JP2505456B2 - 乳酸の分離方法 - Google Patents

乳酸の分離方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、乳酸の分離方法に関する。詳しくは、乳酸
を含有する水溶液から抽出により乳酸を分離するにあた
り、抽出溶媒として酢酸イソプロピルを用いることを特
徴とする乳酸の分離方法に関する。
乳酸は工業薬品および食品添加剤として広範囲な用途
を有する化合物である。
(従来の技術および発明が解決しようとする問題点) 乳酸は工業的には発酵法、ラクトニトリルの加水分解
法あるいは2−クロロプロピオン酸の加水分解法等によ
って製造される。また、このほか、窒素酸化物によるプ
ロピレンの酸化や、プロピレングリコールやプロピレン
オキシドの酸化、アセトアルデヒドと一酸化炭素との反
応等による合成も知られている。これらの製造方法にお
いて、乳酸は発酵液または反応液中に乳酸製造に伴う各
種の副反応によって生成した多数の副生物とともに得ら
れるが、工業製品としてはこれらの夾雑物を殆ど含まな
い高純度の乳酸をここから分離・取得することが必要で
ある。通常は、例えば、発酵法の場合には、発酵液中に
含まれる乳酸をカルシウム塩の形で晶折・分離後、硫酸
によってカルシウムを除去する事によって、また、合成
法の場合には、反応液中に含まれる乳酸を過剰のメタノ
ールの存在下においてエステル化、かくして得られる乳
酸メチルを蒸留によって分離・精製後過剰の水及び触媒
の存在下において加水分解することによって、発酵液ま
たは反応液から分離・取得されている。
しかし、これらの方法は、例えば前者の方法では得ら
れる乳酸の品質の面で不充分であったり、後者の方法で
は乳酸の品質は充分であっても乳酸の分離・取得に多大
な設備及びエネルギーを要するという問題点を含んでい
る。
この問題の解決方法として、抽出による乳酸の分離・
取得法が従来から多数提案されているが、乳酸は水に極
めて溶解性の高い化合物であるために水性溶媒からこれ
を抽出することは難しい。例えば、特許公報昭和39年第
13062号によれば、乳酸をジイソプロピルエーテルで抽
出する方法が提案されている。しかし、乳酸のジイソプ
ロピルエーテルと水の間の分配は殆ど水側に偏ってお
り、抽出効率は極めて悪く実用的ではない。また、その
他の抽出溶媒についても多くの報告や提案がなされてい
る。例えば、インダストリアル・アンド・エンジニアリ
ング・ケミストリー誌第40巻第1号57頁(1948年)に多
数の溶媒について乳酸の水との間に分配係数が記載され
ている。溶媒の水への溶解性や、抽出後、乳酸と溶媒と
の分離等に問題のある溶媒を除くと、これらの中では酢
酸エチルのようなエステル類が比較的良好な分配係数を
有することが示されている。しかし、これらのエステル
類を抽出溶媒として用いた場合、抽出操作や抽出溶媒の
分離操作時にエステル類の加水分解やエステル交換反応
が起こり、得られた乳酸中にエステルを構成するカルボ
ン酸やアルコールまたはこれらの乳酸エステル等の混入
が認められるために乳酸の品質上好ましくない。これら
は減圧下において蒸留すれば除去することは可能である
が、乳酸の製造コストに少なからぬ負担をかけるために
従来法に比して優れた方法とは言い難い。
本発明の目的は、乳酸含有水溶液から効率良く高品質
の乳酸を分離する方法を提供することにある。
(問題点を解決するための手段および作用) 本発明者等は、この乳酸の抽出による分離方法につい
て詳細な検討を行ってきたところ、酢酸イソプロピルが
乳酸の抽出能力および安定性の面で優れており、効率的
に乳酸を抽出できる上に、得られた乳酸の品質が優れて
いることを見い出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、乳酸を含有する水溶液から抽出によ
り乳酸を分離するにあたり、抽出溶媒として酢酸イソプ
ロピルを用いる抽出により乳酸を含有する酢酸イソプロ
ピル層を分離し、次いで酢酸イソプロピルを蒸留により
除去して乳酸を分離することを特徴とする乳酸の分離方
法である。
本発明の方法において用いる酢酸イソプロピルは、試
薬または工業薬品として入手しうる品質のもので充分目
的を達することができる。
本発明の方法において、抽出操作は通常10〜80℃、好
ましくは15〜45℃で行われる。
また、本発明の方法において用いる酢酸イソプロピル
の量は、抽出操作における乳酸の濃度や抽出率によって
も異なるが、通常、乳酸を含む溶液中の水に対して1〜
50倍の容量が好ましい。
一方、抽出後の乳酸を含む酢酸イソプロピル溶液から
の乳酸の分離・回収は、減圧下において酢酸イソプロピ
ルを蒸溜・分離することによって容易に達成される。こ
の時の操作温度は通常は10〜80℃、特に15〜45℃が好ま
しい。
本発明の方法は、回分操作または連続操作のいずれの
操作方法でも行なうことが可能である。
(実施例) 以下に実施例を挙げて本発明の方法を更に具体的に説
明する。
実施例 1 2−クロロプロピオン酸1モル(108.5g)に水酸化ナ
トリウム1モル(40g)および水250グラムを加え、150
℃、自己発生圧力下で4時間加熱して2−クロロプロピ
オン酸の加水分解を行わせ、乳酸と食塩を含有する水溶
液を得た。この水溶液中には乳酸89.4gが含有されてい
ることが滴定による分析からわかった。
次に、この水溶液に酢酸イソプロピルを750ml加え、3
5℃において1時間振盪後静置分離によって乳酸を含有
する酢酸イソプロピル層を分離した。この操作を計5回
繰り返し行い、得られた乳酸を含有する酢酸イソプロピ
ルを集めて減圧下、35℃で蒸溜にかけて乳酸と酢酸イソ
プロピルとを分離した。
かくして得られた乳酸に水を加えて濃度の調節を行っ
た後に活性炭による脱色およびイオン交換樹脂による精
製を行って金属成分や塩素イオンを除去し、濃度60%の
乳酸138gを得た。
得られた乳酸水溶液は無色・透明であり、乳酸の品質
規格(JIS−K1353号)を充分満足する性状であった。ま
た、この乳酸中には抽出溶媒として用いた酢酸イソプロ
ピルに由来する不純物は全く検出されなかった。
比較例1 実施例1の方法において、酢酸イソプロピルの代わり
に酢酸エチルを用いた以外は同様の操作を行ない、濃度
60%の乳酸140gを得た。
得られた乳酸中には、約120ppmの乳酸エチルが存在し
ていることがガスクロマトグラフィーによる分析によっ
て確認された。
(発明の効果) 本発明の方法により、乳酸を含有する溶液から効率良
く乳酸を分離・取得することができる。
特に、本発明の方法によれば、簡単な操作で、純度の
高い乳酸を得ることが可能となる。
また、本発明の方法によれば得られた乳酸中の不純物
が少なく、精製工程の負荷や乳酸の損失も少ない。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】乳酸を含有する水溶液から抽出により乳酸
    を分離するにあたり、抽出溶媒として酢酸イソプロピル
    を用いる抽出により乳酸を含有する酢酸イソプロピル層
    を分離し、次いで酢酸イソプロピルを蒸留により除去し
    て乳酸を分離することを特徴とする乳酸の分離方法。
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