JP5264587B2 - ロールスクリーンを用いた電算機室用空調システム - Google Patents
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Description
これら空調システムの中には、高集約化・高発熱化の傾向にあるIT機器や通信装置等が設置される電算機室内において、機器周辺の空気の流れや温度を調整する電算機室用空調システムが知られている。
電算機室用空調システムとしては、所定空間(通路)を挟んで対向配置された複数の機器収容用ラックと、機器収容用ラックの側方であって、所定空間に対向配置された空気調和装置とを備えたものがある。
これにより、電算機室内の空気の流れや温度がコントロールされる。
そこで、通路を挟んで対向する機器収容用ラック同士の上面に遮蔽板(遮蔽体)を架け渡すことにより、上方空間から所定空間への空気の流動を防止することが考えられる(例えば、特許文献1参照)。
また、遮蔽板として、取り外しが容易に可能なパネル材を用いた場合には、作業効率が多少向上することにより、高温障害の危険性が改善されるものの、作業時にパネル材が落下する危険性や保管スペースの確保という問題の改善には至らない。
一方、遮蔽板の取扱いを容易にするために、遮蔽板として、柔軟な素材を使用することが考えられる。しかし、柔軟な素材を使用した場合には、遮蔽体自体の自重又は通路内の圧力変動によって、遮蔽体に撓みが生じ、遮蔽が良好になされなくなるおそれがある。また、この場合の撓みは、機器収容用ラック内のIT機器又は通信装置を操作する際に、機器収容用ラックの扉の開閉を妨げる可能性がある。
すなわち、本発明に係る電算機室用空調システムは、床下に内部空間を有する通路を挟んで両側に対向して設置され、前面から給気して上面又は背面から熱を帯びた空気を吹き出す機器収容用ラックと、空気調和装置とを備え、前記空気調和装置から吹き出された冷却用空気が、前記内部空間を流動して、前記通路に設けられた孔からさらに前記通路の床上に流動し、この冷却用空気が前記機器収容用ラックに収容された機器を冷却した後、前記機器収容用ラックの上方の空間を流動して前記空気調和装置に再び吸引される電算機室用空調システムであって、前記通路を挟んで両側に設置された前記機器収容用ラック同士の上面間を覆い、前記通路と前記機器収容用ラックの上方の空間とを区画可能とするロールスクリーンと、前記機器収容用ラックのいずれか一方に、その上面側に位置させて取り付けられ、前記ロールスクリーンを巻取り、引出し可能とする巻取部と、該巻取部から前記ロールスクリーンを引き出したときに、前記ロールスクリーンの側部を支持するガイドレールとを備え、前記対向して配置された前記機器収容用ラックの上面に、各々前記ロールスクリーンの幅方向に向けて、前記巻取部のケースを構成するロールスクリーンボックス及び保持ボックスが配置され、前記ロールスクリーンの両側に位置する各前記ガイドレールのそれぞれ一端が前記ロールスクリーンボックスに固定され、それぞれの他端が前記保持ボックスに固定され、前記ロールスクリーンボックス及び前記保持ボックスのいずれか一方が前記機器収容用ラックに対して固定され、他方が前記機器収容用ラックに対して水平方向に相対移動可能に設置されていることを特徴とする。
本発明に係る電算機室用空調システムにおいて、前記対向して配置された機器収容用ラックの上面に、それぞれその内部を器具配置空間となる器具配置部材が固定され、前記各器具配置部材の内部に、照明器具が設置され、前記ロールスクリーンボックス及び前記保持ボックスのいずれか一方が前記器具配置部材の一方の上面側に固定され、他方が前記器具配置部材の他方の上面側に相対移動可能に設置されることによって、前記一方が前記機器収容用ラックに対して固定され、前記他方が前記機器収容用ラックに対して水平方向に相対移動可能に設置されていることとしてもよい。
さらに、本発明に係る電算機室用空調システムによれば、ロールスクリーンを支持するガイドレールを設けているので、ロールスクリーンの自重による撓み、及び空気調和装置の運転状態に伴う圧力変化によるロールスクリーンの撓みが防止される。
まず、電算機室101について説明する。
電算機室101には、床下に内部空間5を有する二重床2を備えている。二重床2には、長手方向に延びる通路4が形成されている。二重床2には、その厚さ方向に貫通する矩形状の長孔8が形成されている。そして、長孔8の縁部の全周には、この長孔8を覆う矩形板状の孔あきパネル7が嵌め込まれている。孔あきパネル7には、厚さ方向に貫通する複数の孔が形成されている。これにより、床下の内部空間5と通路4の空間とが、それら複数の孔を介して連通している。
電算機室用空調システム100は、通路4を挟んで両側に対向配置され、かつ各々互いに隣接するようにそれぞれ複数個設置されているラック(機器収容用ラック)3と、空気調和装置6とを備えている。
ラック3は、略直方体形の箱状に形成されており、通信装置等の各種機器を収容するものである。これらラック3は、通路4の両側に配置されており、通路4の長手方向に沿って、それぞれ複数配列されている。ラック3は、互いに対向する対向面(前面3b)に形成された給気口(不図示)から、通路4の空間の空気を給気し、給気した空気を上面3a又は背面の吹出口から上方又は後方に向けて吹き出すようになっている。
このように構成されていることにより、壁体13によって通路4側の空間と空調装置6側の空間とが遮断され、孔あきパネル7から吹き出された冷気が直接空気調和装置6の吸込口6aに吸い込まれることが防止されている(ショートサーキット現象の防止)。従って、空気調和機から吹き出された冷気がラック3に供給されるまでの間、漏れを最小限に抑えることができるため、空気調和機の冷却効率を向上させることができる。
また、扉13aが設けられていることにより、作業員が扉13aを通って通路4内に出入りできる。
ロールスクリーンボックス200は、ラック3の上面3aに、以下の構造を有して取り付けられている。
すなわち、ラック3の上面3aには、断面L字状のフレーム230が、その下壁部の下面側にプレート(頭つなぎ)を介在させた状態で、その下壁部231においてボルト232及びナット233によって固定されており、同断面L字状のフレームの立上壁部234に沿って、一定の厚みを有する取付ゴム240が配置されている。この取付ゴム240は、その下半部がボルト235及びナット236によって断面L字状のフレーム230の立上壁部234に固定され、その上半部が同断面L字状のフレーム230の立上壁部234の上方に一定の寸法で突出している。上記の断面L字状のフレーム230及び上部プレート290は、その内部を器具配置空間230Aとする器具配置部材230Bを構成している。
立上壁部234の上端部には、上部プレート290が固定されている。この上部プレート290は、主壁部291の両端に下方への折曲壁部292、293を有するものであり、折曲壁部293がビスにより立上壁部234に固定されている。
前記L字状のフレーム230における下壁部231の前端部には、折曲壁部237が形成されており、この折曲壁部237と前記上部プレート290の折曲壁部292の前端側のものとの間には、図5に示すように、補強板296及び透光板297がビスにより固定されている。
この場合、補強板296は、断面L字状のフレーム230及び上部プレート290の長手方向に向けて一定間隔おきに設けられており、透光板297は、各補強板296の間に位置するように設けられている。
この補強板296は、断面L字状のフレーム230、上部プレート290とともに、断面矩形状の部材を構成し、全体として、ロールスクリーンユニット110の保持する十分な強度を有するものとなっている。
透光板297は、アクリル材等の透明又は半透明の板材であり、後述する照明ランプ239、439からの光を通路4内に照射できるようになっている。
なお、この実施形態において、図1に示すように、各ラック3の高さは、同一の高さのものとされているが、異なる高さのラック3を配置する構成とした場合には、図5に示すように、断面L字状のフレーム230の立上壁部234の高さ寸法を適切な寸法とし、且つ補強板296及び透光板297の高さを調整することにより、ラック3の高さの相違によるロールスクリーンユニット110の保持位置が定位置となるようになっている。
前記上部プレート290の主壁部291の上面には、クッションゴム250が配置されており、クッションゴム250は、ねじ238によって主壁部291の上面に固定されている。
ロールスクリーンボックス200は、その下面をクッションゴム250に当接させ、かつその一側面を取付ゴム240の上半部の前面に当接して配置され、ロールスクリーンボックス200の一側面が取付ゴム240に対してボルト251及びナット252により固定されている。
なお、ロールスクリーンボックス200内において、巻取軸220に巻き取られているロールスクリーン500は、ロールスクリーンボックス200の前面に形成された開口部260から外方水平方向へ引き出し可能となっている。この場合、巻取軸220には、つるまきバネ280(巻取機構)が付設されており、ロールスクリーン500は巻き取られる方向に付勢されている。
上記の構成において、ロールスクリーンボックス200、巻取軸220、及び前述したつるまきバネ280は、巻取部270を構成している。
この保持ボックス400は、前述したロールスクリーンボックス200が設けられたラック3に対向するラック3の上面3a側に位置して配置されたものである。
図6に示すように、ラック3の上面3aには、断面L字状のフレーム430が配置され、その下壁部431がボルト432及びナット433によってラック3の上面3aに固定され、その立上壁部434には、上部プレート490の折曲壁部493がビスにより固定されている。上部プレート490の折曲壁部492と断面L字状のフレーム430の折曲壁部437との間には、補強板496及び透光板(図示せず)がビスにより固定されており、これらの構成は、図5及び図6に示す、ロールスクリーンボックス200側の構成と同様である。上記の断面L字状のフレーム430及び上部プレート490は、その内部を器具配置空間430Aとする器具配置部材430Bを構成している。
上部プレート490の主壁部491には、滑りプレート420がねじ438により固定されている。
そして、保持ボックス400の下面には、クッションゴム450が貼着されている。
この保持ボックス400は、この滑りプレート420上において水平方向に移動可能である。
これら、ロールスクリーンボックス200、保持ボックス400、及びガイドレール300A、300Bは、図1及び図2に示すように、全体として矩形の枠を構成するように互いに固定されている。
この場合、図2に示すように、一方のガイドレール300Aの一端300aは、ロールスクリーンボックス200の端部200aに固定され、同ガイドレール300Aの他端300bは、保持ボックス400の端部400aに固定されている。また、他方のガイドレール300Bの一端300aは、ロールスクリーンボックス200の端部200bに固定され、他方のガイドレール300Bの他端300bは、保持ボックス400の端部400bに固定されている。
ガイドレール300Aは、図7に示すように、レールボックス310と、レールボックス310の内部に配置されるレール本体320と、ガイド部330と主な構成要素とするものである。
レールボックス310は、断面コ字状に形成されたレール保持壁部310Aと、このレール保持壁部310Aの主壁部312に形成された収納壁部310Bと、からなるものであり、このレール保持壁部310Aの開口部311を後述するロールスクリーン500が配置される側に位置させて配置されている。図7及び図8に示すように、収納壁部310B内は、配線用空間315とされており、この配線用空間315内には、各種設備機器の電力線又は信号線などの配線が収納されている。これらの配線は、収納壁部310Bの開口部313から引き出すことができる。また、図8に示すように、レールボックス310の下面には、温度センサー316又は火災報知器317などが設けられている。
レール本体320は、上下方向に延在する基部321と、該基部の側方に設けられた保持壁部322とからなるものであり、保持壁部322が形成された部分は、一方向に延在する内部が中空部322aとなっており、該保持壁部322には、該一方向に向けて前記中空部322aを外方に連通させるためのスリット323が形成されている。
また、ガイド部330は、レールボックス310の開口部311側に固定されたものであって、その上側に位置するガイド部330a及びその下側に位置するガイド部330bとからなっている。前記レール本体320は、その基部321の上端部及び下端部がスポンジ等からなる弾性部材324を介して、レールボックス310の端部及びガイド部330a、330bの端部に接着剤などにより固定されている。
ガイドレール300Bも、ガイドレール300Aと同様に構成されている。
該ロールスクリーン500の先端側には、図2及び図7に示すように、ウエイトバー510が固定されている。ウエイトバー510は、ロールスクリーン500が可撓性を有するため、少なくともその先端部が一方向に直線状の形状を保持させるためのものであって、バー510a及びバー510bによりロールスクリーン500を挟持する状態で該ロールスクリーン500に固定されている。
この場合、ウエイトバー510とロールスクリーン500との取付状態は、図7に示すように、ロールスクリーン500の両端部がウエイトバー510から側方に僅かに突出する状態とされている。
ロールスクリーン500の両側部は、前述したガイドレール300A、300Bにおけるレール本体320のスリット323内に走行自在に配置されている。この場合、ロールスクリーンユニット500の両側部には、図7に示すように、スリット323の幅寸法より大きい厚さ寸法を有する肉厚部501が形成されており、ロールスクリーン500の両側部がスリット323から抜け出さないようになっている。
また、ウエイトバー510の両端は、ガイド部330aの下端面とガイド部330bの上端面との間に走行自在に配置されている。
また、ウエイトバー510の左右方向の中央部には、図2及び図4に示すように、把手520が設けられている。この把手520は、ロールスクリーン500をロールスクリーンボックス200から引き出す際に、作業者が把持して、ロールスクリーン500を引き出させるようにするものである。把手520の近傍には、図4に示すように、係止部材530が軸531に回動自在に取り付けられている。係止部材530は、操作部532と係止爪533とを有する。
一方、保持ボックス400には、図6に示すように、係止爪461を有する被係止部材460が固定されている。
作業者が把手520を把持して、ロールスクリーン500を引き出し、ウエイトバー510を保持ボックス400まで到らせた場合に、ウエイトバー510の係止部材530を操作して同係止部材530の係止爪533を被係止部材460の係止爪461に係合できるようになっている。
また、ウエイトバー510の重量及びウエイトバー510とガイドレール300A、300Bとの摩擦力は、ロールスクリーン500を巻取部270に向けて引張る巻取部270の引張力より大きく設定されているので、ウエイトバー510は、ガイドレール300A、300B上の任意の位置に留まることができる。
この場合、図7及び図8に示すように、各ロールスクリーンユニット110の隣接するガイドレール300A、300Bは、密着して配置されており、各ロールスクリーン500間に隙間が生じないようになっている。すなわち、ガイドレール300A、300Bの各レールボックス310における収納壁部310B同士は、それぞれ後端面314同士がクッションゴム340を介在させた状態で、互いに空気の流通がなされないように密に接合されている。なお、クッションゴム340は、レールボックスの後端面314に接着されてよい。
なお、図4及び図6において、断面L字状のフレーム230、430の立上壁部234、434には、器具配置空間230A、430A内に設置させて照明ランプ(照明器具)239、439が取り付けられてもよく、この照明ランプ239、439を点灯することによって通路4内の照明がなされる。
図1に示す電算機室101において、ラック3に収容された通信装置などが動作することにより、それら各機器が熱を帯びてしまう。そのため、動作している各機器を冷却する必要がある。
そこで、空気調和装置6の下面6bの吹出口から、内部空間5に冷却用空気を吹き出す。この冷却用空気は、内部空間5を通って、孔あきパネル7の複数の孔から上方(通路4の空間)に吹き出される。そして、通路4の空間に送られた冷却用空気は、ラック3の前面3bの給気口から給気され、熱交換作用により、各機器を冷却する。これにより、給気された空気は、暖められて温熱空気となる。その温熱空気は、ラック3の上面3a又は背面の吹出口から上方に吹き出される。さらに、吹き出された温熱空気は、電算機室101の上方空間を、通路4の長手方向に沿うように一端側へ流動し、空気調和装置6の上面6aの吸引口から吸引され、冷却された後、再び下面6bの吹出口から吹き出される。
これにより、電算機室101内の空気の流れや温度がコントロールされ、各機器の良好な動作状態が維持される。
しかしながら、本実施形態においては、通路4を挟んで対向するラック3の上面3a同士の間にロールスクリーンユニット110が配置されており、ラック3の上方空間と通路4の空間とが仕切られていることから、ラック3の上面3aの温熱空気が通路4の空間に流動することが規制される。すなわち、通路4の空間は、二重床2の床上から遮蔽体11にわたって、冷却用空気で常に満たされる。
電算機室用空調システム100を運転する際には、ロールスクリーンユニット110について、作業者がロールスクリーン500の先端部に設けられた把手520を把持し、これを操作して、ロールスクリーン500を巻取部270から引き出し、ラック3同士の上面3a間をロールスクリーン500により覆うようにする。そして、係止部材530の操作部532を操作して係止爪533を被係止部材460の係止爪461に係止させる。
この状態において、ロールスクリーン500は、ラック3同士の上面3a間を覆う一方、その両端部がガイドレール300A、300Bに支持されているため、撓みを生じることなく、矩形形状が維持され、上記位置に固定される。
この場合、ロールスクリーン500は、その両端部がガイドレール300A、300Bのレール本体320のスリット323内に挿入されているので、ガイドレール300A、300Bとロールスクリーン500との間の隙間が極僅かなものとなる。
また、各ラック3間に設けられたロールスクリーンユニット110は、隣接するガイドレール300A、300B同士が密着配置されているので、これらの間に隙間等が生じることのない状態となる。
従って、上記のように空気調和100を運転した場合には、通路4とラック3の上方の空間とは、ロールスクリーン500により確実に区画され、IT装置の高温障害が防止され、空気調和機の冷却効率が向上する。
この際、開放させた部分から、高温排気が通路内に侵入してしまうが、ロールスクリーン500の移動量を適宜設定して、ロールスクリーン500の引出し位置により、ロールスクリーンユニット110の開口面積を最小限に抑えることにより、IT機器の高温障害リスクを低減することができる。
すなわち、ウエイトバー510を移動させた場合、該ウエイトバー510の自重及び該ウエイトバー510とガイドレール300A、300Bとの摩擦力が、巻取部270の引張力より大きい関係に設定してあるので、ウエイトバー510の位置を任意の位置とすることができる。
また、地震等の外力により、係止爪461が被係止部材460から外れ、摩擦力を超えるような加速度が加わる場合に備えて、ストッパー(図示されていない)などによりあらかじめ決められた位置で停止するような機構を備えても良い。
なお、巻取部270において、ロールスクリーン500の巻取りは、つるまきバネ280によってなされる。
作業者が電算機室101の設備機器の保守・点検・整備を行う際には、ロールスクリーン500を巻取り、又は引出すことが可能であり、巻き取られたロールスクリーン500を巻取部270に収容可能であるので、ロールスクリーン500をラック3の上面3aから取り外す必要が無い。従って、設備機器の保守・点検・整備における作業負荷の軽減、及び取り外したロールスクリーンの設置スペースが不要であり、作業者は、ロールスクリーン500の開閉操作が容易になる。
さらに、ロールスクリーン500を支持するガイドレール300A、300Bが設けられているので、ロールスクリーン500の自重による撓み、及び空気調和装置6の運転状態に伴う圧力変化によるロールスクリーン500の撓みが防止される。また、ロールスクリーン500は、その撓みを防止されているので、機器収容用ラック3の前面3bに設けられた扉の開閉を妨げることはない。
従って、通路4内の冷却用空気は、外部に漏れることなく、常にラック3に吸気されるので、ラック3に収容されたIT機器や通信装置であっても充分に冷却することができ、空気調和機から過剰な冷気を供給する必要がないため、空気調和機の冷却効率が向上する。
すなわち、例えば通路4を挟んで両側に配置されたラック3同士を、ロールスクリーンユニット110を用いて相対移動不可に固定接続した場合と比較して、地震等によりこれらラック3が振動又は揺動して互いに応力を及ぼし合い、許容変位量を越えて大きく変形して破損したり、ロールスクリーンユニット110が変形して破損したりするようなことが確実に防止される。
さらに、ロールスクリーンユニット110のロールスクリーンボックス200は、通路4を挟んで対向する一方側のラック3の上面3aに、取付ゴム240を介して固定されているので、地震が収束した後に、ロールスクリーンユニット110は、取付ゴム240によって静止状態における初期位置と略同一の位置に戻ることができる。
なお、これらの図において、上述した実施形態における図6に示す構成要素と同一部分には、同一の符号を付し、その説明を省略する。
この実施の形態が、図6にものと異なる点は、図9及び図10に示すように、上部プレート490及び新たに設ける他の上部プレート610を、図6に示す滑りプレートの代わりとした点である。すなわち、図9及び図10に示すように、ラック3の上面3aには、断面L字状のフレーム430の後端側に位置させて、立上プレート620及び他の上部プレート610が設けられている。
他の上部プレート610は、主壁部611の両端部に折曲壁部612、623を形成したものであって、折曲壁部612が、上部プレート490の折曲壁部413及び断面L字状フレーム430の立上壁部434にボルト494及びナット495により固定されている。
また、立上プレート620は、主壁部621の下端部に折曲壁部622が形成されたものであって、この折曲壁部622をラック3の上面3aに当接させた状態で、この上部プレート610の折曲壁部613にボルト614及びナット615により固定されている。
この構成において、上部プレート490及び他の上部プレート610は、図6に示す滑りプレート420の役割を果たすものであって、保持ボックス400のクッションゴム450が、上部プレート490及び他の上部プレート610の上面にて、水平方向に相対移動できるようになっている。
従って、この実施の形態においても、地震等によって各部に振動が加えられた場合、上記の相対移動により、ロールスクリーンユニットなどの破壊が防止できる。
3 ラック(機器収容用ラック)
3a 上面
3b 前面
4 通路
5 内部空間
6 空気調和装置
8 長孔(孔)
100 電算機室用空調システム
110 ロールスクリーンユニット
200 ロールスクリーンボックス
220 巻取軸
230、430 断面L字状のフレーム
240 取付ゴム
250、450 クッションゴム
270 巻取部
290、490 上部プレート
300A、300B ガイドレール
310 レールボックス
320 レール本体
330、330a、330b ガイド部
340 クッションゴム
400 保持ボックス
420 滑りプレート
460 被係止部材
500 ロールスクリーン
510 ウエイトバー
520 把手
530 係止部材
610 他の上部プレート
620 立上プレート
Claims (10)
- 床下に内部空間を有する通路を挟んで両側に対向して設置され、前面から給気して上面又は背面から熱を帯びた空気を吹き出す機器収容用ラックと、空気調和装置とを備え、前記空気調和装置から吹き出された冷却用空気が、前記内部空間を流動して、前記通路に設けられた孔からさらに前記通路の床上に流動し、この冷却用空気が前記機器収容用ラックに収容された機器を冷却した後、前記機器収容用ラックの上方の空間を流動して前記空気調和装置に再び吸引される電算機室用空調システムであって、
前記通路を挟んで両側に設置された前記機器収容用ラック同士の上面間を覆い、前記通路と前記機器収容用ラックの上方の空間とを区画可能とするロールスクリーンと、
前記機器収容用ラックのいずれか一方に、その上面側に位置させて取り付けられ、前記ロールスクリーンを巻取り、引出し可能とする巻取部と、
該巻取部から前記ロールスクリーンを引き出したときに、前記ロールスクリーンの側部を支持するガイドレールと、
を備え、
前記対向して配置された前記機器収容用ラックの上面に、各々前記ロールスクリーンの幅方向に向けて、前記巻取部のケースを構成するロールスクリーンボックス及び保持ボックスが配置され、
前記ロールスクリーンの両側に位置する各前記ガイドレールのそれぞれ一端が前記ロールスクリーンボックスに固定され、それぞれの他端が前記保持ボックスに固定され、
前記ロールスクリーンボックス及び前記保持ボックスのいずれか一方が前記機器収容用ラックに対して固定され、他方が前記機器収容用ラックに対して水平方向に相対移動可能に設置されていることを特徴とする電算機室用空調システム。 - 請求項1に記載された電算機室用空調システムであって、
前記対向して配置された機器収容用ラックの上面に、それぞれその内部を器具配置空間となる器具配置部材が固定され、
前記各器具配置部材の内部に、照明器具が設置され、
前記ロールスクリーンボックス及び前記保持ボックスのいずれか一方が前記器具配置部材の一方の上面側に固定され、他方が前記器具配置部材の他方の上面側に相対移動可能に設置されることによって、前記一方が前記機器収容用ラックに対して固定され、前記他方が前記機器収容用ラックに対して水平方向に相対移動可能に設置されていることを特徴とする請求項1に記載の電算機室用空調システム。 - 請求項1又は2に記載された電算機室用空調システムであって、
前記ガイドレールは、前記機器収容用ラック同士の上面間に、前記引き出されたロールスクリーンの両側に位置するように配置され、
該ガイドレールは、一方向に延在する内部が中空の杆材に、該一方向に向けてスリットを有するレール本体を備えて構成され、
前記ロールスクリーンの側部が前記レール本体の前記スリット内に位置して、走行可能とされていることを特徴とする電算機室用空調システム。 - 請求項3に記載された電算機室用空調システムであって、
前記ガイドレールには、その内部が配線用空間とされた収納壁部が設けられていることを特徴とする電算機室用空調システム。 - 請求項3又は4に記載された電算機室用空調システムであって、
前記ロールスクリーンの引き出し先端部には、該ロールスクリーンの幅方向にウエイトバーが取り付けられ、
該ウエイトバーの両端が前記ガイドレールに支持され、かつ該ガイドレール上を走行自在とされていることを特徴とする電算機室用空調システム。 - 請求項5に記載された電算機室用空調システムであって、
前記巻取部は、前記ロールスクリーンを引張して巻き取る巻取機構を備え、
前記ウエイトバーの重量及び該ウエイトバーと前記ガイドレールとの摩擦力は、前記ウエイトバーを前記ガイドレール上の任意の位置に留めるときに、前記巻取機構の引張力に抗して、その位置に留まる大きさとされていることを特徴とする電算機室用空調システム。 - 請求項3〜6のいずれか一項に記載された電算機室用空調システムであって、
前記機器収容用ラックが前記通路の両側に、各々互いに隣接するように複数個設置され、
前記通路を挟んで対向する複数組の前記機器収容用ラックにそれぞれ前記巻取部、前記ロールスクリーン、及び前記ガイドレールが設けられ、
隣接する前記ガイドレールが互いに密着して配置されていることを特徴とする電算機室用空調システム。 - 請求項5又は6に記載された電算機室用空調システムであって、
前記ロールスクリーンを引き出して、前記ウエイトバーを前記機器収容用ラックの他方側に到らせたときに、
該ウエイトバーを該機器収容用ラックの他方側に係止する係止機構を備えていることを特徴とする電算機室用空調システム。 - 請求項3〜8のいずれか一項に記載された電算機室用空調システムであって、
前記機器収容用ラックが前記通路の両側に各々互いに隣接するように複数個配置され、
且つ、前記通路を挟んで対向して配置された一方及び他方の器具配置部材が固定され、
前記ロールスクリーンボックス及び保持ボックスのいずれか一方が前記一方の器具配置部材の上面に設置され、同他方が前記他方の器具配置部材の上面に設置されており、
前記隣接するように複数個設置された前記機器収容用ラックの高さが異なる場合に、前記機器配置部材の高さを調整して、前記ロールスクリーンボックス及び前記保持ボックスの高さを揃えるように構成されていることを特徴とする電算機室用空調システム。 - 請求項9に記載された電算機室用空調システムであって、
一組の前記ロールスクリーンボックス及び前記保持ボックスの幅寸法が、隣接する他の一組の前記ロールスクリーンボックス及び前記保持ボックスの幅寸法と異なるように構成され、
前記隣接する前記機器収容用ラックの幅寸法が、前記一組の前記ロールスクリーンボックス及び前記保持ボックスの幅寸法と、前記隣接する他の一組のロールスクリーンボックス及び前記保持ボックスの幅寸法に合わせて異なるように構成されていることを特徴とする電算機室用空調システム。
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