JP5306970B2 - 空調システム - Google Patents

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Description

本発明は、空調システムに関する。
IT(Information Technology)の発展に伴い、IT機器の発熱量は増大の一途を辿っている。これに伴い、IT機器を冷却する空調システムの電力消費量も増大しており、IT機器を効率的に冷却できる空調技術の開発が行われている。
例えば、特許文献1には、サーバの排熱を確実に行うため、ラックに取り付けた排気ファンの風量制御を、サーバの排気温度によって行う技術が開示されている。また、特許文献2には、温度センサをマシン室に複数設置して床ファン(ファンタイル)を制御してコンピューター室の熱管理を行う技術が開示されている。また、特許文献3には、ラック内の温度を検出してファンを制御するラックの管理装置が開示されている。また、特許文献4には、ユニット内や機器ラック、或いは筺体内の温度を用いてファンの速度を制御する技術が開示されている。また、特許文献5には、サーバが持つ複数のファンの回転数から、各サーバの風量を算出し、サーバの位置情報とあわせて空気流を検知し、空気流に応じてデータセンター内の冷却を制御するコントローラを備えた空気流分配装置、換気システムが開示されている。また、特許文献6には、給気風量を増減させて空気の再循環を制御する技術が開示されている。
特開2009−140421号公報 特表2008−538406号公報 特開2002−319082号公報 特表2009−524253号公報 特開2006−208000号公報 特表2007−505285号公報 特許第4294560号公報
データセンター等の大規模な情報処理設備においては、IT機器を収容したラックが情報処理機器室内に多数並べられている。空調効率の観点に鑑みれば、これらのラックに収容されたIT機器へは過不足なく冷気が供給されており、空調システム全体のエネルギー消費量が最小限に留まることが望ましい。しかしながら、情報処理設備を冷却する空調システムにおける冷気の流れはIT機器の据付状態や動作状態に影響されやすいため、各IT機器へ供給される冷気を各機器ごとに必要最小限に供給するには高度な制御が必要となる。このため、空調システム全体で冷気を省エネルギーに反して過剰に供給し、情報処理機器室内を循環させることで、許容温度を越える機器が生じるのを防ぐ方法が多く採られる。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、ラックに収容された各情報処理機器へ冷気を過不足なく、かつラックの上部まで情報処理機器の冷却に必要な温度で到達するように供給する技術を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明では、情報処理機器室内に整列したラックのうち上側部分に流入する空気と下側部分に流入する空気との温度差が最も大きいラックの該温度差、或いは該温度差と該温度差が最も大きいラックの上側部分に流入する空気の温度とに基づいて、空調ユニットが生成する冷気の風量を調整する。
詳細には、情報処理機器を収容したラックが整列する情報処理機器室の空調を行う空調システムであって、前記情報処理機器室へ冷気を供給する空調ユニットと、前記情報処理機器室の床側あるいは天井側に設けられる、前記空調ユニットが供給する冷気が吹き出る吹き出し口と、前記情報処理機器室内に整列したラックのうち上側部分に流入する空気と下側部分に流入する空気との温度差が最も大きいラックの該温度差、或いは該温度差と該温度差が最も大きいラックの上側部分に流入する空気の温度とに基づいて、前記空調ユニットが生成する冷気の風量を調整する生成量調整手段と、前記温度差が最も大きいラックの上側部分に流入する空気の温度と前記空調ユニットが生成する冷気の風量に基づいて、該空調ユニットが生成する冷気の温度を調整する生成温度調整手段と、を備える。
上記空調システムは、情報処理機器の負荷状態や吸込み温度に応じて通気量が変化するラックが整列した情報処理機器室の空調を行うことを前提としている。ラックは、情報処理機器を収容しており、機器の負荷状態に応じて冷却風量が変化する。これらの機器を冷却する空気は、ラックの周囲からラック内を通過し、反対側へ流れるものであり、例えば、ラックの正面から吸気されて背面へ排出される。ラックを通過する空気は、情報処理機器本体に設けられている冷却ファンやラックの内外に取り付けられている冷却ファンによって流れる。なお、ラックは、4面ある側面のうちラック列の吸気側の面(換言すると、ラック内に設置されるIT機器の吸気側の面)およびその反対側である排気側の面が全面的に開放されており、他の面が板状の部材等で開放あるいは閉じられているものであってもよいし、特定の吸排気口等を有するものであってもよい。情報処理機器室は、このようなラックが、少なくとも、冷却空気の吸気面と排気面の少なくとも何れか一方が揃うように整列している。情報処理機器室には、床側および天井側の少なくとも何れかに冷気を流す経路が設けられており、この経路を介して各ラックへ冷気が吹き出される。
上記空調システムは、空調ユニットから供される冷気が吹き出る吹き出し口が設けられている。このような吹き出し口は、情報処理機器室の床側あるいは天井側に設けられており、ラックの吸気面へ冷気が供されるようになっている。よって、この吹き出し口から吹き出る冷気の吹き出し量によっては、ラックの上側部分に流入する空気と下側部分に流入する空気との間に温度差が生じ得る。なお、例えば、ラックが整列したラック列が複数列に渡って平行に並んでいる場合、前記吹き出し口は、一対のラック列の間に形成される通路の床側あるいは天井側に設けられるようにする。
上記空調システムでは、空調ユニットが生成する冷気の風量が、生成量調整手段により、各ラックの上側部分に流入する空気と下側部分に流入する空気との温度差の最大値、または該最大値と該最大値のラックの上側部分に流入する空気の温度に基づいて調整される。さらに、上記空調システムでは、空調ユニットが生成する冷気の温度が、生成温度調整手段により、温度差の最大値のラックの上側部分に流入する空気の温度と、上記空調ユニットが生成する冷気の風量に基づいて調整される。例えば、最大の温度差が縮まれば風量を減らし、温度差が広がれば風量を増やす。さらには、ラックの上側部分に流入する空気温度が低く、制御に絞られて冷気の風量が少ない場合は、冷却能力が過剰なので、冷気の温度を上げる。
この空調システムであれば、ラックの上側部分に流入する空気と下側部分に流入する空気との間の温度差に基づいて空調ユニットの冷気の風量が調整されるので、ラックに収容された各情報処理機器へ供給される冷気が不足することがない。
ラックに収容された各情報処理機器へ供給される冷気を過不足なく、かつラックの上部まで情報処理機器の冷却に必要な温度で到達するように供給できる。さらには、該冷気の供給により、ラックの吸気面における熱気の回り込みを防止する遮蔽板を不要とし、材料費・工事費の削減のほか保守員への圧迫感をなくしまたは作業の自由度を広げることができる。
空調システムの構成図である。 空調システムの機器配置図である。 ラックと吹き出し口との位置関係を示す図である。 回転数制御のフローチャートである。 温度制御のフローチャートである。 電動ファンの回転数を減少させた場合の変化を示す図である。 電動ファンの回転数を増加させた場合の変化を示す図である。 暖気の一部が回りこんでいるときの状態図である。 暖気の一部が回りこんでいるときの温度分布を示すグラフ。 吹き出し量が過剰な時の状態図である。 ラック列が2列の場合の空調システムの適用例を示す図である。 冷気を天井から供給する場合の空調システムの構成図である。
図1は、空調システム1の構成図である。この空調システム1は、図1に示すように、各種の演算処理やデータベースの管理を行うサーバや通信機等のIT機器(本発明でいう情報処理機器に相当する)が収容されたラック2へ供給する冷気を生成する空調ユニット3、ラック2の上側部分や下側部分へ流入する冷気の温度に応じて空調ユニット3の電動ファンの回転数を調整する制御装置5を備える。空調ユニット3は、ラック列全体に冷気を供給するものである。
図2は、空調システム1の機器配置図である。図2に示すように、空調システム1は、ラック2が多数整列したサーバールーム6に設けられている。そして、サーバールーム6の床7に設置された空調ユニット3が、サーバールーム6内から取り込んだ空気を床7とコンクリートスラブ8との間に設けられた床下の空間へ送り込むように構成されている。
空調ユニット3は、クーリングコイルと電動ファンとを内蔵したパッケージクーラであり、上面に設けられた開口からサーバールーム6の空気を吸気して冷却し、底部の吹出口から床下の空間へ送る。なお、空調ユニット3は、コイルとファンがそれぞれ別のケーシングに納まり、両者がダクトで接続されたものであってもよい。
図3は、ラック2と冷気の吹き出し口9との位置関係を示す図である。図3に示すように、各ラック2の前の床面には吹き出し口9が設けられている。吹き出し口9は、サーバールーム6の床7に設けられる開口部であり、空気を通しつつ人等が通行可能なように網目状のグレーチングが設置されている。また、各ラック2には、ラック内に収容されているIT機器を冷やすための空気を取り入れる吸込面10が正面に設けられており、取り入れた空気を排出する排出面が背面に設けられている。このように、床面に設けられる吹き出し口9やラック2の吸込面10があり、ラック2へ供給する冷気が流れる通路をコールドアイルという。また、冷気通路の隣の通路、換言すると、ラック2の排出面があり、ラック2から排気される暖気が流れる通路をホットアイルという。
各ラック2にはIT機器を冷却する冷却ファンが設けられており、各ラックの吸排気量は収容しているIT機器の負荷状態や吸込み温度に応じて時々刻々と変化する。すなわち、各IT機器に内蔵または付設されている冷却ファンやラック2の内または外に取り付けられている冷却ファンの回転数が、IT機器の負荷状態等に応じて変化することにより、ラック2の吸込面10に吸気され或いは排出面から排出される空気の量が変化する。このため、各ラックの吸排気量は互いに異なる場合がある。よって、吹き出し口9の吹き出し量もIT機器の動作状態に応じて過不足なく適切に調整される必要がある。
そこで、この空調システム1では、制御装置5が以下のような制御を行う。図4は制御装置5が空調ユニット3に対して行なう制御のフローチャートを示している。以下、制御装置5が行なう制御について、図4に示すフローチャートに基づいて説明する。
制御装置5は、各ラック2の吸込面10のうち上部に設けられた上部温度センサ11と下部に設けられた下部温度センサ12とにより、各ラック2の上側部分および下側部分に流入する空気の温度を検知する。上部温度センサ11及び下部温度センサ12は、少なくともラック内の機器を冷却する冷気が通過する流路上であってラック内への吸気が不足した際に両センサ間で温度差が生じやすい箇所に設けられる必要があり、例えば、ラック2の吸気用のメッシュの上端および下端からそれぞれ約100mmのあたりに据え付けられている。そして、各ラック2について、上側部分に流入する空気の温度と下側部分に流入する空気の温度との温度差ΔT(i)を算出する。各上部温度センサ11が検知する温度をTu(i)とし、下部温度センサ12が検知する温度をTd(i)とすると、温度差ΔT(i)は以下の数式(1)のようになる。
数式(1):ΔT(i)=Tu(i)−Td(i)
ここで、iは温度センサの数に対応しており、本実施形態では8台のラックに上部温度センサ11及び下部温度センサ12がそれぞれ1つずつ取り付けられていることを前提としているので、iを1から8の自然数とする。iの上限値については上部温度センサおよび下部温度センサの数に応じて適宜定める。
空調システム1が起動すると、制御装置5は、図4Aに示すように、各ラックの上部温度と下部温度との温度差ΔT(i)を互いに比較し、温度差ΔT(i)の最大値であるΔT−maxを決定する(S101)。換言すれば、ΔT−maxはラック列のうち温度差ΔTの最も大きいラックでの温度差である。次に、制御装置5は、ΔT−maxがC値−α以下であるか否かを検知する(S102)。このC値は、床から吹出した空気がラック2の吸込面10に行き渡らず、ラック2の吸込面10に他からの暖かい空気(例えば、ラック背面に排出されている排気の一部等)が各ラック2の上部に流入する際に生じる温度差であり、この実施形態では制御許容値として例えば設定値±3℃の許容範囲では3℃とする。また、α値は、制御の安定を考慮した不感帯であり、この実施形態では1℃としている。なお、これらの値は、ラックに収容してあるIT機器により異なるものである。
S101の処理で温度差ΔT−maxが(C−α)以下であると判定された場合、制御装置5は、上部温度がTsp値以下であるか否かを検知する(S103)。このTsp値は、IT機器の吸込み温度の設定値に近い値であり、IT機器が吸込み温度によって通気量を変化させている場合に、これに応じて冷気の風量を調整することで、ラックへ過不足なく冷気を供給するものである。この実施形態では、25℃としている。なお、この値はラックに収容してあるIT機器の機種やメーカにより異なるものである。
上部温度Tu(i)がTsp以下である場合、制御装置5は、ラックへの冷気が過多と判断し、空調ユニット3の電動ファンの単位時間当たりの回転数(回転速度)をδだけ減少させる(S106)。電動ファンの回転数は、ファンを駆動する電動モータへ電力を供
給するインバータの周波数を変更することにより調整する。これにより、図5Aに示すように、全体的に風量過多だった吹き出し口9からの冷気の吹き出し量が減少する。また、ΔT−maxが(C−α)以下でなく(S102)、(C+α)以上であり(S104)、上部温度Tu(i)がTsp以上であれば(S105)、ラックへの風量が不足していると判断されるので、空調ユニット3の電動ファンの回転数Nをδだけ増加させる(S108)。また、S103、S104、S105で偽と判定された場合には、各ラックへの風量が適正と判断し、電動ファンの回転数Nを現状のままとする(S107)。このように、ΔT−maxとTu(i)から、過冷却が判断された場合には電動ファンの回転数が減少し、冷却不足が判断された場合には電動ファンの回転数を増加することで、電動ファンが各ラック内のIT機器を冷却するのに必要十分な回転数となる。なお、電動ファンが直流モータで駆動される場合は、印加電圧や電圧パルスの調整により回転数を制御可能である。
更に、制御装置5は、図4Bに示すように、前記温度差の最大値のラックの上部温度Tu(i)がT-L値以下であるか否かを検知する(S201)。このT-L値は、IT機器の冷却に必要な冷気の冷え過ぎを判断する温度であり、この温度以下の場合、空調ユニット3は冷気の生成に過剰なエネルギーを消費していると判断する。この実施形態では、16℃としている。なお、この値はラックに収容してあるIT機器により異なるものである。
上部温度Tu(i)がT-L値(空調ユニット3の送風機の限界を超えてなお冷却を要することを判断する値である)以下の場合、空調ユニット3の電動ファンの回転数NがD値以下であるか否かを検知する(S202)。このD値は空調ユニット3の冷気の生成量の過多を判断する値で、この実施形態では、20%としている。電動ファンの回転数がD値以下である場合、冷気の能力が過大と判断し、制御装置5は、空調ユニット3が生成する冷気の温度をθだけ上昇させる(S205)。また、ラック上部温度Tu(i)がT-H値(ラック2への最小限の給気量となってもなお給気過剰であることを判断する値であり、例えば27℃とする)以上で(S203)、かつ空調ユニット3の電動ファンの回転数がE値(例えば、20%とする)以上である場合(S204)、制御装置5は、空調ユニット3の生成する冷気の冷却能力が不足していると判断し、生成する冷気の温度をθだけ降下させる(S207)。なお、これらの判断が偽の場合には、冷気の冷却能力が適正と判断し、冷気の温度を現状のままとする(S206)。
なお、ΔT(i)、Tu(i)、ΔT−max、T-L値やT-H値は、空調ユニットの風量や供給温度が同じでも情報処理機器の稼働状況によって変動すること、すなわち高負荷の場合に熱排気の温度が高く量が多いのに対し低負荷の場合にそれらが低く少ないことに由来して同じ給気条件でも冷気の到達高さが異なる。
このように構成される空調システム1によれば、各ラックに収容されているIT機器へ供給される冷気が不足することなく、空調ユニット3の電動ファンの回転数が最小限に抑えられるため、空調システム全体のエネルギー消費量を抑制して空調効率を高めることができる。すなわち、上記空調システム1のようにラックの上部に流入する空気の温度と下部に流入する空気の温度とに基づかないで空調ユニット3の電動ファンの回転数を必要最小限にしようとすると、例えば図6Aに示すように吹き出し口9からの冷気の吹き出し量が不足してラックから排気される暖気の一部が吸気側に回り込んだりする虞がある。図6Bは、床から吹き出す冷気の風量が不足している時のラックの吸い込み温度を示したグラフである。図6Bに示すように、床から吹き出す冷気の風量が不足している場合、ラックの下側部分に比べて上側部分の吸い込み温度が高くなることが判る。このような暖気の回り込みを防止するため、ラックの上部に流入する空気の温度と下部に流入する空気の温度とに基づかないで空調ユニット3の電動ファンの回転数を制御する場合は図7に示すよう
に全体の吹き出し量を過剰に設定する必要が不可避的に生ずる。全体の吹き出し量をこのように設定すれば特定のIT機器が過熱するのを予防できる反面、空調システム全体の空調効率の低下を招く。しかしながら、上記空調システム1のようにラックの上部に流入する空気の温度と下部に流入する空気の温度とに基づいて空調ユニット3の電動ファンの回転数を制御するようにすれば、各ラックへ供給される冷気は不足することがない。さらに、ラック上部に流入する温度に基づいて空調ユニット3の電動ファンの回転数を制御するようにすれば、より過不足なくラックに冷気を供給することができる。また、ラック上部に流入する温度と空調ユニットの電動ファンの回転数に応じて、空調ユニットが生成する冷気の温度を調整するようにすれば、過大な冷却能力を持つ冷気を生成、供給するのに必要なエネルギーの損失を防ぐことができる。
なお、このようなラックの冷気不足を上部温度センサ11および下部温度センサ12で確実に捉えるには、ラック内の隙間にブランクパネルを設置しておき、ラック内の隙間で暖気の逆流が生じないようにしておくことがより好ましい。ラック内における暖気の回り込みをブランクパネルで封じておけば、暖気が逆流するルートはラック背面から上側を経由することとなり、ラックの上側部分に吸い込まれる冷気と下側部分に吸い込まれる冷気との温度差が顕著に現れるようになるからである。
また、既述したステップS106の処理においては、所定の最低風量を下回らないように電動ファンの回転数の下限値を制限するようにしてもよい。所定の最低風量とは、各ラックの上側部分に流入する空気と下側部分に流入する空気との温度差が無い場合であっても各ラックへ最低限供給すべき冷気の風量であり、例えば、各ラックに収容されている全てのIT機器のうち稼動している機器の発熱量を最低限除去できる風量である。このような風量は、例えば、全IT機器の消費電力や室温、空調ユニット3に流入する空気の温度等をセンシングすることにより随時定められるようにしてもよいし、これらのパラメータによって変動しない予め定められた固定値であってもよい。
ところで、上記空調システム1は、以下のように変形することもできる。例えば、上記空調システム1は、ラック列が1列の場合のみならず、図8に示すように、2列のものに適用してもよいし、或いは3列以上のものに適用してもよい。図8に示すように、ラック列が2列の場合には、各ラック列の吸気面が互いに対向するように配置し、2つのラック列の間にコールドアイルが形成されるようにする。そして、このコールドアイルの床面にグレーチングを設置して吹き出し口とする。本願で開示する空調システムは、このように複数のラック列を備えるサーバールームに対しても適用可能であり、空調ユニット3の電動ファンの回転数及び冷気の生成温度を図4A、Bのフローチャートのように制御することで、ラック内のIT機器を冷却するのに必要十分な量の冷気が空調ユニットから供給されるようになり、空調効率が高まる。
また、上記空調システム1では、冷気を床下から供給していたが、例えば、天井から供給することもできる。図9は、冷気を天井から供給する場合の空調システム1の構成図である。図9に示すように、冷気を天井から吹き出す場合は、天井に冷気が流れるダクト13(天井裏内をいわゆる天井チャンバとし、ダクトを省略しても良い)と暖気が流れるダクト14(図2と同様、サーバールーム内の空間を還気路とし省略してもよい)とを設ける。図4Aから図4Bで説明した制御方法は、「上部」を「下部」に読み替えれば当業者の知識を適用して天井吹き出し方式の空調システムとして実施できる。このように構成される空調システム1であっても、ラック内のIT機器を冷却するのに必要十分な量の冷気が空調ユニットから供給されるようになり、空調効率が高まる。
上記空調システム1は、新たに新設する設備として構成するもののみならず、既設の空調システムを改造して実現することも可能である。例えば、空調ユニット3のみが設けら
れているような空調システムが既設されている場合には、上部温度センサ11、下部温度センサ12や制御装置5を新たに設けるだけで上記空調システム1を実現できるので、汎用性や実用性が極めて高い。
1・・・空調システム
2・・・ラック
3・・・空調ユニット
5・・・制御装置
6・・・サーバールーム
7・・・床
8・・・コンクリートスラブ
9・・・吹き出し口
10・・吸込面
11・・上部温度センサ
12・・下部温度センサ
13,14・・ダクト

Claims (3)

  1. 情報処理機器を収容したラックが整列する情報処理機器室の空調を行う空調システムであって、
    前記情報処理機器室へ冷気を供給する空調ユニットと、
    前記情報処理機器室の床側あるいは天井側に設けられる、前記空調ユニットが供給する冷気が吹き出る吹き出し口と、
    前記情報処理機器室内に整列したラックのうち上側部分に流入する空気と下側部分に流入する空気との温度差が最も大きいラックの該温度差、或いは該温度差と該温度差が最も大きいラックの上側部分に流入する空気の温度とに基づいて、前記空調ユニットが生成する冷気の風量を調整する生成量調整手段と、
    前記温度差が最も大きいラックの上側部分に流入する空気の温度と前記空調ユニットが生成する冷気の風量に基づいて、該空調ユニットが生成する冷気の温度を調整する生成温度調整手段と、を備える、
    空調システム。
  2. 前記生成量調整手段は、前記情報処理機器室内に整列したラックのうち上側部分に流入する空気と下側部分に流入する空気との温度差が最も大きいラックの該温度差が広がると前記空調ユニットが生成する冷気の風量を増やし、該温度差が縮まると該空調ユニットが生成する冷気の風量を減らす、
    請求項1に記載の空調システム。
  3. 前記情報処理機器室は、ラックが整列したラック列が複数列に渡って平行に並んでおり、
    前記吹き出し口は、一対のラック列の間に形成される通路の床側あるいは天井側に設けられる、
    請求項1または2に記載の空調システム。
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