JP3860882B2 - 携帯型動力工具 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ホイール型の研磨又は切断作業工具を作動させるための携帯型動力工具に関する。
詳細には、本発明は、ハウジング、回転モータ、回転モータに駆動的に接続された出力スピンドル、出力スピンドルに支持された作業工具支持フランジ、作業工具を部分的に覆い、選択可能な位置の間で移動するためにハウジングに移動可能に支持された安全カバー、及び安全カバーを選択可能な位置で安全カバーのロック手段に係合するために選択的に作動可能な抑制装置を含む上記した種類の動力工具に関する。
【０００２】
【従来の技術】
この種の動力グラインダは、米国特許第４、９２４，６３５号に既に開示されている。この特許明細書に示された三つの実施例の各々又は安全カバー抑制装置は回動可能な操作レバーを備え、この操作レバーで安全カバーの作業位置を調節できるようにするためにラッチドッグを安全カバーのロック手段から解放するように構成されている。
独国特許明細書第ＤＥ４３，３７，０２３号及びＤＥ４３，４４，１２８号には、出力スピンドル上の研磨工具の装着及び取り外しを容易にするためのスピンドル抑制手段が設けられた動力グラインダが示されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、構造的に簡単な方法で安全カバーロック手段と出力スピンドル抑制手段とを組み合わせた冒頭で述べた形式の携帯型動力工具を提供することを目的としている。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために本発明に係る携帯型動力工具は、ハウジング、回転モータ、前記モータに駆動的に接続された出力スピンドル、前記出力スピンドルで支持された作業工具支持フランジ、作業工具を部分的に覆い、前記ハウジングに移動可能に支持され選択可能の位置の間で移動する安全カバー、及び前記選択可能な位置で、前記安全カバーのロック手段と係合する選択的に作動可能な抑制装置を備えたホイール型の研磨又は切断作業工具を作動するための携帯用動力工具において、前記支持フランジに複数の凹みを設け、前記抑制装置を、抑制装置が前記安全カバーの前記ロック手段と係合する第１位置、抑制装置が、前記安全カバーのロック手段と前記支持フランジの前記複数の凹みの何れかとの両方に係合する第２位置、及び抑制装置が、前記安全カバーのロック手段及び前記支持フランジの複数の凹みの何れにも係合しない第３位置の間で摺動可能にしたことを特徴とするものである。
【０００５】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の好ましい実施の形態を詳細に説明する。
図１は本発明による動力工具の前側部分の斜視図を示している。図２は図１の動力工具の側面図を示している。図３は抑制装置の安全カバー固定位置を説明する図１における動力工具の長手方向断面図を示している。図４は抑制装置の安全カバー及び出力スピンドル固定位置を説明する図３と同じ断面図を示している。図５は抑制装置における後退した非作用位置を説明する図３と同じ断面図を示している。図６は、抑制装置の拡大断面図を示している。
【０００６】
図面に示す動力工具は、内部に回転モータ（図示せず）が配置されたハウジング１０と出力スピンドル１１とを備えている。出力スピンドル１１は、その外側端でボール型自動釣り合い装置１２を支持しており、この釣り合い装置１２には径方向に拡がる平坦な表面１３が形成され、この表面１３でスピンドル１１に取り付けられる作業工具を軸線方向に支持する。従って、釣り合い装置１２は作業工具に対する支持フランジ１４を形成している。
この種の釣り合い装置は、英国特許ＧＢ８３２０４８号で本質的に既に公知であり、本発明を構成するものではない。
【０００７】
工具ハウジング１０の出力端には案内フランジ１５が設けられ、この案内フランジ１５は出力スピンドル１１と同心上に配置されている。また、前記案内フランジ１５には安全カバー１６が調節可能に設けられている。安全カバー１６は、種々の作業位置での研磨作業を容易にするために、公知の方法で回転調節可能にされている。
【０００８】
ハウジング１０には選択的に操作可能な安全カバー抑制装置１８が設けられており、この抑制装置１８は、ハウジング１０に設けられた孔１７とロックボルト１９とを備え、前記孔１７は出力スピンドル１１に対して実質的に径方向に伸び、また、前記ロックボルト１９は孔１７内で長手方向に移動可能である。ロックボルト１９は、三つの選択可能な位置、言い換えると、安全カバー１６の動きをロックする第一位置、安全カバーの動き及び出力スピンドルの回転の両方をロックする第二位置、及び安全カバー１６及び出力スピンドル１１を両方ともロックしない第三非作用位置の間で摺動可能である。
これらのロック効果を得るために、安全カバー１６には周囲に一列に配置された複数の貫通開口２０が設けられており、また、釣り合い装置１２の周囲には複数の凹み、即ち、行き止まり孔２１が形成されている。ハウジング１０にはヒール２２が形成されており、このヒール２２は安全カバー１６と釣り合い装置１２との間に配置され、また、ロックボルト１９を径方向に支持するための案内孔２３を有する。
【０００９】
図３に示す第１位置では、ロックボルト１９は安全カバー１６の開口２０の一つを貫通して伸び、ハウジングヒール２２に設けられた案内孔２３の約半分まで到達している。この位置で、安全カバー１６の回転がロックされる。
これは、ロックボルト１９の中立位置であり、工具の動作中は通常、この中立位置にある。
【００１０】
図４に示す第２位置では、ロックボルト１９は出力スピンドル１１の中心に向けて移動し、その前端部が釣り合い装置１２の行き止まり孔２１の一つに係合する。この位置では、研磨或いは切断ホイールの装着又は取り外しを容易にするためにロックボルト１９は出力スピンドル１１の回転を確実に阻止する。
【００１１】
図５に示す第３位置では、ロックボルト１９は釣り合い装置１２の孔２１に加えて安全カバー１６の開口２０からも後退させられる。この状態で、安全カバー１６の角度位置を変えることができる。
【００１２】
ロックボルト１９の手動動作のために、横方向ハンドル２４が設けられている。このハンドル２４は同軸ピン２５によってロックボルト１９に固定され、スロット２７を通過してハウジング１０の外側まで伸びている。
第１の通常作業位置でロックボルト１９の中心を出すために、反対方向に作用する二つのスプリング２８，２９が設けられている。一方のスプリング２８はロックボルト１９を、そのスピンドルロック位置から離す方向に付勢し、また、他方のスプリング２９はロックボルト１９を、安全カバー１６が非ロック状態になる第３の非作用位置から離す方向に付勢する。
スプリング２８はロックボルト１９を取り囲み、孔１７内の肩部３０に支持され、また、スプリング２９は孔１７に固定されたプラグ３１に支持されている。ロックボルト１９の前端部には、傾斜端面３３が形成されており、この傾斜端面３３は出力スピンドル１１の回転中にロックボルト１９が孔２１内に入ることを防止する。傾斜端面３３は、図３〜５に矢印で示す出力スピンドル１１の回転方向に対向した方向に向いている。釣り合い装置１２の回転中に、ロックボルト１９が釣り合い装置１２の孔２１の何れかに偶発的に係合することは、工具に対しても作業者に対しても危険である。これは、傾斜端面３３の向きにより防止される。
傾斜端面３３の傾斜角度は図６中に符号αで示されている。実際には、傾斜角度αは、安全作業のために５゜〜１２゜の範囲にあるべきである。８゜の角度が作業によりよいことが確認されている。
ロックボルト１９の後端部には、スプリング２９の一端を案内的に支持する環状ソケット部分３４が形成されている。ロックボルト１９には横断孔３５が設けられており、この横断孔３５は手動ハンドル２４の一端を支持している。同軸ピン２５には径方向フランジ３６が形成されており、この径方向フランジ３６にスプリング２９が係止して、ピン２５をそのハンドルロック位置に維持している（図６参照）。
【００１３】
安全カバーと出力スピンドルとを組み合わせて抑制する手段を設けるというこの概念によって、構造的に簡単な動力工具の構成に加えて簡単な工具の取扱いを得ることができる。
本発明の実施の形態は、上記した実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲の範囲内で自由に変更できることは理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明による動力工具の前側部分の斜視図である。
【図２】 図１の動力工具の側面図である。
【図３】 抑制装置の安全カバー固定位置を説明する図１における動力工具の長手方向断面図である。
【図４】 抑制装置の安全カバー及び出力スピンドル固定位置を説明する図３と同じ断面図である。
【図５】 抑制装置における後退した非作用位置を説明する図３と同じ断面図である。
【図６】 抑制装置の拡大断面図である。
【符号の説明】
１０ ハウジング
１１ 出力スピンドル
１２ 釣り合い装置
１３ 表面
１４ 支持フランジ
１５ 案内フランジ
１６ 安全カバー
１７ 孔
１８ 安全カバー抑制装置
１９ ロックボルト
２０ 貫通開口
２１ 行き止まり孔
２２ ヒール
２３ 案内孔
２４ ハンドル
２５ 同軸ピン
２７ スロット
２８ スプリング
２９ スプリング
３０ 肩部
３１ プラグ
３３ 傾斜端面
３４ 環状ソケット部分
３５ 横断孔
３６ 径方向フランジ

Claims (6)

1. ハウジング（１０）、回転モータ、前記モータに駆動的に接続された出力スピンドル（１１）、前記出力スピンドル（１１）で支持された作業工具支持フランジ（１４）、作業工具を部分的に覆い、前記ハウジング（１０）に移動可能に支持され選択可能の位置の間で移動する安全カバー（１６）、及び
   前記選択可能な位置で、前記安全カバー（１６）のロック手段（２０）と係合する選択的に作動可能な抑制装置（１８）を備えたホイール型の研磨又は切断作業工具を作動するための携帯用動力工具において、
   前記支持フランジ（１４）に複数の凹み（２１）を設け、
   前記抑制装置（１８）を、
   抑制装置が前記安全カバー（１６）の前記ロック手段（２０）と係合する第１位置、
   抑制装置が、前記安全カバー（１６）のロック手段（２０）と前記支持フランジ（１４）の前記複数の凹み（２１）の何れかとの両方に係合する第２位置、及び
   抑制装置が、前記安全カバーのロック手段（２０）及び前記支持フランジ（１４）の複数の凹み（２１）の何れにも係合しない第３位置
   の間で摺動可能にしたことを
   特徴とする携帯型動力工具。
2. スプリング手段（２８，２９）が前記抑制装置（１８）を前記第１位置に向けて付勢するために設けられていることを特徴とする請求項１に記載の携帯型動力工具。
3. 前記抑制装置（１８）が、前記第１、第２、及び第３位置の間で長手方向に移動可能なボルト（１９）を備えていることを特徴とする請求項１又は２に記載の携帯型動力工具。
4. 前記ロック手段（２０）が、前記安全カバー（１６）に設けられた複数の孔を有し、前記ボルト（１９）が前記第１及び第２位置で前記孔を貫通するように配置されていることを特徴とする請求項３に記載の携帯型動力工具。
5. 前記ボルト（１９）が、前記ハウジング（１０）の案内孔（１７）内に支持され、操作ハンドル（２４）が前記ボルト（１９）に垂直方向に取り付けられていることを特徴とする請求項３又は４に記載の携帯型動力工具。
6. 前記支持フランジ（１４）の凹み（２１）の各々が、円柱状の行き止まり孔（２１）から成ることを特徴とする請求項１〜５の何れか一項に記載の携帯型動力工具。

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