JP2016061625A - センサ制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】センサ素子の劣化を判定することが可能なセンサ制御装置を提供する。
【解決手段】固体電解質層11と電極15,16とを備えるセンサ素子10を制御するセンサ制御装置20であって、センサ素子10に一定電圧を所定時間印加する電圧印加手段と、センサ素子10に流れる電流を検出する電流検出手段と、電圧印加手段による一定電圧の印加時に、一定電圧と電流とに基づいて、センサ素子10の抵抗値を算出する抵抗値算出手段と、抵抗値に基づいて、センサ素子10の劣化を判定する劣化判定手段と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、被検出ガス中の特定成分のガス濃度を検出可能なセンサ素子を制御するセンサ制御装置に関するものである。
被検出ガス中の特定成分のガス濃度を検出可能なセンサ素子を制御するセンサ制御装置は、例えば、車載エンジンより排出される排ガス(燃焼ガス)を被検出ガスとして、同ガス中の酸素濃度(空燃比:A/F)を検出する空燃比検出装置として具体化されている。空燃比の検出結果はエンジンECU等により構成される空燃比制御システムにて用いられ、空燃比をストイキ(理論空燃比)近傍でフィードバック制御するストイキ燃焼制御や、同空燃比を所定のリーン領域でフィードバック制御するリーン燃焼制御等が実現される。
また近年では、排ガス規制や異常検出規制(OBD)が益々強化されつつあり、ストイキ燃焼制御等の制御性向上が望まれる他、空燃比制御レンジに相当するリーン領域だけでなく大気状態にまで空燃比検出レンジを拡張させる必要が生じている。例えば、OBD対応(排ガス規制に関わる部品の故障診断)として、エンジンの所定運転状態での燃料カット時にセンサの目詰まり等の劣化を検出する必要がある。また、排ガスエミッションの改善と共に、燃費の向上を図ることも重要であり、エンジン高負荷時のリッチ状態をフィードバック制御することも重要になってきている。
この種のセンサ制御装置として、特許文献1に記載のセンサ制御装置がある。特許文献1に記載のセンサ制御装置では、固体電解質層を有するセンサ素子への印加電圧を一時的に正側あるいは負側に切り換え、電圧の切り換えに伴う電圧変化量と電流変化量とから素子抵抗をアドミタンス値として算出している。その算出したアドミタンス値を用いてセンサ素子の温度を求め、センサ素子の温度が目標となる温度となるように、ヒータへの通電を行う。
特開平11−230932号公報
ところで、センサ素子の反応性が低い場合、センサの出力精度は低下し、上述した排ガスエミッション及び燃費が悪化する。センサの出力精度を向上させる手段としては、センサに対してトリミングを実施したり、調整抵抗や識別抵抗を接続したりすることが考えられるが、これらはセンサの製造段階に限られる。すなわち、センサ素子の劣化に伴いセンサの反応性が低下した場合には、センサの出力精度を担保することができなくなる。そのため、センサ素子の劣化の検出の必要性が生じる。
ところが、特許文献1に記載のセンサ制御装置では、固体電解質層のアドミタンス値を算出することはできるものの、電極の劣化については考慮されていない。そのため、固体電解質層の劣化のみならず、電極の劣化をも含めたセンサ素子全体の劣化については検出することができない。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、センサ素子の劣化を判定することが可能なセンサ制御装置を提供することにある。
本発明は、固体電解質層と電極とを備えるセンサ素子を制御するセンサ制御装置であって、センサ素子に一定電圧を所定時間印加する電圧印加手段と、センサ素子に流れる電流を検出する電流検出手段と、電圧印加手段による一定電圧の印加時に、一定電圧と電流とに基づいて、センサ素子の抵抗値を算出する抵抗値算出手段と、抵抗値に基づいて、センサ素子の劣化を判定する劣化判定手段と、を備える。
センサ素子が劣化した場合、固体電解質層の劣化に起因する抵抗の増加に加えて、電極の劣化に起因する、固体電解質層と電極との間の界面抵抗の増加も起こる。この際、電極の劣化は固体電解質層の劣化よりも早期に進行するため、センサ素子の劣化を判定するためには、電極の劣化も含めたセンサ素子の劣化を検出する必要がある。この点、上記構成では、一定電圧を印加することにより、固体電解質層のインピーダンスではなく、固体電解質層と電極とを含む全体の直流抵抗を算出している。そのため、上記構成におけるセンサ制御装置は、界面抵抗をも含む直流抵抗の増加を検出するにより、固体電解質層の劣化に加えて電極の劣化をも含む電極全体の劣化を判定することができる。
センサ素子及びセンサ制御装置の全体構成を示す図である。 センサ素子の電圧‐電流特性図である。 センサ素子の等価回路図である。 (a)がセンサ素子に印加する電圧の波形を示しており、(b)が検出される電流の波形を示している。 センサ温度と、直流抵抗との関係を示す図である。 センサ素子が劣化した場合の電圧‐電流特性図である。 センサ制御装置が実行する処理を示すフローチャートである。
以下、本実施形態に係るセンサ制御装置を図面に従って説明する。本実施形態では、車両に搭載される内燃機関により排出される排ガス(燃焼ガス)を被検出ガスとし、同ガス中の酸素濃度(空燃比:A/F)を検出するA/Fセンサの制御装置として、センサ制御装置を具体化している。空燃比の検出結果は車両に搭載されるECU等により構成される空燃比制御システムにて用いられる。空燃比制御システムでは、空燃比をストイキ近傍でフィードバック制御するストイキ燃焼制御や、同空燃比を所定のリーン領域でフィードバック制御するリーン燃焼制御等が適宜実現される。また本実施形態では、近年又は将来の排ガス規制や異常検出規制(OBD)に対応する広域の空燃比検出や、リッチ燃焼運転時のリッチ燃焼制御、排気系に設置されたNOx吸蔵還元型触媒の吸蔵NOx放出、硫黄被毒再生等の制御を実施すべく、リッチ域から大気状態までの広い範囲で空燃比を検出可能としている。
まず、A/Fセンサの構成を、図1を用いて説明する。本A/Fセンサは積層型構造のセンサ素子10と、センサ制御装置20とを有している。センサ制御装置20は、CPU、各種メモリ、AD変換器等を備えるマイコン、及び、センサ制御回路を含んで構成されており、メモリに格納されたプログラムにより、CPUがセンサ制御回路を駆動し、センサ素子10に各種の制御信号を送信する。加えて、センサ制御装置20は、上位の制御装置であるECUとの間で情報の送受信を行う。
図1では、さらに、センサ素子10の断面構成を示している。実際には当該センサ素子10は図1の紙面直交方向に延びる長尺状をなし、素子全体がハウジングや素子カバー内に収容される構成となっている。センサ素子10は、固体電解質層11、拡散抵抗層12、遮蔽層13及び絶縁層14を有し、これらが図の上下に積層されて構成されている。同素子の周囲には図示しない保護層が設けられている。長方形板状の固体電解質層11は部分安定化ジルコニア製のシートであり、その固体電解質層11を挟んで上下一対の電極15,16が対向配置されている。拡散抵抗層12は電極15へ排ガスを導入するための多孔質シートからなり、遮蔽層13は排ガスの透過を抑制するための緻密層からなる。これら各層12,13は何れも、アルミナ、スピネル、ジルコニア等のセラミックスをシート成形法等により成形したものであるが、ポロシティの平均孔径及び気孔率の違いによりガス透過率が相違するものとなっている。
絶縁層14はアルミナ等の高熱伝導性セラミックスからなり、電極16に対面する部位には大気ダクト17が形成されている。また、同絶縁層14にはヒータ18が埋設されている。ヒータ18は、バッテリ等の電源からの通電により発熱する線状の発熱体よりなり、センサ制御装置20からの制御信号に基づいて通電が行われ、その発熱により素子全体を加熱する。
電極15,16には、それぞれ、電源21の正極、負極が接続されている。電源21は、センサ制御装置20から送信された制御信号により、電極15,16に電圧を印加する。加えて、電極15,16に流れる電流を検出する電流センサ22が設けられており、検出された電流の値は、センサ制御装置20へ入力される。
センサ素子10において、その周囲の排ガスは拡散抵抗層12の側方部位から導入されて電極15に達する。排ガスがリーンの場合、排ガス中の酸素が電極15で分解され、電極16より大気ダクト17に排出される。また、排ガスがリッチの場合、逆に大気ダクト17内の酸素が電極16で分解され、電極15より排気側に排出される。
続いて、図2を用いて、センサ素子10の電圧‐電流特性を説明する。横軸に平行な直線部分は、センサ素子10の限界電流を示す領域(限界電流域)である。また、限界電流域よりも低電圧側は、電圧と電流とが、センサ素子10の抵抗値である直流抵抗Riを比例係数として変化する抵抗支配域である。限界電流域の電流の値は、排ガスの空燃比の増減に伴って増減するものであり、空燃比がリーン側になるほど限界電流域の電流の値は増大し、空燃比がリッチ側になるほど限界電流域の電流の値は減少する。すなわち、限界電流域の電圧を電源21から印加し、センサ素子10に流れる電流を電流センサ22が検出することに、排ガスの空燃比を得ることができる。
ところで、図1に示したセンサ素子10において、固体電解質層11は、固体電解質の粒子内の抵抗であるバルク抵抗と、粒子間の抵抗である粒界抵抗とを有している。一方、固体電解質層11と電極15,16との境界面である電極界面には、電極界面の物質の通過を妨げる界面抵抗を有している。そのため、図1に示したセンサ素子10の等価回路は、図3に示すものとなる。図3において、R1は、固体電解質層11のバルク抵抗であり、R2は、固体電解質層11の粒界抵抗であり、R3は、固体電解質層11と電極15,16との界面抵抗である。また、C2は、固体電解質層11の粒子間の静電容量(粒界容量)であり、C3は、固体電解質層11と電極15,16との間の静電容量(界面容量)である。すなわち、センサ素子10の等価回路は、バルク抵抗R1と、粒界抵抗R2及び粒界容量C2の並列接続体と、界面抵抗R3及び界面容量C3の並列接続体とを、直列接続したものとして表すことができる。
図3に示す等価回路に対して、電圧変化量ΔVの交流電圧若しくはパルス電圧を印加した場合、等価回路には電流変化量ΔIの電流が流れることとなる。このとき、電圧変化量ΔVを電流変化量ΔIにより除算することにより、固体電解質層11のインピーダンスZacのみを求めることはできる。換言すると、交流電圧若しくはパルス電圧の印加では、センサ素子10の劣化に伴う界面抵抗R3の増加を検知することができない。
ところが、センサ素子10が劣化した場合、多孔質の白金からなる電極15が凝集され、電極15から固体電解質層11への酸素の通過が妨げられる。その結果として、界面抵抗R3が増加する。そのうえ、バルク抵抗R1と粒界抵抗R2との合計の抵抗値が40Ω程度であるのに対し、界面抵抗R3は100Ω程度である。それゆえに、センサ素子10の劣化の際には、界面抵抗R3の増加による影響が支配的となり、センサ素子10の劣化をより精度よく検出するには、界面抵抗R3の増加を無視することはできない。
そこで、本実施形態では、電圧値が一定である一定電圧Vdcをセンサ素子10に対して所定時間印加することにより、バルク抵抗R1と、粒界抵抗R2と、界面抵抗R3との合計の抵抗値を示す、直流抵抗Riを算出する。図4(a)は、直流抵抗Riを算出する際にセンサ素子10に印加される一定電圧Vdcの波形を示しており、図4(b)は、一定電圧Vdcが印加された場合に、センサ素子10に流れる電流Idcの波形を示している。一定電圧Vdcは、互いに符号の異なる矩形波状の正負の電圧であり、その絶対値であるV1は、図2で示した抵抗支配域内の電圧となるように設定される。電流Idcは、粒界容量C2および界面容量C3による過渡現象により、徐々に増加し、一定電圧Vdcの印加開始から所定時間をおいて、絶対値がI1である正と負の極大値をとる。そのため、一定電圧Vdcの値であるV1を、電流Idcの値であるI1により除算することにより、直流抵抗Riを算出することができる。
続いて、センサ素子10が劣化した際の素子温度Tと直流抵抗Riとの関係について説明する。図5に、センサ素子10の劣化前及び劣化時の、素子温度Tと直流抵抗Riとの関係を示す。上述した通り、センサ素子10の劣化に伴う界面抵抗R3の増加により、直流抵抗Riも大きくなる。そのため、センサ素子10の温度が同一である場合には、直流抵抗Riは、劣化後にはより大きい値を示す。例えば、劣化前に素子温度Tの値がTaである場合において、直流抵抗RiがRaであるとすれば、劣化後には、素子温度Tの値がTaである場合に、直流抵抗RiがRb(>Ra)の値を示すこととなる。また、素子温度Tが高くなるほど直流抵抗Riが小さくなるという特性から、劣化後に直流抵抗RiをRaとするには、素子温度TをTb(>Ta)とする必要が生ずる。
すなわち、同一の素子温度Tの場合では、劣化後は劣化前よりも直流抵抗Riが大きくなり、同一の直流抵抗Riを得るには、劣化後は劣化前よりも高い素子温度Tが必要となる。
なお、素子温度Tは、固体電解質層11のインピーダンスZacと対応付けられてメモリに記憶されており、センサ制御装置20が素子温制御手段として機能し、素子温度Tを、目標値である目標温度Ttgtとするフィードバック制御が行われる。具体的には、センサ素子10へ交流電圧若しくはパルス電圧を印加し、固体電解質層11のインピーダンスZacを算出する。算出されたインピーダンスZacの値が、目標温度Ttgtに対応するインピーダンスZacよりも小さければ、ヒータ18への通電を行うことにより素子温度Tを上昇させ、目標温度Ttgtに対応するインピーダンスZacよりも小さければ、ヒータ18への通電を停止し、素子温度Tを低下させる。
ここで、センサ素子10が劣化し直流抵抗Riが増加した場合の電流‐電圧特性について、図6を用いて説明する。図中、直流抵抗Riの値がRaである場合の電流‐電圧特性(以下、「劣化前特性」という。)を一点鎖線で示しており、直流抵抗Riの値がRb(>Ra)である場合の電流‐電圧特性(以下、「劣化時特性」という。)を実線で示している。また、それぞれ、酸素濃度が同一の場合の電流‐電圧特性を示している。
電流‐電圧特性における抵抗支配域の直線と、縦軸とのなす角度は、直流抵抗Riの値の逆正接関数で表される。ゆえに、劣化時特性における抵抗支配域の直線と縦軸とのなす角度(arctanRb)は、劣化前特性における抵抗支配域の直線と縦軸とのなす角度(arctanRa)よりも大きくなる。その結果として、限界電流域である、横軸に平行な直線部分が生じにくくなる。ゆえに、劣化時に、劣化前と同一の電圧を印加することにより空燃比を検出しようとすれば、その値の誤差が生じるおそれが大きくなる。
そこで、本実施形態に係るセンサ制御装置20は、センサ素子10の劣化、すなわち、直流抵抗Riの増加を検出した場合には、目標温度Ttgtを上昇させる処理を行う。図7は、センサ制御装置20が実施する、目標温度Ttgtを上昇させる一連の処理を示すフローチャートである。なお、図7に示すフローチャートは、センサ制御装置20が備えるメモリから読み出されたプログラムにより、CPUが所定の制御周期で実行する。
まず、実施条件を満たすか否かを判定する(S101)。このとき、実施条件としては、例えば、以下の条件が設定されている。
・素子温度Tが所定値よりも小さい場合には、直流抵抗Riの検出精度が低下するため、素子温度Tが所定値よりも大きい。
・素子温度Tの変動が大きい場合には、直流抵抗Riの検出精度が低下するため、素子温度Tの時間変化量が所定値よりも小さい。
・センサ素子10の劣化が急速に進むことは少ないため、前回の劣化判定処理から、所定の時間が経過している。
実施条件を満たさない場合には(S101:NO)、一連の処理を終了し、実施条件を満たす場合には(S101:YES)、内燃機関への燃料の供給停止時(燃料カット時)であるか否かの判定を行う(S102)。ここで、S102の判定を行うのは、燃料カット時には、内燃機関において燃料の燃焼が行われておらず、空燃比のフィードバック制御を行う必要がなく、ゆえに、センサ素子10からの出力信号を検出する必要もないためである。燃料カット時であるか否かの判定は、例えば、ECUから燃料の供給を指令する信号を取得することにより行われる。
燃料カット時でないと判定されれば(S102:NO)、一連の処理を終了し、燃料カット時であれば(S102:YES)、センサ制御装置20が電圧印加手段として機能し、電源21へ制御信号を送信して、図4で示した波形の一定電圧Vdcを、センサ素子10へ印加する(S103)。この際には、素子温度Tのフィードバック制御も一旦停止される。
次いで、センサ制御装置20が電流センサ22からの信号を取得して電流検出手段として機能し、センサ素子10に流れる電流Idcの値を取得する(S104)。このとき、上述した通り、Idcの立ち上がりには時間を要するため、所定時間待機したのちに、電流Idcの検出値を取得する。なお、一定電圧Vdcの印加の開始から、予め定められた所定時間の経過を条件として電流Idcの値を取得してよいし、電流Idcの単位時間あたりの変化量(増加量)が所定の閾値を下回った時点の値を取得してもよい。
一定電圧Vdcの値及び電流Idcの値が取得されれば、センサ制御装置20が抵抗値算出手段として機能し、センサ素子10に印加した一定電圧Vdcの値を、取得した電流Idcの値により除算して、直流抵抗Riを算出する(S105)。このとき、一定電圧Vdcの正の値から一定電圧Vdcの負の値を減算した値を、電流Idcの正の値から電流Idcの負の値を減算した値により除算した値を、直流抵抗Riとすればよい。また、一定電圧Vdcの正の値を電流Idcの正の値により除算した値と、一定電圧Vdcの負の値を電流Idcの負の値により除算した値との平均をとり、その平均値を直流抵抗Riとしてもよい。
続いて、素子温度Tのフィードバック制御の際に用いられた目標温度Ttgtを素子温度Tとして用いることにより、抵抗閾値Rthを取得する(S106)。このとき、抵抗閾値Rthは、センサ素子10が劣化したと判断できる実験的に得られた値であり、この抵抗閾値Rthは素子温度Tと対応付けられてセンサ制御装置20のメモリに記憶されている。そして、センサ制御装置20が劣化判定手段として機能することにより、S105で算出した直流抵抗Riが、S106で取得した抵抗閾値Rth以上の値であるか否かを、判定する(S106)。直流抵抗Riが抵抗閾値Rthよりも小さい値である場合であれば(S106:NO)、センサ素子10は劣化していないものと認められるため、一連の処理を終了する。
一方、直流抵抗Riが抵抗閾値Rth以上の値であると判定されれば(S106:YES)、センサ素子10が劣化したと認められるため、センサ制御装置20が目標温度設定手段として機能し、目標温度Ttgtを変更する(S107)。目標温度Ttgtは、算出された直流抵抗Riの値と、検出された素子温度Tとに基づいて設定される。例えば、直流抵抗Riと素子温度Tとの関係についての演算式をメモリに予め記憶させておき、その演算式と直流抵抗Riの値と素子温度Tとを用いて目標温度Ttgtを求めればよい。また、直流抵抗Riと素子温度Tとの関係をテーブルとしてメモリに予め記憶させておき、直流抵抗Riの値と素子温度Tの値とテーブルとを用いて目標温度Ttgtを得るものとしてもよい。
目標温度Ttgtを設定する際には、劣化前の直流抵抗Riの値を初期抵抗値としてメモリに予め記憶させておき、劣化時の直流抵抗Riの値が劣化前の直流抵抗Riの値と等しい値となるように、目標温度Ttgtを設定してもよい。すなわち、図5で示したように、素子温度TがTaである場合に、劣化前の直流抵抗Riの値がRaであり、劣化時の直流抵抗Riの値がRbであれば、劣化時の直流抵抗Riの値がRaとなるように、目標温度TtgtをTbに設定すればよい。なお、劣化前の直流抵抗Riのとしては、設計段階や製造段階等の所定の時点で予め取得した値を用いればよい。目標温度Ttgtが変更されれば、素子温度Tが目標温度Ttgtとなるように、ヒータ18の制御が行われる。
そして、得られた直流抵抗Riを記憶手段であるメモリに記憶させ(S108)、一連の処理を終了する。なお、メモリに記憶された直流抵抗Riの値は、次回以降のセンサ制御装置20の起動の際にメモリから読み出され、この直流抵抗Riの値となるように目標温度Ttgtが設定される。なお、直流抵抗Riの値の代わりに目標温度Ttgtをメモリに記憶させるものとしてもよい。
上記構成により、本実施形態に係るセンサ制御装置20は以下の効果を奏する。
・センサ素子10が劣化した場合、固体電解質層11のバルク抵抗R1及び粒界抵抗R2の増加に加えて、固体電解質層11と電極15との間の界面抵抗R3の増加も起こる。この点、本実施形態では、固体電解質層11のインピーダンスZacではなく、固体電解質層11及び電極15の全体の直流抵抗Riを算出している。そのため、本実施形態に係るセンサ制御装置20は、電極15の劣化に起因する界面抵抗R3の増加を含む直流抵抗Riの増加を検出することができる。
・算出された直流抵抗Riを用いて、目標温度Ttgtを決定し、素子温度Tが目標温度Ttgtとなるようにヒータ18への通電を行っている。そのため、センサ素子10が劣化し、直流抵抗Riが増加した場合においても、センサ素子10の電流‐電圧特性は限界電流域を有するものとなり、その限界電流域に対応する電圧を印加することにより、空燃比を検出することができる。
・センサ素子10の劣化時の直流抵抗Riの値が、劣化前の直流抵抗Riの値と等しくなるように、目標温度Ttgtを設定している。そのため、センサ素子10が劣化した場合においても、電流‐電圧特性は変化しないため、劣化前と同様に空燃比を検出することができる。
・直流抵抗Riを算出するために印加する一定電圧Vdcの値を、センサ素子10の電流‐電圧特性における抵抗支配域の範囲内の値に限定している。そのため、印加した一定電圧Vdcの値を検出した電流Idcの値により除算することで、直流抵抗Riの値を算出することができる。すなわち、複雑な演算を要することなく、直流抵抗Riを算出することができる。
・内燃機関へ燃料が供給される際には、直流抵抗Riを算出するための一定電圧Vdcの印加を、燃料カット時に限定している。そのため、センサ素子10を用いた空燃比の計測と、センサ素子10の劣化の検出とを、両立することができる。
・センサ素子10の劣化が進み直流抵抗Riが増加した後にセンサ素子10の使用を継続した場合、一般的には、同一温度における直流抵抗Riの値が減少することはない。そのため、本実施形態では、メモリに直流抵抗Ri、若しくは、目標温度Ttgtをメモリに記憶させ、次回以降のセンサ制御装置20の起動の際には、メモリから直流抵抗Ri、若しくは、目標温度Ttgtをメモリから読み出すものとしている。こうすることにより、センサ制御装置20の起動時に直流抵抗Riを検出する必要が生じず、且つ、センサ素子10の劣化に応じた素子温度Tを用いた空燃比の検出を行うことができるため、空燃比の検出精度を向上させることができる。
<変形例>
・上記実施形態では、センサ素子10に一定電圧Vdcを印加する際に、正と負の一定電圧Vdcをそれぞれ印加しているが、正の値、若しくは、負の値のいずれか一方のみの一定電圧Vdcのみを印加するものとしてもよい。この場合には、上記実施形態よりも早く直流抵抗Riを算出することができる。
また、走行中の燃料カット時では、間を置かずに燃料の供給が再開される可能性が高いが、例えば、アイドリングストップ時では、間を置かずに燃料の供給が再開される可能性は、走行中に比べて低い。そのため、走行中の燃料カット時には、正の値、若しくは、負の値のいずれか一方のみの一定電圧Vdcのみを印加し、アイドリングストップ時には、正と負の両方の一定電圧Vdcを印加するものとすることができる。この場合には、ECUから車速を取得し、燃料カットが行われた際の車速に基づいて、走行中の燃料カットか、アイドリングストップに伴う燃料カットかを判定する。そして、正と負の一定電圧Vdcをそれぞれ印加するか、正の値、若しくは、負の値のいずれか一方のみを印加するかを判断する等の処理を行えばよい。また、アイドリングストップからの復帰時等、ドライバビリティへの影響が少ない場合には、電流Idcの検出後に、アイドリングストップから復帰するものとしてもよい。
・上記実施形態では、センサ制御装置20を、A/Fセンサを制御するものとしたが、他のガス濃度成分を検出対象とするガス濃度センサにも適用することができ、排ガス以外のガスを非検出ガスとすることもできる。また、内燃機関としては、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等、種々のエンジンに用いられるガス濃度センサに適用することができる。加えて、車載用途以外の用途に用いることもできる。
10…センサ素子、11…固体電解質層、15…電極、16…電極、20…センサ制御装置。

Claims (7)

  1. 固体電解質層(11)と電極(15,16)とを備えるセンサ素子(10)を制御するセンサ制御装置(20)であって、
    前記センサ素子に一定電圧を所定時間印加する電圧印加手段と、
    前記センサ素子に流れる電流を検出する電流検出手段と、
    前記電圧印加手段による前記一定電圧の印加時に、前記一定電圧と前記電流とに基づいて、前記センサ素子の抵抗値を算出する抵抗値算出手段と、
    前記抵抗値に基づいて、前記センサ素子の劣化を判定する劣化判定手段と、を備えるセンサ制御装置。
  2. 前記抵抗値は、前記固体電解質層のバルク抵抗の値と、前記固体電解質層の粒界抵抗の値と、前記固体電解質層と前記電極との界面抵抗の値との合計の値であり、
    前記劣化判定手段は前記電極の劣化を含む前記センサ素子の劣化を判定する、請求項1に記載のセンサ制御装置。
  3. 前記電圧印加手段は、正の一定電圧と、負の一定電圧とをそれぞれ所定時間印加する、請求項1又は2に記載のセンサ制御装置。
  4. 前記センサ素子を加熱するヒータと、
    前記ヒータの加熱により前記センサ素子の温度を目標値に制御する素子温制御手段と、
    前記抵抗値に基づいて前記目標値を設定する目標値設定手段と、をさらに備える、請求項1〜3のいずれか1項に記載のセンサ制御装置。
  5. 前記劣化判定手段は、前記センサ素子の温度が前記目標値に制御されている状況下で、前記抵抗値に基づいて前記センサ素子の劣化を判定する、請求項4に記載のセンサ制御装置。
  6. 前記センサ素子の所定の抵抗値を初期抵抗値として記憶しており、
    前記目標値設定手段は、前記抵抗値算出手段により算出された前記抵抗値が前記初期抵抗値と等しくなるように、前記目標値を設定する、請求項4又は5に記載のセンサ制御装置。
  7. 前記センサ素子は、内燃機関の排ガスを被検出ガスとするものであり、
    前記電圧印加手段は、前記内燃機関への燃料の供給停止時に、前記一定電圧を印加する、請求項1〜6のいずれか1項に記載のセンサ制御装置。
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