JP6904752B2 - サーバ室構造 - Google Patents

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本願は、複数の情報通信技術用装置を搭載可能なサーバラックが設置されるサーバ室の構造に関する。
例えば、特許文献1に記載のサーバ室構造では、サーバラックが設置されるサーバ室が二重床構造となっている。つまり、サーバラックが直接的に設置される床の下に冷風通路が設けられ、当該床に設けられ冷風吹出口から冷風をサーバ室内に供給している。
特開2016−14489号公報
二重床構造では、床下に冷風通路を構成する空間が設けられているので、十分な床強度を確保するには、建築費用の増大を招くおそれがある。さらに、サーバ室を十分に冷却するには、十分な風量の冷風を必要とする。しかし、風量を確保するには、冷風通路を大きくする必要がるので、建築費用が更に増大するおそれがある。
本願は、上記点に鑑み、建築費用の増大を抑制しつつ、十分な風量を確保可能なサーバ室構造を提供する。
本願に係るサーバ室構造では、サーバ室(SR)内のうちサーバラック(3)と対向する位置に設置された空調機(7)であって、上方側に空気を吸い込む吸気口(7A)を有し、かつ、下方側に冷却された空気を吹き出す吹出口(7B)を有する空調機(7)と、吹出口(7B)から吹き出す空気をサーバラック(3)に隣接する冷風通路(5)の上方側に導くとともに、当該上方側から冷風通路(5)に当該空気を供給する空調ダクト(10)とを備えている。そして、空調ダクト(10)は、サーバラック(3)と反対側から吹出口(7B)に連通し、かつ、空調機(7)の上方側を通過して冷風通路(5)側に延びている。
これにより、二重床構造を採用することなく、空調ダクト(10)を介してコールドアイルを構成する冷風通路(5)に冷風を供給することができる。したがって、建築費用の増大を抑制しつつ、十分な風量の冷風をサーバ室(SR)に供給でき得る。
因みに、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的構成等との対応関係を示す一例であり、本発明は上記括弧内の符号に示された具体的構成等に限定されるものではない。
本発明の実施形態に係るサーバ室構造の説明図である。 本発明の実施形態に係るサーバ室構造の平面図である。 本発明の実施形態に係るサーバ室構造の説明図である。
以下に説明する「発明の実施形態」は、本願発明の技術的範囲に属する実施形態の一例を示すものである。つまり、特許請求の範囲に記載された発明特定事項等は、下記の実施形態に示された具体的構成や構造等に限定されるものではない。
以下、本発明の実施形態を図面と共に説明する。なお、各図に付された方向を示す矢印等は、各図相互の関係を理解し易くするために記載したものである。本発明は、各図に付された方向に限定されるものではない。
少なくとも符号を付して説明した部材又は部位は、「1つの」等の断りをした場合を除き、少なくとも1つ設けられている。つまり、「1つの」等の断りがない場合には、当該部材は2以上設けられていてもよい。
(第1実施形態)
1.サーバ室の概要
本実施形態は、サーバ室の空調を行う空調システムに本発明に係るサーバ室構造を適用したものである。図1に示すように、サーバ室SRには、複数の情報通信技術用装置(以下、ICT装置1という。)が格納されている。
各ICT装置1はサーバラック3に搭載されている。サーバラック3は、複数のICT装置1が搭載可能な棚である。サーバ室SR内には、図2に示すように、少なくとも1つのサーバラック3が設置されている。
なお、1つのサーバラック3には、上下方向及び水平方向それぞれの方向において、複数のICT装置1を搭載することができる。各サーバラック3は、水平方向に延びている。各サーバラック3に隣接してコールドアイル5が設けられている。
コールドアイル5は、対向するサーバラック3に冷風を供給する冷風通路の一例である。つまり、当該サーバラック3に搭載された複数のICT装置1は、コールドアイル5から供給される冷風により冷却される。なお、本実施形態では、複数のサーバラック3が互いに略平行に並んで設けられている。そして、コールドアイル5は、隣り合うサーバラック3間の隙間に構成されている。
サーバ室SR内のうちサーバラック3の延び方向両端側それぞれには、図1に示すように、空調機7が設置されている。各空調機7は、サーバラック3と対向する位置に設置されている。そして、各空調機7は、吸気口7A及び吹出口7Bをそれぞれ少なくとも1つ有する。
各吸気口7Aは、空調機7の上方側で開口した開口であって、当該空調機7内に空気を吸い込むための開口である。各吹出口7Bは、空調機7の下方側で開口して冷却された空気を吹き出す開口である。各空調機7内の上方側(本実施形態では、吸気口7A)にはフィルタ7Cが設けられている。
各フィルタ7Cは空気中の塵埃を捕捉する。なお、各空調機7内には、吸気口7Aから吸い込んだ空気を冷却する熱交換器(図示せず。)、及び送風用ファン(図示せず。)等も収納されている。
なお、図1において、紙面左側のサーバ室構造と紙面右側のサーバ室構造とは左右対称構造である。そこで、以下、紙面右側のサーバ室構造を例に本実施形態に係るサーバ室構造の詳細を説明する。なお、個数は「紙面右側のサーバ室構造」に関するものである。
2.サーバ室構造
空調機7の吹出口7Bには、図1に示すように、空調ダクト10が少なくとも1つ接続されている。空調ダクト10は、吹出口7Bから吹き出す空気(以下、冷風という。)をコールドアイル5の上方側に導くとともに、当該上方側からコールドアイル5に冷風を供給するためのダクトである。
空調ダクト10は、サーバラック3と反対側から吹出口7Bに連通し、かつ、空調機7の上方側を通過してコールドアイル5側に延びている。つまり、空調ダクト10は、空調機7のうサーバラック3と反対側及び上面側を囲むようにしてコールドアイル5側に延びている。そして、当該空調ダクト10は、コールドアイル5の上方側を閉塞するように、コールドアイル5と平行に延びている。
具体的には、本実施形態に係る空調ダクト10は、少なくとも1つの第1ダクト部11、複数の第2ダクト部12及び分配ダクト部13等を有して構成されている。第1ダクト部11は、吹出口7B側から空調機7の上方側に延びるダクトである。
各第2ダクト部12は、空調機7側からコールドアイル5に沿って水平方向に延びるダクトである。なお、複数の第2ダクト部12は、各コールドアイル5の上部に位置してコールドアイル5に沿って延びている(図2参照)。
分配ダクト部13は、複数の第2ダクト部12の延び方向と交差する方向に延びている(図2参照)。当該分配ダクト部13には、各第1ダクト部11の上方側及び各第2ダクト部12の空調機7側が接続されている(図1参照)。
つまり、複数の第1ダクト部11から供給された冷風は、分配ダクト部13にて集合した後、当該分配ダクト部13にて複数の第2ダクト部12それぞれに分配供給される。
そして、空調ダクト10のうち空調機7の上方側に配索された部分は、空調機7の上端から予め決められた所定寸法以上、離隔している。
なお、上記「所定寸法」とは、空調システムの保守を行う作業員がフィルタ7C等の交換又は保守・点検を行うことができる程度の寸法である。
空調ダクト10内には、図1に示すように、少なくとも1つのダンパー14が設けられている。ダンパー14は、空気の流通経路を切り替えるための切替装置の一例である。当該ダンパー14は、複数の第2ダクト部12のうちいずれかの第2ダクト部12に空気が流通することを禁止する場合と空気の流通を許容する場合とを切り替える。
なお、本実施形態では、例えば、図3に示すように、第1ダクト部11内及び分配ダクト部13内に設けられている。したがって、少なくとも分配ダクト部13内のダンパー14が閉じられると、当該閉じられたダンパー14より空気流れ下流側に位置する第2ダクト部12には冷風が流れ込まない。
3.本実施形態に係るサーバ室構造の特徴
吹出口7Bから吹き出す空気をコールドアイル5の上方側に導くとともに、当該上方側からコールドアイル5に当該空気を供給する空調ダクト10を備えている。そして、空調ダクト10は、サーバラック3と反対側から吹出口7Bに連通し、かつ、空調機7の上方側を通過してコールドアイル5側に延びている。
これにより、二重床構造を採用することなく、空調ダクト10を介してコールドアイル5に冷風を供給することができる。したがって、建築費用の増大を抑制しつつ、十分な風量の冷風をサーバ室SRに供給でき得る。
空調ダクト10は、サーバラック3と反対側から吹出口7Bに連通しているので、ICT装置1の保守・点検を行う際に、空調ダクト10が当該作業の阻害要因になることを抑制でき得る。
空調機7と空調ダクト10とは、所定寸法以上、離隔している。これにり、作業員は、例えば、フィルタ7C交換等の空調機7の保守・点検を容易に行うことができる。
空調ダクト10は、第1ダクト部11、第2ダクト部12及び分配ダクト部13等を有して構成されている。これにより、施工業者等は、空調ダクト10の設置工事、及び保守・点検等を容易に行うことが可能となる。
複数の第2ダクト部12のうちいずれかの第2ダクト部12に空気が流通することを禁止する場合と空気の流通を許容する場合とを切り替えるための切替装置14を備える。
これにより、冷風を流通させる第2ダクト部12、つまり冷風を供給するコールドアイル5を容易に選択することができる。したがって、ICT装置1の搭載個数又は搭載位置に変更があった場合であっても、冷風を供給するコールドアイル5を迅速に選択・変更することができる。
(その他の実施形態)
上述の実施形態に係る空調ダクト10は、第1ダクト部11、第2ダクト部12及び分配ダクト部13等を有して構成されていた。しかし、本願明細書に開示された発明はこれに限定されるものではない。
上述の実施形態では、切替装置14を備えていた。しかし、本願明細書に開示された発明はこれに限定されるものではない。すなわち、例えば、切替装置14が廃止された構造であってもよい。
上述の実施形態では、空調機7の上方側にフィルタ7Cが設けられ、かつ、空調機7と空調ダクト10とは、所定寸法以上、離隔していた。しかし、本願明細書に開示された発明はこれに限定されるものではない。すなわち、例えば、フィルタ7Cが吹出口7B側に設けられていてもよい。
さらに、本発明は、特許請求の範囲に記載された発明の趣旨に合致するものであればよく、上述の実施形態に限定されるものではない。したがって、上述した複数の実施形態のうち少なくとも2つの実施形態を組み合わせてもよい。また、空調機7の台数及び配置構成等も図1等に示された構成に限定されるものではない。
1… ICT装置 3… サーバラック 5… コールドアイル
7… 空調機 7A… 吸気口 7B… 吹出口 7C… フィルタ
10… 空調ダクト 11… 第1ダクト部 12… 第2ダクト部
13… 分配ダクト部 14… ダンパー(切替装置)

Claims (4)

  1. 複数の情報通信技術用装置を搭載可能なサーバラックが設置されるサーバ室の構造において、
    前記サーバ室内のうち前記サーバラックと対向する位置に設置された空調機であって、当該サーバ室内のうち前記サーバラックより上方側に位置して空気を吸い込む吸気口を有し、かつ、当該サーバ室内のうち前記吸気口より下方側に冷却された空気を吹き出す吹出口を有する空調機と、
    前記吹出口から吹き出す空気を前記サーバラックに隣接する冷風通路の上方側に導くとともに、当該上方側から当該冷風通路に当該空気を供給する空調ダクトとを備え、
    前記空調ダクトは、前記サーバラックと反対側から前記吹出口に連通し、かつ、前記空調機の上方側を通過して前記冷風通路側に延びているサーバ室構造。
  2. 前記空調機の上方側には、空気中の塵埃を捕捉するフィルタが設けられており、
    前記空調機と前記空調ダクトとは、作業員が前記フィルタの交換又は保守・点検を行うことができる程度の寸法以上、離隔している請求項1に記載のサーバ室構造。
  3. 前記空調ダクトは、
    前記吹出口側から上方側に延びる第1ダクト部、
    前記空調機側から前記冷風通路に沿って水平方向に延びる複数の第2ダクト部、並びに
    前記複数の第2ダクト部の延び方向と交差する方向に延びる分配ダクト部であって、前記第1ダクト部の上方側及び前記複数の第2ダクト部の前記空調機側が接続された分配ダクト部を有している請求項1又は2に記載のサーバ室構造。
  4. 前記複数の第2ダクト部のうちいずれかの第2ダクト部に空気が流通することを禁止する場合と空気の流通を許容する場合とを切り替えるための切替装置を備える請求項1ないし3のいずれか1項に記載のサーバ室構造。
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