JP3841834B2 - マロン酸およびそのエステル - Google Patents
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Description
本発明は、水性塩酸の存在下にシアノ酢酸を加水分解する、シアノ酢酸からのマロン酸およびそのエステル類の製造方法に関する。さらに具体的には、本発明はシアノ酢酸から、マロン酸ならびにそのC1〜C10の各エステル、特にイソプロピルアルコールのような第二級アルコールから誘導されるエステル類を得るための高収率の方法に関する。
背景の情報
マロン酸および特にそのエステル類は広く使用される産業製品であり、医薬品、主として農業用品および化粧品の分野において応用されている。
硫酸のような強酸または塩基の存在下におけるシアノ酢酸の加水分解からのマロン酸の製造は周知である。
また、マロン酸エステル類は、所望のエステルを生成するアルコールの存在下にシアノ酢酸を加水分解して調製することも出来る。
マロン酸エステルはまた、純粋なマロン酸のエステル化を包含する、古典的経路から得ることも出来る。
他の周知の方法は、マロン酸のエステルを造るためにアルコールの存在下にクロロ酢酸のカルボニル化を使用する。
特開昭51−143612号、特開昭59−7135号、特開昭59−7136号および米国特許第2,337,858号明細書には、硫酸を大量に消費する工程を包含する方法からマロン酸エステルを造ることが出来ることが教示されているが、マロン酸それ自体の合成は報告されていない。
1943年、於ニューヨーク、John Wiley発行、A.H.Blatt監修、Organic Synthesis Collective、第II巻、第376頁において教示されている方法は、シアノ酢酸をアルカリ加水分解し、マロン酸の塩を得、次にこれを塩化カルシウムと反応させてマロン酸カルシウムを形成させることに基づいている。この塩は酸加水分解により遊離の塩にされ、次に有機溶媒で抽出される。
特開昭53−127411号は、水酸化カルシウムを用いてシアノアセトアミドをアルカリ加水分解し、次に硫酸で酸性化することによるマロン酸の製造を教示している。
しかしながら、開示された文献には、シアノ酢酸の加水分解を高収率に導く方法はおろか、アンモニウム塩のような加水分解副生成物で汚染されたマロン酸の混合物から第二級アルコールのエステル誘導体へのそのような加水分解の応用も提示されていない。そして、そのような方法こそ本出願において記載し、特許を請求するものである。
発明の概要
本発明によるマロン酸およびそのエステルの製造方法は以下の工程を含む:
濃縮混合物の製造:
マロン酸を、少なくとも化学量論量の水性塩酸の存在下におけるシアノ酢酸の加水分解を経て調製するのであるが、これは所望の生成物であるマロン酸、副生成物である塩化アンモニウムおよび少量の酢酸の混合物を生成する。マロン酸および塩化アンモニウムを、媒体中に存在する水、酢酸および過剰の塩酸から分離すると、濃縮混合物が得られる。
マロン酸の単離:
マロン酸および塩化アンモニウムの濃縮混合物は酸素系有機溶媒を用いて溶解することにより精製され、次に、生成物であるマロン酸は副生成物である塩化アンモニウムから分離され、酸素系有機溶媒の蒸発を経て、精製され単離されてマロン酸を得る。
マロン酸エステルの製造:
マロン酸および塩化アンモニウムの濃縮混合物は、エステル化用アルコールを用いて溶解することにより精製され、マロン酸−エステル化用アルコール混合物は副生成物である塩化アンモニウムから分離され、加熱下にブレンステッド酸触媒および共沸混合物形成用有機共同溶媒の存在下にエステル化され、所望のエステル生成物を得る。
したがって、マロン酸を製造するための本方法は、少なくとも化学量論量の、濃度5〜37重量%の水性塩酸の存在下におけるシアノ酢酸の加水分解を含み、加水分解の結果、所望の生成物であるマロン酸および副生成物である塩化アンモニウムである混合物を生成し、これらを、水、過剰の塩酸および副生成物である酢酸から、濃縮混合物を得るために、分離しなければならず、この濃縮物を、適当な圧力および温度条件下に酸素系有機溶媒を用いて溶解することにより精製し、次に所望の生成物を副生成物である塩化アンモニウムから分離してマロン酸を得、これを該酸素系有機溶媒を蒸発させることにより精製、単離する。
また、本発明によるマロン酸エステルを製造する方法は、少なくとも化学量論量の、濃度範囲5〜37重量%の水性塩酸の存在下におけるシアノ酢酸の加水分解を含み、加水分解の結果、所望の生成物であるマロン酸および副生成物である塩化アンモニウムの混合物が生成し、これらを、水、過剰の塩酸および副生成物である酢酸から、濃縮混合物を得るために、分離しなければならず、そのような混合物をエステル化用アルコールを用いて溶解することにより精製し、マロン酸−エステル化用アルコールの混合物を副生成物である塩化アンモニウムから分離し、加熱下に、ブレンステッド酸触媒および三元共沸混合物形成用有機溶媒の存在下にエステル化し、所望のエステル生成物を得る。
すなわち、本発明は、水性塩酸の存在下での穏和な(mild)条件下(このような条件は、所望の生成物の脱炭酸反応を低減するので、反応の副生成物である酢酸の量を低下させる)での加水分解の結果として、高い収率でマロン酸およびそのエステルを製造する方法を提供する。
本発明はさらに、揮発性の塩酸の使用の結果として、水含有量が低く残留鉱酸濃度の低いマロン酸の製造方法を提供する。この揮発性の塩酸は、蒸発により回収し、次いで濃縮し、工程へ再循環することが出来る。加水分解剤の濃度が相対的に低いこと及び蒸発中の媒体の温度の低いことが高い収率をもたらす。
さらに、本発明は、触媒量のブレンステッド酸の存在下でエステル化を行い、アルコール、特に第二級アルコールの脱水の他に脱炭酸反応を最小限にくいとめる結果として、高い収率でマロン酸エステルを製造する方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
添付のFIGURE 1は、本発明の、マロン酸およびそのエステルを製造するために好ましい態様を例示する流れ作業図である。
好ましい態様の詳細な説明
本明細書を通じて、下記の表現は以下の意味を有する:
穏和な加水分解:これは、本方法にしたがって行われる加水分解であり、鉱酸として、専ら濃度5〜37重量%の塩酸を使用する。加水分解は、シアノ酢酸加水分解の副生成物として形成する酢酸のモル量が4%未満であるとき、「穏和である」と称する。シアノ酢酸を加水分解するために硫酸のような強い鉱酸または塩基を使用する現在の当業界の方法においては、そのようなパーセンテージは4%よりかなり高い数値に達するのである。反応の副生成物としての酢酸の量は、所望の生成物の損失を意味し、このような損失は本発明のマロン酸の製造方法を用いることによって最小化する。
すなわち、本発明の1つの好ましい態様は、少なくとも化学量論量の水性塩酸の存在下におけるシアノ酢酸の穏和な加水分解を経て、高い収率でマロン酸を造ることを含む。
図式的に、本発明によるマロン酸の製造方法は以下の式(1)により表すことが出来る:
すなわち、本発明の概念に従えば、穏和な加水分解は、シアノ酢酸を、5〜37重量%、好ましくは10〜37重量%の濃度の塩酸の少なくとも化学量論量と反応させることを含む。
加水分解剤として、塩酸を好んで使用することの利点は以下のとおりである:
・所望の生成物であるマロン酸の脱炭酸反応が低減し、本方法の工程を通じての総合収率が向上する;
・揮発性の塩酸を蒸発により回収し、次いで濃縮し、工程に再循環することが出来る;
・媒体中に存在する水分の除去のために行われる蒸発を通じて、相対的に温度の低いことおよび加水分解剤の濃度の相対的に低いことが所望の生成物の高収率をもたらす。
本発明によるシアノ酢酸の穏和な加水分解は、閉鎖した反応容器中で、圧力を0.5〜10バール、好ましくは1〜7バールとしつつ、少なくとも50℃、好ましくは60〜100℃、特に70〜90℃の温度で起こる。
塩酸対シアノ酢酸のモル比は、1.0〜5.0でよく、好ましくは1.3〜2.0であることが出来る。この反応は化学量論量のシアノ酢酸および塩酸で容易に起こるが、反応速度を増大させるために、塩酸を少なくとも30%のモル過剰に使用するのが好ましい。過剰の塩酸は、加水分解反応の後に取り出し、再循環すべきである。
有用な温度の範囲と塩酸対シアノ酢酸のモル比とは相関連していて、反応時間を決定する。すなわち、この反応を50℃のような低い温度で進行させるには、塩酸対シアノ酢酸のモル比を相対的に高くするか、反応時間を長くする。逆に、温度がより高くなければ、モル比を下げるか、反応時間を短くして用いる。
シアノ酢酸の加水分解からの結果として、反応媒体は、副生成物である塩化アンモニウム、過剰の塩酸、マロン酸の脱炭酸反応から形成する酢酸および添加した塩酸からの水と混合している所望の生成物(マロン酸)を含有する。その水の大部分、過剰の塩酸の大部分及び形成した少量の酢酸は、例えば蒸発あるいは蒸留のような任意の他の周知の方法により、反応媒体から除去されなければならない。
反応生成物であるマロン酸を単離する目的で有機溶媒をさらに添加することは、濃縮混合物の生成中に水を取り除くためには必須ではないということが分かった。しかしながら、水は、周知の方法、例えば水と共沸混合物を形成するベンゼンまたはトルエンのような溶媒を加える方法を用いることにより除去することが出来る。
水、過剰の塩酸および形成した酢酸は、絶対圧40〜1330ミリバール、好ましくは絶対圧133〜400ミリバールで蒸発させることにより除去される。好ましくは、蒸発は反応容器そのものの中で行われる。或いは、蒸発は、攪拌薄膜蒸発器、気流乾燥器または噴霧乾燥器のような適当な蒸発器内において行うことが出来る。
蒸発の後得られる固体は、マロン酸、塩化アンモニウム、少量の水および塩酸を含む。
マロン酸の溶解は下記のような酸素系有機溶媒により行われる:
・C3〜C8のケトン類;
・C2〜C10の非環式エーテルまたは環式エーテル;
・C2〜C6のエステル。
生成物であるマロン酸の溶解後に、副生成物である塩化アンモニウムは、遠心分離または濾過のような古典的固液分離手段を経て分離される。
マロン酸の最終単離を行うための方法の1つは、抽出物を濃縮することによって前記酸素系溶媒を取り除くことであり、その濃縮は、蒸発させ、所望の生成物を−20〜35℃、より好ましくは−5〜10℃の範囲の温度で結晶化させた後、遠心分離にかけた懸濁液を濾過することにより行われる。このようにして得られた濾液は再び予備濃縮され、結晶化作業を上に記載された条件で繰り返す。2回結晶化後に得られたフィルターケークは、乾燥後、90%を超える収率で、純度の高い、所望のマロン酸に導く。母液は、他方のフィルターケークと共に使用される他方の酸素系溶媒の留分と共にさらに使用するため、再循環し、残留溶解マロン酸の回収を確実にし、その結果96モル%より高い収率を達成する。
本発明のもう一つの好ましい態様は、上に記載されたとおりにして得られたマロン酸と塩化アンモニウムとの濃縮混合物からのマロン酸エステルの製造を対象とする。
マロン酸の溶解は、エステル化用アルコールを用いて行われる。エステル化用アルコールとしては、C1〜C10の第一および第二アルコール類が用いられる。
副生成物である塩化アンモニウムは、遠心分離または濾過のような固液分離のための古典的方法によりマロン酸から分離される。得られるマロン酸−アルコール混合物は次にエステル化反応処理に向けられる。
図式的には、本発明によるマロン酸エステルの製造は、下記の式(2)により表すことが出来る:
現在の当業界の技術に比較したときの本発明のもう一つの利点は、マロン酸エステルを造るための本方法が、現在の当業界の方法において見い出されなかった第二級アルコールのエステルを最適な条件下で造ることを可能にすることである。逆に、硫酸のような強い鉱酸を高濃度で使用し、シアノ酢酸の加水分解とエステル化とを一段で行う、現在の当業界の方法は、第二アルコールの脱水を促進し、対応するアルケンを生成することがある。しかしながら、本発明の方法では、エステル化反応は触媒量の鉱酸の存在下に行われ、それにより第二アルコールの脱水が防止される。
アルコール類は、メチルアルコールを例外として、溶媒として作用するばかりでなく、エステル化反応中に形成される水の除去を促進する。それらは二元共沸蒸留において使用され、共同溶媒と共に使用して三元共沸混合物を形成することもできる。
エステル化反応用触媒は特に限定されず、以下の物質を含むことが出来る:クロロスルホン酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、塩酸、硫酸およびその他のブレンステッド酸、より好ましくは、マロン酸1モル当たり0.005〜0.5モル、好ましくは0.07〜0.15モルの量の硫酸。これらの量は、シアノ酢酸のモル数の3〜4倍のモル比を採用する特開昭59−7136号および特開昭59−7135号に記載されている量よりはるかに低い。
マロン酸1モル当たりのアルコールのモル比に関しては何の制限もない。この比は少なくとも化学量論量、即ちマロン酸1モルに対してアルコール2モルである。
エステル化反応は加圧下に行ってもよく、その圧力は67〜1100ミリバール、より好ましくは147ミリバール〜507ミリバールの範囲である。二元または三元共沸混合物の組成およびその蒸留範囲は、反応の圧力条件、使用されるアルコールの特性および共同溶媒を使用する場合にはその種類に直接関連している。
反応が完了した後に、媒体は、濃度5〜30重量%の炭酸ナトリウムのような無機塩基の水溶液で中和される。固体塩基も、エステル化用アルコール中の溶液/懸濁液としても、同様に使用することが出来る。
エステル生成物の最終蒸留を行うために、マロン酸エステルに富んでいる有機相を慣用方法にしたがって、傾瀉により分離する。
エステル生成物の蒸留は、連続的または回分式で行われ、エステル生成物を高収率かつ少なくとも99.0モル%の純度で得る。
本発明は、特にマロン酸およびそのエステルの製造を対象として記載されているけれども、その原則は他のシアノカルボン酸(例えばシアノプロピオン酸、シアノブタン酸および商業的興味のあるエステル)に対しても適用されることに留意すべきである。
次に、本発明を以下の例(本発明はこれらの例に限定されるものとして解釈してはならない)により一層詳細に説明する。
例 1:
マロン酸の製造:
このマロン酸の製造方法は、FIGURE 1に図示されているとおり、水性塩酸を用いての酸加水分解、蒸発、溶解、遠心分離および結晶化を含む。
すなわち、容量1リットルのHastelloy−C製オートクレーブに、85.06g(1モル)のシアノ酢酸を仕込んだ後、457.69gの30.99重量%HClを加えた。これは、シアノ酢酸に対してHCl 3.88モルに相当する。反応媒体を350rpmでかき混ぜながら、70±5℃の温度および2.0バールを超える絶対圧で加熱した。4時間の反応および室温への冷却後、オートクレーブ中の圧力を緩和した。
反応媒体の液相を減圧下に蒸発させ、モル過剰のHCl、2.1gの酢酸および156.58gの湿潤固体を含有する凝縮液を生成した。この湿潤固体の分析から以下の組成(重量基準)であることがわかった。
この固体に160.7gのテトラヒドロフラン(THF)を加えた。得られた懸濁液を40分間かき混ぜながら、室温で維持し、次に不溶の塩化アンモニウムを濾過した。116.1gのTHFを蒸発させることにより濾液を濃縮し、10±5℃の温度で放置して結晶化させた。この懸濁液を濾過して、36.8重量%のマロン酸(27.74gに相当する)を含有する75.4gの液相及び白色固体(乾燥後重量69.6g)を生成した。分析により、このようにして得られたマロン酸が、99.6モル%の純度であることが確認された。
濾液中のマロン酸の質量が27.74gであるので、この反応の総合収率は93.3%であった。この27.74gのマスを減圧下にTHFを蒸発させることにより単離する。塩化アンモニウムを分析したところ、この残渣中に6重量%のマロン酸(3.3gのマロン酸に相当)のあることがわかった。このマロン酸は結晶化工程からの液流を用いてこの固体を洗浄することにより回収することが出来る。マロン酸の最終収率は96.5モル%である。
例 2:
マロン酸の製造
容量1リットルのHastelloy−C製オートクレーブ中に127.59gのシアノ酢酸(1.5モル)を仕込んだ後、235.48gの30.99重量%HClを加えた。これはシアノ酢酸に対し、HCl 1.99モルに相当する。反応は、400rpmでかき混ぜながら、1.3バールの絶対圧で80±5℃の温度で加熱した。5時間の反応および室温への冷却後に、その圧力を緩和した。
反応媒体の液相を減圧下に蒸発させて、モル過剰のHCl、2.6gの酢酸のほか246.5gの湿潤固体を含有する凝縮液を生成した。該湿潤固体は重量基準で下記の分析値を示した。
この固体にメチル−tert−ブチルエーテル(MTBE)の856.05gを加えた。このように形成された懸濁液はかき混ぜながら40分間室温で維持し、その後、不溶の塩化アンモニウムを濾過した。MTBEの688.9gを蒸発させることにより濾液を濃縮し、10±5℃の温度で放置して結晶化させた。この懸濁液を濾過して、17.6重量%のマロン酸(34.5gの質量に相当)を含む202.8gの液相および固体(乾燥後重量115.8g)を生成した。分析したところ、このようにして得られたマロン酸が99.8%の純度であることが確認された。
濾液中に溶解されたマロン酸の質量が34.5gであるということは、この反応の総合収率が96.19%であることを意味する。この34.5gのマスは減圧下に前記MTBE溶媒を蒸発させることにより単離される。塩化アンモニウムを分析したところ、マロン酸の1.4gに相当する、この残渣中に2.6重量%のマロン酸(1.4gのマロン酸に相当)のあることがわかった。このマロン酸は、この固体を結晶化工程からの液流を用いて洗浄することにより回収することが出来る。マロン酸の最終収率は97.1モル%に達する。
例 3:
マロン酸の製造
容量1リットルのHastelloy−C製オートクレーブ中に127.59gのシアノ酢酸(1.5モル)を仕込んだ後、221.2gの33.0重量%HClを加えた。反応は、400rpmでかき混ぜながら、1.5バールの圧力下、75±5℃の温度で加熱した。5時間の反応および室温までに冷却後に、オートクレーブの圧力を緩和した。
減圧下に反応媒体の液相を蒸発させて、モル過剰のHCl、1.8gの酢酸を含有する凝縮液および236.03gの湿潤固体を生成した。この湿潤固体は重量基準で以下の組成を示した。
この湿潤固体に、メチルイソブチルケトン(MIBK)の2259.0gを加えた。得られた懸濁液を40分間かき混ぜながら室温で維持し、次に不溶の塩化アンモニウムを濾過した。MIBKの2135.1gを蒸発させることにより濾液を濃縮し、10±5℃の温度で放置して結晶化させた。この懸濁液を濾過して、5.5重量%のマロン酸(6.08gに相当する)を有する110.1gの液相および白色固体(乾燥後重量147.0g)を生成した。分析したところ、このようにして得られたマロン酸が99.6モル%の純度であることが確認された。
濾液中に溶解されたマロン酸の質量が6.08gであるということは、反応の総合収率が97.7%であることを意味する。減圧下にMIBK溶媒を蒸発させることにより、この6.8gのマスを単離する。塩化アンモニウムを分析したところ、残渣中に0.75重量%のマロン酸(0.39gのマロン酸)のあることがわかった。このマロン酸は、結晶化工程からの液流を用いてこの固体を洗浄することにより回収することが出来る。マロン酸の最終収率は、98.0モル%に達する。
対照例 1:
この対照例は、硫酸の存在下での加水分解がマロン酸の収率を低下させることを示す。この例は、特開昭59−7136号の教示に基づくものである。
すなわち、容量1リットルの、ジャケット付きガラス反応器に85.06g(1.00モル)のシアノ酢酸を仕込んだ。室温(26℃)で290rpmでかき混ぜながら、54.00g(3.00モル)の水を加えた。
次に、2.00モルの97重量%硫酸(202.14g)を、内部温度が45℃を超えないような速度で反応器中にポンプで送り込んだ(硫酸の添加時間:30分)。硫酸添加が完了したときに、反応器の内容物を、シアノ酢酸が完全に消費される点まで8時間83〜84℃の範囲で加熱した。
その結果、反応混合物(88.7g)中に26.02重量%のマロン酸が形成され、これは、粗(raw)マロン酸の85.36%のモル収率に相当する。また、反応媒体は、4.71モル%の酢酸ならびに9.83モル%のアミドを含有していた。
したがって、現在の当業界の技術を使用すると、マロン酸の収率が低く、副生成物(酢酸およびアミド)の量が比較的に高いことが容易に分かる。反応媒体中の硫酸量が多いと、精製工程に対しても更なる悪影響がある。
例 4:
マロン酸ジエチルの製造:
本例の方法は、添付のFIGURE 1に図式的に例示されているとおり、酸加水分解、蒸発、アルコールを用いての溶解、塩化アンモニウムの(濾過、遠心分離または任意の均等な技術による)分離、エステル化、中和および蒸留の工程を含む。
すなわち、容量1リットルのHastelloy−C製オートクレーブ中に52.11g(0.61モル)のシアノ酢酸を仕込んだ後、135.43gの33.0重量%HClを加えた。これは1.22モルに相当する。反応は、420rpmでかき混ぜながら、1.4バールの絶対圧において、75±5℃の温度で加熱した。5時間の反応および室温への冷却後に、オートクレーブ中の圧力を緩和した。
反応媒体の液相を減圧下に蒸発させて、モル過剰のHCl、0.73gの酢酸を含有する凝縮液および96.06gの湿潤固体を生成した。この湿潤固体は重量基準で以下の組成を示した。
これらの数値から、この第1工程における粗(raw)マロン酸の収率が、97.9%であったという結論が導かれる。
この湿潤固体に263.1gのエチルアルコール(5.69モル)を加えた。得られた懸濁液を40分間かき混ぜながら室温で維持し、次に不溶の塩化アンモニウムを濾過した。塩化アンモニウムと混合しているマロン酸は見い出されなかた。この濾液に8.5gのメタンスルホン酸(0.087モル)を加え、次にその混合物をガラス反応器に移した。反応を、蒸留キットに連結された、容量500mlのジャケット付き反応器中で行った。81℃の内部温度で2時間の加熱後に78.5℃の温度で、エチルアルコールと水との二元共沸混合物の蒸留を開始した。3時間の蒸留後に、反応媒体に共同溶媒として125.7gのトルエンを加え、トルエン、エチルアルコールおよび水からなる三元共沸混合物の蒸留を続け、この混合物を別の傾瀉器において分離した。媒体中に過剰のエチルアルコールを加えたので、相分離は起こらなかった。それ故、マロン酸のエステル化を完了させるために、この留分(トルエン/エチルアルコール)を反応媒体へ再循環する必要はなかった。8時間の反応の後に、クロマトグラフィによる試験ではマロン酸の存在は示されなかった。次に、−927〜−283ミリバールの液体圧力計による(manometric)圧力での減圧下に、マロン酸ジエチルに富んでいる媒体を濃縮した。次に濃縮液を、150.0gの5重量%水酸化ナトリウム水溶液を用いて中和して、その結果2つの液相を形成したが、これらは傾瀉器中において分離した。こうして、0.89重量%のマロン酸ジエチル(1.53gの質量に相当する)を含有する171.8gの水性相を得た。このマロン酸ジエチルは、トルエンを用いて抽出することにより回収し、次の回分にさらに再循環してもよい。生成物を回収する、このような方法の効率は97%に達し、これは1.48gのマロン酸ジエチルが回収できたことを意味する。
有機相の重量は、104.5gであり、その組成は重量基準で以下のとおりであった。
生成物であるマロン酸ジエチルは、減圧下、回分式で、分別蒸留により精製され、蒸留された第1の留分は、低沸点物質を含有する。所望の生成物の蒸留は、40ミリバールの絶対圧および133℃の内部温度で起こり、マロン酸ジエチルは108〜109℃で留出する。所望のエステル生成物の収量は90.0gであり、純度は99.7モル%であった。これはシアノ酢酸を基準とする収率が91.9モル%であったことを意味する。水性相の抽出からの1.48gの回収を考慮に入れるならば、総合収率は93.4モル%である。
例 5:
マロン酸ジブチルの製造
容量1リットルのHastelloy−C製オートクレーブ中に42.14g(0.495モル)のシアノ酢酸を仕込んだ後、121.66gの30重量%HCl溶液を加えた。これは1.0モルに相当する。反応は、420rpmでかき混ぜながら77℃の温度に加熱し、絶対圧力は1.3バールであった。5時間の反応の後に、マロン酸および塩化アンモニウムの混合物を、上の例に記載された方法に従って単離して、モル過剰のHClと0.59gの酢酸を有する凝縮液および80.02gの湿潤固体を生成した。この湿潤固体を分析したところ、重量基準で下記の組成を示した。
これらの結果から、第1工程における粗マロン酸の収率が97.92%であったことがわかる。
上記湿潤固体に340.0gのn−ブチルアルコール(4.56モルに相当する)を加えた。マロン酸を溶解するために、得られた懸濁液をかき混ぜながら室温で40分間維持し、次に不溶の塩化アンモニウムを濾過し、さらに100gのn−ブチルアルコール(1.34モルに相当する)で洗浄した。洗浄後に、塩化アンモニウムの分析試験を行ったところ、塩化アンモニウムと混合されているマロン酸を全く示さなかった。液体アルコール留分を合わせ、7.2g(0.07モルに相当する)の濃硫酸を加え、その混合物をガラス反応器に移した。反応は、蒸留装置に連結されている、容量500mlのジャケット付き反応器中で行った。84℃の内部温度および173ミリバールの絶対圧で1時間加熱の後に、n−ブチルアルコールおよび水から形成される二元共沸混合物の蒸留を43.2℃で開始し、傾瀉器は2つの液相を示した。4時間の蒸留の時間の後、クロマトグラフィによる分析によれば、集められた生成物中にマロン酸の存在は全く示されなかった。次に173〜106.4ミリバールの絶対圧での減圧下に、マロン酸ジブチルに富んでいる媒体を濃縮した。反応の濃縮液を79gの10重量%炭酸ナトリウム水溶液で中和して2つの液相を生成し、これらを傾瀉器中において分離した。
0.05重量%のマロン酸ジブチル(0.047gの質量に相当する)を含有する88.4gの水性相。このマスはトルエンを用いて抽出することにより回収し、次の回分へとさらに再循環してもよい。生成物の回収のためのこのような方法の効率は98.5%であり、0.046gのマロン酸ジブチルに相当する。
有機相の重量は103.8gであり、重量基準で以下の組成を有していた。
マロン酸ジブチルは、回分式で減圧下に分別蒸留により精製され、n−ブチルアルコールおよび水が最初に留出した。所望の生成物であるエステルの蒸留は絶対圧8ミリバールにおいて起こり、当該エステルは106〜107℃で留出した。95.8gのマロン酸ジブチルが純度99.8モル%で得られ、シアノ酢酸を基準とした収率は89.3モル%であった。
例 6:
マロン酸ジイソプロピルの製造
容量2リットルのHastelloy−Cオートクレーブに、365.75g(4.30モルに相当する)のシアノ酢酸を仕込んだ後、1000gの30.99%HCl溶液(8.5モルに相当)を加えた。反応は、350rpmでかき混ぜながら1.3バールの絶対圧で70℃の温度で加熱した。7時間の反応の後に、上に記載された方法にしたがってマロン酸および塩化アンモニウムの混合物を単離した。モル過剰のHClと3.87gの酢酸を有する凝縮液および754.5gの湿潤固体。この湿潤固体を分析したところ、重量基準で下記の組成を示した。
これらの結果から、第1工程における粗マロン酸の収率が97.2%であったことがわかる。
上記固体に2340.0gのイソプロピルアルコール(39モルに相当する)を加え、マロン酸を溶解するために得られた懸濁液を40分間かき混ぜ、その後、濾過により不溶の塩化アンモニウムを分離した。塩化アンモニウムを分析したところ、2.4gのマロン酸が存在することがわかった。このマロン酸は、イソプロピルアルコールで塩化アンモニウム残渣を洗浄することにより回収し、更にこの留分から次の回分へと再循環することも出来る。次にその液体アルコール留分に、10.0g(0.102モルに相当する)の濃硫酸を加え、その混合物をガラス反応器に移した。反応を、蒸留装置に連結された、容量4,000mlのジャケット付き反応器中で減圧下に行った。65℃の内部温度および186.2ミリバールの絶対圧で1時間加熱後に、46.5℃の温度でイソプロピルアルコールと水とからなる二元共沸混合物が蒸留し始めた。7時間の蒸留の後に600gのイソプロピルアルコールを加え、上に記載された反応条件下に二元共沸混合物を蒸留した。反応を更に6時間行った時点で、エステル化反応を完了させるため、さらに600gのイソプロピルアルコールを加えた。20時間の反応が完了した時、クロマトグラフィによる分析試験を行ったが、媒体中にマロン酸はまったく示されなかった。次に、マロン酸ジイソプロピルに富んでいる反応媒体を186.2ミリバール〜66.5ミリバールの絶対圧で濃縮した。次にその濃縮液を216.2gの5重量%炭酸ナトリウム水溶液で中和して、2つの液相を生成し、これらを傾瀉器中において分離した。0.94重量%のマロン酸ジイソプロピル(2.27gの質量に相当する)を有する水性相の242gが得られた。このマスは、トルエンを用いて抽出することにより回収し、さらに次の回分へと再循環してもよい。所望の生成物であるエステルを回収するためのこのような方法の効率は99.0%であって、これは2.25gのマロン酸ジイソプロピルが回収されたことに相当する。
有機相の重量は820gであり、重量基準で以下の組成を有していた。
マロン酸ジイソプロピルは回分式で減圧下に分別蒸留により精製され、イソプロピルアルコールと水が最初に留出した。所望の生成物であるエステルの蒸留は絶対圧10.6ミリバールで起こり、当該エステルは92℃で留出した。マロン酸ジイソプロピルの750.09gが99.0%の純度で得られ、シアノ酢酸を基準とする収率は91.8%であった。水性相から回収された2.25gの所望の生成物を加えると、総合収率は92.1モル%に達する。
対照例 2:
この例は、例えば特開昭59−7136号において教示されているような、現在の当業界の技術が第二級のアルコールからエステルを造るためには適していないことを示すものである。前記公開公報に従うマロン酸の製造は上記対照例1において報告されている。
対照例1にしたがって得られた反応媒体を冷却した後に、反応媒体を3時間80℃に維持しつつ、15分間かけて227.46gのイソプロピルアルコール(3.80モル)および49.28gのトルエン(0.53モル)を加えた。
次に、反応媒体を35℃まで冷却し、下記の2つの相を傾瀉した。
・硫酸アンモニウムおよび硫酸水素アンモニウムの巨大結晶化を伴う硫黄の(sulfuric)相(152.2g)。この相の固体は、残留する有機相を除去するために43.1gのトルエンを用いて洗浄した。
・有機相。74.81g(0.398モル)のマロン酸ジノイソプロピル、22.89g(0.199モル)のマロン酸モノイソプロピル及び20.67g(0.157モル)のマロン酸を含み、マロン酸ジイソプロピルのモル収率39.8%に相当し、又はマロン酸、そのモノエステル及びそのジエステルの混合物の75.4%に等しかった。この有機相はさらに、トルエン、イソプロピルアルコール、酢酸、酢酸イソプロピル、ジイソプロピルエーテル、プロペンそしてオルト−およびパラ−イソプロピルトルエンを含有した。
生成プロペンを凝縮しなかったこと及びジイソプロピルエーテルと酢酸イソプロピルの捕捉量が少なかったことにより、この時点までで、質量損失は37.54gに達した。
該硫黄の(sulfuric)相を洗浄するために用いられたトルエンと一緒に有機相は次に5時間蒸留により濃縮されて165.5gの留出物を与えたが、これには15.8重量%のイソプロピルアルコール、10.7重量%のジイソプロピルエーテル、39.6重量%のトルエン、9.8重量%の酢酸イソプロピルおよび反応媒体中に存在する少量の異なる生成物が含まれていた。
蒸留中の質量損失は、主として反応媒体中に存在するプロペンが凝縮しなかったことにより生じ、76.7gに達した。
濃縮工程中に、一部の量のマロン酸およびモノマロン酸エステルのエステル化が進行したという事実を考慮すると、最終のモル収率はマロン酸ジイソプロピル62.6%に達した。
現在の当業界の方法には度重なる質量損失が含まれ、所望のエステルの最終収率を非常に低下させることが分かる。
例 7:
マロン酸ジメチルの製造
容量1リットルのHastelloy−Cオートクレーブに42.14g(0.495モルに相当する)のシアノ酢酸を仕込んだ後、123.2gの31.0%HCl溶液(1.05モルに相当する)を加えた。反応は、400rpmでかき混ぜながら1.3バールの絶対圧で75℃の温度で加熱した。5時間の反応の後に、マロン酸と塩化アンモニウムとの混合物を上に記載された方法に従って単離して、モル過剰のHClおよび0.50gの酢酸を有する凝縮液および79.5gの湿潤固体を生成した。この湿潤固体を分析したところ、重量基準で以下の組成を示した。
これらの結果から、第1工程における粗マロン酸の収率が98.3%であったことがわかる。
上記固体に、106.7g(3.33モルに相当する)のメチルアルコールを加え、得られた懸濁液をマロン酸を溶解するために40分かき混ぜ、その後、不溶の塩化アンモニウムを濾過により分離し、追加の40gのメチルアルコール(1.25モルに相当する)を用いて洗浄した。塩化アンモニウムを分析したところ、マロン酸は存在しなかった。次に液体アルコール留分を合わせ、次に7.2g(0.07モルに相当する)の濃硫酸を加えた。さらに共同溶媒として412gのクロロホルムも加え、その混合物をガラス反応器に移した。その反応は、減圧下、蒸留装置に連結された、容量1,000mlのジャケット付き反応器中で行った。56.4℃の内部温度で30分間の加熱の後に、53.2℃の温度で、クロロホルム、メチルアルコールおよび水から形成された三元共沸混合物が蒸留し始めた。その混合物を傾瀉器に集めた。反応媒体中に過剰のメチルアルコールを加えたので、相分離は観察されなかった。これが、マロン酸のエステル化を完了させるために、エステル化反応にこの留分を再循環させる必要がなかった理由である。2時間の蒸留の後に、追加の401.6gのクロロホルムを加えた。6時間の反応が完了した時点で、クロマトグラフィによる分析試験を行い、それによれば媒体中にマロン酸は認められなかった。次にマロン酸ジメチルに富む反応媒体を大気圧で濃縮した。次に濃縮液を158gの5重量%炭酸ナトリウム水溶液の158gにより中和して、その結果2つの液相を生成し、それらを傾瀉器中において分離した。0.05重量%(0.09gの質量に相当する)のマロン酸ジメチルを有する180gの水性相を得た。このマロン酸ジメチルをクロロホルムを用いて抽出することにより回収し、次の回分にさらに再循環してもよい。所望の生成物であるエステルを回収するためのこのような方法の効率は97.5%であって、これは0.087gのマロン酸ジメチルを回収したことに相当する。
有機相の重量は102.7gであり、重量基準で以下の組成を有していた。
マロン酸ジメチルは、回分式で且つ大気圧下、分別蒸留により精製され、クロロホルム、メチルアルコールおよび水が最初に留出する。所望の生成物であるエステルの蒸留は、9.3〜10.6ミリバールの絶対圧で起こり、当該エステルは63〜65℃で留出し、57.5gのマロン酸ジメチルを99.0モル%の純度で得た。シアノ酢酸を基準とする収率は89.8モル%であった。
上記の観察記録ならびに本願の例は、本方法の特許に値する顕著な面の証拠であり、本発明はかかる顕著な効果により、本主題に関する刊行物を考慮しても、示唆もされておらず、また自明なものでもない。
そのような顕著な面は以下の事項である。
・塩酸の使用とその結果酢酸副生成物の収量が低いことの結果として、シアノ酢酸の高収率の加水分解、
・マロン酸が、反応媒体中に存在する過剰の塩酸および水の蒸発後に、副生成物としての塩化アンモニウムと混合されて得られ、マロン酸は適当な溶媒を用いてその混合物から分離される、
・過剰な塩酸を蒸発させて再循環させる、
・水を除去する蒸発の間、反応媒体中の加水分解剤の濃度がその揮発性の結果として相対的に低く、これが高収率に導く、
・マロン酸−アルコール混合物が、マロン酸と副生成物塩化アンモニウムとの濃縮混合物から、エステル化用アルコールを用いて溶解することにより、マロン酸を単離する必要なく、直ちに得られる、
・エステル化反応中の鉱酸濃度の低いことを考慮すると、本方法は第二アルコールに首尾よく適用出来ると予想される、
・エステル化反応中に形成される水を除去するために芳香族共同溶媒を使用しない場合には、マロン酸エステルの汚染物質として芳香族化合物が存在しない。
Claims (17)
- シアノ酢酸の酸加水分解を経るマロン酸の製造方法であって、
a)シアノ酢酸と少なくとも化学量論量の、濃度が5〜37重量%である水性塩酸とを少なくとも50℃の温度で上記化学剤の転化に必要な時間反応させ、マロン酸、塩化アンモニウム、水、副生成物たる酢酸及び過剰の塩酸の混合物を得る工程、
b)工程a)で得られる混合物から水、副生成物たる酢酸および過剰の塩酸を蒸発により分離して、マロン酸及び塩化アンモニウムの濃縮混合物を得る工程、
c)酸素系有機溶媒を用いて溶解することにより工程b)で得られる濃縮混合三物を精製し、その後生成物たるマロン酸を副生成物たる塩化アンモニウムから分離してマロン酸を得、次に酸素系有機溶媒を蒸発させることによりこのマロン酸を精製、単離する工程、
を含む、上記方法。 - 塩酸とシアノ酢酸とのモル比が1〜5である、請求項1に記載の方法。
- 塩酸の濃度が10〜37重量%であり、塩酸対シアノ酢酸のモル比が1.3〜2.0である、請求項1又は2に記載の方法。
- 酸加水分解の反応温度が60〜100℃である、請求項1に記載の方法。
- 酸加水分解の反応の圧力が0.5〜10バールである、請求項1に記載の方法。
- 水、副生成物たる酢酸および過剰の塩酸の分離を蒸発により行い、蒸発の絶対圧は40〜1330ミリバールにわたる、請求項1に記載の方法。
- 蒸発を、反応容器自体の中において減圧下に加熱することにより行う、請求項6に記載の方法。
- 蒸発を、攪拌薄膜蒸発器、気流乾燥器または噴霧乾燥器において行う、請求項6に記載の方法。
- 過剰の塩酸を分離し、工程a)へと再循環する、請求項1に記載の方法。
- 塩化アンモニウムと混合しているマロン酸を精製するために用いられる酸素系有機溶媒が、C3〜C8のケトン類、C2〜C10の非環式エーテル類及び環式エーテル類からなる群より選択され、塩化アンモニウムは遠心分離により分離される、請求項1に記載の方法。
- マロン酸を精製するために用いられる酸素系有機溶媒を蒸発させ、マロン酸生成物を−20〜35℃の温度で結晶化することにより濃縮する、請求項10に記載の方法。
- シアノ酢酸の酸加水分解からのマロン酸エステルの製造方法であって、
a)シアノ酢酸とモル過剰量の、濃度が5〜37重量%である水性塩酸とを少なくとも50℃の温度で上記反応体の転化に必要な時間反応させ、マロン酸、塩化アンモニウム、水、酢酸及び過剰の未反応塩酸の混合物を得る工程、
b)工程a)で得られる混合物から水、副生成物たる酢酸および過剰の未反応塩酸を蒸発により分離し、マロン酸及び塩化アンモニウムの濃縮混合物を得る工程、
c)工程b)で得られるマロン酸及び塩化アンモニウムの濃縮混合物をエステル化用アルコールを用いて溶解することにより精製し、マロン酸及びエステル化用アルコールの混合物を副生成物たる塩化アンモニウム生成物から分離する工程、
d)工程c)で得られるマロン酸−エステル化用アルコール混合物をブレンステッド酸触媒の存在下加熱下にエステル化し、相当するエステルを含む混合物を得る工程、
e)工程d)で得られる混合物中の生成する水および過剰のエステル化用アルコールから得られる共沸混合物を蒸留し、生成物たるエステルを濃縮するために蒸留する工程、
f)工程e)で得られる濃縮化した生成物たるエステルを無機塩基を用いて中和し、水性相および有機相を生成させ、生成物たるエステルを水性相から回収しそして回収した生成物たるエステルを該有機相に再循環する工程、
g)工程f)で得られる有機相からの生成物たるエステルを減圧下分別蒸留により精製し、少なくとも99モル%の純度を有する生成物たるエステルを単離する工程、
を含む、上記方法。 - エステル化用アルコールがC1〜C10の第一又は第二アルコールである、請求項12に記載の方法。
- エステル化用アルコールが、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、n−ペンチルアルコール、n−ヘキシルアルコール、イソヘキシルアルコール、n−オクチルアルコール、イソオクチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコールまたはn−デシルアルコールであって、前記アルコールはマロン酸1モル当たり少なくとも2モルのモル比で使用される、請求項13に記載の方法。
- 前記エステル化反応用の触媒が、メタンスルホン酸又は硫酸であり、該触媒は、マロン酸1モル当たり0.05〜0.5モルの濃度で使用される、請求項12に記載の方法。
- 共同溶媒を、共沸混合物蒸留工程に生成する水を除去するために添加する、請求項12に記載の方法。
- エステル化反応を、67〜1100ミリバールの圧力下で行う、請求項12に記載の方法。
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