JP4334392B2 - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP4334392B2
JP4334392B2 JP2004105060A JP2004105060A JP4334392B2 JP 4334392 B2 JP4334392 B2 JP 4334392B2 JP 2004105060 A JP2004105060 A JP 2004105060A JP 2004105060 A JP2004105060 A JP 2004105060A JP 4334392 B2 JP4334392 B2 JP 4334392B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
parts
block
block copolymer
polyamide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004105060A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005290123A (ja
Inventor
和範 寺田
和弥 野田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Chemicals Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Chemicals Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Chemicals Corp filed Critical Asahi Kasei Chemicals Corp
Priority to JP2004105060A priority Critical patent/JP4334392B2/ja
Publication of JP2005290123A publication Critical patent/JP2005290123A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4334392B2 publication Critical patent/JP4334392B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

本発明は、低温域における面衝撃特性の優れた樹脂組成物および射出成形体に関する。
本発明の樹脂組成物は、電気・電子部品、OA部品、車両部品、機械部品などの幅広い分野に使用することができる。
ポリフェニレンエーテルは機械的性質・電気的性質及び耐熱性が優れており、しかも寸法安定性に優れるため幅広い用途で使用されているが、単独では成形加工性に劣っており、これを改良するためにポリアミドを配合する技術が提案され(例えば、特許文献1参照)、現在では非常に多種多様な用途に使用される材料となっている。
ポリフェニレンエーテルとポリアミドからなるポリマーアロイへの耐衝撃性付与の為に、衝撃改良材として、エチレンプロピレンゴム、SBR、ポリブタジエン、ポリスチレン−ジエンゴムのジブロックあるいはトリブロック共重合体あるいはこれらの部分水素化物等を配合する技術は既に開示されている(例えば、特許文献2参照)。
最近、ポリアミド/ポリフェニレンエーテルアロイからなる組成物は、自動車用電装部品の一つであるリレーブロック、あるいは自動車外装部材であるドアおよびフェンダーなどの用途向けに使用される。これらの用途においては、衝撃強度の中でも、特に落錘などの面衝撃特性を高めることが要求されている。特に自動車外装部材などの用途においては、その使用環境から、0℃以下の低温域においても高い面衝撃特性が求められている。この衝撃特性の改善は、流動性および耐熱性のような他の重要な特性を実質的に保持しながら達成しなければならない点で極めて困難である。
また、これまで一般に、衝撃特性を評価する方法として、Izod衝撃試験(ノッチ付)等の衝撃破壊靭性といわれる方法で解析されている。これは、材料あるいは製品にとっては厳しい力学条件下の衝撃試験であり、必ずしも材料あるいは製品の持っている実用衝撃強さを反映させた値とは限らない。むしろ、切り欠きなどを入れないで材料の持っている性質をできるだけ反映させながら応答を測定する引張試験あるいは面衝撃試験のほうが実用衝撃強さとの対応性がよいと判断されていることが多い(例えば、非特許文献1参照)。
しかしながら、上述した技術では、充分に低温域における面衝撃特性を解決することができない。そこで、新たな技術の開発が待望されているのが現状であった。
特公昭45−997号公報 米国特許4,315,086号明細書 成澤郁夫著「プラスチックの耐衝撃性」シグマ出版、2001年、p5
本発明は、低温域における面衝撃特性の優れた樹脂組成物および射出成形体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために検討を行った結果、驚くべきことに、ポリスチレン−ポリブタジエンブロック共重合体を、ブタジエン部の全水添率が20%以上80%未満、かつ水添されたビニル結合含量が10〜50重量%、水添された1、4結合含量が10〜30重量%となるようにブタジエン部二重結合を選択的に部分水添したブロック共重合体を使用することにより、低温域における面衝撃特性の優れた樹脂組成物および射出成形体が得られることを見出し、本発明をなすに至った。
すなわち本発明は、
ポリアミド(A)50〜90重量部およびポリフェニレンエーテル(B)10〜50重量部の合計100重量部に対して、少なくとも1個のスチレンブロックと少なくとも1個のブタジエンブロックからなるブロック共重合体(C)の2種類以上の混合物1〜35重量部からなる組成物であって、ブタジエン部の全水添率が20%以上80%未満、かつ水添されたビニル結合含量が10〜50重量%、水添された1、4結合含量が10〜30重量%であるブタジエン部二重結合を選択的に部分水添したブロック共重合体(C1)を、(C)成分中10〜90重量%、ブタジエン部の全水添率が98%以上である2種類以上のポリスチレン−水素添加ポリブタジエン−ポリスチレンブロック共重合体(C2)を、(C)成分中90〜10重量%の割合で含むことを特徴とする熱可塑性樹脂組成物および射出成形体に関する。
本発明の組成物は、低温域において優れた面衝撃特性を発現する効果を有する。
本発明について、以下具体的に説明する。
本発明の熱可塑性樹脂組成物を構成する各成分について詳しく述べる。
本発明で使用することのできる(A)成分のポリアミドの種類としては、ポリマー主鎖中にアミド結合{−NH−C(=O)−}を有するものであれば、いずれも使用することができる。
一般にポリアミドは、ラクタム類の開環重合、ジアミンとジカルボン酸の重縮合、アミノカルボン酸の重縮合などによって得られるが、これらに限定されるものではない。
上記ジアミンとしては大別して脂肪族、脂環式および芳香族ジアミンが挙げられ、具体例としては、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、トリデカメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、5−メチルナノメチレンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、1,4−ビスアミノメチルシクロヘキサン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン等が挙げられる。
ジカルボン酸としては、大別して脂肪族、脂環式および芳香族ジカルボン酸が挙げられ、具体例としては、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、1,1,3−トリデカン二酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ダイマー酸などが挙げられる。
ラクタム類としては、具体的にはε−カプロラクタム、エナントラクタム、ω−ラウロラクタムなどが挙げられる。
また、アミノカルボン酸としては、具体的にはε−アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、8−アミノオクタン酸、9−アミノノナン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、13−アミノトリデカン酸などが挙げられる。
本発明においては、これらラクタム類、ジアミン、ジカルボン酸、ω−アミノカルボン酸を、単独あるいは二種以上の混合物にして重縮合を行って得られる共重合ポリアミド類のいずれもが使用できる。
また、これらラクタム類、ジアミン、ジカルボン酸、ω−アミノカルボン酸を重合反応機内で低分子量のオリゴマーの段階まで重合し、押出機等で高分子量化したものも好適に使用することができる。
特に本発明で有用に用いることのできるポリアミド樹脂としては、ポリアミド6、ポリアミド6,6、ポリアミド4,6、ポリアミド11,ポリアミド12,ポリアミド6,10、ポリアミド6,12、ポリアミド6/6,6、ポリアミド6/6,12、ポリアミド6/MXD(m−キシリレンジアミン)、ポリアミド6,T、ポリアミド6,I、ポリアミド6/6,T、ポリアミド6/6,I、ポリアミド6,6/6,T、ポリアミド6,6/6,I、ポリアミド6/6,T/6,I、ポリアミド6,6/6,T/6,I、ポリアミド6/12/6,T、ポリアミド6,6/12/6,T、ポリアミド6/12/6,I、ポリアミド6,6/12/6,Iなどが挙げられ、複数のポリアミドを押出機等で共重合化したポリアミド類も使用することができる。
好ましいポリアミドは、ポリアミド6、ポリアミド6,6、ポリアミド6/6,6及び、それらの混合物である。
本発明で使用されるポリアミド樹脂の好ましい数平均分子量は5,000〜100,000であり、より好ましくは10,000〜30,000である。
本発明におけるポリアミド樹脂はこれらに限定されるものではなく、分子量の異なる複数のポリアミド樹脂の混合物であっても良い。例えば数平均分子量15,000未満の低分子量ポリアミドと、15,000以上の高分子量ポリアミドとの混合物等である。
ポリアミドの末端基は、ポリフェニレンエーテルとの反応に関与する。ポリアミド樹脂は末端基として一般にアミノ基、カルボキシル基を有しているが、一般的にカルボキシル基濃度が高くなると、耐衝撃性が低下し、流動性が向上し、逆にアミノ基濃度が高くなると耐衝撃性が向上し、流動性が低下する。
本発明における、これらの好ましい比はアミノ基/カルボキシル基濃度比で、9/1〜1/9であり、より好ましくは8/2〜1/9、更に好ましくは6/4〜1/9である。
また、末端のアミノ基の濃度としては少なくとも10ミリ当量/kgであることが好ましい。更に好ましくは30ミリ当量/kg以上である。
これらポリアミド樹脂の末端基の調整方法は、当業者には明らかであるような公知の方法を用いることができる。例えばポリアミド樹脂の重合時に所定の末端濃度となるようにジアミン類やジカルボン酸類、モノカルボン酸類などを添加する方法、あるいは、末端基の比率が異なる2種類以上のポリアミド樹脂の混合物により調整する方法等が挙げられる。
また、ポリアミド樹脂の耐熱安定性を向上させる目的で公知となっている特開平1−163262号公報に記載されているような金属系安定剤も、問題なく使用することができる。
これら金属系安定剤の中で特に好ましく使用することのできるものとしては、CuI、CuCl 、酢酸銅、ステアリン酸セリウム等が挙げられる。また、ヨウ化カリウム、臭化カリウム等に代表されるアルカリ金属のハロゲン化塩も好適に使用することができる。これらは、もちろん併用添加しても構わない。
金属系安定剤および、又はアルカリ金属のハロゲン化塩の好ましい配合量は、合計量としてポリアミド樹脂の100重量部に対して、0.001〜1重量部である。
さらに、上記の他にポリアミドに添加することが可能な公知の添加剤等もポリアミド100重量部に対して10重量部未満の量で添加してもかまわない。
本発明で使用できる(B)成分のポリフェニレンエーテルとは、式(1)の構造単位からなる、ホモ重合体及び/または共重合体である。
Figure 0004334392
〔式中、Oは酸素原子、Rは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、第一級もしくは第二級の低級アルキル、フェニル、ハロアルキル、アミノアルキル、炭化水素オキシ、又はハロ炭化水素オキシ(但し、少なくとも2個の炭素原子がハロゲン原子と酸素原子を隔てている)を表わす。〕
本発明のポリフェニレンエーテルの具体的な例としては、例えば、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−フェニル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジクロロ−1,4−フェニレンエーテル)等が挙げられ、さらに2,6−ジメチルフェノールと他のフェノール類との共重合体(例えば、特公昭52−17880号公報に記載されているような2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体や2−メチル−6−ブチルフェノールとの共重合体)のようなポリフェニレンエーテル共重合体も挙げられる。
これらの中でも特に好ましいポリフェニレンエーテルは、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体、またはこれらの混合物である。
本発明で用いるポリフェニレンエーテルの製造方法は特に限定されるものではなく、公知の方法が使用でき、例えば、米国特許第3306874号明細書、同第3306875号明細書、同第3257357号明細書及び同第3257358号明細書、特開昭50−51197号公報及び同63−152628号公報等に記載されている製造方法等を挙げることができる。
本発明で使用することのできるポリフェニレンエーテルの還元粘度(ηsp/c:0.5g/dl、クロロホルム溶液、30℃測定)は、0.15〜0.70dl/gの範囲であることが好ましく、さらに好ましくは0.20〜0.60dl/gの範囲、より好ましくは0.40〜0.55dl/gの範囲である。
本発明においては、2種以上の還元粘度の異なるポリフェニレンエーテルをブレンドしたものであっても、何ら問題なく使用することができる。例えば、還元粘度0.45dl/g以下のポリフェニレンエーテルと還元粘度0.50dl/g以上のポリフェニレンエーテルの混合物、還元粘度0.40dl/g以下の低分子量ポリフェニレンエーテルと還元粘度0.50dl/g以上のポリフェニレンエーテルの混合物等が挙げられるが、もちろん、これらに限定されることはない。
また、本発明において使用できるポリフェニレンエーテルは、重合溶媒に起因する有機溶剤が、ポリフェニレンエーテル100重量部に対して5重量%未満の量で残存していても構わない。これら重合溶媒に起因する有機溶剤は、重合後の乾燥工程で完全に除去するのは困難であり、通常数百ppmから数%の範囲で残存しているものである。ここでいう重合溶媒に起因する有機溶媒としては、トルエン、キシレンの各異性体、エチルベンゼン、炭素数1〜5のアルコール類、クロロホルム、ジクロルメタン、クロルベンゼン、ジクロルベンゼン等の1種以上が挙げられる。
また、本発明において使用できるポリフェニレンエーテルは、全部又は一部が変性されたポリフェニレンエーテルであっても構わない。
ここでいう変性されたポリフェニレンエーテルとは、分子構造内に少なくとも1個の炭素−炭素二重結合または、三重結合及び少なくとも1個のカルボン酸基、酸無水物基、アミノ基、水酸基、又はグリシジル基を有する、少なくとも1種の変性化合物で変性されたポリフェニレンエーテルを指す。
該変性されたポリフェニレンエーテルの製法としては、(1)ラジカル開始剤の存在下、非存在下で100℃以上、ポリフェニレンエーテルのガラス転移温度未満の範囲の温度でポリフェニレンエーテルを溶融させることなく変性化合物と反応させる方法、(2)ラジカル開始剤の存在下、非存在下でポリフェニレンエーテルのガラス転移温度以上360℃以下の範囲の温度でポリフェニレンエーテルと変性化合物とを溶融混練して反応させる方法、(3)ラジカル開始剤の存在下、非存在下でポリフェニレンエーテルのガラス転移温度未満の温度で、ポリフェニレンエーテルと変性化合物とを溶液中で反応させる方法等が挙げられ、これらいずれの方法でも構わないが、(1)及び(2)の方法が好ましい。
次に分子構造内に少なくとも1個の炭素−炭素二重結合または、三重結合及び少なくとも1個のカルボン酸基、酸無水物基、アミノ基、水酸基、又はグリシジル基を有する少なくとも1種の変性化合物について具体的に説明する。
分子内に炭素−炭素二重結合とカルボン酸基、酸無水物基を同時に有する変性化合物としては、マレイン酸、フマル酸、クロロマレイン酸、シス−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸及びこれらの酸無水物などが挙げられる。特にフマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸が良好で、フマル酸、無水マレイン酸が特に好ましい。
また、これら不飽和ジカルボン酸のカルボキシル基の1個または2個がエステルになっているものも使用可能である。
分子内に炭素−炭素二重結合とグリシジル基とを同時に有する変性化合物としては、アリルグリシジルエーテル、グリシジルアクリレート、グリシジルメタアクリレート、エポキシ化天然油脂等が挙げられる。
これらの中でグリシジルアクリレート、グリシジルメタアクリレートが特に好ましい。
分子内に炭素−炭素二重結合と水酸基とを同時に有する変性化合物としては、アリルアルコール、4−ペンテン−1−オール、1,4−ペンタジエン−3−オールなどの一般式C2n−3OH(nは正の整数)の不飽和アルコール、一般式C2n−5OH、C2n−7OH(nは正の整数)等の不飽和アルコール等が挙げられる。
上述した変性化合物は、それぞれ単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
変性されたポリフェニレンエーテルを製造する際の変性化合物の添加量は、ポリフェニレンエーテル100重量部に対して0.1〜10重量部が好ましく、更に好ましくは0.3〜5重量部である。
ラジカル開始剤を用いて変性されたポリフェニレンエーテルを製造する際の好ましいラジカル開始剤の量は、ポリフェニレンエーテル100重量部に対して0.001〜1重量部である。
また、変性されたポリフェニレンエーテル中の変性化合物の付加率は、0.01〜5重量%が好ましい。より好ましくは0.1〜3重量%である。
該変性されたポリフェニレンエーテル中には、未反応の変性化合物及び/または、変性化合物の重合体が残存していても構わない。
また、変性されたポリフェニレンエーテル中に残存する変性化合物及び/または、変性化合物の重合体の量を減少させるために、該変性されたポリフェニレンエーテルを製造する際に、必要に応じてアミド結合及び/またはアミノ基を有する化合物を添加しても構わない。
ここでいうアミド結合を有する化合物とは、分子構造中にアミド結合{−NH−C(=O)−}構造を有する化合物であり、アミノ基を有する化合物とは末端に{−NH}構造を有する化合物である。これら化合物の具体例としては、オクチルアミン、ノニルアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族アミン類、アニリン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン等の芳香族アミン類、上記アミン類とカルボン酸、ジカルボン酸等との反応物、ε−カプロラクタム等のラクタム類及びポリアミド樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これらアミド結合またはアミノ基を有する化合物を添加する際の好ましい添加量は、ポリフェニレンエーテル100重量部に対し0.001重量部以上、5重量部未満である。好ましくは0.01重量部以上、1重量部未満、より好ましくは0.01重量部以上、0.1重量部未満である。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、スチレン系熱可塑性樹脂をポリアミドとポリフェニレンエーテルの合計100重量部に対し、50重量部未満の量であれば配合しても構わない。本発明でいうスチレン系熱可塑性樹脂としては、ホモポリスチレン、ゴム変性ポリスチレン(HIPS)、スチレン−アクリロニトリル共重合体(AS樹脂)、スチレン−ゴム質重合体−アクリロニトリル共重合体(ABS樹脂)等が挙げられる。
更に、ポリフェニレンエーテルに添加することが可能な公知の添加剤等もポリフェニレンエーテル100重量部に対して10重量部未満の量で添加しても構わない。
次に、本発明で使用することができる(C)成分のブロック共重合体について説明する。
本発明で使用することができる(C)成分のブロック共重合体は、スチレン化合物を主体とする重合体ブロックとブタジエン化合物を主体とする重合体ブロックから構成されるブロック共重合体である。
スチレン化合物の具体例としてはスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等が挙げられ、これらから選ばれた1種以上の化合物が用いられるが、中でもスチレンが特に好ましい。
本発明におけるブロック共重合体は、スチレン化合物を主体とする重合体ブロックAとブタジエン化合物を主体とする重合体ブロックBがA−B型、A−B−A型、A−B−A−B型から選ばれる結合形式を有するブロック共重合体である事が好ましい。また、これらの混合物であってももちろん構わない。
これらの中でもA−B−A型、A−B−A−B型がより好ましい。これらはもちろん混合物であっても構わない。
本発明においては、(C)成分の一部が、(C1)スチレン化合物とブタジエン化合物のブロック共重合体のブタジエン部の二重結合を選択的に部分水素添加されたブロック共重合体であることが必要である。(C1)成分の好ましい配合量は、(C)成分の合計量100重量%に対し、10〜90重量%であり、より好ましくは20〜80重量%である。
ここで、水素添加されたブロック共重合体とは、上述のスチレン化合物とブタジエン化合物のブロック共重合体を水素添加処理することにより、ブタジエン化合物を主体とする重合体ブロックの脂肪族二重結合を0を超えて100%の範囲で制御したものをいう。本発明において、部分水素添加されたブロック共重合体とは、水素添加率が20%以上80%未満のブロック共重合体のことであり、水素添加されたブロック共重合体とは水素添加率が80%以上のブロック共重合体のことである。
本発明の(C1)成分の部分水素添加されたブロック共重合体の水素添加率は20%以上80%未満であり、好ましくは20%以上50%未満である。
(C1)成分の選択的に部分水素添加されたブロック共重合体の「選択的に」とは、ブタジエン部分のビニル結合を優先的に水素添加されることである。本発明の(C1)成分は、ブタジエン部分の合計100重量%に対して、水素添加されたビニル結合が10〜50重量%、水素添加された1、4結合が10〜30重量%である必要がある。好ましくは、水素添加されたビニル結合が10〜30重量%、水素添加された1、4結合が10〜20重量%である。
これらのブロック共重合体の水素添加率、水素添加されたビニル結合含有量、水素添加された1、4結合含有量は、特開平8−245839号公報に記載されている方法で求めることができる。
また、本発明において、(C1)成分以外の(C)成分は、水素添加されている必要はないが、(C1)以外の部分水素添加されたブロック共重合体、または水素添加されたブロック共重合体を含んでいることが好ましく、より好ましくは、水素添加されたブロック共重合体を含んでいることであり、さらに好ましくは2種類以上の水素添加されたブロック共重合体を含んでいることである。これらブロック共重合体の水素添加率としては、部分水素添加ブロック共重合体の好ましい水素添加率は20%以上80%未満であり、より好ましくは20%以上50%未満であり、水素添加ブロック共重合体の好ましい水素添加率は、80%以上であり、より好ましくは98%以上である。
本発明における(C1)成分のブロック共重合体の、スチレン化合物を主体とする重合体ブロックとブタジエン化合物を主体とする重合体ブロックの量比は、特に規定されるものではないが、好ましくは、スチレン化合物を主体とする重合体ブロック10〜40重量%、ブタジエン化合物を主体とする重合体ブロック60〜90重量%であり、より好ましくは、スチレン化合物を主体とする重合体ブロック20〜40重量%、ブタジエン化合物を主体とする重合体ブロック60〜80重量%である。また、ブタジエン化合物のソフトセグメント部分のミクロ構造は1,2−ビニル含量もしくは1,2−ビニル含量と3,4−ビニル含量の合計量が10〜50%が好ましく、さらには10〜40%が好ましく、10〜30%が最も好ましい。
また、本発明の(C)成分のブロック共重合体は、該組成物中において、ブロック共重合体の混合物中のスチレン化合物を主体とする一つの重合体ブロックの数平均分子量が、5,000以上30,000未満、かつ、ブタジエン化合物を主体とする一つの重合体ブロックの数平均分子量が50,000以上100,000未満の範囲にあることが好ましい。より好ましくは、ブロック共重合体の混合物中のスチレン化合物を主体とする一つの重合体ブロックの数平均分子量が、10,000以上30,000未満、かつ、ブタジエン化合物を主体とする一つの重合体ブロックの数平均分子量が50,000以上80,000未満である。
本発明のスチレン化合物を主体とする重合体ブロックにおける「主体とする」とは、当該ブロックにおいて、少なくとも50重量%以上がスチレン化合物であるブロックを指す。より好ましくは70重量%以上、更に好ましくは80重量%以上、最も好ましくは90重量%以上である。また、ブタジエン化合物を主体とする重合体ブロックにおける「主体とする」に関しても同様で、少なくとも50重量%以上がブタジエン化合物であるブロックを指す。より好ましくは70重量%以上、更に好ましくは80重量%以上、最も好ましくは90重量%以上である。
この場合、例えばスチレン化合物ブロック中にランダムに少量のブタジエン化合物もしくは他の化合物が結合されているブロックの場合であっても、該ブロックの50重量%がスチレン化合物より形成されていれば、スチレン化合物を主体とするブロック共重合体とみなす。また、ブタジエン化合物の場合においても同様である。
また、本発明の(C)成分のブロック共重合体は、数平均分子量が120,000未満のもののみで構成されることが好ましい。
本発明でいう数平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー測定装置[GPC SYSTEM21:昭和電工(株)製]を用いて、紫外分光検出器[UV−41:昭和電工(株)製]で測定し、標準ポリスチレンで換算した数平均分子量のことを指す。測定条件は次のとおりである。
(測定条件)
溶媒:クロロホルム
温度:40℃
カラム:サンプル側(K−G,K−800RL,K−800R)
リファレンス側(K−805L×2本)
流量:10ml/分
測定波長:254nm
圧力;15〜17kg/cm
この時、重合時の触媒失活による低分子量成分が検出されることがあるが、その場合は分子量計算に低分子量成分は含めない。通常、計算された正しい分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)は1.0〜1.2の範囲内である。
スチレン化合物を主体とする一つの重合体ブロックの数平均分子量は、上述したブロック共重合体の数平均分子量を用いて、下式により求めることができる。
Mn(a)={Mn×a/(a+b)}/N
[上式中において、Mn(a)はスチレン化合物を主体とする一つの重合体ブロックの数平均分子量、Mnはブロック共重合体の数平均分子量、aはブロック共重合体中のすべてのスチレン化合物を主体とする重合体ブロックの重量%、bはブロック共重合体中のすべてのブタジエン化合物を主体とする重合体ブロックの重量%、そしてNはブロック共重合体中のスチレン化合物を主体とする重合体ブロックの数を表す。]
また、ブタジエン化合物を主体とする一つの重合体ブロックの数平均分子量も同様の式から求めることができる。
また、本発明で使用するブロック共重合体は、全部又は一部が変性されたブロック共重合体であっても構わない。
ここでいう変性されたブロック共重合体とは、分子構造内に少なくとも1個の炭素−炭素二重結合または、三重結合及び少なくとも1個のカルボン酸基、酸無水物基、アミノ基、水酸基、又はグリシジル基を有する、少なくとも1種の変性化合物で変性されたブロック共重合体を指す。
該変性されたブロック共重合体の製法としては、(1)ラジカル開始剤の存在下、非存在下でブロック共重合体の軟化点温度以上250℃以下の範囲の温度で変性化合物と溶融混練し反応させる方法、(2)ラジカル開始剤の存在下、非存在下でブロック共重合体の軟化点以下の温度で、ブロック共重合体と変性化合物を溶液中で反応させる方法、(3)ラジカル開始剤の存在下、非存在下でブロック共重合体の軟化点以下の温度で、ブロック共重合体と変性化合物を溶融させることなく反応させる方法等が挙げられ、これらいずれの方法でも構わないが、(1)の方法が好ましく、更には(1)の中でもラジカル開始剤存在下で行う方法が最も好ましい。
ここでいう分子構造内に少なくとも1個の炭素−炭素二重結合または、三重結合及び少なくとも1個のカルボン酸基、酸無水物基、アミノ基、水酸基、又はグリシジル基を有する少なくとも1種の変性化合物とは、変性されたポリフェニレンエーテルで述べた変性化合物と同じものが使用できる。
また、本発明に使用するブロック共重合体中には、パラフィンを主成分とするオイルをあらかじめ混合したものを用いても構わない。パラフィンを主成分とするオイルをあらかじめ混合する事により、樹脂組成物の加工性を向上させることができる。この際の好ましいパラフィンを主成分とするオイルの量は、取り扱い性を考慮するとブロック共重合体100重量部に対して、1〜70重量部である。
ここでいうパラフィンを主成分とするオイルとは、芳香環含有化合物、ナフテン環含有化合物及び、パラフィン系化合物の三者が組み合わさった重量平均分子量500〜10000の範囲の炭化水素系化合物の混合物であり、パラフィン系化合物の含有量が50重量%以上のものである。より好ましくは、パラフィン系化合物が50〜90重量%,ナフテン環含有化合物が10〜40重量%、芳香環含有化合物が5重量%以下のものである。
これら、パラフィンを主成分とするオイルは市販されており、例えば出光興産(株)製のPW380等が挙げられる。
本発明における、(A)ポリアミド、(B)ポリフェンレンエーテル、(C)ブロック共重合体の量比は、ポリアミド50〜90重量部、ポリフェニレンエーテル10〜50重量部の合計100重量部に対して、ブロック共重合体1〜35重量部である。好ましくは、ポリアミド50〜70重量部、ポリフェニレンエーテル30〜50重量部の合計100重量部に対して、ブロック共重合体1〜35重量部である。
また、本発明においては(D)成分として導電性材料を添加しても構わない。
本発明で使用可能な導電性材料としては、非導電材料に導電性を付与する目的のために使用されるカーボンのような非金属性のものが好ましい。
カーボンの例としては、例えばケッチェンブラックインターナショナル社から入手可能なケッチェンブラック(EC,EC−600JD,ECP,ECP−600JD)や、ハイペリオンキャタリシスインターナショナル社から入手可能なカーボンフィブリル(BNフィブリル)を挙げることができる。特に国際公開特許WO94/23433号公報に開示されているようなカーボンフィブリルが好ましい。
これら導電性材料の好ましい量比は、(A)〜(C)成分の合計100重量部に対して0.1重量部以上3重量部未満の量である。より好ましくは0.5重量部以上2.5重量部未満である。導電性材料の量が3重量部以上になると、熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃性および流動性が低下する可能性がある。
導電性材料の配合方法に関して特に制限はないが、例えば、粉体のままポリフェニレンエーテルとともに加える方法、粉体のままポリアミドとともに加える方法、米国特許5741846号明細書及び米国特許5977240号明細書に書かれてあるようにポリアミドとポリフェニレンエーテルを相溶化させた後に粉体のまま加える方法等が挙げられる。
また、WO01/81473号明細書の実施例に開示されてあるように、導電性材料を予めエラストマーやポリフェニレンエーテル中に存在させたマスターバッチの形態で加えても、特開平2−201811号公報に開示されてあるように、カーボンブラックを予めポリアミド中に均一分散させたマスターバッチ、あるいはハイペリオンキャタリストインターナショナル社から入手可能なポリアミド66/カーボンフィブリルマスターバッチ(商品名:Polyamide66 with Fibril TM Nanotubes RMB4620−00:カーボンフィブリル量20%)等のカーボンフィブリルマスターバッチとして加えても構わない。
また、本発明の組成物は、組成物の製造の際に相溶化剤を添加することが好ましい。相溶化剤を使用する主な目的は、ポリアミド−ポリフェニレンエーテル混合物の物理的性質を改良することである。本発明で使用できる相溶化剤とは、ポリフェニレンエーテル、ポリアミドまたはこれら両者と相互作用する多官能性の化合物を指すものである。
いずれにしても得られるポリアミド−ポリフェニレンエーテル混合物は改良された相溶性を示す事が望ましい。
本発明の組成物において使用することのできる相溶化剤の例としては、特開平8−48869号公報及び特開平9−124926号公報等に詳細に記載されており、これら公知の相溶化剤はすべて使用可能であり、併用使用も可能である。
これら、種々の相溶化剤の中でも、特に好適な相溶化剤の例としては、マレイン酸、無水マレイン酸、クエン酸が挙げられる。
本発明の組成物において使用することのできる相溶化剤の好ましい量は、ポリアミドとポリフェニレンエーテルの混合物100重量部に対して0.1〜20重量部であり、より好ましくは0.1〜10重量部である。
本発明においては、無機充填材を添加しても構わない。
本発明において使用できる無機充填材としては、タルク、カオリン、ゾノトライト、ウォラストナイト、酸化チタン、チタン酸カリウム、ガラス繊維等が挙げられ、中でもウォラストナイトが好適に使用できる。
本発明で使用することができるウォラストナイトは、珪酸カルシウムを成分とする天然鉱物を精製、粉砕および分級したものである。また、人工的に合成したものも使用可能である。ウォラストナイトの大きさとしては、平均粒子径2〜9μm、アスペクト比5以上のものが好ましく、より好ましくは平均粒子径3〜7μm、アスペクト比5以上のもの、さらに好ましくは平均粒子径3〜7μm、アスペクト比8以上のものである。
さらに、本発明のウォラストナイトは1000℃での加熱減量が1.5重量%以下のものが好ましい。
また、これらのウォラストナイトには、表面処理剤として、高級脂肪酸またはそのエステル、塩等の誘導体(例えば、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸アミド、ステアリン酸エチルエステル等)やカップリング剤(例えば、シラン系、チタネート系、アルミニウム系、ジルコニウム系等)を必要により使用することができる。その使用量としてはウォラストナイトに対して0.05〜5重量%であることが好ましい。
これらウォラストナイトの好ましい量比は、(A)〜(C)成分の合計量100重量部に対して2〜80重量部である。より好ましくは2〜70重量部であり、さらに好ましくは5〜60重量部である。
本発明では、上記した成分の他に、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて付加的成分を添加しても構わない。
付加的成分の例を以下に挙げる。
ポリエステル、ポリオレフィン、エチレン−α−オレフィン共重合体等の他の熱可塑性樹脂、無機充填材と樹脂との親和性を高める為の公知の密着改良剤、難燃剤(ハロゲン化された樹脂、シリコーン系難燃剤、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、有機燐酸エステル化合物、ポリ燐酸アンモニウム、赤燐など)、滴下防止効果を示すフッ素系ポリマー、可塑剤(オイル、低分子量ポリオレフィン、ポリエチレングリコール、脂肪酸エステル類等)及び、三酸化アンチモン等の難燃助剤、着色用カーボンブラック、カーボンファイバー、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー等の導電性付与材、帯電防止剤、各種過酸化物、酸化亜鉛、硫化亜鉛、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等である。
これらの成分の具体的な添加量は、(A)〜(C)成分の合計量100重量部に対して、合計で100重量部を超えない範囲である。
本発明の熱可塑性樹脂組成物を得るための具体的な加工機械としては、例えば、単軸押出機、二軸押出機、ロール、ニーダー、ブラベンダープラストグラフ、バンバリーミキサー等が挙げられるが、中でも二軸押出機が好ましく、特に、上流側供給口と1カ所以上の下流側供給口を備えた二軸押出機が最も好ましい。
この際の溶融混練温度は特に限定されるものではないが、通常240〜360℃の中から好適な組成物が得られる条件を任意に選ぶことができる。
本発明の好ましい熱可塑性樹脂組成物の製造方法としては、上流側供給口と下流側供給口を備えた二軸押出機を用い、上流側供給口より(B)成分と(C)成分を供給し溶融混練した後、下流側供給口より(A)成分を供給し溶融混練する方法等が挙げられる。
このようにして得られる本発明の組成物は、従来より公知の種々の方法、例えば、射出成形により各種部品の成形体として成形できる。
これら各種部品としては、例えばICトレー材料、各種ディスクプレーヤー等のシャーシー、キャビネット等の電気・電子部品、各種コンピューターおよびその周辺機器等のOA部品や機械部品、さらにはオートバイのカウルや、自動車のフェンダー、ドアーパネル、フロントパネル、リアパネル、ロッカーパネル、リアバンパーパネル、バックドアガーニッシュ、エンブレムガーニッシュ、燃料注入口パネル、オーバーフェンダー、アウタードアハンドル、ドアミラーハウジング、ボンネンットエアインテーク、バンパー、バンパーガード、ルーフレール、ルーフレールレッグ、ピラー、ピラーカバー、ホイールカバー、スポイラー等に代表される各種エアロパーツ、各種モール、エンブレムといった外装部品や、インストゥルメントパネル、コンソールボックス、トリム等に代表される内装部品等に好適に使用できる。
本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこの実施例に示されたものに限定されるものではない。
(使用した原料)
実施例等において使用した原料は次のとおりである。
(A)ポリアミド
ポリアミド66(以下、PA66と略記)
数平均分子量=14,000
末端アミノ基濃度=30ミリ等量/kg
末端カルボキシル基濃度=100ミリ等量/kg
(B)ポリフェニレンエーテル
ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)(旭化成ケミカルズ(株)製)
(B−1)ポリフェニレンエーテル(以下、PPEと略記)
還元粘度:0.42dl/g
(0.5g/dl、クロロホルム溶液、30℃測定)
(B−2)無水マレイン酸変性ポリフェニレンエーテル(以下、M−PPEと略記)
PPE100重量部に対して、ラジカル開始剤0.1重量部および無水マレイン酸1.5重量部を添加し、二軸押出機を用いてシリンダー温度320℃で溶融混練してM−PPEを作製した。
なお、無水マレイン酸の付加率は、0.5%であった。
(C)ブロック共重合体
(C−1)ポリスチレン−部分水素添加ポリブタジエン−ポリスチレン
(以下、SBBS−1と略記)
数平均分子量=77,100
スチレン成分の合計含有量=30重量%
ポリスチレンブロック1個あたりの数平均分子量=11,600
ポリブタジエンブロック1個あたりの数平均分子量=53,900
ポリブタジエン部分の水素添加率=77%
ブタジエン部分のビニル含有量=44重量%
水素添加ビニル結合含量=42重量%
水素添加1,4結合含量=33重量%
(C−2)ポリスチレン−部分水素添加ポリブタジエン−ポリスチレン
(以下、SBBS−2と略記)
数平均分子量=98,000
スチレン成分の合計含有量=30重量%
ポリスチレンブロック1個あたりの数平均分子量=14,700
ポリブタジエンブロック1個あたりの数平均分子量=68,600
ポリブタジエン部分の水素添加率=30%
ブタジエン部分のビニル含有量=13重量%
水素添加ビニル結合含量=12重量%
水素添加1,4結合含量=17重量%
(C−3)ポリスチレン−水素添加ポリブタジエン−ポリスチレン
(以下、SEBS−1と略記)
数平均分子量=99,100
スチレン成分の合計含有量=29重量%
ポリスチレンブロック1個あたりの数平均分子量=14,400
ポリブタジエンブロック1個あたりの数平均分子量=70,300
ポリブタジエン部分の水素添加率=98%以上
(C−4)ポリスチレン−水素添加ポリブタジエン−ポリスチレン
(以下、SEBS−2と略記)
数平均分子量=113,000
スチレン成分の合計含有量=60重量%
ポリスチレンブロック1個あたりの数平均分子量=33,900
ポリブタジエンブロック1個あたりの数平均分子量=45,200
ポリブタジエン部分の水素添加率=98%以上
(D)導電性カーボンブラック
導電性カーボンブラック(以下、KBと略記)商品名:ケッチェンブラックEC−600JD
(ケッチェンブラックインターナショナル社製)
(E)相溶化剤
無水マレイン酸(三菱化学(株)製)
(測定方法)
以下に、低温での面衝撃特性の測定方法について述べる。
<低温面衝撃試験>
得られた樹脂組成物ペレットを、東芝IS−80EPN成形機(シリンダー温度を280℃、金型温度を80℃に設定)にて90mm×50mm、厚さ2.5mmの平板成形片を成形した。得られた成形片を−30℃の恒温槽中に少なくとも2時間放置し冷却した。冷却した成形片を恒温槽から取り出して直ぐに測定を行った。測定には、落錘グラフィックインパクトテスター((株)東洋精機製)を用い、ホルダ径φ40mm、ストライカー径12.7mm、ストライカー重量6.5kgを使用し、高さ128cmから衝撃試験を行い、全吸収エネルギーを測定した。
[比較例1、参考例1及び実施例1
押出機上流側に1カ所、下流側に1カ所の供給口を有する二軸押出機[ZSK−25:ウェルナー&フライデラー社製(ドイツ)]を用いて、シリンダー温度270℃設定下で、90重量部のポリアミドと10重量部の導電性カーボンブラックを溶融混練し、マスターバッチ(以下、PA/KB−MBと略記)を作製した。
続いて、同様の二軸押出機を用いて、シリンダー温度300℃に設定した条件下で、上流側供給口よりポリフェニレンエーテル、ブロック共重合体を供給し溶融混練した後、下流側供給口よりポリアミド、導電性カーボンブラックマスターバッチを供給して、樹脂組成物ペレットを作製した。得られた樹脂組成物ペレットを成形し、低温面衝撃を測定した。測定値を組成と共に表1に併記した。
表1より、樹脂組成物中に部分的に水素添加されたブロック共重合体を配合することで、低温での面衝撃特性を向上することが可能であった。
Figure 0004334392
本発明の組成物、および該組成物からなる成形体は、電気・電子部品、OA部品、車両部品、機械部品などの幅広い分野に使用することができ、とりわけ、自動車外装部品に好適に使用できる。

Claims (7)

  1. ポリアミド(A)50〜90重量部およびポリフェニレンエーテル(B)10〜50重量部の合計100重量部に対して、少なくとも1個のスチレンブロックと少なくとも1個のブタジエンブロックからなるブロック共重合体(C)の2種類以上の混合物1〜35重量部からなる組成物であって、ブタジエン部の全水添率が20%以上80%未満、かつ水添されたビニル結合含量が10〜50重量%、水添された1、4結合含量が10〜30重量%であるブタジエン部二重結合を選択的に部分水添したブロック共重合体(C1)を、(C)成分中10〜90重量%、ブタジエン部の全水添率が98%以上である2種類以上のポリスチレン−水素添加ポリブタジエン−ポリスチレンブロック共重合体(C2)を、(C)成分中90〜10重量%の割合で含むことを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
  2. (C1)成分が、スチレンブロック含量10〜40重量%およびブタジエンブロック含量60〜90重量%であり、かつブタジエンブロックのビニル結合含量が10〜50重量%であるポリスチレン−ポリブタジエンブロック共重合体を選択的に部分水添したブロック共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  3. (C)成分が、少なくとも2個のスチレンブロックと少なくとも1個のブタジエンブロックからなるブロック共重合体の2種類以上の混合物であることを特徴とする請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  4. 組成物中の(C)成分のスチレンブロックの数平均分子量が5,000以上30,000未満であり、かつ、ブタジエンブロックの数平均分子量が50,000以上100,000未満であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
  5. (C)成分が、数平均分子量120,000未満のブロック共重合体のみから構成される混合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
  6. 導電性材料(D)を、(A)〜(C)成分の合計100重量部に対して3重量部未満の量で含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物からなることを特徴とする射出成形体。
JP2004105060A 2004-03-31 2004-03-31 熱可塑性樹脂組成物 Expired - Fee Related JP4334392B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004105060A JP4334392B2 (ja) 2004-03-31 2004-03-31 熱可塑性樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004105060A JP4334392B2 (ja) 2004-03-31 2004-03-31 熱可塑性樹脂組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005290123A JP2005290123A (ja) 2005-10-20
JP4334392B2 true JP4334392B2 (ja) 2009-09-30

Family

ID=35323432

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004105060A Expired - Fee Related JP4334392B2 (ja) 2004-03-31 2004-03-31 熱可塑性樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4334392B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TW201100492A (en) 2009-06-24 2011-01-01 Cheil Ind Inc Polyphenyleneether thermoplastic resin composition, method of preparing the same, and molded product using the same
KR20220025859A (ko) * 2019-08-06 2022-03-03 닛뽕소다 가부시키가이샤 폴리페닐렌에테르 수지 조성물, 프리프레그, 및 금속 피복 적층판
US20230193017A1 (en) * 2020-05-27 2023-06-22 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Resin Composition, Method for Producing Modified Hydrogenated Block Copolymer, and Molded Article

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005290123A (ja) 2005-10-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3705599B2 (ja) 導電性マスターバッチ及び導電性樹脂組成物
JP4803738B2 (ja) 導電性樹脂組成物
JP4053075B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JP3697243B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物及び成形体
US6894100B2 (en) Electrically conductive resin composition and production process thereof
JP2005298545A (ja) 導電性樹脂組成物の製造方法
JP4248845B2 (ja) 導電性樹脂組成物とその製法
JP4162201B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JP4334392B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JP2006199748A (ja) 樹脂組成物の製造法
JP4162466B2 (ja) 樹脂組成物
JP4249460B2 (ja) 導電性熱可塑性樹脂組成物
JP4545037B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JP3711285B2 (ja) 導電性マスターバッチの製造方法
JP4159339B2 (ja) 導電性樹脂組成物
JP2002338805A (ja) 樹脂組成物
JP4162465B2 (ja) 導電性樹脂組成物及びその製法
JP2005200664A5 (ja)
JP4249461B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物及びその製法
JP4148886B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物及びその成形体
JP4451176B2 (ja) 導電性樹脂組成物
JP2005264028A (ja) 樹脂組成物
JP2005264027A (ja) 表面外観に優れた導電性樹脂組成物
JP2004315552A (ja) 熱可塑性樹脂組成物および成形体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060307

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081119

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081216

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090213

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20090213

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090323

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090522

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090622

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090623

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120703

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4334392

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130703

Year of fee payment: 4

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees