JPH107900A - ポリエーテルイミド系樹脂組成物およびその製造法 - Google Patents

ポリエーテルイミド系樹脂組成物およびその製造法

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JPH107900A
JPH107900A JP18424696A JP18424696A JPH107900A JP H107900 A JPH107900 A JP H107900A JP 18424696 A JP18424696 A JP 18424696A JP 18424696 A JP18424696 A JP 18424696A JP H107900 A JPH107900 A JP H107900A
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resin
acid
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Application number
JP18424696A
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English (en)
Inventor
Takayuki Takatani
卓征 高谷
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SABIC Innovative Plastics Japan KK
Original Assignee
GE Plastics Japan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリエーテルイミド(PEI)樹脂とポリフ
ェニレンエーテル(PPE)系樹脂との相溶性を改良
し、PEI樹脂が本来有する良好な機械的特性、耐熱
性、耐薬品性を保持した組成物およびその製造法を提供
する。 【解決手段】 (A) PPE樹脂1〜99重量部、ならびに
(A') (B) PPE系樹脂および(C)ポリアミド(PA)系樹脂を
含む成分99〜1重量部を含む樹脂組成物であって、成分
(A') が、 (B) PPE系樹脂またはこれと芳香族ビニル系
樹脂1〜70重量部および (C)PA系樹脂30〜99重量部、な
らびに(B)+(C)=100 重量部に対して、 (D) PPE系樹脂と
PA系樹脂との相溶化剤0〜10重量部および (E)ゴム成分
0〜80重量部から成る。前記樹脂組成物の製造方法:
(1) (B)+(D)+(E)を溶融混練し、次に(C) を加えて溶融
混練し、次いで (A)を加えて溶融混練する、(2) (B)+
(C)+(D)+(E) を溶融混練し、次に (A)を加えて溶融混練
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエーテルイミ
ド樹脂とポリフェニレンエーテル(以下、PPEと略す
ことがある)系樹脂を含む樹脂組成物およびその製造法
に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】従来、性質の異なる熱
可塑性樹脂をブレンドすることにより、それぞれの熱可
塑性樹脂がもつ欠点を解決しようとする試みが多くなさ
れている。しかしながら、異種ポリマーは通常相溶性が
乏しいために均一に混合せず、成形時に層状剥離を起こ
し、得られる組成物は脆く、機械的強度、衝撃強度が低
下するという欠点がある。
【0003】ポリエーテルイミド系樹脂は、耐熱性、難
燃性、剛性、耐薬品性等に優れたエンジニアリングプラ
スチックとして電気部品や自動車部品などの用途におい
て注目されている。しかし、ポリエーテルイミド系樹脂
は高価であるので、経済性の点で劣り、ポリエーテルイ
ミド系樹脂の優れた上記の特性を維持したまま、そのコ
ストを下げることが各種の用途分野で強く要望されてい
る。
【0004】一方、PPE系樹脂は、機械的特性に優
れ、エンジニアリングプラスチックとして多用され、比
較的安価になっている。
【0005】そこで、両樹脂を混合して樹脂組成物を作
ることが考えられるが、両樹脂は相溶性が悪いので、相
分離、層状剥離を起こし、機械的強度、衝撃強度が低下
するという問題がある。
【0006】ポリエーテルイミド樹脂とPPE系樹脂の
相溶性の改善のために、種々の試みがなされており、例
えばポリエーテルイミド樹脂とエポキシ変性されたポリ
フェニレンエーテル樹脂との組成物(特開平6-200146号
公報)、ポリエーテルイミド樹脂とポリフェニレンエー
テル樹脂およびエポキシ変性された芳香族ビニル系樹脂
との組成物(特開平5-32880 号公報)等が知られてい
る。しかし、これらの樹脂組成物は、層状剥離、衝撃強
度の改善は認められるものの、ポリエーテルイミド系樹
脂の最終用途、例えば電気部品や自動車部品などの用途
に使用する場合、更なる改善が必要とされる。
【0007】本発明は、ポリエーテルイミド樹脂とPP
E系樹脂との相溶性を改良し、ポリエーテルイミド樹脂
が本来有する良好な機械的特性、耐熱性、耐薬品性等を
保持した組成物およびその製造法を提供することを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ポリエー
テルイミド樹脂とPPE系樹脂の相溶性の改善について
鋭意検討を重ねた結果、ポリエーテルイミド樹脂に、P
PE系樹脂およびポリアミド系樹脂を含む成分を配合
し、溶融混練することにより、ポリエーテルイミド樹脂
とPPE系樹脂との相溶性が著しく改善されることを見
出し、本発明に到達した。
【0009】すなわち本発明の樹脂組成物は、 (A)ポリエーテルイミド樹脂1〜99重量部、ならびに
(A′)ポリフェニレンエーテル系樹脂およびポリアミ
ド系樹脂を含む成分99〜1重量部を含む樹脂組成物であ
って、成分(A′)が、 (B)ポリフェニレンエーテル系樹脂またはこれと芳香
族ビニル系樹脂1〜70重量部および (C)ポリアミド系樹脂30〜99重量部、ならびに(B)
および(C)の合計100 重量部に対して、 (D)ポリフェニレンエーテル系樹脂とポリアミド系樹
脂との相溶化剤0〜10重量部および (E)ゴム成分0〜80重量部から成る。
【0010】本発明はさらに、上記樹脂組成物の2通り
の製造方法を提供する。第1の方法は、3段階で溶融混
練する方法であり、予め成分(B)、成分(D)および
成分(E)を溶融混練した後、さらに成分(C)を添加
して溶融混練し、次いで成分(A)を添加して溶融混練
する。
【0011】第2の方法は、2段階で溶融混練する方法
であり、予め成分(B)、成分(C)、成分(D)およ
び成分(E)を溶融混練した後、成分(A)を添加して
溶融混練する。
【0012】
【発明の実施の形態】ポリエーテルイミド樹脂自体は公
知であり、典型的には下記の式(i)により表される繰
り返し単位を含む。
【0013】
【化1】 (式中、Tは−O−または−O−Z−O−であり、その
二本の結合手は3,3´、3,4´、4,3´または
4,4´位に結合し、ここでZは次式:
【0014】
【化2】 で示される基群及び次式(ii):
【0015】
【化3】 で示される基から成る群より選択される二価の有機基で
あり、上記式(ii)においてXは、−Cy 2y−、−C
(=O)−、−SO2 −、−O−及び−S−から成る群
より選択される二価の基であり、ここでyは1〜約5の
整数であり;Rは(a)6〜約20個の炭素原子をもつ
芳香族炭化水素基及びそのハロゲン化誘導体、(b)2
〜約20個の炭素原子をもつアルキレン基、3〜約20
個の炭素原子をもつシクロアルキレン基及び(c)次式
(iii) :
【0016】
【化4】 で示される二価の有機基であり、式 (iii)中でQは−S
−、−O−、−C(=O)−、−SO2 −及び−Cx
2x−から成る群より選択される二価の基であり、ここで
xは1〜約5の整数であり:nは繰り返し単位の数であ
る)。
【0017】好ましいポリエーテルイミドは、さらに下
記式(iv)で示されるポリイミド繰り返し単位を含む。
【0018】
【化5】 (式中、Rは先に定義した通りであり、Mは次式:
【0019】
【化6】 で示される基群より選択される基であり、但しBは−S
−または−C(=O)−である)。
【0020】特に好適なポリエーテルイミド樹脂とし
て、下記の一般式(v) :
【0021】
【化7】 (式中、R′は炭素数6〜20個の芳香族炭化水素基で
あり、n′は2以上の整数である)で表されるものが挙
げられ、ゼネラル・エレクトリック社製のULTEM
(登録商標)がその代表的な例であり、その製造方法は
特公昭57−9372号公報などによって開示されてい
る。これらのポリエーテルイミド樹脂は耐衝撃性を有す
る程度の重合度を備えていなければならない。
【0022】成分(B)におけるPPE系樹脂は公知の
ものが使用できる。PPE系樹脂とは、例えば一般式
(I):
【0023】
【化8】 (式中R1 、R2 、R3 およびR4 はそれぞれ独立し
て、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、置換炭化水
素基、アルコキシ基、シアノ基、フェノキシ基またはニ
トロ基を表し、mは重合度を表わす整数である)で示さ
れる重合体の総称であって、上記一般式で示される重合
体の一種単独であっても、二種以上が組合わされた共重
合体であってもよい。R1 、R2 、R3 およびR4 の具
体例としては、塩素、臭素、ヨウ素、メチル、エチル、
プロピル、アリル、フェニル、ベンジル、メチルベンジ
ル、クロロメチル、ブロモメチル、シアノエチル、シア
ノ、メトキシ、エトキシ、フェノキシ、ニトロ等の基が
挙げられる。
【0024】ポリマーの具体例としては、ポリ(2,6‐ジ
メチル‐1,4 ‐フェニレン)エ―テル、ポリ(2,6‐ジエ
チル‐1,4 ‐フェニレン)エ―テル、ポリ(2‐メチル
‐6‐エチル‐1,4 ‐フェニレン)エ―テル、ポリ(2
‐メチル‐6‐プロピル‐1,4 ‐フェニレン)エ―テ
ル、ポリ(2,6‐ジプロピル‐1,4 ‐フェニレン)エ―テ
ル、ポリ(2‐エチル‐6‐プロピル‐1,4 ‐フェニレ
ン)エ―テル、ポリ(2,6‐ジメトキシ‐1,4 ‐フェニレ
ン)エ―テル、ポリ(2,6‐ジクロロメチル‐1,4‐フェ
ニレン)エ―テル、ポリ(2,6‐ジブロモメチル‐1,4 ‐
フェニレン)エ―テル、ポリ(2,6‐ジフェニル‐1,4 ‐
フェニレン)エ―テル、ポリ(2,6‐ジトリル‐1,4 ‐フ
ェニレン)エ―テル、ポリ(2,6‐ジクロロ‐1,4 ‐フェ
ニレン)エ―テル、ポリ(2,6‐ジベンジル‐1,4 ‐フェ
ニレン)エ―テル、ポリ(2,5‐ジメチル‐1,4 ‐フェニ
レン)エ―テルなどが挙げられる。好ましいPPE系樹
脂は、上記式におけるR1 およびR2 がアルキル基、特
に炭素原子数1〜4のアルキル基であるポリマーであ
り、mは通常50以上が好ましい。またPPE共重合体
としては上記ポリフェニレンエ―テル繰返し単位中にア
ルキル三置換フェノ―ル例えば 2,3,6‐トリメチルフェ
ノ―ルを一部含有する共重合体を挙げることができる。
またこれらのPPEに、スチレン系化合物がグラフトし
た共重合体であってもよい。スチレン系化合物グラフト
化ポリフェニレンエ―テルとしては上記PPEにスチレ
ン系化合物として、例えばスチレン、α‐メチルスチレ
ン、ビニルトルエン、クロロスチレンなどをグラフト重
合して得られる共重合体である。
【0025】本発明においては、成分(B)は上記した
PPE系樹脂またはこれと芳香族ビニル系樹脂である。
芳香族ビニル系樹脂は、スチレンもしくはその誘導体例
えばp‐メチルスチレン、α‐メチルスチレン、α‐メ
チル‐p‐メチルスチレン、クロロスチレン、ブロモス
チレン等の単独重合体および共重合体が挙げられる。ま
た、上記した芳香族ビニル化合物を70〜99重量%と、ジ
エンゴム1〜30重量%とからなるゴム変性ポリスチレン
(HIPS)を使用することができる。HIPSを構成
するジエンゴムとしては、ブタジエン、イソプレン、ク
ロロプレン等の共役ジエン系化合物の単独重合体、共役
ジエン系化合物と不飽和ニトリル化合物または芳香族ビ
ニル化合物との共重合体さらには天然ゴムなどが挙げら
れ、1種または2種以上用いることができる。特にポリ
ブタジエン、ブタジエン‐スチレン共重合体が好まし
い。HIPSは、乳化重合、懸濁重合、塊状重合、溶液
重合またはそれらの組合せの方法により得られる。ま
た、その他にスチレン‐アクリロニトリル‐アクリレー
ト共重合体、FPDM系ゴム変性ポリスチレン、アクリ
ルゴム変性スチレン‐アクリロニトリル共重合体、水素
化スチレン‐ブタジエンブロック共重合体等のポリスチ
レン熱可塑性エラストマーなどが芳香族ビニル系樹脂と
して例示される。
【0026】成分(B)においては、PPE系樹脂と芳
香族ビニル系樹脂とは任意の割合で配合できるが、通常
その配合比率はPPE系樹脂10〜100 重量部に対して芳
香族ビニル系樹脂90〜0重量部である。好ましくは、P
PE系樹脂20〜100 重量部に対して芳香族ビニル系樹脂
80〜0重量部である。
【0027】本発明で用いる成分(C)ポリアミド系樹
脂は、アミノカルボン酸、ラクタム、あるいはジアミン
とジカルボン酸を主たる構成成分とするポリアミドであ
る。構成成分の具体例を挙げるとε‐カプロラクタム、
エナントラクタム、ω‐ラウロラクタムなどのラクタ
ム、ε‐アミノカプロン酸、11‐アミノウンデカン酸、
12‐アミノドデカン酸などのアミノカルボン酸、テトラ
メチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ウンデカ
メチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,
4‐/2,4,4‐トリメチルヘキサメチレンジアミ
ン、5‐メチルノナメチレンジアミン、m‐キシリレン
ジアミン、p‐キシリレンジアミン、1,3‐ビスアミ
ノメチルシクロヘキサン、1,4‐ビスアミノメチルシ
クロヘキサン、ビス‐p‐アミノシクロヘキシルメタ
ン、ビス‐p‐アミノシクロヘキシルプロパン、イソホ
ロンジアミンなどのジアミン、アジピン酸、スベリン
酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、1,4
‐シクロヘキサンジカルボン酸、1,3‐シクロヘキサ
ンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタ
レンジカルボン酸、ダイマ−酸などのジカルボン酸があ
る。これらの構成成分は単独あるいは二種以上の混合物
の形で重合に供され、そうして得られるポリアミドホモ
ポリマ−、コポリマ−いずれも本発明で用いることがで
きる。特に本発明で有利に用いられるポリアミドはポリ
カプロアミド(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジ
パミド(ナイロン66)、ポリヘキサメチレンセバカミド
(ナイロン610)、ポリウンデカンアミド(ナイロン1
1)、ポリドデカンアミド(ナイロン12)、およびこれ
らポリアミドの共重合体および混合物である。
【0028】上記した成分(B)および(C)は、成分
(B)1〜70重量部に対して、成分(C)30〜99重量
部、好ましくは成分(B)20〜60重量部に対して、成分
(C)80〜40重量部配合される。成分(B)の量が多す
ぎると、相溶性が悪くなって、耐衝撃性が低下し、層状
剥離を招く。また、成分(B)の量が少なすぎる、すな
わち成分(C)の量が多すぎると、ポリアミド系樹脂の
欠点である吸水性が増大して寸法安定性が低下し、さら
には高温使用時の剛性が低下する。
【0029】本発明に用いる成分(A′)は、ポリフェ
ニレンエーテル系樹脂とポリアミド系樹脂との相溶化剤
(成分(D))を含むことができる。成分(D)相溶化
剤は、成分(B)および(C)の合計100 重量部に対し
て、10重量部以下、好ましくは5重量部以下の割合で含
まれることができる。相溶化剤の量が多すぎると、製造
時にダイスウェルを起こすなど、加工に当たって大きな
問題となり、また最良の性質改良を与えないことがあ
る。また、下限値は特に限定されないが、好ましくは0.
01重量部以上、より好ましくは0.1 重量部以上である。
【0030】(D)相溶化剤は、好ましくは次に記載す
る5つの化合物群から選択される。まず第1の群は、不
飽和カルボン酸およびその誘導体であり、例えば特開昭
56-26913号公報に記載されている化合物を使用できる。
このような不飽和カルボン酸およびその誘導体とは、分
子内に(イ)炭素‐炭素二重結合または三重結合、およ
び(ロ)カルボン酸基、酸無水物基、酸アミド基、イミ
ド基、カルボン酸エステル基、またはエポキシ基を含む
化合物である。そのような化合物としては、例えば無水
マレイン酸、マレイン酸、フマル酸、マレイミド、マレ
イン酸ヒドラジド、無水マレイン酸とジアミンとの反応
物、例えば次式:
【0031】
【化9】 (但し、Rc は脂肪族または芳香族基を示す。)などで
示される構造を有するもの、無水メチルナジック酸、無
水ジクロロマレイン酸、マレイン酸アミド、大豆油、キ
リ油、ヒマシ油、アマニ油、麻実油、綿実油、ゴマ油、
菜種油、落花生油、椿油、オリ―ブ油、ヤシ油、イワシ
油等の天然油脂類、エポキシ化大豆油等のエポキシ化天
然油脂類、アクリル酸、ブテン酸、クロトン酸、ビニル
酢酸、メタクリル酸、ペンテン酸、アンゲリカ酸、チブ
リン酸、2‐ペンテン酸、3‐ペンテン酸、α‐エチル
アクリル酸、β‐メチルクロトン酸、4‐ペンテン酸、
2‐ヘキセン酸、2‐メチル‐2‐ペンテン酸、3‐メ
チル‐2‐ペンテン酸、α‐エチルクロトン酸、 2,2‐
ジメチル‐3‐ブテン酸、2‐ヘプテン酸、2‐オクテ
ン酸、4‐デセン酸、9‐ウンデセン酸、10‐ウンデセ
ン酸、4‐ドデセン酸、5‐ドデセン酸、4‐テトラデ
セン酸、9‐テトラデセン酸、9‐ヘキサデセン酸、2
‐オクタデセン酸、9‐オクタデセン酸、アイコセン
酸、ドコセン酸、エルカ酸、テトラコセン酸、マイコリ
ペン酸、 2,4‐ペンタジエン酸、2,4 ‐ヘキサジエン
酸、ジアリル酢酸、ゲラニウム酸、 2,4‐デカジエン
酸、 2,4‐ドデカジエン酸、9,12‐ヘキサデカジエン
酸、9,12‐オクタデカジエン酸、ヘキサデカトリエン
酸、リノ―ル酸、リノレン酸、オクタデカトリエン酸、
アイコサジエン酸、アイコサトリエン酸、アイコサテト
ラエン酸、リシノ―ル酸、エレオステアリン酸、オレイ
ン酸、アイコサペンタエン酸、エルシン酸、ドコサジエ
ン酸、ドコサトリエン酸、ドコサテトラエン酸、ドコサ
ペンタエン酸、テトラコセン酸、ヘキサコセン酸、ヘキ
サコジエン酸、オクタコセン酸、トラアコンテン酸など
の不飽和カルボン酸、あるいはこれら不飽和カルボン酸
のエステル、酸アミド、無水物、あるいはブタジエン、
イソプレンなどの低重合体(たとえば平均分子量が500
から10000 ぐらいのもの)あるいは高分子重合体(たと
えば平均分子量が10000 以上のもの)に無水マレイン
酸、フェノ―ル類を付加したもの、あるいはカルボン酸
基、エポキシ基などを導入したものなどが挙げられる。
【0032】次に、相溶化剤の第2の群は飽和脂肪族ポ
リカルボン酸およびその誘導体であり、例えば特表昭61
- 502195号公報に記載されている化合物を使用できる。
ここで、飽和脂肪族ポリカルボン酸およびその誘導体と
は、次式:
【0033】
【化10】(RO)m (COORIIn (CON
III IVs で示される化合物をいう。ここで、 R:炭素原子数2〜20、好ましくは2〜10の直鎖また
は分枝飽和脂肪族炭化水素基、 R:水素原子またはアルキル基、アリール基、アシル
基もしくはカルボニルジオキシ基(ここで、炭素原子数
は1〜10、好ましくは1〜6、さらに好ましくは1〜
4)であり、特に好ましくは水素原子、 RII:水素原子またはアルキル基もしくはアリール基
(ここで、炭素原子数は1〜20、好ましくは1〜10)、 RIII およびRIV:水素原子またはアルキル基もしくは
アリール基(ここで、炭素原子数は1〜10、好ましくは
1〜6、さらに好ましくは1〜4)、 m=1、n+s≧2、好ましくはn+s=2または3、
n≧0、s≧0、(RO)はカルボニル基のα位また
はβ位に位置し、少なくとも2つのカルボニル基の間に
2〜6個の炭素原子が存在する。
【0034】飽和脂肪族ポリカルボン酸の誘導体とは、
具体的には飽和脂肪族ポリカルボン酸のエステル化合
物、アミド化合物、無水物、水和物および塩等を含む。
【0035】飽和脂肪族ポリカルボン酸の例としては、
クエン酸、リンゴ酸、アガリシン酸等が挙げられる。酸
エステル化合物としては、クエン酸のアセチルエステ
ル、モノまたはジステアリルエステル等が挙げられる。
酸アミド化合物としては、クエン酸のN,N'- ジエチルア
ミド、N,N'- ジプロピルアミド、N-フェニルアミド、N-
ドデシルアミド、N,N'- ジドデシルアミド、リンゴ酸の
N-ドデシルアミド等が挙げられる。また、塩としては、
カリウム塩、カルシウム塩等が挙げられる。
【0036】相溶化剤の第3の群は、同一分子内に
(イ)メルカプト基および(ロ)カルボキシル基、酸無
水物基、酸アミド基、イミド基、カルボン酸エステル
基、エポキシ基、アミノ基、および水酸基から選ばれる
少なくとも1種の官能基を同時に有する化合物である。
具体的には、チオリンゴ酸、チオクエン酸等のメルカプ
トポリカルボン酸;およびこれらメルカプトポリカルボ
ン酸のカルボキシル基が酸無水物基、N,N'- ジアルキル
アミド基、N-アルキルイミド基、N-アリールイミド基、
アルキルエステル基に変換された化合物;1,2-エポキシ
-3- メルカプトプロパン、4-ジ(2,3- エポキシプロピ
ル)アミノチオフェノール等のエポキシ化合物;1-アミ
ノ-2- メルカプトエタン、4-アミノチオフェノール等の
アミン類;2-メルカプトエタノール、3-メルカプト-1,2
- プロパンジオール等のメルカプト基含有アルコール
類;メルカプトフェノール類等が挙げられる。特にチオ
リンゴ酸、チオクエン酸等のメルカプトポリカルボン酸
が好ましい。
【0037】相溶化剤の第4の群は、次式:
【0038】
【化11】 (上記式中、Ra およびRb はそれぞれ水素原子、炭素
数1〜12のアルキル基、アルコキシル基、シクロアルキ
ル基、アルケニル基、アリール基、アリーレン基または
アルキレン基を表す)で示されるチオカルボン酸無水物
である。具体的には例えば、H.D. Scharf, M.Verbeek;A
ngew. Chem. Int. Ed. Engl.,6,37 4(1967)、またはY.
Tamura et.al.:Synthesis,559(1977)に記載の方法にて
合成できるモノチオマレイン酸無水物を使用できる。
【0039】相溶化剤の第5の群は、次式:
【0040】
【化12】
【0041】
【化13】
【0042】
【化14】 (上記式中、R1 〜R6 はそれぞれ独立して、水素原
子、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル基、アルコ
キシル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール
基、アリーレン基またはアルキレン基を表す)で示され
る飽和ビス(酸無水物)化合物および次式:
【0043】
【化15】 (上記式中、R1 〜R6 はそれぞれ独立して、水素原
子、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル基、アルコ
キシル基、シクロアルキル基、アルケニル基またはアリ
ール基を表す)で示されるテトラカルボン酸から選択さ
れる。
【0044】これらの相溶化剤は、1種単独でも、2種
以上組合せて用いてもよい。
【0045】好ましい相溶化剤は、飽和脂肪族ポリカル
ボン酸およびその誘導体、ならびに不飽和ジカルボン酸
およびその誘導体からなる群より選択される。
【0046】成分(A′)は、任意成分として(E)ゴ
ム成分を、成分(B)および(C)の合計100 重量部に
対し、80重量部以下の量で、好ましくは3〜20重量部含
むことができる。
【0047】ゴム成分としては、室温で、弾性体である
天然および合成の重合体物質を含む。その具体例として
は、天然ゴム、ブタジエン重合体、スチレン−イソプレ
ン共重合体、ブタジエン−スチレン共重合体(ランダム
共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体などす
べて含まれる)、イソプレン重合体、クロロブタジエン
重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、イソ
ブチレン重合体、イソブチレン−ブタジエン共重合体、
イソブチレン−イソプレン共重合体、アクリル酸エステ
ル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン
−プロピレン−ジエン共重合体、チオコールゴム、多硫
化ゴム、ポリウレタンゴム、ポリエーテルゴム(例え
ば、ポリプロピレンオキシドなど)、エピクロロヒドリ
ンゴム等が挙げられる。
【0048】これらのゴム成分は、いかなる重合法(例
えば乳化重合法、溶液重合)、いかなる触媒(例えば過
酸化物、トリアルキルアルミニウム、ハロゲン化リチウ
ム、ニッケル触媒)で作られたものでもよい。さらに、
各種の架橋度を有するもの、各種の割合のミクロ構造を
有するもの(例えばシス構造、トランス構造、ビニル基
など)あるいは、各種の平均ゴム粒径を有するものも使
用される。また、共重合体は、ランダム共重合体、ブロ
ック共重合体、グラフト共重合体など、各種の共重合体
はいずれも使用することができる。さらには、これらの
ゴム成分を作るに際し、他のオレフィン類、ジエン類、
芳香族ビニル化合物、(メタ)アクリル酸、(メタ)ア
クリル酸エステルなどの単量体との共重合も可能であ
る。それらの共重合体の方法は、ランダム共重合、ブロ
ック共重合、グラフト共重合など、いずれの手段も可能
である。これらの単量体の具体例としては、エチレン、
プロピレン、スチレン、クロロスチレン、α−メチルス
チレン、ブタジエン、イソブチレン、クロロブタジエ
ン、ブテン、アルリル酸メチル、アクリル酸、アクリル
酸エチル、メタアクリル酸ブチル、メタアクリル酸メチ
ル、アクリロニトリルなどが挙げられる。
【0049】さらに、部分変性したゴム成分を用いるこ
ともでき、たとえば、ヒドロキシまたはカルボキシ−末
端変性ポリブタジエン、部分水添スチレン−ブタジエン
ブロック共重合体、部分水添スチレン−イソプレンブロ
ック共重合体など挙げられる。なお、本発明では、スチ
レン系化合物を主成分とするHIPS等は、成分(E)
ゴム成分とせず、前記した成分(B)に含めるものとす
る。
【0050】本発明の樹脂組成物は、(A)1〜99重量
部に対して、(A′)99〜1重量部が含まれ、好ましく
は(A)30〜90重量部に対して、(A′)70〜10重量部
が含まれる。成分(A)が多すぎるとコスト高となり、
また(A)が少なすぎる、すなわち(A′)が多すぎる
と、(A′)中の成分(C)の量が多くなるため、吸水
性が増大して寸法安定性が低下し、さらには高温使用時
の剛性が低下する。
【0051】本発明の樹脂組成物は、上記の成分の他
に、任意的に(F)酸化防止剤および(G)金属塩安定
剤を含むことができる。
【0052】(F)酸化防止剤としては、公知のものを
使用でき、例えばテトラキス[メチレン-3-(ドデシルチ
オ)プロピオネート]メタン、テトラキス[メチレン
(3,5-ジ-t- ブチル-4- ヒドロキシハイドロシンナメー
ト)]メタン、n-オクタデシル-(3',5'-ジ-t- ブチル-4
- ヒドロキシフェニル)プロピオネート等;および市販
されているIrganox 1076(商標、チバガイギー社製)、
Ultranox 257(商標、ゼネラル・エレクトリック社
製)、Seenox 412S (商標、アーグ ケミカル(ArgueCh
emical)社製)、Irganox MD-1024 (商標、チバガイギ
ー社製)、MARK A060(商標、アデカ・アーガス化学株
式会社製)およびHaugard XL-1(商標、ユニローヤル
ケミカル(Uniroyal Chemical) 社製)等を使用できる。
【0053】(F)酸化防止剤は、成分(B)および
(C)の合計100 重量部に対して、通常5重量部以下、
好ましくは2重量部以下配合される。
【0054】また(G)金属塩安定剤は、次式:
【0055】
【化16】 (上記式中、Mは銅、ニッケル、スズおよびセリウムか
ら選択される金属を表し;Xはハロゲン原子(Cl、B
r、F、I)ならびにステアレート残基(C1735CO
O)およびアセテート残基(CH3 COO)等のカルボ
キシレート残基から選択され;nは正イオンの個数を表
す1〜8の整数であり;ny/zは負イオンの個数を表
し;yは金属Mの正イオン電荷を表す整数であり;zは
Xの負イオン電荷を表す整数である)で示される金属塩
が使用できる。具体的には、CuCl2 、CuI(ヨウ
化第1銅)、酢酸銅、ステアリン酸セリウム等が挙げら
れる。これらのうち、CuIが好適である。CuIは市
販されているが、金属銅とHIとの反応による塩の沈殿
および単離によって調製され得る。なお、CuIを使用
する場合、CuIの安定剤としてKI(ヨウ化カリウ
ム)を併用することができる。
【0056】また、例えばKI等のハロゲン化物イオン
の存在下で、例えばステアリン酸セリウム等の金属カル
ボキシレートを使用して、その場で金属ハロゲン化物の
生成を与えることも可能である。
【0057】(G)金属塩安定剤は、成分(B)および
(C)の合計100 重量部に対して、通常5重量部以下、
好ましくは2重量部以下配合される。(G)金属塩安定
剤は200ppm程度の存在量で有効であり、より好ましくは
0.001 重量部以上である。
【0058】市販のいくつかのナイロン製品は、上記の
ような金属塩、特に銅塩を含有している。このようなポ
リアミドを前記した成分(C)ポリアミドとして使用す
ることも可能である。
【0059】本発明の樹脂組成物には、上記の成分の他
に、その物性を損なわない限りにおいて樹脂の混合時、
成形時に他の樹脂、慣用の添加剤、たとえば顔料、染
料、補強剤(ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維など)、
耐衝撃性改質剤、充填剤(カーボンブラック、シリカ、
酸化チタン、タルクなど)、熱安定剤、光安定剤、紫外
線吸収剤、耐候剤、滑剤、離型剤、結晶核剤、可塑剤、
流動性改良剤、帯電防止剤などを添加することができ
る。
【0060】本発明の樹脂組成物は、各成分を加熱溶融
混練することによって得られるが、溶融混練する温度お
よび時間には特に制限はない。加熱溶融混練の例とし
て、各成分をペレット、粉末、細片状態などで、ターン
ブルミキサー、ヘンシェルミキサーで代表される高速ミ
キサーで分散混合した後、溶融混練装置に導入する。装
置としては、1軸もしくは多軸の押出機、バンバリーミ
キサー、ローラー、ニーダー等を例として挙げることが
できるが、操作性から押出機が好ましく用いられ、これ
らを回分的または連続的に運転する。
【0061】本発明の好ましい樹脂組成物、すなわち成
分(D)および(E)を含む組成物は、次のようにして
製造するのが好ましい。すなわち、第1の製造方法は、
3段階で溶融混練する方法であり、予め成分(B)、成
分(D)および成分(E)を溶融混練した後、さらに成
分(C)を添加して溶融混練し、次いで成分(A)を添
加して溶融混練する。
【0062】第2の方法は、2段階で溶融混練する方法
であり、予め成分(B)、成分(C)、成分(D)およ
び成分(E)を溶融混練した後、成分(A)を添加して
溶融混練する。
【0063】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0064】なお、実施例においては次の化合物を使用
した。 成分(A): ポリエーテルイミド:ULTEM 1000、ゼネラル
エレクトリック社製 成分(B): PPE:固有粘度(クロロホルム、25℃)0.46dl/g
のポリ(2,6- ジメチル-1,4- フェニレン)エ−テル、日
本ジーイープラスチックス社製 成分(C): PA樹脂:相対粘度 2.9、末端アミノ基量5.5 ×10-5
ル/g、末端カルボキシル基量7.2 ×10-5モル/gであ
るナイロン6,6 成分(D):クエン酸 成分(E) ゴム成分:スチレン−イソプレンブロック共重合体、SE
PTON 1001 、株式会社クラレ製 また、各種試験は以下のようにして行った。 (1) アイゾット衝撃強度(NII) 厚み1/8 インチ試験片に、23℃でノッチを入れずに2
ポンドハンマーで打ち抜き、破断するか否かの確認を行
った(表中、un-NIIで示す)。破断したものはNGと
し、破断しなかったものに関しては、ASTM D25
6にしたがって、厚み1/8 インチ、ノッチ付で、23℃
においてアイゾット衝撃強度を測定した(表中、NII
で示す)。 (2) 荷重たわみ温度(HDT) ASTM D648にしたがって、厚み1/4 インチ試験
片を荷重18.6kg/cm2にて測定した。 (3) 破断面状態 アイゾット衝撃試験において、測定終了後の試験片の破
断面を目視及び顕微鏡で観察した。 (4) 耐ガソリン性試験 図1に示した曲げ歪治具に、厚み1/8 インチ試験片を取
り付け、23℃にて、ガソリン中に24時間浸漬させた後の
試験片表面の変化を目視により観察した。
【0065】実施例1〜5 表1に示す割合(重量比)の成分を配合し、減圧ベント
付きの2軸押出機を用いて、以下のように押出し、ペレ
ットを作成した。すなわち、押出しは3段階に分けて行
った。第1段階ではPPE、ゴム成分、およびクエン酸
をブレンドし、300 ℃の温度で押出してペレットを作成
した。次に第1段階で得られたペレットにPAを均一に
ブレンドし、これを280 ℃の温度で押出して、ペレット
を作成した(第2段階)。次いで、第2段階で得られた
ペレットにポリエーテルイミド樹脂を均一にブレンド
し、これを300 〜340 ℃の温度で押出して、最終ペレッ
トを作成した。
【0066】このペレットから、東洋機械金属(株)製
の射出成形機(型締力80トン、PLASIN Ti-80G )を用い
て、シリンダー設定温度300 〜360 ℃、金型温度140 ℃
の条件にて試験片を作成した。これらの試験片を用い
て、前記した評価試験を行った。結果を表1に示す。
【0067】実施例6 表1に示す割合(重量比)の成分を配合し、減圧ベント
付きの2軸押出機を用いて、300 ℃の温度で一括押出し
でペレットを作成した。
【0068】以下、実施例1〜5と同一条件にて試験片
を作成した。これらの試験片を用いて、前記した評価試
験を行った。結果を表1に示す。
【0069】
【表1】
【0070】 *1:NBは破断せず、NGは破断したことを示す *2:○は良好であったことを示す。
【0071】*3:Nは変化なし、Cz*は表面にわずか
にクレーズが有ることを示す。比較例1 ULTEM 1000のペレットから、東洋機械金属(株)製の射
出成形機(型締力80トン、PLASIN Ti-80G )を用いて、
シリンダー設定温度360 ℃、金型温度140 ℃の条件にて
試験片を作成した。これらの試験片を用いて、前記した
評価試験を行った。結果を表2に示す。
【0072】比較例2〜3 表2に示す割合(重量比)の成分を配合し、減圧ベント
付きの2軸押出機を用いて、以下のように押出し、ペレ
ットを作成した。ポリエーテルイミド樹脂とPPE樹脂
を均一にブレンドし、これを340 ℃の温度で押出して、
ペレットを作成した。
【0073】このペレットから、東洋機械金属(株)製
の射出成形機(型締力80トン、PLASIN Ti-80G )を用い
て、シリンダー設定温度360 ℃、金型温度140 ℃の条件
にて試験片を作成した。これらの試験片を用いて、前記
した評価試験を行った。結果を表2に示す。
【0074】比較例4〜5 表2に示す割合(重量比)の成分を配合し、実施例1〜
5と同一条件の3段階の押出しにて、樹脂組成物(ペレ
ット)を製造した。得られたペレットから、実施例1〜
5と同一条件にて試験片を作成した。これらの試験片を
用いて、前記した評価試験を行った。結果を表2に示
す。
【0075】
【表2】
【0076】 *1:NBは破断せず、NGは破断したことを示す *2:○は良好、×は層状剥離 *3:Nは変化なし、Cz*は表面にわずかにクレーズ有
り 表1および表2から、実施例1〜5の樹脂組成物は、ポ
リエーテルイミドとほぼ同等の特性を有しているが、ポ
リエーテルイミド/PPEの系(比較例2および3)で
は、相溶性が悪いので、耐衝撃性が低く、かつ層状剥離
がみられる。また、PPEの割合が多すぎる(比較例4
および5)と、やはり相溶性が悪く、よって耐衝撃性が
低く、かつ層状剥離がみられる。
【0077】なお、製造方法を一括溶融混練にした実施
例4と、3段階で溶融混練した実施例2を比べると、破
断面状態は共に良好であるが、3段階で溶融混練した方
が、より優れた耐衝撃性を有する樹脂組成物が得られる
ことが分かる。
【0078】
【本発明の効果】本発明の樹脂組成物は、ポリエーテル
イミド系樹脂とPPE系樹脂とが良好に相溶化されてお
り、かつポリエーテルイミドと同等の特性を有するの
で、ポリエーテルイミド系樹脂の用途に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例および比較例において行った耐ガソリン
性試験において使用した曲げ歪治具を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 79/08 LRB C08L 79/08 LRB LRC LRC

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ポリエーテルイミド樹脂1〜99重
    量部、ならびに(A′)ポリフェニレンエーテル系樹脂
    およびポリアミド系樹脂を含む成分99〜1重量部を含む
    樹脂組成物であって、成分(A′)が、 (B)ポリフェニレンエーテル系樹脂またはこれと芳香
    族ビニル系樹脂1〜70重量部および (C)ポリアミド系樹脂30〜99重量部、ならびに(B)
    および(C)の合計100 重量部に対して、 (D)ポリフェニレンエーテル系樹脂とポリアミド系樹
    脂との相溶化剤0〜10重量部および (E)ゴム成分0〜80重量部から成る樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 成分(A′)において、成分(D)が、
    (B)および(C)の合計100 重量部に対して0.01〜10
    重量部含まれる請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 成分(D)が、飽和脂肪族ポリカルボン
    酸およびその誘導体、ならびに不飽和ジカルボン酸およ
    びその誘導体からなる群より選択される請求項1または
    2記載の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 予め成分(B)、成分(D)および成分
    (E)を溶融混練した後、さらに成分(C)を添加して
    溶融混練し、次いで成分(A)を添加して溶融混練する
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の樹
    脂組成物の製造方法。
  5. 【請求項5】 予め成分(B)、成分(C)、成分
    (D)および成分(E)を溶融混練した後、成分(A)
    を添加して溶融混練することを特徴とする請求項1〜3
    のいずれか1項記載の樹脂組成物の製造方法。
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