JP4209351B2 - 回り込み防止装置および電算機室用空調システム - Google Patents
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Description
図は建物の室内で、床1、不図示の壁および天井で囲まれている。床1から上方に離間して二重床2が設けられ、その二重床2に複数台のラック3,3,…が設置されている。これらラック3群に挟まれて通路4が位置している。二重床2の下には空間(以下、二重床2の内部空間と称する)5が確保され、そこに各ラック3の電気配線(図示しない)などが収容される。また、通路4の外側において、二重床2上に空気調和装置6が設置されている。この空気調和装置6は、室内の空気を吸込口6aから吸い込んで冷却し、その冷却後の空気を冷却用空気として底面に設けられた吹出口6bから送出する。なお、空気調和装置6の電気配線についても二重床2の内部空間5に収容される。二重床2の一部は通路4に位置して孔あきパネル7が設けられており、空気調和装置6から送出される冷却用空気が孔あきパネル7を通して二重床2上に給気されるようになっている。各ラック3は、筐体3aの前面全体(給気面3b)から冷却用空気を取り込み、上部または背面に設けられたファン3cから上方または背面方向に排気するようになっている。
請求項1に記載の発明は、通路を挟んで両側に設置され前面から給気して上面または背面から熱を帯びた空気を排気する機器収容用ラックに設けられ、前記上面または背面から排出された空気の前記前面側への回り込みを阻止する回り込み防止装置において、前記通路を挟んで両側のラックの上面にそれぞれ設けられる固定具と、これら固定具に両端部を支持される遮蔽板とを備え、該遮蔽板は、前記両側の固定具の少なくともいずれか一方側で固定されることを特徴とする。
また遮蔽板の固定は、固定具側に設置した蝶ネジ等によって締め付ける方式とすることにより、対向して設置された機器収容用ラック間の距離に関わらず、前記遮蔽板の設置が可能となる。
固定具の前記機器収容用ラックの固定方法はいかなるものであってもよいが、前記機器収容用ラック上部に既設のボルト孔を利用して固定する方式が便利である。
また、固定具をコ字状にし、コ字の開口面を通路側に向けてラックに固定する。この固定具に遮蔽板を下側から締め付ける方式とすることにより、前記機器収容用ラックの前面側から全て作業を行うことが可能となり、かつ機器収容用ラックの上部に隙間をほとんど作らない構造とすることができる。
4本の脚で構成する場合、機器収容用ラックのメンテナンス時に作業の邪魔にならないように脚を容易に取り外し可能としてもよい。また4本の脚のうち1本を取り除いても倒れない構造とするのが好ましい。また、機器収容用ラックの種々の高さに対応するため、伸縮可能とすることが望ましい。これらの機能により、汎用性が広がると共に運搬時の利便性が向上する。
対向して設置された機器収容用ラック間の距離が十分な場合は、1本の脚によって遮蔽板を支持するようにしてもよい。
また、対向して設置された機器収容用ラック間の距離が十分な場合においては、1本の脚による構成とし、傘のように遮蔽板を展開・縮小できるようにすることで、設置時、撤去時および運搬時に利便性が向上する。
照明器具の設置方法は、回り込み防止装置が固定具と遮蔽板とにより構成されている場合、主に、固定具に設置する場合と遮蔽板に設置する場合とが考えられる。固定具に設置する場合は、例えば固定具をコ字状に構成し、その内側に照明器具を設ける。これにより内側から見た場合の見映えがよい。また遮蔽板に照明器具を設ける場合は、遮蔽板を照明器具の重量に耐え得る構造とする。この場合、照明器具の向きや数の選択の幅を広くすることができる。
ラックの上面または背面から排出された空気の前面側への回り込みを板材によって阻止することにより、熱を帯びた空気のショートサーキットが起き難くなってラック上部の温度上昇が抑えられる。したがって、ラックの上部であっても十分に冷却することができる。
図1に示したものは、通路4の上方空間を覆う回り込み防止装置10である。回り込み防止装置10は、ラック3の上面に設置される固定具11と、固定具11に挟み込まれた平面ボード12とを備えている。固定具11は、両側のラック3群の通路4側縁部に、それぞれ対向状態で複数並べて設けられるものである。図に示したようにラック3にはもともとラック連結用バー15と、ラック連結用バー15の固定用ボルト16とが設けられており、本回り込み防止装置10はこの固定用ボルト16を用いてラック3に固定されている。
図2(b)に示したように、コ字状の固定具11のコ字開口面を通路4側に向け、固定部14が、固定用ボルト16によってラック3とラック連結用バー15との間に挟まった状態で固定される。上記のように連結用バー15と固定用ボルト16は元々ラックに設けられているもので、その位置はラック3の仕様によって異なる。ボルト孔13が長孔となっていることで、様々な仕様(ボルト孔位置)に対応して固定できるようになっている。
また、ラックをメンテナンスするときは、平面ボード12を固定している固定用ビスをはずし、平面ボード12を固定用金具11から取り外すことで、天井に設けられた照明による光が通路4に届くようにする。このような平面ボード12の固定、取り外し作業は、すべて回り込み防止装置10の内側(通路4側)から行うことができるから、作業性がよい。
また固定具11に差し込む平面ボード12の位置を変えることで、種々の通路幅に対して容易に適用することができる。
図3は固定具11に照明器具として蛍光灯18を取り付ける例である。図3(a)のように蛍光灯18を固定具11の連結部16内側(通路4側)に固定する。図3(b)は固定具11がラック3に固定された状態である。このようにコ字状となっている固定具11の内側に蛍光灯18を取り付ける構成であるから、通路4から見たときに蛍光灯18が直接視界に入らず、見映えがよい。
図4、図5は平面ボード12に照明器具を取り付けた例である。図4のように平面ボード12に通路幅方向に沿ってボルト孔20を設け、図5(a)に示したように平面ボード12の下面に蛍光灯21をボルト22により取り付ける。蛍光灯21を取り付けるのは全ての平面ボード12である必要はなく、図の例では一つ置きに設けている。蛍光灯21は、蛍光管23と、蛍光管23が取り付けられる台24とを備える。台24には電源ケーブル25とコンセント26とを備え、コンセント26には他の電源ケーブル25が差し込まれる。図5(b)(c)のように各蛍光灯21の電源ケーブル25が隣の蛍光灯21のコンセント26に差し込まれることで、各蛍光灯21が並列に接続される。端部に位置する蛍光灯21の電源ケーブル25は、スイッチを介して電源に接続される。
なお、平面ボード12は蛍光灯21の重量に耐え得る構造とする。また、電源ケーブルは固定具11側にまとめると見映えがよい。
このように照明器具を取り付けることにより、メンテナンス時に通路4を明るく照らすことができるから、作業性が向上するとともに平面ボード12を外す必要もない。
このように平面ボード12に蛍光灯21を取り付ける場合には、設置の向き、数の変更を容易に行うことができる。なお、図6に示したものは蛍光灯21を取り付けた一例であり、向きと数を種々に変更してもよいのは言うまでもない。
このような構成により、回り込み防止装置の内側に照明器具を設けなくとも室内の天井に設けられた照明がシート32を通じて通路4に届く。
なお、枠体31にシート32を固定する構成ではなく、平面ボード全体を光を通す素材により構成してもよい。
一方、平面ボード30’は、枠体31’と、周縁が枠体31’に固定されたシート32とにより構成されている。枠体31’の下面両側には、ビス穴(不図示)が5cmおき程度に設けられている。
本例においては、平面ボード30’は片側を固定具11’のガイド15b間に差し込まれ、他側が孔15eを通されたビス34aにより固定具34に固定される。ビス34aによる固定位置は、平面ボード30'の下面に設けられたビス穴の位置により段階的に選択可能である。
固定具41は、図10、図11に示したように固定具41の長手方向に長い長孔のボルト孔43を備えた固定部44と、遮蔽板支持部45と、これら固定部44および遮蔽板支持部45とを連結する連結部46とを備えている。遮蔽板支持部45は、図のように通路4の上方を向くように傾斜が付けられており、遮蔽板42を支持する支持部本体45aと、支持部本体45aの両側に設けられたガイド45bとを備える。ガイド45bは支持部本体45aの両側から上方に延びる側方ガイド47と、側方ガイド47から水平方向内側に延びる上方ガイド48とを備える。これにより支持部本体45aとの間に遮蔽板42を挿入する溝が形成された状態となっている。ガイド45bは、挿入された遮蔽板42の幅方向の移動を側方ガイド47によって規制し、上方ガイド48が遮蔽板42の上方への移動を規制するようになっている。また支持部本体45aには、不図示のビス孔(図2参照)が設けられており、ビスにより遮蔽板42を固定具41に固定する構成となっている。
このように構成された本例の回り込み防止装置40は、遮蔽板42の両端をそれぞれガイド45bと支持部本体45aとの間の溝に挿入し、固定用ビスによって固定する。
これにより図のように遮蔽板42は湾曲したアーチ状の屋根となる。
さらに、遮蔽板42は光を通すシート42bを備えているから、回り込み防止装置の内側に照明器具を設けなくとも室内の天井に設けられた照明がシート42bを通じて通路4に届く。
遮蔽板42を弾性のある素材により形成し、固定具41に挟み込む際に手で湾曲させる。これにより遮蔽板42が固定具41に挟み込まれた状態で、遮蔽板42が復元しようとする自らの弾性力で、遮蔽板42がガイド45bの上方ガイド48に付勢され、遮蔽板42が固定される。したがってビス等の固定手段が不要であり、取り付け作業、撤去作業等を容易に行うことができる。
図12(a)に自立型の回り込み防止装置55を示した。回り込み防止装置55は、遮蔽板56と、遮蔽板56を支持する脚57とを備える。脚57は遮蔽板56の四隅を支持すべく4本設けられ、それぞれ伸縮可能であるとともに遮蔽板56から取り外し可能となっている。また、脚57を一本取り外しても倒れない構造とする。遮蔽板56は通路4の上方を覆う天板56aと、天板56aの対向する両側縁から下方に延びる側板56bとを備える。本例の回り込み防止装置55は、図12(b)のように側板56bが通路4を挟んで両側のラック3側を向くよう、通路4の二重床2上に並べて設置する。脚57の長さは、遮蔽板56の側板56b下縁高さがラック3の上縁高さと一致するように調節する。
また脚57,58を伸縮させて長さを変えることで、異なるラック3の高さに対応することができ、運搬時には収縮させることで利便性が向上する。
図14(a)に示した回り込み防止装置60は、遮蔽板61と、遮蔽板61を支持する脚62とを備えている。脚62は遮蔽板61の四隅を支持すべく4本設けられ、それぞれ伸縮可能であると共に遮蔽板61から取り外し可能となっている。なお脚62を1本取り外したときでも倒れないような構造とする。
遮蔽板61は柔軟性のある素材により構成され、湾曲の曲率を変えることで両端縁61a、61b間が離間接近可能であり、種々の通路幅に対応することができる。また脚62を伸縮させることで、異なるラック3の高さに対応することができる。図14(b)に示したように、この回り込み防止装置60も上記の回り込み防止装置55と同様に、両端縁61a、61bの高さをラック3の上縁に合せ、二重床2に並べて設置される。
このように構成することで、種々の通路幅に対応することができる。
本例の遮蔽板61では、傘のように展開・縮小できるから、設置時、撤去時および運搬時に利便性が向上する。
このように照明器具を取り付けることにより、メンテナンス時に通路4を明るく照らすことができるから、作業性が向上するとともに遮蔽板56,61を外す必要もない。
また、図17のように遮蔽板の一部に光を通す素材を用いてもよい。図17(a)は回り込み防止装置55の変形例として示した回り込み防止装置55”であり、符号67は遮蔽板である。遮蔽板67は通路4の上方を覆う天板68と、天板68の両側縁から下方に延びる側板69とを備え、天板68は、枠体68aと、周縁を枠体68aに固定されたシート68bにより構成されている。シート68bは光を通す素材により構成されている。脚57の構成は上記と同様である。本例の回り込み防止装置67は、図17(b)のように通路4の二重床2上に並べて設置される。
このような構成により、回り込み防止装置の内側に照明器具を設けなくとも室内の天井に設けられた照明による光がシート68bを通じて通路4に届く。
なお、枠体68aにシート68bを固定する構成ではなく、遮蔽板67全体を光を通す素材により構成してもよい。
3 ラック
4 通路
5 内部空間
6 空気調和装置
7 孔あきパネル
10、30 回り込み防止装置
11、11’、34 固定具
12、30’ 平面ボード(遮蔽板)
18 蛍光灯(照明器具)
21 蛍光灯
33,40 回り込み防止装置
41 固定具
42 遮蔽板
55、55’、55”、60,60’ 回り込み防止装置
56、61,67 遮蔽板
57,58,62,63 脚
Claims (7)
- 通路を挟んで両側に設置され前面から給気して上面または背面から熱を帯びた空気を排気する機器収容用ラックに設けられ、前記上面または背面から排出された空気の前記前面側への回り込みを阻止する回り込み防止装置において、
前記通路を挟んで両側のラックの上面にそれぞれ設けられる固定具と、これら固定具に両端部を支持される遮蔽板とを備え、該遮蔽板は、前記両側の固定具の少なくともいずれか一方側で固定されることを特徴とする回り込み防止装置。 - 通路を挟んで両側に設置され前面から給気して上面または背面から熱を帯びた空気を排気する機器収容用ラックに設けられ、前記上面または背面から排出された空気の前記前面側への回り込みを阻止する回り込み防止装置において、
前記通路を挟んで両側のラックの上面にそれぞれ設けられる固定具と、これら固定具に両端部を支持される遮蔽板とを備え、該遮蔽板が、湾曲状態で前記固定具に挟み込まれ、該遮蔽板自体の弾性力により該遮蔽板が前記固定具に固定されることを特徴とする回り込み防止装置。 - 機器が収容され、前面から給気して上面または背面から熱を帯びた空気を排気する機器収容用ラックに隣接して設置され、前記上面または背面から排出された空気の前記前面側への回り込みを阻止する回り込み防止装置において、
床面に支持される脚と、該脚に支持されて前記上面または背面から排出された空気の前記前面側への回り込みを阻止する遮蔽板とを備えていることを特徴とする回り込み防止装置。 - 前記遮蔽板は柔軟性のある素材により構成され、アーチの幅が変更可能なアーチ型であることを特徴とする請求項3に記載の回り込み防止装置。
- 前記遮蔽板の下方空間を照らす照明器具を備えていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の回り込み防止装置。
- 前記遮蔽板は、光を通す部位を備えていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の回り込み防止装置。
- 床下に内部空間を有する通路を挟んで両側に設置され、前面から給気して上面または背面から熱を帯びた空気を排気する機器収容用ラック群と、空気調和装置とを備え、前記空気調和装置から吹き出された冷却用空気が、前記内部空間を流動するとともに、前記通路の床面に設けられた孔から前記通路の床上に吹き出され、この冷却用空気が前記ラックに収容された機器を冷却した後、前記ラックの上方の空間を流動して前記空気調和装置に再び吸引される電算機室用空調システムにおいて、
請求項1から6のいずれかに記載の回り込み防止装置を備えていることを特徴とする電算機室用空調システム。
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