JP5518423B2 - 電算機室用空調システム - Google Patents
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Description
これら空調システムの中には、高集約化・高発熱化の傾向にあるIT機器や通信装置等が設置される電算機室内において、機器周辺の空気の流れや温度を調整する電算機室用空調システムが知られている。
電算機室用空調システムとしては、通路を挟んで対向配置された複数の機器収容用ラックと、機器収容用ラックの側方であって、通路に対向配置された空気調和装置とを備えたものがある。
これにより、電算機室内の空気の流れや温度がコントロールされる。
そこで、対向する機器収容用ラックの間の通路の上面にわたって遮蔽体を設けるとともに通路の端部に壁部を設けて通路空間内を密閉し、通路空間内に温められた空気が混入しないように構成したものが提案されている(例えば、特許文献1の第9図参照。)。
最近では、地震対策として、振動や揺動によってラックやラック内部に収容された機器類に負荷が作用しないように、機器収容用ラックを免震台の上に設置する手段が採用されている。すると、地震等が発生した場合には、通路を挟んで対向配置された機器収容用ラック同士が、通路の延在方向に向けて、あるいは、通路を挟んで互いに近接離反するように相対移動することになり、前述のように遮蔽体をラックに固定した場合には、機器収容用ラックや遮蔽体等に過大な負荷が掛かり、破損してしまうおそれがあった。
本発明は、電算機室内において床下に内部空間を有する通路を挟んで両側に設置され、前面から給気して上面又は背面から熱を帯びた空気を吹き出す機器収容用ラックと、空気調和装置とを備え、前記空気調和装置から吹き出された冷却用空気が、前記内部空間を流動して、前記通路に設けられた孔からさらに前記通路の床上に流動し、この冷却用空気が前記機器収容用ラックに収容された機器を冷却した後、前記機器収容用ラックの上方の空間を流動して前記空気調和装置に再び吸引される電算機室用空調システムであって、前記通路を挟んで両側に設置された前記機器収容ラックのうちの少なくとも一列は、免震台上に載置され、前記通路の上方には、前記通路を挟んで両側に配設された前記機器収容用ラック同士の上面間に架け渡され、前記通路と前記機器収容用ラックの上方空間とを区画する上部遮蔽体が配設されており、前記通路を挟んだ一方の前記機器収容用ラックにおいては、その上面に、前記通路の延在方向に向けて延びる支持バーが配設され、前記上部遮蔽体は、その一端が、前記支持バーの上に摺動可能に載置され、他端が、前記通路を挟んだ他方の前記機器収容用ラックに固定支持されており、前記支持バーの前記通路の延在方向長さが、前記通路の延在方向における前記機器収容用ラック同士の相対可動範囲長さに対応する長さに設定され、一方の前記機器収容用ラックが前記免震台の可動範囲における前記通路の延在方向の一端側に位置し、他方の前記機器収容用ラックが前記免震台の可動範囲における前記通路の延在方向の他端側に位置した場合であっても、前記上部遮蔽体が前記支持バーから落下しないように構成されており、前記上部遮蔽体における前記通路の延在方向と直交する方向の長さが、前記通路の延在方向と直交する方向における前記機器収容用ラック同士の相対可動範囲長さに対応する長さに設定され、一方の前記機器収容用ラック及び他方の前記機器収容用ラックが、互いに離間するように前記通路の幅方向に移動した場合であっても、前記上部遮蔽体が前記支持バーから落下しないように構成されており、前記免震台とともに前記機器収容用ラックが移動した場合にも、前記上部遮蔽体が前記支持バーから落下しない構成とされていることを特徴とする。
以下、本発明の第1の実施形態における電算機室用空調システムについて、図面を参照して説明する。
図1に示す電算機室用空調システム100は、箱状に形成された電算機室101において利用されるものである。
まず、電算機室101について説明する。
電算機室101は、床下に内部空間5を有する二重床2を備えている。二重床2には、長手方向に延びる通路4が形成されている。二重床2には、その厚さ方向に貫通する矩形または円形状の長孔8が形成されている。そして、長孔8の縁部の全周には、この長孔8を覆う矩形板状の孔あきパネル7が嵌め込まれている。孔あきパネル7には、厚さ方向に貫通する複数の孔が形成されている。これにより、床下の内部空間5と通路4とが、それら複数の孔を介して連通している。
電算機室用空調システム100は、通路4を挟んで両側に対向配置されたラック(機器収容用ラック)3と、空気調和装置6と、通路4の上方に配置された上部遮蔽体20と、通路4の端部に設けられた端部遮蔽体40と、を備えており、ラック3と上部遮蔽体20と端部遮蔽体40とによって通路空間Sが画成されている。
ここで、通路4を挟んで対向配置されたラック3は、図2に示すように、それぞれ免震台10の上に固定されている。
ここで、図4及び図5に、免震台10の可動範囲Mを示す。すなわち、この免震台10は、通路4の延在方向及び通路4の幅方向に、ラック3を変形させることなく移動させることが可能な構成とされているのである。
遮蔽板ユニット21は、枠体22と、枠体22の開口部を封止するように装着されたパネル部23と、を備えている。
上部遮蔽体20を構成する遮蔽板ユニット21は、その一端が支持バー12の上に摺動可能に載置され、他端が固定バー11の上にボルト等の固定具(図示なし)によって固定されている。
なお、本実施形態では、支持バー12の延在方向長さは、通路4を挟んで対向配置されたラック3A、3B同士の相対可動範囲長さよりも長く設定されている。
なお、本実施形態では、遮蔽板ユニット21の長さは、通路4を挟んで対向配置されたラック3A、3B同士の相対可動範囲幅よりも長く設定されている。
本実施形態では、図3に示すように、電算室機101の天井部に収容部42が固定され、この収容部42からシート部41が垂下された構成とされている。
電算機室101において、ラック3に収容された通信装置などが動作することにより発熱し、それら各機器が熱を帯びてしまう。そのため、動作している各機器を冷却する必要がある。
そこで、空気調和装置6の下面6bの吹出口から、内部空間5に冷却用空気を吹き出す。この冷却用空気は、内部空間5を通って、孔あきパネル7の複数の孔から上方(通路4)に吹き出される。そして、通路4に送られた冷却用空気は、ラック3の前面の給気口から給気され、熱交換作用により、各機器を冷却する。これにより、給気された空気は、暖められて温熱空気となる。その温熱空気は、ラック3の上面3a又は背面の吹出口から上方に吹き出される。さらに、吹き出された温熱空気は、電算機室101の上方空間を流動し、空気調和装置6の上面6aの吸引口から吸引され、冷却された後、再び下面6bの吹出口から吹き出される。
これにより、電算機室101内の空気の流れや温度がコントロールされ、各機器の良好な動作状態が維持される。
しかし、本実施形態においては、通路4を挟んで両側のラック3の上面間に配置された上部遮蔽体20と、通路4の端部に設けられた端部遮蔽体40と、を備え、ラック3、上部遮蔽体20及び端部遮蔽体40によって通路空間Sが画成されているので、ラック3の上面の温熱空気が通路空間Sに流入することが規制される。すなわち、通路空間Sにおいては、二重床2の床上から上部遮蔽体20の天板部20にわたって、冷却用空気で常に満たされることになる。
しかし、本実施形態においては、通路4の端部を塞ぐようにして、端部遮蔽体40が配置され、通路空間Sの外部に空気調和装置6が設置されているので、通路4に向けて吹き出された冷却用空気が空気調和装置6の設置空間に流動することが規制される。
このように、ラック3が免震台10上に固定されていても、上部遮蔽体20を構成する遮蔽板ユニット21が摺動可能に載置される支持バー12の延在方向長さ(通路4の延在方向長さ)が、通路4を挟んで対向配置されたラック3A、3B同士の相対可動範囲長さに対応する長さに設定され、かつ、遮蔽板ユニット21の長さ(通路4の延在方向に直交する方向の長さ)が、通路4を挟んで対向配置されたラック3A、3B同士の相対可動範囲幅に対応する長さに設定されていて、上部遮蔽体20を構成する遮蔽板ユニット21が、支持バー12の上から落下しないように構成されているので、ラック3A、3Bが免震台10とともに、互いに離間するように移動した場合であっても、上部遮蔽体20は支持バー12上を摺動することになる。
さらに、ラック3が免震台10の上に固定されていることから、地震等によって電算機室101が振動又は揺動した場合には、ラック3に負荷が作用することがなく、ラック3やラック3内部に収容した機器類の破損を防止することができる。
しかも、端部遮蔽体40が、ロールカーテンで構成されていることから、上部遮蔽体20及び支持バー12が、免震台10とともに移動して端部遮蔽体40に接触したとしても、シート部41のみが変位することになり、端部遮蔽体40、上部遮蔽体20及び支持バー12の破損を未然に防止することが可能となる。また、免震台10(上部遮蔽体20及び支持バー12)が所定位置に復帰した時点で、シート部41も元に位置に復帰することになるため、地震後の復旧作業を簡単に行うことができる。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図6及び図7は、本発明の第2の実施形態を示したものである。
図6及び図7において、図1から図5に記載の構成要素と同一部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
この実施形態と上記第1の実施形態とは基本的構成は同一であり、ここでは主として異なる点について説明する。
この遮蔽板ユニット121は、図6及び図7に示すように、延在方向(通路4の幅方向)中央部に、ロールカーテン部125が配置されている。
このようにしてロールカーテン部125が設置されることより、図7に示すように、通路4は、一方のラック3A側の空間S1と他方のラック側3Bの空間S2とに区画されることになる。すなわち、このロールカーテン部125のシート部126が、通路4を一方のラック3A側の空間S1と他方のラック3B側の空間S2とに区画する仕切壁とされているのである。
また、ロールカーテン部125の他方側(図6において右上側、図7において右側)は、プレート部124とされており、通路4の他方のラック3B側の空間S2と上方空間とを区画するように構成されている。
上部遮蔽体120を構成する遮蔽板ユニット121は、その一端が支持バー112の上に摺動可能に載置され、他端が固定バー111の上に、ボルト等の固定具(図示なし)によって固定されている。
また、上部遮蔽体120を構成する遮蔽板ユニット121の長さ(通路4の延在方向に直交する方向の長さ)は、通路4を挟んで配置されたラック3A、3B同士の相対可動範囲幅に対応する長さに設定されている。
なお、本実施形態では、支持バー112の延在方向長さは、通路4を挟んで配置されたラック3A、3B同士の相対可動範囲長さよりも長く設定されており、上部遮蔽体120を構成する遮蔽板ユニット121の長さは、通路4を挟んで対向配置されたラック3A、3B同士の相対可動範囲幅よりも長く設定されている。
ここで、一方のラック3A側の空間S1においては、上部遮蔽体120に通気口123が形成されており、さらに、端部遮蔽体140が設けられておらず、外部空間に連通された構成とされている。よって、一方のラック3Aから排気された温熱空気が外部空間へと排出されることなる。
これに対して、他方のラック3B側の空間S2は、上部遮蔽体120のプレート部124と、端部遮蔽体140とで、外部空間と区画されていることから、一方のラック3Aから排気された温熱空気が他方のラック3B側の空間S2に混入することが防止され、他方のラック3B側の空間S2の内部が冷却用空気で常に満たされることになり、他方側のラック3B内に収容された機器類を効率良く冷却することが可能となる。
また、二重床2から通路4へと冷却用空気を送り込む孔あきパネルの位置が、一方のラック3Aにまで設けられている場合には、他方のラック3B側の空間S2を大きくすることで、冷却用空気を積極的に取り入れることができ、他方のラック3Bの冷却効率をさらに向上させることができる。
なお、ロールカーテン部125の係止位置を一方のラック3A側に移動させて他方のラック3B側の空間S2を大きくした場合には、他方のラック3b側の空間S2に対応する部分に配設された端部遮蔽体140の形状を変更するか、あるいは、シート状の補助遮蔽体を別途設置することにより、通路4の他方のラック3b側の空間S2の密封性を向上させることが好ましい。
例えば、第1の実施形態において、端部遮蔽体をロールカーテンで構成したものとして説明したが、これに限定されることはなく、天井から垂下したカーテン部材であってもよい。
さらに、遮蔽板ユニットが、枠体と、パネル部と、を備えた構成のものとして説明したが、これに限定されることはない。
さらに、通路を区画する仕切壁を、ロールカーテンのシート部としたもので説明したが、これに限定されることはなく、パネル部材等によって仕切壁を構成してもよい。
101 電算機室
3 ラック
4 通路
6 空気調和装置
10 免震台
12、112 支持バー
20、120 上部遮蔽体
40、140 端部遮蔽体
Claims (2)
- 電算機室内において床下に内部空間を有する通路を挟んで両側に設置され、前面から給気して上面又は背面から熱を帯びた空気を吹き出す機器収容用ラックと、空気調和装置とを備え、前記空気調和装置から吹き出された冷却用空気が、前記内部空間を流動して、前記通路に設けられた孔からさらに前記通路の床上に流動し、この冷却用空気が前記機器収容用ラックに収容された機器を冷却した後、前記機器収容用ラックの上方の空間を流動して前記空気調和装置に再び吸引される電算機室用空調システムであって、
前記通路を挟んで両側に設置された前記機器収容ラックのうちの少なくとも一列は、免震台上に載置され、
前記通路の上方には、前記通路を挟んで両側に配設された前記機器収容用ラック同士の上面間に架け渡され、前記通路と前記機器収容用ラックの上方空間とを区画する上部遮蔽体が配設されており、
前記通路を挟んだ一方の前記機器収容用ラックにおいては、その上面に、前記通路の延在方向に向けて延びる支持バーが配設され、
前記上部遮蔽体は、その一端が、前記支持バーの上に摺動可能に載置され、他端が、前記通路を挟んだ他方の前記機器収容用ラックに固定支持されており、
前記支持バーの前記通路の延在方向長さが、前記通路の延在方向における前記機器収容用ラック同士の相対可動範囲長さに対応する長さに設定され、一方の前記機器収容用ラックが前記免震台の可動範囲における前記通路の延在方向の一端側に位置し、他方の前記機器収容用ラックが前記免震台の可動範囲における前記通路の延在方向の他端側に位置した場合であっても、前記上部遮蔽体が前記支持バーから落下しないように構成されており、
前記上部遮蔽体における前記通路の延在方向と直交する方向の長さが、前記通路の延在方向と直交する方向における前記機器収容用ラック同士の相対可動範囲長さに対応する長さに設定され、一方の前記機器収容用ラック及び他方の前記機器収容用ラックが、互いに離間するように前記通路の幅方向に移動した場合であっても、前記上部遮蔽体が前記支持バーから落下しないように構成されており、
前記免震台とともに前記機器収容用ラックが移動した場合にも、前記上部遮蔽体が前記支持バーから落下しない構成とされていることを特徴とする電算機室用空調システム。 - 前記通路の端部には、端部遮蔽体が配設されており、この端部遮蔽体は、上方から吊り下げられたカーテン部材であることを特徴とする請求項1に記載の電算機室用空調システム。
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