JP3835615B2 - 電算機室用空調システム - Google Patents
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Description
図は建物の室内で、床1、不図示の壁および天井で囲まれている。床1から上方に離間して二重床2が設けられ、その二重床2に複数台のラック3,3,…が設置されている。これらラック3群に挟まれて通路4が位置している。二重床2の下には空間(以下、二重床2の内部空間と称する)5が確保され、そこに各ラック3の電気配線(図示しない)などが収容される。また、通路4の外側において、二重床2上に空気調和装置6が設置されている。この空気調和装置6は、室内の空気を吸込口6aから吸い込んで冷却し、その冷却後の空気を冷却用空気として底面に設けられた吹出口6bから送出する。なお、空気調和装置6の電気配線についても二重床2の内部空間5に収容される。二重床2の一部は通路4に位置して孔あきパネル7が設けられており、空気調和装置6から送出される冷却用空気が孔あきパネル7を通して二重床2上に給気されるようになっている。各ラック3は、筐体3aの前面全体(給気面3b)から冷却用空気を取り込み、背面方向に、または上部に設けられたファン3cから上方または背面方向に排気するようになっている。
請求項1に記載の発明は、床下に内部空間を有する通路を挟んで両側に設置され、前面から給気して上面または背面から熱を帯びた空気を排気する機器収容用ラック群と、空気調和装置とを備え、前記空気調和装置から吹き出された冷却用空気が、前記内部空間を流動するとともに、前記通路の床面に設けられた孔から前記通路の床上に吹き出され、この冷却用空気が前記ラックに収容された機器を冷却した後、前記ラックの上方の空間を流動して前記空気調和装置に再び吸引される電算機室用空調システムにおいて、前記通路を挟んで両側のラック群の上面間に渡される遮蔽体が、前記両側のラック群に脱着可能に取り付けられ、該遮蔽体によって該通路の上部を遮蔽して、前記両側のラック群の前記上面または背面から排出された空気の前記前面側への回り込みを阻止することを特徴とする。
請求項1〜12に記載の発明によれば、遮蔽板によって通路の上部が遮蔽されていることにより、熱を帯びた空気のショートサーキットが起き難くなってラック上部の温度上昇が抑えられる。したがって、ラックの上部であっても十分に冷却することができる。
また、請求項2に記載の発明によれば、壁体によって通路側と空調装置側との空間を遮断することにより、通路上方に吹き出された冷気はラックに取り込まれ、ラック内の機器を冷却した後に空気調和装置に取り込まれ、空気調和装置が吹き出した冷気のショートサーキットが起き難くなって冷却効率が向上する。したがって、空気調和装置の冷却能力の向上と省エネルギー化を実現することができる。
さらに、請求項3に記載の発明によれば、壁体に設けられた扉を通じて人が出入りすることができる。
まず、本発明に至る前段階の技術を、参考例として図1〜図8を参照して説明する。
ラック3の上部であって、前面側の筐体縁部近傍に、該筐体から外方向に突き出る回り込み防止壁(板材)を設ける。図1(a)の例では下縁端に支持部材10aを備えた回り込み防止壁10がラック3の上面であって給気面3b側縁部に乗せられている(固定されていることとしても良い。)図1(b)では回り込み防止壁11がラック3の給気面3bの上端部にボルト11aによって固定されている。これら回り込み防止壁10、11は垂直に設けられているが、図2(a)(b)の変形例(回り込み防止壁10’、11’)のようにラック3の給気面3b側に向かって傾斜させても良い。さらに図3(a)(b)の変形例(回り込み防止壁10”、11”)のようにラック3の給気面3b方向に水平に向けて設けても良い。これら回り込み防止壁10’、11’、10”、11”はそれぞれボルト10a’、11a’、10a”、11a”により筐体3aに固定されている。
このように構成されていることにより、ラック3の上方または背面から吹き出される温風が、ラック3の前方に回り込んで給気面3bから吸込まれることを防止することができる。したがって、ラック3の上部に収容された機器であっても十分に冷却を行うことができる。
なお、回り込み防止壁11の固定は、ボルトの他にもマグネットや吸盤、クランプ機構等の手段が採用できる。
なお、回り込み防止壁12の姿勢は、図1から図3の回り込み防止壁10,10’、10”、11,11’、11”のように、垂直姿勢の他、傾斜または水平の姿勢であってもよい。
また、図4は電算機室用空調システムの全体を示した図であり、通路4を挟んだ両側に複数のラック3群が設けられている。これらラック3には、上記図1から図3の回り込み防止壁10(回り込み防止壁10’、10”、11,11’、11”であってもよい)を設けてもよい。このように各回り込み防止壁10により、ラック3群の上方に空気調和装置6に至る流路が形成される。したがってラック3の上方に排出された排熱は、各回り込み防止壁10にガイドされ、空気調和装置6の吸込口6aに吸い込まれる。
したがって、排熱が空気調和装置6に至る間に再びラック3に取り込まれることが防止されるから、ラック3を十分に冷却することができる。
なお、回り込み防止壁10にかえて、回り込み防止壁10’、10”、11,11’、11”であってもよい。
また、本参考例の各回り込み防止壁10、10’、10”、11,11’、11”はいずれもラック3の筐体3aに固定されているが、図5に示すように回り込み防止壁を天井から吊り下げて所定の位置に配置するようにしてもよい。
このように構成されていることにより、壁体13によって通路4側と空調装置6側との空間が遮断され、孔あきパネル7から吹き出された冷気が直接空気調和装置6の吸込口6aに直接吸い込まれることが防止される(ショートサーキット現象の防止)。したがって内部空間5に十分な量の冷気を供給することができ、空気調和装置6から離れたラック3にも十分冷気を送ることができて冷却効率を向上させることができる。
また、扉13aが設けられていることにより、作業員が扉を通って通路内に出入りすることができる。
なお、図示は省略したが、上記の扉13a,14aには、空気調和装置6からの風量が十分でない場合に適度な通風を確保するべく通風孔を設けても良い。その場合、できるだけ扉の下方に通風口を設けたほうがより低い温度の空気を取り込むことができ、冷却効果をさらに高めることができる。
したがって、排熱が空気調和装置6に至る間に再びラック3に取り込まれることが防止されるから、ラック3を十分に冷却することができる。
なお、回り込み防止壁10、11にかえて、回り込み防止壁10’、10”、11’、11”であってもよい。しかしながら、本参考例においては、図8のようにラック3の縁部から垂直に突き出た回り込み防止壁10と壁体13,14とによって、通路4の上縁が取り囲まれた状態となっている。
これにより、通路が遮蔽板16により遮蔽され、さらに両端が壁体13,14により遮断されているから、ラック3上方に排気された排熱が通路4内に入り込むことが防止される。したがって、ラック3を十分に冷却することができ、高い冷却効果を得ることができる。
なお、本実施形態の遮蔽板16はラック3群の上面間に渡って支持されているが、図10は遮蔽板を天井から吊り下げて所定の位置に配置した参考例である。
図11に示したものは、ラック3側と通路4の上方空間との間でスライド可能に支持されたスライド板23を備えた遮蔽体20である。本遮蔽体20は、通路両側のラック3群に、それぞれ対向状態で複数並べて設けられるものである。図12に示したようにラック3にはもともとラック連結用バー21と、ラック連結用バー21の固定用ボルト22とが設けられており、本遮蔽体20は、図13に示したようにこの固定用ボルト22を用いてラック3に固定する。具体的には、図13において、符号23はスライド板、符号24はスライド板23を収納可能な収納部である。収納部24は図13(b)のように側面視略コ字状であり、基端側の底板24aと該底板24aと平行な上板24bが、これらに垂直な連結板24cにより連結した状態となっている。底板24aは固定用ボルト22によってラック3とラック連結用バー21との間に挟まった状態で固定される。また上板24bの左右にスライド板23が内挿される溝25が設けられ、スライド板23を溝25に沿ってスライドさせることで、スライド板23を通路4側に出したり収納部24内に収容したりすることが可能となっている。また、スライド板23が位置決めされた後は、上板24bの下面に設けられた固定用ネジ26でスライド板23を固定することができるようになっている。
なお符号23aはスライド板23の下面から下方に突出した取っ手であり、スライド板23を出し入れするときには取っ手23aを手で持って行えば容易である。
図14(a)の例では、底板24aにはラック3の連設方向(通路方向)に沿って長い長孔24dが設けられており、様々なラックの仕様(ボルト孔位置)に対応して固定できるようになっている。
図14(b)の例では、収納部24の底板24aに固定用バー27が設けられており、この固定用バー27が固定用ボルト22によりラック3に固定される。底板24a本体側に複数の孔28が設けられており、これら複数の孔28の中から適当なものを選択して固定用バー27と底板24a本体とがボルト29により固定される。なお、複数の孔28は長孔とすることでボルト留めの位置を調節するようにしてもよい。
このような遮蔽体20が設けられたラックをメンテナンスするときは、図15に示したように適宜スライド板23を開き、天井に設けられた照明が通路4に届くようにする。
スライド板23の素材としては金属板、網、樹脂板、ガラス板等、いかなるものであってもよい。光をある程度透過する材料でスライド板23を構成すれば、スライドさせなくとも必要な照度を確保することができる。また遮蔽体20に照明を取り付けるようにしてもよい。
本構成によれば、固定用ネジ26は片側の収納部24に設けておくだけでよく、取っ手23aも不要である。したがって、遮蔽体20をより低コストに設置することができる。
本構成によれば、固定用ネジ26は片側に設けておくだけでよく、取っ手23aも不要である。したがって遮蔽体20より低コストに設置することができる。
本例においては、不燃シート32を容易に取り外し可能であるから、例えばメンテナンス時には不燃シート32をクリップ31から取り外して必要な照度を確保する。不燃シート32の素材を、光をある程度透過する材料により構成すれば、不燃シート32を取り付けたままでメンテナンス可能である。
また、不燃シート32の幅を適宜変更することが容易あるから、通路4の幅、またはラック3の幅に合わせて容易に遮蔽体30を設置することが可能である。
枠体34,35の構成を詳細に説明する。枠体34,35の下面に図14(a)の長孔24dと同様の長孔34a、35aが設けられていることにより、ボルト留めの位置を調節することができるようになっている。枠体34,35の少なくとも一方は、以下に説明するように開閉自在となっている(以下では枠体35について説明する)。図20に示したように、枠体35は、枠体本体35bと、枠体本体35bに対して固定される挟持体35cとを備えている。枠体本体35bと挟持体35cの一側面には、それぞれボルト孔35d、35eが設けられており、他側面側においては、蝶番構造により挟持体35cが回動自在に枠体本体35bに支持されている。そして挟持体35cと枠体本体35bとの間に不燃シート36が挟まれた状態で、ボルト孔35d、35eにボルト35f(図19参照)が固定されることで不燃シート36が枠体35に固定される。なお、枠体本体35bと挟持体35cの両側面をボルト留めとしてもよい。
枠体34については、必ずしも枠体35のように開閉自在でなく、常に不燃シート36が固定状態となっていてもよい。
また固定時に枠体35からはみ出す不燃シート36の余分な端部は、必要に応じて折り畳んで挟持体35cと枠体本体35bとの間に挟むか、切断する。
メンテナンス等の際に不燃シート36による覆いをはずす場合には、ボルト35fを取り外して挟持体35cを開き、不燃シート36の固定をはずす。
このように構成されていることにより、様々な通路の幅に応じて通路上部を遮蔽することができる。メンテナンス時には不燃シート36を枠体35から取り外して必要な照度を容易に確保することができる。また、上記の遮蔽体30と同様に、不燃シート36の素材を、光をある程度透過する材料により構成すれば、不燃シート36を取り付けたままでメンテナンス可能である。
本例においては、不燃シート39を容易に取り外し可能であるから、例えばメンテナンス時には不燃シート39をワイヤー38から取り外して必要な照度を確保する。また、上記の遮蔽体30と同様に、不燃シート39の素材を光をある程度透過する材料により構成すれば、不燃シート39を取り付けたままでメンテナンス可能である。
この遮蔽体40も、遮蔽体20と同様にラック連結用バー21と固定用ボルト22によってラックに固定される。したがってこのユニットを設置するために、図24(a)または(b)のような工夫によりボルト留めの位置を調節するようになっている。
図24(a)について説明すると、側板41,42には、ヒンジ部44,45を介して回動自在に固定用バー46が設けられている。固定用バー46には、ラック連設方向(通路方向)に沿って長い長孔46aが設けられており、様々なラックの仕様(ボルト孔位置)に対応して固定できるようになっている。固定の際にはヒンジ部44,45およびヒンジ部43を回動させることで、通路幅に応じて遮蔽体40の幅を自在に変更することができる。
図24(b)の例では、側板41,42には、ヒンジ部44,45を介して回動自在に固定部41a、42aが固定されている。固定部41a、42aには複数の孔48が設けられており、これらの孔48から適宜選択され、固定用バー46が固定用ボルト49によって固定されている。固定用バー46は、ラック連結用の固定用ボルト22(図12参照)によってラック3の所定位置に固定される。この際、ヒンジ部44,45およびヒンジ部43を回動させて通路幅に応じて遮蔽体40の幅を自在に変更することができる。
このように、本遮蔽体40によれば、通路上部の遮蔽体高さを十分に取ることができるから圧迫感なく構成することができる。また頂角を変更することで、様々な通路幅に対応可能である。
なお、側板41,42の素材としては、金属板、網、樹脂板、ガラス板等、いかなるものであってもよい。
なお、本遮蔽体62の変形例として、図29(a)のように板体65cを付勢するようにしてもよいし、同図(b)のように直接遮蔽材64を付勢するようにしてもよい。また、同図(c)のように板体65cを設けなくともよい。
また、図30の遮蔽体68のように、図26の遮蔽体55に対して突っ張り棒63を適用してもよい。図の遮蔽体68においては、骨組56の各端部はエッジ部69に固定されている。エッジ部69自体は構成部材69a、69bを互いにスライドさせることで長手方向に長さが可変となっている。
以上の各例では、遮蔽材の内側から突っ張り棒63で付勢してラック間に取り付ける構成であるから、種々の通路幅に対応可能である。
Claims (12)
- 床下に内部空間を有する通路を挟んで両側に設置され、前面から給気して上面または背面から熱を帯びた空気を排気する機器収容用ラック群と、空気調和装置とを備え、前記空気調和装置から吹き出された冷却用空気が、前記内部空間を流動するとともに、前記通路の床面に設けられた孔から前記通路の床上に吹き出され、この冷却用空気が前記ラックに収容された機器を冷却した後、前記ラックの上方の空間を流動して前記空気調和装置に再び吸引される電算機室用空調システムにおいて、
前記通路を挟んで両側のラック群の上面間に渡される遮蔽体が、前記両側のラック群に脱着可能に取り付けられ、該遮蔽体によって該通路の上部を遮蔽して、前記両側のラック群の前記上面または背面から排出された空気の前記前面側への回り込みを阻止することを特徴とする電算機室用空調システム。 - 請求項1に記載の電算機室用空調システムにおいて、
前記通路の片側部もしくは両側部に位置して該通路を遮断する壁体が設けられ、該壁体を挟んで前記通路の外側に前記空気調和装置が位置していることを特徴とする電算機室用空調システム。 - 請求項2に記載の電算機室用空調システムにおいて、
前記通路の端部に設けられた壁体には開閉自在の扉が設けられていることを特徴とする電算機室用空調システム。 - 前記遮蔽体は、前記ラック側と前記通路の上方空間との間でスライド可能に支持されたスライド板を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電算機室用空調システム。
- 前記スライド板を備えた遮蔽板は、前記通路の両側のラック群に、それぞれ対向状態で設けられていることを特徴とする請求項4に記載の電算機室用空調システム。
- 前記スライド板を備えた遮蔽板は、前記通路の両側のラック群のうちの、片側のみに設けられていることを特徴とする請求項4に記載の電算機室用空調システム。
- 前記遮蔽体は、前記ラックに固定されたクリップと、該クリップに着脱自在に固定されて前記通路上部を覆う遮蔽材であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電算機室用空調システム。
- 前記遮蔽体は、前記通路を挟んだ両側の前記ラック群間に張られた複数のワイヤーと、該ワイヤーに支持されて前記通路上部を覆う遮蔽材であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電算機室用空調システム。
- 前記遮蔽体は、2枚の側板の端部が回動自在に連結して頂部とされた屋根であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電算機室用空調システム。
- 前記遮蔽体は、前記通路を挟んだ両側の前記ラック群間に渡されたアーチ状の屋根であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電算機室用空調システム。
- 前記遮蔽体は、アーチ状の複数の骨組と、該骨組に支持されて前記通路上部を覆う遮蔽材であることを特徴とする請求項10に記載の電算機室用空調システム。
- 前記遮蔽体の両端部を互いに離間させる方向に付勢する突っ張り棒を備え、該突っ張り棒の付勢力により前記遮蔽体が通路両側のラック間に支持されていることを特徴とする請求項10または11に記載の電算機室用空調システム。
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