JPH0777413B2 - 画像記録装置 - Google Patents

画像記録装置

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JPH0777413B2
JPH0777413B2 JP63282264A JP28226488A JPH0777413B2 JP H0777413 B2 JPH0777413 B2 JP H0777413B2 JP 63282264 A JP63282264 A JP 63282264A JP 28226488 A JP28226488 A JP 28226488A JP H0777413 B2 JPH0777413 B2 JP H0777413B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、デジタル複写機、ファクシミリ、プリンタ等
の画像記録装置に関する。
〔従来の技術〕
近年、CCDラインセンサにより原稿画像の濃度を光電的
に読取り、これを画像出力する画像記録装置において
は、高画質化、高速化が課題となっている。とくに、カ
ラー原稿を読取る場合には、画像記録装置のイメージン
グユニットを4回走査させて4色の信号を読取るが、こ
の場合、4色間の色ずれをいかに少なくさせるかが大き
な課題となっている。そのためには、イメージングユニ
ットの停止位置の変動、ホームポジションからレジ位置
までの到達時間の変動およびスキャン速度の変動を抑え
ることが重要である。
従来、そのためにイメージングユニットをステッピング
モータで駆動する方式が知られている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかながら、一般にステッピングモータは、DCサーボモ
ータに比較して振動、騒音が大きいという問題を有して
いる。とくに、画像記録装置においては、イメージング
ユニットが原稿を走査するためにスキャン動作とリター
ン動作を繰り返しており、画像記録装置の高速化を達成
するためには、リターン時の速度を可能なかぎり早める
ことが望ましい。一方、ステッピングモータの特性は、
駆動周波数が小さい程、かつ供給電流が大になる程トル
クが大きくなるという特性を有しており、イメージング
ユニットが高速でリターンするリターン時にトルクを確
保するように電流値を設定している。従って、イメージ
ングユニットが低速でスキャンする定常時には、トルク
が大となり過剰なトルクによる振動、騒音が生じること
になる。この振動は読取画質に大きな影響を与えること
になる。
本発明は上記問題を解決するものであって、その第1の
目的はステッピングモータによる振動、騒音の発生を低
減させることである。
本発明の他の目的は、イメージングユニットが低速でス
キャンする定常時に、ステッピングモータに流す電流を
減少させることにより、振動の発生を低減させることで
ある。
本発明の他の目的は、1回目のスキャンとそれ以降のス
キャンとで電流設定条件を同一にすることにより、電流
切換点で過渡振動を防止し、色ズレを防止することであ
る。
本発明の他の目的は、イメージングユニットの振動が十
分に減衰するのに必要な時間よりも休止時間が長い場合
に、一旦電流を遮断させてモータドライバの温度上昇を
防止することである。
本発明の他の目的は、イメージングユニットの休止時間
中にモータに半分程度の電流を流すことにより、イメー
ジングユニットの停止時間を保持することである。
〔課題を解決するための手段および作用〕
そのために本発明においては第1図に示すように、原稿
を走査するイメージングユニット903と、該イメージン
グユニットを往復駆動させるステッピングモータ902と
を備えた画像記録装置において、該ステッピングモータ
に流れる電流を基準値と比較する電流値比較手段905
と、該電流値の比較によりステッピングモータに流れる
電流を基準値に制御する電流制御手段906と、前記イメ
ージングユニットが一定速度で原稿を走査する間、前記
基準値を減少させる電流切換手段906を有することを特
徴とする。これによりスキャン時に必要な最小限の電流
まで減少させる。
電流切換は、所定の時定数をもたせ、この時定数が、原
稿を走査する間の振動が少なくするように、かつ、原稿
を複数回走査した時の振動の位相のズレが少なくなるよ
うに設定する。また、原稿を複数回走査する場合に、走
査開始時、電流を瞬時に立上げることにより、電流設定
条件を同一にするようにしてもよい。さらにイメージン
グユニットおよびステッピングモータを支持する箱体
は、防振材を挟着した複数の鋼板を折曲しボルトにより
結合することにより形成される箱体であって、前記鋼板
の折曲位置とボルト穴との距離を前記鋼板の厚みの10倍
以上としたことを特徴としている。本発明においては以
上の構成により、過剰なトルクによる原稿走査機構の騒
音、振動を低減させることができる。
〔実施例〕
以下、実施例につき本発明を詳細に説明する。
目次 この実施例では、カラー複写機を記録装置の1例として
説明するが、これに限定されるものではなく、プリンタ
やファクシミリ、その他の画像記録装置にも適用できる
ことは勿論である。
まず、実施例の説明に先立って、目次を示す。なお、以
下の説明において、(I)〜(II)は、本発明が適用さ
れる複写機の全体構成の概要を説明する項であって、そ
の構成の中で本発明の実施例を説明する項が(III)で
ある。
(I)装置の概要 (I−1)装置構成 (I−2)システムの機能・特徴 (I−3)電気系制御システムの構成 (II)具体的な各部の構成 (II−1)システム (II−2)イメージ処理システム(IPS) (II−3)イメージ出力ターミナル(IOT) (II−4)ユーザインタフェース(U/I) (II−5)フィルム画像読取装置 (III)イメージ入力ターミナル(IIT) (III−1)イメージングユニット駆動機構 (III−2)ステッピングモータの制御方式 (III−3)IITのコントロール方式 (III−4)イメージングユニット (III−5)ビデオ信号処理回路 (I)装置の概要 (I−1)装置構成 第2図は本発明が適用されるカラー複写機の全体構成の
1例を示す図である。
本発明が適用されるカラー複写機は、基本構成となるベ
ースマシン30が、上面に原稿を載置するプラテンガラス
31、イメージ入力ターミナル(IIT)32、電気系制御収
納部33、イメージ出力ターミナル(IOT)34、用紙トレ
イ35、ユーザインタフェース(U/I)36から構成され、
オプションとして、エディットパッド61、オートドキュ
メントフィーダ(ADF)62、ソータ63およびフィルムプ
ロジェクタ(F/P)64を備える。
前記IIT、IOT、U/I等の制御を行うためには電気的ハー
ドウェアが必要であるが、これらのハードウェアは、II
T、IIDの出力信号をイメージ処理するIPS、U/I、E/P等
の各処理の単位毎に複数の基板に分けられており、更に
それらを制御するSAS基板、およびIOT、ADF、ソータ等
を制御するためのMTB基板(マシンコントロールボー
ド)等と共に電気制御系収納部33に収納されている。
IIT32は、イメージングユニット37、該ユニットを駆動
するためのワイヤ38、駆動プーリ39等からなり、イメー
ジングユニット37内のCCDラインセンサ、カラーフィル
タを用いて、カラー原稿を光の原色B(青)、G
(緑)、R(赤)毎に読取り、デジタル画像信号に変換
してIPSへ出力する。
IPSでは、前記IIT32のB、G、R信号をトナーの原色Y
(イエロー)、C(シアン)、M(マゼンタ)、K(ブ
ラック)に変換し、さらに、色、階調、精細度等の再現
性を高めるために、種々のデータ処理を施してプロセス
カラーの階調トナー信号をオン/オフの2値化オナー信
号に変換し、IOT34に出力する。
IOT34は、スキャナ40、感材ベルト41を有し、レーザ出
力部40aにおいて前記IPSからの画像信号を光信号に変換
し、ポリゴンミラー40b、F/θレンズ40cおよび反射ミラ
ー40dを介して感材ベルト41上に原稿画像に対応した潜
像を形成させる。感材ベルト41は、駆動プーリ41aによ
って駆動され、その周囲にクリーナ41b、帯電器41c、
Y、M、C、Kの各発像器42dおよび転写器41eが配置さ
れている。そして、この転写器41eに対向して転写装置4
2が設けられていて、用紙トレイ35から用紙搬送路35aを
経て送られる用紙をくわえ込み、例えば、4色フルカラ
ーコピーの場合には、転写装置42を4回転させ、用紙
Y、M、C、Kの順序で転写させる。転写された用紙
は、転写装置42から真空搬送装置43を経て定着器45で定
着され、排出される。また、用紙搬送路35aには、SSI
(シングルシートインサータ)35bからも用紙が選択的
に供給されるようになっている。
U/I36は、ユーザが所望の機能を選択してその実行条件
を支持するものであり、カラーディスプレイ51と、その
横にハードコントロールパネル52を備え、さらに赤外線
タッチボード53を組み合わせて画面のソフトボタンで直
接指示できるようにしている。次にベースマシン30への
オプションについて説明する。1つはプラテンガラス31
上に、座標入力装置であるエディットパッド61を載置
し、入力ペンまたはメモリカードにより、各種画像編集
を可能にする。また、既存のADF62、ソータ63の取付を
可能にしている。
さらに、本実施例における特徴は、プラテンガラス31上
にミラーユニット(M/U)65を載置し、これにF/P64から
フィルム画像を投射させ、IIT32のイメージングユニッ
ト37で画像信号として読取ることにより、カラーフィル
ムから直接カラーコピーをとることを可能にしている。
対象原稿としては、ネガフィルム、ポジフィルム、スラ
イドが可能であり、オートフォーカス装置、補正フィル
タ自動交換装置を備えている。
(I−2)システムの機能・特徴 (A)機能 本発明は、ユーザのニーズに対応した多種多彩な機能を
備えつつ複写業務の入口から出口までを全自動化すると
共に、前記ユーザインターフェイスにおいては、機能の
選択、実行条件の選択およびその他のメニュー等の表示
をCRT等のディスプレイで行い、誰もが簡単に操作でき
ることを大きな特徴としている。
その主要な機能として、ハードコトロールパネルの操作
により、オペレーションフローで規定できないスター
ト、ストップ、オールクリア、テンキー、インタラプ
ト、インフォメーション、言語切り換えを行い、各種機
能を基本画面のソフトボタンをタッチ操作することによ
り選択できるようにしている。また機能選択領域である
パスウエイに対応したパスウエイタブをタッチすること
によりマーカー編集、ビジネス編集、クリエイティブ編
集等各種編集機能を選択できるようにし、従来のコピー
感覚で使える簡単な操作でフルカラー、白黒兼用のコピ
ーを行うことができる。
本装置では4色フルカラー機能を大きな特徴としてお
り、さらに3色カラー、黒をそれぞれ選択できる。
用紙供給は自動用紙選択、用紙選択が可能である。
縮小/拡大は50〜400%までの範囲で1%刻みで倍率設
定することができ、また縦と横の倍率を独立に設定する
偏倍機能、及び自動倍率選択機能を設けている。
コピー濃度は白黒原稿に対しては自動濃度調整を行って
いる。
カラー原稿に対しては自動カラーバランス調整を行い、
カラーバランスでは、コピー上で減色したい色を指定す
ることができる。
ジョブプログラムではメモリカードを用いてジョブのリ
ード、ライトができ、メモリカードへは最大8個のジョ
ブが格納できる。要領は32キロバイトを有し、フィルム
をプロジェクターモード以外のジョブがプログラム可能
である。
この他に、付加機能とコピーアウトプット、コピーシャ
ープネス、コピーコントラスト、コピーポジション、フ
ィルムプロジェクター、ページプログラミング、マージ
ンの機能を設けている。
コピーアウトプットは、オプションとしてソーターが付
いている場合、Uncollatedが選択されていると、最大調
整機能が働き、設定枚数をビン収納最大値内に合わせ込
む。
エッジ強調を行うコピーシャープネスは、オプションと
して7ステップのマニュアルシャープネス調整、写真
(Photo)、文字(Character)、網点印刷(Print)、
写真と文字の混合(Photo/Character)からなる写真シ
ャープネス調整機能を設けている。そしてデフォルトと
ツールパスウエイで任意に設定できる。
コピーコントラストは、オペレーターが7ステップでコ
ントロールでき、デフォルトはツールパスウエイで任意
に設定できる。
コピーポジションは、用紙上でコピー像を載せる位置を
選択する機能で、オプションとして用紙のセンターにコ
ピー像のセンターを載せるオードセンタリング機能を有
し、デフォルトはオートセンタリングである。
フィルムプロジェクターは、各種フィルムからコピーを
とることができるもので、35mmネガ・ボジのプロジェン
クション、35mmネガプラテン置き、6cm×6cmスライドプ
ラテン置き、4in×4inスライドプラテン置きを選択でき
る。フィムプロジェクタでは、特に用紙を選択しなけれ
ばA4用紙が自動的に選択され、またフィルムプロジェク
タポップアップ内には、カラーバランス機能があり、カ
ラーバランスを“赤味”にすると赤っぽく、“青味”に
すると青っぽく補正され、また独自の自動濃度コントロ
ール、マニュアル濃度コントロールを行っている。
ページプログラミングでは、コピーにフロント・バック
カバーまたはフロントカバーを付けるカバー機能、コピ
ーとコピーの間に白紙またはカラーペーパーを挿入する
インサート機能、原稿の頁別にカラーコードを設定でき
るカラーモード、原稿に頁別にペーパートレイを選択で
き、カラーモードと併せて設定できる用紙選択の機能が
ある。
マージンは、0〜30mmの範囲で1mm刻みでマージンを設
定でき、1原稿に対して1辺のみ指定可能である。
マーカー編集は、マーカーで囲まれた領域に対して編集
加工する機能で、文書を対象とするもので、そのため原
稿は白黒原稿として扱い、黒モード時は指定領域内をCR
T上のパレット色に返還し、指定領域外は黒コピーとな
る。また赤黒モード時は、イメージを赤色に変換し、領
域外は赤黒コピーとなり、トリム、マスク、カラーメッ
シュ、ブラックtoカラーの機能を設けている。なお、領
域指定は原稿面に閉ループを描くか、テンキーまたはエ
ディットパッドにより領域を指定するかにより行う。以
下の各編集機能における領域指定でも同様である。そし
て指定した領域はCRT上のビットマップエリアに相似形
で表示する。
トリムはマーク領域内のイメージのみ白黒でコピーし、
マーク領域外のイメージは消去する。
マスクはマーク領域内のイメージは消去し、マーク領域
外のイメージのみ白黒でコピーする。
カラーメッシュでは、マーク領域内に指定の色網パター
ンを置き、イメージは白黒でコピーされ、カラーメッシ
ュの色は8標準色(あらかじめ決められた所定の色)、
8登録色(ユーザーにより登録されている色で1670万色
中より同時8色まで登録可)から選択することができ、
また網は4パターンから選択できる。
ブラックtoカラーではマーク領域内のイメージを8標準
色、8登録色から選択した指定の色でコピーすることが
できる。
ビジネス編集はビジネス文書中心に、高品質オリジナル
がすばやく作製できることを狙いとしており、原稿はフ
ルカラー原稿として扱われ、全ての機能ともエリアまた
はポイントの指定が必要で、1原稿に対して複数ファン
クション設定できる。そして、黒/モノカラーモード時
は、指定領域以外は黒またはモノカラーコピーとし、領
域内は黒イメージをCRT上のパレット色に色変換し、ま
た赤黒モード時は指定領域外は赤黒コピー、領域内は赤
色に変換する。そして、マーカー編集の場合と同様のト
リム、マスク、カラーメッシュ、ブラックtoカラーの外
に、ロゴタイプ、ライン、ペイント1、コレクション、
ファンクションクリアの機能を設けている。
ロゴタイプは指定ポイントにシンボルマークのようなロ
ゴを挿入できる機能で、2タイプのロゴをそれぞれ縦置
き、横置きが可能である。但し1原稿に対して1個のみ
設定でき、ロゴパターンは顧客ごとに用意してROMによ
り供給する。
ラインは、2点表示によりX軸に対して垂直、または水
平線を描く機能であり、ラインの色は8標準色、8登録
色からライン毎に選択することができ、指定できるライ
ン数は無制限、使用できる色は一度に7色までである。
ペイント1は、閉ループ内に対して1点指示することに
よりループ内を8標準色、8登録色からループ毎に選択
した色で塗りつぶす機能である。網は4パターンからエ
リア毎に選択でき、指定できるループ数は無制限、使用
できる色設パターンは7パターンまでである。
コレクション機能は、エリア毎の設定ファンクションを
確認及び修正することができるエリア/ポイントチエン
ジ、エリアサイズやポイント位置の変更を1mm刻みで行
うことができるエリア/ポイントコレクション、指定の
エリアを消去するエリア/ポイントキャンセルモードを
有しており、指定した領域の確認、修正、変更、消去等
を行うことができる。
クリエイティブ編集は、イメージコンポジション、コピ
ーオンコピー、カラーコンポジション、部分イメージソ
フト、マルチ頁拡大、ペイント1、カラーメッシュ、カ
ラーコンバージョン、ネガ/ポジ反転、リピート、ペイ
ント2、濃度コントロール、カラーバランス、コピーコ
ントラスト、コピーシャープネス、カラーモード、トリ
ム、マスク、ミラーイメージ、マージン、ライン、シフ
ト、ロゴタイプ、スプリットスキャン、コレクション、
ファンクションクリア、Add Function機能を設けてお
り、この機能では原稿はカラー原稿として扱われ、1原
稿に対して複数のファンクションが設定でき、1エリア
に対してファンクションの併用ができ、また指定するエ
リアは2点指示による矩形と1点指示によるポイントで
ある。
イメージコンポジションは、4サイクルでベースオリジ
ナルをカラーコピー後、用紙を転写装置上に保持し、引
き続きトリミングしたオリジナルを4サイクルで重ねて
コピーし、出力する機能である。
コピーオンコピーは、4サイクルで第1オリジナルをコ
ピー後、用紙を転写装置上に保持し、ひき続き第2オリ
ジナルを4サイクルで重ねてコピーし出力する機能であ
る。
カラーコンポジションは、マゼンタで第1オリジナルを
コピー後、用紙を転写装置上に保持し、ひき続き第2オ
リジナルをシアンで重ねてコピー後、用紙を転写装置上
に保持し、ひき続き第3オリジナルをイエローで重ねて
コピー後出力する機能であり、4カラーコンポジション
の場合は更にブラックを重ねてコピー後出力する。
部分イメージシフトは4サイクルでカラーコピー後、用
紙を転写装置上に保持し、ひき続き4サイクルで重ねて
コピーし出力する機能である。
カラーモードのうちフルカラーモードでは4サイクルで
コピーし、3色カラーモードでは編集モードが設定され
ている時を除き、3サイクルでコピーし、ブラックモー
ドでは編集モードが設定されている時を除き、1サイク
ルでコピーし、プラス1色モードでは1〜3サイクルで
コピーする。
ツールパスウエイでは、オーディコロン、マシンセット
アップ、デフォルトセレクション、カラーレジストレー
ション、フィルムタイプレジストレーション、カラーコ
レクション、プリセット、フィルムプロジェクタースキ
ャンエリアコレクション、オーディオトーン、タイマー
セット、ビリングメータ、診断モード、最大調整、メモ
リカードフォーマッティングを設けている。このパスウ
エイで設定や変更を行なうためには暗証番号を入力しな
ければ入れない。従って、ツールパスウエイで設定/変
更を行えるのはキーオペレータとカスタマーエンジニア
である。ただし、診断モードに入れるのは、カスタマー
エジニアだけである。
カラーレジストレーションは、カラーパレット中のレジ
スタカラーボタンに色を登録するのに用いられ、色原稿
からCCDラインセンサーで読み込まれる。
カラーコレクションは、レジスタカラーボタンに登録し
た色の微調整に用いられる。
フィルムタイプレジストレーションは、フィルムプロジ
ェクタモードで用いるレジスタフィルムタイプを登録す
るのに用いられ、未登録の場合は、フィルムプロジェク
タモード画面ではレジスタボタンが選択できない状態と
なる。
プリセットは、縮小/拡大値、コピー濃度7ステップ、
コピーシャープネス7ステップ、コピーコントラスト7
ステップをプリセットする。
フィルムプロジェクタスキャンエリアコレクションは、
フィルムプロジェクターモード時のスキャンエリアの調
整を行う。
オーディオトーンは選択音等に使う音量の調整をする。
タイマーセットは、キーオペレータに開放することので
きるタイマーに対するセットを行う。
この他にも、サブシステムがクラッシュ状態に入った場
合に再起動をかけるクラッシュリカバリ機能、クラッシ
ュリカバリを2回かけてもそのサブシステムが正常復帰
できない場合にはフォルトモードとする機能、ジャムが
発生した場合、緊急停止する機能等の以上系に対する機
能も設けている。
さらに、基本コピーと付加機能、基本/付加機能とマー
カー編集、ビシネス編集、クリエイティブ編集等の組み
合わせも可能である。
上記機能を備える本発明のシステム全体として下記の特
徴を有している。
(B)特徴 (イ)高画質フルカラーの達成 本発明においては、黒の画質再現、淡色再現性、ジェネ
レーションコピー質、OHP画質、細線再現性、フィルム
コピーの画質再現性、コピーの維持性を向上させ、カラ
ードキュメントを鮮明に再現できる高画質フルカラーの
達成を図っている。
(ロ)低コスト化 感光体、現像機、トナー等の画材原価・消耗品のコスト
を低減化し、UMR、パーツコスト等サービスコストを低
減化すると共に、白黒コピー兼用機としても使用可能に
し、さらに白黒コピー速度も従来のものに比して3倍程
度の30枚/A4を達成することによりランニングコストの
低減、コピー単価の低減を図っている。
(ハ)生産性の改善 入出力装置にADF、ソータを設置(オプション)として
多枚数原稿を処理可能とし、倍率は50〜400%選択で
き、最大原稿サイズA3、ペーパートレイは上段B5〜B4、
中段B5〜B4、下段B5〜A3、SSIB5〜A3とし、コピースピ
ードは4色フルカラー、A4で4.8CPM、B4で4.8CPM、A3で
2.4CPM、白黒、A4で19.2CPM、B4で19.2CPM、A3で9.6CP
M、ウォームアップ時間8分以内、FCOTは4色フルカラ
ーで28秒以下、白黒で7秒以下を達成し、また、連続コ
ピースピードは、フルカラー7.5枚/A4、白黒30枚/A4を
達成して高生産性を図っている。
(ニ)操作性の改善 ハードコントロールパネルにおけるハードボタン、CRT
画面ソフトパネルのソフトボタンを併用し、初心者にわ
かりやすく、熟練者に煩わしくなく、機能の内容をダイ
レクトに選択でき、かつ操作をなるべく1ケ所に集中す
るようにして操作性を向上させると共に、色を効果的に
用いることによりオペレータに必要な情報を正確に伝え
るようにしている。ハイフアイコピーは、ハードコント
ロールパネルと基本画面の操作だけで行うようにし、オ
ペレーションフローで規定できないスタート、ストッ
プ、オールクリア、割り込み等はハードボタンの操作に
より行い、用紙選択、縮小拡大、コピー濃度、画質調
整、カラーモード、カラーバランス調整等は基本画面ソ
フトパネル操作により従来の単色コピーマシンのユーザ
ーが自然に使いこなせるようにしている。さらに、各種
編集機能等はソフトパネルのパスウエイ領域のパスウエ
イタブをタッチ操作するだけで、パスウエイをオープン
して各種編集機能を選択することができる。さらにメモ
リカードにコピーモードやその実行条件等を予め記憶し
ておくことにより所定の操作の自動化を可能にしてい
る。
(ホ)機能の充実 ソフトパネルのパスウエイ領域のパスウエイタブをタッ
チ操作することにより、パスウエイをオープンして各種
編集機能を選択することができ、例えばマーカ編集では
マーカーというツールを使用して白黒文書の編集加工を
することができ、ビジネス編集ではビジネス文書中心に
高品質オリジナルを素早く作製することができ、またク
リエイティブ編集では各種編集機能を用意し、フルカラ
ー、黒、モノカラーにおいて選択肢を多くしてデザイナ
ー、コピーサービス業者、キーオペレータ等の専門家に
対応できるようにしている。また、編集機能において指
定した領域はビットマップエリアにより表示され、指定
した領域を確認できる。このように、豊富な編集機能と
カラークリエーションにより文章表現力を大幅にアップ
することができる。
(ヘ)省電力化の達成 1.5kVAで4色フルカラー、高性能の複写機を実現してい
る。そのため、各動作モードにおける1.5kVA実現のため
のコントロール方式を決定し、また、目標値を設定する
ための機能別電力配分を決定している。また、エネルギ
ー伝達経路の確定のためのエネルギー系統表の作成、エ
ネルギー系統による管理、検証を行うようにしている。
(C)差別化の例 本発明が適用される複写機は、フルカラー、及び白黒兼
用でしかも初心者にわかりやすく、熟練者に煩わしくな
くコピーをとることができると共に、各種機能を充実さ
せて単にコピーをとるというだけでなく、オリジナルの
作製を行うことができるので、専門家、芸術家の利用に
も対応することができ、この点で複写機の使用に対する
差別化が可能になる。以下にその使用例を示す。
例えば、従来印刷によっていたポスター、カレンダー、
カードあるいは招待状や写真入りの年賀状等は、枚数が
それほど多くない場合は、印刷よりはるかに安価に作製
することができる。また、編集機能を駆使すれば、例え
ばカレンダー等では好みに応じたオリジナルを作製する
ことができ、従来、企業単位で画一的に印刷していたも
のを、セクション単位で独創的で多様なものを作製する
ことが可能になる。
また、近年インテリアや電気製品に見られるように、色
彩は販売量を左右するものであり、インテリアや服飾品
の製作段階において彩色を施した図案をコピーすること
により、デザインと共に色彩についても複数人により検
討することができ、消費を向上させるような新しい色彩
を開発することが可能である。特に、アパレル産業等で
は遠方の製作現場に製品を発注する際にも、彩色を施し
た完成図のコピーを送ることにより従来より適確に色を
指定することができ、作業能率を向上させることができ
る。
さらに、本装置はカラーと白黒を兼用することができる
ので、1つの原稿を必要に応じて白黒であるいはカラー
でそれぞれ必要枚数ずつコピーすることができる。した
がって、例えば専門学校、大学等で色彩学を学ぶ時に、
彩色した図案を白黒とカラーの両方で表現することがで
き、両者を比較検討することにより、例えば赤はグレイ
がほぼ同じ明度であることが一目瞭然で分かる等、明度
および彩色の視覚に与える影響を学ぶこともできる。
(I−3)電気系制御システムの構成 この項では、本複写機の電気的制御システムとして、ハ
ードウェアアーキテクチャー、ソフトウェアアーキテク
チャーおよびステート分割について説明する。
(A)ハードウェアアーキテクチャーおよびソフトウェ
アアーキテクチャー 本複写機のようにUIとしてカラーCRTを使用すると、モ
ノクロのCRTを使用する場合に比較してカラー表示のた
めのデータが増え、また、表示画面の構成、画面遷移を
工夫してよりフレンドリーなUIを構築しようとするとデ
ータ量が増える。
これに対して、大容量のメモリを搭載したCPUを使用す
ることはできるが、基板が大きくなるので複写機本体に
収納するのが困難である、仕様の変更に対して柔軟な対
応が困難である、コストが高くなる、等の問題がある。
そこで、本複写機においては、CRTコントローラ等の他
の機種あるいは装置との共通化が可能な技術をリモート
としてCPUを分散させることでデータ量の増加に対応す
るようにしたのである。
電気系のハードウェアは第3図に示されているように、
UI系、SYS系およびMCB系の3種の系に大別されている。
UI系はUIリモート70を含み、SYS系においては、F/Pの制
御を行うF/Pリモート72、原稿読み取りを行うITIリモー
ト73、種々の画像処理を行うIPSリモート74を分散し、
これらのリモートを統括して管理するものとしてSYS(S
ystem)リモート71が設けられている。SYSリモート71は
UIの画面遷移をコントロールするためのプログラム等の
ために膨大なメモリ容量を必要とするので、16ビットマ
イクロコンピュータを搭載した8086を使用している。な
お、8086の他の例えば68000等を使用することもできる
ものである。また、MCB系においては、感材ベルトにレ
ーザで潜像を形成するために使用するビデオ信号をIPS
リモート74から受け取り、IOTに送出するためのラスタ
ー出力スキャン(Raster Output Scan:ROS)インターフ
ェースであるVCB(Video Control Board)リモート67、
転写装置(タートル)のサーボのためのRCBリモート7
7、更にはIOT、ADF、ソータ、アクセサリーのためのI/O
ポートとしてのIOBリモート78、およびアクセサリーリ
モート79を分散させ、それらを統括して管理するために
MCB(Master Control Board)リモート75が設けられて
いる。
なお、図中の各リモートはそれぞれ1枚の基板で構成さ
れている。また、図中の太い実線は187.5kbpsのLNET高
速通信網、太い破線は9600bpsのマスター/スレーブ方
式シリアル通信網をそれぞれ示し、細い実線はコントロ
ール信号の伝送路であるホットラインを示す。また、図
中76.8kbpsとあるのは、エディットパッドに描かれた図
形情報、メモリーカードから入力されたコピーモード情
報、編集領域の図形情報をUIリモート70からIPSリモー
ト74に通知するための専用回線である。更に、図中CCC
(Communication Control Chip)とあるのは、高速通信
回線LNETのプロトコルをサポートするICである。
以上のようにハードウェアアーキテクチャーは、UI系、
SAS系、MCB系の3つに大別されるが、これらの処理の分
担を第4図のソフトウェアアーキテクチャーを参照して
説明すると次のようである。なお、図中の矢印は第3図
に示す187.5kbpsのLNET高速通信網、9600bpsのマスター
/スレーブ方式シリアル通信網を介して行われるデータ
の授受またはホットラインを介して行われる制御信号の
伝送関係を示している。
UIリモート70は、LLUI(Low Level UI)モジュール80
と、エディットパッドおよびメモリカードについての処
理を行うモジュール(図示せず)から構成されている。
LLUIモジュール80は通常CRTコントローラとして知られ
ているものと同様であって、カラーCRTに画面を表示す
るためのソフトウェアモジュールであり、その時々でど
のような絵の画面を表示するかは、SYSUIモジュール81
またはMCBUIモジュール86により制御される。これによ
りUIリモートを他の機種または装置と共通化することが
できることは明かである。なぜなら、どのような画面構
成とするか、画面遷移をどうするかは機種によって異な
るが、CRTコントローラはCRTと一体で使用されるもので
あるからである。
SYSリモート71は、SYSUIモジュール81と、SYSTEMモジュ
ール82、およびSYS.DIAGモジュール83の3つのモジュー
ルで構成されている。
SYSUIモジュール81は画面遷移をコントロールするソフ
トウェアモジュールであり、SYSTEMモジュール82は、ど
の画面でソフトパネルのどの座標が選択されたか、つま
りどのようなジョブが選択されたかを認識するF/F(Fea
ture Function)選択のソフトウェア、コピー実行条件
に矛盾が無いかどうか等最終的にジョブをチェックする
ジョブ確認のソフトウェア、および、他のモジュールと
間でF/F選択、ジョブリカバリー、マシンステート等の
種々の情報の授受を行うための通信を制御するソフトウ
ェアを含むモジュールである。
SYS.DIAGモジュール83は、自己診断を行うダイアグノス
ティックステートでコピー動作を行うカスタマーシミュ
レーションモードの場合に動作するモジュールである。
カスタマーシミュレーションモードは通常のコピーと同
じ動作をするので、SYS.DIAGモジュール83は実質的には
SYSTEMモジュール82と同じなのであるが、ダイアグノス
ティックという特別なステートで使用されるので、SYST
EMモジュール82とは別に、しかし一部が重畳されて記載
されているものである。
また、IITリモート73にはイメージングユニットに使用
されているステッピングモータの制御を行うIITモジュ
ール84が、IPSリモート74にはIPSに関する種々の処理を
行うIPSモジュール85がそれぞれ格納されており、これ
らのモジュールはSYSTEMモジュール82によって制御され
る。
一方、MCBリモート75には、ダイアグノスティック、オ
ーディトロン(Auditron)およびジャム等のフォールト
の場合に画面遷移をコントロールするソフトウェアであ
るMCBUIモジュール86、感材ベルトの制御、現像機の制
御、フューザの制御等コピーを行う際に必要な処理を行
うIOTモジュール90、ADFを制御するためのADFモジュー
ル91、ソータを制御するためのSORTERモジュール92のソ
フトウェアモジュールとそれらを管理するコピーイング
エグゼクティブモジューリル87、および各種診断を行う
ダイアグエグセグティブモジュール88、暗唱番号で電子
カウンターにアクセスして料金処理を行うオーディトロ
ンモジュール89を格納している。
また、RCBリモート77には転写装置の動作を制御するタ
ートルサーボモジュール93が格納されており、当該ター
トルサーボモジュール93はゼログラフィーサイクルの転
写工程を司るために、IOTモジュール90の管理の下に置
かれている。なお、図中、コピーイングエグゼクティブ
モジュール87とダイアグエグゼクティブモジュール88が
重複しているのは、SYSTEMモジュール82とSYS.DIAGモジ
ュール83が重複している理由と同様である。
以下の処理の分担をコピー動作に従って説明すると次の
ようである。コピー動作は現像される色の違いを別にす
ればよく似た動作の繰り返しであり、第5図(a)に示
すようにいくつかのレイヤに分けて考えることができ
る。
1枚のカラーコピーはピッチと呼ばれる最小の単位を何
回か繰り返すことで行われる。具体的には、1色のコピ
ーを行うについて、現像機、転写装置等をどのように動
作させるか、ジャムの検知はどのように行うか、という
動作であって、ピッチ処理をY,M,Cの3色について行え
ば3色カラーのコピーが、Y,M,C,Kの4色について行え
ば4色フルカラーのコピーが1枚出来上がることにな
る。これがコピーレイヤであり、具体的には、用紙に各
色のトナーを転写した後、フューザで定着させて複写機
本体から排紙する処理を行うレイヤである。ここまでの
処理の管理はMCB系のコピーイングエグゼクティブモジ
ュール87が行う。
勿論、ピッチ処理の過程では、SYS系に含まれているIIT
モジュール84およびIPSモジュール85も使用されるが、
そのために第3図、第4図に示されているように、IOT
モジュール90とIITモジュール84の間ではPR−TRUEとい
う信号と、LE@REGという2つの信号のやり取りが行わ
れる。具体的にいえば、IOTの制御の基準のタイミング
であるPR(PITCH RESET)信号はMCBより感材のベルトの
回転を2または3分割して連続的に発生される。つま
り、感材ベルトは、その有効利用とコピースピード向上
のために、例えばコピー用紙がA3サイズの場合には2ピ
ッチ、A4サイズの場合には3ピッチというように、使用
されるコピー用紙のサイズに応じてピッチ分割されるよ
うになされているので、各ピッチ毎に発生されるPR信号
の周期は、例えば2ピッチの場合には3secと長くなり、
3ピッチの場合には2secと短くなる。
さて、MCBで発生されたPR信号は、VIDEO信号関係を取り
扱うVCBリモート等のIOT内の必要な箇所にホットライン
を介して分配される。
VCBはその内部にゲート回路を有し、IOT内でイメージン
グが可能、即ち、実際に感材ベルトにイメージを露光す
ることが可能なピッチのみ選択的にIPSリモートに対し
て出力する。この信号がPR−TRUE信号である。なお、ホ
ットラインを介してMCBから受信したPR信号に基づいてP
R−TRUE信号を生成するための情報は、LNETによりMCBか
ら通知される。
これに対して、実際に感材ベルトにイメージを露光する
ことができない期間には、感材ベルトには1ピッチ分の
空ピッチを作ることになり、このような空ピッチに対し
てはPR−TRUE信号は出力されない。このようなPR−TRUE
が発生されないピッチとしては、例えば、転写装置での
転写が終了した用紙を排出してから次の用紙を転写装置
に供給するまでの間の期間を挙げることができる。つま
り、例えば、A3サイズのように長い用紙を最後の転写と
共に排出するとすると、用紙の先端がフューザの入口に
入ったときのショックで画質が劣化するために一定長以
上の用紙の場合には最後の転写が終了してもそのまま排
出せず、後述するグリッパーバー保持したまま一定速度
でもう一周回転させた後排出するようになされているた
め、感材ベルトには1ピッチ分のスキップが必要となる
のである。
また、スタートキーによるコピー開始からサイクルアッ
プシーケンスが終了するまでの間もPR−TRUE信号は出力
されない。この期間にはまだ原稿の読み取りが行われて
おらず、従って、感材ベルトにはイメージを露光するこ
とができないからである。
VCBリモートから出力されたPR−TRUE信号は、IPSリモー
トで受信されると共に、そのままIITリモートにも伝送
されて、IITのスキャンスタートのためのトリガー信号
として使用される。
これによりIITリモート73およびIPSリモート74をIOTに
同期させてピッチ処理を行わせることができる。また、
このときIPSリモート74とVCBリモート76の間では、感材
ベルトに潜像を形成するために使用されるレーザ光を変
調するためのビデオ信号の授受が行われ、VBCリモート7
6で受信されたビデオ信号は並列信号から直列信号に変
換された後、直接ROSへVIDEO変調信号としてレーザ出力
部40aに与えられる。
以上の動作が4回繰り返されると1枚の4色のフルカラ
ーコピーが出来上がり、1コピー動作は終了となる。
次に、第5図(b)〜(e)により、IITで読取られた
画像信号をIOTに出力し最終的に転写ポイントで用紙に
転写させるまでの信号のやりとりとそのタイミングにつ
いて説明する。
第5図(b)、(c)に示すように、SYSリモート71か
らスタートジョプのコマンドが入ると、IOT78bではメイ
ンモータの駆動、高圧電源の立ち上げ等サイクルアップ
シーケンスに入る。IOT78bは、感材ベルト上に用紙長に
対応した潜像を形成されるために、PR(ピッチリッセッ
ト)信号を出力する。例えば、感材ベルトが1回転する
毎に、A4では3ピッチ、A3では2ピッチのPR信号を出力
する。IOT78bのサイクルアップシーケンスが終了する
と、その時点からPR信号に同期してPR−TRUE信号が、イ
メージングが必要なピッチのみに対応してIITコントロ
ーラ73aに出力される。
また、IOT78bは、ROS(ラスターアウトプットスキャ
ン)の1ライン分の回転毎に出力されるIOT−LS(ライ
ンシンク)信号を、VCPU74a内のTG(タイミングジェネ
レータ)に送り、ここでIOT−LSに対してIPSの総パイプ
ライン遅延分だけ見掛け上の位相を進めたIPS−LSをIIT
コントローラ73aに送る。
IITコントローラ73aは、PR−TRUE信号が入ると、カウン
タをイネーブルしてIOT−LS信号をカウントし、所定の
カウント数に達すると、イメージングユニット37を駆動
させるステッピングモータ213の回転をスタートさせて
イメージングユニットが原稿のスキャンを開始する。さ
らにカウントしてT2秒後の原稿読取開始位置でLE@REG
を出力しこれをIOT78bに送る。
この原稿読取開始位置は、予め例えば電源オン後1回だ
け、イメージングユニットを駆動させてレジンサ217の
位置(レジ位置の近く、具体的にはレジ位置よりスキャ
ン側に約10mm)を一度検出して、その検出位置を元に真
のレジ位置を計算で求め、また同時に通常停止位置(ホ
ームポジション)も計算で求めることができる。また、
レジ位置は機械のばらつき等でマシン毎に異なるため、
補正値をNVMに保持しておき、真のレジ位置とホームポ
ジションの計算時に補正を行うことにより、正確な原稿
読取開始位置を設定することができる。この補正値は工
場またはサービスマン等により変更することができ、こ
の補正値を電気的に書き換えるだけで実施でき、機械的
調整は不要である。なお、レジンサ217の位置を真のレ
ジ位置よりスキャン側に約10mmずらしているのは、補正
を常にマイナス値とし、調整およびソフトを簡単にする
ためである。
また、IITコントローラ73aは、LE@REGと同期してIMAGE
−AREA信号を出力する。このIMAGE−AREA信号の長さ
は、スキャン長に等しいものであり、スキャン長はSYST
EMモジュール82によりIITモジュール84へ伝達されるス
タートコマンドによって定義される。具体的には、原稿
サイズを検知してコピーを行う場合には、スキャン長は
原稿長さであり、倍率を指定してコピーを行う場合に
は、スキャン長はコピー用紙長と倍率(100%を1とす
る)との除数で設定される。IMAGE−AREA信号は、VCPU7
4aを経由しそこでIIT−PS(ページシンク)と名前を変
えてIPS74に送られる。IIT−PSはイメージ処理を行う時
間を示す信号である。
LE@REGが出力されると、IOT−LS信号に同期してライン
センサの1ライン分のデータが読み取られ、VIDEO回路
(第3図)で各種補正処理、A/D変換が行われIPS74に送
られる。IPS74においては、IOT−LSと同期して1ライン
分のビデオデータをIOT78bに送る。このときIOT−BYTE
−CLKの反転信号であるRTN−BYTE−CLKをビデオデータ
と並列してIOTへ送り返しデータとクロックを同様に遅
らせることにより、同期を確実にとるようにしている。
IOT78bにLE@REGが入力されると、同様にIOT−LS信号に
同期してビデオデータがROSに送られ、感材ベルト上に
潜像が形成される。IOT78bは、LE@REGが入るとそのタ
イミングを基準にしてIOT−CLKによりカウントを開始
し、一方、転写装置のサーボモータは、所定カウント数
の転写位置で用紙の先端がくるように制御される。とこ
ろで、第5図(d)に示すように、感材ベルトの回転に
より出力されるPR−TRUE信号とROSの回転により出力さ
れるIOT−LS信号とはもともと同期していない。このた
め、PR−TRUE信号が入り次のIOT−LSからカウントを開
始し、カウントmでイメージングユニット37を動かし、
カウントnでLE@REGが出力するとき、LE@REGはPR−TR
UEに対してT1時間だけ遅れることになる。この遅れは最
大1ラインシンク分で、4色フルカラーコピーの場合に
はこの遅れが累積してしまい出力画像に色ズレとなって
現れてしまう。
そのため、先ず、第5図(c)に示すように、1回目の
LE@REGが入ると、カウンタ1がカウントを開始し、
2、3回目のLE@REGが入ると、カウンタ2、3がカウ
ントを開始し、それぞれのカウンタが転写位置までのカ
ウント数pに達するとこれをクリアして、以下4回目以
降のLE@REGの入力に対して順番にカウンタを使用して
行く。そして、第5図(e)に示すように、LE@REGが
入ると、IOT−CLKの直前のパルスからの時間T3を補正用
クロックでカウントする。感材ベルトに形成された潜像
が転写位置に近づき、IOT−CLKが転写位置までのカウン
ト数pをカウントすると、同時に補正用クロックがカウ
ントを開始し、上記時間T3に相当するカウント数rを加
えた点が、正確な転写位置となり、これを転写装置の転
写位置(タイミング)コントロール用カウンタの制御に
上乗せし、LE@REGの入力に対して用紙の先端が正確に
同期するように転写装置のサーボモータを制御してい
る。
以下がコピーレイヤまでの処理であるが、その上に、1
枚の原稿に対してコピー単位のジョブを何回行うかとい
うコピー枚数を設定する処理があり、これがパーオリジ
ナル(PER ORIGINAL)レイヤで行われる処理である。更
にその上には、ジョブのパラメータを変える処理を行う
ジョブプログラミングレイヤがある。具体的には、ADF
を使用するか否か、原稿の一部の色を変える、偏倍機能
を使用するか否か、ということである。これらパーオリ
ジナル処理とジョブプログラミング処理はSYS系のSYSモ
ジュール82が管理する。そのためにSYSTEMモジュール82
は、LLUIモジュール80から送られてきたジョブ内容をチ
ェック、確定し、必要なデータを作成して、9600bpsシ
リアル通信網によりIITモジュール84、IPSモジュール85
を通知し、またLNETによりMCB系にジョブ内容を通知す
る。
以上述べたように、独立な処理を行うもの、他の機種、
あるいは装置と共通化が可能な処理を行うものをリモー
トとして分散させ、それらをUI系、SYS系、およびMCB系
に大別し、コピー処理のレイヤに従ってマシンを管理す
るモジュールを定めたので、設計者の業務を明確にでき
る、ソフトウェア等の開発技術を均一化できる、納期お
よびコストの設定を明確化できる、仕様の変更等があっ
た場合にも関係するモジュールだけを変更することで容
易に対応することができる、等の効果が得られ、以て開
発効率を向上させることができるものである。
(B)ステート分割 以上、UI系、SYS系およびMCB系の処理の分担について述
べたが、この項ではUI系、SYS系、MCB系がコピー動作の
その時々でどのような処理を行っているかをコピー動作
の順を追って説明する。
複写機では、パワーONからコピー動作、およびコピー動
作終了後の状態をいくつかのステートに分割してそれぞ
れのステートで行うジョブを決めておき、各ステートで
のジョブを全て終了しなければ次のステートに移行しな
いようにしてコントロールの能率と正確さを期するよう
にしている。これをステート分割といい、本複写機にお
いては第6図に示すようなステート分割がなされてい
る。
本複写機におけるステート分割で特徴的なことは、各ス
テートにおいて、当該ステート全体を管理するコントロ
ール権および当該ステートでUIを使用するUIマスター権
が、あるときはSYSリモート71にあり、またあるときはM
CBリモート75にあることである。つまり、上述したよう
にCPUを分散させることによって、UIリモート70のLLUI
モジュール80はSYSUIモジュール81ばかりでなくMCBUIモ
ジュール86によっても制御されるものであり、また、ピ
ッチおよびコピー処理はMCB系のコピーイングエグゼク
ティブモジュール87に管理されるのに対して、パーオリ
ジナル処理およびジョブプログラミング処理はSYSモジ
ュール82で管理されるというように処理が分担されてい
るから、これに対応して各ステートにおいてSYSモジュ
ール82、コピーイングエグゼクティブモジュール87のど
ちらが全体のコントロール権を有するか、また、UIマス
ター権を有するかが異なるのである。第6図においては
縦線で示されるステートはUIマスター権をMCB系のコピ
ーイングエグゼクティブモジュール87が有することを示
し、黒く塗りつぶされたステートはUIマスター権をSYS
モジュール82が有することを示している。
第6図に示すステート分割の内パワーONからスタンバイ
までを第7図を参照して説明する。
電源が投入されてパワーONになされると、第3図でSYS
リモート71からIITリモート73およびIPSリモート74に供
給されるIPSリセット信号およびIITリセット信号がH
(HIGH)となり、IPSリモート74、IITリモート73はリセ
ットが解除されて動作を開始する。また、電源電圧が正
常になったことを検知するとパワーノーマル信号が足り
上がり、MCBリモート75が動作を開始し、コントロール
権およびUIマスター権を確立すると共に、高速通信網LN
ETのテストを行う。また、パワーノーマル信号はホット
ラインを通じてMCBリモート75からSYSリモート71に送ら
れる。
MCBリモート75の動作開始後所定の時間T0が経過する
と、MCBリモート75からのホットラインを通じてSYSリモ
ート71に供給されるシステムリセット信号がHとなり、
SYSリモート71のリセットが解除されて動作が開始され
るが、この際、SYSリモート71の動作開始は、SYSリモー
ト71の内部の信号である86NMI、86リセットという二つ
の信号により上記T0時間の経過後更に200μsec遅延され
る。この200μsecという時間は、クラッシュ、即ち電源
の瞬断、ソフトウェアの暴走、ソフトウェアのバグ等に
よる一過性のトラブルが生じてマシンが停止、あるいは
暴走したときに、マシンがどのステートにあるかを不揮
発性メモリに格納するために設けられているものであ
る。
SYSリモート71が動作を開始すると、約3.8secの間コア
テスト、即ちROM、RAMのチェック、ハードウェアのチェ
ック等を行う。このとき不所望のデータ等が入力される
と暴走する可能性があるので、SYSリモート71は自らの
監督下で、コアテストの開始と共にIPSリセット信号お
よびIITリセット信号をL(Low)とし、IPSリモート74
およびIITリモート73をリセットして動作を停止させ
る。
SYSリモート71は、コアテストが終了すると、10〜3100m
secの間CCCセルフテストを行うと共に、IPSリセット信
号およびIITリセット信号をHとし、IPSリモート74およ
びIITリモート73の動作を再開させ、それぞれコアテス
トを行わせる。CCCセルフテストは、LNETに所定のデー
タを送出して自ら受信し、受信したデータが送信された
データと同じであることを確認することで行う。なお、
CCCセルフテストを行うについては、セルフテストの時
間が重ならないように各CCCに対して時間が割り当てら
れている。
つまり、LNETにおいては、SYSリモート71、MCBリモート
75等の各ノードはデータを送信したいときに送信し、も
しデータの衝突が生じていれば所定時間の経過後再送信
を行うというコンテンション方式を採用しているので、
SYSリモート71がCCCセルフテストを行っているとき、他
のノードがLNETを使用しているとデータの衝突が生じて
しまい、セルフテストが行えないからである。従って、
SYSリモート71がCCCセルフテストを開始するときには、
MCBリモート75のLNETテストは終了している。
CCCセルフテストが終了すると、SYSリモート71は、IPS
リモート74およびIITリモート73のコアテストが終了す
るまで待機し、T1の期間にSYSTEMノードの通信テストを
行う。この通信テストは、9600bpsのシリアル通信網の
テストであり、所定のシーケンスで所定のデータの送受
信が行われる。当該通信テストが終了すると、T2の期間
にSYSリモート71とMCBリモート75の間でLNETの通信テス
トを行う。即ち、MCBリモート75はSYSリモート71に対し
てセルフテストの結果を要求し、SYSリモート71は当該
要求に応じてこれまで行ってきたテストの結果をセルフ
テストリザルトとしてMCBリモート75に発行する。
MCBリモート75は、セルフテストリザルトを受け取ると
トークンパスをSYSリモート71に発行する。トークンパ
スはUIマスター権をやり取りする札であり、トークンパ
ルスがSYSリモート71に渡されることで、UIマスター権
はMCBリモート75からSYSリモート71に移ることになる。
ここまでがパワーオンシーケンスである。当該パワーオ
ンシーケンスの期間中、UIリモート70は「しばらくお待
ち下さい」等の表示を行うと共に、自らのコアテスト、
通信テスト等、各種のテストを行う。
上記のパワーオンシーケンスの内、セルフテストリザル
トの要求に対して返答されない、またはセルフテストリ
ザルトに異常がある場合には、MCBリモート75はマシン
をデッドとし、UIコントロール権を発動してUIリモート
70を制御し、異常が生じている旨の表示を行う。これが
マシンデッドのステートである。
パワーオンステートが終了すると、次に各リモートをセ
ットアップするためにイニシャライズステートに入る。
イニシャライズステートではSYSリモート71が全体のコ
ントロール権とUIマスター権を有している。従って、SY
Sリモート71は、SYS系をイニシャライズすると共に、
「INITIALIZE SUBSYSTEM」コマンドをMCBリモート75に
発行してMCB系をもイニシャライズする。その結果はサ
ブシステムテータス情報としてMCBリモート75から送ら
れてくる。これにより例えばIOTではフューザを加熱し
たり、トレイのエレベータが所定の位置に配置されたり
してコピーを行う準備が整えられる。ここまでが、イニ
シャライズステートである。
イニシャライズが終了すると各リモートは待機状態であ
るスタンバイに入る。この状態においてもUIマスター権
はSYSリモート71が有しているので、SYSリモート71はUI
マスター権に基づいてUI画面上にF/Fを表示し、コピー
実行条件を受け付ける状態に入る。このときMCBリモー
ト75はIOTをモニターしている。また、スタンバイステ
ートでは、異常がないかどうかをチェックするためにMC
Bリモート75は、500msec毎にバックグランドポールをSY
Sリモート71に発行し、SYSリモート71はこれに対してセ
ルフテストリザルトを200msec以内にMCBリモート75に返
すという処理を行う。このときセルフテストリザルトが
返ってこない。あるいはセルフテストリザルトの内容に
異常があるときには、MCBリモート75はUIリモート70に
対して異常が発生した旨を知らせ、その旨の表示を行わ
せる。
スタンバイステートにおいてオーディトロンが使用され
ると、オーディトロンステートに入り、MCBリモート75
はオーディトロンコントロールを行うと共に、UIリモー
ト70を制御してオーディトロンのための表示を行わせ
る。スタンバイステートにおいてF/Fが設定され、スタ
ートキーが押されるとプログレスステートに入る。プロ
グレスステートは、セットアップ、サイクルアップ、ラ
ン、スキップピッチ、ノーマルサイクルダウン、サイク
ルダウンシャットダウンという6ステートに細分化され
るが、これらのステートを、第8図を参考にして説明す
る。
第8図は、プラテンモード、4色フルカラー、コピー設
定枚数3の場合のタイミングチャートを示す図である。
SYSリモート71は、スタートキーが押されたことを検知
すると、ジョブの内容をシリアル通信網を介してIITリ
モート73およびIPSリモート74に送り、またLNETを介し
てジョブの内容をスタートジョブというコマンドと共に
MCBリモート75内のコピーイングエグゼクティブモジュ
ール87に発行する。このことでマシンはセットアップに
入り、各リモートでは指定されたジョブを行うための前
準備を行う。例えば、IOTモジュール90ではメインモー
タの駆動、感材ベルトのパラメータの合わせ込み等が行
われる。スタートジョブに対する応答であるACK(Ackno
wledge)がMCBリモート75から送り返されたことを確認
すると、SYSリモート71は、IITリモート73にプリスキャ
ンを行わせる。プリスキャンには、原稿サイズを検出す
るためのプリスキャン、原稿の指定された位置の色を検
出するためのプリスキャン、塗り絵を行う場合の閉ルー
プ検出のためのプリスキャン、マーカ編集の場合のマー
カ読み取りのためのプリスキャンの4種類があり、選択
されたF/Fに応じて最高3回までプリスキャンを行う。
このときUIには例えば「しばらくお待ち下さい」等の表
示が行われる。
プリスキャンが終了すると、IITレディというコマンド
が、コピーイングエグズクティブモジュール87に発行さ
れ、ここからサイクルアップに入る。サイクルアップは
各リモートの立ち上がり時間を待ち合わせる状態であ
り、MCBリモート75はIOT、転写装置の動作を開始し、SY
Sリモート71はIPSリモート74を初期化する。このときUI
は、現在プログレスステートにあること、および選択さ
れたジョブの内容の表示を行う。
サイクルアップが終了するとランに入り、コピー動作が
開始されるが、先ずMCBリモート75のIOTモジュール90か
ら1個目のPR0が出されるとIITは1回目のスキャンを行
い、IOTは1色目の現像を行い、これで1ピッチの処理
が終了する。次に再びPR0が出されると2色目の現像が
行われ、2ピッチ目の処理が終了する。この処理を4回
繰り返し、4ピッチの処理が終了するとIOTはフューザ
でトナーを定着し、排紙する。これで1枚目のコピー処
理が完了する。以上の処理を3回繰り返すと3枚のコピ
ーができる。
ピッチレイヤの処理およびコピーレイヤの処理はMCBリ
モート75が管理するが、その上のレイヤであるパーオリ
ジナルレイヤで行うコピー設定枚数の処理はSYSリモー
ト71が行う。従って、現在何枚目のコピーを行っている
かをSYSリモート71が認識できるように、各コピーの1
個目のPR0が出されるとき、MCBリモート75はSYSリモー
ト71に対してメイドカウント信号を発行するようになさ
れている。また、最後のPR0が出されるときには、MCBリ
モート75はSYSリモート71に対して「RDY FOR NXT JO
B」というコマンドを発行して次のジョブを要求する。
このときスタートジョブを発行するとジョブを続行でき
るが、ユーザが次のジョブを設定しなければジョブは終
了であるから、SYSリモート71は「END JOB」というコ
マンドをMCBリモート75に発行する。MCBリモート75は
「END JOB」コマンドを受信してジョブが終了したこと
を確認すると、マシンはノーマルサイクルダウンに入
る。ノーマルサイクルダウンでは、MCBリモート75はIOT
の動作を停止させる。
サイクルダウンの途中、MCBリモート75は、コピーされ
た用紙が全て排紙されたことが確認されるとその旨を
「DELIVERED JOB」コマンドでSYSリモート71に知ら
せ、また、ノーマルサイクルダウンが完了してマシンが
停止すると、その旨「IOT STAND BY」コマンドでSYS
リモート71に知らせる。これによりプログレスステート
は終了し、スタンバイステートに戻る。
なお、以上の例ではスキップピッチ、サイクルダウンシ
ャットダウンについては述べられていないが、スキップ
ピッチにおいては、SYSリモート71はSYS系の次のジョブ
のためにイニシャライズし、また、MCBリモート75では
次のコピーのために待機している。また、サイクルダウ
ンシャットダウンはフォールトの際のステートであるの
で、当該ステートにおいては、SYSリモート71およびMCB
リモート75は共にフォールト処理を行う。
以上のようにプログレスステートにおいては、MCBリモ
ート75はピッチ処理およびコピー処理を管理し、SYSリ
モート71はパーオリジナル処理およびジョブプログラミ
ング処理を管理しているので、処理のコントロール権は
双方が処理の分担に応じてそれぞれ有している。これに
対してUIマスター権はSYSリモート71が有している。な
ぜなら、UIにはコピーの設定枚数、選択された編集処理
などを表示する必要があり、これらはパーオリジナル処
理もしくはジョブプログラミング処理に属し、SYSリモ
ート71の管理下に置かれるからである。
プログレスステートにおいてフォールトが生じるとフォ
ールトリカバリーステートに移る。フォールトというの
は、ノーペーパー、ジャム、部品の故障または破損等の
マシンの異常状態の総称であり、F/Fの再設定等を行う
ことでユーザがリカバリーできるものと、部品の交換な
どサービスマンがリカバリーしなければならないものの
2種類がある。上述したように基本的にはフォールトの
表示はMCBUIモジュール86が行うが、F/FはSYSモジュー
ル82が管理するので、F/Fの再設定でリカバリーできる
フォールトに関してはSYSモジュール82がリカバリーを
担当し、それ以外のリカバリーに関してはコピーイング
エグゼクティブモジュール87が担当する。
また、フォールトの検出はSYS系、MCB系それぞれに行わ
れる。つまり、IIT、IPS、F/PはSYSリモート71が管理し
ているのでSYSリモート71が検出し、IOT、ADF、ソータ
はMCBリモート75が管理しているのでMCBリモート75が検
出する。従って、本複写機においては次の4種類のフォ
ールトがあることが分かる。
SYSノードで検出され、SYSノードがリカバリーする場
合 例えば、F/Pが準備されないままスタートキーが押され
たときにはフォールトとなるが、ユーザは再度F/Fを設
定することでリカバリーできる。
SYSノードで検出され、MCBノードがリカバリーする場
合 この種のフォールトには、例えば、レジセンサの故障、
イメージングユニットの速度異常、イメージングユニッ
トのオーバーラン、PR0信号の異常、CCCの異常、シリア
ル通信網の異常、ROMまたはRAMのチェックエラー等が含
まれ、これらのフォールトの場合には、UIにはフォール
トの内容および「サービスマンをお呼び下さい」等のメ
ッセージが表示される。
MCBノードで検出され、SYSノードがリカバリーする場
合 ソータがセットされていないにも拘らずF/Fでソータが
設定された場合にはMCBノードでフォールトが検出され
るが、ユーザが再度F/Fを設定し直してソータを使用し
ないモードに変更することでもリカバリーできる。ADF
についても同様である。また、トナーが少なくなった場
合、トレイがセットされていない場合、用紙が無くなっ
た場合にもフォールトとなる。これらのフォールトは、
本来はユーザがトナーを補給する、あるいはトレイをセ
ットする、用紙を補給することでリカバリーされるもの
ではあるが、あるトレイに用紙が無くなった場合には他
のトレイを使用することによってもリカバリーできる
し、ある色のトナーが無くなった場合には他の色を指定
することによってもリカバリーできる。つまり、F/Fの
選択によってもリカバリーされるものであるから、SYS
ノードでリカバリーを行うようになされている。
MCBノードで検出され、MCBノードがリカバリーする場
合 例えば、現像機の動作が不良である場合、トナーの配給
が異常の場合、モータクラッチの故障、フューザの故障
等はMCBノードで検出され、UIには故障の箇所および
「サービスマンを呼んで下さい」等のメッセージが表示
される。また、ジャムが生じた場合には、ジャムの箇所
を表示すると共に、ジャムクリアの方法も表示すること
でリカバリーをユーザに委ねている。
以上のようにフォールトリカバリーステートにおいては
コントロール権およびUIマスター権は、フォールトの生
じている箇所、リカバリーの方法によってSYSノードが
有する場合と、MCBノードが有する場合があるのであ
る。
フォールトがリカバリーされてIOTスタンバイコマンド
がMCBノードから発行されるとジョブリカバリーステー
トに移り、残されているジョブを完了する。例えば、コ
ピー設定枚数が3であり、2枚目をコピーしているとき
にジャムが生じたとする。この場合にはジャムがクリア
された後、残りの2枚をコピーしなければならないの
で、SYSノード、MCBノードはそれぞれ管理する処理を行
ってジョブをリカバリーするのである。従って、ジョブ
リカバリーにおいてもコントロール権は、SYSノード、M
CBをードの双方がそれぞれの処理分担に応じて有してい
る。しかし、UIマスター権はSYSノードが有している。
なぜなら、ジョブリカバリーを行うについては、例えば
「スタートキーを押して下さい」、「残りの原稿をセッ
トして下さい」等のジョブリカバリーのためのメッセー
ジを表示しなければならず、これはSYSノードが管理す
るパーオリジナル処理またはジョブプログラミング処理
に関する事項だからである。
なお、プログレスステートでIOTスタンバイコマンドが
出された場合にもジョブリカバリーステートに移り、ジ
ョブが完了したことが確認されるとスタンバイステート
に移り、次のジョブを待機する。スタンバイステートに
おいて、所定のキー操作を行うことによってダイアグノ
スティック(以下、単にダイアグと称す。)ステートに
入ることができる。
ダイアグステートは、部品の入力チェック、出力チェッ
ク、各種パラメータの設定、各種モードの設定、NVM
(不揮発性メモリ)の初期化等を行う自己診断のための
ステートであり、その概念を第9図に示す。図から明ら
かなように、ダイアグとしてTCH REPモード、カスタマ
ーシミュレーションモードの2つのモードが設けられて
いる。
TECH REPモードは入力チェック、出力チェック等サー
ビスマンがマシンの診断を行う場合に用いるモードであ
り、カスタマーシミュレーションモードは、通常ユーザ
がコピーする場合に使用するカスタマーモードをダイア
グで使用するモードである。
いま、カスタマーモードのスタンバイステートから所定
の操作により図のAのルートによりTECH REPモードに
入ったとする。TECH REPモードで各種のチェック、パ
ラメータの設定、モードの設定を行っただけで終了し、
再びカスタマーモードに戻る場合(図のBのルート)に
は所定のキー操作を行えば、第6図に示すようにパワー
オンのステートに移り、第7図のシーケンスによりスタ
ンバイステートに戻ることができるが、本複写機はカラ
ーコピーを行い、しかも種々の編集機能を備えているの
で、TECH REPモードで種々のパラメータの設定を行っ
た後に、実際のコピーを行ってユーザが要求する色が出
るかどうか、編集機能は所定の通りに機能するかどうか
等を確認する必要がある。これを行うのがカスタマーシ
ミュレーションモードであり、ビリングを行わない点、
UIにはダイアグである旨の表示がなされる点でカスタマ
ーモードと異なっている。これがカスタマーモードをダ
イアグで使用するカスタマーシミュレーションモードの
意味である。なお、TECH REPモードからカスタマーシミ
ュレーションモードへの移行(図のCのルート)、その
逆のカスタマーシミュレーションモードからTECH REPモ
ードへの移行(図のDのルート)はそれぞれ所定の操作
により行うことができる。また、TECH REPモードはダイ
アグエグゼクティブモジュール88(第4図)が行うので
コントロール権、UIマスター権は共にMCBノードが有し
ているが、カスタマーシミュレーションモードはSYS.DI
AGモジュール83(第4図)の制御の基で通常のコピー動
作を行うので、コントロール権、UIマスター権は共にSY
Sノードが有する。
(II)具体的な各部の構成 (II−1)システム 第10図はシステムと他のリモートとの関係を示す図であ
る。
前述したように、リモート71にはSYSUIモジュール81とS
YSTEMモジュール82が搭載され、SYSUI81とSYSTEMモジュ
ール82間はモジュール間インタフェースによりデータの
授受が行われ、またSYSTEMモジュール82とIIT73、IPS74
との間はシリアル通信インターフェースで接続され、MC
B75、ROS76、RAIB79との間はLNET高速通信網で接続され
ている。
次にシステムのモジュール構成について説明する。
第11図はシステムのモジュール構成を示す図である。
本複写機においては、IIT、IPS、IOT等の各モジュール
は部品のように考え、これらをコントロールするシステ
ムの各モジュールは頭脳を持つように考えている。そし
て、分散CPU方式を採用し、システム側ではパーオリジ
ナル処理およびジョブプログラミング処理を担当し、こ
れに対応してイニシャライズステート、スタンバイステ
ート、セットアップステート、サイクルステートを管理
するコントロール権、およびこれらのステートでUIを使
用するUIマスター権を有しているので、それに対応する
モジュールでシステムを構成している。
システムメイン100は、SYSUIやMCB等からの受信データ
を内部バッファに取り込み、また内部バッファに格納し
たデータをクリアし、システムメイン100の下位の各モ
ジュールをコールして処理を渡し、システムステートの
更新処理を行っている。
M/Cイニシャライズコントロールモジュール101は、パワ
ーオンしてからシステムがスタンバイ状態になるまでの
イニシャライズシーケンスをコントロールしており、MC
Bによるパワーオン後の各種テストを行うパワーオン処
理が終了すると起動される。
M/Cセットアップコントロールモジュール103はスタート
キーが押されてから、コピーレイアーの処理を行うMCB
を起動するまでのセットアップシーケンスをコントロー
ルし、具体的にはSYSUIから指示されたFEATURE(使用者
の要求を達成するためのM/Cに対する指示項目)に基づ
いてジョブモードを作成し、作成したジョブモードに従
ってセットアップシーケンスを決定する。
第12図(a)に示すように、ジョブモードの作成は、F/
Fで指示されたモードを解析し、ジョブを切り分けてい
る。この場合ジョブとは、使用者の要求によりM/Cがス
タートしてから要求通りのコピーが全て排出され、停止
されるまでのM/C動作を言い、使用者の要求に対して作
業分割できる最小単位、ジョブモードの集合体である。
例えば、嵌め込み合成の場合で説明すると、第12図
(b)示すように、ジョブモードは削除と移動、抽出と
からなり、ジョブはこれらのモードの集合体となる。ま
た、第12図(c)に示すようにADF原稿3枚の場合にお
いては、ジョブモードはそれぞれ原稿1、原稿2、原稿
3に対するフィード処理であり、ジョブはそれらの集合
となる。
そして、自動モードの場合はドキュメントスキャン、ぬ
り絵モードの時はプレスキャン、マーカー編集モードの
時はプレスキャン、色検知モードの時はサンプルスキャ
ンを行い(プレスキャンは最高3回)、またコピーサイ
クルに必要なコピーモードをIIT、IPS、MCBに対して配
付し、セットアップシーケンス終了時MCBを起動する。
M/Cスタンバイコントロールモジュール102はM/Cスタン
バイ中のシーケンスをコントロールし、具体的にはスタ
ートキーの受付、色登録のコントロール、ダイアグモー
ドのエントリー等を行っている。
M/Cコピーサイクルコントロールモジュール104はMCBが
起動されてから停止するまでのコピーシーケンスをコン
トロールし、具体的には用紙フィードカウントの通知、
JOBの終了を判断してIITの立ち上げ要求、MCBの停止を
判断してIPSの立ち下げ要求を行う。
また、M/C停止中、あるいは動作中に発生するスルーコ
マンドを相手先リモートに通知する機能を果たしてい
る。
フォールトコントロールモジュール106はIIT、IPSから
の立ち下げ要因を監視し、要因発生時にMCBに対して立
ち下げ要求し、具体的にはIIT、IPSからのフェイルコマ
ンドによる立ち下げを行い、またMCBからの立ち下げ要
求が発生後、M/C停止時のリカバリーを判断して決定
し、例えばMCBからのジャムコマンドによりリカバリー
を行っている。
コミニュケーションコントロールモジュール107はIITか
らのIITレディ信号の設定、イメージエリアにおける通
信のイネーブル/ディスエイブルを設定している。
DIAGコトロールモジュール108は、DIAGモードにおい
て、入力チェックモード、出力チェックモード中のコン
トロールを行っている。
次に、これらの各モジュール同士、あるいは他のサブシ
ステムとのデータの授受について説明する。
第13図はシステムと各リモートとのデータフロー、およ
びシステム内モジュール間データフローを示す図であ
る。図のA〜Nはシリアル通信を、Zはホットライン
を、〜はモジュール間データを示している。
SYSUIリモートとイニシャライズコントロール部101との
間では、SYSUIからはCRTの制御権をSYSTEM NODEに渡すT
OKENコマンドが送られ、一方イニシャライズコントロー
ル部101からはコンフィグコマンドが送られる。
SYSUIリモートとスタンバイコントロール部102との間で
は、SYSUIからはモードチェンジコマンド、スタートコ
ピーコマンド、ジョブキャンセルコマンド、色登録リク
エストコマンド、トレイコマンドが送られ、一方スタン
バイコントロール部102からはM/Cステータスコマンド、
トレイステータスコマンド、トナーステータスコマン
ド、回収ボトルステータスコマンド、色登録ANSコマン
ド、TOKENコマンドが送られる。
SYSUIリモートとセットアップコントロール部103との間
では、セットアップコントロール部103からはM/Cステー
タスコマンド(プログレス)、APMSステータスコマンド
が送られ、一方SYSUIリモートからはストップリクエス
トコマンド、インターラプトコマンドが送られる。
IPSリモートとイニシャライズコントロール部101との間
では、IPSリモートからはイニシャライズエンドコマン
ドが送られ、イニシャライズコントロール部101からはN
VMパラメータコマンドが送られる。
IITリモートとイニシャライズコントロール部101との間
では、IITリモートからはIITレディコマンド、イニシャ
ライズコントロール部101からはNVMパラメータコマン
ド、INITIALIZEコマンドが送られる。
IPSリモートとスタンバイコントロール部102との間で
は、IPSリモートからイニシャライズフリーハンドエリ
ア、アンサーコマンド、リムーヴエリアアンサーコマン
ド、カラー情報コマンドが送られ、スタンバイコントロ
ール部102からはカラー検出ポイントコマンド、イニシ
ャライズフリーハンドエリアコマンド、リムーヴエリア
コマンドが送られる。
IPSリモートとセットアップコントロール部103との間で
は、IPSリモートからIPSレディコマンド、ドキュメント
情報コマンドが送られ、セットアップコントロール部10
3スキャン情報コマンド、基本コピーモードコマンド、
エディットモードコマンド、M/Cストップコマンドが送
られる。
IITリモートとスタンバイコントロール部102との間で
は、IITリモートからプレスキャンが終了したことを知
らせるIITレディコマンドが送られ、スタンバイコント
ロール部102からサンプルスキャンスタートコマンド、
イニシャライズコマンドが送られる。
IITリモートとセットアップコントロール部103との間で
は、IITリモートからはIITレディコマンド、イニシャラ
イズエンドコマンドが送られ、セットアップコントロー
ル部103からはドキュメントスキャンスタートコマン
ド、サンプルスキャンスタートコマンド、コピースキャ
ンスタートコマンドが送られる。
MCBリモートとスタンバイコントロール部102との間で
は、スタンバイコントロール部102からイニシャライズ
サブシステムコマンド、スタンバイセレクションコマン
ドが送られ、MCBリモートからはサブシステムステータ
スコマンドが送られる。
MCBリモートとセットアップコントロール部103との間で
は、セットアップコントロール部103からスタートジョ
ブコマンド、IITレディコマンド、ストップジョブコマ
ンド、デクレアシステムフォールトコマンドが送られ、
MCBリモートからIOTスタンバイコマンド、デクレアMCB
フォールトコマンドが送られる。
MCBリモートとサイクルコントロール部104との間では、
サイクルコントロール部104からストップジョブコマン
ドが送られ、MCBリモートからはMADEコマンド、レディ
フォアネクストジョブコマンド、ジョブデリヴァードコ
マンド、IOTスタンバイコマンドが送られる。
MCBリモートとフォールトコントロール部106との間で
は、フォールトコントロール部106からデクレアシステ
ムフォールトコマンド、システムシャットダウン完了コ
マンドが送られ、MCBリモートからデクレアMCBフォール
トコマンド、システムシャットダウンコマンドが送られ
る。
IITリモートとコミニュケーションコントロール部107と
の間では、IITリモートからスキャンレディ信号、イメ
ージエリア信号が送られる。
次に各モジュール間のインターフェースについて説明す
る。
システムメイン100から各モジュール(101〜107)に対
して受信リモートNO.及び受信データが送られて各モジ
ュールがそれぞれのリモートとのデータ授受を行う。一
方、各モジュール(101〜107)からシステムメイン100
に対しては何も送られない。
イニシャライズコントロール部101は、イニシャライズ
処理が終了するとフォルトコントロール部106、スタン
バイコントロール部102に対し、それぞれシステムステ
ート(スタンバイ)を通知する。
コミニュケーションコントロール部107は、イニシャラ
イズコントロール部101、スタンバイコントロール部10
2、セットアップコントロール部103、コピーサイクルコ
ントロール部104、フォルトコントロール部106に対し、
それぞれ通知可否情報を通知する。
スタンバイコントロール部102は、スタートキーが押さ
れるとセットアップコントロール部103に対してシステ
ムステート(プログレス)を通知する。
セットアップコントロール部103は、セットアップが終
了するとコピーサイクルコントロール部104に対してシ
ステムステート(サイクル)を通知する。
(II−2)イメージ処理システム(IPS) (A)IPSのモジュール構成 第14図はIPSのモジュール構成の概要を示す図である。
カラー画像形成装置では、IIT(イメージ入力ターミナ
ル)においてCCDラインセンサーを用いて光の原色B
(青)、G(緑)、R(赤)に分解してカラー原稿を読
み取ってこれをトナーの原色Y(イエロー)、M(マゼ
ンタ)、C(シアン)、さらにはK(黒又は墨)に変換
し、IOT(イメージ出力ターミナル)においてレーザビ
ームによる露光、現像を行いカラー画像を再現してい
る。この場合、Y、M、C、Kのそれぞれのトナー像に
分解してYをプロセスカラーとするコピープロセス(ピ
ッチ)を1回、同様にM、C、Kについてもそれぞれプ
ロセスカラーとするコピーサイクルを1回ずつ、計4回
のコピーサイクルを実行し、これらの網点による像を重
畳することによってフルカラーによる像を再現してい
る。したがって、カラー分解信号(B、G、R信号)を
トナー信号(Y、M、C、K信号)に変換する場合にお
いては、その色のバランスをどう調整するかやIITの読
み取り特性およびIOTの出力特性に合わせてその色をど
う再現するか、濃度やコントラストのバランスをどう調
整するか、エッジの強調やボケ、モアレをどう調整する
か等が問題になる。
IPSは、IITからB、G、Rのカラー分解信号を入力し、
色の再現性、階調の再現性、精細度の再現性等を高める
ために種々のデータ処理を施して現像プロセスカラーの
トナー信号をオン/オフに変換しIOTに出力するもので
あり、第14図に示すようにEND変換(Equivalent Neutra
l Density;等価中性濃度変換)モジョール301、カラー
マスキングモジュール302、原稿サイズ検出モジュール3
03、カラー変換モジュール304、UCR(Under Color Romo
val;下色除去)&黒生成モジュール305、空間フィルタ
ー306、TRC(Tone Reproduction Control;色調補正制
御)モジュール307、縮拡処理モジュール308、スクリー
ンジェネレータ309、IOTインターフェースモジュール31
0、領域生成回路やスイッチマトリクスを有する領域画
像制御モジュール311、エリアコマンドメモリ312やカラ
ーパレットビデオスイッチ回路313やフォントバッファ3
14等を有する編集制御モジュール等からなる。
そして、IITからB、G、Rのカラー分解信号につい
て、それぞれ8ビットデータ(256階調)をEND変換モジ
ュール301に入力し、Y、M、C、Kのトナー信号に変
換した後、プロセスカラーのトナー信号Xをセレクト
し、これを2値化してプロセスカラーのトナー信号のオ
ン/オフデータとしIOTインターフェースモジュール310
からIOTに出力している。したがって、フルカラー(4
カラー)の場合には、プリスキャンでまず原稿サイズ検
出、編集領域の検出、その他の原稿情報を検出した後、
例えばまず初めにプロセスカラーのトナー信号XをYと
するコピーサイクル、続いてプロセスカラーのトナー信
号XをMとするコピーサイクルを順次実行する毎に、4
回の原稿読み取りスキャンに対応した信号処理を行って
いる。
IITでは、CCDセンサーを使いB、G、Rのそれぞれにつ
いて、1ピクセルを16ドット/mmのサイズで読み取り、
そのデータを24ビット(3色×8ビット;256階調)で出
力している。CCDセンサーは、上面にB、G、Rのフィ
ルターが装着されていて16ビット/mmの密度で300mmの長
さを有し、190.5mm/secのプロセススピードで16ライン/
mmのスキャンを行うので、ほぼ各色につき毎秒15Mピク
セルの速度で読み取りデータを出力している。そして、
IITでは、B、G、Rの画素のアナログデータをログ変
換することによって、反射率の情報から濃度の情報に変
換し、さらにデジタルデータに変換している。
次に各モジュールについて説明する。
第15図はIPSを構成する各モジュールを説明するための
図である。
(イ)END変換モジュール END変換モジュール301は、IITで得られたカラー原稿の
光学読み取り信号をグレーバランスしたカラー信号に調
整(変換)するためのモジュールである。カラー画像の
トナーは、グレーの場合に等量になりグレーが基準とな
る。しかし、IITからグレーの原稿を読み取ったときに
入力するB、G、Rのカラー分解信号の値は光源や色分
解フィルターの分光特性等が理想的でないため等しくな
っていない。そこで、第15図(a)に示すような変換テ
ーブル(LUT;ルックアップテーブル)を用いてそのバラ
ンスをとるのがEND変換である。したがって、変換テー
ブルは、グレイ原稿を読み取った場合にそのレベル(黒
→白)に対応して常に等しい階調でB、G、Rのカラー
分解信号に変換して出力する特性を有するものであり、
IITの特性に依存する。また、変換テーブルは、16面用
意され、そのうち11面がネガフィルムを含むフィルムフ
プロジェクター用のテーブルであり、3面が通常のコピ
ー用、写真用、ジェネレーションコピー用のテーブルで
ある。
(ロ)カラーマスキングモジュール カラーマスキングモジュール302は、B、G、R信号を
マトリクス演算することによりY、M、Cのトナー量に
対応する信号に変換するものであり、END変換によりグ
レーバランス調整を行った後の信号を処理している。
カラーマスキングに用いる変換マトリクスには、純粋に
B、G、RからそれぞれY、M、Cを演算する3×3の
マトリクスを用いているが、B、G、Rだけでなく、B
G、GR、RB、B2、G2、R2の成分も加味するため種々のマ
トリクスを用いたり、他のマトリスクを用いてもよいこ
とは勿論である。変換マトリクスとしては、通常のカラ
ー調整用とモノカラーモードにおける強度信号生成用の
2セットを保有している。
このように、IITのビデオ信号についてIPSで処理するに
際して、何よりもまずグレーバランス調整を行ってい
る。これを仮にカラーマスキングの後に行うとすると、
カラーマスキングの特性を考慮したグレー原稿によるグ
レーバランス調整を行わなければならないため、その変
換テーブルがより複雑になる。
(ハ)原稿サイズ検出モジュール 定型サイズの原稿は勿論のこと切り張りその他任意の形
状の原稿をコピーする場合もある。この場合に、原稿サ
イズに対応した適切なサイズの用紙を選択するために
は、原稿サイズを検出する必要がある。また、原稿サイ
ズよりコピー用紙が大きい場合に、原稿の外側を消すと
コピーの出来映えをよいものとすることができる。その
ため、原稿サイズ検出モジュール303は、プリスキャン
時の原稿サイズ検出と原稿読み取りスキャン時のプラテ
ンカラーの消去(枠消し)処理とを行うものである。そ
のために、プラテンカラーは原稿との識別が容易な色例
えば黒にし、第15図(b)に示すようにプラテンカラー
識別の上限値/下限値をスレッショルドレジスタ3031に
セットする。そして、プリスキャン時は、原稿の反射率
に近い情報に変換(γ変換)した信号(後述の空間フィ
ルター306の出力を用いる)Xとスレッショルドレジス
タ3031にセットされた上限値/下限値とをコンパレータ
3032で比較し、エッジ検出回路3034で原稿のエッジを検
出して座標x,yの最大値と最小値とを最大/最小ソータ3
035に記憶する。
例えば第15図(d)に示すように原稿が傾いている場合
や矩形でない場合には、上下左右の最大値と最小値
(x1,x2、y1,y2)が検出、記憶される。また、原稿読み
取りスキャン時は、コンパレータ3033で原稿のY、M、
Cとスレッショルドレジスタ3031にセットされた上限値
/下限値とを比較し、プラテンカラー消去回路3036でエ
ッジの外側、即ちプラテンの読み取り信号を消去して枠
消し処理を行う。
(ニ)カラー変換モジュール カラー変換モジュール305は、特定の領域において指定
されたカラーを変換できるようにするものであり、第15
図(c)に示すようにウインドコンパレータ3052、スレ
ッショルドレジスタ3051、カラーパレット3053等を備
え、カラー変換する場合に、被変換カラーの各Y、M、
Cの上限値/下限値をスレッショルドレジスタ3051にセ
ットすると共に変換カラーの各Y、M、Cの値をカラー
パレット3053にセットする。そして、領域画像制御モジ
ュールから入力されるエリア信号にしたがってナンドゲ
ート3054を制御し、カラー変換エリアでない場合には原
稿のY、M、Cをそのままセレクタ3055から送出し、カ
ラー変換エリアに入ると、原稿のY、M、C信号がスレ
ッショルドレジスタ3051にセットされたY、M、Cの上
限値と下限値の間に入るとウインドコンパレータ3052の
出力でセレクタ3055を切り換えてカラーパレット3053に
セットされた変換カラーのY、M、Cを送出する。
指定色は、ディジタイザで直線原稿をポイントすること
により、プリスキャン時に指定された座標の周辺B、
G、R各25画素の平均をとって指定色を認識する。この
平均操作により、例えば150線原稿でも色差5以内の精
度で認識可能となる。B、G、R濃度データの読み取り
は、IITシェーディング補正RAMより指定座標をアドレス
に変換して読み出し、アドレス変換に際しては、原稿サ
イズ検知と同様にレジストレーション調整分の再調整が
必要である。プリスキャンでは、IITはサンプルスキャ
ンモードで動作する。シェーディング補正RAMより読み
出されたB、G、R濃度データは、ソフトウエアにより
シェーディング補正された後、平均化され、さらにEND
補正、カラーマスキングを実行してからウインドコンパ
レータ3052にセットされる。
登録色は、1670万色中より同時に8色までカラーパレッ
ト3053に登録を可能にし、標準色は、Y、M、C、G、
B、Rおよびこれらの中間色とK、Wの14色を用意して
いる。
(ホ)UCR&黒生成モジュール Y、M、Cが等量である場合にはグレーになるので、論
理的には、等量のY、M、Cを黒に置き換えることによ
って同じ色を再現できるが、実現的には、黒に起き換え
ると色に濁りが生じ鮮やかな色の再現性が悪くなる。そ
こで、UCR&黒生成モジュール305では、このような色の
濁りが生じないように適量のKを生成し、その量に応じ
てY、M、Cを等量減ずる(下色除去)処理を行う。具
体的には、Y、M、Cの最大値と最小値とを検出し、そ
の差に応じて変換テーブルより最小値以下でKを生成
し、その量に応じY、M、Cについて一定の下色除去を
行っている。
UCR&黒生成では、第15図(e)に示すように例えばグ
レイに近い色になると最大値と最小値との差が小さくな
るので、Y、M、Cの最小値相当をそのまま除去してK
を生成するが、最大値と最小値との差が大きい場合に
は、除去の量をY、M、Cの最小値よりも少なくし、K
の生成量も少なくするこによって、墨の混入および低明
度高彩度色の彩度低下を防いでいる。
具体的な回路構成例を示した第15図(f)では、最大値
/最小値検出回路3051によりY、M、Cの最大値と最小
値とを検出し、演算回路3053によりその差を演算し、変
換テーブル3054と演算回路3055によりKを生成する。変
換テーブル3054がKの値を調整するものであり、最大値
と最小値の差が小さい場合には、変換テーブル3054の出
力値が零になるので演算回路3055から最小値をそのまま
Kの値として出力するが、最大値と最小値の差が大きい
場合には、変換テーブル3054の出力値が零でなくなるの
で演算回路3055で最小値からその分減算された値をKの
値として出力する。変換テーブル3056がKに対応して
Y、M、Cから除去する値を求めるテーブルであり、こ
の変換テーブル3056を通して演算回路3059でY、M、C
からKに対応する除去を行う。また、アンドゲート305
7、3058はモノカラーモード、4フルカラーモードの各
信号にしたがってK信号およびY、M、Cの下色除去し
た後の信号をゲートするものであり、セレクタ3052、30
50は、プロセスカラー信号によりY、M、C、Kのいず
れかを選択するものである。このように実際には、Y、
M、Cの網点で色を再現しているので、Y、M、Cの除
去やKの生成比率は、経験的に生成したカーブやテーブ
ル等を用い設定されている。
(ヘ)空間フィルターモジュール 本発明に適用される装置では、先に述べたようにIITでC
CDをスキャンしながら原稿を読み取るので、そのままの
情報を使うとボケた情報になり、また、網点により原稿
を再現しているので、印刷物の網点周期と16ドット/mm
のサンプリング周期との間でモアレが生じる。また、自
ら生成する網点周期と原稿の網点周期との間でもモアレ
が生じる。空間フィルターモジュール306は、このよう
なボケを回復する機能とモアレを除去する機能を備えた
ものである。そして、モアレ除去には網点成分をカット
するためのローパスフィルタが用いられ、エッジ強調に
はハイパスフィルタが用いられている。
空間フィルターモジュール306では、第15図(g)に示
すようにY、M、C、MinおよびMax−Minの入力信号の
1色をセレクタ3003で取り出し、変換テーブル3004を用
いて反射率に近い情報に変換する。この情報の方がエッ
ジを拾いやすいからであり、その1色としては例えばY
をセレクトしている。また、スレッショルドレジスタ30
01、4ビットの2値化回路3002、デコーダ3005を用いて
画素毎に、Y、M、C、MinおよびMax−MinからY、
M、C、K、B、G、R、W(白)の8つに色相分離す
る。デコーダ(g)3005は、2値化情報に大じて色相を
認識してプロセスカラーから必要色か否かを1ビットの
情報で出力するものである。
第15図(g)の出力は、第15図(h)の回路に入力され
る。ここでは、FIFO3061と5×7デジタルフィルタ306
3、モジューレーションテーブル3066により網点除去の
情報を生成し、FIFO3062の5×7デジタルフィルタ306
4、モジュレーションテーブル3067、ディレイ回路3065
により同図(g)の出力情報からエッジ強調情報を生成
する。モジュレーションテーブル3066、3067は、写真や
文字専用、混在等のコピーのモードに応じてセレクトさ
れる。
エッジ強調では、例えば第15図(i)のような緑の文
字をのように再現しようとする場合、Y、Cを、
のように強調処理し、Mは実線のように強調処理しな
い。このスイッチングをアンドゲート(h)8で行って
いる。この処理を行うには、の点線のように強調する
と、のようにエッジにMの混色による濁りが生じる。
ディレイ回路(h)5は、このような強調をプロセスカ
ラー毎にアンドゲート3068でスイッチングするためにFI
FO3062と5×7デジタルフィルタ3064との同期を図るも
のである。鮮やかな緑の文字を通常の処理で再生する
と、緑の文字にマゼンタが混じり濁りが生じる。そこ
で、上記のようにして緑と認識するとY、Cは通常通り
出力するが、Mは抑えエッジ強調をしないようにする。
(ト)TRC変換モジュール IOTは、IPSからのオン/オフ信号にしたがってY、M、
C、Kの各プロセスカラーにより4回のコピーサイクル
(4フルカラーコピーの場合)を実行し、フルカラー原
稿の再生を可能にしているが、実際には、信号処理によ
り論理的に求めたカラーを忠実に再生するには、IOTの
特定を考慮した微妙な調整が必要である。TRC変換モジ
ュール309は、このような再現性の向上を図るためのも
のであり、Y、M、Cの濃度の各組み合わせにより、第
15図(j)に示すように8ビット画像データをアドレス
入力とするアドレス変換テーブルをRAMに持ち、エリア
信号に従った濃度調整、コントラスト調整、ネガポジ反
転、カラーバランス調整、文字モード、すかし合成等の
編集機能を持っている。このRAMアドレス上位3ビット
にはエリア信号のビット0〜ビット3が使用される。ま
た、領域外モードにより上記機能を組み合わせて使用す
ることもできる。なお、このRAMは、例えば2kバイト(2
56バイト×8面)で構成して8面の変換テーブルを保有
し、Y、M、Cの各サイクル毎にIITキャリッジリター
ン中に最高8面分ストアされ、領域指定やコピーモード
に応じてセレクトされる。勿論、RAM容量を増やせば各
サイクル毎にロードする必要はない。
(チ)縮拡処理モジュール 縮拡処理モジュール308は、ラインバッファ3083にデー
タXを一旦保持して送出する過程において縮拡処理回路
3082を通して縮拡処理するものであり、リサンプリング
ジェネレータ&アドレスコントローラ3081でサンプリン
グピッチ信号とラインバッファ3083のリード/ライトア
ドレスを生成する。ラインバッファ3083は、2ライン分
からなるピンポンバッファとすることにより一方の読み
出しと同時に地方に次のラインデータを書き込めるよう
にしている。縮拡処理では、主走査方向にはこの縮拡処
理モジュール308でデジタル的に処理しているが、副走
査方向にはIITのスキャンのスピードを変えている。ス
キャンスピードは、2倍速から1/4倍速まで変化させる
ことにより50%から400%まで縮拡できる。デジタル処
理では、ラインバッファ3083にデータを読み/書きする
際に間引き補完することによって縮小し、付加補完する
ことによって拡大することができる。補完データは、中
間にある場合には同図(1)に示すように両側のデータ
との距離に応じた重み付け処理して生成される。例えば
データXi′の場合には、両側のデータXi、Xi+1およびこ
れらのデータとサンプリングポイントとの距離d1、d2
ら、 (Xi×D2)+(Xi+1×d1) ただし、d1+d2=1 の演算をして求められる。
縮小処理の場合には、データの補完をしながらラインバ
ッファ3083に書き込み、同時に前のラインの縮小処理し
たデータをバッファから読み出して送出する。拡大処理
の場合には、一旦そのまま書き込み、同時に前のライン
のデータを読み出しながら補完拡大して送出する。書き
込み時に補完拡大すると拡大率に応じて書き込み時のク
ロックを上げなければならなくなるが、上記のようにす
ると同じクロックで書き込み/読み出しができる。ま
た、この構成を使用し、途中から読み出したり、タイミ
ングを遅らせて読み出したりすることによって主走査方
向のシフトイメージ処理することができ、繰り返し読み
出すことによって繰り返し処理することができ、反対の
方から読み出すことによって鏡像処理することもでき
る。
(リ)スクリーンジェネレータ スクリーンジェネレータ309は、プロセスカラーの階調
トナー信号をオン/オフの2値化トナー信号に変換し出
力するものであり、閾値マトリクスと階調表現されたデ
ータ値との比較による2値化処理とエラー拡散処理を行
っている。IOTでは、この2値化トナー信号を入力し、1
6ドット/mmに対応するようにほぼ縦80μmφ、幅60μm
φの楕円形状のレーザビームをオン/オフして中間調の
画像を再現している。
まず、階調の表現方法について説明する。第15図(n)
に示すように例えば4×4のハーフトーンセルsを構成
する場合について説明する。まず、スクリーンジェネレ
ータでは、このようなハーフトーンセルsに対応して閾
値マトリクスmが設定され、これと階調表現されたデー
タ値とが比較される。そして、この比較処理では、例え
ばデータ値が「5」であるとすると、閾値マトリクスm
の「5」以下の部分でレーザビームをオンとする信号を
生成する。
16ドット/mmで4×4のハーフトーンセルを一般に100sp
i、16階調の網点というが、これでは画像が粗くカラー
画像の再現性が悪いものとなる。そこで、本発明では、
階調を上げる方法として、この16ドット/mmの画素を縦
(主走査方向)に4分割し、画素単位でのレーザビーム
のオン/オフ周波数を同図(o)に示すように1/4の単
位、すなわち4倍に上げるようにすることによって4倍
高い階調を実現している。したがって、これに対応して
同図(o)に示すような閾値マトリクスm′を設定して
いる。さらに、線数を上げるためにサブマトリクス法を
採用するのも有効である。
上記の例は、各ハーフトーンセルの中央付近を唯一の成
長核とする同じ閾値マトリクスmを用いたがサブマトリ
クス法は、線数の単位マトリクスの集合により構成し、
同図(p)に示すようにマトリクスの成長核を2ヵ所或
いはそれ以上(複数)にするものである。このようなス
クリーンのパターン設計手法を採用すると、例えば明る
いところは141spi、64階調にし、暗くなるにしたがって
200spi、128階調にすることによって暗いところ、明る
いところに応じて自由に線数と階調を変えることができ
る。このようなパターンは、階調の滑らかさや細線性、
粒状性等を目視によって判定することによって設計する
ことができる。
中間調画像を上記のようなドットマトリクスによって再
現する場合、階調数と解像度とは相反する関係となる。
すなわち、階調数を上げると解像度が悪くなり、解像度
を上げると階調数が低くなるという関係がある。また、
閾値データのマトリクスを小さくすると、実際に出力す
る画像に量子化誤差が生じる。エラー拡散処理は、同図
(q)に示すようにスクリーンジェネレータ3092で生成
されたオン/オフの2値化信号と入力の階調信号との量
子化誤差を濃度変換回路3093、減算回路3094により検出
し、補正回路3095、加算回路3091を使ってフィードバッ
クしてマクロ的にみたときの階調の再現性を良くするも
のであり、例えば前のラインの対応する位置とその両側
の画素をデジタルフィルタを通してたたみこむエラー拡
散処理を行っている。
スクリーンジェネレータでは、上記のように中間調画像
や文字画像等の画像の種類によって原稿或いは領域毎に
閾値データやエラー拡散処理のフィードバック係数を切
り変え、高階調、高精細画像の再現性を高めている。
(ヌ)領域画像制御モジュール 領域画像制御モジュール311では、7つの矩形領域およ
びその優先順位が領域生成回路に設定可能な構成であ
り、それぞれの領域に対応してスイッチマトリクスに領
域の制御情報が設定される。制御情報としては、カラー
変換やモノカラーかフルカラーか等のカラーモード、写
真や文字等のモジュレーションセレクト情報、TRCのセ
レクト情報、スクリーンジェネレータのセレクト情報等
があり、カラーマスキングモジュール302、カラー変換
モジュール304、UCRモジュール305、空間フィルター30
6、TRCモジュール307の制御に用いられる。なお、スイ
ッチマトリクスは、ソフトウエアにより設定可能になっ
ている。
(ル)編集制御モジュール 編集制御モジュールは、矩形でなく例えば円グラフ等の
原稿を読み取り、形状の限定されない指定領域を指定の
色で塗りつぶすようなぬりえ処理を可能にするものであ
り、同図(m)に示すようにCPUのバスにAGDC(Advance
d Graphic Digital Controller)3121、フォントバッ
ファ3126、ロゴROM128、DMAC(DMA Controller)3129
が接続されている。そして、CPUから、エンコードされ
た4ビットのエリアコマンドがAGD3121を通してプレー
ンメモリ3122に書き込まれ、フォントバッファ3126にフ
ォントが書き込まれる。プレーンメモリ3122は、4枚で
構成し、例えば「0000」の場合にはコマンド0であって
オリジナルの原稿を出力するというように、原稿の各点
をプレーン0〜プレーン3の4ビットで設定できる。こ
の4ビット情報をコマンド0〜コマンド15にデコードす
るのがデコーダ3123であり、コマンド0〜コマンド15を
フィルパターン、フィルロジック、ロゴのいずれの処理
を行うコマンドにするかを設定するのがスイッチマトリ
ックス3124である。フォントアドレスコントローラ3125
は、2ビットのフィルパターン信号により網点シェー
ド、ハッチングシェード等のパターンに対応してフォン
トバッファ3126のアドレスを生成するものである。
スイッチ回路3127は、スイッチマトリクス3124のフィル
ロジック信号、原稿データXの内容により、原稿データ
X、フォントバッファ3126、カラーパレットの選定等を
行うものである。フィルロジックは、バックグラウンド
(原稿の背景部)だけをカラーメッシュで塗りつぶした
り、特定部分をカラー変換したり、マスキングやトリミ
ング、塗りつぶし等を行う情報である。
本発明のIPSでは、以上のようにIITの原稿読み取り信号
について、まずEND変換した後カラーマスキングし、フ
ルカラーデータでの処理の方が効率的な原稿サイズや枠
消し、カラー変換の処理を行ってから下色除去および墨
の生成をして、プロセスカラーに絞っている。しかし、
空間フィルターやカラー変調、TRC、縮拡等の処理は、
プロセスカラーのデータを処理することによって、フル
カラーのデータで処理する場合より処理量を少なくし、
使用する変換テーブルの数を1/3にすると共に、その
分、種類を多くして調整の柔軟性、色の再現性、階調の
再現性、精細度の再現性を高めている。
(B)イメージ処理システムのハードウエア構成第16図
はIPSのハードウエア構成例を示す図である。
本発明のIPSでは、2枚の基板(IPS−A、IPS−B)に
分割し、色の再現性や階調の再現性、精細度の再現性等
のカラー画像形成装置としての基本的な機能を達成する
部分について第1の基板(IPS−A)に、編集のように
応用、専門機能を達成する部分の第2の基板(IPS−
B)に搭載している。前者の構成が第16図(a)〜
(c)であり、後者の構成が同図(d)である。特に第
1の基板により基本的な機能が充分達成できれば、第2
の基板を設計変更するだけで応用、専門機能について柔
軟に対応できる。したがって、カラー画像形成装置とし
て、さらに機能を高めるようとする場合には、他方の基
板の設計変更をするだけで対応できる。
IPSの基板には、第16図に示すようにCPUのバス(アドレ
スバスADRSBUS、データバスDATABUS、コントロールバス
CTRLBUS)が接続され、IITのビデオデータB、G、R、
同期信号としてビデオクロックIIT・VCLK、ライン同期
(主走査方向、水平同期)信号IIT・LS、ページ同期
(副走査方向、垂直同期)信号IIT・PSが接続される。
ビデオデータは、END変換部以降においてパイプライン
処理されるため、それぞれの処理段階において処理に必
要なクロック単位でデータの遅れが生じる。そこで、こ
のような各処理の遅れに対応して水平同期信号を生成し
て分配し、また、ビデオロックとライン同期信号のフェ
イルチェックするのが、ライン同期発生&フェイルチェ
ック回路328である。そのため、ライン同期発生&フェ
イルチェック回路328には、ビデオクロックIIT・VCLKと
ライン同期信号(IIT・LSが接続され、また、内部設定
書き換えを行えるようにCPUのバス(ADRSBUS、DATABU
S、CTRLBUS)、チップセレクト信号CSが接続される。
IITのビデオデータB、G、RはEND変換部のROM321に入
力される。END変換テーブルは、例えばRAMを用いCPUか
ら適宜ロードするように構成してもよいが、装置が使用
状態にあって画像データの処理中に書き換える必要性は
ほとんど生じないので、B、G、Rのそれぞれに2kバイ
トのROMを2個ずつ用い、ROMによるLUT(ルックアップ
テーブル)方式を採用している。そして、16面の変換テ
ーブルを保育し、4ビットの選択信号ENDSelにより切り
換えられる。
END変換されたROM321の出力は、カラー毎に3×1マト
リクスを2面保育する3個の演算LSI332からなるカラー
マスキング部に接続される。演算LSI322には、CPUの各
バスが接続され、CPUからマトリクスの係数が設定可能
になっている。画像信号の処理からCPUにより書き換え
等のためCPUのバスに切り換えるためにセットアップ信
号SU、チップセレクト信号CSが接続され、マトリクスの
選択切り換えに1ビットの切り換え信号MONOが接続され
る。また、パワーダウン信号PDを入力し、IITがスキャ
ンしていないときすなわち画像処理をしていないとき内
部のビデオクロックを止めている。
演算LSI322によりB、G、RからY、M、Cに変換され
た信号は、同図(d)に示す第2の基板(IPS−B)の
カラー変換(LSI353を通してカラー変換処理後、DOD用L
SI323に入力される。カラー変換LSI353には、非変換カ
ラーを設定するスレッショルドレジスタ、変換カラーを
設定するカラーパレット、コンパレータ等からなるカラ
ー変換回路を4回路保育し、DOD用LSI323には、原稿の
エッジ検出回路、枠消し回路等を有している。
枠消し処理したDOD用LSI323の出力は、UCR用LSI324に送
られる。このLSIは、UCR回路と墨生成回路、さらには必
要色生成回路を含み、コピーサイクルでのトナーカラー
に対応するプロセスカラーX、必要色Hue、エッジEdge
の各信号を出力する。したがって、このLSIには、2ビ
ットのプロセスカラー指定信号COLR、カラーモード信号
(4COLR、MONO)も入力される。
ラインメモリ325は、UCR用LSI324から出力されたプロセ
スカラーX、必要色Hue、エッジEdgeの各信号を5×7
のデジタルフィルター326に入力するために4ライン分
のデータを蓄積するFIFOおよびその遅れ分を整合させる
ためのFIFOからなる。ここで、プロセスカラーXとエッ
ジEdgeについては4ライン分蓄積してトータル5ライン
分をデジタルフィルター326に送り、必要色Hueについて
はFIFOで遅延させてデジタルフィルター326の出力と同
期させ、MIX用LSI327に送るようにしている。
デジタルフィルター326は、2×7フィルターのLSIを3
個で構成した5×7フィルターが2組(ローパスLPとハ
イパスHP)あり、一方で、プロセスカラーXについての
処理を行い、他方で、エッジEdgeについての処理を行っ
ている。MIX用LSI327では、これらの出力に変換テーブ
ルで網点除去やエッジ協調の処理を行いプロセスカラー
Xにミキシングしている。ここでは、変換テーブルを切
り換えるための信号としてエッジEDGE、シャープSharp
が入力されている。
TRC342は、8面の変換テーブルを保育する2kバイトのRA
Mからなる。変換テーブルは、各スキャンの前、キャリ
ッジのリターン期間を利用して変換テーブルの書き換え
を行うように構成され、3ビットの切り換え信号TRCSel
により切り換えられる。そして、ここからの処理出力
は、トランシーバーより縮拡処理用LSI345に送られる。
縮拡処理部は、8kバイトRAM344を2個用いてピンポンバ
ッファ(ラインバッファ)を構成し、LSI343でリサンプ
リングピッチの生成、ラインバッファのアドレスを生成
している。
縮拡処理部の出力は、同図(d)に示す第2の基板のエ
リアメモリ部の通ってEDF用LSI346に戻る。EDF用LSI346
は、前のラインの情報を保持するFIFOを有し、前のライ
ンの情報を用いてエラー拡散処理を行っている。そし
て、エラー拡散処理後の信号Xは、スクリーンジェネレ
ータを構成するSG用LSI347を経てIOTインターフェース
へ出力される。
IOTインターフェースでは、1ビットのオン/オフ信号
で入力されたSG用LSI347からの信号をLSI349で8ビット
にまとめてパラレルでIOTに送出している。
第16図に示す第2の基板において、実際に流れているデ
ータは、16ドット/mmであるので、縮小LSI354では、1/4
に縮小して且つ2値化してエリアメモリに蓄える。拡大
デコードLSI359は、フィルパターンRAM360を持ち、エリ
アメモリから領域情報を読み出してコマンドを生成する
ときに16ビットに拡大し、ロゴアドレスの発生、カラー
パレット、フィルパターンの発生処理を行っている。DR
AM356は、4面で構成しコードされた4ビットのエリア
情報を格納する。AGDC355は、エリアコマンドをコント
ロールする専用のコントローラである。
(II−2)イメージアウトプットターミナル (II−2−1)概略構成 第17図はイメージアウトプットターミナル(IOT)の概
略構成を示す図である。
本装置は感光体として有機感材ベルト(Photo Recepter
ベルト)を使用し、4色フルカラー用にブラック
(K)、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー
(Y)からなる現像機404、用紙を転写部に搬送する転
写装置(Tow Roll Transfer Loop)406、転写装置404か
ら定着装置408へ用紙を搬送する真空搬送装置(Vacuum
Transfer)407、用紙トレイ410、412、用紙搬送路411
が備えられ、感材ベルト、現像機、転写装置の3つのユ
ニットはフロント側へ引き出せる構成となっている。
レーザー光源40からのレーザ光を変調して得られた情報
光はミラー40dを介して感材41上に照射されて露光が行
われ、潜像が形成される。感材上に形成されたイメージ
は、現像機404で現像されたトナー像が形成される。現
像機404はK、M、C、Yからなり、図示するような位
置関係で配置される。これは、例えば暗減衰と各トナー
の特性との関係、ブラックトナーへの他のトナーの混色
による影響の違いといったようなことを考慮して配置し
ている。但し、フルカラーコピーの場合の駆動順序は、
Y→C→M→Kである。
一方、2段のエレベータトレイからなる410、他の2段
のトレイ412から供給される用紙は、搬送路411を通し転
写装置406に供給される。転写装置406は転写部に配置さ
れ、タイミングチェーンまたはベルトで結合された2つ
のロールと、後述するようなグリッパーバーからなり、
グリッパーバーで用紙をくわえ込んで用紙搬送し、感材
上のトナー像を用紙に転写させる。4色フルカラーの場
合、用紙は転写装置部で4回転し、Y、C、M、Kの像
がこの順序で転写される。転写後の用紙はグリッパーバ
ーから開放されて転写装置から真空搬送装置407に渡さ
れ、定着装置408で定着されて排出される。
真空搬送装置407は、転写装置406と定着装置408との速
度差を吸収して同期をとっている。本装置においては、
転写速度(プロセススピード)は190mm/secで設定され
ており、フルカラーコピー等の場合には定着速度は90mm
/secであるので、転写速度を定着速度とは異なる。定着
度を確保するために、プロセススピードを落としてお
り、一方1.5kVA達成のため、パワーをフューザにさくこ
とができない。
そこで、B5、A4等の小さい用紙の場合、転写された用紙
が転写装置406から開放されて真空搬送装置407に載った
瞬間に真空搬送装置の速度を190mm/secから90mm/secに
落として定着速度と同じにしている。しかし、本装置で
は転写装置と定着装置間をなるべく短くして装置をコン
パクト化するようにしているので、A3用紙の場合は転写
ポイントと定着装置間に納まらず、真空搬送装置の速度
を落としてしまうと、A3の後端は転写中であるので用紙
にブレーキがかかり色ズレを生じてしまうことになる。
そこで、定着装置と真空搬送装置との間にバッフル板40
9を設け、A3用紙の場合にはバッフル板を下側に倒して
用紙にループを描かせて搬送路を長くし、真空搬送装置
は転写速度と同一速度として転写が終わってから用紙先
端が定着装置に到達するようにして速度差を吸収するよ
うにしている。また、OHPの場合も熱伝導が悪いのでA3
用紙の場合と同様にしている。
なお、本装置ではフルカラーだけでなく黒でも生産性を
落とさずコピーにできるようにしており、黒の場合には
トナー層が少なく熱量が小さくても定着可能であるの
で、定着速度は190mm/secのまま行い、真空搬送装置で
のスピードダウンは行わない。これは黒以外にもシング
ルカラーのようにトナー層が1層の場合は定着速度は落
とさずにすむので同様にしている。そして、転写が終了
するとクリーナ405で感材上に残っているトナーが掻き
落とされる。
(III−2−2)転写装置の構成 転写装置406は第18図(a)に示すような構成となって
いる。
本装置の転写装置はメカ的な用紙支持体を持たない構成
にして色ムラ等が起きないようにし、また、スピードの
コントロールを行って転写速度を上げるようすることを
特徴としている。
用紙はフィードヘッド421でトレイから排出され、ペー
パーパスサーボ423で駆動されるバックルチャンバー422
内を搬送され、レジゲートソレノイド426により開閉制
御されるレジゲート425を介して転写装置へ供給され
る。用紙がレジゲートに到達したことはプリレジゲート
センサ424で検出するようにしている。転写装置の駆動
は、サーボモータ432でタイミングベルトを介してロー
ラ433を駆動することによって行い、反時計方向に回転
駆動している。ローラ434は特に駆動はしておらず、ロ
ーラ間には2本のタイミング用のチェーン、またはベル
トが掛けられ、チェーン間(搬送方向に直角方向)に
は、常時は弾性で閉じており、転写装置入り口でソレノ
イドにより口を開くグリッパーバー430が設けられてお
り、転写装置入口で用紙をくわえて引っ張り回すことに
より搬送する。従来は、マイラーシート、またはメッシ
ュをアルミないしスチール性の支持体に貼って用紙を支
持していたため、熱膨張率の違いにより凹凸が生じて転
写に対して平面性が悪くなり、転写効率が部分的に異な
って色ムラが生じていたのに対し、このグリッパーバー
の使用により、用紙の支持体を特に設ける必要がなく、
色ムラの発生を防止することができる。
転写装置には搬送する用紙の支持体は設けておらず、ロ
ーラ部では用紙は遠心力で外側へ放り出されることにな
るので、これを防止するために2つのローラを真空引き
して用紙をローラの方へ引きつけ、ローラを過ぎるとひ
らひらしながら搬送される。用紙は転写ポイントにおい
て、デタックコロトロン、トランスファコロトロンが配
置された感材の方へ静電的な力により吸着された転写が
行われる。転写終了後、転写装置出口においてグリッパ
ホームセンサ436で位置検出し、適当なタイミングでソ
レノイドによりフリッパーバーの口を開いて用紙を離
し、真空搬送装置413へ渡すことになる。
従って、転写装置において、一枚の用紙はフルカラーの
場合であれば4回転、3色の場合であれば3回転搬送さ
れて転写が行われることにある。
サーボモータ432のタイミング制御を第18図(b)によ
り説明する。転写装置においては、転写中はサーボモー
タ432を一定速度でコントロールし、転写が終了すれば
用紙に転写されたリードエッジが、次の潜像の転写ポイ
ントと同期するように制御すればよい。一方、感材ベル
ト41の長さは、A4で3枚、A3で2枚の潜像が形成される
長さであり、また、ベルト435の長さはA3用紙の長さよ
り少し長く(略4/3倍)設定されている。
従って、A4用紙のカラーコピーを行う場合には、1色目
の潜像I1を転写するときにサーボモータ432を一定速度
でホントロールし、転写が終了すると用紙に転写された
リードエッジが、2色目の潜像I2の先端と同期するよう
に、サーボモータを急加速して制御する。また、A3用紙
の場合には、1色目の潜像I1の転写が終了すると用紙に
転写されたリードエッジが、2色目の潜像I2の先端と同
期するように、サーボモータを減速して待機するように
制御する。
(II−4)ユーザインターフェース(U/I) (A)カラーディスプレイの採用 第19図はディスプレイを用いたユーザインターフェース
装置の取り付け状態および外観を示す図、第20図はユザ
インターフェースの取り付け角や高さを説明するための
図である。
ユーザインターフェースは、オペレータと機械とのをか
りやすい対話を支援するものであり、シンプルな操作を
可能にし、情報の関連を明らかにしつつ必要な情報をオ
ペレータに印象付け得るものでなければならない。その
ために、本発明では、ユーザーの使い方に対応したオリ
ジナルのユーザインターフェースを作成し、初心者には
わかりやすく、熟練者には煩わしくないこと、機能の内
容を選択する際にはダイレクト操作が可能であること、
色を使うことにより、より正確、より迅速にオペレータ
に情報を伝えること、操作をなるべく1カ所に集中する
ことを操作制のねらいとしている。
複写機において、様々な機能を備え、信頼性の高いもの
であればそれだけ装置としての評価は高くなるが、それ
らの機能が使い難ければ優れた機能を備えていても価値
が極端に低下して逆に高価な装置となる。そのため、高
機能機種であっても使い難いとして装置の総合的評価も
著しく低下することになる。このような点からユーザイ
ンターフェースは、装置が使いやすいかどうかを大きく
左右するファクタとなり、特に、近年のような複写機が
多機能化してくれば尚更のこと、ユーザインターフェー
スの操作性が問題になる。
本発明のユーザインターフェースは、このような操作性
の向上を図るため、第19図に示すように12インチのカラ
ーディスプレイ501のモニターとその横にハードコント
ロールパネル502を備えている。そして、カラー表示の
工夫によりユーザーへ見やすく判りやすいメニューを提
供すると共に、カラーディスプレイ501に赤外線タッチ
ボード503を組み合わせて画面のソフトボタンで直接ア
クセスできるようにしている。また、ハードコントロー
ルパネル502のハードボタンとカラーディスプレイ501の
画面に表示したソフトボタンに操作内容を効率的に配分
することにより操作の簡素化、メニュー画面の効率的な
構成を可能にしている。
カラーディスプレイ501とハードコントロールパネル502
との裏側には、同図(b)、(c)に示すようにモニタ
ー制御/電源基板504やビデオエンジン基板505、CRTの
ドライバー基板506等が搭載され、ハードコントロール
パネル502は、同図(c)に示すようにカラーディスプ
レイ501の面よりさらに中央の方へ向くような角度を有
している。
また、カラーディスプレイ501およびハードコントロー
ルパネル502は、図示のようにベースマシン(複写機本
体)507上に直接でなく、ベースマシン507に支持アーム
508を立ててその上に取り付けている。従来のようにコ
ンソールパネルを採用するのではなく、スタンドタイプ
のカラーディスプレイ501を採用すると、第20図(a)
に示すようにベースマシン507の上方へ立体的に取り付
けるほとができるため、特に、カラーディスプレイ501
を第20図(a)に示すようにベースマシン507の右奥隅
に配置することによって、コンソールパネルを考慮する
ことなく複写機のサイズを設計することができ、装置の
コンパクト化を図ることができる。
複写機において、プラテンの高さすなわち装置の高さ
は、原稿をセットするのに程よい腰の高さになるように
設計され、この高さが装置としての高さを規制してい
る。従来のコンソールパネルは、複写機の上面に取り付
けられるため、ほぼ腰の高さで手から近い位置にあって
操作としてはしやすいが、目から結構離れた距離に機能
選択や実行条件設定のための操作部および表示部が配置
されることになる。その点、本発明のユーザインターフ
ェースでは、第20図(b)に示すようにプラテンより高
い位置、すなわち目の高さに近くなるため、見やすくな
ると共に位置がオペレータにとって下方でなく前方で、
且つ右側になり操作もしやすいものとなる。しかも、デ
ィスプレイの取り付け高さを目の高さに近づけることに
よって、その下側をユーザインターフェースの制御基板
をメモリカード装置、キーカウンター等のオプションキ
ットの取り付けスペースとしても有効に活用できる。し
たがって、メモリカード装置を取り付けるための構造的
な変更が不要となり、全く外観を換えることなくメモリ
カード装置を付加装備でき、同時にディスプレイの取り
付け位置、高さを見やすいものとすることができる。ま
た、ディスプレイは、所定の角度で固定してもよいが、
角度を変えることができるような構造を採用してもよい
ことは勿論である。
(B)システム構成 第21図はユーザインターフェースのモジュール構成を示
す図、第22図はユーザインターフェースのハードウエア
構成を示す図である。
本発明のユーザインターフェースのモジュール構成は、
第21図に示すようにカラーディスプレイ501の表示画面
をコントロールするビデオディスプレイモジュール51
1、およびエディットパッド513、メモリカード514の上
方の入出処理するエディットパットインテーフェースモ
ジュール512で構成し、これらをコントロールするシス
テムUI517、519やサブシステム515、タッチスクリーン5
03、コントロールパネル502がビデオディスプレイモジ
ュール511に接続される。
エディットパッドインターフェースモジュール512は、
エディットパッド513からX,Y座標を、また、メモリカー
ド514からジョブやX,Y座標を入力すると共に、ビデオデ
ィスプレイモジュール511にビデオマップ表示上方を送
り、ビデオディスプレイモジュール511との間でUIコン
トロール信号を授受している。
ところで、領域指定には、赤や青のマーカーで原稿上に
領域を指定しトリミングや色変換を行うマーカー指定、
矩形領域の座標による2点指定、エディットパッドでな
ぞるクローズループ指定があるが、マーカー指定は特に
データがなく、また2点指定はデータが少ないのに対
し、クローズループ指定は、編集対象領域として大容量
のデータが必要である。このデータの編集はIPSで行わ
れるが、高速で転送するにはデータ量が多い。そこで、
このようなX,Y座標のデータは、一般のデータ転送ライ
ンとは別に、IIT/IPS516への専門の転送ラインを使用す
るように構成している。
ヂビデオディスプレイモジュール511は、タッチスクリ
ーン503の縦横の入力ポイント(タッチスクリーンの座
標位置)を入力してボタンIDを認識し、コントロールパ
ネル502のボタンIDを入力する。そして、システムUI51
7、519にボタンIDを送り、システムUI517、519から表示
要求を受け取る。また、サブシステム(ESS)515は、例
えばワークステーションやホストCPUに接続され、本装
置をレーザープリンタとして使用する場合のプリンタコ
ントローラである。この場合には、タッチスクリーン50
3やコントロールパネル502、キーボード(図示省略)の
情報は、そのままサブシステム515に転送され、表示画
面の内容がサブシステム515からビデオディスプレイモ
ジュール511に送られてくる。
システムUI157、159は、マスターコントローラ518、520
との間でコピーモードやマシンステートの情報を授受し
ている。先に説明した第4図と対応させると、このシス
テムUI517、519の一方が第4図に示すSYSリモートのSYS
UIモジュール81であり、他方が第525に対する読み/書
きは、インターフェース560を通して行う。したがっ
て、エディットパッド524やメモリカード525からクロー
ズループの編集領域指定情報やコピーモード情報が入力
されると、これらの情報は、適宜インターフェース56
1、ドライバ562を通してUICBへ、高速通信インターフェ
ース564、ドライバ565を通してIPSへそれぞれ転送され
る。
(C)ディスプレイ画面構成 ユーザインターフェースにディスプレイを採用の入力を
処理してCRTに書くために2つのCPU(例えばインテル社
の8085相当と6845相当)を使用し、さらに、EPIB522に
は、ビットマップエリアに描画する機能が8ビットでは
不充分であので16ビットのCPU(例えばインテル社の80C
196KA)を使用し、ビットマップエリアの描画データをD
MAでUICB521に転送するように構成することによって機
能分散を図っている。
第23図はUICBの構成を示す図である。UICBでは、上記の
CPUの他にCPU534(例えばインテル社8051相当)を有
し、CCC531が高速通信回線L−NETやオプショナルキー
ボードの通信ラインに接続されてCPU534とCCC531により
通信を制御すると共に、CPU534をタッチスクリーンのド
ライブにも用いている。タッチスクリーンの信号は、そ
の座標位置情報のままCPU534からCCC531を通してCPU532
に取り込まれ、CPU532でボタンIDの認識され処理され
る。また、インプットポート551とアウトプットポート5
52を通してコントロールパネルに接続し、またサブシス
テムインターフェース548、レシーバ549、ドライバ550
を通してEPIB522、サブシステム(ESS)から1MHzのクロ
ックと共に1Mbpsでビデオデータを受け取り、9600bpsで
コマンドやステータス情報の授受を行えるようにしてい
る。
メモリとしては、ブートストラップを格納したブートRO
M535の他、フレームROM538と539、RAM536、ビットマッ
プRAM537、V−RAM542を有している。フレームROM538と
539は、ビットマップではなく、ソフトでハンドリング
しやすいデータ構造により表示画面のデータが格納され
たメモリであり、L−NETを通して表示要求が送られて
くると、CPU532によりRAM536をワークエリアとしてまず
ここに描画データが生成され、DMA541によりV−RAM542
に書き込まれる。また、ビットマップのデータは、DMA5
40がEPIB522からビットマップRAM537に転送して書き込
まれる。キャラクタジェネレータ544はグラフィックタ
イル用であり、テキストキャラクタジェネレータ543は
文字タイル用である。V−RAM542は、タイルコードで管
理され、タイルコードは、24ビット(3バイト)で構成
し、13ビットをタイルの種類情報に、2ビットをテキス
トかグラフィックかビットマップかの識別情報に、1ビ
ットをブリンク情報に、5ビットをタイルの色情報に、
3ビットをバックグラウンドかフォアグラウンドかの情
報にそれぞれ用いている。CRTコントローラ533は、V−
RAM542に書き込まれたタイルコードの情報に基づいて表
示画面を展開し、シフトレジスタ545、マルチプレクサ5
46、カラーパレット547を通してビデオデータをCRTに送
り出している。ビットマップエリアの描画は、シフトレ
ジスタ545で切り換えられる。
第24図はEPIBの構成を示す図である。EPIBは、16ビット
のCPU(例えばインテル社の80C196KA相当)555、ブート
ページのコードROM556、OSページのコードROM557、エリ
アメモリ558、ワークエリアとして用いるRAM559を有し
ている。そして、インターフェース561、ドライバ562、
トライバ/レシーバ563を通してUICBへのビットマップ
データの転送やコマンド、ステータス情報の授受を行
い、高速通信インターフェース564、ドライバ565を通し
てIPSへX,Y座標データを転送している。なお、メモリカ
ード525に対する読み/書きは、インターフェース560を
通して行う。従って、エディトパッド524やメモリカー
ド525からクローズループの編集領域指定情報やコピー
モード情報が入力されると、これらの情報は、適宜イン
ターフェース561、ドライバ562を通してUICBへ、高速通
信インターフェース564、ドライバ565を通してIPSへそ
れぞれ転送される。
(C)ディスプレイ画面構成 ユーザインターフェースにディスプレイを採用する場合
においても、多機能化に対応した情報を提供するにはそ
れだけ情報が多くなるため、単純に考えると広い表示面
積が必要となり、コンパクト化に対応することが難しく
なるという側面を持っている。コンパクタなサイズのデ
ィスプレイを採用すると、必要な情報を全て1画面によ
り提供することには表示密度の問題だけでなく、オペレ
ータにとって見やすい、判りやすい画面を提供するとい
うことからも難しくなる。
本発明のユーザインターフェースでな、ディスプレイに
コンパクトなサイズのものを採用して、その中で表示画
面、その制御に工夫をしている。特に、カラーディスプ
レイがコンソールパネルで視されているLEDや液晶表示
器に比べ、色彩や輝度、その他の表示属性の制御により
多様な表示態様を採用することができるというメリット
を生かし、コンパクトなサイズであっても判りやすく表
示するために種々の工夫をしている。
例えば画面に表示する情報を大きく分類して複数の画面
に分割し、さらに1画面単位では、詳細な情報をポップ
アップ展開にして一次画面から省くことによって必要最
小限の情報で簡潔に画面を構成するように工夫してい
る。そして、複数の情報が盛り込まれた画面では、カラ
ー表示の特徴、協調表示の特徴を出すことによって画面
画面での必要な情報の認識、識別が容易にできるように
工夫している。
(イ)画面レイアウト 第25図はディスプレイ画面の構成例を示す図であり、同
図(a)はベーシックコピー画面の構成を示す図、同図
(b)はベーシックコピー画面にポップアップ画面を展
開した例を示す図、同図(c)はクリエイティブ編集の
ペイント1画面の構成を示す図である。
本発明のユーザインターフェースでは、初期画面とし
て、第25図に示すようなコピーモードを設定するベーシ
ックコピー画面が表示される。コピーモードを設定する
画面は、ソフトコントロールパネルを構成し、第25図に
示すようにメッセージエリアAとパスウエイBに2分し
たものである。
メッセージエリアAは、スクリーンの上部3行を用い、
第1ラインはステートメッセージ用、第2ラインから第
3ラインは機能選択に矛盾がある場合その案内メッセー
ジ用、装置の異常状態に関するメッセージ用、警告情報
(メッセージ用として所定のメッセージが表示される。
また、メッセージエリアAの右端は、枚数表示エリアと
し、テンキーにより入力されたコピーの設定枚数や複写
中枚数が表示される。
パスウエイBは、各種機能の選択を行う領域であって、
バーシックコピー、エイディドフィーチャー、マーカー
編集、ビジネス編集、フリーハンド編集、クリエイティ
ブ編集、ツールの各パスウエイを持ち、各パスウエイに
対応してパスウエイタブCが表示される。また、各パス
ウエイには、操作性を向上させるためにポップアップを
持つ。パスウエイBには、選択肢であってタッチすると
機能の選択を行うソフトボタンD、選択された機能に応
じて変化しその機能を表示するアイコン(絵)E、縮拡
率を表示するインジケーターF等が表示され、ソフトボ
タンDでポップアップされるものに△のポップアップマ
ークGが付けられている。そして、パスウエイタイブC
をタッチすることによってそのパスウエイがオープンで
き、ソフトボタンDをタッチうることにのよって機能が
選択できる。ソフトボタンDのタッチによる機能の選択
は、操作性を考慮して左上から右下の方向へ向けて順に
操作するような設計となっている。
上記のように他機種との共通性、ハードコンソールパネ
ルとの共通性を最大限持たせるようにいベーシックコピ
ー画面とそと他を分け、また編集画面は、オペレータの
熟練度に合わせた画面、機能を提供するように複数の層
構造としている。さらに、このような画面構成とポップ
アップ機能とを組み合わせることにより、1画面の中で
も機能の高度なものや複雑なもの等をポップアップで表
示する等、多彩に利用しやすい画面を提供している。
ポップアップは、特定の機能に対する詳細な設定情報を
もつものであって、ポップアップのオープン機能を持た
せ、その詳細な設定情報に必要に応じてポップアップオ
ープンすることによって、各パスウエイの画面構成を見
やすく簡素なものにしている。ポップアップは、ポップ
アップマークが付いているソフトボタンをタッチしたと
きオープンする。そして、クローズボタンやキャンセル
ボタンをセレクトしたとき、オークルクリアボタンを押
したとき、オートクリア機能によりオールクリアがかか
ったとき等にクローズする。縮小拡大機能において、変
倍のソフトボタンをタッチしてポップアップをオープン
した画面の様子を示したのが第25図(b)である。
ベーシックコピー画面において、クリエイティブ編集の
パスウエイタブをタッチすると、クリエイティブ編集パ
スウエイの画面に切り変わあるが、その中のペイント1
の画面を示したのが第25図(c)である。この画面で
は、ビッドマップエリアHと誘導メッセージエリアIを
持っている。ビットマップエリアHは、スクリーンの左
上を用い、エディットパッド上で編集エリアを指定した
場合等において、そのエリアを白黒でビットマップ表示
できるようにしている。また、誘導メッセージエリアI
は、スクリーン左下を用い、編集作業に対応してユーザ
を誘導するもので、作業により変わる。スクリーン上で
は、これらビットマップエリアH、誘導メッセージエリ
アIとスクリーン上部のメッセージエリアAを除いた部
分をワークエリアとして用いる。
(ロ)ベーシックコピー画面 ベーシックコピーのパスウエイは、第25図(a)に示す
ようにカラーモード、用紙選択、縮小拡大、コピー画
質、カラーバランス、ジョブプログラムの各機能選択の
ソフトボタン(選択肢)を有していると共に、マーカー
編集、ビジネス編集、フリーハンド編集、クリエイティ
ブ編集、さらにエイディドフィーチャー、ツールの各パ
スウエイタブを有している。このパスウエイは、初期の
パスウエイであり、パワーオンやオールクリアボタンの
後、オートクリア時等に表示される。
カラーモードは、Y、M、C、K、4種類のトナーによ
りコピーをとるフルカラー(4パスカラー)、Kを除い
た3種のトナーによりコピーをとる3パスカラー、12色
の中から1色を選択できるシングルカラー、黒、黒/赤
の選択肢を持ち、自動選択されるデフォルトは任意に設
定できるようになっている。ここで、シングルカラー、
黒/赤の選択肢は、詳細な設定項目を持つことから、そ
の項目がポップアップ展開される。
用紙選択は、自動用紙選択(APS)、トレイ1、2、カ
セット3、4の選択肢を持ち、APSは、縮小拡大におい
て特定倍率が設定されている場合に成立し、自動倍率
(AMS)が設定されている場合には成立しない。デフォ
ルトはAPSである。
縮小拡大は、100%、用紙が選択されている場合にその
用紙サイズと原稿サイズから倍率を設定するAMS、任意
変倍の選択肢を持ち、トップのインジケータに設定され
た倍率、算出された倍率、又は自動が表示される。変倍
では、50%〜400%までの範囲で1%刻みの倍率が設定
でき、縦と横の倍率を独立に設定(偏倍)することもで
きる。したがって、これらの詳細な設定項目は、ポップ
アップ展開される。なお、デフォルトは100%である。
先に述べたようにこの縮小拡大は、スキャンスピードの
変更によって副操作方向(X方向)、IPSのラインメモ
リからの読み出し方法の変更によって主走査方向(Y方
向)の縮小拡大を行っている。
コピー画質は、白黒原稿に対しては自動濃度調整を行
い、カラー原稿に対しては自動カラーバランス調整を行
う自動とポップアップにより7ステップの濃度コントロ
ールが行える手動の選択肢を持ち、IPSにおいてそのコ
ントロールが行われる。
カラーバランスは、ポップアップによりコピー上で減色
したい色をY、M、C、B、G、Rから指定し、IPSに
おいてそのコントロールが行われる。
ジョブプログラムは、メモリカードが読み取り装置のス
ロットに挿入されている時のみその選択肢が有効とな
り、このモードでは、ポップアップによりメモリカード
からのジョブの読み込み、メモリカードへのジョブの書
き込みが選択できる。メモリカードは、例えば最大8ジ
ョブが格納できる32kバイトの容量のものを用い、フィ
ルムプロジェクターモードを除く全てのジョブをプログ
ラム可能にしている。
(ハ)エイディドフィーチャー画面 エイディドフィーチャーのパスウエイは、コピーアウト
プット、コピーシャープネス、コピーコントラスト、コ
ピーポジション、フィルムプロジェクター、ページプロ
グラミング、ジョブプログラム、とじ代の各機能選択の
ソフトボタン(選択肢)を有していると共に、マーカー
編集、ビジネス編集、フリーハンド編集、クイエイティ
ブ編集、さらにベーシックコピー、ツールの各パスウエ
イタブを有している。
コピーアウトプットは、トップトレイに出力するかソー
トモードの選択肢を持つ。デフォルトはトップトレイで
あり、ソータが装備されていない場合、この項目は表示
されない。
コピーシャープネスは、標準と、ポップアップにより7
ステップのコントロールができるマニュアルと、ポップ
アップにより写真、文字(キャラクタ)、プリント、写
真/文字に、分類される写真との選択肢を持ち、IPSに
おいてそのコントロールが行われる。デフォルトは任意
に設定できる。
コピーコントラストは、7ステップのコントラストコン
トロールが選択できる。コピーポジションは、デフォル
トで用紙のセンターにコピー像のセンターを載せるオー
トセンター機能の選択肢を持つ。
フィルムプロジェクターは、別項により説明しているよ
うに各種フィルムからコピーをとるモードであり、ポッ
プアップによりプロジェクターによる35mmtネガや35mm
ポジ、プラテン上での35mmネガや6cm×6cmスライドや
4″×5″スライドの選択肢を持つ。
ページプログラミングは、コピーにカパーを付けるカパ
ー、コピー間に白紙又は色紙を挿入するインサート、原
稿のページ別にカラーモードで設定できるカラーモー
ド、原稿のページ別にトレイが選択できる用紙の選択肢
を持つ。なお、この項目は、ADFがないと表示されな
い。
とじ代は、0〜30mmの範囲で1mm刻みの設定ができ、1
原稿に対し1ヶ所のみ指定可能にしている。とじ代量
は、用紙先端からイメージ領域の先端までの量であり、
主走査方向はIPSのラインバッファを用いたシフト操作
によって、副操作方向はIITのスキャンタイミングをず
らすことによって生成している。
(ニ)編集画面およびツール画面 編集画面としては、マーカー編集、ビジネス編集、フリ
ーハンド編集、クリエイティブ編集の4つのパスウエイ
がある。
マーカー編集パスウエイおよびフリーハンド編集パスウ
エイは、抽出、削除、色かけ(網/線/ベタ)、色変換
に関する各機能の選択肢を持ち、さらにベーシックコピ
ー、エイディドフィーチャー、ツールのパスウエイタブ
を持つ。
ビジネス編集パスウエイは、抽出、削除、色かけ(網/
線/ベタ)、色変換、色塗り、ロゴ挿入、とじ代に関す
る各機能の選択肢を持ち、さらにマーカー編集パスウエ
イ等と同様にベーシックコピー、エイディドフィーチャ
ー、ツールのパスウエイタブを持つ。
クリエイティブ編集パスウエイは、抽出、削除、色かけ
(網/線/ベタ)、色変換、色塗り、ロゴ挿入、とじ
代、ネガポジ反転、はめこみ合成、すかし合成、ペイン
ト、鏡像、リピート、拡大連写、部分移動、コーナー/
センター移動、マニュアル/オート変倍、マニュアル/
オート偏倍、カラーモード、カラーバランス調整、ペー
ジ連写、色合成に関する各機能の選択肢を持ち、さらに
マーカー編集パスウエイ等と同様にベーシックコピー、
エイディドフィーチャー、ツールのパスウエイタブを持
つ。
ツールパスウエイは、暗証番号を入力することによって
キーオペレータとカスタマーエンジニアが入れるもので
あり、オーディトロン、マシン初期値のセットアップ、
各機能のデフォルト選択、カラーの登録、フィルムタイ
プの登録、登録カラーの微調整、マシンの各種選択肢の
プリセット、フィルムプロジェクタースキャンエリア設
定、オーディオトーン(音種、音量)、用紙搬送系その
他の各種(オートクリア等)のタイマーセット、ビリン
グメーター、デュアルランゲージの設定、ダイアグモー
ド、最大値調整、メモリカードのフォーマットに関する
各機能の選択肢を持つ。
デフォルト選択は、カラーモード、用紙選択、コピー濃
度、コピーシャープネス、コピーコントラスト、ページ
プログラミングの用紙トレイ、シングルカラーの色、色
かけのカラーパレットの色と網、ロゴタイプのパター
ン、とじ代量、カラーバランスがその対象となる。
(ホ)その他の画面制御 ユーザインターフェースでは、常時コピーの実行状態を
監視することにより、ジャムが発生した場合には、その
ジャムに応じた画面を表示する。また、機能設定では、
現在表示されている画面に対するインフォメーション画
面を有し、適宜表示可能な状態におかれる。
なお、画面の表示は、ビットマップエリアを除いて幅3m
m(8ピクセル)、高さ6mm(16ピクセル)のタイル表示
を採用しており、横が80タイル、縦が25タイルである。
ビットマップエリアは縦151ピクセル、横216ピクセルで
表示される。
以上のように本発明のユーザインターフェースでは、ベ
ーシックコピー、エイディドフィーチャー、編集等の各
モードに類別して表示画面を切り換えるようにし、それ
ぞれのモードで機能選択や実行条件の選定等のメニュー
を表示すると共に、ソフトボタンをタッチすることによ
り選択肢を設定したり実行条件データを入力できるよう
にしている。また、メニューの選択肢によってはその詳
細項目をポップアップ表示(重ね表示やウインドウ表
示)して表示内容の拡充を図っている。その結果、選択
可能な機能や設定条件が多くても、表示画面をスッキリ
させることができ、操作性を向上させることができる。
(D)ハードコントロールパネル ハードコントロールパネルは、第20図に示すようにカラ
ーデイスプレイの右側に画面よりもさらに中央を向くよ
うな角度で取り付けられ、テンキー、テンキークリア、
オールクリア、ストップ、割り込み、スタート、インフ
ォメーション、オーディトロン、言語の各ボタンが取り
付けられる。
テンキーボタンは、コピー枚数の設定、ダイアグモード
におけるコード入力やデータ入力、ツール使用時の暗証
番号の入力に用いるものであり、ジョブの発生中やジョ
ブ中断中は無効となる。
オールクリアボタンは、設定したコピーモードの全てを
デフォルトに戻し、ツール画面のオープン中を除き、ベ
ーシックコーピ画面に戻すのに用いるものであり、割り
込みジョブの設定中では、コピーモードがデフォルトに
戻るが、割り込みモードは解除されない。
ストップボタンはジョブ実行中にコピーの切れ目でジョ
ブを中断し、コピー用紙を排出後マシンを停止させるの
に用いるものである。また、ダイアグモードでは、入出
力のチェック等を停止(中断)させるのに用いる。
割り込みボタンは、ジョブ中断中を除く第1次ジョブ中
で割り込みモードに入り、割り込みジョブ中で第1次ジ
ョブに戻すのに用いるものである。また第1次ジョブの
実行中にこのボタンが操作されると、予約状態となり、
コピー用紙排出の切れ目でジョブを中断又は終了して割
り込みのジョブに入る。
スタートボタンは、ジョブの開始、中断後の再開に用い
るものであり、ダイアグモードでは、コード値やデータ
値の入力セーブ、入出力等の開始に用いる。マシン余熱
中にスタートボタンが走査されると、余熱終了時点でマ
シンはオートスタートする。
インフォメーションボタンは、オンボタンとオフボタン
からなり、コピー実行中を除き受付可能な状態にあっ
て、オンボタンにより現在表示されている画面に対する
インフォメーション画面を表示し、オフボタンにより退
避させるのに用いるものである。
オーディトロンボタンは、ジョブ開始時に暗証番を入力
するために操作するものである。
ランゲージボタンは、表示画面の言語を切り換えるとき
に操作するものである。したがって、各表示画面毎に複
数言語のデータを持ち、選択できるようにしている。
なお、ハードコントロールパネルには、上記の各ボタン
の他、ボタンの操作状態を表示するために適宜LED(発
光ダイオード)ランプが取り付けられる。
(II−5)フィルム画像読取り装置 (A)フィルム画像読取り装置の概略構成 第2図に示されているように、フィルム画像読取り装置
は、フィルムプロジェクタ(F/P)64およびミラーユニ
ット(M/U)65から構成されている。
(A−1)F/Pの構成 第26図に示されているように、F/P64はハウジング601を
備えており、このハウジング601に動作確認ランプ602、
マニュアルランプスイッチ603、オートフォーカス/マ
ニュアルフォーカス切り換えスイッチ(AF/MF切り換え
スイッチ)604、およびマニュアルフォーカス操作スイ
ッチ(M/F操作スイッチ)605a,605bが設けられている。
また、ハウジング601は開閉自在な開閉部606を備えてい
る。この開閉部606の上面と側面とには、原稿フィルム6
33を保持したフィルム保持ケース607をその原稿フィル
ム633に記録されている被写体の写し方に応じて縦また
は横方向からハウジング601内に挿入することができる
大きさの孔608,609がそれぞれ穿設されている。これら
孔608,609の反対側にもフィルム保持ケース607が突出す
ることができる孔(図示されない)が穿設されている。
開閉部606は蝶番によってハウジング601に回動可能に取
り付けられるか、あるいはハウジング601に着脱自在に
取り付けるようになっている。開閉部606を開閉自在に
することにより、孔608,609からハウジング601内に小さ
な異物が侵入したときに容易にこの異物を取り除くこと
ができるようにしている。
このフィルム保持ケース607は35mmネガフィルム用のケ
ースとポジフィルム用のケースとが準備されている。し
たがって、F/P64はこれらのフィルムに対応することが
できるようにしている。また、F/P64は6cm×6cmや4inch
×5inchのネガフィルムにも対応することができるよう
にしている。その場合、このネガフィルムをM/U65とプ
ラテンガラス31との間でプラテンガラス31上に密着する
ようにしている。
第26図に示されているように、ハウジング601の図にお
いて右側面には映写レンズ610を保持する映写レンズ保
持部材611が摺動自在に指示されている。
また、ハウジング601内にはリフレタ612およびハロゲン
ランプ等からなる光源ランプ613が映写レンズ610と同軸
上に配設されている。ランプ613の近傍には、このラン
プ613を冷却するための冷却用ファン614が設けられてい
る。更に、ランプ613の右方には、このランプ613からの
光を収束するための非球面レンズ615、所定の波長の光
線をカットするための熱線吸収フィルタ616および凸レ
ンズ617がそれぞれ映写レンズ610と同軸上に配設されて
いる。
凸レンズ617の右方には、例えば35mmネガフィルム用お
よびポジフィルム用のフィルム濃度を調整するための補
正フィルタ635(図では一方のフィルム用の補正フィル
タが示されている)を指示する補正フィルタ保持部618
と、この補正フィルタ保持部材618の駆動用モータ619
と、補正フィルタ保持部材618の回転位置を検出する第
1および第2位置検出センサ620,621と駆動用モータ619
を制御するコントロール装置(F/P64内に設けられるが
図示されていない)とをそれぞれ備えた補正フィルタ自
動交換装置が設けられている。そして、補正フィルタ保
持部材618に保持された補正フィルタ635のうち、原稿フ
ィルム633に対応した補正フィルタ635を自動的に選択し
て映写レンズ610等の各レンズと同軸上の使用位置に整
合するようにしている。この補正フィルタ自動変換装置
の補正フィルタ635は、例えばプラテンガラス31とイメ
ージングユニット37との間等、投影光と光軸上であれば
どの場所にも配設することができる。
更に、映写レンズ保持部材611に連動するオートフォー
カスセンサ用発光器623および受光器624と、映写レンズ
610の映写レンズ保持部材611をハウジング601に対して
摺動させる摺動用モータ625とを備えたオートフォーカ
ス装置が設けられている。フィルム保持ケース607が孔6
08または孔609からハウジング601内に挿入されたとき、
このフィルム保持ケース607内に支持された原稿フィル
ム633は補正フィルタ保持部材618と発光器623および受
光器624との間に位置するようにされている。原稿フィ
ルム635のセット位置の近傍には、この原稿フィルム633
を冷却するためのフィルム冷却用ファン626が設けられ
ている。
このF/P64の電源はベースマシン30の電源とは別に設け
られるが、このベースマシン30内に収納されている。
(A−2)M/Uの構成 第27図に示されているように、ミラーユニット65は底板
627とこの底板627に一端が回動可能に取り付けられたカ
バー628とを備えている。底板627とカバー628との間に
は、一対の支持片629,629が枢着されており、これら支
持片629,629は、カバー628を最大に開いたときこのカバ
ー628と底板627とのなす角度が45度となるようにカバー
628を支持するようになっている。
カバー628の裏面にはミラー630が設けられている。また
底板627には大きな開口が形成されていて、この開口を
塞ぐようにしてフレネルレンズ631と拡散板632とが設け
られている。
第29図に示されているように、これらフレネルレンズ63
1と拡散板632とは一枚のアクリル板からなっており、こ
のアクリル板の表面にフレネルレンズ631が形成さてい
るとともに、裏面に拡散板632が形成されている。フレ
ネルレンズ631はミラー630によって反射され、拡散しよ
うとする映写光を平行な光に変えることにより、画像の
周辺部が暗くなるのを防止する機能を有している。また
拡散板632は、フレネルレンズ631からの平行光によって
形成される、イメージングユニット37内のセルフォック
レンズ224の影をラインセンサ226が検知し得ないように
するために平行光を微小量拡散する機能を有している。
このミラーユニット65はF/64によるカラーコピーを行わ
ないときには、折畳まれて所定の保管場所に保管され
る。そして、ミラーユニット65は使用する時に開かれて
ベースマシン30のプラテンガラス31上の所定の場所に載
置される。
(B)フィルム画像読取り装置の主な機能 フィルム画像読取り装置は、以下の主な機能を備えてい
る。
(B−1)補正フィルタ自動交換機能 F/P64に光源ランプ613として一般に用いられているハロ
ゲンランプは、一般的に赤(R)が多く、青(B)が少
ないという分光特性を有しているので、このランプ613
でフィルムを映写すると、投影光の赤(R)、緑(G)
および青(B)の比がランプ613の分光特性によって影
響を受けてしまう。このため、ハロゲンランプを用いて
映写する場合には、分光特性の補正が必要となる。
一方、画像を記録するフィルムには、ネガフィルムやポ
ジフィルム等の種類があるばかりでなく、ネガフィルム
自体あるいはポジフィルム自体にもいくつかの種類があ
るように、多くの種類がある。これらのフィルムはそれ
ぞれその分光特性が異なっている。例えば、ネガフィル
ムにおいてはオレンジ色を示しており、Rの透過率が多
いのに対してBの透過率が少ない。このため、ネガフィ
ルムにおいては、Bの光量を多くなるように分光特性を
補正する必要がある。
そこで、F/P64には、このような分光特性を補正するた
めの補正フィルタが準備されている。
F/P64はこれらの補正フィルタを自動的に交換すること
ができるようにしている。補正フィルタの交換は、前述
の補正フィルタ自動変換装置によって行われる。すなわ
ち、原稿フィルム633に対応した補正フィルタを使用位
置にセットするように、システム(SYS)内のマイクロ
プロセッサ(CPU)から2bitの命令信号が出力される
と、コントロール装置は、第1、第2位置検出センサ62
0,621からの2bit信号がCPUの信号に一致するように、駆
動用モータ619を駆動制御する。そして、センサ620,621
からの信号がCPUの信号に一致すると、コントロール装
置はモータ619を停止させる。モータ619が停止したとき
には、原稿フィルムに対応した補正フィルタが自動的に
使用位置にセットされるようになる。
したがって、補正フィルタを簡単かつ正確に交換するこ
とができるようになる。
(B−2)原稿フィルム挿入方向検知機能 原稿フィルム633は開閉部606に形成された挿入孔608,60
9のいずれの孔からも挿入することができるが、すなわ
ち、被写体の写し方に対応して鉛直方向からと水平方向
からとの二方向から原稿フィルム633を装着することが
できるようにしている。その場合、挿入孔608,609の少
なくともいずれか一方にはフィルム検知スイッチが設け
られている。すわなち、フィルム検知スイッチが少なく
とも一つ設けられている。そして、フィルム検知スイッ
チが孔608側に設けられるが孔609側には設けられない場
合には、フィルム保持ケース607が孔608から挿入されて
フィルムが検知されたときオンとなって、検知信号を出
力する。この検知信号たあるときにはラインセンサ226
の必要エリアは縦、すなわち副走査方向が投影像の長手
方向となるように設定される。また、フィルム保持ケー
ス607が孔609から挿入されたとき、このスイッチはオフ
状態を保持するので検知信号を出力しない。検知信号が
ないときには必要エリアは横、すなわち主走査方向が投
影像の長手方向となるように設定される。
また、フィルム検知スイッチが孔609側のみに設けられ
ている場合、あるいはフィルム検知スイッチ両方の孔60
8,609側に設けられている場合にも、同様に、フィルム
保持ケース607が孔608から挿入されたときにラインセン
サ226の必要エリアは副走査方向が投影像の長手方向と
なるように、またフィルム保持ケース607が孔609から挿
入されたときにラインセンサ226の必要エリアは主走査
方向が投影像の長手方向となるように、フィルム検知ス
イッチのオン、オフ信号が設定される。
(B−3)オートフォーカス機能(AF機能)フィルム保
持ケース607をF/P64に装着したとき、原稿フィルム633
の装着位置には数十mmの精度が要求される。このため、
原稿フィルム633を装着した後、ピント合わせが必要と
なる。このピント合わせを手動で行う場合、プラテンガ
ラス31の所定位置にセットされたM/U65の拡散板632に原
稿フィルム633の画像を投影し、その投影画像を見なが
ら映写レンズ保持部材611を摺動させて行わなければな
らない。その場合、拡散板632に投影された画像はきわ
めて見にくいので、正確にピントを合わせることは非常
に難しい。
そこで、原稿フィルム633をF/P64に装着したとき、F/P6
4は自動的にピント合わせを行うことができるようにし
ている。
このAF機能は前述のAF装置により次のようにして行われ
る。
U/I36のディスプレイ上のキーを操作してF/Pモードにす
ることにより、発光器623が光を発し、また第26図にお
いて、F/P64のAF/MF切り換えスイッチ604をAFに選択す
ることにより、AF装置が作動可能状態となる。第29図に
示されているように、原稿フィルム633が入っているフ
ィルムケース607をF/P64に装着すると、発光器623から
の光がこの原稿フィルム633によって反射するようにな
り、その反射光がAFのため例えば2素子型の受光器624
によって検知される。
そして、受光器624の素子はそれぞれが検知した反射光
の量に応じた大きさの信号をCPU634に出力する。CPU634
はこれらの信号の差を演算し、その演算結果が0でない
ときには出力信号を発して2素子からの信号の差が小さ
くなる方向にモータ625を駆動する。したがって、映写
レンズ保持部材611が摺動するとともに、これに連動し
て、発光器623および受光器624がともに移動する。そし
て、2素子からの出力信号の差が0になると、CPU634は
モータ625を停止する。モータ625が停止したときがピン
トの合った状態となる。
こうして、AF作動が行われる。これにより、原稿フィル
ムを入れたフィルムケースをF/P64に装着したとき、そ
の都度手段によりピント合わせを行わなくても済むよう
になる。したがって、手間がかからないばかりでなく、
ピントずれによるコピーの失敗が防止できる。
(B−4)マニュアルフォーカス機能(MF機能) AF/MF切り換えスイッチ604をMFに切り換えることによ
り、自動的にランプ613が所定時間点灯し、手動でピン
ト合わせを行うことができるようになる。MFの操作は、
ミラユニット65の拡散板632に映写した原稿フィルムの
画像を見ながら、操作スイッチ605a,605bを押すことに
より行われる。このMFにより、フィルム画像の特定の部
分のピントを合わせることができるようになる。
(B−5)光源ランプのマニュアル点灯機能 マニュアルランプスイッチ603を押すことにより無条件
にランプ613を点灯させることができるようにしてい
る。このスイッチは通常は使用しないが、比較的厚さの
厚いものに記憶されている画像をコピーする場合におい
てバックライティングするとき、AF時に長時間映写像を
見るとき、およびランプ切れを確認するとき等に使用さ
れる。
(B−6)倍率自動変更および変更スキャンエリア自動
変換機能 U/I36で用紙サイズを設定することにより、倍率を自動
的に設定することができるようにしている。また、U/I3
6で原稿フィルムの種類を選択することにより、そのフ
ィルムに応じてコピーエリアを自動的に選択することが
できるようにしている。
(B−7)自動シェーディング補正機能 CPU634のROMには、一般に、写真撮影によく使用される
ネガフィルムであるFUJI(登録商標)、KODAK(登録商
標)およびKONICA(登録商標)の名ASA100のオレンジマ
スクの濃度データが記憶されており、これらのフィルム
が選択されたとき、CPU634は記憶された濃度データに基
づいて自動的にシェーディング補正を行うことができる
ようにしている。その場合、これらのフィルムのベース
フィルムをF/P64に装着する必要はない。
したがって、ベースフィルムを装着する手間を省くこと
ができるばかりでなく、間違ってベースフィルムを装着
するとが防止でき、しかもベースフィルムの管理が不要
となる。
また、この3種類のフィルム以外に他のフィルムの一種
類について、そのフィルムのオレンジマスクの濃度デー
タを登録することができるようにしている。このデータ
は複写器のシステム内のRAMに記憶されるようにしてい
る。この登録されたフィルムの場合にも前述の3種類の
フィルムの場合と同様に自動的にシェーディング補正が
行われる。
(B−6)自動画質調整機能 原稿フィルムの濃度特性やフィルム撮影時の露光条件等
の諸条件に基づいてΓ補正等の補正を行い濃度調整やカ
ラーバランス調整を自動的に行うことができるようにし
ている。
(C)画像信号処理 (C−1)画像信号の補正の必要性およびその補正の原
理 一般にフィルムの持っている濃度レンジは原稿の濃度レ
ンジよりも広い。また、同じフィルムでも、ポジフィル
ムの濃度レンジはネガフィルムのそれよりも広いという
ようにフィルムの種類によっても濃度レンジが異なる。
更に、フィルムの濃度レンジは、例えばフィルムの露光
量、被写体の濃度あるいは撮影時の明るさ等の原稿フィ
ルムの撮影条件よって左右される。実際に、被写体濃度
はフィルムの濃度レンジ内で広く分布している。
したがって、このようなフィルムに記録されている画像
を、反射光によって原稿をコピーする複写器でコピーし
ようとする場合、同じ信号処理を行ったのでは、良好な
再現性は得られない。そこで主要被写体の濃度が適正と
なるように画像読取り信号を適宜補正することにより、
良好な再現性を得るようにしている。
第28図は、あるネガフィルムの濃度特性および濃度補正
の原理を示している。この図において、横軸は、右半分
が被写体の露光量(被写体濃度に相当する)を表わし、
左半分がシェーディング補正後の濃度を表わしている。
また、縦軸は、上半分かビデオ回路出力(ほぼネガ濃度
に等しい)を表わし、下半分が出力コピー濃度を表わし
ている。すなわち、第1象限はそのネガフィルムの濃度
特性を、第2象限はシェーディング補正の関係を、第3
象象限はΓ補正の関係を、そして第4象限は被写体露光
量と補正された出力コピー濃度との関係をそれぞれ表わ
している。
このネガフィルムの濃度特性は、第28図の第1象限にお
いて線αで示される。すなわち、被写体からの露光量が
多いときにはネガフィルムの濃度が大きく、被写体から
の露光量が少なくなるにしたがって、ネガフィルム濃度
が線形的に小さくなる。被写体からの露光量がある程度
少なくなると、被写体からの露光量とネガフィルム濃度
との線形性がなくなる。そして、この露光量が少ない場
合には、例えば、そのフィルムに記録されている画像が
人間の胸像であるとすると、顔と髪の毛とのコントラス
トがとれなくなってしまう。また、露光量が多い場合で
も、線αの傾き、すなわちΓの値が1よりも小さいので
Γ補正を行わないと、コピーが軟調になってしまう。
このようなことから、Γ補正が必要となる。
次に、第28図を用いて補正の原理を説明する。同第3象
限には、Γ補正のためのENDカーブβが設定されてい
る。このENDカーブβの傾きΓは、第4象限において被
写体からの露光と出力コピー濃度との関係が45度の直線
関係となるようにするために、Γ′=1/Γに設定されて
いる。
例えば、被写体からの露光量が比較的多い領域aの場
合、シェーディング補正回路のレジスタに設定されてい
る濃度調整値が、第2象限において直線で表わされる
値にあるとすると、シェーディング補正後の濃度は領域
a′となる。この領域a′のうち領域についてはENDカ
ーブβの変換範囲に入らなくなり、この領域の部分はコ
ピーをすると白くつぶれてしまう。そこで、第2象限に
おいて濃度調整値を直線から直線にシフトして、シ
ェーディング補正後の濃度をENDカーブβの変換範囲に
入るようにする。このようにすることにより、被写体か
らの露光量と出力コピー濃度との関係が第4象限におい
て45度の直線に従うようになって、コピーは階調をも
った濃度を有するようになる。
また、被写体からの露光量が比較的小さい領域bの場合
には、被写体からの露光量とネガフィルム濃度との線形
性がなくなる。この場合には、シェーディング補正回路
の濃度調整値を第2象限において直線の値に設定す
る。そして第3象限において線で表わされるENDカー
ブβを選択する。このENDカーブβを選択することによ
り、被写体からの露光量と出力コピー濃度とが第4象限
の45度の直線で表わされるようにすることができる。す
なわち、被写体からの露光量が領域bにあるとき、例え
ば黒い髪の人が茶色い帽子をかぶっているとすると、髪
と帽子とがほとんど同じ濃度になってしまうことが防止
され、髪と帽子とのコントラストを明瞭に出すことがで
きるようになる。
こうして、被写体の濃度が適正となるように補正が行わ
れる。
(C−2)画像信号処理方法 第29図に示されているように、ラインセンサ226が原稿
フィルム633の画像の映写光をR、G、B毎の光量とし
てアナログで読み取り、この光量で表わされた画像信号
は増幅器231によって所定レベルに増幅される。増幅さ
れた画像信号はA/Dコンバータ235によってディジタル信
号に変換され、更にログ変換器238によって光量信号か
ら濃度信号に変換される。
濃度で表わされた画像信号はシェーディング補正回路23
9によってシェーディング補正がされる。このシェーデ
ィング補正によって、セルフォックレンズ224の光量ム
ラ、ラインセンサ226における各画素の感度ムラ、補正
フィルタやランプ613の各分光特性や光量レベルのバラ
ツキ、あるいは経時変化による影響分が画像信号から取
り除かれる。
このシューディング補正を行うに先立って、まず原稿フ
ィルムが前述の3種類のフィルムおよび登録されたフィ
ルムが選択されたときには、補正フィルタがポジフィル
ム用フィルタにセットされ、原稿フィルム633を装着し
ない状態でランプ613からの光量信号を読み取り、その
信号を増幅してディジタル信号に変換した後、さらに濃
度信号に変換したものに基づいて得られたデータを基準
データとしてラインメモリ240に記憶させる。すなわ
ち、イメージングユニット37をR、G、Bの各画素毎に
32ラインステップスキャンしてサンプリングし、これら
のサンプリングデータをラインメモリ240を通してCPU63
4に送り、CPUT634が32のラインのサンプリングデータの
平均濃度値を演算し、シェーディングデータをとる。こ
のように平均をとることにより、各画素毎のエラーをな
くすようにしている。
また、原稿フィルムを装着してその原稿フィルムの画像
の読取り時に、CPU634はROMに記憶されているネガフィ
ルムの濃度データから濃度調整器DADjを演算し、シェ
ーディング補正回路239内のLSIのレジスタに設定されて
いるDADj値を書き換える。更に、CPU634は選択された
フィルムに対応してランプ613の光量および増幅器643の
ゲインを調整する。
そして、シェーディング補正回路239は原稿フィルムを
読み取った実際のデータにDADj値を加えることによ
り、読み取った濃度値をシフトさせる。更に、シェーデ
ィング補正回路239はこれらの調整がされたデータから
各画素毎のシェーディングデータを引くことによりシェ
ーディング補正を行う。
なお、CPU634のROMに記録されていなく、かつシステム
のRAMに登録されていないフ ィルムの場合には、ベースフィルムを装着してそのフィ
ルムの濃度データを得、得られた濃度データからDADj
値を演算しなければならない。
シェーディング補正が終ると、IIT32はIPS33にR、G、
Bの濃度信号を出力する。
そして、CPU634は原稿フィルムの実際のデータに基づい
てENDカーブを選択し、この選択したカーブに基づいて
Γ補正を行うべく補正信号を出力する。この補正信号に
より、IPS33はΓ補正を行って原稿フィルムのΓが1で
ないことや非線形特性から生じるコントラストの不明瞭
さを補正する。
(D)操作手順および信号のタイミング 第30図に基づいて、操作手順および信号のタイミングを
説明する。なお、破線で示されている信号は、その信号
を用いてもよいことを示している。
F/P64の操作は、主にベースマシン30のU/I36によって行
われる。すなわち、U/I36にディスプレイの画面に表示
されるF/P操作キーを操作することにより、ベースマシ
ン30をF/Pモードにする。原稿フィルムが前記3種類の
フィルムおよび登録されているフィルムのうちの一つで
ある場合を想定すると、第30図に示されているように、
U/I36のディスプレイの画面には、「ミラーユニットを
置いてからフィルムの種類を選んで下さい」と表示され
る。したがって、まずM/U65を開いてプラテンガラス31
の所定位置にセットする。
次いで、画面上のフィルム選択キーを押すと、画面には
「フィルムを入れずにお待ち下さい」と表示される。同
時に、ランプ613が点灯するとともに、補正フィルタ制
御(FC CONT)信号が(0,0)となってFC動作が行われ
る。すなわち、補正フィルタ自動交換装置が作動してポ
ジ用補正フィルタが使用位置にセットされる。補正フィ
ルタがセットされると、 がLOWとなる。
このLOWとなったことかつランプ613が点灯して3〜5秒
経過したことをトリガーとしてシェーディング補正のた
めのシェーディングデータの採取が開始される。このシ
ェーディングデータ採取が終了すると、この終了をトリ
ガーとしてFC CONTが(0,1)となって補正フィルタ自
動交換装置が作動し、フィルム補正用フィルタが使用位
置にセットされる。また、シェーディング補正をトリガ
ーとして画面には「ピントを合わせます。フィルムを入
れて下さい」と表示されるとともに、ランプ613が消灯
する。したがって、原稿フィルム633を入れたフィルム
ケース607をF/P64に装着する。これにより、発行器623
からの光がこのフィルムによって反射され、その反射光
が受光器624によって検知される。
反射光が受光器624の2素子間の受光量の差分が0でな
いときには、AF装置のモータ625が作動し、ピントが合
わされる。すなわち、AF作動が行われる。ピント合わせ
が終了すると、 がLOWとなる。この がLOWになった後でかつFC SETがLOWとなって1秒経過
した後に、画面には「コピーできます」と表示される。
U/I36のスタートキーを押すと、画面には「コピー中で
す」と表示され、かつランプ613が点灯するとともに、
ランプ613の立ち上がり時間を待って自動濃度調整(A/
E)のためのデータの採取が開始される。すなわち、濃
度調整、カラーバランス調整、Γ補正等を行うためのデ
ータを得るためにイメージングユニット37が一回スキャ
ンして、投影像の一部または全部を読み取る。
次いで、フルカラーのときには、イメージングユニット
37が4回スキャンしてコピーが行われる。その場合、シ
ェーディングデータおよび自動濃度調整用データに基づ
いてシェーディング補正および濃度調整が自動的に行わ
れる。コピーが終了すると、ランプ613が消灯するとと
もに、画面には「コピーできます」と表示される。した
がって、再びスタートキーを押すと、新たにコピーが行
われる。他の画像をコピーしたい場合には、フィルムの
コマを変えることになる。コマを変える際、F/P RDYが
HIGHとなるとともに画面には「ピントを合わせます」と
表示される。そして、新しいコマがセットされると、AF
動作が行われ、同時に、F/P RDYがLOWとなるととも
に、画面には「コピーできます」と表示される。その
後、スタートキーを押すことにより、コピーが行われ
る。
(III)イメージ入力ターミナル(IIT) 本発明の実施例を複写機のイメージ入力ターミナルを例
にして説明する。
(III−1)イメージングユニット駆動機構 第31図は、イメージングユニット駆動機構の斜視図を示
し、イメージングユニット37は、2本のスライドシャフ
ト202、203上に移動自在に載置されると共に、両端はワ
イヤ204、205に固定されている。このワイヤ204、205は
ドライブプーリ206、207とテンションプーリ208、209に
巻回され、テンションプーリ208、209には、図示矢印方
向にテンションがかけられている。前記ドライブプーリ
206、207が取付けられるドライブ軸210には、減速プー
リ211が取付けられ、タイミングベルト212を介してステ
ッピングモータ213の出力軸214に接続されている。な
お、リミットスイッチ215、216は、イメージングユニッ
ト37の異常動作を検出するためのセンサであり、レジセ
ンサ217は、原稿読取開始位置の基準点を設定するため
のセンサである。
イメージングユニット37を駆動するためにステッピング
モータ213を採用する理由は次のとりである。1枚の
R、G、B、K4色カラーコピーを得るためには、イメー
ジングユニット37は4回のスキャンを繰り返す必要があ
る。この場合、4回のスキャン内の同期ずれ、位置ずれ
をいかに少なくさせるかが大きな課題であり、そのため
には、イメージングユニット37の停止位置の変動を抑
え、ホームポジションからレジ位置までの到達時間の変
動を抑えることおよびスキャン速度変動に再現性がある
ことが重要である。しかしながら、DCサーボモータを使
用すると、イメージングユニット37の停止位置の変動と
ホームポジションからレジ位置までの到達時間の変動を
抑えること困難であるため、ステッピングモータ213を
採用している。
しかながら、ステッピングモータ213はDCサーボモータ
に比較して振動、騒音が大きく、また、タイミングベル
ト212、ワイヤ204、205の経時変化、スライドパッドと
スライドレール202、203間の粘性抵抗等の機械的な不安
定要因によっても振動が生じる。従って、画像記録装置
の高画質化、高速化のためにはその対策が必要である。
そのために、本実施例においては、2本のスライドシャ
フト202(203)を平行に設け、第32図に示すように、イ
メージングユニットのハウジング37aとスライドシャフ
ト202(203)との間には、アングル37b、板バネ37cによ
り含油パッドPを介在させることにより、イメージング
ユニット37の主走査方向の振動を規制している。
また、第2図で示したIIT32および電気制御系収納部33
を収納する箱体に振動防止の工夫を施している。これを
第33図により説明する。(a)は箱体の断面図、(b)
は箱体を形成する鋼板の断面図、(c)は箱体の組立図
を示している。
(a)に示すように、イメージングユニット37を指示す
る箱体32aと電子制御系収納箱体33aとを別体で構成する
と共に、箱体32a、33aに(c)に示すようにフランジ21
9bを設けることにより、イメージングユニット37の剛性
を向上させ振動、騒音の発生を防いでいる。前記箱体32
a、33aは、(b)に示すように2枚の鋼板の間に粘着テ
ープ等の防振材218を挟んだサンドイッチ鋼板219で製作
し、モータの振動がフレームに伝達しフレームと共振を
起こすことを防止して振動、騒音の発生を防いである。
前記サンドイッチ鋼板219を使用して箱体32a、33aを製
造するときには、サンドイッチ鋼板219にボルト穴219a
をあけた後に曲げ加工して(c)に示すように箱体を組
立てるが、曲げ加工したときに2枚の鋼板のボルト穴21
9aの位置が(b)に示すようにΔdだけずれてしまいボ
ルトが貫通しない恐れが生じる。実験の結果、このズレ
量Δdは、曲げ位置からボルト穴219aまでの距離dが狭
い程大きくなり、距離dを板厚tの10倍以上とすれば、
ズレがほぼなくなることが判明した。
(III−2)ステッピングモータの制御方式 第34図(a)はステッピングモータ213のドライバーの
回路を示している。モータ巻線を5角形に結線し、その
接続点をそれぞれ2個のトランジスタにより、電源のプ
ラス側またはマイナス側に接続するようにし、10個のス
イッチングトランジスタでバイポーラ駆動を行うように
している。また、モータに流れる電流値をフィードバッ
クし、モータに供給する電流を一定にするようにコント
ロールしながら駆動している。励磁シーケンスは(b)
に示すように、4つの相が励磁されているときに残りの
1相がプラスまたはマイナスの同電位で短絡される。
第34図(c)により、上記ドライバーの制御回路につい
て説明する。5相パルスデバイダ271にSTART信号が入力
されて、CW(正転)クロックまたはCCW(逆転)クロッ
クが入力されると、5相パルスデバイダ271は入力クロ
ックに応じてドライバー272にパルスを分配し、ドライ
バー272はステッピングモータ213に電流を流しこれを駆
動する。ステッピングモータ213に流れる電流は、電流
検出器273で検出され電圧vに変換される。比較器274に
おいて前記電圧vと、基準電圧発生器275で予め設定さ
れた基準電圧v1またはv2とを比較し、電圧vが基準電圧
v1またはv2よりも大きくなると、チョッパー276をオフ
してドライバ272をオフし、ステッピングモータ213に供
給する電流を一定にするようにコントロールする。
基準電圧発生器275で予め設定される基準電圧は、高い
電圧v1とその半分程度の電圧v2があり、高い電圧v1は、
ステッピングモータ213が加速中でトルクが必要なとき
とリターンでクロック周波数が高いときに設定され、電
圧v2は加速が終了して定常スキャンのときに設定され
る。なお、低周波検出器は、パルスデバイダ271にSTART
T信号が入力されているが、CW(正転)クロックまたはC
CW(逆転)クロックが入力されない場合に、ドライバー
272の或るトランジスタだけに電流が流れ破壊するた
め、これを検出して基準電圧発生器275に信号を送り、
基準電圧をv3に下げるようにしている。
第35図(a)はステッピングモータ213により駆動され
るイメージングユニット37のスキャンサイクルを示して
いる。図は倍率50%すなわち最大移動速度でスキャン動
作、リターン動作させる場合に、イメージングユニット
37の速度すなわちステッピングモータに加えられる周波
数と時間の関係を示している。加速時には(b)に示す
ように、例えば259Hzを逓倍してゆき、最大11〜12KHz程
度にまで増加させる。このようにパルス列に規則性を持
たせることによりパルス生成を簡単にする。そして、
(a)に示すように、259pps/3.9msで規則的な階段状に
加速し台形プロファイルを作るようにしている。また、
スキャン動作とリターン動作の間およびリターン動作と
スキャン動作の間には、休止時間を設け、IITメカ系の
振動が減少するの待ち、またIOTにおける画像出力と同
期させるようにしている。
ところで、ステッピングモータの駆動周波数−電流−ト
ルク特性は、第36図に示すように、駆動周波数Fが小に
なる程、かつ供給電流Iが大になる程トルクTが大きく
なるという特性を有している。図中、Aは、イメージン
グユニット37が所定の速度プロァイルを実現するのに必
要な加速のトルクを示し、Bは定速時に必要なトルクを
示している。走査機構のイナーシャをJ、加速度をα、
スライドレール、ベルトの粘性係数をD、動作速度を
W、摩擦負荷をFLとすると、 加速トルクは、TL=J・α+D・W+FL 定速トルクは、TL=D・W+FL となる。
これに対して、イメージングユニットは前図で説明した
ように、高速でリターンするスキャンバック時(駆動周
波数FR)にトルクを確保するように電流I0に設計してい
る。このI0はリターン時の加速トルクに対応する電流I1
に安全率を見込んで設計している。従って、イメージン
グユニットが低速でスキャンする定常時(駆動周波数
Ff)には、トルクが大となり過剰なトルクによる振動、
騒音が生じることになる。
本発明は、上記した過剰なトルクによる振動を低減させ
るものであり、第36図において、イメージングユニット
が低速でスキャンする定常時(駆動周波数Ff)に、設定
電流を低速トルクに対応する電流I5に対し安全率を見込
んだ電流(例えばI4)まで低下させるように電流を切換
えることである。第37図は設定電流を切換えたときの振
動によるイメージングユニットの速度変動率を示し、低
周波数域では電流を下げることにより、振動低減効果が
大きいことを示している。
しかしながら、電流を瞬時に切換えるとトルク変化によ
り切換点で過度振動が生じてしまう。第38図は、読取開
始位置(レジ位置)で電流を切換えたときのレジ位置で
の過度振動量を示し、振動量は切換前後の電流値差(ト
ルク差)が大きい程大きくなる。
そこで、電流を瞬時に切換えるのではなく時定数を大き
くして切換えるようにする。第39図は電流を3.3Aから1.
5Aに切換えるときに、時定数を0、3、10、27msecとし
た場合の過度振動量を示し、10msecより大きい時定数で
過度振動量をほぼゼロにすることができる。
一方、カラー原稿を読み取る場合には、イメージングユ
ニット37を4回走査させて4色の信号を読み出している
ため、4色間の色ずれをいかに少なくさせるかが大きな
課題であり、そのためには、イメージングユニット37の
停止位置の変動を抑え、ホームポジションからレジ位置
までの到達時間の変動を抑えることおよびスキャン速度
の変動を抑えることが重要である。
第40図は上記振動の発生により生じる色ずれの原因を説
明するための図で、(a)図はイメージングユニットが
スキャンを行って元の位置に停止する位置がΔLだけ異
なることを示しており、次にスタートするときにレジ位
置までの時間がずれて色ずれが発生する。また、(b)
図に示すように、4スキャン内でのステッピングモータ
の過度振動(定常速度に至るまでの速度変動)により、
レジ位置に到達するまでの時間がΔtずれて色ずれが発
生する。また、(c)図は、レジ位置通過後テールエッ
ジまでの定速走査特性のバラツキを示し、1回目のスキ
ャンの速度変動のバラツキが2〜4回目のスキャンの速
度変動のバラツキよりも大きいことを示している。従っ
て、本実施例においては、1回目のスキャン時には、色
ずれの目立たないイェローを現像させるようにしてい
る。
第41図は上記した色ズレと電流切換時における時定数と
の関係を示している。これによれば、時定数を大きくす
るに従い、色ズレ量が大きくなり、10msec程度であれば
色ズレ量が許容できる範囲内にあることが判る。また、
この色ズレは高速コピーで顕著になるが、これは第42図
に示すように、1回目のスキャンにおいて電流が時定数
をもって立上がり、それ以降のスキャンが電流値が高い
状態でスタートするという電流設定条件(ハッチング
部)が同一でないためであり、過度振動の位相のズレが
大きくなることにより生じるものであり、1回目のスキ
ャンとそれ以降のスキャンとで電流設定条件を同一にす
ることが重要である。
以上の結果をまとめると、電流切換え点での過度振動を
防止するには、電流切換えに要する時定数をある値以上
例えばτ≧10msecとする必要があり、かつ、電流切換え
による色ズレの増加を防止するには、電流切換えに要す
る時定数をある値以下例えばτ≦10msecとする必要があ
ることから、時定数は両者を満足する値例えばτ=10ms
ec程度が最適となる。さらに、1回目のスキャンとそれ
以降のスキャンとで電流設定条件を同一にすることも重
要である。なお、前記時定数、切換設定電流値は、イメ
ージングユニットの走査条件、ステッピングモータの負
荷条件、仕様等により異なる。
第43図は、本発明に係わる電流切換方式の1実施例を示
している。イメージングユニットがスタートすると、設
定電流は時定数をもってフルに立ち上がり、イメージン
グユニットがレジ位置に移動すると、イメージエリア信
号IMAGE AREAのLレベルが出力され、これに同期して
時定数τ=10sec程度で電流値が半分程度に切換えられ
る。倍率と用紙長で設定されたスキャンが終了するテー
ルエッジでIMAGE AREAがHになり、時定数をもって電
流値がフルに切換えらえる。本実施例では、電流の立上
がり、下がり共に時定数をもって電流切換を行ってい
る。さらに、1回目のスキャンと2回目のスキャンとの
間の休止時間が短く、電流値がフルであることから、
A、Bで示すように、1回目のスキャンとそれ以降のス
キャンとで電流設定条件が同一でない。
第44図は、本発明に係わる電流切換方式の他の実施例を
示し、4回のスキャンを行うカラーコピーに適用する例
を示している。
イメージングユニットがスタートすると、カレントダウ
ン信号CurrDownがHとなり、設定電流はフルに立ち上が
る。所定のクロックCLKをカウントし、イメージングユ
ニットがレジ位置に移動すると、イメージエリアIMAGE
AREAのLレベルが出力され、これに同期してCurrDown
がLとなり、時定数をもって設定電流がハーフに切換え
られる。倍率と用紙長で設定されたイメージスキャンが
終了するテールエッジで再びCurrDownがHとなり、設定
電流がフルに切換えられる。そして、イメージングユニ
ットのリターンが終了しt1秒(例えば50msec)後にMOT.
POWERDOWN信号がLになり、モータに流れる電流を遮断
しモータを無励磁状態にする。以下上記処理を繰り返し
て4回のスキャンを行う。
本実施例においては、電流の立ち下げ時のみ時定数をも
って電流の切換を行うため、1回目のスキャンサイクル
とそれ以降のスキャンサイクルとで電流設定条件を同一
にすることができ、電流切換点での過度振動を防止し、
色ズレを防止できる。また、イーメージングユニットの
振動が十分に減衰するのに必要な時間t1よりも休止時間
Tが長い場合に、一旦電流を遮断させてモータドライバ
の温度上昇を防止している。
第45図は、本発明に係わる電流切換方式のさらに他の実
施例を示いている。前図の実施例と比較して相違する点
は、4回のスキャンサイクルが終了しt1秒後にモータに
流れる電流を遮断する点であり、また、各スキャンサイ
クルにおいて、リターンが終了してt1秒後に、CurrDown
がLとなり、時定数をもって設定電流をハーフに切換え
る点である。本実施例においては、休止時間中における
モータドライバの温度上昇を防止することは、前図の実
施例と同様であるが、休止時間中にも電流を流すことに
より、イメージングユニットの停止位置を保持すること
ができる。
第46図は、本発明に係わる電流切換方式のさらに他の実
施例を示している。前図の実施例が、各スキャンサイク
ルにおいて、リターンが終了してt1秒後に、CurrDownが
Lとなり、時定数をもって設定電流をハーフに切換える
のに対して、本実施例においては、リターンが終了して
t2(例えば200msec)間、クロックCLKのパルスが入力さ
れない場合に、モータドライバ内で設定電流をハーフに
低下させるものである。本実施例においては、休止時間
中、或いはイメージングユニットが何らかの原因で長時
間休止するような異常時に、モータドライバの温度上昇
を防止できる。
なお、上記各実施例では、レジ位置で電流切換を行うよ
うにしているが、レジ位置を通過する前に電流切換を行
うようにすれば、過度振動はさらに低減される。
(III−3)IITのコントロール方式 IITリモートは、各種コピィ動作のためのシーケンス制
御、サービスサポート機能、自己診断機能、フェイルセ
イフ機能を有している。IITのシーケンス制御は、通常
スキャン、サンプルスキャン、イニシャライズに分けら
れる。IIT制御のための各種コマンド、パラメータは、S
YSリモート71よりシリアル通信で送られてくる。
第47図(a)は通常スキャンのタイミングチャートを示
いている。スキャン長データは、用紙長と倍率により0
〜432mm(1mmステップ)が設定され、スキャン速度は倍
率(50%〜400%)により設定され、プリスキャン長
(停止位置からレジ位置までの距離)データも、倍率
(50%〜400%)により設定される。スキャンコマンド
を受けると、FL−ON信号により蛍光灯を点灯させると共
に、SCN−RDY信号によりモータドライバをオンさせ、所
定のタイミング後シェーディング補正パルスWHT−REFを
発生させてスキャンを開始する。レジ位置に達すると、
イメージエリア信号IMG−AREAが所定のスキャン長分ロ
ーレベルとなり、これと同期してIIT−PS信号がIPSに出
力される。
第47図(b)はサンプルスキャンのタイミングチャート
を示している。サンプルスキャンは、色変換時の色検
知、F/Pを使用する時の色バランス補正およびシェーデ
ィング補正に使用される。レジ位置からの停止位置、移
動速度、微小動作回数、ステップ間隔のデータにより、
目的のサンプル位置に行って一時停止または微小動作を
複数回繰り返した後、停止する。
第47図(c)はイニシャライズのタイミングチャートを
示している。電源オン時にSYSリモートよりコマンドを
受け、レジセンサの確認、レジセンサによるイメージン
グユニット動作の確認、レジセンサによるイメージング
ユニットのホーム位置の補正を行う。
(III−4)イメージングユニット 第48図は前記イメージングユニット37の断面図を示し、
原稿220は読み取られるべき画像面がプラテンガラス31
上に下向きにセットされ、イメージングユニット37がそ
の下面を図示矢印方向へ移動し、昼光色螢光灯222およ
び反射鏡223により原稿面を露光する。そして、原稿220
からの反射光をセルフォックレンズ224、シアンフィル
タ225を通過させることにより、CCDラインセンサ226の
受光面に正立等倍像を結像させる。セルフォックレンズ
224は4列のファイバーレンズかなる複眼レンズであ
り、明るく解像度が高いために、光源の電力を低く抑え
ることができ、またコンパクトになるという利点を有す
る。また、イメージングユニット37には、CCDセンサド
ライブ回路、CCDセンサ出力バッファ回路等を含む回路
基板227が搭載される。なお、228はランプヒータ、229
は制御信号用フレキシブルケーブル、230は証明電源用
フレキシブルケーブルを示している。ラインセンサ226
が固定されたハウジング37aには、その下部に回路基板2
27が取付けられると共に、回路基板227とハウジング37a
間に突出部250bを有する放熱板250が取付けられ、さら
に放熱板250を覆うように電磁シールド用のパンチング
メタル251が取付けられている。回路基板227には、ドラ
イブ用ICチップ252が配設され、ラインセンサ226は、接
続用ピン226aにより回路基板227に電気的に接続されて
いる。
第49図は前記昼光色螢光灯222の詳細図を示し、ガラス
管222aの内面には、反射膜222bがアパーチャ角α(50度
程度)の面を除いて形成され、さらにその内面に螢光膜
222cが形成されている。これにより、螢光灯222の光量
を効率良く原稿面に照射させることで、消費電力の低減
を図っている。なお、内面全面に螢光膜222cを形成し、
アパーチャ角の面を除いた面に反射膜222bを形成する理
由は、光量は減少するものの水銀の輝線のピークを減少
させるためである。また、螢光灯222の外周面にはラン
プヒータ228、ヒートシンク(放熱部材)222dが設けら
れ、サーミスタ222eの温度検知により、ランプヒータ22
8およびクーリングファンの制御を行っている。
第50図は前記CCDラインセンサ226の配置例を示し、
(a)に示すように、5個のラインセンサ226a〜226eを
主操作方向Xに千鳥状に配置している。これは一本のラ
インセンサにより、多数の受光素子を欠落なくかつ感度
を均一に形成することが、ウエハーのサイズ、歩留ま
り、コスト的に困難であり、また、複数のラインセンサ
を1ライン上に並べた場合には、ラインセンサの両端ま
で画素を構成することが困難で、読取不能領域が発生す
るからである。
このラインセンサ226のセンサ部は、同図(b)に示す
ように、ラインセンサ226の各画素の表面にR(レッ
ド)、G(グリーン)、B(ブルー)、3色フィルタを
この順に繰り返して配列し、隣りあった3ビットで読取
時の1画素を構成している。各色の読取画素密度を16ド
ット/mm、1チップ当たりの画素数を2928とすると、1
チップの長さが2928/(16×3)=61mmとなり、5チッ
プ全体で61×5=305mmの長さとなる。従って、これに
よりA3版の読取りが可能のと等倍系のラインセンサが得
られる。また、R、G、Bの各画素を45度傾けて配置
し、モアレを低減している。
このように、複数のラインセンサ226a〜226eを千鳥状に
配置した場合、隣接したラインセンサを相異なる原稿面
を走査することになる。すなわち、ラインセンサンの主
走査方向Xと直交する副走査方向Yにラインセンサを移
動して原稿を読み取ると、原稿を先行して走査する第1
列のラインセンサ226b、226dからの信号と、それに続く
第2列のラインセンサ226a、226c、226eからの信号との
間には、隣接するラインセンサ間の位置ずれに相当する
時間的なずれを生じる。
そこで、複数のラインセンサで分割して読み取った画像
信号から1ラインの連続信号を得るためには、少なくと
も原稿を先行して走査する第1列のラインセンサ226b、
226dからの信号を記憶せしめ、それに続く第2列のライ
ンセンサ226a、26c、226eからの信号出力に同期して読
みだすことが必要となる。この場合、例えば、ずれ量が
250μmで、解像度が16ドット/mmであるとすると、4ラ
イン分の遅延が必要となる。
また、一般に画像読取装置における縮小拡大は、主走査
方向はビデオ回路中での間引き水増し、その他の処理に
より行い、副走査方向はイメイジングユニット37の移動
速度の増減により行っている。そこで、画像読取装置に
おける読取速度(単位時間当たりの読取ライン数)は固
定とし、移動速度を変えることにより副走査方向の解像
度を変えることになる。すなわち、例えば縮拡率100%
時に16ドット/mmの解像度であれば、 の如き関係となる。従って縮拡率の増加につれて解像度
が上がることになり、よって、前記の千鳥配列の差250
μmを補正するための必要ラインメモリ数も増大するこ
とになる。第51図は縮拡率とずれ量との関係を示し、縮
拡率の変化により1画素ずれる毎に1ラインを補正して
いる。1ライン毎の補正に最大31μmのずれ量を生じる
が、出力される画像に影響は見られない。
(III−5)ビデオ信号処理回路 次に第52図により、CCDラインセンサ226を用いて、カラ
ー原稿をR、G、B毎に反射率信号として読取り、これ
を濃度信号としてのデジタル値に変換するためのビデオ
信号処理回路について説明する。
原稿は、イメージングユニット37内の5個のラインセン
サ226により、原稿を5分割に分けて5チャンネルで、
R、G、Bのシリアル信号で読み取られ、それぞれ増幅
回路231で所定レベルに増幅された後、イメージングユ
ニット、処理回路本体を結ぶ伝送ケーブルを介して、処
理回路本体側の回路へ伝送される(第53図231a)。次い
でサンプルホールド回路SH232において、サンプルホー
ルドパルスSHPにより、ノイズを除去して波形処理を行
う(第53図232a)。ところでラインセンサの光電変換特
性は各画素毎、各チップ毎に異なるために、同一の濃度
の原稿を読んでも出力が異なり、これをそのまま出力す
ると画像データにスジやムラが生じる。そのために各種
の補正処理が必要となる。
ゲイン調整回路AGC(AUTOMATIC GAIN CONTROL)233は、
各センサの出力をA/D変換器235の入力信号レンジに見合
う大きさまで増幅するための回路で、原稿の読取以前に
予め各センサで白のリファランスデータ読取り、これを
デジタル化してシェーディングRAM240に格納し、このデ
ータが第54図に示すように、CPU71において所定の基準
値と比較判断され、適当な増幅率が決定されそれに見合
うデジタルデータがD/A変換器241に送られることによ
り、各々のゲインが自動的に設定されている。AGC233
は、電圧制御型可変抵抗素子2424を有し、ゲート電圧V
GSを制御することにより素子242のドレインとソース間
の抵抗値R2を可変にしている。ゲインは、 VOUT/VIN=R2/(R1+R2) で示される。そして、D/A変換器241においてアナログ値
に変換されたゲート電圧VGSを入力させることにより、
第55図に示すようにゲインを256段階に調節可能にす
る。
オフセット調整回路AOC(AUTOMATIC OFSET CONTROL)23
4は、黒レベル調整と言わるるもので、各センサの暗時
出力電圧を調整する。そのために、螢光灯を消灯させて
暗時出力を各センサにより読取り、このデータをデジタ
ル化してシェーディングRAM2404に格納し、この1ライ
ン分のデータは第54図に示すように、CPU71において所
定の基準値と比較判断され、オフセット値をD/A変換器2
43に出力する。AOC234は、オペアンプ244を有し、その
非反転端子側に抵抗R1、R2を介してそれぞれビデオ信号
VCCDとD/A変換器243からのオフセット値VOFFSETが接続
され、反転端子側に図示の如く抵抗R1、R2の接続点が接
続されている。従って、AOCの出力は、 VOUT=(R2/R1)VCCD+VOFFSET となり、ビデオ信号を固定倍率で増幅すると共に、オフ
セット電圧を256段階に調節することができる。このAOC
の出力は第53図234aに示すように出力され、最終的に第
56図に示すように、読み取る原稿濃度に対して出力濃度
が規定値になるように調整している。
そして、A/Dコンバータ235でデジタル値に変換され(第
53図235a)、GBRGBRと連なる8ビットデータ列の形で出
力される。遅延量設定回路236は、複数ライン分が格納
されるメモリで、FIFO構成をとり、原稿を先行して操作
する第1列のラインセンサ226b、226dからの信号を記憶
せしめ、それに続く第2列のラインセンサ226a、226c、
226eからの信号出力に同期して出力している。
次いで、分離合成回路237において、各ラインセンサ毎
にR、G、Bのデータを分離した後、原稿の1ライン分
を各ラインセンサのR、G、B毎にシリアルに合成して
出力する。変換器238は、ROMから構成され、第57図
(イ)に示す対数変換テーブルLUT“1"が格納されてお
り、デジタル値がROMのアドレス信号として入力された
ときに、対数変換テーブルLUT“1"の出力値が出力さ
れ、これによりR、G、Bの反射率の情報が濃度の情報
に変換される。
次にシェーディング補正回路239について説明する。先
ず、シェーディング補正に先だち画素ずれ補正を行う。
前述したように信号処理回路においては、R、G、Bの
データをパラレルに取り込んでいるが、第50図(b)に
示したように、R、G、Bフィルタの位置がずれている
ために、同一画素におけるR、G、Bの出力は、第58図
(a)に示すようにずれが生じ、黒線Kを読み込んだと
きこれがずれてしまう。そのめに重みづけ平均化処理に
より、Rを2/3画素分右方向へシフトさせ、Bを1/3画素
分右方向へシフトさせることにより、同図(b)に示す
ように黒線Kを一致させるようにする。
シェーディング補正は、白色データの基準値にもとずい
て、光源の配光特性のバラツキ、反射鏡等の汚れ等に起
因する光学系のバラツキ、ラインセンサの各ビット間の
感度のバラツキを補正するものである。
そのために、シェーディング補正開始時に、ラインセン
サにシェーディング補正の基準濃度データとなる白色板
を照射したときの反射光を入力し、上記信号処理回路に
てA/D変換およびログ変換を行い、この基準濃度データl
og(Ri)をラインメモリ240に記憶させておく。次に原
稿を走査して読取った画像データlog(Di)から前記基
準濃度データlog(Ri)を減算すれば、log(Di)−log
(Ri)=log(Di/Ri)となり、シェーディング補正され
た各画素のデータの対数値が得られる。このようにログ
変換した後にシェーディング補正を行うことにより、従
来のように複雑かつ大規模な回路でハードロジック除算
器を組む必要もなく、汎用の全加算器ICを用いることに
より演算処理を簡単に行うことができる。
〔発明の効果〕
以上のように本発明によれば、イメージスキャン時にス
テッピングモータの電流値を減少させるように切換える
ため、原稿走査機構の騒音、振動を低減することができ
ると共に、モータドライバの温度上昇、電力消費を少な
くすることができる。
また、電流切換時に最適に時定数をもたせることによ
り、電流切換時における過度振動を減少させると共に、
過渡振動の位相のズレも減少させるため、色ズレ、画像
歪みのない再現性に優れた走査特性が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の1実施例を示す構成図、第2図は本発
明が適用されるカラー複写機の全体構成の1例を示す
図、第3図はハードウェアアーキテクチャーを示す図、
第4図はソフトウェアアーキテクチャーを示す図、第5
図はコピーレイヤを示す図、第6図はステート分割を示
す図、第7図はパワーオンステートからスタンバイステ
ートまでのシーケンスを説明する図、第8図はプログレ
スステートのシーケンスを説明する図、第9図はダイア
グノスティックの概念を説明する図、第10図はシステム
と他のリモートとの関係を示す図、第11図はシステムの
モジュール構成を示す図、第12図はジョブモードの作成
を説明する図、第13図はシステムと各リモートとのデー
タフロー、およびシステム内モジュール間データフロー
を示す図、第14図はIPSのモジュール構成概要を示す
図、第15図はIPSを構成する各モジュールを説明するた
めの図、第16図はIPSのハードウエア構成例を示す図、
第17図はIOTの概略構成を示す図、第18図は転写装置の
構成例を示す図、第19図はディスプレイを用いたUIの取
り付け例を示す図、第20図はUIの取り付け角や高さの設
定例を説明するための図、第21図はUIのモジュール構成
を示す図、第22図はUIのハードウエア構成を示す図、第
23図はUICBの構成を示す図、第24図はEPIBの構成を示す
図、第25図はディスプレイ画面の構成例を示す図、第26
図はF/Pの斜視図、第27図はM/Uの斜視図、第28図はネガ
フィルムの濃度特性および補正の原理を説明するための
図、第29図はF/Pの構成を概略的に示すとともに、F/Pと
M/UおよびIITとの関連を示す図、第30図は操作手順およ
びタイミングを説明するための図、 第31図はイメージングユニット駆動機構の斜視図、第32
図は第31図の要部断面図、第33図(a)は箱体の断面
図、第33図(b)はサンドイッチ鋼板の断面図、第33図
(c)は箱体の組立図、第34図(a)はステッピングモ
ータのドライブ回路図、同図(b)は励磁シーケンスを
示す図、同図(c)はドライバーの制御回路図、第35図
はイメージングユニットによるスキャンサイクルを説明
するために図、第36図はステッピングモータの特性を示
す図、第37図はステッピングモータの電流と振動の関係
を示す図、第38図は切換電流と振動の関係を示す図、第
39図は電流切換時における時定数と振動の関係を示す
図、第40図はカラーコピにおける色ずれの原因を説明す
るための図、第41図は電流切換時における時定数と色ず
れの関係を示す図、第42図は各スキャン時の電流設定条
件を説明するための図、第43図は本発明に係わる電流切
換方式の1実施例を説明するための図、第44図、第45図
および第46図は電流切換方式の他の実施例を説明するた
めの図、第47図(a)〜(c)はIITのコントロールモ
ードを説明するための図、第48図はイメージングユニッ
トの断面図、第49図は蛍光灯の断面図、第50図(a)は
CCDラインセンサの配置例を示す図、同図(b)はカラ
ーフィルタの配置例を示す図、第51図は縮拡率と読取ず
れ量の関係を示す図、第52図はビデオ信号処理回路図、
第53図は出力波形を示す図、第54図はAGCおよびAOC回路
図、第55図はデジタルゲイン設定値とゲインとの関係を
示す図、第56図は原稿濃度とセンサ出力濃度との関係を
示す図、第57図は変換テーブルを示す図、第58図は画素
ずれ補正を説明する図である。 901……ドライバ、902……ステッピングモータ、903…
…イメージングユニット、904……電流制御手段、905…
…電流値比較手段、906……電流切換手段。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原稿を走査するイメージングユニットと、
    該イメージングユニットを往復駆動させるステッピング
    モータとを備えた画像記録装置において、該ステッピン
    グモータに流れる電流を基準値と比較する電流値比較手
    段と、該電流値の比較によりステッピングモータに流れ
    る電流を基準値に制御する電流値制御手段と、前記イメ
    ージングユニットが一定速度で原稿を走査する間、前記
    基準値を減少させる電流切換手段とを有することを特徴
    とする画像記録装置。
  2. 【請求項2】電流切換は原稿読取開始位置またはその直
    前で行うことを特徴とする請求項1記載の画像記録装
    置。
  3. 【請求項3】電流切換は所定の時定数をもたせて行うこ
    とを特徴とする請求項1記載の画像記録装置。
  4. 【請求項4】前記時定数は、電流切換時点で生じる振動
    が最小になるように設定することを特徴とする請求項3
    記載の画像記録装置。
  5. 【請求項5】原稿を複数回走査する場合に、各走査の電
    流設定条件を同一にすることを特徴とする請求項3また
    は請求項4記載の画像記録装置。
  6. 【請求項6】電流の立ち上げおよび電流の立ち下げ時の
    時定数を変えることにより電流設定条件を同一にするこ
    とを特徴とする請求項5記載の画像記録装置。
  7. 【請求項7】イメージングユニットの振動が十分に減衰
    するのに必要な時間よりも休止時間が長い場合に、一旦
    電流を遮断させることを特徴とする請求項5記載の画像
    記録装置。
  8. 【請求項8】イメージングユニットの休止時間中に電流
    切換を行うことを特徴とする請求項5記載の画像記録装
    置。
  9. 【請求項9】原稿を走査するイメージングユニットと、
    該イメージングユニットを往復駆動させるステッピング
    モータとを備えた画像記録装置において、前記イメージ
    ングユニットおよびステッピングモータを支持する箱体
    は、防振材を挟着した複数の鋼板を折曲しボルトにより
    結合することにより形成される箱体であって、前記鋼板
    の折曲位置とボルト穴との距離を前記鋼板の厚みの10倍
    以上としたことを特徴とする画像記録装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS60202461A (ja) * 1984-03-27 1985-10-12 Fuji Xerox Co Ltd フラツシユ定着装置

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