JP7068074B2 - 酸素センサの制御装置及び酸素センサの制御方法 - Google Patents

酸素センサの制御装置及び酸素センサの制御方法 Download PDF

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Description

本開示は、酸素センサの制御装置及び酸素センサの制御方法に関する。
内燃機関等から排出される排気ガスの空燃比を検出するための酸素センサとして、ポンプセルと酸素濃度測定セルとを用いた2セルタイプの酸素センサが公知である(特許文献1参照)。
2セルタイプの酸素センサでは、酸素濃度測定セルの2つの電極が配置された雰囲気の酸素濃度の差異に基づいて電極間に起電力が発生する。上記酸素センサは、この起電力が所定の値となるようにポンプセルに流れるポンプ電流の大きさや向きを制御し、このポンプ電流に基づき、酸素濃度を測定する。
また、上記酸素センサでは、酸素濃度測定セルに微小電流を供給することで、一方の電極が配置された測定ガス室から他方の電極が配置された酸素基準室に酸素を汲み出すことで酸素基準室の酸素濃度が維持される。
特開平10-104195号公報
上述のような2セルタイプの酸素センサにおいて、電源が切られた状態から酸素センサを起動した直後は、セルを活性化させるためのヒータによる加熱が十分ではなく、酸素濃度測定セルの温度が低い。そのため、酸素濃度測定セルの内部抵抗が大きくなる。
この状態では、酸素を汲み出すための微小電流が生む電圧(つまり、微小電流と内部抵抗との積)が大きくなり、この電圧が、酸素濃度測定セルの電極間における酸素濃度差に起因する電圧にノイズとして付加される。その結果、雰囲気中の酸素濃度の差異による電圧に基づきポンプ電流を制御しても、酸素濃度を精度よく測定することができない。そのため、酸素濃度測定セルがヒータによって十分に加熱されるまでポンプ電流の制御を開始せずにいると酸素濃度検知の開始が遅くなり、酸素濃度測定セルが十分加熱される前にポンプ電流の制御を開始したとしても酸素濃度の検知精度が低下する。
本開示の一局面は、酸素センサの測定開始直後における検知精度の低下及び酸素センサの測定開始の遅延を抑制できる酸素センサの制御装置を提供することを目的とする。
本開示の一態様は、ポンプセルと、酸素濃度測定セルと、測定ガス室と、ヒータと、微小電流供給回路と、ポンプ電流供給回路と、測定部と、を備える酸素センサの制御装置である。ポンプセルは、第1固体電解質体と、第1固体電解質体上に離間して配置された第1ポンプ電極及び第2ポンプ電極とを有する。酸素濃度測定セルは、第2固体電解質体と、第2固体電解質体上に離間して配置された第1測定電極及び第2測定電極とを有する。測定ガス室は、第1ポンプ電極及び第1測定電極が配置される。ヒータは、ポンプセル及び酸素濃度測定セルを加熱するように構成される。
また、微小電流供給回路は、測定ガス室内の酸素が第2測定電極に酸素基準源として送られる向きに酸素濃度測定セルに微小電流を供給するように構成される。ポンプ電流供給回路は、ポンプセルにポンプ電流を供給するように構成される。測定部は、酸素濃度測定セルの電極間電圧を測定するように構成される。酸素センサの制御装置は、酸素基準源が機能している状態で酸素濃度の測定を開始する時に、微小電流を供給することなく、ヒータによる加熱とポンプ電流の供給とを開始する。
このような構成によれば、酸素濃度測定セルの温度が低い状態で抵抗値の高い内部抵抗に微小電流による電圧が印加されないため、酸素センサの測定開始直後における検知精度の低下を抑制できる。換言すれば、ヒータによる十分な加熱を待たずに、酸素濃度の検知を早く行うことができる。
本開示の一態様では、ポンプ電流の供給開始から一定時間経過した後に、微小電流の供給を開始してもよい。このような構成によれば、測定開始直後における測定精度の低下を抑制しつつ、測定開始から一定時間経過した後の検知精度も高めることができる。
本開示の別の態様は、ポンプセルと、酸素濃度測定セルと、測定ガス室と、ヒータと、微小電流供給回路と、ポンプ電流供給回路と、測定部と、を備える酸素センサの制御方法である。ポンプセルは、第1固体電解質体と、第1固体電解質体上に離間して配置された第1ポンプ電極及び第2ポンプ電極とを有する。酸素濃度測定セルは、第2固体電解質体と、第2固体電解質体上に離間して配置された第1測定電極及び第2測定電極とを有する。測定ガス室は、第1ポンプ電極及び第1測定電極が配置される。ヒータは、ポンプセル及び酸素濃度測定セルを加熱するように構成される。
また、微小電流供給回路は、測定ガス室内の酸素が第2測定電極に酸素基準源として送られる向きに酸素濃度測定セルに微小電流を供給するように構成される。ポンプ電流供給回路は、ポンプセルにポンプ電流を供給するように構成される。測定部は、酸素濃度測定セルの電極間電圧を測定するように構成される。酸素センサの制御装置は、酸素基準源が機能している状態で酸素濃度の測定を開始する時に、微小電流を供給することなく、ヒータによる加熱とポンプ電流の供給とを開始する工程を備える。
このような構成によれば、酸素濃度測定セルの温度が低い状態で抵抗値の高い内部抵抗に微小電流による電圧が印加されないため、酸素センサの測定開始直後における検知精度の低下を抑制できる。
実施形態の酸素センサの制御装置を示す模式的な構成図である。 図1の酸素センサにおける各パラメータの変化を表すグラフである。 図1の酸素センサの制御装置が実行する処理のフローチャートである。
以下、本開示が適用された実施形態について、図面を用いて説明する。
[1.第1実施形態]
[1-1.構成]
図1に示す酸素センサの制御装置(以下、単に「制御装置」ともいう)1は、酸素センサ10を制御する装置である。
<酸素センサ>
酸素センサ10は、被測定ガス中の酸素濃度を検知するセンサである。酸素センサ10は、例えば、内燃機関等の空燃比を測定するために、内燃機関から排出される排気ガスの酸素濃度を検出する目的で使用される。酸素センサ10は、センサ本体11と、回路部21とを備える。
(センサ本体)
センサ本体11は、ポンプセル12と、酸素濃度測定セル13と、測定ガス室14と、ヒータ15とを有する。センサ本体11は、各セルを構成する複数の層状の固体電解質体と、複数の電極と、複数の絶縁層とが積層された積層体である。
各固体電解質体は、酸素イオン導電性を有するものであれば特に限定されず、例えばジルコニアを主成分とする層が使用できる。なお、「主成分」とは60質量%以上含まれる成分を意味する。
(ポンプセル)
ポンプセル12は、第1固体電解質体12Aと、第1固体電解質体12Aを挟むように第1固体電解質体12A上に配置された第1ポンプ電極12B及び第2ポンプ電極12Cとを有する。
第1ポンプ電極12Bは、測定ガス室14内に配置されている。
第2ポンプ電極12Cは、センサ本体11を構成する積層体の外部と連通する空間に配置されている。また、第2ポンプ電極12Cは、多孔質層12Dに被覆されている。多孔質層12Dは、アルミナ等のセラミックを主成分とする。
(酸素濃度測定セル)
酸素濃度測定セル13は、第2固体電解質体13Aと、第2固体電解質体13Aを挟むように第2固体電解質体13A上に配置された第1測定電極13B及び第2測定電極13Cとを有する。
第2固体電解質体13Aのポンプセル12とは反対側の面(つまり、ヒータ15側の面)には、補強板16が配置されている。補強板16は、セラミックを主成分とする絶縁部材である。
第1測定電極13Bは、測定ガス室14内に配置されている。
第2測定電極13Cは、補強板16と第2固体電解質体13Aとに挟まれて配置されている。
(測定ガス室)
測定ガス室14は、被測定ガス中の酸素を取り込む部屋である。測定ガス室14には、第1ポンプ電極12B及び第1測定電極13Bが配置されている。
測定ガス室14は、第1固体電解質体12Aと第2固体電解質体13Aとの間に設けられた空間を第1多孔質体14A及び第2多孔質体14Bで仕切ることで構成されている。上記空間は、第1多孔質体14A又は第2多孔質体14Bを介してセンサ本体11を構成する積層体の外部と連通している。第1多孔質体14A及び第2多孔質体14Bは、アルミナ等のセラミックを主成分とする。
(ヒータ)
ヒータ15は、ポンプセル12及び酸素濃度測定セル13を加熱し、これらが有する固体電解質体を活性化させる。
ヒータ15は、セラミックを主成分とする第1絶縁層17Aと第2絶縁層17Bとの間に配置されている。ヒータ15は、通電により発熱を行う発熱抵抗体を有する。ヒータ15は、例えば白金(Pt)によって形成される。
なお、第1絶縁層17Aは、補強板16の酸素濃度測定セル13とは反対側の面に配置され、第2絶縁層17Bは、第1絶縁層17Aの補強板16とは反対側の面に配置されている。
(回路部)
回路部21は、センサ本体11を駆動させる回路によって構成される。回路部21は、微小電流供給回路21Aと、ポンプ電流供給回路21Bと、測定部21Cと、PID演算回路21Dと、内部抵抗演算回路21Eと、ヒータ駆動回路21Fとを有する。
微小電流供給回路21Aは、Vs+端子33を介して酸素濃度測定セル13の第2測定電極13Cに接続されている。微小電流供給回路21Aは、測定ガス室14内の酸素が第2測定電極13Cに酸素基準源として送られる向きに、酸素濃度測定セル13に微小電流Icpを供給する。微小電流Icpの供給によって、第2測定電極13C周囲の雰囲気の酸素濃度が基準値に保たれる。
ポンプ電流供給回路21Bは、Ip+端子31を介して、ポンプセル12の第2ポンプ電極12Cに接続されている。ポンプ電流供給回路21Bは、ポンプセル12にポンプ電流Ipを供給すると共に、供給したポンプ電流Ipの大きさ及び向きを制御装置1に出力する。
測定部21Cは、酸素濃度測定セル13の電極間電圧Vsを測定する回路で構成されている。具体的には、測定部21Cは、基準電圧生成回路21Gと、AD変換回路21Hとを含む。
基準電圧生成回路21Gは、第1ポンプ電極12Bと第1測定電極13Bとに接続されたCOM端子32に印加される基準電圧を発生させる。
AD変換回路21Hは、Vs+端子33から入力されるアナログ信号の電圧値をデジタルデータへ変換し、PID演算回路21Dと内部抵抗演算回路21Eとに出力する。
PID演算回路21Dは、AD変換回路21Hから入力されるデジタルデータに基づいて、ポンプ電流IpをPID制御する。具体的には、PID演算回路21Dは、Vs+端子33における電圧とCOM端子32における電圧との電圧差が予め設定された制御基準電圧となるように、PID演算を行う。また、PID演算回路21Dは、PID演算で得たポンプ電流Ipの値をポンプ電流供給回路21Bへ出力する。なお、制御基準電圧は、例えば450mVである。
内部抵抗演算回路21Eは、微小電流供給回路21Aがパルス電流を酸素濃度測定セル13に供給した際にAD変換回路21Hから出力されるデジタルデータに基づいて、酸素濃度測定セル13の内部抵抗(Rpvs)を演算する。
ヒータ駆動回路21Fは、ヒータ15に駆動電圧を印加することで、ヒータ15を駆動する。ヒータ駆動回路21Fは、ヒータ15の内部抵抗を検知し、内部抵抗が目標値になる値となるようにヒータ15の駆動電圧を調整する。
<制御装置>
制御装置1は、マイクロプロセッサ及びRAM、ROM等の記憶媒体を内蔵している。制御装置1は、酸素センサ10の回路部21と接続され、予め記憶されたプログラムを実行することで、酸素センサ10を制御する。
制御装置1は、回路部21から出力される電流値等を酸素濃度に変換する。具体的には、制御装置1は、ポンプ電流Ip自身、あるいはポンプ電流Ipを増幅した電流値又は電圧値を、酸素センサ10の出力として受信する。制御装置1は、例えば、自動車に搭載される場合には、自動車の電子制御装置(ECU)と接続され、酸素濃度をECUに出力する。
制御装置1は、通常の酸素濃度の測定においては、回路部21によって、ヒータ15を駆動させながら、微小電流Icpをセンサ本体11に供給させると共に、ポンプ電流Ipを測定する。
一方、制御装置1は、酸素濃度の測定が停止された後、酸素基準源が機能している状態で酸素濃度の測定を開始する時に、微小電流Icpを供給することなく、ヒータ15による加熱とポンプ電流Ipの供給とを開始する。
ここで、「酸素基準源が機能している状態」とは、第2測定電極13C周囲の雰囲気における酸素濃度が予め設定された測定用の基準値を満たしている状態を意味する。なお、酸素基準源が機能しているかどうかは、酸素濃度を直接又は間接的に計測して判断してもよいし、それ以外の方法で判断してもよい。
例えば、酸素センサ10の電源が切られてから(つまり、電流の供給が停止してから)経過した時間が予め設定された基準時間内か否かによって、酸素基準源が機能しているか判断してもよい。この「基準時間」は、微小電流Icpの供給を停止してから酸素濃度が基準値以下になるまでの時間によって設定され、例えば1時間とすることができる。
また、酸素センサ10が自動車に搭載されている場合は、アイドリングストップによる停止から再起動した場合には、停止期間が短いため、酸素基準源が機能していると判断できる。
さらに、自動車の冷却水が一定温度以上の場合に、酸素基準源が機能していると判断してもよい。この一定温度は、例えばECUが自動車のホットリスタートを判断する温度とすることができる。
また、制御装置1は、酸素センサ10の起動後におけるポンプ電流Ipの供給開始から一定時間経過した後に、微小電流Icpの供給を開始する。この一定時間は、酸素センサ10の固体電解質体が活性化するまでの時間とすることができる。
なお、制御装置1は、ポンプ電流Ipの大きさに基づいて酸素濃度の検出を行う。例えば、酸素濃度測定セル13の電極間電圧Vsが所定範囲(例えば、リーン雰囲気の場合では250mV以上、又はリッチ雰囲気の場合では一旦750mV以上となった後に750mV以下)となった場合には、ヒータ15により十分加熱された状態であるため、ポンプ電流Ipの大きさにより、精度良い酸素濃度の検出が可能となる。また、酸素濃度測定セル13の電極間電圧Vsが所定範囲に収まる前の場合は、その後に比べ精度が落ちるが、少なくともポンプ電流Ipの流れる向き(プラスマイナス)に基づき、現在の雰囲気がリッチ雰囲気又はリーン雰囲気であるかが判定できる。したがって、必要な酸素センサ10の測定精度に応じて、ポンプ電流Ipに基づく酸素濃度の検出開始タイミングは適宜設定可能である。
図2に、自動車の排気ガスの酸素濃度測定において、測定開始時に微小電流Icpを供給しない改良制御を行った場合と、測定開始時に微小電流Icpを供給する従来制御を行った場合との、酸素濃度測定セル13の電極間電圧Vs、ポンプ電流Ip、酸素濃度測定セル13の内部抵抗Rpvs、及び微小電流Icpの時間変化をグラフとして示す。
図2において、P1は、酸素の多いリーン状態で改良制御を行った場合、P2は、酸素の少ないリッチ状態で改良制御を行った場合、Q1は、酸素の多いリーン状態で従来制御を行った場合、Q2は、酸素の少ないリッチ状態で従来制御を行った場合を示す。
また、図2のS1は、改良制御にてIcpの供給を開始するタイミングである。図2では、改良制御のIcpの供給タイミングは、ヒータ15の加熱によって固体電解質体の活性化が完了するタイミングとしている。そのため、固体電解質体の活性条件によってIcpの供給タイミングは変化し得る。
従来制御では、Rpvsの大きい状態でIcpが供給されるため、測定開始直後にVsが大きく検出される。そのため、従来制御では、固体電解質体が活性化し、起電力に対してIcpと内部抵抗との積が小さくなるまで(例えば、リーン雰囲気の場合はVsが100mV以下、リッチ雰囲気の場合はVsが1V以下となる図2のS3まで)Ipの制御を開始せず、酸素濃度の測定がされない。
一方、改良制御では、測定開始直後にヒータ15の加熱は開始される一方Icpが供給されないことにより、Vsは徐々に増加する。また、Ipの制御も測定開始直後に行うことでVsが徐々に増加し、これに伴ってIpの絶対値も徐々に大きくなり、従来制御に比べ、Vsを制御基準電圧に早く制御できる。
図2のS2は、P1が250mV以上となった時点、又はP2が一旦750mVを超えた後に再び750mV以下となった時点である。S2で酸素濃度の検出を開始すると、P1,P2のどちらのケースにおいても(つまり、排気ガスの酸素濃度に関係なく)、安定化したIpの値に基づいてより精度よく酸素濃度を検出することができる。一方、S2より前の状態はIpが安定途中であり、S2以降に比べて酸素濃度の検出精度が低下する。そのため、S2より前にIpの値に基づいて酸素濃度を検出する場合は、酸素濃度をリッチリーン判定に用いたり、酸素濃度に適当な補正を行ったりすることが好ましい。
なお、図2では、従来制御及び改良制御の双方において、酸素センサ10の起動と同時にヒータ15を駆動しているため、従来制御と改良制御とでRpvsの時間変化は同じである。
[1-2.処理]
以下、図3のフロー図を参照しつつ、制御装置1が酸素濃度の計測開始時に実行する処理(つまり、酸素センサ10の制御方法)について説明する。
この処理では、制御装置1は、最初に、ヒータ15を駆動してセンサ本体11の加熱を行う(ステップS10)。次に、制御装置1は、第2測定電極13Cの酸素基準源が機能しているか判定する(ステップS20)。
酸素基準源が機能している場合(S20:YES)、制御装置1は、センサ本体11に微小電流Icpを供給することなく、ポンプ電流Ipのみの供給を開始する(ステップS30)。
ポンプ電流Ipの供給後、制御装置1は、予め設定した一定時間が経過したか判定する(ステップS40)。一定時間経過している場合(S40:YES)、制御装置1は、微小電流Icpの供給を開始する(ステップS50)。一方、一定時間経過していない場合(S40:NO)、制御装置1は、一定時間経過するまでステップS40を繰り返す(つまり待機する)。
また、ステップS20において、酸素基準源が機能していない場合(S20:NO)、制御装置1は、微小電流Icpの供給を開始する(ステップS100)。その後、酸素濃度測定セル13の内部抵抗Rpvsが予め定めた閾値以下か判定する(ステップS110)。内部抵抗Rpvsが閾値以下の場合(S110:YES)、制御装置1はポンプ電流Ipの供給を開始する(ステップS120)。一方、内部抵抗Rpvsが閾値を超える場合(S110:NO)、制御装置1は内部抵抗Rpvsが閾値以下となるまで、ステップS110を繰り返す(つまり待機する) 。これにより、第2測定電極13Cに酸素が存在しない状態で固体電解質体に電圧が加わって、固体電解質体が変質(例えば黒化)することが避けられる。
[1-3.効果]
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1a)酸素濃度測定セル13の温度が低い状態で抵抗値の高い内部抵抗に微小電流Icpによる電圧が印加されないため、酸素センサ10の測定開始直後における検知精度の低下を抑制できる。換言すれば、ヒータ15による十分な加熱を待たずに、酸素濃度の検知を早く行うことができる。
(1b)ポンプ電流Ipの供給開始から一定時間経過した後に、微小電流Icpの供給を開始することで、測定開始直後における測定精度の低下を抑制しつつ、測定開始から一定時間経過した後の検知精度も高めることができる。
[2.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定されることなく、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
(2a)上記実施形態の制御装置1が制御対象とする酸素センサ10は、上述の構成に限定されない。例えば、酸素センサ10は、1つの酸素濃度測定セル13に対し、複数のポンプセル及び複数の測定ガス室を備えていてもよい。
(2b)上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。なお、特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
1…酸素センサの制御装置、10…酸素センサ、11…センサ本体、
12…ポンプセル、12A…第1固体電解質体、12B…第1ポンプ電極、
12C…第2ポンプ電極、12D…多孔質層、13…酸素濃度測定セル、
13A…第2固体電解質体、13B…第1測定電極、13C…第2測定電極、
14…測定ガス室、14A,14B…多孔質体、15…ヒータ、16…補強板、
17A,17B…絶縁層、21…回路部、21A…微小電流供給回路、
21B…ポンプ電流供給回路、21C…測定部、21D…PID演算回路、
21E…内部抵抗演算回路、21F…ヒータ駆動回路、21G…基準電圧生成回路、
21H…AD変換回路、31,32,33…端子。

Claims (3)

  1. 第1固体電解質体と、前記第1固体電解質体上に離間して配置された第1ポンプ電極及び第2ポンプ電極とを有するポンプセルと、
    第2固体電解質体と、前記第2固体電解質体上に離間して配置された第1測定電極及び第2測定電極とを有する酸素濃度測定セルと、
    前記第1ポンプ電極及び前記第1測定電極が配置された測定ガス室と、
    前記ポンプセル及び前記酸素濃度測定セルを加熱するように構成されたヒータと、
    前記測定ガス室内の酸素が前記第2測定電極に酸素基準源として送られる向きに前記酸素濃度測定セルに微小電流を供給するように構成された微小電流供給回路と、
    前記ポンプセルにポンプ電流を供給するように構成されたポンプ電流供給回路と、
    前記酸素濃度測定セルの電極間電圧を測定するように構成された測定部と、
    を備える酸素センサの制御装置であって、
    酸素濃度の測定を開始する時に、前記微小電流を供給することなく、前記ヒータによる加熱を開始し、前記酸素基準源が機能している状態である場合に、前記微小電流を供給することなく、前記ポンプ電流の供給を開始する、酸素センサの制御装置。
  2. 前記ポンプ電流の供給開始から一定時間経過した後に、前記微小電流の供給を開始する、請求項1に記載の酸素センサの制御装置。
  3. 第1固体電解質体と、前記第1固体電解質体上に離間して配置された第1ポンプ電極及び第2ポンプ電極とを有するポンプセルと、
    第2固体電解質体と、前記第2固体電解質体上に離間して配置された第1測定電極及び第2測定電極とを有する酸素濃度測定セルと、
    前記第1ポンプ電極及び前記第1測定電極が配置された測定ガス室と、
    前記ポンプセル及び前記酸素濃度測定セルを加熱するように構成されたヒータと、
    前記測定ガス室内の酸素が前記第2測定電極に酸素基準源として送られる向きに前記酸素濃度測定セルに微小電流を供給するように構成された微小電流供給回路と、
    前記ポンプセルにポンプ電流を供給するように構成されたポンプ電流供給回路と、
    前記酸素濃度測定セルの電極間電圧を測定するように構成された測定部と、
    を備える酸素センサの制御方法であって、
    酸素濃度の測定を開始する時に、前記微小電流を供給することなく、前記ヒータによる加熱を開始し、前記酸素基準源が機能している状態である場合に、前記微小電流を供給することなく、前記ポンプ電流の供給を開始する工程を備える、酸素センサの制御方法。
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