JP3829667B2 - 画像処理装置、画像処理方法、画像処理方法実行のためのプログラム及びプログラムを記憶した記憶媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像処理装置に関し、特に、原稿以外の領域についての不要な画像形成を実施しない原稿外消去手段を有する画像処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の画像処理装置としては、例えばプラテンガラス上に載置した原稿に対し光源より発せられた光を投射して得られる反射光を、光電変換素子によって電気信号(原稿画像データ)に変換(画像読取)し、この電気信号によって半導体レーザを駆動して感光体に静電潜像を形成し、該静電潜像に付着させたトナーを記録材上に転写して、前記原稿の複写を行う複写機等が提案されている。
【0003】
ところで、従来の画像処理装置においては、前記原稿読取に関する機能として、例えば特開平7−307856号公報や特開平7−111579号公報に開示されているように、いわゆる「原稿外消去機能」を有するものが提案されている。この原稿外消去機能とは、概念的には、図19に示すように、上記プラテンガラス11上に載置された原稿Sについて、当該原稿Sが存在する領域(図中、符合SRを付した斜線部分、以下、「原稿領域SR」という。)における濃度と、当該原稿Sが存在しない領域(図中、符合NSRを付した部分、以下、「原稿外領域NSR」という。)における濃度とから両領域の区別をなし、該区別に基づき原稿外領域NSRについては、白色でもって(=トナーを転写させずに)記録材に対する画像形成を実施する機能である。
【0004】
なお、上記原稿外消去機能を利用する際には、原稿領域SRと原稿外領域NSRとの区別を、より確実に実施するために、通常、プラテンガラス11上を覆うように設けられるプラテンカバーを開放した状態とし、原稿外領域NSRについては、いわゆる「スカイショット」が実施されるようにする。なお、このスカイショットとは、光源の光を反射する何物も存在しない領域に対し該光を投射することを意味し、またそれゆえ、反射光強度は、ほぼ0となる。
【0005】
このような原稿外消去機能を利用することにより、原稿S以外の無駄な領域に係る情報が記録材上に出力(上記「スカイショット」によればベタ黒出力)等されることがなくなり、見栄えの悪い複写処理が実施されることがなく、また、上記ベタ黒出力に伴うトナーの大量消費を回避することが可能となる。
【0006】
ちなみに、上記に述べた、原稿領域SRと原稿外領域NSRとを区別する「濃度」の認定とは、上記公報によれば概略次のように実施される。すなわちまず、図19に併せて示す主走査方向MSの第1ラインにつき、反射光及びその電気信号たる輝度データ値を取得する。この輝度データ値は、予め設定された固定値たるスレッショルドレベルよりも上か否かによって、原稿領域SRに関する原稿地データ値(例えば“1”)及び原稿外領域NSR等に関する非原稿地データ値(例えば“0”)に分別した二値化データとされる。この二値化データの取得は、上記第1ライン以降、図19に示すlライン、…、mライン、…、nラインと順次実施され、かつ、各ラインについての該データ取得ごとに従前のデータに対する論理和が求められ、該論理和によって当該二値化データはラインメモリ等において逐次更新されることとなる。そして、最終的に取得された二値化データにおいて、その主走査方向MS上で最も離反した原稿地データ値の存在する二つの位置が、図19中左右方向の原稿領域SRを画するものとして認定される。
【0007】
このような事情は、例えば図20に示すような、変則的な形状となる原稿S0について想定すればわかりやすい。この図において、原稿地データ値が主走査方向MSで最も離反した地点で確認されるのは「lライン目」であることがわかり、また、この時点で得られた二値化データは原稿S0が存在する最終のmライン目のデータによる更新がなされるまで、いわば「保存」されることになる(なぜなら論理和をとるから)。したがって、当該lライン目の両端点が、主走査方向MSに関する原稿領域SRを画するものとして認定されることになる(図20破線参照)。
【0008】
一方、このような主走査方向MSに関する原稿領域SRの認定処理とともに、原稿地データ値が存在すると認定された最先の主走査線(図19及び図20では、1ライン目)及び最後の主走査線(同じく図19及び図20では、mライン目)が位置する副走査方向ASの両端位置が記憶される。そして、該両端位置で挟まれた領域が、図19及び図20中上下方向の原稿領域SRを画するものとして認定される(定型消去)。以下「定型消去」を「矩形消去」と呼ぶことにする。
【0009】
また、上記のように主走査方向MS両端位地と副走査方向AS両端位置で挟まれた領域が原稿領域SRを認定する方法(矩形消去)とは別に、主走査方向MSのライン毎に取得した二値化データから、主走査方向MSのライン上で原稿地データ値が最も離反した地点の間がそのラインにおける原稿領域SRと確認し、この確認を各ライン毎に行ない原稿領域SRを認定する方法も提案されている(不定型消去)。以下「不定型消去」を「斜角消去」と呼ぶことにする。この方法によれば、図20に示すような変則的な形状の原稿であっても原稿領域SRを認定できる。図20の斜線部分を原稿領域SRを画するものとして認定できる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような原稿外消去機能については、次のような問題があった。例えば、原稿Sの地肌の濃度が濃い場合、上記スレッショルドレベルを濃い方に設定したとしても、「斜角消去」を用いれば、前記原稿Sの地肌と原稿外領域NSRとの濃度差は小さいから、原稿Sの地肌を原稿外領域NSRと誤認識し、原稿外消去によって画像が削れることがあった。このとき、「矩形消去」を用いれば、数箇所で前記誤認識がなされても、全ての箇所で誤認識されることは無いので、主走査方向MS両端位地と副走査方向AS両端位置は認識され、結果的には画像が削れることは無い。
【0011】
しかし、「矩形消去」では、例えば図20の主走査方向原稿領域を示す破線と1ラインとmラインで囲まれた領域の斜線部分以外の4つの三角形部分は、黒ベタ(=原稿外領域の濃度)で出力される。このとき、原稿Sの地肌の濃度が淡い場合、見栄えの悪い画像となってしまう。
【0012】
したがって、装置使用者は上記不具合が発生した場合、原稿外消去機能設定等を変えコピーし直すことを繰り返すため、無駄を発生した。
【0013】
さらに、上記スレッショルドレベルを濃い方に設定する場合には、例えば窓から入射する日光や、天井に設置されている蛍光灯光等の外部光が、画像読取部に入射した場合、反射(入射)光強度が大きくなって(例えば、≒255)、これにより原稿領域SRを誤って認定してしまう場合があり、全く予期せぬ不要な画像が記録材上に形成されてしまうといった不具合もある。
【0014】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、「矩形消去」と「斜角消去」のいずれかを選択・設定する基準となる「原稿地肌レベル値」の適切な設定を可能とし、また、設定された「原稿地肌レベル値」から適切な原稿外消去方法の選択を可能とし、もってより正確な原稿外消去機能の実現を図り得る画像処理装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために以下の手段をとった。
【0016】
すなわち、請求項1記載の画像処理装置は、原稿に形成された画像を読み取ることが可能な画像読取部と、該画像読取部の出力に基づいて前記原稿が存在する領域と当該原稿が存在しない領域とを領域認識閾値を基準として区別・認定する画像処理部とからなり、前記原稿が存在しない領域に対応する記録材上の当該領域への出力画像を消去する原稿外消去手段を有する画像処理装置において、前記原稿外消去手段は、前記原稿を含む最小の四辺形内を原稿領域とする矩形消去機能と、同領域を前記画像読取部で読取った原稿の端点で形成する斜角消去機能とを有し、矩形消去閾値と原稿地肌レベル値とに基づいて、前記矩形消去機能又は前記斜角消去機能のいずれかを自動的に選択する選択手段を設けたことを特徴とするものである。
【0017】
また、請求項2記載の画像処理装置は、原稿に形成された画像を読み取ることが可能な画像読取部と、該画像読取部の出力に基づいて前記原稿が存在する領域と当該原稿が存在しない領域とを領域認識閾値を基準として区別・認定する画像処理部とからなり、前記原稿が存在しない領域に対応する記録材上の当該領域への出力画像を消去する原稿外消去手段を有する画像処理装置において、前記原稿外消去手段は、前記原稿を含む最小の四辺形内を原稿領域とする矩形消去機能と、同領域を前記画像読取部で読取った原稿の端点で形成する斜角消去機能とを有し、前記矩形消去機能、前記斜角消去機能、または、前記矩形消去機能及び前記斜角消去機能の自動的選択のいずれかを選択するための手動選択手段を設けたことを特徴とするものである。
【0018】
また、請求項3記載の画像処理装置は、前記原稿地肌レベル値は、前記画像読取部の出力により把握される特徴に基づいて自動的に設定されることを特徴とするものである。
【0019】
また、請求項4記載の画像処理装置は、前記画像読取部は、前記原稿に投射する光を発する光源及び該光が当該原稿で反射された光を電気信号に変換する光電変換装置を備え、前記画像読取部の出力は、前記光電変換装置の出力たる輝度データ値であり、前記特徴は、前記輝度データ値又は該輝度データ値を変換した濃度データ値の別に応じ、その頻度が集計されたヒストグラムデータであることを特徴とするものである。
【0020】
また、請求項5記載の画像処理装置は、原稿に形成された画像を読み取ることが可能な画像読取部と、該画像読取部の出力に基づいて前記原稿が存在する領域と当該原稿が存在しない領域とを領域認識閾値を基準として区別・認定する画像処理部とからなり、前記原稿が存在しない領域に対応する記録材上の当該領域への出力画像を消去する原稿外消去手段を有する画像処理装置において、前記画像読取部は、原稿ガラス上に載置された前記原稿に投射する光を発する光源及び該光が当該原稿で反射された光を電気信号に変換する光電変換装置を備え、前記原稿外消去手段は、前記原稿を含む最小の四辺形内を原稿領域とする矩形消去機能と、同領域を前記画像読取部で読取った原稿の端点で形成する斜角消去機能とを有し、矩形消去閾値と原稿地肌レベル値とに基づいて、前記矩形消去機能又は前記斜角消去機能のいずれかを自動的に選択する選択手段を設け、前記選択手段は、前記光電変換装置の出力たる輝度データ値又は該輝度データ値を変換した濃度データ値の別に応じ、その頻度が集計されたヒストグラムデータから自動的に設定される原稿地肌レベル値が、外部光が入射することにより発生する前記光電変換装置の出力に基づいて取得される外部光レベルよりも小さく設定された場合、もしくは、設定されることが予測される場合には、自動的に矩形消去機能を選択する選択手段であることを特徴とするものである。
【0021】
また、請求項6記載の画像処理装置は、前記原稿地肌レベル値は、前記ヒストグラムデータにおいて観察されるピークに関する輝度データ値又は濃度データ値に基づいて自動的に設定されることを特徴とするものである。
【0022】
また、請求項7記載の画像処理装置は、前記ピークは、前記ヒストグラムデータにおいて観察されるピークのうち、スカイショットによって現れるピークを除き、第一位のピークとして現れるピークであることを特徴とするものである。
【0023】
また、請求項8記載の画像処理装置は、前記ピークは、前記ヒストグラムデータにおいて観察されるピークのうち、スカイショットによって現れるピークを除き、第一位及び第二位のピークとして現れるピークの輝度値の低い又は濃度の高い側のピークであることを特徴とするものである。
【0024】
また、請求項9記載の画像処理装置は、前記原稿地肌レベル値は、前記ヒストグラムデータにおいて観察されるピーク近傍に関する輝度データ値又は濃度データ値に基づいて算出される頻度差分値と差分規定値から設定されることを特徴とするものである。
【0025】
また、請求項10記載の画像処理装置は、原稿に形成された画像を読み取ることが可能な画像読取部と、該画像読取部の出力に基づいて前記原稿が存在する領域と当該原稿が存在しない領域とを領域認識閾値を基準として区別・認定する画像処理部とからなり、前記原稿が存在しない領域に対応する記録材上の当該領域への出力画像を消去する原稿外消去手段を有する画像処理装置において、前記画像読取部は、原稿ガラス上に載置された前記原稿に投射する光を発する光源及び該光が当該原稿で反射された光を電気信号に変換する光電変換装置を備え、前記原稿外消去手段は、前記原稿を含む最小の四辺形内を原稿領域とする矩形消去機能と、同領域を前記画像読取部で読取った原稿の端点で形成する斜角消去機能とを有し、矩形消去閾値と原稿地肌レベル値とに基づいて、前記矩形消去機能又は前記斜角消去機能のいずれかを自動的に選択する選択手段を設け、前記選択手段は、前記光電変換装置の出力たる輝度データ値又は該輝度データ値を変換した濃度データ値の別に応じ、その頻度が集計されたヒストグラムデータにおいて観察されるピーク近傍に関する輝度データ値又は濃度データ値に基づいて算出される頻度差分値と差分規定値から設定される原稿地肌レベル値が、設定されなかった場合には、自動的に矩形消去機能を選択する選択手段であることを特徴とするものである。
【0026】
また、請求項11記載の画像処理装置は、前記原稿地肌レベル値は、前記ヒストグラムデータにおいて観察されるピーク近傍に関する輝度データ値又は濃度データ値に基づいて算出される頻度差分値と差分規定値の大小関係の変化点から設定されることを特徴とするものである。
【0027】
また、請求項12記載の画像処理装置は、前記原稿地肌レベル値は、前記ピークに代え又は前記ピークとともに、前記ヒストグラムデータにおける極大点、極小点、変極点、前記ピーク付近の裾野、アンダーピークの一以上を利用して自動的に設定されることを特徴とするものである。
【0028】
また、請求項13記載の画像処理装置は、前記領域認識閾値と前記原稿地肌レベル値が、同一であることを特徴とするものである。
【0029】
また、請求項14記載の画像処理装置は、請求項1乃至13のいずれかに記載の画像処理装置によって設定される閾値を基準として前記原稿の存在する領域及び前記原稿の存在しない領域を区別・認定する機能を、原稿領域を抽出し出力画像上に複数の原稿画像を繰り返し作成するリピート機能又は原稿領域を抽出し原稿画像を移動させる原稿位置補正機能に対して適用することを特徴とするものである。
【0030】
また、請求項15記載の画像処理装置は、前記画像読取部は、前記原稿に投射する光を発する光源及び該光が当該原稿で反射された光を電気信号に変換する光電変換装置を備え、前記画像読取部の出力は、前記光源が前記原稿に対し一定方向に走査されることにより取得される場合において、前記画像読取部の出力により把握される特徴の取得、前記閾値の自動設定及び前記画像処理部における前記区別・認定、に必要な情報を、前記走査を一回実施するのみで取得することを特徴とするものである。
【0031】
また、請求項16記載の画像処理装置は、原稿に形成された画像を画像読取部で読み取り、原稿外消去手段によって該画像読取部の出力に基づいて前記原稿が存在する領域と当該原稿が存在しない領域とを領域認識閾値を基準として区別・認定し、前記原稿が存在しない領域に対応する記録材上の当該領域への出力画像を消去する画像処理方法において、前記原稿外消去手段は、前記原稿を含む最小の四辺形内を原稿領域とする矩形消去方法と、同領域を前記画像読取部で読取った原稿の端点で形成する斜角消去方法とを有し、矩形消去閾値と原稿地肌レベル値とに基づいて、前記矩形消去方法又は前記斜角消去方法のいずれかを自動的に選択するステップを有することを特徴とするものである。
【0032】
また、請求項17記載の画像処理装置は、原稿に形成された画像を画像読取部で読み取り、原稿外消去手段によって該画像読取部の出力に基づいて前記原稿が存在する領域と当該原稿が存在しない領域とを領域認識閾値を基準として区別・認定し、前記原稿が存在しない領域に対応する記録材上の当該領域への出力画像を消去する画像処理方法において、前記原稿外消去手段は、前記原稿を含む最小の四辺形内を原稿領域とする矩形消去方法と、同領域を前記画像読取部で読取った原稿の端点で形成する斜角消去方法とを有し、前記矩形消去方法、前記斜角消去方法、または、前記矩形消去方法及び前記斜角消去方法の自動的選択のいずれかを手動で選択するステップを有することを特徴とするものである。
【0033】
また、請求項18記載の画像処理装置は、前記請求項16または17のいずれかに記載の画像処理方法を実行するためのプログラムであることを特徴とするものである。
【0034】
また、請求項19記載の画像処理装置は、前記請求項18に記載のプログラムを記憶した記憶媒体であることを特徴とするものである。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下では、本発明の実施の形態について図を参照しつつ説明する。図1は、本実施形態に係る複写機(画像処理装置)の機構的な構成例を示す概要図である。図1において、複写機は、大きく画像読取部10、図示しない画像処理部J、画像書込部20、画像形成部30、転写紙搬送部40及び転写紙排紙部50から構成されている。なお、以下で参照する図面においては、従来の技術の項で参照した図19乃び図20で使用した符合が指示していた対象ないし概念と同一のものを指示する場合においては、同一の符合を用いることとする。
【0036】
画像読取部10は、原稿Sに記載されている文字列又は絵画を光源の照射光によって光情報として読み取り、これを電気信号(原稿画像データ)に変換する部位である。
【0037】
原稿Sは、その原稿面(画像が形成されている面)がプラテンガラス11表面に対向するよう、該プラテンガラス11上に直接に載置される。光源12は、この載置された原稿面に対し光を投射する。原稿面に達した光は、その画像情報を含む光(情報)となって当該面を反射しミラー13に到達する。なお、光源12及びミラー13は、原稿面全体を走査するようプラテンガラス11面に沿って移動可能な構成となっている。また、光源12の具体的構成としては、例えばハロゲンランプやキセノンランプ等が利用される。
【0038】
上記したように光源12により読み取られた原稿面に係る光情報は、以下、ミラー141、142で反射を繰り返し、結像光学系16を介してCCD撮像装置17に達する。
【0039】
CCD撮像装置17は、光電変換機能を有する複数の画素が例えば一次元状に配列された光電面(不図示)を有しており、これら複数の画素によって前記原稿面の画像情報を含む光情報が受け取られ、これが電気信号(原稿画像データ)に変換されることになる。
【0040】
なお、本実施形態における複写機1においては、図1又は図2に示すように、その一辺がプラテンガラス11の一辺に略一致するように設置され、かつ、該一辺上の軸を中心軸として複写機1本体に対し回動自在に接続されたプラテンカバー11Cが設けられている。このプラテンカバー11Cによれば、プラテンガラス11面に外部光が入射しないように、その全面を覆うことが可能となる。
【0041】
また、前記プラテンカバー11Cに関しては、該カバー11Cがプラテンガラス11上を覆っているか否かを検知するための、覆い検知センサOSSが設けられている。この覆い検知センサOSSは、例えば図3に詳しく示すように、その断面が略コの字状となるフォトセンサOSS1及びその側面に突設された突起部OSS2pを含む円柱状となるドグOSS2から構成される。そして、フォトセンサOSS1の開口部OSS1mを形作る一方の腕OSS1Aに図示しない発光部が、他方の腕OSS1Bに図示しない受光部が、それぞれ設けられる。
【0042】
このような覆い検知センサOSSにおいては、前記プラテンカバー11Cが閉められるときには、前記ドグOSS2の頭端が図3(a)中下方に押されることで、その突起部OSS2pが前記フォトセンサOSS1におけるコの字状断面の開口部OSS1m内を通過して前記発光部の光を遮り、逆に該カバー11Cが開放されるときには、前記ドグOSS2がその足端に設けられる図示しないスプリング等の付勢によって図3(a)中上方へ押されることで、その突起部OSS2pが前記開口部OSS1mを抜け前記発光部の光が前記受光部に達する。これら両動作によって、複写機1は、プラテンカバー11Cの開閉を検知することができる。
【0043】
以下、残る、画像処理部J、画像書込部20、画像形成部30、転写紙搬送部40及び転写紙排紙部50について、これらをまとめて簡単に説明すると、画像処理部Jは、前記CCD撮像装置17から送られてくる電気信号(原稿画像データ)に対し各種画像処理を施す。画像書込部20は図示しない半導体レーザを備え、前記画像処理部Jから送られてくる電気信号に基づき、そのレーザ発振態様を制御する。この制御されたレーザビームは、画像形成部30を構成する感光体ドラム31上に、原稿画像に関する静電潜像を形成する。そして、画像形成部30は、この静電潜像に現像部33によってトナーを付着させてこれを可視化し、その後に転写紙搬送部40から給送されてくる転写紙P上に前記トナーを転写して、該転写紙P面上にトナー像を形成する。転写紙Pはこの後、定着部38を通過して前記転写されたトナーの定着が図られ、転写紙排紙部50を構成する複数のローラを介して、複写機外部へと排紙されることになる。
【0044】
以下では、上記構成例となる複写機の電気的な構成例について説明する。上記した画像読取部10、画像処理部J、画像書込部20、画像形成部30、転写紙搬送部40及び転写紙排紙部50その他覆い検知センサOSS等の各種機構等は、図4に示すように、データバスBを介して制御部Cによって制御されるようになっている。
【0045】
図2においてはまた、上記画像読取部10により読み取られる等した原稿の内容に基づく原稿画像データ等について各種処理を実施する画像処理部Jが接続されている。本実施形態においては特に、この画像処理部Jは、原稿外消去機能を実現するための各種処理を行うことに特徴がある(原稿外消去手段)。
【0046】
より詳細に、この画像処理部Jは、例えば図5に示すブロック図のように構成される。図5において、画像読取部10によって読み込まれた原稿画像データは、輝度−濃度変換回路J1、ヒストグラム作成回路JH及び原稿領域検知部JJにおけるコンパレータJJCの一端に入力するようになっている。このうち後二者は、上記した原稿外消去処理に関連する構成であるが、これらの作用については後の作用説明時に説明することとする。
【0047】
ここでは、上記原稿画像データが、画像書込部20に送出されるまでの一般的な処理流れに関わる回路構成及びその作用等について説明しておく。まず、原稿画像データは、上記輝度‐濃度変換回路J1に入力し、一般に、輝度データとして取得される該原稿画像データを、濃度データに変換して出力する。なお、これら輝度及び濃度間においては、一方(輝度又は濃度)が決まれば他方(濃度又は輝度)も一義的に定まる関係によって記述可能であることが知られている。したがって、両者間に本質的相違はない。なお、より具体的には、輝度‐濃度間は、図6に示すような対数変換で記述される。
【0048】
空間フィルタ処理回路J2は、上記輝度‐濃度変換回路J1から出力された濃度表現の原稿画像データに対し、適当な空間フィルタリング処理を施す。すなわち該原稿画像データにおける高い空間周波数成分を強調する処理等を実施する。これは画像上のぼけを除去する作用を担う。この空間フィルタリング処理を受けた原稿画像データは次に、主走査拡大・縮小処理回路J3に出力される。ここでは、例えば後に述べる入力部Hによって装置使用者に指定等された拡大・縮小率を伴う複写を実現するために、前記原稿画像データに対する補間処理(拡大)又は間引き処理(縮小)等を実施する。
【0049】
上記主走査拡大・縮小処理回路J3から出力されたデータはガンマカーブ処理回路J4に出力される。このガンマカーブ処理回路J4は、後述のEE(Electric Eye)スキャンにより予め収集された原稿濃度に関する情報に基づき、例えば鉛筆書きされた原稿Sについてはその文字等が転写紙Pで濃く複写されるように等と、適当なガンマカーブを設定し、これに基づいた濃度変換処理を実施する回路である。また、本実施形態におけるガンマカーブ処理回路J4では特に、後述する原稿外消去機能において、原稿外領域NSRと認定された部分については画像形成が実施されないようにするため、当該部分に関する出力が“0”となるようなガンマカーブ設定が行われる。
【0050】
このように濃度変換処理を受けた原稿画像データは、誤差拡散処理回路J5に出力され、例えば原稿画像データが、写真(=原稿S)等に基づくものであって中間調であるような場合等に、画像形成時、滑らかな階調表現が実現されるよう当該原稿画像データを処理する。
【0051】
以上までの処理を施された原稿画像データは、画像メモリJMに対して出力され記憶される。なお、この画像メモリJMにおいて、上記原稿画像データは、読み込まれた原稿のページ(両面読取の場合は、該両面)を単位として管理される。すなわち、当該ページごとにファイル番号等が付され、これに基づき読み出し・書き込み動作がなされる。
【0052】
画像メモリJMに記憶された原稿画像データは、次にPWM補正処理回路J6に出力される。
【0053】
このようにして各処理を受けた原稿画像データは、最後に画像出力回路J7を介し、画像書込部20に出力されることになる。以下は、該原稿画像データに基づき、上述した半導体レーザの発振態様が制御され、感光体ドラム31上に静電潜像が形成される等、以降、公知の処理が進行することになる。
【0054】
なお、画像処理部Jについては、上記の他、不揮発メモリJNVや読み出し専用メモリJR等が配置される。前者の不揮発メモリJNVは、例えば各種設定条件等、電源OFF後もその設定内容を記憶保持したいが、場合によってはその内容を変更したい場合等に利用され、後者の読み出し専用メモリJRは、例えば後述するLCDタッチパネル90上に表示する各種メッセージ等その他のシステム運用上不可欠な情報を記憶する。
【0055】
さらに、データバスBに対しては、図4に示すように、入力部Hが接続されている。この入力部Hの具体的構成としては、例えば周知のLCDタッチパネル90等を採用すればよい。装置使用者は、このLCDタッチパネル90上に示される各種アイコンないしボタン等を指で押下・指示して、複写濃度や倍率、転写紙Pの出力設定等の変更等を行うことができる。
【0056】
なお、このようなLCDタッチパネル90を利用する場合において、入力部Hは、操作者に対する装置の設定状況等を伝達する表示手段をも兼ねることとなる。また、ここに述べた入力部H、あるいはLCDタッチパネル90の、複写機1に対する具体的な設置例は、図2において示されている。ちなみに、図2ではさらに、例えばテンキー形態とされ、あるいは複写実行等その他頻繁に指示される内容に特化される等したハードキー90Hが示されているが、このような形態も入力部Hに含まれることは言うまでもない。
【0057】
以下では上記構成例となる複写機1の作用効果について説明する。なお、以下において説明する作用効果は、本発明の趣旨に関連のある、原稿外消去機能、とりわけその原稿地肌レベル値や、該機能における原稿外領域の消去方法等に注目した説明を行うこととする。
【0058】
まず、装置使用者は、原稿Sを図1又は図2に示すプラテンガラス11上に載置して、原稿外消去機能の実行を選択する。すると、本複写機1は、図7ステップS1にあるように、プラテンカバー11Cがプラテンガラス11面を覆っているか否か、すなわち該カバー11Cの開閉状態が、上記覆い検知センサOSSの出力に基づき確認される。ここで、該カバー11Cが閉じている場合には、上記LCDタッチパネル90上において、例えば「カバーを開けてください」等々のメッセージを表示して、装置使用者に適切な処置を促す(図7ステップS2)。一方、プラテンカバー11Cが開いている場合には、次の処理へ進む。
【0059】
このように、プラテンカバー11Cを開状態とさせるのは、従来の技術の項で述べた「スカイショット」が実現されるようにするためである。また、このようなことを行う意義は、後の図15ステップSA1説明時、明らかとなる。
【0060】
そして次に、本複写機1は、図7ステップS3にあるように、装置使用者において原稿外消去方法を自動設定とするか、又は手動設定とするかのいずれかにつき選択させる。ここで「自動設定」が選択されれば自動設定ルーチンSAへ移行し、「手動設定」が選択されれば次の処理へと進む。
【0061】
本実施形態においては、原稿外消去方法として、「矩形消去」又は「斜角消去」のいずれかを選択することが可能である。そして、上記「自動設定」とは、後述するヒストグラムデータに基づいて、上記二つの消去方法のうちから適切な方を自動的に選択・設定することをいい、「手動設定」とは、装置使用者が任意に上記二つの消去方法のうちの一を選択・設定することをいう。
【0062】
ここに「矩形消去」とは、例えば図8(a)に示すような変則的な形状となる原稿SIについて、当該原稿SIを含む最小の四辺形内の領域を原稿領域SRと認定し、それ以外の領域を原稿外領域NSRと認定する消去方法である(矩形消去機能)。したがって、これを転写紙P上に画像形成すると、図8(b)に示すように、黒ベタ出力される部位BLが存在することになる。
【0063】
一方、「斜角消去」とは、同じく図8(a)に示す原稿SIについて、当該原稿SIの形状そのものを原稿領域SRと認定し、それ以外の領域を原稿外領域NSRと認定する消去方法である(斜角消去機能)。したがって、これを転写紙P上に画像形成すると、図8(c)に示すように、黒ベタ出力される部位が存在しないことになる。
【0064】
なお、これら「矩形消去」又は「斜角消去」を実施する際の原稿領域SRの認定手法については、後のステップS8説明時に述べる。また、上記した「自動設定」又は「手動設定」、また手動設定選択時における「矩形消去」又は「斜角消去」に係る選択は、例えば図9に示すように、LCDタッチパネル90上に矩形消去を表象するシンボル91及び斜角消去を表象するシンボル92並びに自動設定ボタン93を表示し、これらのいずれかを押下することにより行わせる構成とすることができる。
【0065】
図9における「自動設定」ボタン93が装置使用者に押下され、消去方法につき自動設定が選択されたときには、消去方法自動設定ルーチンSAへ移行する。これは詳細には、図15に示すようなものとなる。
【0066】
まずここで、消去方法を自動設定するためのスレッショルドレベルTHL(原稿地肌レベル値)の算出についてのべる。一方、このスレッショルドレベルTHLは、原稿SのSRとNSRの認識のためのスレッショルドレベルTHL(領域認識閾値)にも転用が可能であるため、消去方法を自動設定の側面と原稿SのSRとNSRの認識の側面の両側面から、スレッショルドレベルTHLについて説明を述べることにする。
【0067】
これから述べる図15ステップSA1にあるように、ヒストグラムデータが取得される。このヒストグラムデータは、図5で言えば、画像読取部10の出力信号、すなわちプラテンガラス11上の原稿Sに対し光源12による光を投射してその反射光を各主走査線(かつ、各画素)について取得(=ヒストグラムデータ取得を目的とするスキャン、以下、「HDスキャン」という。)し、これをCCD撮像装置17で変換した電気信号たる輝度データ値を、ヒストグラム作成回路JHに出力し、該輝度データ値に基づいて作成される。
【0068】
このように取得されるヒストグラムデータは、例えば図10に示すようなものとなり、輝度値を横軸に、当該原稿Sの全主走査線について取得された輝度データの値を前記横軸の該当するポイント(各輝度値)に集計した結果を縦軸に、各々とったグラフとなる。
【0069】
ここで図10左方に見られるピークP1については、極めて輝度が低い、すなわち光源12の光の反射光が殆ど得られていない輝度データ値が、頻度高く取得されていることが表されている。つまり、当該ピークP1は、「スカイショット」に基づき取得された輝度データ値の集計結果であることが推定される。なぜなら、スカイショットとは、光源12の光を反射する何物も存在しない領域に対し該光を投射することを意味し、またそれゆえ、反射光強度がほぼ0に等しいからである。
【0070】
また上記ピークP1とは逆に、図10右方に見られるピークP2については、極めて輝度が高い、すなわち前記反射光のうち強度の大きいものが頻度高く検知されていることが表されている。これは読み取られた原稿Sの「地肌」が「白い」ものであることを推定させる。なぜなら、原稿Sの地肌領域の面積は、当該原稿Sに形成された画像面積よりも大きい(=頻度値が大きい)ことが一般に推測されるし、また、反射光強度が大きいということは、その反射面の色が白であることの有力な証左となるからである。なお、図10におけるピークP3及びP4は、原稿Sに形成されている画像(例えば、文字等)による反射光に基づいている。
【0071】
したがって、ピークP1は概ね原稿外領域NSRの存在を表象し、ピークP2は概ね原稿領域SR(とりわけ、その外周)の存在を表象していると考えることができる。そして、このようなことから、当該ピークP1及びピークP2の間に、以下に述べるスレッショルドレベルを設定することによれば、上記各領域SR及NSRの適切な分離、ないしは適切な区別が可能となる。なお、上記で述べたプラテンカバー11Cを開状態とする意義はここに見られる。というのも、スカイショットを実現しピークP1を存在せしめるということは、上記適切な区別を確実に実施し得る「指標」の取得を可能とすることを意味するからである。
【0072】
なお、図10におけるヒストグラムデータは、横軸に輝度値をとったもの、すなわち輝度ヒストグラムを一例として示したが、本発明においては、これに代えて、横軸に濃度値をとった濃度ヒストグラムを取得するようにしてもよい。というのも、輝度と濃度との関係は、上において図6を参照して説明したように一義的な関係にあるため、どちらを基準に考えても本発明に係る作用効果に影響がないからである。ただ、画像読取部10において直接に取得されるデータは、輝度に係るもの(輝度データ値)であるから、ヒストグラムの作成速度という点からすれば、輝度ヒストグラムを作成する方が若干好ましいとはいえる。ただし、このようなことは程度の問題でしかない。
【0073】
このようにヒストグラムデータが取得されると次に、図15ステップSA2にあるように、当該ヒストグラムデータに基づいてスレッショルドレベルTHLを自動的に算出する。図5で言えば、前記ヒストグラム作成回路JHにおいて、該算出作用も実施される。ここにスレッショルドレベルTHLとは、上記で何度か触れているように、原稿Sについての原稿領域SRと原稿外領域NSRとを区別する際の基準値および「矩形消去」と「斜角消去」のいずれかを選択する基準値として用いられるものである。
【0074】
なお、上記ではヒストグラム作成回路JHにおいてスレッショルドレベルTHLの算出処理が実施されるとしたが、本発明はこれに限らず、前記算出作用を制御部Cによって実施するようにしてもよいし、また、専用のハードウェア(=Gate Array)によって実施するようにしてもよい。
【0075】
このスレッショルドレベル自動算出は、例えば図11に示すフローチャートのように行われる。まず、図11ステップSA21にあるように、取得されたヒストグラムにおいて、「スカイショット」に基づき取得されたピークP1いがいで第1位の頻度値をとるピークにおける輝度値A2を取得する。この輝度値としては、例えばピークの中心値をとるようにすればよい。
【0076】
次に、図11ステップSA22およびSA23においては、スレッショルドレベルTHLを算出する。代表的な方法として図10のA1、A2の加算平均をスレッショルドレベルTHLにする算出方法もあるが、ここでは、ピークを形成する曲線の「開始点」をスレッショルドレベルTHLにする場合の算出方法について説明する。
【0077】
まず、輝度値A2から輝度値0方向に向かい輝度値を移動しながら輝度値をスキャンすることを偶数回繰り返し、初めの半分の点の頻度の総和と後の半分の点の頻度総和の差分(頻度差分値)を求める。次に、その差分が差分規定値以下であれば、そのスキャンした輝度値のいずれかをスレッショルドレベルTHLとし、その差分が差分規定値以下でなければ、さらに前記スキャンの最終点からさらにスキャンを繰り返し差分を求め、差分規定値との比較を繰り返し、スレッショルドレベルTHLを求める。得られたスレッショルドレベルTHLを図10に示した。図11ステップSA25については後で説明する。
【0078】
なお、上記した差分と対比される差分規定値は、例えば図5に示す不揮発メモリJNV又は読み出し専用メモリJRに記憶しておく。
【0079】
このスレッショルドレベルTHLを算出は、図10に示すように輝度値A2にてピークを形成する曲線の「傾き」が極小さくなる部分、言い換えればピークを形成する曲線の「開始部」または「裾野」を算出するためのものである。したがって、算出方法は、前述の方法のみに限るものではない。また、前記算出手順に示したスキャンの移動は、1ずつの移動でも数個ずつの移動でもよいし、スキャン回数も差分が取れるように2回以上であればよく、奇数回であったとしても総和を求める際に手を加えればよいことである。スキャン方法、差分の求め方等により、前記差分規定値は、変わるものと考えて良い。
【0080】
また、図11においては、そのときの輝度値の最小のものをスレッショルドレベルTHLとしたが、そのときの差分を求めた頻度の輝度値のいずれでも良いし、また、平均値等種々考えられる。また、ここでは、ピークから裾野に向かいを求め始めたが、裾野側からピークに向かい差分を求めはじめてある規定値以上になったところでスレッショルドレベルTHLを求めることも可能である。
【0081】
図10における輝度ヒストグラムにおいては、上述したように、輝度の極めて低いピークP1と輝度の比較的高いピークP2が存在している。そして、これらピークP1及びピークP2はそれぞれ、やはり上述したように、スカイショットに基づくもの、つまり原稿外領域NSRを表象するものとして、及び、原稿Sの白色地肌領域に基づくもの、つまり原稿領域SRを表象するものとして推定することが可能であるから、原稿領域SRを表象する輝度値A2が取得されることになる。さらに図11ステップSA22およびSA23に基づく算出により、領域SRを確実に認識する、信頼性の高いスレッショルドレベルTHLを得ることが可能となる(図10参照)。
【0082】
一方で、ヒストグラムデータとしては、図10の他、例えば図12に示すようなものが取得される場合もある。この図12においては、その最も左方に、図10に示すのと同様のスカイショットに基づく輝度データ値集計結果と推定されるピークQ1が見られるが、図10とは異なる点として、図10右方に見られたピークP2が存在しないこと、また、ピークQ1の直右方にピークQ2が存在していることがわかる。
【0083】
このピークQ2は、図12から明らかなように、輝度値が低い(つまり、濃度が高い)。また、「ピークとして現れていること(=頻度値が大きいこと)」から、図10におけるピークP2が原稿Sの「地肌」であると推定されたのと同じ理由で、当該ピークQ2も原稿Sの地肌を表しているものであることが推定される。結局、図12のようなヒストグラムは、読み取られた原稿Sの地肌が、例えば黒色や濃緑色等の「濃い原稿」であることを表している。なお、図12右方のピークQ3は、当該濃い原稿S上に形成された例えば白抜き文字等からなる画像に基づいている。
【0084】
このような場合であっても、基本的には、図11に示したフローチャートに則った処理を実施することは可能である。すなわち、ピークQ2に関する、輝度値A2からスキャンしながら求める差分値もとに、スレッショルドレベルTHLとして求め得る。
【0085】
しかしながら、この図12のような場合においては、図10に示した例と比べて、両ピークQ1及びQ2が接近していればいる程、両曲線が重なるために、前記曲線の「傾き」が極小さくなる部分が現れ難くなる。その結果差分が、差分規定値以下となるまえに、Q1を形成する曲線にまで達し、負の値すなわち逆の傾きをしめしてしまい、スレッショルドレベルTHLが算出できない場合が発生することが考えられる。この場合には、曲線の「谷(アンダーピーク)」をもってスレッショルドレベルTHLとすればよい(図12参照)。例えば「谷(アンダーピーク)」の中心値をとるようにすればよい。つまり、ヒストグラムデータが、図12のような形態を示すような場合においても、より適切なスレッショルドレベルTHLの設定が可能となる。
【0086】
この場合、このスレッショルドレベルTHLの説明の冒頭に用途に関し述べているが、原稿SのSR、NSRの認識のためのスレッショルドレベルTHLであれば、上述のように何らかの値を決める必要があるが、消去方法の自動設定のためだけであれば、特にここで決める必要は無い(ステップA25)。理由は、後に示す「消去方法自動設定」の段でのべることにする。
【0087】
さらに、ヒストグラムデータとしては、例えば図13に示すようなものが取得される場合もある。この図13においては、その最も左方に、図10に示すのと同様のスカイショットに基づく輝度データ値集計結果と推定されるピークR1が見られるが、図10、図12とは異なる点として、図10右方に見られたピークP2と同様にR2、さらに、ピークR1の直右方にピークR3が存在していることがわかる。
【0088】
このピークR2は、図13から明らかなように、輝度値が高い(つまり、濃度が低い)、またピークR3は、図13から明らかなように、輝度値が低い(つまり、濃度が高い)。また、どちらも「ピークとして現れていること(=頻度値が大きいこと)」から、図10におけるピークP2、及び図12が原稿Sの「地肌」であると推定されたのと同じ理由で、当該ピークR2、R3も原稿Sの地肌を表しているものであることが推定される。濃度の低い原稿Sのかなりの部分の濃度が高いことを表している。つまり、例えば原稿に「縁取り」が為されている等が推定される。
【0089】
このような場合には、R3をもって図11に示したフローチャートに則った処理を実施することが望ましい。なぜならば、「縁取り」であった場合、R2をもってスレッショルドレベルTHLを算出した場合に、「縁取り」がNSRと認識されてしまうからである。
【0090】
さらに言えば、この場合は、基本的には、図12を用いた説明と同様の処理を実施すればよい。これにより、図13のような形態を示すような場合においても、より適切なスレッショルドレベルTHLの設定が可能となる。
【0091】
また、このR3の認識は、R2との頻度の割合、またピークを形成する曲線部の形成する面積比等をもって比較し、所定の値以上であれば、R3を認識するようにすればよい。
【0092】
なお、本発明においては、スレッショルドレベルTHLを算出する基礎として、上記「裾野」や「谷(アンダーピーク)」の他、ヒストグラムデータが示す、その他種々の特徴点を利用することが可能である。例えば、「変極点」や「ピーク」等を利用して、スレッショルドレベルTHLを求めることが考えられよう。例えば、図10又は図12に示すヒストグラムデータ曲線上の「極大点」又は「極小点」を利用することも考えられる。ちなみに、これらのようなピーク以外の特徴点を利用してスレッショルドレベルTHLを求める手法を、図10のような場合に適用可能であることは当然である。
【0093】
より広く、本発明においては、ヒストグラムデータを作成してその特徴点からスレッショルドレベルTHLを設定する形態に限らず、画像読取部10の出力から把握される何らかの「特徴」を利用して、スレッショルドレベルTHLが自動的に設定されるような形態を含む。例えば、そのような「特徴」としては、画像データの差分を検出する方法等が考えられる。すなわち、画像データを順次スキャンし、原稿外領域NSRと思われる低い輝度値から輝度値が大きく変化したところ(=原稿の地肌)の輝度値の中間輝度値をスレッショルドレベルTHLとする方法等が考えられる。なお、この観点からすれば、上述してきた「ヒストグラムデータ」は、ここにいう「特徴」に該当するものといえよう。
【0094】
さて以下では、「消去方法自動設定」についての説明を行う。
【0095】
次に、図15ステップSA3にあるように、取得されたスレッショルドレベルTHLが、予め定められた「矩形消去閾値」よりも小なるか否かが判定される。ここで、当該スレッショルドレベルTHLが、当該矩形消去閾値よりも小なる場合には、消去方法は「矩形消去」にセットされ(図15ステップSA31)、大なる場合には「斜角消去」にセットされる(図15ステップSA32)。また、差分が差分規定値以下となるまえに、負の値すなわち逆の傾きをしめしてしまい、スレッショルドレベルTHLが算出できかった場合には、消去方法は「矩形消去」にセットする(図11ステップA25)。ここまでの処理を完了すると、図15、図11及び図7に示すように、図7ステップS4へと戻る。
【0096】
なお、上記した矩形消去閾値は、例えば図5に示す不揮発メモリJNV又は読み出し専用メモリJRに記憶しておく。
【0097】
また、当該矩形消去閾値は、スレッショルドレベルTHLとは、密接な関係にあり、「斜角消去」で、画像の一部欠けが発生しない原稿S地肌濃度を実験的に求め、得られたものである。したがって、スレッショルドレベルTHL算出の説明の段で、スレッショルドレベルTHL算出方法を多種述べたが、当該矩形消去閾値は、各々のスレッショルドレベルTHL算出方法ごとに最適値をもつものである。
【0098】
以上のような処理は、以下のような背景に基づく。すなわち、読み取られた原稿Sが「淡い原稿」、すなわちスレッショルドレベルTHLが高い場合には、図10のようなヒストグラムデータが得られるはずであるから、スカイショットに基づくピークと原稿Sの地肌に基づくピークとは、輝度値にして大きく離れたところに現れる。したがって、原稿領域SRと原稿外領域NSRとの区別も確実に実施し得る。このことはつまり、主走査ラインごとの原稿領域SRと原稿外領域NSRとの区別が確実に実施され得ることを意味するから、消去方法として「斜角消去」が選択される場合にも、これを正確に実現することができる。また、原稿Sの地肌の濃度が淡いにもかかわらず、黒ベタ出力の存在する見栄えの悪い画像とならない。
【0099】
一方、原稿Sが「濃い原稿」であると判定された場合すなわちスレッショルドレベルTHLが低い場合、または、差分が差分規定値以下となるまえに、負の値すなわち逆の傾きをしめしてしまい、スレッショルドレベルTHLが算出できかった場合には、図12のようなヒストグラムデータが得られるはずであるから、スカイショットに基づくピークと原稿Sの地肌に基づくピークとは、輝度値にしてあまり離れていないところに現れる。したがって、スレッショルドレベルTHLの選択・設定は比較的困難となり、結果、原稿領域SRと原稿外領域NSRとの区別には、一定の不確実性が伴う。
【0100】
このことはつまり、主走査ラインごとの原稿領域SRと原稿外領域NSRとの区別につき、一定の不確実性が伴い、「斜角消去」を選択した場合、画像の一部が欠けてしまうという不具合が発生しやすいことから、消去方法としては、無条件に「矩形消去」を選択する方が安全である。なぜなら、このようにすれば、原稿Sを囲う最小の四辺形については、少なくとも画像形成が実施されるから、原稿Sの内容が転写紙P上に複写されないという危険性を排除することが可能となるからである。
【0101】
このように、本処理の実施によれば、自動的に適切な消去方法が選択されるから、装置使用者は、手動による消去方法設定を行う必要がない。また特に、このような処理によれば、装置使用者は、原稿Sのプラテンガラス11上における載置状況に特段の注意を払う必要がなくなることも効果として挙げられよう。すなわち、プラテンガラス11と原稿Sとの載置は、一般に、両者の辺同士が互いに一致することが好ましくはあるが、場合によっては、若干のずれを伴って載置されることも少なくない。上記処理によれば、このような場合おいても、良好な出力画像を得ることができる。
【0102】
さて図7に戻り、次に、図7ステップS3原稿外消去方法の「手動設定」が選択された場合、原稿SのSR、NSR認識のためのスレッショルドレベルを自動設定とするか手動設定とするか、また、手動設定が選択された際には該スレッショルドレベルをどのような値とするかが選択・設定される。
【0103】
まず、図9における「自動検知」ボタン941が装置使用者に押下され、スレッショルドレベル自動設定が選択されたときには、ステップS51、S52に移行し、これまでに述べた種々のスレッショルドレベルTHLの算出方法のいずれか一つの方法で算出すればよい。また、消去方法の自動設定の場合でも、消去方法自動設定のためのスレッショルドレベルTHLとは、同じであってもよく、また、別の方法で再度算出しても良い。また、同じ算出方法であった時に、図11ステップA25に示したように消去方法自動設定のためのスレッショルドレベルTHLが決定されない場合には、別な方法によって決めることは当然のことである。
【0104】
手動設定の場合は、図7ステップS501に移行し、装置使用者は基本的に任意のスレッショルドレベルTHLを選択することとなる。すなわち、装置使用者は、原稿濃度設定エリア94に示される5段階ボタン94aを用いて、地肌濃度に合わせて予め設定された5種のスレッショルドレベルTHLのいずれかを選択・設定ればよい。
【0105】
また、図9においては、上記に加えて、スレッショルドレベルTHLの設定を、「濃い原稿」ボタン94b、「やや濃い原稿」ボタン94c及び「淡い原稿」ボタン94dを押下・選択することにより、上記5種のスレッショルドレベルTHLのいずれかを選択・設定することも可能である。ここに「濃い原稿」とは、例えば原稿Sの地肌が黒であるようなもの、「淡い原稿」とは、例えば当該地肌が白や白に近いもの、「やや濃い原稿」とは、当該地肌がこれらの中間調にあるもの、等を意味する。
【0106】
以上のようにして、原稿外消去方法および原稿SのSR、NSR認識のためのスレッショルドレベルTHLが、自動設定又は手動設定によって定まると、図7ステップS6にあるように、該スレッショルドレベルTHLは図5に示す画像領域検知部JJにおけるスレッショルドレベルメモリに記憶される。
【0107】
次に、図7ステップS7にあるように、上述した図7ステップS3において選択された消去方法に基づいて、原稿Sの主走査線ごとにデータ更新を行うか否かを決定し、これに続いて、図7ステップS8にあるように、該決定の結果及び上記スレッショルドレベルTHLに基づいて、原稿領域SRの認定作業に入る。
【0108】
なお、以降の処理は、例えば従来の技術の項で概略説明したように、また、該項において挙げた特開平7−307856号公報(定型消去)(=矩形消去)や、特開平7−111579号公報(不定型消去)(=斜角消去)等に開示されているように実施される。すなわち、本実施形態に係る原稿領域SRの認定手法と、上記公報等における同手法とは、基本的に同様である。したがって、以下に述べる論理和演算その他の論理操作を実現する回路構成等については、上記公報を参照されたい。
【0109】
以下ではまず、消去方法として、「矩形消去」が設定(図7ステップS3)されている場合についての説明を行う。この場合においてはまず、上記図7ステップS7において、領域情報に基づく原稿画像データに対する主走査ラインごとのデータ更新処理は行わない(データ更新無し)旨、設定されることになる。
【0110】
「矩形消去」は、既に説明したように、図8(b)に示すような原稿外消去を実施する。したがって、原稿領域SRを認定するにあたっては、図8(b)に示すような原稿SIを含む最小の四辺形を見つけ、これを当該原稿領域SRと認定すればよい。換言すれば、原稿SIについて、主走査方向MSに関し最長距離を有するライン(主走査線)と、副走査方向ASに関し最長距離を有するライン(副走査線)とを見つければいいことになる。
【0111】
このような処理を実施するためには、従来の技術の項で述べたように、まずプレスキャン(上記HDスキャン時に取得したデータを利用してよい。)によって取得された各主走査線(まずは、その第1ライン、かつ該ライン上の各画素)に関する輝度データ値について、上記で設定されたスレッショルドレベルTHLとの比較演算が、図5に示すコンパレータJJCにおいて実施される。そして、各画素に係る輝度データ値は、上記スレッショルドレベルTHLよりも上か下かに基づき、原稿地データ値及び非原稿地データ値からなる二値化データとされる。なお、この処理は、前記スレッショルドレベルTHLが適切に選択・設定されていることにより、誤りが殆ど生じることのない、正確なものとして実施されることになる。
【0112】
この二値化データの取得は、上記第1ライン以降、最終ラインに至るまで順次実施され、かつ、各ラインについての該データ取得ごとに従前のデータに対する論理和が求められる。二値化データは、この論理和が求められるごとに図示しないラインメモリ等において逐次更新される(ここにいう「更新」は、図7ステップS7でいう「データ更新」とは異なる)。そして、このような更新を繰り返した結果、最終的に取得された二値化データにおいて、主走査方向MS上で最も離反した二つの原稿地データ値が存在する位置によって画される領域が、図5に示す原稿領域認定部JJRにより原稿領域SRと認定されることになる。
【0113】
これを概念的に図示すれば、例えば図14のようなものとなり、その上方では最終的に取得された二値化データの例が模式的に示されている。また、図14下方では、この最終的な二値化データに対応する数列例、及び該データが取得されるに至るまで、各主走査ラインごとに取得された二値化データの数列例が示されている。この図においては、第lラインにおいて囲み文字で示されている、0から1の遷移、及び、1から0の遷移が、原稿領域SR認定の決定的役割を果たしていることが容易に認められよう。なお、これら二つの遷移は、最終的な二値化データが上記したように論理和で求められることにより、最後まで保存されることになる。
【0114】
他方、上記のような主走査方向MSに関する原稿領域SRの認定処理とともに、原稿地データ値が存在すると認定された最先の主走査線(図14では、第1ライン目)及び最後の主走査線(同じく図14では、第mライン目)が位置する副走査方向ASの両端位置が、上記原稿領域認定部JJRにおいて確認され、かつ、該両端位置で挟まれた領域が、副走査方向ASに関する原稿領域SRとして認定される。
【0115】
以上の結果は、領域情報として領域記憶メモリJJMに記憶される。以下、この領域情報はガンマカーブ処理回路J4に送られ、該ガンマカーブ処理回路J4では、原稿外領域NSRについては画像形成が実施されないよう(=転写紙Pにトナーが転写されないよう)、例えば該原稿外領域NSRについての出力を“0”とするためのガンマカーブ設定が行われる。以上により、図8(b)に示すような矩形消去方法による原稿外消去複写が実施されることになる。
【0116】
一方、「斜角消去」では、まず、図7ステップS7において、領域情報に基づく原稿画像データに対する主走査ラインごとのデータ更新処理を行う(データ更新有り)旨、設定されることになる。
【0117】
「斜角消去」は、図8(c)に示すような原稿外消去を実施するから、原稿領域SRを認定するにあたっては、図8(b)に示すような原稿SIにおける各主走査線ごとに、原稿領域SR及び原稿外領域NSRの認定結果を保持し、これに基づく原稿画像データの加工を施さなければならない。
【0118】
このような処理を実施するためには、上記「矩形消去」と同様に、上記スレッショルドレベルTHL及び図5に示すコンパレータJJCによって二値化データを取得することに変わりはないが、各主走査ラインごとに取得される二値化データにおいて、主走査方向MS上で最も離反した二つの原稿地データ値が存在する位置(図14において下線が付された数列位置参照)が、各々領域情報として、領域記憶メモリJJMに記憶されていくことになる。なお、副走査方向ASに関する原稿領域SRの認定は、上記「矩形消去」の場合と同様である。
【0119】
ところで、上記における二値化処理は、上記で求められた「適切な」スレッショルドレベルTHLに基づき実施されることも「矩形消去」の場合と変わらないから、この場合においてもやはり、正確な原稿領域SR認定が実施されることとなるのは言うまでもない。
【0120】
以下、このような領域情報は、ガンマカーブ処理回路J4に送られ、該ガンマカーブ処理回路J4では、原稿外領域NSRについては画像形成が実施されないよう、該原稿外領域NSRについての出力を“0”とするためのガンマカーブ設定が、原稿画像データの各主走査ラインごとに、行われることになる。図7ステップS7にいう「データ更新」とは、このような処理のことを言う。以上により、図8(c)に示すような斜角消去方法による原稿外消去複写が実施されることになる。
【0121】
なお、このような斜角消去による原稿外消去は、図8(a)に示すような変則的形状となる原稿SIについて効果が確認されるだけでなく、例えばプラテンガラス11上に原稿Sを斜めに載置したような場合にも、その効果が確認される。すなわち、このような場合において、矩形消去が選択されるときには、図9におけるシンボル91に示すような黒ベタ出力される部位が存在することとなるところ、斜角消去が選択されるときには、同図シンボル92に示すような画像形成が実施されることになるからである。
【0122】
しかしながら、自動設定されれば問題は無いが、原稿外消去方法が手動設定された場合には、原稿Sの地肌濃度と、選択されたスレッショルドレベルTHL、または、原稿外消去設定が好ましくない関係で設定される場合があり、不具合のある画像が出力されてしまうことは否めない。また、前の装置使用者の設定が保存されてまま使用した場合にも、原稿Sの地肌濃度が異なれば、不具合のある画像が出力されてしまうこともある。
【0123】
しかしながら、特殊な原稿等の場合、例えば縁取りが僅かすぎて図13を用いて説明した方法でも救済されない原稿(喪中はがき等)の場合には、手動設定では逆に不具合を発生する恐れがある。したがって、装置としては自動設定のみならず手動で設定できる手動選択手段が必要となる。図9に示した表示例は、このような場合も含んで表示されている。
【0124】
以上説明したように、本実施形態における複写機1においては、適切なスレッショルドレベルTHL算出によって、自動的に、最適な原稿外消去方法が確実に、選択・設定されるから、どのような原稿S(濃度が低い、あるいは高い)に対しても、正確に原稿外消去機能の実現を達成することができる。
【0125】
ちなみに、上記したような作用ないし効果は、本実施形態のように複写機1に適用して享受し得るだけでなく、例えばファクシミリ装置(画像処理装置)においても、同様に適用することができる。すなわち、ファクシミリ装置に適用した場合には、送信対象となる原稿について原稿外消去機能が正確に作用するから、相手方にて出力される転写紙P上に、黒ベタ出力されるような画像形成は行われないことになる。また、上記ファクシミリ装置のほか、本発明は、複写機能、ファクシミリ機能及びプリンタ機能等を搭載する複合機(画像処理装置)に対して適用することも当然に可能である。
【0126】
さて続いて、以下では、本実施形態の変形例として、上記したスレッショルドレベルTHLの設定に関し、外部光の影響に配慮した形態について説明する。
【0127】
本実施形態においては、スレッショルドレベルTHLを自動設定するのに、ヒストグラムデータを用い、そこにおける確実な指標を得るために、「スカイショット」が実行されるような配慮がなされていた。しかしながら、このような「スカイショット」を実施すると、外部光がCCD撮像装置17に入射することは避け得ない。そして、この外部光の影響は、原稿Sが「濃い原稿」である場合であって、そのスレッショルドレベルTHLを決定する際においては、無視し得ない問題を生じさせる場合がある。
【0128】
より具体的に、外部光に関するヒストグラムデータを取得すると、例えば図16に示すようなものとなる。この図16と図12を再掲した図17とを見比べるとわかるように、外部光のレベル(輝度値)と原稿Sの地肌ピークのレベル(輝度値)との差が極めて小さくなり、適切なスレッショルドレベルTHLの設定を、より困難なものとする。
【0129】
例えば、図17において、上記したような「裾野」または「谷(アンダーピーク)」に基づくスレッショルドレベルTHL設定を行うと、外部光の影響を受けた範囲OWをいわば「取り込んだ」状態で、原稿領域SRが認定されてしまうことになる。つまり、原稿S外であって、本来、原稿外領域NSRと認定されるべき不要な部分を含んだ領域を、原稿領域SRと認定してしまうことになるので、画像形成は適切に実施され得ないことになる。
【0130】
そこで、このような不具合に対処するために、例えば図18に示すような処理を実施するとよい。まず、図18ステップU1にあるように、プラテンガラス11上に原稿Sを載置しない状態で光源12を走査させ(単独スカイショット)、外部光に関するヒストグラムデータを取得する。これは、既に参照した図16のようなものとして取得される。
【0131】
次に、図18ステップU2にあるように、このヒストグラムデータにおいて、測定される最大輝度値を確認し、これを「外部光レベルOL」として不揮発メモリJNVに記憶する(図18ステップU3)。
【0132】
以上のようにして外部光レベルOLを取得したら、図18ステップU4にあるように、スレッショルドレベルTHL設定が行われる。この設定自体は、上述したように、ヒストグラムデータに基づく自動設定であっても、手動設定であってもよい。また、自動設定する場合には、ピークに基づくもの、裾野に基づくもの等、上で説明した種々の手法で設定し得る。
【0133】
そして、このように設定されたスレッショルドレベルTHLは、図18ステップU5にあるように、上記で求められた外部光レベルOLと比較される。ここで、設定されたスレッショルドレベルTHLが、外部光レベルOLよりも大きい場合には、該設定のままのスレッショルドレベルTHLが確定され、そうでない場合には、図18ステップU6にあるように、設定されたスレッショルドレベルTHLは無視され、外部光レベルOLに一致した新たなスレッショルドレベルTHLが設定される。また、この場合には、新たなスレッショルドレベルTHLは、実際の原稿Sの地肌の輝度値より高く設定されているので、矩形消去閾値とは比較せずに、自動的に「矩形消去」を選択・設定するべきである。
【0134】
以上のことから明らかなように、外部光レベルOLは、スレッショルドレベルTHLの下限を画する作用を担う。そして、このようにすることで、上記したような不具合が回避されることが明らかである。すなわち、スレッショルドレベルTHLは、図17に示した外部光レベルOLよりも必ず大なる輝度値でもって設定されるから、本来、原稿外領域NSRと認定されるべきところを、原稿領域SRと認定するようなことがなくなるのである。
【0135】
また、「原稿外消去自動設定」のためのスレッショルドレベルTHLの算出で、輝度値をスキャンすることを繰り返し、頻度の差分を求める際、差分規定値以下になる前に輝度値が外部光レベルOLより小さくなった場合には、上記説明で原稿Sの地肌濃度は十分濃いことがわかる。すなわち、上記のごとく輝度値が外部光レベルOLより小さくなった場合には、「原稿外消去自動設定」は、「矩形消去」にセットしてもよい。
【0136】
なお、上記した外部光レベルOLに関する処理は、例えば図9に示した外部光レベルOL設定ボタン95を押下することにより、実施されるようにしておくとよい。この場合において、外部光レベルOLが未だ取得されていない場合には、図18ステップU1からの処理を実施し、既に取得されている場合には、図18ステップU4からの処理を実施する、と構成しておくことが可能である。また、前者の場合であって、プラテンガラス11上に原稿Sが載置されている場合には、装置使用者に対し、当該原稿Sをプラテンガラス11上から取り除くよう、これをLCDタッチパネル90に表示させるメッセージ等で促すような構成とするとよい(単独スカイショットを実施するため)。
【0137】
以下では、上記実施形態において触れることのなかった、本発明に関する補足事項について説明する。
【0138】
まず、本発明においては、上記実施形態で述べたような適切なスレッショルドレベルTHL設定を通じた正確な原稿外消去機能の実現を、いわゆる「リピート機能」や、「センタリング機能」を実施する際において、適用することが可能である。ここに、リピート機能とは、図21に示すように、原稿Sに形成されている画像を、一枚の転写紙P上に複数配列ないしは繰り返して画像形成を実施する機能のことをいい、センタリング機能とは、原稿Sに形成されている画像を、転写紙Pの中央に対し画像形成する機能のことをいう。前者は例えば名刺等を作成することを目的として利用され、後者は例えば綴じ代を作成すること等を目的として利用される。なお、いずれの機能についても、原稿画像データは、例えば適当な縮小等が施される場合がある。
【0139】
このような場合において、原稿S上に形成された画像の範囲を正確に認識することは、効果的なリピート機能の実現やセンタリング機能の実現に資する。このことは、図21及び図22を参照すれば明らかで、例えば図21において、原稿外領域NSRをも含む原稿画像が複数配列されて画像形成されるのでは、見栄えも悪く、また、限られた転写紙P面積上における画像配列数も少なくなってしまう。また、図22において、正確にセンタリングするためには、原稿外領域NSRが含まれた原稿画像を利用することは好ましくない。
【0140】
したがって、このようなリピート機能、あるいはセンタリング機能を実施するにあたり、上記実施形態で述べたような、適切なスレッショルドレベルTHLを通じた正確な原稿外消去機能の適用を行えば、より効果的なリピート機能やセンタリング機能の実現を図ることができる。
【0141】
なお、上記にいうセンタリング機能とは、「原稿位置補正機能」の一種と捕らえることが可能である。ここに、より広い概念たる「原稿位置補正機能」とは、センタリングに限らず、例えば転写紙P右辺から25mmは余白とする等の設定が可能な機能のことをいう。ところで、このような「原稿位置補正機能」にあっても、上記議論がそのまま当てはまることは明らかであろう。
【0142】
また、上記においては、ヒストグラムデータを取得するためのHDスキャンや、原稿領域SRを認定するためのプレスキャンを実施することについて説明し、また、両スキャンを実施することで必要とされるデータの取得は、例えばHDスキャン時において、一時に取得しておくことが可能なことも説明した。
【0143】
ところで、上記したようなスキャンの他、従来の複写機においては、上記ガンマカーブ処理回路J4の作用説明を行った際に触れたように、原稿Sの濃度を検知することを目的としたEEスキャンが実施されることがある。
【0144】
本発明においては、このEEスキャン時において、上記HDスキャンやプレスキャンが目的とするデータ取得を一時に行ってよい。なお、一般に、上記EEスキャンにより濃度測定される原稿Sの範囲は、例えばプラテンガラス11上に原稿が載置されるのであれば、原稿の内側20mmの範囲等とされ、また、図示しない自動原稿搬送部(RADF)を利用する場合には、原稿先端部(例えば1.5〜2.9mm等)の範囲等とされることがあるが、上記のように、一時に各種スキャンの目的を達するためには、一般的にいえば、原稿Sの全範囲をスキャンすることになろう。
【0145】
また、上記実施形態においては、いま述べたように、原稿外消去機能を実施するにあたって、何らかのスキャンを実施することを前提としていたが、本発明は、このような形態に限定されるものではない。例えば、図5に示す画像メモリJMに一旦蓄えられた、ある原稿Sについての原稿画像データに基づいて、原稿外消去機能を実施するようにしてよい。むろんヒストグラムデータの取得も、該原稿画像データに基づいて実施可能であることも当然である。
【0146】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の画像処理装置によれば、原稿領域と原稿外領域を区別する基準となるスレッショルドレベルの適切な設定を可能とし、また、設定されたスレッショルドレベルから適切な原稿外消去方法の選択を可能とし、もってより正確な原稿外消去機能の実現を図り得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る複写機の機構的構成例を示す概要図である。
【図2】図1に示す複写機の画像読取部周辺の外観を示す斜視図である。
【図3】画像読取部に設けられる覆い検知センサの外観を示す概要図である。
【図4】図1に示す複写機の電気的構成例を示す概要図である。
【図5】図4に示す画像処理部の回路構成例を示す説明図である。
【図6】画像読取部により読み取られる原稿の輝度値と濃度値との関係を示すグラフである。
【図7】スレッショルドレベルの設定処理を含む原稿外消去機能の処理流れの様子を示すフローチャートである。
【図8】原稿外消去機能における消去方法を説明する図であって、(a)は矩形消去を、(b)は斜角消去をそれぞれ示すものである。
【図9】原稿外消去機能に関する設定画面の表示例を示す説明図である。
【図10】原稿の地肌が淡い場合に取得されるヒストグラムデータ例を示すグラフである。
【図11】スレッショルドレベル自動算出処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】原稿の地肌が濃い場合に取得されるヒストグラムデータ例を示すグラフである。
【図13】原稿の地肌が濃い淡い混在場合に取得されるヒストグラムデータ例を示すグラフである。
【図14】矩形消去を消去方法とする原稿外消去機能の実現を概念的に説明する説明図である。
【図15】消去方法自動設定の処理流れの様子を示すフローチャートである。
【図16】外部光に関し取得されるヒストグラムデータ例を示すグラフである。
【図17】スレッショルドレベル設定において、外部光が及ぼす影響を説明する説明図である。
【図18】外部光レベル検知に係る処理の流れを示すフローチャートである。
【図19】従来における原稿外消去機能を説明する説明図である。
【図20】図19に同趣旨の図である。
【図21】リピート機能を説明する説明図である。
【図22】センタリング機能を説明する説明図である。
【符号の説明】
10 画像読取部
11 プラテンガラス
12 光源
13 ミラー(プラテンガラス直下)
141、142 ミラー(固定式)
17 CCD撮像装置
OSS 覆い検知センサ
20 画像書込部
30 画像形成部
40 転写紙搬送部
50 転写紙排紙部
B データバス
C 制御部
H 入力部
90 LCDタッチパネル
J 画像処理部
JH ヒストグラム作成回路
JJ 原稿領域検知部
JJC コンパレータ
JJR 原稿領域認定部
JJM 領域情報メモリ
J1 輝度−濃度変換回路
J2 空間フィルタ処理回路
J3 主走査拡大・縮小処理回路
J4 ガンマカーブ設定処理回路
J5 誤差拡散処理回路
J6 PWM補正処理回路
J7 画像出力回路
JM 画像メモリ
JNV 不揮発メモリ
JR 読み出し専用メモリ(ROM)
S 原稿
SR 原稿領域
NSR 原稿外領域
MS 主走査方向
AS 副走査方向
Claims (20)
- 原稿に形成された画像を読み取ることが可能な画像読取部と、該画像読取部の出力に基づいて前記原稿が存在する領域と当該原稿が存在しない領域とを領域認識閾値を基準として区別・認定する画像処理部とからなり、前記原稿が存在しない領域に対応する記録材上の当該領域への出力画像を消去する原稿外消去手段を有する画像処理装置において、
前記原稿外消去手段は、前記原稿を含む最小の四辺形内を原稿領域とする矩形消去機能と、同領域を前記画像読取部で読取った原稿の端点で形成する斜角消去機能とを有し、
矩形消去閾値と原稿地肌レベル値とに基づいて、前記矩形消去機能又は前記斜角消去機能のいずれかを自動的に選択する選択手段を設けたことを特徴とする画像処理装置。 - 原稿に形成された画像を読み取ることが可能な画像読取部と、該画像読取部の出力に基づいて前記原稿が存在する領域と当該原稿が存在しない領域とを領域認識閾値を基準として区別・認定する画像処理部とからなり、前記原稿が存在しない領域に対応する記録材上の当該領域への出力画像を消去する原稿外消去手段を有する画像処理装置において、
前記原稿外消去手段は、前記原稿を含む最小の四辺形内を原稿領域とする矩形消去機能と、同領域を前記画像読取部で読取った原稿の端点で形成する斜角消去機能とを有し、
前記矩形消去機能、前記斜角消去機能、または、前記矩形消去機能及び前記斜角消去機能の自動的選択のいずれかを選択するための手動選択手段を設けたことを特徴とする画像処理装置。 - 前記原稿地肌レベル値は、前記画像読取部の出力により把握される特徴に基づいて自動的に設定される請求項1に記載の画像処理装置。
- 前記画像読取部は、前記原稿に投射する光を発する光源及び該光が当該原稿で反射された光を電気信号に変換する光電変換装置を備え、
前記画像読取部の出力は、前記光電変換装置の出力たる輝度データ値であり、
前記特徴は、前記輝度データ値又は該輝度データ値を変換した濃度データ値の別に応じ、その頻度が集計されたヒストグラムデータであることを特徴とする請求項3記載の画像処理装置。 - 原稿に形成された画像を読み取ることが可能な画像読取部と、該画像読取部の出力に基づいて前記原稿が存在する領域と当該原稿が存在しない領域とを領域認識閾値を基準として区別・認定する画像処理部とからなり、前記原稿が存在しない領域に対応する記録材上の当該領域への出力画像を消去する原稿外消去手段を有する画像処理装置において、
前記画像読取部は、原稿ガラス上に載置された前記原稿に投射する光を発する光源及び該光が当該原稿で反射された光を電気信号に変換する光電変換装置を備え、
前記原稿外消去手段は、前記原稿を含む最小の四辺形内を原稿領域とする矩形消去機能と、同領域を前記画像読取部で読取った原稿の端点で形成する斜角消去機能とを有し、
矩形消去閾値と原稿地肌レベル値とに基づいて、前記矩形消去機能又は前記斜角消去機能のいずれかを自動的に選択する選択手段を設け、
前記選択手段は、前記光電変換装置の出力たる輝度データ値又は該輝度データ値を変換した濃度データ値の別に応じ、
その頻度が集計されたヒストグラムデータから自動的に設定される原稿地肌レベル値が、外部光が入射することにより発生する前記光電変換装置の出力に基づいて取得される外部光レベルよりも小さく設定された場合、もしくは、設定されることが予測される場合には、自動的に矩形消去機能を選択する選択手段であることを特徴とする画像処理装置。 - 前記原稿地肌レベル値は、前記ヒストグラムデータにおいて観察されるピークに関する輝度データ値又は濃度データ値に基づいて自動的に設定されることを特徴とする請求項4または5のいずれかに記載の画像処理装置。
- 前記ピークは、前記ヒストグラムデータにおいて観察されるピークのうち、スカイショットによって現れるピークを除き、第一位のピークとして現れるピークである請求項6記載の画像処理装置。
- 前記ピークは、前記ヒストグラムデータにおいて観察されるピークのうち、スカイショットによって現れるピークを除き、第一位及び第二位のピークとして現れるピークの輝度値の低い又は濃度の高い側のピークである請求項6記載の画像処理装置。
- 前記原稿地肌レベル値は、前記ヒストグラムデータにおいて観察されるピーク近傍に関する輝度データ値又は濃度データ値に基づいて算出される頻度差分値と差分規定値から設定されることを特徴とする請求項6乃至8のいずれかに記載の画像処理装置。
- 原稿に形成された画像を読み取ることが可能な画像読取部と、該画像読取部の出力に基づいて前記原稿が存在する領域と当該原稿が存在しない領域とを領域認識閾値を基準として区別・認定する画像処理部とからなり、前記原稿が存在しない領域に対応する記録材上の当該領域への出力画像を消去する原稿外消去手段を有する画像処理装置において、
前記画像読取部は、原稿ガラス上に載置された前記原稿に投射する光を発する光源及び該光が当該原稿で反射された光を電気信号に変換する光電変換装置を備え、
前記原稿外消去手段は、前記原稿を含む最小の四辺形内を原稿領域とする矩形消去機能と、同領域を前記画像読取部で読取った原稿の端点で形成する斜角消去機能とを有し、
矩形消去閾値と原稿地肌レベル値とに基づいて、前記矩形消去機能又は前記斜角消去機能のいずれかを自動的に選択する選択手段を設け、
前記選択手段は、前記光電変換装置の出力たる輝度データ値又は該輝度データ値を変換した濃度データ値の別に応じ、その頻度が集計されたヒストグラムデータにおいて観察されるピーク近傍に関する輝度データ値又は濃度データ値に基づいて算出される頻度差分値と差分規定値から設定される原稿地肌レベル値が、設定されなかった場合には、自動的に矩形消去機能を選択する選択手段であることを特徴とする画像処理装置。 - 前記原稿地肌レベル値は、前記ヒストグラムデータにおいて観察されるピーク近傍に関する輝度データ値又は濃度データ値に基づいて算出される頻度差分値と差分規定値の大小関係の変化点から設定されることを特徴とする請求項9乃至10のいずれかに記載の画像処理装置。
- 前記原稿地肌レベル値は、前記ピークに代え又は前記ピークとともに、
前記ヒストグラムデータにおける極大点、極小点、変極点、前記ピーク付近の裾野、アンダーピークの一以上を利用して自動的に設定されることを特徴とする請求項6記載の画像処理装置。 - 前記領域認識閾値と前記原稿地肌レベル値が、同一である請求項6乃至12のいずれかに記載の画像処理装置。
- 請求項1乃至13のいずれかに記載の画像処理装置によって設定される閾値を基準として前記原稿の存在する領域及び前記原稿の存在しない領域を区別・認定する機能を、
原稿領域を抽出し出力画像上に複数の原稿画像を繰り返し作成するリピート機能又は原稿領域を抽出し原稿画像を移動させる原稿位置補正機能に対して適用することを特徴とする画像処理装置。 - 前記画像読取部は、前記原稿に投射する光を発する光源及び該光が当該原稿で反射された光を電気信号に変換する光電変換装置を備え、
前記画像読取部の出力は、前記光源が前記原稿に対し一定方向に走査されることにより取得される場合において、
前記画像読取部の出力により把握される特徴の取得、前記閾値の自動設定及び前記画像処理部における前記区別・認定、に必要な情報を、前記走査を一回実施するのみで取得することを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の画像処理装置。 - 原稿に形成された画像を画像読取部で読み取り、原稿外消去手段によって該画像読取部の出力に基づいて前記原稿が存在する領域と当該原稿が存在しない領域とを領域認識閾値を基準として区別・認定し、前記原稿が存在しない領域に対応する記録材上の当該領域への出力画像を消去する画像処理方法において、
前記原稿外消去手段は、前記原稿を含む最小の四辺形内を原稿領域とする矩形消去方法と、同領域を前記画像読取部で読取った原稿の端点で形成する斜角消去方法とを有し、
矩形消去閾値と原稿地肌レベル値とに基づいて、前記矩形消去方法又は前記斜角消去方法のいずれかを自動的に選択するステップを有することを特徴とする画像処理方法。 - 原稿に形成された画像を画像読取部で読み取り、原稿外消去手段によって該画像読取部の出力に基づいて前記原稿が存在する領域と当該原稿が存在しない領域とを領域認識閾値を基準として区別・認定し、前記原稿が存在しない領域に対応する記録材上の当該領域への出力画像を消去する画像処理方法において、
前記原稿外消去手段は、前記原稿を含む最小の四辺形内を原稿領域とする矩形消去方法と、同領域を前記画像読取部で読取った原稿の端点で形成する斜角消去方法とを有し、
前記矩形消去方法、前記斜角消去方法、または、前記矩形消去方法及び前記斜角消去方法の自動的選択のいずれかを手動で選択するステップを有することを特徴とする画像処理方法。 - 前記請求項16または17のいずれかに記載の画像処理方法を実行するためのプログラム。
- 前記請求項18に記載のプログラムを記憶した記憶媒体。
- 前記原稿地肌レベル値が前記矩形消去閾値よりも小なるか否かを判定する判定手段を有し、
前記原稿地肌レベル値が前記矩形消去閾値よりも小なる場合は、前記矩形消去機能が選択され、
前記原稿地肌レベル値が前記矩形消去閾値よりも大なる場合は、前記斜角消去機能が選択されることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
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