JP3844436B2 - 導電性樹脂組成物及びその製法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、導電性、流動性、及び線膨張係数と耐衝撃性のバランスに優れ、押出加工時の切り粉の発生が大幅に抑制された樹脂組成物、及びその製造方法に関する。
本発明の組成物は、電気・電子部品、OA部品、車両部品、機械部品などの幅広い分野に使用することができ、中でも静電塗装可能な自動車外装部品に好適に使用できる。
【0002】
【従来の技術】
ポリフェニレンエーテル系樹脂は機械的性質、電気的性質及び耐熱性が優れており、しかも寸法安定性が優れるため広い範囲で用いられているが、単独では成形加工性が劣っており、これを改良するために、ポリアミド樹脂を配合する技術が特公昭45−997号に提案されている。そして、それ以降も、様々な改良が加えられ、現在では非常に様々な用途に用いられる材料となっている。
近年の環境意識の高まりを背景に、自動車の燃費向上のために、自動車外装材料を樹脂化しようという検討が行われている。
特にヨーロッパでは、鋼板と同じ塗装ラインで静電塗装可能な材料へのニーズが高まっており、導電性を付与した材料が要求されている。
【0003】
自動車外装材料に関する従来技術として、例えば特開平2−163158号公報、特開平4−372656号公報、及び特開平6−306275号公報には、線膨張係数と耐衝撃性のバランスが高い事が重要であり、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンエーテル、無機フィラーを配合した組成物が有用であると記載されている。
しかしながら、上記した従来技術では、無機フィラーを添加することにより線膨張係数を低減させているため、耐衝撃性が充分なレベルとはいえず実用に供されていないのが実状であった。
【0004】
上述した観点より、実質的に無機フィラーを含まない組成で、線膨張係数と耐衝撃性のバランス向上を達成できる技術が必要とされている。
また、特開平6−287446号公報には、ポリアミド、ポリフェニレンエーテル、スチレン系樹脂及び顔料よりなる組成物において、顔料をポリフェニレンエーテル、スチレン系樹脂相中に分散させる事により、黄変を低減させた組成物が開示されている。
しかしながら、特開平6−287446号公報記載の技術で得られる組成物は、スチレン系樹脂を多量に含むため、線膨張係数が高くなり、耐衝撃性も大きく低下する。また、静電塗装に必要な導電性も全くないため、静電塗装可能な自動車外装部品としては、全く利用価値のないものである。
【0005】
ポリフェニレンエーテルとポリアミドのポリマーアロイに導電性を付与するため、例えば、特開平2−201811号公報には、ポリフェニレンエーテル、ポリアミド、カーボンブラックよりなる混合物において、カーボンブラックを主にポリアミド相に含有させる技術が開示されている。
しかしながら、特開平2−201811号公報に開示されている技術のように、ポリアミド相に多くのカーボンブラックを配合すると、ポリアミドが極度に脆弱・高粘度となり、組成物としての耐衝撃性及び流動性が大きく悪化する。また、線膨張係数も大きく悪化する。これは、等方性の導電フィラーの影響でポリアミドの配向結晶が阻害されたためと考えられる。
【0006】
更に、上述した従来技術では加工時のペレタイジング工程(押出機から出たストランドをペレット状に切断する工程)で、「切り粉」と呼ばれる切りくずが多量に発生する。通常、これら切り粉を完全に除去する事は困難である。
これら切り粉は、成形加工場においてペレットドライヤー、成形機等へのニューマー系、成形機のホッパー部等に付着し、樹脂の切り替えの際に清掃する必要性が生じ、生産性を大きく低下させる要因となっているため、性能面とともに常に改善が求められる項目となっている。
このように、従来の技術では導電性、流動性、及び線膨張係数と耐衝撃性のバランスに優れ、かつ切り粉の発生を大幅に抑制した材料を得ることができないのが現状であった。また、自動車外装材料には、上記特性の他にも、多くの必要性能があり、例えば特開昭60−65035号公報には、塗料塗膜との密着性が高いことも必要とされている事が明記されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述したような従来技術では解決できなかった問題点を解消しようとするものである。
すなわち、本発明は導電性、流動性、及び線膨張係数と耐衝撃性のバランスに優れ、かつ切り粉の発生を大幅に抑制した樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決するため検討を重ねた結果、驚くべき事に導電用炭素系フィラーをポリフェニレンエーテル相中に存在させることで、導電性、流動性、及び線膨張係数と耐衝撃性のバランスに優れ、かつ切り粉の発生を大幅に抑制した樹脂組成物が得られることを見いだし、本発明に到達した。
【0009】
本発明は、以下の通りである。
1.ポリアミド、ポリフェニレンエーテル、衝撃改良材及び導電用炭素系フィラーを含む樹脂組成物の製造方法であって、該製造方法が、上流側供給口と1カ所以上の下流側供給口を備えた二軸押出機を用い、
1)上流側供給口より衝撃改良材と導電用炭素系フィラーをあらかじめ溶融混練したマスターバッチ及びポリフェニレンエーテルを供給し溶融混練した後、下流側供給口よりポリアミドを供給し溶融混練する方法、
2)上流側供給口より衝撃改良材と導電用炭素系フィラーの一部をあらかじめ溶融混練したマスターバッチ及びポリフェニレンエーテルを供給し溶融混練した後、下流側供給口よりポリアミド及び残りの導電用炭素系フィラーを供給し溶融混練する方法、
3)上流側供給口より衝撃改良材とポリフェニレンエーテルの一部及び導電用炭素系フィラーの一部の3種をあらかじめ溶融混練したマスターバッチと残りのポリフェニレンエーテルを供給し溶融混練した後、下流側供給口よりポリアミド及び残りの導電用炭素系フィラーを供給し溶融混練する方法、
4)上流側供給口より衝撃改良材と導電用炭素系フィラーの一部をあらかじめ溶融混練したマスターバッチ及びポリフェニレンエーテルを供給し溶融混練した後、下流側供給口よりポリアミドの一部及び残りのポリアミドと残りの導電用炭素系フィラーをあらかじめ溶融混練したマスターバッチを供給し溶融混練する方法、
5)上流側供給口より衝撃改良材の一部及びポリフェニレンエーテルを供給し溶融混練した後、下流側供給口よりポリアミド、衝撃改良材の一部及び残りの衝撃改良材と導電用炭素系フィラーをあらかじめ溶融混練したマスターバッチを供給し溶融混練する方法、のいずれかの方法である事を特徴とする樹脂組成物の製造方法。
【0010】
.導電用炭素系フィラーの量が、ポリアミド40〜90重量部、ポリフェニレンエーテル5〜50重量部及び衝撃改良材5〜30重量部からなる混合物100重量部に対して0.5〜5重量部である、1.に記載の樹脂組成物の製造方法である。
.衝撃改良材が、芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックセグメント(A)と共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックセグメント(B)から構成され、重合体ブロックセグメントの結合形式がAB型、ABA型及びABAB型からなる群から選ばれる1種以上である芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体、その水素添加物及びエチレン−α−オレフィン共重合体からなる群から選ばれる1種以上である、1.又は2.のいずれか1つに記載の樹脂組成物の製造方法である。
【0011】
.衝撃改良材が、芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックセグメント(A)と共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックセグメント(B)から構成されるABAB型芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体及び/またはその水素添加物である、1.〜3.のいずれか1項に記載の樹脂組成物の製造方法である。
.エチレン−α−オレフィン共重合体のエチレン単位の含有率が、エチレン−α−オ
レフィン共重合体全量に対して30〜95重量%である、3.に記載の樹脂組成物の製造方法である。
.エチレン−αオレフィン共重合体がシングルサイト触媒で製造されたエチレン−αオレフィン共重合体である、3.又は5.に記載の組成物の製造方法である。
【0012】
.衝撃改良材が、パラフィンを主成分とするオイルをあらかじめ混合した衝撃改良材であり、該オイルの量が、衝撃改良材100重量部に対して70重量部以下である、1.〜6.のいずれか1つに記載の樹脂組成物の製造方法である。
.導電用炭素系フィラーが、導電用カーボンブラック、ナノチューブカーボン、炭素繊維及びグラファイトからなる群から選ばれる1種以上である、1.〜7.のいずれか1つに記載の樹脂組成物の製造方法である。
.導電用炭素系フィラーが、導電用カーボンブラックである、1.〜8.のいずれか1つに記載の樹脂組成物の製造方法である。
10.下記の式で表される金属塩を、ポリアミド、ポリフェニレンエーテル、衝撃改良材及び導電用炭素系フィラーの合計量100重量部に対して2重量部未満含んでいる、1.〜9.のいずれか1つに記載の樹脂組成物の製造方法である。
【0013】
【化1】
Figure 0003844436
(式中、M y+ は銅、ニッケル、スズ、セリウム及びアルカリ金属からなる群から選ばれる1種以上の金属イオンを表し、X z− はハロゲン化物イオン及びカルボキシレートイオンからなる群より選ばれる1種以上の負に荷電したイオンであり、nは1〜6の整数、yはMの正イオン電荷を表す整数、zはXの負イオン電荷を表す整数である)
【0014】
11.金属塩が、アルカリ金属イオンとヨウ素イオンとからなる金属塩である、10.に記載の樹脂組成物の製造方法である。
12.金属塩が、ポリアミドの一部または全部とあらかじめ混合されている、10.又は11.に記載の樹脂組成物の製造方法である。
13.ポリフェニレンエーテルの一部又は全部が、その分子構造内において、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合または三重結合を有し、かつ少なくとも1個のカルボン酸基、酸無水物基、アミノ基、水酸基又はグリシジル基を有する、少なくとも1種の変性化合物で変性されたポリフェニレンエーテルである1.〜12.のいずれか1つに記載の樹脂組成物の製造方法である。
【0015】
14.導電用炭素系フィラーが、衝撃改良材及びポリフェニレンエーテルを含む混合物とあらかじめ溶融混練したマスターバッチの形態で添加する1.〜13.のいずれか1つに記載の樹脂組成物の製造方法である。
15.あらかじめ溶融混練される導電用炭素系フィラーと衝撃改良材のマスターバッチ中の量比が、衝撃改良材100重量部に対して導電用炭素系フィラー5〜30重量部である、1.〜14.のいずれか1つに記載の製造方法である。
16.あらかじめ溶融混練されたマスターバッチ中の導電用炭素系フィラーの量が、使用するすべての導電用炭素系フィラーの50重量%以上である、1.〜15.のいずれか
1つに記載の製造方法である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明で使用することのできるポリアミドの種類としては、ポリマー主鎖に、アミド結合{−NH−C(=O)−}を有するものであれば、いずれも使用する事ができる。
一般にポリアミドは、ラクタム類の開環重合、ジアミンとジカルボン酸の重縮合、アミノカルボン酸の重縮合などによって得られるが、これらに限定されるものではない。
上記ジアミンとしては大別して脂肪族、脂環式及び芳香族ジアミンが挙げられ、具体例としては、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、トリデカメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、5−メチルナノメチレンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、1,4−ビスアミノメチルシクロヘキサン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミンが挙げられる。
【0017】
ジカルボン酸としては、大別して脂肪族、脂環式及び芳香族ジカルボン酸が挙げられ、具体例としては、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、1,1,3−トリデカン二酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ダイマー酸などが挙げられる。
ラクタム類としては、具体的にはε−カプロラクタム、エナントラクタム、ω−ラウロラクタムなどが挙げられる。
また、アミノカルボン酸としては、具体的にはε−アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、8−アミノオクタン酸、9−アミノノナン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、13−アミノトリデカン酸などが挙げられる。
【0018】
本発明においては、これらラクタム類、ジアミン、ジカルボン酸、アミノカルボン酸は、単独あるいは二種以上の混合物にして重縮合を行って得られる共重合ポリアミド類はいずれも使用することができる。
また、これらラクタム類、ジアミン、ジカルボン酸、アミノカルボン酸を重合反応機内で低分子量のオリゴマーの段階まで重合し、押出機等で高分子量化したものも好適に使用することができる。
【0019】
特に本発明で有用に用いることのできるポリアミドとしては、ポリアミド6、ポリアミド6,6、ポリアミド4,6、ポリアミド11,ポリアミド12,ポリアミド6,10、ポリアミド6,12、ポリアミド6/6,6、ポリアミド6/6,12、ポリアミドMXD,6(MXD:m−キシリレンジアミン)、ポリアミド6/MXD,6、ポリアミド6,6/MXD,6、ポリアミド6,T、ポリアミド6,I、ポリアミド6/6,T、ポリアミド6/6,I、ポリアミド6,6/6,T、ポリアミド6,6/6,I、ポリアミド6/6,T/6,I、ポリアミド6,6/6,T/6,I、ポリアミド6/12/6,T、ポリアミド6,6/12/6,T、ポリアミド6/12/6,I、ポリアミド6,6/12/6,Iなどが挙げられ、複数のポリアミドを押出機等で共重合化したポリアミド類
も使用することができる。
これらは、もちろん2種以上組み合わせて使用しても構わない。
【0020】
本発明で使用されるポリアミドの好ましい数平均分子量は5,000〜100,000であり、より好ましくは7,000〜30,000、更に好ましくは9,000〜15,000である。
本発明におけるポリアミドは、分子量の異なる複数のポリアミドの混合物であっても良い。例えば数平均分子量10,000以下の低分子量ポリアミドと、30,000以上の高分子量ポリアミドとの混合物、数平均分子量10,000以下の低分子量ポリアミドと、15,000程度の一般的なポリアミドとの混合物等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0021】
また、異種のポリアミドで分子量の異なるものを混合しても、もちろん構わない。
ポリアミドの末端基は、ポリフェニレンエーテルとの反応に関与する。ポリアミドは末端基として一般にアミノ基、カルボキシル基を有しているが、一般的にポリアミド/ポリフェニレンエーテル系アロイにおいては、カルボキシル基濃度がアミノ基濃度を上回ると、耐衝撃性が低下し、流動性が向上し、逆にアミノ基濃度がカルボキシル基濃度を上回ると耐衝撃性が向上し、流動性が低下する。
これらの好ましい比はアミノ基/カルボキシル基比で、9/1〜1/9であり、より好ましくは8/2〜1/9、更に好ましくは6/4〜1/9である。
また、末端のアミノ基の濃度としては少なくとも10ミリ当量/kgであることが好ましい。更に好ましくは30ミリ当量/kg以上である。
これらポリアミドの末端基の調整方法は、当業者には明らかであるような公知の方法を用いればよい。例えばポリアミドの重合時にジアミン類やジカルボン酸類の添加、モノカルボン酸の添加などが挙げられる。
【0022】
本発明におけるポリアミドは、末端基濃度の異なる複数のポリアミドの混合物であってももちろん構わない。
更に、ポリアミドに添加しても良いとされている公知の添加剤等もポリアミド100重量部に対して10重量部未満の量で添加しても構わない。
本発明で使用できるポリフェニレンエーテルとは、以下に示す式の構造単位からなる、ホモ重合体及び/または共重合体である。
【0023】
【化3】
Figure 0003844436
〔R、Rは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、第一級もしくは第二級の低級アルキル、フェニル、ハロアルキル、アミノアルキル、炭化水素オキシ、又はハロ炭化水素オキシ(但し、少なくとも2個の炭素原子がハロゲン原子と酸素原子を隔てている)を表わし、R、Rは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、第一級もしくは第二級の低級アルキル、フェニル、ハロアルキル、炭化水素オキシ、又はハロ炭化水素オキシ(但し、少なくとも2個の炭素原子がハロゲン原子と酸素原子を隔てている)を表わす。〕
【0024】
本発明のポリフェニレンエーテルの具体的な例としては、例えば、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−フェニル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジクロロ−1,4−フェニレンエーテル)等が挙げられ、さらに2,6−ジメチルフェノールと他のフェノール類(例えば、2,3,6−トリメチルフェノールや2−メチル−6−ブチルフェノール)との共重合体のごときポリフェニレンエーテル共重合体も挙げられる。中でもポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体が好ましく、さらにポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)が好ましい。
【0025】
本発明で用いるポリフェニレンエーテルの製造方法は公知の方法で得られるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、米国特許第3306874号明細書記載されているように第一塩化銅とアミンのコンプレックスを触媒として用い、例えば2,6−ジメチルフェノールを酸化重合することにより容易に製造でき、そのほかにも米国特許第3306875号明細書、同第3257357号明細書及び同第3257358号明細書、特公昭52−17880号公報及び特開昭50−51197号公報及び同63−152628号公報等に記載された方法で容易に製造できる。
【0026】
本発明で使用することのできるポリフェニレンエーテルの還元粘度(0.5g/dl、クロロホルム溶液、30℃測定)は、0.15〜0.70dl/gの範囲であることが好ましく、さらに好ましくは0.20〜0.60dl/gの範囲、より好ましくは0.40〜0.55dl/gの範囲である。
これらは、2種以上の還元粘度の異なるポリフェニレンエーテルをブレンドしたものであっても、何ら問題なく使用することができる。例えば、還元粘度0.45dl/g以下のポリフェニレンエーテルと還元粘度0.50dl/g以上のポリフェニレンエーテルの混合物、還元粘度0.40dl/g以下の低分子量ポリフェニレンエーテルと還元粘度0.50dl/g以上のポリフェニレンエーテルの混合物等が挙げられるが、もちろん、これらに限定されることはない。
【0027】
本発明に使用されるポリフェニレンエーテルは、重合溶媒に起因する有機溶剤が、ポリフェニレンエーテル100重量部に対して5重量%未満の量で残存していても構わない。これら重合溶媒に起因する有機溶剤は、重合後の乾燥工程で完全に除去するのは困難であり、通常数百ppmから数%の範囲で残存しているものである。ここでいう重合溶媒に起因する有機溶媒としては、トルエン、キシレンの各異性体、エチルベンゼン、炭素数1〜5アルコール類、クロロホルム、ジクロルメタン、クロルベンゼン、ジクロルベンゼン等の1種以上が挙げられる。
【0028】
また、本発明で使用できるポリフェニレンエーテルは、全部又は一部が変性されたポリフェニレンエーテルであっても構わない。
ここでいう変性されたポリフェニレンエーテルとは、分子構造内に少なくとも1個の炭素−炭素二重結合または三重結合を有し、かつ少なくとも1個のカルボン酸基、酸無水物基、アミノ基、水酸基、又はグリシジル基を有する、少なくとも1種の変性化合物で変性されたポリフェニレンエーテルを指す。
【0029】
該変性されたポリフェニレンエーテルの製法としては、(1)ラジカル開始剤の存在下、非存在下で100℃以上、ポリフェニレンエーテルのガラス転移温度未満の範囲の温度でポリフェニレンエーテルを溶融させることなく変性化合物と反応させる方法、(2)ラジカル開始剤の存在下、非存在下でポリフェニレンエーテルのガラス転移温度以上360℃以下の範囲の温度で変性化合物と溶融混練し反応させる方法、(3)ラジカル開始剤の
存在下、非存在下でポリフェニレンエーテルのガラス転移温度未満の温度で、ポリフェニレンエーテルと変性化合物を溶液中で反応させる方法等が挙げられ、これらいずれの方法でも構わないが、(1)及び(2)の方法が好ましい。
【0030】
次に分子構造内に少なくとも1個の炭素−炭素二重結合または三重結合、及び少なくとも1個のカルボン酸基、酸無水物基、アミノ基、水酸基、又はグリシジル基を有する少なくとも1種の変性化合物について具体的に説明する。
分子内に炭素−炭素二重結合とカルボン酸基、酸無水物基を同時に有する変性化合物としては、マレイン酸、フマル酸、クロロマレイン酸、シス−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸及びこれらの酸無水物などが挙げられる。特にフマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸が良好で、フマル酸、無水マレイン酸が特に好ましい。
また、これら不飽和ジカルボン酸のカルボキシル基の、1個または2個のカルボキシル基がエステルになっているものも使用可能である。
【0031】
分子内に炭素−炭素二重結合とグリシジル基を同時に有する変性化合物としては、アリルグリシジルエーテル、グリシジルアクリレート、グリシジルメタアクリレート、エポキシ化天然油脂等が挙げられる。
これらの中でグリシジルアクリレート、グリシジルメタアクリレートが特に好ましい。分子内に炭素−炭素二重結合と水酸基を同時に有する変性化合物としては、アリルアルコール、4−ペンテン−1−オール、1,4−ペンタジエン−3−オールなどの一般式C2n−3OH(nは正の整数)の不飽和アルコール、一般式C2n−5OH、C2n−7OH(nは正の整数)等の不飽和アルコール等が挙げられる。
上述した変性化合物は、それぞれ単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
【0032】
変性されたポリフェニレンエーテルを製造する際の変性化合物の添加量は、ポリフェニレンエーテル100重量部に対して0.1〜10重量部が好ましく、更に好ましくは0.3〜5重量部である。
ラジカル開始剤を用いて変性されたポリフェニレンエーテルを製造する際の好ましいラジカル開始剤の量は、ポリフェニレンエーテル100重量部に対して0.001〜1重量部である。
また、変性されたポリフェニレンエーテル中の変性化合物の付加率は、0.01〜5重量%が好ましい。より好ましくは0.1〜3重量%である。
【0033】
該変性されたポリフェニレンエーテル中には、未反応の変性化合物及び/または、変性化合物の重合体が残存していても構わない。変性されたポリフェニレンエーテル中に残存する未反応の変性化合物及び/または変性化合物の重合体の量は、1重量%未満が好ましく、0.5重量%未満が特に好ましい。
また、変性されたポリフェニレンエーテル中に残存する変性化合物及び/または変性化合物の重合体の量を減少させるために、該変性されたポリフェニレンエーテルを製造する際に、必要に応じてアミド結合及び/またはアミノ基を有する化合物を添加しても構わない。
【0034】
ここでいうアミド結合を有する化合物とは、分子構造中にアミド結合{−NH−C(=O)−}構造を有する化合物であり、アミノ基を有する化合物とは末端に{−NH2}構造を有する化合物である。これら化合物の具体例としては、オクチルアミン、ノニルアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族アミン類、アニリン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン等の芳香族アミン類、上記アミン類とカルボン酸、ジカルボン酸等との反応物、ε−カプロラクタム等のラクタム類、及びポリアミド樹脂等が挙げられるが、これ
らに限定されるものではない。
【0035】
これらアミド結合またはアミノ基を有する化合物を添加する際の好ましい添加量は、ポリフェニレンエーテル100重量部に対し0.001〜5重量部である。好ましくは0.01〜1重量部、より好ましくは0.01〜0.1重量部である。
また、本発明では、スチレン系熱可塑性樹脂をポリアミドとポリフェニレンエーテルの合計100重量部に対し、5重量部未満の量であれば配合しても構わない。
【0036】
本発明でいうスチレン系熱可塑性樹脂とは、ホモポリスチレン、ゴム変性ポリスチレン(HIPS)、スチレン−アクリロニトリル共重合体(AS樹脂)、スチレン−ゴム質重合体−アクリロニトリル共重合体(ABS樹脂)である。
これらスチレン系熱可塑性樹脂をポリアミドとポリフェニレンエーテルの合計100重量部に対し、5重量部以上を配合すると、導電性、線膨張係数と耐衝撃性のバランスが悪化し、押出加工時の切り粉の発生量も非常に多くなる。
更に、ポリフェニレンエーテルに添加しても良いとされている公知の添加剤等もポリフェニレンエーテル100重量部に対して10重量部未満の量で添加しても構わない。
本発明で使用することのできる衝撃改良材とは、室温(23℃)において弾性体である天然及び合成の重合体物質である。
【0037】
この具体例としては、天然ゴム、共役ジエン化合物重合体、芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物共重合体、芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物共重合体の水素添加物、ポリオレフィン、ポリエステル系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、及びアクリル酸エステル系コアシェル共重合体等が挙げられる。
これらの中でも、芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物共重合体、芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物共重合体の水素添加物、及びポリオレフィンが好ましく、芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体、芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体の水素添加物、及びエチレン−α−オレフィン共重合体が最も好ましい。
【0038】
ここでいう芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体とは、芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックセグメント(A)と共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックセグメント(B)から構成されるブロック共重合体であり、各ブロックの結合形式が、AB型、ABA型及びABAB型からなる群から選ばれる1種以上であるブロック共重合体が好ましく、より好ましくは、ABA型、ABAB型である。更には、ABAB型が線膨張係数と耐衝撃性のバランスがより優れているため、最も好ましい。
また、ブロック共重合体中の芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物との重量比は、10/90〜90/10であることが望ましい。より好ましくは、15/85〜55/45であり、最も好ましくは20/80〜45/55である。
【0039】
更に、これらは芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物との重量比が異なるものを2種以上ブレンドしても構わない。
芳香族ビニル化合物の具体例としてはスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等が挙げられ、これらから選ばれた1種以上の化合物が用いられるが、中でもスチレンが特に好ましい。
共役ジエン化合物の具体例としては、ブタジエン、イソプレン、ピペリレン、1,3−ペンタジエン等が挙げられ、これらから選ばれた1種以上の化合物が用いられるが、中でもブタジエン、イソプレン及びこれらの組み合わせが好ましい。
ブロック共重合体の共役ジエン化合物としてブタジエンを使用する場合は、ポリブタジエンブロック部分のミクロ構造は1,2−ビニル含量もしくは1,2−ビニル含量と3,4−ビニル含量の合計量が5〜80%が好ましく、さらには10〜50%が好ましく、1
5〜40%が最も好ましい。
【0040】
また、芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物のブロック共重合体の水素添加物とは、上述の芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物のブロック共重合体を水素添加処理することにより、ジエン化合物を主体とする重合体ブロックセグメントの脂肪族二重結合を0を越えて100%の範囲で制御したものをいう。該ブロック共重合体の水素添加物の好ましい水素添加率は50%以上であり、より好ましくは80%以上、最も好ましくは98%以上である。
【0041】
また、本発明における芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物のブロック共重合体及びその水素添加物の分子量としては、昭和電工製GPC装置[SYSTEM21]で、クロロホルムを溶媒とし、40℃、ポリスチレンスタンダードで測定した数平均分子量(Mn)が、10,000〜500,000のものが好ましく、40,000〜250,000のものが最も好ましい。
これら芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物のブロック共重合体は、結合形式の異なるもの、分子量の異なるもの、芳香族ビニル化合物種の異なるもの、共役ジエン化合物種の異なるもの、1,2−ビニル含量もしくは1,2−ビニル含量と3,4−ビニル含量の異なるもの、芳香族ビニル化合物成分含有量の異なるもの、水素添加率の異なるもの等を2種以上を混合して用いても構わない。
【0042】
本発明で用いることのできるエチレン−α−オレフィン共重合体とは、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィン1種以上との共重合体である。より好ましくは炭素数3〜16のα−オレフィン1種以上との共重合体であり、最も好ましくは炭素数3〜12のα−オレフィン1種以上との共重合体である。
エチレン単位と共重合できるα−オレフィンとしては、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−1、ウンデセン−1、ドデセン−1、トリデセン−1、テトラデセン−1、ペンタデセン−1、ヘキサデセン−1、ヘプタデセン−1、オクタデセン−1、ノナデセン−1、またはエイコセン−1、イソブチレンなどを挙げることができる。
本発明におけるエチレン−α−オレフィン共重合体の好ましいエチレン単位の含有率は、エチレン−α−オレフィン共重合体全量に対し30〜95重量%である。
【0043】
また本発明におけるエチレン−α−オレフィン共重合体は、シングルサイト触媒を使用して製造されたエチレン−α−オレフィン共重合体であることが、より望ましい。シングルサイト触媒を使用して製造されたエチレン−α−オレフィン共重合体は市販されており、公知である。例えば、特公平4−12283号公報、特開昭60−35006号公報、特開昭60−35007号公報、特開昭60−35008号公報、特開平5−155930号公報、特開平3−163088号公報、米国特許5272236号報に記載されている。
シングルサイト触媒とは、シクロペンタジエニルあるいは置換シクロペンタジエニルを1〜3分子含有するメタロセン触媒及び幾何学的制御による触媒などの活性点の性質が均一である触媒である本発明におけるエチレン−α−オレフィン共重合体の重合方法は前記の公報に示される気相法あるいは溶液法により重合することができる。好ましい重合法は溶液法である。
【0044】
本発明におけるエチレン−α−オレフィン共重合体の分子量は、ウオータース製150c−GPC装置で、1,2,4−トリクロロベンゼンを溶媒とし、140℃、ポリスチレンスタンダードで測定した数平均分子量(Mn)が10,000以上であることが好ましく、より好ましくは10,000〜100,000である。さらに好ましくは、20,000〜60,000である。
また、本発明におけるエチレン−α−オレフィン共重合体の、前述のGPCによる測定で求めた分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量:Mw/Mn)は、3以下が好ましく、さらには1.8〜2.7がより好ましい。
また、本発明で使用できる衝撃改良材は、全部又は一部が変性された衝撃改良材であっても構わない。
【0045】
ここでいう変性された衝撃改良材とは、分子構造内に少なくとも1個の炭素−炭素二重結合または三重結合を有し、かつ少なくとも1個のカルボン酸基、酸無水物基、アミノ基、水酸基、又はグリシジル基を有する、少なくとも1種の変性化合物で変性された衝撃改良材を指す。
該変性された衝撃改良材の製法としては、(1)ラジカル開始剤の存在下、非存在下で衝撃改良材の軟化点温度以上250℃以下の範囲の温度で変性化合物と溶融混練し反応させる方法、(2)ラジカル開始剤の存在下、非存在下で衝撃改良材の軟化点以下の温度で、衝撃改良材と変性化合物を溶液中で反応させる方法、(3)ラジカル開始剤の存在下、非存在下で衝撃改良材の軟化点以下の温度で、衝撃改良材と変性化合物を溶融させることなく反応させる方法等が挙げられ、これらいずれの方法でも構わないが、(1)の方法が好ましく、更には(1)の中でもラジカル開始剤存在下で行う方法が最も好ましい。
ここでいう分子構造内に少なくとも1個の炭素−炭素二重結合または三重結合を有し、かつ少なくとも1個のカルボン酸基、酸無水物基、アミノ基、水酸基、又はグリシジル基を有する少なくとも1種の変性化合物とは、変性されたポリフェニレンエーテルで述べた変性化合物と同じである。
【0046】
また、本発明の衝撃改良材中には、パラフィンを主成分とするオイルをあらかじめ混合したものを用いても構わない。パラフィンを主成分とするオイルをあらかじめ混合する事により、線膨張係数と耐衝撃性のバランスをさらに向上させることができ、非常に有用である。
この際の好ましいパラフィンを主成分とするオイルの量は衝撃改良材100重量部に対して、70重量部以下である。70重量部以上混合すると取り扱い性に劣る。
ここでいうパラフィンを主成分とするオイルとは、芳香環含有化合物、ナフテン環含有化合物、及びパラフィン系化合物の三者が組み合わさった重量平均分子量500〜10000の範囲の炭化水素系化合物の混合物であり、パラフィン系化合物の含有量が50重量%以上のものである。
より好ましくは、パラフィン系化合物が50〜90重量%,ナフテン環含有化合物が10〜40重量%、芳香環含有化合物が5重量%以下のものである。
これら、パラフィンを主成分とするオイルは市販されており、例えば出光興産(株)製のPW380等が挙げられる。
【0047】
芳香族衝撃改良材への上記オイルの混合方法としては、ペレット状またはパウダー状の衝撃改良材に所望量のパラフィン系オイルを均一になるように添加し放置する方法、押出機の途中から所望量のパラフィン系オイルを添加し溶融混練する方法等挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明で用いることのできる導電用炭素系フィラーとは、非導電材料に導電性を付与する目的のために使用される炭素系フィラーであり、形状は粒状、フレーク状及び繊維状フィラーのいずれでも構わない。
【0048】
具体例としては、導電用カーボンブラック、ナノチューブカーボン、炭素繊維、グラファイト等が好適に使用でき、これらの中で導電用カーボンブラックが最も好適である。
本発明で使用することのできる導電用カーボンブラックは、ジブチルフタレート(DBP)吸収量が250ml/100g以上のものであり、より好ましくはDBP吸油量が300ml/100g以上、更に好ましくは350ml/100g以上のカーボンブラックで
ある。ここでいうDBP吸収量とは、ASTMD2414に定められた方法で測定した値である。
【0049】
更に、本発明の導電用カーボンブラックはBET表面積が200m/g以上のものが好ましく、更には400m/g以上のものがより好ましい。
市販品で入手可能な導電用カーボンブラックには、ケッチェンブラックインターナショナル社製のケッチェンブラックEC−600JD[DBP吸収量=495ml/100g,BET表面積=1270m/g]及びケッチェンブラックEC[DBP吸収量=360ml/100g,BET表面積=800m/g]が挙げられる。
【0050】
本発明でいう導電用カーボンブラックには、一般の着色用のカーボンブラックは包含されない。着色用カーボンブラックとは、上述したDBP吸収量が250ml/100g未満であり、BET表面積200m/g未満のものである。
本発明においては、ポリフェニレンエーテル相中に存在させる導電用炭素系フィラーの替わりに着色用のカーボンブラックを用いると、導電性、及び線膨張係数と耐衝撃性のバランス悪くなり、押出加工時の切り粉の発生量も多くなるため、好ましくない。
本発明において使用することのできるナノチューブカーボンとは、繊維径が1μm以下で、中空である炭素系繊維であり、1μm以下のピッチでらせんが一周するコイル状の形態のものも含まれる。
【0051】
本発明で使用することのできる炭素繊維には、ポリアクリロニトリル(PAN)あるいは、ピッチ等を原料とした繊維を不活性雰囲気中で1000℃〜3500℃の間で焼成・炭化する事により得られる繊維はすべて包含される。好ましい繊維径は3〜30μmであり、より好ましくは5〜20μmである。
本発明で使用することのできるグラファイトには、無煙炭、ピッチ等をアーク炉で高温加熱して得られるものはもちろんのこと、天然に産出される石墨も包含される。好ましい重量平均粒子径は0.1〜50μmであり、より好ましくは1〜30μmである。
これら、導電用炭素系フィラーは公知の各種カップリング剤及び/または収束剤を使用して、樹脂との密着性や取り扱い性を向上させても、もちろん構わない。
本発明においては、ポリアミド40〜90重量部、ポリフェニレンエーテル5〜50重量部、及び衝撃改良材5〜30重量部を主体とする混合物100重量部に対して、導電用炭素系フィラーの量を0.5〜5重量部の範囲にすることが好ましい。
また、本発明において、下記式に示したような金属塩を使用しても構わない。
【0052】
【化4】
Figure 0003844436
[式中、My+は銅、ニッケル、スズ、セリウム及びアルカリ金属から選ばれる1種以上の金属イオンを表し、Xz−はCl,Br,F,I等のハロゲン化物イオンまたは例えばステアレート、アセテート等のカルボキシレートである負に荷電したイオンを表し、nは1〜6の整数、yはMの正イオン電荷を表す整数、zはXの負イオン電荷を表す整数である。]
【0053】
本発明の組成物に上記金属塩を配合することにより、塗装後の塗膜との密着性を強固なものとする事ができる。
式中のMy+として好ましいのは、銅及び/またはアルカリ金属イオンであり、アルカリ金属イオンが最も好ましい。また、Xz−として最も好ましいのは、ハロゲン化物イオンであり、その中でも特にヨウ素及び/または臭素イオンが好ましく、ヨウ素イオンが最
も好ましい。
【0054】
本発明で使用することのできる金属塩の具体例としては、ヨウ化銅、塩化銅、酢酸銅、ヨウ化カリウム、ステアリン酸セリウム等が挙げられ、これらの中でもヨウ化銅、ヨウ化カリウム、臭化銅、臭化カリウム及びヨウ化ナトリウムがより好ましく、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウムが最も好ましい。これらは併用しても構わない。
該金属塩の好ましい配合量はポリアミド、ポリフェニレンエーテル、衝撃改良材、及び導電用炭素系フィラーの合計量100重量部に対し、2重量部未満の量である。好ましくは0.001〜1重量部、より好ましくは0.001〜0.5重量部である。
この金属塩の添加方法としては、(1)使用するポリアミドの重合時に金属塩を添加する方法、(2)金属塩をポリアミドの一部または全部とあらかじめ混合した(あらかじめポリアミドに高濃度で配合した)マスターバッチの形態で添加する方法、(3)組成物製造時に金属塩を直接添加する方法等が挙げられ、いずれの方法でも構わないが、(1)または(2)の方法が好ましい。これら手法の併用も、もちろん可能である。
【0055】
また、本発明では、組成物の製造の際に相溶化剤を使用しても構わない。
相溶化剤を使用する主な目的は、ポリアミド−ポリフェニレンエーテル混合物の物理的性質を改良することである。本発明で使用できる相溶化剤とは、ポリフェニレンエーテル、ポリアミドまたはこれら両者と相互作用する多官能性の化合物を指すものである。この相互作用は化学的(たとえばグラフト化)であっても、または物理的(たとえば分散相の表面特性の変化)であってもよい。いずれにしても得られるポリアミド−ポリフェニレンエーテル混合物は改良された相溶性を示す。
【0056】
本発明の実施の際に使用できるさまざまな相溶化剤の例としては、以下に説明するように、液体ジエンポリマー、官能基含有ポリマー、エポキシ化合物、酸化ポリオレフィンワックス、キノン類、オルガノシラン化合物、及び、多官能性化合物がある。
本発明で使用するのに適した液体ジエンポリマーとしては、共役ジエンのホモポリマー、ならびに共役ジエンと、他の共役ジエン、ビニルモノマー(たとえばスチレン及びα−メチルスチレン)、オレフィン(たとえばエチレン、プロピレン、ブテン−1、イソブチレン、ヘキセン−1、オクテン−1及びドデセン−1)、及びこれらの混合物より成る群の中から選択された少なくとも1種のモノマーとのコポリマーがあり、その数平均分子量は150〜10,000、好ましくは150〜5,000である。これらのホモポリマー及びコポリマーは、たとえば米国特許第4054612号、第3876721号及び第3428699号に記載の方法によって製造することができる。これらポリマーの中には、特に、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリ(1,3−ペンタジエン)、ポリ(ブタジエン−イソプレン)、ポリ(スチレン−ブタジエン)、ポリクロロプレン、ポリ(ブタジエン−α−メチルスチレン)、ポリ(ブタジエン−スチレン−イソプレン)、ポリ(ブチレン−ブタジエン)、などがある。
【0057】
本発明で使用するのに適した官能基含有ポリマーとしては、分子構造内に少なくとも1個の炭素−炭素二重結合または、三重結合及び少なくとも1個のカルボン酸基、酸無水物基、アミノ基、水酸基、又はグリシジル基を有する少なくとも1種の官能基を含有したビニル化合物と芳香族ビニル化合物の共重合体が挙げられる。分子構造内に少なくとも1個の炭素−炭素二重結合または、三重結合及び少なくとも1個のカルボン酸基、酸無水物基、アミノ基、水酸基、又はグリシジル基を有する少なくとも1種の官能基を含有したビニル化合物とは、ポリフェニレンエーテルの変性化合物として用いることのできるものと同一であり、これらから選ばれた1種以上を用いることができる。これらの中で、無水マレイン酸、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートが好ましい。また、芳香族ビニル化合物の例としてはスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等が挙げられ、これらから選ばれた1種以上の化合物が用いられるが、中でもスチレンが特に好ましい
。これら官能基含有ポリマーの中でも、最も好ましいものはスチレン−無水マレイン酸共重合体である。
【0058】
本発明で使用するのに適したエポキシ化合物としては、(1)多価フェノール(たとえばビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA、レゾルシノール及びヒドロキノン)とエピクロロヒドリンを縮合させることによって生成するエポキシ樹脂、(2)多価アルコール(たとえばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ペンタエリトリトール及びトリメチロールエタンなど)とエピクロロヒドリンを縮合させることによって生成するエポキシ樹脂、(3)一価のアルコール類と一価のフェノール類のグリシジルエーテル化生成物、たとえばフェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル及びクレジルグリシジルエーテル、(4)アミノ化合物のグリシジル誘導体、たとえばアニリンのジグリシジル誘導体、ならびに(5)高級オレフィンもしくはシクロアルケンまたは天然の不飽和油(たとえば大豆)のエポキシ化生成物及び前記液体ジエンポリマーのエポキシ化生成物がある。
【0059】
本発明で使用するのに適した酸化ポリオレフィンワックスとは公知であり、その説明及びその製法は米国特許第3822227号及び第3756999号ならびにドイツ特許公告第3047915号及び第2201862号に記載されている。一般に、これらはポリオレフィンの酸化または懸濁酸化によって製造される。
本発明で使用するのに適したキノン化合物の特徴は、非置換誘導体の分子内に6員の炭素環を少なくとも1個有し、環構造内に少なくとも2個のカルボニル基を有し(これらは両方とも同一の環内にあってもよいし、または2個以上の環がある場合には異なる環内にあってもよい。ただし、これらは単環式キノンの1,2配置または1,4配置に相当する位置を占める)、かつ、環構造内に少なくとも2個の炭素−炭素二重結合をもつ(この炭素−炭素二重結合とカルボニルの炭素−酸素二重結合は環構造内にあって、炭素−炭素二重結合とカルボニルの炭素−酸素二重結合は互いに共役している)ことである。非置換キノン内に2個以上の環が存在する場合、これらの環は縮合でも、非縮合でも、あるいは両者でもよい。非縮合環同士は、直接の炭素−炭素二重結合または=C−C=のような共役不飽和を有する炭化水素基によって結合されていてもよい。
【0060】
また、置換キノンも本発明の範囲内に入る。置換が所望の場合置換度は1から置換可能な水素原子の最大数までとし得る。非置換キノン構造上に存在し得る各種置換基の例としては、ハロゲン、たとえば塩素、臭素、フッ素など、炭化水素基、たとえば分枝または非分枝で飽和または不飽和のアルキル基、アリール基、アルキルアリール基及びシクロアルキル基、及びこれらのハロゲン化された誘導体、ならびに、ヘテロ原子、特に酸素、イオウまたはリンを有する類似の炭化水素基(これらの基はヘテロ原子を介して、たとえば酸素結合によってキノン環に結合する)がある。
各種キノン類の例としては、1,2−ベンゾキノン、1,4−ベンゾキノン、2,6−ジフェニルキノン、テトラメチルジキノン、2,2′−ジフェノキノン、4,4′−ジフェノキノン、1,2−ナフトキノン、1,4−ナフトキノン、2,6−ナフトキノン、クロラニル類、2−クロロ−1,4−ベンゾキノン、2,6−ジメチルベンゾキノンなどを挙げることができる。
【0061】
本発明の相溶化剤で使用するのに適したオルガノシラン化合物の特徴は、分子内に、(a)酸素結合を介して炭素に結合したケイ素原子を少なくとも1個、及び(b)炭素−炭素二重結合または炭素−炭素三重結合及び/またはアミン基とメルカプト基より成る群の中から選択された官能基(ただしこれらの官能基は直接ケイ素原子に結合することはない)を少なくとも1個有することである。
このような化合物でC−O−Si成分は通常ケイ素原子に直接結合したアルコキシル基
またはアセトキシ基として存在しており、これらアルコキシル基やアセトキシ基は一般に炭素原子数が15未満であり、ヘテロ原子(たとえば酸素)を含有していてもよい。さらにまた、この化合物中には2個以上のケイ素原子が存在していてもよく、このように多数のケイ素原子が存在する場合それらは酸素結合(たとえばシロキサン)、ケイ素結合または二官能性有機基(たとえばメチレン基やフェニレン基)を介して結合している。
適切なオルガノシラン化合物の例としては、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−(3−シクロヘキサニル)エチルトリメトキシシラン、1,3−ジビニルテトラエトキシシラン、ビニルトリス−(2−メトキシエトキシ)シラン、5−ビシクロヘプテニルトリエトキシシラン及びγ−メルカプトプロピルトリメトキシシランがある。
【0062】
次に、本発明の相溶化剤として適した多官能性の化合物には3つのタイプがある。第一のタイプの多官能性化合物は、分子内に、(a)炭素−炭素二重結合または炭素−炭素三重結合と、(b)少なくとも1個のカルボン酸基、酸無水物基、酸ハロゲン化物基、無水物基、酸ハロゲン化物無水物基、酸アミド基、酸エステル基、イミド基、アミノ基またはヒドロキシ基とを両方とも有するものである。このような多官能性化合物の例としては、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、マレイミド、マレイン酸ヒドラジド、ジアミンと無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸などから選ばれるカルボン酸類とから得られる反応生成物、ジクロロ無水マレイン酸、マレイン酸アミド、不飽和ジカルボン酸(たとえばアクリル酸、ブテン酸、メタクリル酸、t−エチルアクリル酸、ペンテン酸、デセン酸、ウンデセン酸、ドデセン酸、リノール酸など)、以上の不飽和カルボン酸のエステル、酸アミドまたは無水物、不飽和アルコール(たとえばアルキルアルコール、クロチルアルコール、メチルビニルカルビノール、4−ペンテン−1−オール、1,4−ヘキサジエン−3−オール、3−ブテン−1,4−ジオール、2,5−ジメチル−3−ヘキセン−2,5−ジオール及び式C2n−5OH、C2n−7OH、及びC2n−9OH(ただし、nは30までの正の整数)のアルコール類)、以上の不飽和アルコールの−OH基(1個または複数)をNH基で置き換えて得られる不飽和アミン、ならびに、官能化されたジエンポリマー及びコポリマーがある。これらのうち、本発明の組成物用に好ましい相溶化剤は無水マレイン酸及びフマル酸である。このタイプの相溶化剤は本組成物のポリフェニレンエーテルとあらかじめ反応させることが可能である。
【0063】
本発明で使用するのに適した第二のグループの多官能性相溶化剤化合物は、(a)式(OR)で表わされる基(式中、Rは水素またはアルキル基、アリール基、アシル基もしくはカルボニルジオキシ基である)と、(b)カルボン酸、酸ハロゲン化物、酸無水物、無水物、酸ハロゲン化物無水物、酸エステル、酸アミド、イミド、アミノ及びこれらの塩の中から選択された同じでも異なっていてもよい少なくとも2つの基とを両方とも有することで特徴付けられる。このグループの相溶化剤の典型例は、次式で表わされる脂肪族ポリカルボン酸、酸エステル及び酸アミドである。
(RO)R(COORII(CONRIIIIVここで、Rは炭素原子が2〜20個、好ましくは2〜10個で直鎖または分枝鎖の飽和脂肪族炭化水素であり、Rは水素または炭素原子1〜10個、好ましくは1〜6個、最も好ましくは1〜4個のアルキル基、アリール基、アシル基もしくはカルボニルジオキシ基より成る群の中から選択され、RIIは各々独立して水素または炭素原子1〜20個、好ましくは1〜10個のアルキル基もしくはアリール基より成る群の中から選択され、RIIIとRIVは各々独立して水素または炭素原子1〜10個、好ましくは1〜6個、最も好ましくは1〜4個のアルキル基もしくはアリール基より本質的に成る群の中から選択され、mは1に等しく、(n+s)は2以上であり、好ましくは2か3に等しく、nとsは各々が0以上である。また、(OR)はカルボニル基に対してαかβであり、少なくとも2つのカルボニル基は2〜6個の炭素原子によって隔てられている。明らかに、R、RII、RIII及びRIVはこれらの置換基の炭素原子が6個未満の場合アリールにはなり得ない。
適切なポリカルボン酸を例示すると、たとえば無水物や水和酸などの各種市販形態を含めて、クエン酸、リンゴ酸及びアガリシン酸がある。これらの中でクエン酸及びリンゴ酸は、好ましい相溶化剤のひとつである。
【0064】
本発明に有用な酸エステルの例としては、たとえば、クエン酸アセチル、及びクエン酸モノステアリル及び/またはクエン酸ジステアリルなどがある。
本発明で有用な適した酸アミドとしては、たとえば、N,N′−ジエチルクエン酸アミド、N−フェニルクエン酸アミド、N−ドデシルクエン酸アミド、N,N′−ジドデシルクエン酸アミド及びN−ドデシルリンゴ酸がある。
本発明で使用するのに適した第三のグループの多官能性相溶化剤化合物の特徴は、分子内に、(a)酸ハロゲン化物基、最も好ましくは酸塩化物基と、(b)カルボン酸基、カルボン酸無水物基及び酸エステル基または酸アミド基、好ましくはカルボン酸基またはカルボン酸無水物基の少なくとも1個とを両方とも有することである。このグループに入る相溶化剤の例としては、トリメリト酸無水物酸塩化物、クロロホルミルコハク酸無水物、クロロホルミルコハク酸、クロロホルミルグルタル酸無水物、クロロホルミルグルタル酸、クロロアセチルコハク酸無水物、クロロアセチルコハク酸、トリメリト酸塩化物及びクロロアセチルグルタル酸を挙げることができる。
【0065】
さらに、このグループの相溶化剤はポリフェニレンエーテルの少なくとも一部分とあらかじめ反応させることによって相溶化剤をポリフェニレンエーテル官能化コンパウンドとして使用する事も可能である。
上記相溶化剤は各々米国特許第4315086号及び第4642358号等に詳細に記載されている。上記相溶化剤は単独で使用してもよいし、あるいはそれらを任意に組み合わせて使用してもよい。さらに、これらは溶融混合の際に直接添加してもよいし、あるいはポリフェニレンエーテルもしくはポリアミドのいずれか一方もしくは両方、または本発明の組成物の製造の際に使用する他の樹脂状材料とあらかじめ反応させておいても構わない。
これら、相溶化剤の好ましい量は、ポリアミドとポリフェニレンエーテルの混合物100重量部に対して0.01〜20重量部であり、より好ましくは0.1〜10重量部である。
【0066】
本発明では、上記した成分のほかに、本成分の効果を損なわない範囲で必要に応じて付加的成分を添加しても構わない。
付加的成分の例を以下に挙げる。
すなわち、ポリエステル、ポリオレフィン等の他の熱可塑性樹脂、無機充填材(タルク、カオリン、ゾノトライト、ワラストナイト、酸化チタン、チタン酸カリウム、炭素繊維、ガラス繊維など、)、無機充填材と樹脂との親和性を高める為の公知のシランカップリング剤、難燃剤(ハロゲン化された樹脂、シリコーン系難燃剤、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、有機燐酸エステル化合物、ポリ燐酸アンモニウム、赤燐など)、滴下防止効果を示すフッ素系ポリマー、可塑剤(オイル、低分子量ポリオレフィン、ポリエチレングリコール、脂肪酸エステル類等)、及び三酸化アンチモン等の難燃助剤、各種過酸化物、酸化亜鉛、硫化亜鉛、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等である。
これらの成分は、(A)〜(C)成分の合計量100重量部に対して、合計で50重量部を越えない範囲で添加しても構わない。
【0067】
また、ポリアミド相に存在させる事が良いとされている成分(例えば、PA用造核剤等の添加剤、スリップ剤、各種染料、酸化チタン、着色用カーボンブラック等の顔料、及び離型剤等)は(A)〜(C)成分の合計量100重量部に対して、それぞれ10重量部を越えない範囲でポリアミド相に存在させても構わない。もちろんこれら付加的成分を2種以上併用して使用することも可能である。
本発明において最も重要なことは、導電用炭素系フィラーがポリフェニレンエーテル相中に存在することである。
【0068】
また、本発明の組成物が、ポリフェニレンエーテル相中に衝撃改良材を包含する分散形態を形成する場合においては、ポリフェニレンエーテル相中に存在するすべての導電用炭素系フィラーのうち、大部分が衝撃改良材の外に存在することが好ましいが、過半以下が衝撃改良材中に含まれていても構わない。
導電用炭素系フィラーがポリフェニレンエーテル相中に存在せず、例えばそのほとんどすべてがポリアミド相及び/または衝撃改良材中に存在すると線膨張係数と耐衝撃性のバランス、流動性の悪化を招き、押出加工時の切り粉の発生量が非常に多くなる。
【0069】
導電用炭素系フィラーのポリフェニレンエーテル相中への存在は、以下の方法により確認することができる。
(1)ペレット状試料の中央部を、流れ方向が観察できるように、ウルトラミクロトームを用いて超薄切片の状態に切削する。(切削条件:切削温度:0℃以下、好ましくは−30℃以下,切削厚み:60〜80nm)(2)作成した超薄切片を四酸化ルテニウムの蒸気雰囲気下に5分〜60分の間放置し、染色する。(3)染色された超薄切片を約20,000倍の倍率で透過型電子顕微鏡で観察する。
この条件において、灰色を呈している相がポリフェニレンエーテル相であり、衝撃改良材相は、その種類により未染色(白色)もしくは黒色となる。
導電用炭素系フィラーの存在は、導電用炭素系フィラーが例えば導電用カーボンブラックである場合は、粒状で点在している様子が観察される。導電用炭素系フィラーにより見え方は異なるが、その識別は、分散形態の違いにより、当業者には容易に判断できるものである。
【0070】
本発明における、すべてのポリフェニレンエーテル粒子に対する、導電用炭素系フィラーが存在するポリフェニレンエーテル粒子の好ましい割合は、下式を満たすことが好ましい。
R≧(t/r)
(ここで、Rは20,000倍の倍率で50μm以上の範囲を撮影した電子顕微鏡写真に存在するすべてのポリフェニレンエーテル粒子の数量に対する、導電用炭素系フィラーが存在するポリフェニレンエーテル粒子の数量の比率を表し、rはポリフェニレンエーテル粒子の短軸方向の平均分散径(nm)であり、tは超薄切片の厚み(nm)を表す。)
また、衝撃改良材がポリフェニレンエーテル相中に包含される分散形態を形成する場合の導電用炭素系フィラーの衝撃改良材中への存在は、染色しない超薄切片の透過型電子顕微鏡観察を行うことにより確認することができる。
【0071】
本発明の特徴である導電用炭素系フィラーをポリフェニレンエーテル相中に存在させるための好ましい製造方法は、導電用炭素系フィラーを衝撃改良材とあらかじめ溶融混練する事である。
特に、導電用炭素系フィラーを、衝撃改良材とあらかじめ溶融混練したマスターバッチの形態で添加することがより効果的である。
衝撃改良材とあらかじめ溶融混練する導電用炭素系フィラーの好適な量は、使用するすべての導電用炭素系フィラーの10重量%以上である。より好ましくは30重量%以上、更に好ましくは50重量%以上である。
【0072】
また、あらかじめ溶融混練する導電用炭素系フィラーと衝撃改良材の量比は、衝撃改良材100重量部に対して導電用炭素系フィラー3〜50重量部が好ましく、5〜30重量部がより好ましい。
また、導電用炭素系フィラーを衝撃改良材とあらかじめ溶融混練する際に、ポリフェニ
レンエーテルを共存させても構わない。ポリフェニレンエーテルを共存させる場合の、衝撃改良材及びポリフェニレンエーテルの混合物中のポリフェニレンエーテルの量は90重量%以下が好ましく、70重量%以下がより好ましく、50重量%以下が最も好ましい。導電用炭素系フィラーをポリフェニレンエーテル相中に存在させるために、衝撃改良材及びポリフェニレンエーテルの混合物中のポリフェニレンエーテルの量を90重量%以上にすると、溶融粘度の上昇を招き、加工性に劣るようになる。
【0073】
導電用炭素系フィラーを、衝撃改良材とあらかじめ溶融混練したマスターバッチの形態で添加したにも関わらず、導電用炭素系フィラーがポリフェニレンエーテル相に存在する理由について、推定ではあるが以下の様に考えられる。
一般的にポリフェニレンエーテルの末端には二級アミン類が付加しており、二級アミン類は、例えば導電用カーボンブラックの表層に存在するカルボン酸基等と相互作用を起こすと考えられる。そして、この相互作用により、導電用炭素系フィラーがポリフェニレンエーテル中により安定に存在しやすくなるのではないかと考えられる。
【0074】
本発明の組成物を得るための具体的な加工機械としては、例えば、単軸押出機、二軸押出機、ロール、ニーダー、ブラベンダープラストグラフ、バンバリーミキサー等が挙げられるが、中でも二軸押出機が好ましく、特に、上流側供給口と1カ所以上の下流側供給口を備えた二軸押出機が最も好ましい。
この際の溶融混練温度は特に限定されるものではないが、通常240〜360℃の中から好適な組成物が得られる条件を任意に選ぶことができる。
【0075】
本発明の具体的な製造方法は、上流側供給口と1カ所以上の下流側供給口を備えた二軸押出機を用い、(1)上流側供給口より衝撃改良材、導電用炭素系フィラー、及びポリフェニレンエーテルを供給し溶融混練した後、下流側供給口よりポリアミドを供給し溶融混練する方法、(2)上流側供給口より衝撃改良材、導電用炭素系フィラーの一部及びポリフェニレンエーテルを供給し溶融混練した後、下流側供給口よりポリアミド及び残りの導電用炭素系フィラーを供給し溶融混練する方法、(3)上流側供給口より衝撃改良材の一部、導電用炭素系フィラー及びポリフェニレンエーテルを供給し溶融混練した後、下流側供給口よりポリアミド及び残りの衝撃改良材を供給し溶融混練する方法、(4)上流側供給口より衝撃改良材の一部、導電用炭素系フィラーの一部及びポリフェニレンエーテルを供給し溶融混練した後、下流側供給口よりポリアミド、残りの衝撃改良材及び残りの導電用炭素系フィラーを供給し溶融混練する方法、(5)上流側供給口より衝撃改良材と導電用炭素系フィラーをあらかじめ溶融混練したマスターバッチ及びポリフェニレンエーテルを供給し溶融混練した後、下流側供給口よりポリアミドを供給し溶融混練する方法、(6)上流側供給口より衝撃改良材と導電用炭素系フィラーの一部をあらかじめ溶融混練したマスターバッチ及びポリフェニレンエーテルを供給し溶融混練した後、下流側供給口よりポリアミド及び残りの導電用炭素系フィラーを供給し溶融混練する方法、(7)上流側供給口より衝撃改良材とポリフェニレンエーテルの一部及び導電用炭素系フィラーの一部の3種をあらかじめ溶融混練したマスターバッチと残りのポリフェニレンエーテルを供給し溶融混練した後、下流側供給口よりポリアミド及び残りの導電用炭素系フィラーを供給し溶融混練する方法、(8)上流側供給口より衝撃改良材と導電用炭素系フィラーの一部をあらかじめ溶融混練したマスターバッチ及びポリフェニレンエーテルを供給し溶融混練した後、下流側供給口よりポリアミドの一部及び残りのポリアミドと残りの導電用炭素系フィラーをあらかじめ溶融混練したマスターバッチを供給し溶融混練する方法等が挙げられ、好ましくは(5)〜(8)の様なマスターバッチを用いた方法がより好ましいが、導電用炭素系フィラーがポリフェニレンエーテル中に存在していれば、いずれの方法を用いても構わない。
【0076】
マスターバッチを製造する際の溶融混練温度は特に限定されるものではないが、通常1
50〜300℃の中から好適な組成物が得られる条件を任意に選ぶことができる。
このようにして得られる本発明の組成物は、従来より公知の種々の方法、例えば、射出成形、押出成形、中空成形により各種部品の成形体として成形できる。
本発明の組成物は、例えば、カウル等のオートバイの外装部品用途、自動車の内装部品用途、フェンダー・ドアパネル・フロントパネル・リアーパネル・ロッカーパネル・リアバンパーパネル・バックドアガーニッシュ・エンブレムガーニッシュ・燃料注入口パネル・オーバーフェンダー・アウタードアハンドル・ドアミラーハウジング・ボンネットエアインテーク・バンパー・バンパーガード・ルーフレール・ルーフレールレッグ・ピラーカバー・ホイールカバー・各種エアロパーツ等の自動車外板・外装部品用途、電気・電子分野でのICトレー材料用途等に好適に利用することができ、中でも、静電塗装が必要な自動車外装部品に特に好適に使用できる。
【0077】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例により、本発明を更に詳細に説明する。
(使用した原料)
(1)ポリフェニレンエーテル ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)
(1−1)還元粘度(0.5g/dlクロロホルム溶液、30℃測定)=0.52dl/g(以下PPE−Hと略記)
(1−2)還元粘度=0.42dl/g(以下PPE−Lと略記)
【0078】
(2)ポリアミド
(2−1)ポリアミド6,6樹脂(以下PA66と略記)
数平均分子量=16,000 末端アミノ基濃度=50ミリ等量/kg末端カルボキシル基濃度=80ミリ等量/kg 微量成分として銅系熱安定剤を100ppmとスリップ剤(ステアリン酸金属塩)を800ppm含む。
(2−2)ポリアミド6樹脂(以下PA6と略記)
硫酸相対粘度(ポリマー1g/98%硫酸100ml、25℃)=2.6 末端アミノ基濃度=45ミリ等量/kg、末端カルボキシル基濃度=65ミリ等量/kg (2−3)ポリアミド6,6樹脂(以下PA66Lと略記)
数平均分子量=9,100 末端アミノ基濃度=55ミリ等量/kg末端カルボキシル基濃度=65ミリ等量/kg 微量成分として銅系熱安定剤を100ppmとスリップ剤(ステアリン酸金属塩)を800ppm含む。
【0079】
(3)衝撃改良材
(3−1)エチレン−オクテン共重合体(以下EORと略記)
オクテン含有量=24重量% MFR=30g/10分(190℃、2.16kg荷重)
融点=60℃(DSC法、昇温速度10℃/分)
(3−2)エチレン−オクテン共重合体の無水マレイン酸変性物(以下MEORと略記)オクテン含有量=28重量% MFR=0.8g/10分(190℃、2.16kg荷重)
融点=55℃(DSC法:昇温速度10℃/分)
無水マレイン酸付加率=1.0重量%
(3−3)3型高分子量水素添加スチレン−ブタジエン共重合体(以下HTR1と略記)結合形式=3型(ABA型)ブロック [A成分がスチレンブロック,B成分がブタジエンブロック]
スチレン含有量=33重量% ビニル含量の合計量=33重量%数平均分子量=150,000
【0080】
(3−4)3型低分子量水素添加スチレン−ブタジエン共重合体(以下HTR2と略記)
結合形式=3型(ABA型)ブロック [A成分がスチレンブロック,B成分がブタジエンブロック]
スチレン含有量=29重量% ビニル含量の合計量=32重量%数平均分子量=51,000
(3−5)4型低分子量水素添加スチレン−ブタジエン共重合体(以下HTR3と略記)結合形式=4型(ABAB型)ブロック [A成分がスチレンブロック,B成分がブタジエンブロック]
スチレン含有量=29重量% ビニル含量の合計量=32重量%数平均分子量=51,000
【0081】
(3−6)オイル含有4型高分子量水素添加スチレン−ブタジエン共重合体(以下HTR4と略記)
結合形式=4型(ABAB型)ブロック [A成分がスチレンブロック,B成分がブタジエンブロック]
スチレン含有量=35重量% ビニル含量の合計量=36重量%数平均分子量=120,000 パラフィンオイル=商品名 PW−380 出光興産(株)製 パラフィンオイル含有量=水素添加スチレン−ブタジエン共重合体100重量部に対して50重量部(4)導電用炭素系フィラー(以下KBと略記)
導電用カーボンブラック[商品名:ケッチェンブラック EC−600JD]
DBP吸収量=495ml/100g BET表面積=1,270m/g(5)非導電用炭素系フィラー(以下CBと略記)
着色用カーボンブラック[商品名:三菱カーボンブラック RCF #45]
DBP吸収量=53ml/100g BET表面積=115m/g(6)スチレン系熱可塑性樹脂(以下PSと略記)
ホモポリスチレン 分子量=250,000(7)相溶化剤(MAHと略記)
無水マレイン酸[日本油脂(株)製]
【0082】
[製造例1]
EOR−15%MBの製造 上流側に1カ所と、押出機中央部に1カ所の供給口を有する二軸押出機[ZSK−25:ウェルナー&フライデラー社製(ドイツ)]のシリンダー温度を220℃に設定し、上流側供給口(以下Top−Fと略記)より、EORを8.5kg/hで定量的に供給し、押出機中央部供給口(以下Side−Fと略記)より、KBを1.5kg/hの量で定量的に供給し、溶融混練し、ペレット化した。
このときのスクリュー回転数は300回転/分であり、また、揮発成分除去のため、Side−Fとダイの間に真空ベントを取り付け、真空吸引を行った。
ここで得られれたマスターペレット(KB含有濃度15wt%)をEOR−15%MBと略記する。
【0083】
[製造例2]
PA66−10%MBの製造 製造例1と同じ押出機を用いて、シリンダー温度を280℃に設定し、Top−FよりPA66を10kg/hの量で定量的に供給し、Side−FよりKBを1.11kg/hの量で定量的に供給し、溶融混練し、ペレット化した。
このときのスクリュー回転数は320回転/分であり、また、揮発分除去のためSide−Fとダイの間に真空ベントを取り付け、真空吸引を行った。
ここで得られたマスターペレット(KB含有濃度10wt%)をPA66−10%MBと略記する。
【0084】
[製造例3]
PA66L−10%MBの製造 PA66をPA66Lに変えた以外はすべて製造例2と同様に実施し、マスターペレットを得た。
ここで得られたマスターペレット(KB含有濃度10wt%)をPA66L−10%MBと略記する。
【0085】
[製造例4]
HTR2−10%MBの製造 製造例1のEORをHTR2に替え、Top−FからHTR2を9kg/hの量で供給し、Side−FよりKBを1kg/hの量で供給した以外は、すべて製造例1と同様に実施しマスターペレットを得た。
ここで得られたマスターペレット(KB含有濃度10wt%)をHTR2−10%MBと略記する。
【0086】
[製造例5]
HTR2−17%MBの製造 製造例4のTop−FからHTR2を8.3kg/hの量で供給し、Side−FよりKBを1.7kg/hの量で供給した以外は、すべて製造例4と同様に実施しマスターペレットを得た。
ここで得られたマスターペレット(KB含有濃度17wt%)をHTR2−17%MBと略記する。
【0087】
[製造例6]
HTR3−10%MBの製造 製造例4のHTR2をHTR3に替えた以外は、すべて製造例4と同様に実施しマスターペレットを得た。
ここで得られたマスターペレット(KB含有濃度10wt%)をHTR3−10%MBと略記する。
【0088】
[製造例7]
HTR4−10%MBの製造 製造例4のHTR2をHTR4に替えた以外は、すべて製造例4と同様に実施しマスターペレットを得た。
ここで得られたマスターペレット(KB含有濃度10wt%)をHTR4−10%MBと略記する。
【0089】
[製造例8]
KI−MBの製造 シリンダー温度を280℃に設定した、上流側に1カ所の供給口を有する二軸押出機[PCM−30:池貝鉄工(株)製]へ、PA66Lを9.6kg/h、粉末状のヨウ化カリウム(以下KIと略記)を0.4kg/hの量でそれぞれ別別の フィーダーから供給し、溶融混練し、ペレット化した。
ここで得られたマスターペレット(KI含有濃度4wt%)をKI−MBと略記する。
【0090】
[製造例9]
MPPEの製造 PPEを100重量部に対して、MAH2重量部及びラジカル発生剤[パーヘキサ25B:日本油脂(株)社製]0.3重量部をドライブレンドし、シリンダー温度を320℃に設定した、上流側に1カ所の供給口を有する二軸押出機[PCM−30:池貝鉄工(株)製]へ供給し、溶融混練し、ペレット化した。
次に得られたペレットを1gとり、内側からポリテトラフロロエチレンシート、アルミシート、鉄板の順に重ねたものの間にはさみ、280℃に温度設定したプレス成形機を用い、100kg/cmで圧縮成形しフィルムを得た。
【0091】
得られたフィルムについて、日本分光社製FT/IR−420型フーリエ変換赤外分光光度計を用いて、赤外分光測定を行った。
当該フィルムに対する測定では、1790cm−1に、ポリフェニレンエーテルに付加した、マレイン酸由来のピークが観測された。
PPEとMAHの混合物を用いて、あらかじめ作成しておいた検量線式から計算された
MAHの付加率は、0.54重量%であった。
ここで得られれたMAH変性PPEをMPPEと略記する。
【0092】
次に、各測定方法について詳細に説明する。
(体積固有抵抗−1)
厚さ3.2mmの引張試験片の両端を精密カットソーで切断し、長さ50mmで、両端に均一な断面積(12.4×3.2mm)の切断面を持つ、短冊状試験片を得た。この試験片の両端の切断面に銀ペーストを塗布し、充分乾燥させた後、両端間の抵抗値をテスターで測定し、式(a)を用いて体積固有抵抗を計算した。
この体積抵抗値を体積固有抵抗−1と表し、この値を表1に記載した。
(体積固有抵抗−2)
長さ90mm、幅50mm、厚さ2.5mmの平板状成形片の向かい合った50mm×2.5mmの面の中央部分に、それぞれ、30mm×2.5mmの面積で銀ペーストを塗布し、充分乾燥させた後、両端間の抵抗値をテスターで測定した。これを異なる平板で5回実施し、その加算平均値を求め、下記式を用いて体積固有抵抗を計算した。
【0093】
【化5】
Figure 0003844436
ここで、VRは体積固有抵抗(Ω・cm)、Rはテスターで測定した抵抗の加算平均値(Ω)、wは銀ペーストを塗布した部分の幅(cm)、tは銀ペーストを塗布した部分の高さ(cm)、1は銀ペースト塗布面間の距離(cm)である。この体積抵抗値を体積固有抵抗−2と表し、この値を表1に記載した。
【0094】
(メルトフローレート:MFR)
ISO1133に準拠した方法により、280℃、5kg荷重で実施した。
(線膨張係数)
厚さ3.2mmの引張試験片の中央部を、精密カットソーを用いて、厚み3.2mm、幅5mm、長さ10mmの四角柱形状に切削し、TMA−7[パーキンエルマー社製]を用い、JISK7197に準拠し、23℃から70℃までを昇温速度5℃/分で昇温しながら、膨張係数を測定した。
(Izod衝撃試験)
ASTM D−256に準拠し、厚さ3.2mm厚みのノッチ付き衝撃強度を測定した。
【0095】
(ダート衝撃試験)
ダート衝撃試験は、長さ90mm、幅50mm、厚さ2.5mmの平板状成形片を使用し、グラフィックインパクトテスター[東洋精機製作所(株)製]を用いて行った。
試験方法は、直径が40mmのサンプルホールダーに試験片をはさみ、先端径が13mmの球形状のストライカー(重量6.5kg)を、試験片の上方100cmの高さより自由落下させ、試験片を破壊させ、その際に、破壊に要した全エネルギーを測定し、全吸収エネルギーとして表示した。
【0096】
この試験を10枚のサンプルで実施し、10回のデータのうち最大値と最小値を除いた8回の測定値の加算平均をもって、そのサンプルの全吸収エネルギー値とした。
また、この測定で破壊された試験片の破壊状況を観察し、延性破壊と脆性破壊に大別し、10枚の試験片のうち、延性破壊をした試験片の枚数の割合から延性率を計算した。
延性率[%]=延性破壊をした枚数/10×100(押出加工時の切り粉の発生量)
押出機の紡口に水槽(ストランドバス)とペレタイザーを設置し、水槽を経た後のペレタイザー手前のストランドの直径が2mm〜3mmになるように、ペレタイザーの引き取り速度を調節した。この時、ストランドを水槽に浸漬する長さを100cmにした。なお、水温は13℃であった。
このときの、ペレタイザーから出てきたペレットを約100g取り、これを精秤した。この値をW1とする。
【0097】
次いで、この精秤したペレタイザーから出てきたペレットを20メッシュの金網状に広げて、よく振とうし、ペレットと切り粉を分別した後、金網上に残ったペレットを精秤した。この値をW2とする。
これら、W1とW2より下式を用いて、切り粉の割合(W%)を算出した。
W%=(1−W2/W1)×100(塗膜との密着性)
特開昭60−65035号公報記載の方法に従い、長さ90mm、幅50mm、厚さ2.5mmの平板状成形片に、熱硬化アクリル樹脂塗料を専用シンナーで希釈し、スプレーガンで塗布し、室温で30分放置後、150℃×30分間、加熱硬化し塗装物を得た。次に、この塗装物の塗膜をJIS K5400−1979に準じ、1mm角の碁盤目試験を行い、100目の内、剥離しない碁盤目の数を求めた。
【0098】
[実施例1]
上流側に1カ所と、押出機中央部に1カ所の供給口を有する二軸押出機[ZSK−40:ウェルナー&フライデラー社製(ドイツ)]のシリンダー温度をTop−FよりSide−Fまでを320℃、Side−1よりダイまでを280℃に設定し、Top−F及びSide−Fより表1の実施例1記載の割合でそれぞれドライブレンドしたものを供給し、溶融混練し、ペレット化した。この押出加工時に切り粉の発生量を同時に測定した。
なお、このときのスクリュー回転数は300回転/分であり、また、揮発分除去のためSide−Fの直前及び、Side−Fとダイの間の2カ所に真空ベントを取り付け、真空吸引を行った。
【0099】
得られたペレットを、シリンダー温度290℃、金型温度80℃に設定した射出成形機[IS−80EPN:東芝機械(株)社製(日本)]を用いて、各測定に必要な成形片に成形し、各測定項目を測定した。測定結果は表1に併記した。
また、導電用炭素系フィラーであるKBがPPE相に存在している事を確認するため、得られたペレットの中央部を、流れ方向に対して垂直の方向に、ウルトラミクロトームを用いて超薄切片の状態に切削(切削条件:切削温度:−40℃,切削厚み:70nm)し、作成した超薄切片を四酸化ルテニウムの蒸気雰囲気下に20分の間放置し染色した。染色された超薄切片を約20,000倍の倍率で透過型電子顕微鏡で撮影したところ、PPE相への存在が確認された。得られた電子顕微鏡写真を第1図に、またその模式図を第2図に示した(模式図中、黒線で囲った部分がポリフェニレンエーテル相を、黒い点がKBを表している。)
これ等の図より、ポリアミドの連続相中に灰色を呈しているポリフェニレンエーテル相が存在しており、そのポリフェニレンエーテル相中にKBが粒状で点在している様子が確認できる。
【0100】
[比較例
配合組成を表1の比較例に記載した割合に変更した以外は、すべて実施例1と同様に実施した。なお、本比較例は、最終組成では実施例1と全く同一組成である。
また、導電用炭素系フィラーであるKBの存在位置を確認するため、実施例1と同様に透過型電子顕微鏡で撮影し、得られた電子顕微鏡写真を第3図に、その模式図を第4図に示した。
第3及び4図からでは、KBのPPE相への存在を確認することはできなかった。すなわち、ポリアミドの連続相中に灰色を呈しているポリフェニレンエーテル相が存在しているが、KBはそのほとんどすべてがポリアミド相に粒状で点在していた。
【0101】
[実施例2〜3]及び[比較例1.2及び4
配合組成を表1に記載した割合に変更した以外は、すべて実施例1と同様に実施した。なお、本実施例及び比較例は、最終組成では実施例1及び比較例と全く同一組成である。
測定結果は、表1の各実施例及び比較例の組成の下段に併記した。
【0102】
【表1】
Figure 0003844436
最終組成が全く同じであっても、PPE相中にKBが存在するか否かにより、大きく物性が異なることが判る。
【0103】
[実施例4〜6]及び[比較例5〜8
配合組成を表2に記載した割合に変更した以外は、すべて実施例1と同様に実施した。なお、実施した測定結果は、表2の各実施例及び比較例の組成の下段に併記した。
【0104】
【表2】
Figure 0003844436
導電用炭素系フィラーの量が極めて少量であったり、導電用炭素系フィラーの代わりに着色用カーボンブラックを使用した場合には、物性のバランスが悪くなることが判る。
【0105】
[実施例7〜9]及び[比較例9〜11
配合組成を表3に記載した割合に変更した以外は、すべて実施例1と同様に実施した。実施例7〜9及び比較例9〜11は実施例1で実施した測定項目に加え、体積固有抵抗−2及びダート衝撃試験も実施した。
なお、実施した測定結果は、表3の各実施例及び比較例の組成の下段に併記した。
体積固有抵抗−2に比べ、体積固有抵抗−1に若干のバラツキが認められるが、体積固有抵抗値としては両者に大きな差は認められない。これは、平板状成形片の片端にフィルム状でゲートがあり、その部分を切断するため、実質的に切断面の抵抗を測定しているためと考えられる。
【0106】
【表3】
Figure 0003844436
実施例7、8、9にそれぞれ対応する比較例が、比較例9、10、11である。PPE中の導電用炭素系フィラーの有無で大きく物性が異なることが判る。
【0107】
[実施例10及び11
配合組成を表4に記載した割合に変更した以外は、すべて実施例1と同様に実施した。実施例10及び11は実施例1で実施した測定項目に加え、塗膜密着試験も実施した。
なお、実施した測定結果は、表4の各実施例及び比較例の組成の下段に併記した。
【0108】
【表4】
Figure 0003844436
衝撃改良材をABA型から、ABAB型に変更する事で、線膨張係数と耐衝撃性のバランスが更に大きく向上し、また、KIを添加することで、塗膜との密着性も飛躍的に向上することが判る。
【0109】
【発明の効果】
本発明の樹脂組成物は、導電性、流動性、及び線膨張係数と耐衝撃性のバランスに優れ、かつ押出加工時の切り粉の発生を大幅に抑制し得る樹脂組成物である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたペレットの超薄切片を透過型電子顕微鏡を通して見た図である。
【図2】図1における電子顕微鏡写真の模式図である。
【図3】比較例で得られたペレットの超薄切片を透過型電子顕微鏡を通して見た図である。
【図4】図3における電子顕微鏡写真の模式図である。

Claims (16)

  1. ポリアミド、ポリフェニレンエーテル、衝撃改良材及び導電用炭素系フィラーを含む樹脂組成物の製造方法であって、該製造方法が、上流側供給口と1カ所以上の下流側供給口を備えた二軸押出機を用い、
    1)上流側供給口より衝撃改良材と導電用炭素系フィラーをあらかじめ溶融混練したマスターバッチ及びポリフェニレンエーテルを供給し溶融混練した後、下流側供給口よりポリアミドを供給し溶融混練する方法、
    2)上流側供給口より衝撃改良材と導電用炭素系フィラーの一部をあらかじめ溶融混練したマスターバッチ及びポリフェニレンエーテルを供給し溶融混練した後、下流側供給口よりポリアミド及び残りの導電用炭素系フィラーを供給し溶融混練する方法、
    3)上流側供給口より衝撃改良材とポリフェニレンエーテルの一部及び導電用炭素系フィラーの一部の3種をあらかじめ溶融混練したマスターバッチと残りのポリフェニレンエーテルを供給し溶融混練した後、下流側供給口よりポリアミド及び残りの導電用炭素系フィラーを供給し溶融混練する方法、
    4)上流側供給口より衝撃改良材と導電用炭素系フィラーの一部をあらかじめ溶融混練したマスターバッチ及びポリフェニレンエーテルを供給し溶融混練した後、下流側供給口よりポリアミドの一部及び残りのポリアミドと残りの導電用炭素系フィラーをあらかじめ溶融混練したマスターバッチを供給し溶融混練する方法、
    5)上流側供給口より衝撃改良材の一部及びポリフェニレンエーテルを供給し溶融混練した後、下流側供給口よりポリアミド、衝撃改良材の一部及び残りの衝撃改良材と導電用炭素系フィラーをあらかじめ溶融混練したマスターバッチを供給し溶融混練する方法、のいずれかの方法である事を特徴とする樹脂組成物の製造方法。
  2. 導電用炭素系フィラーの量が、ポリアミド40〜90重量部、ポリフェニレンエーテル5〜50重量部及び衝撃改良材5〜30重量部からなる混合物100重量部に対して0.5〜5重量部である、請求項1に記載の樹脂組成物の製造方法。
  3. 衝撃改良材が、芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックセグメント(A)と共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックセグメント(B)から構成され、重合体ブロックセグメントの結合形式がAB型、ABA型及びABAB型からなる群から選ばれる1種以上である芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体、その水素添加物及びエチレン−α−オレフィン共重合体からなる群から選ばれる1種以上である、請求項1又は2のいずれか1項に記載の樹脂組成物の製造方法。
  4. 衝撃改良材が、芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックセグメント(A)と共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックセグメント(B)から構成されるABAB型芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体及び/またはその水素添加物である、請求項1〜のいずれか1項に記載の樹脂組成物の製造方法。
  5. エチレン−α−オレフィン共重合体のエチレン単位の含有率が、エチレン−α−オレフィン共重合体全量に対して30〜95重量%である、請求項に記載の樹脂組成物の製造方法。
  6. エチレン−αオレフィン共重合体がシングルサイト触媒で製造されたエチレン−αオレフィン共重合体である、請求項3又は5に記載の組成物の製造方法。
  7. 衝撃改良材が、パラフィンを主成分とするオイルをあらかじめ混合した衝撃改良材であり、該オイルの量が、衝撃改良材100重量部に対して70重量部以下である、請求項1〜のいずれか1項に記載の樹脂組成物の製造方法。
  8. 導電用炭素系フィラーが、導電用カーボンブラック、ナノチューブカーボン、炭素繊維及びグラファイトからなる群から選ばれる1種以上である、請求項1〜のいずれか1項に記載の樹脂組成物の製造方法。
  9. 導電用炭素系フィラーが、導電用カーボンブラックである、請求項1〜のいずれか1項に記載の樹脂組成物の製造方法。
  10. 下記の式で表される金属塩を、ポリアミド、ポリフェニレンエーテル、衝撃改良材及び導電用炭素系フィラーの合計量100重量部に対して2重量部未満含んでいる、請求項1〜のいずれか1項に記載の樹脂組成物の製造方法。
    Figure 0003844436
    (式中、My+は銅、ニッケル、スズ、セリウム及びアルカリ金属からなる群から選ばれる1種以上の金属イオンを表し、Xz−はハロゲン化物イオン及びカルボキシレートイオンからなる群より選ばれる1種以上の負に荷電したイオンであり、nは1〜6の整数、yはMの正イオン電荷を表す整数、zはXの負イオン電荷を表す整数である)
  11. 金属塩が、アルカリ金属イオンとヨウ素イオンとからなる金属塩である、請求項10に記載の樹脂組成物の製造方法。
  12. 金属塩が、ポリアミドの一部または全部とあらかじめ混合されている、請求項10又は11に記載の樹脂組成物の製造方法。
  13. ポリフェニレンエーテルの一部又は全部が、その分子構造内において、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合または三重結合を有し、かつ少なくとも1個のカルボン酸基、酸無水物基、アミノ基、水酸基又はグリシジル基を有する、少なくとも1種の変性化合物で変性されたポリフェニレンエーテルである請求項1〜12のいずれか1項に記載の樹脂組成物の製造方法。
  14. 導電用炭素系フィラーが、衝撃改良材及びポリフェニレンエーテルを含む混合物とあらかじめ溶融混練したマスターバッチの形態で添加する請求項1〜13のいずれか1項に記載の樹脂組成物の製造方法。
  15. あらかじめ溶融混練される導電用炭素系フィラーと衝撃改良材のマスターバッチ中の量比が、衝撃改良材100重量部に対して導電用炭素系フィラー5〜30重量部である、請求項1〜14のいずれか1項に記載の製造方法。
  16. あらかじめ溶融混練されたマスターバッチ中の導電用炭素系フィラーの量が、使用するすべての導電用炭素系フィラーの50重量%以上である、請求項に1〜15のいずれか1項に記載の製造方法。
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