JP3565836B2 - ポリアミド/ポリフェニレンエーテル樹脂組成物用ポリアミドマスターペレットの製造方法 - Google Patents
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Description
近年の環境意識の高まりを背景に、自動車の燃費向上のために、自動車外板材料を樹脂化しようという検討が行われている。
特にヨーロッパでは、鋼板と同じ塗装ラインで静電塗装可能な材料へのニーズが高まっており、導電性を付与した材料が要求されている。
このように静電塗装を必要とする自動車部品や、ICトレー材料など、耐衝撃性を持った導電材料のニーズは非常に高まってきている。
ポリフェニレンエーテルとポリアミドのポリマーアロイに導電性を付与するため、例えば、特許文献2にはポリフェニレンエーテル、ポリアミド、カーボンブラックよりなる混合物に関する技術が開示されている。
しかしながら、特許文献2に開示されている技術では、耐衝撃性及び流動性が大きく悪化する。
このように、従来の技術では導電性、流動性と耐衝撃性のバランスに優れる材料を得ることができないのが現状であった。
すなわち本発明は、上流側に1カ所及び下流側に少なくとも1カ所の供給口を備えた二 軸押出機を用い、上流側供給口より数平均分子量9100〜16000、末端アミノ基濃 度50〜55ミリ当量/kg、末端カルボキシル基濃度65〜80ミリ当量/kgのポリ アミド66を供給し、下流側供給口よりDBP吸収量495ml/100g、BET表面 積1270m 2 /gの導電性カーボンブラックを供給した後、真空吸引する工程を含み、 150〜300℃から選ばれるシリンダー温度で溶融混練してなる事を特徴とするポリア ミド/ポリフェニレンエーテル樹脂組成物用ポリアミドマスターペレットの製造方法に関する。
本発明の製造方法で得られたポリアミドマスターペレットを用いて製造されたポリアミ ド/ポリフェニレンエーテル樹脂組成物で使用することのできるポリアミドの種類としては、ポリマー主鎖に、アミド結合{−NH−C(=O)−}を有するものであれば、いずれも使用する事ができる。
一般にポリアミドは、ラクタム類の開環重合、ジアミンとジカルボン酸の重縮合、アミノカルボン酸の重縮合などによって得られるが、これらに限定されるものではない。
上記ジアミンとしては大別して脂肪族、脂環式及び芳香族ジアミンが挙げられ、具体例としては、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、トリデカメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、1,4−ビスアミノメチルシクロヘキサン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミンが挙げられる。
ラクタム類としては、具体的にはε−カプロラクタム、エナントラクタム、ω−ラウロラクタムなどが挙げられる。
また、アミノカルボン酸としては、具体的にはε−アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、8−アミノオクタン酸、9−アミノノナン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、13−アミノトリデカン酸などが挙げられる。
本発明においては、これらラクタム類、ジアミン、ジカルボン酸、アミノカルボン酸は、単独あるいは二種以上の混合物にして重縮合を行って得られる共重合ポリアミド類はいずれも使用することができる。
また、これらラクタム類、ジアミン、ジカルボン酸、アミノカルボン酸を重合反応機内で低分子量のオリゴマーの段階まで重合し、押出機等で高分子量化したものも好適に使用することができる。
これらは、もちろん2種以上組み合わせて使用しても構わない。
本発明のポリアミドマスターペレットに使用できるポリアミドはポリアミド6,6であ る。
本発明の製造方法で得られたポリアミドマスターペレットを用いて製造されたポリアミド /ポリフェニレンエーテル樹脂組成物で使用されるポリアミドの好ましい数平均分子量は5,000〜100,000であり、より好ましくは10,000〜30,000である。
また、本発明のポリアミドマスターペレットに使用するポリアミドの数平均分子量は、 9100〜16000である。
また、異種のポリアミドで分子量の異なるものを混合しても、もちろん構わない。
ポリアミドの末端基は、ポリフェニレンエーテルとの反応に関与する。ポリアミドは末端基として一般にアミノ基、カルボキシル基を有しているが、一般的にポリアミド/ポリフェニレンエーテル系アロイにおいては、カルボキシル基濃度がアミノ基濃度を上回ると、耐衝撃性が低下し、流動性が向上し、逆にアミノ基濃度がカルボキシル基濃度を上回ると耐衝撃性が向上し、流動性が低下する。
本発明の製造方法で得られたポリアミドマスターペレットを用いて製造されたポリアミ ド/ポリフェニレンエーテル樹脂組成物に使用可能なポリアミドにおける、これらの好ましい比はアミノ基/カルボキシル基比で、9/1〜1/9であり、より好ましくは8/2〜1/9、更に好ましくは6/4〜1/9である。
本発明のポリアミドマスターペレットに使用するポリアミドの末端アミノ基濃度は50 〜55ミリ当量/kgであり、末端カルボキシル基濃度は65〜80ミリ当量/kgであ る。
これらポリアミドの末端基の調整方法は、当業者には明らかであるような公知の方法を用いればよい。例えばポリアミドの重合時にジアミン類やジカルボン酸類の添加、モノカルボン酸の添加などが挙げられる。
本発明におけるポリアミドは、末端基濃度の異なる複数のポリアミドの混合物であってももちろん構わない。 更に、ポリアミドに添加しても良いとされている公知の添加剤等もポリアミド100重量部に対して10重量部未満の量で添加しても構わない。
本発明の製造方法で得られたポリアミドマスターペレットを用いて製造されたポリアミ ド/ポリフェニレンエーテル樹脂組成物で使用できるポリフェニレンエーテルとは、以下に示す式の構造単位からなる、ホモ重合体及び/または共重合体である。
本発明の製造方法で得られたポリアミドマスターペレットを用いて製造されたポリアミ ド/ポリフェニレンエーテル樹脂組成物で用いるポリフェニレンエーテルの製造方法は公知の方法で得られるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、米国特許第3306874号明細書記載されているように第一塩化銅とアミンのコンプレックスを触媒として用い、例えば2,6−ジメチルフェノールを酸化重合することにより容易に製造でき、そのほかにも米国特許第3306875号明細書、同第3257357号明細書及び同第3257358号明細書、特公昭52−17880号公報及び特開昭50−51197号公報及び同63−152628号公報等に記載された方法で容易に製造できる。
これらは、2種以上の還元粘度の異なるポリフェニレンエーテルをブレンドしたものであっても、何ら問題なく使用することができる。例えば、還元粘度0.45dl/g以下のポリフェニレンエーテルと還元粘度0.50dl/g以上のポリフェニレンエーテルの混合物、還元粘度0.40dl/g以下の低分子量ポリフェニレンエーテルと還元粘度0.50dl/g以上のポリフェニレンエーテルの混合物等が挙げられるが、もちろん、これらに限定されることはない。
本発明の製造方法で得られたポリアミドマスターペレットを用いて製造されたポリアミ ド/ポリフェニレンエーテル樹脂組成物に使用されるポリフェニレンエーテルは、重合溶媒に起因する有機溶剤が、ポリフェニレンエーテル100重量部に対して5重量%未満の量で残存していても構わない。これら重合溶媒に起因する有機溶剤は、重合後の乾燥工程で完全に除去するのは困難であり、通常数百ppmから数%の範囲で残存しているものである。ここでいう重合溶媒に起因する有機溶媒としては、トルエン、キシレンの各異性体、エチルベンゼン、炭素数1〜5アルコール類、クロロホルム、ジクロルメタン、クロルベンゼン、ジクロルベンゼン等の1種以上が挙げられる。
ここでいう変性されたポリフェニレンエーテルとは、分子構造内に少なくとも1個の炭素−炭素二重結合または三重結合を有し、かつ少なくとも1個のカルボン酸基、酸無水物基、アミノ基、水酸基、又はグリシジル基を有する、少なくとも1種の変性化合物で変性されたポリフェニレンエーテルを指す。
該変性されたポリフェニレンエーテルの製法としては、(1)ラジカル開始剤の存在下、非存在下で100℃以上、ポリフェニレンエーテルのガラス転移温度未満の範囲の温度でポリフェニレンエーテルを溶融させることなく変性化合物と反応させる方法、(2)ラジカル開始剤の存在下、非存在下でポリフェニレンエーテルのガラス転移温度以上360℃以下の範囲の温度で変性化合物と溶融混練し反応させる方法、(3)ラジカル開始剤の存在下、非存在下でポリフェニレンエーテルのガラス転移温度未満の温度で、ポリフェニレンエーテルと変性化合物を溶液中で反応させる方法等が挙げられ、これらいずれの方法でも構わないが、(1)及び(2)の方法が好ましい。
分子内に炭素−炭素二重結合とカルボン酸基、酸無水物基を同時に有する変性化合物としては、マレイン酸、フマル酸、クロロマレイン酸、シス−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸及びこれらの酸無水物などが挙げられる。特にフマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸が良好で、フマル酸、無水マレイン酸が特に好ましい。
また、これら不飽和ジカルボン酸のカルボキシル基の、1個または2個のカルボキシル基がエステルになっているものも、加工温度でエステルが分解しカルボキシル基に変化するものも使用可能である。
分子内に炭素−炭素二重結合とグリシジル基を同時に有する変性化合物としては、アリルグリシジルエーテル、グリシジルアクリレート、グリシジルメタアクリレート、エポキシ化天然油脂等が挙げられる。
これらの中でグリシジルアクリレート、グリシジルメタアクリレートが特に好ましい。
上述した変性化合物は、それぞれ単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
変性されたポリフェニレンエーテルを製造する際の変性化合物の添加量は、ポリフェニレンエーテル100重量部に対して0.1〜10重量部が好ましく、更に好ましくは0.3〜5重量部である。
ラジカル開始剤を用いて変性されたポリフェニレンエーテルを製造する際の好ましいラジカル開始剤の量は、ポリフェニレンエーテル100重量部に対して0.001〜1重量部である。
該変性されたポリフェニレンエーテル中には、未反応の変性化合物及び/または、変性化合物の重合体が残存していても構わない。変性されたポリフェニレンエーテル中に残存する未反応の変性化合物及び/または変性化合物の重合体の量は、1重量%未満が好ましく、0.5重量%未満が特に好ましい。
また、変性されたポリフェニレンエーテル中に残存する変性化合物及び/または変性化合物の重合体の量を減少させるために、該変性されたポリフェニレンエーテルを製造する際に、必要に応じてアミド結合及び/またはアミノ基を有する化合物を添加しても構わない。
これらアミド結合またはアミノ基を有する化合物を添加する際の好ましい添加量は、ポリフェニレンエーテル100重量部に対し0.001〜5重量部である。好ましくは0.01〜1重量部、より好ましくは0.01〜0.1重量部である。
本発明でいうスチレン系熱可塑性樹脂とは、ポリスチレン(シンジオタクチックポリスチレンも含む)、ハイインパクトポリスチレン(HIPS)、スチレン−アクリロニトリル共重合体(AS樹脂)、スチレン−ゴム質重合体−アクリロニトリル共重合体(ABS樹脂)等が挙げられる。
更に、ポリフェニレンエーテルに添加しても良いとされている公知の添加剤等もポリフェニレンエーテル100重量部に対して10重量部未満の量で添加しても構わない。
本発明の製造方法で得られたポリアミドマスターペレットを用いて製造されたポリアミ ド/ポリフェニレンエーテル樹脂組成物で使用することのできる衝撃改良材とは、室温(23℃)において弾性体である天然及び合成の重合体物質である。
これらの中でも、芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物共重合体、芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物共重合体の水素添加物、及びポリオレフィンが好ましく、芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体、芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体の水素添加物、及びエチレン−α−オレフィン共重合体から選ばれる1種以上が最も好ましい。
ここでいう芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体とは、芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロックセグメント(A)と共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックセグメント(B)から構成されるブロック共重合体であり、各ブロックの結合形式が、AB型、ABA型及びABAB型からなる群から選ばれる1種以上であるブロック共重合体が好ましく、より好ましくは、ABA型、ABAB型である。
更に、これらは芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物との重量比が異なるものを2種以上ブレンドしても構わない。
芳香族ビニル化合物の具体例としてはスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等が挙げられ、これらから選ばれた1種以上の化合物が用いられるが、中でもスチレンが特に好ましい。
共役ジエン化合物の具体例としては、ブタジエン、イソプレン、ピペリレン、1,3−ペンタジエン等が挙げられ、これらから選ばれた1種以上の化合物が用いられるが、中でもブタジエン、イソプレン及びこれらの組み合わせが好ましい。
ブロック共重合体の共役ジエン化合物ブロック部分のミクロ構造は1,2−ビニル含量もしくは1,2−ビニル含量と3,4−ビニル含量の合計量が5〜80%が好ましく、さらには10〜50%が好ましく、15〜40%が最も好ましい。
また、本発明の製造方法で得られたポリアミドマスターペレットを用いて製造されたポ リアミド/ポリフェニレンエーテル樹脂組成物における芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物のブロック共重合体及びその水素添加物の分子量としては、昭和電工製GPC装置[SYSTEM21]で、クロロホルムを溶媒とし、40℃、ポリスチレンスタンダードで測定した数平均分子量(Mn)が、10,000〜500,000のものが好ましく、40,000〜250,000のものが最も好ましい。
これら芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物のブロック共重合体は、結合形式の異なるもの、分子量の異なるもの、芳香族ビニル化合物種の異なるもの、共役ジエン化合物種の異なるもの、1,2−ビニル含量もしくは1,2−ビニル含量と3,4−ビニル含量の異なるもの、芳香族ビニル化合物成分含有量の異なるもの、水素添加率の異なるもの等を2種以上を混合して用いても構わない。
エチレン単位と共重合できるα−オレフィンとしては、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−1、ウンデセン−1、ドデセン−1、トリデセン−1、テトラデセン−1、ペンタデセン−1、ヘキサデセン−1、ヘプタデセン−1、オクタデセン−1、ノナデセン−1、またはエイコセン−1、イソブチレンなどを挙げることができる。
本発明におけるエチレン−α−オレフィン共重合体の好ましいエチレン単位の含有率は、エチレン−α−オレフィン共重合体全量に対し30〜95重量%である。
シングルサイト触媒とは、シクロペンタジエニルあるいは置換シクロペンタジエニルを1〜3分子含有するメタロセン触媒及び幾何学的制御による触媒などの活性点の性質が均一である触媒である
本発明におけるエチレン−α−オレフィン共重合体の重合方法は前記の公報に示される気相法あるいは溶液法により重合することができる。好ましい重合法は溶液法である。
また、本発明の製造方法で得られたポリアミドマスターペレットを用いて製造されたポ リアミド/ポリフェニレンエーテル樹脂組成物におけるエチレン−α−オレフィン共重合体の、前述のGPCによる測定で求めた分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量:Mw /Mn )は、3以下が好ましく、さらには1.8〜2.7がより好ましい。
また、本発明の製造方法で得られたポリアミドマスターペレットを用いて製造されたポ リアミド/ポリフェニレンエーテル樹脂組成物で使用できる衝撃改良材は、全部又は一部が変性された衝撃改良材であっても構わない。
ここでいう変性された衝撃改良材とは、分子構造内に少なくとも1個の炭素−炭素二重結合または三重結合を有し、かつ少なくとも1個のカルボン酸基、酸無水物基、アミノ基、水酸基、又はグリシジル基を有する、少なくとも1種の変性化合物で変性された衝撃改良材を指す。
ここでいう分子構造内に少なくとも1個の炭素−炭素二重結合または三重結合を有し、かつ少なくとも1個のカルボン酸基、酸無水物基、アミノ基、水酸基、又はグリシジル基を有する少なくとも1種の変性化合物とは、変性されたポリフェニレンエーテルで述べた変性化合物と同じである。
ここでいうパラフィンを主成分とするオイルとは、芳香環含有化合物、ナフテン環含有化合物、及びパラフィン系化合物の三者が組み合わさった重量平均分子量500〜10000の範囲の炭化水素系化合物の混合物であり、パラフィン系化合物の含有量が50重量%以上のものである。
より好ましくは、パラフィン系化合物が50〜90重量%,ナフテン環含有化合物が10〜40重量%、芳香環含有化合物が5重量%以下のものである。
これら、パラフィンを主成分とするオイルは市販されており、例えば出光興産(株)製のPW380等が挙げられる。
芳香族衝撃改良材への上記オイルの混合方法としては、ペレット状またはパウダー状の衝撃改良材に所望量のパラフィン系オイルを均一になるように添加し放置する方法、押出機の途中から所望量のパラフィン系オイルを添加し溶融混練する方法等挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明で使用できる導電用カーボンブラックとは、DBP吸収量が495ml/100 gのカーボンブラックである。
ここでいうDBP吸油量とは、ASTM D2414に定められた方法で測定した値である。
更に、本発明のポリアミドマスターペレットにおいて使用する導電用カーボンブラックはBET表面積が1270m 2 /gのものである。
また、本発明の製造方法で得られたポリアミドマスターペレットを用いて製造されたポ リアミド/ポリフェニレンエーテル樹脂組成物では、組成物の製造の際に相溶化剤を使用しても構わない。
相溶化剤を使用する主な目的は、ポリアミド−ポリフェニレンエーテル混合物の物理的性質を改良することである。本発明で使用できる相溶化剤とは、ポリフェニレンエーテル、ポリアミドまたはこれら両者と相互作用する多官能性の化合物を指すものである。この相互作用は化学的(たとえばグラフト化)であっても、または物理的(たとえば分散相の表面特性の変化)であってもよい。いずれにしても得られるポリアミド−ポリフェニレンエーテル混合物は改良された相溶性を示す。
本発明の製造方法で得られたポリアミドマスターペレットを用いて製造されたポリアミ ド/ポリフェニレンエーテル樹脂組成物の実施の際に使用できるさまざまな相溶化剤の例としては、以下に説明するように、液体ジエンポリマー、官能基含有ポリマー、エポキシ化合物、酸化ポリオレフィンワックス、キノン類、オルガノシラン化合物、及び、多官能性化合物がある。
本発明の製造方法で得られたポリアミドマスターペレットを用いて製造されたポリアミ ド/ポリフェニレンエーテル樹脂組成物で使用するのに適したキノン化合物の特徴は、非置換誘導体の分子内に6員の炭素環を少なくとも1個有し、環構造内に少なくとも2個のカルボニル基を有し(これらは両方とも同一の環内にあってもよいし、または2個以上の環がある場合には異なる環内に
あってもよい。ただし、これらは単環式キノンの1,2配置または1,4配置に相当する位置を占める)、かつ、環構造内に少なくとも2個の炭素−炭素二重結合をもつ(この炭素−炭素二重結合とカルボニルの炭素−酸素二重結合は環構造内にあって、炭素−炭素二重結合とカルボニルの炭素−酸素二重結合は互いに共役している)ことである。非置換キノン内に2個以上の環が存在する場合、これらの環は縮合でも、非縮合でも、あるいは両者でもよい。非縮合環同士は、直接の炭素−炭素二重結合または=C−C=のような共役不飽和を有する炭化水素基によって結合されていてもよい。
各種キノン類の例としては、1,2−ベンゾキノン、1,4−ベンゾキノン、2,6−ジフェニルキノン、テトラメチルジキノン、2,2′−ジフェノキノン、4,4′−ジフェノキノン、1,2−ナフトキノン、1,4−ナフトキノン、2,6−ナフトキノン、クロラニル類、2−クロロ−1,4−ベンゾキノン、2,6−ジメチルベンゾキノンなどを挙げることができる。
このような化合物でC−O−Si成分は通常ケイ素原子に直接結合したアルコキシル基またはアセトキシ基として存在しており、これらアルコキシル基やアセトキシ基は一般に炭素原子数が15未満であり、ヘテロ原子(たとえば酸素)を含有していてもよい。さらにまた、この化合物中には2個以上のケイ素原子が存在していてもよく、このように多数のケイ素原子が存在する場合それらは酸素結合(たとえばシロキサン)、ケイ素結合または二官能性有機基(たとえばメチレン基やフェニレン基)を介して結合している。
適切なオルガノシラン化合物の例としては、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−(3−シクロヘキサニル)エチルトリメトキシシラン、1,3−ジビニルテトラエトキシシラン、ビニルトリス−(2−メトキシエトキシ)シラン、5−ビシクロヘプテニルトリエトキシシラン及びγ−メルカプトプロピルトリメトキシシランがある。
カルボン酸類とから得られる反応生成物、ジクロロ無水マレイン酸、マレイン酸アミド、不飽和ジカルボン酸(たとえばアクリル酸、ブテン酸、メタクリル酸、t−エチルアクリル酸、ペンテン酸、デセン酸、ウンデセン酸、ドデセン酸、リノール酸など)、以上の不飽和カルボン酸のエステル、酸アミドまたは無水物、不飽和アルコール(たとえばアルキルアルコール、クロチルアルコール、メチルビニルカルビノール、4−ペンテン−1−オ−ル、1,4−ヘキサジエン−3−オール、3−ブテン−1,4−ジオール、2,5−ジメチル−3−ヘキセン−2,5−ジオール及び式Cn H2n-5OH、Cn H2n-7OH、及びCn H2n-9OH(ただし、nは30までの正の整数)のアルコール類)、以上の不飽和アルコールの−OH基(1個または複数)をNH2 基で置き換えて得られる不飽和アミン、ならびに、官能化されたジエンポリマー及びコポリマーがある。これらのうち、本発明の組成物用に好ましい相溶化剤は無水マレイン酸及びフマル酸である。このタイプの相溶化剤は本組成物のポリフェニレンエーテルとあらかじめ反応させることが可能である。
(RI O)m R(COORII)n (CONRIII RIV)s
本発明の製造方法で得られたポリアミドマスターペレットを用いて製造されたポリアミ ド/ポリフェニレンエーテル樹脂組成物に有用な酸エステルの例としては、たとえば、クエン酸アセチル、及びクエン酸モノステアリル及び/またはクエン酸ジステアリルなどがある。
本発明の製造方法で得られたポリアミドマスターペレットを用いて製造されたポリアミ ド/ポリフェニレンエーテル樹脂組成物で有用な適した酸アミドとしては、たとえば、N,N′−ジエチルクエン酸アミド、N−フェニルクエン酸アミド、N−ドデシルクエン酸アミド、N,N′−ジドデシルクエン酸アミド及びN−ドデシルリンゴ酸がある。
本発明の製造方法で得られたポリアミドマスターペレットを用いて製造されたポリアミ ド/ポリフェニレンエーテル樹脂組成物で使用するのに適した第三のグループの多官能性相溶化剤化合物の特徴は、分子内に、(a)酸ハロゲン化物基、最も好ましくは酸塩化物基と、(b)カルボン酸基、カルボン酸無水物基及び酸エステル基または酸アミド基、好ましくはカルボン酸基またはカルボン酸無水物基の少なくとも1個とを両方とも有することである。このグループに入る相溶化剤の例としては、トリメリト酸無水物酸塩化物、クロロホルミルコハク酸無水物、クロロホルミルコハク酸、クロロホルミルグルタル酸無水物、クロロホルミルグルタル酸、クロロアセチルコハク酸無水物、クロロアセチルコハク酸、トリメリト酸塩化物及びクロロアセチルグルタル酸を挙げることができる。
上記相溶化剤は各々米国特許第4315086号及び第4642358号等に詳細に記載されている。上記相溶化剤は単独で使用してもよいし、あるいはそれらを任意に組み合わせて使用してもよい。さらに、これらは溶融混合の際に直接添加してもよいし、あるいはポリフェニレンエーテルもしくはポリアミドのいずれか一方もしくは両方、または本発明の製造方法で得られたポリアミドマスターペレットを用いて製造されたポリアミド/ポ リフェニレンエーテル樹脂組成物の製造の際に使用する他の樹脂状材料とあらかじめ反応させておいても構わない。 これら、相溶化剤の好ましい量は、ポリアミドとポリフェニレンエーテルの混合物100重量部に対して0.01〜20重量部であり、より好ましくは0.1〜10重量部である。
本発明の製造方法で得られたポリアミドマスターペレットを用いて製造されたポリアミ ド/ポリフェニレンエーテル樹脂組成物では、上記した成分のほかに、本成分の効果を損なわない範囲で必要に応じて付加的成分を添加しても構わない。
これらの成分は、ポリフェニレンエーテル、ポリアミド、衝撃改良材の合計量100重量部に対して、合計で50重量部を越えない範囲で添加しても構わない。
この際の溶融混練温度は特に限定されるものではないが、通常240〜360℃の中から好適な組成物が得られる条件を任意に選ぶことができる。
ポリアミドマスターペレットを製造する際の溶融混練温度は特に限定されるものではないが、通常150〜300℃の中から好適な組成物が得られる条件を任意に選ぶことができる。
このようにして得られる本発明の製造方法で得られたポリアミドマスターペレットを用 いて製造されたポリアミド/ポリフェニレンエーテル樹脂組成物は、従来より公知の種々の方法、例えば、射出成形、押出成形、中空成形により各種部品の成形体として成形できる。
本発明の製造方法で得られたポリアミドマスターペレットを用いて製造されたポリアミ ド/ポリフェニレンエーテル樹脂組成物は、例えば、カウル等のオートバイの外装部品用途、自動車の内装部品用途、フェンダー・ドアパネル・フロントパネル・リアーパネル・ロッカーパネル・リアバンパーパネル・バックドアガーニッシュ・エンブレムガーニッシュ・燃料注入口パネル・オーバーフェンダー・アウタードアハンドル・ドアミラーハウジング・ボンネットエアインテーク・バンパー・バンパーガード・ルーフレール・ルーフレールレッグ・ピラーカバー・ホイールカバー・各種エアロパーツ等の自動車外板・外装部品用途、電気・電子分野でのICトレー材料用途等に好適に利用することができ、中でも、静電塗装が必要な自動車外装部品に特に好適に使用できる。
(使用した原料)
(1)ポリフェニレンエーテルポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)
(1−1)還元粘度(0.5g/dlクロロホルム溶液、30℃測定)=0.52dl/g(以下PPE−Hと略記)
(1−2)還元粘度=0.42dl/g(以下PPE−Lと略記)
(2)ポリアミド
(2−1)ポリアミド6,6樹脂(以下PA66と略記)
数平均分子量=16,000
末端アミノ基濃度=50ミリ等量/kg
末端カルボキシル基濃度=80ミリ等量/kg
微量成分として銅系熱安定剤を100ppmとスリップ剤(ステアリン酸金属塩)を800ppm含む。 (2−2)ポリアミド6樹脂(以下PA6と略記)
硫酸相対粘度(ポリマー1g/98%硫酸100ml、25℃)=2.6 末端アミノ基濃度=45ミリ等量/kg、
末端カルボキシル基濃度=65ミリ等量/kg
(2−3)ポリアミド6,6樹脂(以下PA66Lと略記)
数平均分子量=9,100
末端アミノ基濃度=55ミリ等量/kg
末端カルボキシル基濃度=65ミリ等量/kg
微量成分として銅系熱安定剤を100ppmとスリップ剤(ステアリン酸金属塩)を800ppm含む。
(3−1)エチレン−オクテン共重合体(以下EORと略記)
オクテン含有量=24重量%
MFR=30g/10分(190℃、2.16kg荷重)
融点=60℃(DSC法、昇温速度10℃/分)
(3−2)エチレン−オクテン共重合体の無水マレイン酸変性物(以下MEORと略記)
オクテン含有量=28重量%
MFR=0.8g/10分(190℃、2.16kg荷重)
融点=55℃(DSC法:昇温速度10℃/分)
無水マレイン酸付加率=1.0重量%
(3−3)3型高分子量水素添加スチレン−ブタジエン共重合体(以下HTR1と略記)
結合形式=3型(ABA型)ブロック [A成分がスチレンブロック,B成分がブタジエンブロック]
スチレン含有量=33重量%
ビニル含量の合計量=33重量%
数平均分子量=150,000
結合形式=3型(ABA型)ブロック [A成分がスチレンブロック,B成分がブタジエンブロック]
スチレン含有量=29重量%
ビニル含量の合計量=32重量%
数平均分子量=51,000
(3−5)4型低分子量水素添加スチレン−ブタジエン共重合体(以下HTR3と略記)
結合形式=4型(ABAB型)ブロック[A成分がスチレンブロック,B成分がブタジエンブロック]
スチレン含有量=29重量%
ビニル含量の合計量=32重量%
数平均分子量=51,000
(3−6)オイル含有4型高分子量水素添加スチレン−ブタジエン共重合体(以下HTR4と略記)
結合形式=4型(ABAB型)ブロック [A成分がスチレンブロック,B成分がブタジエンブロック] スチレン含有量=35重量%
ビニル含量の合計量=36重量%
数平均分子量=120,000
パラフィンオイル=商品名 PW−380 出光興産(株)製
パラフィンオイル含有量=水素添加スチレン−ブタジエン共重合体100重量部に対して50重量部
導電用カーボンブラック[商品名:ケッチェンブラック EC−600JD]
DBP吸収量=495ml/100g
BET表面積=1,270m2 /g
(5)相溶化剤(MAHと略記)
無水マレイン酸[日本油脂(株)製]
上流側に1カ所と、押出機中央部に1カ所の供給口を有する二軸押出機[ZSK−25:ウェルナー&フライデラー社製(ドイツ)]のシリンダー温度を280℃に設定し、上流側供給口(以下Top−Fと略記)より、PA66を10kg/hの量で定量的に供給し、押出機中央部供給口(以下Side−Fと略記)より、KBを1.11kg/hの量で定量的に供給し、溶融混練し、ペレット化した。
このときのスクリュー回転数は320回転/分であり、また、揮発成分除去のため、Side−Fとダイの間に真空ベントを取り付け、真空吸引を行った。
ここで得られたマスターペレット(KB含有濃度10wt%)をPA66−10%MBと略記する。
[実施例2]PA66L−10%MBの製造
PA66をPA66Lに変えた以外はすべて実施例1と同様に実施し、マスターペレットを得た。
ここで得られたマスターペレット(KB含有濃度10wt%)をPA66L−10%MBと略記する。
実施例1のシリンダー温度を220℃に設定し、PA66をHTR2に替え、Top−FからHTR2を9kg/hの量で供給し、Side−FよりKBを1kg/hの量で供給した以外は、すべて実施例1と同様に実施しマスターペレットを得た。
ここで得られたマスターペレット(KB含有濃度10wt%)をHTR2−10%MBと略記する。
[製造例2]HTR3−10%MBの製造
製造例1のHTR2をHTR3に替えた以外は、すべて製造例1と同様に実施しマスターペレットを得た。
ここで得られたマスターペレット(KB含有濃度10wt%)をHTR3−10%MBと略記する。
製造例1のHTR2をHTR4に替えた以外は、すべて製造例1と同様に実施しマスターペレットを得た。
ここで得られたマスターペレット(KB含有濃度10wt%)をHTR4−10%MBと略記する。
[製造例4]KI−MBの製造
シリンダー温度を280℃に設定した、上流側に1カ所の供給口を有する二軸押出機[PCM−30:池貝鉄工(株)製]へ、PA66Lを9.6kg/h、粉末状のヨウ化カリウム(以下KIと略記)を0.4kg/hの量でそれぞれ別々のフィーダーから供給し、溶融混練し、ペレット化した。
ここで得られたマスターペレット(KI含有濃度4wt%)をKI−MBと略記する。
PPEを100重量部に対して、MAH2重量部及びラジカル発生剤[パーヘキサ25B:日本油脂(株)社製]0.3重量部をドライブレンドし、シリンダー温度を320℃に設定した、上流側に1カ所の供給口を有する二軸押出機[PCM−30:池貝鉄工(株)製]へ供給し、溶融混練し、ペレット化した。
次に得られたペレットを1gとり、内側からポリテトラフロロエチレンシート、アルミシート、鉄板の順に重ねたものの間にはさみ、280℃に温度設定したプレス成形機を用い、100kg/cm2 で圧縮成形しフィルムを得た。
得られたフィルムについて、日本分光社製FT/IR−420型フーリエ変換赤外分光光度計を用いて、赤外分光測定を行った。
当該フィルムに対する測定では、1790cm-1に、ポリフェニレンエーテルに付加した、マレイン酸由来のピークが観測された。
PPEとMAHの混合物を用いて、あらかじめ作成しておいた検量線式から計算されたMAHの付加率は、0.54重量%であった。
ここで得られれたMAH変性PPEをMPPEと略記する
(体積固有抵抗−1)
厚さ3.2mmの引張試験片の両端を精密カットソーで切断し、長さ50mmで、両端に均一な断面積(12.4×3.2mm)の切断面を持つ、短冊状試験片を得た。この試験片の両端の切断面に銀ペーストを塗布し、充分乾燥させた後、両端間の抵抗値をテスターで測定し、式(a)を用いて体積固有抵抗を計算した。
この体積抵抗値を体積固有抵抗−1と表し、この値を表1に記載した。
長さ90mm、幅50mm、厚さ2.5mmの平板状成形片の向かい合った50mm×2.5mmの面の中央部分に、それぞれ、30mm×2.5mmの面積で銀ペーストを塗布し、充分乾燥させた後、両端間の抵抗値をテスターで測定した。これを異なる平板で5回実施し、その加算平均値を求め、式(a)を用いて体積固有抵抗を計算した。この体積抵抗値を体積固有抵抗−2と表し、この値を表1に記載した。
(メルトフローレート:MFR)
ISO1133に準拠した方法により、280℃、5kg荷重で実施した。
(Izod衝撃試験)
ASTM D−256に準拠し、厚さ3.2mm厚みのノッチ付き衝撃強度を測定した。
ダート衝撃試験は、長さ90mm、幅50mm、厚さ2.5mmの平板状成形片を使用し、グラフィックインパクトテスター[東洋精機製作所(株)製]を用いて行った。
試験方法は、直径が40mmのサンプルホールダーに試験片をはさみ、先端径が13mmの球形状のストライカー(重量6.5kg)を、試験片の上方100cmの高さより自由落下させ、試験片を破壊させ、その際に、破壊に要した全エネルギーを測定し、全吸収エネルギーとして表示した。
この試験を10枚のサンプルで実施し、10回のデータのうち最大値と最小値を除いた8回の測定値の加算平均をもって、そのサンプルの全吸収エネルギー値とした。
また、この測定で破壊された試験片の破壊状況を観察し、延性破壊と脆性破壊に大別し、10枚の試験片のうち、延性破壊をした試験片の枚数の割合から延性率を計算した。
延性率[%]=延性破壊をした枚数/10×100
特開昭60−65035号公報記載の方法に従い、長さ90mm、幅50mm、厚さ2.5mmの平板状成形片に、熱硬化アクリル樹脂塗料を専用シンナーで希釈し、スプレーガンで塗布し、室温で30分放置後、150℃×30分間、加熱硬化し塗装物を得た。次に、この塗装物の塗膜をJIS K5400ー1979に準じ、1mm角の碁盤目試験を行い、100目の内、剥離しない碁盤目の数を求めた。
上流側に1カ所と、押出機中央部に1カ所の供給口を有する二軸押出機[ZSK−40:ウェルナー&フライデラー社製(ドイツ)]のシリンダー温度をTop−FよりSide−Fまでを320℃、Side−1よりダイまでを280℃に設定し、Top−F及びSide−Fより表1の参考例1〜3及び参考比較例1〜2記載の割合でそれぞれドライブレンドしたものを供給し、溶融混練し、ペレット化した。
なお、このときのスクリュー回転数は300回転/分であり、また、揮発分除去のためSide−Fの直前及び、Side−Fとダイの間の2カ所に真空ベントを取り付け、真空吸引を行った。
得られたペレットを、シリンダー温度290℃、金型温度80℃に設定した射出成形機[IS−80EPN:東芝機械(株)社製(日本)]を用いて、各測定に必要な成形片に成形し、各測定項目を測定した。測定結果は表1に併記した。
[参考例4〜6]
配合組成を表2に記載した割合に変更した以外は、すべて参考例1と同様に実施した。なお、実施した測定結果は、表2の各参考例の組成の下段に併記した。
配合組成を表3に記載した割合に変更した以外は、すべて参考例1と同様に実施した。参考例7〜9は参考例1で実施した測定項目に加え、体積固有抵抗−2及びダート衝撃試験も実施した。
なお、実施した測定結果は、表3の各参考例の組成の下段に併記した。
体積固有抵抗−2に比べ、体積固有抵抗−1に若干のバラツキが認められるが、体積固有抵抗値としては両者に大きな差は認められない。これは、平板状成形片の片端にフィルム状でゲートがあり、その部分を切断するため、実質的に切断面の抵抗を測定しているためと考えられる。
[参考例10及び11]
配合組成を表4に記載した割合に変更した以外は、すべて参考例1と同様に実施した。参考例10及び11は参考例1で実施した測定項目に加え、塗膜密着試験も実施した。
なお、実施した測定結果は、表4の各参考例の組成の下段に併記した。
Claims (1)
- 上流側に1カ所及び下流側に少なくとも1カ所の供給口を備えた二軸押出機を用い、上流側供給口より数平均分子量9100〜16000、末端アミノ基濃度50〜55ミリ当量/kg、末端カルボキシル基濃度65〜80ミリ当量/kgのポリアミド66を供給し、下流側供給口よりDBP吸収量495ml/100g、BET表面積1270m 2 /gの導電性カーボンブラックを供給した後、真空吸引する工程を含み、150〜300℃から選ばれるシリンダー温度で溶融混練してなる事を特徴とするポリアミド/ポリフェニレンエーテル樹脂組成物用ポリアミドマスターペレットの製造方法。
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