、過電流検出回路2
と、電圧可変回路3と、切換回路4と、順バイアス用電
源Eon、逆バイアス電源Eoffとを有している。
【0029】駆動回路1は、ホトカプラ11と、NPN
トランジスタ12と、PNPトランジスタ13と、NP
Nトランジスタ14と、抵抗15、16、Ron、Roff
とを有している。
【0030】また過電流検出回路2は、NPNトランジ
スタ21と、抵抗22、25と、ダイオード23と、ツ
ェナーダイオード24とを有している。
【0031】電圧可変回路3は、NPNトランジスタ3
1と、抵抗32、34と、コンデンサ33とを有してい
る。
【0032】切換回路4は、PNPトランジスタ41
と、ダイオード42と、抵抗43とを有している。
【0033】上記構成からなる過電流保護装置は次のよ
うに動作する。即ち、図示していない制御装置から出力
されるIGBTのスイッチング動作のタイミングを制御
する制御信号をホトカプラ11で受けると、トランジス
タ12がオフし、トランジスタ14がオン、トランジス
タ13がオフ状態となって、順バイアス用のゲート電源
電圧Eonが抵抗Ronを介してIGBT10のゲートに印
加される。
【0034】次に図示していない制御装置から制御信号
が出力されなくなると、トランジスタ12がオンし、ト
ランジスタ14がオフ、トランジスタ13がオン状態と
なって、逆バイアス用ゲート電源電圧Eoffが抵抗Roff
を介してゲートに印加される。 このような駆動回路1
の動作に対して過電流検出回路2は次のように動作す
る。図示していない制御装置からの制御信号をホトカプ
ラ11で受け、トランジスタ21がオフすると、順バイ
アス用のゲート電源(Eon)から抵抗22−ダイオード
23−IGBT10のコレクターエミッタを介して電流
が流れる。そしてIGBT10のコレクタ電流が大きく
なり、コレクタ電圧が所定値以上になると、抵抗22か
らツェナーダイオード24−抵抗25を介して電流が流
れるようになる。即ち、ツェナーダイオード24に電流
が流れれば、その状態をもって過電流と判断出来る。
【0035】また電圧可変回路3は次のように動作す
る。トランジスタ31がオンすると、定常状態において
抵抗34を介して電源電圧Eon+Eoffに充電されてい
たコンデンサ33の電荷は抵抗32を介して放電され
る。この時のコンデンサ33の端子電圧の変化を電圧可
変回路3の機能として利用する。
【0036】一方切換回路4は、過電流検出回路2によ
り過電流が検出されるとトランジスタ31がオンし、ト
ランジスタ41がオンすることにより、駆動回路1をダ
イオード42を介して電圧可変回路3に接続する。この
結果、駆動回路1の出力電圧は電圧可変回路3の出力に
応じて降下し続ける。
【0037】またIGBT10のターンオン動作初期の
過渡状態が終了した時点、または負荷の短絡事故等に起
因する過電流状態が解消した時点でトランジスタ31が
オフすると、トランジスタ41がオフして、電圧可変回
路3が駆動回路1から切り離される。この結果一旦、放
電されたコンデンサ33の電荷は、抵抗34を介して電
源電圧Eon+Eoffに充電され、駆動回路1は所定の出
力電圧に直ちに復帰する。
【0038】次に、図4に本発明に係るIGBTの過電
流保護装置の他の実施例の構成を示す。本実施例が図3
に示す実施例と構成上、異なるのは駆動回路1の抵抗R
on、Roffを一つの抵抗RGにして、抵抗RGの一方の端
子とダイオード42のカソードとの間にダイオード51
を接続している点であり、他の構成は同様であるので重
複する説明は省略する。本実施例ではダイオード51を
設けることにより、抵抗RG やトランジスタ13、14
のエミッタ−ベース間がバイパスされるので、IGBT
10のゲート電圧が電圧可変回路3の動作に早く追従し
て変化するようになり、より確実に過電流保護が実現出
来るようになる。
【0039】次に、図6に本発明に係るIGBTの過電
流保護装置の他の実施例の構成を示す。本実施例が図1
に示す実施例の構成と異なるのは、過電流検出信号の動
作遅延回路6とオン保持回路5が付加されている点であ
る。このような機能を付加した理由を図7の動作波形例
を用いて説明する。
【0040】図7は、制御信号のオン期間が数μs以下
と短い場合の過電流保護動作波形例を示す。(a)図
は、オン保持回路5がある場合と無い場合との比較であ
る。オン期間が数μsの場合は、破線で示す如く過電流
保護動作中にオン信号が無くなる。このため、大きなコ
レクタ電流を遮断することになり、跳上りの大きな電圧
が印加されて、IGBTを保護が出来ない場合が生じ
る。この対策としては、過電流検出中に制御信号がオフ
状態になった場合は、所定の時間だけオン状態を持続す
るオン保持回路5(特開平2-50518 号公報)を設けるの
が有効である。しかし、このオン保持回路5は過電流検
出回路2の動作に追従させるが、従来のように動作遅延
回路6を設けない場合には、次のような不具合が生じる
ことが判った。
【0041】(b)図は、動作遅延回路6がある場合と
無い場合との比較である。制御信号のオン期間が更に短
く(ノイズ信号含む)なると、オン動作が定常状態にな
る前にオン信号が無くなる場合が生じてくる。この場
合、過電流検出信号が出力されているので、動作遅延回
路6が無い場合はオン保持回路5が動作し、破線で示す
如くオン期間を広げてしまう。インバータの対アームは
反転した制御信号で動作してるので、このためにアーム
短絡が生じてこれを保護する不要な動作が行われ、イン
バータ停止の原因となる。
【0042】この対策として設けたのが動作遅延回路6
である。これにより、IGBTの過電流保護が不要な期
間だけ、オン保持回路の動作をマスクしている。このた
め、最小のオン期間を管理しなくてもよくなると共に、
IGBTにダメージを与えない僅かなノイズでのインバ
ータの動作停止を防止することが出来る。
【0043】次に、図8に本発明に係る図6に示したI
GBTの過電流保護装置の具体的構成を示す。これは本
発明の図3の実施例に、動作遅延回路6とオン保持回路
5の具体的回路を付加したものである。同図においてオ
ン保持回路5はコンデンサ51と、抵抗52と、NPN
トランジスタ53とからなり、動作遅延回路6は、抵抗
61と、コンデンサ62とから構成されている。ここで
コンデンサ51とコンデンサ62の容量の大きさはC6
2≫C51の関係にある。
【0044】同図において、IGBT10の過電流状態
が検出され、過電流検出信号がハイレベルになると、す
なわちツェナーダイオード24を介してトランジスタ3
1にベース電流が供給されるとトランジスタ31はオン
状態となる。この結果、コンデンサC33に充電されて
いた充電電荷は、トランジスタ31を介して放電され、
トランジスタ53のベース・エミッタ間電圧がトランジ
スタ53がオン状態となる閾値電圧に達するまで抵抗6
1、コンデンサ51、62により定まる分流比でコンデ
ンサ51、62が充電されることとなる。
【0045】ここでオン保持回路5のオン保持時間、す
なわち、IGBT10の過電流状態が検出された後、駆
動回路1の出力電圧が所定値まで低下する動作遅延回路
6により得られる、所定時間(遅延時間)経過時点から
トランジスタ53がオン状態になるまでの時間は、抵抗
32とコンデンサ51により定まる時定数により決定さ
れ、動作遅延回路6の遅延時間(マスク時間)は抵抗3
2と、コンデンサ62により定まる時定数で決定され
る。
【0046】したがって、IGBT10の過電流状態が
検出された後、動作遅延回路のコンデンサ62の充電
が完了する時点までの遅延時間経過時点からオン保持回
路6のコンデンサ51がトランジスタ53の上記閾値電
圧に達するまでの所定時間(オン保持時間)だけ充電さ
れ続ける。この結果、ホトカプラ11に制御信号がオフ
状態の(制御信号がローレベル状態の)期間であっても
オン保持時間の間、トランジスタ12、21はオン状態
となり、制御信号がオン状態にある(制御信号がハイレ
ベル状態)のと等価な状態となる。
【0047】このように本実施例によればIGBTの最
小のオン期間を管理しなくてもよくなると共に、IGB
Tにダメージを与えない僅かなノイズでのインバータの
動作停止を防止することができる。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、過電流検出手段に検出
遅れを設けていないので、従来に比較して事故時のコレ
クタ電流を大幅に低減したところで保護動作に入り、I
GBTを確実に保護することが出来る。
【0049】また、過電流検出手段の検出遅れを無くし
たことによりターンオン時の遅延による過渡現象を検出
するが、電圧可変手段で駆動手段の出力を徐々に降下し
始めている間に過渡現象が終了してしまう。そして上記
過渡現象が終了した時点で、電圧可変手段が駆動手段か
ら切り離されるので、過渡現象を検出したことによるI
GBTのターンオン動作への影響が小さく、高速スイッ
チング素子であるIGBTの特徴を損なうこともない。
【0050】さらに、オン期間が短いときの過電流保護
のためにオン保持回路を設けているが、IGBTの過電
流保護が不要な期間だけはオン保持回路の動作をマスク
する動作遅延回路を設けている。これにより、最小のオ
ン期間を管理しなくてもよくなると共に、IGBTにダ
メージを与えない僅かなノイズでのインバータ停止を防
止することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るIGBTの過電流保護装置の基本
的構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示した本発明に係るIGBTの過電流保
護装置の動作説明をするための波形図である。
【図3】本発明に係るIGBTの過電流保護装置の一実
施例の構成を示す回路図である。
【図4】本発明に係るIGBTの過電流保護装置の他の
実施例の構成を示す回路図である。
【図5】IGBTの出力特性を示す特性図である。
【図6】本発明に係るIGBTの過電流保護装置の他の
実施例の構成を示すブロック図である。
【図7】図6に示した本発明に係るIGBTの過電流保
護装置の動作説明をするための波形図である。
【図8】図6に示した本発明に係るIGBTの過電流保
護装置の具体的構成を示す回路図である。
【符号の説明】
1 駆動回路 2 過電流検出回路 3 電圧可変回路 4 切換回路 5 オン保持回路 6 動作遅延回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03K 17/00 - 17/70

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 IGBTのスイッチング動作のタイミン
    グを制御する制御信号を増幅する駆動手段と、 IGBTのコレクタ電流が所定値以上であるとき過電流
    であると判別する過電流検出手段と、 該過電流検出手段が過電流を検出している間、前記駆動
    手段の出力電圧を時間経過に伴って徐々に降下させる電
    圧可変手段と、 前記過電流検出手段により過電流が検出されたときに
    記電圧可変手段の出力を前記駆動手段に伝達し前記過電
    流検出手段により過電流が検出されないときには前記電
    圧可変手段の出力を前記駆動手段から切り離す切換手段
    とを有することを特徴とするIGBTの過電流保護装
    置。
  2. 【請求項2】 前記切換手段はPNPトランジスタを含
    んで構成されることを特徴とする請求項1に記載のIG
    BTの過電流保護装置。
  3. 【請求項3】 前記駆動手段は、共通接続されたベース
    と共通接続されたエミッタを有するコンプリメンタリト
    ランジスタを有し、該コンプリメンタリトランジスタを
    構成する各トランジスタのコレクタにIGBTをオン動
    作またはオフ動作させるための抵抗が接続されているこ
    とを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記
    載のIGBTの過電流保護装置。
  4. 【請求項4】 前記駆動手段の出力端子にIGBTをオ
    ン動作またはオフ動作させるための抵抗の一端が接続さ
    れ、該抵抗の他端がIGBTのゲート及びダイオードの
    アノードに接続され、該ダイオードのカソードが前記切
    換手段の内部回路に接続されることを特徴とする請求項
    1または請求項2のいずれかに記載のIGBTの過電流
    保護装置。
  5. 【請求項5】 前記電圧可変手段は、コンデンサ、抵抗
    及びスイッチング素子を含んで構成されることを特徴と
    する請求項1乃至4のいずれかに記載のIGBTの過電
    流保護装置。
  6. 【請求項6】 前記過電流手段が動作してから所定時
    間、前記制御信号がオフ状態になっても前記駆動手段の
    出力電圧を出力しつづける状態に維持するオン保持手段
    と、 ターンオンしたIGBTに供給される前記駆動手段の出
    力電圧が所定値にまで低下する所定時間、前記オン保持
    手段の動作を遅延させる動作遅延手段とを有することを
    特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のIGBT
    の過電流保護装置。
  7. 【請求項7】 IGBTのスイッチング動作のタイミン
    グを制御する制御信号を増幅する駆動手段と、 IGBTのターンオン時における過渡現象を検出する過
    渡現象検出手段と、 該過渡現象検出手段が過渡現象を検出している間、前記
    駆動手段の出力を時間経過に伴って徐々に降下させる出
    力可変手段と、 前記過渡現象検出手段により過渡現象が検出されたとき
    に前記出力可変手段の出力を前記駆動手段に伝達し前記
    過渡現象検出手段により過渡現象が検出されないときに
    は前記出力可変手段の出力を前記駆動手段から切り離す
    切換手段とを有することを特徴とするIGBTの保護装
    置。
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