JP2011065444A - 冷却システムおよび冷却制御プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】サーバが急速に大量の熱を発生させるときであっても、冷却の遅延を防止することによりサーバ温度の上昇を抑止し、ひいてはサーバの動作異常を引き起こすことを防止し、さらにサーバ温度の上昇を抑止できるとしても急速に冷やすことによるエネルギロスを減らす。
【解決手段】温度センサ150が、サーバ110と、ラック111の各部の温度を計測し、温度状態判断手段が、温度センサ150が計測した温度からラック111の温度状態を判断する。電流センサ170が、サーバ110の消費電力を計測し、温度予測手段が、温度センサ150が計測した温度と、電流センサ170が計測した電力とから、電力による温度変化を予想する。そして、ファン類制御手段が、温度状態判断手段と、温度センサ150とからの情報に基づいてファン、もしくはルーバを制御する。
【選択図】図1
【解決手段】温度センサ150が、サーバ110と、ラック111の各部の温度を計測し、温度状態判断手段が、温度センサ150が計測した温度からラック111の温度状態を判断する。電流センサ170が、サーバ110の消費電力を計測し、温度予測手段が、温度センサ150が計測した温度と、電流センサ170が計測した電力とから、電力による温度変化を予想する。そして、ファン類制御手段が、温度状態判断手段と、温度センサ150とからの情報に基づいてファン、もしくはルーバを制御する。
【選択図】図1
Description
本発明は、冷却システムおよび冷却制御プログラムに関し、特にサーバなどを格納するラックの前面に床下からの空気を前記ラックに送り込むためのファンと、前記空気の風向きおよび風量を制御するためのルーバとを備えた冷却システム、およびファンとルーバを制御する冷却制御プログラムに関する。
従来からサーバなどを効率に冷却するための冷却システムが存在する。従来の冷却システムは、サーバの温度を監視し、監視した温度が一定以上の温度になったときに、サーバが格納されているラックの前面側床面に設けられたルーバを調整し、風向きを変えることによって効率的に高温のサーバが格納されているラックに冷却された風を送り込むことによって冷やすものが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
しかし、温度を監視して制御すると、一定以上温度が上昇した後に制御を行い始めることになる。これにより、サーバが急速に大量の熱を発生させるときには冷却が間に合わなくなり、サーバ温度が上昇することによりサーバの動作異常を引き起こすおそれがあるという問題がある。つまり、サーバ動作の信頼性を害するおそれがあるという問題がある。
または、サーバ温度の上昇を抑止でき、サーバの動作異常を引き起こさないとしても、急速に冷却するために冷却システムを急稼働させたためにエネルギロスが生じ、運用コスト、および環境負荷が大きくなるという問題がある。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、サーバが急速に大量の熱を発生させるときであっても、冷却の遅延を防止することによりサーバ温度の上昇を抑止し、ひいてはサーバの動作異常を引き起こすことを防止し、さらにサーバ温度の上昇を抑止できるとしても急速に冷やすことによるエネルギロスを減らすことができる冷却システムを提供することを目的とする。
本発明では上記問題を解決するために、サーバなどを格納するラックの前面に床下からの空気を前記ラックに送り込むためのファンと、前記空気の風向きおよび風量を制御するためのルーバとを備えた冷却システムにおいて、前記サーバと、前記ラックの各部の温度を計測するための温度計測手段と、前記温度計測手段が計測した温度から前記ラックの温度状態を判断する温度状態判断手段と、前記サーバの消費電力を計測する電力計測手段と、前記温度計測手段が計測した温度と、前記電力計測手段が計測した電力とから、前記電力による温度変化を予想する温度予測手段と、前記温度状態判断手段と、前記温度計測手段とからの情報に基づいて前記ファン、もしくは前記ルーバを制御するファン類制御手段とを備えることを特徴とする冷却システムが提供される。
これにより、温度計測手段が、サーバと、ラックの各部の温度を計測し、温度状態判断手段が、前記温度計測手段が計測した温度から前記ラックの温度状態を判断する。電力計測手段が、前記サーバの消費電力を計測し、温度予測手段が、前記温度計測手段が計測した温度と、前記電力計測手段が計測した電力とから、前記電力による温度変化を予想する。そして、ファン類制御手段が、前記温度状態判断手段と、前記温度計測手段とからの情報に基づいて前記ファン、もしくは前記ルーバを制御する。
また、本発明では、サーバなどを格納するラックの前面に床下からの空気を前記ラックに送り込むためのファンと、前記空気の風向きおよび風量を制御するためのルーバとを制御する冷却制御プログラムにおいて、コンピュータを、前記サーバと、前記ラックの各部の温度を計測するための温度計測手段、前記温度計測手段が計測した温度から前記ラックの温度状態を判断する温度状態判断手段、前記サーバの消費電力を計測する電力計測手段、前記温度計測手段が計測した温度と、前記電力計測手段が計測した電力とから、前記電力による温度変化を予想する温度予測手段、前記温度状態判断手段と、前記温度計測手段とからの情報に基づいて前記ファン、もしくは前記ルーバを制御するファン類制御手段、として機能させることを特徴とする冷却制御プログラムが提供される。
これにより、温度計測手段が、サーバと、ラックの各部の温度を計測し、温度状態判断手段が、前記温度計測手段が計測した温度から前記ラックの温度状態を判断する。電力計測手段が、前記サーバの消費電力を計測し、温度予測手段が、前記温度計測手段が計測した温度と、前記電力計測手段が計測した電力とから、前記電力による温度変化を予想する。そして、ファン類制御手段が、前記温度状態判断手段と、前記温度計測手段とからの情報に基づいて前記ファン、もしくは前記ルーバを制御する。
本発明の冷却システムおよび冷却制御プログラムによれば、温度予測手段が、温度計測手段が計測した温度と、電力計測手段が計測した電力とから、電力による温度変化を予想するので、消費電力による温度変化が予測され、高温になる前に冷却動作を早めに行うことが出来、サーバが急速に大量の熱を発生させるときであっても、冷却の遅延を防止することによりサーバ温度の上昇を抑止し、ひいてはサーバの動作異常を引き起こすことを防止し、さらにサーバ温度の上昇を抑止できるとしても急速に冷やすことによるエネルギロスを減らすことができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施の形態に適用される構成例を示した図である。
図1に示すように、サーバ室10に本実施の形態の冷却システム100が適用される構成例を示している。サーバ室10には、複数のサーバ110を上下方向に複数段格納したラック111が複数設けられている。ラック111の前面側には、フロア120の下から空気が吹き出す吹き出し口130が設けられている。
ラック111の前面と背面はパンチングされた板で構成され、吹き出し口130から吹き出された空気がラック111の前面側から吸気され、ラック111に格納されているサーバ110を冷却してラック111の背面側から排気される。
サーバ110の数が多いなどの理由で発生する熱量が多く、空気を当てるのみでは冷却能力が足りないときには、空調機140によって床下の空気を冷やす構成とすることもできる。
図2は、本実施の形態に係るラックと吹き出し口の構成を示す図である。
図2に示すように、ラック111には温度センサ150が取り付けられている。センサ150は、ラック111の前面側と背面側の上中下段に各1つ、上面板の前面側と背面側に各1つ、および床下121に取り付けられている。
吹き出し口130には、電動で動くルーバ160が設けられており、ルーバ160を構成する羽161の角度を調整することにより、床下121からファンによって吹き出される空気の流れや風量を調整する。
図3は、本実施の形態に係る冷却システムのブロック図である。
図3に示すように、風向予測制御判定部180は、ラック111の各所に設けられた温度センサ150が計測した温度を取得して、冷却が正常か否かを判断する。
電流センサ(CT:Current Transformer)170は、各サーバ110の消費電力を計測する。温度予測学習部190は、電流センサ170から取得した消費電力に関連づけて、温度センサ150が計測した温度を記憶する。そして、温度センサ150が計測した温度(たとえば温度1とする)と、ルーバ制御状態(開閉)したときから所定時間(たとえば30分)後に、温度センサ150が計測した温度(たとえば温度2とする)から算出される温度1と温度2の変化値を温度変化情報として記憶する。
この温度変化情報をラック111ごとに更新しておくことにより、より正確にラック111に対する温度変化を予測することが可能となる。すなわち、ラック111ごとにサーバ室10内の置かれている位置、ラック111に格納されているサーバ110の数や用途が異なるために温度変化も大きく異なる。したがって、ラック111ごとに温度変化情報を記憶しておくことにより正確に温度変化を予測することが可能となる。
温度平準化部200は、サーバ室10に設定された各エリアにおける温度を平準化するための平準化処理を行う。
ルーバ/ファン制御部210は、温度平準化部200から受け取った平準化のための制御情報に基づいて空調機類(空調機、ラックファン、ルーバ、床下ファンなど)220の動作を制御する。
以上のような機能を有する冷却システム100により、以下の処理が行われる。
図4は、冷却システムによる冷却制御処理の手順を示すフローチャートである。以下、図4に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
〔ステップS11〕冷却システム100は、所定時間(たとえば30分)ごとに冷却制御処理を開始し、まず温度分布によるFパラメータ取得処理を行う。このFパラメータ取得処理とは、ラック111の各部に設置された温度センサ150から温度を取得し、サーバ110に対する冷却が適切か否かを判定する。Fパラメータ取得処理については後述する。
〔ステップS12〕冷却システム100は、温度指数によるMパラメータ取得処理を行う。このMパラメータ取得処理とは、サーバ室10内をいくつかのエリアに区切ったときに、そのエリアごとの温度が一定の幅に収まっているか否かを判断する。つまり、冷やしすぎの部分があるときには、その部分に対する空気の供給を減らしもしくは止め、供給できる余剰冷却能力を暖かい部分に振り分けることができるようにするための判断である。Mパラメータ取得処理については後述する。
〔ステップS13〕冷却システム100は、Pパラメータ取得処理を行う。このPパラメータ取得処理とは、消費電力によるn分後の予測温度が一定以上であれば、現在の温度がまだそれほど高くなくてもその部分の冷却に重きをおくという考えのもとに冷却システムの制御が必要か否かを判断するものである。Pパラメータ取得処理については後述する。
〔ステップS14〕上記各パラメータ取得処理によって取得したパラメータに一定の重み係数(α、β、γ)を乗じて、あらかじめ設定された値Jより大きいか否かを判断する。大きいと判断した場合は処理をステップS15へ進め、J以下と判断した場合は処理をステップS16へ進める。
〔ステップS15〕冷却システム100は、ルーバ160を開く制御を行う。
〔ステップS16〕冷却システム100は、ルーバ160を閉める制御を行う。
図5は、冷却システムによるFパラメータ取得処理の手順を示すフローチャートである。以下、図5に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
〔ステップS21〕冷却システム100は、ラック111の各部、および床下121に設けられている温度センサ150から温度情報を取得する。
〔ステップS22〕ΔThcが6未満であるか否かを判断する。ΔThcとは、ラック111におけるホットアイル側(ラック111の背面側)の上部に設けられた温度センサ150が温度から、ラック111におけるコールドアイル側(ラック111の正面側)の上部に設けられた温度センサ150が温度を減算したときの値である。ΔThcが6未満のときは処理をステップS23へ進め、ΔThcが6以上のときは処理をステップS32へ進める。
〔ステップS23〕ΣΔTが45未満であるか否かを判断する。ΣΔTとは、コールドアイル側、ホットアイル側の各側面に設けられた計6つの温度センサ150、および天板のコールドアイル側、ホットアイル側に設けられた2つの温度センサ150の合わせて8つの温度センサ150が計測した温度の合計値から床下121に設けられた温度センサ150が計測した温度の8倍の値を減算した値である。ΣΔTが45未満であると判断したときは、処理をステップS24へ進め、ΣΔTが45以上であると判断したときは、処理をステップS28へ進める。
〔ステップS24〕ΔThcの値が小さい、つまりホットアイル側とコールドアイル側の温度差が少なく、かつΣΔTの値が小さい、つまりホットアイル側もコールドアイル側も床下121の温度とそれほど差がない状態のときは冷やしすぎであると判断する。
〔ステップS25〕コールドアイル側の上部に設けられた温度センサ150が計測した温度がTHより高いか否かを判断する。THより高いときは処理をステップS26へ進め、TH以下のときは処理をステップS27へ進める。THとは温度制御上限温度であって、コールドアイル側の上部に設けられた温度センサ150が計測した温度がTHより高ければ必ず冷やさなければいけないと判断される温度である。
〔ステップS26〕ルーバ160を開くと判断しやすくなるようにFパラメータに1を設定する(図4のステップS14参照)。これはステップS24においては冷やしすぎであると判断したが、コールドアイル側の上部に設けられた温度センサ150が計測した温度がTHより高いので安全のためにルーバ160を開くと判断しやすくなるようにFパラメータを設定する。
〔ステップS27〕ルーバ160を閉じると判断しやすくなるようにFパラメータに0を設定する(図4のステップS14参照)。冷やしすぎの場合には、これ以上冷やしても運転コストや環境負荷が上がってしまうだけなので原則としてルーバ160が閉じると判断しやすくなるようにFパラメータを設定する。
〔ステップS28〕ΔThcの値が小さい、つまりホットアイル側とコールドアイル側の温度差が少ないが、ΣΔTの値が大きい、つまりホットアイル側もしくはコールドアイル側が床下121の温度と差がある状態のときは熱だまりの状態であると判断する。
熱だまりとは、コールドアイル側の空気の吹き出しが弱く、ホットアイル側からコールドアイル側に熱気が回り込んでしまって熱気がたまってしまっている状態、もしくは別のコールドアイル側の空気の吹き出しが強く、コールドアイル上部にホットアイル側の熱気が回り込んでしまって熱気がたまってしまっている状態であることを示している。
〔ステップS29〕コールドアイル側の上部に設けられた温度センサ150が計測した温度がTLより低いか否かを判断する。TLより低いときは処理をステップS30へ進め、TL以上のときは処理をステップS31へ進める。TLとは温度制御下限温度であって、コールドアイル側の上部に設けられた温度センサ150が計測した温度がTLより低ければこれ以上冷やす必要がないと判断される温度である。
〔ステップS30〕ルーバ160を閉じると判断しやすくなるようにFパラメータに0を設定する(図4のステップS14参照)。これはステップS28においては熱だまり状態であると判断したが、コールドアイル側の上部に設けられた温度センサ150が計測した温度がTLより低いのでルーバ160を閉じると判断しやすくなるようにFパラメータを設定する。
〔ステップS31〕ルーバ160を開くと判断しやすくなるようにFパラメータに1を設定する(図4のステップS14参照)。熱だまり状態の場合には、コールドアイル上部の熱だまりをホットアイル側に戻すために原則としてルーバ160が開くと判断しやすくなるようにFパラメータを設定する。
〔ステップS32〕ΣΔTが45より大きいか否かを判断する。ΣΔTが45より大きいと判断したときは、処理をステップS33へ進め、ΣΔTが45未満であると判断したときは、処理をステップS35へ進める。
〔ステップS33〕ΔThcの値が大きい、つまりホットアイル側とコールドアイル側の温度差が大きく、かつΣΔTの値が大きい、つまりホットアイル側もしくはコールドアイル側が床下121の温度と差がある状態のときは熱だまり状態であるか、そもそも冷却能力がサーバ110が発する熱量に対して不足していると判断する。
〔ステップS34〕ルーバ160を開くと判断しやすくなるようにFパラメータに1を設定する(図4のステップS14参照)。熱だまり状態の場合と同様に冷却能力が不足していると判断した場合にも原則としてルーバ160が開くと判断しやすくなるようにFパラメータを設定する。
〔ステップS35〕ΔThcの値が大きい、つまりホットアイル側とコールドアイル側の温度差が大きく、かつΣΔTの値が小さい、つまりホットアイル側もコールドアイル側も床下121の温度とそれほど差がない状態のときは理想の冷却状態であると判断する。
〔ステップS36〕ルーバ160を閉じると判断しやすくなるようにFパラメータに0を設定する(図4のステップS14参照)。
以上説明したFパラメータ取得処理において、ΔThcの値が6未満であるか否か、およびΣΔTの値が45未満であるか否かによって判断を行ったが、各値はサーバ室10や、設置されているサーバ110などの特性によって適切な値に設定されるものである。
次に、上述のFパラメータ取得処理の具体例を詳述する。
図6は、ラックに取り付けられた温度センサの値と状態判断の関係を示す表である。
図6に示すコールド側、ラック天盤、およびホット側とは、それぞれ温度センサ150の取り付けられている箇所を示しており、各欄の右側にはさらに詳細な位置が示されている。
その右欄から始まる具体的な数値は、各温度センサ150が計測した値から床下121に設置されている温度センサ150が計測した値を減算した値である。
その各温度センサ150の値の下には、計測した温度センサ150の値を用いて算出したΔThc、およびΣΔTの値が示されている。
図7は、ΔThcとΣΔTの値、判断される冷却状態、およびルーバ制御の関係を示す表である。
図7および図5に示すように、ΔThcが小さく、ΣΔTが小さいときは冷やしすぎであると判断され、コールドアイル側上部の温度センサ150の値TがTH以上であるときはルーバ160を開くと判断しやすくなるようにFパラメータを設定する。また、TがTHより小さいときはルーバ160を閉じると判断しやすくなるようにFパラメータを設定する。
ΔThcが小さく、ΣΔTが大きいときは熱だまり状態であると判断され、コールドアイル側上部の温度センサ150の値TがTLより大きいときはルーバ160を開くと判断しやすくなるようにFパラメータを設定する。また、TがTL以下のときはルーバ160を閉じると判断しやすくなるようにFパラメータを設定する。
ΔThcが大きく、ΣΔTが小さいときは理想の冷却状態であると判断され、コールドアイル側上部の温度センサ150の値TがTH以上であるときはルーバ160を開くと判断しやすくなるようにFパラメータを設定する。また、TがTHより小さいときはルーバ160を閉じると判断しやすくなるようにFパラメータを設定する。
ΔThcが大きく、ΣΔTが大きいときは熱だまり状態であるか、冷却能力を超える熱をサーバ110が発していると判断され、ルーバ160を開いて表の1〜3の状態にならいなければファンを強くするか、空調機140の設定温度を下げる制御をするなどする。
図8は、冷却システムによるMパラメータ取得処理の手順を示すフローチャートである。以下、図8に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
〔ステップS41〕コールドアイル側上部に設けられた温度センサ150が計測した温度をあらかじめ設定された温度制御上限温度THと温度制御下限温度TLに基づいて温度制御指数Tnに変換する。
たとえば、THを40℃、TLを31℃として1〜10の温度制御指数Tnを割り振るとき、31℃以下を1、32℃を2・・・39℃を9、40℃以上を10と割り振る。
〔ステップS42〕サーバ室10に設定された各エリアの温度制御指数Tnを平均化する。上述のステップS41とステップS42の作業によって、平均値を出すときに突出した温度部分を平均値の算出から除外することができる。
〔ステップS43〕温度制御指数TnがTHかTLかそれ以外かを判断する。THもしくはTL以外の場合には処理をステップS44へ進め、THのときは処理をステップS45へ進め、TLのときは処理をステップS46へ進める。
〔ステップS44〕温度制御指数Tnが全エリアの温度制御指数Tnの平均値より大きいか否かを判断する。平均値より大きいときは処理をステップS45へ進め、平均値以下のときは処理をステップS46へ進める。
〔ステップS45〕ルーバ160を開くと判断しやすくなるようにMパラメータに1を設定する(図4のステップS14参照)。これはステップS43もしくはステップS44において、当該箇所の温度制御指数Tnが全エリアの平均値より大きい判断されたのでその部分の冷却を強めるためにルーバ160を開くと判断しやすくなるようにMパラメータを設定する。
〔ステップS46〕ルーバ160を閉じると判断しやすくなるようにMパラメータに0を設定する(図4のステップS14参照)。これはステップS43もしくはステップS44において、当該箇所の温度制御指数Tnが全エリアの平均値以下と判断されたのでその部分の冷却は必要ないためにルーバ160を閉じると判断しやすくなるようにMパラメータを設定する。
図9は、冷却システムによるPパラメータ取得処理の手順を示すフローチャートである。以下、図9に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
〔ステップS51〕n分後におけるコールドアイル側上部に設けられた温度センサ150が計測すると予測される温度がTHより大きいか否かを判断する。THより大きいと判断したときは処理をステップS52へ進め、TH以下であると判断したときは処理をステップS53へ進める。
〔ステップS52〕ルーバ160を開くと判断しやすくなるようにPパラメータに1を設定する(図4のステップS14参照)。これはステップS51においてn分後には温度制御上限温度THより高くになると判断されたのでルーバ160を開くと判断しやすくなるようにPパラメータを設定する。なお、このn分後のnの値は任意の設定値であり、温度予測については後述する。
〔ステップS53〕ルーバ160を閉じると判断しやすくなるようにPパラメータに0を設定する(図4のステップS14参照)。これはステップS51においてn分後でも温度制御上限温度TH以下であると判断されたのでルーバ160を閉じると判断しやすくなるようにPパラメータを設定する。
図10は、冷やしすぎの状態からルーバを閉めたときの温度変化を示すグラフである。
図10においては、TLを28℃、THを31℃に設定されている。また、0,300,800,1800で示した4本の折れ線グラフはそれぞれ、サーバ110が消費する電力が0,300,800,1800(W)のときの温度変化を示しており、ラック111に備えられたサーバ110が1〜4台稼働しているときを仮想している。
冷却システム100は、これらの温度変化情報を記憶しており、電流センサ170から取得した消費電力、温度変化情報、および温度センサ150が計測した現在のサーバ110の温度からn分後の温度を予測する。
冷却システム100の温度予測学習部190は、電流センサ170から取得した消費電力に関連づけて、温度センサ150が計測した温度を記憶する。そして、温度センサ150が計測した温度(たとえば温度1とする)と、ルーバ制御状態(開閉)したときから所定時間(たとえばn分)後に、温度センサ150が計測した温度(たとえば温度2とする)から算出される温度1と温度2の変化値を温度変化情報として記憶しているので、この温度変化情報に基づいてn分後の温度を予測する。
これによると0〜800Wの消費電力のときは31分後においてもTHを超えることはなく、1800Wの消費電力のときは26℃から10分強でTHを超えることがわかる。したがって、0〜800Wの消費電力のときはルーバ160を開ける制御は行わず、1800Wの消費電力のときは、設定されたnが10以上のときはルーバ160を開ける制御を行う。サーバ110が急速に大量の熱を発生させるときには冷却が間に合わなくなり、サーバ110の温度が上昇することによりサーバ110の動作異常を引き起こすおそれがあるためである。
図11は、熱だまりの状態からルーバを開けたときの温度変化を示すグラフである。
図11においてもTLを28℃、THを31℃に設定されており、0,300,800,1800で示した4本の折れ線グラフはそれぞれ、サーバ110が消費する電力が0,300,800,1800(W)のときの温度変化を示している。
これによると0〜−800Wの消費電力のときは58分後においてもTLを下回ることはなく、−1800Wの消費電力のときは34℃以上の状態から20分強でTLを下回ることがわかる。したがって、0〜−800Wの消費電力のときはルーバ160を閉める制御は行わず、−1800Wの消費電力のときは、設定されたnが20以上のときはルーバ160を閉める制御を行う。−1800Wの消費電力のときは、冷やしすぎになる可能性があり、運用コストおよび環境負荷が大きくなることを防ぐためである。
上述の図10,11における温度予測は、温度変化情報による場合以外にも、たとえば会社のネットワークを管理するサーバの場合には、始業時前後にサーバ稼働のピークを迎えるなどの熱量が時間によってある程度予測できることがある。このようなときには、温度変化情報以外に時間による温度変化の予測情報を備えておき、この予測情報に基づいてルーバ160の開閉制御判断をしてもよい。
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、冷却システムが有すべき機能の処理内容を記述した冷却制御プログラムが提供される。その冷却制御プログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述した冷却制御プログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリなどがある。磁気記録装置には、HDD、FD、磁気テープなどがある。光ディスクには、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM、CD−ROM、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)などがある。光磁気記録装置には、MO(Magneto
Optical disk)などがある。
Optical disk)などがある。
冷却制御プログラムを流通させる場合には、たとえば、その冷却制御プログラムが記録されたDVD、CD−ROMなどの可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにその冷却制御プログラムを転送することもできる。
冷却制御プログラムを実行するコンピュータは、たとえば、可搬型記録媒体に記録された冷却制御プログラムもしくはサーバコンピュータから転送された冷却制御プログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置から冷却制御プログラムを読み取り、冷却制御プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接冷却制御プログラムを読み取り、その冷却制御プログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータから冷却制御プログラムが転送される毎に、逐次、受け取った冷却制御プログラムに従った処理を実行することもできる。
なお、本発明は、上述の実施の形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えることができる。
上記については単に本発明の原理を示すものである。さらに、多数の変形、変更が当業者にとって可能であり、本発明は上記に示し、説明した正確な構成および応用例に限定されるものではなく、対応するすべての変形例および均等物は、添付の請求項およびその均等物による本発明の範囲とみなされる。
10 サーバ室
100 冷却システム
110 サーバ
111 ラック
120 フロア
121 床下
130 吹き出し口
140 空調機
150 温度センサ
160 ルーバ
161 羽
170 電流センサ
100 冷却システム
110 サーバ
111 ラック
120 フロア
121 床下
130 吹き出し口
140 空調機
150 温度センサ
160 ルーバ
161 羽
170 電流センサ
Claims (11)
- サーバなどを格納するラックの前面に床下からの空気を前記ラックに送り込むためのファンと、前記空気の風向きおよび風量を制御するためのルーバとを備えた冷却システムにおいて、
前記サーバと、前記ラックの各部の温度を計測するための温度計測手段と、
前記温度計測手段が計測した温度から前記ラックの温度状態を判断する温度状態判断手段と、
前記サーバの消費電力を計測する電力計測手段と、
前記温度計測手段が計測した温度と、前記電力計測手段が計測した電力とから、前記電力による温度変化を予想する温度予測手段と、
前記温度状態判断手段と、前記温度計測手段とからの情報に基づいて前記ファン、もしくは前記ルーバを制御するファン類制御手段と、
を備えることを特徴とする冷却システム。 - 前記温度状態判断手段が、
前記ラック前面と背面との温度差と、前記ラックに取り付けられたすべての温度計測手段が計測した温度の総和とから温度状態を判断することを特徴とする請求項1記載の冷却システム。 - 前記温度状態判断手段が、
前記温度差が小さく、前記総和が小さいときは冷やしすぎであると判断し、
前記温度差が小さく、前記総和が大きいときは熱だまり状態であると判断し、
前記温度差が大きく、前記総和が小さいときは理想状態であると判断し、
前記温度差が大きく、前記総和が大きいときは熱だまり状態もしくは冷却能力不足であると判断し、
前記ファン類制御手段が、
前記温度状態判断手段が冷やしすぎと判断したときにルーバを閉じるように制御し、
前記温度状態判断手段が熱だまり状態または冷却能力不足と判断したときにルーバを開けるように制御することを特徴とする請求項2記載の冷却システム。 - 前記温度予測手段が、
あらかじめ記憶されている前記ルーバを開閉したときの温度変化に係る温度変化情報に基づいて温度変化を予測することを特徴とする請求項1ないし3記載の冷却システム。 - 前記温度変化情報が、前記ルーバを開閉したときの温度と、前記ルーバを開閉したときから一定時間後の温度との温度変化量であることを特徴とする請求項4記載の冷却システム。
- 前記温度予測手段が、
あらかじめ記憶されている予想消費電力量情報に基づいて温度変化を予測することを特徴とする請求項1ないし3記載の冷却システム。 - 前記予測消費電力量情報が、前記サーバが消費する電力が前記サーバの稼働量に応じて規則的に上昇もしくは下降する特定の時間およびそのときの電力の変化量の情報であることを特徴とする請求項6記載の冷却システム。
- 前記システムには、
前記空気の温度を調整するための空調機を備え、
前記ファン類制御手段は、前記空調機をも制御することがあることを特徴とする請求項1ないし7記載の冷却システム。 - さらに、前記温度計測手段が計測した温度を平準化する平準化手段をも備え、
前記ファン類制御手段は、前記平準化手段からの情報にも基づいて制御することを特徴とする請求項1ないし8記載の冷却システム。 - 前記平準化手段が、
前記温度計測手段が計測した温度を温度指数に変換し、
前記サーバが設置されている空間を区切った全区画の平均値と比較することにより平準化を行うことを特徴とする請求項9記載の冷却システム。 - サーバなどを格納するラックの前面に床下からの空気を前記ラックに送り込むためのファンと、前記空気の風向きおよび風量を制御するためのルーバとを制御する冷却制御プログラムにおいて、
コンピュータを、
前記サーバと、前記ラックの各部の温度を計測するための温度計測手段、
前記温度計測手段が計測した温度から前記ラックの温度状態を判断する温度状態判断手段、
前記サーバの消費電力を計測する電力計測手段、
前記温度計測手段が計測した温度と、前記電力計測手段が計測した電力とから、前記電力による温度変化を予想する温度予測手段、
前記温度状態判断手段と、前記温度計測手段とからの情報に基づいて前記ファン、もしくは前記ルーバを制御するファン類制御手段、
として機能させることを特徴とする冷却制御プログラム。
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JP2009215812A JP2011065444A (ja) | 2009-09-17 | 2009-09-17 | 冷却システムおよび冷却制御プログラム |
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