JP3855979B2 - 内燃機関の排気ガスセンサの制御装置 - Google Patents

内燃機関の排気ガスセンサの制御装置 Download PDF

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Description

この発明は、内燃機関の排気ガスセンサの制御装置に係り、特に、ガス中の酸素をポンピングする機能を有するセンサ素子を備える排気ガスセンサの制御に好適な制御装置に関する。
特開平9−101285号公報には、内燃機関の排気通路に配置された空燃比センサを制御するための装置が開示されている。この装置は、内燃機関の運転中において、空燃比センサのセンサ素子に所定の正電圧を印加する。この際、センサ素子は、排気ガス中の酸素をポンピングし、そのポンピング量に応じた電流、つまり、排気ガス中の酸素濃度に応じた限界電流を流通させる。排気ガス中の酸素濃度は、排気ガスの空燃比に対応している。このため、上述した従来の構成によれば、センサ素子を流れる電流に基づいて排気ガスの空燃比を検出することができる。
上記のセンサ素子は、排気ガスに晒される電極と、大気に晒される電極とを有している。大気に晒される側の電極には、センサ素子の使用に伴い酸素が結合する。そして、その結合が進むに連れて、センサ素子の素子抵抗が増加し、空燃比センサの特性が劣化する。上記従来の装置は、このような劣化の回復を図るべく、内燃機関のフューエルカット中に、センサ素子に対して、通常印加される正電圧と逆向きの負電圧を印加することとしている。フューエルカットの実行中は、空燃比を検出する必要がないため、このようなタイミングであれば、空燃比の制御精度に何ら影響を与えることなくセンサ素子に負電圧を印加することができる。
十分に暖機されたセンサ素子に対して負電圧を印加すると、大気に晒される側の電極に結合していた酸素を、その電極から脱離させ、他方の電極に向かって移動させることができる。このため、上述した従来の構成によれば、内燃機関の運転中に、センサ素子の劣化を適宜回復させることができ、空燃比センサの検出精度を良好に保つことが可能である。
特開平9−101285号公報 特開平6−342946号公報 特開平9−274006号公報 特開2001−13106号公報
ところで、空燃比センサのセンサ素子などは、内燃機関の始動後、所定の活性温度にまで加熱されることにより安定した出力を発生する状態となることが一般に知られている。内燃機関において良好なエミッション特性を得るためには、内燃機関が始動された後、排気ガスセンサが安定した出力を発するまでの期間は、可能な限り短いことが望ましい。これに対して、上記従来の装置は、内燃機関の暖機が終了した後にフューエルカットの実行等と同期させてセンサ特性の回復を図るものであり、内燃機関の始動後、排気ガスセンサの出力が安定するまでの期間を短縮することについては、何ら寄与するものではない。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、内燃機関の始動後、排気ガスセンサの出力安定に要する期間を短縮することのできる内燃機関の排気ガスセンサの制御装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、内燃機関の排気通路に搭載される排気ガスセンサの制御装置であって、
前記排気ガスセンサは、ガス中の酸素をポンピングする機能を有するセンサ素子を備え、
前記センサ素子に正電圧を印加する正電圧印加手段と、
前記センサ素子を流通するセンサ電流を検出するセンサ電流検出手段と、
前記正電圧の印加時に流通するセンサ電流をセンサ出力として取得するセンサ出力取得手段と、
前記センサ素子の暖機過程において、吸着種が前記センサ素子から脱離する期間中継続して、前記センサ素子に前記正電圧と逆向きの負電圧を印加する負電圧印加手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、前記負電圧印加手段は、前記センサ素子の暖機過程において、前記センサ素子の温度が少なくとも350〜550℃である期間中継続して、前記センサ素子に前記負電圧を印加することを特徴とする。
また、第の発明は、第1または第2の発明において、前記センサ素子は個体電解質層を有し、
前記負電圧は、前記個体電解質層にブラックニングを生じさせない値であることを特徴とする。
また、第の発明は、第1乃至第3の発明の何れかにおいて、前記センサ素子の温度を取得するセンサ温度取得手段を備え、
前記負電圧印加手段は、前記センサ素子の暖機過程において、前記センサ素子の温度が前記吸着種の脱離が開始される所定の反応開始温度に達した時点で前記負電圧の印加を開所定の反応開始温度に達した時点で前記負電圧の印加を開始することを特徴とする。
また、第の発明は、第1乃至第の発明の何れかにおいて、前記センサ素子の温度を取得するセンサ温度取得手段を備え、
前記負電圧印加手段は、前記センサ素子の暖機過程において、前記センサ素子の温度が所定の終了判定温度に達した時点で前記負電圧の印加を終了することを特徴とする。
また、第の発明は、第1乃至第の発明の何れかにおいて、前記センサ素子の温度を取得するセンサ温度取得手段と、
前記センサ素子の暖機過程において、前記センサ素子の温度が所定の前記反応開始温度に達した後に生じたセンサ電流の積算値を算出するセンサ電流積算手段とを備え、
前記負電圧印加手段は、前記センサ素子の暖機過程において、前記センサ素子の温度が前記反応開始温度に達する以前に前記負電圧の印加を開始し、前記センサ電流の積算値が所定の終了判定値に達した時点で前記負電圧の印加を終了することを特徴とする。
また、第の発明は、第1乃至第の発明の何れかにおいて、前記負電圧の印加が終了した時点から所定期間に渡って、前記正電圧と同じ向きを有し、かつ、前記正電圧より所定値だけ大きな値を有する逆電流早期収束用印加電圧を前記センサ素子に印加する逆電流早期収束用印加電圧印加手段を備えることを特徴とする。
また、第の発明は、第1乃至第の発明の何れかにおいて、前記センサ素子の暖機開始時に、当該センサ素子の温度を取得する開始時温度検知手段と、
暖機開始時における前記センサ素子の温度が、所定の吸着種吸着温度以上である場合には、暖機過程における前記負電圧の印加を禁止する負電圧印加禁止手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第の発明は、第1乃至第の発明の何れかにおいて、前記センサ素子の暖機開始時に、当該センサ素子の温度を取得する開始時温度検知手段と、
暖機開始時における前記センサ素子の温度が所定の吸着判定温度以上である場合に、前記センサ素子に前記正電圧を印加したうえで、前記センサ出力に所定のリッチずれが生じているか否かを判定するリッチずれ判定手段と、
前記リッチずれの発生が認められない場合は、暖機過程における前記負電圧の印加を禁止する負電圧印加禁止手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第10の発明は、第1乃至第の発明の何れかにおいて、前記排気ガスセンサは、前記センサ素子を加熱するためのヒータを備え、
前記センサ素子の暖機過程において、前記センサ素子に前記正電圧が印加されていない期間は、オープン制御によって前記ヒータに所定の電力を供給するヒータ駆動手段を備えることを特徴とする。
また、第11の発明は、第1乃至第10の発明の何れかにおいて、前記負電圧の印加時に流通するセンサ電流を取得する負電圧印加時電流取得手段を備え、
当該負電圧印加時電流取得手段は、前記センサ出力取得手段に比して、小さなゲインで前記センサ電流を取り込むことを特徴とする。
第1または第2の発明によれば、センサ素子の暖機過程において、吸着種が前記センサ素子から脱離する期間中継続して、センサ素子に負電圧を印加することができる。暖機過程においてセンサ素子に負電圧が印加されると、センサ素子が暖機される過程で脱離する吸着種の影響を早期に相殺して、センサ出力に、その吸着種の影響が重畳する期間を短縮することができる。このため、本発明によれば、内燃機関の始動後、排気ガスセンサの出力が安定するまでの期間短縮に寄与することができる。
の発明によれば、負電圧の印加に伴って固体電解質層にブラックニングが生ずるのを確実に防ぐことができる。
の発明によれば、センサ素子の温度が反応開始温度に達する以前に負電圧の印加が開始されるのを防ぐことができる。センサ素子の温度が反応開始温度に達するまでは、吸着種の脱離が開始されないため、負電圧を印加しても、その脱離の影響が残存する期間はさほど短縮されない。本発明によれば、そのような期間に負電圧が無駄に印加されるのを回避することができる。
の発明によれば、センサ素子の温度が終了判定温度に達した後に負電圧の印加が継続されるのを防ぐことができる。吸着種の脱離の影響は、センサ素子の温度が終了判定温度に達するまでに消滅する。本発明によれば、その後に負電圧が無駄に印加され続けるのを回避することができる。
の発明によれば、センサ素子の温度が所定の反応開始温度に達した後のセンサ電流の積算値が終了判定値に達した後に負電圧の印加が継続されるのを防ぐことができる。吸着種の脱離の影響は、上記の積算値が終了判定温値に達するまでに消滅する。本発明によれば、その後に負電圧が無駄に印加され続けるのを回避することができる。
の発明によれば、負電圧の印加が終了した時点から所定期間に渡って正電圧より大きな逆電流早期収束用印加電圧をセンサ素子に印加することができる。印加電圧の向きが反転した直後は、センサ素子の容量成分に起因する過電流が流通する。本発明によれば、そのような過電流の流通期間を短期間に圧縮して、センサ電流が安定値に収束するまでの期間を十分に短くすることができる。
の発明によれば、センサ素子の暖機開始時に、センサ素子の温度が未だ吸着種吸着温度以上に保たれている場合には負電圧の印加を禁止することができる。センサ素子には、その温度が低下する過程で吸着種が吸着する。従って、暖機の開始時にセンサ素子の温度が吸着種吸着温度以上に保たれていれば、センサ素子に吸着種が吸着していないと判断できる。本発明によれば、そのような状況下で、負電圧の印加が無駄に行われるのを防ぐことができる。
の発明によれば、センサ素子の暖機開始時に、センサ素子の温度が吸着判定温度以上に保たれている場合には、センサ出力にリッチずれが生じているか否かを判断することができる。そして、そのリッチずれが生じていないと判断される場合には、負電圧の印加を禁止することができる。暖機の開始時にセンサ素子の温度が吸着判定温度を下回っていない場合は、その時点でセンサ素子に吸着種が吸着されていない可能性があると判断できる。そして、その場合に、センサ出力にリッチずれが認められなければ、センサ素子に吸着種が吸着されていないと確定的に判断することができる。本発明によれば、そのような判断が下せる状況下で、負電圧の印加が無駄に行われるのを防ぐことができる。
10の発明によれば、センサ素子の暖機過程において、センサ素子に負電圧または逆電流早期収束用印加電圧が印加されている期間は、オープン制御によってヒータに所定の電力を供給することができる。このため、本発明によれば、センサ素子の加熱を、上記の期間において確実に継続することができる。
11の発明によれば、負電圧の印加時に流通するセンサ電流を取得する際には、正電圧の印加時に生ずるセンサ電流を取得する際に比して、小さなゲインを用いることができる。負電圧の印加時には、正電圧の印加時に比して十分に大きなセンサ電流が生ずる。本発明によれば、それらをそれぞれ適切なゲインで取得することができ、何れの状況下でもセンサ電流を精度良く取得することができる。
実施の形態1.
[実施の形態1のハードウェア構成]
図1は、本発明の実施の形態1において用いられる空燃比センサ10の構成を説明するための図である。図1に示す空燃比センサ10は、内燃機関の排気通路に配置され、排気ガスの空燃比を検出するために用いられるセンサである。空燃比センサ10は、カバー12を備えており、このカバー12が排気ガスに晒されるように排気通路に組み付けられる。
カバー12には、その内部に排気ガスを導くための孔(図示せず)が設けられている。カバー12の内部には、センサ素子14が配置されている。センサ素子14は、一端(図1における下端)が閉じられた管状の構造を有している。管状構造の外側表面は、拡散抵抗層16で覆われている。拡散抵抗層16は、アルミナ等の耐熱性の多孔質物質であり、センサ素子14の表面付近における排気ガスの拡散速度を律する働きを有している。
拡散抵抗層16の内側には排気側電極18、固体電解質層20および大気側電極22が設けられている。排気側電極18および大気側電極22は、Ptのように触媒作用の高い貴金属で構成された電極であり、それぞれ後述する制御回路と電気的に接続されている。固体電解質層20は、ZrOなどを含む焼結体であり、酸素イオンを伝導させる特性を有している。
センサ素子14の内側には、大気に開放された大気室24が形成されている。大気室24には、センサ素子14を加熱するためのヒータ26が配置されている。センサ素子14は、700℃程度の活性温度において安定した出力特性を示す。ヒータ26は、後述する制御回路と電気的に接続されており、その制御回路に制御されることにより、センサ素子14を適当な温度に加熱維持することができる。
図2は、空燃比センサ12の制御装置の構成を示すブロック図である。図2に示すように、センサ素子14は、抵抗成分と起電力成分を用いて等価的に表すことができる。また、ヒータ26は抵抗成分を用いて等価的に表すことができる。センサ素子14には、センサ素子駆動回路28が接続されている。センサ素子駆動回路28には、センサ素子14に対して所望の電圧を印加するためのバイアス制御回路と、センサ素子14を流れる電流を検出するためのセンサ電流検出回路とが含まれている。これらの回路の構成は、後に図3を参照して、更に詳しく説明する。
センサ素子制御回路28が備えるバイアス制御回路には、ローパスフィルタ(LPF)30およびD/Aコンバータ32を介してマイクロコンピュータ34が接続されている。マイクロコンピュータ34は、その経路を通じて、バイアス制御回路に対して、センサ素子14に印加すべき電圧を指令することができる。センサ素子制御回路28が備えるセンサ電流検出回路には、D/Aコンバータ36を介してマイクロコンピュータ34が接続されている。マイクロコンピュータ34は、その経路を通じて、センサ電流の検出値を読み込むことができる。
ヒータ26には、ヒータ制御回路38が接続されている。また、ヒータ制御回路38には、マイクロコンピュータ34が接続されている。ヒータ制御回路38は、マイクロコンピュータから供給される指令を受けて、その指令に応じた駆動信号をヒータ26に供給し、ヒータ26に所望の熱量を発生させることができる。
図3は、図2に示すセンサ素子制御回路28の一例の回路図を示す。この回路は、空燃比センサ10の大気側電極22に接続される正極端子40と、空燃比センサ10の排気側電極18に接続される負極端子42とを備えている。正極端子40には、センサ電流検出用抵抗43が接続されている。センサ電流検出用抵抗43には、バッファ回路44を介して正電圧ライン46が接続されている。正電圧ライン46には、バッファ回路48を介して3.3Vの一定電位が供給されている。また、正電圧ライン46には、このラインの電位を電源電位に向けて引き上げるためのスイッチ回路50と、その電位を接地電位に向けて引き下げるためのスイッチ回路52とが接続されている。
スイッチ回路50および52は、何れもマイコンポートを通じてマイクロコンピュータ34に接続されている。この回路において、スイッチ回路50および52の双方がオフとされると、正極端子40の電位は3.3Vの電位に対応した基準電位となる。これに対して、スイッチ回路50がオンとされると、正極端子40の電位は基準電位より高い値となり、一方、スイッチ回路52がオンとされれば、その電位は基準電位より低い値となる。このように、図3に示す回路によれば、スイッチ回路50,52の状態を制御することにより、正極端子40に、基準電位と、基準電位より高い電位と、基準電位より低い電位とを選択的に導くことが可能である。
センサ素子制御回路28の負極端子42には、バッファ回路54を介して負電圧ライン56が接続されている。負電圧ライン56には、バッファ回路58を介して2.9Vの一定電圧が供給されている。また、負電圧ライン56には、このラインの電位を電源電圧に向けて引き上げるためのスイッチ回路60が接続されている。
スイッチ回路60は、マイコンポートを通じてマイクロコンピュータ34に接続されている。この回路において、スイッチ回路60がオフとされている場合は、負極端子42の電位が2.9Vの電位に対応した低圧側基準電位となる。低圧側基準電位は、正極端子40に表れる基準電位に比して低い電位である。このため、このような状況下では、センサ素子14に対して、大気側電極22から排気側電極18に向かう所定の電圧が印加される。以下、この電圧を「正電圧」と称す。
スイッチ回路60がオフされた状態でスイッチ回路50がオンとされると、正極端子40の電位が上昇することから、センサ素子14に印加される電圧が正電圧より増加する。以下、この際に生ずる印加電圧を「インピーダンス測定用電圧」と称す。一方、スイッチ回路60がオフされた状態で、スイッチ回路52がオンされると、正極端子40に表れる電位が負極端子42の電位を下回り、センサ素子14に対して、正電圧とは逆向きの電位が印加される。以下、この際に生ずる印加電圧を「インピーダンス測定負電圧」と称す。
更に、図3に示す回路では、正極端子40に基準電位が導かれている状況下でスイッチ回路60がオンとされると、負極端子42に表れる電位がその基準電位を上回ることにより、センサ素子14に対して、正電圧とは逆向きの電圧が印加される事態が生ずる。以下、この際に生ずる印加電圧を「負電圧」と称す。センサ素子14を構成する固体電解質20に対して過剰な電圧が印加されると、その内部の酸素がイオン化して流通し、固体電解質20が黒色化する現象、すなわち、いわゆるブラックニングが生ずる。本実施形態では、このようなブラックニングの発生を防ぐために、上記の負電圧を2Vより小さな値に制限している。
図3に示す回路において、センサ電流検出用抵抗43を流れる電流は、センサ素子14を流れる電流(センサ電流)と等しいものとして取り扱うことができる。センサ電流検出用抵抗43の両端には、差動増幅回路62の正極端子と負極端子が接続されている。差動増幅回路62の出力端子は、AD1ポートを介してマイクロコンピュータ34に供給されている。上記の構成によれば、AD1ポートには、センサ電流検出用抵抗43の両端電圧を、所定のゲインで増幅した出力が表れる。センサ電流検出用抵抗43の両端電圧は、そこを流れる電流、つまり、センサ電流に対応している。このため、この回路によれば、AD1ポートの電位を読み出すことにより、センサ電流を所定のゲインで検出することができる。
センサ電流検出用抵抗43の両端には、それぞれ平滑回路を介して、AD2ポートおよびAD3ポートが接続されている。AD2ポートとAD3ポートの間には、センサ電流検出用抵抗43を流れる電流に応じた電位差が発生する。従って、図3に示すセンサ素子制御回路28によれば、AD2ポートの電位とAD3ポートの電位との差を取ることで、センサ素子14を流れる電流に対応する信号を、何ら増幅することなく、つまり、ゲイン=1で取り出すことができる。このように、図2に示すセンサ素子制御回路28によれば、センサ電流を意味する信号として、ゲインの異なる2種類の信号を生成することができる。このため、マイクロコンピュータ34は、微少なセンサ電流から、大きなセンサ電流まで、幅広いレンジで精度良くセンサ電流を検知することができる。
センサ素子制御回路28の負極端子42には、平滑回路を介してAD4ポートが接続されている。一方、この回路28の正極端子40には、平滑回路を介して上記のAD3ポートが接続されている。これらのポートには、それぞれ、負極端子42の電位と正極端子40の電位とが表れる。このため、マイクロコンピュータ34は、AD3ポートに表れる電位と、AD4ポートに表れる電位との差を見ることで、センサ素子14に現実に印加されている電圧を検知することができる。
[実施の形態1の装置の基本動作]
本実施形態の制御装置は、空燃比センサ10の出力に基づいて排気ガスの空燃比を検出する機能(空燃比検出機能)と、センサ素子14の素子インピーダンスRtを検出し、その値Rtに基づいてヒータ26を制御する機能(インピーダンス検出機能およびヒータ制御機能)を有している。
図4は、活性温度に到達した状況下でのセンサ素子14の特性を説明するための図である。横軸に示す印加電圧は、大気側電極22の電位が排気側電極18の電位に比して高い場合が「正」となるように表されている。また、縦軸に示すセンサ電流は、大気側電極22から排気側電極18に向かう電流の流れが「正」となるように表されている。
図4に示すように、センサ素子14は、印加電圧と排気ガスの空燃比A/Fに応じてセンサ電流を変化させる特性を有している。より具体的には、センサ素子14は、印加電圧が十分に低い領域では、印加電圧に対してほぼ比例的にセンサ電流を変化させ、印加電圧が増えるに連れて、そのセンサ電流を排気空燃比A/Fに対応する限界電流値に収束させる特性を有している。
本実施形態の制御装置は、空燃比検出機能を実現する場合には、スイッチ回路50,52,60を何れもオフとして、センサ素子14に対して上記の正電圧を印加する。この正電圧は、図4中にVp1として示している印加電圧に相当する。この場合、センサ電流が排気空燃比A/Fに対応した値となっていることから、マイクロコンピュータは、AD1ポートの出力を読みとることで排気空燃比A/Fを検知すること、つまり、空燃比検出機能を実現することができる。
尚、図4中に示すVp2は、後述する負電圧印加終了処理の実行時にセンサ素子14に印加されることのある「復帰時正電圧」である。この電圧は、例えば、スイッチ回路50を適当に制御することにより作り出すことができる。また、図4中に示すVmはスイッチ回路60をオンとすることでセンサ素子14に印加することのできる「負電圧」である。この図に示す通り、負電圧Vmの印加時に生ずるセンサ電流の絶対値は、正電圧Vp1の印加に伴って生ずるセンサ電流の絶対値に比して十分に大きなものである。既述した通り、図3に示すセンサ素子制御回路28は、センサ電流を表す信号を異なるゲインで2つ生成することができる。マイクロコンピュータ34は、正電圧Vp1の印加に伴うセンサ電流については、ゲインの大きな信号を取り込んで検知することとし、一方、負電圧Vmの印加に伴うセンサ電流については、ゲインの小さな信号を取り込んで検知することとしている。このため、本実施形態の制御装置によれば、正電圧Vp1の印加時と、負電圧Vmの印加時とで、センサ電流の絶対値が大きく異なっているにも関わらず、何れの状況下でもセンサ電流を高い感度で精度良く検出することができる。
マイクロコンピュータ34は、上記の手法により空燃比検出機能を実現しつつ、周期的に、スイッチ回路50および52をオン・オフさせてインピーダンス検出機能を実現する。ここでは、より具体的には、スイッチ回路50および52が、その順で、或いはその逆の順で順次オン状態とされる。このようなオン・オフ処理が行われると、センサ素子14に対する印加電圧が増減し、一時的に、センサ電流と印加電圧とが比例関係を満たしつつ変化する事態が生ずる。センサ電流と印加電圧とが比例関係を満たす領域では、両者の変化割合からセンサ素子14の素子インピーダンスRtを検出することができる。また、図3に示す回路によれば、AD3ポートとAD4ポートの出力より現実の印加電圧を検知することができ、かつ、AD1ポートの出力よりセンサ電流を検知することができる。このため、マイクロコンピュータ34は、スイッチ回路50,52のオン・オフ処理と同期してそれらのポートAD1〜AD4の出力を読みとることにより、周期的にインピーダンス検出機能を実現することができる。
素子インピーダンスRtは、センサ素子14の温度と強い相関を有している。このため、素子インピーダンスRtは、センサ素子14の温度の特性値として扱うことができる。本実施形態において、マイクロコンピュータは、目標の活性温度に対応する目標インピーダンスを記憶しており、現実の素子インピーダンスRtが目標インピーダンスと一致するようにヒータ26への供給電力を制御する。その結果、本実施形態の装置は、センサ素子14を目標の活性温度付近に精度良く制御することができる(ヒータ制御機能)。
[負電圧印加制御の必要性]
次に、本実施形態の装置の特徴である負電圧印加制御の必要性について説明する。空燃比センサ10により検出された空燃比A/Fは、燃料噴射量のフィードバック制御に用いられる。つまり、内燃機関においては、検出された空燃比A/Fが目標空燃比と一致するように、燃料噴射量を増減補正する空燃比フィードバック制御が実行される。このような制御は、内燃機関のエミッション特性に大きな影響を与えるため、内燃機関の始動後、速やかに開始されることが望ましい。
しかしながら、空燃比センサ10が安定した出力を発するためには、センサ素子14が活性温度に加熱される必要がある。このため、内燃機関の始動直後の処理としては、その始動と同時にヒータ26への通電を開始し、その後、センサ素子14の温度が活性温度に達するのを待って空燃比フィードバック制御を開始するのが一般的である。ここで、暖機過程における空燃比センサ10の出力には、子細には、現実の排気空燃比A/Fに対して一旦はリッチ側にシフトし、その後、暖機の進行に伴って現実のA/F値に合致する傾向が認められる。
上述した暖機過程におけるセンサ出力のリッチずれは、内燃機関の停止後、センサ素子14が冷却される過程でその表面に化学結合した吸着種の影響と考えられる。すなわち、空燃比センサ10の晒されている排気通路の内部には、内燃機関の停止後にも、種々の排気ガス成分が残存している。センサ素子14が700℃程度の活性温度から室温にまで低下する過程では、それらの残留成分とセンサ素子14の表面部分との間で化学的な結合反応が生ずることがある。
このようにしてセンサ素子14の表面に結合した吸着種は、内燃機関が再始動され、センサ素子14の温度が反応誘発温度にまで上昇すると、その時点でセンサ素子14の表面から脱離し始める。この際、センサ素子14の表面近傍は、脱離した吸着種の影響で還元雰囲気、つまり、酸素の不足した雰囲気となり、その結果として、センサ素子14の出力が現実のA/Fからリッチ側にシフトしたものとなる。この吸着種は、通常は、センサ素子14の暖機が終了するまでにその全てが脱離を終える。このため、暖機の過程で生じたセンサ出力のリッチずれは、センサ温度が活性温度に近づくに連れて小さくなり、センサ素子14の暖機が終了する段階では殆ど消滅している。
吸着種の影響によるセンサ出力のリッチずれは、上記の如く暖機の終了時までには殆ど収束する。従って、その後に行われる空燃比フィードバック制御は、その吸着種の影響を配慮しなくても通常は精度良く行うことができる。しかし、内燃機関の停止時の状況によっては、異常に多量の吸着種がセンサ素子14に吸着する事態も生じ得る。この場合、後の再始動の際には、センサ素子14の暖機が終了するまでに全ての吸着種が脱離せず、その後にセンサ出力にリッチずれが継続することがある。このような事態を回避するためには、センサ素子14の暖機過程において、センサ出力にリッチずれが生ずる期間を短縮することが望ましい。更に、吸着種に起因してセンサ出力がリッチ側にシフトする期間が短縮されれば、センサ出力をより早期に利用することが可能となり、内燃機関の始動後、空燃比フィードバックが開始されるまでの期間を短縮することができる。
図5は、センサ素子14の暖機過程において、排気側電極18から大気側電極22に向かう電圧(負方向の電圧)を印加した場合に、その電圧の値と、リッチずれの消滅に要する時間との間に成立する関係を示す。また、図6は、センサ素子の暖機過程において発生するリッチずれの大きさ(ΔA/F)を、上記負方向の電圧を印加しない場合と印加した場合とで対比して表した図である。
排気側電極18から大気側電極22に向かう負方向の電圧が印加された状態でセンサ素子14の暖機が進められると、その温度が300〜350℃程度にまで上昇した時点で、つまり、大気側電極22が触媒作用を発揮し始める温度に達した時点で、大気側電極22による酸素イオンのポンピングが開始される。このようにしてポンピングされる酸素イオンは、排気側電極18に向かって移動し、排気側電極18の表面付近における還元物質を中和する。つまり、このようにして排気側電極18の表面付近に搬送される酸素イオンは、センサ素子14の暖機過程で生ずる吸着種の脱離を促しつつ、その脱離物を中和する。その結果、図5に示すように、センサ素子のリッチずれが消滅するのに要する時間は、印加される負電圧が大きいほど短時間となる。また、図6に示すように、センサ出力に生ずるリッチずれの大きさΔA/Fは、負電圧が印加されない場合に比して、その印加がされる場合に著しく小さな値となる。
以上説明した通り、センサ素子14の暖機過程におけるセンサ出力のリッチずれは、その暖機過程において、センサ素子14に対して負電圧を印加することにより有効に抑制することができる。そこで、本実施形態では、センサ素子14の暖機が開始された後に、リッチずれの抑制および早期終了に有効な範囲において、センサ素子14に対して適当な負電圧を印加することとした。
[空燃比センサの制御の流れ]
図7は、本実施形態の制御装置が空燃比センサ10を対象として実行する制御の流れを説明するためのタイミングチャートである。尚、図7に示すタイミングチャートは、内燃機関の始動後、始動増量により内燃機関に供給される混合気が所定のリッチ空燃比とされる場合の動作を示したものである。
図7において、時刻t0は内燃機関の始動時刻であり、時刻t1〜t2は、負電圧印加制御の実行期間である。本実施形態の制御装置は、図7(G)に示すように、内燃機関の始動と同時に100%のデューティ比でヒータ26への通電を開始する。100%デューティによるヒータ26の駆動は、その後、時刻t2において負電圧印加制御が終了するまで継続して行われる。その結果、時刻t0の後、センサ素子14の温度は活性温度に向けて上昇し、その結果、素子インピーダンスRtは徐々に小さな値に変化する。但し、負電圧印加制御の実行中(時刻t1〜t2)は、素子インピーダンスRtの検出が実行できないため、その値Rtは時刻t1時の値に保持される(図7(D))。
本実施形態の装置は、また、内燃機関の始動と同時に、センサ素子14に対する正電圧Vp1の印加を開始する(図7(A))。その後、時刻t1において負電圧印加制御が開始されるまでは、センサ電流(AD1ポートの出力)に基づく空燃比A/Fの検出処理が継続的に繰り返され、また、所定の間隔をあけて素子インピーダンスRtの検出処理が実行される。内燃機関の始動時にセンサ素子14が十分に冷えている場合には、その暖機が進むまでセンサ電流は殆ど生じない(図7(B))。このため、センサ電流から計算される空燃比A/Fは、時刻t1の後しばらくの間は、ほぼ一定の値に維持される(図7(C))。
マイクロコンピュータ34は、素子インピーダンスRtが所定の反応開始判定値にまで低下した段階で、センサ素子14の温度が反応開始温度(例えば300〜350℃程度の範囲内の適当な値)に達したと判断する。ここで、「反応開始温度」とは、大気側電極22および排気側電極18が触媒作用を発揮し始める温度、つまり、排気側電極18の付近で吸着種の離脱が顕著になり始める温度である。図7は、時刻t1において上記の判断がなされた場合を示している。この時点t1で、マイクロコンピュータ34は負圧電圧印加制御実行フラグXAFVMCTLがオンとして(図7(F))、負圧電圧印加制御を開始する。
負圧電圧印加制御が開始されると、センサ素子14に対する印加電圧が、正電圧Vp1から負電圧Vmに変更される(図7(A))。具体的には、図3に示す回路において、スイッチ回路50および52がオフとされたまま、スイッチ回路60のみがオンとされる。センサ素子14に負電圧Vmが印加されると、大気側電極22から取り込まれた酸素イオンが排気側電極18に向かって移動するのに伴い、センサ素子14に負の方向を有する電流(以下、「負電流」と称す)が流通する。また、負電圧Vmは、既述した通り、正電圧Vp1印加時に比して絶対値の大きなセンサ電流を流通させる値に設定されている。このため、時刻t1において、センサ素子14への印加電圧が負電圧に変更されると、図7(B)に示すように、その後、時刻t1以前に比して十分に大きなセンサ電流が発生する。つまり、時刻t1の後、排気側電極18に向けて十分に多量の酸素イオンが搬送される。
センサ素子14が反応開始温度(300〜350℃)を越えて更に加熱されている状況下では、吸着種の脱離に伴って排気側電極18の近傍に還元物質が提供される。このような状況下で排気側電極18に向けて多量の酸素イオンが搬送されると、発生した還元物質を酸素イオンで中和し、排気側電極18の近傍が還元雰囲気化するのを抑制することができると共に、その還元物質の発生を、つまり、吸着種の脱離を促すことができる。このため、既に説明した通り(図5および図6参照)、この段階で負電圧印加制御を実行すると、吸着種の脱離に伴う排気空燃比のリッチずれの幅を抑制し、かつ、そのリッチずれの生ずる期間を短縮することが可能である。
負電圧Vmは、センサ素子14に対する印加電圧と、センサ電流とが比例関係を示す領域に属している(図4参照)。このため、負電圧印加制御の実行中は、原則的には、印加電圧とセンサ電流との比を見ることで素子インピーダンスを検知することが可能である。以下、ここで(負電圧印加制御の実行中に)検知される素子インピーダンスを「Rm」とし、その他の状況下で検知される素子インピーダンスを「Rt」として、両者を区別するものとする。
負電圧印加制御の開始直後は、センサ素子14の内部に、その素子インピーダンスRmと印加電圧Vmとに応じたセンサ電流が流通する他、センサ素子14の容量成分に起因する電荷の移動が生ずる。このため、その電荷の移動が収束するまでの間は、本来の素子インピーダンスRmに対して過大なセンサ電流が流通し、仮にそのセンサ電流に基づいて素子インピーダンスRmが算出されるとすれば、過小な素子インピーダンスRmが算出される事態が生ずる。
センサ素子14の容量成分に起因する電荷の移動が収束するのに要する期間は、予め把握することが可能である。図7において、時刻t1を起点として示されている期間Tm1は、適合作業等により予め把握した上記収束の所用期間である。本実施形態において、マイクロコンピュータ34は、負電圧印加制御が開始された後、上記の期間Tm1が経過するまでは、センサ電流と素子インピーダンスRmとの関係が適正でないとして、Rmの算出処理を禁止する。そして、その期間Tm1が経過すると、センサ素子14に対する印加電圧(AD3−AD4)と、センサ電流(AD2−AD3)とに基づき、素子インピーダンスRmを算出し始める。
マイクロコンピュータ34は、素子インピーダンスRmが所定の終了判定値にまで低下した段階で、センサ素子14の温度が終了判定温度(例えば550〜600℃程度の範囲内の適当な値)に達したと判断する。ここで、「終了判定温度」とは、排気側電極18付近に吸着していた吸着種の脱離が完了する温度として予め設定した温度である。図7は、時刻t2において上記の判断がなされた場合を示している。マイクロコンピュータ34は、センサ素子14の温度が終了判定温度に到達したと判断したら、その時点t2で、センサ素子14に負電圧を印加する実益が消滅したとして、センサ素子14に対する印加電圧を、負電圧Vmから逆電流早期収束用印加電圧Vp2に変化させる(図7(A))。具体的には、スイッチ回路60をオフとして逆電流早期収束用印加電圧Vp2が生ずるようにスイッチ回路50を駆動する処理が開始される。尚、本実施形態では、スイッチ回路50を制御することで逆電流早期収束用印加電圧Vp2を生成することとしているが、逆電流早期収束用印加電圧Vp2を生成するためのスイッチ回路をスイッチ回路50とは別に設けてその電圧生成を行うこととしてもよい。
図8は、負電圧印加の必要がなくなった時点で、マイクロコンピュータ34が、センサ素子14に対する印加電圧を、正電圧Vp1ではなく、Vp1より高い逆電流早期収束用印加電圧Vp2に変化させる理由を説明するためのタイミングチャートである。より具体的には、図8(A)は、その時点で印加電圧が正電圧Vp1に戻された場合のタイミングチャートであり、一方、図8(B)は、一時的に逆電流早期収束用印加電圧Vp2を経て印加電圧が正電圧Vp1に戻された場合のタイミングチャートである。
センサ素子14に対する印加電圧の向きが変化した直後は、センサ素子14の容量成分に起因する電荷の移動が生ずる。このため、時刻t2の後、その電荷の移動が終わるまでは、センサ電流の値が本来の電流値に上記電荷の移動分を加えた値となる。ここで生ずる電荷の移動は、印加方向の反転後における印加電圧が高圧であるほど早期に収束する。このため、印加電圧を時刻t2において負電圧Vmから直接正電圧Vp1に変更することとすると、図8(A)に示すように、センサ電流が正常値に復帰するまでに長い期間が必要となる。これに対して、時刻t2の後に、逆電流早期収束用印加電圧Vp2を経て印加電圧を正電圧Vp1に戻すこととすれば、図8(B)に示すように、センサ電流が正常値に復帰するまでの期間を有効に短縮することができる。このため、本実施形態では、既述した通り、負電圧の印加が不要となった後、一時的に印加電圧を逆電流早期収束用印加電圧Vp2に維持した後、印加電圧を正電圧Vp1に戻すこととしている。
本実施形態では、より具体的には、図8(A)に示すように、時刻t2の後、所定期間Tp1だけセンサ素子14に対する印加電圧が逆電流早期収束用印加電圧Vp2に保持される。そして、その期間Tp1が経過すると、印加電圧が正電圧Vp1に戻される。印加電圧が逆電流早期収束用印加電圧Vp2から正電圧Vp1に変更された直後にも、センサ電流には、センサ素子14の容量成分に起因する影響が表れる。図7において、期間Tp1に続いて示されている期間Ta1は、その影響が収束するまでの期間として予め定められた期間である。これらの期間Tp1およびTa1は、時刻t2の後、センサ電流を最も短期間で正常値とすることができる組み合わせとして予め定められた期間である。マイクロコンピュータ34は、印加電圧が正電圧Vp1に変更された後、上記の期間Ta1が経過すると(時刻t3)、センサ電流が正常値に収束したと判断して、負電圧印加制御実行フラグXAFVMCTLをオフとして、負電圧印加制御を終了する。
図7(A)に示すように、本実施形態では、負電圧Vmの絶対値に対して、逆電流早期収束用印加電圧Vp2の絶対値が小さな値に設定されている。容量成分を有する要素に対する印加電圧を変更するにあたり、その容量成分に起因する電荷の影響を早期に収束させる手法としては、反転の前後で印加電圧の絶対値を一致させるのが通常である。しかしながら、本実施形態では、そのような印加電圧の反転を、ヒータ26を100%のデューティ比で駆動しながら行うこととしている。つまり、ここでは、センサ素子14が急加熱されている環境下で印加電圧を反転させることとしている。
センサ素子14のアドミタンスは、その温度が上昇するに連れて高くなる。このため、センサ素子14のアドミタンスは、印加電圧が負電圧Vmである時刻t2以前に比して、印加電圧が逆電流早期収束用印加電圧Vp2とされた時刻t2以降の方が大きな値となる。容量成分に起因する電荷の移動は、センサ素子14のアドミタンスが高いほど容易である。このため、本実施形態において、印加電圧を負電圧Vmから逆電流早期収束用印加電圧Vp2に変更する際に、両者の絶対値を合わせると、過剰な電荷移動が生じ易くなる。これに対して、逆電流早期収束用印加電圧Vp2の絶対値を負電圧Vmの絶対値より小さな値とすれば、そのような過剰な電荷移動が発生し難くなり、センサ電流を早期に正常値に復帰させるうえで有利な状況を作り出すことができる。本実施形態の装置は、この点においても、暖機過程において空燃比センサ10が正常な出力を発するまでの期間を短縮するうえで有利な特性を有している。
印加電圧を負電圧Vmから正電圧Vp1に復帰させる際には、センサ素子14の加熱を停止し、そのアドミタンスの変化を抑制したうえで、印加電圧の切り替えを行うことも考えられる。しかしながら、センサ素子14の容量成分に起因する電化の移動は、センサ素子14が高いアドミタンスを示すほど短期間で収束させることが容易となる。本実施形態では、この点に着目して、既述した通り、印加電圧が正電圧Vp1とされた後、更にTa1の期間が経過するまで(時刻t3まで)は100%デューティによるヒータ26駆動を継続することとしている。この場合、収束すべき電荷の移動が消滅するまではセンサ素子14の急加熱が継続されることとなり、短期間でセンサ出力を正常値に収束させるうえで有利な状況が形成される。本実施形態の装置は、この点においても、センサ出力にずれが生ずる期間の短縮を図るうえで有利な特性を有していることになる。
図7(E)は、センサ素子14に負電圧Vmが印加されている状況下で発生したセンサ電流(負電流Im)の積算値ΣImの波形を示す。尚、ここでは、負電流Imが負の符号を有するものとして定義されているため、図7(E)において、負電流Imの積算値ΣImは、負の領域に描かれている。積算値ΣImは、負電圧印加制御の実行に伴って排気側電極18に向かってポンピングされた酸素イオンの数と相関を有している。そして、その酸素イオンの数は、吸着種の脱離の進行度合いと相関を有している。このため、マイクロコンピュータ34は、図7(E)に示すように負電流Imの積算値Imを算出したうえで、その積算値Σimが所定の終了判定値に達した時点で負電圧の印加を停止することとしてもよい。
[制御装置により実行される具体的処理の内容]
次に、図9乃至図12を参照して、本実施形態の制御装置が、センサ素子14を対象として実行する処理の具体的な内容について説明する。図9は、センサ素子14を対象とする処理の全体の流れを示すフローチャートである。尚、図9に示すルーチンは、内燃機関が始動される毎に起動されるルーチンである。
図9に示すルーチンでは、先ず、所定の初期処理(ステップ100)と、各種パラメータの読み込み(ステップ102)とが実行される。これらが終了すると、次に、負電圧印加制御実行判定が実行される(ステップ104)。負電圧印加制御実行判定では、具体的には、空燃比A/Fおよび素子インピーダンスRtの検出処理と合わせて、負電圧印加制御を実行すべき状況が整っているか否かが判定される。この処理の詳細は、後に図10を参照して説明する。
上記ステップ104の処理により、負電圧印加制御の実行判定が否定された場合は、負電圧印加制御を実現するためのステップ106および108がジャンプされ、以後速やかにステップ110の処理が実行される。一方、負電圧印加制御の実行判定が肯定された場合は、次に、負電圧印加制御サブルーチンが実行される(ステップ106)。負電圧印加制御サブルーチンは、センサ素子14に、適当な期間だけ負電圧Vmを印加するためのルーチン、つまり、図7における時刻t1〜t2の処理を実現するためのルーチンである。このルーチンの内容については、後に図11を参照して詳細に説明する。
負電圧印加制御サブルーチンが終了すると、次に、負電圧印加終了処理サブルーチンが実行される(ステップ108)。このルーチンは、センサ素子14に対する負電圧Vmの印加を終了して、適当な期間だけ、その印加電圧を復帰印加電圧Vp2とするためのルーチン、つまり、図7における時刻t1〜t3の処理を実現するためのルーチンである。このルーチンの内容については、後に図12を参照して詳細に説明する。
負電圧印加終了処理サブルーチンが終了すると、以後、内燃機関が停止するまで、空燃比および素子抵抗検出サブルーチンが実行される(ステップ110)。このルーチンは、センサ素子に正電圧Vp1を印加しつつセンサ電流に基づいて空燃比A/Fを検出する処理と、所定の間隔で、印加電圧をインピーダンス測定用正電圧とインピーダンス測定用負電圧との間で振幅させて素子インピーダンスRtを検出する処理とを合わせて実現するための処理である。このルーチンの内容は、例えば特開平9−292364号公報に開示されるものと同じであるため、ここでは、その詳細な説明は省略する。
図10は、上記ステップ104において実行される負電圧印加制御実行判定を実現するための一連の処理のフローチャートである。尚、このルーチンが実行されている間は、上記ステップ110で実行されるのと同様のサブルーチンが合わせて実行され、その結果、空燃比A/Fの検出と、素子インピーダンスRtの検出とが繰り返し実行されるものとする。
図10に示すルーチンでは、先ず、内燃機関の始動時における冷却水温THWSTが検出される(ステップ120)。次に、始動時水温THWSTが所定の暖機判定温度、例えば、50℃以上であるかが判別される(ステップ122)。THWST≧50℃が成立する場合は、内燃機関の停止期間が短く、未だ、センサ素子14の冷却が進んでいないと判断できる。センサ素子14には、内燃機関の停止後、その冷却の過程において吸着種が吸着する。このため、センサ素子14が未だ高温に保たれている場合は、吸着種が吸着されておらず、その影響を排除するための負電圧印加制御を実行する必要がないと判断できる。従って、この場合は、以後速やかに負電圧印加制御の非実行が判定される(ステップ124)。本ステップ124の処理により非実行が判定されると、上記図9に示すルーチンにおいて、負電圧印加制御のためのステップ106,108がジャンプされ、以後速やかに、空燃比および素子抵抗検出サブルーチンが実行される。
図10に示すルーチン中、上記ステップ122の処理により、始動時水温THWSTが暖機判定値以上でないと判別された場合は、次に、始動時におけるセンサ素子14の素子インピーダンスRtSTが検出され(ステップ126)、更に、検出された始動時インピーダンスRtSTが吸着種吸着値Rt600以下であるかが判別される(ステップ128)。吸着種吸着値Rt600は、センサ素子14の温度が「吸着種吸着温度」と一致する場合に実現される素子インピーダンスRtである。そして、吸着種吸着温度とは、センサ素子14の冷却過程において、センサ素子14に吸着種が吸着し始める可能性のある上限温度(本実施形態では600℃)である。
上記ステップ128において、RtST≦Rt600が成立すると判別された場合は、センサ素子14の温度が、吸着種吸着温度(600℃)以上であり、吸着種の吸着は確実に開始されていないと判断できる。この場合は、負電圧印加制御を実行する必要がないため、以後速やかに、ステップ124において、負電圧印加制御の非実行が判定される。一方、上記ステップ128の処理により、始動時インピーダンスRtSTが吸着種吸着値Rt600以下でないと判別された場合は、更に、その値RtSTが、吸着種判定値Rt400以下であるかが判別される(ステップ130)。吸着種判定値Rt400は、センサ素子14の温度が「吸着種判定温度」と一致する場合に実現される素子インピーダンスRtである。そして、吸着種判定温度とは、センサ素子14の冷却過程において、吸着種の吸着が生じない可能性のある下限温度(本実施形態では400℃)である。
上記ステップ128において、RtST≦Rt400が成立しないと判別された場合は、センサ素子14が、吸着種判定温度を下回っていると判断できる。つまり、センサ素子14に吸着種が吸着していると判断することができる。この場合、負電圧印加制御の開始条件が整っているかを判断するため、次に、現在の素子インピーダンスRtが反応開始判定値Rt300以下であるかが判定される(ステップ132)。そして、Rt≦Rt300の成立が認められる場合は、センサ素子14の温度が反応開始温度(300〜350℃の範囲内の適当値)に達していると判断され、負電圧印加制御の実行判定がなされる(ステップ134)。上記ステップ134の処理により制御の実行判定がなされると、図9に示すステップ106の処理、つまり、負電圧印加制御サブルーチンが開始される。
上記ステップ130において、RtST≦Rt400が成立すると判別された場合は、センサ素子14に正電圧Vp1を印加したうえで、その出力にリッチずれが生じているか否かが判断される(ステップ136)。その結果、リッチずれの存在が認められなかった場合はステップ124の処理が実行される。一方、リッチずれの存在が認められた場合は、負電圧印加制御を実行するべくステップ134の処理が実行される。
以上説明した通り、図10に示すルーチンによれば、内燃機関の再始動時に、空燃比センサ10の出力に吸着種の影響が重畳する場合に限り負電圧印加制御の実行を判定し、また、その影響の抑制に有用な時期においてのみその実行を判定することができる。このため、本実施形態の装置によれば、負電圧Vmの印加が無駄に行われるのを有効に防ぐことができる。
図11は、上記ステップ106において実行される負電圧印加制御サブルーチンの詳細を説明するためのフローチャートである。このルーチンでは、先ず、センサ素子14に対する印加電圧が、正電圧Vp1から負電圧Vmに変更される(ステップ140)。次に、負電圧印加制御が開始されたことを表すべく、負電圧印加制御実行フラグXAFVMCTLがオンとされる(ステップ142)。
次に、ヒータ26の温度制御の基礎とされる素子インピーダンスRtの算出が禁止され、かつ、センサ電流に基づく空燃比A/Fの検出が禁止される(ステップ144)。素子インピーダンスRtおよび空燃比A/Fは、以後、負電圧印加制御が終了するまで、負電圧印加制御の開始時における値に保持される(図7(C)および図7(D)時刻t1〜t3参照)。次いで、負電圧印加制御が開始された後の経過時間Tmが計数され(ステップ146)、更に、その経過時間Tmが所定期間Tm1に達しているかが判別される(ステップ148)。
所定期間Tm1は、既述した通り、センサ素子14に対する印加電圧が正電圧Vp1から負電圧Vmに切り替えられた後、センサ素子14の容量成分に起因する電荷の移動が収束するまでに要する期間である(図7(B)参照)。上記の判別の結果、Tm≧Tm1が成立していないと判別された場合は、未だ、センサ電流Imが、負電圧印加時の素子インピーダンスRmに対応する値に安定していないと判断され、以後再び上記ステップ144の処理が実行される。一方、Tm≧Tm1の成立が認められると判別された場合は、負電圧Vmを負電流Imで除することにより、負電圧印加時の素子インピーダンスRmが以下のように算出される(ステップ150)。
Rm=Vm/Im ・・・(1)
但し、負電圧Vmは、センサ電圧14の両端に現実に表れている電圧であり、具体的には、図3に示す回路において、AD3ポートの電位からAD4ポートの電位を差し引くことで得られる値である。また、負電流Imは、負電圧Vmの印加に起因して発生しているセンサ電流であり、本実施形態では、AD2ポートの電位からAD3ポートの電位を差し引くことで取得される値である。
図11に示すルーチンでは、次に、上記ステップ150の処理により算出された素子インピーダンスRmが終了判定値以下であるか、および、負電圧印加制御の開始後における経過時間Tmが所定時間Tm2に達したかが判別される(ステップ152)。前者の条件が成立する場合は、センサ素子14の温度が終了判定温度(550〜600℃程度)以上に加熱されたと判断できる。また、後者の条件が成立する場合は、吸着種を十分に脱離させるのに必要な時間だけ負電圧印加制御が実行されたと判断できる。マイクロコンピュータ34は、これらの条件の何れについても成立が認められない場合は、負電圧Vmの印加を終了すべき時期が未だ到来していないと判断し、以後、再び上記ステップ144以降の処理を実行する。一方、それらの条件の少なくとも一方が成立している場合は、負電圧Vmの印加を終了すべき時期が到来したと判断し、このルーチンを終了させる。図11に示すルーチンが終了すると、続いて、図9に示すステップ108の処理、つまり、負電圧印加終了処理サブルーチンが開始される。
以上説明した通り、図11に示すルーチンによれば、センサ素子14の暖機過程において、吸着種の脱離が予測される期間において、センサ素子14に負電圧Vpを印加することができる。このため、本実施形態の装置によれば、センサ素子14の暖機過程において、効率的に吸着種を脱離させることが可能であり、センサ素子14の出力が吸着種の影響でリッチずれを起こす期間を有効に短縮することができる。
図12は、上記ステップ108において実行される負電圧印加終了処理サブルーチンの詳細を説明するためのフローチャートである。このルーチンでは、先ず、センサ素子14に対する印加電圧が、負電圧Vmから、逆電流早期収束用印加電圧Vp2に変更される(ステップ160)。逆電流早期収束用印加電圧Vp2は、既述した通り、最終的に収束させるべき印加電圧である正電圧Vp1に比して所定値だけ大きな値である。
次に、負電圧印加時間Tm、或いは、負電流Imの積算値ΣImに基づいて、逆電流早期収束用印加電圧Vp2の目標印加時間Tp1が算出される(ステップ162)。逆電流早期収束用印加電圧Vp2は、センサ素子14の容量成分に起因する電荷の移動を早期に消滅させるべく負電圧Vp1の印加終了時に印加する電圧である。ここで消滅させるべき電荷の移動量は、負電圧Vp1の印加期間が長いほど、また、その印加期間において流通した負電流Imが多量であるほど多量となる。このため、本ステップ162では、負電圧印加時間Tmが長いほど、或いは、積算値ΣImが大きいほど、逆電流早期収束用印加電圧Vp2の目標印加時間Tp1が長時間に設定される。尚、本実施形態の装置は、TmやΣImとの関係でTp1を定めたマップを記憶しており、ここでは、そのマップを参照することで適当なTp1を算出する。
次に、印加電圧が、負電圧Vmから逆電流早期収束用印加電圧Vp2に切り替えられた後の経過時間Tpが計数される(ステップ164)。次いで、その経過時間Tpが、目標印加時間Tp1以上であるか否かが判別される(ステップ166)。その結果、Tp≧Tp1が成立しないと判別された場合は、再び上記ステップ164の処理が実行され、一方、Tp≧Tp1の成立が認められると判別された場合は、次に、センサ素子14に対する印加電圧が逆電流早期収束用印加電圧Vp2から、正電圧Vp1に切り替えられる(ステップ168)。
正電圧Vp1の印加が開始されると、その印加が開始された後の経過時間Taが計数され始める(ステップ170)。そして、その経過時間Taが、センサ電流の安定化に必要な時間Ta1以上となると(ステップ172)、負電圧印加制御実行フラグXAFVMCTLがオフとされ(ステップ174)、更に、素子インピーダンスRtの算出および空燃比A/Fの検出の再開が指令された後(ステップ176)、このルーチンが終了される。図12に示すルーチンが終了すると、続いて、図9に示すステップ110の処理、つまり、空燃比および素子インピーダンス検出サブルーチンが開始される。
以上説明した通り、図12に示すルーチンによれば、センサ素子14に対する負電圧Vmの印加が停止された後、適当な期間だけ印加電圧を復帰正電圧Vp2に維持することで、センサ電流を、正電圧Vpに対応する値に、早期に収束させることができる。そして、その印加電圧が正電圧Vpに切り替えられた後に、所定期間Ta1が経過するまでは、素子抵抗Rtの算出や空燃比A/Fの検出が再開されるのを禁止することができる。このため、本実施形態の装置によれば、センサ素子14に対する負電圧Vpの印加が終了された後に、可能な限り短時間でセンサ特性の回復を図り、かつ、その短時間の後に、正確な空燃比検出を再開することができる。
図9乃至図12を参照して説明した上記のルーチンは、本実施形態の装置が、センサ素子14を対象として実行するルーチンである。本実施形態の装置は、それらのルーチンの他にも、ヒータ26を制御するためのルーチンを実行している。図13は、本実施形態において、ヒータ制御のために実行されるルーチンのフローチャートである。尚、このルーチンは、図9に示すルーチンと同様に、内燃機関が始動される毎に起動されるルーチンである。
図9に示すルーチンでは、先ず、所定の初期処理(ステップ180)と、各種パラメータの読み込み(ステップ182)とが実行される。これらの処理が終了すると、次に、負電圧印加制御が実行中であるか、具体的には、負電圧印加制御実行フラグXAFVMCTLがオンであるかが判別される(ステップ184)。その結果、負電圧印加制御が実行中であると判別された場合は、次に、ヒータ26の駆動デューティを100%に固定する処理が実行される(ステップ186)。そして、負電圧印加制御の終了が判定されるまで、つまり、負電圧印加制御判定フラグXAFVMCTLがオフであると判定されるまで(ステップ188)、その駆動デューティは100%のまま維持される。
一方、上記ステップ188において負電圧印加制御の終了が判定された場合、および、上記ステップ184において、XAFVMCTL=ONの不成立が判別された場合は、通常のヒータ通電制御が実行される(ステップ190)。ここで、通常のヒータ通電制御とは、センサ素子14の温度を目標温度に一致させるべく、ヒータ26を、適当なデューティ比で駆動する処理である。本ステップ190では、具体的には、素子インピーダンスRtを検出する処理、その検出値Rtと目標インピーダンスRtgtとの差ΔRtを求める処理、その差ΔRtに基づいてヒータ26の駆動デューティを算出する処理、およびその駆動デューティを用いてヒータ26を駆動する処理が実行される。
以上の処理によれば、センサ素子14に対して負電圧Vpが印加され始めた後、印加電圧が正電圧Vp1に切り替えられ、更に、センサ電流の安定化に要する時間Taが経過するまでの間は、ヒータ26に能力一杯の仕事をさせて、センサ素子14の暖機を急激に進めることができる。センサ素子14の容量成分に起因する電荷の移動は、センサ素子14が高いアドミタンスを示すほど、つまり、センサ素子14が高温であるほど短時間で収束する。このため、上述したヒータ26の駆動方法は、印加電圧が、負電圧Vm→逆電流早期収束用電圧Vp2→正電圧Vpの順で切り替えられる過程で、電荷の移動に要する時間を短時間とするうえで最適な手法である。従って、本実施形態の装置は、センサ素子14の暖機過程において、センサ出力に誤差の重畳する期間を、十分に短時間とすることができる。
以上説明した通り、本実施形態の装置は、a)暖機の過程で印加電圧を負電圧Vmとすること、b)負電圧の印加後に逆電流早期収束用電圧Vp2を印加すること、c)印加電圧を正電圧Vp1に戻した後所定期間Taの経過を待って空燃比A/Fの検出を許可すること、およびd)そのTaの経過が認められるまではヒータ26を100%デューティで駆動すること、により、暖機の過程においてセンサ出力に吸着種の影響が重畳する期間を十分に短縮することができる。このため、本実施形態の装置によれば、内燃機関の始動後に、十分に短い時間で空燃比センサ10の出力を信頼し得る状態を作り出すことができる。
本実施形態の装置は、上述した効果の他に、空燃比センサ10の耐久性を高めるという効果をも有している。図14は、その効果を説明するための図である。より具体的には、図14は、負電圧印加制御を実行しない場合(図中左側)と、その制御を実行する場合(図中右側)とで、10万km走行終了後のセンサ出力劣化の大きさを比較して表した図である。この図に示すように、空燃比センサ10の出力劣化は、負電圧印加制御を実行する場合に、その制御が実行されない場合に比して、著しく小さなものとなる。このように、本実施形態の装置は、空燃比センサ10の出力特性を長期にわたって安定化させ得るという効果をも有している。
ところで、上述した実施の形態1においては、制御の対象が空燃比センサ10に限定されているが、その対象はこれに限定されるものではない。例えば、本発明の制御の対象は、排気空燃比がリッチであるかリーンであるかに応じて出力を大きく変化させる酸素センサであってもよい。
また、上述した実施の形態1においては、内燃機関の始動後、負電圧印加制御の実行条件が成立するのを待って負電圧印加制御を開始することとしているが(上記ステップ104、および図10参照)、その開始の手法はこれに限定されるものではない。すなわち、負電圧印加制御は、内燃機関の始動後、実行条件の成立を判断することなく、常に速やかに開始することとしてもよい。
また、上述した実施の形態1においては、内燃機関が冷間始動された場合には、素子インピーダンスRtが反応開始判定値以下となった場合に、センサ素子14の温度が反応開始温度以上に達したと判断して負電圧印加制御を開始することとしているが、その開始の指令時期はこれに限定されるものではない。すなわち、冷間始動後における負電圧印加制御は、内燃機関の始動後所定の時間が経過した時点、排気温が所定温度に上昇した時点、或いは、ヒータ26への積算通電量が所定値に達した時点などにその開始を指令することとしてもよい。
また、上述した実施の形態1においては、負電圧Vmの印加を終了すべきか否かを、素子インピーダンスRmに基づいて判断しているが(上記ステップ150参照)、その判断の基礎はこれに限定されるものではない。すなわち、負電圧Vmの印加を終了すべきか否かは、負電流Imの積算値ΣIm、つまり、負電圧Vmの印加が開始された後に生じたセンサ電流Imの積算値ΣImに基づいて判断することとしてもよい。或いは、その印加を終了すべきか否かは、負電圧Vmの印加が開始された後の経過時間に基づいて判断することとしてもよい。
また、上述した実施の形態1においては、負電圧印加制御が終了するまでは、ヒータ26を100%のデューティ比で駆動することとしているが、ここで用いるべきヒータの駆動手法は、このような手法に限定されるものではない。すなわち、ここでは、センサ素子14が急加熱されるようにヒータ26がオープン制御されていれば足り、その条件が満たされる限り、より小さなデューティ比が用いられてもよい。
また、上述した実施の形態1においては、センサ素子14に対する印加電圧を、スイッチ回路50,52,60をオン・オフさせて切り替えることとしているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、センサ素子14に対する印加電圧は、D/Aコンバータに対する入力値に応じてその印加電圧を変化させ得るセンサ素子制御回路28を準備したうえで、マイクロコンピュータ34から、そのD/Aコンバータに供給する信号を変化させることにより、切り替えることとしてもよい。
図15は、上記の機能を有するセンサ素子制御回路28の一例の回路図である。図15に示すセンサ素子制御回路28は、スイッチ回路50,52および60が排除されている点、およびバッファ回路58に対する入力が、LPF30(図2参照)を通過した信号に置き換えられている点を除き、図3に示す回路と同様である。尚、図15において、上記図2または図3に示されている構成要素には、同一の符号が付されている。図15に示す回路によれば、マイクロコンピュータ34から発せされる指令信号を適当に変化させることにより、センサ素子14に対する印加電圧を適当に変化させることができ、図3に示す回路が用いられる場合と同様の機能を実現することができる。
尚、上述した実施の形態1においては、センサ素子制御回路28がセンサ素子14に対して正電圧Vp1を印加することで前記第1の発明における「正電圧印加手段」が、マイクロコンピュータ34がAD1ポート、または、AD2ポートおよびAD3ポートの電位を読みとることにより前記第1の発明における「センサ電流検出手段」が、マイクロコンピュータ34が正電圧Vp1の印加時にAD1ポートの電位を読みとることにより前記第1の発明における「センサ出力取得手段」が、マイクロコンピュータ34が上記ステップ140の処理を実行することにより前記第1の発明における「負電圧印加手段」が、それぞれ実現されている。
また、上述した実施の形態1においては、300〜350℃の範囲内の適当値が前記第の発明における「反応開始温度」に相当していると共に、マイクロコンピュータ34が、負電圧印加制御の開始前に素子インピーダンスRtを検出することにより前記第の発明における「センサ温度取得手段」が、上記ステップ132の処理を実行することにより前記第の発明における「負電圧印加手段」が、それぞれ実現されている。
また、上述した実施の形態1においては、550〜600℃が前記第の発明における「終了判定温度」に相当していると共に、マイクロコンピュータ34が、上記ステップ150の処理により素子インピーダンスRmを算出することにより前記第の発明における「センサ温度取得手段」が、上記ステップ152の処理を実行することにより前記第の発明における「負電圧印加手段」が、それぞれ実現されている。
また、上述した実施の形態1においては、マイクロコンピュータ34が、負電圧印加制御の開始前に素子インピーダンスRtを検出することにより前記第の発明における「センサ温度取得手段」が実現されており、また、マイクロコンピュータに、負電圧Imの積算値ΣImを算出させることにより前記第の発明における「センサ電流積算手段」を、ΣImが所定値に達した時点で負電圧Vmの印加を終了させることにより前記第の発明における「負電圧印加手段」を、それぞれ実現することができる。更に、この場合は、ΣImと比較される「所定値」(吸着種の完全脱離に必要なImの積算量に相当)が前記第の発明における「終了判定値」に相当している。
また、上述した実施の形態1においては、逆電流早期収束用電圧Vp2の目標印加時間Tp1が前記第の発明における「所定期間」に相当していると共に、マイクロコンピュータ34が、上記ステップ160〜166の処理を実行することにより前記第の発明における「逆電流早期収束用印加電圧印加手段」が実現されている。
また、上述した実施の形態1においては、マイクロコンピュータ34が、上記ステップ120において始動時水温THWSTを検出することにより、または上記ステップ126において始動時素子インピーダンスRtSTを検出することにより、前記第の発明における「開始時温度検知手段」が実現されていると共に、マイクロコンピュータ34が、上記ステップ122または128の処理を実行することにより、前記第の発明における「負電圧印加禁止手段」が、それぞれ実現されている。
また、上述した実施の形態1においては、マイクロコンピュータ34が、上記ステップ126の処理を実行することにより前記第の発明における「開始時温度検知手段」が、上記ステップ130および136の処理を実行することにより前記第の発明における「リッチずれ判定手段」が、上記ステップ136に次いで上記ステップ124の処理を実行することにより前記第の発明における「負電圧印加禁止手段」が、それぞれ実現されている。
また、上述した実施の形態1においては、マイクロコンピュータ34が、上記ステップ184〜188の処理を実行することにより前記第10の発明における「ヒータ駆動手段」が実現されている。更に、ここでは、マイクロコンピュータ34が、図3または図15に示すAD2ポートとAD3ポートの電位を読みとることにより前記第11の発明における「負電圧印加時電流取得手段」が実現されている。
本発明の実施の形態1において用いられる空燃比センサの構成を説明するための図である。 本発明の実施の形態1の空燃比センサの制御装置の全体構成を説明するための図である。 本発明の実施の形態1の制御装置が備えるセンサ素子制御回路の回路図である。 空燃比センサが備えるセンサ素子の特性を説明するための図である。 空燃比センサが備えるセンサ素子に印加される負電圧の大きさと、センサ出力のリッチずれが消滅するのに要する時間との関係を示す図である。 空燃比センサの出力に生ずるリッチずれの大きさと、負電圧の印加の有無との関係とを示す図である。 本発明の実施の形態1の制御装置が実行する制御の流れを説明するためのタイミングチャートである。 図8(A)は、負電圧印加の必要がなくなった時点(図7に示す時刻t2)で印加電圧が正電圧Vp1に戻された場合の現象を説明するためのタイミングチャートである。図8(B)は、印加電圧が、正電圧Vp1より高い逆電流早期収束用印加電圧Vp2を経て正電圧Vp1に戻された場合の現象を説明するためのタイミングチャートである。 本発明の実施の形態1の制御装置が空燃比センサのセンサ素子を対象として実行する処理の流れを示すフローチャートである。 図9に示すルーチンにおいて負電圧印加制御の実行判定として行われる一連の処理の内容を示すフローチャートである。 図9に示すルーチンにおいて負電圧印加制御サブルーチンとして行われる一連の処理の内容を示すフローチャートである。 図9に示すルーチンにおいて負電圧印終了処理サブルーチンとして行われる一連の処理の内容を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態1の制御装置が空燃比センサのヒータを対象として実行する処理の流れを示すフローチャートである。 空燃比センサの出力劣化の大きさと、負電圧の印加の有無との関係とを示す図である。 本発明の実施の形態1の制御装置において用い得るセンサ素子制御回路の他の例の回路図である。
符号の説明
10 空燃比センサ
14 センサ素子
18 排気側電極
20 固体電解層
22 大気側電極
26 ヒータ
28 センサ素子制御回路
34 マイクロコンピュータ
Vm 負電圧
Vp1 正電圧
Vp2 逆電流早期収束用印加電圧
Rt 正電圧Vp1印加の環境で検出される素子インピーダンス
Rm 負電圧Vm印加の環境で検出される素子インピーダンス
THWST 開始時水温
RtST 開始時素子インピーダンス
Rt600 吸着種吸着値
Rt400 吸着種判定値
Rt300 反応開始判定値

Claims (11)

  1. 内燃機関の排気通路に搭載される排気ガスセンサの制御装置であって、
    前記排気ガスセンサは、ガス中の酸素をポンピングする機能を有するセンサ素子を備え、
    前記センサ素子に正電圧を印加する正電圧印加手段と、
    前記センサ素子を流通するセンサ電流を検出するセンサ電流検出手段と、
    前記正電圧の印加時に流通するセンサ電流をセンサ出力として取得するセンサ出力取得手段と、
    前記センサ素子の暖機過程において、吸着種が前記センサ素子から脱離する期間中継続して、前記センサ素子に前記正電圧と逆向きの負電圧を印加する負電圧印加手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の排気ガスセンサの制御装置。
  2. 前記負電圧印加手段は、前記センサ素子の暖機過程において、前記センサ素子の温度が少なくとも350〜550℃である期間中継続して、前記センサ素子に前記負電圧を印加することを特徴とする請求項1記載の内燃機関の排気ガスセンサの制御装置。
  3. 前記センサ素子は固体電解質層を有し、
    前記負電圧は、前記固体電解質層にブラックニングを生じさせない値であることを特徴とする請求項1または2記載の内燃機関の排気ガスセンサの制御装置。
  4. 前記センサ素子の温度を取得するセンサ温度取得手段を備え、
    前記負電圧印加手段は、前記センサ素子の暖機過程において、前記センサ素子の温度が前記吸着種の脱離が開始される所定の反応開始温度に達した時点で前記負電圧の印加を開始することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載の内燃機関の排気ガスセンサの制御装置。
  5. 前記センサ素子の温度を取得するセンサ温度取得手段を備え、
    前記負電圧印加手段は、前記センサ素子の暖機過程において、前記センサ素子の温度が所定の終了判定温度に達した時点で前記負電圧の印加を終了することを特徴とする請求項1乃至の何れか1項記載の内燃機関の排気ガスセンサの制御装置。
  6. 前記センサ素子の温度を取得するセンサ温度取得手段と、
    前記センサ素子の暖機過程において、前記センサ素子の温度が所定の前記反応開始温度に達した後に生じたセンサ電流の積算値を算出するセンサ電流積算手段とを備え、
    前記負電圧印加手段は、前記センサ素子の暖機過程において、前記センサ素子の温度が前記反応開始温度に達する以前に前記負電圧の印加を開始し、前記センサ電流の積算値が所定の終了判定値に達した時点で前記負電圧の印加を終了することを特徴とする請求項1乃至の何れか1項記載の内燃機関の排気ガスセンサの制御装置。
  7. 前記負電圧の印加が終了した時点から所定期間に渡って、前記正電圧と同じ向きを有し、かつ、前記正電圧より所定値だけ大きな値を有する逆電流早期収束用印加電圧を前記センサ素子に印加する逆電流早期収束用印加電圧印加手段を備えることを特徴とする請求項1乃至の何れか1項記載の内燃機関の排気ガスセンサの制御装置。
  8. 前記センサ素子の暖機開始時に、当該センサ素子の温度を取得する開始時温度検知手段と、
    暖機開始時における前記センサ素子の温度が、所定の吸着種吸着温度以上である場合には、暖機過程における前記負電圧の印加を禁止する負電圧印加禁止手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1乃至の何れか1項記載の内燃機関の排気ガスセンサの制御装置。
  9. 前記センサ素子の暖機開始時に、当該センサ素子の温度を取得する開始時温度検知手段と、
    暖機開始時における前記センサ素子の温度が所定の吸着判定温度以上である場合に、前記センサ素子に前記正電圧を印加したうえで、前記センサ出力に所定のリッチずれが生じているか否かを判定するリッチずれ判定手段と、
    前記リッチずれの発生が認められない場合は、暖機過程における前記負電圧の印加を禁止する負電圧印加禁止手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1乃至の何れか1項記載の内燃機関の排気ガスセンサの制御装置。
  10. 前記排気ガスセンサは、前記センサ素子を加熱するためのヒータを備え、
    前記センサ素子の暖機過程において、前記センサ素子に前記正電圧が印加されていない期間は、オープン制御によって前記ヒータに所定の電力を供給するヒータ駆動手段を備えることを特徴とする請求項1乃至の何れか1項記載の内燃機関の排気ガスセンサの制御装置。
  11. 前記負電圧の印加時に流通するセンサ電流を取得する負電圧印加時電流取得手段を備え、
    当該負電圧印加時電流取得手段は、前記センサ出力取得手段に比して、小さなゲインで前記センサ電流を取り込むことを特徴とする請求項1乃至10の何れか1項記載の内燃機関の排気ガスセンサの制御装置。
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