JPH07105857B2 - 画像読取装置の自己診断システム - Google Patents

画像読取装置の自己診断システム

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JPH07105857B2
JPH07105857B2 JP1064266A JP6426689A JPH07105857B2 JP H07105857 B2 JPH07105857 B2 JP H07105857B2 JP 1064266 A JP1064266 A JP 1064266A JP 6426689 A JP6426689 A JP 6426689A JP H07105857 B2 JPH07105857 B2 JP H07105857B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の記録装
置の画像読取装置に係り、特に、画像読取装置の複数の
回路基板のトラブル分離を、容易に、且つ短時間で行う
ことのできる画像読取装置の自己診断システムに関する
ものである。
[従来の技術] 記録装置の例として複写機を取り上げると、従来の複写
機は、原稿をランプで照射し、その像を適当な光学系を
介して感材ドラムまたは感材ベルトに結像させ、潜像を
形成していたので、画像読取装置はランプとその走査系
および/または光学系だけであり、従って、画像読取装
置に故障が発生した場合には、ランプの導通テストある
いはオン/オフチェック、そして走査系のチェック、光
学系のチェックを行えばよいものであった。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、近年、複写機、ファクシミリ、プリンタ
等の記録装置においては、コンピュータの導入により高
度な制御技術、画像データ処理技術等を駆使することに
よって、高画質化、多機能化が図られてきており、画像
読取装置としては、CCD等を用いたラインセンサにより
オリジナルの画像を電気信号に分解して、ディジタル化
し、所望の画像処理を行うことが広く採用されてきてい
る。
従って、画像読取装置に何等かの故障が生じた場合に
は、ラインセンサの故障なのか、その後段のビデオ信号
を処理する回路の故障なのかを判断しなければならな
い。しかしそのためには、オシロスコープ等の測定器を
使用して回路各部のビデオ信号を測定する必要がある
が、オシロスコープを持ち歩くことは非常に煩わしいも
のであるし、また、サービスに熟練を要し、時間がかか
るという問題がある。
その一方、サービス時間を短縮することが望まれてい
る。サービス時間が短ければ短い程マシンのダウンタイ
ムが短くなり、ユーザにとって好ましいものであるし、
また、サービス時間が短くて済むなら、一人のサービス
マンが担当できるマシンの数も多くなり、全体としてサ
ービスコストを大幅に低減させることが可能となるから
である。
本発明は、上記の課題を解決するものであって、イメー
ジングユニットと、アナログ回路部と、デジタル回路部
とを備える画像読取装置において、トラブルが画像読取
装置に生じているのか、あるいはその後段の装置に生じ
ているのか、そしてトラブルが画像読取装置に生じてい
る場合には、回路部単位でどの回路部にトラブルが生じ
ているかというトラブル分離を、未熟練者であっても、
短時間で、しかも特別な測定器等を使用することなく、
容易に行うことができる画像読取装置の自己診断システ
ムを提供することを目的とするものである。
また、本発明は、可能な限り安価に構成できる画像読取
装置の自己診断システムを提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段および作用] まず、本発明の基本的な概念について第1図(a)を参
照して説明すると次のようである。
本発明に係る画像読取装置は、イメージングユニット
(IU)1と、少なくとも一つの回路部2とで構成され、
回路部2には二つのパターンジェネレータ(PG)3,4お
よびスイッチ5,6が設けられている。
IU1は、CCD等で構成されたイメージセンサ等を備えてい
る。回路部2はIU1のイメージセンサから出力されるア
ナログビデオ信号に対して所定の信号処理を施すもので
ある。
そして、回路部2の入力端および出力端にはスイッチ5,
6が設けられており、スイッチ5の端子aにはIU1からの
ビデオ信号が、端子bにはパターンジェネレータPG3か
らの信号がそれぞれ供給されるようになされており、ま
た、スイッチ6の端子aにはビデオ信号が、端子bには
パターンジェネレータPG4からの信号がそれぞれ供給さ
れるようになされている。
このような構成において、画像読取装置のトラブル分離
を行うには、例えば、まずスイッチ5をb側に、スイッ
チ6をa側にそれぞれ接続し、パターンジェネレータPG
3から所定のパターン信号を供給し、コピーを行う。そ
の結果、所望のパターンが出力されれば回路部2以降は
正常に機能していることが確認され、従って、トラブル
はIU1で発生していることが分かるので、IU1をチェック
することでトラブルを解消することができる。
また、パターンジェネレータPG3を使用してコピーを行
った結果、依然として出力画像に異常がある場合には、
次にスイッチ6をb側に接続し、パターンPG4から所定
のパターン信号を供給し、コピーを行う。その結果出力
画像が良好であれば、トラブルは回路部2の内部で発生
していることが分かり、また依然として不良であればト
ラブルは後段の基板で発生していることが分かる。な
お、トラブル分離の操作手順としては、上記とは逆に、
パターンジェネレータPG4を用いたチェックから行って
もよいことは明らかである。
以上が本発明の基本的な概念であるが、請求項1記載の
画像読取装置の自己診断システムにおいては、第1図
(b)に示すように、画像読取装置は、IU1、アナログ
回路部10、デジタル回路部11を備える。アナログ回路部
10はIU1のイメージセンサから出力されるアナログビデ
オ信号に対して所定のアナログ信号処理を施すと共にア
ナログビデオ信号をデジタル化するものであり、デジタ
ル回路部11はアナログ回路部10から出力されるデジタル
ビデオ信号に対して所定のデジタル信号処理を施して後
段の装置(第1図(b)には図示せず)に出力するもの
である。
そして、更に、アナログパターンジェネレータPG13、第
1のデジタルパターンジェネレータPG14、第2のデジタ
ルパターンジェネレータPG15、第1のスイッチ16、第2
のスイッチ17、及び第3のスイッチ18が設けられてい
る。ここで、PG13,PG14,PG15はそれぞれ所定のパターン
信号を発生する。第1のスイッチ16は、アナログ回路部
にアナログパターンジェネレータからのパターン信号を
入力させるか、イメージセンサからのアナログビデオ信
号を入力させるかを切り換えるためのものであり、第2
のスイッチ17はデジタル回路部にアナログ回路部からの
デジタルビデオ信号を入力させるか、第1のデジタルパ
ターンジェネレータからのパターン信号を入力させるか
を切り換えるためのものであり、第3のスイッチはデジ
タル回路部から第2のデジタルパターンジェネレータか
らのパターン信号を出力するか、デジタル回路部からの
デジタルビデオ信号を出力させるかを切り換えるための
ものである。
従って、第1のスイッチ16をPG13側に接続し、且つ第
2、第3のスイッチ17、18を図の実線のように接続した
ときに得られる出力画像と、第2のスイッチ17をPG14側
に接続し、且つ第3のスイッチ18を図のように接続した
ときに得られる出力画像と、第3のスイッチ18をPG15側
に接続したときに得られる出力画像とを観察することだ
けで、トラブルがIU1に生じているのか、アナログ回路
部10に生じているのか、あるいはデジタル回路部11に生
じているのかを、画像読取装置に習熟していない者で
も、容易に、短時間に識別することができる。
以上のように、請求項1記載の画像読取装置の自己診断
システムにおいては、各スイッチを対応するPG側に切り
換えて画像記録を行うだけで容易に且つ短時間で画像読
取装置のトラブル分離を行うことができる。また、PGと
スイッチを追加すればよいので、比較的安価に構成する
ことができるものである。
請求項2記載の画像読取装置の自己診断システムは、第
1図(b)のPG13として鋸歯状波発生器を用いるという
ものであり、このように鋸歯状波発生器を用いることに
よって安価に構成することができる。
請求項3記載の画像読取装置の自己診断システムは、第
1図(b)のデジタル回路部11の最終段はシェーディン
グ補正回路とし、当該シェーディング補正回路のシェー
ディング補正用データを格納するラインメモリをPG15と
して兼用するというものであり、PG15からパターン信号
を発生させる場合には当該ラインメモリに所定のパター
ン信号を生成するためのパターンデータを書き込むよう
にする。
これによりシェーディング補正用データを格納するライ
ンメモリを第3のPG15にも兼用できるので安価に構成す
ることができるものである。
[実施例] 以下、実施例につき本発明を詳細に説明する。
目次 この実施例では、記録装置の1例として、カラー複写機
を取り上げて説明するが、これに限定されるものではな
く、プリンタやファクシミリ、その他の画像記録装置に
も適用できることは勿論である。
まず、実施例の説明に先立って、目次を示す。なお、以
下の説明において、(I)〜(II)は、本発明が適用さ
れる複写機の全体構成の概要を説明する項であって、そ
の構成の中で本発明の実施例を説明する項が(III)で
ある。
(I)装置の概要 (I-1)装置構成 (I-2)システムの機能・特徴 (I-3)電気系制御システムの構成 (II)具体的な各部の構成 (II-1)システム (II-2)イメージ処理システム(IPS) (II-3)イメージ出力ターミナル(IOT) (II-4)ユーザインタフェース(U/I) (II-5)フィルム画像読取装置 (III)イメージ入力ターミナル(IIT) (III-1)イメージングユニット駆動機構 (III-2)ステッピングモータの制御方式 (III-3)IITのコントロール方式 (III-4)イメージングユニット (III-5)ビデオ信号処理回路 (III-6)自己診断システム(本発明の要部) (I)装置の概要 (I-1)装置構成 第2図は本発明が適用されるカラー複写機の全体構成の
1例を示す図である。
本発明が適用されるカラー複写機は、基本構成となるベ
ースマシン30が、上面に原稿を載置するプラテンガラス
31、イメージ入力ターミナル(IIT)32、電気系制御収
納部33、イメージ出力ターミナル(IOT)34、用紙トレ
イ35、ユーザインタフェース(U/I)36から構成され、
オプションとして、エディットパッド61、オートドキュ
メントフィーダ(ADF)62、ソータ63およびフィルムプ
ロジェクタ(F/P)64を備える。
前記IIT、IOT、U/I等の制御を行うためには電気的ハー
ドウェアが必要であるが、これらのハードウェアは、II
T、IITの出力信号をイメージ処理するIPS、U/I、F/P等
の各処理の単位毎に複数の基板に分けられており、更に
それらを制御するSYS基板、およびIOT、ADF、ソータ等
を制御するためのMCB基板(マスターコントロールボー
ド)等と共に電気制御系収納部33に収納されている。
IIT32は、イメージングユニット37、該ユニットを駆動
するためのワイヤ38、駆動プーリ39等からなり、イメー
ジングユニット37内のCCDラインセンサ、カラーフィル
タを用いて、カラー原稿を光の原色B(青)、G
(緑)、R(赤)毎に読取り、デジタル画像信号に変換
してIPSへ出力する。
IPSでは、前記IIT32のB、G、R信号をトナーの原色Y
(イエロー)、C(シアン)、M(マゼンタ)、K(ブ
ラック)に変換し、さらに、色、階調、精細度等の再現
性を高めるために、種々のデータ処理を施してプロセス
カラーの階調トナー信号をオン/オフの2値化トナー信
号に変換し、IOT34に出力する。
IOT34は、スキャナ40、感材ベルト41を有し、レーザ出
力部40aにおいて前記IPSからの画像信号を光信号に変換
し、ポリゴンミラー40b、F/θレンズ40cおよび反射ミラ
ー40dを介して感材ベルト41上に原稿画像に対応した潜
像を形成させる。感材ベルト41は、駆動プーリ41aによ
って駆動され、その周囲にクリーナ41b、帯電器41c、
Y、M、C、Kの各現像器41dおよび転写器41eが配置さ
れている。そして、この転写器41eに対向して転写装置4
2が設けられていて、用紙トレイ35から用紙搬送路35aを
経て送られる用紙をくわえ込み、例えば、4色フルカラ
ーコピーの場合には、転写装置42を4回転させ、用紙に
Y、M、C、Kの順序で転写させる。転写された用紙
は、転写装置42から真空搬送装置43を経て定着器45で定
着され、排出される。また、用紙搬送路35aには、SSI
(シングルシートインサータ)35bからも用紙が選択的
に供給されるようになっている。
U/I36は、ユーザが所望の機能を選択してその実行条件
を指示するものであり、カラーディスプレイ51と、その
横にハードコントロールパネル52を備え、さらに赤外線
タッチボード53を組み合わせて画面のソフトボタンで直
接指示できるようにしている。次に、ベースマシン30へ
のオプションについて説明する。1つはプラテンガラス
31上に、座標入力装置であるエディットパッド61を載置
し、入力ペンまたはメモリカードにより、各種画像編集
を可能にする。また、既存のADF62、ソータ63の取付を
可能にしている。
さらに、本実施例における特徴は、プラテンガラス31上
にミラーユニット(M/U)65を載置し、これにF/P64から
フィルム画像を投射させ、IIT32のイメージングユニッ
ト37で画像信号として読取ることにより、カラーフィル
ムから直接カラーコピーをとることを可能にしている。
対象原稿としては、ネガフィルム、ポジフィルム、スラ
イドが可能であり、オートフォーカス装置、補正フィル
タ自動交換装置を備えている。
(I-2)システムの機能・特徴 (A)機能 本発明は、ユーザのニーズに対応した多種多彩な機能を
備えつつ複写業務の入口から出口までを全自動化すると
共に、前記ユーザインターフェイスにおいては、機能の
選択、実行条件の選択およびその他のメニュー等の表示
をCRT等のディスプレイで行い、誰もが簡単に操作でき
ることを大きな特徴としている。
その主要な機能として、ハードコトロールパネルの操作
により、オペレーションフローで規定できないスター
ト、ストップ、オールクリア、テンキー、インタラプ
ト、インフォメーション、言語切り換え等を行い、各種
機能を基本画面のソフトボタンをタッチ操作することに
より選択できるようにしている。また機能選択領域であ
るパスウエイに対応したパスウエイタブをタッチするこ
とによりマーカー編集、ビジネス編集、クリエイティブ
編集等各種編集機能を選択できるようにし、従来のコピ
ー感覚で使える簡単な操作でフルカラー、白黒兼用のコ
ピーを行うことができる。
本装置では4色フルカラー機能を大きな特徴としてお
り、さらに3色カラー、黒をそれぞれ選択できる。
用紙供給は自動用紙選択、用紙指定が可能である。
縮小/拡大は50〜400%までの範囲で1%刻みで倍率設
定することができ、また縦と横の倍率を独立に設定する
偏倍機能、及び自動倍率選択機能を設けている。
コピー濃度は白黒原稿に対しては自動濃度調整を行って
いる。
カラー原稿に対しては自動カラーバランス調整を行い、
カラーバランスでは、コピー上で減色したい色を指定す
ることができる。
ジョブプログラムではメモリカードを用いてジョブのリ
ード、ライトができ、メモリカードへは最大8個のジョ
ブが格納できる。容量は32キロバイトを有し、フィルム
プロジェクターモード以外のジョブがプログラム可能で
ある。
この他に、付加機能としてコピーアウトプット、コピー
シャープネス、コピーコントラスト、コピーポジショ
ン、フィルムプロジェクター、ページプログラミング、
マージンの機能を設けている。
コピーアウトプットは、オプションとしてソーターが付
いている場合、Uncollatedが選択されていると、最大調
整機能が働き、設定枚数をビン収納最大値内に合わせ込
む。
エッジ強調を行うコピーシャープネスは、オプションと
して7ステップのマニュアルシャープネス調整、写真
(Photo)、文字(Character)、網点印刷(Print)、
写真と文字の混合(Photo/Character)からなる写真シ
ャープネス調整機能を設けている。そしてデフォルトと
ツールパスウエイで任意に設定できる。
コピーコントラストは、オペレーターが7ステップでコ
ントロールでき、デフォルトはツールパスウエイで任意
に設定できる。
コピーポジジョンは、用紙上でコピー像を載せる位置を
選択する機能で、オプションとして用紙のセンターにコ
ピー像のセンターを載せるオートセンタリング機能を有
し、デフォルトはオートセンタリングである。
フィルムプロジェクターは、各種フィルムからコピーを
とることができるもので、35mmネガ・ボジのプロジェク
ション、35mmネガプラテン置き、6cm×6cmスライドプラ
テン置き、4in×4inスライドプラテン置きを選択でき
る。フィルムプロジェクタでは、特に用紙を選択しなけ
ればA4用紙が自動的に選択され、またフィルムプロジェ
クタポップアップ内には、カラーバランス機能があり、
カラーバランスを“赤味”にすると赤っぽく、“青味”
にすると青っぽく補正され、また独自の自動濃度コント
ロール、マニュアル濃度コントロールを行っている。
ページプログラミングでは、コピーにフロント・バック
カバーまたはフロントカバーを付けるカバー機能、コピ
ーとコピーの間に白紙またはカラーペーパーを挿入する
インサート機能、原稿の頁別にカラーモードを設定でき
るカラーモード、原稿の頁別にペーパートレイを選択で
き、カラーモードと併せて設定できる用紙選択の機能が
ある。
マージンは、0〜30mmの範囲で1mm刻みでマージンを設
定でき、1原稿に対して1辺のみ指定可能である。
マーカー編集は、マーカーで囲まれた領域に対して編集
加工する機能で、文書を対象とするもので、そのため原
稿は白黒原稿として扱い、黒モード時は指定領域内をCR
T上のパレット色に返還し、指定領域外は黒コピーとな
る。また赤黒モード時は、イメージを赤色に変換し、領
域外は赤黒コピーとなり、トリム、マスク、カラーメッ
シュ、ブラックtoカラーの機能を設けている。なお、領
域指定は原稿面に閉ループを描くか、テンキーまたはエ
ディットパッドにより領域を指定するかにより行う。以
下の各編集機能における領域指定でも同様である。そし
て指定した領域はCRT上のビットマップエリアに相似形
で表示する。
トリムはマーク領域内のイメージのみ白黒でコピーし、
マーク領域外のイメージは消去する。
マスクはマーク領域内のイメージは消去し、マーク領域
外のイメージのみ白黒でコピーする。
カラーメッシュでは、マーク領域内に指定の色網パター
ンを置き、イメージは白黒でコピーされ、カラーメッシ
ュの色は8標準色(あらかじめ決められた所定の色)、
8登録色(ユーザーにより登録されている色で1670万色
中より同時8色まで登録可)から選択することができ、
また網は4パターンから選択できる。
ブラックtoカラーではマーク領域内のイメージを8標準
色、8登録色から選択した指定の色でコピーすることが
できる。
ビジネス編集はビジネス文書中心に、高品質オリジナル
がすばやく作製できることを狙いとしており、原稿はフ
ルカラー原稿として扱われ、全ての機能ともエリアまた
はポイントの指定が必要で、1原稿に対して複数ファン
クション設定できる。そして、黒/モノカラーモード時
は、指定領域以外は黒またはモノカラーコピーとし、領
域内は黒イメージをCRT上のパレット色に色変換し、ま
た赤黒モード時は指定領域外は赤黒コピー、領域内は赤
色に変換する。そして、マーカー編集の場合と同様のト
リム、マスク、カラーメッシュ、ブラックtoカラーの外
に、ロゴタイプ、ライン、ペイント1、コレクション、
ファンクションクリアの機能を設けている。
ロゴタイプは指定ポイントにシンボルマークのようなロ
ゴを挿入できる機能で、2タイプのロゴをそれぞれ縦置
き、横置きが可能である。但し1原稿に対して1個のみ
設定でき、ロゴパターンは顧客ごとに用意してROMによ
り供給する。
ラインは、2点表示によりX軸に対して垂線、または水
平線を描く機能であり、ラインの色は8標準色、8登録
色からライン毎に選択することができ、指定できるライ
ン数は無制限、使用できる色は一度に7色までである。
ペイント1は、閉ループ内に対して1点指示することに
よりループ内を8標準色、8登録色からループ毎に選択
した色で塗りつぶす機能である。網は4パターンからエ
リア毎に選択でき、指定できるループ数は無制限、使用
できる色網パターンは7パターンまでである。
コレクション機能は、エリア毎の設定ファンクションを
確認及び修正することができるエリア/ポイントチエン
ジ、エリアサイズやポイント位置の変更を1mm刻みで行
うことができるエリア/ポイントコレクション、指定の
エリアを消去するエリア/ポイントキャンセルモードを
有しており、指定した領域の確認、修正、変更、消去等
を行うことができる。
クリエイティブ編集は、イメージコンポジション、コピ
ーオンコピー、カラーコンポジション、部分イメージシ
フト、マルチ頁拡大、ペイント1、カラーメッシュ、カ
ラーコンバージョン、ネガ/ポジ反転、リピート、ペイ
ント2、濃度コントロール、カラーバランス、コピーコ
ントラスト、コピーシャープネス、カラーモード、トリ
ム、マスク、ミラーイメージ、マージン、ライン、シフ
ト、コゴタイプ、スプリットスキャン、コレクション、
ファンクションクリア、Add Function機能を設けてお
り、この機能では原稿はカラー原稿として扱われ、1原
稿に対して複数のファンクションが設定でき、1エリア
に対してファンクションの併用ができ、また指定するエ
リアは2点指示による矩形と1点指示によるポイントで
ある。
イメージコンポジションは、4サイクルでベースオリジ
ナルをカラーコピー後、用紙を転写装置上に保持し、引
き続きトリミングしたオリジナルを4サイクルで重ねて
コピーし、出力する機能である。
コピーオンコピーは、4サイクルで第1オリジナルをコ
ピー後、用紙を転写装置上に保持し、ひき続き第2オリ
ジナルを4サイクルで重ねてコピーし出力する機能であ
る。
カラーコンポジションは、マゼンタで第1オリジナルを
コピー後、用紙を転写装置上に保持し、ひき続き第2オ
リジナルをシアンで重ねてコピー後、用紙を転写装置上
に保持し、ひき続き第3オリジナルをイエローで重ねて
コピー後出力する機能であり、4カラーコンポジション
の場合は更にブラックを重ねてコピー後出力する。
部分イメージシフトは4サイクルでカラーコピー後、用
紙を転写装置上に保持し、ひき続き4サイクルで重ねて
コピーし出力する機能である。
カラーモードのうちフルカラーモードでは4サイクルで
コピーし、3色カラーモードでは編集モードが設定され
ている時を除き、3サイクルでコピーし、プラックモー
ドでは編集モードが設定されている時を除き、1サイク
ルでコピーし、プラス1色モードでは1〜3サイクルで
コピーする。
ツールパスウエイでは、オーディトロン、マシンセット
アップ、デフォルトセレクション、カラーレジストレー
ション、フィルムタイプレジストレーション、カラーコ
レクション、プリセット、フィルムプロジェクタースキ
ャンエリアコレクション、オーディオトーン、タイマー
セット、ビリングメータ、診断モード、最大調整、メモ
リカードフォーマッティングを設けている。このパスウ
エイで設定や変更を行なうためには暗証番号を入力しな
ければ入れない。従って、ツールパスウエイで設定/変
更を行なえるのはキーオペレータとカスタマーエンジニ
アである。ただし、診断モードに入れるのは、カスタマ
ーエンジニアだけである。
カラーレジストレーションは、カラーパレット中のレジ
スタカラーボタンに色を登録するのに用いられ、色原稿
からCCDラインセンサーで読み込まれる。
カラーコレクションは、レジスタカラーボタンに登録し
た色の微調整に用いられる。
フィルムタイプレジストレーションは、フィルムプロジ
ェクタモードで用いるレジスタフィルムタイプを登録す
るのに用いられ、未登録の場合は、フィルムプロジェク
タモード画面ではレジスタボタンが選択できない状態と
なる。
プリセットは、縮小/拡大値、コピー濃度7ステップ、
コピーシャープネス7ステップ、コピーコントラスト7
ステップをプリセットする。
フィルムプロジェクタスキャンエリアコレクションは、
フィルムプロジェクターモード時のスキャンエリアの調
整を行う。
オーディオトーンは選択音等に使う音量の調整をする。
タイマーセットは、キーオペレータに開放することので
きるタイマーに対するセットを行う。
この他にも、サブシステムがクラッシュ状態に入った場
合に再起動をかけるクラッシュリカバリ機能、クラッシ
ュリカバリを2回かけてもそのサブシステムが正常復帰
できない場合にはフォルトモードとする機能、ジャムが
発生した場合、緊急停止する機能等の異常系に対する機
能も設けている。
さらに、基本コピーと付加機能、基本/付加機能とマー
カー編集、ビシネス編集、クリエイティブ編集等の組み
合わせも可能である。
上記機能を備える本発明のシステム全体として下記の特
徴を有している。
(B)特徴 (イ)高画質フルカラーの達成 本装置においては、黒の画質再現、淡色再現性、ジェネ
レーションコピー質、OHP画質、細線再現性、フィルム
コピーの画質再現性、コピーの維持性を向上させ、カラ
ードキュメントを鮮明に再現できる高画質フルカラーの
達成を図っている。
(ロ)低コスト化 感光体、現像機、トナー等の画材原価・消耗品のコスト
を低減化し、UMR、パーツコスト等サービスコストを低
減化すると共に、白黒コピー兼用機としても使用可能に
し、さらに白黒コピー速度も従来のものに比して3倍程
度の30枚/A4を達成することによりランニングコストの
低減、コピー単価の低減を図っている。
(ハ)生産性の改善 入出力装置にADF、ソータを設置(オプション)して多
枚数原稿を処理可能とし、倍率は50〜400%選択でき、
最大原稿サイズA3、ペーパートレイは上段B5〜B4、中段
B5〜B4、下段B5〜A3、SSIB5〜A3とし、コピースピード
は4所フルカラー、A4で4.8CPM、B4で4.8CPM、A3で2.4C
PM、白黒、A4で19.2CPM、B4で19.2CPM、A3で9.6CPM、ウ
ォームアップ時間8分以内、FCOTは4色フルカラーで28
秒以下、白黒で7秒以下を達成し、また、連続コピース
ピードは、フルカラー7.5枚/A4、白黒30枚/A4を達成し
て高生産性を図っている。
(ニ)操作性の改善 ハードコントロールパネルにおけるハードボタン、CRT
画面ソフトパネルのソフトボタンを併用し、初心者にわ
かりやすく、熟練者に煩わしくなく、機能の内容をダイ
レクトに選択でき、かつ操作をなるべく1ヶ所に集中す
るようにして操作性を向上させると共に、色を効果的に
用いることによりオペレータに必要な情報を正確に伝え
るようにしている。ハイフアイコピーは、ハードコント
ロールパネルと基本画面の操作だけで行うようにし、オ
ペレーションフローで規定できないスタート、ストッ
プ、オールクリア、割り込み等はハードボタンの操作に
より行い、用紙選択、縮小拡大、コピー濃度、画質調
整、カラーモード、カラーバランス調整等は基本画面ソ
フトパネル操作により従来の単色コピーマシンのユーザ
ーが自然に使いこなせるようにしている。さらに、各種
編集機能等はソフトパネルのパスウエイ領域のパスウエ
イタブをタッチ操作するだけで、パスウエイをオープン
して各種編集機能を選択することができる。さらにメモ
リカードにコピーモードやその実行条件等を予め記憶し
ておくことにより所定の操作の自動化を可能にしてい
る。
(ホ)機能の充実 ソフトパネルのパスウエイ領域のパスウエイタブをタッ
チ操作することにより、パスウエイをオープンして各種
編集機能を選択することができ、例えばマーカ編集では
マーカーというツールを使用して白黒文書の編集加工を
することができ、ビジネス編集ではビジネス文書中心に
高品質オリジナルを素早く作製することができ、またク
リエイティブ編集では各種編集機能を用意し、フルカラ
ー、黒、モノカラーにおいて選択肢を多くしてデザイナ
ー、コピーサービス業者、キーオペレータ等の専門家に
対応できるようにしている。また、編集機能において指
定した領域はビットマップエリアにより表示され、指定
した領域を確認できる。このように、豊富な編集機能と
カラークリエーションにより文章表現力を大幅にアップ
することができる。
(ヘ)省電力化の達成 1.5kVAで4色フルカラー、高性能の複写機を実現してい
る。そのため、各動作モードにおける1.5kVA実現のため
のコントロール方式を決定し、また、目標値を設定する
ための機能別電力配分を決定している。また、エネルギ
ー伝達経路の確定のためのエネルギー系統表の作成、エ
ネルギー系統による管理、検証を行うようにしている。
(C)差別化の例 本発明が適用される複写機は、フルカラー、及び白黒兼
用でしかも初心者にわかりやすく、熟練者に煩わしくな
くコピーをとることができると共に、各種機能を充実さ
せて単にコピーをとるというだけでなく、オリジナルの
作製を行うことができるので、専門家、芸術家の利用に
も対応することができ、この点で複写機の使用に対する
差別化が可能になる。以下にその使用例を示す。
例えば、従来印刷によっていたポスター、カレンダー、
カードあるいは招待状や写真入りの年賀状等は、枚数が
それほど多くない場合は、印刷よりはるかに安価に作製
することができる。また、編集機能を駆使すれば、例え
ばカレンダー等では好みに応じたオリジナルを作製する
ことができ、従来、企業単位で画一的に印刷していたも
のを、セクション単位で独創的で多様なものを作製する
ことが可能になる。
また、近年インテリアや電気製品に見られるように、色
彩は販売量を左右するものであり、インテリアや服飾品
の製作段階において彩色を施した図案をコピーすること
により、デザインと共に色彩についても複数人により検
討することができ、消費を向上させるような新しい色彩
を開発することが可能である。特に、アパレル産業等で
は遠方の製作現場に製品を発注する際にも、彩色を施し
た完成図のコピーを送ることにより従来より適確に色を
指定することができ、作業能率を向上させることができ
る。
さらに、本装置はカラーと白黒を兼用することができる
ので、1つの原稿を必要に応じて白黒であるいはカラー
でそれぞれ必要枚数ずつコピーすることができる。した
がって、例えば専門学校、大学等で色彩学を学ぶ時に、
彩色した図案を白黒とカラーの両方で表現することがで
き、両者を比較検討することにより、例えば赤はグレイ
がほぼ同じ明度であることが一目瞭然で分かる等、明度
および彩色の視覚に与える影響を学ぶこともできる。
(I-3)電気系制御システムの構成 この項では、本複写機の電気的制御システムとして、ハ
ードウェアアーキテクチャー、ソフトウェアアーキテク
チャーおよびステート分割について説明する。
(A)ハードウェアアーキテクチャーおよびソフトウェ
アアーキテクチャー 本複写機のようにUIとしてカラーCRTを使用すると、モ
ノクロのCRTを使用する場合に比較してカラー表示のた
めのデータが増え、また、表示画面の構成、画面遷移を
工夫してよりフレンドリーなUIを構築しようとするとデ
ータ量が増える。
これに対して、大容量のメモリを搭載したCPUを使用す
ることはできるが、基板が大きくなるので複写機本体に
収納するのが困難である、仕様の変更に対して柔軟な対
応が困難である、コストが高くなる、等の問題がある。
そこで、本複写機においては、CRTコントローラ等の他
の機種あるいは装置との共通化が可能な技術をリモート
としてCPUを分散させることでデータ量の増加に対応す
るようにしたのである。
電気系のハードウェアは第3図に示されているように、
UI系、SYS系およびMCB系の3種の系に大別されている。
UI系はUIリモート70を含み、SYS系においては、F/Pの制
御を行うF/Pリモート72、原稿読み取りを行うIITリモー
ト73、種々の画像処理を行うIPSリモート74を分散して
いる。IITリモート73はイメージングユニットを制御す
るためのIITコントローラ73aと、読み取った画像信号を
デジタル化してIPSリモート74に送るVIDEO回路73bを有
し、IPSリモート74と共にVCPU74aにより制御される。前
記及び後述する各リモートを統括して管理するものとし
てSYS(System)リモート71が設けられている。
SYSリモート71はUIの画面遷移をコントロールするため
のプログラム等のために膨大なメモリ容量を必要とする
ので、16ビットマイクロコンピュータを搭載した8086を
使用している。なお、8086の他に例えば6800等を使用す
ることもできるものである。
また、MCB系においては、感材ベルトにレーザで潜像を
形成するために使用するビデオ信号をIPSリモート74か
ら受け取り、IOTに送出するためのラスター出力スキャ
ン(Raster Output Scan:ROS)インターフェースである
VCB(Video Control Board)リモート76、転写装置(タ
ートル)のサーボのためのRCBリモート77、更にはIOT、
ADF、ソータ、アクセサリーのためのI/Oポートとしての
IOBリモート78、およびアクセサリーリモート79を分散
させ、それらを統括して管理するためにMCB(Master Co
ntrol Board)リモート75が設けられている。
なお、図中の各リモートはそれぞれ1枚の基板で構成さ
れている。また、図中の太い実線は187.5kbpsのLNET高
速通信網、太い破線は9600bpsのマスター/スレーブ方
式シリアル通信網をそれぞれ示し、細い実線はコントロ
ール信号の伝送路であるホットラインを示す。また、図
中76.8kbpsとあるのは、エディットパッドに描かれた図
形情報、メモリカードから入力されたコピーモード情
報、編集領域の図形情報をUIリモート70からIPSリモー
ト74に通知するための専用回線である。更に、図中CCC
(Communication Control Chip)とあるのは、高速通信
回線LNETのプロトコルをサポートするICである。
以上のようにハードウェアアーキテクチャーは、UI系、
SYS系、MCB系の3つに大別されるが、これらの処理の分
担を第4図のソフトウェアアーキテクチャーを参照して
説明すると次のようである。なお、図中の矢印は第3図
に示す187.5kbpsのLNET高速通信網、9600bpsのマスター
/スレーブ方式シリアル通信網を介して行われるデータ
の授受またはホットラインを介して行われる制御信号の
伝送関係を示している。
UIリモート70は、LLUI(Low Level UI)モジュール80
と、エディットパッドおよびメモリカードについての処
理を行うモジュール(図示せず)から構成されている。
LLUIモジュール80は通常CRTコントローラとして知られ
ているものと同様であって、カラーCRTに画面を表示す
るためのソフトウェアモジュールであり、その時々でど
のような絵の画面を表示するかは、SYSUIモジュール81
またはMCBUIモジュール86により制御される。これによ
りUIリモートを他の機種または装置と共通化するこがで
きることは明かである。なぜなら、どのような画面構成
とするか、画面遷移をどうするかは機種によって異なる
が、CRTコントローラはCRTと一体で使用されるものであ
るからである。
SYSリモート71は、SYSUIモジュール81と、SYSTEMモジュ
ール82、およびSYS.DIAGモジュール83の3つのモジュー
ルで構成されている。SYSUIモジュール81は画面遷移を
コントロールするソフトウェアモジュールであり、SYST
EMモジュール82は、どの画面でソフトパネルのどの座標
が選択されたか、つまりどのようなジョブが選択された
かを認識するF/F(Feature Function)選択のソフトウ
ェア、コピー実行条件に矛盾が無いかどうか等最終的に
ジョブをチェックするジョブ確認のソフトウェア、およ
び、他のモジュールとの間でF/F選択、ジョブリカバリ
ー、マシンステート等の種々の情報の授受を行うための
通信を制御するソフトウェアを含むモジュールである。
SYS.DIAGモジュール83は、自己診断を行うダイアグノス
ティックステートでコピー動作を行うカスタマーシミュ
レーションモードの場合に動作するモジュールである。
カスタマーシミュレーションモードは通常のコピーと同
じ動作をするので、SYS.DIAGモジュール83は実質的には
SYSTEMモジュール82と同じなのであるが、ダイアグノス
ティックという特別なステートで使用されるので、SYST
EMモジュール82とは別に、しかし一部が重畳されて記載
されているものである。
また、IITリモート73にはイメージングユニットに使用
されているステッピングモータの制御を行うIITモジュ
ール84が、IPSリモート74にはIPSに関する種々の処理を
行うIPSモジュール85がそれぞれ格納されており、これ
らのモジュールはSYSTEMモジュール82によって制御され
る。
一方、MCBリモート75には、ダイアグノスティック、オ
ーディトロン(Auditron)およびジャム等のフォールト
の場合に画面遷移をコントロールするソフトウェアであ
るMCBUIモジュール86、感材ベルトの制御、現像機の制
御、フューザの制御等コピーを行う際に必要な処理を行
うIOTモジュール90、ADFを制御するためのADFモジュー
ル91、ソータを制御するためのSORTERモジュール92の各
ソフトウェアモジュールとそれらを管理するコピーイン
グエグゼクティブモジュール87、および各種診断を行う
ダイアグエグゼクティブモジュール88、暗唱番号で電子
カウンターにアクセスして料金処理を行うオーディトロ
ンモジュール89を格納している。
また、RCBリモート77には転写装置の動作を制御するタ
ートルサーボモジュール93が格納されており、当該ター
トルサーボモジュール93はゼログラフィーサイクルの転
写工程を司るために、IOTモジュール90の管理の下に置
かれている。なお、図中、コピーイングエグゼクティブ
モジュール87とダイアグエグゼクティブモジュール88が
重複しているのは、SYSTEMモジュール82とSYS.DIAGモジ
ュール83が重複している理由と同様である。
以上の処理の分担をコピー動作に従って説明すると次の
ようである。コピー動作は現像される色の違いを別にす
ればよく似た動作の繰り返しであり、第5図(a)に示
すようにいくつかのレイヤに分けて考えることができ
る。
1枚のカラーコピーはピッチと呼ばれる最小の単位を何
回か繰り返すことで行われる。具体的には、1色のコピ
ーを行うについて、現像機、転写装置等をどのように動
作させるか、ジャムの検知はどのように行うか、という
動作であって、ピッチ処理をY,M,Cの3色について行え
ば3色カラーのコピーが、Y,M,C,Kの4色について行え
ば4色フルカラーのコピーが1枚出来上がることにな
る。これがコピーレイヤであり、具体的には、用紙に各
色のトナーを転写した後、フューザで定着させて複写機
本体から排紙する処理を行うレイヤである。ここまでの
処理の管理はMCB系のコピーイングエグゼクティブモジ
ュール87が行う。
勿論、ピッチ処理の過程では、SYS系に含まれているIIT
モジュール84およびIPSモジュール85も使用されるが、
そのために第3図、第4図に示されているように、IOT
モジュール90とIITモジュール84の間ではPR-TRUEという
信号と、LE@REGという2つの信号のやり取りが行われ
る。具体的にいえば、IOTの制御の基準タイミングであ
るPR(PITCH RESET)信号はMCBより感材ベルトの回転を
2または3分割して連続的に発生される。つまり、感材
ベルトは、その有効利用とコピースピード向上のため
に、例えばコピー用紙がA3サイズの場合には2ピッチ、
A4サイズの場合には3ピッチというように、使用される
コピー用紙のサイズに応じてピッチ分割されるようにな
されているので、各ピッチ毎に発生されるPR信号の周期
は、例えば2ピッチの場合には3secと長くなり、3ピッ
チの場合には2secと短くなる。
さて、MCBで発生されたPR信号は、VIDEO信号関係を取り
扱うVCBリモート等のIOT内の必要な箇所にホットライン
を介して分配される。
VCBはその内部にゲート回路を有し、IOT内でイメージン
グが可能、即ち、実際に感材ベルトにイメージを露光す
ることが可能なピッチのみ選択的にIPSリモートに対し
て出力する。この信号がPR-TRUE信号である。なお、ホ
ットラインを介してMCBから受信したPR信号に基づいてP
R-TRUE信号を生成するための情報は、LNETによりMCBか
ら通知される。
これに対して、実際に感材ベルトにイメージを露光する
ことができない期間には、感材ベルトには1ピッチ分の
空ピッチを作ることになり、このような空ピッチに対し
てはPR-TRUE信号は出力されない。このようなPR-TRUEが
発生されないピッチとしては、例えば、転写装置での転
写が終了した用紙を排出してから次の用紙を転写装置に
供給するまでの間の期間を挙げることができる。つま
り、例えば、A3サイズのように長い用紙を最後の転写と
共に排出するとすると、用紙の先端がフューザの入口に
入ったときのショックで画質が劣化するために一定長以
上の用紙の場合には最後の転写が終了してもそのまま排
出せず、後述するグリッパーバーで保持したまま一定速
度でもう一周回転させた後排出するようになされている
ため、感材ベルトには1ピッチ分のスキップが必要とな
るのである。
また、スタートキーによるコピー開始からサイクルアッ
プシーケンスが終了するまでの間もPR-TRUE信号は出力
されない。この期間にはまだ原稿の読み取りが行われて
おらず、従って、感材ベルトにはイメージを露光するこ
とができないからである。
VCBリモートから出力されたPR-TRUE信号は、IPSリモー
トで受信されると共に、そのままIITリモートにも伝送
されて、IITのスキャンスタートのためのトリガー信号
として使用される。
これによりIITリモート73およびIPSリモート74をIOTに
同期させてピッチ処理を行わせることができる。また、
このときIPSリモート74とVCBリモート76の間では、感材
ベルトに潜像を形成するために使用されるレーザ光を変
調するためのビデオ信号の授受が行われ、VCBリモート7
6で受信されたビデオ信号は並列信号から直列信号に変
換された後、直接ROSへVIDEO変調信号としてレーザ出力
部40aに与えられる。
以上の動作が4回繰り返されると1枚の4色フルカラー
コピーが出来上がり、1コピー動作は終了となる。
次に、第5図(b)〜(e)により、IITで読取られた
画像信号をIOTに出力し最終的に転写ポイントで用紙に
転写させるまでの信号のやりとりとそのタイミングにつ
いて説明する。
第5図(b)、(c)に示すように、SYSリモート71か
らスタートジョブのコマンドが入ると、IOT78bではメイ
ンモータの駆動、高圧電源の立ち上げ等サイクルアップ
シーケンスに入る。IOT78bは、感材ベルト上に用紙長に
対応した潜像を形成させるために、PR(ピッチリッセッ
ト)信号を出力する。例えば、感材ベルトが1回転する
毎に、A4では3ピッチ、A3では2ピッチのPR信号を出力
する。IOT78bのサイクルアップシーケンスが終了する
と、その時点からPR信号に同期してPR-TRUE信号が、イ
メージングが必要なピッチのみに対応してIITコントロ
ーラ73aに出力される。
また、IOT78bは、ROS(ラスターアウトプットスキャ
ン)の1ライン分の回転毎に出力されるIOT-LS(ライン
シンク)信号を、VCPU74a内のTG(タイミングジェネレ
ータ)に送り、ここでIOT-LSに対してIPSの総パイプラ
イン遅延分だけ見掛け上の位相を進めたIPS-LSをIITコ
ントローラ73aに送る。
IITコントローラ73aは、PR-TRUE信号が入ると、カウン
タをイネーブルしてIOT-LS信号をカウントし、所定のカ
ウント数に達すると、イメージングユニット37を駆動さ
せるステッピングモータ213の回転をスタートさせてイ
メージングユニットが原稿のスキャンを開始する。さら
にカウントしてT2秒後原稿読取開始位置でLE@REGを出
力しこれをIOT78bに送る。
この原稿読取開始位置は、予め例えば電源オン後1回だ
け、イメージングユニットを駆動させてレジンサ217の
位置(レジ位置の近く、具体的にはレジ位置よりスキャ
ン側に約10mm)を一度検出して、その検出位置を元に真
のレジ位置を計算で求め、また同時に通常停止位置(ホ
ームポジション)も計算で求めることができる。また、
レジ位置は機械のばらつき等でマシン毎に異なるため、
補正値をNVMに保持しておき、真のレジ位置とホームポ
ジションの計算時に補正を行うことにより、正確な原稿
読取開始位置を設定することができる。この補正値は工
場またはサービスマン等により変更することができ、こ
の補正値を電気的に書き換えるだけで実施でき、機械的
調整は不要である。なお、レジンサ217の位置を真のレ
ジ位置よりスキャン側に約10mmずらしているのは、補正
を常にマイナス値とし、調整およびソフトを簡単にする
ためである。
また、IITコントローラ73aは、LE@REGと同期してIMAGE
-AREA信号を出力する。このIMAGE-AREA信号の長さは、
スキャン長に等しいものであり、スキャン長はSYSTEMモ
ジュール82よりIITモジュール84へ伝達されるスタート
コマンドによって定義される。具体的には、原稿サイズ
を検知してコピーを行う場合には、スキャン長は原稿長
さであり、倍率を指定してコピーを行う場合には、スキ
ャン長はコピー用紙長と倍率(100%を1とする)との
除数で設定される。IMAGE-AREA信号は、VCPU74aを経由
しそこでIIT-PS(ページシンク)と名前を変えてIPS74
に送られる。IIT-PSはイメージ処理を行う時間を示す信
号である。
LE@REGが出力されると、IOT-LS信号に同期してライン
センサの1ライン分のデータが読み取られ、VIDEO回路
(第3図)で各種補正処理、A/D変換が行われIPS74に送
られる。IPS74においては、IOT-LSと同期して1ライン
分のビデオデータをIOT78bに送る。このときIOT-BYTE-C
LKの反転信号であるRTN-BYTE-CLKをビデオデータと並列
してIOTへ送り返しデータとクロックを同様に遅らせる
ことにより、同期を確実にとるようにしている。
IOT78bにLE@REGが入力されると、同様にIOT-LS信号に
同期してビデオデータがROSに送られ、感材ベルト上に
潜像が形成される。IOT78bは、LE@REGが入るとそのタ
イミングを基準にしてIOT-CLKによりカウントを開始
し、一方、転写装置のサーボモータは、所定カウント数
の転写位置で用紙の先端がくるように制御される。とこ
ろで、第5図(d)に示すように、感材ベルトの回転に
より出力されるPR-TRUE信号とROSの回転により出力され
るIOT-LS信号とはもともと同期していない。このため、
PR-TRUE信号が入り次のIOT-LSからカウントを開始し、
カウントmでイメージングユニット37を動かし、カウン
トnでLE@REGを出力するとき、LE@REGはPR-TRUEに対
してT1時間だけ遅れることになる。この遅れは最大1ラ
インシンク分で、4色フルカラーコピーの場合にはこの
遅れが累積してしまい出力画像に色ズレとなって現れて
しまう。
そのために、先ず、第5図(c)に示すように、1回目
のLE@REGが入ると、カウンタ1がカウントを開始し、
2、3回目のLE@REGが入ると、カウンタ2、3がカウ
ント開始し、それぞれのカウンタが転写位置までのカウ
ント数pに達するとこれをクリアして、以下4回目以降
のLE@REGの入力に対して順番にカウンタを使用して行
く。そして、第5図(e)に示すように、LE@REGが入
ると、IOT-CLKの直前のパルスからの時間T3を補正用ク
ロックでカウントする。感材ベルトに形成された潜像が
転写位置に近ずき、IOT-CLKが転写位置までのカウント
数Pをカウントすると、同時に補正用クロックがカウン
トを開始し、上記時間T3に相当するカンウト数rを加え
た点が、正確な転写位置となり、これを転写装置の転写
位置(タイミング)コントロール用カウンタの制御に上
乗せし、LE@REGの入力に対して用紙の先端が正確に同
期するように転写装置のサーボモータを制御している。
以上がコピーレイヤまでの処理であるが、その上に、1
枚の原稿に対してコピー単位のジョブを何回行うかとい
うコピー枚数を設定する処理があり、これがパーオリジ
ナル(PER ORIGINAL)レイヤで行われる処理である。更
にその上には、ジョブのパラメータを変える処理を行う
ジョブプログラミングレイヤがある。具体的には、ADF
を使用するか否か、原稿の一部の色を変える、偏倍機能
を使用するか否か、ということである。これらパーオリ
ジナル処理とジョブプログラミング処理はSYS系のSYSモ
ジュール82が管理する。そのためにSYSTEMモジュール82
は、LLUIモジュール80から送られてきたジョブ内容をチ
ェック、確定し、必要なデータを作成して、9600bpsシ
リアル通信網によりIITモジュール84、IPSモジュール85
に通知し、またLNETによりMCB系にジョブ内容を通知す
る。
以上述べたように、独立な処理を行うもの、他の機種、
あるいは装置と共通化が可能な処理を行うものをリモー
トとして分散させ、それらをUI系、SYS系、およびMCB系
に大別し、コピー処理のレイヤに従ってマシンを管理す
るモジュールを定めたので、設計者の業務を明確にでき
る、ソフトウェア等の開発技術を均一化できる、納期お
よびコストの設定を明確化できる、仕様の変更等があっ
た場合にも関係するモジュールだけを変更することで容
易に対応することができる、等の効果が得られ、以て開
発効率を向上させることができるものである。
(B)ステート分割 以上、UI系、SYS系およびMCB系の処理の分担について述
べたが、この項ではUI系、SYS系、MCB系がコピー動作の
その時々でどのような処理を行っているかをコピー動作
の順を追って説明する。
複写機では、パワーONからコピー動作、およびコピー動
作終了後の状態をいくつかのステートに分割してそれぞ
れのステートで行うジョブを決めておき、各ステートで
のジョブを全て終了しなければ次のステートに移行しな
いようにしてコントロールの能率と正確さを期するよう
にしている。これをステート分割といい、本複写機にお
いては第6図に示すようなステート分割がなされてい
る。
本複写機におけるステート分解で特徴的なことは、各ス
テートにおいて、当該ステート全体を管理するコントロ
ール権および当該ステートでUIを使用するUIマスター権
が、あるときはSYSリモート71にあり、またあるときはM
CBリモート75にあることである。つまり、上述したよう
にCPUを分散させたことによって、UIリモート70のLLUI
モジュール80はSYSUIモジュール81ばかりでなくMCBUIモ
ジュール86によっても制御されるのであり、また、ピッ
チおよびコピー処理はMCB系のコピーイングエグゼクテ
ィブモジュール87で管理されるのに対して、パーオリジ
ナル処理およびジョブプログラミング処理はSYSモジュ
ール82で管理されるというように処理が分担されている
から、これに対応して各ステートにおいてSYSモジュー
ル82、コピーイングエグゼクティブモジュール87のどち
らが全体のコントロール権を有するか、また、UIマスタ
ー権を有するかが異なるのである。第6図においては縦
線で示されるステートはUIマスター権をMCB系のコピー
イングエグゼクティブモジュール87が有することを示
し、黒く塗りつぶされたステートはUIマスター権をSYS
モジュール82が有することを示している。
第6図に示すステート分割の内パワーONからスタンバイ
までを第7図を参照して説明する。
電源が投入されてパワーONになされると、第3図でSYS
リモート71からIITリモート73およびIPSリモート74に供
給されるIPSリセット信号およびIITリセット信号がH
(HIGH)となり、IPSリモート74、IITリモート73はリセ
ットが解除されて動作を開始する。また、電源電圧が正
常になったことを検知するとパワーノーマル信号が立ち
上がり、MCBリモート75が動作を開始し、コントロール
権およびUIマスター権を確立すると共に、高速通信網LN
ETのテストを行う。また、パワーノーマル信号はホット
ラインを通じてMCBリモート75からSYSリモート71に送ら
れる。
MCBリモート75の動作開始後所定の時間TOが経過する
と、MCBリモート75からホットラインを通じてSYSリモー
ト71に供給されるシステムリセット信号がHとなり、SY
Sリモート71のリセットが解除されて動作が開始される
が、この際、SYSリモート71の動作開始は、SYSリモート
71の内部の信号である86NMI、86リセットという二つの
信号により上記TO時間の経過後更に200μsec遅延され
る。この200μsecという時間は、クラッシュ、即ち電源
の瞬断、ソフトウェアの暴走、ソフトウェアのバグ等に
よる一過性のトラブルが生じてマシンが停止、あるいは
暴走したときに、マシンがどのステートにあるかを不揮
発性メモリに格納するために設けられているものであ
る。
SYSリモート71が動作を開始すると、約3.8secの間コア
テスト、即ちROM、RAMのチェック、ハードウェアのチェ
ック等を行う。このとき不所望のデータ等が入力される
と暴走する可能性があるので、SYSリモート71は自らの
監督下で、コアテストの開始と共にIPSリセット信号お
よびIITリセット信号をL(Low)とし、IPSリモート74
およびIITリモート73をリセットして動作を停止させ
る。
SYSリモート71は、コアテストが終了すると、10〜3100m
secの間CCCセルフテストを行うと共に、IPSリセット信
号およびIITリセット信号をHとし、IPSリモート74およ
びIITリモート73の動作を再開させ、それぞれコアテス
トを行わせる。CCCセルフテストは、LNETに所定のデー
タを送出して自ら受信し、受信したデータが送信された
データと同じであることを確認することで行う。なお、
CCCセルフテストを行うについては、セルフテストの時
間が重ならないように各CCCに対して時間が割り当てら
れている。
つまり、LNETにおいては、SYSリモート71、MCBリモート
75等の各ノードはデータを受信したいときに送信し、も
しデータの衝突が生じていれば所定時間経過後再送信を
行うというコンテンション方式を採用しているので、SY
Sリモート71がCCCセルフテストを行っているとき、他の
ノードがLNETを使用しているとデータの衝突が生じてし
まい、セルフテストが行えないからである。従って、SY
Sリモート71がCCCセルフテストを開始するときには、MC
Bリモート75のLNETテストは終了している。
CCCセルフテストが終了すると、SYSリモート71は、IPS
リモート74およびIITリモート73のコアテストが終了す
るまで待機し、T1の期間にSYSTEMノードの通信テストを
行う。この通信テストは、9600bpsのシリアル通信網の
テストであり、所定のシーケンスで所定のデータの送受
信が行われる。当該通信テストが終了すると、T2の期間
にSYSリモート71とMCBリモート75の間でLNETの通信テス
トを行う。即ち、MCBリモート75はSYSリモート71に対し
てセルフテストの結果を要求し、SYSリモート71は当該
要求に応じてこれまで行ってきたテストの結果をセルフ
テストリザルトとしてMCBリモート75に発行する。
MCBリモート75は、セルフテストリザルトを受け取ると
トークンパスをSYSリモート71に発行する。トークンパ
スはUIマスター権をやり取りする札であり、トークンパ
スがSYSリモート71に渡されることで、UIマスター権はM
CBリモート75からSYSリモート71に移ることになる。こ
こまでがパワーオンシーケンスである。当該パワーオン
シーケンスの期間中、UIリモート70は「しばらくお待ち
下さい」等の表示を行うと共に、自らのコアテスト、通
信テスト等、各種のテストを行う。
上記のパワーオンシーケンスの内、セルフテストリザル
トの要求に対して返答されない、またはセルフテストリ
ザルトに異常がある場合には、MCBリモート75はマシン
をデッドとし、UIコントロール権を発動してUIリモート
70を制御し、異常が生じている旨の表示を行う。これが
マシンデッドのステートである。
パワーオンステートが終了すると、次に各リモートをセ
ットアップするためにイニシャライズステートに入る。
イニシャライズステートではSYSリモート71が全体のコ
ントロール権とUIマスター権を有している。従って、SY
Sリモート71は、SYS系をイニシャライズすると共に、
「INITIALIZE SUBSYSTEM」コマンドをMCBリモート75に
発行してMCB系をもイニシャライズする。その結果はサ
ブシステムステータス情報としてMCBリモート75から送
られてくる。これにより例えばIOTではフューザを加熱
したり、トレイのエレベータが所定の位置に配置された
りしてコピーを行う準備が整えられる。ここまでがイニ
シャライズステートである。
イニシャライズが終了すると各リモートは待機状態であ
るスタンバイに入る。この状態においてもUIマスター権
はSYSリモート71が有しているので、SYSリモート71はUI
マスター権に基づいてUI画面上にF/Fを表示し、コピー
実行条件を受け付ける状態に入る。このときMCBリモー
ト75はIOTをモニターしている。また、スタンバイステ
ートでは、異常がないかどうかをチェックするためにMC
Bリモート75は、500msec毎にバックグランドポールをSY
Sリモート71に発行し、SYSリモート71はこれに対してセ
ルフテストリザルトを200msec以内にMCBリモート75に返
すという処理を行う。このときセルフテストリザルトが
返ってこない、あるいはセルフテストリザルトの内容に
異常があるときには、MCBリモート75はUIリモート70に
対して異常が発生した旨を知らせ、その旨の表示を行わ
せる。
スタンバイステートにおいてオーディトロンが使用され
ると、オーディトロンステートに入り、MCBリモート75
はオーディトロンコントロールを行うと共に、UIリモー
ト70を制御してオーディトロンのための表示を行わせ
る。スタンバイステートにおいてF/Fが設定され、スタ
ートキーが押されるとプログレスステートに入る。プロ
グレスステートは、セットアップ、サイクルアップ、ラ
ン、スキップピッチ、ノーマルサイクルダウン、サイク
ルダウンシャットダウンという6ステートに細分化され
るが、これらのステートを、第8図を参照して説明す
る。
第8図は、プラテンモード、4色フルカラー、コピー設
定枚数3の場合のタイミングチャートを示す図である。
SYSリモート71は、スタートキーが押されたことを検知
すると、ジョブの内容をシリアル通信網を介してIITリ
モート73およびIPSリモート74に送り、またLNETを介し
てジョブの内容をスタートジョブというコマンドと共に
MCBリモート75内のコピーイングエグゼクティブモジュ
ール87に発行する。このことでマシンはセットアップに
入り、各リモートでは指定されたジョブを行うための前
準備を行う。例えば、IOTモジュール90ではメインモー
タの駆動、感材ベルトのパラメータの合わせ込み等が行
われる。
スタートジョブに対する応答であるACK(Acknowledge)
がMCBリモート75から送り返されたことを確認すると、S
YSリモート71は、IITリモート73にプリスキャンを行わ
せる。プリスキャンには、原稿サイズを検出するための
プリスキャン、原稿の指定された位置の色を検出するた
めのプリスキャン、塗り絵を行う場合の閉ループ検出の
ためのプリスキャン、マーカ編集の場合のマーカ読み取
りのためのプリスキャンの4種類があり、選択されたF/
Fに応じて最高3回までプリスキャンを行う。このときU
Iには例えば「しばらくお待ち下さい」等の表示が行わ
れる。
プリスキャンが終了すると、IITレディというコマンド
が、コピーイングエグゼクティブモジュール87に発行さ
れ、ここからサイクルアップに入る。サイクルアップは
各リモートの立ち上がり時間を待ち合わせる状態であ
り、MCBリモート75はIOT、転写装置の動作を開始し、SY
Sリモート71はIPSリモート74を初期化する。このときUI
は、現在プログレスステートにあること、および選択さ
れたジョブの内容の表示を行う。
サイクルアップが終了するとランに入り、コピー動作が
開始されるが、先ずMCBリモート75のIOTモジュール90か
ら1個目のPROが出されるとIITは1回目のスキャンを行
い、IOTは1色目の現像を行い、これで1ピッチの処理
が終了する。次に再びPROが出されると2色目の現像が
行われ、2ピッチ目の処理が終了する。この処理を4回
繰り返し、4ピッチの処理が終了するとIOTはフューザ
でトナーを定着し、排紙する。これで1枚目のコピー処
理が完了する。以上の処理を3回繰り返すと3枚のコピ
ーができる。
ピッチレイヤの処理およびコピーレイヤの処理はMCBリ
モート75が管理するが、その上のレイヤであるパーオリ
ジナルレイヤで行うコピー設定枚数の処理はSYSリモー
ト71が行う。従って、現在何枚目のコピーを行っている
かをSYSリモート71が認識できるように、各コピーの1
個目のPR0が出されるとき、MCBリモート75はSYSリモー
ト71に対してメイドカウント信号を発行するようになさ
れている。また、最後のPR0が出されるときには、MCBリ
モート75はSYSリモート71に対して「RDY FOR NXT JOB」
というコマンドを発行して次のジョブを要求する。この
ときスタートジョブを発行するとジョブを続行できる
が、ユーザが次のジョブを設定しなければジョブは終了
であるから、SYSリモート71は「END JOB」というコマン
ドをMCBリモート75に発行する。MCBリモート75は「END
JOB」コマンドを受信してジョブが終了したことを確認
すると、マシンはノーマルサイクルダウンに入る。ノー
マルサイクルダウンでは、MCBリモート75はIOTの動作を
停止させる。
サイクルダウンの途中、MCBリモート75は、コピーされ
た用紙が全て排紙されたことが確認されるとその旨を
「DELIVERED JOB」コマンドでSYSリモート71に知らせ、
また、ノーマルサイクルダウンが完了してマシンが停止
すると、その旨を「IOT STAND BY」コマンドでSYSリモ
ート71に知らせる。これによりプログレスステートは終
了し、スタンバイステートに戻る。
なお、以上の例ではスキップピッチ、サイクルダウンシ
ャットダウンについては述べられていないが、スキップ
ピッチにおいては、SYSリモート71はSYS系を次のジョブ
のためにイニシャライズし、また、MCBリモート75では
次のコピーのために待機している。また、サイクルダウ
ンシャットダウンはフォールトの際のステートであるの
で、当該ステートにおいては、SYSリモート71およびMCB
リモート75は共にフォールト処理を行う。
以上のようにプログレスステートにおいては、MCBリモ
ート75はピッチ処理およびコピー処理を管理し、SYSリ
モート71はパーオリジナル処理およびジョブプログラミ
ング処理を管理しているので、処理のコントロール権は
双方が処理の分担に応じてそれぞれ有している。これに
対してUIマスター権はSYSリモート71が有している。な
ぜなら、UIにはコピーの設定枚数、選択された編集処理
などを表示する必要があり、これらはパーオリジナル処
理もしくはジョブプログラミング処理に属し、SYSリモ
ート71の管理下に置かれるからである。
プログレスステートにおいてフォールトが生じるとフォ
ールトリカバリーステートに移る。フォールトというの
は、ノーペーパー、ジャム、部品の故障または破損等マ
シンの異常状態の総称であり、F/Fの再設定等を行うこ
とでユーザがリカバリーできるものと、部品の交換など
サービスマンがリカバリーしなければならないものの2
種類がある。上述したように基本的にはフォールトの表
示はMCBUIモジュール86が行うが、F/FはSYSモジュール8
2が管理するので、F/Fの再設定でリカバリーできるフォ
ールトに関してはSYSモジュール82がリカバリーを坦当
し、それ以外のリカバリーに関してはコピーイングエグ
ゼクティブモジュール87が担当する。
また、フォールトの検出はSYS系、MCB系それぞれに行わ
れる。つまり、IIT、IPS、F/PはSYSリモート71が管理し
ているのでSYSリモート71が検出し、IOT、ADF、ソータ
はMCBリモート75が管理しているのでMCBリモート75が検
出する。従って、本複写機においては次の4種類のフォ
ールトがあることが分かる。
SYSノードで検出され、SYSノードがリカバリーする場
合 例えば、F/Pが準備されないままスタートキーが押され
たときにはフォールトとなるが、ユーザは再度F/Fを設
定することでリカバリーできる。
SYSノードで検出され、MCBノードがリカバリーする場
合 この種のフォールトには、例えば、レジセンサの故障、
イメージングユニットの速度異常、イメージングユニッ
トのオーバーラン、PR0信号の異常、CCCの異常、シリア
ル通信網の異常、ROMまたはRAMのチェックエラー等が含
まれ、これらのフォールトの場合には、UIにはフォール
トの内容および「サービスマンをお呼び下さい」等のメ
ッセージが表示される。
MCBノードで検出され、SYSノードがリカバリーする場
合 ソータがセットされていないにも拘らずF/Fでソータが
設定された場合にはMCBノードでフォールトが検出され
るが、ユーザが再度F/Fを設定し直してソータを使用し
ないモードに変更することでもリカバリーできる。ADF
についても同様である。また、トナーが少なくなった場
合、トレイがセットされていない場合、用紙が無くなっ
た場合にもフォールトとなる。これらのフォールトは、
本来はユーザがトナーを補給する、あるいはトレイをセ
ットする、用紙を補給することでリカバリーされるもの
ではあるが、あるトレイに用紙が無くなった場合には他
のトレイを使用することによってもリカバリーできる
し、ある色のトナーが無くなった場合には他の色を指定
することによってもリカバリーできる。つまり、F/Fの
選択によってもリカバリーされるものであるから、SYS
ノードでリカバリーを行うようになされている。
MCBノードで検出され、MCBノードがリカバリーする場
合 例えば、現像機の動作が不良である場合、トナーの配給
が異常の場合、モータクラッチの故障、フューザの故障
等はMCBノードで検出され、UIには故障の箇所および
「サービスマンを呼んで下さい」等のメッセージが表示
される。また、ジャムが生じた場合には、ジャムの箇所
を表示すると共に、ジャムクリアの方法も表示すること
でリカバリーをユーザに委ねている。
以上のようにフォールトリカバリーステートにおいては
コントロール権およびUIマスター権は、フォールトの生
じている箇所、リカバリーの方法によってSYSノードが
有する場合と、MCBノードが有する場合があるのであ
る。
フォールトがリカバリーされてIOTスタンバイコマンド
がMCBノードから発行されるとジョブリカバリーステー
トに移り、残されているジョブを完了する。例えば、コ
ピー設定枚数が3であり、2枚目をコピーしているとき
にジャムが生じたとする。この場合にはジャムがクリア
された後、残りの2枚をコピーしなければならないの
で、SYSノード、MCBノードはそれぞれ管理する処理を行
ってジョブをリカバリーするのである。従って、ジョブ
リカバリーにおいてもコントロール権は、SYSノード、M
CBノードの双方がそれぞれの処理分担に応じて有してい
る。しかし、UIマスター権はSYSノードが有している。
なぜなら、ジョブリカバリーを行うについては、例えば
「スタートキーを押して下さい」、「残りの原稿をセッ
トして下さい」等のジョブリカバリーのためのメッセー
ジを表示しなければならず、これはSYSノードが管理す
るパーオリジナル処理またはジョブプログラミング処理
に関する事項だからである。
なお、プログレスステートでIOTスタンバイコマンドが
出された場合にもジョブリカバリーステートに移り、ジ
ョブが完了したことが確認されるとスタンバイステート
に移り、次のジョブを待機する。スタンバイステートに
おいて、所定のキー操作を行うことによってダイアグノ
スティック(以下、単にダイアグと称す。)ステートに
入ることができる。
ダイアグステートは、部品の入力チェック、出力チェッ
ク、各種パラメータの設定、各種モードの設定、NVM
(不揮発性メモリ)の初期化等を行う自己診断のための
ステートであり、その概念を第9図に示す。図から明ら
かなように、ダイアグとしてTECH REPモード、カスタマ
ーシミュレーションモードの2つのモードが設けられて
いる。
TECH REPモードは入力チェック、出力チェック等サービ
スマンがマシンの診断を行う場合に用いるモードであ
り、カスタマーシミュレーションモードは、通常ユーザ
がコピーする場合に使用するカスタマーモードをダイア
グで使用するモードである。
いま、カスタマーモードのスタンバイステートから所定
の操作により図のAのルートによりTECH REPモードに入
ったとする。TECH REPモードで各種のチェック、パラメ
ータの設定、モードの設定を行っただけで終了し、再び
カスタマーモードに戻る場合(図のBのルート)には所
定のキー操作を行えば、第6図に示すようにパワーオン
のステートに移り、第7図のシーケンスによりスタンバ
イステートに戻ることができるが、本複写機はカラーコ
ピーを行い、しかも種々の編集機能を備えているので、
TECH REPモードで種々のパラメータの設定を行った後
に、実際にコピーを行ってユーザが要求する色が出るか
どうか、編集機能は所定の通りに機能するかどうか等を
確認する必要がある。これを行うのがカスタマーシミュ
レーションモードであり、ビリングを行わない点、UIに
はダイアグである旨の表示がなされる点でカスタマーモ
ードと異なっている。これがカスタマーモードをダイア
グで使用するカスタマーシミュレーションモードの意味
である。なお、TECH REPモードからカスタマーシミュレ
ーションモードへの移行(図のCのルート)、その逆の
カスタマーシミュレーションモードからTECH REPモード
への移行(図のDのルート)はそれぞれ所定の操作によ
り行うことができる。また、TECH REPモードはダイアグ
エグゼクティブモジュール88(第4図)が行うのでコン
トロール権、UIマスター権は共にMCBノードが有してい
るが、カスタマーシミュレーションモードはSYS.DIAGモ
ジュール83(第4図)の制御の基で通常のコピー動作を
行うので、コントロール権、UIマスター権は共にSYSノ
ードが有する。
(II)具体的な各部の構成 (II-1)システム 第10図はシステムと他のリモートとの関係を示す図であ
る。
前述したように、リモート71にはSYSUIモジュール81とS
YSTEMモジュール82が搭載され、SYSUI81とSYSTEMモジュ
ール82間はモジュール間インタフェースによりデータの
授受が行われ、またSYSTEMモジュール82とIIT73、IPS74
との間はシリアル通信インターフェースで接続され、MC
B75、ROS76、RAIB79との間はLNET高速通信網で接続され
ている。
次にシステムのモジュール構成について説明する。
第11図はシステムのモジュール構成を示す図である。
本複写機においては、IIT、IPS、IOT等の各モジュール
は部品のように考え、これらをコントロールするシステ
ムの各モジュールは頭脳を持つように考えている。そし
て、分散CPU方式を採用し、システム側ではパーオリジ
ナル処理およびジョブプログラミング処理を担当し、こ
れに対応してイニシャライズステート、スタンバイステ
ート、セットアップステート、サイクルステートを管理
するコントロール権、およびこれらのステートでUIを使
用するUIマスター権を有しているので、それに対応する
モジュールでシステムを構成している。
システムメイン100は、SYSUIやMCB等からの受信データ
を内部バッファに取り込み、また内部バッファに格納し
たデータをクリアし、システムメイン100の下位の各モ
ジュールをコールして処理を渡し、システムステートの
更新処理を行っている。
M/Cイニシャライズコントロールモジュール101は、パワ
ーオンしてからシステムがスタンバイ状態になるまでの
イニシャライズシーケンスをコントロールしており、MC
Bによるパワーオン後の各種テストを行うパワーオン処
理が終了すると起動される。
M/Cセットアップコントロールモジュール103はスタート
キーが押されてから、コピーレイアーの処理を行うMCB
を起動するまでのセットアップシーケンスをコントロー
ルし、具体的にはSYSUIから指示されたFEATURE(使用者
の要求を達成するためのM/Cに対する指示項目)に基づ
いてジョブモードを作成し、作成したジョブモードに従
ってセットアップシーケンスを決定する。
第12図(a)に示すように、ジョブモードの作成は、F/
Fで指示されたモードを解析し、ジョブを切り分けてい
る。この場合ジョブとは、使用者の要求によりM/Cがス
タートしてから要求通りのコピーが全て排出され、停止
されるまでのM/C動作を言い、使用者の要求に対して作
業分割できる最小単位、ジョブモードの集合体である。
例えば、嵌め込み合成の場合で説明すると、第12図
(b)示すように、ジョブモードは削除と移動、抽出と
からなり、ジョブはこれらのモードの集合体となる。ま
た、第12図(c)に示すようにADF原稿3枚の場合にお
いては、ジョブモードはそれぞれ原稿1、原稿2、原稿
3に対するフィード処理であり、ジョブはそれらの集合
となる。
そして、自動モードの場合はドキュメントスキャン、ぬ
り絵モードの時はプレスキャン、マーカー編集モードの
時はプレスキャン、色検知モードの時はサンプルスキャ
ンを行い(プレスキャンは最高3回)、またコピーサイ
クルに必要なコピーモードをIIT、IPS、MCBに対して配
付し、セットアップシーケンス終了時MCBを起動する。
M/Cスタンバイコントロールモジュール102はM/Cスタン
バイ中のシーケンスをコントロールし、具体的にはスタ
ートキーの受付、色登録のコントロール、ダイアグモー
ドのエントリー等を行っている。
M/Cコピーサイクルコントロールモジュール104はMCBが
起動されてから停止するまでのコピーシーケンスをコン
トロールし、具体的には用紙フィードカウントの通知、
JOBの終了を判断してIITの立ち上げ要求、MCBの停止を
判断してIPSの立ち下げ要求を行う。
また、M/C停止中、あるいは動作中に発生するスルーコ
マンドを相手先リモートに通知する機能を果たしてい
る。
フォールトコントロールモジュール106はIIT、IPSから
の立ち下げ要因を監視し、要因発生時にMCBに対して立
ち下げ要求し、具体的にはIIT、IPSからのフェイルコマ
ンドによる立ち下げを行い、またMCBからの立ち下げ要
求が発生後、M/C停止時のリカバリーを判断して決定
し、例えばMCBからのジャムコマンドによりリカバリー
を行っている。
コミニュケーションコントロールモジュール107はIITか
らのIITレディ信号の設定、イメージエリアにおける通
信のイネーブル/ディスエイブルを設定している。
DIAGコントロールモジュール108は、DIAGモードにおい
て、入力チェックモード、出力チェックモード中のコン
トロールを行っている。
次に、これらの各モジュール同士、あるいは他のサブシ
ステムとのデータの授受について説明する。
第13図はシステムと各リモートとのデータフロー、およ
びシステム内モジュール間データフローを示す図であ
る。図のA〜Nはシリアル通信を、Zはホットライン
を、〜はモジュール間データを示している。
SYSUIリモートとイニシャライズコントロール部101との
間では、SYSUIからはCRTの制御権をSYSTEM NODEに渡すT
OKENコマンドが送られ、一方イニシャライズコントロー
ル部101からはコンフィグコマンドが送られる。
SYSUIリモートとスタンバイコントロール部102との間で
は、SYSUIからはモードチェンジコマンド、スタートコ
ピーコマンド、ジョブキャンセルコマンド、色登録リク
エストコマンド、トレイコマンドが送られ、一方スタン
バイコントロール部102からはM/Cステータスコマンド、
トレイステータスコマンド、トナーステータスコマン
ド、回収ボトルステータスコマンド、色登録ANSコマン
ド、TOKENコマンドが送られる。
SYSUIリモートとセットアップコントロール部103との間
では、セットアップコントロール部103からはM/Cステー
タスコマンド(プログレス)、APMSステータスコマンド
が送られ、一方SYSUIリモートからはストップリクエス
トコマンド、インターラプトコマンドが送られる。
IPSリモートとイニシャライズコントロール部101との間
では、IPSリモートからはイニシャライズエンドコマン
ドが送られ、イニシャライズコントロール部101からはN
VMパラメータコマンドが送られる。
IITリモートとイニシャライズコントロール部101との間
では、IITリモートからはIITレディコマンド、イニシャ
ライズコントロール部101からはNVMパラメータコマン
ド、INITIALIZEコマンドが送られる。
IPSリモートとスタンバイコントロール部102との間で
は、IPSリモートからイニシャライズフリーハンドエリ
ア、アンサーコマンド、リムーヴエリアアンサーコマン
ド、カラー情報コマンドが送られ、スタンバイコントロ
ール部102からはカラー検出ポイントコマンド、イニシ
ャライズフリーハンドエリアコマンド、リムーヴエリア
コマンドが送られる。
IPSリモートとセットアップコントロール部103との間で
は、IPSリモートからIPSレディコマンド、ドキュメント
情報コマンドが送られ、セットアップコントロール部10
3スキャン情報コマンド、基本コピーモードコマンド、
エディットモードコマンド、M/Cストップコマンドが送
られる。
IITリモートとスタンバイコントロール部102との間で
は、IITリモートからプレスキャンが終了したことを知
らせるIITレディコマンドが送られ、スタンバイコント
ロール部102からサンプルスキャンスタートコマンド、
イニシャライズコマンドが送られる。
IITリモートとセットアップコントロール部103との間で
は、IITリモートからはIITレディコマンド、イニシャラ
イズエンドコマンドが送られ、セットアップコントロー
ル部103からはドキュメントスキャンスタートコマン
ド、サンプルスキャンスタートコマンド、コピースキャ
ンスタートコマンドが送られる。
MCBリモートとスタンバイコントロール部102との間で
は、スタンバイコントロール部102からイニシャライズ
サブシステムコマンド、スタンバイセレクションコマン
ドが送られ、MCBリモートからはサブシステムステータ
スコマンドが送られる。
MCBリモートとセットアップコントロール部103との間で
は、セットアップコントロール部103からスタートジョ
ブコマンド、IITレディコマンド、ストップジョブコマ
ンド、デクレアシステムフォールトコマンドが送られ、
MCBリモートからIOTスタンバイコマンド、デクレアMCB
フォールトコマンドが送られる。
MCBリモートとサイクルコントロール部104との間では、
サイクルコントロール部104からストップジョブコマン
ドが送られ、MCBリモートからはMADEコマンド、レディ
フォアネクトジョブコマンド、ジョブデリヴァードコマ
ンド、IOTスタンバイコマンドが送られる。
MCBリモートとフォールトコントロール部106との間で
は、フォールコントロール部106からデクレアシステム
フォールトコマンド、システムシャットダウン完了コマ
ンドが送られ、MCBリモートからデクレアMCBフォールト
コマンド、システムシャットダウンコマンドが送られ
る。
IITリモートとコミニュケーションコントロール部107と
の間では、IITリモートからスキャンレディ信号、イメ
ージエリア信号が送られる。
次に各モジュール間のインターフェースについて説明す
る。
システムメイン100から各モジュール(101〜107)に対
して受信リモートNO.及び受信データが送られて各モジ
ュールがそれぞれのリモートとのデータ授受を行う。一
方、各モジュール(101〜107)からシステムメイン100
に対しては何も送られない。
イニシャライズコントロール部101は、イニシャライズ
処理が終了するとフォルトコントロール部106、スタン
バイコントロール部102に対し、それぞれシステムステ
ート(スタンバイ)を通知する。
コミニュケーションコントロール部107は、イニシャラ
イズコントロール部101、スタンバイコントロール部10
2、セットアップコントロール部103、コピーサイクルコ
ントロール部104、フォルトコントロール部106に対し、
それぞれ通信可否情報を通知する。
スタンバイコントロール部102は、スタートキーが押さ
れるとセットアップコントロール部103に対してシステ
ムステート(プログレス)を通知する。
セットアップコントロール部103は、セットアップが終
了するとコピーサイクルコントロール部104に対してシ
ステムステート(サイクル)を通知する。
(II-2)イメージ処理システム(IPS) (A)IPSのモジュール構成 第14図はIPSのモジュール構成の概要を示す図である。
カラー画像形成装置では、IIT(イメージ入力ターミナ
ル)においてCCDラインセンサーを用いて光の原色B
(青)、G(緑)、R(赤)に分解してカラー原稿を読
み取ってこれをトナーの原色Y(イエロー)、M(マゼ
ンタ)、C(シアン)、さらにはK(黒又は墨)に変換
し、IOT(イメージ出力ターミナル)においてレーザビ
ームによる露光、現像を行いカラー画像を再現してい
る。この場合、Y、M、C、Kのそれぞれのトナー像に
分解してYをプロセスカラーとするコピープロセス(ピ
ッチ)を1回、同様にM、C、Kについてもそれぞれを
プロセスカラーとするコピーサイクルを1回ずつ、計4
回のコピーサイクルを実行し、これらの網点による像を
重畳することによってフルカラーによる像を再現してい
る。したがって、カラー分解信号(B、G、R信号)を
トナー信号(Y、M、C、K信号)に変換する場合にお
いては、その色のバランスをどう調整するかやIITの読
み取り特性およびIOTの出力特性に合わせてその色をど
う再現するか、濃度やコントラストのバランスをどう調
整するか、エッジの強調やボケ、モアレをどう調整する
か等が問題になる。
IPSは、IITからB、G、Rのカラー分解信号を入力し、
色の再現性、階調の再現性、精細度の再現性等を高める
ために種々のデータ処理を施して現像プロセスカラーの
トナー信号をオン/オフに変換しIOTに出力するもので
あり、第14図に示すようにEND変換(Equivalent Neutra
l Density;等価中性濃度変換)モジュール301、カラー
マスキングモジュール302、原稿サイズ検出モジュール3
03、カラー変換モジュール304、UCR(Under Color Remo
val;下色除去)&黒生成モジュール305、空間フィルタ
ー306、TRC(Tone Reproduction Control;色調補正制
御)モジュール307、縮拡処理モジュール308、スクリー
ンジェネレータ309、IOTインターフェースモジュール31
0、領域生成回路やスイッチマトリクスを有する領域画
像制御モジュール311、エリアコマンドメモリ312やカラ
ーパレットビデオスイッチ回路313やフォントバッファ3
14等を有する編集制御モジュール等からなる。
そして、IITからB、G、Rのカラー分解信号につい
て、それぞれ8ビットデータ(256階調)をEND変換モジ
ュール301に入力し、Y、M、C、Kのトナー信号に変
換した後、プロセスカラーのトナー信号Xをセレクト
し、これを2値化してプロセスカラーのトナー信号のオ
ン/オフデータとしIOTインターフェースモジュール310
からIOTに出力している。したがって、フルカラー(4
カラー)の場合には、プリスキャンでまず原稿サイズ検
出、編集領域の検出、その他の原稿情報を検出した後、
例えばまず初めにプロセスカラーのトナー信号XをYと
するコピーサイクル、続いてプロセスカラーのトナー信
号XをMとするコピーサイクルを順次実行する毎に、4
回の原稿読み取りスキャンに対応した信号処理を行って
いる。
IITでは、CCDセンサーを使いB、G、Rのそれぞれにつ
いて、1ピクセルを16ドット/mmのサイズで読み取り、
そのデータを24ビット(3色×8ビット;256階調)で出
力している。CCDセンサーは、上面にB、G、Rのフィ
ルターが装着されていて16ドット/mmの密度で300mmの長
さを有し、190.5mm/secのプロセススピードで16ライン/
mmのスキャンを行うので、ほぼ各色につき毎秒15Mピク
セルの速度で読み取りデータを出力している。そして、
IITでは、B、G、Rの画素のアナログデータをログ変
換することによって、反射率の情報から濃度の情報に変
換し、さらにデジタルデータに変換している。
次に各モジュールについて説明する。
第15図はIPSを構成する各モジュールを説明するための
図である。
(イ)END変換モジュール END変換モジュール301は、IITで得られたカラー原稿の
光学読み取り信号をグレーバランスしたカラー信号に調
整(変換)するためのモジュールである。カラー画像の
トナーは、グレーの場合に等量になりグレーが基準とな
る。しかし、ITからグレーの原稿を読み取ったときに入
力するB、G、Rのカラー分解信号の値は光源や色分解
フィルターの分光特性等が理想的でないため等しくなっ
ていない。そこで、第15図(a)に示すような変換テー
ブル(LUT;ルックアップテーブル)を用いてそのバラン
スをとるのがEND変換である。したがって、変換テーブ
ルは、グレイ原稿を読み取った場合にそのレベル(黒→
白)に対応して常に等しい階調でB、G、Rのカラー分
解信号に、変換して出力する特性を有するものであり、
IITの特性に依存する。また、変換テーブルは、16面用
意され、そのうち11面がネガフィルムを含むフィルムフ
プロジェクター用のテーブルであり、3面が通常のコピ
ー用、写真用、ジェネレーションコピー用のテーブルで
ある。
(ロ)カラーマスキングモジュール カラーマスキングモジュール302は、B、G、R信号を
マトリクス演算することによりY、M、Cのトナー量に
対応する信号に変換するものであり、END変換によりグ
レーバランス調整を行った後の信号を処理している。
カラーマスキングに用いる変換マトリクスには、純粋に
B、G、RからそれぞれY、M、Cを演算する3×3の
マトリクスを用いているが、B、G、Rだけでなく、B
G、GR、RB、B2、G2、R2の成分も加味するため種々のマ
トリクスを用いたり、他のマトリクスを用いてもよいこ
とは勿論である。変換マトリクスとしては、通常のカラ
ー調整用とモノカラーモードにおける強度信号生成用の
2セットを保育している。
このように、IITのビデオ信号についてIPSで処理するに
際して、何よりもまずグレーバランス調整を行ってい
る。これを仮にカラーマスキングの後に行うとすると、
カラーマスキングの特性を考慮したグレー原稿によるグ
レーバランス調整を行わなければならないため、その変
換テーブルがより複雑になる。
(ハ)原稿サイズ検出モジュール 定型サイズの原稿は勿論のこと切り張りその他任意の形
状の原稿をコピーする場合もある。この場合に、原稿サ
イズに対応した適切なサイズの用紙を選択するために
は、原稿サイズを検出する必要がある。また、原稿サイ
ズよりコピー用紙が大きい場合に、原稿の外側を消すと
コピーの出来映えをよいものとすることができる。その
ため、原稿サイズ検出モジュール303は、プリスキャン
時の原稿サイズ検出と原稿読み取りスキャン時のプラテ
ンカラーの消去(枠消し)処理とを行うものである。そ
のために、プラテンカラーは原稿と識別が容易な色例え
ば黒にし、第15図(b)に示すようにプラテンカラー識
別の上限値/下限値をスレッショルドレジスタ3031にセ
ットする。
そして、プリスキャン時は、原稿の反射率に近い情報に
変換(γ変換)した信号(後述の空間フィルター306の
出力を用いる)Xとスレッショルドレジスタ3031にセッ
トされた上限値/下限値とをコンパレータ3032で比較
し、エッジ検出回路3034で原稿のエッジを検出して座標
(x,y)の最大値と最小値とを最大/最小ソータ3035に
記憶する。
例えば第15図(d)に示すように原稿が傾いている場合
や矩形でない場合には、上下左右の最大値と最小値(x
1,x2、y1,y)が検出、記憶される。また、原稿読み取り
スキャン時は、コンパレータ3033で原稿のY、M、Cと
スレッショルドレジスタ3031にセットされた上限値/下
限値とを比較し、プラテンカラー消去回路3036でエッジ
の外側、即ちプラテンの読み取り信号を消去して枠消し
処理を行う。
(ニ)カラー変換モジュール カラー変換モジュール305は、特定の領域において指定
されたカラーを変換できるようにするものであり、第15
図(c)に示すようにウインドコンパレータ3052、スレ
ッショルドレジスタ3051、カラーパレット3053等を備
え、カラー変換する場合に、被変換カラーの各Y、M、
Cの上限値/下限値をスレッショルドレジスタ3051にセ
ットすると共に変換カラーの各Y、M、Cの値をカラー
パレット3053にセットする。そして、領域画像制御モジ
ュールから入力されるエリア信号にしたがってナンドゲ
ート3054を制御し、カラー変換エリアでない場合には原
稿のY、M、Cをそのままセレクタ3055から送出し、カ
ラー変換エリアに入ると、原稿のY、M、C信号がスレ
ッショルドレジスタ3051にセットされたY、M、Cの上
限値と下限値の間に入るとウインドコンパレータ3052の
出力でセレクタ3055を切り換えてカラーパレット3053に
セットされた変換カラーのY、M、Cを送出する。
指定色は、ディジタイザで直接原稿をポイントすること
により、プリスキャン時に指定された座標の周辺のB、
G、R各25画素の平均をとって指定色を認識する。この
平均操作により、例えば150線原稿でも色差5以内の精
度で認識可能となる。B、G、R濃度データの読み取り
は、IITシェーディング補正RAMより指定座標をアドレス
に変換して読み出し、アドレス変換に際しては、原稿サ
イズ検知と同様にレジストレーション調整分の再調整が
必要である。プリスキャンでは、IITはサンプルスキャ
ンモードで動作する。シェーディング補正RAMより読み
出されたB、G、R濃度データは、ソフトウエアにより
シェーディング補正された後、平均化され、さらにEND
補正、カラーマスキングを実行してからウインドコンパ
レータ3052にセットされる。
登録色は、1670万色中より同時に8色までカラーパレッ
ト3053に登録を可能にし、標準色は、Y、M、C、G、
B、Rおよびこれらの中間色とK、Wの14色を用意して
いる。
(ホ)UCR&黒生成モジュール Y、M、Cが等量である場合にはグレーになるので、理
論的には、等量のY、M、Cを黒に置き換えることによ
って同じ色を再現できるが、現実的には、黒に置き換え
ると色に濁りが生じ鮮やかな色の再現性が悪くなる。そ
こで、UCR&黒生成モジュール305では、このような色の
濁りが生じないように適量のKを生成し、その量に応じ
てY、M、Cを等量減ずる(下色除去)処理を行う。具
体的には、Y、M、Cの最大値と最小値とを検出し、そ
の差に応じて変換テーブルより最小値以下でKを生成
し、その量に応じY、M、Cについて一定の下色除去を
行っている。
UCR&黒生成では、第15図(e)に示すように例えばグ
レイに近い色になると最大値と最小値との差が小さくな
るので、Y、M、Cの最小値相当をそのまま除去してK
を生成するが、最大値と最小値との差が大きい場合に
は、除去の量をY、M、Cの最小値よりも少なくし、K
の生成量も少なくすることによって、墨の混入および低
明度高彩度色の彩度低下を防いでいる。
具体的な回路構成例を示した第15図(f)では、最大値
/最小値検出回路3051によりY、M、Cの最大値と最小
値とを検出し、演算回路3053によりその差を演算し、変
換テーブル3054と演算回路3055によりKを生成する。変
換テーブル3054がKの値を調整するものであり、最大値
と最小値の差が小さい場合には、変換テーブル3054の出
力値が零になるので演算回路3055から最小値をそのまま
Kの値として出力するが、最大値と最小値の差が大きい
場合には、変換テーブル3054の出力値が零でなくなるの
で演算回路3055で最小値からその分減算された値をKの
値として出力する。変換テーブル3056がKに対応して
Y、M、Cから除去する値を求めるテーブルであり、こ
の変換テーブル3056を通して演算回路3059でY、M、C
からKに対応する除去を行う。また、アンドゲート305
7、3058はモノカラーモード、4フルカラーモードの各
信号にしたがってK信号およびY、M、Cの下色除去し
た後の信号をゲートするものであり、セレクタ3052、30
50は、プロセスカラー信号によりY、M、C、Kのいず
れかを選択するものである。このように実際には、Y、
M、Cの網点で色を再現しているので、Y、M、Cの除
去やKの生成比率は、経験的に生成したカーブやテーブ
ル等を用いて設定されている。
(ヘ)空間フィルターモジュール 本複写機に適用される装置では、先に述べたようにIIT
でCCDをスキャンしながら原稿を読み取るので、そのま
まの情報を使うとボケた情報になり、また、網点により
原稿を再現しているので、印刷物の網点周期と16ドット
/mmのサンプリング周期との間でモアレが生じる。ま
た、自ら生成する網点周期と原稿の網点周期との間でも
モアレが生じる。空間フィルターモジュール306は、こ
のようなボケを回復する機能とモアレを除去する機能を
備えたものである。そして、モアレ除去には網点成分を
カットするためローパスフィルタが用いられ、エッジ強
調にはハイパスフィルタが用いられている。
空間フィルターモジュール306では、第15図(g)に示
すようにY、M、C、MinおよびMax-Minの入力信号の1
色をセレクタ3003で取り出し、変換テーブル3004を用い
て反射率に近い情報に変換する。この情報の方がエッジ
を拾いやすいからであり、その1色としては例えばYを
セレクトしている。また、スレッショルドレジスタ300
1、4ビットの2値化回路3002、デコーダ3005を用いて
画素毎に、Y、M、C、MinおよびMax-MinからY、M、
C、K、B、G、R、W(白)の8つに色相分離する。
同図(g)のデコーダ3005は、2値化情報に応じて色相
を認識してプロセスカラーから必要色か否かを1ビット
の情報で出力するものである。
第15図(g)の出力は、第15図(h)の回路に入力され
る。ここでは、FIFO3061と5×7デジタルフィルタ306
3、モジュレーションテーブル3066により網点除去の情
報を生成し、FIFO3062と5×7デジタルフィルタ3064、
モジュレーションテーブル3067、ディレイ回路3065によ
り同図(g)の出力情報からエッジ強調情報を生成す
る。モジュレーションテーブル3066、3067は、写真や文
字専用、混在等のコピーのモードに応じてセレクトされ
る。
エッジ強調では、例えば第15図(i)のような緑の文
字をのように再現しようとする場合、Y、Cを、
のように強調処理し、Mは実線のように強調処理しな
い。このスイッチングを同図(h)のアンドゲート3068
で行っている。この処理を行うには、の点線のように
強調すると、のようにエッジにMの混色による濁りが
生じる。
同図(h)のディレイ回路3065は、このような強調をプ
ロセスカラー毎にアンドゲート3068でスイッチングする
ためにFIFO3062と5×7デジタルフィルタ3064との同期
を図るものである。鮮やかな緑の文字を通常の処理で再
生すると、緑の文字にマゼンタが混じり濁りが生じる。
そこで、上記のようにして緑と認識するとY、Cは通常
通り出力するが、Mは抑えエッジ強調をしないようにす
る。
(ト)TRC変換モジュール IOTは、IPSからのオン/オフ信号にしたがってY、M、
C、Kの各プロセスカラーにより4回のコピーサイクル
(4フルカラーコピーの場合)を実行し、フルカラー原
稿の再生を可能にしているが、実際には、信号処理によ
り理論的に求めたカラーを忠実に再生するには、IOTの
特性を考慮した微妙な調整が必要である。TRC変換モジ
ュール309は、このような再現性の向上を図るためのも
のであり、Y、M、Cの濃度の各組み合わせにより、第
15図(j)に示すように8ビット画像データをアドレス
入力とするアドレス変換テーブルをRAMに持ち、エリア
信号に従った濃度調整、コントラスト調整、ネガポジ反
転、カラーバランス調整、文字モード、すかし合成等の
編集機能を持っている。このRAMアドレス上位3ビット
にはエリア信号のビット0〜ビット3が使用される。ま
た、領域外モードにより上記機能を組み合わせて使用す
ることもできる。なお、このRAMは、例えば2kバイト(2
56バイト×8面)で構成して8面の変換テーブルを保有
し、Y、M、Cの各サイクル毎にIITキャリッジリター
ン中に最高8面分ストアされ、領域指定やコピーモード
に応じてセレクトされる。勿論、RAM容量を増やせば各
サイクル毎にロードする必要はない。
(チ)縮拡処理モジュール 縮拡処理モジュール308は、ラインバッファ3083にデー
タXを一旦保持して送出する過程において縮拡処理回路
3082を通して縮拡処理するものであり、リサンプリング
ジェネレータ&アドレスコントローラ3081でサンプリン
グピッチ信号とラインバッファ3083のリード/ライトア
ドレスを生成する。ラインバッファ3083は、2ライン分
からなるピンポンバッファとすることにより一方の読み
出しと同時に他方に次のラインデータを書き込めるよう
にしている。縮拡処理では、主走査方向にはこの縮拡処
理モジュール308でデジタル的に処理しているが、副走
査方向にはIITのスキャンのスピードを変えている。ス
キャンスピードは、2倍速から1/4倍速まで変化させる
ことにより50%から400%まで縮拡できる。デジタル処
理では、ラインバッファ3083にデータを読み/書きする
際に間引き補完することによって縮小し、付加補完する
ことによって拡大することができる。補完データは、中
間にある場合には同図(1)に示すように両側のデータ
との距離に応じた重み付け処理して生成される。例えば
データXi′の場合には、両側のデータXi、Xi+1および
これらのデータとサンプリングポイントとの距離d1、d2
から、 (Xi×d2)+(Xi+1×d1) ただし、d1+d2=1 の演算をして求められる。
縮小処理の場合には、データの補完をしながらラインバ
ッファ3083に書き込み、同時に前のラインの縮小処理し
たデータをバッファから読み出して送出する。拡大処理
の場合には、一旦そのまま書き込み、同時に前のライン
のデータを読み出しながら補完拡大して送出する。書き
込み時に補完拡大すると拡大率に応じて書き込み時のク
ロックを上げなければならなくなるが、上記のようにす
ると同じクロックで書き込み/読み出しができる。ま
た、この構成を使用し、途中から読み出したり、タイミ
ングを遅らせて読み出したりすることによって主走査方
向のシフトイメージ処理することができ、繰り返し読み
出すことによって繰り返し処理することができ、反対の
方から読み出すことによって鏡像処理することもでき
る。
(リ)スクリーンジェネレータ スクリーンジェネレータ309は、プロセスカラーの階調
トナー信号をオン/オフの2値化トナー信号に変換し出
力するものであり、閾値マトリクスと階調表現されたデ
ータ値との比較による2値化処理とエラー拡散処理を行
っている。IOTでは、この2値化トナー信号を入力し、1
6ドット/mmに対応するようにほぼ縦80μmφ、幅60μm
φの楕円形状のレーザビームをオン/オフして中間調の
画像を再現している。
まず、階調の表現方法について説明する。第15図(n)
に示すように例えば4×4のハーフトーンセルsを構成
する場合について説明する。まず、スクリーンジェネレ
ータでは、このようなハーフトーンセルsに対応して閾
値マトリクスmが設定され、これと階調表現されたデー
タ値とが比較される。そして、この比較処理では、例え
ばデータ値が「5」であるとすると、閾値マトリクスm
の「5」以下の部分でレーザビームをオンとする信号を
生成する。
16ドット/mmで4×4のハーフトーンセルを一般に100sp
i、16階調の網点というが、これでは画像が粗くカラー
画像の再現性が悪いものとなる。そこで、本複写機で
は、階調を上げる方法として、この16ドット/mmの画素
を縦(主走査方向)に4分割し、画素単位でのレーザビ
ームのオン/オフ周波数を同図(o)に示すように1/4
の単位、すなわち4倍に上げるようにすることによって
4倍高い階調を実現している。しかがって、これに対応
して同図(o)に示すような閾値マトリクスm′を設定
している。さらに、線数を上げるためにサブマトリクス
法を採用するのも有効である。
上記の例は、各ハーフトーンセルの中央付近を唯一の成
長核とする同じ閾値マトリクスmを用いたが、サブマト
リクス法は、複数の単位マトリクスの集合により構成
し、同図(p)に示すようにマトリクスの成長核を2カ
所或いはそれ以上(複数)にするものである。このよう
なスクリーンのパターン設計手法を採用すると、例えば
明るいところは141spi、64階調にし、暗くなるにしたが
って200spi、128階調にすることによって暗いところ、
明るいところに応じて自由に線数と階調を変えることが
できる。このようなパターンは、階調の滑らかさや細線
性、粒状性等を目視によって判定することによって設計
することができる。
中間調画像を上記のようなドットマトリクスによって再
現する場合、階調数と解像度とは相反する関係となる。
すなわち、階調数を上げると解像度が悪くなり、解度を
上げると階調数が低くなるという関係がある。また、閾
値データのマトリクスを小さくすると、実際に出力する
画像に量子化誤差が生じる。エラー拡散処理は、同図
(q)に示すようにスクリーンジェネレータ3092で生成
されたオン/オフの2値化信号と入力の階調信号との量
子化誤差を濃度変換回路3093、減算回路3094により検出
し、補正回路3095、加算回路3091を使ってフィードバッ
クしてマクロ的にみたときの階調の再現性を良くするも
のであり、例えば前のラインの対応する位置とその両側
の画素をデジタルフィルタを通してたたみこむエラー拡
散処理を行っている。
スクリーンジェネレータでは、上記のように中間調画像
や文字画像等の画像の種類によって原稿或いは領域毎に
閾値データやエラー拡散処理のフィードバック係数を切
り換え、高階調、高精細画像の再現性を高めている。
(ヌ)領域画像制御モジュール 領域画像制御モジュール311では、7つの矩形領域およ
びその優先順位が領域生成回路に設定可能な構成であ
り、それぞれの領域に対応してスイッチマトリクスに領
域の制御情報が設定される。制御情報としては、カラー
変換やモノカラーかフルカラーか等のカラーモード、写
真や文字等のモジュレーションセレクト情報、TRCのセ
レクト情報、スクリーンジェネレータのセレクト情報等
があり、カラーマスキングモジュール302、カラー変換
モジュール304、UCRモジュール305、空間フィルター30
6、TRCモジュール307の制御に用いられる。なお、スイ
ッチマトリクスは、ソフトウエアにより設定可能になっ
ている。
(ル)編集制御モジュール 編集制御モジュールは、矩形でなく例えば円グラフ等の
原稿を読み取り、形状の限定されない指定領域を指定の
色で塗りつぶすようなぬりえ処理を可能にするものであ
り、同図(m)に示すようにCPUのバスにAGDC(Advance
d Graphic Digital Controller)3121、フォントバッフ
ァ3126、ロゴROM128、DMAC(DMA Controller)3129が接
続されている。そして、CPUから、エンコードされた4
ビットのエリアコマンドがAGDC3121を通してプレーンメ
モリ3122に書き込まれ、フォントバッファ3126にフォン
トが書き込まれる。プレーンメモリ3122は、4枚で構成
し、例えば「0000」の場合にはコマンド0であってオリ
ジナルの原稿を出力するというように、原稿の各点をプ
レーン0〜プレーン3の4ビットで設定できる。この4
ビット情報をコマンド0〜コマンド15にデコードするの
がデコーダ3123であり、コマンド0〜コマンド15をフィ
ルパターン、フィルロジック、ロゴのいずれの処理を行
うコマンドにするかを設定するのがスイッチマトリクス
3124である。フォントアドレスコントローラ3125は、2
ビットのフィルパターン信号により網点シェード、ハッ
チングシェード等のパターンに対応してフォントバッフ
ァ3126のアドレスを生成するものである。
スイッチ回路3127は、スイッチマトリクス3124のフィル
ロジック信号、原稿データXの内容により、原稿データ
X、フォントバッファ3126、カラーパレットの選定等を
行うものである。フィルロジックは、バックグラウンド
(原稿の背景部)だけをカラーメッシュで塗りつぶした
り、特定部分をカラー変換したり、マスキングやトリミ
ング、塗りつぶし等を行う情報である。
本複写機のIPSでは、以上のようにIITの原稿読み取り信
号について、まずEND変換した後カラーマスキングし、
フルカラーデータでの処理の方が効率的な原稿サイズや
枠消し、カラー変換の処理を行ってから下色除去および
墨の生成をして、プロセスカラーに絞っている。しか
し、空間フィルターやカラー変調、TRC、縮拡等の処理
は、プロセスカラーのデータを処理することによって、
フルカラーのデータで処理する場合より処理量を少なく
し、使用する変換テーブルの数を1/3にすると共に、そ
の分、種類を多くして調整の柔軟性、色の再現性、階調
の再現性、精細度の再現性を高めている。
(B)イメージ処理システムのハードウエア構成 第16図はIPSのハードウエア構成例を示す図である。
本複写機のIPSでは、2枚の基板、IPS-AおよびIPS-Bに
分割し、色の再現性や階調の再現性、精細度の再現性等
のカラー画像形成装置としての基本的な機能を達成する
部分について第1の基板IPS-Aに、編集のように応用、
専門機能を達成する部分を第2の基板IPS-Bに搭載して
いる。前者の構成が第16図(a)〜(c)であり、後者
の構成が同図(d)である。特に第1の基板により基本
的な機能が充分達成できれば、第2の基板を設計変更す
るだけで応用、専門機能について柔軟に対応できる。し
たがって、カラー画像形成装置として、さらに機能を高
めようとする場合には、他方の基板の設計変更をするだ
けで対応できる。
IPSの基板には、第16図に示すようにCPUのバス(アドレ
スバスADRSBUS、データバスDATABUS、コントロールバス
CTRLBUS)が接続され、IITのビデオデータB、G、R、
同期信号としてビデオクロックIIT・VCLK、ライン同期
(主走査方向、水平同期)信号IIT・LS、ページ同期
(副走査方向、垂直同期)信号IIT・PSが接続される。
ビデオデータは、END変換部以降においてパイプライン
処理されるため、それぞれの処理段階において処理に必
要なクロック単位でデータの遅れが生じる。そこで、こ
のような各処理の遅れに対応して水平同期信号を生成し
て分配し、また、ビデオクロックとライン同期信号のフ
ェイルチェックするのが、ライン同期発生&フェイルチ
ェック回路328である。そのため、ライン同期発生&フ
ェイルチェック回路328には、ビデオクロックIIT・VCLK
とライン同期信号IIT・LSが接続され、また、内部設定
書き換えを行えるようにCPUのバス(ADRSBUS、DATABU
S、CTRLBUS)、チップセレクト信号CSが接続される。
IITのビデオデータB、G、RはEND変換部のROM321に入
力される。END変換テーブルは、例えばRAMを用いCPUか
ら適宜ロードするように構成してもよいが、装置が使用
状態にあって画像データの処理中に書き換える必要性は
ほとんど生じないので、B、G、Rのそれぞれに2kバイ
トのROMを2個ずつ用い、ROMによるLUT(ルックアップ
テーブル)方式を採用している。そして、16面の変換テ
ーブルを保有し、4ビットの選択信号ENDselにより切り
換えられる。
END変換されたROM321の出力は、カラー毎に3×1マト
リクスを2面保有する3個の演算LSI322からなるカラー
マスキング部に接続される。演算LSI322には、CPUの各
パスが接続され、CPUからマトリクスの係数が設定可能
になっている。画像信号の処理からCPUによる書き換え
等のためCPUのバスに切り換えるためにセットアップ信
号SU、チップセレクト信号CSが接続され、マトリクスの
選択切り換えに1ビットの切り換え信号MONOが接続され
る。また、パワーダウン信号PDを入力し、IITがスキャ
ンしていないときすなわち画像処理をしていないとき内
部のビデオクロックを止めている。
演算LSI322によりB、G、RからY、M、Cに変換され
た信号は、同図(d)に示す第2の基板IPS-Bのカラー
変換LSI353を通してカラー変換処理後、DOD用LSI323に
入力される。カラー変換LSI353には、非変換カラーを設
定するスレッショルドレジスタ、変換カラーを設定する
カラーパレット、コンパレータ等からなるカラー変換回
路を4回路保有し、DOD用LSI323には、原稿のエッジ検
出回路、枠消し回路等を保有している。
枠消し処理したDOD用LSI323の出力は、UCR用LSI324に送
られる。このLSIは、UCR回路と墨生成回路、さらには必
要色生成回路を含み、コピーサイクルでのトナーカラー
に対応するプロセスカラーX、必要色Hue、エッジEdge
の各信号を出力する。したがって、このLSIには、2ビ
ットのプロセスカラー指定信号COLR、カラーモード信号
(4COLR、MONO)も入力される。
ラインメモリ325は、UCR用LSI324から出力されたプロセ
スカラーX、必要色Hue、エッジEdgeの各信号を5×7
のデジタルフィルター326に入力するために4ライン分
のデータを蓄積するFIFOおよびその遅れ分を整合させる
ためのFIFOからなる。ここで、プロセスカラーXとエッ
ジEdgeについては4ライン分蓄積してトータル5ライン
分をデジタルフィルター326に送り、必要色Hueについて
はFIFOで遅延させてデジタルフィルター326の出力と同
期させ、MIX用LSI327に送るようにしている。
デジタルフィルター326は、2×7フィルターのLSIを3
個で構成した5×7フィルターが2組(ローパスLPとハ
イパスHP)あり、一方で、プロセスカラーXについての
処理を行い、他方で、エッジEdgeについての処理を行っ
ている。MIX用LSI327では、これらの出力に変換テーブ
ルで網点除去やエッジ強調の処理を行いプロセスカラー
Xにミキシングしている。ここでは、変換テーブルを切
り換えるための信号としてエッジEDGE、シャープSharp
が入力されている。
TRC342は、8面の変換テーブルを保有する2kバイトのRA
Mからなる。変換テーブルは、各スキャンの前、キャリ
ッジのリターン期間を利用して変換テーブルの書き換え
を行うように構成され、3ビットの切り換え信号TRCsel
により切り換えられる。そして、ここからの処理出力
は、トランシーバーより縮拡処理用LSI345に送られる。
縮拡処理部は、8kバイトのRAM344を2個用いてピンポン
バッファ(ラインバッファ)を構成し、LSI343でリサン
プリングピッチの生成、ラインバッファのアドレスを生
成している。
縮拡処理部の出力は、同図(d)に示す第2の基板のエ
リアメモリ部を通ってEDF用LSI346に戻る。EDF用LSI346
は、前のラインの情報を保持するFIFOを有し、前のライ
ンの情報を用いてエラー拡散処理を行っている。そし
て、エラー拡散処理後の信号Xは、スクリーンジェネレ
ータを構成するSG用LSI347を経てIOTインターフェース
へ出力される。
IOTインターフェースでは、1ビットのオン/オフ信号
で入力されたSG用LSI347からの信号をLSI349で8ビット
にまとめてパラレルでIOTに送出している。
第16図に示す第2の基板において、実際に流れているデ
ータは、16ドット/mmであるので、縮小SI354では、1/4
に縮小して且つ2値化してエリアメモリに蓄える。拡大
デコードLSI359は、フィルパターンRAM360を持ち、エリ
アメモリから領域情報を読み出してコマンドを生成する
ときに16ドットに拡大し、ロゴアドレスの発生、カラー
パレット、フィルパターンの発生処理を行っている。DR
AM356は、4面で構成しコードされた4ビットのエリア
情報を格納する。AGDC355は、エリアコマンドをコント
ロールする専用のコントローラである。
(II-3)イメージ出力ターミナル (A)概略構成 第17図はイメージ出力ターミナル(IOT)の概略構成を
示す図である。
本装置は感光体として有機感材ベルト(photo Recepter
ベルト)を使用し、4色フルカラー用にブラック
(K)、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー
(Y)からなる現像機404、用紙を転写部に搬送する転
写装置(Tow Roll Transfer Loop)406、転写装置404か
ら定着装置408へ用紙を搬送する真空搬送装置(Vacuum
Transfer)407、用紙トレイ410、412、用紙搬送路411が
備えられ、感材ベルト、現像機、転写装置の3つのユニ
ットはフロント側へ引き出せる構成となっている。
レーザー光源40からのレーザ光を変調して得られた情報
光はミラー40dを介して感材41上に照射されて露光が行
われ、潜像が形成される。感材上に形成されたイメージ
は、現像機404で現像されてトナー像が形成される。現
像機404はK、M、C、Yからなり、図示するような位
置関係で配置される。これは、例えば暗減衰と各トナー
の特性との関係、ブラックトナーへの他のトナーの混色
による影響の違いといったようなことを考慮して配置し
ている。但し、フルカラーコピーの場合の駆動順序は、
Y→C→M→Kである。
一方、2段のエレベータトレイからなる410、他の2段
のトレイ412から供給される用紙は、搬送路411を通して
転写装置406に供給される。転写装置406は転写部に配置
され、タイミングチェーンまたはベルトで結合された2
つのロールと、後述するようなグリッパーバーからな
り、グリッパーバーで用紙をくわえ込んで用紙搬送し、
感材上のトナー像を用紙に転写させる。4色フルカラー
の場合、用紙は転写装置部で4回転し、Y、C、M、K
の像がこの順序で転写される。転写後の用紙はグリッパ
ーバーから解放されて転写装置から真空搬送装置407に
渡され、定着装置408で定着されて排出される。
真空搬送装置407は、転写装置406と定着装置408との速
度差を吸収して同期をとっている。本装置においては、
転写速度(プロセススピード)は190mm/secで設定され
ており、フルカラーコピー等の場合には定着速度は90mm
/secであるので、転写速度と定着速度とは異なる。定着
度を確保するために、プロセススピードを落としてお
り、一方1.5kVA達成のため、パワーをフューザにさくこ
とができない。
そこで、B5、A4等の小さい用紙の場合、転写された用紙
が転写装置406から解放されて真空搬送装置407に載った
瞬間に真空搬送装置の速度を190mm/secから90mm/secに
落として定着速度と同じにしている。しかし、本装置で
は転写装置と定着装置間をなるべく短くして装置をコン
パクト化するようにしているので、A3用紙の場合は転写
ポイントと定着装置間に納まらず、真空搬送装置の速度
を落としてしまうと、A3の後端は転写中であるので用紙
にブレーキがかかり色ズレを生じてしまうことになる。
そこで、定着装置と真空搬送装置との間にバッフル板40
9を設け、A3用紙の場合にはバッフル板を下側に倒して
用紙にループを描かせて搬送路を長くし、真空搬送装置
は転写速度と同一速度として転写が終わってから用紙先
端が定着装置に到達するようにして速度差を吸収するよ
うにしている。また、OHPの場合も熱伝導が悪いのでA3
用紙の場合と同様にしている。
なお、本装置ではフルカラーだけでなく黒でも生産性を
落とさずにコピーできるようにしており、黒の場合には
トナー層が少なく熱量が小さくても定着可能であるの
で、定着速度は190mm/secのまま行い、真空搬送装置で
のスピードダウンは行わない。これは黒以外にもシング
ルカラーのようにトナー層が1層の場合は定着速度は落
とさずにすむので同様にしている。そして、転写が終了
するとクリーナ405で感材上に残っているトナーが掻き
落とされる。
(B)転写装置の構成 転写装置406は第18図(a)に示すような構成となって
いる。
本装置の転写装置はメカ的な用紙支持体を持たない構成
にして色ムラ等が起きないようにし、また、スピードの
コントロールを行って転写速度を上げるようすることを
特徴としている。
用紙はフィードヘッド421でトレイから排出され、ペー
パーパスサーボ423で駆動されるバックルチャンバー422
内を搬送され、レジゲートソレノイド426により開閉制
御されるレジゲート425を介して転写装置へ供給され
る。用紙がレジゲートに到達したことはプリレジゲート
センサ424で検出するようにしている。転写装置の駆動
は、サーボモータ432でタイミングベルトを介してロー
ラ433を駆動することによって行い、反時計方向に回転
駆動している。ローラ434は特に駆動はしておらず、ロ
ーラ間には2本のタイミング用のチェーン、またはベル
トが掛けられ、チェーン間(搬送方向に直角方向)に
は、常時は弾性で閉じており、転写装置入り口でソレノ
イドにより口を開くグリッパーバー430が設けられてお
り、転写装置入口で用紙をくわえて引っ張り回すことに
より搬送する。従来は、マイラーシート、またはメッシ
ュをアルミないしスチール性の支持体に貼って用紙を支
持していたため、熱膨張率の違いにより凹凸が生じて転
写に対して平面性が悪くなり、転写効率が部分的に異な
って色ムラが生じていたのに対し、このグリッパーバー
の使用により、用紙の支持体を特に設ける必要がなく、
色ムラの発生を防止することができる。
転写装置には搬送する用紙の支持体は設けておらず、ロ
ーラ部では用紙は遠心力で外側へ放り出されることにな
るので、これを防止するために2つのローラを真空引き
して用紙をローラの方へ引きつけ、ローラを過ぎるとひ
らひらしながら搬送される。用紙は転写ポイントにおい
て、デタックコロトロン、トランスファコロトロンが配
置された感材の方へ静電的な力により吸着され転写が行
われる。転写終了後、転写装置出口においてグリッパホ
ームセンサ436で位置検出し、適当なタイミングでソレ
ノイドによりグリッパバーの口を開いて用紙を離し、真
空搬送装置413へ渡すことになる。
従って、転写装置において、一枚の用紙はフルカラーの
場合であれば4回転、3色の場合であれば3回転搬送さ
れて転写が行われることになる。
サーボモータ432のタイミング制御を第18図(b)によ
り説明する。転写装置においては、転写中はサーボモー
タ432を一定速度でコントロールし、転写が終了すれば
用紙に転写されたリードエッジが、次の潜像の転写ポイ
ントと同期するように制御すればよい。一方、感材ベル
ト41の長さは、A4で3枚、A3で2枚の潜像が形成される
長さであり、また、ベルト435の長さはA3用紙の長さよ
り少し長く(略4/3倍)設定されている。
従って、A4用紙のカラーコピーを行う場合には、1色目
の潜像I1を転写するときにはサーボモータ432を一定速
度でコントロールし、転写が終了すると用紙に転写され
たリードエッジが、2色目の潜像I2の先端と同期するよ
うに、サーボモータを急加速して制御する。また、A3用
紙の場合には、1色目の潜像I1の転写が終了すると用紙
に転写されたリードエッジが、2色目の潜像I2の先端と
同期するように、サーボモータを減速して待機するよう
に制御する。
(II-4)ユーザインターフェース(U/I) (A)カラーディスプレイの採用 第19図はディスプレイを用いたユーザインターフェース
装置の取り付け状態および外観を示す図、第20図はユー
ザインターフェースの取り付け角や高さを説明するため
の図である。
ユーザインターフェースは、オペレータと機械とのわか
りやすい対話を支援するものであり、シンプルな操作を
可能にし、情報の関連を明らかにしつつ必要な情報をオ
ペレータに印象付け得るものでなければならない。その
ために、本複写機では、ユーザーの使い方に対応したオ
リジナルのユーザインターフェースを作成し、初心者に
はわかりやすく、熟練者には煩わしくないこと、機能の
内容を選択する際にはダイレクト操作が可能であるこ
と、色を使うことにより、より正確、より迅速にオペレ
ータに情報を伝えること、操作をなるべく1カ所に集中
することを操作性のねらいとしている。
複写機において、様々な機能を備え、信頼性の高いもの
であればそれだけ装置としての評価は高くなるが、それ
らの機能が使い難ければ優れた機能を備えていても価値
が極端に低下して逆に高価な装置となる。そのため、高
機能機種であっても使い難いとして装置の総合的評価も
著しく低下することになる。このような点からユーザイ
ンターフェースは、装置が使いやすいかどうかを大きく
左右するファクタとなり、特に、近年のように複写機が
多機能化してくれば尚更のこと、ユーザインターフェー
スの操作性が問題になる。
本複写機のユーザインターフェースは、このような操作
性の向上を図るため、第19図に示すように12インチのカ
ラーディスプレイ501のモニターとその横にハードコン
トロールパネル502を備えている。そして、カラー表示
の工夫によりユーザへ見やすく判りやすいメニューを提
供すると共に、カラーディスプレイ501に赤外線タッチ
ボード503を組み合わせて画面のソフトボタンで直接ア
クセスできるようにしている。また、ハードコントロー
ルパネル502のハードボタンとカラーディスプレイ501の
画面に表示したソフトボタンに操作内容を効率的に配分
することにより操作の簡素化、メニュー画面の効率的な
構成を可能にしている。
カラーディスプレイ501とハードコントロールパネル502
との裏側には、同図(b)、(c)に示すようにモニタ
ー制御/電源基板504やビデオエンジン基板505、CRTの
ドライバー基板506等が搭載され、ハードコントロール
パネル502は、同図(c)に示すようにカラーディスプ
レイ501の面よりさらに中央の方へ向くような角度を有
している。
また、カラーディスプレイ501およびハードコントロー
ルパネル502は、図示のようにベースマシン(複写機本
体)507上に直接でなく、ベースマシン507に支持アーム
508を立ててその上に取り付けている。従来のようにコ
ンソールパネルを採用するのではなく、スタンドタイプ
のカラーディスプレイ501を採用すると、第19図(a)
に示すようにベースマシン507の上方へ立体的に取り付
けることができるため、特に、カラーディスプレイ501
を第20図(a)に示すようにベースマシン507の右奥隅
に配置することによって、コンソールパネルを考慮する
ことなく複写機のサイズを設計することができ、装置の
コンパクト化を図ることができる。
複写機において、プラテンの高さすなわち装置の高さ
は、原稿をセットするのに程よい腰の高さになるように
設計され、この高さが装置としての高さを規制してい
る。従来のコンソールパネルは、複写機の上面に取り付
けられるため、ほぼ腰の高さで手から近い位置にあって
操作としてはしやすいが、目から結構離れた距離に機能
選択や実行条件設定のための操作部および表示部が配置
されることになる。その点、本複写機のユーザインター
フェースでは、第20図(b)に示すようにプラテンより
高い位置、すなわち目の高さに近くなるため、見やすく
なると共にその位置がオペレータにとって下方でなく前
方で、且つ右側になり操作もしやすいものとなる。しか
も、ディスプレイの取り付け高さを目の高さに近づける
ことによって、その下側をユーザインターフェースの制
御基板メモリカード装置、キーカウンター等のオプショ
ンキットの取り付けスペースとしても有効に活用でき
る。したがって、メモリカード装置を取り付けるための
構造的な変更が不要となり、全く外観を変えることなく
メモリカード装置を付加装備でき、同時にディスプレイ
の取り付け位置、高さを見やすいものとすることができ
る。また、ディスプレイは、所定の角度で固定してもよ
いが、角度を変えることができるような構造を採用して
もよいことは勿論である。
(B)システム構成 第21図はユーザインターフェースのモジュール構成を示
す図、第29図はユーザインターフェースのハードウエア
構成を示す図である。
本複写機のユーザインターフェースのモジュール構成
は、第21図に示すようにカラーディスプレイ501の表示
画面をコントロールするビデオディスプレイモジュール
511、およびエディットパッド513、メモリカード514の
情報の入出力を処理するエディットパッドインターフェ
ースモジュール512で構成し、これらをコントロールす
るシステムUI517、519やサブシステム515、タッチスク
リーン503、コントロールパネル502がビデオディスプレ
イモジュール511に接続される。
エディットパッドインターフェースモジュール512は、
エディットパッド513からX,Y座標を、また、メモリカー
ド514からジョブやX,Y座標を入力すると共に、ビデオデ
ィスプレイモジュール511にビデオマップ表示情報を送
り、ビデオディスプレイモジュール511との間でUIコン
トロール信号を授受している。
ところで、領域指定には、赤や青のマーカーで原稿上に
領域を指定しトリミングや色変換を行うマーカー指定、
矩形領域の座標による2点指定、エディットパッドでな
ぞるクローズループ指定があるが、マーカー指定は特に
データがなく、また2点指定はデータが少ないのに対
し、クローズループ指定は、編集対象領域として大容量
のデータが必要である。このデータの編集はIPSリモー
トで行われるが、高速で転送するにはデータ量が多い。
そこで、このようなX,Y座標のデータは、一般のデータ
転送ラインとは別に、IIT/IPS516への専用の転送ライン
を使用するように構成している。
ビデオディスプレイモジュール511は、タッチスクリー
ン503の縦横の入力ポイント(タッチスクリーンの座標
位置)を入力してボタンIDを認識し、コントロールパネ
ル502のボタンIDを入力する。そして、システムUI517、
519にボタンIDを送り、システムUI517、519から表示要
求を受け取る。また、サブシステム(ESS)515は、例え
ばワークステーションやホストCPUに接続され、本装置
をレーザープリンタとして使用する場合のプリンタコン
トローラである。この場合には、タッチスクリーン503
やコントロールパネル502、キーボード(図示せず)の
情報は、そのままサブシステム515に転送され、表示画
面の内容がサブシステム515からビデオディスプレイモ
ジュール511に送られてくる。
システムUI517、519は、マスターコントローラ518、520
との間でコピーモードやマシンステートの情報を授受し
ている。先に説明した第4図と対応させると、このシス
テムUI517、519の一方が第4図に示すSYSリモートのSYS
UIモジュール81であり、他方が第4図に示すMCBリモー
トのMCBUIモジュール86である。
本複写機のユーザインターフェースは、ハードウエアと
して第22図に示すようにUICB521とEPIB522からなる2枚
のコントロールボードで構成し、上記モジュール構成に
対応して機能も大きく2つに分けている。そして、UICB
521には、UIのハードをコントロールしエディットパッ
ド513とメモリカード514をドライブするために、また、
タッチスクリーン503の入力を処理してCRTに書くために
2つのCPU(例えばインテル社の8085相当と6845相当)
を使用し、さらに、EPIB522には、ビットマップエリア
に描画する機能が8ビットでは不充分であるので16ビッ
トのCPU(例えばインテル社の80C196KA)を使用し、ビ
ットマップエリアの描画データをDMAでUICB521に転送す
るように構成することによって機能分散を図っている。
第23図はUICBの構成を示す図である。
UICBでは、上記のCPUの他にCPU534(例えばインテル社8
051相当)を有し、CCC531が高速通信回線L-NETやオプシ
ョナルキーボードの通信ラインに接続されてCPU534とCC
C531により通信を制御すると共に、CPU534をタッチスク
リーンのドライブにも用いている。タッチスクリーンの
信号は、その座標位置情報のままCPU534からCCC531を通
してCPU532に取り込まれ、CPU532でボタンIDが認識され
処理される。また、インプットポート551とアウトプッ
トポート552を通してコントロールパネルに接続し、ま
たサブシステムインターフェース548、レシーバ549、ド
ライバ550を通してEPIB522、サブシステム(ESS)から1
MHzのクロックと共に1Mbpsでビデオデータを受け取り、
9600bpsでコマンドやステータス情報の授受を行えるよ
うにしている。
メモリとしては、ブートストラップを格納したブートRO
M535の他、フレームROM538と539、RAM536、ビットマッ
プRAM537、V-RAM542を有している。フレームROM538と53
9は、ビットマップではなく、ソフトでハンドリングし
やすいデータ構造により表示画面のデータが格納された
メモリであり、LNETを通して表示要求が送られてくる
と、CPU532によりRAM536をワークエリアとしてまずここ
に描画データが生成され、DMA541によりV-RAM542に書き
込まれる。また、ビットマップのデータは、DMA540がEP
IB522からビットマップRAM537に転送して書き込まれ
る。キャラクタジェネレータ544はグラフィックタイル
用であり、テキストキャラクタジェネレータ543は文字
タイル用である。
V-RAM542は、タイルコードで管理され、タイルコード
は、24ビット(3バイト)で構成し、13ビットをタイル
の種類情報に、2ビットをテキストかグラフィックかビ
ットマップかの識別情報に、1ビットをブリンク情報
に、5ビットをタイルの色情報に、3ビットをバックグ
ラウンドかフォアグラウンドかの情報にそれぞれ用いて
いる。CRTコントローラ533は、V-RAM542に書き込まれた
タイルコードの情報に基づいて表示画面を展開し、シフ
トレジスタ545、マルチプレクサ546、カラーパレット54
7を通してビデオデータをCRTに送り出している。ビット
マップエリアの描画は、シフトレジスタ545で切り換え
られる。
第24図はEPIBの構成を示す図である。EPIBは、16ビット
のCPU(例えばインテル社の80C196KA相当)555、ブート
ページのコードROM556、OSページのコードROM557、エリ
アメモリ558、ワークエリアとして用いるRAM559を有し
ている。そして、インターフェース561、ドライバ562、
ドライバ/レシーバ563を通してUICBへのビットマップ
データの転送やコマンド、ステータス情報の授受を行
い、高速通信インターフェース564、ドライバ565を通し
てIPSへX,Y座標データを転送している。なお、メモリカ
ード525に対する読み/書きは、インターフェース560を
通して行う。したがって、エディットパッド524やメモ
リカード525からクローズループの編集領域指定情報や
コピーモード情報が入力されると、これらの情報は、適
宜インターフェース561、ドライバ562を通してUICBへ、
高速通信インターフェース564、ドライバ565を通してIP
Sへそれぞれ転送される。
(C)ディスプレイ画面構成 ユーザインターフェースにディスプレイを採用する場合
においても、多機能化に対応した情報を提供するにはそ
れだけ情報が多くなるため、単純に考えると広い表示面
積が必要となり、コンパクト化に対応することが難しく
なるという側面を持っている。コンパクトなサイズのデ
ィスプレイを採用すると、必要な情報を全て1画面によ
り提供することは表示密度の問題だけでなく、オペレー
タにとって見やすい、判りやすい画面を提供するという
ことからも難しくなる。
本発明のユーザインターフェースでは、ディスプレイに
コンパクトなサイズのものを採用して、その中で表示画
面、その制御に工夫をしている。特に、カラーディスプ
レイが、コンソールパネルで使用されているLEDや液晶
表示器に比べ、色彩や輝度、その他の表示属性の制御に
より多様な表示態様を採用することができるというメリ
ットを生かし、コンパクトなサイズであっても判りやす
く表示するために種々の工夫をしている。
例えば画面に表示する情報を大きく分類して複数の画面
に分割し、さらに1画面単位では、詳細な情報をポップ
アップ展開にして一次画面から省くことによって必要最
小限の情報で簡潔に画面を構成するように工夫してい
る。そして、複数の情報が盛り込まれた画面では、カラ
ー表示の特徴、強調表示の特徴を出すことによって画面
画面での必要な情報の認識、識別が容易にできるように
工夫している。
(イ)画面レイアウト 第25図はディスプレイ画面の構成例を示す図であり、同
図(a)はベーシックコピー画面の構成を示す図、同図
(b)はベーシックコピー画面にポップアップ画面を展
開した例を示す図、同図(c)はクリエイティブ編集の
ペイント1画面の構成を示す図である。
本複写機のユーザインターフェースでは、初期画面とし
て、第25図に示すようなコピーモードを設定するベーシ
ックコピー画面が表示される。コピーモードを設定する
画面は、ソフトコントロールパネルを構成し、第25図に
示すようにメッセージエリアAとパスウエイBに2分し
たものである。
メッセージエリアAは、スクリーンの上部3行を用い、
第1ラインはステートメッセージ用、第2ラインから第
3ラインは機能選択に矛盾がある場合のその案内メッセ
ージ用、装置の異常状態に関するメッセージ用、警告情
報メッセージ用として所定のメッセージが表示される。
また、メッセージエリアAの右端は、枚数表示エリアと
し、テンキーにより入力されたコピーの設定枚数や複写
中枚数が表示される。
パスウエイBは、各種機能の選択を行う領域であって、
ベーシックコピー、エイディドフィーチャー、マーカー
編集、ビジネス編集、フリーハンド編集、クリエイティ
ブ編集、ツールの各パスウエイを持ち、各パスウエイに
対応してパスウエイタブCが表示される。また、各パス
ウエイには、操作性を向上させるためにポップアップを
持つ。パスウエイBには、選択肢であってタッチすると
機能の選択を行うソフトボタンD、選択された機能に応
じて変化しその機能を表示するアイコン(絵)E、縮拡
率を表示するインジケーターF等が表示され、ソフトボ
タンDでポップアップされるものにΔのポップアップマ
ークGが付けられている。そして、パスウエイタブCを
タッチすることによってそのパスウエイがオープンで
き、ソフトボタンDをタッチすることによってその機能
が選択できる。ソフトボタンDのタッチによる機能の選
択は、操作性を考慮して左上から右下の方向へ向けて順
に操作するような設計となっている。
上記のように他機種との共通性、ハードコンソールパネ
ルとの共通性を最大限持たせるようにベーシックコピー
画面とその他を分け、また編集画面は、オペレータの熟
練度に合わせた画面、機能を提供するように複数の層構
造としている。さらに、このような画面構成とポップア
ップ機能とを組み合わせることにより、1画面の中でも
機能の高度なものや複雑なもの等をポップアップで表示
する等、多彩に利用しやすい画面を提供している。
ポップアップは、特定の機能に対する詳細な設定情報を
もつものであって、ポップアップのオープン機能を持た
せ、その詳細な設定情報を必要に応じてポップアップオ
ープンすることによって、各パスウエイの画面構成を見
やすく簡素なものにしている。ポップアップは、ポップ
アップマークが付いているソフトボタンをタッチしたと
きオープンする。そして、クローズボタンやキャンセル
ボタンをセレクトしたとき、オールクリアボタンを押し
たとき、オートクリア機能によりオールクリアがかかっ
たとき等にクローズする。縮小拡大機能において、変倍
のソフトボタンをタッチしてポップアップをオープンし
た画面の様子を示したのが第25図(b)である。
ベーシックコピー画面において、クリエイティブ編集の
パスウエイタブをタッチすると、クリエイティブ編集パ
スウエイの画面に切り変わるが、その中のペイント1の
画面を示したのが第25図(c)である。この画面では、
ビットマップエリアHと誘導メッセージエリアIを持っ
ている。ビットマップエリアHは、スクリーンの左上を
用い、エディットパッド上で編集エリアを指定した場合
等において、そのエリアを白黒でビットマップ表示でき
るようにしている。また、誘導メッセージエリアIは、
スクリーン左下を用い、編集作業に対応してユーザを誘
導するもので、作業により変わる。スクリーン上では、
これらビットマップエリアH、誘導メッセージエリアI
とスクリーン上部のメッセージエリアAを除いた部分を
ワークエリアとして用いる。
(ロ)ベーシックコピー画面 ベーシックコピーのパスウエイは、第25図(a)に示す
ようにカラーモード、用紙選択、縮小拡大、コピー画
質、カラーバランス、ジョブプログラムの各機能選択の
ソフトボタン(選択肢)を有していると共に、マーカー
編集、ビジネス編集、フリーハンド編集、クリエイティ
ブ編集、さらにエイディドフィーチャー、ツールの各パ
スウエイタブを有している。このパスウエイは、初期の
パスウエイであり、パワーオンやオールクリアボタンの
後、オートクリア時等に表示される。
カラーモードは、Y、M、C、K4種のトナーによりコピ
ーをとるフルカラー(4パスカラー)、Kを除いた3種
のトナーによりコピーをとる3パスカラー、12色の中か
ら1色を選択できるシングルカラー、黒、黒/赤の選択
肢を持ち、自動選択されるデフォルトは任意に設定でき
るようになっている。ここで、シングルカラー、黒/赤
の選択肢は、詳細な設定項目を持つことから、その項目
がポップアップ展開される。
用紙選択は、自動用紙選択(APS)、トレイ1、2、カ
セット3、4の選択肢を持ち、APSは、縮小拡大におい
て特定倍率が設定されている場合に成立し、自動倍率
(AMS)が設定されている場合には成立しない。デフォ
ルトはAPSである。
縮小拡大は、100%、用紙が選択されている場合にその
用紙サイズと原稿サイズから倍率を設定するAMS、任意
変倍の選択肢を持ち、トップのインジケーターに設定さ
れた倍率、算出された倍率、又は自動が表示される。変
倍では、50%〜400%までの範囲で1%刻みの倍率が設
定でき、縦と横の倍率を独立に設定(偏倍)することも
できる。したがって、これらの詳細な設定項目は、ポッ
プアップ展開される。なお、デフォルトは100%であ
る。
先に述べたようにこの縮小拡大は、スキャンスピードの
変更によって副走査方向(X方向)、IPSのラインメモ
リからの読み出し方法の変更によって主走査方向(Y方
向)の縮小拡大を行っている。
コピー画質は、白黒原稿に対しては自動濃度調整を行
い、カラー原稿に対しては自動カラーバランス調整を行
う自動とポップアップにより7ステップの濃度コントロ
ールが行える手動の選択肢を持ち、IPSにおいてそのコ
ントロールが行われる。
カラーバランスは、ポップアップによりコピー上で減色
したい色をY、M、C、B、G、Rから指定し、IPSに
おいてそのコントロールが行われる。
ジョブプログラムは、メモリカードが読み取り装置のス
ロットに挿入されている時のみその選択肢が有効とな
り、このモードでは、ポップアップによりメモリカード
からのジョブの読み込み、メモリカードへのジョブの書
き込みが選択できる。
メモリカードは、例えば最大8ジョブが格納できる32k
バイトの容量のものを用い、フィルムプロジェクターモ
ードを除く全てのジョブをプログラム可能にしている。
(ハ)エイディドフィーチャー画面 エイディドフィーチャーのパスウエイは、コピーアウト
プット、コピーシャープネス、コピーコントラスト、コ
ピーポジション、フィルムプロジェクター、ページプロ
グラミング、ジョブプログラム、とじ代の各機能選択の
ソフトボタン(選択肢)を有していると共に、マーカー
編集、ビジネス編集、フリーハンド編集、クリエイティ
ブ編集、さらにベーシックコピー、ツールの各パスウエ
イタブを有している。
コピーアウトプットは、トップトレイに出力するかソー
トモードかの選択肢を持つ。デフォルトはトップトレイ
であり、ソータが装備されていない場合、この項目は表
示されない。
コピーシャープネスは、標準と、ポップアップにより7
ステップのコントロールができるマニュアルと、ポップ
アップにより写真、文字(キャラクタ)、プリント、写
真/文字に分類される写真との選択肢を持ち、IPSにお
いてそのコントロールが行われる。デフォルトは任意に
設定できる。
コピーコントラストは、7ステップのコントラストコン
トロールが選択できる。コピーポジションは、デフォル
トで用紙のセンターにコピー像のセンターを載せるオー
トセンター機能の選択肢を持つ。
フィルムプロジェクターは、別項により説明しているよ
うに各種フィルムからコピーをとるモードであり、ポッ
プアップによりプロジェクターによる35mmネガや35mmポ
ジ、プラテン上での35mmネガや6cm×6cmスライドや4″
×5″スライドの選択肢を持つ。
ページプログラミングは、コピーにカバーを付けるカバ
ー、コピー間に白紙又は色紙を挿入するインサート、原
稿のページ別にカラーモードで設定できるカラーモー
ド、原稿のページ別にトレイが選択できる用紙の選択肢
を持つ。なお、この項目は、ADFがないと表示されな
い。
とじ代は、0〜30mmの範囲で1mm刻みの設定ができ、1
原稿に対し1カ所のみ指定可能にしている。とじ代量
は、用紙先端からイメージ領域の先端までの量であり、
主走査方向はIPSのラインバッファを用いたシフト操作
によって、副走査方向はIITのスキャンタイミングをず
らすことによって生成している。
(ニ)編集画面およびツール画面 編集画面としては、マーカー編集、ビジネス編集、フリ
ーハンド編集、クリエイティブ編集の4つのパスウエイ
がある。
マーカー編集パスウエイおよびフリーハンド編集パスウ
エイは、抽出、削除、色かけ(網/線/ベタ)、色変換
に関する各機能の選択肢を持ち、さらにベーシックコピ
ー、エイディドフィーチャー、ツールのパスウエイタブ
を持つ。
ビジネス編集パスウエイは、抽出、削除、色かけ(網/
線/ベタ)、色変換、色塗り、ロゴ挿入、とじ代に関す
る各機能の選択肢を持ち、さらにマーカー編集パスウエ
イ等と同様にベーシックコピー、エイディドフィーチャ
ー、ツールのパスウエイタブを持つ。
クリエイティブ編集パスウエイは、抽出、削除、色かけ
(網/線/ベタ)、色変換、色塗り、ロゴ挿入、とじ
代、ネガポジ反転、はめこみ合成、すかし合成、ペイン
ト、鏡像、リピート、拡大連写、部分移動、コーナー/
センター移動、マニュアル/オート変倍、マニュアル/
オート偏倍、カラーモード、カラーバランス調整、ベー
ジ連写、色合成に関する各機能の選択肢を持ち、さらに
マーカー編集パスウエイ等と同様にベーシックコピー、
エイディドフィーチャー、ツールのパスウエイタブを持
つ。
ツールパスウエイは、暗証番号を入力することによって
キーオペレータとカスタマーエンジニアが入れるもので
あり、オーディトロン、マシン初期値のセットアップ、
各機能のデフォルト選択、カラーの登録、フィルムタイ
プの登録、登録カラーの微調整、マシンの各種選択肢の
プリセット、フィルムプロジェクタースキャンエリア設
定、オーディオトーン(音種、音量)、用紙搬送系その
他の各種(オートクリア等)のタイマーセット、ビリン
グメーター、デュアルランゲージの設定、ダイアグモー
ド、最大値調整、メモリカードのフォーマットに関する
各機能の選択肢を持つ。
デフォルト選択は、カラーモード、用紙選択、コピー濃
度、コピーシャープネス、コピーコントラスト、ページ
プログラミングの用紙トレイ、シグルカラーの色、色か
けのカラーパレットの色と網、ロゴタイプのパターン、
とじ代量、カラーバランスがその対象となる。
(ホ)その他の画面制御 ユーザインターフェースでは、常時コピーの実行状態を
監視することにより、ジャムが発生した場合には、その
ジャムに応じた画面を表示する。また、機能設定では、
現在表示されている画面に対するインフォメーション画
面を有し、適宜表示が可能な状態におかれる。
なお、画面の表示は、ビットマップエリアを除いて幅3m
m(8ピクセル)、高さ6mm(16ピクセル)のタイル表示
を採用しており、横が80タイル、縦が25タイルである。
ビットマップエリアは縦151ピクセル、横216ピクセルで
表示される。
以上のように本複写機のユーザインターフェースでは、
ベーシックコピー、エイディドフィーチャー、編集等の
各モードに類別して表示画面を切り換えるようにし、そ
れぞれのモードで機能選択や実行条件の設定等のメニュ
ーを表示すると共に、ソフトボタンをタッチすることに
より選択肢を指定したり実行条件データを入力できるよ
うにしている。また、メニューの選択肢によってはその
詳細項目をポップアップ表示(重ね表示やウインドウ表
示)して表示内容の拡充を図っている。その結果、選択
可能な機能や設定条件が多くても、表示画面をスッキリ
させることができ、操作性を向上させることができる。
(D)ハードコントロールパネル ハードコントロールパネルは、第20図に示すようにカラ
ーディスプレイの右側に画面よりもさらに中央を向くよ
うな角度で取り付けられ、テンキー、テンキークリア、
オールクリア、ストップ、割り込み、スタート、インフ
ォメーション、オーディトロン、言語の各ボタンが取り
付けられる。
テンキーボタンは、コピー枚数の設定、ダイアグモード
におけるコード入力やデータ入力、ツール使用時の暗証
番号の入力に用いるものであり、ジョブの発生中やジョ
ブ中断中は無効となる。
オールクリアボタンは、設定したコピーモードの全てを
デフォルトに戻し、ツール画面のオープン中を除き、ベ
ーシックコピー画面に戻すのに用いるものであり、割り
込みジョブの設定中では、コピーモードがデフォルトに
戻るが、割り込みモードは解除されない。
ストップボタンは、ジョブ実行中にコピーの切れ目でジ
ョブを中断し、コピー用紙を排出後マシンを停止させる
のに用いるものである。また、ダイアグモードでは、入
出力のチェック等を停止(中断)させるのに用いる。
割り込みボタンは、ジョブ中断中を除く第1次ジョブ中
で割り込みモードに入り、割り込みジョブ中で第1次ジ
ョブに戻すのに用いるものである。また、第1次ジョブ
の実行中にこのボタンが操作されると、予約状態とな
り、コピー用紙排出の切れ目でジョブを中断又は終了し
て割り込みのジョブに入る。
スタートボタンは、ジョブの開始、中断後の再開に用い
るのであり、ダイアグモードでは、コード値やデータ値
の入力セーブ、入出力等の開始に用いる。マシン余熱中
にスタートボタンが走査されると、余熱終了時点でマシ
ンはオートスタートする。
インフォメーションボタンは、オンボタンとオフボタン
からなり、コピー実行中を除き受付可能な状態にあっ
て、オンボタンにより現在表示されている画面に対する
インフォメーション画面を表示し、オフボタンにより退
避させるのに用いるものである。
オーディトロンボタンは、ジョブ開始時に暗証番号を入
力するために操作するものである。
ランゲージボタンは、表示画面の言語を切り換えるとき
に操作するものである。したがって、各表示画面毎に複
数言語のデータを持ち、選択できるようにしている。
なお、ハードコントロールパネルには、上記の各ボタン
の他、ボタンの操作状態を表示するために適宜LED(発
光ダイオード)ランプが取り付けられる。
(II-5)フィルム画像読取り装置 (A)フィルム画像読取り装置の概略構成 第2図に示されているように、フィルム画像読取り装置
は、フィルムプロジェクタ(F/P)64およびミラーユニ
ット(M/U)65とを備えている。
(A-1)F/Pの構成 第26図に示されているように、F/P64はハウジング601を
備えており、このハウジング601に動作確認ランプ602、
マニュアルランプスイッチ603、オートフォーカス/マ
ニュアルフォーカス切り換えスイッチ(AF/MF切り換え
スイッチ)604、およびマニュアルフォーカス操作スイ
ッチ(M/F操作スイッチ)605a,605bが設けられている。
また、ハウジング601は開閉自在な開閉部606を備えてい
る。この開閉部606の上面と側面とには、原稿フィルム6
33を保持したフィルム保持ケース607をその原稿フィル
ム633に記録されている被写体の写し方に応じて縦また
は横方向からハウジング601内に挿入することができる
大きさの孔608,609がそれぞれ穿設されている。これら
孔608,609の反対側にもフィルム保持ケース607が突出す
ることができる孔(図示されない)が穿設されている。
開閉部606は蝶番によってハウジング601に回動可能に取
り付けられるか、あるいはハウジング601に着脱自在に
取り付けるようになっている。開閉部606を開閉自在に
することにより、孔608,609からハウジング601内に小さ
な異物が侵入したときに容易にこの異物を取り除くこと
ができるようにしている。
このフィルム保持ケース607は35mmネガフィルム用のケ
ースとポジフィルム用のケースとが準備されている。し
たがって、F/P64はこれらのフィルムに対応することが
できるようにしている。また、F/P64は6cm×6cmや4inch
×5inchのネガフィルムにも対応することができるうに
している。その場合、このネガフィルムをM/U65とプラ
テンガラス31との間でプラテンガラス31上に密着するよ
うにしている。
第26図に示されているように、ハウジング601の図にお
いて右側面には映写レンズ610を保持する映写レンズ保
持部材611が摺動自在に支持されている。
また、ハウジング601内にはリフレクタ612およびハロゲ
ンランプ等からなる光源ランプ613が映写レンズ610と同
軸上に配設されている。ランプ613の近傍には、このラ
ンプ613を冷却するための冷却用ファン614が設けられて
いる。更に、ランプ613の右方には、このランプ613から
の光を収束するための非球面レンズ615、所定の波長の
光線をカットするための熱線吸収フィルタ616および凸
レンズ617がそれぞれ映写レンズ610と同軸上に配設され
ている。
凸レンズ617の右方には、例えば35mmネガフィルム用お
よびポジフィルム用のフィルム濃度を調整するための補
正フィルタ635(図では一方のフィルム用の補正フィル
タが示されている)を支持する補正フィルタ保持部材61
8と、この補正フィルタ保持部材618の駆動用モータ619
と、補正フィルタ保持部材618の回転位置を検出する第
1および第2位置検出センサ620,621と駆動用モータ619
を制御するコントロール装置(F/P64内に設けられるが
図示されていない)とをそれぞれ備えた補正フィルタ自
動交換装置が設けられている。そして、補正フィルタ保
持部材618に支持された補正フィルタ635のうち、原稿フ
ィルム633に対応した補正フィルタ635を自動的に選択し
て映写レンズ610等の各レンズと同軸上の使用位置に整
合するようにしている。この補正フィルタ自動交換装置
の補正フィルタ635は、例えばプラテンガラス31とイメ
ージングユニット37との間等、投影光の光軸上であれば
どの場所にも配設することができる。
更に、映写レンズ保持部材611に連動するオートフォー
カスセンサ用発光器623および受光器624と、映写レンズ
610の映写レンズ保持部材611をハウジング601に対して
摺動させる摺動用モータ625とを備えたオートフォーカ
ス装置が設けられている。フィルム保持ケース607が孔6
08または孔609からハウジング601内に挿入されたとき、
このフィルム保持ケース607に支持された原稿フィルム6
33は補正フィルタ保持部材618と発光器623および受光器
624との間に位置するようにされている。原稿フィルム6
35のセット位置の近傍には、この原稿フィルム633を冷
却するためのフィルム冷却用ファン626が設けられてい
る。
このF/P64の電源はベースマシン30の電源とは別に設け
られるが、このベースマシン30内に収納されている。
(A-2)M/Uの構成 第27図に示されているように、ミラーユニット65は底板
627とこの底板627に一端が回動可能に取り付けられたカ
バー628とを備えている。底板627とカバー628との間に
は、一対の支持片629,629が枢着されており、これら支
持片629,629は、カバー628を最大に開いたときのカバー
628と底板627とのなす角度が45度となるようにカバー62
8を支持するようになっている。
カバー628の裏面にはミラー630が設けられている。また
底板627には大きな開口が形成されていて、この開口を
塞ぐようにしてフレネルレンズ631と拡散板632とが設け
られている。
第29図に示されているように、これらフレネルレンズ63
1と拡散板632とは一枚のアクリル板からなっており、こ
のアクリル板の表面にフレネルレンズ631が形成されて
いるとともに、裏面に拡散板632が形成されている。フ
レネルレンズ631はミラー630によって反射され、拡散し
ようとする映写光を平行な光に変えることにより、画像
の周辺部が暗くなるのを防止する機能を有している。ま
た拡散板632は、フレネルレンズ631からの平行光によっ
て形成される、イメージングユニット37内のセルフォッ
クレンズ224の影をラインセンサ226が検知し得ないよう
にするために平行光を微小量拡散する機能を有してい
る。
このミラーユニット65はF/P64によるカラーコピーを行
わないときには、折畳まれて所定の保管場所に保管され
る。そして、ミラーユニット65は使用する時に開かれて
ベースマシン30のプラテンガラス31上の所定の場所に載
置される。
(B)フィルム画像読取り装置の主な機能 フィルム画像読取り装置は、以下の主な機能を備えてい
る。
(B-1)補正フィルム自動交換機能 F/P64に光源ランプ613として一般に用いられているハロ
ゲンランプは、一般的に赤(R)が多く、青(B)が少
ないという分光特性を有しているので、このランプ613
でフィルムを映写すると、投影光の赤(R)、緑(G)
および青(B)の比がランプ613の分光特性によって影
響を受けてしまう。このため、ハロゲンランプを用いて
映写する場合には、分光特性の補正が必要となる。
一方、画像を記録するフィルムには、ネガフィルムやポ
ジフィルム等の種類があるばかりでなく、ネガフィルム
自体あるいはポジフィルム自体にもいくつかの種類があ
るように、多くの種類がある。これらのフィルムはそれ
ぞれその分光特性が異なっている。例えば、ネガフィル
ムにおいてはオレンジ色をしており、Rの透過率が多い
のに対してBの透過率が少ない。このため、ネガフィル
ムにおいては、Bの光量を多くなるように分光特性を補
正する必要がある。
そこで、F/P64には、このような分光特性を補正するた
めの補正フィルタが準備されている。
F/P64はこれらの補正フィルタを自動的に交換すること
ができるようにしている。補正フィルタの交換は、前述
の補正フィルタ自動交換装置によて行われる。すなわ
ち、原稿フィルム633に対応した補正フィルタを使用位
置にセットするように、システム(SYS)リモート内の
マイクロプロセッサ(CPU)から2bitの命令信号が出力
されると、コントロール装置は、第1、第2位置検出セ
ンサ620,621からの2bit信号がCPUの信号に一致するよう
に、駆動用モータ619を駆動制御する。そして、センサ6
20,621からの信号がCPUの信号に一致すると、コントロ
ール装置はモータ619を停止させる。モータ619が停止し
たときには、原稿フィルムに対応した補正フィルタが自
動的に使用位置にセットされるようになる。
したがって、補正フィルタを簡単かつ正確に交換するこ
とができるようになる。
(B-2)原稿フィルム挿入方向検知機能 原稿フィルム633は開閉部606に形成された挿入孔608,60
9のいずれの孔からも挿入することができる、すなわ
ち、被写体の写し方に対応して鉛直方向からと水平方向
からとの二方向から原稿フィルム633を装着することが
できるようにしている。その場合、挿入孔608,609の少
なくともいずれか一方にはフィルム検知スイッチが設け
られている。すなわち、フィルム検知スイッチが少なく
とも一つ設けられている。そして、フィルム検知スイッ
チが孔608側に設けられるが孔609側には設けられない場
合には、フィルム保持ケース607が孔608から挿入されて
フィルムが検知されたときオンとなって、検知信号を出
力する。この検知信号があるときにはラインセンサ226
の必要エリアは縦、すなわち副走査方向が投影像の長手
方向となるように設定される。また、フィルム保持ケー
ス607が孔609から挿入されたとき、このスイッチはオフ
状態を保持するので検知信号を出力しない。検知信号が
ないときには必要エリアは横、すなわち主走査方向が投
影像の長手方向となるように設定される。
また、フィルム検知スイッチが孔609側のみに設けられ
ている場合、あるいはフィルム検知スイッチ両方の孔60
8,609側に設けられている場合にも、同様に、フィルム
保持ケース607が孔608から挿入されたときにラインセン
サ226の必要エリアは副走査方向が投影像の長手方向と
なるように、またフィルム保持ケース607が孔609から挿
入されたときにラインセンサ226の必要エリアは主走査
方向が投影像の長手方向となるように、フィルム検知ス
イッチのオン、オフ信号が設定される。
(B-3)オートフォーカス機能(AF機能) フィルム保持ケース607をF/P64に装着したとき、原稿フ
ィルム633の装着位置には数+μmの精度が要求され
る。このため、原稿フィルム633を装着した後、ピント
合わせが必要となる。このピント合わせを手動で行う場
合、プラテンガラス31の所定位置にセットされたM/U65
の拡散板632に原稿フィルム633の画像を投影し、その投
影画像を見ながら映写レンズ保持部材611を摺動させて
行わなければならない。その場合、拡散板632に投影さ
れた画像はきわめて見にくいので、正確にピントを合わ
せることは非常に難しい。
そこで、原稿フィルム633をF/P64に装着したとき、F/P6
4は自動的にピント合わせを行うことができるようにし
ている。
このAF機能は前述のAF装置により次のようにして行われ
る。
U/I36のディスプレイ上のキーを操作してE/Pモードにす
ることにより、発光器623が光を発し、また第26図にお
いて、F/P64のAF/MF切換えスイッチ604をAFに選択する
ことにより、AF装置が作動可能状態となる。第29図に示
されているように、原稿フィルム633が入っているフィ
ルムケース607をF/P64に装着すると、発光器623からの
光がこの原稿フィルム633によって反射するようにな
り、その反射光がAFのための例えば2素子型の受光器62
4によって検知される。
そして、受光器624の2素子はそれぞれが検知した反射
光の量に応じた大きさの信号をCPU634に出力する。CPU6
34はこれらの信号の差を演算し、その演算結果が0でな
いときには出力信号を発して2素子からの信号の差が小
さくなる方向にモータ625を駆動する。したがって、映
写レンズ保持部材611が摺動するとともに、これに連動
して、発光器623および受光器624がともに移動する。そ
して、2素子からの出力信号の差が0になると、CPU634
はモータ625を停止する。モータ625が停止したときがピ
ントの合った状態となる。
こうして、AF作動が行われる。これにより、原稿フィル
ムを入れたフィルムケースをF/P64に装着したとき、そ
の都度手動によりピント合わせを行わなくても済むよう
になる。したがって、手間がかからないばかりでなく、
ピントずれによるコピーの失敗が防止できる。
(B-4)マニュアルフォーカス機能(MF機能) AF/MF切り換えスイッチ604をMFに切り換えることによ
り、自動的にランプ613が所定時間点灯し、手動でピン
ト合わせを行うことができるようになる。MFの操作は、
ミラユニット65の拡散板632に映写した原稿フィルムの
画像を見ながら、操作スイッチ605a,605bを押すことに
より行われる。このMFにより、フィルム画像の特定の部
分のピントを合わせることができるようになる。
(B-5)光源ランプのマニュアル点灯機能 マニュアルランプスイッチ603を押すことにより無条件
にランプ613を点灯させることができるようにしてい
る。このスイッチは通常は使用しないが、比較的厚さの
厚いものに記録されている画像をコピーする場合におい
てバックライティングするとき、AF時に長時間映写像を
見るとき、およびランプ切れを確認するとき等に使用さ
れる。
(B-6)倍率自動変更およびスキャンエリア自動変更機
能 U/I36で用紙サイズを設定することにより、倍率を自動
的に設定することができるようにしている。また、U/I3
6で原稿フィルムの種類を選択することにより、そのフ
ィルムに応じてコピーエリアを自動的に選択することが
できるようにしている。
(B-7)自動シェーディング補正機能 CPU634のROMには、一般に、写真撮影によく使用される
ネガフィルムであるFUJI(登録商標)、KODAK(登録商
標)およびKONICA(登録商標)の各ASA100のオレンジマ
スクの濃度データが記憶されており、これらのフィルム
が選択されたとき、CPU634は記憶された濃度データに基
づいて自動的にシェーディング補正を行うことができる
ようにしている。その場合、これらのフィルムのベース
フィルムをF/P64に装着する必要はない。
したがって、ベースフィルムを装着する手間を省くこと
ができるばかりでなく、間違ってベースフィルムを装着
することが防止でき、しかもベースフィルムの管理が不
要となる。
また、この3種類のフィルム以外に他のフィルムの一種
類について、そのフィルムのオレンジマスクの濃度デー
タを登録することができるようにしている。このデータ
は複写機のシステム内のRAMに記憶されるようにしてい
る。この登録されたフィルムの場合にも前述の3種類の
フィルムの場合と同様に自動的にシェーディング補正が
行われる。
(B-8)自動画質調整機能 原稿フィルムの濃度特性やフィルム撮影時の露光条件等
の諸条件に基づいてγ補正等の補正を行い、濃度調整や
カラーバランス調整を自動的に行うことができるように
している。
(C)画像信号処理 (C-1)画像信号の補正の必要性およびその補正の原理 一般にフィルムの持っている濃度レンジは原稿の濃度レ
ンジよりも広い。また、同じフィルムでも、ポジフィル
ムの濃度レンジはネガフィルムのそれよりも広いという
ようにフィルムの種類にもっても濃度レンジが異なる。
更に、フィルムの濃度レンジは、例えばフィルムの露光
量、被写体の濃度あるいは撮影時の明るさ等の原稿フィ
ルムの撮影条件によって左右される。実際に、被写体濃
度はフィルムの濃度レンジ内に広く分布している。
したがって、このようなフィルムに記録されている画像
を、反射光によって原稿をコピーする複写機でコピーし
ようとする場合、同じ信号処理を行ったのでは、良好な
再現性は得られない。そこで、主要被写体の濃度が適正
となるように画像読取り信号を適宜補正することによ
り、良好な再現性を得るようにしている。
第28図は、あるネガフィルムの濃度特性および濃度補正
の原理を示している。この図において、横軸は、右半分
が被写体の露光量(被写体濃度に相当する)を表わし、
左半分がシェーディング補正後の濃度を表わしている。
また、縦軸は、上半分がビデオ回路出力(ほぼネガ濃度
に等しい)を表わし、下半分が出力コピー濃度を表わし
ている。すなわち、第1象限はそのネガフィルムの濃度
特性を、第2象限はシェーディング補正の関係を、第3
象限はγ補正の関係を、そして第4象限は被写体露光量
と補正された出力コピー濃度との関係をそれぞれ表わし
ている。
このネガフィルムの濃度特性は、第28図の第1象限にお
いて線αで示される。すなわち、被写体からの露光量が
多いときにはネガフィルムの濃度が大きく、被写体から
の露光量が少なくなるにしたがって、ネガフィルム濃度
は線形的に小さくなる。被写体からの露光量がある程度
小なくなると、被写体からの露光量とネガフィルム濃度
との線形性がなくなる。そして、この露光量が小ない場
合には、例えば、そのフィルムに記録されている画像が
人間の胸像であるとすると、顔と髪の毛とのコントラス
トがとれなくなってしまう。また、露光量が多い場合で
も、線αの傾き、すなわちγの値が1よりも小さいので
γ補正を行わないと、コピーが軟調になってしまう。
このようなことから、γ補正が必要となる。
次に、第28図を用いて補正の原理を説明する。同図第3
象限には、γ補正のためのENDカーブβが設定されてい
る。このENDカーブβの傾きγ′は、第4象限において
被写体からの露光量と出力コピー濃度との関係が45度の
直線関係となるようにするために、γ′=1/γに設定さ
れている。
例えば、被写体からの露光量が比較的多い領域aの場
合、シェーディング補正回路のレジスタに設定されてい
る濃度調整値が、第2象限において直線で表わされる
値にあるとすると、シェーディング補正後の濃度は領域
a′となる。この領域a′のうち領域についてはENDカ
ーブβの変換範囲に入らなくなり、この領域の部分はコ
ピーをすると白くつぶれてしまう。そこで、第2象限に
おいて濃度調整値を直線から直線にシフトして、シ
ェーディング補正後の濃度をENDカーブβの変換範囲に
入るようにする。このようにすることにより、被写体か
らの露光量と出力コピー濃度との関係が第4象限におい
て45度の直線に従うようになって、コピーは諧調をも
った濃度を有するようになる。
また、被写体からの露光量が比較的小さい領域bの場合
には、被写体からの露光量とネガフィルム濃度との線形
性がなくなる。この場合には、シェーディング補正回路
の濃度調整値を第2象限において直線の値に設定す
る。そして、第3象限において線で表わされるENDカ
ーブβを選択する。このENDカーブβを選択することに
より、被写体からの露光量と出力コピー濃度とが第4象
限の45度の直線で表わされるようにすることができ
る。すなわち、被写体からの露光量が領域bにあると
き、例えば黒い髪の人が茶色い帽子をかぶっているとす
ると、髪と帽子とがはとんど同じ濃度になってしまうこ
とが防止され、髪と帽子とのコントラストを明瞭に出す
ことができるようになる。
こうして、被写体の濃度が適正となるように補正が行わ
れる。
(C-2)画像信号処理方法 第29図に示されているように、ラインセンサ226が原稿
フィルム633の画像の映写光をR、G、B毎の光量とし
てアナログで読み取り、この光量で表わされた画像信号
は増幅器231によって所定レベルに増幅される。増幅さ
れた画像信号はA/Dコンバータ235によってディジタル信
号に変換され、更にログ変換器238によって光量信号か
ら濃度信号に変換される。
濃度で表わされた画像信号はシェーディング補正回路23
9によってシェーディング補正がされる。このシェーデ
ィング補正によって、セルフォックレンズ224の光量ム
ラ、ラインセンサ226における各画素の感度ムラ、補正
フィルタやランプ613の各分光特性や光量レベルのバラ
ツキ、あるいは経時変化による影響分が画像信号から取
り除かれる。
このシェーディング補正を行うに先立って、まず原稿フ
ィルムが前述の3種類のフィルムおよび登録されたフィ
ルムが選択されたときには、補正フィルタがポジフィル
ム用フィルタにセットされ、原稿フィルム633を装着し
ない状態でランプ613からの光量信号を読み取り、その
信号を増幅してディジタル信号に変換した後、さらに濃
度信号に変換したものに基づいて得られたデータを基準
データとしてラインメモリ240に記憶させる。すなわ
ち、イメージングユニット37をR、G、Bの各画素毎に
32ラインステップスキャンしてサンプリングし、これら
のサンプリングデータをラインメモリ240を通してCPU63
4に送り、CPU634が32ラインのサンプリングデータの平
均濃度値を演算し、シェーディングデータをとる。この
ように平均をとることにより、各画素毎のエラーをなく
すようにしている。
また、原稿フィルムを装着してその原稿フィルムの画像
の読取り時に、CPU634はROMに記憶されているネガフィ
ルムの濃度データから濃度調整値DADjを演算し、シェー
ディング補正回路239内のLSIのレジスタに設定されてい
るDADj値を書き換える。更に、CPU634は選択されたフィ
ルムに対応してランプ613の光量および増幅器643のゲイ
ンを調整する。
そして、シェーディング補正回路239は原稿フィルムを
読み取った実際のデータにDADj値を加えることにより、
読み取った濃度値をシフトさせる。更に、シェーディン
グ補正回路239はこれらの調整がされたデータから各画
素毎のシェーディングデータを引くことによりシェーデ
ィング補正を行う。
なお、CPU634のROMに記録されていなく、かつシステム
のRAMに登録されていないフィルムの場合には、ベース
フィルムを装着してそのフィルムの濃度データを得、得
られた濃度データからDADj値を演算しなければならな
い。
シェーディング補正が終ると、IIT32はIPS33にR、G、
Bの濃度信号を出力する。
そして、CPU634は原稿フィルムの実際のデータに基づい
てENDカーブを選択し、この選択したカーブに基づいて
γ補正を行うべく補正信号を出力する。この補正信号に
より、IPS33はγ補正を行って原稿フィルムのγが1で
ないことや非線形特性から生じるコントラストの不明瞭
さを補正する。
(D)操作手順および信号のタイミング 第30図に基づいて、操作手順および信号のタイミングを
説明する。なお、破線で示されている信号は、その信号
を用いてもよいことを示している。
F/P64の操作は、主にベースマシン30のU/I36によって行
われる。すなわち、U/I36にディスプレイの画面に表示
されるF/P操作キーを操作することにより、ベースマシ
ン30をF/Pモードにする。原稿フィルムが前記3種類の
フィルムおよび登録されているフィルムのうちの一つで
ある場合を想定すると、第30図に示されているように、
U/I36のディスプレイの画面には、「ミラーユニットを
置いてからフィルムの種類を選んで下さい」と表示され
る。したがって、まずM/U65を開いてプラテンガラス31
の所定位置にセットする。
次いで、画面上のフィルム選択キーを押すと、画面には
「フィルムを入れずにお待ち下さい」と表示される。同
時に、ランプ613が点灯するとともに、補正フィルタ制
御(FC CONT)信号が(0,0)となってFC動作が行われ
る。すなわち、補正フィルタ自動交換装置が作動してポ
ジ用補正フィルタが使用位置にセットされる。補正フィ
ルタがセットされると、補正フィルタ交換終了 信号がLOWとなる。
このLOWとなったことかつランプ613が点灯して3〜5sec
経過したことをトリガーとしてシェーディング補正のた
めのシェーディングデータの彩取が開始される。このシ
ェーディングデータ彩取が終了すると、この終了をトリ
ガーとしてFC CONTが(0,1)となって補正フィルタ自動
交換装置が作動し、フィルム補正用フィルタが使用位置
にセットされる。また、シェーディング補正をトリガー
として画面には「ピントを合わせます。フィルムを入れ
て下さい」表示されると共に、ランプ613が消灯する。
したがって、原稿フィルム633を入れたフィルムケース6
07をF/P64に装着する。これにより、発光器623からの光
がこのフィルムによって反射され、その反射光が受光器
624によって検知される。
反射光が受光器624の2素子間の受光量の差分が0でな
いときには、AF装置のモータ625が作動し、ピントが合
わされる。すなわち、AF作動が行われる。ピント合わせ
が終了すると、F/P作動準備完了 信号がLOWとなる。この 信号がLOWになった後でかつFC SETがLOWとなって1秒経
過した後に、画面には「コピーできます」と表示され
る。U/I36のスタートキーを押すと、画面には「コピー
中です」と表示され、かつランプ613が点灯するととも
に、ランプ613の立ち上がり時間を待って自動濃度調整
(A/E)のためのデータの彩取が開始される。すなわ
ち、濃度調整、カラーバランス調整、γ補正等を行うた
めのデータを得るためにイメージングユニット37が一回
スキャンして、投影像の一部または全部を読み取る。
次いで、フルカラーのときには、イメージングユニット
37が4回スキャンしてコピーが行われる。その場合、シ
ェーディングデータおよび自動濃度調整用データに基づ
いてシェーディング補正および濃度調整が自動的に行わ
れる。コピーが終了すると、ランプ613が消灯するとと
もに、画面には「コピーできます」と表示される。した
がって、再びスタートキーを押すと、新たにコピーが行
われる。他の画像をコピーしたい場合には、フィルムの
コマを変えることになる。コマを変える際、 がHIGHとなるとともに画面には「ピントを合わせます」
と表示される。そして、新しいコマがセットされると、
AF動作が行われ、同時に、 がLOWとなるとともに、画面には「コピーできます」と
表示される。その後、スタートキーを押すことにより、
コピーが行われる。
(III)イメージ入力ターミナル(IIT) 本発明の実施例を複写機のイメージ入力ターミナルを例
にして説明する。
(III-1)イメージングユニット駆動機構 第31図は、イメージングユニット駆動機構の斜視図を示
し、イメージングユニット37は、2本のスライドシャフ
ト202、203上に移動自在に載置されると共に、両端はワ
イヤ204、205に固定されている。このワイヤ204、205は
ドライブプーリ206、207とテンションプーリ208、209に
巻回され、テンションプーリ208,209には、図示矢印方
向にテンションがかけられている前記ドライブプーリ20
6、207が取付けられるドライブ軸210には、減速プーリ2
11が取付られ、タイミングベルト212を介してステッピ
ングモータ213の出力軸214に接続されている。のお、リ
ミットスイッチ215、216は、イメイジングユニット37な
異常動作を検出するためのセンサであり、レジセンサ21
7は、原稿読取開始位置の基準点を設定するためのセン
サである。
イメージングユニット37を駆動するためにステッピング
モータ213を採用する理由は次のとりである。1枚の
R、G、B、K4色カラーコピーを得るためには、イメー
ジングユニット37は4回のスキャンを繰り返す必要があ
る。この場合、4回のスキャン内の同期ずれ、位置ずれ
をいかに少なくさせるかが大きな課題であり、そのため
には、イメージングユニット37の停止位置の変動を抑
え、ホームポジションからレジ位置までの到達時間の変
動を抑えることおよびスキャン速度変動に再現性がある
ことが重要である。しかしながら、DCサーボモータを使
用すると、イメージングユニット37の停止位置の変動と
ホームポジションからレジ位置までの到達時間の変動を
抑えること困難であるため、ステッピングモータ213を
採用している。
しかしながら、ステッピングモータ213はDCサーボモー
タに比較して振動、騒音が大きく、また、タイミングベ
ルト212、ワイヤ204、205の経時変化、スライドパッド
とスライドレール202、203間の粘性抵抗等の機械的な不
安定要因によっても振動が生じる。従って、画像記録装
置の高画質化、高速化のためにはその対策が必要であ
る。
そのために、本実施例においては、2本のスライドシャ
フト202(203)を平行に設け、第32図に示すように、イ
メージングユニットのハウジング37aとスライドシャフ
ト202(203)との間には、アングル37b、板バネ37cによ
り含油パッドPを介在させることにより、イメージング
ユニット37の主走査方向の振動を規制している。
(III-2)ステッピングモータの制御方式 第33図(a)はステッピングモータ213のドライバーの
回路を示している。モータ巻線を5角形に結線し、その
接続点をそれぞれ2個のトランジスタにより、電源のプ
ラス側またはマイナス側に接続するようにし、10個のス
イッチングトランジスタでバイポーラ駆動を行うように
している。また、モータに流れる電流値をフィードバッ
クし、モータに供給する電流を一定にするようにコント
ロールしながら駆動している。励磁シーケンスは(b)
に示すように、4つの相が励磁されているときに残りの
1相がプラスまたはマイナスの同電位で短絡される。
第34図(a)はステッピングモータ213により駆動され
るイメージングユニット37のスキャンサイクルを示して
いる。図は倍率50%すなわち最大移動速度でスキャン動
作、リターン動作させる場合に、イメージングユニット
37の速度すなわちステッピングモータに加えられる周波
数と時間の関係を示している。加速時には(b)に示す
ように、例えば259Hzを逓倍してゆき、最大11〜12KHz程
度にまで増加させる。このようにパルス列に規則性を持
たせることによりパルス生成を簡単にする。そして、
(a)に示すように、259pps/3.9msで規則的な階段状に
加速し台形プロファイルを作るようにしている。また、
スキャン動作とリターン動作の間およびリターン動作と
スキャン動作の間には、休止時間を設け、IITメカ系の
振動が減少するの待ち、またIOTにおける画像出力と同
期させるようにしている。
一方、カラー原稿を読み取る場合には、イメージングユ
ニット37を4回走査させて4色の信号を読み出している
ため、4色間の色ずれをいかに少なくさせるかが大きな
課題であり、そのためには、イメージングユニット37の
停止位置の変動を抑え、ホームポジションからレジ位置
までの到達時間の変動を抑えることおよびスキャン速度
の変動を抑えることが重要である。
第35図は上記振動の発生により生じる色ずれの原因を説
明するための図で、(a)図はイメージングユニットが
スキャンを行って元の位置に停止する位置がΔLだけ異
なることを示しており、次にスタートするときにレジ位
置までの時間がずれて色ずれが発生する。また、(b)
図に示すように、4スキャン内でのステッピングモータ
の過渡振動(定常速度に至るまでの速度変動)により、
レジ位置に到達するまでの時間がΔtずれて色ずれが発
生する。また、(c)図は、レジ位置通過後テールエッ
ジまでの定速走査特性のバラツキを示し、1回目のスキ
ャンの速度変動のバラツキが2〜4回目のスキャンの速
度変動のバラツキよりも大きいことを示している。従っ
て、本実施例においては、1回目のスキャン時には、色
ずれの目立たないイェローを現像させるよようにしてい
る。
(III-3)IITのコントロール方式 IITリモートは、各種コピィ動作のためのセーケンス制
御、サービスサポート機能、自己診断機能、フェイルセ
イフ機能を有している。IITのシーケンス制御は、通常
スキャン、サンプルスキャン、イニシャライズに分けら
れる。IIT制御のための各種コマンド、パラメータは、S
YSリモート71よりシリアル通信で送られてくる。
第36図(a)は通常スキャンのタイミングチャートを示
している。スキャン長データは、用紙長と倍率により0
〜432mm(1mmステップ)が設定され、スキャン速度は倍
率(50%〜400%)により設定され、プリスキャン長
(停止位置からレジ位置までの距離)データも、倍率
(50%〜400%)により設定される。スキャンコマンド
を受けると、FL-ON信号により蛍光灯を点灯させると共
に、SCN-RDY信号によりモータドライバをオンさせ、所
定のタイミング後シェーディング補正パルスWHT-REFを
発生させてスキャンを開始する。レジ位置に達すると、
イメージエリア信号IMG-AREAが所定のスキャン長分ロー
レベルとなり、これと同期してIIT-PS信号がIPSに出力
される。
第36図(b)はサンプルスキャンのタイミングチャート
を示している。サンプルスキャンは、色変換時の色検
知、F/Pを使用する時の色バランス補正およびシェーデ
ィング補正に使用される。レジ位置からの停止位置、移
動速度、微小動作回数、ステップ間隔のデータにより、
目的のサンプル位置に行って一時停止または微小動作を
複数回繰り返した後、停止する。
第36図(c)はイニシャライズのタイミングチャートを
示している。電源オン時にSYSリモートよりコマンドを
受け、レジセンサの確認、レジセンサによるイメージン
グユニット動作の確認、レジセンサによるイメージング
ユニットのホーム位置の補正を行う。
(III-4)イメージングユニット 第37図は前記イメージングユニット37の断面図を示し、
原稿220は読み取られるべき画像面がプラテンガラス31
上に下向きにセットされ、イメージングユニット37がそ
の下面を図示矢印方向へ移動し、昼光色螢光灯222およ
び反射鏡223により原稿面を露光する。そして、原稿220
からの反射光をセルフォックレンズ224、シアンフィル
タ225を通過させることにより、CCDライセンサ226の受
光面に正立等倍像を結像させる。セルフォックレンズ22
4は4列のファイバーレンズからなる複眼レンズであ
り、明るく解像度が高いために、光源の電力を低く抑え
ることができ、またコンパクトになるという利点を有す
る。また、イメージングユニット37には、CCDセンサド
ライブ回路、CCDセンサ出力バッファ回路等を含む回路
基板227が搭載される。なお、228はランプヒータ、229
は制御信号用フレキシブルケーブル、230は照明電源用
フレキシブルケーブルを示している。ラインセンサ226
が固定されたハウジング37aには、その下部に回路基板2
27が取付けられると共に、回路基板227とハウジング37a
間に突出部250bを有する放熱板250が取付けられ、さら
に放熱板250を覆うように電磁シールド用のパンチング
メタル251が取付けられている。回路基板227には、ドラ
イブ用ICチップ252が配設され、ラインセンサ226は、接
続用ピン226aにより回路基板227に電気的に接続されて
いる。
第38図は前記昼光色螢光灯222の詳細図を示し、ガラス
管222aの内面には、反射膜222bがアパーチャ角α(50度
程度)の面を除いて形成され、さらにその内面に螢光膜
222cが形成されている。これにより、螢光灯222の光量
を効率良く原稿面に照射させることで、消費電力の低減
を図っている。なお、内面全面に螢光膜222cを形成し、
アパーチャ角の面を除いた面に反射膜222bを形成する理
由は、光量は減少するものの水銀の輝線のピークを減少
させるためである。また、螢光灯222の外周面にはラン
プヒータ228、ヒートシンク(放熱部材)222dが設けら
れ、サーミスタ222eの温度検知により、ランプヒータ22
8およびクーリングファンの制御を行っている。
第39図は前記CCDラインセンサ226の配置例を示し、
(a)に示すように、5個のラインセンサ226a〜226eを
主走査方向Xに千鳥状に配置している。これは一本のラ
インセンサにより、多数の受光素子を欠落なくかつ感度
を均一に形成することが、ウエハーのサイズ、歩留ま
り、コスト的に困難であり、また、複数のラインセンサ
を1ライン上に並べた場合には、ラインセンサの両端ま
で画素を構成することが困難で、読取不能領域が発生す
るからである。
このラインセンサ226のセンサ部は、同図(b)に示す
ように、ラインセンサ226の各画素の表面にR(レッ
ド)、G(グリーン)、B(ブルー)の3色フィルタを
この順に繰り返して配列し、隣りあった3ビットで読取
時の1画素を構成している。各色の読取画素密度を16ド
ット/mm、1チップ当たりの画素数を2928とすると、1
チップの長さが2928/(16×3)=61mmとなり、5チッ
プ全体で61×5=305mmの長さとなる。従って、これに
よりA3版の読取りが可能な等倍系のラインセンサが得ら
れる。また、R、G、Bの各画素を45度傾けて配置し、
モアレを低減している。
このように、複数のラインセンサ226a〜226eを千鳥状に
配置した場合、隣接したラインセンサを相異なる原稿面
を走査することになる。すなわち、ラインセンサの主走
査方向Xと直交する副走査方向Yにラインセンサを移動
して原稿を読み取ると、原稿を先行して走査する第1列
のラインセンサ226b、226dからの信号と、それに続く第
2列のラインセンサ226a、226c、226eからの信号との間
には、隣接するラインセンサ間の位置ずれに相当する時
間的なずれを生じる。
そこで、複数のラインセンサで分割して読み取った画像
信号から1ラインの連続信号を得るためには、少なくと
も原稿を先行して走査する第1列のラインセンサ226b、
226dからの信号を記憶せしめ、それに続く第2列のライ
ンセンサ226a、226c、226eからの信号出力に同期して読
みだすことが必要となる。この場合、例えば、ずれ量が
250μmで、解像度が16ドット/mmであるとすると、4ラ
イン分の遅延が必要となる。
また、一般に画像読取装置における縮小拡大は、主走査
方向はビデオ回路中での間引き水増し、その他の処理に
より行い、副走査方向はイメイジングユニット37の移動
速度の増減により行っている。そこで、画像読取装置に
おける読取速度(単位時間当たりの読取ライン数)は固
定とし、移動速度を変えることにより副走査方向の解像
度を変えることになる。すなわち、例えば縮拡率100%
時に16ドット/mmの解像度であれば、 の如き関係となる。従って縮拡率の増加につれて解像度
が上がることになり、よって、前記の千鳥配列の差250
μmを補正するための必要ラインメモリ数も増大するこ
とになる。第40図は縮拡率とずれ量との関係を示し、縮
拡率の変化により1画素ずれる毎に1ラインを補正して
いる。1ライン毎の補正に最大31μmのずれ量を生じる
が、出力される画像に影響は見られない。
(III-5)ビデオ信号処理回路 次に第41図により、CCDラインセンサ226を用いて、カラ
ー原稿をR、G、B毎に反射率信号として読取り、これ
を濃度信号としてのデジタル値に変換するためのビデオ
信号処理回路について説明する。
原稿は、イメージングユニット37内の5個のラインセン
サ226により、原稿を5分割に分けて5チャンネルで、
R、G、Bのシリアル信号で読み取られ、それぞれ増幅
回路231で所定レベルに増幅された後、イメージングユ
ニット、処理回路本体を結ぶ伝送ケーブルを介して、処
理回路本体側の回路へ伝送される(第42図231a)。次い
でサンプルホールド回路SH232において、サンプルホー
ルドパルスSHPにより、ノイズを除去して波形処理を行
う(第42図232a)。ところでラインセンサの光電変換特
性は各画素毎、各チップ毎に異なるために、同一の濃度
の原稿を読んでも出力が異なり、これをそのまま出力す
ると画像データにスジやムラが生じる。そのために各種
の補正処理が必要となる。
ゲイン調整回路AGC(AUTOMATIC GAIN CONTROL)233は、
各センサの出力をA/D変換器235の入力信号レンジに見合
う大きさまで増幅するための回路で、原稿の読取以前に
予め各センサで白のリファランスデータを読取り、これ
をデジタル化してシェーディングRAM240に格納し、この
データが第43図に示すように、CPU71において所定の基
準値と比較判断され、適当な増幅率が決定されてそれに
見合うデジタルデータがD/A変換器241に送られることに
より、各々のゲインが自動的に設定されている。AGC233
は、電圧制御型可変抵抗素子242を有し、ゲート電圧VGS
を制御することにより素子242のドレインとソース間の
抵抗値R2を可変にしている。ゲインは、 V OOT/V IN=R2/(R1+R2) で示される。そして、D/A変換器241においてアナログ値
に変換されたゲート電圧VGSを入力させることにより、
第44図に示すようにゲインを256段階に調節可能にす
る。
オフセット調整回路AOC(AUTOMATIC OFSET CONTROL)23
4は、黒レベル調整と言われるもので、各センサの暗時
出力電圧を調整する。そのために、螢光灯を消灯させて
暗時出力を各センサにより読取り、このデータをデジタ
ル化してシェーディングRAM240に格納し、この1ライン
分のデータは第43図に示すように、CPU71において所定
の基準値と比較判断され、オフセット値をD/A変換器243
に出力する。AOC234は、オペアンプ244を有し、その非
反転端子側に抵抗R1、R2を介してそれぞれビデオ信号VC
CDとD/A変換器243からのオフセット値VOFFSETが接続さ
れ、反転端子側に図示の如く抵抗R1、R2の接続点が接続
されている。従って、AOCの出力は、 V OUT=(R2/R1)V CCD+V OFFSET となり、ビデオ信号を固定倍率で増幅すると共に、オフ
セット電圧を256段階に調節することができる。このAOC
の出力は第42図234aに示すように出力され、最終的に第
45図に示すように、読み取る原稿濃度に対して出力濃度
が規定値になるように調整している。
そして、A/Dコンバータ235でデジタル値に変換され(第
42図235a)、GBRGBRと連なる8ビットデータ列の形で出
力される。遅延量設定回路236は、複数ライン分が格納
されるメモリで、FIFO構成をとり、原稿を先行して走査
する第1列のラインセンサ226b、226dからの信号を記憶
せしめ、それに続く第2列のラインセンサ226a、226c、
226eからの信号出力に同期して出力している。
次いで、分離合成回路237において、各ラインセンサ毎
にR、G、Bのデータを分離した後、原稿の1ライン分
を各ラインセンサのR、G、B毎にシリアルに合成して
出力する。変換器238は、ROMから構成され、第46図
(イ)に示す対数変換テーブルLUT“1"が格納されてお
り、デジタル値がROMのアドレス信号として入力された
ときに、対数変換テーブルLUT“1"の出力値が出力さ
れ、これによりR、G、Bの反射率の情報が濃度の情報
に変換される。
次にシェーディング補正回路239について説明する。先
ず、シェーディング補正に先だち画素ずれ補正を行う。
前述したように信号処理回路においては、R、G、Bの
データをパラレルに取り込んでいるが、第39図(b)に
示したように、R、G、Bフィルタの位置がずれている
ために、同一画素におけるR、G、Bの出力は、第47図
(a)に示すようにずれが生じ、黒線Kを読み込んだと
きこれがずれてしまう。そのために重みづけ平均化処理
により、Rを2/3画素分右方向へシフトさせ、Bを1/3画
素分右方向へシフトさせることにより、同図(b)に示
すように黒線Kを一致させるようにする。
シェーディング補正は、白色データの基準値にもとずい
て、光源の配光特性のバラツキ、反射鏡等の汚れ等に起
因する光学系のバラツキ、ラインセンサの各ビット間の
感度のバラツキを補正するものである。
そのために、シェーディング補正開始時に、ラインセン
サにシェーディング補正の基準濃度データとなる白色板
を照射したときの反射光を入力し、上記信号処理回路に
てA/D変換およびログ変換を行い、この基準濃度データl
og(Ri)をラインメモリ240に記憶させておく。次に原
稿を走査して読取った画像データlog(Di)から前記基
準濃度データlog(Ri)を減算すれば、 log(Di)−log(Ri)=log(Di/Ri) となり、シェーディング補正された各画素のデータの対
数値が得られる。このようにログ変換した後にシェーデ
ィング補正を行うことにより、従来のように複雑かつ大
規模な回路でハードロジック除算器を組む必要もなく、
汎用の全加算器ICを用いることにより演算処理を簡単に
行うことができる。
次に、第51図ないし第55図により本発明の特徴である黒
レベル補正の詳細について説明する。既に第48図ないし
第50図において説明したように、従来の黒レベル補正の
方式では、A/D変換誤差、ノイズの重畳、チップ内にお
ける温度分布の不均一等により補正誤差が大きくなり、
かえって補正を行わない方が良い場合もあることは述べ
た。
第51図はラインセンサが1個の場合における黒レベル補
正の回路構成を示し、ラインセンサ901、増幅器902、A/
Dコンバータ903、黒レベル補正回路904、ログ変換器90
5、シェーィング補正回路906、COU907で構成されてい
る。
黒レベル補正回路904は、切換スイッチ911、減算器91
2、ラインメモリ913からなり、先ず、切換スイッチ911
を側に切換え、ラインセンサ901で黒レベル補正デー
タ〔第50図(イ)〕を読取り、これをA/D変換したデー
タ〔第50図(ロ)〕をCPU907に転送する。CPU907におい
ては、このA/D変換したデータを複数の区間に分割し、
各区間毎に平均値を算出して第52図に示す如き黒レベル
補正データを求め、これをラインメモリ913に格納す
る。
原稿読取時は、切換スイッチ911を側に切換え、減算
器912においてラインメモリ913に格納されている黒レベ
ル補正データを原稿読取データと同期して読みだし、両
者の差を求めてログ変換器905に出力する。なお、この
黒レベル補正データの演算は原稿をスキャンする毎に行
ってもよいが、必要時にのみ例えば電源オン時に行い、
データをCPU907のNVM(不揮発性メモリ)にストアして
おき、電源オン時にラインメモリ913にロードするよう
にしてもよい。
その結果、ラインセンサの各画素毎の暗時出力のレベル
が平坦化され、良好な画像を得ることができる。
次に複数のラインセンサを並べた場合の黒レベル補正に
ついて説明する。
第53図(イ)はラインセンサを5個並べたときの各チャ
ンネルから出力される暗時出力がチップ間に不連続を有
している様子を示している。この暗時出力のばらつきを
そのままにしたまま原稿の読取を行うと、出力画像中に
スジやムラが生じてしまう。従来、この問題を解消する
ために、各チップ毎の全画素の暗時出力電圧の平均値を
求め、各平均値が(ロ)に示す目標値DRとなるように調
整していた。
しかしながら、実際においては、ラインセンサの暗時出
力電圧は、(ハ)に示す如く各チャンネル内で穏やかな
変化をもっている。このような特性を有するラインセン
サについて前記の調整方法を適用すると、(ニ)に示す
ようにチャンネル境界部にレベル差ΔDが生じ、そのま
ま画像として出力すると、チャンネル境界の濃度差がス
ジやムラになって現れてしまう。
一方、ラインセンサの1ライン分の暗時出力電圧を測定
すると、前記第50図(イ)に1例を示すように、暗時出
力電圧には不均一が存在する。その最大値V MAXと最小
値V MINとの差をΔV darkとし、このΔV darkと露光時
間Texpとの測定結果の1例を第54図に示すが、T exp=3
50μsecでもΔV darkが約2mV存在する。このΔV darkの
影響は、原稿の濃度が高い程、照明光量が低く白レベル
が低い程大きくなり、ラインセンサ1チップ分61mm幅の
左右間に緩やかな濃度変化となって現れる。
その関係を計算した結果を第55図に示す。図は原稿濃度
Dとラインセンサで読取った1チップ分の左右間の濃度
変化ΔDとの関係を、白地出力Rangeに対するΔV dark
の比毎に示している。これによれば、例えば白地出力が
400mVのときに、上記したようにΔV darkが約2mV存在す
ると、原稿濃度Dが1.5のときに濃度変化ΔDが0.075発
生し、これを色差ΔEに換算するとGrayで約2というレ
ベルになり、第53図(ニ)で示すチャンネル境界のレベ
ル差ΔDをそのまま画像として出力すると、チャンネル
境界の濃度差がスジやムラになって現れてしまう。これ
を解消するために、Grayで色差ΔEを1以下にしようと
すれば、ΔV darkを1mVに抑えるか或いは光量を2倍と
し白地出力を800mVまで上げることが必要となる。
この問題を解決するために、チャンネル境界の濃度差を
減少させる必要がある。そのために、上記黒レベル補正
回路904を、第41図で示した各チャンネルのA/Dコンバー
タ235の後段に接続し、先ず、各チャンネルの先頭部の
データが目標値DRとなるように、前記したAOC234におい
て第53図(ニ)で示すようにオフセットを調整した後、
各チャンネル毎に前記黒レベル補正を行わせ、第53図
(ホ)で示すように各ラインセンサの黒レベルを平坦化
し、チャンネル境界の濃度差を減少させることができ
る。
(III-6)自己診断システム(本発明の要部) コピー出力画像に異常が生じた場合、トラブルの解消が
要求されるが、そのためには、当該トラブルがどの箇所
で生じているかを確定する必要がある。トラブル箇所が
特定できないと部品の交換を行うことができないからで
ある。
そこで、どのような単位で交換を行うかが問題になる。
モータ、センサ等は部品単位で交換可能であるが、回路
については、CPU,ICあるいはメモリといった部品単位で
交換することは得策ではない。なぜなら、回路部品を交
換単位とすると、トラブル分離としては、どの部品が故
障しているかを特定しなければならず、そのためには、
サービスマンが一つ一つの回路部品をテスタ等の測定器
を使用してチェックするか、あるいは、適当な検知器を
設けて各回路部品の機能をチェックしなければならな
い。
しかし、前者によればサービス時間が長くなるという問
題がある。トラブル解消に長時間を要することは、その
ままマシンのダウンタイムが長くなることを意味し、ユ
ーザはその間使用することができないからである。ま
た、複写機の台数は非常に多いので、一人のサービスマ
ンは何台もの複写機を担当しなければならないが、一台
に長時間かかっていたのでは同時にトラブルが生じたと
きには対応しきれなくなる。このように、一つのマシン
のサービスに長時間を要することはサービスコストの点
から好ましくないのである。
また、後者によれば、故障の検知は自動的に行われるも
のの、多くの検知器を配置しなければならないので、大
幅なコストの上昇が避けられない。サービス時間が短縮
されても、複写機本来の機能とは関係無い故障検知のた
めにコストが高くなるのでは、本末転倒と言わざるを得
ない。
そこで、本複写機では、サービスマンが30分程度の短時
間で、且つ容易にトラブル箇所を特定できるように、回
路に関しては基板単位に交換するようになされている。
これによれば、トラブル分離も基板単位で行えばよいの
でサービス時間を短縮できる可能性があり、しかも故障
検知のための装置も基板毎に設ければよいのでコストの
上昇を最小限にとどめることが可能となるのである。
さて、IITは上述した機構を有し、上述した信号処理を
行うものであるが、第56図に示すように、IU700、アナ
ログ基板701、ビデオ基板702の3ブロックで構成されて
いる。IU700は、CCDラインセンサ、露光ランプ、結像光
学系およびCCDラインセンサからビデオ信号を出力させ
るためのドライブ回路、バッファ回路等で構成されてい
る。IU700から出力されたアナログビデオ信号は、アナ
ログ基板701に入力される。アナログ基板701は、第41図
のサンプルホールド回路(S/H)232からA/D変換器235ま
での回路を含んでおり、入力されたアナログビデオ信号
は、8ビットのディジタルビデオ信号としてビデオ基板
702に出力される。ビデオ基板702は、第41図の遅延回路
(Delay)236からシェーディング補正回路(SHC)239ま
での回路を含んでおり、入力されたビデオ信号の分離合
成、対数変換およびシェーディング補正を行う。シェー
ディング補正が行われたビデオ信号は、ビデオ基板702
からIPS-A基板(図示せず)に導かれ、以後、所定の画
像処理が行われる。
前述したように、交換単位は基板毎となされているか
ら、第56図の構成においては、トラブル、分離は、アナ
ログ基板701とビデオ基板702について行えばよく、これ
により自動的にIU700のトラブルも分離されることにな
る。
そのために、本発明の画像読取装置の自己診断システム
は、第57図に示す構成をとる。
第57図において、アナログ基板701の入力端にはスイッ
チ706が設けられ、端子aにはIUからのビデオ信号が供
給され、端子bにはPG703からのビデオ信号が供給され
るようになされている。スイッチ706は、通常、図の実
線で示すように端子aに接続されており、ビデオ信号は
その後、S/H回路、AGC回路、AOC回路等を経てA/D変換器
でディジタル化され、アナログ基板701の出力端からビ
デオ基板702に導かれる。ビデオ基板702の入力端には、
スイッチ707が設けられており、アナログ基板701から供
給される8ビットのビデオ信号とPG704からのディジタ
ルパターン信号を切り替え可能となされている。スイッ
チ707は、通常、図の実線で示すような接続状態になさ
れ、アナログ基板701から供給されたビデオ信号は、色
分離/合成回路、対数変換回路、シェーディング補正回
路を経て、スイッチ708の端子aに供給される。スイッ
チ708の端子bには、PG705からのディジタルパター信号
が供給されるようになされている。通常、スイッチ708
は図の実線で示すように、端子a側に接続されており、
ビデオ基板702から出力されるビデオ信号は、図示しな
いIPS-A基板に供給され、所定の画像処理が行われる。
CPU709は、アナログ基板701およびビデオ基板702で行わ
れる信号処理を統括するものであり、ビデオ基板702に
搭載されている。そして、CPU709は、サービスマンがユ
ーザインターフェース(UI)710で所定の操作を行うこ
とを条件として、スイッチ706、707、または708の切り
替えを行う。
なお、第41図からも分かるように、アナログ基板701
は、5チャンネルのCCDラインセンサの各チャンネルに
対応した5系統の信号処理回路を備えているが、第57図
では代表して1系統のみを図示しており、他のチャンネ
ルについても同様である。
第57図の構成において、IITのトラブル分離は次のよう
にして行われる。
コピー画像に異常がある場合、サービスマンはUI710に
より、スイッチ708を端子b側に接続する旨の指示を行
う。これによりCPU704は、スイッチ708を図の破線で示
すように端子b側に切り替えると共に、PG705を動作さ
せる。次にサービスマンは、ダイアグモードのカスタマ
ーシミュレーションモードを利用してコピーを行う。こ
のとき、ビデオ基板702からはPG705からのパターン信号
が出力されるので、出力されるコピー画像はPG705に設
定されている所定のパターンの画像となる。従って、当
該コピー画像に異常がなければ、IPS以降には何等問題
はなく、IU700、アナログ基板701またはビデオ基板702
の何れかにトラブルが発生していることになる。
いま、PG705のパターンが正常に得られたとすると、次
に、サービスマンはUI710によりスイッチ707の切り替え
を指示する。これによりCPU709は、スイッチ707を図の
破線で示すように端子b側に切り替えると共に、PG704
を動作させる。また、このときスイッチ708はcpu709に
より端子a側に切り替えられる。そして、同様にカスタ
マーシミュレーションモードを使用してコピーを実行す
る。コピーの結果、PG704に設定された所定のパターン
が出力されればビデオ基板702には異常が無いことにな
り、所定のパターンが出力されなければ、ビデオ基板70
2に何等かのトラブルが発生していることが確認され
る。
ビデオ基板702に異常がないことが確認されな場合、サ
ービスマンは次にUI710によりスイッチ706を図の破線で
示すように端子b側に切り替える旨の指示を行う。これ
によりCPU709はスイッチ706を端子b側に、スイッチ70
7、708をぞれぞれ端子a側に接続すると共に、PG703を
動作させる。サービスマンはこの状態で、カスタマーシ
ミュレーションモードを使用してコピーを実行する。コ
ピーの結果、PG703で設定されている所定のパターンが
得られればアナログ基板701には異常が無く、IU700にト
ラブルが発生していることが確認され、コピー出力に異
常があればアナログ基板701にトラブルが生じているこ
とが確認される。
なお、以上述べた操作手順は飽くまでも一例であって、
上記の手順とは逆に、PG703の方からチェックを行って
もよいことは明らかである。
ビデオ信号系のトラブル分離を行うには、一般的には、
ビデオ信号自体をチェックすることが行われているが、
そのためには、サービスマンはオシロスコープ等の測定
器を持ち歩かなければならない。これに対して、上述し
たように、本発明の画像読取装置の自己診断システムに
よれば、サービスマンはコピーを行ってPGのパターンを
目視するだけでよいので、特別な測定器を使用すること
なく、簡単に、短時間でトラブル分離を行うことができ
る。しかも、そのために追加するハードウェアも、スイ
ッチが3個とPGが3個であるからコストの上昇も最小限
にとどめられているものである。
各PG703,704,705をどのように構成するかは、各基板の
入力信号、出力信号の形態によって異なるが、以下に具
体例を説明する。
(A)アナログ基板用PG 第58図(a)に示すように、PG703は各チャンネルに共
通に使用されるようになされている。なお、図中7111
7115は、第41図のS/H回路232からA/D変換器235までの回
路を一つのブロックとして示しているものである。
第58図において、サービスマンがUIによりPG703による
パターンをコピーする旨の指示を行うと、CPU709は当該
指示に基づいてPGA/SEL信号を出力する。これによりス
イッチ7061〜7065は図の接続状態から、端子bと端子c
が接続される状態に切り替わると共に、PG703が動作状
態になされ、予め設定された所定の信号がPG703から信
号処理回路7111〜7115に供給されることになる。各チャ
ンネルのCCDラインセンサの読み出しは同時に行われる
から、PG703からの信号も各チャンネルに同時に供給す
る必要があるからである。
アナログ基板701の入力端の信号はアナログ信号である
から、PG703は適当な形態のアナログ発振器で構成する
ことができる。PG703でどのような信号を発生させるよ
うにするかは任意であるが、トラブル分離だけでなく、
中間調表示の良否も同時に判断できるように、鋸歯状波
を発生させるようにするとよい。
以上の観点から、PG703としては、コピー出力画像で見
て、第58図(b)の712で示すように、濃度が主走査方
向に沿って黒から白へ変化するパターン、またはその逆
に、第58図(b)の713で示すような、濃度が主走査方
向に沿って白から黒へ変化するパターンとなる信号を発
生するようにする。なお、図中Tは1チャンネルのCCD
ラインセンサの読み出しに必要な時間である。また、PG
703は主走査を行う度に所定の信号を発生しなければな
らないこのは明らかである。従って、いま、第58図
(b)の712で示す濃度変化となるパターンを発生する
ものとすると、本複写機では信号レベルが低い場合に黒
となり、高い場合に白となるから、PG703は第58図
(c)に示すような信号を発生することになる。なお、
図中TSSは走査線の周期、即ちラインシンク(LS)の周
期を示す。
上記のPGを使用した場合のコピー出力画像を第58図
(d),(e)に示す。第58図(d)はA3サイズの用紙
にコピーした場合を示すが、各チャンネルに対応する5
本のストライプが主走査方向に配列されたパターンが得
られ、各ストライプは、第58図(e)に示すように、濃
度が主走査方向に沿って黒から白へ変化している。
従って、当該コピー出力を目視することで、アナログ基
板701以降のトラブルの有無ばかりでなく、アナログ基
板701のトラブルの有無をチャンネル毎に確認すること
ができる。例えば、通常のコピーを行った結果、ある部
分が極端に薄い、あるいは色が出ない等という場合に
は、当該チャンネルのCCDラインセンサが故障している
か、当該チャンネルの信号処理系が故障しているかの何
れかであるが、当該チャンネルのパターン出力が正常で
あれば故障はCCDラインセンサ側に生じていることが確
認されるのである。
なお、アナログ基板701に入力されるビデオ信号は、G,
B,Rの点順次信号であり、当該点順次信号に代えてPG703
から信号を供給するのであるから、G,B,Rは共に同じ値
となり、従って、白黒の画像となることは明らかであ
る。
以上の例ではPG703を鋸歯状波発振器とし、濃度が直線
的に変化するパターを発生させる場合について説明した
が、PG703としてはこれに限らず、例えば各チャンネル
毎の主走査方向の濃度変化が、第58図(f)の720、72
1、722または723の曲線で示すようになる発振器を用い
てもよいものである。
さて、以上のようにPG703を使用してコピーを行う際に
注意を要する点がいくつかあるので、それについて説明
する。
まず、PGによるパターンをコピーする場合においても、
IUは通常のコピーの場合と同様に副走査を行うようにす
る。CCDラインセンサで読み取られたビデオ信号は全く
利用されないのであるが、このとき、IUを動作させない
ようにすると、通常の動作タイミングとは別な動作タイ
ミングを新たに設定しなければならないので面倒である
し、IUが通常通りに動作するようになされていれば、IU
の動作を確認することで駆動機構が正常であることが分
かるという利点もあるのである。
また、PG703のパターンをコピーする場合、シェーディ
ング補正は行わないようにする。つまり、SHCのライン
メモリには前回のコピーの際に取り込まれた白リファレ
ンスデータがセーブされており、当該白リファレンスデ
ータによりシェーディング補正が行われると、第58図
(e)に示す所定の濃度変化が出力されなくなり、サー
ビスマンが誤ってトラブルと判定しかねないからであ
る。そのために、CPU709はPG703のパターンのコピーに
先立ってSHCラインメモリの内容をクリアするようにす
る。
更に、AGC,AOCについても注意する必要がある。チャン
ネル間でのゲイン、オフセットのばらつきが大きい場合
には、第58図(d)に示すストライプの濃度が大きく異
なってくることがあり、また、場合によってはPG703か
らのパターン信号がクリップされて所定の濃度変化が出
力されないことも考えられる。そこで、PG703のパター
ンをコピーする場合には、例えば、CPU709がAGC,AOCの
ためのD/A変換器(第43図の241,243)に対して、当該コ
ピーのためのデータを書き込むようにするとよい。
当該コピーはダイアグモードのカスタマーシミュレーシ
ョンモードで行われるので、通常のコピー時と同様に濃
度調整を行うことができる。これは重量な事項である。
つまり、カスタマーシミュレーションモードではビリン
グがなされないので、コピーは無料であるが、トナーの
使用量はできるだけ少ない方が好ましいことは明らかで
ある。勿論、第58図(e)に示す黒をグレーとすればト
ナーの使用量を少なくできるのであるが、それでは中間
調表現の良否が判断できないので、濃度調整で行う必要
があるのである。
以上の説明ではPG703は鋸歯状波発振器としたので出力
画像は白黒画像となるが、所定のディジタルデータを格
納したメモリとD/A変換器の組合せでもよく、要するに
最終的に所望のアナログ信号を生成できるものであれば
よい。特に、後者の構成とした場合には、G,B,Rの点順
次信号のタイミングに合わせて異なったレベルの信号を
発生するようにできるので、所定の色のグラデーション
パターンとすることができることは明らかである。
以上述べたように、アナログ基板701のPG703を用いるこ
とにより、黒から白、または白から黒へのグラデーショ
ン(Gradation)パターンを出力することができるの
で、容易にトラブル分離が行えるだけでなく、IUの駆動
機構の確認、中間調表現の良否の判定等も行えるもので
ある。
(B)ビデオ回路用PG このPGは、第57図のPG704に相当するものであり、その
構成を第59図(a)に示す。
アナログ基板の最終段のA/D変換器で8ビットのディジ
タル信号に変換されたチャンネル毎のビデオ信号は、ビ
デオ基板702に供給され、まずバッファ715に入力され
る。なお、図ではチャンネル1(CH1)とチャンネル2
(CH2)だけを示し、CH3〜CH5についても同様な構成で
あるので記載を省略しているものである。
バッファ715の8ビット出力の内、適当なビットの線に
はプルダウン抵抗RDが接続されている。また、バッファ
715は制御端子または割り込み端子720、721を有し、当
該端子にはCPU709からPGV/SEL信号が入力されるように
なされている。通常、PGV/SEL信号はロー(L)レベル
であり、このときバッファ715に入力されたビデオ信号
はそのまま通過するが、PGV/SEL信号はハイ(H)レベ
ルになると、バッファ715の出力はハイインピーダンス
になるようになされている。
このような構成において、サービスマンがUIにより所定
の操作を行うと、PGV/SEL信号がHとなり、バッファ715
の出力はハイインピーダンスとなるから、次の段の入力
はHとなるが、バッファ7151は最上位ビット(MSB)に
プルダウン抵抗RD1が接続されているので、バッファ715
1の出力の内MSBだけはLレベルとなり、その他のビット
はHレベルとなる。従って、CH1のビデオ信号の値は7FH
となる。また、CH2に関しては、プルダウン抵抗RD2はバ
ッファ7152の出力の内、セカンドMSBに接続されている
ので、ビデオ信号の値はBFHとなる。他のチャンネルに
ついても同様であって、バッファ出力の所定のビットに
プルダウン抵抗を接続することにより、所望の値のビデ
オ信号を後段の処理回路に供給することができる。な
お、プルダウン抵抗の値としては、通常の動作に影響を
与えない値が選択されることは当然である。
このようなビデオ信号を用いてA3サイズの用紙にコピー
を行うと、その出力画像は第59図(b)に示すようなチ
ャンネル毎のストライプパターンとなるが、各チャンネ
ルのビデオ信号の値は一定であるから、G,B,Rの値は一
定となり、従って、濃度のグラデーションが無い、いわ
ゆるベタ塗りのグレーのストライプパターンとなる。そ
の濃度パターンの例を第59図(c),(d)に示す。第
59図(c)の例ではCH1,CH3,CH5の濃度は等しくなさ
れ、また、CH2とCH4の濃度が等しくなされている。第59
図(d)においては、CH1から次第に濃度が濃くなるパ
ターンとなされている。
第59図(a)では、各チャンネルにはプルダウン抵抗が
1本しか接続されていないが、2本以上のプルダウン抵
抗を接続してもよいことは明らかであり、例えば、第59
図(e)に示すように2本のプルダウン抵抗を接続した
場合には、ビデオ信号の値は3FHとなる。このようにし
て所望の濃度のストライプパターンを得ることができ
る。
ストライプの濃度を設定するについては、見やすいスト
ライプパターンとなることは当然として、トナーの使用
量を必要最小限にすることも重要であるから、プルダウ
ン抵抗は上位ビットから接続するのが好ましい。
なお、当該ストライプパターンのコピーを行う際には、
上記のアナログ基板用PGでコピーを行う場合と同様に、
シェーディング補正は行わないようにする。
以上、1具体例について述べたが、PGの構成としてはそ
の他にも種々考えることができる。
例えば、第59図(f)に示すように、バッファ715の前
段にスイッチ725を設け、当該スイッチ725の一方の端子
にはメモリ726からの出力が供給されるようにする。そ
して、CPU709からのPGV/SEL信号でスイッチ725が図の状
態に切り替わると共に、メモリ726からパターンデータ
を読み出すようにするのである。これによれば、メモリ
726に格納されているデータ値がビデオ信号として後段
に供給され、コピーとして出力されることになる。そし
て、メモリ726に格納されているデータが一つならばG,
B,Rの値は同一となり、従ってグレーのストライプパタ
ーンが出力されるが、全てが等しくはない3種のデータ
値を格納させておき、当該データをG,B,Rの点順次のタ
イミングで順次読み出すようにすれば、例えば、第59図
(g)に示すような所望のカラーストライプパターンを
出力させることができるし、更に、より多くのデータ値
を格納させておいて、G,B,Rのビデオ信号のデータ値を
所定の周期で切り替えれば、例えば、第59図(h)に示
すような格子状のカラーパターンを出力させることもで
きる。
しかし、第59図(f)のような構成を採用することは得
策ではない。確かに、第59図(g),(h)のようなカ
ラーパターンであればグレーのパターンよりは見やす
く、判断も容易であるかもしれないが、新たにメモリと
スイッチを付加しなければならないので、コストの上昇
が大きくなるばかりでなく、カラーのトナーも大量に使
用することになる。しかし、当該PGはトラブル分離を行
えればよいのであって、PGのためにコストが上昇するこ
とは許されないし、安価ではないカラートナーを大量に
使用するのも好ましくない。
それに対して、第59図(a)の構成では、CPUとの間に
制御信号線を配し、バッファの出力にプルダウン抵抗を
接続すればよいから非常に安価に構成することができる
のである。
上述したように、交換単位を基板とした場合、トラブル
分離はトラブルを生じている基板を特定できればよい。
そして、ある基板にトラブルがあるか否かを容易に、短
時間で判断するためには、少なくとも各基板の入力段に
PGを配置する必要がある。従って、各基板のPGをどのよ
うに構成するかは、当該基板の入力段の信号の形態、回
路構成等を考慮して、可能な限り安価で、しかも効率よ
くチェックできる構成を採用することになる。上記の例
では、本複写機のビデオ基板702の入力が点順次のディ
ジタルビデオ信号であり、初段にバッファ715が配置さ
れていることを利用して第59図(a)の構成を採用した
のであるが、ビデオ基板702の入力信号がG,B,Rの点順次
信号でなく、分離合成回路237(第41図)の出力である
ならば、PGとしてはG,B,Rのそれぞれに対してビデオ信
号となるデータ値を与えねばらならいので、第59図
(f)に示すようなメモリからデータ値を与える構成は
有力である。
(C)IPS用PG このPGは、第57図のPG705に相当するものである。勿
論、次のIPS-A基板の入力端にPG等のトラブル分離用の
回路が設けられていれば必ずしも必要なものではない
が、ここではIITのトラブル分離をIITの内部だけで行う
ために、ビデオ基板702の出力端にPGを配置しているも
のであり、これにより、IPS-A基板の入力端にPGを設け
る必要はなくなるものである。つまり、前段の基板と後
段の基板とのトラブル分離を行うには、前段の出力端
か、後段の入力端の何れか一方にPGを配置すればよいこ
とは明らかで、上述した実施例ではPGをより安価に構成
できるために、ビデオ基板702の入力端にPGを配置して
いる。従って、ビデオ基板702とIPS-A基板のトラブル分
離を行うについても、PGを安価に構成できる方を選択す
ればよく、本実施例では、ビデオ基板702の出力端であ
るSHC回路をそのまま利用して所定のパターンを発生で
きることに鑑みて、ビデオ基板702の出力端にPGを設け
る構成としているものである。
第60図(a)にSHCおよびラインメモリの概略構成を示
すが、その動作は次のようである。なお、第60図(a)
にはG,B,Rの3チャンネル内の一つのチャンネルしか示
されていないが、他のチャンネルも同様な構成となされ
ている。
8ビットのディジタルビデオ信号は、画素ずれ補正回路
832で画素ずれの補正がなされて加算器833のB端子に入
力される。加算器833のA端子には濃度調整用のデータ
がCPU(図示せず)から与えられており、両者の値の加
算が行われる。これで濃度調整が行われる。
加算器834の端子Aには加算器833の出力が、端子Bには
ラインメモリ831から読み出されたシェーディング補正
用のデータが方向性結合器838を介してそれぞれ入力さ
れ、ビデオ信号からシェーディング補正用データが減算
される。これがシェーディング補正であるが、シェーデ
ィング補正用のデータとしては、コピーに先立って読み
取った白リファレンスのデータが用いられる。つまり、
IUは原稿の読み込みの前に白リファレンスを読み取り、
当該白リファレンスデータが画素ずれ補正回路832、セ
レクタ836、方向性結合器837を介してラインメモリ831
に格納される。このとき、セレクタ841ではCPUから与え
られるライト信号が選択され、アドレスカウンタ842で
は当該ライト信号に基づいてアドレスデータを生成し、
ラインメモリ831に与える。ラインメモリ831は当該アド
レスデータに基づいて書き込みを行う。なお、アドレス
カウンタ842の端子Aに入力されているプリセット信号
は、ラインメモリ831の初期アドレスを設定するための
信号である。
ラインメモリ831からシェーディング補正データを読み
出す際には、セレクタ841はビデオクロックを選択する
ようになされており、アドレスカウンタ842はビデオク
ロックに基づいてアドレスデータを生成し、ラインメモ
リ831に供給する。これにより、シェーディング補正用
データはビデオクロックに同期して読み出されることに
なる。
以上のようにしてシェーディング補正がなされたビデオ
信号は、セレクタ835の端子Aに入力される。当該セレ
クタ835は、通常は端子Aに入力される信号を選択する
ようになされているので、減算器834の出力はそのままI
PS-A基板に出力される。
なお、以上の動作は全てCPUの制御の基に行われるもの
である。
以上が通常のコピー動作におけるシェーディング補正時
の信号の流れであるが、次にこの構成で所定のパターン
を出力する場合の動作について説明する。
サービスマンがUIによりIPS用PGを使用したコピーを行
う旨の指示を行うと、CPUは、まず、主走査方向の画素
毎のパターンデータを方向性結合器839、セレクタ836、
方向性結合器837を介してラインメモリ831に書き込む。
コピーが開始されると、ラインメモリ831に格納された
パターンデータは、ビデオクロックに同期して読み出さ
れ、方向性結合器838、セレクタ835を介してIPS以降の
回路に供給され、コピーが行われる。なお、ラインメモ
リ831に供給される、書き込み、読み出しのためのアド
レスデータは、上述したと同様にして生成される。ま
た、上記の全ての動作がCPUの制御の基に行われること
は言うまでもない。
このようにして出力される画像の例を第60図(b)に示
す。ラインメモリ831には主走査方向の各画素に対応し
てパターンデータが与えられ、当該パターンデータが走
査線毎に繰り返し読み出されるだけであるので、第60図
(b)のようなストライプパターンが得られるのであ
る。各ストライプの幅、色、濃度をどのようにするかは
ラインメモリ831に書き込むデータで任意に設定するこ
とができる。
第60図(a)に示す構成では、ラインメモリ831からの
読み出しはビデオクロックに同期して行われるので、そ
の出力画像は第60図(b)のようなストライプパターン
となるのであるが、読み出しアドレスをライン同期信号
(LS)に基づいて生成すると、例えば第60図(c)に示
すような横縞のパターンとすることができる。そのため
には、第60図(d)に示すように、セレクタ841の端子
Bの前段にセレクタ845を設け、当該セレクタによりLS
とビデオクロックの切り替えを行えるようにすればよ
い。また、第60図(d)の構成によれば、LSとビデオク
ロックとを所定の周期で切り替えるようにすることもで
き、その場合には、出力画像は第60図(e)に示すよう
なモザイク状のパターンとなる。
特に、第6図(c)や第60図(e)のパターンはIITとI
OTのトラブル分離を行う際に有効である。例えば、コピ
ー画像が副走査方向に間延びしている場合には、その原
因としてIUの走査速度の異常、またはIOTの異常が考え
られるが、第60図(c)または第60図(e)のパターン
を出力させた結果、当該パターンに異常があれば原因は
IOT側にあることが分かり、当該パターンに異常がなけ
ればIUの異常であることが確認される。
なお、第60図(b),(c),(e)ではカラーパター
ンの例を挙げたが、G,B,Rのラインメモリの同一位置の
画素に同一のデータ値を書き込めば全面グレーのパター
ンを得ることができることは明らかであり、これによれ
ば高価なカラートナーを使用せずにトラブル分離を行う
ことが可能である。また、IPS用PGを使用したパターン
のコピーはカスタマーシミュレーションモードで行われ
るので、濃度調整が可能であり、これによりトナーの使
用量を最小限にとどめることができる。
以上、IPS用PGについて説明したが、第60図(a)の構
成はシェーディング補正のための構成をそのまま使用し
ており、新たに追加するハードウェアはセレクタとセレ
クタの切り替えを行う信号線程度であり、その他にはダ
イアグのためのソフトウェアをCPUに追加すればよいの
で、非常に安価にPGを構成することができる。
[発明の効果] 以上の説明から明らかなように、本発明の画像読取装置
の自己診断システムによれば、パターンジェネレータで
発生させたパターン信号に基づいてコピーを行うだけで
画像読取装置のトラブルを分離することができるので、
サービスマンはオシロスコープ等の測定器は勿論のこ
と、テストチャートも持ち歩く必要はなく、容易に、短
時間で画像読取装置のトラブル箇所を特定することがで
きるものである。しかも、パターンジェネレータを構成
するについては、複写機に使用されている回路を可能な
限り利用し、追加するハードウェアを最小限にしている
ので、コストの上昇を必要最小限にとどめることができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の1実施例を示す構成図、第2図は本発
明が適用されるカラー複写機の全体構成の1例を示す
図、第3図はハードウェアアーキテクチャーを示す図、
第4図はソフトウェアアーキテクチャーを示す図、第5
図はコピーレイヤを示す図、第6図はステート分割を示
す図、第7図はパワーオンステートからスタンバイステ
ートまでのシーケンスを説明する図、第8図はプログレ
スステートのシーケンスを説明する図、第9図はダイア
グノスティックの概念を説明する図、第10図はシステム
と他のリモートとの関係を示す図、第11図はシステムの
モジュール構成を示す図、第12図はジョブモードの作成
を説明する図、第13図はシステムと各リモートとのデー
タフロー、およびシステム内モジュール間データフロー
を示す図、第14図はIPSのモジュール構成概要を示す
図、第15図はIPSを構成する各モジュールを説明するた
めの図、第16図はIPSのハードウエア構成例を示す図、
第17図はIOTの概略構成を示す図、第18図は転写装置の
構成例を示す図、第19図はディスプレイを用いたUIの取
り付け例を示す図、第20図はUIの取り付け角や高さの設
定例を説明するための図、第21図はUIのモジュール構成
を示す図、第22図はUIのハードウエア構成を示す図、第
23図はUICBの構成を示す図、第24図はEPIBの構成を示す
図、第25図はディスプレイ画面の構成例を示す図、第26
図はF/Pの斜視図、第27図はM/Uの斜視図、第28図はネガ
フィルムの濃度特性および補正の原理を説明するための
図、第29図はF/Pの構成を概略的に示すとともに、E/Pと
M/UおよびIITとの関連を示す図、第30図は操作手順およ
びタイミングを説明するための図、第31図はイメージン
グユニット駆動機構の斜視図、第32図は第31図の要部断
面図、第33図(a)はステッピングモータのドライブ回
路図、同図(b)は励磁シーケンスを示す図、第34図は
イメージングユニットによるスキャンサイクルを説明す
るための図、第35図はカラーコピにおける色ずれの原因
を説明するための図、第36図(a)〜(c)はIITのコ
ントロールモードを説明するための図、第37図はイメー
ジングユニットの断面図、第38図は蛍光灯の断面図、第
39図(a)はCCDラインセンサの配置例を示す図、同図
(b)はカラーフィルタの配置例を示す図、第40図は縮
拡率と読取ずれ量の関係を示す図、第41図はビデオ信号
処理回路図、第42図は出力波形を示す図、第43図はAGC
およびAOC回路図、第44図はデジタルゲイン設定値とゲ
インとの関係を示す図、第45図は原稿濃度とセンサ出力
濃度との関係を示す図、第46図は変換テーブルを示す
図、第47図は画素ずれ補正を説明する図、第48図はライ
ンセンサの光電変換特性を示す図、第49図は従来の黒レ
ベル補正を説明するための図、第50図はセンサ1ライン
分の暗時出力を示す図、第51図は本発明に係わる黒レベ
ル補正の1実施例を示す構成図、第52図は黒レベル補正
データを示す図、第53図は5チィップのセンサを配列し
たときの各チャンネルの暗時出力を説明するための図、
第54図は暗時出力電の不均一分と露光時間との関係を示
す図、第55図は原稿濃度とセンサ1チィップ分の濃度変
化との関係を示す図、第56図はIITのブロック構成を示
す図、第57図は画像読取装置の自己診断システムの1構
成例を示す図、第58図はアナログ基板用PGの1具体例を
示す図、第59図はビデオ回路用PGの1具体例を示す図、
第60図はIPS用PGの構成例を示す図である。 1……イメージングユニット(IU)、2……基板、3,4
……パターンジェネレータ(PG)、5,6……スイッチ、1
0……アナログ基板、12……ディジタル基板、13,14,15
……パターンジェベレータ(PG)、16,17,18……スイッ
チ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−162372(JP,A) 特開 昭61−224561(JP,A) 特開 昭56−161761(JP,A) 特開 昭60−189362(JP,A)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原稿の画像を読み取るイメージセンサを有
    するイメージングユニットと、 前記イメージセンサから出力されるアナログビデオ信号
    に対して所定の処理を施すと共にアナログビデオ信号を
    デジタルビデオ信号に変換するアナログ回路部と、 前記アナログ回路部から出力されるデジタルビデオ信号
    に対して所定の処理を施すデジタル回路部と を備える画像読取装置の自己診断を行う画像読取装置の
    自己診断システムであって、 所定のパターン信号を発生するアナログパターンジェネ
    レータと、 所定のパターン信号を発生する第1のデジタルパターン
    ジェネレータと、 所定のパターン信号を発生する第2のデジタルパターン
    ジェネレータと、 アナログ回路部にアナログパターンジェネレータからの
    パターン信号を入力させるか、イメージセンサからのア
    ナログビデオ信号を入力させるかを切り換える第1のス
    イッチと、 デジタル回路部にアナログ回路部からのデジタルビデオ
    信号を入力させるか、第1のデジタルパターンジェネレ
    ータからのパターン信号を入力させるかを切り換える第
    2のスイッチと、 デジタル回路部から第2のデジタルパターンジェネレー
    タからのパターン信号を出力するか、デジタル回路部か
    らのデジタルビデオ信号を出力させるかを切り換える第
    3のスイッチと を備えることを特徴とする画像読取装置の自己診断シス
    テム。
  2. 【請求項2】前記アナログパターンジェネレータは鋸歯
    状波発生器であることを特徴とする請求項1記載の画像
    読取装置の自己診断システム。
  3. 【請求項3】前記デジタル回路部の最終段はシェーディ
    ング補正回路であり、且つ前記第2のデジタルパターン
    ジェネレータは当該シェーディング補正回路のシェーデ
    ィング補正用データを格納するラインメモリに所定のパ
    ターンの出力画像を生成するためのパターンデータが書
    き込まれてなる ことを特徴とする請求項1または2記載の画像読取装置
    の自己診断システム。
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