JP2011099712A - ガスセンサ - Google Patents
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Abstract
【課題】測定対象ガス中の特定ガス成分の濃度を検出するためのガスセンサにおいて、環境温度の変動の影響をより効果的に低減する。
【解決手段】特定ガス濃度に応じた電流が流れる各種セルと重複するように配設されて外部からの電力により発熱する主発熱部165と、主発熱部165からセンサ素子の後端側に向かって伸びてその主発熱部165への通電経路を形成するリード部166と、を有するヒータパターン164を備えたガスセンサにおいて、リード部166における途中の経路に、副発熱部167を設ける。副発熱部167の発熱によりガスセンサを取り付けるための主体金具(係合位置)が予め加熱され、排気管等の温度変動に起因する主体金具の温度変動範囲を小さくできる。また、主体金具の温度変動がセンサ素子に伝導しにくくなる。
【選択図】図5
【解決手段】特定ガス濃度に応じた電流が流れる各種セルと重複するように配設されて外部からの電力により発熱する主発熱部165と、主発熱部165からセンサ素子の後端側に向かって伸びてその主発熱部165への通電経路を形成するリード部166と、を有するヒータパターン164を備えたガスセンサにおいて、リード部166における途中の経路に、副発熱部167を設ける。副発熱部167の発熱によりガスセンサを取り付けるための主体金具(係合位置)が予め加熱され、排気管等の温度変動に起因する主体金具の温度変動範囲を小さくできる。また、主体金具の温度変動がセンサ素子に伝導しにくくなる。
【選択図】図5
Description
本発明は、測定対象ガス中の特定ガス成分の濃度を検出するためのガスセンサに関する。
従来、例えば車両では、測定対象ガス(排ガス)中の特定ガス成分(酸素や窒素酸化物)の濃度を検出するためのガスセンサを用い、その排ガス中の例えば窒素酸化物濃度を検出して、エンジンの制御や触媒のコントロールを行うことがなされている。
この種のガスセンサでは、測定対象ガス中の特定ガス成分の濃度に応じた出力信号(電流)を出力するセンサ素子をエンジンの排気管等に固定するための保持部材が設けられている。そして、ガスセンサは、センサ素子がエンジンの排気管等における排ガスの雰囲気に晒されるように、保持部材によりそのエンジンの排気管等に取り付けられる(例えば特許文献1参照)。
センサ素子には、具体的に、固体電解質体と一対の電極とを有し、測定対象ガス中の特定ガス成分の濃度に応じた電流が流れるセルと、セルを加熱するためのヒータとが備えられている。そして、センサ素子は、ヒータに通電されることによりそのセンサ素子(より具体的にはセル)が所定の活性化温度以上に加熱されることで、測定対象ガス中の特定ガス成分の濃度に応じた出力信号を出力することが可能となる。
一方、このようなガスセンサを制御するセンサ制御装置は、センサ素子の温度と相関関係を有する形で変化するそのセンサ素子のインピーダンス(以下、素子インピーダンスと記載する)を検出し、その検出した素子インピーダンスを用いて、センサ素子の温度を演算し、その演算した温度に基づいてヒータを駆動する。即ち、センサ素子の温度が目標温度(活性化温度)となるように制御する。測定対象ガス中の特定ガス成分の濃度は、センサ制御装置において、センサ素子から出力される出力信号に基づき算出される(例えば特許文献2,3参照)。
ところで、エンジンの排気管等の取付対象体にガスセンサが取り付けられている場合、センサ素子を保持するとともに取付対象体に取り付けられる保持部材の温度が、その保持部材が取り付けられる排気管等の取付対象体の温度の変化に依存して変動し、これに伴いセンサ素子の温度も変動する。そして、センサ素子の温度が変動すると、セルの出力信号が特定ガス濃度に対応した値からずれを生じ、濃度検出の精度が低下することがある。特に、複数のセルからセンサ素子が構成され、且つ、セルのそれぞれがセンサ素子の異なる位置に形成されている場合(例えば、センサ素子を長手方向で見たときに、複数のセルの配置位置がずれている場合、あるいは、各セルがセンサ素子を積層方向に沿ってみたときに、異なる層に形成されている場合)には、各セル間にて温度の勾配が生じる。そのため、セルのそれぞれがセンサ素子の異なる位置に形成されている構成のガスセンサでは、各セル間で上記の温度の変動の影響が異なることになり、濃度検出の精度の低下が生じ易い。
このように、環境温度(排ガス、排気管、或いは保持部材の温度)の変動に伴い、センサ素子の温度が変動してしまう。尚、センサ素子の温度が一定温度(活性化温度)となるようにヒータの通電が制御された場合にも、保持部材が取り付けられる排気管等の取付対象体の温度が変動する以上、上記のセンサ素子の温度の変動が生じてしまう。
また、ヒータの温度を、保持部材の温度変動範囲よりも十分に大きな温度とすることにより、その保持部材の温度変動によるセンサ素子の温度変動を無くすことができる、或いは小さくすることができるとも考えられるかもしれないが、この場合、過剰な熱によるガスセンサの破損(例えば割れや欠け)や、センサ素子の温度が活性化温度から乖離してしまうことによる検出精度の低下などが生じることも懸念される。
本発明は、こうした問題に鑑みなされたもので、測定対象ガス中の特定ガス成分の濃度を検出するためのガスセンサにおいて、保持部材内に保持されるセンサ素子の温度の変動の影響をより効果的に低減することを目的とする。
上記目的を達成するためになされた請求項1に記載の発明は、固体電解質体及び一対の電極を備えるセルを少なくとも2つ有するとともに、そのセルを昇温するために当該セルに積層されるヒータを備え、長手方向における先端領域が測定対象ガスの雰囲気に晒される長尺状のセンサ素子と、センサ素子を自身の内側に保持し、そのセンサ素子の先端領域を測定対象ガスの流路に配設するための保持部材と、を備え、セルのそれぞれは、センサ素子の異なる位置に形成され、セルの何れかにおいて、測定対象ガス中の特定ガス濃度に応じた出力信号が流れるガスセンサである。
ヒータは、前記先端領域に自身の全てが配設されるとともに外部からの電力供給を受けて発熱する主発熱部と、主発熱部から、センサ素子の後端側に向かって伸びてその主発熱部への外部からの通電経路を形成するリード部とを有している。ヒータは、さらに、該リード部における途中の経路に、外部からの電力供給を受けて発熱する副発熱部を備えている。
この請求項1のガスセンサでは、ヒータのリード部がセンサ素子の先端領域に設けられた主発熱部から後端側に向かって伸びていると共に、そのリード部における途中の経路に副発熱部が設けられている。
このような請求項1の構成によれば、センサ素子の温度(より具体的には、セルの温度)が活性化温度となるようにヒータに通電されることにより、主発熱部に加えて副発熱部も発熱する。そして、その副発熱部の発熱により保持部材が加熱されることとなる。
副発熱部の発熱により保持部材が加熱されることで、その保持部材が取り付けられる排気管等の取付対象体の温度の変動に起因する保持部材の温度変動を、抑制ないし軽減することができる。例えば、ヒータへの通電により保持部材が予め加熱されることで、保持部材の温度が、排気管の熱(言い換えれば排ガスの熱)により急速に上昇してしまう、というような問題を抑制することができる。
つまり、保持部材の温度変動に伴ってセンサ素子の温度変動が生じる、という問題において、そもそもその保持部材の温度変動を小さくできるため、センサ素子の温度変動も小さくすることができる。
また、副発熱部の発熱により、保持部材が加熱されるため、センサ素子の先端領域からの熱引きが生じにくくなって、保持部材の温度変動によるセンサ素子の温度変動を小さくすることができる、とも考えられる。
さらに、保持部材を加熱するにあたり、ヒータのリード部の途中に副発熱部を形成しているため、保持部材を加熱するためにヒータとは別の部材を設ける必要がなく、また、副発熱部で部分的に保持部材を加熱する構成であるため、ヒータによるセンサ素子の過昇温を抑制することができる。
このように、請求項1のガスセンサによれば、排ガスの温度、或いは排気管の温度等、環境温度の変動によって保持部材の温度が変動し、ひいてはセンサ素子の温度が変動することを防止することができる。つまり、センサ素子の特性が環境温度の変動によって変化してしまうことを防止でき、特定ガス濃度を安定的に検出できるようになる。
次に、請求項2のガスセンサは、請求項1のガスセンサにおいて、保持部材には、自身の内側に径方向内側に突出する係合部が形成され、センサ素子は、係合部に支持されて保持部材に保持されており、副発熱部は、リード部のうち、主発熱部と、保持部材の係合部に面する領域との間に設けられていることを特徴としている。
このように、副発熱部が、リード部のうち、主発熱部と保持部材の係合部に面する領域との間に設けられることで、保持部材の温度変動が、より、センサ素子(具体的にセル)に影響を与えにくくなる。尚、センサ素子を保持部材の係合部に係合させる構成では、この係合部を介してセンサ素子との間の熱伝導の経路が構成されるため、保持部材の温度の変動は、センサ素子に対してこの係合部で生じ易くなる。このため、保持部材の温度変動に伴いセンサ素子のセルの温度が変動してしまうこと、言い換えれば環境温度の変動によってセンサ素子の特性が変化してしまうことをより確実に防止することができる。ここで、センサ素子が、保持部材の係合部に支持されるにあたっては、センサ素子自身にフランジ部を一体的に形成し、このフランジ部を保持部材の係合部に支持させる構成であって良く、また、センサ素子の周方向を取り囲むように他の環状部材を結合させ、この環状部材を保持部材の係合部に支持させることで、間接的にセンサ素子を保持部材に支持させる構成であっても良い。
次に、請求項3のガスセンサは、請求項1のガスセンサにおいて、保持部材には、自身の内側に径方向内側に突出する係合部が形成され、センサ素子は、係合部に支持されて保持部材に保持されており、副発熱部は、リード部のうち、保持部材の係合部に面する領域に設けられていることを特徴としている。
これによれば、副発熱部の発熱により、保持部材が加熱されやすくなる。つまり、副発熱部の発熱により、保持部材の温度を予め昇温することが容易となる。このため、保持部材の温度変動に伴ってセンサ素子の温度変動が生じる、という問題において、そもそもその保持部材の温度が変動することをより確実に抑制ないし軽減することができる。つまり、環境温度の変動によってセンサ素子の特性が変化してしまうことをより確実に防止することができる。尚、「副発熱部が保持部材の係合部に面する領域に設けられている」とは、副発熱部の一部又は全部が、リード部のうち、保持部材の係合部に面する領域に設けられていることを表す。
次に、請求項4のガスセンサは、請求項1〜3のガスセンサにおいて、センサ素子は、セルとして、ガス測定室内に導入された測定対象ガス中の酸素濃度を所定濃度に調整する第1セルと、第1セルよりも後端側に設けられて、第1セルによる酸素濃度調整後のガス中の特定ガス濃度としての窒素酸化物濃度に応じた濃度信号が流れる第2セルとを少なくとも有することを特徴としている。
このような構成のセンサ素子においては、第2セルに流れる窒素酸化物濃度に応じた出力信号が、μAオーダないしnAオーダといった微小な電流信号を呈するため、保持部材の温度変動に起因したセンサ素子の温度変動が比較的小さな範囲で生じても、センサ素子の出力信号のずれ(第2セルに流れる出力信号のずれ)に大きな影響としてあらわれる傾向にある。そこで、このような構成のセンサ素子を有するガスセンサに対して、本発明(請求項1〜3に記載の発明)を適用することで、保持部材の温度変動を効果的に抑制することができるため、第2セルに流れる微小な電流信号に基づいて、正確な測定対象ガス中の窒素酸化物濃度を検出することが可能となる。
また、上記のようなガスセンサとして、請求項5のように、センサ素子は、第1セルよりも後端側であって、第2セルよりも先端側の位置に第3セルが設けられ、この第3セルの温度が目標温度となるようにヒータの通電が制御される構成のものがある。
このような構成のガスセンサでは、センサ素子の温度を検出するために、第1セル及び第2セルとの中間位置に第3セルを設け、第3セルの温度が目標温度となるようにヒータへの通電制御がなされるものである。第3セルが目標温度に保たれる関係から、第2セルもその温度に近づくようにヒータにて昇温されるが、第2セルは、第3セルよりも後端側に位置する関係上、保持部材の温度変動の影響を少なからず受けてしまう。そこで、本発明(請求項1〜3に記載の発明)を適用することで、保持部材の温度変動を効果的に抑制することができるため、第2セルに流れる微小な電流信号に基づいて、正確な測定対象ガス中の窒素酸化物濃度を検出することが可能となる。
以下に、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
図1は、本発明が適用されたガス濃度検出装置1の概略構成図である。
ガス濃度検出装置1は、図1に示すように、NOx濃度を検出するためのガスセンサ2と、センサ制御装置11と、を備えており、ボイラや自動車のエンジン等の各種内燃機器の排ガス中の特定ガス(本実施形態では、NOx)の濃度を検出する用途などに用いられる。このガス濃度検出装置1では、先端にコネクタ12を有するリード線14がセンサ制御装置11に接続されると共に、先端にコネクタ13を有するリード線15がガスセンサ2に接続されている。そして、コネクタ12とコネクタ13とが嵌合されることにより、センサ制御装置11とガスセンサ2とが電気的に接続される。このため、コネクタ12,13を外せばガスセンサ2を容易に交換することができる。
図1は、本発明が適用されたガス濃度検出装置1の概略構成図である。
ガス濃度検出装置1は、図1に示すように、NOx濃度を検出するためのガスセンサ2と、センサ制御装置11と、を備えており、ボイラや自動車のエンジン等の各種内燃機器の排ガス中の特定ガス(本実施形態では、NOx)の濃度を検出する用途などに用いられる。このガス濃度検出装置1では、先端にコネクタ12を有するリード線14がセンサ制御装置11に接続されると共に、先端にコネクタ13を有するリード線15がガスセンサ2に接続されている。そして、コネクタ12とコネクタ13とが嵌合されることにより、センサ制御装置11とガスセンサ2とが電気的に接続される。このため、コネクタ12,13を外せばガスセンサ2を容易に交換することができる。
ガスセンサ2は、後述するセンサ素子4及び主体金具102を備えており、その主体金具102により、センサ素子4が排ガス雰囲気中に晒されるように排気管等に配設される。
図2は、ガスセンサ2の概略構成を表す図である。
ガスセンサ2は、排気管に固定するためのネジ部103が外表面に形成された筒状の主体金具102と、軸線方向(図中上下方向)に延びる板状形状をなすセンサ素子4と、センサ素子4の径方向周囲を取り囲むように配置される筒状のセラミックスリーブ6と、軸線方向に貫通する素子挿通孔84を有する絶縁コンタクト部材82と、センサ素子4に接続される6個のリードフレーム10(図1では、一部のみを図示)と、を備えている。
ガスセンサ2は、排気管に固定するためのネジ部103が外表面に形成された筒状の主体金具102と、軸線方向(図中上下方向)に延びる板状形状をなすセンサ素子4と、センサ素子4の径方向周囲を取り囲むように配置される筒状のセラミックスリーブ6と、軸線方向に貫通する素子挿通孔84を有する絶縁コンタクト部材82と、センサ素子4に接続される6個のリードフレーム10(図1では、一部のみを図示)と、を備えている。
センサ素子4は、軸線方向に延びる板状形状をなし、測定対象となるガスに向けられる先端側(図中下方)に保護層(図示省略)に覆われた検出部8が形成され、後端側(図中上方)の外表面のうち表裏の位置関係となる第1板面21および第2板面23に電極端子部30,31,32,34,35,36が形成されている。
絶縁コンタクト部材82が、素子挿通孔84の内部でリードフレーム10およびセンサ素子4を保持することで、リードフレーム10は、センサ素子4の電極端子部30,31,32,34,35,36にそれぞれ電気的に接続される。また、リードフレーム10は、外部からセンサの内部に配設されるリード線46にも電気的に接続されており、リード線46が接続される外部機器と電極端子部30,31,32,34,35,36との間に流れる電流の電流経路を形成する。
主体金具102は、軸線方向に貫通する貫通孔109を有し、貫通孔109の内部において径方向内側に突出する係合部107を有する略筒状形状に構成されている。また、主体金具102は、検出部8を貫通孔109の先端側外部に配置し、電極端子部30,31,32,34,35.36を貫通孔109の後端側外部に配置する状態で貫通孔109に挿通されたセンサ素子4を保持するよう構成されている。さらに、係合部107は、軸線方向に垂直な平面に対して傾きを有する内向きのテーパ面として形成されている。
なお、主体金具102の貫通孔109の内部には、センサ素子4の径方向周囲を取り囲む状態で、環状形状のセラミックホルダ106、粉末充填層108,110(以下、滑石リング108,110ともいう)、上述のセラミックスリーブ6が、この順に先端側から後端側にかけて積層されている。また、セラミックスリーブ6と主体金具102の後端部104との間には、加締リング118が配置されており、セラミックホルダ106と主体金具102の係合部107との間には、金属カップ129が配置されている。なお、主体金具102の後端部104は、加締リング118を介してセラミックスリーブ6を先端側に押し付けるように、加締められている。本実施形態では、センサ素子4の特定位置の周囲に金属カップ129を外挿し、その上で金属カップ129内にセラミックホルダ106を収容した状態で、粉末充填層108を圧縮充填することで、センサ素子4の周方向を取り囲む環状のフランジ構成部119を形成している。
次に、図3、4を用いて、ガス濃度検出装置1についてより具体的に説明する。尚、図4は、図3におけるA−A断面図である。以下、図3を中心に説明することとする。
まず、センサ素子4について説明する。センサ素子4は、3枚の板状の固体電解質体111、121、131を、間にアルミナ等からなる絶縁体140、145をそれぞれ挟んで層状に形成した構造を有する。また、固体電解質体131側の外側(図3における下側)には、アルミナを主体とするシート状の絶縁層162、163を積層し、その間にPtを主体とするヒータパターン164を埋設したヒータ素子161が設けられている。
まず、センサ素子4について説明する。センサ素子4は、3枚の板状の固体電解質体111、121、131を、間にアルミナ等からなる絶縁体140、145をそれぞれ挟んで層状に形成した構造を有する。また、固体電解質体131側の外側(図3における下側)には、アルミナを主体とするシート状の絶縁層162、163を積層し、その間にPtを主体とするヒータパターン164を埋設したヒータ素子161が設けられている。
固体電解質体111、121、131は、固体電解質であるジルコニアからなり、酸素イオン伝導性を有する。センサ素子4の積層方向において固体電解質体111の両面には、固体電解質体111を挟むように多孔質性の電極112、113がそれぞれ設けられている。
この電極112、113は、Pt又はPt合金或いはPtとセラミックスとを含むサーメットなどから形成されている。また、電極112、113の表面にはセラミックスからなる多孔質性の保護層114が設けられており、電極112、113が排ガスに含まれる被毒性ガス(還元雰囲気)に晒されないように保護している。これにより、電極の劣化が防止される。
固体電解質体111は、両電極112、113間に電流を流すことで、電極112の接する雰囲気(センサ素子4の外部の雰囲気)と電極113の接する雰囲気(後述する第1測定室150内の雰囲気)との間で酸素の汲み出し及び汲み入れ(いわゆる酸素ポンピング)を行うことができる。尚、以下、この固体電解質体111および電極112、113をIp1セル110と称することとする。
次に、固体電解質体121は、絶縁体140を挟んで固体電解質体111と対向するように配置されている。センサ素子4の積層方向における固体電解質体121の両面には、固体電解質体121を挟むように多孔質性の電極122、123がそれぞれ設けられている。この電極122、123は、Pt又はPt合金或いはPtとセラミックスとを含むサーメットなどから形成されている。
また、固体電解質体111と、固体電解質体121との間には小空間としての第1測定室150が形成されており、固体電解質体111側の電極113と、固体電解質体121側の電極122とが第1測定室150内に配置されている。この第1測定室150は、排気通路内を流通する排ガスがセンサ素子4内に最初に導入される小空間であり、第1測定室150には、その第1測定室150内外の仕切りとして、第1測定室150内への排ガスの単位時間あたりの流通量を制限する多孔質性の第1多孔質部151が設けられている(図4も参照)。
次に、第1測定室150のセンサ素子4における後端側(図面右側)に、第1測定室150と後述する第2測定室との仕切りとして、排ガスの単位時間あたりの流通量を制限する第2多孔質部152が設けられている。
固体電解質体121および両電極122、123は、主として、固体電解質体121により隔てられた雰囲気(電極122の接する第1測定室150内の雰囲気と、電極123の接する後述する基準酸素室170内の雰囲気)間の酸素分圧差に応じて起電力を発生することができるものである。尚、以下、固体電解質体121および電極122、123を、Vsセル120と称することとする。
次に、固体電解質体131は、絶縁体145を挟んで固体電解質体121と対向するように配置されている。固体電解質体131の固体電解質体121側の面には、Pt又はPt合金或いはPtとセラミックスとを含むサーメットなどから形成された多孔質性の電極132、133がそれぞれ設けられている。
電極132が形成された位置には、孤立した小空間としての基準酸素室170が形成されている。この基準酸素室170には、Vsセル120の電極123が配置されている。尚、基準酸素室170内には、セラミックス製の多孔質体が充填されている。また、電極133が形成された位置には、基準酸素室170との間に絶縁体145を経て、独立した小空間としての第2測定室160が形成されている。そして、この第2測定室160に連通するように、固体電解質体121及び絶縁体140のそれぞれに開口部125、141が設けられており、前述したように、第1測定室150と開口部141とが、間に第2多孔質部152を挟んで接続されている。
固体電解質体131及び両電極132、133は、絶縁体145により隔てられた雰囲気(電極132の接する基準酸素室170内の雰囲気と、電極133の接する第2測定室160内の雰囲気)間にて、酸素の汲み出しを行うことができるものである。尚、以下、この固体電解質体131および電極132、133をIp2セル130と称することとする。
なお、図2に示すように、本実施形態のガスセンサ2のセンサ素子4では、Ip1セル110、Vsセル120、Ip2セル130のそれぞれが、長手方向に沿って見たときに、異なる位置に形成されており、また、積層方向に沿って見たときに、異なる層に形成されている。
次に、センサ素子4と電気的に接続されたセンサ制御装置11の構成について説明する。
センサ制御装置11は、マイクロコンピュータ60、電気回路部58等を有している。尚、このマイクロコンピュータ60及び電気回路部58が、図1のセンサ制御装置5に相当している。
センサ制御装置11は、マイクロコンピュータ60、電気回路部58等を有している。尚、このマイクロコンピュータ60及び電気回路部58が、図1のセンサ制御装置5に相当している。
マイクロコンピュータ60は、各種演算を実行するCPU61と、演算結果等が記憶されるRAM62と、CPU61が実行するプログラム等を記憶するROM63とを備えている。また、A/Dコンバータ65と、そのA/Dコンバータ65を介して電気回路部58と接続されると共に、電子制御装置(以下、ECUと記載する)90と通信するための信号入出力部64と、図示しないタイマクロック等を備えている。
電気回路部58は、基準電圧比較回路51、Ip1ドライブ回路52、Vs検出回路53、Icp供給回路54、Ip2検出回路55、Vp2印加回路56、ヒータ駆動回路57から構成され、マイクロコンピュータ60による制御を受けて、センサ素子4を用いて排ガス中のNOx濃度の検出を行う。
尚、Ip1セル110の第1測定室150側の電極113、Vsセル120の第1測定室150側の電極122、Ip2セル130の第2測定室160側の電極133は、基準電位に接続されている。また、ヒータ素子161の一方の電極は接地されている。
そして、Icp供給回路54は、Vsセル120の電極122、123間に電流Icpを供給し、第1測定室150内から基準酸素室170内への酸素の汲み出しを行っている。
Vs検出回路53は、電極122、123間の電圧Vsを検出するための回路であり、その検出結果を基準電圧比較回路51に対し出力している。
基準電圧比較回路51は、Vs検出回路53により検出されたVsセル120の電極122、123間の電圧Vsを、基準となる基準電圧(例えば425mV)と比較するための回路であり、その比較結果をIp1ドライブ回路52に対し出力している。
基準電圧比較回路51は、Vs検出回路53により検出されたVsセル120の電極122、123間の電圧Vsを、基準となる基準電圧(例えば425mV)と比較するための回路であり、その比較結果をIp1ドライブ回路52に対し出力している。
Ip1ドライブ回路52は、Ip1セル110の電極112、113間に電流Ip1を供給するための回路である。電流Ip1の大きさや向きは、基準電圧比較回路51によるVsセル120の電極122、123間の電圧の比較結果に基づいてVsセル120の電極122、123間の電圧が予め設定された基準電圧と略一致するように調整されている。その結果、Ip1セル110により、第1測定室150内からセンサ素子4外部への酸素の汲み出し、或いはセンサ素子4外部から第1測定室150内への酸素の汲み入れが行われる。換言すると、Ip1セル110は、Vsセル120の電極122、123間の電圧が一定値(基準電圧の値)に保たれるように、第1測定室150内における酸素濃度の調整を行っている。
また、Vp2印加回路56は、Ip2セル130の電極132、133間へ電圧Vp2(例えば450mV)を印加するための回路であり、これにより、第2測定室160内から基準酸素室170への酸素の汲み出しが行われる。
Ip2検出回路55は、Ip2セル130の電極133から電極132に流れた電流Ip2の値の検出を行う回路である。
ヒータ駆動回路57は、CPU61により制御され、ヒータ素子161のヒータパターン164へ電流を流し、固体電解質体111、121、131(換言すると、Ip1セル110、Vsセル120、Ip2セル130)の加熱を行うと共に、固体電解質体111、121、131の温度を所定の温度に保たせるための回路である。
ヒータ駆動回路57は、CPU61により制御され、ヒータ素子161のヒータパターン164へ電流を流し、固体電解質体111、121、131(換言すると、Ip1セル110、Vsセル120、Ip2セル130)の加熱を行うと共に、固体電解質体111、121、131の温度を所定の温度に保たせるための回路である。
ヒータパターン164はヒータ素子161内で繋がる一本の電極パターンであり、ヒータ駆動回路57に接続されている。このヒータ駆動回路57は、固体電解質体111、121、131(本実施形態では、具体的に固体電解質体121)が狙いとする温度になるように、ヒータパターン164をPWM通電制御して当該ヒータパターン164に電流を流す制御を行えるように構成されている。ヒータ駆動回路57は、より具体的に、次述するVsセル120の内部抵抗の値が目標とする抵抗値(換言すれば、Vsセル120の温度が目標温度)となるように、定期的に検出されるVsセル120の内部抵抗に基づいて、Vsセル120の温度を算出し、算出された温度に基づいてヒータパターン164をPWM通電制御するのである。
次に、本実施形態におけるVsセル120の内部抵抗の測定方法について説明する。Vsセル120の内部抵抗の測定方法としては、Vsセル120に形成された電極122、123間に、抵抗検出回路59に設けた定電流源回路から定電流Iを流し、電極122、123間の電圧Vを抵抗検出回路59により測定し、そのデータをマイクロコンピュータ60のCPU61にて内部抵抗の値として演算するようにすれば良い。より詳細には、抵抗検出回路59に設けた低電流源回路から定電流IをVsセル120に流す前の電極122、123間の電圧と、上記定電流源回路定電流IをVsセル120に流してから一定時間(例えば、60μs経過後)の電極122、123間の電圧との差電圧ΔVを、抵抗検出回路59に設けた差動増幅回路を介して測定し、そのデータをマイクロコンピュータ60のCPU61により、内部抵抗の値として演算するようにすれば良い。なお、この内部抵抗の値と温度とは相関関係があるため、内部抵抗の値が演算されることで、CPU61は、予め設定された計算式またはマップを用いて、Vsセル120の温度を算出することができる。尚、抵抗検出回路59の構成及びVsセル120の内部抵抗の測定手法自体は公知であることから、これ以上の説明は省略することとする。
このような構成のセンサ制御装置11によって、センサ素子4を用いて排ガス中のNOx濃度の検出が行われる。NOx濃度の検出の際の動作について説明する。
図3に示す、センサ素子4を構成する固体電解質体111、121、131は、ヒータ駆動回路57から駆動電流が流されたヒータパターン164の昇温に伴い加熱され、活性化する。これにより、Ip1セル110、Vsセル120、及びIp2セル130が動作するようになる。
図3に示す、センサ素子4を構成する固体電解質体111、121、131は、ヒータ駆動回路57から駆動電流が流されたヒータパターン164の昇温に伴い加熱され、活性化する。これにより、Ip1セル110、Vsセル120、及びIp2セル130が動作するようになる。
排気通路(図1参照)内を流通する排ガスは、第1多孔質部151による流通量の制限を受けつつ第1測定室150内に導入される。ここで、Icp供給回路54によりVsセル120には電極123側から電極122側へ微弱な電流Icpが流されている。このため、排ガス中の酸素は、負極側となる第1測定室150内の電極122から電子を受け取ることができ、酸素イオンとなって固体電解質体121内を流れ、基準酸素室170内に移動する。つまり、電極122、123間で電流Icpが流されることによって、第1測定室150内の酸素が基準酸素室170内に送り込まれている。
Vs検出回路53では、電極122、123間の電圧が検出されており、基準電圧比較回路51により基準電圧(425mV)と比較されて、その比較結果がIp1ドライブ回路52に対し出力されている。ここで、電極122、123間の電位差が425mV付近で一定となるように、第1測定室150内の酸素濃度を調整すれば、第1測定室150内の排ガス中の酸素濃度は所定値(例えば10-8〜10-9atm)に近づくこととなる。
そこで、Ip1ドライブ回路52では、第1測定室150内に導入された排ガスの酸素濃度が所定値より薄い場合、電極112側が負極となるようにIp1セル110に電流Ip1を流し、センサ素子4外部から第1測定室150内へ酸素の汲み入れを行う。一方、第1測定室内に導入された排ガスの酸素濃度が所定値より濃い場合、Ip1ドライブ回路52は、電極113側が負極となるようにIp1セル110に電流Ip1を流し、第1測定室150内からセンサ素子4外部へ酸素の汲み出しを行う。
このように、第1測定室150において酸素濃度が調整された排ガスは、第2多孔質部152を介し、第2測定室160内に導入される。第2測定室160内で電極133と接触した排ガス中のNOxは、Vp2印加回路56により電極132、133間へ電圧Vp2を印加されることで、電極133上でN2とO2とに分解(還元)され、分解された酸素は、酸素イオンとなって固体電解質体131内を流れ、基準酸素室170内に移動する。このため、Ip2セル130を流れる電流は、NOx濃度に応じた値を示す。センサ制御装置11では、Ip2検出回路55によりIp2セル130を流れる電流Ip2を検出し、その電流値から、排ガス中のNOx濃度の検出を行う。
次に、本実施形態におけるヒータパターン164の構成について説明する。図5は、ヒータパターン164を表す図面である。尚、図5では、従来のヒータパターンの一例と、本実施形態のヒータパターン164とを記載している。
図5において、係合位置とは、センサ素子4(具体的には、センサ素子4の周囲を取り囲むフランジ構成部119と主体金具102の径方向内側に突出する係合部107とが係合する位置である。そして、係合位置から図面左側が、センサ素子4の先端領域に相当する。
従来型のヒータパターンは、Ip1セル110からIp2セル130にかけての領域に重畳するように配設されて外部からの通電によって発熱する発熱部と、その発熱部への外部からの通電経路を形成するリード部とを備えている。
本実施形態(本発明)のヒータパターン164は、Ip1セル110からIp2セル130にかけての領域に重畳するように配設されて(例えば図3、4も参照)、外部からの通電によって発熱する主発熱部165と、その主発熱部165への外部からの通電経路を形成するリード部166とを有している。尚、主発熱部165及びリード部166を有している点については、従来型と同様である。
主発熱部165は、リード部166よりも幅狭に構成され、そのリード部166側からセンサ素子4の先端に向かって伸び、センサ素子4の先端にて弧を描くように折り返してリード部166側に伸び、リード部166側で弧を描くように折り返してセンサ素子4の先端に向かって伸び、再度センサ素子4の先端にて弧を描くように折り返してリード部166側に伸びている。
リード部166は、主発熱部165よりも幅広に構成され、主発熱部165から、センサ素子4の後端側に向かって伸びている。尚、図5においては、係合位置から後端側におけるリード部166については記載を省略している。
そして、本実施形態では、ヒータパターン164は、リード部166における途中の経路に外部からの通電によって発熱する副発熱部167を有している。より具体的に、副発熱部167は、リード部166において、主発熱部165と係合位置との間に設けられている。
この副発熱部167は、リード部166の副発熱部167が形成されていない部位よりも単位長さ当たりの抵抗値が大きくなるように、具体的には幅狭に構成されている。
このような構成により、外部からヒータパターン164に通電されると、主発熱部165に加えて副発熱部167も発熱する。そして、副発熱部167の発熱により、主体金具102が加熱されるようになる。このため、本実施形態では、予め主体金具102を加熱することができるようになる。また、係合位置における温度変動(主体金具102の温度変動)がセンサ素子4に対して影響を与えにくくなるようにすることができる。以下、その効果について、図6を用いて説明する。
このような構成により、外部からヒータパターン164に通電されると、主発熱部165に加えて副発熱部167も発熱する。そして、副発熱部167の発熱により、主体金具102が加熱されるようになる。このため、本実施形態では、予め主体金具102を加熱することができるようになる。また、係合位置における温度変動(主体金具102の温度変動)がセンサ素子4に対して影響を与えにくくなるようにすることができる。以下、その効果について、図6を用いて説明する。
図6は、センサ素子4における温度分布及び温度変動の特性を表したグラフである。
具体的に、本発明のヒータパターン164が適用されたセンサ素子4を用い、係合位置の温度(主体金具102の温度)が常温(例えば25℃程度)の際のそのセンサ素子4における温度分布と、係合位置の温度(主体金具102の温度)が500℃の際のそのセンサ素子4における温度分布とを、グラフ上に示した。その両者の温度分布を比較することで、センサ素子4における温度変動(主体金具102の温度が常温の場合と500℃の場合とにおける温度変動)の特性も分かる。
具体的に、本発明のヒータパターン164が適用されたセンサ素子4を用い、係合位置の温度(主体金具102の温度)が常温(例えば25℃程度)の際のそのセンサ素子4における温度分布と、係合位置の温度(主体金具102の温度)が500℃の際のそのセンサ素子4における温度分布とを、グラフ上に示した。その両者の温度分布を比較することで、センサ素子4における温度変動(主体金具102の温度が常温の場合と500℃の場合とにおける温度変動)の特性も分かる。
また、比較のため、従来型のヒータパターン(図5参照)が適用されたセンサ素子を用い、同様に、係合位置の温度(主体金具102の温度)が常温の際のそのセンサ素子における温度分布と、係合位置の温度(主体金具102の温度)が500℃の際のそのセンサ素子における温度分布とを、グラフ上に示した。
なお、本発明のヒータパターンが適用されたセンサ素子、及び、従来型のヒータパターンが適用されたセンサ素子ともに、定期的に検出されるVsセル120の内部抵抗の値が目標の抵抗値となるように、マイクロコンピュータ60及びヒータ駆動回路57を用いて、ヒータパターンをPWM通電制御し、そのもとでの温度分布を図5では示している。
まず、従来型のヒータパターンが適用されたセンサ素子における温度分布は、プロット点が白の四角のもの(曲線A)と、プロット点が網掛けの四角のもの(曲線B)とで表している。このうち、曲線Aは、係合位置の温度(主体金具102の温度)が常温の場合であり、曲線Bは、係合位置の温度(主体金具102の温度)が500℃の場合である。
本発明のヒータパターン164が適用されたセンサ素子4における温度分布は、プロット点が白丸のもの(曲線C)と、プロット点が黒丸のもの(曲線D)とで表している。このうち、曲線Cは、係合位置の温度(主体金具102の温度)が常温の場合であり、曲線Dは、係合位置の温度(主体金具102の温度)が500℃の場合である。
従来型のヒータパターンが適用されたセンサ素子における温度分布(曲線A、B)と、本発明のヒータパターン164が適用されたセンサ素子4における温度分布(曲線C、D)とを比較すると、後者のほうが、温度変動が小さくなっている。つまり、曲線Aと曲線Bとの間の温度の違いと、曲線Cと曲線Dとの間の温度の違いとでは、後者のほうが温度の違いは小さい。
例えば、Ip1セル110の位置(位置:P1)、Vsセル120の位置(位置:P2)、Ip2セル130の位置(位置:P3)の各位置おいて、係合位置の温度(主体金具102の温度)が常温の場合の各位置の温度と、係合位置の温度(主体金具102の温度)が500℃の場合の各位置の温度と、を比較すると、本実施形態のヒータパターン164が適用された場合のほうが温度の違いは小さくなっている。
つまり、本実施形態のヒータパターン164を適用したセンサ素子4のほうが、係合位置の温度変動によるIp1セル110の位置、Vsセル120の位置、Ip2セル130の各位置の温度変動は小さくなっている。
このように、本発明のヒータパターン164が適用されたセンサ素子4では、主体金具102の係合部107の係合位置の温度(主体金具102の温度)の変動に伴うそのセンサ素子4における温度変動(より具体的に、Ip1セル110、Vsセル120、Ip2セル130における温度変動)を小さくすることができる。これは、副発熱部167の発熱により、係合位置の温度(主体金具102の温度)の変動が抑制ないし軽減されているためである。
また、本発明のヒータパターン164が適用されたセンサ素子4では、ヒータパターン164への通電により副発熱部167が発熱するため、例えば主体金具102を予め加熱することができる。主体金具102を予め加熱しておくことで、例えば排気管等の温度変動に起因するその主体金具102の温度変動範囲を小さくすることができる。このため、センサ素子4における温度変動を小さくすることができる。
尚、本実施形態において、Ip1セル110、Vsセル120、Ip2セル130が特許請求の範囲のセルに相当し、ヒータパターン164が特許請求の範囲のヒータに相当し、主体金具102が保持部材に相当し、Ip1セル110が第1セルに相当し、Ip2セル130が第2セルに相当し、Vsセル120が第3セルに相当している。
〈変形例〉
次に、図7は、ヒータパターン164の変形例を表す図である。図7においては、第1の変形例と第2の変形例とを記載している。
〈変形例〉
次に、図7は、ヒータパターン164の変形例を表す図である。図7においては、第1の変形例と第2の変形例とを記載している。
まず、図7の第1の変形例に示すように、副発熱部167は、リード部166において、係合位置をまたぐように設けられていても良い。つまり、リード部166において、センサ素子4を係合する主体金具102の係合部107に面する領域に設けられていても良い。 これによれば、副発熱部167の発熱により、主体金具102がより加熱されやすくなる。つまり、ヒータパターン164への通電により、主体金具102を予め加熱し易くなる。このため、例えば排気管等の温度変動に起因する主体金具102の温度変動範囲をより確実に小さくすることができる。また、主体金具102の温度変動がセンサ素子4に伝導しにくくすることができる。
このため、センサ素子4の特性が変化してしまうことをより確実に防止することができる。
次に、図7の第2の変形例に示すように、副発熱部167は、係合位置(主体金具102)よりもセンサ素子4における後端側に設けられていても良い。
次に、図7の第2の変形例に示すように、副発熱部167は、係合位置(主体金具102)よりもセンサ素子4における後端側に設けられていても良い。
このような構成でも、第1実施形態と同様に、主体金具102が予め加熱されるようにすることができ、例えば排気管等の温度変動に起因する主体金具102の温度変動範囲を小さくすることができる。従って、センサ素子4の特性が変化してしまうことを確実に防止することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術範囲内において種々の形態をとることができる。
例えば、図5の主発熱部165のパターンは一例であり、どのようなパターンでも良い。また、副発熱部167は、リード部166の途中の経路に設けられてさえいれば、蛇行形状をなしてもよいし、どのようなパターンでも良い。
例えば、図5の主発熱部165のパターンは一例であり、どのようなパターンでも良い。また、副発熱部167は、リード部166の途中の経路に設けられてさえいれば、蛇行形状をなしてもよいし、どのようなパターンでも良い。
また、上記実施形態では、ヒータパターン164はPtを主体とした素材からなるが、素材は何でも良い。
1…ガス濃度検出装置、2…ガスセンサ、4…センサ素子 11…センサ制御装置、12,13…コネクタ、14,15…リード線、51…基準電圧比較回路、52…Ip1ドライブ回路、53…Vs検出回路、54…Icp供給回路、55…Ip2検出回路、56…Vp2印加回路、57…ヒータ駆動回路、58…電気回路部、59…抵抗検出回路、60…マイクロコンピュータ、64…信号入出力部、65…A/Dコンバータ、90…ECU、102…主体金具、110…Ip1セル、111,121,131…固体電解質体、112,113,122,123,132,133…電極、114…保護層、118…加締リング、120…Vsセル、125…開口部、129…金属カップ、130…Ip2セル、140,145…絶縁体、141…開口部、150…第1測定室、151…第1多孔質部、152…第2多孔質部、160…第2測定室、161…ヒータ素子、162…絶縁層、164…ヒータパターン、165…主発熱部、166…リード部、167…副発熱部、170…基準酸素室。
Claims (5)
- 固体電解質体及び一対の電極を備えるセルを少なくとも2つ有するとともに、そのセルを昇温するために当該セルに積層されるヒータを備え、長手方向における先端領域が前記測定対象ガスの雰囲気に晒される長尺状のセンサ素子と、
前記センサ素子を自身の内側に保持し、そのセンサ素子の先端領域を前記測定対象ガスの流路に配設するための保持部材と、を備え、
前記セルのそれぞれは、前記センサ素子の異なる位置に形成され、前記セルの何れかにおいて、前記測定対象ガス中の特定ガス濃度に応じた出力信号が流れるガスセンサであって、
前記ヒータは、
前記先端領域に自身の全てが配設されるとともに外部からの電力供給を受けて発熱する主発熱部と、前記主発熱部から、前記センサ素子の後端側に向かって伸びてその主発熱部への外部からの通電経路を形成するリード部とを有し、さらに、該リード部における途中の経路に、外部からの電力供給を受けて発熱する副発熱部を備えていることを特徴とするガスセンサ。 - 前記保持部材には、自身の内側に径方向内側に突出する係合部が形成され、前記センサ素子は、前記係合部に支持されて前記保持部材に保持されており、
前記副発熱部は、前記リード部のうち、前記主発熱部と、前記保持部材の前記係合部に面する領域との間に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のガスセンサ。 - 前記保持部材には、自身の内側に径方向内側に突出する係合部が形成され、前記センサ素子は、前記係合部に支持されて前記保持部材に保持されており、
前記副発熱部は、前記リード部のうち、前記保持部材の前記係合部に面する領域に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のガスセンサ。 - 前記センサ素子は、前記セルとして、ガス測定室内に導入された前記測定対象ガス中の酸素濃度を所定濃度に調整する第1セルと、前記第1セルよりも後端側に設けられて、前記第1セルによる酸素濃度調整後のガス中の前記特定ガス成分濃度としての窒素酸化物濃度に応じた前記濃度信号が流れる第2セルとを少なくとも有することを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載のガスセンサ。
- 前記センサ素子は、長手方向に沿って見たときに、前記第1セルよりも後端側であって、前記第2セルよりも先端側の位置に第3セルが設けられ、前記第3セルの温度が目標温度となるように前記ヒータの通電が制御されることを特徴とする請求項4に記載のガスセンサ。
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- 2009-11-04 JP JP2009253387A patent/JP2011099712A/ja active Pending
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