JP2017215055A - サーバーシステムの空気調和装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 省エネルギー効果を向上しながら、ファンが正圧環境下で駆動されるのを解消してファンの耐久性を向上できる、サーバーシステムの空気調和装置を提供する。【解決手段】 ラック列3の一側に冷気入口7を臨ませ、ラック列3の他側に熱気出口8を臨ませる。冷気空間7Aと熱気空間8Aのいずれか一方を、熱気遮蔽装置で密閉空間Sとして区画する。密閉空間Sに臨む熱気遮蔽装置の周囲壁に、密閉空間S内の正圧空気を放出する正圧開放構造を設ける。正圧開放構造は、放出開口22を備えた放出枠21と、放出開口22を開閉する開閉構造23を備えている。開閉構造23は開口開閉体24を備えている。密閉空間Sの内部空気圧が外部空気圧より大きい状態において、開口開閉体24が閉じ姿勢から開放姿勢に切換って放出開口22を開放し、密閉空間Sの正圧空気を放出開口22から放出する。【選択図】図1
Description
本発明は、サーバーシステムにおいてサーバーラック内の空気調和を行う空気調和装置に関する。
この種の空気調和装置においては、サーバーラックの通路に臨む吸気口から冷気をラック内に導入し、サーバーを冷却した後の熱気をサーバーラックの上面に設けた放出口から排出する構成が多用されている。このような空気調和装置においては、放出口から排出された熱気が吸気口側へ回込んで、再びラック内に導入されてしまうことがある。そうした場合には、サーバーの熱を適確に排除できなくなるだけではなく、ラック内の上部に配置したサーバーがいつまでも冷却されないため、空気調和装置を連続して運転せざるを得ず、エネルギーが無駄に消費されるのが避けられない。
上記のように、放出口から排出された熱気が吸気口側へ回込むのを防ぐために、特許文献1の空調システムでは、通路の両側に配置したラック群の上面間に、熱気の回込みを防ぐ遮蔽体を配置している。さらに、通路の前後両端を、壁または開閉自在な扉で遮蔽している。先の遮蔽体は、通路の両側のラック群に対して、着脱可能に取付けてある。遮蔽体は、一対の溝を備えた上板と、上板を支持する底板および連結板と、上板の溝でスライド案内されるスライド板で構成されており、底板がボルトでサーバーラックの上面に締結固定してある。スライド板を上板から引出すことにより、上板およびスライド板で通路の上方を覆って、放出口から排出された熱気が吸気口側へ回込むのを防止できる。
特許文献1の空調システムによれば、サーバーラックから排出された熱気の回込みを遮蔽体で防ぐことができる。また、通路の前後両端を壁または開閉自在な扉で遮蔽するので、サーバーラックから排出された熱気が、通路の前後両端から通路内に入込むのを防止できる。従って、通路およびサーバーラックの内部に、空気調和装置から送給された正圧の冷気を充満させて、サーバーの冷却を効果的に行える。反面、通路およびサーバーラックの内部に正圧の冷気が充満する環境下では、個々のサーバーの内部に設けたサーバーファンに余分な負荷が掛かる。そのため、サーバーファンの送風特性が短期間で損なわれて、サーバーの冷却を適正に行えなくなってしまう。これは、自由空間でサーバーファンを作動させる場合に比べて、正圧環境下ではファンの軸受構造に負荷が掛かり短期間で損耗してしまうからである。このように、軸受構造が損耗したサーバーファンは、発熱し加熱するおそれがあるため交換するしかないが、サーバーファンの仕様が同じ一群のサーバーについて、サーバーファンを一斉に交換するには膨大な手間とコストが掛かってしまう。
本発明の目的は、サーバーの熱を適確に排除して省エネルギー効果を向上しながら、サーバーファンが正圧環境下で駆動されるのを解消して、軸受構造に余分な負荷が掛かるのを防止し、サーバーファンの耐久性を向上できるサーバーシステムの空気調和装置を提供することにある。
本発明に係る空気調和装置は、サーバー室の内部に、一群のサーバー2を収容するサーバーラック1が列状に配置されてラック列3が構成され、ラック列3の一側に各サーバーラック1の冷気入口7が設けられ、ラック列3の他側に各サーバーラック1の熱気出口8が設けられ、ラック列3の冷気入口7に臨む冷気空間7Aと、ラック列3の熱気出口8に臨む熱気空間8Aのいずれか一方が、熱気遮蔽装置で密閉空間Sとして区画されているサーバーシステムを対象とする。密閉空間Sに臨む熱気遮蔽装置の周囲壁に、密閉空間S内の正圧空気を放出する正圧開放構造を設ける。正圧開放構造は、放出開口22を備えた放出枠21と、放出開口22を開閉する開閉構造23を備え、この開閉構造23は、放出開口22を閉止する閉じ姿勢と、放出開口22を開放する開放姿勢に切換る開口開閉体24を備える。そして、密閉空間Sの内部空気圧が密閉空間Sの外部空気圧より大きい正圧状態において、開口開閉体24が閉じ姿勢から開放姿勢に切換って放出開口22を開放し、密閉空間Sの正圧空気を放出開口22から放出することを特徴とする。
開閉構造23は図5に示すように、放出開口22の周囲壁の外面に配置した、シート体を形成素材とする逆止弁状の開口開閉体24で構成する。開口開閉体24は放出開口22の周囲壁で揺動開閉可能に支持されて、シート周縁が放出開口22の周囲壁に接当する閉じ姿勢と、シート周縁が放出開口22の周囲壁から分離する開放姿勢の間で開閉できる。密閉空間Sの内部空気圧が密閉空間Sの外部空気圧より大きい正圧状態では、開口開閉体24が正圧空気で開放操作されて、密閉空間Sの正圧空気を放出開口22から放出する。
図10に示すように、正圧開放構造は、熱気遮蔽装置の内外に配置した内部気圧センサー34および外部気圧センサー35と、放出開口22を開閉するダンパー36と、前記両センサー34・35から出力されるセンサー信号に基づき、ダンパー36に動作指令信号を発する制御部37を備えている。密閉空間Sの内部空気圧が外部空気圧より大きい正圧状態においては、ダンパー36を自動的に閉じ姿勢から開放姿勢に切換えて放出開口22を開放し、密閉空間S内の正圧空気を放出開口22から放出する。
サーバーラック1を直線列状に配置して構成されるラック列3を通路4を挟んで対向配置し、このサーバーラック1の通路4側の対向壁に、冷気入口7と熱気出口8のいずれか一方を配置する。図1、図2に示すように、熱気遮蔽装置は、通路4の前後両端の外面に起立固定される門形のメインフレーム11と、一対のメインフレーム11をラック列3の上面に沿って橋絡する一対のビーム体12と、ビーム体12の対向面間に載置される一群の遮蔽体13と、サーバーラック1の上面とビーム体12の間を遮蔽する一群の側面遮蔽体15を備える。正圧開放構造の放出枠21を、側面遮蔽体15に隣接して配置する。
熱気遮蔽装置は、ラック列3に締結固定されて通路4の上面を遮蔽する遮蔽体13と、通路4の前後端の開口を遮蔽する開閉可能なドア14を備える。遮蔽体13とドア14の少なくともいずれか一方に、正圧開放構造の放出枠21を設ける。
サーバーラック1の通路4側の対向壁に熱気出口8を配置し、この熱気空間8Aを熱気遮蔽装置で密閉空間Sとして区画する。図1および図2に示すように、空気調和機18で調整した冷気は、ラック列3を収容するサーバー室内の冷気空間7Aに送給されて、冷気入口7からサーバーラック1内へと導入される。密閉空間S内の熱交換後の熱気は、熱気遮蔽装置と天井の間に設けた熱気ダクト16と天井ファン17を介して天井空間5へ送出されて、天井空間5から空気調和機18へと循環送給される。
サーバーラック1の通路4側の対向壁に冷気入口7を配置し、この冷気空間7Aを熱気遮蔽装置で密閉空間Sとして区画する(図6、図8参照)。空気調和機18で調整した冷気は密閉空間Sに送給されて、冷気入口7からサーバーラック1内へ導入される。熱気出口8からサーバー室へ放出された熱交換後の熱気を空気調和機18へ循環させる。
図11に示すように、熱気遮蔽装置の内外に内部気圧センサー34および外部気圧センサー35を配置し、放出開口22に臨んで送風ファン44を配置する。密閉空間Sの内部空気圧が外部空気圧より大きい状態において、送風ファン44を作動させて、密閉空間S内の正圧空気を強制的に放出する。
本発明に係る別の空気調和装置は、サーバー室の内部に、一群のサーバー2を収容するサーバーラック1を列状に配置しラック列3を構成する。ラック列3の一側に各サーバーラック1の冷気入口7が設けられ、ラック列3の他側に各サーバーラック1の熱気出口8が設けられ、ラック列3の冷気入口7に臨む冷気空間7Aと、ラック列3の熱気出口8に臨む熱気空間8Aのいずれか一方が、熱気遮蔽装置で密閉空間Sとして区画してある。図12に示すように、密閉空間Sに臨む熱気遮蔽装置の周囲壁に、密閉空間S内の正圧空気を放出する放出開口22を設ける。放出開口22は、熱気遮蔽装置の周囲壁に固定した通気可能な区分体51で内外に区分する。密閉空間Sの内部空気圧が密閉空間Sの外部空気圧より大きい正圧状態において、密閉空間Sの正圧空気を、区分体51を介して放出することを特徴とする。
サーバーラック1を直線列状に配置して構成されるラック列3が通路4を挟んで対向配置してある。サーバーラック1の通路4側の対向壁に、冷気入口7と熱気出口8のいずれか一方を配置する。熱気遮蔽装置は、前記通路4の前後両端の外面に起立固定される門形のメインフレーム11と、一対のメインフレーム11をラック列3の上面に沿って橋絡する一対のビーム体12と、ビーム体12の対向面間に載置される一群の遮蔽体13と、サーバーラック1の上面とビーム体12の間を内外に区分する一群の側面遮蔽体15を備えていて、側面遮蔽体15とサーバーラック1の上面の間に放出開口22が設けてある。図12に示すように、放出開口22は、側面遮蔽体15に装着した区分体51で内外に区分されて、区分体51の連出端部がサーバーラック1に密着している。
密閉空間Sの内部空気圧を、密閉空間Sの外部空気圧より僅かに大きな微小正圧状態に保持して、外部空気が区分体51から密閉空間S内へ進入するのを阻止する。
本発明に係る空気調和装置においては、冷気空間7Aと熱気空間8Aのいずれか一方を熱気遮蔽装置で密閉空間Sとして区画し、熱気遮蔽装置の周囲壁に密閉空間S内の正圧空気を放出する正圧開放構造を設けるようにした。正圧開放構造は、放出開口22を備えた放出枠21と、放出開口22を開閉する開口開閉体24を備えた開閉構造23などで構成した。こうした空気調和装置によれば、密閉空間Sの内部空気圧が外部空気圧より大きい正圧状態において、開口開閉体24が開放姿勢に切換って放出開口22を開放し、密閉空間Sの正圧空気を放出開口22から放出して、密閉空間S内の空気圧を低下させ、内部空気圧を外部空気圧と同じ気圧状態とすることができる。従って、サーバーファン9が連続的に正圧環境に晒されるのを解消して、その軸受構造が短期間で損耗するのを確実に解消できる。また、密閉空間Sの内部空気圧が外部空気圧と等しい状態では、開口開閉体24が閉止姿勢に切換って放出開口22を再び閉鎖するので、熱気が密閉空間S内へ入り込むのを確実に防止できる。冷気空間7Aと熱気空間8Aのいずれか一方を熱気遮蔽装置で密閉空間Sとして区画し、サーバーラック1から排出した熱気が冷気空間7Aへ流出するのを防止するので、サーバー2の熱を適確に排除して省エネルギー効果を向上できる。
シート体を形成素材とする逆止弁状の開口開閉体24で開閉構造23を構成すると、開閉構造23の構造を著しく簡素化してコストを削減でき、その分だけ正圧開放構造のコストを削減できる。また、開口開閉体24を正圧空気で開放操作して放出開口22から放出し、開放操作された開口開閉体24を自重で閉じ姿勢に切換えて放出開口22を閉止するので、動力を使用して開口開閉体24を開閉する場合に比べて、省エネルギー効果をさらに向上できる。
内部気圧センサー34および外部気圧センサー35と、放出開口22を開閉するダンパー36と、ダンパー36に動作指令信号を発する制御部37などで構成した正圧開放構造によれば、密閉空間Sが正圧になるのと同時にダンパー36を開放姿勢に切換えて放出開口22を開放できる。従って、正圧空気で開口開閉体24を開放操作する場合に比べて、正圧空気の開放をより速やかに、しかも的確に行える。また、密閉空間Sの内部空気圧が、密閉空間Sの外部空気圧と等しくなるのと同時に、放出開口22をダンパー36で閉止して外部空気が密閉空間Sの内部に入り込むのを確実に防止できる。さらに、内部気圧センサー34および外部気圧センサー35と制御部37で正圧状態であるか否かを判定して、放出開口22をダンパー36で自動的に開閉するので、放出開口22の開閉をより正確に行うことができる。
熱気遮蔽装置を門形のメインフレーム11と、一対のビーム体12と、一群の遮蔽体13と、一群の側面遮蔽体15で、サーバーラック1とは別体の独立した構造体として構築すると、ラック列3の長さに応じたビーム体12を用意するだけで熱気遮蔽装置を容易に構築できる。また、サーバーラック1の上面に遮蔽体13を締結固定して熱気遮蔽装置を構成する場合に比べて、一群の遮蔽体13の組付けや分解をより少ない手間で簡便に行える。従って、サーバーラック1のレイアウトの変更時に、遮蔽体13をビーム体12から取外し、あるいはメインフレーム11やビーム体12を組換える手間を大幅に軽減できる。さらに、既存のサーバーシステムに対しても、新設時と同様により少ない手間で熱気遮蔽装置を追加でき、全体として熱気遮蔽装置の施工性を向上して、設置や撤去をより少ない手間で行うことができる。
ラック列3に締結固定される遮蔽体13と、通路4の前後端の開口を遮蔽する開閉可能なドア14で熱気遮蔽装置を構成すると、ラック列3を利用して通路4の上面を遮蔽できる。従って、メインフレーム11やビーム体12を省略して、その分だけ熱気遮蔽装置を構築するためのコストを低減できる。
サーバーラック1の通路4側の対向壁に熱気出口8を配置し、熱気空間8Aを熱気遮蔽装置で密閉空間Sとして区画する空気調和装置によれば、空気調和機18で調整した冷気はサーバー室内の冷気空間7Aに送給されて、冷気入口7からサーバーラック1内へと導入される。また、密閉空間S内の熱交換後の熱気は、熱気遮蔽装置と天井の間に設けた熱気ダクト16と天井ファン17を介して天井空間5へ送出されて、天井空間5から空気調和機18へと循環送給される。これにより、熱交換後の熱気がサーバー室へ流出するのを確実に防止して、サーバー室に冷気を常に充満させておくことができる。従って、サーバー室に冷気を供給する全ての空気調和機18のうちの数台が故障等により機能を停止した場合でも、サーバー室の温度が急激に上昇するのを避けて、サーバーラック群の冷却を確実に行うことができ、空気調和のためのシステム全体の冗長度を格段に向上できる。
サーバーラック1の通路4側の対向壁に冷気入口7を配置し、冷気空間7Aを熱気遮蔽装置で密閉空間Sとして区画する空気調和装置によれば、空気調和機18で調整した冷気は密閉空間Sに送給されて、冷気入口7からサーバーラック1内へと導入される。また、密閉空間S内の熱交換後の熱気は、熱気出口8からサーバー室へ放出されたのち空気調和機18へ循環送給される。このように、密閉空間Sに比べて、体積が十分に大きなサーバー室内へ熱気を放出すると、サーバー室の空気圧が大きくなることがなく、密閉空間Sの内部が正圧状態になるときの内部空気圧をより低い状態に保持できる。従って、サーバーファン9が正圧環境に晒されて、その軸受構造が損耗するのをさらに確実に解消できる。
熱気遮蔽装置の内外に内部気圧センサー34および外部気圧センサー35を配置し、放出開口22に臨んで送風ファン44を配置する正圧開放構造によれば、密閉空間Sの内部空気圧が外部空気圧より大きい状態において、送風ファン44を作動させて、密閉空間S内の正圧空気を強制的に放出できる。このように、密閉空間S内の正圧空気を送風ファン44で強制的に放出すると、単に開口開閉体24やダンパー36を開放姿勢に切換えて放出開口22を開放する場合に比べて、正圧状態をさらに短い時間で速やかに解消して、サーバーファン9の耐久性をさらに向上できる。
本発明に係る別の空気調和装置においては、冷気空間7Aと熱気空間8Aのいずれか一方を熱気遮蔽装置で密閉空間Sとして区画し、密閉空間Sに臨む熱気遮蔽装置の周囲壁に、正圧空気を放出する放出開口22を設けるようにした。さらに、放出開口22を熱気遮蔽装置の周囲壁に固定した通気可能な区分体51で内外に区分した。こうした空気調和装置によれば、密閉空間Sの内部空気圧が外部空気圧より大きい正圧状態において、密閉空間Sの正圧空気を、区分体51を介して放出することができる。従って、サーバーファン9が連続的に正圧環境に晒されるのを解消して、その軸受構造が短期間で損耗するのを確実に解消できる。また、冷気空間7Aと熱気空間8Aのいずれか一方を熱気遮蔽装置で密閉空間Sとして区画し、サーバーラック1から排出した熱気が冷気空間7Aへ流出するのを防止するので、サーバー2の熱を適確に排除して省エネルギー効果を向上できる。
熱気遮蔽装置を門形のメインフレーム11と、一対のビーム体12と、一群の遮蔽体13と、一群の側面遮蔽体15で、サーバーラック1とは別体の独立した構造体として構築すると、ラック列3の長さに応じたビーム体12を用意するだけで熱気遮蔽装置を容易に構築できる。また、サーバーラック1の上面に遮蔽体13を締結固定して熱気遮蔽装置を構成する場合に比べて、一群の遮蔽体13の組付けや分解をより少ない手間で簡便に行える。従って、サーバーラック1のレイアウトの変更時に、遮蔽体13をビーム体12から取外し、あるいはメインフレーム11やビーム体12を組換える手間を大幅に軽減できる。さらに、既存のサーバーシステムに対しても、新設時と同様により少ない手間で熱気遮蔽装置を追加でき、全体として熱気遮蔽装置の施工性を向上して、設置や撤去をより少ない手間で行うことができる。加えて、側面遮蔽体15とサーバーラック1の間の放出開口22を、側面遮蔽体15に装着した区分体51で内外に区分して、外部空気の侵入を区分体51で阻止しながら、密閉空間Sの正圧空気を区分体51から放出できるようにするので、開口開閉体24を開閉する正圧開放構造に比べて、構造を簡素化して正圧開放構造のコストを削減できる。可動部分がない分だけ耐久性にも優れている。
密閉空間Sの内部空気圧を、密閉空間Sの外部空気圧より僅かに大きな微小正圧状態に保持して、外部空気が区分体51から密閉空間S内へ進入するのを阻止すると、外部空気の侵入をさらに確実に防止しながら、サーバーファン9の軸受構造に大きな負荷が作用するのを防止できる。従って、サーバーラック1から排出した熱気が冷気空間7Aへ流出するのを防止して、サーバー2の熱を適確に排除して省エネルギー効果を向上できる。
(実施例1) 図1ないし図5は、本発明に係るサーバーシステムの空気調和装置の実施例1を示す。本発明における前後、左右、上下とは、図1、図2に示す交差矢印と、交差矢印の近傍の前後・左右・上下の表記に従う。図1ないし図4において、符号1は床Fに設置したサーバーラックであり、その内部に一群のサーバー2が多段状に収容されている(図4参照)。サーバー室に設置した一群のサーバーラック1は、直線列状に配置されてラック列3を構成しており、左右のラック列3はメンテナンス用の通路4を間に挟んで対向している。なお、この実施例では図面を単純化するために、ラック列3が3個のサーバーラック1で構成してある場合を例示したが、実際のラック列3は多数個のサーバーラック1で前後に長い直線列状に構成されている。
サーバーラック1に収容したサーバー2を冷却するために、天井空間5に冷気ダクト6を設け、冷気ダクト6から送給された冷気を各サーバーラック1の冷気入口7からサーバーラック1内へ導入している。熱交換後の熱気は、通路4に面した熱気出口8から放出される。図3および図4に示すように個々のサーバー2のケース内部には、ケース内における冷気の通過を促進するサーバーファン9が2個ずつ設けられている。冷気入口7および熱気出口8は、パンチングメタル、エキスパンドメタル、ハニカムメッシュ等を適用できるが、開口率が最も大きなハニカムメッシュで形成するのが好ましい。
上記のサーバーシステムにおいて、冷気のラック内への導入、および熱気の排出を確実に行い、さらに排出された熱気が通路4側へ回込むのを防止して、省エネルギー効果を向上するために、通路4の上面および前後面を熱気遮蔽装置で覆っている。図1に示すように、熱気遮蔽装置は、通路4の前後両端の外面に起立固定される門形のメインフレーム11と、一対のメインフレーム11をラック列3の上面に沿って橋絡する左右一対のビーム体12を骨材にして、自立する構造体として構成する。また、熱気遮蔽装置はビーム体12の対向面間を遮蔽する多数個の遮蔽パネル(遮蔽体)13と、通路4の前後端を塞ぐ開閉可能な引違いドア14と、ビーム体12とラック列3の上面の間の隙間を遮蔽する側面パネル(側面遮蔽体)15を備えている。なお、通路4の前後端は、引違いドア14以外に、揺動ドア、折り戸、アコーディオンカーテンなどの開閉体を適用できる。
メインフレーム11およびビーム体12は、それぞれ市販のアルミニウム押出材で形成されている。一群の遮蔽パネル13は一対のビーム体12に載置されているため、空気の出入りを防止しながら、その組付けや取外しを簡便に行える。引違いドア14は、引違い開閉可能な左右一対の戸パネルで構成されている。図示していないが、遮蔽パネル13および側面パネル15は、アルミニウム押出し材で構成した四角枠状のパネルフレームと、軽量で断熱性に優れたプラスチック製の段ボールシートからなるパネル体で構成されている。
上記のように、熱気出口8に臨む熱気空間8Aを熱気遮蔽装置で密閉空間Sとして区画すると、熱交換後の熱気をサーバーファン9から密閉空間S内へ送出して、熱気が密閉空間Sの外へ流出するのを防止できる。密閉空間S内の熱気は、熱気遮蔽装置と天井の間に設けた熱気ダクト16と天井ファン17を介して天井空間5へ送出されて、天井空間5から空気調和機18へと循環送給され、冷却されたのち再び冷気ダクト6からサーバー室内へ送給される。こうした空気調和装置においては、個々のサーバー2のサーバーファン9から通路4へ向かって送出された熱気の量が、熱気ダクト16と天井ファン17で排出される熱気の量に比べて大きいため、密閉空間S内が正圧の熱気で充満されやすい。詳しくは、密閉空間Sの内部空気の空気圧が、熱気遮蔽装置の外の外部空気の空気圧に比べて大きくなりやすい。このように通路4の内部に正圧の熱気が充満する正圧環境下では、個々のサーバー2のサーバーファン9に余分な負荷が掛かるため、サーバーファン9の軸受構造が短期間で損耗しやすい。
サーバーファン9に余分な負荷が掛かるのを避けて、サーバーファン9の耐久性を向上するために、熱気遮蔽装置に正圧開放構造が設けられている。正圧開放構造は、側面パネル15に隣接して設けた放出枠21と、同枠21に設けた放出開口22を開閉する開閉構造23を備えている。この実施例における開閉構造23は、放出開口22の外面に設けた1個の逆止弁状の開口開閉体24からなる。開口開閉体24は横長四角形状のシート(シート体)で形成されており、図5に示すように、上縁沿いの複数個所が放出枠21にリベット(締結体)25で締結されて、下縁側が揺動開閉可能に支持されている。詳しくは、開口開閉体24の一対の短辺と下側の長辺に沿うシート周縁壁が放出開口22の周囲壁に接当する閉じ姿勢(図5に想像線で示す状態)と、シート周縁壁が放出開口22の周囲壁から分離する開放姿勢(図5に実線で示す状態)の間で開閉できる。放出枠21はプラスチック製のボードやパネルで形成されている。
側面パネル15および放出枠21とサーバーラック1の間の隙間は、弾性変形可能なブラシストリップ26で封止してある。この実施例におけるブラシストリップ26は、外部空気が密閉空間S内へ流入するのを防ぐシール体として機能しており、例えば株式会社バーテック社製のバーカットフレックスシステム「タイプA2」を適用できる。このブラシストリップ26は、植毛台がポリエチレンで形成してあり、ブラシ要素は波形にくせ付けされた直径が0.2mmのポリプロピレン細線で形成してある。開口開閉体24を形成するためのシート体としては、難燃性を備えたプラスチックシート、あるいは難燃性を備えたゴムシートが好ましい。具体的には、厚みが1〜3mmの軟質塩化ビニールシート、あるいは厚みが1〜4mmのエチレン・プロピレン・ジエンゴム製のシートなどを適用できる。こうしたシート体を使用することにより、密閉空間S内の空気圧が正圧になるのと同時に、開口開閉体24を正圧空気で速やかに開放操作できる。なお、放出枠21と開閉構造23は、ラック列3におけるサーバーラック1の設置個数に応じて複数個所に配置しておくことにより、密閉空間S内の正圧空気をラック列3の長手方向に沿って均等に放出することができる。
以上のように構成した熱気遮蔽装置によれば、密閉空間Sの内部空気圧が、密閉空間Sの外部空気圧と等しい状態では、開口開閉体24は自己の重量で閉じ姿勢を保持している。しかし、密閉空間Sの内部空気圧が、密閉空間Sの外部空気圧より大きくなった状態では、開口開閉体24が正圧空気で開放操作されて開放姿勢に切換る。そのため、密閉空間Sの正圧空気を放出開口22からサーバー室内へ放出して、密閉空間S内の空気圧を低下させ、内部空気圧を外部空気圧と同じ状態に保持できる。従って、サーバーファン9が連続的に正圧環境に晒されるのを解消して、その軸受構造が短期間で損耗するのを確実に解消できる。また、密閉空間Sの内部空気圧が外部空気圧と同じになった状態では、開口開閉体24が自重で閉じ姿勢に切換って放出開口22を再び閉鎖して、熱気が密閉空間S内へ入り込むのを確実に防止できる。
開閉構造23が放出開口22の外面に設けたシート体からなる逆止弁状の開口開閉体24で構成してあるので、開閉構造23の構造を簡素化してコストを削減でき、その分だけ正圧開放構造を付加するためのコストを削減できる。また、開口開閉体24を正圧空気で開放操作して放出開口22から放出し、開放操作された開口開閉体24を自重で閉じ姿勢に切換えて放出開口22を閉止するので、動力を使用して開口開閉体24を開閉する場合に比べて、省エネルギー効果をさらに向上できる。
自立する構造体として構成した熱気遮蔽装置で熱交換後の熱気を隔離して、熱気がサーバー室へ流出するのを確実に防止するので、熱気が通路4の上面から回込んで冷気入口7から吸込まれるのを確実に防止でき、サーバー2の熱を天井空間へ適確に排除して省エネルギー効果を向上できる。さらに、熱交換後の熱気がサーバー室へ流出するのを確実に防止するので、サーバー室に冷気を常に充満させておくことができる。従って、サーバー室に冷気を供給する全ての空気調和機18のうちの数台が故障等により機能を停止した場合でも、サーバー室の温度が急激に上昇するのを避けて、サーバーラック群の冷却を確実に行うことができ、空気調和のためのシステム全体の冗長度を格段に向上できる。
熱気遮蔽装置をサーバーラック1とは別体の独立した構造体として構築するので、ラック列3の長さに応じたビーム体12を用意するだけで熱気遮蔽装置を容易に構築できる。また、サーバーラック1の上面に遮蔽パネル13を締結固定して熱気遮蔽装置を構成する場合に比べて、一群の遮蔽パネル13の組付けや分解をより少ない手間で簡便に行える。従って、サーバーラック1のレイアウトの変更時に、遮蔽パネル13をビーム体12から取外し、あるいはメインフレーム11やビーム体12を組換える手間を大幅に軽減できる。さらに、既存のサーバーシステムに対しても、新設時と同様により少ない手間で熱気遮蔽装置を追加でき、全体として熱気遮蔽装置の施工性を向上して、設置や撤去をより少ない手間で行うことができる。
(実施例2) 図6および図7に、本発明に係る空気調和装置の実施例2を示す。そこでは、サーバーラック1の通路4側の対向壁に冷気入口7を配置して、冷気空間7Aが熱気遮蔽装置で密閉空間Sとして区画されるようにした。また、空気調和機18で調整された冷気を、床Fの下方に設けた冷気通路29から通路4内へ吹出して、通路4に臨む冷気入口7からサーバーラック1内へ導入するようにした。熱気出口8からサーバー室へ放出された熱交換後の熱気は、空気調和機18へ向かって循環して冷却されたのち、再び冷気通路29から通路4内へ吹出される。この実施例においても実施例1と同様に、熱気遮蔽装置に正圧開放構造を設けるようにした。詳しくは、側面パネル15に隣接して放出枠21を設け、同枠21に設けた放出開口22の外面に、同開口22を開閉する開閉構造23を設けるようにした。開閉構造23は、プラスチックシートで形成した1個の開口開閉体24からなる。図6において符号30は空気調和機18の送風ファンである。
以上のように構成した空気調和装置においては、各空気調和機18の送風ファン30の送風作用で冷気を強制的に通路4内へ吹出すので、密閉空間S内が正圧の冷気で充満されやすく、密閉空間Sの内部空気の空気圧が、熱気遮蔽装置の外の外部空気の空気圧に比べて大きくなりやすい。しかし、密閉空間Sの冷気の空気圧が、密閉空間Sの外部の空気圧より大きくなった状態では、開口開閉体24が正圧空気(冷気)で開放操作されて開放姿勢に切換る。そのため、密閉空間Sの正圧空気を放出開口22からサーバー室内へ放出して、密閉空間S内の空気圧を低下させ、内部空気圧を外部空気圧と同じ状態に保持できる。従って、サーバーファン9が連続的に正圧環境に晒されるのを解消して、その軸受構造が短期間で損耗するのを確実に解消できる。
また、密閉空間Sに比べて、体積が十分に大きなサーバー室内へ熱気を放出するので、サーバー室の空気圧が大きくなることがなく、密閉空間Sの内部が正圧状態になるときの内部空気圧をより低い状態に保持できる。従って、サーバーファン9が正圧環境に晒されて、その軸受構造が損耗するのをさらに確実に解消できる。なお、開口開閉体24が開放姿勢に切換った状態では、冷気通路29から通路4内へ吹出される冷気の量が増加するが、その分だけ放出開口22から冷気を効果的に放出できるので、密閉空間Sの内部の空気圧を速やかに低下できる。密閉空間Sの内部空気圧が、密閉空間Sの外部空気圧と等しい状態に戻ったら、開口開閉体24は閉じ姿勢に復帰して、外部の熱気が密閉空間Sへ侵入するのを阻止する。
上記のように、冷気空間7Aを熱気遮蔽装置で覆って密閉空間Sとする空気調和装置によれば、サーバー室に冷気を供給する場合に比べて、各ラック列3に送給すべき冷気の量を大幅に削減して、省エネルギー効果を向上できる。また、密閉空間S内に冷気を充満させるのに要する時間も短縮できるので、メンテナンスが終了してからサーバー2を稼働できるまでの時間を短縮して、サーバー群の稼働効率を向上できる。
(実施例3) 図8および図9に、本発明に係る空気調和装置の実施例3を示す。そこでは、実施例2と同様にサーバーラック1の通路4側の対向壁に冷気入口7を配置して、冷気空間7Aが熱気遮蔽装置で密閉空間Sとして区画されるようにした。また、図示していない空気調和機で調整された冷気を、通路4の後方に設けた冷気通路29から通路4内へ吹出して、通路4に臨む冷気入口7からサーバーラック1内へ導入するようにした。熱気出口8からサーバー室へ放出された熱交換後の熱気は、天井ファン17で天井空間5へ送出され、天井空間5から空気調和機へと循環送給されて、冷却されたのち再び冷気通路29から通路4内へ吹出される。図9に示すように、熱気空間8Aと冷気通路29が配置される空間29Aは壁31で区分してある。この実施例においても実施例1と同様に、熱気遮蔽装置に正圧開放構造を設けるようにした。詳しくは、側面パネル15に隣接して放出枠21を設け、同枠21に設けた放出開口22の外面に、同開口22を開閉する開閉構造23を設けるようにした。開閉構造23は、プラスチックシートで形成した1個の開口開閉体24からなる。
実施例3の空気調和装置においては、各空気調和機で調整された冷気を冷気通路29から強制的に通路4内へ吹出すので、実施例2の空気調和装置と同様に、密閉空間Sの内部空気の空気圧が、熱気遮蔽装置の外の外部空気の空気圧に比べて大きくなりやすい。しかし、密閉空間Sの冷気の空気圧が、密閉空間Sの外部の空気圧より大きくなった状態では、開口開閉体24が正圧空気(冷気)で開放操作されて開放姿勢に切換る。そのため、密閉空間Sの正圧空気を放出開口22からサーバー室内へ放出して、密閉空間S内の空気圧を低下させ、内部空気圧を外部空気圧と同じ状態に保持できる。従って、サーバーファン9が連続的に正圧環境に晒されるのを解消して、その軸受構造が短期間で損耗するのを確実に解消できる。開口開閉体24が開放姿勢に切換った状態においては、密閉空間Sの内部の空気圧を速やかに低下できる点も実施例2の空気調和装置と同じである。
実施例3の空気調和装置においては、実施例2の空気調和装置と同様に、各ラック列3に送給すべき冷気の量を大幅に削減して、省エネルギー効果を向上でき、さらに、メンテナンスが終了してからサーバー2を稼働できるまでの時間を短縮して、サーバー群の稼働効率を向上できる。また、サーバー室内へ放出された熱気を天井ファン17で天井空間5へ送出するので、実施例2の空気調和装置に比べて、サーバー室の温度をより低い温度に保持できる。
(実施例4) 図10に、空気調和装置を構成する正圧開放構造を変更した実施例4を示す。そこでは、熱気遮蔽装置の内外に配置した内部気圧センサー34および外部気圧センサー35と、放出開口22を開閉するダンパー36(開口開閉体24)と、前記両センサー34・35から出力されるセンサー信号に基づき、ダンパー36のソレノイド39に動作指令信号を発する制御部37などで正圧開放構造を構成した。ダンパー36は支軸38で揺動開閉可能に支持されており、ソレノイド39のプランジャー40に固定した操作腕41で開閉操作される。密閉空間Sの内部空気圧が外部空気圧より大きくなると、内部気圧センサー34および外部気圧センサー35から出力されたセンサー信号に基づき、制御部37が正圧状態であると判定して、ソレノイド39に動作指令信号を発し、ダンパー36を閉じ姿勢から開放姿勢に切換えて放出開口22を開放し、密閉空間S内の正圧空気を放出開口22から放出する。この実施例におけるダンパー36は、実施例1から実施例3で説明した開口開閉体24として機能する。正圧開放構造を構成する各部材は、放出枠21にまとめて組付けてある。
実施例4の正圧開放構造によれば、密閉空間Sが正圧になるのと同時にダンパー36を開放姿勢に切換えて放出開口22を開放できるので、正圧空気で開口開閉体24を開放操作する場合に比べて、正圧空気の開放をより速やかに行える。また、密閉空間Sの内部空気圧が、密閉空間Sの外部空気圧と等しくなるのと同時に、放出開口22をダンパー36で閉止して外部空気が密閉空間Sの内部に入込むのを確実に防止できる。さらに、内部気圧センサー34および外部気圧センサー35と制御部37で正圧状態であるか否かを判定して、放出開口22をダンパー36で自動的に開閉するので、放出開口22の開閉をより正確に行うことができる。必要があれば、制御部37の設定しだいで、密閉空間Sが正圧になる直前にダンパー36を開放姿勢に切換えて放出開口22を開放することができるので、サーバーファン9が正圧環境に晒されるのを事前に解消して、その軸受構造が短期間で損耗するのをさらに確実に解消できる。
(実施例5) 図11に、本発明の空気調和装置を構成する正圧開放構造を変更した実施例5を示す。そこでは、実施例1で説明した正圧開放構造とは別に、正圧空気を放出するための送風ファン44を設けて、密閉空間S内の正圧空気を速やかに放出できるようにした。詳しくは、熱気遮蔽装置の内外に内部気圧センサー34と外部気圧センサー35を配置しておき、密閉空間Sの内部空気圧が外部空気圧より大きい状態において、両センサー34・35から出力されたセンサー信号に基づき制御部37が正圧状態であると判定して送風ファン44を起動させ、正圧空気を強制的に放出できるようにした。開口開閉体24はヒンジ45で揺動開閉可能に支持してあり、送風ファン44から送給される正圧空気の風圧を受けて閉じ姿勢から開放姿勢に切換わって放出開口22を開放する。また、送風ファン44が停止した状態では、開口開閉体24は自重で閉じ姿勢に復帰して放出開口22を閉止し、外部空気が密閉空間S内へ入り込むのを防止する。
上記のように、密閉空間S内の正圧空気を送風ファン44で強制的に放出すると、密閉空間S内の正圧空気を効果的に放出できるので、単に開口開閉体24やダンパー36を開放姿勢に切換えて放出開口22を開放する場合に比べて、正圧状態をさらに短い時間で速やかに解消して、サーバーファン9の耐久性をさらに向上できる。送風ファン44は、実施例2から実施例4で説明した正圧開放構造と併用することができる。
(実施例6) 図12に、本発明の空気調和装置を構成する正圧開放構造を変更した実施例6を示す。そこでは、通路4の上面および前後面を熱気遮蔽装置で覆い、実施例2または実施例3と同様に密閉空間S内に冷気を送給するようにした。熱気遮蔽装置の構造は実施例1から実施例3で説明した熱気遮蔽装置と同じであるが、側面パネル15とサーバーラック1の間の隙間を、密閉空間S内の正圧空気を放出する放出開口22として利用する点が各実施例と異なる。放出開口22は、側面パネル15の下部に固定した通気可能なブラシストリップ(区分体)51で内外に区分してある。ブラシストリップ51の上下長さは、側面パネル15とサーバーラック1の間の隙間の上下寸法より大きく設定してある。そのため、側面パネル15をビーム体12の下面に装着した状態では、ブラシストリップ51の連出端部の全体が外向きに湾曲して、サーバーラック1の上壁に密着している。
側面パネル15は、アルミニウム押出し材で構成した四角枠状のパネルフレーム47と、パネルフレーム47で支持したパネル体48で構成してある。パネル体48は、軽量で断熱性に優れたプラスチック製の段ボールシートで形成してあり、その4周縁がパネルフレーム47の連結溝に嵌込んだ鋲頭状のゴム製のパッキン49で固定してある。ブラシストリップ51は、プラスチック材で形成したブラシ要素の一群を多列状に密集植毛して形成してある。ブラシストリップ51の上端は、パネルフレーム47の連結溝に嵌込んだ鋲頭状のゴム製のホルダー50で束ねられて固定保持してある。なお、この実施例の空気調和装置においては、例えば天井ファン17や送風ファン30の送風量を調整して、密閉空間Sの内部圧力を、外部空気圧より僅かに大きな微小正圧状態に維持して、外部空気がブラシストリップ51から侵入するのを防止できるようにした。例えば、外部空気圧が1気圧(101325パスカル)である場合に、密閉空間Sの内部圧力を外部空気圧より5パスカルだけ大きくなるようにしている。この程度の微小正圧状態では、サーバーファン9の軸受構造に大きな負荷が作用することはない。
上記のように、放出開口22をブラシストリップ51で内外に区分すると、外部空気が密閉空間Sの内部に進入するのをブラシストリップ51で防止できる。その一方で、密閉空間Sの内部空気圧が、密閉空間Sの外部空気圧より大きくなった正圧状態では、密閉空間S内の冷気がブラシストリップ51のブラシ要素の間に沿って外向きに流動するので、密閉空間Sの内部空気圧は徐々に低下して正圧状態を開放できる。従って、サーバーファン9が連続的に正圧環境に晒されるのを解消して、その軸受構造が短期間で損耗するのを確実に解消できる。また、冷気空間7Aと熱気空間8Aのいずれか一方を熱気遮蔽装置で密閉空間Sとして区画し、サーバーラック1から排出した熱気が冷気空間7Aへ流出するのを防止するので、サーバー2の熱を適確に排除して省エネルギー効果を向上できる。
区分体51としては、ブラシストリップ以外に連続気泡性の発泡樹脂や発泡ゴム、あるいはフェルトなどの通気可能な素材を適用できる。なお、実施例6に係る正圧開放構造は、熱気空間8Aが、熱気遮蔽装置で密閉空間Sとして区画してある場合にも同様に適用することができる。この実施例に係る区分体51は遮蔽体13の側に設けることができ、その場合には、例えば区分体51をビーム体12に装着して、ビーム体12と遮蔽体13の間に設けた放出開口22を内外に区分するとよい。
密閉空間Sの内部空気圧を、密閉空間Sの外部空気圧より僅かに大きな微小正圧状態に保持して、外部空気が区分体51から密閉空間S内へ進入するのを阻止するので、外部空気の侵入を確実に防止しながら、サーバーファン9の軸受構造に大きな負荷が作用するのを防止できる。従って、サーバーラック1から排出した熱気が冷気空間7Aへ流出するのを防止して、サーバー2の熱を適確に排除して省エネルギー効果を向上できる。
上記の各実施例では、熱気遮蔽装置が自立する構造体として構成してある場合について説明したが、その必要はなく、熱気遮蔽装置はラック列3を利用して構成することができる。その場合には、各サーバーラック1の上面に締結固定されて通路4の上面を遮蔽する遮蔽パネル13と、通路4の前後端の開口を遮蔽する開閉可能なドア14で熱気遮蔽装置を構成することができる。また、正圧開放構造の放出枠21は、遮蔽パネル13とドア14の少なくともいずれか一方に設けてあればよい。上記のように、ラック列3を利用して通路4の上面を遮蔽する熱気遮蔽装置によれば、メインフレーム11やビーム体12を省略できるので、その分だけ熱気遮蔽装置を構築するためのコストを低減できる。
上記の各実施例では、サーバーラック1の高さ寸法が同じであるラック列3に適用される熱気遮蔽装置について説明したが、熱気遮蔽装置は、ラック列3を構成する個々のサーバーラック1の高さ寸法が不揃いであり、しかも、ラック列3の一部にサーバーラック1が設置されていない個所がある場合にも適用できる。こうした熱気遮蔽装置においては、サーバーラック1の高さ寸法に対応した側面パネル15をビーム体12に組付けることにより、高さ寸法が不揃いなラック列3であっても、サーバーラック1の天井面に沿って流動する熱気を側面パネル15で受け止めて、熱気が側面パネル15を乗越えて遮蔽パネル13の側へ流動し、通路4内へ進入するのを確実に防止できる。また、サーバーラック1が設置されていない個所においては、ビーム体12と床Fの間を、ビーム体12に装着した上下に長い側面パネル15や、カーテン状のシート体あるいは膜体で塞ぐことにより、熱気出口8から排出された熱気が通路4内へ進入するのを確実に防止できる。
上記の熱気遮蔽装置によれば、ラック列3の設置個所に、サーバーラック1の設置予定基数に応じた熱気遮蔽装置を予め構築しておくことにより、必要に応じて新たなサーバーラック1を追加設置できるので、サーバーラック1の増設を段階的に進めることができる利点がある。メンテナンスのために、対象となるサーバーラック1をラック列3から分離するような場合でも、分離個所を側面パネル15などで閉止することにより、熱気遮蔽作用を維持し続けることができる。
各実施例では、冷気入口7と熱気出口8がサーバーラック1の対向周面に設けてある場合について説明したがその必要はない。例えば、サーバーラック1の上面ないし背面(通路に面していない側)に冷気を供給し、熱交換後の熱気を通路4側へ放出して、空気調和機18へ循環させることができる。同様に、熱交換後の熱気をサーバーラック1の上面ないし背面から放出してもよい。このように、冷気入口7と熱気出口8は、ラック列3の一側に各サーバーラック1の冷気入口7(または熱気出口8)が臨ませてあり、ラック列3の他側に熱気出口8(または冷気入口7)が臨ませてあればよい。ラック列3は直線列状に構成する必要はなく、優弧列状や蛇行列状、あるいは階段列状に構成してあってもよい。ラック列3の前後長さが大きくなる場合には、ビーム体12の前後中途部の複数個所に間柱を配置して、ビーム体12に作用する重量を複数の間柱で分散支持することができる。メインフレーム11、ビーム体12はアルミニウム型材で形成する必要はなく、プラスチック製の型材や、プレス成形した型材で形成してあってもよい。
1 サーバーラック
3 ラック列
4 通路
5 天井空間
7 冷気入口
7A 冷気空間
8 熱気出口
8A 熱気空間
11 メインフレーム
12 ビーム体
13 遮蔽体(遮蔽パネル)
14 ドア
15 側面遮蔽体(側面パネル)
21 放出枠
22 放出開口
23 開閉構造
24 開口開閉体
S 密閉空間
3 ラック列
4 通路
5 天井空間
7 冷気入口
7A 冷気空間
8 熱気出口
8A 熱気空間
11 メインフレーム
12 ビーム体
13 遮蔽体(遮蔽パネル)
14 ドア
15 側面遮蔽体(側面パネル)
21 放出枠
22 放出開口
23 開閉構造
24 開口開閉体
S 密閉空間
Claims (11)
- サーバー室の内部に、一群のサーバー(2)を収容するサーバーラック(1)が列状に配置されてラック列(3)が構成され、ラック列(3)の一側に各サーバーラック(1)の冷気入口(7)が設けられ、ラック列(3)の他側に各サーバーラック(1)の熱気出口(8)が設けられ、ラック列(3)の冷気入口(7)に臨む冷気空間(7A)と、ラック列(3)の熱気出口(8)に臨む熱気空間(8A)のいずれか一方が、熱気遮蔽装置で密閉空間(S)として区画されているサーバーシステムの空気調和装置であって、
密閉空間(S)に臨む熱気遮蔽装置の周囲壁に、密閉空間(S)内の正圧空気を放出する正圧開放構造が設けられており、
正圧開放構造が、放出開口(22)を備えた放出枠(21)と、放出開口(22)を開閉する開閉構造(23)を備えており、
開閉構造(23)は、放出開口(22)を閉止する閉じ姿勢と、放出開口(22)を開放する開放姿勢に切換る開口開閉体(24)を備えており、
密閉空間(S)の内部空気圧が密閉空間(S)の外部空気圧より大きい正圧状態において、開口開閉体(24)が閉じ姿勢から開放姿勢に切換って放出開口(22)を開放し、密閉空間(S)の正圧空気を放出開口(22)から放出することを特徴とするサーバーシステムの空気調和装置。 - 開閉構造(23)が、放出開口(22)の周囲壁の外面に配置した、シート体を形成素材とする逆止弁状の開口開閉体(24)で構成されており、
開口開閉体(24)は放出開口(22)の周囲壁で揺動開閉可能に支持されて、シート周縁が放出開口(22)の周囲壁に接当する閉じ姿勢と、シート周縁が放出開口(22)の周囲壁から分離する開放姿勢の間で開閉でき、
密閉空間(S)の内部空気圧が密閉空間(S)の外部空気圧より大きい正圧状態では、開口開閉体(24)が正圧空気で開放操作されて、密閉空間(S)の正圧空気を放出開口(22)から放出する請求項1に記載のサーバーシステムの空気調和装置。 - 正圧開放構造が、熱気遮蔽装置の内外に配置した内部気圧センサー(34)および外部気圧センサー(35)と、放出開口(22)を開閉するダンパー(36)と、前記両センサー(34・35)から出力されるセンサー信号に基づき、ダンパー(36)に動作指令信号を発する制御部(37)を備えており、
密閉空間(S)の内部空気圧が外部空気圧より大きい正圧状態において、ダンパー(36)を自動的に閉じ姿勢から開放姿勢に切換えて放出開口(22)を開放し、密閉空間(S)内の正圧空気を放出開口(22)から放出する請求項1に記載のサーバーシステムの空気調和装置。 - サーバーラック(1)を直線列状に配置して構成されるラック列(3)が通路(4)を挟んで対向配置されており、
サーバーラック(1)の通路(4)側の対向壁に、冷気入口(7)と熱気出口(8)のいずれか一方が配置されており、
熱気遮蔽装置は、前記通路(4)の前後両端の外面に起立固定される門形のメインフレーム(11)と、一対のメインフレーム(11)をラック列(3)の上面に沿って橋絡する一対のビーム体(12)と、ビーム体(12)の対向面間に載置される一群の遮蔽体(13)と、サーバーラック(1)の上面とビーム体(12)の間を遮蔽する一群の側面遮蔽体(15)を備えており、
正圧開放構造の放出枠(21)が、側面遮蔽体(15)に隣接して配置してある請求項1から3のいずれかひとつに記載のサーバーシステムの空気調和装置。 - 熱気遮蔽装置が、ラック列(3)に締結固定されて通路(4)の上面を遮蔽する遮蔽体(13)と、通路(4)の前後端の開口を遮蔽する開閉可能なドア(14)を備えており、
遮蔽体(13)とドア(14)の少なくともいずれか一方に、正圧開放構造の放出枠(21)が設けてある請求項1から3のいずれかひとつに記載のサーバーシステムの空気調和装置。 - サーバーラック(1)の通路(4)側の対向壁に熱気出口(8)が配置されて、熱気空間(8A)が熱気遮蔽装置で密閉空間(S)として区画されており、
空気調和機(18)で調整した冷気は、ラック列(3)を収容するサーバー室内の冷気空間(7A)に送給されて、冷気入口(7)からサーバーラック(1)内へと導入されており、
密閉空間(S)内の熱交換後の熱気は、熱気遮蔽装置と天井の間に設けた熱気ダクト(16)と天井ファン(17)を介して天井空間(5)へ送出されて、天井空間(5)から空気調和機(18)へと循環送給される請求項4に記載のサーバーシステムの空気調和装置。 - サーバーラック(1)の通路(4)側の対向壁に冷気入口(7)が配置されて、冷気空間(7A)が熱気遮蔽装置で密閉空間(S)として区画されており、
空気調和機(18)で調整した冷気は密閉空間(S)に送給されて、冷気入口(7)からサーバーラック(1)内へ導入されており、
熱気出口(8)からサーバー室へ放出された熱交換後の熱気を空気調和機(18)へ循環させる請求項4に記載のサーバーシステムの空気調和装置。 - 熱気遮蔽装置の内外に内部気圧センサー(34)および外部気圧センサー(35)が配置され、放出開口(22)に臨んで送風ファン(44)が配置されており、
密閉空間(S)の内部空気圧が外部空気圧より大きい正圧状態において、送風ファン(44)を作動させて密閉空間(S)内の正圧空気を強制的に放出する請求項1から7のいずれかひとつに記載のサーバーシステムの空気調和装置。 - サーバー室の内部に、一群のサーバー(2)を収容するサーバーラック(1)が列状に配置されてラック列(3)が構成され、ラック列(3)の一側に各サーバーラック(1)の冷気入口(7)が設けられ、ラック列(3)の他側に各サーバーラック(1)の熱気出口(8)が設けられ、ラック列(3)の冷気入口(7)に臨む冷気空間(7A)と、ラック列(3)の熱気出口(8)に臨む熱気空間(8A)のいずれか一方が、熱気遮蔽装置で密閉空間(S)として区画されているサーバーシステムの空気調和装置であって、
密閉空間(S)に臨む熱気遮蔽装置の周囲壁に、密閉空間(S)内の正圧空気を放出する放出開口(22)が設けられており、
放出開口(22)は、熱気遮蔽装置の周囲壁に固定した通気可能な区分体(51)で内外に区分されており、
密閉空間(S)の内部空気圧が密閉空間(S)の外部空気圧より大きい正圧状態において、密閉空間(S)の正圧空気を、区分体(51)を介して放出することを特徴とするサーバーシステムの空気調和装置。 - サーバーラック(1)を直線列状に配置して構成されるラック列(3)が通路(4)を挟んで対向配置されており、
サーバーラック(1)の通路(4)側の対向壁に、冷気入口(7)と熱気出口(8)のいずれか一方が配置されており、
熱気遮蔽装置は、前記通路(4)の前後両端の外面に起立固定される門形のメインフレーム(11)と、一対のメインフレーム(11)をラック列(3)の上面に沿って橋絡する一対のビーム体(12)と、ビーム体(12)の対向面間に載置される一群の遮蔽体(13)と、サーバーラック(1)の上面とビーム体(12)の間を内外に区分する一群の側面遮蔽体(15)を備えていて、側面遮蔽体(15)とサーバーラック(1)の上面の間に放出開口(22)が設けられており、
放出開口(22)が、側面遮蔽体(15)に装着した区分体(51)で内外に区分されて、区分体(51)の連出端部がサーバーラック(1)に密着している請求項9に記載のサーバーシステムの空気調和装置。 - 密閉空間(S)の内部空気圧を、密閉空間(S)の外部空気圧より僅かに大きな微小正圧状態に保持して、外部空気が区分体(51)から密閉空間(S)内へ進入するのを阻止する請求項9、または10に記載のサーバーシステムの空気調和装置。
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