JP2003185626A - ガスセンサの温度制御方法 - Google Patents

ガスセンサの温度制御方法

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JP2003185626A
JP2003185626A JP2001380131A JP2001380131A JP2003185626A JP 2003185626 A JP2003185626 A JP 2003185626A JP 2001380131 A JP2001380131 A JP 2001380131A JP 2001380131 A JP2001380131 A JP 2001380131A JP 2003185626 A JP2003185626 A JP 2003185626A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヒータを用いてガスセンサを活性化温度まで
加熱するための温度制御方法として、ガスセンサの起動
後におけるオーバーシュートの発生を抑制することがで
きるガスセンサの温度制御方法を提供する。 【解決手段】 温度制御処理では、全領域空燃比センサ
の温度が活性化温度(600[℃])に到達すると、S
270で実行される第1PID制御により、ヒータへの
印加電圧VHが低い電圧に設定される。これにより、セ
ラミックヒータ41の発熱量を低減することができ、全
領域空燃比センサの温度がオーバーシュートするのを防
ぐことができる。また、第1PID制御では、全領域空
燃比センサの温度が常用温度に到達しない場合には、時
間経過に伴い印加電圧VHを徐々に増加させていくた
め、セラミックヒータ41の発熱量が不足するのを防止
でき、確実に常用温度まで昇温させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、活性化温度以上に
なることで特定ガスを検出可能となるガス検出部を有す
るガスセンサにおいて、電力供給によって発熱するヒー
タを用いて加熱することで、ガス検出部の温度を活性化
温度よりも高温の常用温度に維持するためのガスセンサ
の温度制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、所定の活性化温度以上となる
ことで特定ガスの検出が可能となるガスセンサが知られ
ており、このようなガスセンサは、起動した後、早期に
特定ガスの検出が可能な状態(活性化状態)となるよう
に、ヒータが備えられている。なお、活性化温度以上に
なることで特定ガスの検出が可能となるガスセンサとし
ては、例えば、全領域空燃比センサ(UEGOセン
サ)、NOxガスセンサ、HCガスセンサなどが挙げら
れる。
【0003】そして、ガスセンサを加熱するためのヒー
タは、外部からの電力供給により発熱するものが多く使
用されており、このようなヒータは、印加電圧の大きさ
に応じて発熱量を制御することができる。また、ガスセ
ンサは、例えば、内燃機関などに備えられて排気ガス中
の特定ガス検出などに使用されるが、内燃機関の始動
後、特定ガス検出が可能となるまでの時間の短縮に対す
る要求(早期活性化の要求)が高まっている。このた
め、ガスセンサの起動直後に、ヒータに対して印加可能
な最大電圧を印加することで、ガスセンサを迅速に加熱
して早期活性化を実現するガスセンサの温度制御方法が
知られている。
【0004】ここで、従来の温度制御方法の一例とし
て、全領域空燃比センサにおける温度制御処理を、図6
に示すフローチャートに基づいて説明する。なお、図6
に示す温度制御処理は、全領域空燃比センサの起動と同
時に実行される。そして、温度制御処理が起動される
と、まずS110(Sはステップを表す)では、ヒータ
への印加電圧値となる印加電圧指令値VH(rms)に
12[V]を設定する。これにより、全領域空燃比セン
サのヒータに対して12[V]の電圧が印加され、ヒー
タによる全領域空燃比センサの加熱が開始される。
【0005】次のS120では、全領域空燃比センサの
温度測定が可能であるか否かを判断しており、肯定判定
した場合にはS130に移行し、否定判定した場合に
は、S140に移行する。ここで、全領域空燃比センサ
のガス検出部として備えられる酸素濃度測定セルの多孔
質電極間の抵抗値Rpvsと全領域空燃比センサの温度
については、図5に示すような相関関係があるが、この
ような相関関係は、酸素濃度測定セルの温度が所定温度
範囲となる場合にのみ有効となる。つまり、酸素濃度測
定セルの温度が所定温度以下である場合には、抵抗値R
pvsは無限大となり測定できず、抵抗値Rpvsに基
づいて酸素濃度測定セルの温度を測定することはできな
い。このため、酸素濃度測定セルの多孔質電極間の起電
力Vsを検出し、起電力Vsが所定電圧以下(例えば、
1.7[V]以下)であるか否かを判断することで、温
度測定の可否判断を行っている。つまり、起電力Vsが
所定電圧以下である場合に肯定判定し、起電力Vsが所
定電圧よりも大きい場合には否定判定するのである。
【0006】そして、S120で肯定判定されて、S1
30に移行すると、S130では、全領域空燃比センサ
の温度が、全領域空燃比センサの通常使用時の温度とし
て定められた常用温度になるように、検出した全領域空
燃比センサの温度と常用温度との差分に基づいて、ヒー
タへの印加電圧値を制御するPID制御(PIDコント
ロール)を行う。なお、S130で実行されるPID制
御では、検出した全領域空燃比センサの温度と常用温度
との差分における比例成分(Proportinal )、積分成分(l
ntegral)、微分成分(Derivative)を有する演算式f(Δ
R)に基づいて、全領域空燃比センサの温度が常用温度
となるように、ヒータへの印加電圧指令値VH(rm
s)を設定する制御を行っている。そして、S130で
の処理が完了すると、再びS120に移行する。
【0007】また、S120で否定判定されて、S14
0に移行すると、S140では、本温度制御処理の起動
から、所定時間(例えば、5[sec] )が経過したか否
かを判断しており、肯定判定されるとS150に移行
し、否定判定されるとS160に移行する。なお、本温
度制御処理では、開始時点においてタイマカウンタCt
を初期化(Ctに0を設定)しており、S140では、
このタイマカウンタCtに基づいて所定時間が経過した
か否かを判断している。
【0008】そして、S140で肯定判定されて、S1
50に移行すると、S150では、印加電圧指令値VH
(rms)に13[V]を設定し、この結果、ヒータへ
の印加電圧が13[V]となる。なお、S150での処
理が完了すると、再びS120に移行する。
【0009】また、S140で否定判定されて、S16
0に移行すると、S160では、印加電圧指令値VH
(rms)に12[V]を設定し、この結果、ヒータへ
の印加電圧が12[V]となる。なお、S160での処
理が完了すると、再びS120に移行する。
【0010】つまり、図6に示す処理内容の全領域空燃
比センサの温度制御処理によれば、全領域空燃比センサ
の起動直後の所定期間内は、全領域空燃比センサの温度
が低く、抵抗値Rpvsによる温度測定ができないた
め、S120で否定判定されて、ヒータへの印加電圧は
12[V]または13[V]の固定電圧に設定される。
【0011】そして、抵抗値Rpvsによる温度測定が
可能となると、PID制御によりヒータへの印加電圧が
設定されることになり、検出した全領域空燃比センサの
温度と常用温度との差分に基づいて、ヒータへの印加電
圧値が制御される。このとき、検出した全領域空燃比セ
ンサの温度が常用温度よりも低い場合には、ヒータへの
印加電圧を高電圧に設定して、全領域空燃比センサの温
度を早期に上昇させるような制御が実行される。そし
て、全領域空燃比センサの温度が常用温度に達した後
は、PID制御により、全領域空燃比センサの温度を常
用温度に維持するように、ヒータへの印加電圧が制御さ
れる。
【0012】このようにしてヒータへの印加電圧を制御
することで、全領域空燃比センサを早期に活性化するこ
とができ、また、全領域空燃比センサの温度を常用温度
に維持することができる。なお、ヒータへの通電開始直
後から高電圧(13[V])を印加した場合には、急激
な温度上昇による温度分布のばらつきにより熱衝撃が発
生して全領域空燃比センサが破損する虞がある。このた
め、図6に示す温度制御処理では、起動から所定時間を
経過するまで(S140で否定判定されるまで)は、ヒ
ータへの印加電圧を低い電圧(12[V])に設定する
ことで、熱衝撃による全領域空燃比センサの破損を防い
でいる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した従来
の温度制御処理においては、全領域空燃比センサの温度
が常用温度よりも高い温度まで上昇するオーバーシュー
トが発生する場合があり、オーバーシュートが発生する
と、ヒータの寿命やセンサ検出精度に悪影響を及ぼす虞
がある。
【0014】つまり、上述の温度制御処理では、起動し
たあと温度測定が可能となるまでは、センサの実際の温
度によらず一定電圧をヒータに印加し、そのあと、検出
した全領域空燃比センサの温度が常用温度になるように
PID制御を行っている。そして、このPID制御で
は、全領域空燃比センサの温度を安定して常用温度に維
持するために、最新の差分のみに基づいてヒータへの印
加電圧を設定するのではなく、過去一定期間における差
分にも基づいてヒータへの印加電圧を設定している。つ
まり、過去一定期間における差分を用いることで、抵抗
値Rpvsの検出値がノイズなどの影響により瞬時的に
大きく変動した場合でも、ノイズの影響を抑えることが
でき、安定した温度制御が可能となる。
【0015】このような制御は、一定温度を継続して維
持する温度制御を行う場合には、ノイズなどの影響を抑
えて一定温度を維持できるため適しているが、目標温度
から離れた温度から目標温度に向けて温度制御を行う場
合には、目標温度に達した後も過去一定期間の差分の影
響を受けてしまい、ガスセンサの温度が目標温度を超え
るオーバーシュートが発生する虞がある点が問題とな
る。
【0016】とりわけ、ヒータからガスセンサに対して
熱が伝導するには、ある程度の時間を要することから、
検出したガスセンサの温度と目標温度が一致した時点で
ヒータの発熱量を低下させたとしても、既にその時点で
ヒータに発生した熱がガスセンサに伝導することで、ガ
スセンサの温度が必要以上に上昇することになる。
【0017】そして、ガスセンサの活性化に用いるヒー
タにおいては、オーバーシュートが発生してヒータの耐
熱温度を超えてしまうと、耐熱温度を上回る高温により
ヒータの劣化が生じて、ヒータ自体の寿命が短くなる虞
がある。また、活性化温度以上となることで特定ガスが
検出可能となるガスセンサは、センサ出力値に温度依存
性があり、温度変化によって出力値が変動してしまう。
このため、オーバーシュートが発生して常用温度から逸
脱している期間は、常用温度で出力されるセンサ出力と
は異なる大きさのセンサ出力が出力されることになり、
ガスセンサのセンサ検出精度が低下する虞がある。
【0018】そこで、本発明は、ヒータを用いてガスセ
ンサを活性化温度まで加熱するための温度制御方法とし
て、ガスセンサの起動後におけるオーバーシュートの発
生を抑制することができるガスセンサの温度制御方法を
提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めになされた請求項1に記載の発明方法は、活性化温度
以上になることで特定ガスを検出可能となるガス検出部
を有するガスセンサにおいて、電力供給によって発熱す
るヒータを用いて加熱することで、ガス検出部の温度を
活性化温度よりも高温の常用温度に維持するためのガス
センサの温度制御方法であって、ヒータへの通電開始
後、ガス検出部の温度が、活性化温度から常用温度まで
の範囲内で設定された第1目標温度に到達するまでは、
ガスセンサの早期活性化ができるよう定められた第1電
圧を前記ヒータへの印加電圧として設定し、ガス検出部
の温度が第1目標温度を超えた後、ヒータへの印加電圧
を第1電圧より小さい第2電圧に変更することを特徴と
する。
【0020】ここで、第1電圧は、ガスセンサの早期活
性化を実現するために、ヒータに対して印加可能な範囲
の最大電圧値に設定されており、第1電圧が印加された
時のヒータは、発熱量が大きくなり、ガスセンサ(詳細
にはガス検出部)を速やかに加熱することができる。
【0021】そして、本発明方法においては、ガス検出
部の温度が常用温度に達する前に、ヒータへの印加電圧
を第1電圧から第2電圧に低下させることで、ヒータの
発熱量を低下させ、ガスセンサの温度が常用温度を大幅
に超えてしまうオーバーシュートの発生を防止してい
る。
【0022】よって、本発明方法(請求項1)によれ
ば、ガスセンサの早期活性化を実現しつつ、ガスセンサ
の温度がオーバーシュートするのを防ぐことができ、ヒ
ータの寿命やガスセンサの検出精度への悪影響を抑える
ことができる。なお、ヒータへの印加電圧の切換時期
は、ガス検出部の温度が第1目標温度に到達した時点で
あるが、この第1目標温度を常用温度の近傍の値に設定
すると、ヒータ発熱量の低減時期が遅れてしまい、オー
バーシュートの抑制が十分ではなくなる。また、第1目
標温度を常用温度から離れた値に設定すると、ヒータ発
熱量の低減時期が早すぎるために発熱量が不足し、ガス
検出部の温度が常用温度に達するまでの時間(ライトオ
フ時間)が長くなる虞がある。このため、第1目標温度
は、オーバーシュートの抑制およびライトオフ時間の短
縮を考慮して、適切な値に設定すると良い。
【0023】ところで、ヒータへの印加電圧を第1電圧
から第2電圧に低下させることで、ガスセンサの温度が
オーバーシュートするのを抑制することができるが、印
加電圧の低下に伴いヒータの発熱量が必要以上に低下し
た場合には、ガスセンサの温度上昇が停滞して、ガスセ
ンサを常用温度まで昇温できなくなる虞がある。とりわ
け、印加電圧を低下させた後に、ガスセンサの周囲環境
がガスセンサの熱を奪うような環境に変化した場合(例
えば、被測定ガスの流速が増加した場合等)には、ガス
センサを良好に温度上昇させることが出来ない可能性が
高くなる。
【0024】なお、常用温度に到達しなくとも、活性化
温度を越えたガスセンサは、少なくとも特定ガス濃度に
応じたセンサ出力を出力することは可能である。しか
し、センサ出力の大きさには温度依存性があることか
ら、常用温度から離れた温度に設定されたガスセンサの
センサ出力は、常用温度時における大きさとは異なる大
きさとなるために、検出精度が低下する虞がある。
【0025】そこで、上述(請求項1)の発明方法は、
請求項2に記載のように、ガス検出部の温度が第1目標
温度を超えてから常用温度に達するまでは、検出したガ
ス検出部の温度と常用温度との差分に基づいて、ガス検
出部の温度が常用温度になるように、ヒータへの印加電
圧を増加させる印加電圧増加制御を行うとよい。
【0026】つまり、ヒータへの印加電圧を一定値に固
定するのではなく、検出したガス検出部の温度と常用温
度との差分に基づいて、ヒータへの印加電圧を増加させ
ることで、ヒータの発熱量を増大させるのである。これ
により、ガスセンサの熱が奪われるような周囲環境とな
る場合でも、ヒータの発熱量が不足するのを防ぐことが
でき、ガス検出部の温度が確実に常用温度に到達するよ
うに、ガスセンサの温度を制御を行うことができる。
【0027】よって、本発明方法(請求項2)によれ
ば、ガスセンサの温度上昇が停滞するのを防止でき、ガ
ス検出部の温度を確実に常用温度に到達させることがで
き、ガスセンサの検出精度の低下を防ぐことが出来る。
なお、ガスセンサの温度が常用温度に達した後も、印加
電圧増加制御を継続した場合、ヒータへの印加電圧が過
剰に増加してヒータの発熱量が過剰となり、ガスセンサ
の温度がオーバーシュートする虞がある。このため、常
用温度に到達した後のガスセンサにおいては、温度を一
定温度に維持するのに適した温度制御を行うことが必要
となる。
【0028】そして、常用温度に到達した後のガスセン
サを一定温度に安定して維持するためには、ノイズなど
の影響を抑えることが重要であることから、最新の差分
のみに基づいてヒータへの印加電圧を設定するのではな
く、過去一定期間における差分にも基づいてヒータへの
印加電圧を設定することが好ましい。
【0029】しかし、常用温度に到達する前の期間を含
む過去一定期間における差分を用いると、ガスセンサ自
体は既に常用温度であるにも拘わらず、ガス検出部が常
用温度に到達する前の差分を用いることになり、このと
きの差分が影響して、ヒータへの印加電圧が適切な値よ
りも大きくなる虞がある。
【0030】そこで、上述(請求項1または請求項2)
の発明方法においては、請求項3に記載のように、ヒー
タへの通電開始後、ガス検出部の温度が最初に常用温度
を超えた後は、この時点よりも後に検出したガス検出部
の温度と常用温度との差分に基づいて、ガス検出部の温
度を常用温度に維持するようにヒータへの印加電圧を設
定する常用運転制御を行うとよい。
【0031】つまり、検出したガス検出部の温度と常用
温度との差分のうち、ガス検出部の温度が常用温度に達
する前の差分は用いず、ガス検出部の温度が最初に常用
温度を超えた後の差分のみを用いて、ヒータへの印加電
圧を設定するのである。これにより、印加電圧を設定す
るに際し、ガス検出部の温度が常用温度に到達する前の
期間における差分の影響を受けることがなくなり、ヒー
タへの印加電圧が不適切な値に設定されるのを防ぐこと
が出来る。
【0032】よって、本発明方法(請求項3)によれ
ば、ガスセンサが常用温度に到達した後に、ヒータへの
印加電圧が不適切な値となることで発熱量が過剰となっ
て、ガスセンサの温度がオーバーシュートするのを防ぐ
ことができる。これにより、オーバーシュートの発生に
起因してガスセンサの検出精度が低下するのを防ぐこと
が出来る。
【0033】ここで、上述した印加電圧増加制御の具体
的な制御方法としては、例えば、請求項4に記載のよう
に、検出したガス検出部の温度と常用温度との差分のう
ち過去一定期間内の差分を積分して得られる積分値に第
1積分係数を乗じた第1積分成分値を算出し、第2電圧
に第1積分成分値を加算した電圧値を、ヒータへの印加
電圧として設定する制御が挙げられる。
【0034】つまり、過去一定期間における差分の積分
値を用いてヒータの印加電圧を設定する場合には、セン
サ出力がノイズなどの影響により瞬時的に大きく変動し
た場合でも、差分の積分値は大きく変動することが無い
ため、ノイズの影響を抑えることができ、安定した温度
制御が可能となる。
【0035】また、検出したガス検出部の温度と常用温
度との差分が大きいほど、ガスセンサに供給する熱量は
大きく設定する必要があることから、差分に比例した大
きさの電圧をヒータに印加することで、ガスセンサの温
度を常用温度に近づけることができる。そして、ガスセ
ンサの温度を常用温度まで上昇させるに際してヒータの
印加電圧が適切な値となるように第1積分係数を定めて
おき、差分の積分値に第1積分係数を乗じた第1積分成
分値を算出し、第2電圧に第1積分成分値を加算した電
圧値をヒータへの印加電圧として設定するのである。こ
れにより、ヒータの発熱量が適切に設定されることにな
り、ガスセンサの温度上昇に必要な熱量をヒータで発生
させることが出来る。
【0036】よって、本発明方法(請求項4)によれ
ば、ガスセンサの温度上昇が停滞するのを防いで、ガス
検出部の温度を確実に常用温度に到達させることがで
き、ガスセンサの検出精度の低下を防ぐことが出来る。
また、外部からのノイズの影響を抑えることができ、安
定した温度制御が可能となることからも、ガスセンサの
検出精度の低下を防ぐことが出来る。
【0037】また、上述した常用運転制御の具体的な制
御方法としては、例えば、請求項5に記載のように、検
出したガス検出部の温度と常用温度との差分のうち、ヒ
ータへの通電開始後、ガス検出部の温度が最初に常用温
度を超えた後における過去一定期間内の差分を積分して
得られる積分値に第2積分係数を乗じた第2積分成分値
と、検出したガス検出部の温度と常用温度との差分のう
ち最新の差分に第2比例係数を乗じた第2比例成分値と
を算出し、第2電圧に対して第2積分成分値および第2
比例成分値を加算した電圧値を、ヒータへの印加電圧と
して設定する制御が挙げられる。
【0038】この常用運転制御では、ガスセンサの温度
を常用温度で一定に維持するに際して、ヒータの印加電
圧が適切な値となるように第2積分係数を定めておき、
常用温度に到達した後の過去一定期間内における差分の
積分値に第2積分係数を乗じた第2積分成分値を算出
し、第2電圧に第2積分成分値を加算した電圧値を、ヒ
ータへの印加電圧として設定する。
【0039】つまり、この常用運転制御は、上述の印加
電圧増加制御と同様に、過去一定期間における差分の積
分値を用いてヒータへの印加電圧を設定しており、セン
サ出力がノイズなどの影響により瞬時的に大きく変動し
た場合でも、差分の積分値は大きく変動することが無い
ため、ノイズの影響を抑えることができ、安定した温度
制御が可能となる。
【0040】また、この常用運転制御では、ガスセンサ
の温度を常用温度で一定に維持するに際して、ヒータの
印加電圧が適切な値となるように第2比例係数を定めて
おき、最新の差分に第2比例係数を乗じた第2比例成分
値を第2電圧に対して加算した電圧値を、ヒータへの印
加電圧として設定する。そして、検出したガス検出部の
温度と常用温度との差分のうち最新の差分は、ガスセン
サの最新の状態を表す指数であることから、最新の差分
を用いることでガスセンサの最新の状態に適した温度制
御が可能となる。
【0041】そして、この制御では、第2積分成分値お
よび第2比例成分値を第2電圧に加算した電圧値をヒー
タへの印加電圧として設定していることから、外部から
のノイズによる影響を抑えることができると共に、ガス
センサの最新の状態に適した温度制御を実現することが
出来る。これにより、ヒータの発熱量が適切に設定され
ることになり、ガスセンサの温度がオーバーシュートす
るのを防ぐことができると共に、ガスセンサの温度を常
用温度に維持するために必要な熱量をヒータから発生さ
せることが出来る。
【0042】よって、本発明方法(請求項5)によれ
ば、ガスセンサが常用温度に到達した後にヒータでの発
熱量が過剰となって、ガスセンサの温度がオーバーシュ
ートするのを防ぐことができ、ガスセンサの検出精度の
低下を防ぐことが出来る。なお、ガスセンサの温度が活
性化温度を超えた後に、常用温度まで上昇させるにあた
りオーバーシュートを防ぐためには、ガスセンサの温度
と常用温度との差分に対するガスセンサへの供給熱量を
適切に設定することが望ましく、このためには、ヒータ
への印加電圧は微小な単位で変化させることが望まし
い。これに対して、ガスセンサの温度が常用温度に達し
た後に、安定して常用温度を維持するためには、温度変
化に対する応答性を良好にすることが望ましく、ガスセ
ンサの温度変化に対してガスセンサに供給するべき熱量
が不足しないように、ヒータへの印加電圧を設定するこ
とが望ましい。
【0043】そこで、上述(請求項5)の発明方法にお
いては、請求項6に記載のように、第1積分係数が第2
積分係数よりも小さく設定されているとよい。つまり、
印加電圧増加制御においては、第1積分係数の値が小さ
い値に設定されることとなり、検出したガス検出部の温
度と常用温度との差分の積分値に対して第1積分係数を
乗じた第1積分成分値は小さい値となることから、ヒー
タへの印加電圧が微小単位で設定されることになる。こ
れにより、印加電圧増加制御を実行するに際して、ヒー
タの発熱量を微小な単位で設定することが可能となり、
ガスセンサの温度がオーバーシュートするのを防ぐこと
が出来る。
【0044】また、常用運転制御においては、第2積分
係数が第1積分係数よりも大きい値に設定されており、
検出したガス検出部の温度と常用温度との差分の積分値
に第2積分係数を乗じた第2積分成分値は大きい値に設
定されることになる。これにより、常用運転制御を実行
するに際して、温度変化に対するヒータの発熱量が不足
するのを防ぐことができ、ガスセンサの温度を安定して
常用温度に維持することが出来る。
【0045】よって、本発明方法(請求項6)によれ
ば、差分の積分値に対して乗する積分係数の値を、ガス
センサの状態に応じて適切な値に設定することで、各状
態に適した電圧値をヒータの印加電圧として設定するこ
とが可能となり、ガスセンサの温度を適切に制御するこ
とができる。
【0046】ところで、ガスセンサの活性化温度は高温
(例えば、全領域空燃比センサの活性化温度は600
℃)であり、実使用環境での設定温度である常用温度は
さらに高温(たとえば、全領域空燃比センサでは、80
0℃)である。そして、起動前のガスセンサは、一般に
常温(25℃程度)になっていることから、起動直後か
ら急激に温度を上昇させた場合、ガスセンサにおける温
度分布のばらつきにより熱衝撃が発生してガスセンサが
破損する虞がある。
【0047】そこで、上述(請求項1から請求項6のい
ずれか)の発明方法においては、請求項7に記載のよう
に、ヒータへの通電開始直後の一定期間は、第1電圧よ
りも小さい第3電圧をヒータへの印加電圧として設定
し、一定期間の経過後に、第1電圧をヒータへの印加電
圧として設定するとよい。
【0048】このように、起動直後におけるヒータへの
印加電圧を低く設定し、ヒータの発熱量を少なくするこ
とで、ガスセンサにおける温度分布のばらつきを抑える
ことができ、熱衝撃の発生によるガスセンサの損傷を防
ぐことが出来る。そして、ガスセンサの温度上昇におけ
るオーバーシュートを抑える制御に加えて、起動直後の
熱衝撃の発生を抑える制御を併せて実行することで、よ
り確実にガスセンサの損傷を防止することが出来る。
【0049】よって、本発明方法(請求項7)によれ
ば、ガスセンサを起動したあと常用温度で安定するまで
の期間において、ガスセンサが損傷してしまうのをより
確実に防ぐことが出来る。そして、上述(請求項1から
請求項7のいずれか)の発明方法においては、請求項8
に記載のように、ガス検出部が、固体電解質体表面に一
対の電極が形成されてなり、一対の電極間における固体
電解質体の電気抵抗値に基づき、ガス検出部の温度を検
出するとよい。
【0050】つまり、一対の電極が形成された固体電解
質体は、活性化温度以上となることで、特定ガスの濃度
に応じた起電力を発生することから、ガス検出部として
使用することができる。また、固体電解質体に形成され
た一対の電極間の電気抵抗値は、固体電解質体の温度に
よって変化することから、電極間の電気抵抗値を用いる
ことで、ガス検出部自体の温度を精度良く検出すること
が可能である。なお、このようにガス検出部自体の温度
が検出可能となることで、ガスセンサが活性化状態であ
るか否かをより正確に判断することが出来る。
【0051】また、ガス検出部を加熱するためのヒータ
は、ガス検出部に隣接して配置されるが、ヒータの熱が
ガス検出部に伝導するまでにはある程度の時間を要する
ことから、ヒータの温度とガス検出部の温度とは必ずし
も一致しない場合がある。このため、ヒータの温度を検
出するよりも、電極間の電気抵抗値に基づいてガス検出
部そのものの温度検出をすることで、確実にガス検出部
を活性化状態に導くことができる。
【0052】一方、ヒータの熱がガス検出部に伝導する
までに時間を要することから、ヒータの温度上昇状態と
ガス検出部の温度上昇状態には、ある程度の差が生じる
事になる。そして、ガス検出部の温度を検出してヒータ
の発熱量を制御する場合、ガス検出部が常用温度に達し
た時点でヒータへの印加電圧を低下させたとしても、ガ
ス検出部が常用温度に達するまでに既にヒータで発生し
た熱が伝導することにより、ガス検出部の温度がオーバ
ーシュートする可能性が高くなる。
【0053】このため、このようなガス検出部を備える
ガスセンサに対して、オーバーシュートを抑制するため
の上述の本発明方法を適用することで、オーバーシュー
トによるガスセンサの損傷を抑えることができ、ガスセ
ンサの温度制御を適切に実行することができる。
【0054】よって、本発明方法(請求項8)によれ
ば、ガス検出部自体の温度を精度良く検出できるととも
に、オーバーシュートによるガスセンサの損傷を抑える
ことができるため、安定した温度制御を実現することが
出来る。そして、上述(請求項1から請求項8のいずれ
か)の発明方法においては、請求項9に記載のように、
ガスセンサが、全領域空燃比センサであるとよい。
【0055】つまり、全領域空燃比センサは、例えば、
内燃機関の排気ガス中の酸素濃度を検出するために使用
されるが、起動後早期に活性化状態になることが要求さ
れており、オーバーシュートによる破損が発生しやすい
用途に使用されている。また、全領域空燃比センサは、
被測定ガス中の酸素濃度に比例したセンサ出力を出力す
る必要があり、設置環境の温度変化によるセンサ出力の
変動が生じる場合には、検出精度が低下してしまう。
【0056】このため、上述(請求項1から請求項8の
いずれか)の発明方法を適用することで、全領域空燃比
センサにおいて、オーバーシュートによる破損を防ぐこ
とができ、また、温度変化による検出精度の低下を防い
で、高い検出精度を維持することが出来る。
【0057】
【発明の実施の形態】以下に、本発明のガスセンサの温
度制御方法を適用した実施例として、全領域空燃比セン
サの温度制御処理を、図面に基づいて説明する。そし
て、図1は、全領域空燃比センサ1、全領域空燃比セン
サに接続されるインターフェース回路31、全領域空燃
比センサ1を加熱するためのセラミックヒータ41、お
よびセラミックヒータ41に接続されるヒータ電圧供給
装置43の接続状態を表す説明図である。なお、ヒータ
電圧供給装置43およびインターフェース回路31は、
全領域空燃比センサ1の起動時に外部から入力されるセ
ンサ起動信号に同期して、それぞれ動作を開始する。
【0058】まず、全領域空燃比センサ1は、図1に示
すように、固体電解質体11aの両側面に多孔質電極1
3a,13bを有し、酸素(O2 )のポンピングを行う
酸素ポンプセル11(以下、Ipセル11ともいう)
と、固体電解質体15aの両側面に多孔質電極17a,
17bを有し、酸素濃度に応じて起電力を発生する酸素
濃度測定セル15(以下、Vsセル15ともいう)と、
この酸素ポンプセル11と酸素濃度測定セル15との間
に設けられて被測定ガスが導入される空間であるガス検
出室19と、被測定ガスをガス検出室19に導入するた
めの経路に配置されたガス拡散多孔質層21と、酸素濃
度測定セル15と遮蔽層23との間に設けられて酸素を
溜め込む空間である酸素基準室25とを備えている。
【0059】次に、インターフェース回路31は、ポン
プ電流駆動回路33と、電圧出力回路35と、測定電流
供給回路37と、基準電圧比較回路39とを備えて構成
されている。このうち、測定電流供給回路37は、酸素
濃度測定セル15に測定電流Irpvs(例えば、1.22
[mA])を供給するものであり、電圧出力回路35
は、酸素濃度測定セル15の多孔質電極17a−17b
間に発生する起電力Vsを検出するものである。また、
基準電圧比較回路39は、予め定められた基準電圧(本
実施例では450[mV])を内部に保持しており、電
圧出力回路35にて検出した起電力Vsと基準電圧との
比較を行い、比較結果をポンプ電流駆動回路33に通知
するものである。そして、ポンプ電流駆動回路33は、
基準電圧比較回路39から受け取った比較結果に基づい
て、酸素ポンプセル11に流すポンプ電流Ipを制御す
るものである。
【0060】そして、全領域空燃比センサ1のうち、酸
素濃度測定セル15は、ガス検出室19の内部の雰囲気
をモニタするために備えられている。すると、酸素濃度
測定セル15の多孔質電極17a−17b間には、ガス
検出室19の内部における酸素濃度に応じた起電力Vs
が発生する。また、全領域空燃比センサのうち、酸素ポ
ンプセル11は、ポンプ電流駆動回路33から供給され
るポンプ電流Ipに応じて、ガス検出室19に対する酸
素(O2 )の汲み出し又は汲み入れを行う。
【0061】つまり、全領域空燃比センサ1では、酸素
濃度測定セル15の起電力Vsが一定値(450[m
V])となる様に、つまり、ガス検出室19の空燃比が
理論空燃比となるように、酸素ポンプセル11を用いて
ガス検出室19の内部に対する酸素(O2 )の汲み出し
又は汲み入れを行う。
【0062】このように構成される全領域空燃比センサ
1では、酸素ポンプセル11に流れるポンプ電流Ipの
電流値および電流方向が、被測定ガス中の酸素濃度に応
じて変化することから、ポンプ電流Ipの測定結果に基
づいて被測定ガス中の酸素濃度を検出することができ
る。
【0063】そして、このような全領域空燃比センサ1
は、例えば、内燃機関の排気管に配置されることで排気
ガス中の酸素濃度を検出することができ、排気ガス中の
酸素濃度と空燃比との相関関係から、検出した酸素濃度
に基づいて内燃機関の空燃比を測定することができる。
【0064】また、インターフェース回路31には、図
示しない制御部が備えられており、この制御部は、測定
電流Irpvsを通電したときの多孔質電極17a−17b
間の電圧値の変化量に基づいて、酸素濃度測定セル15
の多孔質電極17a−17b間の電気抵抗値Rpvsを
検出しており、検出した電気抵抗値Rpvsに応じた抵
抗値信号Srをヒータ電圧供給装置に対して出力してい
る。
【0065】次に、ヒータ電圧供給装置43は、インタ
ーフェース回路31からの抵抗値信号Srに基づいて、
全領域空燃比センサ1(詳細には、酸素濃度測定セル1
5)の温度Tcを検出し、検出した温度Tcに基づいて
セラミックヒータ41への印加電圧を制御している。
【0066】ここで、全領域空燃比センサ1のうち、酸
素濃度測定セル15における温度Tcと電気抵抗値Rp
vsとの間には、図5に示すような相関関係があり、電
気抵抗値Rpvsに基づいて全領域空燃比センサの温度
Tcを検出することが可能である。なお、図5に示すグ
ラフによれば、酸素濃度測定セル15の電気抵抗値Rp
vsが220[Ω]の時には温度Tcは600[℃]で
あり、また、酸素濃度測定セル15の電気抵抗値Rpv
sが75[Ω]の時には温度Tcは800[℃]であ
る。
【0067】そして、セラミックヒータ41は、ヒータ
電圧供給装置43から印加電圧VHが印加されると、印
加電圧VHの大きさに応じた発熱量を発生し、全領域空
燃比センサ1を加熱する。ここで、ヒータ電圧供給装置
43において実行される温度制御処理の処理内容につい
て、図2に示すフローチャートに基づいて説明する。な
お、ヒータ電圧供給装置43は、マイクロコンピュータ
(以下、マイコンともいう)を備えて構成されており、
温度制御処理はマイコンの内部処理として実行される。
また、温度制御処理は、ヒータ電圧供給装置43の起動
と共に処理が開始され、すなわち、全領域空燃比センサ
の起動と共に温度制御処理が開始される。
【0068】そして、温度制御処理が開始されると、ま
ずS210では、セラミックヒータ41への印加電圧V
Hの電圧値となる印加電圧指令値VH(rms)に12
[V]を設定する。これにより、セラミックヒータ41
に対して12[V]の電圧が印加され、セラミックヒー
タ41による全領域空燃比センサ1の加熱が開始され
る。
【0069】次のS220では、全領域空燃比センサ1
の温度測定が可能であるか否かを判断しており、肯定判
定した場合にはS230に移行し、否定判定した場合に
は、S240に移行する。ここで、酸素濃度測定セル1
5の多孔質電極17a−17b間の抵抗値Rpvsと全
領域空燃比センサの温度については、図5に示すような
相関関係があるが、このような相関関係は、酸素濃度測
定セル15の温度が所定温度範囲となる場合にのみ有効
となる。つまり、酸素濃度測定セル15の温度が所定温
度以下である場合には、抵抗値Rpvsは無限大となり
測定できず、抵抗値Rpvsに基づいて酸素濃度測定セ
ル15の温度を測定することはできない。このため、酸
素濃度測定セル15の多孔質電極17a−17b間の起
電力Vsを検出し、起電力Vsが所定電圧以下(本実施
例では、1.7[V]以下)であるか否かを判断するこ
とで、温度測定の可否判断を行っている。つまり、起電
力Vsが所定電圧以下である場合に肯定判定し、起電力
Vsが所定電圧よりも大きい場合には否定判定するので
ある。
【0070】そして、S220で肯定判定されて、S2
30に移行すると、S230では、印加電圧指令値VH
(rms)に13[V]を設定し、この結果、ヒータへ
の印加電圧が13[V]となる。なお、S230での処
理が完了すると、S260に移行する。
【0071】また、S220で否定判定されて、S24
0に移行すると、S240では、本温度制御処理の起動
時点から、所定時間(5[sec] )が経過したか否かを
判断しており、肯定判定されるとS230に移行し、否
定判定されるとS250に移行する。なお、本温度制御
処理では、処理開始時点においてタイマカウンタCtを
初期化(Ctに0を設定)しており、S240では、こ
のタイマカウンタCtに基づいて所定時間が経過したか
否かを判断している。
【0072】そして、S240で肯定判定されて、S2
30に移行すると、S230では、上述したように、印
加電圧指令値VH(rms)に13[V]を設定し、S
230での処理が完了すると、S260に移行する。ま
た、S240で否定判定されて、S250に移行する
と、S250では、印加電圧指令値VH(rms)に1
2[V]を設定し、この結果、ヒータへの印加電圧が1
2[V]となる。なお、S250での処理が完了する
と、S260に移行する。
【0073】そして、S230またはS250での処理
が完了してS260に移行すると、S260では全領域
空燃比センサ1(詳細には、酸素濃度測定セル15)が
活性化状態であるか否かを判断しており、肯定判定され
るとS270に移行し、否定判定されるとS220に移
行する。なお、活性化状態であるか否かの判定は、全領
域空燃比センサの温度が第1目標温度以上であるか否か
により行っており、全領域空燃比センサの温度は、酸素
濃度測定セル15の多孔質電極17a−17b間の抵抗
値Rpvsに基づいて判断される。
【0074】つまり、S260での判断は、酸素濃度測
定セル15の多孔質電極17a−17b間の抵抗値Rp
vsに基づいて行っており、具体的には、抵抗値Rpv
sが220[Ω]以下である場合には活性化状態である
と判定(肯定判定)し、抵抗値Rpvsが220[Ω]
よりも大きい場合には活性化状態ではないと判定(否定
判定)する。なお、抵抗値Rpvsが220[Ω]とな
るときの、全領域空燃比センサの温度は、600[℃]
である。
【0075】S260で肯定判定されて、S270に移
行すると、S270では、全領域空燃比センサ1の温度
Tcが、全領域空燃比センサ1の通常使用時の温度とし
て定められた常用温度(800[℃])になるように、
検出した全領域空燃比センサの温度Tcと常用温度との
差分に基づいて、ヒータへの印加電圧VHを制御する第
1PID制御(PIDコントロール1)を行う。なお、
S270で実行される第1PID制御では、検出した全
領域空燃比センサの温度と常用温度との差分を一定期間
積分した積分成分(lntegral)のみに基づいて、全領域空
燃比センサの温度が常用温度となるように、ヒータへの
印加電圧指令値VH(rms)を設定する制御を行って
いる。
【0076】ここで、第1PID制御においては、検出
した全領域空燃比センサの温度Tcと常用温度との差分
を、それぞれの温度に対応する抵抗値の差分ΔRに置き
換えて処理を実行しており、差分ΔRに対するヒータへ
の印加電圧指令値VH(rms)を設定するための演算
式f1(ΔR)は、[数1]のように表される。
【0077】
【数1】 なお、演算式f1(ΔR)のうち、Aは第1積分係数であ
り、積分値ΣΔRは第1PID制御の開始後における過
去一定期間の差分ΔRを積分した値であり、Vrefは
制御基準電圧(本実施例では、10.5[V])であ
る。
【0078】また、差分ΔRは、[数2]に示す数式に
より定められる。
【0079】
【数2】 なお、数2に示す数式のうち、Rpvsは酸素濃度測定
セル15の多孔質電極17a−17b間の抵抗値であ
り、Rtaは常用温度に対応した抵抗値が設定された目
標抵抗値(本実施例では、75[Ω])である。
【0080】そして、第1PID制御が開始された直後
は、積分値ΣΔRの値はきわめて小さい値となるため、
演算式f1(ΔR)の値は、約10.5[V]に設定され
る。このあと、差分ΔRが0より大きい値となる状態で
時間が経過していくと、積分値ΣΔRの値が増大してい
き、ヒータへの印加電圧VHも増大していく。つまり、
全領域空燃比センサの温度Tcが常用温度に到達しない
場合には、その時間経過に伴いヒータの発熱量を増大さ
せるのである。
【0081】そして、S270での処理が完了すると、
S280に移行し、S280では、全領域空燃比センサ
の温度Tcが、目標値(常用温度)に到達したか否かを
判断しており、肯定判定されるとS290に移行し、否
定判定されると再びS220に移行する。なお、常用温
度に達したか否かの判定は、酸素濃度測定セル15の多
孔質電極17a−17b間の抵抗値Rpvsを用いて行
っており、抵抗値Rpvsが75[Ω]以下である場合
には常用温度(本実施例では、800[℃])に達した
と判定(肯定判定)し、抵抗値Rpvsが75[Ω]よ
りも大きい場合には常用温度に達していないと判定(否
定判定)する。
【0082】S280で肯定判定されて、S290に移
行すると、S290では、全領域空燃比センサ1の温度
Tcが、全領域空燃比センサ1の通常使用時の温度とし
て定められた常用温度(800[℃])に維持されるよ
うに、検出した全領域空燃比センサの温度と常用温度と
の差分に基づいて、ヒータへの印加電圧値を制御する第
2PID制御(PIDコントロール2)を行う。なお、
S290で実行される第2PID制御では、検出した全
領域空燃比センサの温度と常用温度との差分における比
例成分(Proportinal )および積分成分(lntegral)に基づ
いて、全領域空燃比センサの温度が常用温度に維持され
るように、ヒータへの印加電圧指令値VH(rms)を
設定する制御を行っている。
【0083】ここで、第2PID制御においては、検出
した全領域空燃比センサの温度と常用温度との差分を、
それぞれの温度に対応する抵抗値の差分ΔRに置き換え
て処理を実行しており、差分ΔRに対するヒータへの印
加電圧指令値VH(rms)を設定するための演算式f
2(ΔR)は、[数3]のように表すことができる。
【0084】
【数3】 なお、数3に示す数式のうち、Bは第2比例係数であ
り、Cは第2積分係数であり、積分値ΣΔRは第2PI
D制御の開始後における過去一定期間の差分ΔRを積分
した値であり、Vrefは制御基準電圧(本実施例で
は、10.5[V])である。このうち、第2積分係数
Cは、第1積分係数Aよりも大きい値に設定されてい
る。
【0085】また、差分ΔRは、上述した[数2]に示
す数式により定められる。そして、第2PID制御で
は、積分値ΣΔRに第2積分係数Cを乗じた第2積分成
分値(C×ΣΔR)と、差分ΔRに第2比例係数Bを乗
じた第2比例成分値(B×ΔR)との和を、制御基準電
圧Vrefに加算した電圧値を、ヒータへの印加電圧V
Hとして設定する。このように、第2積分成分値(C×
ΣΔR)に加えて第2比例成分値(B×ΔR)の値を加
算して、印加電圧VHに設定することから、印加電圧V
Hは、第1PID制御に比べて高い電圧値に設定される
ため、全領域空燃比センサに対して供給する熱量が不足
するのを防ぐことが出来る。
【0086】なお、S290での処理が完了すると、再
びS220に移行する。そして、図2に示す処理内容の
全領域空燃比センサの温度制御処理は、全領域空燃比セ
ンサが停止されるまで、上述した処理を実行する。以
上、説明したように、図2に示す処理内容の全領域空燃
比センサの温度制御処理によれば、全領域空燃比センサ
の起動直後の所定期間内は、全領域空燃比センサの温度
が低く、抵抗値Rpvsによる温度測定ができないた
め、S220で否定判定されて、ヒータへの印加電圧は
12[V]または13[V]の固定電圧に設定される。
【0087】また、抵抗値Rpvsによる温度測定が可
能となった場合でも、全領域空燃比センサが活性化状態
ではない場合には、S260で否定判定されて、S22
0,S230およびS260の処理がこの順に繰り返し
実行されることになり、ヒータへの印加電圧は13
[V]の固定電圧に設定される。
【0088】そして、全領域空燃比センサの温度が活性
化温度(600[℃])に到達すると、S270で実行
される第1PID制御により、ヒータへの印加電圧VH
が設定されることになり、検出した全領域空燃比センサ
の温度Tcと常用温度(800[℃])との差分に基づ
いて、ヒータへの印加電圧VHが制御される。
【0089】この第1PID制御が開始された直後は、
積分期間が短いことから、差分ΔRの積分値ΣΔRの値
は小さい値となるため、セラミックヒータ41への印加
電圧VHは、約10.5[V]に設定されることにな
り、第1PID制御が開始される前の印加電圧VH(1
2[V]または13[V])よりも低い電圧に設定され
る。これにより、セラミックヒータ41の発熱量を低減
することができ、全領域空燃比センサの温度がオーバー
シュートするのを防ぐことができる。
【0090】また、第1PID制御では、印加電圧VH
を設定するための演算式f1(ΔR)に、差分ΔRの積分
値ΣΔRに第1積分係数Aを乗じた項を有しており、過
去一定期間において差分ΔRが0より大きい値となる場
合には、制御基準電圧Vrefよりも高い電圧値が印加
電圧VHに設定される。このため、全領域空燃比センサ
の温度が常用温度に到達しない場合には、時間経過に伴
い印加電圧VHとして設定される電圧値が徐々に増加し
ていき、セラミックヒータ41の発熱量が不足するのを
防止でき、確実に常用温度まで昇温させることができ
る。
【0091】また、第1PID制御では、過去一定期間
における差分ΔRの積分値を用いてヒータの印加電圧V
Hを設定しており、センサ出力がノイズなどの影響によ
り瞬時的に大きく変動した場合でも、差分ΔRの積分値
は大きく変動することが無いため、ノイズの影響を抑え
ることができ、安定した温度制御が可能となる。
【0092】さらに、第1PID制御では、第2積分係
数Cよりも小さい値に設定された第1積分係数Aを用い
ていることから、差分ΔRの積分値に対する印加電圧V
Hの変化量は、常用温度を維持する制御における変化量
よりも小さく抑えられることになり、セラミックヒータ
41の発熱量が過剰となって、全領域空燃比センサの温
度がオーバーシュートするのを抑制できる。
【0093】そして、第1PID制御が実行されて全領
域空燃比センサの温度が常用温度(800[℃])に到
達すると、S290で実行される第2PID制御によ
り、ヒータへの印加電圧VHが設定されることになり、
検出した全領域空燃比センサの温度Tcと常用温度(8
00[℃])との差分に基づいて、ヒータへの印加電圧
VHが制御される。
【0094】この第2PID制御では、差分ΔRのう
ち、全領域空燃比センサの温度Tcが常用温度に達する
前の差分ΔRは用いず、全領域空燃比センサの温度Tc
が最初に常用温度を超えた後の差分ΔRのみを用いて、
ヒータへの印加電圧VHを設定している。このため、印
加電圧VHを制御する際に、全領域空燃比センサ1(詳
細には、酸素濃度測定セル15)の温度が常用温度に到
達する前の期間における差分ΔRの影響を受けることが
なくなり、ヒータへの印加電圧VHが不適切な値に設定
されるのを防ぐことが出来る。
【0095】この結果、全領域空燃比センサが常用温度
に到達した後に、セラミックヒータ41への印加電圧V
Hが不適切となることで発熱量が過剰となって、全領域
空燃比センサの温度がオーバーシュートするのを防ぐこ
とができる。これにより、オーバーシュートの発生に起
因するガスセンサの検出精度の低下を防ぐことが可能と
なる。
【0096】また、第2PID制御は、第1PID制御
と同様に、過去一定期間における差分ΔRの積分値ΣΔ
Rを用いてヒータへの印加電圧VHを設定しており、セ
ンサ出力がノイズなどの影響により瞬時的に大きく変動
した場合でも、差分ΔRの積分値ΣΔRの値は大きく変
動しないため、ノイズの影響を抑えることができ、安定
した温度制御が可能となる。
【0097】さらに、この第2PID制御では、最新の
差分ΔRに第2比例係数Bを乗じた第2比例成分値(B
×ΔR)を制御基準電圧Vrefに対して加算した電圧
値を、ヒータへの印加電圧VHとして設定する。そし
て、検出した全領域空燃比センサの温度Tcと常用温度
との差分ΔRのうち最新の差分ΔRは、全領域空燃比セ
ンサの最新の状態を表す指数であることから、最新の差
分ΔRの値が反映される第2比例成分値(B×ΔR)を
用いることで。全領域空燃比センサの最新の状態に適し
た温度制御が可能となる。
【0098】そして、第2PID制御では、第2積分成
分値(C×ΣΔR)と第2比例成分値(B×ΔR)との
和を制御基準電圧Vrefに加算した電圧値を、ヒータ
への印加電圧VHとして設定していることから、外部か
らのノイズによる影響を抑えることができると共に、全
領域空燃比センサの最新の状態に適した温度制御を実現
することが出来る。これにより、セラミックヒータ41
の発熱量が適切に設定されることになり、全領域空燃比
センサの温度がオーバーシュートするのを防ぐことがで
きると共に、全領域空燃比センサの温度を常用温度に維
持するために必要な熱量をヒータで発生させることが出
来る。
【0099】よって、第2PID制御によれば、全領域
空燃比センサが常用温度に到達した後に、セラミックヒ
ータ41での発熱量が過剰となって、全領域空燃比セン
サの温度がオーバーシュートするのを防ぐことができ、
全領域空燃比センサの検出精度の低下を防ぐことが出来
る。
【0100】また、本温度制御処理においては、起動直
後から印加電圧VHを13[V]に設定するのではな
く、一旦12[V]に設定した後で、13[V]に設定
していることから、急激な温度上昇によって全領域空燃
比センサの温度分布にばらつきが生じるのを防止でき、
熱衝撃により全領域空燃比センサが破損するのを防ぐこ
とができる。このように、全領域空燃比センサの温度上
昇におけるオーバーシュートを抑える制御に加えて、起
動直後の熱衝撃の発生を抑える制御を併せて実行するこ
とで、より確実に全領域空燃比センサの損傷を防止する
ことが出来る。
【0101】さらに、本温度制御処理においては、全領
域空燃比センサの温度測定を、セラミックヒータ41の
温度測定で代替するのではなく、酸素濃度測定セル15
の抵抗値を用いて実施していることから、全領域空燃比
センサ自体の温度を精度良く検出することが可能であ
る。なお、温度測定位置をヒータとは異なる位置に設定
する場合、ヒータから温度測定位置までの熱伝導の時間
的な遅れが原因となり、ヒータへの印加電圧が不適切な
値に設定されてオーバーシュートが発生する虞がある
が、本実施例の温度制御処理によれば、オーバーシュー
トの発生を抑制することができ、好適な温度制御を実現
することが出来る。
【0102】ここで、本発明方法を適用した温度制御方
法(図2に示す温度制御処理)により全領域空燃比セン
サの温度を制御したときの測定結果を図3(a)に示す
と共に、従来の温度制御方法(図1に示す温度制御方
法)により全領域空燃比センサの温度を制御した時の測
定結果を図3(b)に示す。なお、図3(a)および図
3(b)には、(A)ヒータ温度、(B)素子温度(セ
ンサ温度)、(C)酸素濃度測定セルの抵抗値Rpv
s、(D)ヒータへの印加電圧VH、をそれぞれ示す。
【0103】まず、図3(a)の測定結果においては、
ヒータ温度の最高温度は約970[℃]であり、素子温
度の最高温度は約730[℃]であり、また、図3
(b)の測定結果においては、ヒータ温度の最高温度は
約1030[℃]であり、素子温度の最高温度は約78
0[℃]である。つまり、本発明の温度制御方法は、従
来の温度制御方法に比べて、ヒータ温度および素子温度
ともに最高温度が低くなることから、オーバーシュート
を低減できることが判る。
【0104】なお、図3(a)、図3(b)ともに、抵
抗値Rpvsの波形(データ)については、起動から1
1[sec ]が経過するまでの期間は、全領域空燃比セン
サの実際の抵抗値を表しておらず、起動から11[sec
]経過した後の期間は、全領域空燃比センサの実際の
抵抗値を表している。また、本測定では、全領域空燃比
センサの常用温度は、約720[℃]である。
【0105】また、図4に、本発明の温度制御処理およ
び従来の温度制御処理のそれぞれにおけるヒータ温度お
よび全領域空燃比センサの温度(素子温度)の差異を明
確に表すために、ヒータ温度および素子温度を同一座標
平面上に記した測定結果を示す。なお、図4では、従来
の温度制御処理における素子温度を(A)従来素子温と
して、従来の温度制御処理におけるヒータ温度を(B)
従来ヒータ温として、本発明の温度制御処理における素
子温度を(C)発明1素子温として、本発明の温度制御
処理におけるヒータ温度を(D)発明1ヒータ温とし
て、それぞれ記載する。
【0106】図4によれば、本発明の温度制御処理にお
いて第1PID制御が実行されるまで(起動から12
[sec ]経過するまで)は、本発明および従来ともにヒ
ータ温度,素子温度は、同様の推移を呈するが、起動か
ら12[sec ]経過した後は、ヒータ温度、素子温度と
もに、従来の制御よりも本発明の制御の方が低い値を示
すことが判る。
【0107】そして、波形D(本発明ヒータ温度)が波
形B(従来ヒータ温度)よりも小さい値となることか
ら、本発明の温度制御処理は、従来よりも少ない電力消
費量で、全領域空燃比センサを活性化状態とすることが
できることが判る。また、起動から活性化温度(600
[℃])に達するまでの所要時間(ライトオフ時間)に
ついて比較すると、本発明の温度制御方法、従来の温度
制御方法ともに、約12[sec ]である。このことか
ら、本発明の温度制御方法は、従来の温度制御方法と同
等のライトオフ時間を達成することができ、起動後の早
期活性化が実現可能であることが判る。
【0108】さらに、起動から素子温度が制御目標素子
温度(常用温度)で安定するまでの所要時間(目標温度
収束時間)について比較すると、本発明の温度制御方
法、従来の温度制御方法ともに、約30[sec ]であ
る。このことから、本発明の温度制御方法は、従来の温
度制御方法と同等の目標温度収束時間を達成することが
でき、起動後におけるセンサ出力の安定化を早期に実現
することが可能であることが判る。
【0109】なお、図3(a)に示す測定結果と図4に
示す測定結果とを比較すると、ヒータ温度および素子温
度共に波形が若干異なっているが、これは、測定環境
(全領域空燃比センサの周囲環境)が異なるために生じ
たものである。そして、図3(a)および図4に示す測
定結果によれば、ガスセンサの周囲環境が異なる場合で
あっても、本発明の温度制御方法を用いることで、オー
バーシュートを抑えつつ、ライトオフ時間および目標温
度収束時間を従来と同等レベルに維持できることが判
る。
【0110】なお、上述の実施例においては、酸素濃度
測定セル15が特許請求の範囲におけるガス検出部に相
当し、温度制御処理のS230で設定される印加電圧V
H(13[V])が、特許請求の範囲における第1電圧
に相当するものであり、制御基準電圧Vrefが特許請
求の範囲における第2電圧に相当し、温度制御処理のS
210およびS250で設定される印加電圧VH(12
[V])が、特許請求の範囲における第3電圧に相当
し、第1PID制御が特許請求の範囲における印加電圧
増加制御に相当し、第2PID制御が特許請求の範囲に
おける常用運転制御に相当する。
【0111】以上、本発明の実施例について説明した
が、本発明は、こうした実施例に限定されることなく、
種々の態様をとることができる。例えば、本発明の温度
制御方法は、全領域空燃比センサの温度制御に限らず、
NOxガスセンサやHCガスセンサなど、ヒータにより
活性化温度まで加熱されることで使用可能となるガスセ
ンサの温度制御に適用することができる。
【0112】また、上述の温度制御処理において記載し
た各数値(例えば、S260での判断基準となる抵抗値
(220[Ω])など)は、対象となるガスセンサの種
類や設置環境を考慮して、適切な値を適宜設定すること
ができる。つまり、例えば、S260での判断基準は、
ガスセンサの活性化温度(600[℃])に対応する抵
抗値に限らず、活性化温度以上の温度に対応した抵抗値
を設定することができる。
【0113】さらに、演算式における各係数(A,B,
C)についても、対象となるガスセンサの種類や設置環
境を考慮して、適切な値を設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 全領域空燃比センサ、全領域空燃比センサに
接続されるインターフェース回路、セラミックヒータ、
およびセラミックヒータに接続されるヒータ電圧供給装
置の接続状態を表す説明図である。
【図2】 ヒータ電圧供給装置において実行される温度
制御処理の処理内容を示すフローチャートである。
【図3】 (a)は、本発明の温度制御方法により全領
域空燃比センサの温度を制御したときの測定結果であ
り、(b)は、従来の温度制御方法により全領域空燃比
センサの温度を制御したときの測定結果である。
【図4】 本発明の温度制御処理および従来の温度制御
処理のそれぞれにおけるヒータ温度および全領域空燃比
センサの温度(素子温度)を測定したときの測定結果で
ある。
【図5】 酸素濃度測定セルの電極間の抵抗値と全領域
空燃比センサの温度についての相関関係を表すグラフで
ある。
【図6】 従来の温度制御処理の処理内容を表すフロー
チャートである。
【符号の説明】 1…全領域空燃比センサ、11…酸素ポンプセル、11
a…固体電解質体、13a,13b…多孔質電極、15
…酸素濃度測定セル、15a…固体電解質体、17a,
17b…多孔質電極、19…ガス検出室、21…ガス拡
散多孔質層、23…遮蔽層、25…酸素基準室、31…
インターフェース回路、33…ポンプ電流駆動回路、3
5…電圧出力回路、37…測定電流供給回路、39…基
準電圧比較回路、41…セラミックヒータ、43…ヒー
タ電圧供給装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 27/46 311G (72)発明者 古橋 良介 愛知県名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日 本特殊陶業株式会社内 Fターム(参考) 3K058 AA02 AA04 AA22 BA00 CA02 CB15 CB22 CC06 CC09 CE13 CE19

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活性化温度以上になることで特定ガスを
    検出可能となるガス検出部を有するガスセンサにおい
    て、電力供給によって発熱するヒータを用いて加熱する
    ことで、前記ガス検出部の温度を前記活性化温度よりも
    高温の常用温度に維持するためのガスセンサの温度制御
    方法であって、 前記ヒータへの通電開始後、前記ガス検出部の温度が、
    前記活性化温度から前記常用温度までの範囲内で設定さ
    れた第1目標温度に到達するまでは、前記ガスセンサの
    早期活性化ができるよう定められた第1電圧を前記ヒー
    タへの印加電圧として設定し、 前記ガス検出部の温度が前記第1目標温度を超えた後、
    前記ヒータへの印加電圧を前記第1電圧より小さい第2
    電圧に変更すること、 を特徴とするガスセンサの温度制御方法。
  2. 【請求項2】 前記ガス検出部の温度が前記第1目標温
    度を超えてから前記常用温度に達するまでは、 検出した前記ガス検出部の温度と前記常用温度との差分
    に基づいて、前記ガス検出部の温度が前記常用温度にな
    るように、前記ヒータへの印加電圧を増加させる印加電
    圧増加制御を行うこと、 を特徴とする請求項1に記載のガスセンサの温度制御方
    法。
  3. 【請求項3】 前記ヒータへの通電開始後、前記ガス検
    出部の温度が最初に前記常用温度を超えた後は、 この時点よりも後に検出した前記ガス検出部の温度と前
    記常用温度との差分に基づいて、前記ガス検出部の温度
    を前記常用温度に維持するように前記ヒータへの印加電
    圧を設定する常用運転制御を行うこと、 を特徴とする請求項2に記載のガスセンサの温度制御方
    法。
  4. 【請求項4】 前記印加電圧増加制御において、 検出した前記ガス検出部の温度と前記常用温度との差分
    のうち過去一定期間内の差分を積分して得られる積分値
    に第1積分係数を乗じた第1積分成分値を算出し、前記
    第2電圧に前記第1積分成分値を加算した電圧値を、前
    記ヒータへの印加電圧として設定すること、 を特徴とする請求項2または請求項3のいずれかに記載
    のガスセンサの温度制御方法。
  5. 【請求項5】 前記常用運転制御において、 検出した前記ガス検出部の温度と前記常用温度との差分
    のうち、前記ヒータへの通電開始後、前記ガス検出部の
    温度が最初に前記常用温度を超えた後における過去一定
    期間内の差分を積分して得られる積分値に第2積分係数
    を乗じた第2積分成分値と、検出した前記ガス検出部の
    温度と前記常用温度との差分のうち最新の差分に第2比
    例係数を乗じた第2比例成分値とを算出し、前記第2電
    圧に対して前記第2積分成分値および前記第2比例成分
    値を加算した電圧値を、前記ヒータへの印加電圧として
    設定すること、 を特徴とする請求項4記載のガスセンサの温度制御方
    法。
  6. 【請求項6】 前記第1積分係数が前記第2積分係数よ
    りも小さいこと、 を特徴とする請求項5記載のガスセンサの温度制御方
    法。
  7. 【請求項7】 前記ヒータへの通電開始直後の一定期間
    は、前記第1電圧よりも小さい第3電圧を前記ヒータへ
    の印加電圧として設定し、前記一定期間の経過後に、前
    記第1電圧を前記ヒータへの印加電圧として設定するこ
    と、 を特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の
    ガスセンサの温度制御方法。
  8. 【請求項8】 前記ガス検出部は、固体電解質体表面に
    一対の電極が形成されてなり、 前記一対の電極間における固体電解質体の電気抵抗値に
    基づき、前記ガス検出部の温度を検出すること、 を特徴とする請求項1から請求項7のいずれか記載のガ
    スセンサの温度制御方法。
  9. 【請求項9】 前記ガスセンサが、全領域空燃比センサ
    であること、 を特徴とする請求項1から請求項8のいずれか記載のガ
    スセンサの温度制御方法。
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