JP2009085637A - ガスセンサ制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】センサ始動時においてセンサ出力を早期に正常化し、ガスセンサの活性をいち早く完了させる。
【解決手段】A/Fセンサは、固体電解質層及びそれを挟む一対の電極を有し、一対の電極のうち一方をガス検出電極、他方を基準電極とするセンサ素子10を備え、被検出ガス中の特定成分のガス濃度に応じて一対の電極間に流れる電流によりセンサ出力を生じさせる。センサ始動時には、センサ制御回路30によって、基準電極側からガス検出電極側に強制的に酸素が供給される。具体的には、一対の電極に、ガス検出電極が正側、基準電極が負側となる酸素供給電圧が印加される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ガスセンサ制御装置に関するものである。
例えば、自動車用エンジンでは、排ガスを検出対象として酸素濃度を検出する限界電流式酸素濃度センサ(A/Fセンサ)が実用化されている。この酸素濃度センサは、ジルコニア等の固体電解質層やその固体電解質層を挟んで設けられる一対の電極を有してなるセンサ素子を備えて構成されており、センサ素子に電圧が印加された状態で排ガス中の酸素濃度に応じた電流信号を出力する。
ここで、センサ素子は、所定の活性温度(例えば700〜800℃程度)に昇温されることで活性状態となる。そして、この活性状態で所望のセンサ出力が得られ、そのセンサ出力に基づいて酸素濃度検出(空燃比検出)が可能となる。この場合、一般にはセンサ素子に電気式ヒータが付設されており、エンジン始動時にはヒータによる発熱に伴いセンサ素子の活性化が行われるとともに、一旦活性化が完了した後は、ヒータが適宜通電されてその活性状態が保持されるようになっている。
また、センサ素子の昇温過程においては、当該素子が活性化したことを判定するための活性判定が行われる。その活性判定手法として、センサ素子の素子インピーダンスを検出するとともに、該素子インピーダンスを判定パラメータとしてセンサ素子の活性判定を実施する技術が知られている(例えば特許文献1参照)。この場合、センサ素子において素子温と素子インピーダンスには相関があり、センサ素子の昇温時には素子温が上昇することに伴い素子インピーダンスが低下する。そして、素子インピーダンスが所定の活性判定値(例えば数10Ω程度)まで低下したことを判定することにより、センサ素子の活性完了を判定するようにしている。
特開2002−5882号公報
ところで近年では、エンジン始動後においていち早く空燃比フィードバック制御等を実行できるようにするべく、センサ出力をモニタし、そのセンサ出力が所定の正常範囲に収束したことでセンサ素子の活性完了を判定することが検討されている。しかしながら、発明者らの知見によれば、エンジン停止中には、排気通路内に存在する水分や有機物等がセンサ素子に付着し、それに起因して、エンジン始動に伴うセンサ始動時には、センサ出力が正常範囲に収束するまでに時間を要することが確認された。したがって、センサ素子の活性完了の判定が遅れてしまうという不都合が生じる。
本発明は、センサ始動時においてセンサ出力を早期に正常化し、ガスセンサの活性をいち早く完了させることができるガスセンサ制御装置を提供することを主たる目的とするものである。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について説明する。
本発明のガスセンサ制御装置では、固体電解質層及びそれを挟む一対の電極を有し、前記一対の電極のうち一方をガス検出電極、他方を基準電極とするセンサ素子を備え、被検出ガス中の特定成分のガス濃度に応じて前記一対の電極間に流れる電流によりセンサ出力を生じさせるガスセンサを制御対象としている。こうしたガスセンサでは、センサ始動前においてガス検出電極側に水分や有機物等が存在していると、それが原因で、センサ始動後にセンサ出力に誤差が生じ、結果としてガスセンサが活性完了したと判定できるまでに時間がかかってしまう。
この点、請求項1に記載の発明は、ガスセンサの始動時に、基準電極側からガス検出電極側に強制的に酸素が供給(ポンピング)される構成であるため、ガス検出電極及びその近傍に酸素が過剰供給されることとなる。これにより、センサ始動前においてガス検出電極側に水分や有機物等が存在していても、それを早期に排除できる。その結果、センサ始動時においてセンサ出力を早期に正常化し、ガスセンサの活性をいち早く完了させることができる。
請求項2に記載の発明では、ヒータによるセンサ素子の加熱開始に伴い前記酸素供給を開始する。この場合、ヒータの加熱によるセンサ素子の昇温過程においてセンサ出力が徐々に正常化されるが、その昇温初期、すなわち素子温が十分に上昇していない期間に強制的な酸素の供給(ポンピング)が行われる。ここで、センサ素子の昇温初期においてセンサ出力が未だ正常値でない時(換言すれば、センサ出力が使えない時)に酸素の過剰供給が行われるため、その酸素の過剰供給によってセンサ出力が大きく変動しても不都合は生じない。
請求項3に記載したように、前記一対の電極に、前記ガス検出電極が正側、前記基準電極が負側となる酸素供給電圧を印加するものであるとよい。こうして酸素供給電圧を印加することで、基準電極からガス検出電極に向けて固体電解質層内を酸素イオンが移動し、結果としてガス検出電極側への酸素の供給を好適に行わせることができる。
ここで、請求項4に記載したように、前記ガスセンサの始動後において前記酸素供給電圧を可変設定するとよい。これにより、基準電極側からガス検出電極側への酸素の供給量(ポンピング量)を調整することが可能となる。
この場合、センサ始動後に基準電極側からガス検出電極側への酸素供給を行わせる期間において、開始から終了までの全期間を通じて酸素供給電圧を変化させてもよいし、同期間の開始点付近でのみ酸素供給電圧を変化させてもよいし、同期間の終了点付近でのみ酸素供給電圧を変化させてもよい。
請求項5に記載したように、前記センサ素子の直流抵抗の変化予測に合わせて前記酸素供給電圧を徐々に小さくするとよい。
要するに、ガスセンサは所定の出力特性(図3のV−I特性参照)を有し、同出力特性はセンサ素子の直流抵抗に依存したものとなっている。このとき、素子温度が低く直流抵抗が比較的大きい場合には、酸素供給電圧を大きめに設定しても素子電流(センサ出力)はさほど大きくならない(図3において素子電流ILが負側にさほど大きくならない)。これに対し、素子温度が高く直流抵抗が比較的小さい場合には、酸素供給電圧を小さくすることで、素子電流(センサ出力)が過剰に大きくなる(図3において素子電流ILが負側に過剰に大きくなる)のを抑制できる。
そこで、素子温度の上昇に伴う直流抵抗の低下に合わせて酸素供給電圧を徐々に小さくすることで、センサ出力が過剰に大きくなる(図3において素子電流ILが負側に過剰に大きくなる)のを抑制しつつ、適正に酸素供給を行わせることができる。
請求項6に記載の発明では、ガス濃度検出用の印加電圧を前記一対の電極に印加する第1の電圧印加手段と、前記酸素供給電圧を前記一対の電極に印加する第2の電圧印加手段とを備える。そして、前記ガスセンサの始動後の所定期間において前記第2の電圧印加手段による電圧印加を行わせ、その後、前記第1の電圧印加手段による電圧印加に切り替える。
上記構成によれば、センサ始動後において、基準電極側からガス検出電極側への酸素供給のための酸素供給電圧の印加が行われた後、通常の印加電圧制御への切替がなされる。この場合、通常の印加電圧制御が開始される際に、いち早く正常なセンサ出力が得られるようになる。
請求項7に記載の発明では、前記第2の電圧印加手段は、前記一対の電極に前記酸素供給電圧として一定電圧を印加するものである。そして、前記第2の電圧印加手段による電圧印加から前記第1の電圧印加手段による電圧印加への切替時に、それら電圧印加手段による印加電圧の中間値となる中間電圧を前記一対の電極に印加する。
酸素供給電圧として一定電圧を印加し、その後、通常の印加電圧(都度のセンサ出力に基づく印加電圧)に切り替える場合、その電圧切替に伴い急峻でかつ過剰な電流変化(テーリング)が生じることが懸念される。この点、上述のとおり各電圧印加手段による印加電圧の中間値となる中間電圧を前記一対の電極に印加することにより、テーリングの発生を抑制することができる。
「中間電圧」は、各電圧印加手段による印加電圧の中間となる電圧であればよく、ステップ状に段階変化させるもの以外に、連続変化させるものであってもよい。
基準電極側からガス検出電極側に強制的に酸素を供給するための構成としては、請求項8に記載したように、前記ガス検出電極から前記基準電極への向きで強制的に電流を流すものであってもよい。こうして所定の向きで強制的に電流を流すことで、基準電極からガス検出電極に向けて固体電解質層内を酸素イオンが移動し、結果としてガス検出電極側への酸素の供給を好適に行わせることができる。
請求項9に記載したように、前記ガス検出電極又は前記基準電極に通じる電気経路上に定電流発生手段を設ける。そして、前記定電流発生手段により前記ガス検出電極から前記基準電極への向きで流れる電流を生じさせるとよい。
ガスセンサの始動時に基準電極側からガス検出電極側に強制的に酸素を供給する場合、以下のようにして、酸素供給終了が判断されるとよい。
(1)前記ガスセンサの素子インピーダンスを算出し、前記ガスセンサの素子インピーダンスが所定の判定値になった時に前記酸素供給を終了する(請求項10)。
(2)センサ始動後においてセンサ出力の積算値を算出し、前記センサ出力の積算値が所定の判定値になった時に前記酸素供給を終了する(請求項11)。なおこの場合、
・センサ始動時からのセンサ出力の積算値を算出する、
・センサ始動後において素子温度の上昇に伴いセンサ出力が変化し始めてからのセンサ出力の積算値を算出する、
・センサ始動後において素子温度の上昇に伴いセンサ出力が変化し始めた後、同センサ出力が、本来出力されるべきセンサ出力相当の値に変化してからのセンサ出力の積算値を算出する、
といった構成のいずれかが採用されるとよい。
(3)前記センサ素子を加熱するヒータへの通電制御量を算出し、前記ヒータへの通電制御量が所定の判定値になった時に前記酸素供給を終了する(請求項12)。
上記のいずれであっても、センサ素子の活性化の進み具合に合わせて、ガス検出電極側への酸素供給を終了させることができる。なおその他に、センサ始動からの経過時間が所定時間になった時に酸素供給を終了したり、ヒータ抵抗が所定値まで上昇した時に酸素供給を終了したりすることも可能である。
請求項13に記載したように、ガスセンサが、内燃機関の排気通路に設けられ同排気通路内を流れる排ガスを検出対象とする排気センサである場合、本発明を有効に適用できる。
すなわち、内燃機関では、運転停止後に排気通路内の温度が低下するのに従い、排気通路内に残存する排ガス中の水分が析出される。かかる場合、排ガス中の有機物がヒドロキシ基(OH)の場合、水溶性が高いため排ガス中の水分に溶けてセンサ素子のガス検出電極(排ガス側電極)などに付着する。そして、これらが原因で、内燃機関の始動後(センサ始動後)にはその時のガス雰囲気に関係なく固体電解質層(ジルコニア等)の特性により基準電極側からガス検出電極側に酸素が移動し、センサ出力のリッチずれが生じる。特に近年では、内燃機関の改良等に伴い、内燃機関の運転停止後に排気通路内にて発生する水分が増加してきており、リッチずれによるセンサ活性遅れの対策が必要となる。
この点、上述したように、ガスセンサの始動時に基準電極側からガス検出電極側に酸素を過剰供給することにより、センサ始動前においてガス検出電極側に水分や有機物等が存在していても、それを早期に排除できる。その結果、センサ出力のリッチずれによるセンサ活性遅れを抑制できる。
[第1の実施形態]
以下、本発明のセンサ制御装置を具体化した第1の実施形態を図面に従って説明する。本実施形態では、車載エンジンより排出される排ガス(燃焼ガス)を被検出ガスとして同ガス中の酸素濃度(空燃比:A/F)を検出する空燃比検出装置を具体化しており、空燃比の検出結果はエンジンECU等により構成される空燃比制御システムにて用いられる。空燃比制御システムでは、空燃比をストイキ近傍でフィードバック制御するストイキ空燃比制御や、同空燃比を所定のリーン領域でフィードバック制御するリーン空燃比制御等が適宜実現される。
先ずはじめに、センサ素子の構成を図2を用いて説明する。A/Fセンサは積層型構造のセンサ素子10を有し、図2にはセンサ素子10の断面構成を示す。実際には当該センサ素子10は図2の紙面直交方向に延びる長尺状をなし、素子全体がハウジングや素子カバー内に収容される構成となっている。なお本実施形態では、A/Fセンサは排気管に取り付けられ、排気管内を流れる排ガスを検出対象として空燃比が検出される。
センサ素子10は、固体電解質層11、拡散抵抗層12、遮蔽層13及び絶縁層14を有し、これらが図の上下に積層されて構成されている。同素子の周囲には図示しない保護層が設けられている。長方形板状の固体電解質層11は部分安定化ジルコニア製のシートであり、その固体電解質層11を挟んで上下一対の電極15,16が対向配置されている。拡散抵抗層12は電極15へ排ガスを導入するための多孔質シートからなり、遮蔽層13は排ガスの透過を抑制するための緻密層からなる。拡散抵抗層12には、電極15を囲むようにして排気チャンバ17が設けられている。
拡散抵抗層12と遮蔽層13は何れも、アルミナ、スピネル、ジルコニア等のセラミックスをシート成形法等により成形したものであるが、ポロシティの平均孔径及び気孔率の違いによりガス透過率が相違するものとなっている。
絶縁層14はアルミナ等の高熱伝導性セラミックスからなり、電極16に対面する部位には大気ダクト18が形成されている。また、同絶縁層14にはヒータ19が埋設されている。ヒータ19は、バッテリ電源からの通電により発熱する線状の発熱体よりなり、その発熱により素子全体を加熱する。
固体電解質層11を挟んで設けられる一対の電極15,16のうち、排気チャンバ17側の電極15が「ガス検出電極」に相当し、以下これを排ガス側電極15と称する。また、大気ダクト18側の電極16が「基準電極」に相当し、以下これを大気側電極16と称する。
上記構成のセンサ素子10において、その周囲の排ガスは拡散抵抗層12の側方部位から導入された後、拡散抵抗層12内を経由して排気チャンバ17に流れ込み、排ガス側電極15に達する。排ガスがリーンの場合、排ガス中の酸素が排ガス側電極15で分解され、大気側電極16から固体電解質層11を通じて大気ダクト18に排出される。また、排ガスがリッチの場合、逆に大気ダクト18内の酸素が大気側電極16で分解され、排ガス側電極15から固体電解質層11を通じて排気チャンバ17に排出される。
本実施形態では、排ガス側電極15を負極、大気側電極16を正極と定義しており、図2のように、排ガス側電極15を負(−)、大気側電極16を正(+)としてこれら電極間に印加される印加電圧VPを正電圧としている。すなわち、その逆に、排ガス側電極15を正(+)、大気側電極16を負(−)としてこれら電極間に印加される印加電圧VPが負電圧である。
図3は、センサ素子10の出力特性(V−I特性)を示す図面である。図3のセンサ出力特性において、横軸であるVP軸に平行な直線部分(フラット部分)はセンサ素子10の素子電流IL(限界電流)を特定する限界電流域であって、素子電流ILの増減は空燃比の増減(すなわち、リーン・リッチの程度)に対応している。つまり、空燃比がリーン側になるほど素子電流ILは増大し、空燃比がリッチ側になるほど素子電流ILは減少する。
また、限界電流域よりも低電圧側の傾き部分は抵抗支配域であり、その抵抗支配域の傾きはセンサ素子10の直流抵抗Riに依存するものとなっている。つまり、素子温度が低く直流抵抗Riが大きい場合には抵抗支配域の傾きが小さくなり、素子温度が高く直流抵抗Riが小さい場合には抵抗支配域の傾きが大きくなるようになっている。図中のLXは、センサ素子10への印加電圧VPを決定するための印加電圧特性線(一次直線的に設定された印加電圧マップ)を表しており、その傾きは、センサ活性状態での抵抗支配域の傾きにほぼ一致したものとなっている。
次に、本発明の主要部たるセンサ制御回路の電気的構成を図1を参照しながら説明する。
図1では、センサ制御系の主要な構成としてマイクロコンピュータ(以下、マイコンと略す)20とセンサ制御回路30とが設けられており、これらによりA/Fセンサ(センサ素子10)に流れる素子電流の計測やその素子電流値に基づくA/F値の演算など実施される。マイコン20は、CPU、各種メモリ、A/D変換器等を備える周知の論理演算回路にて構成されており、素子電流値に相応するA/F出力電圧をセンサ制御回路30から入力し、同A/F出力電圧のA/D値によりA/F値を算出する。同マイコン20により演算されたA/F値は図示しないエンジンECUに逐次出力される。本実施形態では、マイコン20とセンサ制御回路30とにより「センサ制御手段」が構成されている。
また、センサ制御回路30において、センサ素子10の正側端子(S+端子)にはオペアンプ31及び電流検出抵抗32(電流計測用抵抗)を介して基準電圧電源33が接続され、同センサ素子10の負側端子(S−端子)にはオペアンプ34を介して印加電圧制御回路35が接続されている。この場合、電流検出抵抗32の一端のA点は基準電圧Vf(例えば2.2V)と同じ電圧に保持される。素子電流は電流検出抵抗32を介して流れ、素子電流に応じてB点の電圧が変化する。例えば排ガスがリーンの場合、センサ素子10のS+端子からS−端子に電流が流れるためB点電圧が上昇し、リッチの場合、センサ素子10のS−端子からS+端子に電流が流れるためB点電圧が低下する。
印加電圧制御回路35では、基本構成として、B点電圧をモニタするとともにその電圧値に応じてセンサ素子10に印加すべき電圧を決定(例えば、図3の印加電圧直線LXに基づき決定)し、オペアンプ34を介してD点電圧を制御する。ただし、ストイキ近傍のみでA/F検出を行う場合、印加電圧固定とすることも可能である。
また、電流検出抵抗32の両端のA点及びB点には増幅回路37が接続されており、その増幅回路37の出力であるA/F出力電圧がマイコン20のA/D入力端子に取り込まれる。マイコン20では、逐次取り込まれるA/F出力電圧のA/D値に基づきA/F値が算出される。
ところで、A/Fセンサでは、その始動前(すなわち、エンジン始動前)にセンサ素子10の内部に水分や有機物などが付着していることがあり、それに起因してセンサ始動直後にセンサ出力のリッチずれ(リッチ誤差)が生じる。センサ出力のリッチずれが生じると、同リッチずれが収束するまでに時間を要し、結果としてセンサ活性完了が遅れてしまう。
例えば、エンジン停止後には、排気管内の温度が低下するのに従い、排気管内に残存する排ガス中の水分が析出される。かかる場合、排ガス中の有機物がヒドロキシ基(OH)の場合、水溶性が高いため排ガス中の水分に溶けてセンサ素子10の拡散抵抗層12や排気チャンバ17の内壁、排ガス側電極15などに付着する。また、エンジン始動後には、ヒータ通電に伴い有機物が炭化し、その炭化した有機物も排気チャンバ17側に付着した状態となる。そして、これらが原因で、エンジン始動後(センサ始動後)には、その時のガス雰囲気に関係なくジルコニア(ZrO2)の特性により大気ダクト18から排気チャンバ17に酸素が移動し、上記のとおりリッチずれが生じる。なお、エンジン停止後の排気管内湿度は車両により異なり、湿度の高い車両ほどリッチずれ量が大きく、活性遅れが発生しやすくなる。
特に近年では、エンジンの改良等に伴い、エンジン停止後に排気管内にて発生する水分が増加してきており、リッチずれによるセンサ活性遅れの対策が必要となる。すなわち、近年では、空燃比検出領域の拡大や燃費向上などが図られており、排気温が上昇する傾向にある。その対策としてエンジンブロックの冷却能力を高めると、排気ポートの温度が上がりにくくなり、水が析出されやすくなる。また、車両メーカではエンジンの小型化のため、排気マニホールドをエンジンブロックと一体化する技術が開発されている。この場合、エンジン冷却水のクーリングにより排気マニホールドの温度が上がらなくなるため、水分の析出量が増えることが考えられる。更に、エンジンの燃焼技術が改善されると、ガソリンの燃焼効率が良くなり、水分の発生量が増加する。その他、エタノール燃料などの代替燃料を使用する場合には、燃焼時の水分発生量がガソリンと比較して増加する。以上のようにして排気管内の水分が増えると、その水分に溶ける有機物(OH基)の量も増えることとなる。
センサ始動直後のリッチずれについて、図4のタイムチャートを用いて説明する。図4において、(a)はセンサ始動開始からの素子電流ILの推移を、(b)は素子インピーダンスZacの推移を示している。なお、図4では、エンジン始動に伴い燃料噴射量の増量制御が行われ、A/Fがリッチ(例えばA/F=14程度)になるものとしている。A/Fセンサの始動時にはそれに合わせてヒータ通電が開始されるようになっている。また、素子インピーダンスZacの推移として、素子温度がある程度上昇し、マイコンにて算出可能となった後の算出値の変化を示している。
図4に示すように、センサ始動直後には素子電流IL=0(ストイキ相当)であり、その後、素子電流ILが徐々に負値(リッチ側の値)に変化する。ここで、素子内部に付着した水分や有機物などに起因するリッチずれがないとすれば、素子電流ILは、本来A/Fセンサの活性化(図中の素子インピーダンスZacの低下)に伴い一点鎖線で示すように変化し、A/F=14相当の値に収束する。このとき、素子電流ILが所定の正常出力範囲(図のX1)に収束するまでの所要時間はT1である。
しかしながら、上述したように素子内部に水分や有機物などが付着していると、素子電流ILが、実線で示すようにリッチ側に大きく変動する。そのため、本来のA/F=14相当の値に素子電流ILが収束するまでの時間が長引いてしまう。素子電流ILが所定の正常出力範囲(図のX1)に収束するまでの所要時間はT2(>T1)となる。
そこで本実施形態では、センサ始動時において一時的に、センサ素子の一対の電極15,16に、排ガス側電極15が正側、大気側電極16が負側となる印加電圧(負電圧:酸素供給電圧に相当)を印加し、大気ダクト18から排気チャンバ17に強制的に酸素を供給する。そしてこれにより、拡散抵抗層12や排気チャンバ17の内壁などに付着している水分や有機物等を酸化させていち早く除去することとしている。
図1に示すセンサ制御回路30では、素子電流計測点(図のB点)と印加電圧制御回路35との間にスイッチ回路38が設けられており、そのスイッチ回路38がマイコン20からの制御指令(切替制御信号)に応じて切替操作されるようになっている。かかる場合、通常はスイッチ回路38がs1点接続とされ、その状態でA/Fセンサの通常制御が行われる。すなわち、印加電圧制御回路35に対してB点電圧が入力され、そのB点電圧に基づいて印加電圧が可変調整される。これに対して、同スイッチ回路38がs2点接続とされると、印加電圧制御回路35に対して負電圧電源39から一定の負電圧Vnが入力される。そして、B点電圧(都度の素子電流)に無関係に、負電圧電源39による印加電圧の設定が行われる。換言すれば、スイッチ回路38がs1点側に切り替えられると、通常の印加電圧制御が行われ、スイッチ回路38がs2点側に切り替えられると、負電圧制御が行われることとなる。本実施形態では、印加電圧制御回路35が「第1の電圧印加手段」に相当し、負電圧電源39が「第2の電圧印加手段」に相当する。
図5は、本実施形態における印加電圧制御を補足説明するためのセンサ素子の略図である。図5において、(a)には既存の印加電圧制御(通常制御)を示し、(b)には本実施形態の印加電圧制御(負電圧制御)を示している。
図5(a)に示す通常制御では、排ガス側電極15と大気側電極16との間に、排ガス側電極15を負側、大気側電極16を正側とする正電圧(例えば0.4V)が印加される。このとき、センサ印加電圧VPは、図3に示す印加電圧特性に基づき設定されている。かかる場合、ジルコニア(ZrO2)の特性により大気側電極16から排ガス側電極15に向けて固体電解質層11内を酸素イオンが移動する。これにより、大気ダクト18から排気チャンバ17に酸素が供給され、その酸素によって排気チャンバ17側の有機物等が酸化除去される。ただし、ここでの印加電圧VPは正電圧であり、排気チャンバ17側の酸素供給量は比較的少量となる。
これに対し、(b)に示す負電圧制御では、排ガス側電極15と大気側電極16との間に、排ガス側電極15を正側、大気側電極16を負側とする負電圧Vn(例えば−0.4V)が印加される。かかる場合、ジルコニア(ZrO2)の特性により大気ダクト18から排気チャンバ17に酸素が移動することに加え、負電圧印加に伴うポンピング動作により、大気ダクト18から排気チャンバ17に酸素が移動する。すなわち、負電圧印加によって、大気側電極16から排ガス側電極15に向けての酸素イオンの移動が促進され、比較的大量の酸素が排気チャンバ17側に供給される。これにより、排気チャンバ17側への酸素移動が促進され、排気チャンバ17側に存在する有機物等がいち早く酸化される。
図6は、エンジン始動時における印加電圧制御の処理手順を示すフローチャートである。本処理は、マイコン20により所定の時間周期で繰り返し実行される。
図6において、ステップS11〜S13では、負電圧制御を実行するか否かを判断するための実行条件を判定する。すなわち、ステップS11では、ヒータ通電開始タイミングであるか否かを判定し、ステップS12では、エンジン再始動時であるか否かを判定する。このとき、例えば、イグニッションスイッチ(IGスイッチ)がON操作された直後であれば、ヒータ通電開始タイミングであるとしてステップS11をYESとする。また、例えば、エンジン停止(IGスイッチ=OFF)からの経過時間が所定時間以内であるか、又はエンジン水温が所定温度以上であれば、エンジン再始動時であるとしてステップS12をYESとする。なお、ステップS11がYESでかつステップS12がNOである場合、A/Fセンサの冷間始動時であることが判定される。
また、ステップS13では、印加電圧制御として既に通常制御を開始しているか否かを判定する。
そして、ヒータ通電開始タイミングでなくかつ通常制御の開始前である場合、又は、ヒータ通電開始タイミングにてエンジン再始動時でないと判定され、かつ通常制御の開始前である場合にステップS14に進み、それ以外の場合にはステップS15に進む。
ステップS15では、印加電圧制御として通常制御が実行されるようスイッチ回路38を切替操作する。具体的には、図1の構成においてスイッチ回路38をs1点接続とする。これにより、印加電圧制御回路35において、図3に示す印加電圧特性に基づき、都度の素子電流ILに応じてセンサ印加電圧が制御される。
また、ステップS14では、負電圧制御の終了タイミングであるか否かを判定する。具体的には、例えば、センサ始動後の素子インピーダンスZacを逐次モニタし、その素子インピーダンスZacが所定のしきい値THよりも大きければ、すなわちZac>THであれば、負電圧制御の終了タイミングでないと判定する。また、素子インピーダンスZacがしきい値TH以下であれば、すなわちZac≦THであれば、負電圧制御の終了タイミングであると判定する。なお、しきい値THは、センサ素子10の活性完了値(例えば30〜40Ω)に対して大きい抵抗値であり、例えばTH=600Ωである。
ここで、素子インピーダンスZacの算出手順について簡単に説明する。本実施形態では、いわゆる掃引法を用いて素子インピーダンスZacを算出するようにしており、マイコン20は、センサ素子10への印加電圧を一時的に交流的に変化させる旨指令し、その際の電流変化量に基づき素子インピーダンスZacを算出する。このとき、掃引回路(印加電圧制御回路35でも可)によってセンサ印加電圧(図のD点電圧)を所定幅(例えば0.2V)で正負両側に変化させるとともに、その印加電圧変化に伴うB点電圧の変化を計測する。そして、その時の印加電圧変化量ΔVと電流変化量ΔIとから素子インピーダンスZacを算出する(Zac=ΔV/ΔI)。なお、インピーダンス検出に際し、センサ素子10に流す電流を交流的に変化させ、その際の電流又は電圧の変化量から素子インピーダンスZacを演算する構成とすることも可能である。
ステップS16では、印加電圧制御として負電圧制御が実行されるようスイッチ回路38を切替操作する。具体的には、図1の構成においてスイッチ回路38をs2点接続とする。これにより、負電圧電源39からセンサ素子10に負電圧Vnが印加され、大気ダクト18から排気チャンバ17に対して強制的に酸素が供給される。
負電圧制御はステップS14がYESになるまで継続され、ステップS14がYESとなった以降は、スイッチ回路38がs1点接続とされ、通常制御に切り替えられる。
上記図6のステップS14では、センサ始動後の素子インピーダンスZacに基づいて負電圧制御の終了タイミングであるか否かを判定したが、この判定手法を以下のように変更してもよい。
(1)センサ始動後における素子電流ILの積算値を算出し、その電流積算値が所定のしきい値に達した時に、負電圧制御の終了タイミングである旨を判定する。なおこの場合、
・センサ始動時からの素子電流ILの積算値を算出する、
・センサ始動後において素子温度の上昇に伴い素子電流ILが変化し始めてからの素子電流ILの積算値を算出する、
・センサ始動後において素子温度の上昇に伴い素子電流ILが変化し始めた後、同素子電流ILが、本来出力されるべき電流相当の値に変化してからの素子電流ILの積算値を算出する、
といった構成のいずれかが採用されるとよい。
(2)センサ始動後におけるヒータ電力の積算値を算出し、その電流積算値が所定のしきい値に達した時に、負電圧制御の終了タイミングである旨を判定する。
(3)センサ始動後におけるヒータ抵抗の変化をモニタし、そのヒータ抵抗が所定のしきい値まで上昇した時に、負電圧制御の終了タイミングである旨を判定する。
(4)センサ始動後における経過時間が所定時間に達した時に、負電圧制御の終了タイミングである旨を判定する。
ちなみに、センサ素子10の内部抵抗はセンサ冷間時には極大値となっており、センサ素子10がある程度昇温されなければ素子インピーダンスZacが算出できない。したがって、素子インピーダンスZacに基づいて負電圧制御の終了タイミングを判定する場合には、センサ素子10が所定の昇温状態になり素子インピーダンスZacが算出可能となるまで待つ必要があるが、上記の(1)〜(4)によれば、センサ素子10が所定の昇温状態にならなくても負電圧制御の終了タイミングを判定できる。
また、上記図6では、IGスイッチのオン操作後におけるヒータ通電開始タイミングで負電圧制御(負電圧印加)を開始する構成としたが、これを変更してもよい。例えば、センサ始動後において素子電流ILが変化し始めたタイミングで負電圧制御(負電圧印加)を開始する構成としてもよい。
上記のような負電圧制御が行われる場合の、素子電流ILの推移を図7のタイムチャートを用いて説明する。図7において、(a)はセンサ始動開始からの素子電流ILの推移を、(b)は印加電圧VPの推移を、(c)は素子インピーダンスZacの推移を、(d)はスイッチ回路38の切替状態の推移をそれぞれ示している。なお(a)では、従来技術との差を示すために、通常制御を実施した場合の素子電流の推移を一点鎖線で示しており、これは図4で説明した素子電流ILの推移と同じものである。
図7では、A/Fセンサの始動当初から負電圧Vn(例えば、Vn=−0.4V)が印加されており、素子電流ILの変化開始後には、通常の印加電圧制御を行っている場合の素子電流ILの推移(一点鎖線参照)に比して、素子電流ILが負側に大きい値となる。これは、センサ素子10に負電圧Vnが印加されることで、大気ダクト18から排気チャンバ17に対して強制的に酸素が供給され、その際、素子電流ILとして酸素供給分の負電流が流れるためである。このとき、A/Fセンサの始動後には、素子温度の上昇に伴い素子内部抵抗(直流抵抗Ri)が次第に小さくなるため、センサ印加電圧(負電圧)が一定値であっても、素子内部抵抗の低下に伴い素子電流ILが徐々に負側に変化する。
負電圧印加状態での素子電流ILの変化について図8を用いて補足説明する。なお、図8には、センサ出力特性(V−I特性)のうち直流抵抗Riが各々異なる場合の抵抗支配域について示している。素子温度の上昇時には直流抵抗Riが徐々に小さくなり、図8において直流抵抗RiがR1→R2→R3のように小さくなると、抵抗支配域の傾きが徐々に大きくなる。このとき、印加電圧VPがVn値のままであっても、都度の素子電流ILがIn1→In2→In3のように負側に大きくなる。
図7の説明に戻り、タイミングtaでは、素子インピーダンスZacがしきい値TH以下となることで、通常の印加電圧に切り替えられる。具体的には、スイッチ回路38がs2点接続からs1点接続に切り替えられる。このとき、印加電圧VPが負電圧から正電圧に切り替えられることで、素子電流ILが正側に急峻変動し、その後、その時のA/F相当の電流値に収束する。タイミングta以降は、印加電圧VPが都度の素子電流IL(A/F)に応じた電圧値とされ、図示の場合には「A/F=14」に対応する正の電圧値とされている。
ここで、通常制御を行っている場合には、素子電流ILが所定の正常出力範囲(図のX1)に収束するまでの所要時間がT2であるのに対し、負電圧制御を実行することで、素子電流ILが所定の正常出力範囲(図のX1)に収束するまでの所要時間がT3に短縮される。
なお、負電圧制御の終了タイミング(スイッチ回路38のs2→s1の切替タイミング)がセンサ始動後における素子電流ILの積算値に基づいて判定される場合には、例えば、センサ始動後において素子温度の上昇に伴い素子電流ILが変化し始めるタイミング(図7のTb)以降で、素子電流ILの積算値が算出されるとよい。又は、センサ始動後において素子温度の上昇に伴い素子電流ILが変化し始めた後、同素子電流ILが、本来出力されるべき電流相当の値(図7のX1内の電流値)に変化したタイミング(図7のTc)以降で、素子電流ILの積算値が算出されるとよい。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
A/Fセンサの始動時において負電圧制御を実行し、排気チャンバ17側に酸素を過剰供給する構成とした。これにより、センサ始動前において排気チャンバ17側に水分や有機物等が存在していても、それを早期に排除できる。つまり、センサ始動時において素子電流ILのリッチずれによるセンサ活性遅れを抑制できる。その結果、センサ始動時において素子電流IL(センサ出力)を早期に正常化し、A/Fセンサの活性をいち早く完了させることができる。
A/Fセンサにおいてヒータ通電の開始タイミングで負電圧制御を開始し、そのヒータ通電によるセンサ素子10の昇温過程において負電圧制御を実行する構成とした。これにより、センサ素子10の昇温初期においてセンサ出力が未だ正常値でない時(換言すれば、センサ出力が使えない時)に負電圧制御が実行される。この場合、負電圧制御によってセンサ出力が大きく変動しても不都合は生じないため、何ら支障なく負電圧制御が実行できる。
センサ始動後の印加電圧制御として、まずは負電圧制御を実行し、その後、通常制御に切り替える構成としたため、負電圧制御によるリッチずれの解消後は、通常の印加電圧制御によっていち早く正常なセンサ制御を実施できるようになる。
センサ始動時において負電圧制御が実行されている場合に、素子インピーダンスZacが所定の判定値になった時に負電圧制御を終了し、通常制御に切り替える構成とした。これにより、センサ素子10の活性化の進み具合に合わせて負電圧制御を終了させることができる。この場合、排気チャンバ17側への酸素供給量が多すぎる、或いは排気チャンバ17側への酸素供給量が少なすぎるといった不都合を抑制することが可能となる。
一方で、負電圧制御から通常制御に移行する移行期間において、素子電流ILの正側への急峻変動(テーリング)を抑制すべく、負電圧制御での印加電圧と通常制御での印加電圧との中間値となる中間電圧を、センサ電極間に印加する構成としてもよい。例えば、図9に示すように制御移行期間にて負電圧Vnを徐々に変化させる構成とする。図9において、(a)はセンサ始動開始からの素子電流ILの推移を、(b)〜(d)は印加電圧VPの推移をそれぞれ示している。
すなわち、図9に示すように、負電圧制御期間(負電圧一定期間)K1と通常制御期間K2との間に制御移行期間K3を設け、その制御移行期間K3において印加電圧VPを徐々に変化させるようにする。例えば、制御移行期間K3において、(b)に示すように負電圧制御の電圧値Vn(一定値)から通常制御の電圧値に対して、一定の変化率にて印加電圧VPを連続的に変化させる。これにより、(a)に示すように、負電圧制御から通常制御に移行する際に素子電流ILの急峻変動(テーリング)を抑制できる。
なお、制御移行期間K3で印加電圧VPを変化させる場合には、例えば、同期間K3の開始時点で負電圧制御を終了し(図1のスイッチ回路38をs1点接続とし)、その後、印加電圧制御回路35において印加電圧VPを徐変させるようにするとよい。
その他、制御移行期間K3における印加電圧VP(中間電圧)の変化態様として、図9(c)に示すように、不等の変化率にて印加電圧VPを変化させてもよい。この場合、図示のように変化率を徐々に小さくする以外に、同変化率を徐々に大きくしてもよい。又は、図9(d)に示すように、多段階(ステップ状)に印加電圧VPを変化させてもよい。この場合、図示のように1回ごとの変化量を徐々に小さくする以外に、同変化量を徐々に大きくしたり、同一変化量としたりしてもよい。いずれにしても、負電圧制御から通常制御に移行する際において、素子電流ILの急峻変動(テーリング)を抑制することができる。
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態について説明する。上述した第1の実施形態では、センサ始動時においてセンサ印加電圧の負電圧制御を実行する際、その負電圧Vnを一定値としたが、本実施形態ではこれを変更し、負電圧制御の際の電圧値を可変制御する。より具体的には、負電圧制御の際の電圧値を、センサ素子10の昇温(活性化)に伴う直流抵抗Riの変化に合わせて可変制御する。
本実施形態では、センサ制御回路30の構成を図10のように変更する。図10では、負電圧制御回路41を新たに設けており、印加電圧制御回路35により印加電圧制御が行われるか、負電圧制御回路41によって印加電圧制御が行われるかが、スイッチ回路42によって切り替えられるようになっている。この場合、スイッチ回路42がs1点側に切り替えられると、印加電圧制御回路35により印加電圧制御が行われ、同スイッチ回路42がs2点側に切り替えられると、負電圧制御回路41によって印加電圧制御が行われる。負電圧制御回路41とスイッチ回路42にはそれぞれマイコン20からの制御指令が入力される。
ここで、センサ始動後には、素子温度の上昇に伴いセンサ素子の直流抵抗Riが徐々に低下し、その直流抵抗Riの低下に伴い、同一の電圧印加状態でも素子電流ILが負側に大きくなる。このとき、素子電流ILが負側の限界値に達すると、センサ素子10の破損等が懸念されるため、素子電流ILが負側の限界値に達しないよう負電圧Vnを設定することが望ましい。なお、素子電流ILの負側の限界値は、大気ダクト18の容積、換言すれば大気ダクト18における酸素供給能力に応じて決まり、センサ素子10の小型化等により大気ダクト18の容積(酸素供給能力)が小さくされている場合には、同限界値が小さい電流値となる。
上記のように、負電圧Vnは、素子電流ILが負側の限界値に達しないように設定されるが、センサの始動当初は直流抵抗Riが大きいため、素子電流ILが負側の限界値に達しにくいものとなる。そこで本実施形態では、センサ始動当初は負電圧Vnを負側に大きい電圧値とし、その後、負電圧Vnを徐々に小さくする(0V側にシフトさせる)。これにより、センサ始動当初において、排気チャンバ17側への酸素供給量を十分に確保しつつ(素子電流ILを負側に十分大きくしつつ)、センサ素子の温度上昇時に素子電流ILが負側の限界値に達してしまうといった不都合が回避できる。
図11は、センサ出力特性(V−I特性)のうち直流抵抗Riが各々異なる場合の抵抗支配域について示す図であり、この図11で説明すると、素子温度の上昇に伴い直流抵抗RiがR1→R2→R3のように小さくなる場合に、負電圧VnをVn1→Vn2→Vn3のように徐々に小さくする。これにより、都度の素子電流ILがほぼ一定値Inのまま保持される。
負電圧制御回路41では、センサ始動後における負電圧制御期間内において時間の経過に合わせて負電圧Vnが可変設定される。より具体的には、センサ始動後における直流抵抗Riの変化パターン(予測変化値)があらかじめ求められて記憶されており、直流抵抗Riの変化パターン(予測変化値)に対応する経過時間に合わせて負電圧Vnが可変に設定される。
なお、ヒータ19への電力投入量と直流抵抗Riとには相関があると考えられる。そのため、センサ始動後におけるヒータ電力量(積算電力)に基づいて負電圧Vnを可変設定することも可能である。
図12は、電圧可変とする負電圧制御が行われる場合の、素子電流ILの推移を示すタイムチャートである。図12において、(a)はセンサ始動開始からの素子電流ILの推移を、(b)は印加電圧VPの推移を、(c)は直流抵抗Riの推移を、(d)はスイッチ回路42の切替状態の推移をそれぞれ示している。
図12に示すように、センサ素子の直流抵抗Riはセンサ始動後(ヒータ通電開始後)に徐々に低下する。また、センサ始動に伴いスイッチ回路42がs2点接続とされ、センサ素子10に対して、センサ始動当初から負電圧制御回路41により所定の負電圧Vnが印加される。このとき、センサ始動当初には、負電圧Vnが比較的大きな電圧値(例えば、Vn=−2.0V)となっており、その後、徐々に負側に小さい電圧値(0Vに近づく値)に変更される。
なお、センサ始動当初(ヒータ通電の開始当初)は、印加電圧VPの電圧値に関係なく素子電流ILが0mAに保持される。ゆえに、センサ始動当初の所定期間では負電圧Vnを一定値としてもよい。
上記のように、センサ始動当初から、センサ印加電圧として比較的大きな負電圧Vn(例えば、Vn=−2.0V)が印加されることにより、素子電流ILがいち早く負側に大きい値となる。したがって、大気ダクト18から排気チャンバ17への酸素供給が一層促進される。また、直流抵抗Riの低下に伴い負電圧Vnが徐々に0V側に変化するため、素子電流ILの上昇が一時的にほぼ一定に保たれる。そして、所定の負電圧制御終了タイミングとなることで、通常制御に切り替えられる(スイッチ回路42がs2点接続からs1点接続に切り替えられる)。
以上第2の実施形態によれば、A/Fセンサの始動後において負電圧Vnを可変制御する構成としたため、負電圧Vnの印加に伴い流れる素子電流を調整することが可能となる。上記のように、センサ素子10の直流抵抗Riの変化に合わせて負電圧Vnを徐々に小さくすることで、素子電流IL(負電流)をほぼ一定とすることができる。この場合、素子電流IL(負電流)が過剰に大きくなるのを抑制しつつ、排気チャンバ17側への酸素供給を好適に行わせることができる。
[第3の実施形態]
次に、第3の実施形態について説明する。本実施形態では、第1の実施形態との相違点として、センサ制御回路30において排ガス側電極15又は大気側電極16に通じる電気経路上に定電流発生手段としての定電流回路を設け、その定電流回路によって、大気ダクト18から排気チャンバ17への酸素の供給を行わせることとしている。図13(a),(b)は、本実施形態のセンサ制御回路30を示す回路図である。なお、図13(a),(b)では、上述した図1と共通の構成について同一の符号を付すとともに、共通構成の一部(マイコン20等)を省略又は簡素化している。
図13(a)において、センサ素子10の正側端子(S+端子)にはスイッチ回路51が接続されており、そのスイッチ回路51がマイコン(図示略)からの制御指令(切替制御信号)に応じて切替操作されるようになっている。かかる場合、通常はスイッチ回路51がs1点接続とされ、その状態でA/Fセンサの通常制御が行われる。これに対して、同スイッチ回路51がs2点接続とされると、センサ素子10の正側端子(S+端子)に定電流回路52が接続される。定電流回路52は吸込み式の定電流回路であり、同定電流回路52によって、センサ素子10において排ガス側電極15(S−)から大気側電極16(S+)への向きの負電流Inが流れることとなる。
また、図13(b)では、(a)との相違点として、センサ素子10の負側端子(S−端子)にスイッチ回路53と定電流回路54とが設けられている。定電流回路54は吐出し式の定電流回路であり、同定電流回路54によって、センサ素子10において排ガス側電極15(S−)から大気側電極16(S+)への向きの負電流Inが流れることとなる。
図14は、センサ素子10に負電流Inが流される場合の、素子電流ILの推移を示すタイムチャートである。図14において、(a)はセンサ始動開始からの素子電流ILの推移を、(b)はスイッチ回路51,53の切替状態の推移をそれぞれ示している。
図14に示すように、センサ始動に伴いスイッチ回路51(又は53)がs2点接続とされ、定電流回路52(又は54)によってセンサ素子10に負電流Inが流れる。ただし実際には、センサ始動当初は素子電流ILが0mAに保持され、素子温度がある程度上昇することで、負電流Inが流れ始めることとなる。負電流Inが流れることにより、大気ダクト18から排気チャンバ17に対して強制的に酸素が供給される。そして、所定の負電圧制御終了タイミングとなることで、スイッチ回路51(又は53)がs2点接続からs1点接続に切り替えられ、負電圧制御から通常制御に切り替えられる。
以上第3の実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、センサ始動時において素子電流ILのリッチずれによるセンサ活性遅れを抑制できる。その結果、センサ始動時において素子電流IL(センサ出力)を早期に正常化し、A/Fセンサの活性をいち早く完了させることができる。
[第4の実施形態]
次に、第4の実施形態について説明する。本実施形態では、センサ素子10に電圧を印加するための電源として交流電源を用いる構成としている。図15は、本実施形態におけるセンサ制御回路の電気的構成を示す回路図である。
図15に示すように、センサ素子10の正側端子(S+端子)には印加電圧制御回路61が接続されている。印加電圧制御回路61は、2つの電源回路62,63と、その2つの電源回路62,63を切り替えるスイッチ回路64と、スイッチ回路64の一端に接続された非反転増幅回路65とを備えている。非反転増幅回路65は、オペアンプ65aと、その反転入力端子(−入力端子)に接続された帰還抵抗65bとを有している。また、電源回路62,63に含まれる各抵抗が非反転増幅回路65の入力抵抗となっている。帰還抵抗65bに並列にコンデンサ65cが接続されている。つまり本構成では、非反転増幅回路65に一体で、印加電圧発振防止用のLPFが設けられている。LPFのカットオフ周波数fcは例えば2.7Hzである。
また、センサ素子10の負側端子(S−端子)には、交流電源回路67、バッファ68及び電流検出抵抗69が直列に接続されている。交流電源回路67は、例えば10〜20kHz程度の交流電圧を出力する交流電圧発生手段であり、交流電圧発生回路や、同発生回路の交流電圧出力をフィルタ処理するためのLPFにより構成されている。交流電源回路67によってセンサ素子10に交流電圧が印加される。交流電源回路67は、インピーダンス検出のための電圧印加部に相当し、本実施形態では2.2Vを基準としてその正負両側に1Vずつ振幅させた交流電圧を出力する。
電流検出抵抗69は、交流電源回路67とセンサ素子10との間の電流経路上に設けられており、センサ素子10とは逆側の端子が基準電圧(交流電源回路67の交流電圧の中心電圧)とされている。そして、電流検出抵抗69とセンサ素子10の負側端子との中間点Aで素子電流が計測される。
また、電流検出抵抗69とセンサ素子10の負側端子との間の中間点Aには、抵抗及びコンデンサよりなるLPF70が接続され、さらに同LPF70は、非反転増幅回路65のオペアンプ65aの非反転入力端子(+入力端子)に接続されている。本構成では、電流検出抵抗69とセンサ素子10との間の中間点電圧(すなわち、電流検出抵抗69及びセンサ素子10による分圧電圧)が、LPF70を介して印加電圧制御回路61の非反転増幅回路65に入力される。なお、LPF70のカットオフ周波数fcは例えば150Hzである。
印加電圧制御回路61において、一方の電源回路62はA/F検出のための電圧印加部(第1の電圧印加手段)に相当し、他方の電源回路63は負電圧制御のための電圧印加部(第2の電圧印加手段)に相当する。また、スイッチ回路64は、マイコン78からの制御指令(切替制御信号)に応じて切替操作される。かかる場合、通常はスイッチ回路64がs1点接続とされ、その状態でA/Fセンサの通常制御が行われる。このとき、非反転増幅回路65のオペアンプ65aに対して電源回路62から電源電圧が入力され、非反転増幅回路65の出力電圧(図のB点電圧)が例えば2.6V固定とされる。これに対し、同スイッチ回路64がs2点接続とされると、非反転増幅回路65のオペアンプ65aに対して電源回路63から電源電圧が入力され、非反転増幅回路65の出力電圧(図のB点電圧)が例えば1.7V固定とされる。
スイッチ回路64がs1点接続とされ、非反転増幅回路65の出力電圧(図のB点電圧)が2.6V固定とされる場合、センサ素子10に正電圧が印加される。これに対し、スイッチ回路64がs2点接続とされ、非反転増幅回路65の出力電圧(図のB点電圧)が1.7V固定とされる場合、センサ素子10に負電圧が印加される。
一方、電流検出抵抗69とセンサ素子10の負側端子との間の中間点Aには、その中間点電圧(すなわち、電流検出抵抗69及びセンサ素子10による分圧電圧)を各々個別に取り込むようにした2つの信号出力部が設けられている。一方は、素子電流相当のA/F検出信号を出力するためのA/F信号出力部71であり、他方は、インピーダンス検出信号を出力するためのインピーダンス信号出力部72である。A/F信号出力部71は、オペアンプ73とLPF部74とを一体に設けた非反転増幅回路により構成されている。A/F信号出力部71においてオペアンプ73の非反転入力端子(+入力端子)には、LPF70を経由してA点電圧が入力される。その際、インピーダンス検出のために交流的に変動しているA点電圧の変動分がLPF70により除去される。また、インピーダンス信号出力部72は、HPF75とピークホールド回路76とから構成されている。ピークホールド回路76には信号増幅部が一体に設けられている。A/F信号出力部71から出力されるA/F検出信号と、インピーダンス信号出力部72から出力されるインピーダンス検出信号とは共にマイコン78に入力される。
上記構成のセンサ制御回路において、エンジン始動に伴うセンサ始動時(ヒータ通電開始時)には、スイッチ回路64がs2点接続とされ、印加電圧制御回路61によって、電源回路63を電源とすることによって生じる負電圧がセンサ素子10に印加される。これにより、大気ダクト18から排気チャンバ17に対して強制的に酸素が供給される。そして、所定の負電圧制御終了タイミングとなることで、スイッチ回路64がs2点接続からs1点接続に切り替えられ、負電圧制御から通常制御に切り替えられる。
以上第4の実施形態においても、前記同様、センサ始動時において素子電流のリッチずれによるセンサ活性遅れを抑制できる。その結果、センサ始動時において素子電流(センサ出力)を早期に正常化し、A/Fセンサの活性をいち早く完了させることができる。
[第5の実施形態]
次に、第4の実施形態の一部を変更した第5の実施形態について説明する。本実施形態では、第4の実施形態との相違点として、センサ制御回路に定電流発生手段としての定電流回路を設け、その定電流回路によって、大気ダクト18から排気チャンバ17への酸素の供給を行わせることとしている。図16(a),(b)は、本実施形態のセンサ制御回路を示す回路図である。なお、図16(a),(b)では、上述した図15と共通の構成について同一の符号を付すとともに、共通構成の一部(マイコン78等)を省略又は簡素化している。
図16(a)において、センサ素子10の正側端子(S+端子)にはスイッチ回路81が接続されており、そのスイッチ回路81がマイコン(図示略)からの制御指令(切替制御信号)に応じて切替操作されるようになっている。かかる場合、通常はスイッチ回路81がs1点接続とされ、その状態でA/Fセンサの通常制御が行われる。これに対して、同スイッチ回路81がs2点接続とされると、センサ素子10の正側端子(S+端子)に定電流回路82が接続される。定電流回路82は吸込み式の定電流回路であり、同定電流回路82によって、センサ素子10において排ガス側電極15(S−)から大気側電極16(S+)への向きの負電流Inが流れることとなる。
また、図16(b)では、(a)との相違点として、センサ素子10の負側端子(S−端子)にスイッチ回路83と定電流回路84とが設けられている。定電流回路84は吐出し式の定電流回路であり、同定電流回路84によって、センサ素子10において排ガス側電極15(S−)から大気側電極16(S+)への向きの負電流Inが流れることとなる。
上記図16(a),(b)のセンサ制御回路では、センサ始動に伴いスイッチ回路81(又は83)がs2点接続とされ、定電流回路82(又は84)によってセンサ素子10に負電流Inが流れる。これにより、大気ダクト18から排気チャンバ17に対して強制的に酸素が供給される。そして、所定の負電圧制御終了タイミングとなることで、スイッチ回路81(又は83)がs2点接続からs1点接続に切り替えられ、負電圧制御から通常制御に切り替えられる。
以上第5の実施形態においても、前記同様、センサ始動時において素子電流のリッチずれによるセンサ活性遅れを抑制できる。その結果、センサ始動時において素子電流(センサ出力)を早期に正常化し、A/Fセンサの活性をいち早く完了させることができる。
[第6の実施形態]
上述した各記実施形態では、センサ素子(A/Fセンサ)として図2の素子構造を有するものを説明したが、他の素子構造を有するセンサ素子に本発明を適用することも可能である。例えば、1セルタイプのセンサ素子に代えて、ポンプセル及び起電力セルを有する2セルタイプのセンサ素子を用いる。換言すれば、1層の固体電解質を有する構成に代えて、2層の固体電解質を有する構成や、3層の固体電解質を有する構成とする。また、積層型構造のセンサ素子に代えて、コップ型構造のセンサ素子に本発明を適用したりすることも可能である。
以下、2セル構造のセンサ素子について2つの構成例を図17(a),(b)により説明する。
図17(a)に示すセンサ素子100では、2層の固体電解質層101,102を有しており、一方の固体電解質層101には一対の電極103,104が対向配置され、他方の固体電解質層102には一対の電極105,106が対向配置されている。なお、電極103〜105は図の左右対象に2カ所に見えるが、それらは紙面の前後何れかの部位で連結された同一部材である。
本センサ素子100では、固体電解質層101及び電極103,104によりポンプセル111が構成され、固体電解質層102及び電極105,106により酸素検知セル112が構成されている。センサ素子100が積層構造を有することは、前述のセンサ素子10と同じである。符号107はガス導入孔、符号108は多孔質拡散層、符号109は大気ダクト、符号110はヒータである。ポンプセル111を構成する一対の電極103,104のうち、多孔質拡散層108側の電極104が「ガス検出電極(排ガス側電極)」であり、他側の電極103が「基準電極」である。
酸素検知セル112の電極106の電位は比較器115の負側入力端子に入力され、同比較器115の正側入力端子には比較電圧Vrefが入力される。ポンプセル111の電極103と比較器115の出力端子との間には電流検出抵抗116が接続されており、その電流検出抵抗116の両端子のA点及びB点がセンサ出力として取り出されるようになっている。
上記構造のセンサ素子100において、酸素検知セル112は、排ガスがストイキに対してリーンかリッチかに応じて2値(0V又は0.9V)の起電力出力を発生する。例えばリーンである場合、酸素検知セル112の起電力出力が小さくなり、比較器115の出力(図のB点電圧)が上昇する。ゆえに、電流検出抵抗116にはB→Aの向きに電流が流れる。また逆に、リッチである場合、酸素検知セル112の起電力出力が大きくなり、比較器115の出力(図のB点電圧)が低下する。ゆえに、電流検出抵抗116にはA→Bの向きに電流が流れる。なお、酸素検知セル112は、一般に起電力セル、酸素濃度検出セルとも称される。
また、図17(b)に示すセンサ素子120では、3層の固体電解質層121,122,123を有し、固体電解質層121には一対の電極124,125が対向配置され、固体電解質層122には一対の電極126,127が対向配置されている。
本センサ素子120では、固体電解質層121及び電極124,125によりポンプセル131が構成され、固体電解質層122及び電極126,127により酸素検知セル132が構成されている。また、固体電解質層123は、酸素基準室128を確保するための壁材を構成している。センサ素子120が積層構造を有することは、前述のセンサ素子10等と同じである。符号129は多孔質拡散層、符号130はガス検出室(排気チャンバ)である。ポンプセル131を構成する一対の電極124,125のうち、ガス検出室130側の電極125が「ガス検出電極(排ガス側電極)」であり、他側の電極124が「基準電極」である。なお、酸素検知セル132は、図17(a)の酸素検知セル112と同様、一般に起電力セル、酸素濃度検出セルとも称される。
酸素検知セル132の電極127の電位は比較器135の負側入力端子に入力され、同比較器135の正側入力端子には比較電圧Vrefが入力される。ポンプセル131の電極124と比較器135の出力との間には電流検出抵抗136が接続されており、その電流検出抵抗136の両端子のA点及びB点がセンサ出力として取り出されるようになっている。この場合、リーン時にはB→Aの向きに電流検出抵抗136に電流が流れ、逆にリッチ時にはA→Bの向きに電流検出抵抗136に電流が流れる。
上記2セル構造のセンサ素子を有するガスセンサについて、そのセンサ制御回路の構成を図18に基づいて説明する。なお図18には、図17(a)のセンサ素子100に関するセンサ制御回路の構成を示す。
図18のセンサ制御回路において、ポンプセル111及び酸素検知セル112の共通端子COMには基準電圧電源151が接続されている。基準電圧電源151の電圧値は例えば2.5Vであり、共通端子COMの電圧値は2.5Vに固定される。また、これら各セル111,112には、オペアンプ152と、スイッチ回路153と、電流検出抵抗154とからなる直列回路が接続されており、オペアンプ152の非反転入力端子(+入力端子)には、比較電圧Vref(0.45V)を生成する比較電圧生成回路155が接続されている。リーン時にはB→Aの向きに電流検出抵抗154に電流が流れ、逆にリッチ時にはA→Bの向きに電流検出抵抗154に電流が流れる(なお、オペアンプ152が上記図17(a)のオペアンプ115に相当し、電流検出抵抗154が同電流検出抵抗116に相当する)。かかる場合、酸素検知セル112の出力電圧が所定値になるようポンプセル111がフィードバック制御される(ただし、フィードバック制御回路については既に種々公開されておりここでは図示及び詳細な説明を省略する)。
電流検出抵抗154の両端のA点、B点には差動増幅回路159が接続されており、その差動増幅回路159の出力であるA/F出力電圧がマイコン(図示略)に対して出力される。
スイッチ回路153は、マイコン(図示略)からの制御指令(切替制御信号)に応じて切替操作されるようになっている。かかる場合、通常はスイッチ回路153がs1点接続とされ、その状態でガスセンサの通常制御が行われる。つまり、酸素検知セル112の起電力信号に基づいて、ポンプセル111に流れる素子電流がフィードバック制御される。これに対し、スイッチ回路153がs2点接続とされると、電流検出抵抗154の一端(図のB点)にオペアンプ158の出力端子が接続される。オペアンプ158の−入力端子には電源157が接続され、+入力端子には電流検出抵抗154の一端(図のA点)が接続されている。電源157の電圧値は例えば3.5Vである。
ここで、エンジン始動に伴うセンサ始動時(ヒータ通電開始時)には、スイッチ回路153がs2点接続とされる。このとき、冷間始動時であればポンプセル111に電流が流れず、共通端子COMとA点とが共に2.5Vとなる。この結果、オペアンプ158では、−入力端子に3.5Vが、+入力端子に2.5Vが印加されることとなり、図のA点→B点の向きに電流が流れる。これにより、ポンプセル111において電極104(ガス検出電極)から電極103(基準電極)に電流が流れるとともに、その逆方向である電極103(基準電極)から電極104(ガス検出電極)に酸素(酸素イオン)が移動する。よって、電極104(ガス検出電極)に強制的に酸素が供給され、電極104側においてセンサ始動時に存在している水分や有機物等が除去される。そしてその後、所定の負電圧制御終了タイミングとなることで、スイッチ回路153がs2点接続からs1点接続に切り替えられ、負電圧制御から通常制御に切り替えられる。
図19は、図18の回路構成を一部変更したものである。図19のセンサ制御回路では、図18の同制御回路との相違点として、スイッチ回路153のs2点に接続されたオペアンプ162の−入力端子に同オペアンプ162の出力端子が接続され、+入力端子に電源161が接続されている。この場合、スイッチ回路153がs2点接続にされることで、B点電圧が電源161と同じ電圧値(例えば、1.5V)に保持される。
ここで、エンジン始動に伴うセンサ始動時(ヒータ通電開始時)には、スイッチ回路153がs2点接続とされる。これにより、共通端子COMは2.5V、B点電圧は1.5Vとなり、ポンプセル111において電極104(ガス検出電極)から電極103(基準電極)に電流が流れるとともに、その逆方向である電極103(基準電極)から電極104(ガス検出電極)に酸素(酸素イオン)が移動する。よって、電極104(ガス検出電極)に強制的に酸素が供給され、電極104側においてセンサ始動時に存在している水分や有機物等が除去される。そしてその後、所定の負電圧制御終了タイミングとなることで、スイッチ回路153がs2点接続からs1点接続に切り替えられ、負電圧制御から通常制御に切り替えられる。
図18,図19に示すセンサ制御回路においても、前記同様、センサ始動時において素子電流のリッチずれによるセンサ活性遅れを抑制できる。その結果、センサ始動時において素子電流(センサ出力)を早期に正常化し、A/Fセンサの活性をいち早く完了させることができる。
また、図18の回路構成に対する変形例として、図20(a),(b)の構成を採用してもよい。図20では、センサ制御回路に定電流発生手段としての定電流回路を設け、その定電流回路によって、酸素供給を行わせることとしている。なお、図20は基本構成が図18と同じであるが、便宜上、差動増幅回路159等の図示を省略している。
図20(a)では、ポンプセル111の2つの端子のうち、酸素検知セル112との共通端子COMの反対側(基準電極である電極103側の端子)にスイッチ回路163が接続されており、そのスイッチ回路163がマイコン(図示略)からの制御指令(切替制御信号)に応じて切替操作されるようになっている。かかる場合、通常はスイッチ回路163がs1点接続とされ、その状態でガスセンサの通常制御が行われる。
これに対して、同スイッチ回路163がs2点接続とされると、ポンプセル111の端子(基準電極である電極103側の端子)に定電流回路164が接続される。定電流回路164は吸込み式の定電流回路であり、同定電流回路164によって、ポンプセル111において電極104(ガス検出電極)から電極103(基準電極)への向きの電流(A/Fリッチ時と同じ向きの電流)が流れることとなる。これにより、電極104(ガス検出電極)に強制的に酸素が供給され、電極104側においてセンサ始動時に存在している水分や有機物等が除去される。
また、図20(b)では、(a)との相違点として、ポンプセル111の2つの端子のうち、酸素検知セル112との共通端子COM(ガス検出電極である電極104側の端子)側にスイッチ回路165と定電流回路166とが設けられている。定電流回路166は吐出し式の定電流回路であり、同定電流回路166によって、ポンプセル111において電極104(ガス検出電極)から電極103(基準電極)への向きの電流(A/Fリッチ時と同じ向きの電流)が流れることとなる。これにより、電極104(ガス検出電極)に強制的に酸素が供給され、電極104側においてセンサ始動時に存在している水分や有機物等が除去される。
上述した図18〜図20のセンサ制御回路では、電流検出抵抗154の両端のA点、B点はいずれも固定されておらず共に変動するが、以下の図21に示すセンサ制御回路では電流検出抵抗の一方の端子を固定できる構成としている。
図21に示すセンサ制御回路において、ポンプセル111及び酸素検知セル112の共通端子COMには、オペアンプ173及びスイッチ回路181を通じて基準電圧Vf1と同等の電圧(例えば3V)が印加される。つまり、スイッチ回路181がs1点接続とされることによって図のB点電圧(COM端子電圧)が3V固定とされる。また、酸素検知セル112には、フィードバック回路171と、スイッチ回路182と、電流検出抵抗172とからなる直列回路が接続されている。フィードバック回路171内の基準電圧Vf2は例えば2.55Vである。
センサ制御回路の基本動作をリッチ時を例に説明する。リッチ時には、酸素検知セル112の起電力により図のC1点が3.45Vに上がるため、フィードバック回路171内のC2点の電位が下がる。すると、フィードバック回路171の出力、すなわちA点電圧が上昇する。つまり、リッチ時にはA→Bの向きに電流検出抵抗172に電流が流れる。逆に、リーン時にはB→Aの向きに電流検出抵抗172に電流が流れる。
電流検出抵抗172の両端のA点、B点には増幅回路175が接続されており、その増幅回路175の出力であるA/F出力電圧がマイコン(図示略)に対して出力される。
スイッチ回路181,182は、マイコン(図示略)からの制御指令(切替制御信号)に応じて切替操作されるようになっている。かかる場合、通常はスイッチ回路181がs1点接続、スイッチ回路182がs3点接続とされ、その状態でガスセンサの通常制御が行われる。つまり、酸素検知セル112の起電力信号に基づいて、ポンプセル111に流れる素子電流がフィードバック制御される。
これに対し、スイッチ回路181がs2点接続とされると、オペアンプ173の−入力端子と出力端子とが接続される。これにより、ポンプセル111において共通端子COMの反対側(基準電極である電極103側の端子)が3.0Vとされる。また、スイッチ回路182がs4点接続とされると、電流検出抵抗172の一端(図のA点)にオペアンプ184の出力端子が接続される。オペアンプ184の+入力端子には電源183が接続され、−入力端子には電流検出抵抗172の一端(図のB点)が接続されている。スイッチ回路182がs4点接続にされることで、B点電圧が電源182と同じ電圧値(例えば、4.0V)に保持される。
ここで、エンジン始動に伴うセンサ始動時(ヒータ通電開始時)には、スイッチ回路181がs2点接続、スイッチ回路182がs4点接続とされる。これにより、ポンプセル111の両端子においてCOM側が4.0V、反対側が3.0Vとなり、ポンプセル111において電極104(ガス検出電極)から電極103(基準電極)に電流が流れるとともに、その逆方向である電極103(基準電極)から電極104(ガス検出電極)に酸素(酸素イオン)が移動する。よって、電極104(ガス検出電極)に強制的に酸素が供給され、電極104側においてセンサ始動時に存在している水分や有機物等が除去される。そしてその後、所定の負電圧制御終了タイミングとなることで、スイッチ回路181がs2点接続からs1点接続に、スイッチ回路182がs4点接続からs3点接続にそれぞれ切り替えられ、負電圧制御から通常制御に切り替えられる。
図22は、図21の回路構成を一部変更したものである。なお、フィードバック回路171の図示を簡略化している。図22のセンサ制御回路では、図21の同制御回路との相違点として、スイッチ回路181,182等を省略するとともに、酸素検知セル112とフィードバック回路171との間にスイッチ回路187を設けている。この場合、スイッチ回路187がs2点接続にされることで、フィードバック回路171に対してオペアンプ189を介して電源188の設定電圧が入力される。電源188の電圧は、例えば3.45〜3.9Vの間で可変となっている。本構成では、センサ始動時において、スイッチ回路187がs2点接続とされることで、フィードバック回路171に対して強制的にリッチ相当の電圧が入力されることとなる。
図21,図22に示すセンサ制御回路においても、前記同様、センサ始動時において素子電流のリッチずれによるセンサ活性遅れを抑制できる。その結果、センサ始動時において素子電流(センサ出力)を早期に正常化し、A/Fセンサの活性をいち早く完了させることができる。
また、図21,図22の回路構成に対する変形例として、図23(a),(b)の構成を採用してもよい。図23では、センサ制御回路に定電流発生手段としての定電流回路を設け、その定電流回路によって、酸素供給を行わせることとしている。
図23(a)では、ポンプセル111の2つの端子のうち、酸素検知セル112との共通端子COMの反対側(基準電極である電極103側の端子)にスイッチ回路191が接続されており、そのスイッチ回路191がマイコン(図示略)からの制御指令(切替制御信号)に応じて切替操作されるようになっている。かかる場合、通常はスイッチ回路191がs1点接続とされ、その状態でガスセンサの通常制御が行われる。
これに対して、同スイッチ回路191がs2点接続とされると、ポンプセル111の端子(基準電極である電極103側の端子)に定電流回路192が接続される。定電流回路192は吸込み式の定電流回路であり、同定電流回路192によって、ポンプセル111において電極104(ガス検出電極)から電極103(基準電極)への向きの電流(A/Fリッチ時と同じ向きの電流)が流れることとなる。これにより、電極104(ガス検出電極)に強制的に酸素が供給され、電極104側においてセンサ始動時に存在している水分や有機物等が除去される。
また、図23(b)では、(a)との相違点として、ポンプセル111の2つの端子のうち、酸素検知セル112との共通端子COM(ガス検出電極である電極104側の端子)側において、フィードバック回路171と電流検出抵抗172との間にスイッチ回路193と定電流回路194とが設けられている。定電流回路194は吐出し式の定電流回路であり、同定電流回路194によって、ポンプセル111において電極104(ガス検出電極)から電極103(基準電極)への向きの電流(A/Fリッチ時と同じ向きの電流)が流れることとなる。これにより、電極104(ガス検出電極)に強制的に酸素が供給され、電極104側においてセンサ始動時に存在している水分や有機物等が除去される。
[他の実施形態]
本発明は、上述した各実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施されても良い。
・酸素濃度を検出対象とするA/FセンサやO2センサ以外に、他のガス濃度成分を検出対象とするガスセンサにも本発明が適用できる。例えば、複合型のガスセンサは、固体電解質層にて形成された複数のセルを有し、そのうち第1セル(ポンプセル)では被検出ガス中の酸素を排出又はくみ出すとともに酸素濃度を検出し、第2セル(センサセル)では酸素排出後のガスから特定成分のガス濃度を検出する。このガスセンサは、例えば排ガス中のNOx濃度を検出するNOxセンサとして具体化されるものであり、このNOxセンサを対象とするセンサ制御装置としても具体化できる。また、上記第1セル、第2セルに加え、酸素排出後の残留酸素濃度を検出するための第3セル(モニタセル、若しくは第2ポンプセル)等の複数のセルを有するガスセンサであってもよい。
・ガス濃度成分としてHC濃度やCO濃度を検出可能とするガスセンサのセンサ制御装置にも適用できる。この場合、ポンプセルにて被検出ガス中の余剰酸素を排出し、センサセルにて余剰酸素排出後のガスからHCやCOを分解してHC濃度やCO濃度を検出する。
・エンジンの吸気通路に設けられるガスセンサや、ガソリンエンジン以外にディーゼルエンジンなど、他の形式のエンジンに用いられるガスセンサを対象とするセンサ制御装置としても具体化できる。そのガスセンサは、排ガス以外のガスを検出対象としたり、自動車以外の用途で用いられるものであってもよい。
第1の実施形態においてセンサ制御系の電気的構成を示す構成図。 センサ素子の構成を示す断面図。 A/Fセンサの出力特性(V−I特性)を示す図。 センサ始動直後に生じるリッチずれを説明するためのタイムチャート。 印加電圧制御を補足説明するためのセンサ素子の略図。 エンジン始動時における印加電圧制御の処理手順を示すフローチャート。 負電圧制御が行われる場合の素子電流等の推移を示すタイムチャート。 A/Fセンサの出力特性図。 負電圧制御が行われる場合の素子電流等の推移を示すタイムチャート。 第2の実施形態におけるセンサ制御回路の構成を示す回路図。 A/Fセンサの出力特性図。 電圧可変とする負電圧制御が行われる場合の素子電流等の推移を示すタイムチャート。 第3の実施形態におけるセンサ制御回路の構成を示す回路図。 センサ素子に負電流が流される場合の素子電流等の推移を示すタイムチャート。 第4の実施形態におけるセンサ制御回路の構成を示す回路図。 第5の実施形態におけるセンサ制御回路の構成を示す回路図。 第6の実施形態におけるガスセンサの構成を示す断面図。 第6の実施形態におけるセンサ制御回路の構成を示す回路図。 第6の実施形態におけるセンサ制御回路の構成を示す回路図。 第6の実施形態におけるセンサ制御回路の構成を示す回路図。 第6の実施形態におけるセンサ制御回路の構成を示す回路図。 第6の実施形態におけるセンサ制御回路の構成を示す回路図。 第6の実施形態におけるセンサ制御回路の構成を示す回路図。
符号の説明
10…センサ素子、11…固体電解質層、12…拡散抵抗層、15…排ガス側電極(ガス検出電極)、16…大気側電極(基準電極)、17…排気チャンバ、18…大気ダクト、19…ヒータ、20…マイコン(センサ制御手段)、30…センサ制御回路(センサ制御手段)、35…印加電圧制御回路(第1の電圧印加手段)、38…スイッチ回路、39…負電圧電源(第2の電圧印加手段)、41…負電圧制御回路(第2の電圧印加手段)、42…スイッチ回路、51,53…スイッチ回路、52,54…定電流回路(定電流発生手段)、62…電源回路(第1の電圧印加手段)、63…電源回路(第2の電圧印加手段)、78…マイコン(センサ制御手段)。

Claims (13)

  1. 固体電解質層及びそれを挟む一対の電極を有し、前記一対の電極のうち一方をガス検出電極、他方を基準電極とするセンサ素子を備え、被検出ガス中の特定成分のガス濃度に応じて前記一対の電極間に流れる電流によりセンサ出力を生じさせるガスセンサを制御対象とするセンサ制御装置であり、
    前記ガスセンサの始動時に、前記基準電極側から前記ガス検出電極側に強制的に酸素を供給するセンサ制御手段を備えることを特徴とするガスセンサ制御装置。
  2. 前記ガスセンサは、前記センサ素子を加熱するヒータを備えており、
    前記センサ制御手段は、前記ヒータによる加熱開始に伴い前記酸素供給を開始する請求項1に記載のガスセンサ制御装置。
  3. 前記センサ制御手段は、前記一対の電極に、前記ガス検出電極が正側、前記基準電極が負側となる酸素供給電圧を印加するものである請求項1又は2に記載のガスセンサ制御装置。
  4. 前記センサ制御手段は、前記ガスセンサの始動後において前記酸素供給電圧を可変設定する請求項3に記載のガスセンサ制御装置。
  5. 前記センサ制御手段は、前記センサ素子の直流抵抗の変化予測に合わせて前記酸素供給電圧を徐々に小さくする請求項4に記載のガスセンサ制御装置。
  6. 前記センサ制御手段は、
    ガス濃度検出用の印加電圧を前記一対の電極に印加する第1の電圧印加手段と、
    前記酸素供給電圧を前記一対の電極に印加する第2の電圧印加手段とを備え、
    前記ガスセンサの始動後の所定期間において前記第2の電圧印加手段による電圧印加を行わせ、その後、前記第1の電圧印加手段による電圧印加に切り替える請求項3乃至5のいずれか1つに記載のガスセンサ制御装置。
  7. 前記第2の電圧印加手段は、前記一対の電極に前記酸素供給電圧として一定電圧を印加するものであり、
    前記センサ制御手段は、前記第2の電圧印加手段による電圧印加から前記第1の電圧印加手段による電圧印加への切替時に、それら電圧印加手段による印加電圧の中間値となる中間電圧を前記一対の電極に印加する請求項6に記載のガスセンサ制御装置。
  8. 前記センサ制御手段は、前記ガス検出電極から前記基準電極への向きで強制的に電流を流すものである請求項1又は2に記載のガスセンサ制御装置。
  9. 前記ガス検出電極又は前記基準電極に通じる電気経路上に定電流発生手段を設け、
    前記センサ制御手段は、前記定電流発生手段により前記ガス検出電極から前記基準電極への向きで流れる電流を生じさせる請求項8に記載のガスセンサ制御装置。
  10. 前記ガスセンサの素子インピーダンスを算出する手段を備え、
    前記センサ制御手段は、前記ガスセンサの素子インピーダンスが所定の判定値になった時に前記酸素供給を終了する請求項1乃至9のいずれか1つに記載のガスセンサ制御装置。
  11. センサ始動後においてセンサ出力の積算値を算出する手段を備え、
    前記センサ制御手段は、前記センサ出力の積算値が所定の判定値になった時に前記酸素供給を終了する請求項1乃至9のいずれか1つに記載のガスセンサ制御装置。
  12. 前記センサ素子を加熱するヒータへの通電制御量を算出する手段を備え、
    前記センサ制御手段は、前記ヒータへの通電制御量が所定の判定値になった時に前記酸素供給を終了する請求項1乃至9のいずれか1つに記載のガスセンサ制御装置。
  13. 前記ガスセンサは、内燃機関の排気通路に設けられ同排気通路内を流れる排ガスを検出対象とする排気センサである請求項1乃至12のいずれか1つに記載のガスセンサ制御装置。
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