JPH0525383A - 熱可塑性樹脂組成物の製造法 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物の製造法

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JPH0525383A
JPH0525383A JP18078991A JP18078991A JPH0525383A JP H0525383 A JPH0525383 A JP H0525383A JP 18078991 A JP18078991 A JP 18078991A JP 18078991 A JP18078991 A JP 18078991A JP H0525383 A JPH0525383 A JP H0525383A
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Japan
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acid
group
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polyphenylene ether
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JP18078991A
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Inventor
Kenji Nagaoka
健二 長岡
Kaoru Kitadono
馨 北殿
Takashi Sanada
隆 真田
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐衝撃性に優れたポリフェニレンエーテルお
よびポリアミドからなる熱可塑性樹脂組成物の製造法を
提供する。 【構成】 ポリフェニレンエーテルおよびポリアミドか
らなる熱可塑性樹脂組成物を押出機中で連続的に製造す
る製造法において、 1)押出機の第1の帯域で240〜350℃の温度で、
A−1相溶化に有効量の少なくとも一種の相容化剤、お
よびA−2ポリフェニレンエーテルを0.1〜15分間
混練し、変性ポリフェニレンエーテル組成物を得、引続
き、 2)押出機の第2の帯域で120〜240℃の温度で、
B−1連続相を形成するために必要な量のポリアミドを
添加し、溶融混練を行なうことを特徴とする熱可塑性樹
脂組成物の製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリフェニレンエーテ
ル(PPE)およびポリアミドからなる熱可塑性樹脂組
成物を押出機中で連続的に製造する製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリフェニレンエーテルおよびポリアミ
ドからなる熱可塑性樹脂組成物は、例えば米国特許第3
379792号明細書、英国特許第2054623号明
細書および欧州特許出願公開第24120号明細書の記
載から公知である。該成形材料を製造するためには、P
PEおよびポリアミドを同時に押出機中に配合し、かつ
溶融状態で混合する方法が一般的である。しかし、単純
にPPEとポリアミドを混合しただけでは得られた成形
体の機械的性質は不満足なものである。例えば米国特許
第4338421号明細書の場合、PPEおよびポリア
ミドは200〜330℃の温度で1〜10分間相互に混
合される。この方法により得られた成形材料は満足な機
械的性質等を有しない。また、米国特許第473293
8号や米国特許第4943399号明細書では、押出機
の第1の帯域において、PPEと相容化剤を、さらに第
2の帯域においてポリアミドとの混練を行うことが記載
されている。このとき第2の帯域についてはポリアミド
を十分に溶融させるため250℃以上の設定温度として
いる。しかしなから、ポリアミドは一度溶融するとポリ
フェニレンエーテルと比較すると著しく粘度が低下する
ため、このような高い温度で混練した場合には分散状態
が不良となり、劣化を起こし易いという問題が生じる
等、かかる成形材料については、未だ十分満足する製造
方法が見いだされていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の課題
は、溶融粘度の低いポリアミドがマトリックス相を形成
する際に、高温によって劣化が生じにくい、PPEおよ
びポリアミドからなる熱可塑性樹脂組成物の製造法を提
供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポリフェニレ
ンエーテルおよびポリアミドからなる熱可塑性樹脂組成
物を押出機中で連続的に製造する製造法において、 1)第1の帯域で240℃〜350℃の温度でA−1相
溶化に有効量の少なくとも一種の相容化剤、およびA−
2ポリフェニレンエーテルを0.1〜15分間混練し、
変性ポリフェニレンエーテル組成物Xを得、引続き、 2)押出機の第2の帯域で120℃〜240℃の温度で
B−1連続相を形成するために必要な量のポリアミドを
添加し溶融混練を行なうことを特徴とする熱可塑性樹脂
組成物の製造法に関するものである。
【0005】この方法は特に一軸または二軸スクリュー
押出機を用いて実施することができる。これらの押出機
は特に温度調節可能なジャケットを有する個々のブロッ
クから構成されている。スクリューの形状は限定される
ものではなく、搬送部材(押し縁を有するかまたは押し
縁なし)、混練部材および/または混合部材が存在して
いてもよい。さらに、混練機中で、滞留時間及び混練特
性を制御するために部分的にせき止め部材や返送部材を
用いることは可能であり、かつ好ましい。また平行する
2軸のスクリューを有する押出機は、自己清浄性および
滞留時間分布のより好ましい状態を実現する上で有利に
使用される。押出機は少なくとも2つの帯域に区分さ
れ、場合によってはより多くの帯域に区分されている。
【0006】本発明による製造法によれば押出機の第1
の滞域中で 1)A−1相溶化に有効量の少なくとも一種の相容化
剤、およびA−2ポリフェニレンエーテルを240〜3
50℃、好ましくは260℃〜300℃の温度、0.1
〜15分間、好ましくは0.1〜10分間、さらに好ま
しくは0.4〜3分間の反応時間(押出機中での平均滞
留時間)で反応させることにより、変性ポリフェニレン
エーテル組成物(X)を得る。変性ポリフェニレンエー
テル組成物Xを得る押出機の第1の帯域は、好ましくは
3.5〜30D(Dはスクリュー直径を示す)、さらに
好ましくは9D〜24Dの長さを有する。第1の帯域の
供給口側のスクリューには有利に搬送部材が取り付けら
れており、さらにそれに続く帯域のスクリューには、混
練部材が存在していてもよい。第1の帯域の終端部に
は、特に有利に少なくとも1つの返送部材が存在し、こ
の返送部材は第1の帯域中での滞留時間に影響を及ぼす
ことができる。この場合得られたXは相容化剤との反応
生成物である。
【0007】本発明で使用されるA−2ポリフェニレン
エーテルは一般式化1(式中、R1 、R2 、R3 、R4
およびR5 は水素原子、ハロゲン原子、炭化水素もしく
は置換炭化水素基であり、同一であっても異なっていて
もよいが少なくとも1つは水素原子である。)で示され
るフェノール化合物の1種又は2種以上を酸化カップリ
ング触媒の存在下に、酸素又は酸素含有ガスで酸化重合
せしめて得られる重合体である。
【0008】
【化1】
【0009】上記一般式化1におけるR1 、R2
3 、R4 及びR5 の具体例としては、水素原子、塩
素、臭素、フッ素、ヨウ素等のハロゲン原子、又は炭素
数1〜18の炭化水素もしくは置換炭化水素基であり、
例えばメチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピ
ル、pri−、sec−又はt−ブチル、クロロエチ
ル、ヒドロキシエチル、フェニルエチル、ヒドロキシメ
チル、カルボキシエチル、メトキシカルボニルエチル、
シアノエチル等のアルキル基又は置換アルキル基、フェ
ニル、クロロフェニル、メチルフェニル、ジメチルフェ
ニル、エチルフェニル等のアリール基又は置換アリール
基、ベンジル基及びアリル基等が挙げられる。
【0010】上記一般式化1で表されるフェノール化合
物の具体例としては、フェノール、o−、m−、又はp
−クレゾール、2,6−、2,5−、2,4−、又は
3,5−ジメチルフェノール、2−メチル−6−フェニ
ルフェノール、2,6−ジフェニルフェノール、2,6
−ジエチルフェノール、2−メチル−6−エチルフェノ
ール、2,3,5−、2,3,6−又は2,4,6−ト
リメチルフェノール、3−メチル−6−t−ブチルフェ
ノール、チモール、2−メチル−6−アリルフェノール
等が挙げられる。更に、上記一般式以外のフェノール化
合物、例えば、ビスフェノール−A、テトラブロモビス
フェノールA、レゾルシン、ハイドロキノン、ノボラッ
ク樹脂のような多価ヒドロキシ芳香族化合物と、上記一
般式化1の化合物との共重合体でもよい。
【0011】これらの化合物の中で好ましいものとして
は、2,6−ジメチルフェノール又は2,6−ジフェニ
ルフェノールの単独重合体、及び大量部の2,6−ジメ
チルフェノールと少量部の3−メチル−6−t−ブチル
フェノール又は2,3,6−トリメチルフェノールとの
共重合体等が挙げられる。
【0012】フェノール化合物を酸化重合せしめる際に
用いられる酸化カップリング触媒は、特に限定されるも
のではなく、重合能力を有するいかなる触媒でも使用し
得る。例えば、その代表的なものとしては塩化第1銅−
トリエチルアミン、塩化第1銅−ピリジン等の第1銅塩
と第3級アミン類よりなる触媒、塩化第2銅−ピリジン
−水酸化カリウム等の第2銅塩−アミン−アルカリ金属
水酸化物よりなる触媒、塩化マンガン−エタノールアミ
ン、酢酸マンガン−エチレンジアミン等のマンガン塩類
と第1級アミン類よりなる触媒、塩化マンガン−ナトリ
ウムメチラート、塩化マンガン−ナトリウムフェノラー
ト等のマンガン塩類とアルコラートあるいはフェノラー
トからなる触媒、コバルト塩類と第3級アミン類との組
合せによりなる触媒等が挙げられる。
【0013】ポリフェニレンエーテルを得る酸化重合の
反応温度は、40℃より高い温度で行なう場合(高温重
合)と40℃以下で行なう場合(低温重合)とでは物性
等で違いがあることが知られているが、本発明において
は高温重合又は低温重合のどちらでも採用することがで
きる。
【0014】本発明でポリフェニレンエーテルとポリア
ミドの相溶化に用いられるA−1相容化剤は特に限定さ
れるものではないが、下記〜の群から選ばれる少な
くとも一種を相容化剤として好適に用いることができ
る。 液状ジエンポリマー。 エチレン性又はアセチレン性不飽和結合を持たない
エポキシ化合物。 同一分子内に(a)少なくとも一種の不飽和基すな
わち炭素−炭素二重結合または炭素−炭素三重結合と
(b)少なくとも一種の極性基を併せ持つ化合物。 酸化ポリオレフィンワックス。 キノン類。 同一分子内に(a)酸素の架橋を介して炭素原子に
結合された少なくとも1つのケイ素原子、及び(b)エ
チレン性炭素−炭素二重結合もしくは炭素−炭素三重結
合及び/又はアミノ基及びメルカプト基から選ばれる官
能基の両方を有し、前記官能基がケイ素原子に直接結合
されていないシラン化合物。 同一分子内に(a)−(OR)(ここでRは水素又
はアルキル、アリル、アシルまたはカルボニルジオキシ
基である。)および(b)カルボン酸、酸ハライド、酸
無水物、酸ハライド無水物、酸エステル、酸アミド、イ
ミド、アミノおよびこれらの塩から選ばれた少なくとも
二つの同一又は相異なる官能基を併せ持つ化合物。 同一分子内に(a)酸ハライド基と、(b)少なく
とも一種のカルボン酸、カルボン酸無水物、酸エステル
又は酸アミド基を併せ持つ化合物等が挙げられる。ま
た、 〜および〜の群の中から選ばれた少なくと
も一種の相容化剤をポリフェニレンエーテルに予め反応
させて得られる官能化されたポリフェニレンエーテル、
および〜群から選ばれた少なくとも一種の相容化剤
とポリフェニレンエーテルとポリアミドの少量を溶融混
練して得られた組成物等もまた、相容化剤として用いる
ことも本発明の一態様に含まれる。
【0015】本発明に用いられるグループの相容化剤
は、例えば共役のジエンのホモポリマー、および一つの
共役ジエン、他の共役ジエン又はビニルモノマー、即ち
スチレン、エチレン、プロピレン等との共重合体であ
り、数平均分子量が150乃至10000、好ましくは
150乃至5000であるものであり、例えばポリブタ
ジエン、ポリイソプレン、ポリ(ブチレン/イソプレ
ン)、ポリ(スチレン/ブタジエン)等が挙げれる。
【0016】本発明に用いられるグループの相容化剤
は (1)ポリヒドリックフェノール(例えばビスフェノー
ルA、テトラブロモビスフェノールA、レゾルシン等)
とエピクロルヒドリンの縮合体、および (2)ポリヒドリックアルコール(例えばエチレングリ
コール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコー
ル等)とエピクロルヒドリンの縮合体等が挙げられる。
【0017】本発明に用いられるグループの相容化剤
は、不飽和基すなわち炭素−炭素二重結合または炭素−
炭素三重結合と、極性基すなわちポリアミド樹脂中に含
まれるアミド結合、連鎖末端に存在するカルボキシル
基、アミノ基と親和性や、化学反応性を示す官能基を同
一分子内に併せ持つ化合物である。かかる官能基として
は、カルボン酸基、カルボン酸より誘導される基すなわ
ちカルボキシル基の水素原子あるいは水酸基が置換した
各種の塩やエステル、酸アミド、酸無水物、イミド、酸
アジド、酸ハロゲン化物、あるいはオキサゾリン、ニト
リル等の官能基、エポキシ基、アミノ基、水酸基、又
は、イソシアン酸エステル基等が挙げられ、不飽和基と
極性基を併せ持つ化合物すなわち、不飽和カルボン酸、
不飽和カルボン酸誘導体、不飽和エポキシ化合物、不飽
和アルコール、不飽和アミン、不飽和イソシアン酸エス
テルが用いられる。
【0018】具体的には、無水マレイン酸、マレイン
酸、フマール酸、マレイミド、マレイン酸ヒドラジド、
無水メチルナジック酸、無水ジクロロマレイン酸、マレ
イン酸アミド、イタコン酸、無水イタコン酸、大豆油、
キリ油、ヒマシ油、アマニ油、麻実油、綿実油、ゴマ
油、菜種油、落花生油、椿油、オリーブ油、ヤシ油、イ
ワシ油、などの天然油脂類、エポキシ化大豆油などのエ
ポキシ化天然油脂類、アクリル酸、ブテン酸、クロトン
酸、ビニル酢酸、メタクリル酸、ペンテン酸、アンゲリ
カ酸、チグリン酸、2−ペンテン酸、3−ペンテン酸、
α−エチルアクリル酸、β−メチルクロトン酸、4−ペ
ンテン酸、2−ヘキセン酸、2−メチル−2−ペンテン
酸、3−メチル−2−ペンテン酸、α−エチルクロトン
酸、2・2−ジメチル−3−ブテン酸、2−ヘプテン
酸、2−オクテン酸、4−デセン酸、9−ウンデセン
酸、10−ウンデセン酸、4−ドデセン酸、5−ドデセ
ン酸、4−テトラデセン酸、9−テトラデセン酸、9−
ヘキサデセン酸、2−オクタデセン酸、9−オクタデセ
ン酸、アイコセン酸、ドコセン酸、エルカ酸、テトラコ
セン酸、マイコリペン酸、2・4−ペンタジエン酸、2
・4−ヘキサジエン酸、ジアリル酢酸、ゲラニウム酸、
2・4−デカジエン酸、2・4−ドデカジエン酸、9・
12−ヘキサデカジエン酸、9・12−オクタデカジエ
ン酸、ヘキサデカトリエン酸、リノール酸、リノレン
酸、オクタデカトリエン酸、アイコサジエン酸、アイコ
サトリエン酸、アイコサテトラエン酸、リシノール酸、
エレオステアリン酸、オレイン酸、アイコサペンタエン
酸、エルシン酸、ドコサジエン酸、ドコサトリエン酸、
ドコサテトラエン酸、ドコサペンタエン酸、テトラコセ
ン酸、ヘキサコセン酸、ヘキサコジエン酸、オクタコセ
ン酸、トラアコンテン酸などの不飽和カルボン酸、ある
いはこれら不飽和カルボン酸のエステル、酸アミド、無
水物、あるいはアリルアルコール、クロチルアルコー
ル、メチルビニルカルビノール、アリルカルビノール、
メチルプロペニルカルビノール、4−ペンテン−1−オ
ール、10−ウンデセン−1−オール、プロパルギルア
ルコール、1・4−ペンタジエン−3−オール、1・4
−ヘキサジエン−3−オール、3・5−ヘキサジエン−
2−オール、2・4−ヘキサジエン−1−オール、一般
式Cn 2n-5OH、Cn 2n-7OH、Cn 2n-9OH
(但し、nは正の整数)で示されるアルコール、3−ブ
テン−1・2−ジオール、2・5−ジメチル−3−ヘキ
セン−2・5−ジオール、1・5−ヘキサジエン−3・
4−ジオール、2・6−オクタジエン−4・5−ジオー
ルなどの不飽和アルコール、あるいはこのような不飽和
アルコールのOH基が、−NH2 基に置き換った不飽和
アミン、あるいはグリシジル(メタ)アクリレート、ア
リルグリシジルエーテルなどが挙げられる。
【0019】また、ブタジエン、イソプレンなどの低重
合(たとえば平均分子量が500から10000ぐらい
のもの)あるいは高分子量体(たとえば平均分子量が1
0000以上のもの)に無水マレイン酸、フェノール類
を付加したもの、あるいはアミノ基、カルボン酸基、水
酸基、エポキシ基などを導入したもの、イソシアン酸ア
リルなどが挙げられる。
【0020】さらには、無水マレイン酸とジアミンとの
反応物等例えば、一般式化2(但しRは脂肪族、芳香族
基を示す。)などで示される構造を有するもの等を挙げ
ることができる。
【0021】
【化2】
【0022】本発明における同一分子内に不飽和基と極
性基を併せ持つ化合物の定義には、不飽和基を2個以
上、極性基を2個以上(同種又は異種)含んだ化合物も
含まれることは、いうまでもなく、又、2種以上の特定
化合物を使うことも可能である。これらの内で、好まし
くは無水マレイン酸、マレイン酸、フマール酸、無水イ
タコン酸、イタコン酸、グリシジル(メタ)アクリレー
トがより好ましくは無水マレイン酸、フマール酸が用い
られる。
【0023】本発明に用いられるグループの相容化剤
は通常空気中または懸濁液中におけるポリオレフィンワ
ックスの酸化によって調製されるものであり、ポリエチ
レンワックス等が好適である。
【0024】本発明におけるグループの相容化剤はキ
ノン構造を有する化合物であり、具体例として1,2お
よび1,4ベンゾキノン、2,6−ジフェニルキノン、
2−クロロ−1,4ベンゾキノン等が使用できる。
【0025】本発明に用いられるグループの相容化剤
は分子構造中に、(a)酸素の架橋を介して炭素原子に
結合された少なくとも1つのケイ素原子、及び(b)少
なくともエチレン性炭素−炭素二重結合もしくは炭素−
炭素三重結合及び/又はアミノ基及びメルカプト基から
選ばれる官能基の両方を有し、前記官能基がケイ素原子
に直接結合されていないシラン化合物であり、具体例と
しては、ガンマアミノプロピルトリエトキシシラン、2
−(3−シクロヘキシル)エチルトリメキシシラン等が
使用できる。
【0026】本発明に用いられるグループの相容化剤
はアリファティックポリカルボン酸、酸エステル又は酸
アミドであり、一般式 (RI O)m R(COORIIn (CONRIII IV) l ここでRは線状又は分岐状飽和アリファティック炭化水
素であって2〜20個、好ましくは2〜10の炭素原子
を有するものであり、RI は水素又はアルキル、アリ
ル、アシル又はカルボニルジオキシ基であって1〜1
0、好ましくは1〜6、より好ましくは1〜4個の炭素
原子を有するものであり、最も好ましくは水素である。
IIは水素、アルキル又はアリル基であって1〜20
の、好ましくは1〜10個の炭素原子を有するものであ
り、RIII とRIVはそれぞれ独立に水素、アルキル又は
アリル基であって1〜10、好ましくは1〜6、最も好
ましくは1〜4個の炭素原子を有するものであり、mは
1であり、(n+l)は2又は2より大であり、好まし
くは2又は3であり、nとlはそれぞれ0又は0より大
であり、そして(ORI )は、カルボニルグループに対
し、α又はβ位にあり、かつ少なくとも二つのカルボニ
ル基が2個ないし6個の炭素原子でへだてられているも
のである。尚RI 、RII、RIII 、RIVの炭素数が6個
より少ない場合は、アリル基でないことは明白である。
【0027】これらのポリカルボン酸の具体例としてリ
ンゴ酸、マリック酸、アガリシック酸等が挙げられる。
又はこれらのポリカルボン酸の無水物、水和物も使用で
きる。酸エステルの具体例としてアセチルシトレート、
モノ又はジステアリルシトレート等があげられる。酸ア
ミドの具体例としてN,N’ジエチルシトリック酸アミ
ド、N−ドデシルシトリック酸アミド等があげられる。
又上記ポリカルボン酸の誘導体特に好ましくは塩類も好
適に用いることができる。
【0028】本発明に用いられるグループの相容化剤
は同一分子内に少なくとも一個の酸ハライド基、最も好
ましくは酸クロライド基および少なくとも一つのカルボ
ン酸基、カルボン酸無水物、酸エステル基又は酸アミド
基を好ましくはカルボン酸基又は酸無水物をもつ化合物
である。これらの化合物の具体例としてトリメリット酸
クロリド、無水トリメリット酸クロリド等があげられ
る。
【0029】(iv)相容化剤は、相溶化に有効な量の
相容化剤があれば本発明の目的は達せられるが、好まし
くは、(ii)及び(iii)100重量部に対して
0.01〜20重量部である。0.01重量部未満なら
効果は少なく、20重量部を越えても効果はかわらな
い。
【0030】第1の帯域において、成分A−3として、
20重量%までのラジカル開始剤を使用することができ
る。成分A−3の含量は、一般にA−1、A−2の合計
量よりも少ない。特に、この場合には、有機過酸化物ま
たはアゾ化合物が重要である。A−3として特に好まし
いのは、200℃で1〜30秒間の範囲内の半減期を有
する有機過酸化物である。これらのラジカル重合開始剤
の使用にあたっての選択は、反応温度によって左右され
る。
【0031】ラジカル開始剤としては、例えば次のもの
が挙げられる:ジ−(2,4−ジクロルベンゾイル)ペ
ルオキシド、t−ブチルペルオキシド、ジ−(3,5,
5−トリメチルヘキサノール)ペルオキシド、ジ−ラウ
ロイルペルオキシド、ジ−デカノイルペルオキシド、ジ
−プロピオニルペルオキシド、ジ−ベンゾイルペルオキ
シド、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキソエー
ト、t−ブチルペルオキシジエチルアセテート、t−ブ
チルペルオキシイソブチレート、1,1−ジ−t−ブチ
ルペルオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサ
ン、t−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、
t−ブチルペルオキシ−3,3,5−トリメチルヘキソ
エート、t−ブチルペルアセテート、t−ブチルペルベ
ンゾエート、4,4−ジ−t−ブチルペルオキシ吉草酸
−ブチルエステル、2,2−ジ−t−ブチルペルオキシ
ブタン、ジ−クミルペルオキシド、t−ブチルクミルペ
ルオキシド、1,3−ジ(t−ブチルペルオキシイソプ
ロピル)ベンゾール、ジ−t−ブチルペルオキシド、ジ
−イソプロピルベンゾールモノヒドロペルオキシド、ク
モールヒドロペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキ
シド、2,2−アゾ−ジ(2,4−ジメチルバレロニト
リル)、アゾ−ビス−イソブチロニトリル、α、α’−
ビス(t−ブチルペルオキシ)P−ジイソプロピルベン
ゼンなどが挙げられる。子の中で特にジクミルペルオキ
シド、α、α’−ビス(t−ブチルペルオキシ)P−ジ
イソプロピルベンゼンが有利である。
【0032】さらに、本発明においては、ラジカル開始
剤を大量に用いることなしに混練を行ったほうが有利で
あり、特に有利なラジカル開始剤の添加量はA−2ポリ
フェニレンエーテルに対して、0.001重量%以上、
0.1重量%未満である。
【0033】第1の帯域で得られた変性ポリフェニレン
エーテル組成物(X)は、2)引き続き、押出機の第2
の帯域で、B−1連続相を形成するために必要な量のポ
リアミドを通常、押出機の第2の帯域の開始部に位置す
る開口部より供給するが、必要に応じていくつかの供給
口に分けたり、側方押出機を用いて供給してもよい。こ
のとき第2の帯域では120℃〜240℃の温度で溶融
混練される。
【0034】本発明における製造法が目的とする組成物
は、ポリアミドが連続相を形成しており、十分な混練に
よる分散を達成するには、ポリアミドの粘度が低くなり
すぎないように低い温度に設定する必要がある。それ
故、第2の帯域が240℃を越えた温度では、連続相と
なるポリアミド中のポリフェニレンエーテルや耐衝撃性
を改良するゴムの分散が不良となったり、各成分の熱劣
化を生じて好ましくない。好ましくは180℃〜230
℃である。この帯域中での平均滞留時間は、一般に0.
1〜10分間、好ましくは0.5〜5分間である。
【0035】成分B−1としてのポリアミドとは、結晶
性脂肪族ポリアミドおよび芳香族ポリアミド等より選ば
れる少なくとも一種のポリアミドである。本発明に用い
られる結晶性脂肪族ポリアミドとは、例えば以下に示す
ものをいう。等モル量の炭素原子4〜12個を含む飽和
脂肪族ジカルボン酸と炭素原子2〜12個を含む脂肪族
ジアミンとの結合により製造することができ、その際に
所望に応じてポリアミド中にてカルボキシル末端基より
アミン末端基を過剰に与えるようにジアミン等を用いる
ことができる。逆に、過剰の酸性基を与えるように二塩
基性酸を用いることもできる。同様に、これらのポリア
ミドを該酸及びアミンの酸生成及びアミン生成誘導体、
例えばエステル、酸塩化物、アミン塩などからも良好に
製造することができる。このポリアミドを製造するため
に用いる代表的な脂肪族ジカルボン酸にはアジピン酸、
ピメリン酸、アゼライン酸、スベリン酸、セバシン酸及
びドデカンジオン酸が含まれ、一方代表的な脂肪族ジア
ミンにはヘキサメチレンジアミン及びオクタメチレンジ
アミンが含まれる。加えて、これらのポリアミドはラク
タムの自己縮合により製造することができる。ポリアミ
ドの例には、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン
66)、ポリヘキサメチレンアゼラミド(ナイロン6
9)、ポリヘキサメチレンセバサミド(ナイロン61
0)、及びポリヘキサメチレンドデカノアミド(ナイロ
ン612)、ポリ−ビス−(p−アミノシクロヘキシ
ル)メタンドデカノアミド、ポリテトラメチレンアジパ
ミド(ナイロン46)またはラクタムの環開裂により生
じるポリアミド;即ちポリカプロラクタム(ナイロン
6)、及びポリラウリルラクタムが含まれる。
【0036】また上記の重合体を製造する際に使用され
る少なくとも2種のアミンまたは酸の重合により製造さ
れるポリアミド、例えばアジピン酸、セバシン酸、及び
ヘキサメチレンジアミンから製造される重合体を用いる
ことができる。ナイロン66及びナイロン6の配合物の
如きポリアミドの配合物にはナイロン66/6の如き共
重合体が含まれる。
【0037】これらの結晶性ポリアミドにあって好まし
くはナイロン46、ナイロン6、ナイロン66、ナイロ
ン11、ナイロン12等が用いられる。より好ましく
は、ナイロン6、ナイロン66あるいはナイロン6とナ
イロン66との任意の比率の混合物が用いられる。また
これらポリアミドの末端官能基はアミン末端の多いも
の、カルボキシ末端の多いもの、両者がバランスしたも
の、あるいはこれらの任意の比率の混合物が好適に用い
られる。
【0038】本発明に用いられる芳香族ポリアミドと
は、例えばポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ナイ
ロン6I)の如き芳香族成分を含有するコポリアミドで
ある。かかる芳香族成分を含有する熱可塑性コポリアミ
ドは芳香族アミノ酸および/又は芳香族ジカルボン酸た
とえば、パラアミノメチル安息香酸、パラアミノエチル
安息香酸、テレフタル酸、イソフタル酸などを主要構成
成分とする溶融重合が可能なポリアミドを意味する。
【0039】ポリアミドの他の構成成分となるジアミン
はヘキサメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミ
ン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−/2,4,
4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、メタキシリレ
ンジアミン、パラキシリレンジアミン、ビス(p−アミ
ノシクロヘキシル)メタン、ビス(p−アミノシクロヘ
キシル)プロパン、ビス(3−メチル、4−アミノシク
ロヘキシル)メタン、1,3−ビス(アミノメチル)シ
クロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘ
キサンなどを使用することができる。またジアミンの代
わりにイソシアネート類を用いる事が出来る。例えば
4,4’ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレン
ジイソシアネート等である。必要に応じて用いられる共
重合成分は特に限定なく、ラクタムもしくは炭素原子4
〜12個のω−アミノ酸の単位、または炭素原子4〜1
2個の脂肪族ジカルボン酸、及び炭素原子2〜12個の
脂肪族ジアミンから誘導される化合物、例えば、ε−カ
プロラクタム、ω−ラウロラクタム、11−アミノウン
デカン酸、12−アミノドデカン酸などのラクタム、ま
たはアミノ酸、前記した各種ジアミンとアジピン酸、ア
ゼライン酸、セバシン酸との等モル塩などが利用でき
る。
【0040】これらの成分からなる熱可塑性芳香族コポ
リアミドの代表例をあげるとパラアミノメチル安息香酸
とε−カプロラクタムとの共重合ポリアミド(ナイロン
AMBA/6)、2,2,4−/2,4,4−トリメチ
ルヘキサメチレンジアミン・テレフタル酸塩を主成分と
するポリアミド(ナイロンTMDT、TMDT/6
I)、ヘキサメチレンジアミン、イソフタル酸塩および
/またはヘキサメチレンジアミン・テレフタル酸塩を主
成分とし、ビス(パラアミノシクロヘキシル)メタン・
イソフタル酸塩及び/またはテレフタル酸塩あるいはビ
ス(3−メチル、4−アミノシクロヘキシル)メタン・
イソフタル酸塩および/またはテレフタル酸塩あるいは
ビス(パラアミノシクロヘキシル)プロパンイソフタル
酸塩および/又はビス(パラアミノシクロヘキヘシル)
プロパンテレフタル酸塩を共重合成分とするポリアミド
(ナイロン6I/PACM I、ナイロン6I/DMP
ACMI、ナイロン6I/PACP I、ナイロン6I
/6T/PACM I/PACM T、ナイロン6I/
6T/DMPACM I/DMPACM T、ナイロン
6I/6T/PACP I/PACP T)、ヘキサメ
チレンジアミン・イソフタル酸塩あるいはヘキサメチレ
ンジアミン・テレフタル酸塩を主成分とし、ε−カプロ
ラクタム、12−アミノドデカン酸、ヘキサメチレンジ
アミン・アジピン酸塩、ビス(パラアミノシクロヘキシ
ル)メタン・アジピン酸塩、ビス(3−メチル、4−ア
ミノシクロヘキシル)メタン・アジピン酸塩などを共重
合成分とするポリアミド(ナイロン6I、6I/6T、
6I/12、6T/6、6T/66、6I/PACM
6、6I/DMPACM 6)、ビス(パラアミノシク
ロヘキシル)メタン・イソフタル酸塩またはビス(3−
メチル、4−アミノシクロヘキシル)メタン、イソフタ
ル酸塩を主成分としヘキサメチレンジアミン・ドデカン
2酸塩、12−アミノドデカン酸などを共重合成分とす
るポリアミド(ナイロンPACM I/612、ナイロ
ンDMPACM I/12)などである。
【0041】また第2の帯域においては、さらに成分B
−2として、変性されていないポリフェニレンエーテル
を加えてもよい。しかし、B−1が、A−1、A−2、
B−1の総和に対して60重量%を越えると、連続相を
形成するポリアミド中への分散性が低下して好ましくな
い。
【0042】さらに、第1の帯域および第2の帯域のい
ずれかもしくは両方において、 C−1 アルケニル芳香族化合物のホモポリマー又はア
ルケニル芳香族化合物と不飽和化合物とのランダム共重
合体:0〜40重量% C−2 耐衝撃性改良のためのゴム:0〜40重量% C−3 添加剤および加工助剤:0〜60重量% (但し、C−1〜C−3の重量%の記載は成分A−1、
A−2、B−1、B−2、C−1〜C−3の全重量に対
するものである。)を添加することができる。
【0043】本発明に用いられるC−1アルケニル芳香
族化合物のホモポリマー又はアルケニル芳香族化合物と
不飽和化合物とのランダム共重合体とは、ポリスチレ
ン、ポリパラメチルスチレン、スチレン−α−メチルス
チレン共重合体、ポリビニルトルエン、スチレン−アル
キル(メタ)アクリレート共重合体、スチレン−グリシ
ジル(メタ)アクリレート共重合体等があげられる。C
−1の成分については40重量%を越えると連続相を形
成するポリアミド中の分散性が低下したり、著しい耐熱
性の低下を招き、好ましくない。
【0044】また、成分C−2における耐衝撃性改良の
ためのゴムとしては、ポリアミド、ポリフェニレンエー
テル、ポリスチレン、ポリオレフィン等の衝撃強度改良
剤として用いられる各種の有機高分子材料が単独あるい
は組合せて用いることができ、その多くは米国特許4,
315,086号、国際特許公開公報WO/85/05
372号、欧州特許公開公報EP0236593号等に
開示されている。例を挙げると、第1グループとしてス
チレンと共役ジエンのジブロック共重合体、トリブロッ
ク共重合体、ラジアルテレブロック共重合体あるいはこ
れらの部分水素化物が挙げられる。これらはそれぞれシ
ェル化学よりクレイトンD、クレイトンGの商品名で、
又、フィリップス石油化学よりソルプレレンの商品名で
上市されており容易に入手出来る。
【0045】第2グループは共役ジエンモノマーのホモ
又はランダム共重合体が挙げられる。これらにはポリイ
ソプレン、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重
合体、イソプレン−イソブチレン共重合体、ブタジエン
−アクリロニトリルランダム共重合体、ポリオクテニレ
ン等およびこれらのスチレンおよび/又は極性基を持つ
不飽和化合物、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、無
水マレイン酸、フマール酸あるいはこれらの誘導体、グ
リシジル(メタ)アクリレート、アクリルアミド、N−
メチロールアクリルアミド等によるグラフト共重合体も
好適に用いられる。
【0046】第3グループは非極性のオレフィン系重合
体であり、例えば、エチレン−プロピレンゴム(EP
M)、エチレン−プロピレン−非共役ジエンゴム(EP
DM)、エチレン−ブテンゴム、エチレン−ブテン−非
共役ジエンゴム、プロピレン−ブテンゴム、ポリイソブ
チレン、線状低密度ポリエチレン等およびこれらのスチ
レン、アクリロニトリルおよび/又は極性基を持つ不飽
和化合物、例えばアクリル酸、メタクリル酸、無水マレ
イン酸、フマール酸あるいはこれらの誘導体、グリシジ
ル(メタ)アクリレート、アクリルアミド、N−メチロ
ールアクリルアミド等によるグラフト共重合体も好適に
用いることができる。
【0047】第4のグループはエチレンと極性基を有す
る不飽和化合物の共重合体であり例えば、エチレン−ア
ルキル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−アル
キル(メタ)アクリレート−無水マレイン酸共重合体、
エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−グ
リシジル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−グ
リシジル(メタ)アクリレート−アルキル(メタ)アク
リレート共重合体、エチレン−グリシジル(メタ)アク
リレート−酢酸ビニル共重合体、あるいはこれらから誘
導されるアイオノマー等が挙げられる。又第1〜第4グ
ループに挙げられる衝撃強度改良剤の任意の組合せも用
いることができる。
【0048】このとき成分C−2については、成分A−
1、A−2及び成分B−1、B−2、C−1〜C−3の
総和に対し、40重量%まで加えることができる。好ま
しくは30重量%までである。また、このC−2の成分
については第1の帯域において配合することも可能であ
る。
【0049】本発明における熱可塑性成形材料は成分A
−1〜A−3及び成分B−2、C−1〜C−2とともに
常用の添加剤および加工助剤C−3を含有してもよい。
この添加剤の含量は、一般に各成分の全重量に対して6
0重量%以下、好ましくは40重量%以下である。
【0050】添加剤としては熱安定剤、および光安定
剤、滑剤および離型剤、可塑剤、着色剤、例えば染料お
よび顔料が常用の量で記載される。また、成分C−3に
ついても必要に応じ第1の帯域において配合することも
可能である。
【0051】本発明において、追加成分として無機フィ
ラーを用いることができる。無機フィラーとしては、タ
ルク、酸化チタン、クレイ、水酸化マグネシウム、チタ
ン酸カリウムウイスカーおよびガラス繊維から選ばれた
少なくとも一種の無機フィラーが好ましい。これらは組
合せて用いることができる。該無機フィラーの配合量
は、好ましくは成分A−1〜A−3及び成分B−1、B
−2、C−1〜C−3からなる総和100重量部に対し
て1〜70重量部である。
【0052】更に、成分B−1、B−2、C−1〜C−
3は、共に一つの帯域で配合することもでき、また、ま
ずB−1のみ、次に成分B−2、C−1〜C−3と、任
意の順序で1つもしくはそれ以上の帯域で供給装置によ
り押出機に供給することができる。全部の成分を添加
し、かつ押出機の任意の帯域中で混合した後、有利にそ
の後の他の帯域中で脱ガス化を実施することができる。
このような脱ガス化を行なう帯域を有する適当な装置の
実施態様は、公知である。この帯域は押出機の任意の箇
所に設けることができ、その長さは1〜7D(Dはシリ
ンダーの直径)であり、真空に引くことによってさらに
脱ガス化が促進される。
【0053】以上の本方法によって得られた混合物は押
出機より押出され、引続き公知の方法により成形加工さ
れる。
【0054】
【実施例】以下の実施例は本発明のいくつかの実施態様
を開示するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。また特定しない限り、全ての配合比は重量
%である。
【0055】実施例1〜5 表1〜表3に示す配合割合および方法にて次の様に実施
した。本発明を実施するために、3つの帯域を有する二
軸スクリュー押出機を使用した(東芝機械社製TEM−
50A)。スクリュー直径は50mm、L/D=40で
あった。個々の帯域の長さはスクリュー直径(D)の倍
数で記載する。押出機の第1の帯域は20Dの長さであ
り、かつ開始部で成分A−1〜A−3用の供給口を有し
た。供給口の下はスクリューが供給作用するように形成
され、この部分(3.3D)は20〜30℃に冷却され
た。直ぐ次の帯域部分(3.3D)は100℃に加熱し
た。第1の帯域の残部(13.4D)は、260℃の温
度を有した。第1の帯域の後半部分で混練部材をスクリ
ュー上に設けた。第1の帯域のスクリューの終端部では
返送部材が導入されている。押出機の第2の帯域は、1
3.3Dの長さであり、かつ開始部の上部に開口部を有
した。この開口部よりB−1、B−2、C−1〜C−3
の成分が供給可能である。第2の帯域を220℃に加熱
した。スクリューは混練部材を有していた。次いで押出
機の脱ガス化の帯域は6.7Dの長さであり、かつ開始
部で脱ガス化の開口部を有し、この開口部で20トル
(Torr)の真空に引いた。脱ガス化の帯域の後半の
部分で、生成物をオリフィスを介して搬出するために圧
力を加えた。生成物を水浴に通過させ、引続き造粒し、
かつ乾燥した。
【0056】詳細には、次の成分を使用した。 A−1−1:無水マレイン酸 A−1−2:フマル酸 A−1−3:クエン酸 A−2:ポリ−(2,6−ジメチル−1,4−フェニレ
ン)−エーテル(クロロホルム0.5g/dl濃度中で
の25℃測定の還元粘度は0.54dl/g) A−3:ジクミルパーオキサイド B−1−1:数平均分子量12000のポリアミド6
(ユニチカ製A1020BRL、−NH2 84mmol
/kg、−COOH84mmol/kg) B−1−2:数平均分子量17500のポリアミド6
(ユニチカ製A1030BRL、−NH2 60mmol
/kg、−COOH60mmol/kg) B−1−3:数平均分子量13000のポリアミド66
(宇部興産製2015B、−NH2 47mmol/k
g、−COOH86mmol/kg) C−1−1:ポリスチレン、エスブライト8K(日本ポ
リスチレン社製)MI3.0(200℃5kg荷重) C−1−2:耐衝撃性ポリスチレン、エスブライト50
0SX(日本ポリスチレン社製)MI3.0(200℃
5kg荷重) C−2−1:シェル社製カリフレックスTR1101 C−2−2:シェル社製クレイトンG1651 C−2−3:シェル社製クレイトンG1701 C−2−4:下記製造例Aによって製造された無水マレ
イン酸グラフトEPR 製造例A(無水マレイン酸変性スチレングラフトEPR
の製造) 住友化学社製EPR(エチレンプロピレン二元共重合
体、エスプレンE−120P)100重量部に対してス
チレンモノマー1.5重量部、無水マレイン酸1.5重
量部、ラジカル開始剤として日本油脂社製ジクミルパー
オキサイド(DCP)0.1重量部を予めヘンシェルミ
キサーで充分混合し、日本製鋼所社製2軸押出機(TE
X44)を用いて製造した。シリンダー温度は230℃
に設定し、スクリュー回転数は190rpmであった。
C−3−1:TiO2
【0057】得られた組成物から東芝機械製射出成形機
(IS220EN)を用いてテストピースを成形し、外
観及びアイゾット衝撃強度(JIS K7110厚さ
3.2mmノッチ付、23℃、単位kg/cm・cm)
の測定を行った。外観は、巾100mm、長さ400m
m、厚み3mmの平板を成形し、その表面状態を観察し
た。特にその表面の肌荒れ、ジェッテック等について着
目し、不良を×、やや不良を△、良好を○で表した。
【0058】比較例1 実施例1において各成分を第1の帯域より一括して投入
した以外は実施例1と同様に実施した。
【0059】比較例2 実施例2において第2の帯域の温度を280℃とした以
外は実施例2と同様に実施した。
【0060】比較例3 実施例3において第2の帯域の温度を300℃とした以
外は実施例3と同様に実施した。
【0061】比較例4 実施例4において各成分を一括して第1の帯域より投入
した以外は実施例4と同様に実施した。
【0062】比較例5 実施例5において第2の帯域の温度を280℃とした以
外は実施例5と同様に実施した。
【0063】比較例6 実施例1において第1の帯域の温度を220℃とした以
外は実施例1と同様に実施した。以上の結果について表
4〜表6にまとめて示した。
【0064】
【表1】
【0065】
【表2】
【0066】
【表3】
【0067】
【表4】
【0068】
【表5】
【0069】
【表6】
【0070】
【発明の効果】本発明によって得られた生成物は、熱劣
化が極めて少なく、かつポリアミドの連続相中に細かく
PPEのドメインが分散するため顕著に高い靭性を示
す。本発明の利点は、1つの作業過程でPPEの変性お
よび他の成分との混合が可能となり、かつ、従来の方法
と比較して、その過程における熱劣化が抑えられる、も
しくは、分散性が顕著に向上せしめることができること
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 77/00 LQV 9286−4J

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリフェニレンエーテルおよびポリアミド
    からなる熱可塑性樹脂組成物を押出機中で連続的に製造
    する製造法において、 1)押出機の第1の帯域で240〜350℃の温度で、
    A−1相溶化に有効量の少なくとも一種の相容化剤、お
    よびA−2ポリフェニレンエーテルを0.1〜15分間
    混練し、変性ポリフェニレンエーテル組成物(X)を
    得、引続き、 2)押出機の第2の帯域で120〜240℃の温度で、
    B−1連続相を形成するために必要な量のポリアミドを
    添加し、溶融混練を行なうことを特徴とする熱可塑性樹
    脂組成物の製造法。
  2. 【請求項2】1)第1の帯域において、さらに A−3ラジカル開始剤0.001〜20重量%(A−2
    およびA−3の全重量に対する。)を添加することを特
    徴とする請求項1記載の製造法。
  3. 【請求項3】1)第1の帯域および/または2)第2の
    帯域において、 C−1アルケニル芳香族化合物のホモポリマーもしくは
    アルケニル芳香族化合物と不飽和化合物とのランダム共
    重合体:0〜40重量%、C−2耐衝撃性改良のための
    ゴム:0〜40重量%、およびC−3添加剤および/ま
    たは加工助剤:0〜60重量%(但し、C−1〜C−3
    の重量%の記載は成分A−1、A−2、B−1、B−
    2、C−1〜C−3の全重量に対するものである。)を
    添加することを特徴とする請求項1記載の製造法。
  4. 【請求項4】2)第2の帯域において、さらに B−2変されていないポリフェニレンエーテル0.1〜
    60重量%(A−2、B−1、B−2、C−1およびC
    −2の全樹脂・ゴム量に対する。)を添加することを特
    徴とする請求項1、2または3記載の製造法。
  5. 【請求項5】A−1相容化剤が下記〜の群から選ば
    れる少なくとも一種である請求項1記載の製造法。 液状ジエンポリマー。 エチレン性又はアセチレン性不飽和結合を持たない
    エポキシ化合物。 同一分子内に(a)少なくとも一種の不飽和基すな
    わち炭素−炭素二重結合または炭素−炭素三重結合と
    (b)少なくとも一種の極性基を併せ持つ化合物。 酸化ポリオレフィンワックス。 キノン類。 同一分子内に(a)酸素の架橋を介して炭素原子に
    結合された少なくとも1つのケイ素原子、及び(b)エ
    チレン性炭素−炭素二重結合もしくは炭素−炭素三重結
    合及び/又はアミノ基及びメルカプト基から選ばれる官
    能基の両方を有し、前記官能基がケイ素原子に直接結合
    されていないシラン化合物。 同一分子内に(a)−(OR)(ここでRは水素又
    はアルキル、アリル、アシルまたはカルボニルジオキシ
    基である。)および(b)カルボン酸、酸ハライド、酸
    無水物、酸ハライド無水物、酸エステル、酸アミド、イ
    ミド、アミノおよびこれらの塩から選ばれた少なくとも
    二つの同一又は相異なる官能基を併せ持つ化合物。 同一分子内に(a)酸ハライド基と、(b)少なく
    とも一種のカルボン酸、カルボン酸無水物、酸エステル
    又は酸アミド基を併せ持つ化合物。 〜および〜の群の中から選ばれた少なくと
    も一種の相容化剤で官能化されたポリフェニレンエーテ
    ル、および〜群の中から選ばれた少なくとも一種の
    相容化剤とポリフェニレンエーテルと少量部のポリアミ
    ドを溶融混練して得られた組成物。
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