JP7008533B2 - ガスセンサ - Google Patents
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又、ガスセンサは、センサ素子の周囲を取り囲む主体金具を有し、主体金具とセンサ素子の隙間を滑石でシールすると共に、センサ素子の先端側の所定の位置の温度が一定になるようにヒータの加熱を制御している。
特に、自動車等の電子部品には低電圧作動が求められており、それに伴ってヒータの作動電圧も加熱に必要な最低限の値に設定されているので、ガスセンサ毎の製造バラツキがあると低電圧作動を実現することが困難になる。
そして、LAが5.0mm超、11.5mm以下の範囲であれば、ガスセンサの組付け時にLAがバラついてもセンサ素子から充填部材への熱引きの変動が小さいので、ヒータの電力上昇を抑制し、低電圧作動も実現できる。
また、このガスセンサによれば、検知セルの内部インピーダンスが温度に比例することに基づき、温度基準位置としても検知セルの温度を正確かつ容易に測定できる。
このガスセンサによれば、ガスセンサの組付け時にLAがバラついた際、センサ素子から充填部材への熱引きの変動がより小さくなるので、ヒータの電力上昇をさらに抑制できる。
滑石は、主体金具の内側面とセンサ素子の外表面との間に充填し易いので、両者の隙間を確実にシールできる。
このガスセンサによれば、軸線方向に複数の充填部材を備えた場合に、センサ素子からの熱引きが最も顕著な第1の充填部材を対象としてLAを規定することで、複数の充填部材を備えた場合にもヒータの電力上昇を抑制し、低電圧作動も実現できる。
又、センサ素子から最も遠い第2の充填部材を対象としてLEを規定することで、複数の充填部材を備えた場合にも端子金具等との電気的接続の信頼性を向上できる。
図1は本発明の実施形態に係るガスセンサ(NOxセンサ)1の軸線O方向に沿う全体断面図、図2はセンサ素子10の軸線O方向に沿う断面図、図3は図1の部分拡大図を示す。なお、図1及び図3は、軸線O方向に沿うと共に、検知部11の板厚方向Tに沿う断面図である。
このガスセンサ1は、自動車や各種内燃機関の排気ガス中の酸素濃度を検出するNOxセンサである。
又、後端側セパレータ95は、先端側セパレータ90の後端側に接して配置され、互いに接続されている。先端側セパレータ90は保持部材169を介して外筒144の内部に保持されると共に、後端側セパレータ95がグロメット170に当接している。そして、グロメット170の弾性力により後端側セパレータ95が先端側セパレータ90を先端側へ押圧して保持部材169へ係止している。
また、電極パッド10aは、センサ素子10の後端側の両面にそれぞれ幅方向に3つ並んでいる。各電極パッド10aは、例えばPtを主体とする焼結体として形成することができる。
一方、センサ素子10の先端の検知部11は、アルミナ等の多孔質保護層14で覆われている。又、センサ素子10の外面には検知部11に連通するスリット状のガス導入部13が設けられており、ガス導入部13は外部から検知部11にガスを流入可能になっている。
検知部11については後述する。
なお、板状のセンサ素子は、筒状のセンサ素子に比べて熱容量が小さく、センサ素子の熱が主体金具側に逃げ易い(熱引き)。そこで、本発明は熱引きの問題がより顕著になる板状のセンサ素子を対象とする。
さらに、棚部152は、軸線方向に垂直な平面に対して傾きを有する内向きのテーパ面として形成されている。
粉末充填層153は、一般に天然鉱石を粉砕して得られたタルク(含水珪酸マグネシウム[Mg3Si4O10(OH)2])を主成分(50質量%以上)とする滑石粉末から形成できる。又、これ以外の不純物として、例えば、マグネサイト等からなる不純物を約0.3~5重量%含む広西タルクや、マグネサイト、ドロマイト等の不純物を約1~30重量%含む海城タルクを用いることもできる。
粉末充填層153が特許請求の範囲の「充填部材」に相当する。
また、セラミックスリーブ106と主体金具138の後端部140との間には、加締めパッキン157が配置されている。なお、主体金具138の後端部140は、加締めパッキン157を介してセラミックスリーブ106を先端側に押し付けるように、加締められている。
そして、外筒144の後端側(図1における上方)の開口部には、後端側セパレータ95から引き出された6本のリード線146(図1では2本のみを表示)が挿通されるリード線挿通孔170hが形成された、ゴム製のグロメット170が配置されている。
センサ素子10は、軸線O方向の先端側から、第1測定室S1に導入される被検出ガス中の酸素の汲み出し又は汲み入れを行う第1ポンプセル15と、第1測定室S1の酸素濃度を検出する酸素濃度検出セル16と、第1測定室S1に連通するNOx測定室S2に流入され、酸素濃度が調整されたガス中のNOx濃度に応じた第2ポンピング電流が流れる第2ポンプセル17とを、この順に備えている。
第1ポンプセル15は、第1固体電解質体15c及びその両面に形成された一対の電極15a、15bを有する。酸素濃度検出セル16は、第3固体電解質体16c及びその両面に形成された一対の電極16a、16bを有する。第2ポンプセル17は、第2固体電解質体17cに形成された一対の電極17a、17bを有する。
センサ素子10が備えるすべてのセル15~17を検知部11とする。
ヒータ50は、検知部11のうち、セル16が設定温度となるように加熱する。
なお、セル16の形成領域Rとは、軸線O方向に一対の電極16a、16bの重なり領域をいう。
(1)まず、センサ素子10につき通常の温度制御をする。本例では、セル16の内部インピーダンスが温度に比例することに基づき、セル16の温度が設定温度となるようにヒータ50を通電制御する。
(2)このときのセンサ素子10の外表面の軸線O方向の温度分布をベースラインとし、熱画像計測装置(サーモカメラなど)で複数回(本例では30回)連続取得する。
(3)外乱として、センサ素子10の先端に別の熱源(セラミックヒータ等)を近接させて加熱する。これにより、センサ素子10の外表面の温度勾配が変化するが、このときの温度分布を外乱とみなし、(2)と同一の回数(30回)連続取得する。図5は、ベースラインおよび外乱のそれぞれ30回測定分の温度分布を示す。
(4)(2)と(3)の温度分布を比較し、最も温度変化が少なかった場所を温度基準位置Mとする。具体的には、図6に示すように、(2)、(3)で得られた各温度分布データのうち、軸線O方向に同じ位置の(2)と(3)のデータを加算し、合計60個のデータについて、標準偏差を求め、最も偏差が小さい軸線O方向の位置を温度基準位置Mとする。
(5)上記測定はセンサ素子10の軸線O方向、幅方向の両方で実施する。
このように、第1測定室S1において酸素濃度が調整された被検出ガスは、第2測定室S2内に導入される。第2測定室S2内で被検出ガス中のNOxは、第2ポンプセル17の電極17bに曝され、電極17bを触媒としてN2とO2に分解(還元)される。このとき、第2ポンプセル17を流れる電流は、NOx由来の電流および残留酸素由来の電流となる。
ここで、第1測定室S1で汲み残された残留酸素の濃度は上記のように所定値に調整されているため、その残留酸素由来の電流は略一定とみなすことができ、NOx由来の電流の変動に対し影響は小さく、第2ポンプセル17を流れる電流はNOx濃度に比例することとなる。
図3に示すように、軸線O方向に見て、センサ素子10の全長LTが50mm以下、粉末充填層153の後端153eからセンサ素子10の後端10eまでの長さLEが13.5mm以上、温度基準位置Mのから粉末充填層153の先端153fの長さLAが5.0mm超、11.5mm以下である。
ここで、全長LTは、多孔質保護層14を含まない長さとする。
又、図3に示すように、セラミックスリーブ106に接する粉末充填層153の後端側は、最後端153tから先端部153sに向かって広がるテーパ状になっている。そこで、最後端153tと先端部153sとの軸線O方向の中点を、後端153eとみなす。同様に、セラミックホルダ151に接する粉末充填層153の先端側は、最先端153uから後端部153vに向かって窄まるテーパ状になっている。そこで、最先端153uと後端部153vとの軸線O方向の中点を、先端153fとみなす。
LEが13.5mm未満であると、電極パッド10aの寸法や各電極パッド10aの間の間隔が短くなり過ぎ、端子金具20、30との電気的接続の信頼性が低下したり、ショートを生じるおそれがある。
なお、LEを13.5mm以上に規定しても、粉末充填層153の後端側を支持する支持部材(図3ではセラミックスリーブ106)の軸線O方向の厚みが厚すぎると、端子金具20、30との電気的接続の信頼性が低下するおそれがある。そこで、上記支持部材の最大厚みtsを5.5mm以下とする事が好ましい。上記支持部材が軸線O方向に複数個積層されている場合は、その積層体の最大厚みをtsとする。
一方、LAが11.5mmを超えると、ガスセンサ1の小型化のためには、その分だけ粉末充填層153の軸線O方向の長さを短く調整せざるを得ず、その場合には主体金具138とセンサ素子10の隙間のシール性が低下する。
LAが6.7mm以上10.7mm以下であると、ヒータ50の通電(加熱)電圧の変化率が3%以下となり、ヒータ50の電力上昇をさらに抑制できる。
セル16の形成領域Rに温度基準位置Mが位置するようにしてもよい。つまり、セルの内部インピーダンスが温度に比例することに基づき、特定のセルを温度基準位置Mとし、そのセルの温度が設定温度となるようにヒータ50を通電制御し、その代わりに、所定の温度基準位置Mを予め決め、その位置におけるヒータ50自身の電気抵抗をモニタし、電気抵抗が温度に比例することに基づき、その温度が設定温度となるようにヒータ50を通電制御してもよい。又、セル16以外のセル17の形成領域に温度基準位置Mが位置するようにしてもよい。
第1の充填部材253及び第2の充填部材255は、図1のセンサ素子10と同様、主体金具138の内周面とセンサ素子10Bの外周面との間に充填される粉末充填層(滑石リング)であって、主体金具138と前センサ素子10Bとの隙間をシールするものである。
なお、セラミックホルダ151、セラミックリング254及びセラミックスリーブ106と、センサ素子10Bとの間には、センサ素子10Bを挿通するために若干の隙間が形成されており、センサ素子10Bからの熱引きは主として充填部材253、255との間で生じる。
そこで、この第1の充填部材253を対象として、上記したLAを規定することで、センサ素子10Bが複数の充填部材253、255を備えていても、ヒータの電力上昇を抑制し、低電圧作動も実現できる。
具体的には、温度基準位置Mから、第1の充填部材253の先端253fまでの軸線O方向の長さをLAとする。
なお、図3の粉末充填層153と同様、充填部材253の先端側が最先端253uから後端部253vに向かって窄まるテーパ状になっている場合、最先端253uと後端部253vとの軸線O方向の中点を、先端253fとみなす。
具体的には、第2の充填部材255の後端255eからセンサ素子10Bの後端10eまでの軸線O方向の長さをLEとする。
なお、図3の粉末充填層153と同様、第2の充填部材255の後端側が最後端255tから先端部255sに向かって広がるテーパ状になっている場合、最後端255tと先端部255sとの軸線O方向の中点を、後端255eとみなす。
充填部材は、滑石などの粉末充填部材の他、ガラス等を用いることもできる。
得られた結果を図4に示す。
LAが5.0mmを超えると電圧変化率が5%以下となった。又、LAが6.7mm以上10.7mm以下であると電圧変化率が3%以下となった。
10 センサ素子
10e センサ素子の後端
11 検知部
15~17 セル
15a、15b、16a、16b、17a、17b 一対の電極
15c~17c 固体電解質体
50 ヒータ
138 主体金具
154 主体金具の貫通孔
153,253,255 充填部材
253 第1の充填部材
255 第2の充填部材
153e、255e 充填部材の後端
153f、253f 充填部材の先端
M 温度基準位置
O 軸線
Claims (4)
- 板状をなして軸線方向に延び、固体電解質体及び該固体電解質体上に形成された一対の電極を備えたセルを少なくとも1つ有する検知部と、前記検知部を加熱するヒータと、を有するセンサ素子と、
前記軸線方向に貫通する貫通孔を有し、前記センサ素子の周囲を取り囲む主体金具と、
前記主体金具の内側面と前記センサ素子の外表面との間に充填され、前記主体金具と前記センサ素子の隙間をシールする充填部材と、を備え、前記センサ素子が設定温度となるように前記ヒータで加熱されるガスセンサであって、
前記セルのうち被測定ガス中の特定ガス成分を検知する検知セルを構成する電極の重なり領域と同位置であって、外乱を与えたときに、前記センサ素子の温度変化が最も少ない位置を温度基準位置としたとき、
前記充填部材は、前記センサ素子の前記温度基準位置よりも後端側に位置し、
前記軸線方向の前記センサ素子の全長LTが50mm以下、
前記充填部材の後端から前記センサ素子の後端までの前記軸線方向の長さLEが13.5mm以上、
かつ、前記温度基準位置から前記充填部材の先端までの前記軸線方向の長さLAが5.0mm超、11.5mm以下であることを特徴とするガスセンサ。 - 前記LAが6.7mm以上10.7mm以下であることを特徴とする請求項1に記載のガスセンサ。
- 前記充填部材は、滑石であることを特徴とする請求項1又は2に記載のガスセンサ。
- 前記充填部材は、第1の充填部材と、該第1の充填部材よりも後端側に充填される第2の充填部材と、を備え、
前記センサ素子から最も遠い位置に位置する前記第2の充填部材の後端から前記センサ素子の後端までの前記軸線方向の長さを前記LEとし、
前記温度基準位置から、前記センサ素子の先端に最も近い位置に位置する前記第1の充填部材の先端までの前記軸線方向の長さを前記LAとすることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載のガスセンサ。
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