JP4321409B2 - ガス濃度検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ガス濃度検出装置にかかり、特にセンサ素子を活性化するためのヒータやヒータ制御を行う周辺構成の異常検出を好適に実施する技術に関するものである。
例えば、車両用エンジンより排出される排ガスを検出対象として同ガス中の酸素濃度(空燃比)を検出する限界電流式の空燃比センサ(いわゆるA/Fセンサ)が知られている。すなわち、A/Fセンサは、固体電解質体と該固体電解質体に設けられる一対の電極とよりなるセンサ素子を有し、該センサ素子への電圧印加に伴いその都度の酸素濃度に応じた素子電流を流すよう構成されている。そして、センサ素子に流れる素子電流が計測され、その計測結果から酸素濃度(空燃比)が検出されるようになっている。
上記A/Fセンサでは、センサ素子が活性状態にあることを前提に酸素濃度が正確に検出できるため、当該センサ素子の活性状態を知るべくセンサ素子の素子抵抗検出(インピーダンス検出)が行われる。また、A/Fセンサにはセンサ素子を活性状態に維持するためにヒータが設けられており、例えばその都度の素子インピーダンスに基づいてヒータの通電がデューティ制御される。具体的には、素子温が低下し、インピーダンス目標値に対してインピーダンス検出値が大きくなる場合、ヒータ通電のためのデューティ比が増やされ、逆に素子温が上昇し、インピーダンス目標値に対してインピーダンス検出値が小さい場合、ヒータ通電のためのデューティ比が減じられる。これにより、センサ素子が所望の活性状態で維持されるようになっている。
センサ素子の活性状態を維持するにはヒータによる加熱が適正に行われることが必須条件であり、ヒータ加熱機能を保証すべく、従来から様々なヒータ制御系の異常検出手法が提案されている。例えば、ヒータ通電のデューティ制御に際し、ヒータ通電オン時にヒータオン電流を計測すると共に、ヒータ通電オフ時にヒータオフ電流を計測し、それらヒータオン電流とヒータオフ電流とに基づいてヒータ制御系の異常を判定する技術が知られている。また、特許文献1では、ヒータ通電オン時の電圧及び電流と、ヒータ通電オフ時の電圧及び電流とからなる4つの計測値を各々に所定のしきい値にて大小判定し、その結果から故障の有無や故障箇所の特定を行うようにしている。
ここで、上記のようなヒータ通電制御では、素子温の低下により素子インピーダンスが過剰に上昇することでデューティ比が100%となったり、素子温の上昇により素子インピーダンスが過剰に下降することでデューティ比が0%となったりする場合がある。この場合、デューティ比=100%ではヒータが常時オンされるため、ヒータオフ電流が計測できず、ヒータ制御系の異常検出が不可能となる。また、デューティ比=0%ではヒータが常時オフされるため、ヒータオン電流が計測できず、やはりヒータ制御系の異常検出が不可能となる。
ヒータ制御系の構成として、電源−ヒータ−スイッチング素子−GND(グランド)よりなる直列回路が設けられた構成では、通常、デューティ比信号によりスイッチング素子がオン/オフされてヒータ通電がオン/オフ制御されるが、例えばヒータのスイッチング素子側の端子がGNDショートすると、ヒータが常時通電されることとなり、それに伴う素子温の上昇(素子インピーダンスの下降)によってデューティ比=0%の状態が生じる。この状態では、ヒータ制御系の異常検出が不可能となる。また、このようなヒータの常時通電状態が継続されると、センサ素子の損傷を招くおそれもあり、ヒータ制御系の異常を適正に検出する技術が望まれている。
特開平11−006812号公報
本発明は、ヒータ制御系の異常検出を適正に実施することができるガス濃度検出装置を提供することを主たる目的とするものである。
本発明のガス濃度検出装置は、被検出ガス中の特定成分の濃度を検出するためのセンサ素子と、該センサ素子を加熱するためのヒータとを備えたガス濃度センサに適用されるものであり、センサ素子の活性状態(例えば素子抵抗値など)に基づいてヒータの通電状態をオン/オフ制御すると共に、ヒータ通電オン時及びヒータ通電オフ時に取得した異常検出パラメータを基にヒータ制御系の異常検出を実施する。また特に、判定手段は、ヒータ通電状態がオン又はオフのまま継続していることを判定し、通電状態操作手段は、ヒータ通電状態がオンのまま継続している場合に一時的にヒータ通電をオフすると共に、ヒータ通電状態がオフのまま継続している場合に一時的にヒータ通電をオンする。
この構成によれば、ヒータ通電状態がオン継続又はオフ継続となるような場合であっても、一時的に逆の通電状態(オン継続の場合はオフ状態、オフ継続の場合はオン状態)に強制操作することが可能となる。従って、ヒータ通電オン時とヒータ通電オフ時の異常検出パラメータを確実に取得することができるようになり、ヒータ制御系の異常検出を適正に実施することができる。
また、ヒータの通電状態をデューティ制御するガス濃度検出装置においては、判定手段は、制御デューティ比が100%若しくは100%付近、又は0%若しくは0%付近の規定範囲に該当することを判定し、通電状態操作手段は、制御デューティ比が前記規定範囲に該当する場合に、当該制御デューティ比に代えて、前記規定範囲外の異常検出用デューティ比によりヒータ通電状態を制御する。
この構成によれば、ヒータ通電のための制御デューティ比が100%若しくは100%付近(オン継続の状態)となるような場合において、一時的にヒータ通電オフの状態に強制操作することができる。また、制御デューティ比が0%若しくは0%付近(オフ継続の状態)となるような場合には、一時的にヒータ通電オンの状態に強制操作することができる。従って、ヒータ通電オン時とヒータ通電オフ時の異常検出パラメータを確実に取得することができるようになり、ヒータ制御系の異常検出を適正に実施することができる。
異常検出用デューティ比は、制御デューティ比が100%若しくは100%付近である場合に当該デューティ比を所定量減少させ、制御デューティ比が0%若しくは0%付近である場合に当該デューティ比を所定量増加させたものであると良い。
また、ヒータ通電オン時のヒータ電流のA/D変換値とヒータ通電オフ時のヒータ電流のA/D変換値とに基づいてヒータ制御系の異常検出を実施する構成において、異常検出用デューティ比は、少なくともA/D変換手段によるA/D変換タイミングが確保できるようなヒータ通電オン時間とヒータ通電オフ時間とを設定するものであると良い。
例えば、ヒータ制御用スイッチング素子でオン応答とオフ応答とが相違する場合や、ノイズ除去用に設けたフィルタ回路によりヒータ電流波形がなまる場合、異常検出用デューティ比の通電オフ比率と通電オン比率とが同じであっても現実のヒータオン時間とヒータオフ時間とが相違することがある。従って、こうした事情を考慮し、異常検出用デューティ比により強制的にヒータ通電オフとする通電オフ比率と、同じく異常検出用デューティ比により強制的にヒータ通電オンとする通電オン比率とを各々個別に設定すると良い。
また、前記通電状態操作手段は、制御デューティ比のn周期分(n≧2)の時間又はデューティ周期よりも長い時間を実行周期として、前記異常検出用デューティ比によるヒータ通電を実行すると良い。この場合、異常検出用デューティ比によるヒータ通電をデューティ周期毎に実行するのではなく、時間間隔を拡げて実行することになるため、センサ活性状態(センサ素子温)の変動が生じにくくなり、センサ活性状態を維持する上での影響を抑制することができる。
仮に電気配線の断線やショートといったヒータ制御系の異常が発生した場合には、その後異常状態が継続され、異常検出処理では毎回異常判定がなされることとなる。この場合、センサ活性状態を基にヒータ通電制御を行うことよりも、早期に異常判定がなされることが優先されるのが望ましい。そのため、ヒータ制御系で異常発生している旨が複数回判定されると最終異常判定を行う構成において、前記ヒータ制御系で異常発生している旨が少なくとも1回判定された場合に、前記通電状態操作手段は、前記異常検出用デューティ比によるヒータ通電の実行周期を短縮すると良い。これにより、最終異常判定をいち早く行うことが可能となる。
現実にヒータ通電オン又はヒータ通電オフでないのに誤って検出されたヒータ通電オン時/オフ時の異常検出パラメータを基に異常検出が行われると、誤った異常検出が行われることが考えられる。そこで、ヒータ通電オン時及びヒータ通電オフ時の異常検出パラメータが共に取得されたことを判定する手段を更に設け、それら各パラメータの取得完了を判定したことを条件にヒータ制御系の異常検出を許可すると良い。
ヒータ通電状態を強制的に操作する場合、その操作によりセンサ素子の活性状態が変化することが考えられる(但しこの場合、前提として、異常検出用デューティ比等によるヒータ通電時においてセンサ活性状態の変化を許容している)。故に、前記通電状態操作手段によりヒータ通電状態が操作された時に、センサ素子の活性状態が変化するかどうかによりヒータ制御系の異常検出を実施するようにしても良い。
以下、本発明のガス濃度検出装置を具体化した一実施の形態を図面に従って説明する。本実施の形態では、車載エンジンより排出される排ガス(燃焼ガス)を被検出ガスとして同ガス中の酸素濃度(空燃比、以下A/Fとも言う)を検出する空燃比検出装置を具体化しており、空燃比の検出結果はエンジンECU等により構成される空燃比制御システムにて用いられる。空燃比制御システムでは、空燃比をストイキ近傍でフィードバック制御するストイキ燃焼制御や、同空燃比を所定のリーン領域でフィードバック制御するリーン燃焼制御等が適宜実施される。
先ずはじめに、ガス濃度センサとしてのA/Fセンサの構成を図2を用いて説明する。本A/Fセンサは積層型構造のセンサ素子10を有し、図2にはセンサ素子10の断面構成を示す。実際には当該センサ素子10は図2の紙面直交方向に延びる長尺状をなし、素子全体がハウジングや素子カバー内に収容される構成となっている。
センサ素子10は、固体電解質11、拡散抵抗層12、遮蔽層13及び絶縁層14を有し、これらが図の上下に積層されて構成されている。同素子10の周囲には図示しない保護層が設けられている。長方形板状の固体電解質11(固体電解質体)は部分安定化ジルコニア製のシートであり、その固体電解質11を挟んで上下一対の電極15,16が対向配置されている。電極15,16は白金Pt等により形成されている。拡散抵抗層12は電極15へ排ガスを導入するための多孔質シートからなり、遮蔽層13は排ガスの透過を抑制するための緻密層からなる。これら各層12,13は何れも、アルミナ、ジルコニア等のセラミックスをシート成形法等により成形したものであるが、ポロシティの平均孔径及び気孔率の違いによりガス透過率が相違するものとなっている。
絶縁層14はアルミナ、ジルコニア等のセラミックスからなり、電極16に対面する部位には大気ダクト17が形成されている。また、同絶縁層14には白金Pt等により形成されたヒータ18が埋設されている。ヒータ18は、バッテリ電源からの通電により発熱する線状の発熱体よりなり、その発熱により素子全体を加熱する。ヒータ18は、絶縁層14に埋設される構成(センサ素子10に内蔵される構成)以外に、センサ素子10に外付けされる構成であっても良い。なお以下の説明では、電極15を拡散層側電極、電極16を大気側電極とも言うこととする。本実施の形態では、大気側電極16に接続される端子を正側端子(+端子)、拡散層側電極15に接続される端子を負側端子(−端子)としている。
上記センサ素子10において、その周囲の排ガスは拡散抵抗層12の側方部位から導入されて拡散層側電極15に達する。排ガスがリーンの場合、排ガス中の酸素は電極15,16間の電圧印加により拡散層側電極15で分解され、イオン化されて固体電解質11を通過した後、大気側電極16より大気ダクト17に排出される。このとき、大気側電極16→拡散層側電極15の向きに電流(正電流)が流れる。また、排ガスがリッチの場合、逆に大気ダクト17内の酸素が大気側電極16で分解され、イオン化されて固体電解質11を通過した後、拡散層側電極15より排出される。そして、排ガス中のHCやCO等の未燃成分と触媒反応する。このとき、拡散層側電極15→大気側電極16の向きに電流(負電流)が流れる。
図3は、A/Fセンサについての基本的な電圧−電流特性(V−I特性)を示す図面である。図3において、電圧軸(横軸)に平行な平坦部分はセンサ素子10の素子電流Ip(限界電流)を特定する限界電流域であって、この素子電流Ipの増減が空燃比の増減(すなわち、リーン・リッチの程度)に対応している。つまり、空燃比がリーン側になるほど素子電流Ipは増大し、空燃比がリッチ側になるほど素子電流Ipは減少する。
このV−I特性において、限界電流域よりも低電圧側は抵抗支配域となっており、抵抗支配域における一次直線部分の傾きはセンサ素子10の直流内部抵抗Riにより特定される。直流内部抵抗Riは素子温に応じて変化し、素子温が低下すると直流内部抵抗Riが増大する。すなわちこのとき、抵抗支配域の一次直線部分の傾きが小さくなる(直線部分が寝た状態となる)。また、素子温が上昇すると直流内部抵抗Riが減少する。すなわちこのとき、抵抗支配域の一次直線部分の傾きが大きくなる(直線部分が立った状態となる)。図中のRGは、センサ素子10への印加電圧Vpを決定するための印加電圧特性(印加電圧線)を表している。
図1は、センサ制御回路100の構成を示す電気回路図である。図1において、センサ素子10の大気側電極16に接続された+端子T1には、オペアンプ21及び電流検出抵抗22を介して基準電源23が図示の如く接続され、同センサ素子10の拡散層側電極15に接続された−端子T2にはオペアンプ24及び抵抗25を介して印加電圧制御回路30が接続されている。電流検出抵抗22の一端のA点は基準電圧Ref1と同じ電圧に保持される。素子電流Ipは電流検出抵抗22を介して流れ、素子電流Ipに応じてB点の電圧が変化する。排ガスがリーンの場合、センサ素子10には+端子T1から−端子T2に向けて素子電流Ipが流れるためB点電圧が上昇し、逆にリッチの場合、センサ素子10には−端子T2から+端子T1に向けて素子電流Ipが流れるためB点電圧が低下する。このB点電圧が、空燃比の検出結果であるA/F出力として素子電流出力回路31を介してマイコン200に出力される。マイコン200は、A/F出力をA/DポートAD1より取り込みA/D変換する。素子電流出力回路31は例えばS/H(サンプルホールド)回路により構成されており、空燃比検出時におけるB点電圧がサンプルされ、所定のゲートオン期間内においてサンプル値が逐次更新されて出力される。このA/F出力は空燃比フィードバック制御等に適宜用いられる。
印加電圧制御回路30は、A/F出力(B点電圧のサンプルホールド値)をモニタしつつその値に応じてセンサ素子10に印加すべき電圧を決定するものであり、前記図3に示す印加電圧特性RGの如く、基本的に素子電流Ipの増加時(すなわちB点電圧の上昇時)に印加電圧を上昇させるよう印加電圧制御を実施する。但し、センサ印加電圧は固定値であっても良い。
また、本空燃比検出装置では、いわゆる掃引法を用いてセンサ素子10の素子インピーダンスZacが検出されるようになっている。すなわち、電圧切替回路35は、マイコン200からの電圧切替信号に基づいてセンサ印加電圧を交流的に変化させる。電圧切替信号は定期的にマイコン200から電圧切替回路35に出力され、例えば128msec毎に、センサ印加電圧が通常の空燃比検出用の印加電圧(印加電圧制御回路30による制御電圧)からインピーダンス検出用の印加電圧に一時的に切り替えられるようになっている。
かかる場合、B点電圧がΔI検出回路32により計測され、該計測値が電流変化量信号としてマイコン200に出力される。マイコン200は、電流変化量信号をA/DポートAD2より取り込みA/D変換する。ΔI検出回路32は、例えばHPF(ハイパスフィルタ)とP/H(ピークホールド)回路とを直列に接続して構成されており、このHPF及びP/H回路により、インピーダンス検出期間に対応する所定のゲートオン期間内において計測されたB点での交流電流の変化量が出力される。なお、ピークホールドされたB点電圧は、ゲートオフ毎にリセットされる。
マイコン200は、インピーダンス検出時において交流的な電圧変化量と電圧変化に応答する電流変化量とに基づいて素子インピーダンスZacを算出する。そして、素子インピーダンスZacが所定の目標値に保持されるようヒータ18への通電を制御する。これにより、センサ素子10が所定の活性状態(例えば素子温=750℃)に保持されるようになる。
ヒータ制御系において、ヒータ18の一端にはイグニッションスイッチ41を介してバッテリ電源42が接続され、ヒータ18の他端はパワーMOSFET43とヒータ電流検出用の抵抗44とを介して接地されている。パワーMOSFET43は、マイコン200によりオン/オフ制御される。また、抵抗44の両方の端子電圧は差動増幅器45に入力され、該差動増幅器45からマイコン200に対してヒータ電流検出信号が出力される。
この場合、パワーMOSFET43がオンされることでヒータ18にヒータ電流が流れ、そのヒータ電流が抵抗44により計測される。マイコン200は、ヒータオン時に計測したヒータオン電流Ih_onとヒータオフ時に計測したヒータオフ電流Ih_offとに基づいてヒータ制御系の異常検出を実施する。本実施の形態では、ヒータオン電流Ih_onとヒータオフ電流Ih_offが「異常検出パラメータ」に相当する。
次に、マイコン200により実行されるメインルーチンを図4のフローチャートを基に説明する。このメインルーチンはマイコン200への電源投入に伴い起動される。
図4において、先ずステップS100では、前回のA/F検出時から所定時間Taが経過したか否かを判別する。所定時間Taは、A/Fの検出周期(A/D変換周期)に相当する時間であって、例えばTa=4msec程度に設定されている。そして、ステップS100がYESであることを条件にステップS110に進み、センサ制御回路100から取り込んだA/F出力を基にその都度のA/F値を算出する。
A/F検出後、ステップS120では、前回の素子インピーダンス検出時から所定時間Tbが経過したか否かを判別する。所定時間Tbは、素子インピーダンスZacの検出周期に相当する時間であって、例えば128msec程度に設定されている。そして、ステップS120がYESであることを条件に、ステップS130で素子インピーダンスZacの検出処理を実行する。このとき、マイコン200は、センサ制御回路100の電圧切替回路35に対して電圧切替信号を出力する。この電圧切替信号を受けて、センサ制御回路100では、センサ印加電圧がそれまでの空燃比検出用の電圧値からインピーダンス検出用の電圧値に交流的に切り替えられる。本実施の形態では、正側又は負側への電圧変化量を0.2Vとしている。これにより、センサ印加電圧に対して例えば1kHz〜20kHz程度の交流的な変化が付与され、この交流的な電圧変化に応答して素子電流が変化する。そして、マイコン200は、その時の電圧変化量ΔVと電流変化量ΔI(図1のΔI検出回路32の出力)とから素子インピーダンスZacを算出する(Zac=ΔV/ΔI)。
素子インピーダンスの検出後、ステップS200ではヒータ通電制御を実施し、続くステップS300ではヒータ制御系の異常検出処理を実施する。
図5は、前記ステップS200にて実行されるヒータ通電制御サブルーチンを示すフローチャートである。本実施の形態では、制御デューティ比Dutyによりヒータ通電をオン/オフ制御することとしており、該Dutyで規定されるオン時間内でヒータ通電をオンし、オフ時間内でヒータ通電をオフする。デューティ周期は128msecである。
図5において、先ずステップS201では、今現在、予熱期間であるか否かを判別する。そして、予熱期間であれば、ステップS202に進んで予熱処理を実施する。この予熱処理は、冷間始動時等におけるセンサ素子10の急激な昇温を避けるための処理であって、例えばイグニッションスイッチのオン後、数秒程度の予熱期間において予熱Duty=20%程度の予熱処理が実施される。これにより、センサ素子10の急激な温度変化による素子割れ等が予防できる。なお、予熱期間や予熱Dutyはエンジン運転条件(例えば冷却水温、吸気温等)により可変設定する構成であっても良い。
予熱期間でなければステップS203に進み、今現在の素子インピーダンスZacが所定の活性判定値(本実施の形態では70Ω)よりも小さいか否かを判別する。Zac≧70ΩであればステップS204に進み、ヒータ18の全通電制御を実施する。この全通電制御では、Duty=100%でヒータ通電が制御される。
また、Zac<70ΩであればステップS205に進み、インピーダンスF/Bによるヒータ通電のデューティ制御を実施する。このとき、素子インピーダンスの検出値と目標値との偏差に応じてデューティ比Dutyが算出されれば良く、例えばPID手法等によりDutyが算出される。具体的には、素子インピーダンスの目標値をZtg、比例定数をKp、積分定数をKi、微分定数をKdとし、下記の数式により比例項Gp、積分項Gi、微分項Gdを算出する。Z0は素子インピーダンスの前回値、Gi0は積分項の前回値である。
Gp=Kp・(Zac−Ztg)
Gi=Gi0+Ki・(Zac−Ztg)
Gd=Kd・(Zac−Z0)
そして、上記比例項Gp、積分項Gi、微分項Gdを加算して制御デューティ比Dutyを算出し(Duty=Gp+Gi+Gd)、そのDutyを基にヒータ通電をオン/オフ制御する。その後、元の図4のルーチンに戻る。
また、図6は、前記ステップS300にて実行されるヒータ制御系異常検出サブルーチンを示すフローチャートである。
図6において、ステップS301では、今現在、ヒータ通電の制御デューティ比Dutyが0%又は100%であるか否かを判別する。YESであればステップS302,S303を実行し、NOであればステップS302,S303を読み飛ばしてステップS304に進む。
基本的な処理の流れとしてステップS301がNOとなる場合を先に説明すると、ステップS304では、前回のDuty出力によりヒータオン電流Ih_onとヒータオフ電流Ih_offとが共に計測済みであるか否かを判別する。この場合、ノイズ等により誤って計測されたヒータオン電流Ih_onやヒータオフ電流Ih_offを基に異常検出が行われると、その異常検出結果が誤ったものとなるおそれがある。そこで、それら各パラメータが共に正常に取得されたことが判定されると良い。具体的には、図示しないヒータ電流計測処理において、正常にIh_on,Ih_offが計測された場合に計測完了フラグをオンし、ステップS304ではそのフラグ情報を基に計測完了であるかどうかを判定する。計測完了フラグはIh_on,Ih_offを基に異常検出が行われる都度、クリアされる。そして、Ih_on,Ih_offが計測できていなければそのまま本処理を終了し、計測ができていればステップS305以降の異常検出処理を実施する。
ステップS305では、ヒータオン電流Ih_onが正常値であるか否かを判別し、ステップS306では、ヒータオフ電流Ih_offが正常値であるか否かを判別する。そして、ステップS305,S306が共にYESであればステップS307に進み、ヒータ制御系が正常である旨判定する。また、ステップS305,S306の何れかがNOであればステップS308に進み、ヒータ制御系が異常である旨判定する。この場合、ヒータ制御系の異常判定回数がn回未満であれば、仮判定にとどめておき、同異常判定回数がn回以上になると、最終判定(本判定)を行う構成とする。nは例えば4,5程度である。因みに、ヒータ制御系が異常であると判定された場合(仮判定と最終判定とが行われる構成では最終判定が行われた場合)には、警告灯や警告ブザー等による警告処置、ヒータ通電を強制的にオフするフェイルセーフ処置、異常発生データをEEPROM等に格納するデータバックアップ処置等が適宜行われる。
ここで、上記のとおりヒータオン電流Ih_onとヒータオフ電流Ih_offとを基にヒータ制御系の異常検出を行う場合には、Duty=0%又は100%の状態では異常検出が不可能となる。そこで、ステップS301でDuty=0%又は100%であると判別された場合には、ヒータ異常検出用のヒータオン電流Ih_onとヒータオフ電流Ih_offとが計測できるよう異常検出用Dutyの出力処理を実行する。
すなわち、ステップS301がYESの場合、ステップS302では、今回が異常検出用Dutyの出力タイミングであるか否かを判別し、YESであることを条件に、ステップS303では異常検出用Dutyを出力する。ステップS302は、例えばDuty=0%又は100%の状態である場合に、一時的に「0+α%」又は「100−β%」の異常検出用Dutyを出力するタイミングかどうかを判別する処理であり、具体的には、所定時間(例えば0.5秒程度)が経過する度に出力タイミングであると判別される。なお、毎回の処理でカウンタを更新し、カウンタ値が所定値(例えば10、1周期128msec×10の時間相当)になった時に出力タイミングであると判別するなど他の構成であっても良い。マイコン200による処理の容易性を考慮すると、出力タイミングを2のn乗周期にすると良い。
異常検出用Dutyの出力処理では、Duty=0%の時に当該Dutyを「0+α%」の異常検出用Dutyに置き換えると共に、Duty=100%の時に当該Dutyを「100−β%」に置き換える。α,βは例えば数%〜10%程度であり、少なくともα%の時間内でヒータオン電流の取得(A/D変換処理を含む)が可能であること、又はβ%の時間内でヒータオフ電流の取得(A/D変換処理を含む)が可能であることを要件とする。本実施の形態ではα=βとしている。例えばA/D変換周期が4msecである場合、α,β%は4msec相当の数値以上であれば良い。或いは、ヒータ通電のオン/オフに同期させてA/D変換を行う構成においては、ヒータオン後又はヒータオフ後にA/D変換に必要な時間が確保できようα,β%を設定する。但し、異常検出用Dutyやその出力タイミングは、異常検出用Dutyの出力により素子インピーダンス(素子温)が変化することがないように規定されるのが望ましい。なお、このように異常検出用Dutyの出力が行われる場合、実際のDuty出力は前記図5の通電制御ルーチンではなく前記ステップS303で行われる(ステップS301〜S303を前記図5にて実行するようにしても良い)。
そして、異常検出用Dutyの出力後において、上記のとおりヒータオン電流Ih_onとヒータオフ電流Ih_offとを基にヒータ制御系の異常検出を実施する(ステップS304〜S308)。
ところで、仮にヒータ制御系の電気配線の一部で断線やショート等が発生したりMOSFET43で内部ショート異常が発生したりすると、素子温が下降又は上昇し、素子インピーダンスが過剰に上昇又は下降する。それ故に、上記の如くインピーダンスF/Bが行われる場合、Duty=0%又は100%の状態が長時間にわたって継続する。かかる場合において、上記のとおり異常検出用Dutyを出力することにより、ヒータオン電流Ih_onとヒータオフ電流Ih_offとの計測が可能となり、ヒータ制御系の異常検出が実施できる。
図7は、ヒータ制御系の電気配線の一部が断線した場合の挙動を示すタイムチャートであり、図中タイミングt1で断線が生じたとしている。なお、ヒータ電流検出値は、ヒータオン時の計測電流とヒータオフ時の計測電流との平均値を示している(後述する図8,図9も同様)。
断線が生じるタイミングt1以前では、所定のDuty出力がなされ、それに伴いヒータ電流が流れる。素子インピーダンスZacは目標値付近で収束している。これに対し、タイミングt1で断線が生じると、ヒータ電流が流れなくなり、ヒータ18による加熱が停止される。このとき、ヒータ電流検出値は0mAとなる。そのため、素子温が低下し、素子インピーダンスZacが次第に上昇する。これにより、Dutyが上昇し、やがてDuty=100%となる(タイミングt2)。
タイミングt2以降、所定の出力タイミング毎に異常検出用Duty(=100−β%)が出力され、その都度、ヒータオン電流Ih_onとヒータオフ電流Ih_offとが計測される。そして、そのヒータオン電流Ih_onとヒータオフ電流Ih_offとに基づいてヒータ制御系の異常検出が行われる。本例の場合には、ヒータオン電流Ih_onが異常値となり、それが所定回数検出されると、最終的に異常発生であると判定される(タイミングt3)。そしてその後、ヒータ通電が停止される。
図8は、ヒータ18とMOSFET43との間の配線部分でGNDショートが発生した場合の挙動を示すタイムチャートであり、図中タイミングt11でGNDショートが生じたとしている。
GNDショートが生じるタイミングt11以前では、所定のDuty出力がなされ、それに伴いヒータ電流が流れる。素子インピーダンスZacは目標値付近で収束している。これに対し、タイミングt11でGNDショートが生じると、バッテリ電源42→ヒータ18→GNDの経路にてヒータ電流が常時流れる。言い換えればヒータ18が通電されっ放し状態となる。そのため、素子温が上昇し、素子インピーダンスZacが次第に下降する。これにより、Dutyが下降し、やがてDuty=0%となる(タイミングt12)。このときヒータ電流は流れるもののセンサ制御回路100で計測できず、図示のヒータ電流検出値はほぼ0mAとなる。
タイミングt12以降、所定の出力タイミング毎に異常検出用Duty(=0+α%)が出力され、その都度、ヒータオン電流Ih_onとヒータオフ電流Ih_offとが計測される。そして、そのヒータオン電流Ih_onとヒータオフ電流Ih_offとに基づいてヒータ制御系の異常検出が行われる。本例の場合には、ヒータオン電流Ih_onが異常値となり、それが所定回数検出されると、最終的に異常発生であると判定される(タイミングt13)。そしてその後、ヒータ通電が停止される。
また、図9は、MOSFET43で内部ショートが発生した場合の挙動を示すタイムチャートであり、図中タイミングt21でMOSショートが生じたとしている。なお、マイコン出力ポートの故障等によりMOSFET43がオン固定となった場合も同様の挙動を呈する。
MOSショートが生じるタイミングt21以前では、所定のDuty出力がなされ、それに伴いヒータ電流が流れる。素子インピーダンスZacは目標値付近で収束している。これに対し、タイミングt21でMOSショートが生じると、ヒータ18が通電されっ放し状態となるため、素子温が上昇し、素子インピーダンスZacが次第に下降する。これにより、Dutyが下降し、やがてDuty=0%となる(タイミングt22)。ヒータ電流検出値は所定電流値で保持される。
タイミングt22以降、所定の出力タイミング毎に異常検出用Duty(=0+α%)が出力され、その都度、ヒータオン電流Ih_onとヒータオフ電流Ih_offとが計測される。そして、そのヒータオン電流Ih_onとヒータオフ電流Ih_offとに基づいてヒータ制御系の異常検出が行われる。本例の場合には、ヒータオフ電流Ih_offが異常値となり、それが所定回数検出されると、最終的に異常発生であると判定される(タイミングt23)。そしてその後、ヒータ通電が停止される。
以上詳述した本実施の形態によれば、ヒータ通電のための制御デューティ比Dutyが0%又は100%である場合に、「0+α%」又は「100−β%」の異常検出用Dutyを出力する構成としたため、異常検出パラメータであるヒータオン電流Ih_onとヒータオフ電流Ih_offとの計測が可能となり、ヒータ制御系の異常検出を適正に実施することができる。
かかる場合において、ヒータ制御系で電気配線の断線やショート等が発生したりMOSFET43で内部ショート異常が発生したりしても、その異常発生を検出することが可能となる。従って、ヒータ通常状態のまま異常検出ができず、センサ素子10の破壊等が生じるといった不都合が回避できる。
異常検出用Dutyを、少なくともヒータオン電流Ih_onやヒータオフ電流Ih_offのA/D変換値が取得可能なデューティ比とし、更にその出力周期をデューティ周期よりも長くしたため、異常検出用Dutyの出力時においてセンサ活性状態(センサ素子温)の変動が生じにくくなり、センサ活性状態を維持する上での影響を抑制することができる。
なお、本発明は上記実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施しても良い。
上記実施の形態では、Duty=0%又は100%である場合に異常検出用Dutyを出力する構成としたが、これに代えて、Duty=0%付近又は100%付近である場合に異常検出用Dutyを出力する構成としても良い。つまり、Duty=0%又は100%でなくとも、Dutyが0%付近である場合、又は100%付近である場合には、ヒータオン時間又はヒータオフ時間が極短時間となり、異常検出用パラメータとしてのヒータオン電流やヒータオフ電流を取得(A/D変換処理を含む)することができず結果としてヒータ制御系の異常検出が不可能となる場合がある。それ故に、ヒータ通電のための制御デューティ比Dutyが0%付近の所定範囲内、又は100%付近の所定範囲内である場合に、異常検出用Dutyを出力する構成とするのが望ましい。0%,100%付近の所定範囲は、回路性能等により変わるが、例えば5%未満程度であれば良い。
上記実施の形態では、Duty=0%又は100%の時において強制的にヒータオン時間やヒータオフ時間を設けるための異常検出用Dutyのα値,β値をα=βとしたが、α,βを個別に設定し、α≠βであることも許容するような構成とする。例えば、ヒータ制御用のスイッチング素子(MOSFET等)でオン応答とオフ応答とが相違する場合や、ノイズ除去用に設けたフィルタ回路によりヒータ電流波形がなまる場合、同じ比率(α=β)であっても現実のヒータオン時間とヒータオフ時間とが相違することがある。これを考慮してα,βを個別に設定する。
仮に電気配線の断線やショートといったヒータ制御系の異常が発生した場合には、その後異常状態が継続され、異常検出処理では毎回異常判定がなされることとなる。この場合、センサ活性状態を基にヒータ通電制御を行うことよりも、早期に異常判定がなされることが優先されるのが望ましい。そのため、ヒータ制御系で異常発生している旨が複数回判定されると最終異常判定を行う構成において、ヒータ制御系で異常発生している旨が少なくとも1回判定された場合に、異常検出用デューティ比によるヒータ通電の実行周期を短縮すると良い。具体的には、前記図6のヒータ制御系の異常検出処理を実行する度に(すなわち128msec周期で)異常検出用Dutyを出力する。これにより、電気配線の断線やショート等が発生した場合において、最終異常判定をいち早く行うことが可能となる。
上記実施の形態では、ヒータ通電制御として、基本的にインピーダンスF/B制御を実施したが、これを変更しても良い。例えば、ヒータ電圧とヒータ電流とからヒータ18の抵抗値を算出し、そのヒータ抵抗値が目標値となるようにしてヒータ通電制御を実施しても良い(ヒータ抵抗F/B)。このとき、ヒータ抵抗の検出値と目標値との偏差に応じてヒータ通電のための制御デューティ比Dutyが算出される。又は、その都度のエンジン運転状態(例えばエンジン回転数や負荷)等に基づいてヒータ電力を設定し、そのヒータ電力が得られるよう制御デューティ比Dutyを算出するようにしても良い。
上記実施の形態では、ヒータオン電流Ih_onとヒータオフ電流Ih_offとに基づいてヒータ制御系の異常検出を実施したが、これを変更しても良い。例えば、ヒータオン電流Ih_onのみを用いてヒータ制御系の異常検出を実施する構成でも良い。又は、ヒータオン時及びヒータオフ時のヒータ電流値/電圧値に基づいて異常検出を実施しても良い。
異常検出用Dutyによるヒータ通電時において、素子インピーダンスの変化(すなわちセンサ活性状態の変化)を許容する構成であっても良く、かかる構成において、異常検出用Dutyの出力により素子インピーダンスが変化したかどうかによりヒータ制御系の異常検出を実施するようにしても良い。この場合、異常検出用Dutyを比較的大きめに設定する。そして、素子インピーダンスが小さく(すなわち素子温が高く)、制御デューティ比Dutyが0%又は0%付近である状態で、異常検出用Duty(0+α%)を出力した時に素子インピーダンスが低下(素子温が上昇)しない場合に、センサ制御系が異常であると判定する。また、素子インピーダンスが大きく(すなわち素子温が低く)、制御デューティ比Dutyが100%又は100%付近である状態で、異常検出用Duty(100−β%)を出力した時に素子インピーダンスが上昇(素子温が低下)しない場合に、センサ制御系が異常であると判定する。
上記実施の形態では、図2のセンサ素子構造を有するA/Fセンサについて説明してきたが、他のセンサ素子構造を有するA/Fセンサに本発明を適用することも可能である。例えば、1層の固体電解質体を有する構成に限らず、2層の固体電解質体を有する構成や、3層の固体電解質体を有する構成のA/Fセンサに本発明を適用したり、積層型構造のA/Fセンサに限らず、コップ型構造のA/Fセンサに本発明を適用したりすることも可能である。また、排ガス中の酸素濃度に応じてセンサ素子の電極間に起電力を発生させるようにした、いわゆるO2 センサにも適用できる。
例えば、2層の固体電解質体を有するセンサ素子では、各層の固体電解質体においてポンプセルと酸素検知セル(起電力セル又は酸素濃度検出セルとも言う)とがそれぞれ設けられている。酸素検知セルは、排ガスがストイキに対してリーンかリッチかに応じて2値(0V又は0.9V)の起電力出力を発生し、酸素検知セルの起電力出力がストイキ値(0.45V)になるようにポンプセルの印加電圧が制御される。
また、酸素濃度を検出対象とするA/Fセンサ以外に、他の成分濃度を検出対象とするガス濃度センサにも本発明が適用できる。例えば、複合型のガス濃度センサは、固体電解質体にて形成された複数のセルを有し、そのうち第1セル(ポンプセル)では被検出ガス中の酸素を排出又はくみ出すと共に酸素濃度を検出し、第2セル(センサセル)では酸素排出後のガスから特定成分濃度を検出する。このガス濃度センサは、例えば排ガス中のNOx濃度を検出するNOxセンサとして具体化されるものであり、本発明の適用により、やはりヒータ制御系の異常検出を適正に実施することができるようになる。また、上記第1セル、第2セルに加え、酸素排出後の残留酸素濃度を検出するための第3セル(モニタセル、若しくは第2ポンプセル)等の複数のセルを有するガス濃度センサであっても良い。
NOx濃度を検出可能なガス濃度センサの他に、特定成分濃度としてHC濃度やCO濃度を検出可能なガス濃度センサにも適用できる。この場合、ガス濃度センサは、ポンプセルにて被検出ガス中の余剰酸素を排出し、センサセルにて余剰酸素排出後のガスからHCやCOを分解してHC濃度やCO濃度を検出する。更に、自動車用以外のガス濃度検出装置に用いることや、排ガス以外のガスを被検出ガスとすることも可能である。
発明の実施の形態におけるセンサ制御回路を示す構成図である。 センサ素子の構成を示す断面図である。 A/Fセンサの出力特性を示す図である。 マイコンによるメインルーチンを示すフローチャートである。 ヒータ通電制御サブルーチンを示すフローチャートである。 ヒータ制御系異常検出サブルーチンを示すフローチャートである。 ヒータ制御系の配線の一部が断線した場合の挙動を示すタイムチャートである。 ヒータとMOSFETの間の配線部分でGNDショートが発生した場合の挙動を示すタイムチャートである。 MOSショートが発生した場合の挙動を示すタイムチャートである。
符号の説明
10…センサ素子、11…固体電解質、18…ヒータ、100…センサ制御回路、200…判定手段及び通電状態操作手段としてのマイコン。

Claims (9)

  1. 被検出ガス中の特定成分の濃度を検出するためのセンサ素子と、該センサ素子を加熱するためのヒータとを備えたガス濃度センサに適用され、前記センサ素子の活性状態に基づいて前記ヒータの通電状態をオン/オフ制御すると共に、ヒータ通電オン時及びヒータ通電オフ時に取得した異常検出パラメータを基にヒータ制御系の異常検出を実施するガス濃度検出装置において、
    ヒータ通電状態がオン又はオフのまま継続していることを判定する判定手段と、
    ヒータ通電状態がオンのまま継続している場合に一時的にヒータ通電をオフすると共に、ヒータ通電状態がオフのまま継続している場合に一時的にヒータ通電をオンする通電状態操作手段と、
    を備えたことを特徴とするガス濃度検出装置。
  2. 被検出ガス中の特定成分の濃度を検出するためのセンサ素子と、該センサ素子を加熱するためのヒータとを備えたガス濃度センサに適用され、前記センサ素子の活性状態に基づいて前記ヒータの通電状態をデューティ制御すると共に、ヒータ通電オン時及びヒータ通電オフ時に取得した異常検出パラメータを基にヒータ制御系の異常検出を実施するガス濃度検出装置において、
    制御デューティ比が100%若しくは100%付近、又は0%若しくは0%付近の規定範囲に該当することを判定する判定手段と、
    制御デューティ比が前記規定範囲に該当する場合に、当該制御デューティ比に代えて、前記規定範囲外の異常検出用デューティ比によりヒータ通電状態を制御する通電状態操作手段と、
    を備えたことを特徴とするガス濃度検出装置。
  3. 前記異常検出用デューティ比は、制御デューティ比が100%若しくは100%付近である場合に当該デューティ比を所定量減少させ、制御デューティ比が0%若しくは0%付近である場合に当該デューティ比を所定量増加させたものであることを特徴とする請求項2に記載のガス濃度検出装置。
  4. ヒータ通電オン時のヒータ電流を検出する手段と、
    ヒータ通電オフ時のヒータ電流を検出する手段と、
    これら各検出手段の検出値をA/D変換するA/D変換手段とを備え、
    ヒータ通電オン時のヒータ電流のA/D変換値とヒータ通電オフ時のヒータ電流のA/D変換値とに基づいてヒータ制御系の異常検出を実施する構成において、
    前記異常検出用デューティ比は、少なくとも前記A/D変換手段によるA/D変換タイミングが確保できるようなヒータ通電オン時間とヒータ通電オフ時間とを設定するものであることを特徴とする請求項2又は3に記載のガス濃度検出装置。
  5. 前記異常検出用デューティ比により強制的にヒータ通電オフとする通電オフ比率と、同じく前記異常検出用デューティ比により強制的にヒータ通電オンとする通電オン比率とを各々個別に設定する請求項2乃至4の何れかに記載のガス濃度検出装置。
  6. 前記通電状態操作手段は、制御デューティ比のn周期分(n≧2)の時間又はデューティ周期よりも長い時間を実行周期として、前記異常検出用デューティ比によるヒータ通電を実行することを特徴とする請求項2乃至5の何れかに記載のガス濃度検出装置。
  7. ヒータ制御系で異常発生している旨が複数回判定されると最終異常判定を行う構成において、
    前記ヒータ制御系で異常発生している旨が少なくとも1回判定された場合に、前記通電状態操作手段は、前記異常検出用デューティ比によるヒータ通電の実行周期を短縮することを特徴とする請求項6に記載のガス濃度検出装置。
  8. ヒータ通電オン時及びヒータ通電オフ時の異常検出パラメータが共に取得されたことを判定する手段を更に設け、それら各パラメータの取得完了を判定したことを条件にヒータ制御系の異常検出を許可する請求項1乃至7の何れかに記載のガス濃度検出装置。
  9. 前記通電状態操作手段によりヒータ通電状態が操作された時に、前記センサ素子の活性状態が変化するかどうかによりヒータ制御系の異常検出を実施することを特徴とする請求項1又は2に記載のガス濃度検出装置。
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