JPH09101285A - 酸素センサの劣化抑制方法及び装置 - Google Patents

酸素センサの劣化抑制方法及び装置

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JPH09101285A
JPH09101285A JP7257726A JP25772695A JPH09101285A JP H09101285 A JPH09101285 A JP H09101285A JP 7257726 A JP7257726 A JP 7257726A JP 25772695 A JP25772695 A JP 25772695A JP H09101285 A JPH09101285 A JP H09101285A
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oxygen
sensor element
sensor
voltage
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JP7257726A
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English (en)
Inventor
Masaji Tsuzuki
正詞 都築
Hideki Toyoda
秀樹 豊田
Takashi Kawai
尊 川合
Tetsumasa Yamada
哲正 山田
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Niterra Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸素センサの使用中にセンサ素子の抵抗増加
(酸素センサの劣化)を、簡単且つ確実に防止し得る酸
素センサの劣化抑制方法及び装置を提供する。 【解決手段】 電池素子12とポンプ素子14とを備
え、検出回路42が、電池素子12に定電流iCPを流し
て電極12b側を内部酸素基準源として機能させると共
に、その電極間電圧が一定電圧となるようにポンプ電流
ipを制御してその値から空燃比を検出する酸素センサ
10において、内燃機関の燃料カット制御中に、検出回
路42と酸素センサ10との接続を遮断して、電池素子
12に一定時間逆方向に直流電圧Vsを印加し、電極1
2bに結合した酸素を除去する。また、電圧印加後は、
電池素子12に通常時よりも大きい復帰電流iCP1 を流
して、電極12b側を内部酸素基準源に速やかに復帰さ
せる。この結果、酸素センサ10の使用中に電池素子1
2の内部抵抗が増加するのを短時間の処理にて防止でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸素イオン伝導性
固体電解質の両面に一対の多孔質電極を設けたセンサ素
子を備え、このセンサ素子に所定方向に通電して、その
通電時の電極間電圧又は通電電流に基づき周囲雰囲気中
の酸素濃度を検出する酸素センサにおいて、所定方向へ
の通電に伴い生じるセンサ素子の劣化を抑制するのに好
適な酸素センサの劣化抑制方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、内燃機関等の燃焼機器の排気
中の酸素濃度から燃焼機器の燃焼状態(空燃比等)を検
出する酸素センサとして、ジルコニア等からなる固体電
解質の両面に多孔質電極を設けたセンサ素子を備えた酸
素センサが知られている。
【0003】この種の酸素センサは、センサ素子の各電
極側雰囲気中の酸素濃度が異なる場合に、各電極間にそ
の酸素濃度の比に応じた起電力が発生して、センサ素子
が所謂電池素子として動作するとか、或は、各電極を利
用してセンサ素子に電流を流すと、その電流に応じて一
方の電極側(負極)から他方の電極側(正極)に酸素が
汲み出され、センサ素子が所謂ポンプ素子として動作す
る、といったことを利用して、周囲雰囲気中の酸素濃度
を検出するものであるが、何れにしても、こうしたセン
サ素子を利用して酸素濃度を検出するには、センサ素子
を所定の活性温度まで上昇させて、センサ素子を活性化
させる必要があることから、この種の酸素センサには、
センサ素子を加熱するヒータが別途設けられ、ヒータを
通電してセンサ素子を活性温度まで加熱するようにされ
ている。
【0004】そして、この種の酸素センサでは、例え
ば、センサ素子の一方の電極側に測定ガスを接触させ、
他方の電極側には酸素濃度が既知の基準ガス(空気等)
を接触させることにより、センサ素子に測定ガスと基準
ガスとの酸素濃度の比に応じた起電力を発生させ、その
起電力を測定することにより測定ガスの酸素濃度を検出
することもできるが、このような測定方法では、測定ガ
スと基準ガスとの酸素濃度の差が小さい場合には、セン
サ素子に発生する起電力も小さくなることから、酸素濃
度の検出精度が低下するといった問題や、基準ガスを接
触させる電極側を、基準ガス導入のための特別の構造に
しなければならず、酸素センサの大型化を招くといった
問題がある。
【0005】そこで、従来では、こうした問題を解決す
るために、例えば、 センサ素子をそのまま測定ガス雰囲気中に配設し、
両電極間に限界電流を通電可能な所定電圧を印加し、そ
のときセンサ素子に流れる限界電流から測定ガス雰囲気
中の酸素濃度を検出する限界電流式の酸素センサ、 センサ素子の一方の電極側を閉塞して外部と遮断さ
れた閉塞空間を形成すると共に、この閉塞空間から酸素
の一部を漏出させる漏出抵抗部を設け、センサ素子に一
定電流を流して閉塞空間内に一定量の酸素を常時汲み込
むことにより、閉塞空間を酸素濃度が一定の内部酸素基
準源として機能させ、そのときの電極間電圧から他方の
電極側に接した測定ガスの酸素濃度を検出できるように
した酸素基準自己生成型の酸素センサ、 上記の酸素センサにおいて、更に、センサ素子の
閉塞空間とは反対側の電極側に、ガス拡散制限層を介し
て周囲の測定ガス雰囲気と連通された(つまり測定ガス
の拡散が制限された)測定ガス室を形成すると共に、こ
の測定ガス室に一方の多孔質電極が接し、他方の多孔質
電極が周囲の測定ガス雰囲気に接するように、上記セン
サ素子と同一構造の第2のセンサ素子を設け、上記セン
サ素子を電池素子として動作させ、その電極間電圧(つ
まり上記センサ素子にて測定される測定ガス室内の酸素
濃度)が一定となるように、第2のセンサ素子を通電し
て測定ガス室から外部又はその逆に酸素を移動させ、そ
のときの通電電流から測定ガス中の酸素濃度を検出する
ようにしたポンプ電流制御型の酸素センサ、等、種々の
酸素センサが提案され、実用化されている。
【0006】ところが、このような酸素センサでは、限
界電流を流したり,上記閉塞空間を内部酸素基準源とし
て機能させるために、センサ素子,特に電池素子に長期
間にわたり常時一方向に通電していることから、この通
電によりセンサ素子の抵抗値が大きくなって、センサ素
子としての機能を充分果たせなくなることがある、とい
った問題があった。なお、これは、センサ素子を一定方
向に連続通電することにより、酸素が汲み出される電極
側(つまり通電時に他方の電極に対して電位が高くなる
電極側)にて、酸素が電極に結合し、電極の活性点の数
が減少することが原因であると考えられている。
【0007】そして、このように活性点の数が減少し
て、センサ素子の内部抵抗が上昇した場合には、ヒータ
の発熱量を増加させて、センサ素子の温度を上昇させる
ことも考えられるが、このような対策では、酸素の結合
によって活性を失った非活性点の数を減らすことはでき
ず、非活性点の数が増加すると酸素濃度を検出できなく
なってしまう。
【0008】一方、センサ素子の非活性点の数を減らし
て、センサ素子を活性化させる活性化処理方法として、
従来より、特開平6−265522号公報等に開示され
ているように、センサ素子の電極間に、固体電解質がブ
ラックニングを生じる程度の大きさの処理電圧を交番に
印加することが提案されている。
【0009】この提案の活性化処理方法は、処理電圧を
交番に印加することにより、固体電解質にブラックニン
グを発生させることなく、電極に結合した酸素を除去す
るものであり、この処理方法によれば、センサ素子を一
定方向に連続通電することによってセンサ素子が一旦劣
化しても、センサ素子を再度活性化させることができ
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記提案の活
性化処理方法は、焼成後のセンサ素子を活性化させるこ
とを主目的としてなされたものであり、その活性化処理
には、数分を要することから、酸素センサを、内燃機関
の排気管等、実際の検出対象物に取り付け、それを実際
に使用している状態で、活性化処理することは困難であ
るといった問題があった。
【0011】つまり、上記提案の活性化処理方法は、出
荷前に製造工場等で酸素センサを活性化させるのには問
題ないが、出荷後の実際の使用中に劣化した酸素センサ
を活性化させるには時間がかかりすぎ、有効な処理方法
とはいえない。本発明は、こうした問題に鑑みなされた
ものであり、酸素センサを実際に使用しているときに生
じるセンサ素子の抵抗増加(つまり酸素センサの劣化)
を、簡単且つ確実に防止し得る酸素センサの劣化抑制方
法及び装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めになされた請求項1に記載の発明は、酸素イオン伝導
性の固体電解質両面に一対の多孔質電極を配設してなる
センサ素子と、該センサ素子近傍に配設され、通電によ
り発熱して前記センサ素子を加熱するヒータと、該ヒー
タに通電して前記センサ素子を所定温度に加熱するヒー
タ通電回路と、前記センサ素子に所定方向に通電し、こ
の通電時に前記電極間に生じた電圧又は通電電流に基づ
き周囲雰囲気中の酸素濃度を検出する検出回路と、を備
えた酸素センサにおいて、前記センサ素子の劣化を抑制
する酸素センサの劣化抑制方法であって、前記酸素セン
サによる酸素濃度の検出が不要な所定条件下で前記検出
回路の動作を停止させると共に、その後、所定の電圧印
加時間だけ、前記センサ素子の電極間に、前記センサ素
子にブラックニングを発生させることなく前記センサ素
子の限界電流値よりも大きい電流を通電可能な所定の直
流電圧を、前記検出回路による通電時の電圧印加方向と
は逆方向に印加することを特徴とする。
【0013】このように請求項1に記載の劣化抑制方法
では、酸素センサの動作中、酸素濃度の検出が不要な所
定条件下で、酸素センサを構成する検出回路の動作を停
止させて、所定の電圧印加時間だけ、センサ素子の電極
間に通常の通電方向とは逆方向に直流電圧を印加する。
また、この直流電圧は、センサ素子に限界電流値よりも
大きい電流を流すことができ、しかもセンサ素子にブラ
ックニングが発生しないように設定されている。
【0014】従って、本発明によれば、センサ素子への
直流電圧の印加によって、センサ素子に限界電流よりも
大きな電流を流すことができ、この電流により、通常の
通電時に酸素が汲み出される側の電極に結合した酸素
を、他方の電極側に移動させて、この電極から外部に排
出することができる。また、センサ素子に限界電流値よ
りも大きな電流を流し続けると、負電圧が印加される電
極側の固体電解質表面において、還元反応(例えば、固
体電解質がジルコニアZrO2 であれば、ZrO 2 →Z
r+O2 の反応)が生じ、固体電解質にブラックニング
が発生するが、本発明では、直流電圧の印加時間を予め
設定した所定の電圧印加時間に制限し、しかもその電圧
印加時間内にブラックニングが発生しないように、直流
電圧の値を設定していることから、直流電圧の印加によ
ってセンサ素子にブラックニングが発生するのを防止で
きる。
【0015】そして、本発明によれば、こうした直流電
圧の印加、換言すれば酸素センサの活性化処理を、酸素
センサの使用中、酸素濃度の検出が不要な所定条件下で
繰返し行うので、センサ素子の電極に酸素が結合するの
を防止できると共に、センサ素子が、既に電極に酸素が
結合した劣化品であっても、活性化処理を繰返し実行し
てゆく過程で、センサ素子,特に電池素子の内部抵抗値
を小さくすることができる。これは、電極に結合した酸
素が除去されることによるものと考えられる。
【0016】このため、本発明によれば、センサ素子を
一方向に通電する通常時の使用によって、センサ素子の
抵抗が増加する(換言すれば、センサ素子が劣化する)
のを、良好に抑制することができる。そしてこのように
センサ素子の劣化を抑制できるので、酸素センサの使用
開始時には、ヒータ通電によりセンサ素子を速やかに活
性化することができ、酸素センサを用いた空燃比制御等
の各種制御を速やかに実行できるようになり、また、セ
ンサ素子の劣化に伴う酸素濃度の検出精度の低下或は検
出の応答特性の悪化を防止することもできる。
【0017】なお、こうした活性化処理のためにセンサ
素子に印加する直流電圧の値は、その印加時間と、実際
に活性化処理を行う実行条件下でのセンサ素子の温度や
周囲雰囲気(測定ガス)の酸素濃度等の酸素センサの使
用環境とを考慮して、設定すればよい。
【0018】つまり、限界電流値は、センサ温度や周囲
雰囲気の酸素濃度によって変化することから、センサ素
子に限界電流よりも大きな電流を流すための印加電圧の
最小値は、活性化処理を行う際の酸素センサの使用環境
によって変化する。また、センサ素子への印加電圧(直
流電圧)が一定であっても、その印加時間が長くなれ
ば、センサ素子にブラックニングが発生し易く、逆に印
加時間が短くなれば、センサ素子にブラックニングが発
生し難くなる。
【0019】従って、上記活性化処理を行うに当たって
は、まず、酸素センサを用いて内燃機関等の燃焼機器を
制御する制御装置側にて酸素センサの動作を停止可能
で、しかも上記活性化処理を実行し得る時間から、活性
化処理の実行条件及び電圧印加時間を設定し、その設定
した実行条件下で、設定した電圧印加時間の間直流電圧
を印加しても、センサ素子にブラックニングを発生させ
ることなく、センサ素子に限界電流よりも大きな電流を
通電し得る直流電圧を、計算或は実験によって求め、そ
の求めた直流電圧から最適値を選択して、活性化処理に
用いる直流電圧として設定するようにすればよい。
【0020】次に、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載の酸素センサの劣化抑制方法において、前記酸素
センサは、前記センサ素子が、前記検出回路による通電
によって酸素が汲み出される多孔質電極側を閉塞する閉
塞部材と、該閉塞部材により該多孔質電極側に形成され
た閉塞空間内の酸素の一部を外部に漏出させる漏出抵抗
部とを備え、前記検出回路が、前記センサ素子に一定電
流を流すことにより前記閉塞空間を内部酸素基準源とし
て機能させ、そのときの電極間電圧に基づき酸素濃度を
検出する、酸素基準自己生成型の酸素センサであり、前
記直流電圧の印加後、更に所定の復帰電流通電時間だ
け、前記センサ素子に、前記検出回路が前記センサ素子
に流す一定電流と同方向でしかも該一定電流よりも大き
い所定の復帰電流を流して、前記閉塞空間内の酸素濃度
を前記直流電圧印加前の酸素濃度に速やかに復帰させる
ことを特徴とする。
【0021】この請求項2に記載のセンサの劣化抑制方
法は、センサ素子として、一方の電極側が閉塞されその
閉塞空間が内部酸素基準源として使用される酸素基準自
己生成型のセンサ素子を使用した、前述の又はの酸
素センサに対する発明であり、この発明では、上記請求
項1に記載の発明のように、単にセンサ素子に直流電圧
を印加するだけでなく、直流電圧の印加後、所定の復帰
電流通電時間だけ、センサ素子に、検出回路がセンサ素
子に一定電流を流す通常時の通電方向と同じで、通常時
の通電電流よりも大きい所定の復帰電流を流す。
【0022】つまり、酸素基準自己生成型の酸素センサ
では、センサ素子に直流電圧を印加して活性化させる際
には、直流電圧の印加によって、まず、内部酸素基準源
となる閉塞空間内の酸素が、閉塞部材を設けていない内
部酸素基準源とは反対側の電極から外部に汲み出され、
その後、内部酸素基準源側の電極に結合した酸素が除去
されることになるため、直流電圧の印加によってセンサ
素子の活性化処理を行った直後は、閉塞空間内に酸素が
存在せず、閉塞空間は内部酸素基準源として機能しな
い。そして、この閉塞空間が内部酸素基準源として機能
して、酸素濃度を正常に検出できるようになるには、活
性化処理後、検出回路が動作を再開して、一定電流の通
電により閉塞空間内に所定量の酸素が汲み込まれた後で
あるが、この一定電流の通電による閉塞空間への酸素の
汲み込み量は、通常は僅かな量であるため、活性化処理
後、検出回路の一定電流の通電によって、閉塞空間が内
部酸素基準源として機能できるようになるには時間がか
かる。
【0023】そこで本発明では、直流電圧の印加による
活性化処理後は、所定の復帰電流通電時間だけ、センサ
素子に、検出回路が流す一定電流よりも大きい所定の復
帰電流を流すことにより、閉塞空間内の酸素濃度を直流
電圧印加前(つまり活性化処理前)の酸素濃度(基準濃
度)に速やかに復帰させるようにしているのである。
【0024】この結果、本発明によれば、酸素基準自己
生成型の酸素センサにおいて、その使用中に直流電圧の
印加による活性化処理を行った後、酸素濃度を検出でき
るようになるまでの時間を短くできる。従って、酸素セ
ンサの検出動作を停止できる時間が短い場合にも、その
短い時間内にて、酸素センサを活性化処理して酸素濃度
を検出可能な正常状態に復帰させることができる。
【0025】なお、復帰電流の大きさ及びその通電時間
(復帰電流通電時間)についても、上記活性化処理を行
う際の直流電圧及びその印加時間と同様、センサ素子に
悪影響を与えることなく、閉塞空間内の酸素濃度を基準
濃度に復帰させることができるように、酸素センサの使
用環境を考慮して設定すればよい。
【0026】つまり、閉塞空間を内部酸素基準源として
機能させるためには、閉塞空間内に所定量の酸素を汲み
込む必要があるが、単位時間当たりの汲み込み量はセン
サ素子に流す復帰電流に比例することから、復帰電流を
大きくすればその通電時間を短くでき、逆に通電時間を
長くできれば復帰電流を小さくできる。また、復帰電流
の通電時間が一定である場合、通電電流を大きくし過ぎ
ると、場合によっては、汲み込まれた多量の酸素によっ
て閉塞部材を設けた電極側が破裂することがある。
【0027】従って、直流電圧の印加による活性化処理
に加えて、復帰電流の通電処理を行う際には、まず、酸
素センサを用いる制御装置側にて酸素センサの動作を停
止可能で活性化処理及び復帰電流の通電処理を実行し得
る時間から、活性化処理の実行条件,直流電圧の印加時
間及び復帰電流の通電時間を各々設定し、上記のよう
に、その設定した実行条件下で活性化処理を行うのに好
適な直流電圧を設定すると共に、更に、その実行条件下
で、設定した通電時間内に閉塞空間内の酸素濃度を略基
準濃度まで復帰させることのできる電流値を計算或は実
験によって求め、その求めた電流値から最適値を選択し
て復帰電流を設定するようにすればよい。
【0028】次に、請求項3に記載の発明は、酸素イオ
ン伝導性の固体電解質両面に一対の多孔質電極を配設し
てなるセンサ素子と、該センサ素子近傍に配設され、通
電により発熱して前記センサ素子を加熱するヒータと、
該ヒータに通電して前記センサ素子を所定温度に加熱す
るヒータ通電回路と、前記センサ素子に所定方向に通電
し、この通電時に前記電極間に生じた電圧又は通電電流
に基づき周囲雰囲気中の酸素濃度を検出する検出回路
と、を備えた酸素センサにおいて、前記センサ素子の劣
化を抑制する酸素センサの劣化抑制装置であって、前記
センサ素子に限界電流値よりも大きい電流を通電可能
で、しかも、所定の電圧印加時間前記センサ素子に印加
しても前記センサ素子にブラックニングが発生すること
のない所定の直流電圧を発生する直流電圧発生手段と、
前記酸素センサによる酸素濃度の検出が不要な所定条件
下で前記検出回路から前記センサ素子への通電経路を遮
断し、その後前記電圧印加時間だけ、前記センサ素子の
電極間に、前記直流電圧発生手段からの直流電圧を前記
検出回路による通電時の電圧印加方向とは逆方向に印加
する通電経路切換手段と、を備えたことを特徴とする。
【0029】この請求項3に記載の酸素センサの劣化抑
制装置は、請求項1に記載の発明方法を実現する装置で
あり、直流電圧発生手段が、上記活性化処理のための直
流電圧を発生し、通電経路切換手段が、この活性化処理
を実行可能な所定条件下で、検出回路からセンサ素子へ
の通電経路を遮断して、その後、所定の電圧印加時間だ
け、センサ素子の電極間に、直流電圧発生手段からの直
流電圧を検出回路による通電時の電圧印加方向とは逆方
向に印加する。
【0030】従って、本発明の劣化抑制装置によれば、
上記請求項1に記載の劣化抑制方法を実現して、センサ
素子を一方向に通電する通常時の使用によってセンサ素
子が劣化するのを良好に抑制することができる。また、
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の酸素センサ
の劣化抑制装置において、前記酸素センサは、前記セン
サ素子が、前記検出回路による通電によって酸素が汲み
出される多孔質電極側を閉塞する閉塞部材と、該閉塞部
材により該多孔質電極側に形成された閉塞空間内の酸素
の一部を外部に漏出させる漏出抵抗部とを備え、前記検
出回路が、前記センサ素子に一定電流を流すことにより
前記閉塞空間を内部酸素基準源として機能させ、そのと
きの電極間電圧に基づき酸素濃度を検出する、酸素基準
自己生成型の酸素センサであり、更に、前記センサ素子
に対して、前記検出回路が前記センサ素子に流す一定電
流と同方向でしかも該一定電流よりも大きい所定の復帰
電流を流すための復帰電流通電手段を備え、前記通電経
路切換手段は、前記直流電圧発生手段からの直流電圧を
前記センサ素子の電極間に印加した後、更に所定の復帰
電流通電時間だけ、前記センサ素子に前記復帰電流通電
手段を接続して前記復帰電流を流し、前記閉塞空間内の
酸素濃度を前記直流電圧印加前の酸素濃度に復帰させる
ことを特徴とする。
【0031】この請求項4に記載の酸素センサの劣化抑
制装置は、請求項2に記載の発明方法を実現する装置で
あり、請求項3に記載の装置のように、活性化処理のた
めの直流電圧を発生する直流電圧発生手段が備えられる
だけでなく、センサ素子に対して、検出回路がセンサ素
子に流す一定電流と同方向でしかもこの一定電流よりも
大きい所定の復帰電流を流すための復帰電流通電手段が
備えられる。そして、通電経路切換手段が、活性化処理
のためにセンサ素子に直流電圧を印加した後、所定の復
帰電流通電時間だけ、センサ素子に復帰電流通電手段を
接続して、センサ素子に復帰電流を流す。
【0032】従って、本発明の劣化抑制装置によれば、
上記請求項2に記載の劣化抑制方法を実現して、センサ
素子を一方向に通電する通常時の使用によってセンサ素
子が劣化するのを良好に抑制できると共に、活性化処理
後、酸素センサが酸素濃度を検出できるようになるまで
の時間を短縮できる。
【0033】また次に請求項5に記載の発明は、請求項
3又は請求項4に記載の酸素センサの劣化抑制装置にお
いて、前記酸素センサは、内燃機関の空燃比検出用の酸
素センサであり、前記通電経路切換手段は、内燃機関側
にて燃料供給を一時停止する燃料カット制御が実行され
ているとき、前記所定条件が成立したと判断して、前記
検出回路から前記センサ素子への通電経路を遮断して、
前記センサ素子の電極間に直流電圧を印加することを特
徴とする。
【0034】この請求項5に記載の劣化抑制装置は、内
燃機関の排気中の酸素濃度から内燃機関に供給された燃
料混合気の空燃比を検出する、空燃比検出用の酸素セン
サの劣化を抑制するためのものであり、内燃機関側にて
燃焼供給を一時停止する燃料カット制御が実行されてい
るときに、上述の活性化処理、或は活性化処理及び復帰
電流の通電処理、を実行するようにされている。
【0035】これは、燃料カット制御が実行されている
ときには、内燃機関から排出される測定ガスはリーン雰
囲気,即ち略大気となるため、活性化処理を行う酸素セ
ンサ周囲の雰囲気中の酸素濃度を特定でき、また、燃料
カット制御の実行条件も予め設定されているため、その
ときの酸素センサの温度も特定し易く、活性化処理を行
う際の直流電圧やその印加電圧、或は復帰電流の通電処
理を行う際の電流値及び通電時間も、その使用環境(周
囲雰囲気中の酸素濃度,センサ温度)に応じて最適値を
設定でき、活性化処理や復帰電流の通電処理を良好に行
うことができるからである。
【0036】つまり、内燃機関において、空燃比検出用
の酸素センサの検出結果が不要な運転条件としては、上
記燃料カット制御の実行時の他、内燃機関始動後の暖機
運転時、燃料の増量補正を行う内燃機関の加速運転時、
或は内燃機関の運転が停止されるイグニッションスイッ
チのOFF時等が考えられ、こうした各条件下で、活性
化処理や復帰電流通電処理を実行しても、酸素センサの
劣化を抑制できる。しかし、内燃機関の暖機運転時に
は、ヒータの通電を開始して酸素センサを加熱している
状態であり、センサ温度を特定することは難しく、また
酸素センサの周囲雰囲気中の酸素濃度を特定することも
できない。また、内燃機関の加速運転時も、燃料の増量
等によって排気中の酸素濃度が大きく変化することか
ら、酸素センサの周囲雰囲気中の酸素濃度を特定するこ
とができない。また、イグニッションキーのOFF時に
は、内燃機関の制御系が動作しないため、活性化処理等
にその制御系の回路を用いることができず、活性化処理
等のための装置を別途設けなければならない。
【0037】そこで、本発明では、酸素センサの使用環
境を略正確に特定でき、しかも内燃機関の制御系が動作
している内燃機関の燃料カット制御実行時に、活性化処
理及び復帰電流の通電処理を実行することにより、これ
ら処理を、正確に、しかも内燃機関の制御系の装置を利
用して簡単に実行できるようにしているのである。
【0038】なお、内燃機関の燃料カット制御は、内燃
機関の高負荷運転からの減速時等に行われるものであ
り、1回当たりの実行時間は短く、活性化処理や復帰電
流の通電処理を実行可能な時間も数秒程度であるが、活
性化処理を行う際の印加電圧(直流電圧)や復帰電流通
電処理を行う際の通電電流(復帰電流)は、これら各処
理を実行可能な時間から電圧印加時間や復帰電流通電時
間を設定した後、これら各時間と、酸素センサの使用環
境とに基づき設定すればよいので、活性化処理及び復帰
電流通電処理を、その短い時間内に確実に実行させるこ
とができる。
【0039】
【発明の実施の形態】以下に本発明の一実施例を図面に
従って説明する。図1は本発明が適用された実施例の酸
素センサ及びその周辺装置を表わす概略構成図、図2は
酸素センサの一部破断斜視図である。
【0040】本実施例の酸素センサ10は、自動車の動
力源となる自動車用内燃機関の排気管に取り付けられ、
排気中の酸素濃度から内燃機関に供給された燃料混合気
の空燃比を検出する、空燃比検出用の酸素センサであ
り、図2に示すように、固体電解質基板12aの両側に
多孔質電極12b,12cを形成した第1のセンサ素子
(電池素子)12と、同じく固体電解質基板14aの両
側に多孔質電極14b,14cを形成した第2のセンサ
素子(ポンプ素子)14と、これらの両素子12,14
の間に積層されて測定ガス室16を形成するスペーサ1
8とを備えている。そして、ポンプ素子14の外側に
は、スペーサ20により所定間隔を空けて、両素子1
2,14を加熱するヒータ30が取り付けられている。
【0041】ここで、電池素子12及びポンプ素子14
は、夫々、イットリア−ジルコニア固溶体からなる固体
電解質基板12a,14aの各々の両面に、矩形状の多
孔質電極12b,12c,14b,14cを形成したも
のであり、この多孔質電極12b,12c,14b,1
4cは、共素地としてのイットリア−ジルコニア固溶体
と残部白金から形成されている。尚、上記固体電解質基
板12a,14aの材料としては、イットリア−ジルコ
ニア固溶体の他に、カルシア−ジルコニア固溶体が知ら
れており、更に、二酸化セリウム、二酸化トリウム、二
酸化ハフニウムの各固溶体、ペロブスカイト型固溶体、
3価金属酸化物固溶体等が使用できる。
【0042】次に、ポンプ素子14の多孔質電極14c
は、外部から保護するために、アルミナからなる多孔質
絶縁層26により覆われている。また、測定ガス室16
は、電池素子12とポンプ素子14との間に、多孔質電
極12c,14bに対応した中空部を有するスペーサ1
8を挟んで接合することにより形成され、その中空部か
らなる測定ガス室16の内側には、上記多孔質電極12
c,14bが露出している。なお、スペーサ18の素材
としては、アルミナ、スピネル、フォルステライト、ス
テアタイト、ジルコニア等が用いられる。
【0043】また、スペーサ18には、測定ガス室16
と外部とを連通する連通孔が1又は複数設けられてお
り、該連通孔には、アルミナからなる多孔質の充填材を
詰めることによってガス拡散制限層17が形成され、測
定ガスの測定ガス室16への流入等の律速が行われる。
【0044】次に、電池素子12の外側には、多孔質電
極12bを覆うように固体電解質からなる遮蔽体24が
貼り付けられており、後述の検出回路42にて電池素子
12の多孔質電極12b側から多孔質電極12c側へと
一定電流iCPを流したときに、多孔質電極12b側に汲
み込まれた酸素がそのまま排出されないようにされてい
る。また、電池素子12には、このように多孔質電極1
2b側に汲み込まれた酸素の一部を測定ガス室16側に
漏出させるための漏出抵抗部12dが形成されている
(図1参照)。
【0045】この結果、検出回路42による一定電流i
CPの通電により、多孔質電極12b側は一定の酸素濃度
(基準濃度)となり、電池素子12には、多孔質電極1
2b側の酸素濃度を基準とする測定ガス室16内の酸素
濃度に応じた起電力EMF EMF=(RT/nF)×ln(PO1/PO2) …(1) 但し、R:ガス定数 T:絶対温度 n:酸素の価数
F:ファラデー定数 PO1,PO2:各電極側三相界面の酸素分圧 が発生し、その電極間電圧Vは、 V=iCP×Rivs +EMF …(2) 但し、Rivs は電池素子12の内部抵抗となる。
【0046】また、ヒータ30の一方の側、即ちポンプ
素子14側には、発熱パターン30aが設けられ、他方
の側には周知のマイグレーション防止パターン30bが
形成されている。次に図1に基づいて、酸素センサ10
を動作させて内燃機関排気中の酸素濃度(空燃比)を検
出すると共に、必要に応じて酸素センサ10の活性化処
理を行う、酸素センサ10の駆動系の構成及びその動作
について説明する。
【0047】図1に示すように、通常時には、電池素子
12及びポンプ素子14の測定ガス室16に接した多孔
質電極12c及び14bは、切換回路52及び抵抗器R
2 を介して接地され、他方の多孔質電極12b及び14
cは、切換回路52を介して、検出回路42に接続され
る。そして、検出回路42内では、電池素子12の遮蔽
体24側の多孔質電極12bが、他端に定電圧VCPが印
加された抵抗器R1 に接続される。この抵抗器R1 は、
電池素子12に一定電流iCP(一般には、10〜50μ
Aであり、本実施例では、15μA)を供給するための
ものであり、その抵抗値は、抵抗器R2 及び電池素子1
2の内部抵抗Rivs に比べて充分大きな値となってい
る。
【0048】次に、この抵抗器R1 の多孔質電極12b
側端部は、差動増幅器AMPの−側入力端子に接続され
ている。差動増幅器AMPの+側入力端子には、基準電
圧VCO(本実施例では、450mV)が印加されている
ため、差動増幅器AMPからは、基準電圧VCOと電池素
子12の多孔質電極12b側電圧との差に応じた電圧が
出力される。また、この差動増幅器AMPの出力は、抵
抗器R3 を介して、ポンプ素子14のヒータ30側の多
孔質電極14cに接続されている。従って、ポンプ素子
14には、差動増幅器AMPの出力に応じたポンプ電流
ipが双方向に流れることになる。
【0049】つまり、検出回路42は、電池素子12に
一定電流iCP(15μA)を流して多孔質電極12bに
酸素を汲み込むことにより、遮蔽体24にて閉塞された
多孔質電極12b側の閉塞空間を内部酸素基準源として
機能させて、電池素子12の両端に測定ガス室16内の
酸素濃度に応じた起電力EMF(前記(1) 式参照)を発
生させ、更に、電池素子12の電極間電圧V(前記(2)
式参照)が基準電圧VCOに対応した所定電圧となるよう
に、差動増幅器AMPからポンプ素子14にポンプ電流
ipを供給することにより、測定ガス室16内の酸素濃
度を一定に保つ制御を行うように構成されているのであ
る。
【0050】そして、この制御によって生じるポンプ電
流ipは、周囲の測定ガス雰囲気(つまり内燃機関の排
気)中の酸素濃度に対応するため、そのポンプ電流ip
を抵抗器R3 により電圧信号に変換して、それを排気中
の酸素濃度,延いては空燃比を表わす検出信号として、
内燃機関制御を行うマイクロコンピュータ等からなる電
子制御回路(以下、ECUという)40に出力する。
【0051】尚、検出回路42は、内燃機関の始動と共
にECU40から電源供給を受けて、電池素子12への
一定電流iCPの通電を開始する。また、ECU40は、
内燃機関の始動と共にヒータ通電回路44を動作させ、
ヒータ通電回路44がバッテリ電圧VB を受けて発熱パ
ターン30aを通電する際のヒータ電圧VH を制御する
ことにより、酸素センサ10の温度を所望の活性温度に
制御する。
【0052】次に、ECU40は、この検出回路42か
らの検出信号に基づき、内燃機関に供給する燃料混合気
の空燃比が所望空燃比となるように、内燃機関への燃料
供給量(一般に燃料噴射弁の開弁時間)を制御する空燃
比制御を実行すると共に、内燃機関始動直後の暖機運転
時や車両急加速時等の加速運転時には、空燃比制御の実
行を停止して、燃料供給量を通常より増量する燃料増量
制御を実行し、更に、車両の高速走行からの減速運転時
等には、空燃比制御の実行を一時停止して、燃料供給を
遮断する燃料カット制御を実行する、周知のものであ
り、本実施例では、ECU40が燃料カット制御に入る
と、その旨を表わす燃料カット信号を出力するようにさ
れている。
【0053】そして、酸素センサ10の駆動系には、こ
の燃料カット信号を受けると、その後所定時間(本実施
例では2sec.)だけ、切換回路52に駆動信号を出力し
て、切換回路52を通常時とは異なる方向に切り換える
タイマ回路56と、同じく燃料カット信号を受けると、
その後所定の電圧印加時間(本実施例では1.5sec.)
経過した後、所定の復帰電流通電時間(本実施例では、
0.5sec.)だけ、切換回路54に駆動信号を出力し
て、切換回路54を通常時とは異なる方向に切り換える
タイマ回路58との、2つのタイマ回路が備えられてい
る。
【0054】ここで、切換回路52は、半導体スイッ
チ,アナログスイッチ等からなる3つのスイッチング回
路から構成されており、上述したように、通常時には、
これら各スイッチング回路を介して、電池素子12及び
ポンプ素子14の測定ガス室16に接した多孔質電極1
2c及び14bを、抵抗器R2 に接続すると共に、電池
素子12及びポンプ素子14の他方の多孔質電極12b
及び14cを、検出回路42に接続するが、タイマ回路
56からの駆動信号を受けると、各スイッチング回路の
接続方向を切り換えて、電池素子12及びポンプ素子1
4の多孔質電極12c及び14bと抵抗器R2 との接続
を遮断し、これら各電極12c及び14bを切換回路5
4側に接続すると共に、電池素子12及びポンプ素子1
4の他方の多孔質電極12b及び14cと検出回路42
との接続を遮断し、電池素子12の多孔質電極12bの
みを切換回路54側に接続する。
【0055】また切換回路54は、切換回路52と同
様、半導体スイッチ,アナログスイッチ等からなる2つ
のスイッチング回路から構成されており、通常時には、
これら各スイッチング回路を介して、上記切換回路52
を介して接続される電池素子12及びポンプ素子14の
多孔質電極12c及び14bと電池素子12の他方の多
孔質電極12bとを、夫々、直流電圧発生源60側に接
続し、タイマ回路58から駆動信号が出力されると、各
スイッチング回路の接続方向を切り換えて、これら各部
を、夫々、復帰電流源62側に接続する。
【0056】そして、このように切換回路54及び52
を介して、燃料カット制御中の所定の電圧印加時間
(1.5sec.)だけ、酸素センサ10の各多孔質電極に
接続される直流電圧発生源60は、本発明の直流電圧発
生手段に相当し、その接続時に、電池素子12の測定ガ
ス室16に接した側の多孔質電極12c側を正極、他方
の多孔質電極12b側を負極として、電池素子12に所
定の直流電圧Vs(限界電流以上の電流を流すことがで
きる電圧:本実施例では、1.2〜1.4V)を印加す
る。また、切換回路54及び52を介して、直流電圧発
生源60が電池素子12に直流電圧Vsを印加した後の
所定の復帰電流通電時間(0.5sec.)だけ、酸素セン
サ10の各多孔質電極に接続される復帰電流源62は、
本発明の復帰電流通電手段に相当し、その接続時に、電
池素子12の多孔質電極12b側を正極、他方の多孔質
電極12c側を負極として、電池素子12に所定の復帰
電流iCP1 (本実施例では、0.9mA)を流す。つま
り、この復帰電流源62は、検出回路42内にて定電流
回路を構成する抵抗器R1と定電圧源VCPと同様、抵抗
器R5と定電圧源VCP1 とを備え、通常時に電池素子1
2に流す一定電流iCPと同方向で、しかもこの一定電流
iCPに比べて極めて大きい復帰電流iCP1 を電池素子1
2に流す。
【0057】以上説明したように、本実施例では、酸素
センサ10を用いて内燃機関排気中の酸素濃度(空燃
比)を検出する際には、電池素子12に一定電流iCPを
流して、遮蔽体24にて閉塞された多孔質電極12b側
に一定量の酸素を汲み出すことにより、その閉塞空間を
内部酸素基準源として機能させる。従って、その使用時
間が長くなると、多孔質電極12bに酸素が結合して、
電池素子12の内部抵抗Rivs が上昇し、排気中の酸素
濃度を良好に検出できなくなることがある。
【0058】しかし、本実施例では、内燃機関の燃料カ
ット制御実行時には、ECU40からその旨を表わす燃
料カット信号を出力させて、タイマ回路56,58によ
り切換回路52,54を夫々駆動することにより、燃料
カット制御実行中の所定時間(2sec.)だけ検出回路4
2の動作を停止させ、その動作の停止中、所定の電圧印
加時間(1.5sec.)の間は、電池素子12の多孔質電
極12b−12c間に、直流電圧発生源60からの直流
電圧Vs(1.2V〜1.4V)を、一定電流iCPの通
電方向とは逆方向に印加し、更に、残りの復帰電流通電
時間(0.5sec.)の間は、電池素子12に、復帰電流
源62により、通常時の通電電流iCP(15μA)より
も極めて大きい所定の復帰電流iCP1 (0.9mA)を
流すようにしている。
【0059】従って、本実施例の酸素センサ10におい
ては、検出回路42による一定電流iCPの通電によっ
て、電池素子12の多孔質電極12bに酸素が結合した
こと等により、内部抵抗Rivs が大きくなったとして
も、内燃機関の燃料カット制御実行時に電池素子12の
多孔質電極間に印加される直流電圧Vsにより、電池素
子12に通常時の通電方向とは逆方向に電流を流して、
多孔質電極12bに結合した酸素を除去することがで
き、多孔質電極12bに結合した酸素によって電池素子
12の内部抵抗が大きくなって酸素センサ10による酸
素濃度の検出精度が低下するのを防止できる。
【0060】また、直流電圧Vsの印加後は、電池素子
12に通常よりも大きい復帰電流iCP1 を流すので、直
流電圧Vsの印加によって電池素子12の多孔質電極1
2b側の酸素がなくなっても、この多孔質電極12b側
の酸素濃度を直流電圧印加前の酸素濃度に速やかに復帰
させることができ、所定時間(2sec.)が経過して検出
回路42が検出動作を再開した直後から、多孔質電極1
2b側の閉塞空間を内部酸素基準源として機能させて、
酸素濃度の検出を通常通り正確に行うことが可能にな
る。
【0061】ここで、本実施例では、直流電圧Vsの印
加及び復帰電流iCP1 の通電を行う処理時間(タイマ回
路56の計時時間)として、「2sec.」を設定している
が、これは、当該実施例の酸素センサ10を組付ける内
燃機関において、燃料カット制御の実行中に割り当て可
能な時間が最低2sec.間であったためであり、内燃機関
において燃料カット制御中に割り当て可能な時間に応じ
て、この処理時間を長く又は短くすることができる。
【0062】そして、本実施例では、この処理時間(2
sec.)内で、直流電圧Vsを印加する活性化処理のため
の処理時間と、復帰電流iCP1 を流す通電処理のための
処理時間とを、夫々、「1.5sec.」,「0.5sec.」
として設定し、各時間内で活性化処理及び通電処理を各
々良好に実行できるように、直流電圧Vs及び復帰電流
iCP1 の値が設定されている。
【0063】そこで、次に、これら各値の設定及び効果
の確認のために行った試験について説明する。 [試験1…直流電圧Vsの設定]まず、燃料カット制御
は、内燃機関の高負荷・高速運転からの減速運転時に行
われるため、直流電圧Vsを印加する活性化処理の実行
時には、酸素センサ10は通常運転時よりも高い排気温
に曝されることによって、各素子の温度は通常より高く
なっていると考えられる。そこで、活性化処理実行時に
は、センサ素子温度は、ヒータ30の通電制御による通
常時の温度(700℃程度)よりも高い800℃〜90
0℃になっているものとして、内部抵抗Rivs が200
〜300Ω(正常時:100Ω程度)であり、既に劣化
している電池素子12を備えた酸素センサ10を用い
て、活性化処理の際に電池素子12に印加する直流電圧
(印加電圧ともいう)Vsの最適範囲を実験的に求め
た。その測定結果を図3に示す。
【0064】なお、図3に示す測定結果は、センサ素子
温を850℃として、大気中にて、図1に示した検出回
路42を一定時間(10分間)動作させ、その後、1.
5sec.間だけ、Vs=0.8V,Vs=1.2V,Vs
=1.4V,Vs=1.8V,Vs=2.0Vの直流電
圧Vsを電池素子12に逆方向に印加する、といった手
順で、複数の酸素センサ10に対して活性化処理を10
サイクル実行し、この活性化処理実行前の電池素子12
の内部抵抗Rivs(n-1)と活性化処理後の電池素子12の
内部抵抗Rivs(n)とから、内部抵抗Rivs の変化率△R
ivs {=(Rivs(n)−Rivs(n-1))/Rivs(n-1)}を求
め、更に比較のために、同様の条件で活性化処理を実行
せずに酸素センサ10を動作させて、その内部抵抗Riv
s の変化率△Rivs を求めた結果を表わす。
【0065】そして、この測定結果から明らかな如く、
直流電圧Vsを0.8Vに設定した場合には、センサ素
子温850℃として大気中(換言すれば燃料カット制御
中)で電池素子12に限界電流を流しても、その内部抵
抗Rivs を小さくすることはできなかったのに対し、直
流電圧Vs=1.2V以上では、活性化処理を行わない
場合に比べて、電池素子12の内部抵抗Rivsを低下
(換言すれば電池素子12を活性化)できることが判っ
た。但し、直流電圧Vs=2.0Vとした場合には、電
池素子12にブラックニングが発生し、直流電圧Vs=
1.8Vとした場合にも、微小量ではあるが、電池素子
12にブラックニングが発生することも判った。
【0066】そこで更に、直流電圧Vsの下限値と上限
値とを特定すべく、上記と同様の試験を、Vs=1.0
V,1.6Vについても行ったところ、電池素子12の
内部抵抗を低下できることを確認できた。従って、本実
施例のように、酸素基準自己生成型の電池素子を備えた
空燃比検出用の酸素センサにおいて、その活性化処理時
間を1.5sec.として、燃料カット制御実行中に活性化
処理を行う際には、活性化処理のための電池素子への印
加電圧Vsは、1.0V〜1.6Vの範囲内、より好ま
しくは1.2〜1.4Vの範囲内に設定すればよいこと
が判る。
【0067】なお、上記試験は、センサ素子温850℃
で行ったが、上記と略同様の試験をセンサ素子温800
℃,900℃として行ったところ、Vs=0.8V〜
1.6Vの範囲内(特に、センサ素子温800℃ではV
s=1.0V〜1.4V,センサ素子温900℃ではV
s=0.8V〜1.2Vが好ましい)では、電池素子1
2の内部抵抗Rivs を低減でき、活性化処理による効果
が得られることも判った。従って、燃料カット制御実行
時の素子温度がある程度変化しても、この範囲内の直流
電圧Vsを1.5sec.間印加することにより、電池素子
12の劣化を抑制できることが判る。
【0068】また、直流電圧Vs=1.2V、その印加
時間を0.5sec.,1.0sec.,1.5sec.,2.0se
c.とし、活性化処理を10分間に1回行うものとして、
上記と同様の試験を行ったところ、これら各印加時間で
も電池素子12の内部抵抗Rivs を低減できることが確
認できた。従って、燃料カット制御中に活性化処理を実
行可能な時間が更に短くなっても、直流電圧Vsの印加
によって電池素子12の劣化を防止できることが判る。 [試験2…復帰電流iCP1 の設定]次に、直流電圧Vs
印加後に電池素子12に0.5sec.間通電する復帰電流
iCP1 を設定するために、大気中でセンサ素子温を80
0℃として、検出回路42による制御を実行しつつ、1
分毎に、1.5秒間、Vs=1.4Vを電池素子12に
逆方向に印加し、その後、0.5秒間、復帰電流iCP1
=0.8mA,0.9mA,1.5mA通電すること
を、10サイクル繰り返した後、0.5秒間の復帰電流
通電中に、電池素子12の両電極12b,12c間の起
電力を測定する試験を行い、この起電力が、VL の90
%以上となれば良好であるものとして、良否を判定し
た。尚、VL とは、劣化していない電池素子12を大気
中で約700℃に加熱してiCP=15μAを流したとき
の電池素子12の両電極間の起電力を示す。
【0069】この結果、本実施例のように、酸素基準自
己生成型の電池素子を備えた空燃比検出用の酸素センサ
において、直流電圧Vsの印加による活性化処理を行っ
た後、0.5sec.間の通電により、電池素子12の多孔
質電極12b側酸素濃度を電圧印加前の酸素濃度に復帰
させるためには、復帰電流iCP1 を0.9mA〜1.0
mAの範囲内に設定すればよいことが判った。
【0070】なお、復帰電流iCP1 =0.9mA、その
通電時間を0.5sec.,1.0sec.,1.5sec.とし
て、上記と同様の試験を行ったところ、これら各通電時
間でも電池素子12の多孔質電極側酸素濃度を問題なく
復帰できることが確認できた。 [試験3…効果の確認]次に、本実施例のように、制御
の実行頻度が車両の運転条件によって大きく変化する燃
料カット制御実行中に、電池素子12に対して、1.5
秒間直流電圧Vsを印加し、その後0.5秒間復帰電流
iCP1 を流すことにより、電池素子12の劣化を抑制で
きることを確認するために、検出回路42を通常通り動
作させながら、約1時間に1回の割で活性化処理を行う
低頻度の耐久試験と、同じく検出回路42を通常通り動
作させながら1分間に1回の割で活性化処理を行う高頻
度の耐久試験と、を夫々行い、そのときの電池素子12
の内部抵抗Rivs の変化を測定した。
【0071】以下、この試験結果について説明する。 (1) 低頻度耐久試験 この試験は、製造直後の新品の酸素センサと、使用によ
って既に電池素子12が劣化している劣化品の酸素セン
サとを、夫々、多数用意し、各酸素センサ毎に、1.0
V,1.2V,1.4Vの直流電圧Vsを1.5sec.間
印加し、その後、0.9mAの復帰電流iCP1 を0.5
sec.間通電する活性化処理を行うことにより実行した。
また、この試験は、酸素センサ10の使用によって電池
素子12が劣化するように、検出回路42を通常通り動
作させるが、このときの動作条件を実際の内燃機関の運
転状態に合わせるために、センサ素子温が60分間は7
00℃、5分間は850℃となるように温度制御して、
大気中にて行い、しかも活性化処理は、センサ素子温を
5分間850℃として酸素センサ10が大気に晒された
直後に行った。また比較のために、活性化処理を実行し
ない酸素センサについても耐久試験を行った。
【0072】この試験結果の内、新品の酸素センサに対
する試験結果を、[表1]及び図4に、劣化品の酸素セ
ンサに対する試験結果を、[表2]及び図5に示す。な
お、これら各表及び図において、「CYC.」は、活性化処
理の実行回数(サイクル)を表し、△Rivs は、試験開
始前の電池素子12の内部抵抗Rivs に対する変化率を
表す。
【0073】そして、この試験結果から、約1時間に1
回の割でしか活性化処理を実行できない場合、つまり燃
料カット制御の実行頻度が極めて低いような場合であっ
ても、直流電圧Vsを1.0V,1.2V,1.4Vと
して、1.5sec.間印加する活性化処理を実行すれば、
使用によって新品の酸素センサ10の内部抵抗Rivsが
増加するのを防止できると共に、既に劣化している酸素
センサ10の内部抵抗Rivs を減少させることができ、
酸素センサの劣化を良好に抑制できることが判る。
【0074】
【表1】
【0075】
【表2】
【0076】(2) 高頻度耐久試験 この試験は、上記低頻度耐久試験と同様、製造直後の新
品の酸素センサと、使用によって既に電池素子12が劣
化している劣化品の酸素センサとを、夫々、多数用意
し、各酸素センサ毎に、1.2V,1.4Vの直流電圧
Vsを1.5sec.間印加し、その後、0.9mAの復帰
電流iCP1 を0.5sec.間通電する活性化処理を行うこ
とにより実行した。また、この試験も、酸素センサ10
の使用によって電池素子12が劣化するように、検出回
路42を通常通り動作させるが、燃料カット制御が頻繁
に実行されるときの内燃機関の運転状態に合わせるため
に、センサ素子温850℃となるようにして大気中にて
行った。また比較のために、活性化処理を実行しない酸
素センサについても耐久試験を行った。
【0077】この試験結果を、[表3],[表4]及び
図6に示す。そして、この試験結果から、1分間に1回
の割で活性化処理を実行した場合、つまり燃料カット制
御の実行頻度が極めて高いような場合であっても、直流
電圧Vsを1.2V,1.4Vとして、1.5sec.間印
加する活性化処理を実行すれば、使用によって新品の酸
素センサ10の内部抵抗Rivs が増加するのを防止でき
ると共に、既に劣化している酸素センサ10の内部抵抗
Rivs を減少させることができ、酸素センサの劣化を良
好に抑制できることが判る。
【0078】
【表3】
【0079】
【表4】
【0080】以上、本発明の一実施例として、自動車用
内燃機関の空燃比を検出する酸素センサにおいて、その
使用時に内部酸素基準源を有する電池素子が劣化するの
を防止するために、内燃機関の燃料カット制御中に、直
流電圧Vsの印加及び復帰電流iCP1 の通電を行う活性
化処理を実行するようにした、酸素センサの劣化抑制装
置について説明したが、本発明は、こうした実施例に限
定されるものではなく、種々の態様をとることができ
る。
【0081】例えば、活性化処理は、酸素センサによる
検出信号が不要な時間(つまり空燃比制御の非実行時)
に実行すればよいため、内燃機関の運転停止時に実行す
るようにしてもよい。また、空燃比制御の非実行時間に
余裕があれば、活性化処理では、直流電圧Vsの印加の
みを行い、その後の検出回路の動作によって、電池素子
の内部酸素基準源を復帰させるようにしてもよい。
【0082】また、上記実施例では、一対のセンサ素子
(電池素子12及びポンプ素子14)を備え、電池素子
12の電極間電圧VS が一定となるようにポンプ素子1
4に流れるポンプ電流ipを制御して、酸素濃度を検出
する酸素センサについて説明したが、本発明は、限界電
流式の酸素センサであっても、或いは内部酸素基準源を
有する電池素子のみを備えた酸素センサであっても、適
用できる。つまり本発明は、ジルコニア等からなる固体
電解質の両面に多孔質電極を設けたセンサ素子を備え、
それを常時一定方向に通電する酸素センサであれば、ど
のようなタイプの酸素センサであっても適用することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の空燃比センサ及びその周辺装置を表
わす概略構成図である。
【図2】 実施例の空燃比センサの一部破断斜視図であ
る。
【図3】 活性化処理に用いる直流電圧設定のための測
定結果を表す説明図である。
【図4】 新品の酸素センサに対する低頻度耐久試験の
測定結果を表す説明図である。
【図5】 劣化品の酸素センサに対する低頻度耐久試験
の測定結果を表す説明図である。
【図6】 高頻度耐久試験の測定結果を表す説明図であ
る。
【符号の説明】
10…空燃比センサ 12…センサ素子(電池素子) 14…第2のセンサ素子(ポンプ素子) 12a,1
4a…固体電解質基板 12b,12c,14b,14c…多孔質電極 12
d…漏出抵抗部 16…測定ガス室 17…ガス拡散制限層 18,
20…スペーサ 24…遮蔽体 26…多孔質絶縁層 30…ヒータ 30a…発熱パターン 40…ECU(電子制御回
路) 42…検出回路 44…ヒータ通電回路 52,54…切換回路 5
6,58…タイマ回路 60…直流電圧発生源 62…復帰電流源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 哲正 愛知県名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日 本特殊陶業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸素イオン伝導性の固体電解質両面に一
    対の多孔質電極を配設してなるセンサ素子と、該センサ
    素子近傍に配設され、通電により発熱して前記センサ素
    子を加熱するヒータと、該ヒータに通電して前記センサ
    素子を所定温度に加熱するヒータ通電回路と、前記セン
    サ素子に所定方向に通電し、この通電時に前記電極間に
    生じた電圧又は通電電流に基づき周囲雰囲気中の酸素濃
    度を検出する検出回路と、を備えた酸素センサにおい
    て、前記センサ素子の劣化を抑制する酸素センサの劣化
    抑制方法であって、 前記酸素センサによる酸素濃度の検出が不要な所定条件
    下で前記検出回路の動作を停止させると共に、その後、
    所定の電圧印加時間だけ、前記センサ素子の電極間に、
    前記センサ素子にブラックニングを発生させることなく
    前記センサ素子の限界電流値よりも大きい電流を通電可
    能な所定の直流電圧を、前記検出回路による通電時の電
    圧印加方向とは逆方向に印加することを特徴とする酸素
    センサの劣化抑制方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の酸素センサの劣化抑制
    方法において、前記酸素センサは、前記センサ素子が、
    前記検出回路による通電によって酸素が汲み出される多
    孔質電極側を閉塞する閉塞部材と、該閉塞部材により該
    多孔質電極側に形成された閉塞空間内の酸素の一部を外
    部に漏出させる漏出抵抗部とを備え、前記検出回路が、
    前記センサ素子に一定電流を流すことにより前記閉塞空
    間を内部酸素基準源として機能させ、そのときの電極間
    電圧に基づき酸素濃度を検出する、酸素基準自己生成型
    の酸素センサであり、 前記直流電圧の印加後、更に所定の復帰電流通電時間だ
    け、前記センサ素子に、前記検出回路が前記センサ素子
    に流す一定電流と同方向でしかも該一定電流よりも大き
    い所定の復帰電流を流して、前記閉塞空間内の酸素濃度
    を前記直流電圧印加前の酸素濃度に速やかに復帰させる
    ことを特徴とする酸素センサの劣化抑制方法。
  3. 【請求項3】 酸素イオン伝導性の固体電解質両面に一
    対の多孔質電極を配設してなるセンサ素子と、該センサ
    素子近傍に配設され、通電により発熱して前記センサ素
    子を加熱するヒータと、該ヒータに通電して前記センサ
    素子を所定温度に加熱するヒータ通電回路と、前記セン
    サ素子に所定方向に通電し、この通電時に前記電極間に
    生じた電圧又は通電電流に基づき周囲雰囲気中の酸素濃
    度を検出する検出回路と、を備えた酸素センサにおい
    て、前記センサ素子の劣化を抑制する酸素センサの劣化
    抑制装置であって、 前記センサ素子に限界電流値よりも大きい電流を通電可
    能で、しかも、所定の電圧印加時間前記センサ素子に印
    加しても前記センサ素子にブラックニングが発生するこ
    とのない所定の直流電圧を発生する直流電圧発生手段
    と、 前記酸素センサによる酸素濃度の検出が不要な所定条件
    下で前記検出回路から前記センサ素子への通電経路を遮
    断し、その後前記電圧印加時間だけ、前記センサ素子の
    電極間に、前記直流電圧発生手段からの直流電圧を前記
    検出回路による通電時の電圧印加方向とは逆方向に印加
    する通電経路切換手段と、 を備えたことを特徴とする酸素センサの劣化抑制装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の酸素センサの劣化抑制
    装置において、前記酸素センサは、前記センサ素子が、
    前記検出回路による通電によって酸素が汲み出される多
    孔質電極側を閉塞する閉塞部材と、該閉塞部材により該
    多孔質電極側に形成された閉塞空間内の酸素の一部を外
    部に漏出させる漏出抵抗部とを備え、前記検出回路が、
    前記センサ素子に一定電流を流すことにより前記閉塞空
    間を内部酸素基準源として機能させ、そのときの電極間
    電圧に基づき酸素濃度を検出する、酸素基準自己生成型
    の酸素センサであり、 更に、前記センサ素子に対して、前記検出回路が前記セ
    ンサ素子に流す一定電流と同方向でしかも該一定電流よ
    りも大きい所定の復帰電流を流すための復帰電流通電手
    段を備え、 前記通電経路切換手段は、前記直流電圧発生手段からの
    直流電圧を前記センサ素子の電極間に印加した後、更に
    所定の復帰電流通電時間だけ、前記センサ素子に前記復
    帰電流通電手段を接続して前記復帰電流を流し、前記閉
    塞空間内の酸素濃度を前記直流電圧印加前の酸素濃度に
    復帰させることを特徴とする酸素センサの劣化抑制装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項3又は請求項4に記載の酸素セン
    サの劣化抑制装置において、前記酸素センサは、内燃機
    関の空燃比検出用の酸素センサであり、前記通電経路切
    換手段は、内燃機関側にて燃料供給を一時停止する燃料
    カット制御が実行されているとき、前記所定条件が成立
    したと判断して、前記検出回路から前記センサ素子への
    通電経路を遮断して、前記センサ素子の電極間に直流電
    圧を印加することを特徴とする酸素センサの劣化抑制装
    置。
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