JP4819838B2 - ガスセンサ制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、NOxガスやアンモニアガス等の濃度を検出するガスセンサ素子を制御するガスセンサ制御装置に関し、詳細には、ガスセンサ素子をヒータにより加熱して活性化させるヒータ制御処理を行うガスセンサ制御装置に関する。
従来より、第1測定室、第1酸素ポンプセル、第2測定室、第2酸素ポンプセル、基準酸素室、酸素濃度検出セルを備えるガスセンサ素子が知られている(例えば、特許文献1参照)。このガスセンサ素子では、酸素イオン伝導性の固体電解質層を多孔質の電極で挟んでなる第1酸素ポンプセルおよび酸素濃度検出セルを有している。また、第1拡散律速層を介して測定対象ガス側に連通された第1測定室と、酸素イオン伝導性の固体電解質層を多孔質の電極で挟んでなる第2酸素ポンプセルを有している。そして、上記各セルと、第2拡散律速層を介して前記第1測定室と連通された第2測定室とを備えたセンサ本体を用いて、測定対象ガス中のNOx濃度を検出するようになっている。
具体的には、ポンプ電流制御手段が、酸素濃度検出セルの出力電圧が一定値となるように第1酸素ポンプセルにて前記第1測定室から酸素を汲み出し、第1測定室から第2測定室に流入する測定対象ガスの酸素濃度を一定に制御する。そして、定電圧印加手段が、第2酸素ポンプセルに前記第2測定室から酸素を汲み出す方向に一定電圧を印加し、窒素酸化物濃度検出手段が、この一定電圧の印加によって第2酸素ポンプセルに流れる電流値に基づき、測定対象ガス中のNOx濃度を検出する。
また、この従来の窒素酸化物濃度検出装置では、上記検出方法によってNOx濃度を正確に検出するには、ガスセンサ素子を所定活性温度(例えば800℃以上)まで加熱して、各セルを活性化させる必要があることから、各セルを加熱するためのヒータが別途設けられている。このガスセンサ素子の温度を制御する方法としては、酸素濃度検出セルの内部抵抗を検出し、この内部抵抗に基づいて求めたセンサ温度からヒータの通電を制御している。従来のガスセンサ素子では、ヒータの通電後に、酸素濃度検出セルの内部抵抗が目標とする内部抵抗値になるようにヒータの通電を制御することも行われている。
特開平10−288595号公報
しかしながら、上記従来のガスセンサ素子では、特定ガス濃度(NOx濃度)を検出するためのセンサ出力値(第2酸素ポンプセルの電極間に流れる電流値)が、目標とする測定濃度範囲に対応した値に安定するまでの時間(本明細書では、この時間を活性化時間と称する)がかかる傾向にあった。つまり、ガスセンサ素子の起動後、測定対象ガス中の特定ガス濃度を目標とする測定濃度範囲から正確に測定できるようになるまでには、比較的長い待ち時間を設定する必要があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、複数のセルと、複数のセルを加熱するヒータとを備え、複数のセルのうちの1つの電極間に測定対象ガスの特定ガス濃度に応じて電流が流れるガスセンサ素子の活性化時間を従来より短くできるガスセンサ制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために請求項1に係る発明のガスセンサ制御装置は、酸素イオン導電体および該酸素イオン導電体上に形成された一対の電極を有するセルを複数備えると共に、通電により発熱して前記複数のセルを加熱するヒータを備え、複数の前記セルのうちの1つの電極間に測定対象ガスの特定ガス濃度に応じて電流が流れるガスセンサ素子の制御装置であって、複数の前記セルの何れかのセルを測定対象セルとして、その測定対象セルの抵抗値を検出する抵抗値検出手段と、前記抵抗値検出手段の検出結果が第1の所定抵抗値になるように、前記ヒータの通電を制御し、その後、前記第1の所定抵抗値よりも大きい第2の所定抵抗値になるように、前記ヒータの通電を制御するヒータ制御手段とを備えている。
また、請求項2に係る発明のガスセンサ制御装置は、酸素イオン導電体および該酸素イオン導電体上に形成された一対の電極を有するセルを複数備えると共に、通電により発熱して前記複数のセルを加熱するヒータを備え、複数の前記セルのうちの1つの電極間に測定対象ガスの特定ガス濃度に応じて電流が流れるガスセンサ素子の制御装置であって、複数の前記セルの何れかのセルを測定対象セルとして、その測定対象セルの抵抗値を検出する抵抗値検出手段と、前記抵抗値検出手段の検出結果が所定の基準抵抗値未満か否かを判断する第1抵抗値判断手段と、前記第1抵抗値判断手段により、前記抵抗値検出手段の検出結果が所定の基準抵抗値未満と判断された場合に、前記複数のセルへの通電を開始するセル通電開始手段と、前記第1抵抗値判断手段により、前記抵抗値検出手段の検出結果が所定の基準抵抗値未満と判断された場合に、前記抵抗値検出手段の検出結果が前記基準抵抗値未満の第1の所定抵抗値になるように、前記ヒータの通電を制御し、その後、前記第1の所定抵抗値よりも大きく、前記基準抵抗値未満の第2の所定抵抗値になるように、前記ヒータの通電を制御するヒータ制御手段とを備えている。
また、請求項3に係る発明のガスセンサ制御装置は、請求項1又は2に記載の発明の構成に加え、前記ガスセンサ素子は、前記複数のセルとして、第1測定室に導入された測定対象ガスの酸素濃度を検出する酸素濃度検出セルと、前記酸素濃度検出セルによって検出された酸素濃度に基づき、前記第1測定室における測定対象ガスの酸素の汲み出し又は汲み入れを行い、酸素濃度が制御された調整ガスを生成する第1酸素ポンプセルと、前記第1測定室に連通しつつ前記調整ガスが導入される第2測定室に一対の電極の一方が配置され、当該一対の電極間に所定の電圧を印加することにより、当該一対の電極間に前記特定ガス濃度に応じた電流が流れる第2酸素ポンプセルとを含むことを特徴とする。
また、請求項4に係る発明のガスセンサ制御装置は、請求項1乃至3の何れかに記載の発明の構成に加え、前記測定対象セルの電圧を検出する電圧検出手段を備え、前記抵抗値検出手段は、前記測定対象セルの一対の電極間における電圧が所定の閾電圧未満になった場合に、当該測定対象セルの抵抗値の測定を開始することを特徴とする。
また、請求項5に係る発明のガスセンサ制御装置は、請求項3に記載の発明の構成に加え、前記測定対象セルは、前記酸素濃度検出セルであることを特徴とする。
また、請求項6に係る発明のガスセンサ制御装置は、請求項1乃至5の何れかに記載の発明の構成に加え、前記第1の所定抵抗値をR1(単位:Ω)、前記第2の所定抵抗値をR2(単位:Ω)としたときに、R2−R1≧50の関係を満たすことを特徴とする。
尚、本発明において、酸素イオン導電体上に形成された一対の電極を有するセル(測定対象セル)の抵抗値を抵抗値検出手段により検出する方法としては、例えば、当該セルの一対の電極間に内部抵抗検出用の定電圧を印加し、そのときの当該セルの電極間に流れる電流(電流変化量)を検出するようにすれば良い。また、当該セルの一対の電極間に内部抵抗検出用の定電流を流し、そのときの当該セルの一対の電極間の電圧(電圧変化量)を検出するようにすれば良い。このようにすることにより、CPU等で演算することにより、酸素イオン導電体からなるセルの抵抗値が求められる。
請求項1に係る発明のガスセンサ制御装置によれば、何れかのセルを測定対象セルとして、まず、その測定対象セルの抵抗値が第1の所定抵抗値になるように、ヒータの通電を制御する。その後、第1の所定抵抗値よりも大きい第2の所定抵抗値になるように、ヒータ制御手段がヒータの通電を制御する。これにより、ガスセンサ素子の起動後、測定対象ガス中の特定ガス濃度を目標とする測定濃度範囲から正確に測定できるまでの時間(活性化時間)の早期化を図ることができる。また、本発明では、第1の所定抵抗値になるようにヒータの通電を制御した後に第2の所定抵抗値になるようにヒータの通電を制御するようにしている。このため、ガスセンサ素子が過剰に加熱されることを抑えることができ、ガスセンサ素子の劣化を抑制しつつガスセンサ素子の活性化時間を従来より短くすることができる。
請求項2に係る発明のガスセンサ制御装置によれば、何れかのセルを測定対象セルとして、その測定対象セルの抵抗値が所定の基準抵抗値未満と判断された場合に、抵抗値が基準抵抗値未満の第1の所定抵抗値になるように、ヒータの通電を制御する。その後、第1の所定抵抗値よりも大きく、基準抵抗値未満の第2の所定抵抗値になるように、ヒータ制御手段がヒータの通電を制御する。これにより、ガスセンサ素子の起動後、測定対象ガス中の特定ガス濃度を目標とする測定濃度範囲から正確に測定できるまでの時間(活性化時間)の早期化を図ることができる。また、本発明では、第1の所定抵抗値になるようにヒータの通電を制御した後に第2の所定抵抗値になるようにヒータの通電を制御するようにしているため、ガスセンサ素子が過剰に加熱されることを抑えることができる。したがって、ガスセンサ素子の劣化を抑制しつつガスセンサ素子の活性化時間を従来より短くすることができる。
さらに、本発明のガスセンサ制御装置によれば、第1抵抗値判断手段により、抵抗値検出手段の検出結果が所定の基準抵抗値未満と判断された場合に、複数のセルへの通電を開始するセル通電開始手段を有している。そのため、セルの内部抵抗が比較的低い状態から通電が開始され、セルの電極間電圧に過電圧が生ずるのを抑制することができ、このような観点からもガスセンサ素子が劣化するのを抑制することができる。
請求項3に係る発明のガスセンサ制御装置によれば、複数のセルとして、酸素濃度検出セルと、第1酸素ポンプセルと、一対の電極間に所定の電圧を印加することにより、一対の電極間に特定ガス濃度に応じた電流が流れる第2酸素ポンプセルとを含むガスセンサ素子において、ガスセンサ素子の起動後、測定対象ガス中の特定ガス濃度を目標とする測定濃度範囲から正確に測定できるまでの時間(活性化時間)の早期化を図ることができる。
請求項4に係る発明のガスセンサ制御装置によれば、ヒータ制御手段は、測定対象セルの一対の電極間における電圧が所定の閾電圧未満になった場合に、抵抗値検出手段による測定対象セルの抵抗値の測定を開始するようにしている。ガスセンサ素子の起動後、測定対象セルの一対の電極間における電圧が低下するということは、測定対象セルの内部抵抗がある程度にまで低下したことに相当する。このため、一対の電極間における電圧が所定の閾電圧未満になってから、測定対象セルの抵抗値の測定を開始することで、測定対象セルの一対の電極間に過電圧がかかることなく、安定して内部抵抗を検出することができる。
請求項5に係る発明のガスセンサ制御装置によれば、測定対象セルは、酸素濃度検出セルであるので、酸素濃度検出セルの抵抗値に基づいてヒータの温度制御を行うことができる。
請求項6に係る発明のガスセンサ制御装置によれば、第1の所定抵抗値R1と第2の所定抵抗値R2との隔たりを50Ω以上に設定する。これにより、ガスセンサ素子の起動後、測定対象ガス中の特定ガス濃度を目標とする測定濃度範囲から正確に測定できるまでの時間(活性化時間)の早期化を、より確実に図ることができる。
以下、本発明を具体化したガスセンサの一実施の形態について、図面を参照して説明する。まず図1を参照し、特定ガスとしてNOxの濃度を検出することができるガスセンサ1を本発明に係るガスセンサ素子の一例として説明する。まず、ガスセンサ1の詳細について説明する。図1は、ガスセンサ制御装置5に接続されたガスセンサ1の概略的な構成を示す図である。尚、図1において、ガスセンサ1のセンサ素子10は、先端側部分における内部構造を示す断面図をもって図示しており、図中左側がセンサ素子10の先端側となっている。
図1に示す、本実施の形態のガスセンサ1は、細長で長尺な板状体の形状をなすセンサ素子10を、エンジンの排気管(図示外)に取り付けるためのハウジング(図示外)内で保持した構造を有する。ガスセンサ1からは、このセンサ素子10の出力する信号を取り出すための信号線が引き出されており、ガスセンサ1とは離れた位置に取り付けられるガスセンサ制御装置5に電気的に接続されている。
まず、センサ素子10の構造について説明する。センサ素子10は、3枚の板状の固体電解質体111,121,131を、間にアルミナ等からなる絶縁体140,145をそれぞれ挟んで層状に形成した構造を有する。また、固体電解質体131側の外層(図1に於ける下側)には、アルミナを主体とするシート状の絶縁層162,163を積層し、その間にPtを主体とするヒータパターン164を埋設したヒータ素子161が設けられている。尚、ヒータパターン164に電流を流すことにより発熱を行うヒータ素子161が、本発明における「ヒータ」に相当する。
固体電解質体111,121,131は、固体電解質であるジルコニアからなり、酸素イオン伝導性を有する。センサ素子10の積層方向において固体電解質体111の両面には、固体電解質体111を挟むように多孔質性の電極112,113がそれぞれ設けられている。この電極112,113は、Pt又はPt合金あるいはPtとセラミックスを含むサーメット等から形成されている。また、電極112,113の表面上にはセラミックスからなる多孔質性の保護層114が設けられており、電極112,113が排気ガスに含まれる被毒性ガス(還元雰囲気)に晒されることにより電極が劣化しないように保護している。尚、固体電解質体111,121,131が、本発明における「酸素イオン導電体」に相当する。
固体電解質体111は、両電極112,113間に電流を流すことで、電極112の接する雰囲気(センサ素子10の外部の雰囲気)と電極113の接する雰囲気(後述する第1測定室150内の雰囲気)との間で酸素の汲み出しおよび汲み入れ(いわゆる酸素ポンピング)を行うことができる。本実施の形態では、固体電解質体111および電極112,113を、Ip1セル110と称することとする。尚、Ip1セル110が、本発明における「第1酸素ポンプセル」に相当し、電極112,113が、本発明における「一対の電極」に相当する。
次に、固体電解質体121は、絶縁体140を挟んで固体電解質体111と対向するように配置されている。センサ素子10の積層方向における固体電解質体121の両面にも、固体電解質体121を挟むように多孔質性の電極122,123がそれぞれ設けられており、同様に、Pt又はPt合金あるいはPtとセラミックスを含むサーメット等から形成されている。そのうちの電極122は、固体電解質体111と向き合う側の面に形成されている。
また、固体電解質体111と固体電解質体121との間には小空間としての第1測定室150が形成されており、固体電解質体111側の電極113と、固体電解質体121側の電極122とが第1測定室150内に配置されている。この第1測定室150は、排気通路内を流通する排気ガスがセンサ素子10内に最初に導入される小空間である。第1測定室150のセンサ素子10における先端側には、第1測定室150内外の仕切りとして、第1測定室150内への排気ガスの単位時間あたりの流通量を制限する多孔質性の第1拡散抵抗部151が設けられている。同様に、第1測定室150のセンサ素子10における後端側にも、後述する第2測定室160につながる開口部141と第1測定室150との仕切りとして、排気ガスの単位時間あたりの流通量を制限する第2拡散抵抗部152が設けられている。
固体電解質体121および両電極122,123は、主として、固体電解質体121により隔てられた雰囲気(電極122の接する第1測定室150内の雰囲気と、電極123の接する後述する基準酸素室170内の雰囲気)間の酸素分圧差に応じて起電力を発生することができるものであり、本実施の形態ではVsセル120と称することとする。尚、Vsセル120が、本発明における「酸素濃度検知セル」に相当し、電極122,123が、本発明における「一対の電極」に相当する。
次に、固体電解質体131は、絶縁体145を挟んで固体電解質体121と対向するように配置されている。固体電解質体131の固体電解質体121側の面にも同様に、Pt又はPt合金あるいはPtとセラミックスを含むサーメット等から形成された多孔質性の電極132,133がそれぞれ設けられている。尚、電極132,133が、本発明における「一対の電極」に相当する。
電極132が形成された位置には絶縁体145が配置されておらず、独立した小空間としての基準酸素室170が形成されている。この基準酸素室170内には、Vsセル120の電極123が配置されている。尚、基準酸素室170内には、セラミック製の多孔質体が充填されている。また、電極133が形成された位置にも絶縁体145が配置されておらず、基準酸素室170との間に絶縁体145を隔て、独立した小空間としての第2測定室160が形成されている。そして、この第2測定室160に連通するように、固体電解質体121および絶縁体140のそれぞれに開口部125,141が設けられており、前述したように、第1測定室150と開口部141とが、間に第2拡散抵抗部152を挟んで接続されている。
固体電解質体131および両電極132,133は、上記のIp1セル110と同様に、絶縁体145により隔てられた雰囲気(電極132の接する基準酸素室170内の雰囲気と、電極133の接する第2測定室160内の雰囲気)間にて酸素の汲み出しを行うことができるものであり、本実施の形態ではIp2セル130と称することとする。尚、Ip2セル130が、本発明における「第2酸素ポンプセル」に相当する。
次に、ガスセンサ1のセンサ素子10と電気的に接続されたガスセンサ制御装置5の構成について説明する。ガスセンサ制御装置5は、マイクロコンピュータ60と、電気回路部58等を有している。そして、マイクロコンピュータ60は、CPU61、RAM62およびROM63と、ECU90と通信し、また、電気回路部58とA/Dコンバータ65を介して接続される信号入出力部64および図示外のタイマクロック等を備えている。電気回路部58は、基準電圧比較回路51、Ip1ドライブ回路52、Vs検出回路53、Icp供給回路54、Ip2検出回路55、Vp2印加回路56、ヒータ駆動回路57および抵抗検出回路59から構成され、マイクロコンピュータ60による制御を受けて、ガスセンサ1のセンサ素子10を用いた排気ガス中のNOx濃度の検出を行う。
尚、Ip1セル110の第1測定室150側の電極113、Vsセル120の第1測定室150側の電極122、Ip2セル130の第2測定室160側の電極133は、基準電位に接続され、ヒータ素子161の一方の電極は接地されている。また、Icp供給回路54は、Vsセル120の電極122,123間に電流Icpを供給し、第1測定室150内から基準酸素室170内への酸素の汲み出しを行っている。Vs検出回路53は、電極122,123間の電圧Vsを検出するための回路であり、その検出結果を基準電圧比較回路51に対し出力している。基準電圧比較回路51は、Vs検出回路53に検出されたVsセル120の電極122,123間の電圧Vsを、基準となる基準電圧(例えば425mV)と比較するための回路であり、その比較結果をIp1ドライブ回路52に対し出力している。
Ip1ドライブ回路52は、Ip1セル110の電極112,113間に電流Ip1を供給するための回路である。電流Ip1の大きさや向きは、基準電圧比較回路51によるVsセル120の電極122,123間の電圧の比較結果に基づいてVsセル120の電極122,123間の電圧が予め設定された基準電圧と略一致するように調整されている。その結果Ip1セル110により、第1測定室150内からセンサ素子10外部への酸素の汲み出し、あるいはセンサ素子10外部から第1測定室150内への酸素の汲み入れが行われる。換言すると、Ip1セル110は、Vsセル120の電極122,123間の電圧が一定値(基準電圧の値)に保たれるように、第1測定室150内における酸素濃度の調整を行っている。
また、Vp2印加回路56は、Ip2セル130の電極132,133間へ電圧Vp2(例えば450mV)を印加するための回路であり、第2測定室160内から基準酸素室170へ酸素の汲み出しが行われる。Ip2検出回路55は、Ip2セル130の電極133から電極132に流れた電流Ip2の値の検出を行う回路である。
ヒータ駆動回路57は、CPU61により制御され、ヒータ素子161のヒータパターン164へ電流を流し、固体電解質体111,121,131(換言すると、Ip1セル110、Vsセル120、Ip2セル130)の加熱を行うと共に、固体電解質体111,121,131の温度を所定の温度に保たせるための回路である。ヒータパターン164はヒータ素子161内で繋がる一本の電極パターンであり、一方の端部が接地され、他方の端部がヒータ駆動回路57に接続されている。このヒータ駆動回路57は、固体電解質体111,121,131(本実施例では、具体的に固体電解質体121)が狙いとする温度になるように、ヒータパターン164をPWM通電制御して当該ヒータパターン164に電流を流す制御を行えるように構成されている。尚、ヒータ駆動回路57およびCPU61が本発明の「ヒータ制御手段」に相当する。
次に、図1を参照して、本実施の形態におけるVsセル120の内部抵抗の抵抗値の測定方法について説明する。Vsセル120の内部抵抗の測定方法としては、Vsセル120に形成された電極122,123間に、抵抗検出回路59に設けた定電流源回路から定電流Iを流し、電極122,123間の電圧Vを抵抗検出回路59により測定する。そして、そのデータをマイクロコンピュータ60のCPU61にて内部抵抗の値として演算するようにすれば良い。より詳細には、抵抗検出回路59に設けた定電流源回路から定電流IをVsセル120に流す前の電極122,123間の電圧と、上記定電流源回路から定電流IをVsセル120に流してから一定時間(例えば、60μs経過後)の電極122,123間の電圧との差電圧ΔVを、抵抗検出回路59に設けた差動増幅回路を介して測定する。そして、そのデータをマイクロコンピュータ60のCPU61により、内部抵抗の値として演算するようにすれば良い。尚、抵抗検出回路59の構成およびVsセル120の内部抵抗の測定手法自身は公知であることから、これ以上の説明は省略する。抵抗検出回路59およびCPU61が、本発明の「抵抗値検出手段」に相当する。
尚、本発明は、Vsセル120の内部抵抗の抵抗値の測定に限られず、Ip1セル110やIp2セル130に対しても、上記同様にして内部抵抗の抵抗値を測定することができる。
このような構成のガスセンサ制御装置5によって、ガスセンサ1のセンサ素子10を用いた排気ガス中のNOx濃度の検出が行われる。まず、ガスセンサ1を用いたNOx濃度の検出の際の動作について説明する。
図1に示す、ガスセンサ1のセンサ素子10を構成する固体電解質体111,121,131は、ヒータ駆動回路57から駆動電流が流されたヒータパターン164の昇温に伴い加熱され、活性化する。これにより、Ip1セル110,Vsセル120およびIp2セル130が動作するようになる。
排気通路(図示外)内を流通する排気ガスは、第1拡散抵抗部151による流通量の制限を受けつつ第1測定室150内に導入される。ここで、Icp供給回路54によりVsセル120には電極123側から電極122側へ微弱な電流Icpが流されている。このため排気ガス中の酸素は、負極側となる第1測定室150内の電極122から電子を受け取ることができ、酸素イオンとなって固体電解質体121内を流れ、基準酸素室170内に移動する。つまり、電極122,123間で電流Icpが流されることによって、第1測定室150内の酸素が基準酸素室170内に送り込まれている。
Vs検出回路53では電極122,123間の電圧が検出されており、基準電圧比較回路51により基準電圧(425mV)と比較されて、その比較結果がIp1ドライブ回路52に対し出力されている。ここで、電極122,123間の電位差が425mV付近で一定となるように、第1測定室150内の酸素濃度を調整すれば、第1測定室150内の排気ガス中の酸素濃度は所定値(10−8〜10−9atm)に近づくこととなる。
そこで、Ip1ドライブ回路52では、第1測定室150内に導入された排気ガスの酸素濃度が所定値より薄い場合、電極112側が負極となるようにIp1セル110に電流Ip1を流し、センサ素子10外部から第1測定室150内へ酸素の汲み入れを行う。一方、第1測定室150内に導入された排気ガスの酸素濃度が所定値より濃い場合、Ip1ドライブ回路52は、電極113側が負極となるようにIp1セル110に電流Ip1を流し、第1測定室150内からセンサ素子10外部へ酸素の汲み出しを行う。
このように、第1測定室150において酸素濃度が調整された排気ガスは、第2拡散抵抗部152を介し、第2測定室160内に導入される。第2測定室160内で電極133と接触した排気ガス中のNOxは、電極133を触媒としてNとOに分解(還元)される。そして分解された酸素は、電極133から電子を受け取り、酸素イオンとなって固体電解質体131内を流れ、基準酸素室170内に移動する。このとき、第1測定室150で汲み残された残留酸素も同様に、Ip2セル130によって基準酸素室170内に移動する。このため、Ip2セル130を流れる電流は、NOx由来の電流および残留酸素由来の電流となる。ここで、第1測定室150で汲み残された残留酸素の濃度は上記のように所定値に調整されているため、その残留酸素由来の電流は略一定とみなすことができ、NOx由来の電流の変動に対し影響は小さく、Ip2セル130を流れる電流はNOx濃度に比例することとなる。ガスセンサ制御装置5では、Ip2検出回路55によりIp2セル130を流れる電流Ip2を検出し、その電流値から、公知の残留酸素由来のオフセット電流の補正計算処理を行い、排気ガス中のNOx濃度の検出を行うのである。
次に、上記構成を有するガスセンサ制御装置5により行われるヒータ素子161によるガスセンサ1の活性化について図2乃至図6を参照して説明する。図2は、測定対象セルとしてVsセル120を用いた場合のVsセル120の抵抗値(Rpvs)(Ω)と、Vsセル120の温度(℃)との関係を示すグラフである。また、図3は、ガスセンサ1のVsセル120の抵抗値(Rpvs)を200Ω又は100Ωで一定になるようにヒータ素子161の駆動を制御した場合のNOxの検出値(ppm)と、ガスセンサ1の活性化までの時間を示すグラフであり、図4は、図3の部分拡大図である。また、図5は、ガスセンサ1のVsセル120の抵抗値(Rpvs)を初め100Ωで、40秒、50秒、60秒、70秒間一定になるようにヒータ素子161の駆動を制御し、その後、ガスセンサ1のVsセル120の抵抗値(Rpvs)を200Ωで一定になるようにヒータ素子161の駆動を制御した場合のNOxの検出値(ppm)と、ガスセンサ1の活性化までの時間を示すグラフであり、図6は、図5の部分拡大図である。
まず、図2に示すように、Vsセル120の抵抗値(Rpvs)とVsセル120の温度は、相関関係がある。Rpvs=900Ωで、Vsセル120の温度は、約530℃であり、Rpvs=700Ωで、Vsセル120の温度は、約550℃であり、Rpvs=400Ωで、Vsセル120の温度は、約600℃であり、Rpvs=100Ωで、Vsセル120の温度は、約750℃であり、Rpvs=70Ωで、Vsセル120の温度は、約850℃となる。従って、Vsセル120の抵抗値(Rpvs)によりVsセル120の温度を判定することができる。
次に、図3乃至図6を参照して、ガスセンサ1の活性化時間について説明する。ガスセンサ1では、NOxの検出値が例えば0±5ppmになった場合に、ガスセンサ1が活性化したと判断できる。換言すると、エンジンの起動後(ガスセンサ制御装置5の起動後)に、Ip2セル130に流れる電流Ip2が、目標とする測定濃度範囲(NOxの検出値が0±5ppm)に対応した値を安定して出力しうる場合に、ガスセンサ1が活性化したと判断できる。従って、図3および図4に示すように、ヒータ素子161に通電してガスセンサ1を加熱して、Vsセル120の抵抗値(Rpvs)を100Ω又は200Ωに維持した場合には、ガスセンサ1のIp2検出回路55によりIp2セル130を流れる電流Ip2から求めたNOxの検出値が0±5ppmに収まるまでの時間は、約160秒である。
これに対して、図5および図6に示すように、Vsセル120の抵抗値(Rpvs)を初め100Ωで、40秒、50秒、60秒の何れかに維持し、次いで、Vsセル120の抵抗値(Rpvs)を200Ωに維持した場合には、NOxの検出値が0±5ppmに収まるまでの時間は、約60秒以内に収まる。また、Vsセル120の抵抗値(Rpvs)を初め100Ωで70秒維持し、次いで、Vsセル120の抵抗値(Rpvs)を200Ωに維持した場合には、NOxの検出値が0±5ppmに収まるまでの時間は、約70秒程度である。従って、ガスセンサ1の活性化時間(Ip2セル130に流れる電流Ip2の値が、目標とするNOxの測定濃度範囲に対応した値に安定するまでの時間)について、以下の事柄が判明した。即ち、Vsセル120の抵抗値(Rpvs)を100Ω又は200Ωに一定に維持するようにヒータ素子161を制御するものよりは、初め100ΩでIp1セル110の先端部が高温になるように所定時間維持し、その後、200Ωを維持するようにヒータ素子161を制御する方が、ガスセンサ1の活性化時間を短縮することができることが判明した。
次に、図7および図8を参照して、上記の原理を利用したヒータ素子161の活性化のための通電制御の第1実施例について説明する。図7は、ヒータ素子161を制御するヒータ制御処理1のフローチャートである。また、図8は、NOの検出値(ppm)、Vsセル120の電圧値(mV)、およびVsセル120の抵抗値(Rpvs)の経過時間に対する変化を示したグラフである。尚、図7に示すフローチャートのプログラムは、ガスセンサ制御装置5のマイクロコンピュータ60のROM63に記憶され、CPU61により実行される。
ヒータ制御処理1では、まず、ECU90からセンサ制御開始情報が信号入出力部64を介してCPU61に入力されたら、CPU61がヒータ駆動回路57を制御して、ヒータ素子161に通電を開始する(S1)。次いで、Vsセル120の抵抗値(Rpvs)を算出する(S2)。Vsセル120の内部抵抗の抵抗値(Rpvs)が300Ω未満になると(S3:YES)、Ip1セル110,Ip2セル130の制御を開始する(S5)。次いで、Vsセル120の抵抗値(Rpvs)が100Ωになるように、ターゲットRpvs=100Ωとし、CPU61がヒータ駆動回路57を制御して、ヒータ素子161の通電を制御する(S6)。尚、S6の処理では、同時に時間計測を開始する。尚、Vsセル120の内部抵抗の抵抗値(Rpvs)が300Ω以上の場合には(S3:NO)、次のサンプリング時間になるまで待機し(S4:NO)、次のサンプリング時間になると(S4:YES)、S2の処理に戻る。次に、Vsセル120の抵抗値(Rpvs)が300Ω未満になってから一定時間(一例として、30秒、40秒、50秒、60秒、70秒等)が経過したら(S7:YES)、Vsセル120の抵抗値(Rpvs)を算出する(S8)。次いでVsセル120の抵抗値(Rpvs)が200Ωになるように、ターゲットRpvs=200Ωとし、CPU61がヒータ駆動回路57を制御して、ヒータ素子161の通電を制御する(S9)。以後、次のサンプリング時間になるまで待機し(S10:NO)、次のサンプリング時間になると(S10:YES)、S8の処理に戻る。また、S7の判断処理で、NOの場合(Vsセル120の抵抗値(Rpvs)が300Ω未満になってから一定時間が経過していない場合)には、次のサンプリング時間になるまで待機する(S11:NO)。次のサンプリング時間になると(S11:YES)、Vsセル120の抵抗値(Rpvs)を算出し(S12)、その後、S6の処理に戻る。尚、S2の処理を実行するCPU61および抵抗検出回路59が「抵抗値検出手段」として機能し、S3の処理を実行するCPU61が「第1抵抗値判断手段」として機能する。S3でYESの場合にS5の処理を行うCPU61は、「セル通電開始手段」として機能し、S6の処理の後、S9の処理を実行するCPU61ヒータ駆動回路57が「ヒータ制御手段」として機能する。300Ωが「基準抵抗値」の一例であり、100Ωが「第1の所定抵抗値」の一例であり、200Ωが「第2の所定抵抗値」の一例である。また、第1実施例では、Vsセル120の内部抵抗の抵抗値(Rpvs)が、基準抵抗値として例示した300Ωになると(Vsセル120が、Rpvs=300Ωに対応する温度になると)、センサ素子10に損傷を与えることなくIp1セル110,Ip2セル130のそれぞれに通電することができる。即ち、Vsセル120の内部抵抗の抵抗値(Rpvs)が300Ωになると、センサ素子10は特定ガスを測定可能な状態になる。このため、基準抵抗値を300Ωとした。
図8には、上記ヒータ制御処理1で、S7の判断処理の一定時間を約30秒として、Vsセル120の抵抗値(Rpvs)のターゲットRpvsを100Ωから200Ωに切り替えた場合のNOの検出値(ppm)、Vsセル120の電圧値(mV)、およびVsセル120の抵抗値(Rpvs)の経過時間に対する変化が示されている。図8からも明かなように、ヒータ素子161に通電を開始して、約50秒が経過すると、Ip2セル130により検出されるNOの値が安定する。従って、ヒータ制御処理1では、従来のガスセンサ1の活性時間約160秒よりも、大幅に短い約50秒で、ガスセンサ1の活性化、ひいてはNOxの測定開始を図ることができる。
次に、図9を参照して、ヒータ素子161の活性化のための通電制御の第2実施例について説明する。図9は、ヒータ素子161を制御するヒータ制御処理2のフローチャートである。図9に示すフローチャートのプログラムは、ガスセンサ制御装置5のマイクロコンピュータ60のROM63に記憶され、CPU61により実行される。
ヒータ制御処理2では、まず、ECU90から信号入出力部64を介してセンサ制御開始情報がCPU61に入力されたら、CPU61がヒータ駆動回路57を制御して、ヒータ素子161に通電を開始する(S21)。次いで、Vsセル120の抵抗値(Rpvs)を算出する(S22)。Vsセル120の抵抗値(Rpvs)の抵抗値が300Ω未満になると(S23:YES)、Ip1セル110,Ip2セル130の制御を開始する(S25)。次いで、Vsセル120の抵抗値(Rpvs)が100Ωになるように、ターゲットRpvs=100Ωとし、CPU61がヒータ駆動回路57を制御して、ヒータ素子161の通電を制御する(S26)。尚、Vsセル120の内部抵抗の抵抗値(Rpvs)が300Ω以上の場合には(S23:NO)、次のサンプリング時間になるまで待機し(S24:NO)、次のサンプリング時間になると(S24:YES)、S22の処理に戻る。また、S26の処理では、Vsセル120の抵抗値(Rpvs)が100Ωに到達してから時間計測を開始する。次に、Vsセル120の抵抗値(Rpvs)が100Ωに到達して一定時間(一例として、30秒、40秒、50秒、60秒、70秒等)が経過したら(S27:YES)、Vsセル120の抵抗値(Rpvs)を算出する(S28)。次いで、Vsセル120の抵抗値(Rpvs)が200Ωになるように、ターゲットRpvs=200Ωとし、CPU61がヒータ駆動回路57を制御して、ヒータ素子161の通電を制御する(S29)。以後、次のサンプリング時間になるまで待機し(S30:NO)、次のサンプリング時間になると(S30:YES)、S28の処理に戻る。また、S27の判断処理で、NOの場合(Vsセル120の抵抗値(Rpvs)が100Ωに到達してから一定時間が経過していない場合)には、次のサンプリング時間になるまで待機する(S31:NO)。次のサンプリング時間になると(S31:YES)、Vsセル120の抵抗値(Rpvs)を算出し(S32)、その後、S26の処理に戻る。尚、S23の処理を実行するCPU61が「第1抵抗値判断手段」として機能する。300Ωが「基準抵抗値」の一例であり、100Ωが「第1の所定抵抗値」の一例であり、200Ωが「第2の所定抵抗値」の一例である。
以上説明したように、ヒータ制御処理2でも、従来のガスセンサ1の活性時間約160秒よりも短い時間で、ガスセンサ1の活性化を図ることができる。
次に、図10を参照して、ヒータ素子161の活性化のための通電制御の第3実施例について説明する。図10は、ヒータ素子161を制御するヒータ制御処理3のフローチャートである。図10に示すフローチャートのプログラムは、ガスセンサ制御装置5のマイクロコンピュータ60のROM63に記憶され、CPU61により実行される。
ヒータ制御処理3では、まず、ECU90からセンサ制御開始情報が信号入出力部64を介してCPU61に入力されたら、CPU61がヒータ駆動回路57を制御して、ヒータ素子161に初期電圧5Vで通電を開始する(S41)。次いで、Vsセル120の電圧値Vsが1.5V以下になるまで待機する(S42:NO)。Vsセル120の電圧値Vsが1.5V以下になったら(S42:YES)、CPU61がヒータ駆動回路57を制御して、ヒータ素子161に電圧10Vで通電し(S43)、Vsセル120の抵抗値(Rpvs)を計測する(S44)。次いで、Vsセル120の抵抗値(Rpvs)の抵抗値が300Ω未満になると(S45:YES)、Ip1セル110,Ip2セル130の制御を開始する(S47)。次いで、Vsセル120の抵抗値(Rpvs)が100Ωになるように、ターゲットRpvs=100Ωとし、CPU61がヒータ駆動回路57を制御して、ヒータ素子161の通電を制御する(S48)。尚、S45の処理では、Vsセル120の抵抗値(Rpvs)が300Ωに到達してから時間計測を開始する。尚、Vsセル120の内部抵抗の抵抗値(Rpvs)が300Ω以上の場合には(S45:NO)、次のサンプリング時間になるまで待機し(S46:NO)、次のサンプリング時間になると(S46:YES)、S44の処理に戻る。次に、Vsセル120の抵抗値(Rpvs)が300Ωに到達して一定時間(一例として、30秒、40秒、50秒、60秒、70秒等)が経過したら(S49:YES)、Vsセル120の抵抗値(Rpvs)を算出する(S50)。次いで、Vsセル120の抵抗値(Rpvs)が200Ωになるように、ターゲットRpvs=200Ωとし、CPU61がヒータ駆動回路57を制御して、ヒータ素子161の通電を制御する(S51)。次のサンプリング時間になるまで待機し(S52:NO)、次のサンプリング時間になると(S52:YES)、S50の処理に戻る。また、S49の判断処理で、NOの場合(Vsセル120の抵抗値(Rpvs)が300Ω未満になってから一定時間が経過していない場合)には、次のサンプリング時間になるまで待機する(S53:NO)。次のサンプリング時間になると(S53:YES)、Vsセル120の抵抗値(Rpvs)を算出し(S54)、その後、S48の処理に戻る。尚、S42の処理を実行するCPU61およびVs検出回路53は、電圧検出手段として機能し、S42でYESの場合に、S44の処理を実行するCPU61が「抵抗値検出手段」として機能する。また、1.5Vが「閾電圧」の一例である。
以上説明したように、ヒータ制御処理3でも、従来のガスセンサ1の活性時間約160秒よりも、大幅に短い時間で、ガスセンサ1の活性化を図ることができる。尚、S49において、図9のヒータ制御処理2のS27のように、Vsセル120の抵抗値(Rpvs)が100Ωに到達して一定時間が経過したか否かを判断してもよい。
尚、本発明は上記実施の形態に限られず、各種の変形が可能である。例えば、第1の所定抵抗値、第2の所定抵抗値、基準抵抗値は、各々100Ω、200Ω、300Ωが例示されているが、必ずしもこの値に限られず、第1の所定抵抗値<第2の所定抵抗値<基準抵抗値の関係を満たせば良い。また、第1の所定抵抗値R1と第2の所定抵抗値R2との関係は、ガスセンサ1の確実な活性化を図る観点から、R2−R1≧50Ω、より好ましくはR2−R1≧75Ωの関係を満たすことが好ましい。尚、上記実施の形態において、第1の所定抵抗値R1を100Ω、第2の所定抵抗値R2を150Ωに設定した場合にも、従来のガスセンサの活性時間よりも短い時間でガスセンサ1の活性化が図れることが、本発明者らの実験により確認されている。
また、上記実施の形態では、Vsセル120の抵抗値を測定したが、Ip1セル110又はIp2セル130の内部抵抗を測定して、その値に基づいて、ヒータ素子161を制御するヒータ制御処理を行っても良い。即ち、酸素イオン導電体からなる複数のセルを備えたガスセンサにおいては、何れかのセルの内部抵抗に基づいてヒータ素子161を制御するヒータ制御処理を行うようにすれば良い。
また、上記実施の形態では、Vsセル120の抵抗値(Rpvs)が300Ωに到達した後に(図7のS3:YES,図9のS23:YES,又は図10のS45:YES)に、Ip1セル110,Ip2セル130の制御を開始させていた(図7のS5,図9のS25,又は図10のS47)。しかし、Ip1セル110,Ip2セル130の制御を開始させるタイミングは、センサ素子10の温度が所定温度に達し、センサ素子10に損傷を与えることなく通電可能な状態になったタイミングであればよく、上記実施形態の場合に限定されない。例えば、ヒータ通電開始から所定時間経過後に、Ip1セル110,Ip2セル130の制御を開始させてもよい。さらに、ヒータ制御処理3のように、Vsセル120の電圧値Vsが1.5V以下となったか否かを判断し(S42)、Vsが1.5V以下となり、かつ、ヒータ通電開始から所定時間経過した場合に、Ip1セル110,Ip2セル130の制御を開始させてもよい。
ガスセンサ制御装置5に接続されたガスセンサ1の概略構成を示す図である。 測定対象セルとしてVsセル120を用いた場合のVsセル120の抵抗値(Rpvs)(Ω)と、Vsセル120の温度(℃)との関係を示すグラフである。 ガスセンサ1のVsセル120の抵抗値(Rpvs)を200Ω又は100Ωで一定になるようにヒータ素子161の駆動を制御した場合のNOxの検出値(ppm)と、ガスセンサ1の活性化までの時間を示すグラフである。 図3の部分拡大図である。 ガスセンサ1のVsセル120の抵抗値(Rpvs)を初め100Ωで、40秒、50秒、60秒、70秒間一定になるようにヒータ素子161の駆動を制御し、その後、ガスセンサ1のVsセル120の抵抗値(Rpvs)を200Ωで一定になるようにヒータ素子161の駆動を制御した場合のNOxの検出値(ppm)と、ガスセンサ1の活性化までの時間を示すグラフである。 図5の部分拡大図である。 ヒータ素子161を制御するヒータ制御処理1のフローチャートである。 NOの検出値(ppm)、Vsセル120の電圧値(mV)、およびVsセル120の抵抗値(Rpvs)の経過時間に対する変化を示したグラフである。 ヒータ素子161を制御するヒータ制御処理2のフローチャートである。 ヒータ素子161を制御するヒータ制御処理3のフローチャートである。
符号の説明
1 ガスセンサ
5 ガスセンサ制御装置
10 ガスセンサ素子
51 基準電圧比較回路
52 Ip1ドライブ回路
53 Vs検出回路
54 Icp供給回路
55 Ip2検出回路
56 Vp2印加回路
57 ヒータ駆動回路
58 電気回路部
59 抵抗検出回路
60 マイクロコンピュータ
61 CPU
110 Ip1セル
111 固体電解質体
120 Vsセル
121 固体電解質体
130 Ip2セル
131 固体電解質体
150 第1測定室
161 ヒータ素子
160 第2測定室
170 基準酸素室

Claims (6)

  1. 酸素イオン導電体および該酸素イオン導電体上に形成された一対の電極を有するセルを複数備えると共に、通電により発熱して前記複数のセルを加熱するヒータを備え、複数の前記セルのうちの1つの電極間に測定対象ガスの特定ガス濃度に応じて電流が流れるガスセンサ素子の制御装置であって、
    複数の前記セルの何れかのセルを測定対象セルとして、その測定対象セルの抵抗値を検出する抵抗値検出手段と、
    前記抵抗値検出手段の検出結果が第1の所定抵抗値になるように、前記ヒータの通電を制御し、その後、前記第1の所定抵抗値よりも大きい第2の所定抵抗値になるように、前記ヒータの通電を制御するヒータ制御手段と
    を備えたことを特徴とするガスセンサ制御装置。
  2. 酸素イオン導電体および該酸素イオン導電体上に形成された一対の電極を有するセルを複数備えると共に、通電により発熱して前記複数のセルを加熱するヒータを備え、複数の前記セルのうちの1つの電極間に測定対象ガスの特定ガス濃度に応じて電流が流れるガスセンサ素子の制御装置であって、
    複数の前記セルの何れかのセルを測定対象セルとして、その測定対象セルの抵抗値を検出する抵抗値検出手段と、
    前記抵抗値検出手段の検出結果が所定の基準抵抗値未満か否かを判断する第1抵抗値判断手段と、
    前記第1抵抗値判断手段により、前記抵抗値検出手段の検出結果が所定の基準抵抗値未満と判断された場合に、前記複数のセルへの通電を開始するセル通電開始手段と、
    前記第1抵抗値判断手段により、前記抵抗値検出手段の検出結果が所定の基準抵抗値未満と判断された場合に、前記抵抗値検出手段の検出結果が前記基準抵抗値未満の第1の所定抵抗値になるように、前記ヒータの通電を制御し、その後、前記第1の所定抵抗値よりも大きく、前記基準抵抗値未満の第2の所定抵抗値になるように、前記ヒータの通電を制御するヒータ制御手段と
    を備えたことを特徴とするガスセンサ制御装置。
  3. 前記ガスセンサ素子は、前記複数のセルとして、
    第1測定室に導入された測定対象ガスの酸素濃度を検出する酸素濃度検出セルと、
    前記酸素濃度検出セルによって検出された酸素濃度に基づき、前記第1測定室における測定対象ガスの酸素の汲み出し又は汲み入れを行い、酸素濃度が制御された調整ガスを生成する第1酸素ポンプセルと、
    前記第1測定室に連通しつつ前記調整ガスが導入される第2測定室に一対の電極の一方が配置され、当該一対の電極間に所定の電圧を印加することにより、当該一対の電極間に前記特定ガス濃度に応じた電流が流れる第2酸素ポンプセルとを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のガスセンサ制御装置。
  4. 前記測定対象セルの一対の電極間における電圧を検出する電圧検出手段を備え、
    前記抵抗値検出手段は、前記測定対象セルの一対の電極間における電圧が所定の閾電圧未満になった場合に、当該測定対象セルの抵抗値の測定を開始することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のガスセンサ制御装置。
  5. 前記測定対象セルは、前記酸素濃度検出セルであることを特徴とする請求項3に記載のガスセンサ制御装置。
  6. 前記第1の所定抵抗値をR1(単位:Ω)、前記第2の所定抵抗値をR2(単位:Ω)としたときに、
    R2−R1≧50
    の関係を満たすことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のガスセンサ制御装置。
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