JPH07110032B2 - 記録装置のユーザインターフェース - Google Patents

記録装置のユーザインターフェース

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JPH07110032B2
JPH07110032B2 JP1017381A JP1738189A JPH07110032B2 JP H07110032 B2 JPH07110032 B2 JP H07110032B2 JP 1017381 A JP1017381 A JP 1017381A JP 1738189 A JP1738189 A JP 1738189A JP H07110032 B2 JPH07110032 B2 JP H07110032B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、複写機やファクシミリ装置、プリンタ等の記
録装置に係り、特に、誰にでも簡単に使いこなせるよう
に構築された記録装置のユーザインターフェースに関す
るものである。
[従来の技術] 近年、複写機等の記録装置では、コンピュータの導入に
より高度な制御技術、データ処理技術を駆使するように
なったため、利用できる機能も多様化し、またそのため
の機能選択や機能実行の条件設定に多くの且つ種々の操
作が必要になる。オペレータにとっては、覚える操作の
種類が多く、操作が煩雑になるために操作手順の間違い
や誤操作が発生しやすくなる。そこで、できるだけオペ
レータの操作を容易にするために、従来の記録装置にお
いては、ユーザインターフェース(以下、UIと記す。)
としてコンソールパネルが採用されていた。コンソール
パネルには、操作選択のための各種のキースイッチやテ
ンキー等の操作手段が設けられ、更にキー操作による選
択、設定状態、操作案内のメッセージを表示する表示ラ
ンプや表示器が設けられている。
その1例を第49図に示す。第49図(a)は複写機の平面
図であり、プラテンガラス800の手前にコンソールパネ
ル801が配置され、図示しないが液晶表示装置等を用い
た表示部およびテンキー、スタートキー、用紙サイズ、
倍率等各種の設定を行うためのキーが設けられている。
また、同図(b)に示すようなものも提案されている。
これは複写機本体802の手前側にコンソールパネルが配
置されていることは同図(a)に示すものと同様である
が、803と804の二つのパネル部に分割されている。パネ
ル部803は、表示部およびコピーをとるために通常よく
使用するテンキー等の各種のキーを配置したパネル部で
あり、パネル部804は、サービスマンが各種の設定ある
いはチェック等を行うときに使用するキー等の使用頻度
が少ないキーを配置したパネル部であって、ユーザを混
乱させないようにカバーで覆われている。また、当該複
写機はエディットパッドを使用して多岐に渡る編集を行
える機能を有しており、そのためにプラテンカバー805
にエディットパッド806が組み込まれていて、エディッ
トパッド806の所望の位置をペン807で指示することで所
望の編集領域を設定することができるようになされてい
る。図中808で示す領域は編集を行うための様々な設定
を行うためのキーを配置したパネル部であり、編集用の
特別なキーであるので、通常のコピーを行うために使用
するキーとは区別して配置されているものである。
以上はUIとしてコンソールパネルを採用した例である
が、B/W(BLACK AND WHITE)のCRTを採用したUIも提案
されている。これは本出願人が特願昭63-103710号等に
おいて提案したものであり、それを第49図(c)に示
す。
第49図(c)はCRTディスプレイの外観を示す図で、CRT
ディスプレイ901の下側と右側の正面にはキー/LEDボー
ドが配置されている。画面の構成として選択モード画面
では、その画面を複数の領域に分割し、その一つとして
選択領域を設け、更にその選択領域を縦に分割し、それ
ぞれをカスケード領域として各機能を個別に選択設定で
きるようにしている。そこで、キー/LEDボードでは、縦
に分割した画面の選択領域の下側にカスケードの選択設
定のためのカスケードキー919−1〜919−5を配置し、
選択モード画面を切り換えるためのモード選択キー908
〜910、その他のキー(902〜904、906、907、915〜91
8)およびLED(905、911〜914)は右側に配置する構成
を採用している。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、第49図(a)のようにキーが集中配置さ
れたコンソールパネルは次のような問題点を含んでい
る。即ち、複写機等の記録装置はオフィスにおいて大き
な比重を占めており、事務処理等を円滑に行うためには
必要不可欠なものとなっているが、事務スペースのコス
トが高騰している状況にあって、事務スペースを効率的
に利用するため、複写機等の記録装置もコンパクト化し
専有面積を小さくすることが強く要請されている。ま
た、一方では種々の編集機能を有する高機能の複写機の
実現も要請されている。しかし、第49図(a)に示すよ
うなコンソールパネルでは、機能が多くなるとその選択
や実行条件の設定のためのスイッチや表示部の取り付け
数が増えるので、広いスペースを必要とし、全体として
コンソールパネル部のサイズが大きくなり、コンパクト
化された複写機に対してはその取り付けスペースが確保
できなくなってしまうという問題がある。従って、複写
機等を多機能化し、更にコンパクト化しようとする場
合、特にコンソールパネルは多機能化とコンパクト化が
相反し、コンソールパネルを小さくすることが難しく、
コンパクト化に限界が生じるという問題がある。
また、装置をコンパクトにしつつ多機能にし、操作性を
高めようとすると、コンソールパネルの操作性の点から
取り付け位置が装置手前の限られた位置となる。そこ
で、逆にスペースを制限してしまうと、スイッチや表示
器等を減らさざるを得なくなる。そうなると、少ないス
イッチや表示器では、それらを組み合わせて活用しなけ
ればならず、操作や表示が複雑になってしまう。また、
スイッチや表示部をできるだけ減らさないようにする
と、スイッチや表示器が密集した配置となったり、サイ
ズの小さいものを使用することになり、その結果、表示
器における表示文字も小さく、また密度も高くなり、コ
ンソールパネルの表面が煩雑になってしまうものであ
る。
それに対して第49図(b)に示すようにコンソールパネ
ルを幾つかに分散すれば各キーの大きさ、表示部も適当
な大きさに保つことができるものの、パネルがあちこち
に分散していることでユーザにとってはかえって煩わし
いものとなる。つまり、複写機を使用するユーザは、当
該複写機の機能、構成を熟知しているわけではなく、コ
ピーがとれればよいという人もおり、そのような初心者
にとってはパネル部が分散され、しかも各パネル部には
それぞれ多くのキーが配置されているとなると、コピー
を1枚とるにしてもどのパネル部のどのキーを操作すれ
ばよいのか迷ってしまうことになる。また、創造的、独
創的な仕事を行うデザイナー等は複写機の有する編集機
能を利用することが多いので、複写機の操作には比較的
習熟しているといえるが、このようなユーザにとってみ
ても、パネルが分散していると操作の手順が不明確で使
い勝手のよくないものである。例えばある編集機能を使
用する場合を考えてみても、どのパネル部からどのよう
な順序でコピー条件を設定していけばよいのか迷ってし
まうことになる。
以上のように、集中化するにしろ、分散するにしろ、コ
ンソールパネルを採用したのでは操作性を向上させるに
は限界がある。
そこで、本出願人は第49図(c)に示すようなCRTディ
スプレイを使用したUIを提案したのである。
CRTディスプレイは、液晶表示装置等のように視野も狭
くなく、しかも一度に多くの情報を表示でき、非常に見
やすい画面を構成することができるものであるので、種
々の編集を行う場合のように複雑な条件設定が必要な場
合にもユーザを順序よく案内することができるものであ
る。また、表示画面を変更することにより一つのカスケ
ードキーを幾つもの用途に使用できるので、ハードキー
の数を必要最小限に抑えることができる。
更に、当該CRTディスプレイは、複写機本体の右奥隅等
の上部に立体的に配置することができるので、UIを考慮
することなく複写機のサイズを設計することができ、複
写機全体のコンパクト化を図ることができる。
また、複写機において、プラテンガラスの高さ、即ち装
置の高さは原稿をセットするのに程よい腰の高さになる
ように設計され、この高さが装置としての高さを規定し
ている。従って、第49図(a),(b)に示すような複
写機の上面に配置されるコンソールパネルは、ほぼ腰の
高さでユーザの手に近い位置にあって操作はしやすい
が、機能選択やコピー実行条件設定のための操作部およ
び表示部は目から離れた距離に配置されることになる。
それに対して、CTRディスプレイを採用したUIでは、プ
ラテンより高い位置、即ち、ユーザの目の高さに近い高
さに配置できるので、見やすくなると共に、その位置が
オペレータにとって下方でなく前方で、かつ右側になり
操作しやすいものである。
以上述べたように、UIとしてCRTディスプレイを採用す
ることは非常に有意義ではあるが、本複写機のようなカ
ラーコピーを行える複写機にそのまま採用することには
問題がある。
即ち、本複写機はカラー複写機であり、かつ多くの編集
機能を有している。従って、原稿の所望の領域の色を他
の色に変換したり、原稿全体の色の出具合いを調整する
ことができる。そのとき、実際にコピーを実行してみな
ければ分からないというのではそれだけコピーのコスト
が高いものになってしまうので、何等かの方法でコピー
として出力される色を予め確認できるようになされてい
ることが望まれる。
また、第49図(c)に示すUIにおいてはコピー条件の設
定はカスケードキーを操作して表示画面上のカスケード
を上下させることにより行うが、そのために場合によっ
ては何回もカスケードキーを押下してカスケードを所望
の位置に移動させねばならず、煩わしい場合も生じてい
た。
本発明は、上記の課題を解決するものであって、多機能
化した小型の記録装置にも適用でき、操作し易く、且つ
誤ることなく所望のコピーモードの設定を行うことがで
きる記録装置のユーザインターフェースを提供すること
を主たる目的とするものである。
また本発明は、必要な情報を正確に分かり易くユーザに
提示することができる記録装置のユーザインターフェー
スを提供することを目的とするものである。
更に本発明は、各手段あるいはハードウェアまたはソフ
トウェアを機能的に分割することによって開発効率を向
上させることができる記録装置のユーザインターフェー
スを提供することを目的とするものである。
また更に本発明は、機能選択領域(以下の実施例の項に
おいては、これをパスウェアと称する。)を、基本機能
設定領域と編集機能設定領域に分け、更に編集機能設定
領域はユーザの記録装置に対する熟練度及び記録装置の
有する機能別にいくつかに階層化することによって、最
適な画面、機能を提供できる記録装置のユーザインター
フェースを目的とする。
また本発明は、初心者には分かり易く、熟練者には煩わ
しさを感じさせない画面を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段、作用及び本発明の効果] まず、本発明に係る記録装置のユーザインターフェース
の全体構成の概略及び各部の動作の概略について第1図
を参照して説明する。
本発明に係る記録装置のユーザインターフェースは、第
1図(a)に示す構成となされている。
表示手段1は例えばカラーCRTディスプレイモニタで構
成され、その前面には光学式のタッチボード2が配置さ
れている。
このタッチボード2の構成は第1図(b)に示すよう
に、例えば、表示手段1の上方及び左方にLED等の赤外
線発光素子を配置し、下方及び右方に受光素子を配置す
る構成とする。この構成で、いま8で示されるソフトボ
タンが押されたとすると、当該箇所に配置されている受
光素子の受光量が減るので、その縦方向位置と横方向位
置とから当該ソフトボタンの位置を検出することができ
る。
このようなソフトボタンの他に、ハードコントロールパ
ネル3が具備されており、これには常時押下可能となさ
れる必要があるテンキー、スタートボタン、割り込みボ
タン、オールクリアボタン、ストップボタン等の各種の
ボタンが配置されている。
これらのソフトボタン及びハードボタンで入力された情
報は表示制御手段4を介して高速通信回線6によりユー
ザインターフェースコントローラ5(ユーザインターフ
ェースをUIと称す。)に通知される。
ここで、表示制御手段4はUIコントローラ5から指示さ
れた画面を表示手段に表示するための、いわゆるCRTコ
ントローラの機能を有している。
UIコントローラ5は、現在のような画面が表示されてい
るかという画面ステータス及び当該記録装置が現在どの
ような状態にあるかというマシン状態の情報を有してお
り、どのような画面でどの位置のボタンが押されたかを
認識して、次に表示する画面を決定し、その情報を高速
通信回線6を介して表示制御手段4に通知し、表示手段
1に所定の画面を表示させる。
表示手段1には機能設定領域が表示される。機能設定領
域は、コピーを実行するために必要不可欠なモードを設
定する基本機能設定領域と、所望の編集を行える編集機
能設定領域に大別されている。
編集機能設定領域はユーザの熟練度及び当該記録装置の
有する編集機能により階層化され、互いの機能設定領域
は排他的関係となされている。基本機能設定領域も必要
に応じていくつかに分けられることを可とする。
なお、第1図(a)においては表示制御手段4とUIコン
トローラ5とは高速通信回線6で接続されているが、こ
の高速通信回線6は本発明においては本質的な事項では
なく、表示制御手段4とUIコントローラ5とが通信を行
えるようになされていれば足りるものである。
第1図に関する説明は以上のようであるが、そこで、本
願においては特許請求の範囲の各請求項に記載した構成
を請求するものである。
以下、各請求項について説明する。
請求項1は、表示手段と、表示手段の表示画面を制御す
る表示制御手段と、表示制御手段に表示内容を通知する
ユーザインターフェースコントローラとを具備する記録
装置のユーザインターフェースにおいて、ユーザインタ
ーフェースコントローラは、1色についてのコピープロ
セスに関する全ての処理を行う第1のシステム系と、コ
ピー枚数に関する処理を行うパーオリジナル処理、及び
ジョブのパラメータに関する処理を行うジョブプログラ
ミング処理を行う第2のシステム系とを備えることを特
徴とする。
この請求項の構成の最大の特徴は、ユーザインターフェ
ースコントローラを第1のシステム系と第2のシステム
系の二つのシステム系で構成することであり、このよう
に構成することによって機能分散が可能になり、他の記
録装置との共通化、即ち汎用化が可能となるばかりでな
く、設計者の業務を明確化でき、更には仕様の変更があ
った場合にも関係する箇所のみを変更することで対応で
き、これらの相乗効果として記録装置のユーザインター
フェースの開発効率を向上させることができる。
請求項2は、表示手段の前面には赤外線を用いた光学式
タッチボードが配置されて記録のためのモードの設定を
行うためのソフトボタンが形成されると共に、表示手段
の近傍には常時押下可能な状態におかれる必要のあるハ
ードボタンが配置されたハードコントロールパネルが設
けられてなることを特徴とする。
このようにソフトボタンを設けたので爽快な操作感が得
られる。
また、ソフトボタンとハードボタンに操作する項目を効
率的に配分すると共に、ソフトボタンとハードボタンは
近傍に設けられているので、ソフトボタンあるいはハー
ドボタンを操作するためには手をごく狭い範囲で動かせ
ばよく、操作の簡素化を図ることができるので、以て初
心者には分かり易く、熟練者には煩わしくない操作性の
優れたユーザインターフェースを提供できる。
請求項3は、表示制御手段は、ソフトボタン及びハード
ボタンからの入力情報をユーザインターフェースコント
ローラに通知すると共に、ユーザインターフェースコン
トローラからの指令に基づいて所定の画面を表示手段に
表示する処理を行い、ユーザインターフェースコントロ
ーラは、現在表示されている画面及びソフトボタンまた
はハードボタンからの入力情報に基づいて次に表示する
画面を決定する処理を行うことを特徴とする。
これによれば、表示制御手段及びユーザインターフェー
スコントローラを汎用化でき、設計負担を軽減でき、更
には仕様の変更があった場合にも関係する箇所のみを変
更することで対応でき、これらの相乗効果として記録装
置のユーザインターフェースの開発効率を向上させるこ
とができる。
請求項4は、表示制御手段は第1及び第2のハードウェ
アに機能分割され、第1のハードウェアは表示手段のハ
ードウェアの制御、ソフトボタンからの入力を処理して
表示手段に所定の画面を表示するものであり、第2のハ
ードウェアは設定された編集領域を表示手段の所定の領
域の表示すると共に、第1のハードウェア及び第2のシ
ステム系に対して設定された編集領域に関するデータを
転送するものであることを特徴とする。
これによれば、表示制御手段のハードウェアの機能を分
散化することができるので汎用化でき、従って設計負担
を軽減でき、更には仕様の変更があった場合にも関係す
る箇所のみを変更することで対応でき、これらの相乗効
果として記録装置のユーザインターフェースの開発効率
を向上させることができる。
請求項5は、表示手段の画面は、メッセージが表示され
る第1の表示エリアと、記録を行うに際して必要不可欠
な機能を備え、必要に応じて複数の機能設定領域に階層
化された基本機能設定領域と、編集機能を備え、ユーザ
の熟練度及び編集機能によって複数の機能設定領域に階
層化された編集機能設定領域とからなる機能設定領域が
表示される第2の表示エリアとに分割されていることを
特徴とする。
このように表示画面は第1の表示エリアと、第2の表示
エリアとに明確に分割されているので、見易く、且つ分
かり易い画面とすることができ、以て必要な情報を正確
に分かり易くユーザに提示することができる。
また、機能設定領域として基本機能設定領域と編集機能
設定領域とが設けられ、しかも編集機能設定領域はユー
ザの熟練度及び当該記録装置の編集機能に応じて複数の
機能設定領域に階層化されているので、多機能化された
記録装置にあってもそれらの機能に対応した情報を分か
り易く、最適な画面で提示することが可能となり、以て
どのようなユーザも目的に応じて容易にコピーモードを
設定することができる。
請求項6は、各編集機能設定領域は互いに排他的となさ
れ、必ず基本機能設定領域と組み合わされて記録モード
が決定されることを特徴とする。
機能設定領域相互の関係をこのように設定することによ
って、見易いと共に、初心者には分かり易く、しかも熟
練者には煩わしさを感じさせない画面を提供することが
できる。
請求項7は、各機能設定領域に設けられるメニューは、
右側または左側から順に選択することで理想的な順序で
所望の設定が行われるように配置され、且つメニューの
選択の順序に優先順位は設けられていないことを特徴と
する。
これはソフトボタンの配置に関する請求項であるが、ソ
フトボタンをこのように配置することによって、初心者
であっても容易に理想的な順序でコピーモードを設定す
ることが可能となる。即ち、操作性を向上できるのであ
る。
請求項8は、一つの基本機能設定領域から他の基本機能
設定領域への画面遷移は所望の基本機能設定領域の選択
ボタンが押下されたことを条件として行われ、一つの基
本機能設定領域から一つの編集機能設定領域への画面遷
移は所望の編集機能設定領域の選択ボタンが押下された
ことを条件として行われ、一つの編集機能設定領域から
一つの編集機能設定領域への画面遷移は所定の操作がな
されたことを条件として行われることを特徴とする。
この請求項は、ある機能設定領域から他の機能設定領域
への画面遷移をどのような条件で行うかを定めるもので
あるが、機能設定領域間の画面遷移をこのように規定す
ることによって、熟練者は勿論のこと、初心者が操作し
た場合にも誤ることがなく容易にコピーモードを設定す
ることができる。
[実施例] 以下、実施例につき本発明を詳細に説明する。
目次 この実施例では、記録装置の1例としてカラー複写機を
取り上げて説明するが、本発明は以下に説明する実施例
に限定されるものではなく、プリンタやファクシミリ、
その他の画像記録装置にも適用できることは勿論であ
る。
先ず、実施例の説明に先立って目次を示す。なお、以下
の説明において、(I)〜(II)は、本発明が適用され
る複写機の全体構成の概要を説明する項であって、その
構成の中で本発明の実施例を説明する項が(III)であ
る。
(I)装置の概要 (I−1)装置構成 (I−2)システムの機能・特徴 (I−3)電気系制御システムの構成 (II)具体的な各部の構成 (II−1)システム (II−2)IIT (II−3)IPS (II−4)IOT (II−5)F/P (III)ユーザインターフェース(UI) (III−1)カラーCRTディスプレイと光学式タッチボー
ドの採用 (III−2)UIの取り付け (III−3)システム構成 (III−4)ディスプレイ画面構成 (III−5)パスウエイおよびそのレイアウト (III−6)パスウエイの相互作用 (III−7)画面遷移 (III−8)SYSUIソフトウェアモジュール (III−9)その他の画面制御 (III−10)ハードコントロールパネル (I)装置の概要 (I−1)装置構成 第2図は本発明が適用されるカラー複写機の全体構成の
1例を示す図である。
本発明が適用されるカラー複写機は、基本構成となるベ
ースマシン30が、上面に原稿を載置するプラテンガラス
31、イメージ入力ターミナル(IIT)32、電気系制御収
納部33、イメージ出力ターミナル(IOT)34、用紙トイ
レ35、ユーザインタフェース(U/I)36から構成され、
オプションとして、エディットパッド61、オートドキュ
メントフィーダ(ADF)62、ソータ63およびフィルムプ
ロジェクタ(F/P)64を備える。
前記IIT、IOT、U/I等の制御を行うためには電気的ハー
ドウェアが必要であるが、これらのハードウェアは、II
T、IITの出力信号をイメージ処理するIPS、U/I、F/P等
の各処理の単位毎に複数の基板に分けられており、更に
それらを制御するSYS基板、およびIOT、ADF、ソータ等
を制御するためのMCB基板(マスターコントロールボー
ド)等と共に電気制御系収納部33に収納されている。
IIT32は、イメージングユニット37、該ユニットを駆動
するためのワイヤ38、駆動プーリ39等からなり、イメー
ジングユニット37内のCCDラインセンサ、カラーフィル
タを用いて、カラー原稿を光の原色B(青)、G
(緑)、R(赤)毎に読取り、デジタル画像信号に変換
してIPSへ出力する。
IPSでは、前記IIT32のB、G、R信号をトナーの原色Y
(イエロー)、C(シアン)、M(マゼンタ)、K(ブ
ラック)に変換し、さらに、色、階調、精細度等の再現
性を高めるために、種々のデータ処理を施してプロセス
カラーの階調トナー信号をオン/オフの2値化トナー信
号に変換し、IOT34に出力する。
IOT34は、スキャナ40、感材ベルト41を有し、レーザ出
力部40aにおいて前記IPSからの画像信号を光信号に変換
し、ポリゴンミラー40b、F/θレンズ40cおよび反射ミラ
ー40dを介して感材ベルト41上に原稿画像に対応した潜
像を形成させる。感材ベルト41は、駆動プーリ41aによ
って駆動され、その周囲にクリーナ41b、帯電器41c、
Y、M、C、Kの各現像器41dおよび転写器41eが配置さ
れている。そして、この転写器41eに対向して転写装置4
2が設けられていて、用紙トレイ35から用紙搬送路35aを
経て送られる用紙をくわえ込み、例えば、4色フルカラ
ーコピーの場合には、転写装置42を4回転させ、用紙に
Y、M、C、Kの順序で転写させる。転写された用紙
は、転写装置42から真空搬送装置43を経て定着器45で定
着され、排出される。また、用紙搬送路35aには、SSI
(シングルシートインサータ)35bからも用紙が選択的
に供給されるようになっている。
U/I36は、ユーザが所望の機能を選択してその実行条件
を指示するものであり、カラーディスプレイ51と、その
横にハードコントロールパネル52を備え、さらに赤外線
タッチボード53を組み合わせて画面のソフトボタンで直
接指示できるようにしている。次に、ベースマシン30へ
のオプションについて説明する。1つはプラテンガラス
31上に、座標入力装置であるエディットパッド61を載置
し、入力ペンまたはメモリカードにより、各種画像編集
を可能にする。また、既存のADF62、ソータ63の取付を
可能にしている。
さらに、本実施例における特徴は、プラテンガラス31上
にミラーユニット(M/U)65を載置し、これにF/P64から
フィルム画像を投射させ、IIT32のイメージングユニッ
ト37で画像信号として読取ることにより、カラーフィル
ムから直接カラーコピーをとることを可能にしている。
対象原稿としては、ネガフィルム、ポジフィルム、スラ
イドが可能であり、オートフォーカス装置、補正フィル
タ自動交換装置を備えている。
(I−2)システムの機能・特徴 (A)機能 本発明は、ユーザのニーズに対応した多種多彩な機能を
備えつつ複写業務の入口から出口までを全自動化すると
共に、前記ユーザインターフェースにおいては、機能の
選択、実行条件の選択およびその他のメニュー等の表示
をCRT等のディスプレイで行い、誰もが簡単に操作でき
ることを大きな特徴としている。
その主要な機能として、ハードコントロールパネルの操
作により、オペレーションフローで規定できないスター
ト、ストップ、オールクリア、テンキー、インタラプ
ト、インフォメーション、言語切り換え等を行い、各種
機能を基本画面のソフトボタンをタッチ操作することに
より選択できるようにしている。また機能選択領域であ
るパスウエイに対応したパスウエイタブをタッチするこ
とによりマーカー編集、ビジネス編集、クリエイティブ
編集等各編集機能を選択できるようにし、従来のコピー
感覚で使える簡単な操作でフルカラー、白黒兼用のコピ
ーを行うことができる。
本装置では4色フルカラー機能を大きな特徴としてお
り、さらに3色カラー、黒をそれぞれ選択できる。
用紙供給は自動用紙選択、用紙指定が可能である。
縮小/拡大は50〜400%までの範囲で1%刻みで倍率設
定することができ、また縦と横の倍率を独立に設定する
偏倍機能、及び自動倍率選択機能を設けている。
コピー濃度は白黒原稿に対しては自動濃度調整を行って
いる。
カラー原稿に対しては自動カラーバランス調整を行い、
カラーバランスでは、コピー上で減色したい色を指定す
ることができる。
ジョブプログラムではメモリカードを用いてジョブのリ
ード、ライトができ、メモリカードへは最大8個のジョ
ブが格納できる。容量は32キロバイトを有し、フィルム
プロジェクターモード以外のジョブがプログラム可能で
ある。
この他に、付加機能としてコピーアウトプット、コピー
シャープネス、コピーコントラスト、コピーポジショ
ン、フィルムプロジェクター、ページプログラミング、
マージンの機能を設けている。
コピーアウトプットは、オプションとしてソーターが付
いている場合、Uncollatedが選択されていると、最大調
整機能が働き、設定枚数をビン収納最大値内に合わせ込
む。
エッジ強調を行うコピーシャープネスは、オプションと
して7ステップのマニュアルシャープネス調整、写真
(Photo)、文字(Character)、網点印刷(Print)、
写真と文字の混合(Photo/Character)からなる写真シ
ャープネス調整機能を設けている。そしてデフォルトと
ツールパスウエイで任意に設定できる。
コピーコントラストは、オペレーターが7ステップでコ
ントロールでき、デフォルトはツールパスウエイで任意
に設定できる。
コピーポジションは、用紙上でコピー像を載せる位置を
選択する機能で、オプションとして用紙のセンターにコ
ピー像のセンターを載せるオートセンタリング機能を有
し、デフォルトはオートセンタリングである。
フィルムプロジェクターは、各種フィルムからコピーを
とることができるもので、35mmネガ・ポジのプロジェク
ション、35mmネガプラテン置き、6cm×6cmスライドプラ
テン置き、4in×4inスライドプラテン置きを選択でき
る。フィルムプロジェクタでは、特に用紙を選択しなけ
ればA4用紙が自動的に選択され、またフィルムプロジェ
クタポップアップ内には、カラーバランス機能があり、
カラーバランスを“赤味”にすると赤っぽく、“青味”
にすると青っぽく補正され、また独自の自動濃度コント
ロール、マニュアル濃度コントロールを行っている。
ページプログラミングでは、コピーにフロント・バック
カバーまたはフロントカバーを付けるカバー機能、コピ
ーとコピーの間に白紙またはカラーペーパーを挿入する
インサート機能、原稿の頁別にカラーモードを設定でき
るカラーモード、原稿の頁別にぺーパートレイを選択で
き、カラーモードと併せて設定できる用紙選択の機能が
ある。
マージンは、0〜30mmの範囲で1mm刻みでマージンを設
定でき、1原稿に対して1辺のみ指定可能である。
マーカー編集は、マーカーで囲まれた領域に対して編集
加工する機能で、文書を対象とするもので、そのため原
稿は白黒原稿として扱い、黒モード時は指定領域内をCR
T上のパレット色に返還し、指定領域外は黒コピーとな
る。また赤黒モード時は、イメージを赤色に変換し、領
域外は赤黒コピーとなり、トリム、マスク、カラーメッ
シュ、ブラックtoカラーの機能を設けている。なお、領
域指定は原稿面に閉ループを描くか、テンキーまたはエ
ディットパッドにより領域を指定するかにより行う。以
下の各編集機能における領域指定でも同様である。そし
て指定した領域はCRT上のビットマップエリアに相似形
で表示する。
トリムはマーク領域内のイメージのみ白黒でコピーし、
マーク領域外のイメージは消去する。
マスクはマーク領域内のイメージは消去し、マーク領域
外のイメージのみ白黒でコピーする。
カラーメッシュでは、マーク領域内に指定の色網パター
ンを置き、イメージは白黒でコピーされ、カラーメッシ
ュの色は8標準色(あらかじめ決められた所定の色)、
8登録色)ユーザーにより登録されている色で1670万色
中より同時8色まで登録可)から選択することができ、
また網は4パターンから選択できる。
ブラックtoカラーではマーク領域内のイメージを8標準
色、8登録色から選択した指定の色でコピーすることが
できる。
ビジネス編集はビジネス文書中心に、高品質オリジナル
がすばやく作製できることを狙いとしており、原稿はフ
ルカラー原稿として扱われ、全ての機能ともエリアまた
はポイントの指定が必要で、1原稿に対して複数ファン
クション設定できる。そして、黒/モノカラーモード時
は、指定領域以外は黒またはモノカラーコピーとし、領
域内は黒イメージをCRT上のパレット色に色変換し、ま
た赤黒モード時は指定領域外は赤黒コピー、領域内は赤
色に変換する。そして、マーカー編集の場合と同様のト
リム、マスク、カラーメッシュ、ブラックtoカラーの外
に、ロゴタイプ、ライン、ペイント1、コレクション、
ファンクションクリアの機能を設けている。
ロゴタイプは指定ポイントにシンボルマークのようなロ
ゴを挿入できる機能で、2タイプのロゴをそれぞれ縦置
き、横置きが可能である。但し1原稿に対して1個のみ
設定でき、ロゴパターンは顧客ごとに用意してROMによ
り供給する。
ラインは、2点表示によりX軸に対して垂線、または水
平線を描く機能であり、ラインの色は8標準色、8登録
色からライン毎に選択することができ、指定できるライ
ン数は無制限、使用できる色は一度に7色までである。
ペイント1は、閉ループ内に対して1点指示することに
よりループ内を8標準色、8登録色からループ毎に選択
した色で塗りつぶす機能である。網は4パターンからエ
リア毎に選択でき、指定できるループ数は無制限、使用
できる色網パターンは7パターンまでである。
コレクション機能は、エリア毎の設定ファンクションを
確認及び修正することができるエリア/ポイントチエン
ジ、エリアサイズやポイント位置の変更を1mm刻みで行
うことができるエリア/ポイントコレクション、指定の
エリアを消去するエリア/ポイントキャンセルモードを
有しており、指定した領域の確認、修正、変更、消去等
を行うことができる。
クリエイティブ編集は、イメージコンポジション、コピ
ーオンコピー、カラーコンポジション、部分イメージシ
フト、マルチ頁拡大、ペイント1、カラーメッシュ、カ
ラーコンバージョン、ネガ/ポジ反転、リピート、ペイ
ント2、濃度コントロール、カラーバランス、コピーコ
ントラスト、コピーシャープネス、カラーモード、トリ
ム、マスク、ミラーイメージ、マージン、ライン、シフ
ト、ロゴタイプ、スプリットスキャン、コレクション、
ファンクションクリア、Add Function機能を設けてお
り、この機能では原稿はカラー原稿として扱われ、1原
稿に対して複数のファンクションが設定でき、1エリア
に対してファンクションの併用ができ、また指定するエ
リアは2点指示による矩形と1点指示によるポイントで
ある。
イメージコンポジションは、4サイクルでベースオリジ
ナルをカラーコピー後、用紙を転写装置上に保持し、引
き続きトリミングしたオリジナルを4サイクルで重ねて
コピーし、出力する機能である。
コピーオンコピーは、4サイクルで第1オリジナルをコ
ピー後、用紙を転写装置上に保持し、ひき続き第2オリ
ジナルを4サイクルで重ねてコピーし出力する機能であ
る。
カラーコンポジションは、マゼンタで第1オリジナルを
コピー後、用紙を転写装置上に保持し、ひき続き第2オ
リジナルをシアンで重ねてコピー後、用紙を転写装置上
に保持し、ひき続き第3オリジナルをイエローで重ねて
コピー後出力する機能であり、4カラーコンポジション
の場合は更にブラックを重ねてコピー後出力する。
部分イメージシフトは4サイクルでカラーコピー後、用
紙を転写装置上に保持し、ひき続き4サイクルで重ねて
コピーし出力する機能である。
カラーモードのうちフルカラーモードでは4サイクルで
コピーし、3色カラーモードでは編集モードが設定され
ている時を除き、3サイクルでコピーし、プラックモー
ドでは編集モードが設定されている時を除き、1サイク
ルでコピーし、プラス1色モードでは1〜3サイクルで
コピーする。
ツールパスウエイでは、ドーディトロン、マシンセット
アップ、デフォルトセレクション、カラーレジストレー
ション、フィルムタイプレジストレーション、カラーコ
レクション、プリセット、フィルムプロジェクタースキ
ャンエリアコレクション、オーディオトーン、タイマー
セット、ビリングメータ、診断モード、最大調整、メモ
リカードフォーマッティングを設けている。このパスウ
エイで設定や変更を行なうためには暗証番号を入力しな
ければ入れない。従って、ツールパスウエイで設定/変
更を行えるのはキーオペレータとカスタマーエンジニア
である。ただし、診断モードに入れるのは、カスタマー
エンジニアだけである。
カラーレジストレーションは、カラーパレット中のレジ
ストカラーボタンに色を登録するのに用いられ、色原稿
からCCDラインセンサーで読み込まれる。
カラーコレクションは、レジスタカラーボタンに登録し
た色の微調整に用いられる。
フィルムタイプレジストレーションは、フィルムプロジ
ェクタモードで用いるレジスタフィルムタイプを登録す
るのに用いられ、未登録の場合は、フィルムプロジェク
タモード画面ではジレスタボタンが選択できない状態と
なる。
プリセットは、縮小/拡大値、コピー濃度7ステップ、
コピーシャープネス7ステップ、コピーコントラスト7
ステップをプリセットする。
フィルムプロジェクタスキャンエリアコレクションは、
フィルムプロジェクターモード時のスキャンエリアの調
整を行う。
オーディオトーンは選択音等に使う音量の調整をする。
タイマーセットは、キーオペレータに開放することので
きるタイマーに対するセットを行う。
この他にも、サブシステムがクラッシュ状態に入った場
合に再起動をかけるクラッシュリカバリ機能、クラッシ
ュリカバリを2回かけてもそのサブシステムが正常復帰
できない場合にはフォルトモードとする機能、ジャムが
発生した場合、緊急停止する機能等の異常系に対する機
能も設けている。
さらに、基本コピーと付加機能、基本/付加機能とマー
カー編集、ビジネス編集、クリエイティブ編集等の組み
合わせも可能である。
上記機能を備える本発明のシステム全体として下記の特
徴を有している。
(B)特徴 (イ)高画質フルカラーの達成 本装置においては、黒の画質再現、淡色再現性、ジェネ
レーションコピー質、OHP画質、細線再現性、フィルム
コピーの画質再現性、コピーの維持性を向上させ、カラ
ードキュメントを鮮明に再現できる高画質フルカラーの
達成を図っている。
(ロ)低コスト化 感光体、現像機、トナー等の画材原価・消耗品のコスト
を低減化し、UMR、パーツコスト等サービスコストを低
減化すると共に、白黒コピー兼用機としても使用可能に
し、さらに白黒コピー速度も従来のものに比して3倍程
度の30枚/A4を達成することによりランニングコストの
低減、コピー単価の低減を図っている。
(ハ)生産性の改善 入出力装置にADF、ソータを設置(オプション)して多
枚数原稿を処理可能とし、倍率は50〜400%選択でき、
最大原稿サイズA3、ペーパートレイは上段B5〜B4、中段
B5〜B4、下段B5〜A3、SSIB5〜A3とし、コピースピード
は4色フルカラー、A4で4.8CPM、B4で4.8CPM、A3で2.4C
PM、白黒、A4で19.2CPM、B4で19.2CPM、A3で9.6CPM、ウ
ォームアップ時間8分以内、FCOTは4色フルカラーで28
秒以下、白黒で7秒以下を達成し、また、連続コピース
ピードは、フルカラー7.5枚/A4、白黒30枚/A4を達成し
て高生産性を図っている。
(ニ)操作性の改善 ハードコントロールパネルにおけるハードボタン、CRT
画面ソフトパネルのソフトボタンを併用し、初心者にわ
かりやすく、熟練者に煩わしくなく、機能の内容をダイ
レクトに選択でき、かつ操作をなるべく1ケ所に集中す
るようにして操作性を向上させると共に、色を効果的に
用いることによりオペレータに必要な情報を正確に伝え
るようにしている。ハイフアイコピーは、ハードコント
ロールパネルと基本画面の操作だけで行うようにし、オ
ペレーションフローで規定できないスタート、ストッ
プ、オールクリア、割り込み等はハードボタンの操作に
より行い、用紙選択、縮小拡大、コピー濃度、画質調
整、カラーモード、カラーバランス調整等は基本画面ソ
フトパネル操作により従来の単色コピーマシンのユーザ
ーが自然に使いこなせるようにしている。さらに、各種
編集機能等はソフトパネルのパスウエイ領域のパスウエ
イタブをタッチ操作するだけで、パスウエイをオープン
して各種編集機能を選択することができる。さらにメモ
リカードにコピーモードやその実行条件等を予め記憶し
ておくことにより所定の操作の自動化を可能にしてい
る。
(ホ)機能の充実 ソフトパネルのパスウエイ領域のパスウエイタブをタッ
チ操作することにより、パスウエイをオープンして各種
編集機能を選択することができ、例えばマーカ編集では
マーカーというツールを使用して白黒文書の編集加工を
することができ、ビジネス編集ではビジネス文書中心に
高品質オリジナルを素早く作製することができ、またク
リエイティブ編集では各種編集機能を用意し、フルカラ
ー、黒、モノカラーにおいて選択肢を多くしてデザイナ
ー、コピーサービス業者、キーオペレータ等の専門家に
対応できるようにしている。また、編集機能において指
定した領域はビッドマップエリアにより表示され、指定
した領域を確認できる。このように、豊富な編集機能と
カラークリエーションにより文章表現力を大幅にアップ
することができる。
(ヘ)省電力化の達成 1.5kVAで4色フルカラー、高性能の複写機を実現してい
る。そのため、各動作モードにおける1.5kVA実現のため
のコントロール方式を決定し、また、目標値を設定する
ための機能別電力配分を決定している。また、エネルギ
ー伝達経路の確定のためのエネルギー系統表の作成、エ
ネルギー系統により管理、検証を行うようにしている。
(C)差別化の例 本発明が適用される複写機は、フルカラー、及び白黒兼
用でしかも初心者にわかりやすく、熟練者に煩わしくな
くコピーをとることができると共に、各種機能を充実さ
せて単にコピーをとるというだけでなく、オリジナルの
作製を行うことができるので、専門家、芸術家の利用に
も対応することができ、この点で複写機の使用に対する
差別化が可能になる。以下にその使用例を示す。
例えば、従来印刷によっていたポスター、カレンダー、
カードあるいは招待状や写真入りの年賀状等は、枚数が
それほど多くない場合は、印刷よりはるかに安価に作製
することができる。また、編集機能を駆使すれば、例え
ばカレンダー等では好みに応じたオリジナルを作製する
ことができ、従来、企業単位で画一的に印刷していたも
のを、セクション単位で独創的で多様なものを作製する
ことが可能になる。
また、近年インテリアや電気製品に見られるように、色
彩は販売量を左右するものであり、インテリアや服飾品
の製作段階において彩色を施した図案をコピーすること
により、デザインと共に色彩についても複数人により検
討することができ、消費を向上させるような新しい色彩
を開発することが可能である。特に、アパレル産業等で
は遠方の製作現場に製品を発注する際にも、彩色を施し
た完成図のコピーを送ることにより従来より適確に色を
指定することができ、作業能率を向上させることができ
る。
さらに、本装置はカラーと白黒を兼用することができる
ので、1つの原稿を必要に応じて白黒であるいはカラー
でそれぞれ必要枚数ずつコピーすることができる。した
がって、例えば専門学校、大学等で色彩学を学ぶ時に、
彩色した図案を白黒とカラーの両方で表現することがで
き、両者を比較検討することにより、例えば赤はグレイ
がほぼ同じ明度であることが一目瞭然で分かる等、明度
および彩色の視覚に与える影響を学ぶこともできる。
(I−3)電気系制御システムの構成 この項では、本複写機の電気的制御システムとして、ハ
ードウェアアーキテクチャー、ソフトウェアアーキテク
チャーおよびステート分割について説明する。
(A)ハードウェアアーキテクチャーおよびソフトウェ
アアーキテクチャー 本複写機のようにUIとしてカラーCRTを使用すると、モ
ノクロのCRTを使用する場合に比較してカラー表示のた
めのデータが増え、また、表示画面の構成、画面遷移を
工夫してよりフレンドリーなUIを構築しようとするとデ
ータ量が増える。
これに対して、大容量のメモリを搭載したCPUを使用す
ることはできるが、基板が大きくなるので複写機本体に
収納するのが困難である、仕様の変更に対して柔軟な対
応が困難である、コストが高くなる、等の問題がある。
そこで、本複写機においては、CRTコントローラ等の他
の機種あるいは装置との共通化が可能な技術をリモート
としてCPUを分散させることでデータ量の増加に対応す
るようにしたのである。
電気系のハードウェアは第3図に示されているように、
UI系、SYS系およびMCB系の3種の系に大別されている。
UI系はUIリモート70を含み、SYS系においては、F/Pの制
御を行うF/Pリモート72、原稿読み取りを行うIITリモー
ト73、種々の画像処理を行うIPSリモート74を分散して
いる。IITリモート73はイメージングユニットを制御す
るためのIITコントローラ73aと、読み取った画像信号を
デジタル化してIPSリモート74に送るVIDEO回路73bを有
し、IPSリモート74と共にVCPU74aにより制御される。前
記及び後述する各リモートを統括して管理するものとし
てSYS(System)リモート71が設けられている。
SYSリモート71はUIの画面遷移をコントロールするため
のプログラム等のために膨大なメモリ容量を必要とする
ので、16ビットマイクロコンピュータを搭載した8086を
使用している。なお、8086の他に例えば68000等を使用
することもできるものである。
また、MCB系においては、感材ベルトにレーザで潜像を
形成するために使用するビデオ信号をIPSリモート74か
ら受け取り、IOTに送出するためのラスター出力スキャ
ン(Raster Output Scan:ROS)インターフェースである
VCB(Video Control Board)リモート76、転写装置(タ
ートル)のサーボのためのRCBリモート77、更にはIOT、
ADF、ソータ、アクセサリーのためのI/Oポートとしての
IOBリモート78、およびアクセサリーリモート79を分散
させ、それらを統括して管理するためにMCB(Master Co
ntrol Board)リモート75が設けられている。
なお、図中の各リモートはそれぞれ1枚の基板で構成さ
れている。また、図中の太い実線は187.5kbpsのLNET高
速通信網、太い破線は9600bpsのマスター/スレーブ方
式シリアル通信網をそれぞれ示し、細い実線はコントロ
ール信号の伝送路であるホットラインを示す。また、図
中76.8kbpsとなるのは、エディットパッドに描かれた図
形情報、メモリカードから入力されたコピーモード情
報、編集領域の図形情報をUIリモート70からIPSリモー
ト74に通知するための専用回線である。更に、図中CCC
(Communication Control Chip)となるのは、高速通信
回線LNETのプロトコルをサポートするICである。
以上のようにハードウェアアーキテクチャーは、UI系、
SYS系、MCB系の3つに大別されるが、これらの処理の分
担を第4図のソフトウェアアーキテクチャーを参照して
説明すると次のようである。なお、図中の矢印は第3図
に示す187.5kbpsのLNET高速通信網、9600bpsのマスター
/スレーブ方式シリアル通信網を介して行われるデータ
の授受またはホットラインを介して行われる制御信号の
伝送関係を示している。
UIリモート70は、LLUI(Low Level UI)モジュール80
と、エディットパッドおよびメモリカードについての処
理を行うモジュール(図示せず)から構成されている。
LLUIモジュール80は通常CRTコントローラとして知られ
ているものと同様であって、カラーCRTに画面を表示す
るためのソフトウェアモジュールであり、その時々でど
のような絵の画面を表示するかは、SYSUIモジュール81
またはMCBUIモジュール86により制御される。これによ
りUIリモートを他の機種または装置と共通化することが
できることは明かである。なぜなら、どのような画面構
成とするか、画面遷移をどうするかは機種によって異な
るが、CRTコントローラはCRTと一体で使用されるもので
あるからである。
SYSリモート71は、SYSUIモジュール81と、SYSTEMモジュ
ール82、およびSYS.DIAGモジュール83の3つのモジュー
ルで構成されている。
SYSUIモジュール81は画面遷移コントロールするソフト
ウェアモジュールであり、SYSTEMモジュール82は、どの
画面でソフトパネルのどの座標が選択されたか、つまり
どのようなジョブが選択されたか認識するF/F(Feature
Function)選択のソフトウェア、コピー実行条件に矛
盾が無いかどうか等最終的にジョブをチェックするジョ
ブ認識のソフトウェア、および、他のモジュールとの間
でF/F選択、ジョブリカバリー、マシンステート等の種
々の情報の授受を行うための通信を制御するソフトウェ
アを含むモジュールである。
SYS.DIAGモジュール83は、自己診断を行うダイアグノス
ティックステートでコピー動作を行うカスタマーシミュ
レーションモードの場合に動作するモジュールである。
カスタマーシミュレーションモードは通常のコピーと同
じ動作をするので、SYS.DIAGモジュール83は実質的には
SYSTEMモジュール82と同じなのであるが、ダイアグノス
ティックという特別なステートで使用されるので、SYST
EMモジュール82とは別に、しかし一部が重畳されて記載
されているものである。
また、IITリモート73にはイメージングユニットに使用
されているステッピングモータの制御を行うIITモジュ
ール84が、IPSリモート74にはIPSに関する種々の処理を
行うIPSモジュール85がそれぞれ格納されており、これ
らのモジュールはSYSTEMモジュール82によって制御され
る。
一方、MCBリモート75には、ダイアグノスティック、オ
ーディトロン(Auditron)およびジャム等のフォールト
の場合に画面遷移をコントロールするソフトウェアであ
るMCBUIモジュール86、感材ベルトの制御、現像機の制
御、フューザの制御等コピーを行う際に必要な処理を行
うIOTモジュール90、ADFを制御するためのADFモジュー
ル91、ソータを制御するためのSORTERモジュール92の各
ソフトウェアモジュールとそれらを管理するコピーイン
グエグゼクティブモジュール87、および各種診断を行う
ダイアグエグゼクティブモジュール88、暗唱番号で電子
カウンターにアクセスして料金処理を行うオーディトロ
ンモジュール89を格納している。
また、RCBリモート77には転写装置の動作を制御するタ
ートルサーボモジュール93が格納されており、当該ター
トルサーボモジュール93はゼログラフィーサイクルの転
写工程を司るために、IOTモジュール90の管理の下に置
かれている。なお、図中、コピーイングエグゼクティブ
モジュール87とダイアグエグゼクティブモジュール88が
重複しているのは、SYSTEMモジュール82とSYS.DIAGモジ
ュール83が重複している理由と同様である。
以上の処理の分担をコピー動作に従って説明すると次の
ようである。コピー動作は現像される色の違いを別にす
ればよく似た動作の繰り返しであり、第5図(a)に示
すようにいくつかのレイヤに分けて考えることができ
る。
1枚のカラーコピーはピッチと呼ばれる最小の単位を何
回か繰り返すことで行われる。具体的には、1色のコピ
ーを行うについて、現像機、転写装置等をどのように動
作させるか、ジャムの検知はどのように行うか、という
動作であって、ピッチ処理をY,M,Cの3色について行え
ば3色カラーのコピーが、Y,M,C,Kの4色について行え
ば4色フルカラーのコピーが1枚出来上がることにな
る。これがコピーレイヤであり、具体的には、用紙に各
色のトナーを転写した後、フューザで定着させて複写機
本体から排紙する処理を行うレイヤである。ここまでの
処理の管理はMCB系のコピーイングエグゼクティブモジ
ュール87が行う。
勿論、ピッチ処理の過程では、SYS系に含まれているIIT
モジュール84およびIPSモジュール85も使用されるが、
そのために第3図、第4図に示されているように、IOT
モジュール90とIITモジュール84の間ではPR−TRUEとい
う信号と、LE@REGという2つの信号のやり取りが行わ
れる。具体的にいえば、IOTの制御の規準タイミングで
あるPR(PITCH RESET)信号はMCBより感材ベルトの回転
を2または3分割して連続的に発生される。つまり、感
材ベルトは、その有効利用とコピースピード向上のため
に、例えばコピー用紙がA3サイズの場合には2ピッチ、
A4サイズの場合には3ピッチというように、使用される
コピー用紙のサイズに応じてピッチ分割されるようにな
されているので、各ピッチ毎に発生されるPR信号の周期
は、例えば2ピッチの場合には3secと長くなり、3ピッ
チの場合には2secと短くなる。
さて、MCBで発生されたPR信号は、VIDEO信号関係を取り
扱うVCBリモート等のIOT内の必要な箇所にホットライン
を介して分配される。
VCBはその内部にゲート回路を有し、IOT内でイメージン
グが可能、即ち、実際に感材ベルトにイメージを露光す
ることが可能なピッチのみ選択的にIPSリモートに対し
て出力する。この信号がPR−TRUE信号である。なお、ホ
ットラインを介してMCBから受信したPR信号に基づいてP
R−TRUE信号を生成するための情報は、LNETによりMCBか
ら通知される。
これに対して、実際に感材ベルトにイメージを露光する
ことができない期間には、感材ベルトには1ピッチ分の
空ピッチを作ることになり、このような空ピッチに対し
てはPR−TRUE信号は出力されない。このようなPR−TRUE
が発生されないピッチとしては、例えば、転写装置での
転写が終了した用紙を排出してから次の用紙を転写装置
に供給するまでの間の期間を挙げることができる。つま
り、例えば、A3サイズのように長い用紙を最後の転写と
共に排出するとすると、用紙の先端がフューザの入口に
入ったときのショックで画質が劣化するために一定長以
上の用紙の場合には最後の転写が終了してもそのまま排
出せず、後述するグリッパーバーで保持したまま一定速
度でもう一周回転させた後排出するようになされている
ため、感材ベルトには1ピッチ分のスキップが必要とな
るのである。
また、スタートキーによるコピー開始からサイクルアッ
プシーケンスが終了するまでの間もPR−TRUE信号は出力
されない。この期間にはまだ原稿の読み取りが行われて
おらず、従って、感材ベルトにはイメージを露光するこ
とができないからである。
VCBリモートから出力されたPR−TRUE信号は、IPSリモー
トで受信されると共に、そのままIITリモートにも伝送
されて、IITのスキャンスタートのためのトリガー信号
として使用される。
これによりIITリモート73およびIPSリモート74をIOTに
同期させてピッチ処理を行わせることができる。また、
このときIPSリモート74とVCBリモート76の間では、感材
ベルトに潜像を形成するために使用されるレーザ光を変
調するためのビデオ信号の授受が行われ、VCBリモート7
6で受信されたビデオ信号は並列信号から直列信号に変
換された後、直接ROSへVIDEO変調信号としてレーザ出力
部40aに与えられる。
以上の動作が4回繰り返されると1枚の4色フルカラー
コピーが出来上がり、1コピー動作は終了となる。
次に、第5図(b)〜(e)により、IITで読取られた
画像信号をIOTに出力し最終的に転写ポイントで用紙に
転写させるまでの信号のやりとりとそのタイミングにつ
いて説明する。
第5図(b)、(c)に示すように、SYSリモート71か
らスタートジョブのコマンドが入ると、IOT78bではメイ
ンモータの駆動、高圧電源の立ち上げ等サイクルアップ
シーケンスに入る。IOT78bは、感材ベルト上に用紙長に
対応した潜像を形成させるために、PR(ピッチリッセッ
ト)信号を出力する。例えば、感材ベルトが1回転する
毎に、A4では3ピッチ、A3では2ピッチのPR信号を出力
する。IOT78bのサイクルアップシーケンスが終了する
と、その時点からPR信号に同期してPR−TRUE信号が、イ
メージングが必要なピッチのみに対応してIITコントロ
ーラ73aに出力される。
また、IOT78bは、ROS(ラスターアウトプットスキャ
ン)の1ライン分の回転毎に出力されるIOT−LS(ライ
ンシンク)信号を、VCPU74a内のTG(タイミングジェネ
レータ)に送り、ここでIOT−LSに対してIPSの総パイプ
ライン遅延分だけ見掛け上の位相を進めたIPS−LSをIIT
コントローラ73aに送る。
IITコントローラ73aは、PR−TRUE信号が入ると、カウン
タをイネーブルしてIOT−LS信号をカウントし、所定の
カウント数に達すると、イメージングユニット37を駆動
させるステッピングモータ213の回転をスタートさせて
イメージングユニットが原稿のスキャンを開始する。さ
らにカウントしてT2秒後原稿読取開始位置でLEREGを
出力しこれをIOT78bに送る。
この原稿読取開始位置は、予め例えば電源オン後1回だ
け、イメージングユニットを駆動させてレジンサ217の
位置(レジ位置の近く、具体的にはレジ位置よりスキャ
ン側に約10mm)を一度検出して、その検出位置を元に真
のレジ位置を計算で求め、また同時に通常停止位置(ホ
ームポジション)も計算で求めることができる。また、
レジ位置は機械のばらつき等でマシン毎に異なるため、
補正値をNVMに保持しておき、真のレジ位置とホームポ
ジションの計算時に補正を行うことにより、正確な原稿
読取開始位置を設定することができる。この補正値は工
場またはサービスマン等により変更することができ、こ
の補正値を電気的に書き換えるだけで実施でき、機械的
調整は不要である。また、レジンサ217の位置を真のレ
ジ位置よりスキャン側に約10mmずらしているのは、補正
を常にマイナス値とし、調整およびソフトを簡単にする
ためである。
また、IITコントローラ73aは、LEREGと同期してIMAGE
−AREA信号を出力する。このIMAGE−AREA信号の長さ
は、スキャン長に等しいものであり、スキャン長はSYST
EMモジュール82よりIITモジュール84へ伝達されるスタ
ートコマンドによって定義される。具体的には、原稿サ
イズを検知してコピーを行う場合には、スキャン長は原
稿長さであり、倍率を指定してコピーを行う場合には、
スキャン長はコピー用紙長と倍率(100%を1とする)
との除数で設定される。IMAGE−AREA信号は、VCPU74aを
経由しそこでIIT−PS(ページシンク)と名前を変えてI
PS74に送られる。IIT−PSはイメージ処理を行う時間を
示す信号である。
LEREGが出力されると、IOT−LS信号に同期してライン
センサの1ライン分のデータが読み取られ、VIDEO回路
(第3図)で各種補正処理、A/D変換が行われIPS74に送
られる。IPS74においては、IOT−LSと同期して1ライン
分のビデオデータをIOT78bに送る。このときIOT−BYTE
−CLKの反転信号であるRTN−BYTE−CLKをビデオデータ
と並列してIOTへ送り返しデータとクロックを同様に遅
らせることにより、同期を確実にとるようにしている。
IOT78bにLEREGが入力されると、同様にIOT−LS信号に
同期してビデオデータがROSに送られ、感材ベルト上に
潜像が形成される。IOT78bは、LEREGが入るとそのタ
イミングを規準にしてIOT−CLKによりカウントを開始、
一方、転写装置のサーボモータは、所定カウント数の転
写位置で用紙の先端がくるように制御される。ところ
で、第5図(d)に示すように、感材ベルトの回転によ
り出力されるPR−TRUE信号とROSの回転により出力され
るIOT−LS信号とはもともと同期していない。このた
め、PR−TRUE信号が入り次のIOT−LSからカウントを開
始し、カウントmでイメージングユニット37を動かし、
カウントnでLEREGを出力するとき、LEREGはPR−TR
UEに対してT1時間だけ遅れることになる。この遅れは最
大1ラインシンク分で、4色フルカラーコピーの場合に
はこの遅れが累積してしまい出力画像に色ズレとなって
現れてしまう。
そのために、先ず、第5図(c)に示すように、1回目
のLEREGが入ると、カウンタ1がカウントを開始し、
2、3回目のLEREGが入ると、カウンタ2、3がカウ
ントを開始し、それぞれのカウンタが転写位置までのカ
ウント数pに達するとこれをクリアして、以下4回目以
降のLEREGの入力に対して順番にカウンタを使用して
行く。そして、第5図(e)に示すように、LEREGが
入ると、IOT−CLKの直前のパルスからの時間T3を補正用
クロックでカウントする。感材ベルトに形成された潜像
が転写位置に近ずき、IOT−CLKが転写位置までのカウン
ト数pをカウントすると、同時に補正用クロックがカウ
ントを開始し、上記時間T3に相当するカウント数rを加
えた点が、正確な転写位置となり、これを転写装置の転
写位置(タイミング)コントロール用カウンタの制御に
上乗せし、LEREGの入力に対して用紙の先端が正確に
同期するように転写装置のサーボモータを制御してい
る。
以上がコピーレイヤまでの処理であるが、その上に、1
枚の原稿に対してコピー単位のジョブを何回行うかとい
うコピー枚数を設定する処理があり、これがパーオリジ
ナル(PER ORIGINAL)レイヤで行われる処理である。更
にその上には、ジョブのパラメータを変える処理を行う
ジョブプログラミングレイヤがある。具体的には、ADF
を使用するか否か、原稿の一部の色を変える、偏倍機能
を使用するか否か、ということである。これらパーオリ
ジナル処理とジョブプログラミング処理はSYS系のSYSモ
ジュール82が管理する。そのためにSYSTEMモジュール82
は、LLUIモジュール80から送られてきたジョブ内容をチ
ェック、確定し、必要なデータを作成して、9600bpsシ
リアル通信網によりIITモジュール84、IPSモジュール85
に通知し、またLNETによりMCB系にジョブ内容を通知す
る。
以上述べたように、独立な処理を行うもの、他の機種、
あるいは装置と共通化が可能な処理を行うものをリモー
トとして分散させ、それらをUI系、SYS系、およびMCB系
に大別し、コピー処理のレイヤに従ってマシンを管理す
るモジュールを定めたので、設計者の業務を明確にでき
る、ソフトウェア等の開発技術を均一化できる、納期お
よびコストの設定を明確化できる、仕様の変更等があっ
た場合にも関係するモジュールだけを変更することで容
易に対応することができる、等の効果が得られ、以て開
発効率を向上させることができるものである。
(B)ステート分割 以上、UI系、SYS系およびMCB系の処理の分担について述
べたが、この項ではUI系、SYS系、MCB系がコピー動作の
その時々でどのような処理を行っているかをコピー動作
の順を追って説明する。
複写機では、パワーONからコピー動作、およびコピー動
作終了後の状態をいくつかのステートに分割してそれぞ
れのステートで行うジョブを決めておき、各ステートで
のジョブを全て終了しなければ次のステートに移行しな
いようにしてコントロールの能率と正確さを期するよう
にしている。これをステート分割といい、本複写機にお
いては第6図に示すようなステート分割がなされてい
る。
本複写機におけるステート分割で特徴的なことは、各ス
テートにおいて、当該ステート全体を管理するコントロ
ール権および当該ステートでUIを使用するUIマスター権
が、あるときはSYSリモート71にあり、またあるときはM
CBリモート75にあることである。つまり、上述したよう
にCPUを分散させたことによって、UIリモート70のLLUI
モジュール80はSYSUIモジュール81ばかりでなくMCBUIモ
ジュール86によっても制御されるのであり、また、ピッ
チおよびコピー処理はMCB系のコピーイングエグゼクテ
ィブモジュール87で管理されるのに対して、パーオリジ
ナル処理およびジョブプログラミング処理はSYSモジュ
ール82で管理されるというように処理が分担されている
から、これに対応して各ステートにおいてSYSモジュー
ル82、コピーイングエグゼクティブモジュール7のどち
らが全体のコントロール権を有するか、また、UIマスタ
ー権を有するかが異なるのである。第6図においては縦
線で示されるステートはUIマスター権をMCB系のコピー
イングエグゼクティブモジュール87が有することを示
し、黒く塗りつぶされたステートはUIマスター権をSYS
モジュール82が有することを示している。
第6図に示すステート分割の内パワーONからスタンバイ
までを第7図を参照して説明する。
電源が投入されてパワーONになされると、第3図でSYS
リモート71からIITリモート73およびIPSリモート74に供
給されるIPSリセット信号およびIITリセット信号がH
(HIGH)となり、IPSリモート74、IITリモート73はリセ
ットが解除されて動作を開始する。また、電源電圧が正
常になったことを検知するとパワーノーマル信号が立ち
上がり、MCBリモート75が動作を開始し、コントロール
権およびUIマスター権を確立すると共に、高速通信網LN
ETのテストを行う。また、パワーノーマル信号はホット
ラインを通じてMCBリモート75からSYSリモート71に送ら
れる。
MCBリモート75の動作開始後所定の時間T0が経過する
と、MCBリモート75からホットラインを通じてSYSリモー
ト71に供給されるシステムリセット信号がHとなり、SY
Sリモート71のリセットが解除されて動作が開始される
が、この際、SYSリモート71の動作開始は、SYSリモート
71の内部の信号である86NMI、86リセットという二つの
信号により上記T0時間の経過後更に200μsec遅延され
る。この200μsecという時間は、クラッシュ、即ち電源
の瞬断、ソフトウェアの暴走、ソフトウェアのバグ等に
よる一過性のトラブルが生じてマシンが停止、あるいは
暴走したときに、マシンがどのステートにあるかを不揮
発性メモリに格納するために設けられているものであ
る。
SYSリモート71が動作を開始すると、約3.8secの間コア
テスト、即ちROM、RAMのチェック、ハードウェアのチェ
ック等を行う。このとき不所望のデータ等が入力される
と暴走する可能性があるので、SYSリモート71は自らの
監督下で、コアテストの開始と共にIPSリセット信号お
よびIITリセット信号をL(Low)とし、IPSリモート74
およびIITリモート73をリセットして動作を停止させ
る。
SYSリモート71は、コアテストが終了すると、10〜3100m
secの間CCCセルフテストを行うと共に、IPSリセット信
号およびIITリセット信号をHとし、IPSリモート74およ
びIITリモート73の動作を再開させ、それぞれコアテス
トを行わせる。CCCセルフテストは、LNETに所定のデー
タを送出して自ら受信し、受信したデータが送信された
データと同じであることを確認することで行う。なお、
CCCセルフテストを行うについては、セルフテストの時
間が重ならないように各CCCに対して時間が割り当てら
れている。
つまり、LNETにおいては、SYSリモート71、MCBリモート
75等の各ノードはデータを送信したいときに送信し、も
しデータの衝突が生じていれば所定時間経過後再送信を
行うというコンテンション方式を採用しているので、SY
Sリモート71がCCCセルフテストを行っているとき、他の
ノードがLNETを使用しているとデータの衝突が生じてし
まい、セルフテストが行えないからである。従って、SY
Sリモート71がCCCセルフテストを開始するときには、MC
Bリモート75のLNETテストは終了している。
CCCセルフテストが終了すると、SYSリモート71は、IPS
リモート74およびIITリモート73のコアテストが終了す
るまで待機し、T1の期間にSYSTEMノードの通信テストを
行う。この通信テストは、9600bpsのシリアル通信網の
テストであり、所定のシーケンスで所定のデータの送受
信が行われる。当該通信テストが終了すると、T2の期間
にSYSリモート71とMCBリモート75の間でLNETの通信テス
トを行う。即ち、MCBリモート75はSYSリモート71に対し
てセルフテストの結果を要求し、SYSリモート71は当該
要求に応じてこれまで行ってきたテストの結果をセルフ
テストリザルトとしてMCBリモート75に発行する。
MCBリモート75は、セルフテストリザルトを受け取ると
トークンパスをSYSリモート71に発行する。トークンパ
スはUIマスター権をやり取りする札であり、トークンパ
スがSYSリモート71に渡されることで、UIマスター権はM
CBリモート75からSYSリモート71に移ることになる。こ
こまでがパワーオンシーケンスである。当該パワーオン
シーケンスの期間中、UIリモート70は「しばらくお待ち
下さい」等の表示を行うと共に、自らのコアテスト、通
信テスト等、各種のテストを行う。
上記のパワーオンシーケンスの内、セルフテストリザル
トの要求に対して返答されない、またはセルフテストリ
ザルトに異常がある場合には、MCBリモート75はマシン
をデッドとし、UIコントロール権を発動してUIリモート
70を制御し、異常が生じている旨の表示を行う。これが
マシンデッドのステートである。
パワーオンステートが終了すると、次に各リモートをセ
ットアップするためにイニシャライズステートに入る。
イニシャライズステートではSYSリモート71が全体のコ
ントロール権とUIマスター権を有している。従って、SY
Sリモート71は、SYS系をイニシャライズすると共に、
「INITIALIZE SUBSYSTEM」コマンドをMCBリモート75に
発行してMCB系をもイニシャライズする。その結果はサ
ブシステムステータス情報としてMCBリモート75から送
られてくる。これにより例えばIOTではフューザを加熱
したり、トレイのエレベータが所定の位置に配置された
りしてコピーを行う準備が整えらえる。ここまでがイニ
シャライズステートである。
イニシャライズが終了すると各リモートは待機状態であ
るスタンバイに入る。この状態においてもUIマスター権
はSYSリモート71が有しているので、SYSリモート71はUI
マスター権に基づいてUI画面上にF/Fを表示し、コピー
実行条件を受け付ける状態に入る。このときMCBリモー
ト75はIOTをモニターしている。また、スタンバイステ
ートでは、異常がないかどうかをチェックするためにMC
Bリモート75は、500msec毎にバックグランドポールをSY
Sリモート71に発行し、SYSリモート71はこれに対してセ
ルフテストリザルトを200msec以内にMCBリモート75に返
すという処理を行う。このときセルフテストリザルトが
返ってこない、あるいはセルフテストリザルトの内容に
異常があるときには、MCBリモート75はUIリモート70に
対して異常が発生した旨を知らせ、その旨の表示を行わ
せる。
スタンバイステートにおいてオーディトロンが使用され
ると、オーディトロンステートに入り、MCBリモート75
はオーディトロンコントロールを行うと共に、UIリモー
ト70を制御してオーディトロンのための表示を行わせ
る。スタンバイステートにおいてF/Fが設定され、スタ
ートキーが押されるとプログレスステートに入る。プロ
グレスステートは、セットアップ、サイクルアップ、ラ
ン、スキップピッチ、ノーマルサイクルダウン、サイク
ルダウンシャットダウンという6ステートに細分化され
るが、これらのステートを、第8図を参照して説明す
る。
第8図は、プラテンモード、4色フルカラー、コピー設
定枚数3の場合のタイミングチャートを示す図である。
SYSリモート71は、スタートキーが押されたことを検知
すると、ジョブの内容をシリアル通信網をを介してIIT
リモート73およびIPSリモート74に送り、またLNETを介
してジョブの内容をスタートジョブというコマンドと共
にMCBリモート75内のコピーイングエグゼクティブモジ
ュール87に発行する。このことでマシンはセットアップ
に入り、各リモートでは指定されたジョブを行うための
前準備を行う。例えば、IOTモジュール90ではメインモ
ータの駆動、感材ベルトのパラメータの合わせ込み等が
行われる。
スタートジョブに対する応答であるACK(Acknowledge)
がMCBリモート75から送り返されたことを確認すると、S
YSリモート71は、IITリモート73にプリスキャンを行わ
せる。プリスキャンには、原稿サイズを検出するための
プリスキャン、原稿の指定された位置の色を検出するた
めのプリスキャン、塗り絵を行う場合の閉ループ検出の
ためのプリスキャン、マーカ編集の場合のマーカ読み取
りのためのプリスキャンの4種類があり、選択されたF/
Fに応じて最高3回までプリスキャンを行う。このときU
Iには例えば「しばらくお待ち下さい」等の表示が行わ
れる。
プリスキャンが終了すると、IITレディというコマンド
が、コピーイングエグゼクティブモジュール87に発行さ
れ、ここからサイクルアップに入る。サイクルアップは
各リモートの立ち上がり時間を待ち合わせる状態であ
り、MCBリモート75はIOT、転写装置の動作を開始し、SY
Sリモート71はIPSリモート74を初期化する。このときUI
は、現在プログレスステートにあること、および選択さ
れたジョブの内容の表示を行う。
サイクルアップが終了するとランに入り、コピー動作が
開始されるが、先ずMCBリモート75のIOTモジュール90か
ら1個目のPROが出されるとIITは1回目のスキャンを行
い、IOTは1色目の現像を行い、これで1ピッチの処理
が終了する。次に再びPROが出されると2色目の現像が
行われ、2ピッチ目の処理が終了する。この処理を4回
繰り返し、4ピッチの処理が終了するとIOTはフューザ
でトナーを定着し、排紙する。これで1枚目のコピー処
理が完了する。以上の処理を3回繰り返すと3枚のコピ
ーができる。
ピッチレイヤの処理およびコピーレイヤの処理はMCBリ
モート75が管理するが、その上のレイヤであるパーオリ
ジナルレイヤで行うコピー設定枚数の処理はSYSリモー
ト71が行う。従って、現在何枚目のコピーを行っている
かをSYSリモート71が認識できるように、各コピーの1
個目のPROが出されるとき、MCBリモート75はSYSリモー
ト71に対してメイドカウント信号を発行するようになさ
れている。また、最後のPROが出されるときには、MCBリ
モート75はSYSリモート71に対して「RDY FOR NXT JOB」
というコマンドを発行して次のジョブを要求する。この
ときスタートジョブを発行するとジョブを続行できる
が、ユーザが次のジョブを設定しなければジョブは終了
であるから、SYSリモート71は「END JOB」というコマン
ドをMCBリモート75に発行する。MCBリモート75は「END
JOB」コマンドを受信してジョブが終了したことを確認
すると、マシンはノーマルサイクルダウンに入る。ノー
マルサイクルダウンでは、MCBリモート75はIOTの動作を
停止させる。
サイクルダウンの途中、MCBリモート75は、コピーされ
た用紙が全て排紙されたことが確認されるとその旨を
「DELIVERED JOB」コマンドでSYSリモート71に知らせ、
また、ノーマルサイクルダウンが完了してマシンが停止
すると、その旨を「IOT STAND BY」コマンドでSYSリモ
ート71に知らせる。これによりプログレスステートは終
了し、スタンバイステートに戻る。
なお、以上の例ではスキップピッチ、サイクルダウンシ
ャットダウンについては述べられていないが、スキップ
ピッチにおいては、SYSリモート71はSYS系を次のジョブ
のためにイニシャライズし、また、MCBリモート75では
次のコピーのために待機している。また、サイクルダウ
ンシャットダウンはフォールトの際のステートであるの
で、当該ステートにおいては、SYSリモート71およびMCB
リモート75は共にフォールト処理を行う。
以上のようにプログレスステートにおいては、MCBリモ
ート75はピッチ処理およびコピー処理を管理し、SYSリ
モート71はパーオリジナル処理およびジョブプログラミ
ング処理を管理しているので、処理のコントロール権は
双方が処理の分担に応じてそれぞれ有している。これに
対してUIマスター権はSYSリモート71が有している。な
ぜなら、UIにはコピーの設定枚数、選択された編集処理
などを表示する必要があり、これらはパーオリジナル処
理もしくはジョブプログラミング処理に属し、SYSリモ
ート71の管理下に置かれるからである。
プログレスステートにおいてフォールトが生じるとフォ
ールトリカバリーステートに移る。フォールトというの
は、ノーペーパー、ジャム、部品の故障または破損等マ
シンの異常状態の総称であり、F/Fの再設定等を行うこ
とでユーザがリカバリーできるものと、部品の交換など
サービスマンがリカバリーしなければならないものの2
種類がある。上述したように基本的にはフォールトの表
示はMCBUIモジュール86が行うが、F/FはSYSモジュール8
2が管理するので、F/Fの再設定でリカバリーできるフォ
ールトに関してはSYSモジュール82がリカバリーを担当
し、それ以外のリカバリーに関してはコピーイングエグ
ゼクティブモジュール87が担当する。
また、フォールトの検出はSYS系、MCB系それぞれに行わ
れる。つまり、IIT、IPS、F/PはSYSリモート71が管理し
ているので、SYSリモート71が検出し、IOT、ADF、ソー
タはMCBリモート75が管理しているのでMCBリモート75が
検出する。従って、本複写機においては次の4種類のフ
ォールトがあることが分かる。
SYSノードで検出され、SYSノードがリカバリーする
場合 例えば、F/Pが準備されないままスタートキーが押され
たときにはフォールトとなるが、ユーザは再度F/Fを設
定することでリカバリーできる。
SYSノードで検出され、MCBノードがリカバリーする
場合 この種のフォールトには、例えば、レジセンサの故障、
イメージングユニットの速度異常、イメージングユニッ
トのオーバーラン、PRO信号の異常、CCCの異常、シリア
ル通信網の異常、ROMまたはRAMのチェックエラー等が含
まれ、これらのフォールトの場合には、UIにはフォール
トの内容および「サービスマンをお呼び下さい」等のメ
ッセージが表示される。
MCBノードで検出され、SYSノードがリカバリーする
場合 ソータがセットされていないにも拘らずF/Fでソータが
設定された場合にはMCBノードでフォールトが検出され
るが、ユーザが再度F/Fを設定し直してソータを使用し
ないモードに変更することでもリカバリーできる。ADF
についても同様である。また、トナーが少なくなった場
合、トレイがセットされていない場合、用紙が無くなっ
た場合にもフォールトとなる。これらのフォールトは、
本来はユーザがトナーを補給する、あるいはトレイをセ
ットする、用紙を補給することでリカバリーされるもの
ではあるが、あるトレイに用紙が無くなった場合には他
のトレイを使用することによってもリカバリーできる
し、ある色のトナーが無くなった場合には他の色を指定
することによってもリカバリーできる。つまり、F/Fの
選択によってもリカバリーされるものであるから、SYS
ノードでリカバリーを行うようになされている。
MCBノードで検出され、MCBノードがリカバリーする
場合 例えば、現像機の動作が不良である場合、トナーの配給
が異常の場合、モータクラッチの故障、フューザの故障
等はMCBノードで検出され、UIには故障の箇所および
「サービスマンを呼んで下さい」等のメッセージが表示
される。また、ジャムが生じた場合には、ジャムの箇所
を表示すると共に、ジャムクリアの方法も表示すること
でリカバリーをユーザに委ねている。
以上のようにフォールトリカバリーステートにおいては
コントロール権およびUIマスター権は、フォールトの生
じている箇所、リカバリーの方法によってSYSノードが
有する場合と、MCBノードが有する場合があるのであ
る。
フォールトがリカバリーされてIOTスタンバイコマンド
がMCBノードから発行されるとジョブリカバリーステー
トに移り、残されているジョブを完了する。例えば、コ
ピー設定枚数が3であり、2枚目をコピーしているとき
にジャムが生じたとする。この場合にはジャムがクリア
された後、残りの2枚をコピーしなければならないの
で、SYSノード、MCBノードはそれぞれ管理する処理を行
ってジョブをリカバリーするのである。従って、ジョブ
リカバリーにおいてもコントロール権は、SYSノード、M
CBノードの双方がそれぞれの処理分担に応じて有してい
る。しかし、UIマスター権はSYSノードが有している。
なぜなら、ジョブリカバリーを行うについては、例えば
「スタートキーを押して下さい」、「残りの原稿をセッ
トして下さい」等のジョブリカバリーのためのメッセー
ジを表示しなければならず、これはSYSノードが管理す
るパーオリジナル処理またはジョブプログラミング処理
に関する事項だからである。
なお、プログレスステートでIOTスタンバイコマンドが
出された場合にもジョブリカバリーステートに移り、ジ
ョブが完了したことが確認されるとスタンバイステート
に移り、次のジョブを待機する。スタンバイステートに
おいて、所定のキー操作を行うことによってダイアグノ
スティック(以下、単にダイアグと称す。)ステートに
入ることができる。
ダイアグステートは、部品の入力チェック、出力チェッ
ク、各種パラメータの設定、各種モードの設定、NVM
(不揮発性メモリ)の初期化等を行う自己診断のための
ステートであり、その概念を第9図に示す。図から明ら
かなように、ダイアグとしてTECH REPモード、カスタマ
ーシミュレーションモードの2つのモードが設けられて
いる。
TECH REPモードは入力チェック、出力チェックサービス
マンがマシンの診断を行う場合に用いるモードであり、
カスタマーシミュレーションモードは、通常ユーザがコ
ピーする場合に使用するカスタマーモードをダイアグで
使用するモードである。
いま、カスタマーモードのスタンバイステートから所定
の操作により図のAのルートによりTECH REPモードに入
ったとする。TECH REPモードで各種のチェック、パラメ
ータの設定、モードの設定を行っただけで終了し、再び
カスタマーモードに戻る場合(図のBのルート)には所
定のキー操作を行えば、第6図に示すようにパワーオン
のステートに移り、第7図のシーケンスによりスタンバ
イステートに戻ることができるが、本複写機はカラーコ
ピーを行い、しかも種々の編集機能を備えているので、
TECH REPモードで種々のパラメータの設定を行った後
に、実際にコピーを行ってユーザが要求する色が出るか
どうか、編集機能は所定の通りに機能するかどうか等を
確認する必要がある。これを行うのがカスタマーシミュ
レーションモードであり、ビリングを行わない点、UIに
はダイアグである旨の表示がなされる点でカスタマーモ
ードと異なっている。これがカスタマーモードをダイア
グで使用するカスタマーシミュレーションモードの意味
である。なお、TECH REPモードからカスタマーシミュレ
ーションモードへの移行(図のCのルート)、その逆の
カスタマーシミュレーションモードからTECH REPモード
への移行(図のDのルート)はそれぞれ所定の操作によ
り行うことができる。また、TECH REPモードはダイアグ
エグゼクティブモジュール88(第4図)が行うのでコン
トロール権、UIマスター権は共にMCBノードが有してい
るが、カスタマーシミュレーションモードはSYS.DIAGモ
ジュール83(第4図)の制御の基で通常のコピー動作を
行うので、コントロール権、UIマスター権は共にSYSノ
ードが有する。
(II)具体的な各部の構成 (II−1)システム 第10図はシステムと他のリモートとの関係を示す図であ
る。
前述したように、リモート71にはSYSUIモジュール81とS
YSTEMモジュール82が搭載され、SYSUI81とSYSTEMモジュ
ール82間はモジュール間インタフェースによりデータの
授受が行われ、またSYSTEMモジュール82とIIT73、IPS74
との間はシリアル通信インターフェースで接続され、MC
B75、ROS76,RAIB79との間はLNET高速通信網で接続され
ている。
次にシステムのモジュール構成について説明する。
第11図はシステムのモジュール構成を示す図である。
本複写機においては、IIT、IPS、IOT等の各モジュール
は部品のように考え、これらをコントロールするシステ
ムの各モジュールは頭脳を持つように考えている。そし
て、分散CPU方式を採用し、システム側ではパーオリジ
ナル処理およびジョブプログラミング処理を担当し、こ
れに対応してイニシャライズステート、スタンバイステ
ート、セットアップステート、サイクルステートを管理
するコントロール権、およびこれらのステートでUIを使
用するUIマスター権を有しているので、それに対応する
モジュールでシステムを構成している。
システムメイン100は、SYSUIやMCB等からの受信データ
を内部バッファに取り込み、また内部バッファに格納し
たデータをクリアし、システムメイン100の下位の各モ
ジュールをコールして処理を渡し、システムステートの
更新処理を行っている。
M/Cイニシャライズコントロールモジュール101は、パワ
ーオンしてからシステムがスタンバイ状態になるまでの
イニシャライズシーケンスをコントロールしており、MC
Bによるパワーオン後の各種テストを行うパワーオン処
理が終了すると起動される。
M/Cセットアップコントロールモジュール103はスタート
キーが押されてから、コピーレイアーの処理を行うMCB
を起動するまでのセットアップシーケンスをコントロー
ルし、具体的にはSYSUIから指示されたFEATURE(使用者
の要求を達成するためのM/Cに対する指示項目)に基づ
いてジョブモードを作成し、作成したジョブモードに従
ってセットアップシーケンスを決定する。
第12図(a)に示すように、ジョブモードの作成は、F/
Fで指示されたモードを解析し、ジョブを切り分けてい
る。この場合ジョブとは、使用者の要求によりM/Cがス
タートしてから要求通りのコピーが全て排出され、停止
されるまでのM/C動作を言い、使用者の要求に対して作
業分割できる最小単位、ジョブモードの集合体である。
例えば、嵌め込み合成の場合で説明すると、第12図
(b)示すように、ジョブモードは削除と移動、抽出と
からなり、ジョブはこれらのモードの集合体となる。ま
た、第12図(c)に示すようにADF原稿3枚の場合にお
いては、ジョブモードはそれぞれ原稿1、原稿2、原稿
3に対するフィード処理であり、ジョブはそれらの集合
となる。
そして、自動モードの場合はドキュメントスキャン、ぬ
り絵モードの時はプレスキャン、マーカー編集モードの
時はプレスキャン、色検知モードの時はサンプルスキャ
ンを行い(プレスキャンは最高3回)、またコピーサイ
クルに必要なコピーモードをIIT、IPS、MCBに対して配
付し、セットアップシーケンス終了時MCBを起動する。
M/Cスタンバイコントロールモジュール102はM/Cスタン
バイ中のシーケンスをコントロールし、具体的にはスタ
ートキーの受付、色登録のコントロール、ダイアグモー
ドのエントリー等を行っている。
M/Cコピーサイクルコントロールモジュール104はMCBが
起動されてから停止するまでのコピーシーケンスをコン
トロールし、具体的には用紙フィードカウントの通知、
JOBの終了を判断してIITの立ち上げ要求、MCBの停止を
判断してIPSの立ち下げ要求を行う。
また、M/C停止中、あるいは動作中に発生するスルーコ
マンドを相手先リモートに通知する機能を果たしてい
る。
フォールコントロールモジュール106はIIT、IPSからの
立ち下げ要因を監視し、要因発生時にMCBに対して立ち
下げ要求し、具体的にはIIT、IPSからのフェイルコマン
ドによる立ち下げを行い、またMCBからの立ち下げ要求
が発生後、M/C停止時のリカバリーを判断して決定し、
例えばMCBからのジャムコマンドによりリカバリーを行
っている。
コミニュケーションコントロールモジュール107はIITか
らのIITレディ信号の設定、イメージエリアにおける通
信のイネーブル/ディスエイブルを設定している。
DIAGコントロールモジュール108は、DIAGモードにおい
て、入力チェックモード、出力チェックモード中のコン
トロールを行っている。
次に、これらの各モジュール同士、あるいは他のサブシ
ステムとのデータの授受について説明する。
第13図はシステムと各リモートとのデータフロー、およ
びシステム内モジュール間データフローを示す図であ
る。図のA〜Nはシリアル通信を、Zはホットライン
を、〜はモジュール間データを示している。
SYSUIリモートとイニシャライズコントロール部101との
間では、SYSUIからはCRTの制御権をSYSTEM NODEに渡すT
OKENコマンドが送られ、一方イニシャライズコントロー
ル部101からはコンフィグコマンドが送られる。
SYSUIリモートとスタンバイコントロール部102との間で
は、SYSUIからはモードチェンジコマンド、スタートコ
ピーコマンド、ジョブキャンセルコマンド、色登録リク
エストコマンド、トレイコマンドが送られ、一方スタン
バイコントロール部102からはM/Cステータスコマンド、
トレイステータスコマンド、トナーステータスコマン
ド、回収ボトルステータスコマンド、色登録ANSコマン
ド、TOKENコマンドが送られる。
SYSUIリモートとセットアップコントロール部103との間
では、セットアップコントロール部103からはM/Cステー
タスコマンド(プログレス)、APMSステータスコマンド
が送られ、一方SYSUIリモートからはストップリクエス
トコマンド、インターラプトコマンドが送られる。
IPSリモートとイニシャライズコントロール部101との間
では、IPSリモートからはイニシャライズエンドコマン
ドが送られ、イニシャライズコントロール部101からはN
VMパラメータコマンドが送られる。
IITリモートとイニシャライズコントロール部101との間
では、IITリモートからはIITレディコマンド、イニシャ
ライズコントロール部101からはNVMパラメータコマン
ド、INITIALIZEコマンドが送られる。
IPSリモートとスタンバイコントロール部102との間で
は、IPSリモートからイニシャライズフリーハンドエリ
ア、アンサーコマンド、リムーヴエリアアンサーコマン
ド、カラー情報コマンドが送られ、スタンバイコントロ
ール部102からはカラー検出ポイントコマンド、イニシ
ャライズフリーハンドエリアコマンド、リムーヴエリア
コマンドが送られる。
IPSリモートとセットアップコントロール部103との間で
は、IPSリモートからIPSレディコマンド、ドキュメント
情報コマンドが送られ、セットアップコントロール部10
3スキャン情報コマンド、基本コピーモードコマンド、
エディットモードコマンド、M/Cストップコマンドが送
られる。
IITリモートとスタンバイコントロール部102との間で
は、IITリモートからプレスキャンが終了したことを知
らせるIITレディコマンドが送られ、スタンバイコント
ロール部102からサンプルスキャンスタートコマンド、
イニシャライズコマンドが送られる。
IITリモートとセットアップコントロール部103との間で
は、IITリモートからはIITレディコマンド、イニシャラ
イズエンドコマンドが送られ、セットアップコントロー
ル部103からはドキュメントスキャンスタートコマン
ド、サンプルスキャンスタートコマンド、コピースキャ
ンスタートコマンドが送られる。
MCBリモートとスタンバイコントロール部102との間で
は、スタンバイコントロール部102からイニシャライズ
サブシステムコマンド、スタンバイセレクションコマン
ドが送られ、MCBリモートからはサブシステムステータ
スコマンドが送られる。
MCBリモートとセットアップコントロール部103との間で
は、セットアップコントロール部103からスタートジョ
ブコマンド、IITレディコマンド、ストップジョブコマ
ンド、デクレアシステムフォールトコマンドが送られ、
MCBリモートからIOTスタンバイコマンド、デクレアMCB
フォールトコマンドが送られる。
MCBリモートとサイクルコントロール部104との間では、
サイクルコントロール部104からストップジョブコマン
ドが送られ、MCBリモートからはMADEコマンド、レディ
フォアネクストジョブコマンド、ジョブデリヴァードコ
マンド、IOTスタンバイコマンドが送られる。
MCBリモートとフォールトコントロール部106との間で
は、フォールトコントロール部106からデクレアシステ
ムフォールトコマンド、システムシャットダウン完了コ
マンドが送られ、MCBリモートからデクレアMCBフォール
トコマンド、システムシャットダウンコマンドが送られ
る。
IITリモートとコミニュケーションコントロール部107と
の間では、IITリモートからスキャンレディ信号、イメ
ージエリア信号が送られる。
次に各モジュール間のインターフェースについて説明す
る。
システムメイン100から各モジュール(101〜107)に対
して受信リモートNO.及び受信データが送られて各モジ
ュールがそれぞれのリモートとのデータ授受を行う。一
方、各モジュール(101〜107)からシステムメイン100
に対しては何も送られない。
イニシャライズコントロール部101は、イニシャライズ
処理が終了するとフォルトコントロール部106、スタン
バイコントロール部102に対し、それぞれシステムステ
ート(スタンバイ)を通知する。
コミニュケーションコントロール部107は、イニシャラ
イズコントロール部101、スタンバイコントロール部10
2、セットアップコントロール部103、コピーサイクルコ
ントロール部104、フォルトコントロール部106に対し、
それぞれ通信可否情報を通知する。
スタンバイコントロール部102は、スタートキーが押さ
れるとセットアップコントロール部103に対してシステ
ムステート(プログレス)を通知する。
セットアップコントロール部103は、セットアップが終
了するとコピーサイクルコントロール部104に対してシ
ステムステート(サイクル)を通知する。
(II−A)イメージ入力ターミナル(IIT) (A)原稿走査機構 第14図は、原稿走査機構の斜視図を示し、イメージング
ユニット37は、2本のスライドシャフト202、203上に移
動自在に載置されると共に、両端はワイヤ204、205に固
定されている。このワイヤ204、205はドライブプーリ20
6、207とテンションプーリ208、209に巻回され、テンシ
ョンプーリ208、209には、図示矢印方向にテンションが
かけられている。前記ドライブプーリ206、207が取付け
られるドライブ軸210には、減速プーリ211が取付られ、
タイミングベルト212を介してステッピングモータ213の
出力軸214に接続されている。なお、リミットスイッチ2
15、216はイメージングユニット37の異常動作を検出す
るセンサであり、レジセンサ217は、原稿読取開始位置
の基準点を設定するためのセンサである。
1枚の4色カラーコピーを得るためには、イメージング
ユニット37は4回のスキャンを繰り返す必要がある。こ
の場合、4回のスキャン内に同期ズレ、位置ズレをいか
に少なくさせるかが大きな課題であり、そのためには、
イメージングユニット37の停止位置の変動を抑え、ホー
ムポジションからレジ位置までの到達時間の変動を抑え
ることおよびスキャン速度の変動を抑えることが重要で
ある。そのためにステッピングモータ213を採用してい
る。しかしながら、ステッピングモータ213はDCサーボ
モータに比較して振動、騒音が大きいため、高画質化、
高速化に種々の対策を採っている。
(B)ステッピングモータの制御方式 ステッピングモータ213は、モータ巻線を5角形に結線
し、その接続点をそれぞれ2個のトランジスタにより、
電源のプラス側またはマイナス側に接続するようにし、
10個のスイッチングトランジスタでバイポーラ駆動を行
うようにしている。また、モータに流れる電流値をフィ
ードバックし、モータに流す電流を一定にするようにコ
ントロールしながら駆動している。
第15図(a)はステッピングモータ213により駆動され
るイメージングユニット37のスキャンサイクルを示して
いる。図は倍率50%すなわち最大移動速度でフォワード
スキャン、バックスキャンさせる場合に、イメージング
ユニット37の速度すなわちステッピングモータに加えら
れる周波数と時間の関係を示している。加速時には同図
(b)に示すように、例えば259Hzを逓倍してゆき、最
大11〜12KHz程度にまで増加させる。このようにパルス
列に規則性を持たせることによりパルス生成を簡単にす
る。そして、同図(a)に示すように、259pps/3.9msで
階段状に規則的な加速を行い台形プロファイルを作るよ
うにしている。また、フォワードスキャンとバックスキ
ャンの間には休止時間を設け、IITメカ系の振動が減少
するの待ち、またIOTにおける画像出力と同期させるよ
うにしている。本実施例におていは加速度を0.7Gにし従
来のものと比較して大にすることによりスキャンサイク
ル時間を短縮させている。
前述したようにカラー原稿を読み取る場合には、4回ス
キャンの位置ズレ、システムとしてはその結果としての
色ズレ或いは画像のゆがみをいかに少なくさせるかが大
きな課題である。第15図(c)〜(e)は色ずれの原因
を説明するための図で、同図(c)はイメージングユニ
ットがスキャンを行って元の位置に停止する位置が異な
ることを示しており、次にスタートするときにレジ位置
までの時間がずれて色ずれが発生する。また、同図
(d)に示すように、4スキャン内でのステッピングモ
ータの過度振動(定常速度に至るまでの速度変動)によ
り、レジ位置に到達するまでの時間がずれて色ずれが発
生する。また、同図(e)はレジ位置通過後テールエッ
ジまでの定速走査特性のバラツキを示し、1回目のスキ
ャンの速度変動のバラツキが2〜4回目のスキャンの速
度変動のバラツキよりも大きいことを示している。従っ
て、例えば1回目のスキャン時には、色ずれの目立たな
いYを現像させるようにしている。
上記した色ずれの原因は、タイミングベルト212、ワイ
ヤ204、205の経時変化、スライドパッドとスライドレー
ル202、203間の粘性抵抗等の機械的な不安定要因が考え
らえれる。
(C)IITのコントロール方式 IITリモートは、各種コピー動作のためのシーケンス制
御、サービスサポート機能、自己診断機能、フェイルセ
イフ機能を有している。IITのシーケンス制御は、通常
スキャン、サンプルスキャン、イニシャライズに分けら
れる。IIT制御のための各種コマンド、パラメータは、S
YSリモート71よりシリアル通信で送られてくる。
第16図(a)は通常スキャンのタイミングチャートを示
している。スキャン長データは、用紙長と倍率により0
〜432mm(1mmステップ)が設定され、スキャン速度は倍
率(50%〜400%)により設定され、プリスキャン長
(停止位置からレジ位置までの距離)データも、倍率
(50%〜400%)により設定される。スキャンコマンド
を受けると、FL−ON信号により蛍光灯を点灯させると共
に、SCN−RDY信号によりモータドライバをオンさせ、所
定のタイミング後シェーディング補正パルスWHT−REFを
発生させてスキャンを開始する。レジセンサを通過する
と、イメージエリア信号IMG−AREAが所定のスキャン長
分ローレベルとなり、これと同期してIIT−PS信号がIPS
に出力される。
第16図(b)はサンプルスキャンのタイミングチャート
を示している。サンプルスキャンは、色変換時の色検
知、F/Pを使用する時の色バランス補正およびシェーデ
ィング補正に使用される。レジ位置からの停止位置、移
動速度、微小動作回数、ステップ間隔のデータにより、
目的のサンプル位置に行って一時停止または微小動作を
複数回繰り返した後、停止する。
第16図(c)はイニシャライズのタイミングチャートを
示している。電源オン時にSYSリモートよりコマンドを
受け、レジセンサの確認、レジセンサによるイメージン
グユニット動作の確認、レジセンサによるイメージング
ユニットのホーム位置の補正を行う。
(D)イメージングユニット 第17図は前記イメージングユニット37の断面図を示し、
原稿220は読み取られるべき画像面がプラテンガラス31
上に下向きにセットされ、イメージングユニット37がそ
の下面を図示矢印方向へ移動し、30W昼光色螢光灯222お
よび反射鏡223により原稿面を露光する。そして、原稿2
20からの反射光をセルフォックレンズ224、シアンフィ
ルタ225を通過させることにより、CCDラインセンサ226
の受光面に正立等倍像を結像させる。セルフォックレン
ズ224は4列のファイバーレンズからなる複眼レンズで
あり、明るく解像度が高いために、光源の電力を低く抑
えることができ、またコンパクトになるという利点を有
する。また、イメージングユニット37には、CCDライン
センサドライブ回路、CCDラインセンサ出力バッファ回
路等を含む回路基板227が搭載される。なお、228はラン
プヒータ、229は照明電源用フレキシブルケーブル、230
は制御信号用フレキシブルケーブルを示している。
第18図は前記CCDラインセンサ226の配置例を示し、同図
(a)に示すように、5個のCCDラインセンサ226a〜226
eを主走査方向Xに千鳥状に配置している。これは一本
のラインセンサにより、多数の受光素子を欠落なくかつ
感度を均一に形成することが困難であり、また、複数の
ラインセンサを1ライン上に並べた場合には、ラインセ
ンサの両端まで画素を構成することが困難で、読取不能
領域が発生するからである。
このCCDラインセンサ226のセンサ部は、同図(b)に示
すように、CCDラインセンサ226の各画素の表面にR、
G、Bの3色フィルタをこの順に繰り返して配列し、隣
りあった3ビットで読取時の1画素を構成している。各
色の読取画素密度を16ドット/mm、1チップ当たりの画
素数を2928とすると、1チップの長さが2928/(16×
3)=61mmとなり、5チップ全体で61×5=305mmの長
さとなる。従って、これによりA3版の読取りが可能な等
倍系のCCDラインセンサが得られる。また、R、G、B
の各画素を45度傾けて配置し、モアレを低減している。
このように、複数のCCDラインセンサ226a〜226eを千鳥
状に配置した場合、隣接したCCDラインセンサが相異な
る原稿面を走査することになる。すなわち、CCDライン
センサの主走査方向Xと直交する副走査方向YにCCDラ
インセンサを移動して原稿を読み取ると、原稿を先行し
て走査する第1列のCCDラインセンサ226b、226dからの
信号と、それに続く第2列のCCDラインセンサ226a、226
c、226eからの信号との間には、隣接するCCDラインセン
サ間の位置ずれに相当する時間的なずれを生じる。
そこで、複数のCCDラインセンサで分割して読み取った
画像信号から1ラインの連続信号を得るためには、少な
くとも原稿を先行して走査する第1列のCCDラインセン
サ226b、226dからの信号を記憶せしめ、それに続く第2
列のCCDラインセンサ226a、226c、226eからの信号出力
に同期して読みだすことが必要となる。この場合、例え
ば、ずれ量が250μmで、解像度が16ドット/mmであると
すると、4ライン分の遅延が必要となる。
また、一般に画像読取装置における縮小拡大は、主走査
方向はIPSでの間引き水増し、その他の処理により行
い、副走査方向はイメージングユニット37の移動速度の
増減により行っている。そこで、画像読取装置における
読取速度(単位時間当たりの読取ライン数)は固定と
し、移動速度を変えることにより副走査方向の解像度を
変えることになる。すなわち、例えば縮拡率100%時に1
6ドット/mmの解像度であれば、 の如き関係となる。従って縮拡率の増加につれて解像度
が上がることになり、よって、前記の千鳥配列の差250
μmを補正するための必要ラインメモリ数も増大するこ
とになる。
(E)ビデオ信号処理回路 次に第19図により、CCDラインセンサ226を用いて、カラ
ー原稿をR、G、B毎に反射率信号として読取り、これ
を濃度信号としてのデジタル値に変換するためのビデオ
信号処理回路について説明する。
原稿は、イメージングユニット37内の5個のCCDライン
センサ226により、原稿を5分割に分けて5チャンネル
で、R、G、Bに色分解されて読み取られ、それぞれ増
幅回路231で所定レベルに増幅されたのち、ユニット、
本体間を結ぶ伝送ケーブルを介して本体側の回路へ伝送
される(第20図231a)。次いでサンプルホールド回路SH
232において、サンプルホールドパルスSHPにより、ノイ
ズを除去して波形処理を行う(第20図232a)。ところが
CCDラインセンサの光電変換特性は各画素毎、各チップ
毎に異なるために、同一の濃度の原稿を読んでも出力が
異なり、これをそのまま出力すると画像データにスジや
ムラが生じる。そのために各種の補正処理が必要とな
る。
ゲイン調整回路AGC(AUTOMATIC GAIN CONTROL)233は、
各センサの出力をA/D変換器235の入力信号レンジに見合
う大きさまで増幅するための回路で、原稿の読み取り以
前に予め各センサで白のリファランスデータを読み取
り、これをディジタル化してシューディングRAM240に格
納し、このデータがSYSリモート71(第3図)において
所定の基準値と比較判断され、適当な増幅率が決定され
てそれに見合うディジタルデータがD/A変換されてAGC23
3に送られることにより各々のゲインが自動的に設定さ
れている。
オフセット調整回路AOC(AUTOMATIC OFSET CONTROL)23
4は、黒レベル調整と言われるもので、各センサの暗時
出力電圧を調整する。そのために、螢光灯を消灯させて
暗時出力を各センサにより読取り、このデータをデジタ
ル化してシェーディングRAM240に格納し、この1ライン
分のデータはSYSリモート71(第3図)において所定の
規準値と比較判断され、オフセット値をD/A変換してAOC
234に出力し、オフセット電圧を256段階に調節してい
る。このAOCの出力は、第20図234aに示すように最終的
に読み取る原稿濃度に対して出力濃度が規定値になるよ
うに調整している。
このようにしてA/D変換器235でデジタル値に変換され
(第20図235a)たデータは、GBRGBR………)と連なる8
ビットデータ列の形で出力される。遅延量設定回路236
は、複数ライン分が格納されるメモリで、FIFO構成をと
り、原稿を先行して走査する第1列のCCDラインセンサ2
26b、226dからの信号を記憶せしめ、それに続く第2列
のCCDラインセンサ226a、226c、226eからの信号出力に
同期して出力している。
分離合成回路237は、各CCDラインセンサ毎にR、G、B
のデータを分離した後、原稿の1ライン分を各CCDライ
ンセンサのR、G、B毎にシリアルに合成して出力する
ものである。変換器238は、ROMから構成され、対数変換
テーブルLUT“1"が格納されており、デジタル値をROMの
アドレス信号として入力すると、対数変換テーブルLUT
“1"でR、G、Bの反射率の情報が濃度の情報に変換さ
れる。
次にシェーディング補正回路239について説明する。シ
ェーディング特性は、光源の配光特性にバラツキがあっ
たり、蛍光灯の場合に端部において光量が低下したり、
CCDラインセンサの各ビット間に感度のバラツキがあっ
たり、また、反射鏡等の汚れがあったりすると、これら
に起因して現れるものである。
そのために、シェーディング補正開始時に、CCDライン
センサにシェーディング補正の規準濃度データとなる白
色板を照射したときの反射光を入力し、上記信号処理回
路にてA/D変換およびログ変換を行い、この基準濃度デ
ータlog(Ri)をラインメモリ240に記憶させておく。次
に原稿を走査して読取った画像データlog(Di)から前
記基準濃度データlog(Ri)を減算すれば、 log(Di)−log(Ri)=log(Di/Ri) となり、シェーディング補正された各画素のデータの対
数値が得られる。このようにログ変換した後にシェーデ
ィング補正を行うことにより、従来のように複雑かつ大
規模な回路でハードロジック除算器を組む必要もなく、
汎用の全加算器ICを用いることにより演算処理を簡単に
行うことができる。
(II−3)イメージ処理システム(IPS) (A)IPSのモジュール構成 第21図はIPSのモジュール構成の概要を示す図である。
カラー画像形成装置では、IIT(イメージ入力ターミナ
ル)においてCCDラインセンサーを用いて光の原色B
(青)、G(緑)、R(赤)に分解してカラー原稿を読
み取ってこれをトナーの原色Y(イエロー)、M(マゼ
ンタ)、C(シアン)、さらにはK(黒又は墨)に変換
し、IOT(イメージ出力ターミナル)においてレーザビ
ームによる露光、現像を行いカラー画像を再現いてい
る。この場合、Y、M、C、Kのそれぞれのトナー像に
分解してYをプロセスカラーとするコピープロセス(ピ
ッチ)を1回、同様にM、C、Kについてもそれぞれを
プロセスカラーとするコピーサイクルを1回ずつ、計4
回のコピーサイクルを実行し、これらの網点による像を
重畳することによってフルカラーによる像を再現してい
る。したがって、カラー分解信号(B、G、R信号)を
トナー信号(Y、M、C、K信号)に変換する場合にお
いては、その色のバランスをどう調整するかやIITの読
み取り特性およびIOTの出力特性に合わせてその色をど
う再現するか、濃度やコントラストのバランスをどう調
整するか、エッジの強調やボケ、モアレをどう調整する
か等が問題になる。
IPSは、IITからB、G、Rのカラー分解信号を入力し、
色の再現性、階調の再現性、精細度の再現性等を高める
ために種々のデータ処理を施して現像プロセスカラーの
トナー信号をオン/オフに変換しIOTに出力するもので
あり、第21図に示すようにEND変換(Equivalent Neutra
l Density;等価中性濃度変換)モジュール301、カラー
マスキングモジュール302、原稿サイズ検出モジュール3
03、カラー変換モジュール304、UCR(Under Color Remo
val;下色除去)&黒生成モジュール305、空間フィルタ
ー306、TRC(Tone Reproduction Control;色調補正制
御)モジュール307、縮拡処理モジュール308、スクリー
ンジェネレータ309、IOTインターフェースモジュール31
0、領域生成回路やスイッチマトリクスを有する領域画
像制御モジュール311、エリアコマンドメモリ312やカラ
ーパレットビデオスイッチ回路313やフォントバッファ3
14等を有する編集制御モジュール等からなる。
そして、IITからB、G、Rのカラー分解信号につい
て、それぞれ8ビットデータ(256階調)をEND変換モジ
ュール301に入力し、Y、M、C、Kのトナー信号に変
換した後、プロセスカラーのトナー信号Xをセレクト
し、これを2値化してプロセスカラーのトナー信号のオ
ン/オフデータとしIOTインターフェースモジュール310
からIOTに出力している。したがって、フルカラー(4
カラー)の場合には、プリスキャンでまず原稿サイズ検
出、編集領域の検出、その他の原稿情報を検出した後、
例えばまず初めにプロセスカラーのトナー信号XをYと
するコピーサイクル、続いてプロセスカラーのトナー信
号XをMとするコピーサイクルを順次実行する毎に、4
回の原稿読み取りスキャンに対応した信号処理を行って
いる。
IITでは、CCDセンサーを使いB、G、Rのそれぞれにつ
いて、1ピクセルを16ドット/mmのサイズで読み取り、
そのデータを24ビット(3色×8ビット;256階調)で出
力している。CCDセンサーは、上面にB、G、Rのフィ
ルターが装着されていて16ドット/mmの密度で300mmの長
さを有し、190.5mm/secのプロセススピードで16ライン/
mmのスキャンを行うので、ほぼ各色につき毎秒15Mピク
セルの速度で読み取りデータを出力している。そして、
IITでは、B、G、Rの画素のアナログデータをログ変
換することによって、反射率の情報から濃度の情報に変
換し、さらにデジタルデータに変換している。
次に各モジュールについて説明する。
第22図はIPSを構成する各モジュールを説明するための
図である。
(イ)END変換モジュール END変換モジュール301は、IITで得られたカラー原稿の
光学読み取り信号をグレーバランスしたカラー信号に調
整(変換)するためのモジュールである。カラー画像の
トナーは、グレーの場合に等量になりグレーが規準とな
る。しかし、IITからグレーの原稿を読み取ったときに
入力するB、G、Rのカラー分解信号の値は光源や色分
解フィルターの分光特性等が理想的でないため等しくな
っていない。そこで、第22図(a)に示すような変換テ
ーブル(LUT;ルックアップテーブル)を用いてそのバラ
ンスをとるのがEND変換である。したがって、変換テー
ブルは、グレイ原稿を読み取った場合にそのレベル(黒
→白)に対応して常に等しい階調でB、G、Rのカラー
分解信号に変換して出力する特性を有するものであり、
IITの特性に依存する。また、変換テーブルは、16面用
意され、そのうち11面がネガフィルムを含むフィルムフ
プロジェクター用のテーブルであり、3面が通常のコピ
ー用、写真用、ジェネレーションコピー用のテーブルで
ある。
(ロ)カラーマスキングモジュール カラーマスキングモジュール302は、B、G、R信号を
マトリクス演算することによりY、M、Cのトナー量に
対応する信号に変換するものであり、END変換によりグ
レーバランス調整を行った後の信号を処理している。
カラーマスキングに用いる変換マトリクスには、純粋に
B、G、RからそれぞれY、M、Cを演算する3×3の
マトリクスを用いているが、B、G、Rだけでなく、B
G、GR、RB、B2、G2、R2の成分も加味するため種々のマ
トリクスを用いたり、他のマトリクスを用いてもよいこ
とは勿論である。変換マトリクスとしては、通常のカラ
ー調整用とモノカラーモードにおける強度信号生成用の
2セットを保有している。
このように、IITのビデオ信号についてIPSで処理するに
際して、何よりもまずグレーバランス調整を行ってい
る。これを仮にカラーマスキングの後に行うとすると、
カラーマスキングの特性を考慮したグレー原稿によるグ
レーバランス調整を行わなければならないため、その変
換テーブルがより複雑になる。
(ハ)原稿サイズ検出モジュール 定型サイズの原稿は勿論のこと切り張りその他任意の形
状の原稿をコピーする場合もある。この場合に、原稿サ
イズに対応した適切なサイズの用紙を選択するために
は、原稿サイズを検出する必要がある。また、原稿サイ
ズよりコピー用紙が大きい場合に、原稿の外側を消すと
コピーの出来映えをよいものとすることができる。その
ため、原稿サイズ検出モジュール303は、プリスキャン
時の原稿サイズ検出と原稿読み取りスキャン時のプラテ
ンカラーの消去(枠消し)処理とを行うものである。そ
のために、プラテンカラーは原稿との識別が容易な色例
えば黒にし、第22図(b)に示すようにプラテンカラー
識別の上限値/下限値をスレッショルドレジスタ3031に
セットする。そして、プリスキャン時は、原稿の反射率
に近い情報に変換(γ変換)した信号(後述の空間フィ
ルター306の出力を用いる)Xとスレッショルドレジス
タ3031にセットされた上限値/下限値とをコンパレータ
3032で比較し、エッジ検出回路3034で原稿のエッジを検
出して座標(x,y)の最大値と最小値とを最大/最小ソ
ータ3035に記憶する。
例えば第22図(d)に示すように原稿が傾いている場合
や矩形でない場合には、上下左右の最大値と最小値
(x1,x2、y1,y)が検出、記憶される。また、原稿読み
取りスキャン時は、コンパレータ3033で原稿のY、M、
Cとスレッショルドレジスタ3031にセットされた上限値
/下限値とを比較し、プラテンカラー消去回路3036でエ
ッジの外側、即ちプラテンの読み取り信号を消去して枠
消し処理を行う。
(ニ)カラー変換モジュール カラー変換モジュール305は、特定の領域において指定
されたカラーを変換できるようにするものであり、第22
図(c)に示すようにウインドコンパレータ3052、スレ
ッショルドレジスタ3051、カラーパレット3053等を備
え、カラー変換する場合に、被変換カラーの各Y、M、
Cの上限値/下限値をスレッショルドレジスタ3051にセ
ットすると共に変換カラーの各Y、M、Cの値をカラー
パレット3053にセットする。そして、領域画像制御モジ
ュールから入力されるエリア信号にしたがってナンドゲ
ート3054を制御し、カラー変換エリアでない場合には原
稿のY、M、Cをそのままセレクタ3055から送出し、カ
ラー変換エリアに入ると、原稿のY、M、C信号がスレ
ッショルドレジスタ3051にセットされたY、M、Cの上
限値と下限値の間に入るとウインドコンパレータ3052の
出力でセレクタ3055を切り換えてカラーパレット3053に
セットされた変換カラーのY、M、Cを送出する。
指定色は、ディジタイザで直接原稿をポイントすること
により、プリスキャン時に指定された座標の周辺のB、
G、R各25画素の平均をとって指定色を認識する。この
平均操作により、例えば150線原稿でも色差5以内の精
度で認識可能となる。B、G、R濃度データの読み取り
は、IITシェーディング補正RAMより指定座標をアドレス
に変換して読み出し、アドレス変換に際しては、原稿サ
イズ検知と同様にレジストレーション調整分の再調整が
必要である。プリスキャンでは、IITはサンプルスキャ
ンモードで動作する。シェーディング補正RAMより読み
出されたB、G、R濃度データは、ソフトウエアにより
シェーディング補正された後、平均化され、さらにEND
補正、カラーマスキングを実行してからウインドコンパ
レータ3052にセットされる。
登録色は、1670万色中より同時に8色までカラーパレッ
ト3053に登録を可能にし、標準色は、Y、M、C、G、
B、Rおよびこれらの中間色とK、Wの14色を用意して
いる。
(ホ)UCR&黒生成モジュール Y、M、Cが等量である場合にはグレーになるので、理
論的には、等量のY、M、Cを黒に置き換えることによ
って同じ色を再現できるが、現実的には、黒に置き換え
ると色に濁りが生じ鮮やかな色の再現性が悪くなる。そ
こで、UCR&黒生成モジュール305では、このような色の
濁りが生じないように適量のKを生成し、その量に応じ
てY、M、Cを等量減ずる(下色除去)処理を行う。具
体的には、Y、M、Cの最大値と最小値とを検出し、そ
の差に応じて変換テーブルより最小値以下でKを生成
し、その量に応じY、M、Cについて一定の下色除去を
行っている。
UCR&黒生成では、第22図(e)に示すように例えばグ
レイに近い色になると最大値と最小値との差が小さくな
るので、Y、M、Cの最小値相当をそのまま除去してK
を生成するが、最大値と最小値との差が大きい場合に
は、除去の量をY、M、Cの最小値よりも少なくし、K
の生成量も少なくすることによって、墨の混入および低
明度高彩度色の彩度低下を防いでいる。
具体的な回路構成例を示した第22図(f)では、最大値
/最小値検出回路3051によりY、M、Cの最大値と最小
値とを検出し、演算回路3053によりその差を演算し、変
換テーブル3054と演算回路3055によりKを生成する。変
換テーブル3054がKの値を調整するものであり、最大値
と最小値の差が小さい場合には、変換テーブル3054の出
力値が零になるので演算回路3055から最小値をそのまま
Kの値として出力するが、最大値と最小値の差が大きい
場合には、変換テーブル3054の出力値が零でなくなるの
で演算回路3055で最小値からその分減算された値をKの
値として出力する。変換テーブル3056がKに対応して
Y、M、Cから除去する値を求めるテーブルであり、こ
の変換テーブル3056を通して演算回路3059でY、M、C
からKに対応する除去を行う。また、アンドゲート305
7、3058はモノカラーモード、4フルカラーモードの各
信号にしたがってK信号およびY、M、Cの下色除去し
た後の信号をゲートするものであり、セレクタ3052、30
50は、プロセスカラー信号によりY、M、C、Kのいず
れかを選択するものである。このように実際には、Y、
M、Cの網点で色を再現しているので、Y、M、Cの除
去やKの生成比率は、経験的に生成したカーブやテーブ
ル等を用いて設定されている。
(ヘ)空間フィルターモジュール 本複写機に適用される装置では、先に述べたようにIIT
でCCDをスキャンしながら原稿を読み取るので、そのま
まの情報を使うとボケた情報になり、また、網点により
原稿を再現しているので、印刷物の網点周期と16ドット
/mmのサンプリング周期との間でモアレが生じる。ま
た、自ら生成する網点周期と原稿の網点周期との間でも
モアレが生じる。空間フィルターモジュール306は、こ
のようなボケを回復する機能とモアレを除去する機能を
備えたものである。そして、モアレ除去には網点成分を
カットするためローパスフィルタが用いられ、エッジ強
調にはハイパスフィルタが用いられている。
空間フィルターモジュール306では、第22図(g)に示
すようにY、M、C、MinおよびMax−Minの入力信号の
1色をセレクタ3003で取り出し、変換テーブル3004を用
いて反射率に近い情報に変換する。この情報の方がエッ
ジを拾いやすいからであり、その1色としては例えばY
をセレクトしている。また、スレッショルドレジスタ30
01、4ビットの2値化回路3002、デコーダ3005を用いて
画素毎に、Y、M、C、MinおよびMax−MinからY、
M、C、K、B、G、R、W(白)の8つに色相分離す
る。同図(g)のデコーダ3005は、2値化情報に応じて
色相を認識してプロセスカラーから必要色か否かを1ビ
ットの情報で出力するものである。
第22図(g)の出力は、第22図(h)の回路に入力され
る。ここでは、FIFO3061と5×7デジタルフィルタ306
3、モジュレーションテーブル3066により網点除去の情
報を生成し、FIFO3062と5×7デジタルフィルタ3064、
モジュレーションテーブル3067、ディレイ回路3065によ
り同図(g)の出力情報からエッジ強調情報を生成す
る。モジュレーションテーブル3066、3067は、写真や文
字専用、混在等のコピーのモードに応じてセレクトされ
る。
エッジ強調では、例えば第22図(i)のような緑の文
字をのように再現しようとする場合、Y、Cを、
のように強調処理し、Mは実線のように強調処理しな
い。このスイッチングを同図(h)のアンドゲート3068
で行っている。この処理を行うには、の点線のように
強調すると、のようにエッジにMの混色による濁りが
生じる。同図(h)のディレイ回路3065は、このような
強調をプロセスカラー毎にアンドデート3068でスイッチ
ングするためにFIFO3062と5×7デジタルフィルタ3064
との同期を図るものである。鮮やかな緑の文字を通常の
処理で再生すると、緑の文字にマゼンタが混じり濁りが
生じる。そこで、上記のようにして緑と認識するY、C
は通常通り出力するが、Mは抑えエッジ強調をしないよ
うにする。
(ト)TRC変換モジュール IOTは、IPSからのオン/オフ信号にしたがってY、M、
C、Kの各プロセスカラーにより4回のコピーサイクル
(4フルカラーコピーの場合)を実行し、フルカラー原
稿の再生を可能にしているが、実際には、信号処理によ
り理論的に求めたカラーを忠実に再生するには、IOTの
特性を考慮した微妙な調整が必要である。TRC変換モジ
ュール309は、このような再現性の向上を図るためのも
のであり、Y、M、Cの濃度の各組み合わせにより、第
22図(j)に示すように8ビット画像データをアドレス
入力とするアドレス変換テーブルをRAMに持ち、エリア
信号に従った濃度調整、コントラスト調整、ネガポジ反
転、カラーバランス調整、文字モード、すかし合成等の
編集機能を持っている。このRAMアドレス上位3ビット
にはエリア信号のビット0〜ビット3が使用される。ま
た、領域外モードにより上記機能を組み合わせて使用す
ることもできる。なお、このRAMは、例えば2kバイト(2
56バイト×8面)で構成して8面の変換テーブルを保有
し、Y、M、Cの各サイクル毎にIITキャリッジリター
ン中に最高8面分ストアされ、領域指定やコピーモード
に応じてセレクトされる。勿論、RAM容量を増やせば各
サイクル毎にロードする必要はない。
(チ)縮拡処理モジュール 縮拡処理モジュール308は、ラインバッファ3083にデー
タXを一旦保持して送出する過程において縮拡処理回路
3082を通して縮拡処理するものであり、リサンプリング
ジェネレータ&アドレスコントローラ3081でサンプリン
グピッチ信号とラインバッファ3083のリード/ライトア
ドレスを生成する。ラインバッファ3083は、2ライン分
からなるピンポンバッファとすることにより一方の読み
出しと同時に他方の次のラインデータを書き込めるよう
にしている。縮拡処理では、主走査方向にはこの縮拡処
理モジュール308でデジタル的に処理しているが、副走
査方向にはIITのスキャンのスピードを変えている。ス
キャンスピードは、2倍速から1/4倍速まで変化させる
ことにより50%から400%まで縮拡できる。デジタル処
理では、ラインバッファ3083にデータを読み/書きする
際に間引き補完することによって縮小し、付加補完する
ことによって拡大することができる。補完データは、中
間にある場合には同図(1)に示すように両側のデータ
との距離に応じた重み付け処理して生成される。例えば
データXi′の場合には、両側のデータXi、Xi+1および
これらのデータとサンプリングポイントとの距離d1、d2
から、 (Xi×d2)+(Xi+1×d1) ただし、d1+d2=1 の演算をして求められる。
縮小処理の場合には、データの補完をしながらラインバ
ッファ3083に書き込み、同時に前のラインの縮小処理し
たデータをバッファから読み出して送出する。拡大処理
の場合には、一旦そのまま書き込み、同時に前のライン
のデータを読み出しながら補完拡大して送出する。書き
込み時に補完拡大すると拡大率に応じて書き込み時のク
ロックを上げなければならなくなるが、上記のようにす
ると同じクロックで書き込み/読み出しができる。ま
た、この構成を使用し、途中から読み出したり、タイミ
ングを遅らせて読み出したりすることによって主走査方
向のシフトイメージ処理することができ、繰り返し読み
出すことによって繰り返し処理することができ、反対の
方から読み出すことによって鏡像処理することもでき
る。
(リ)スクリーンジェネレータ スクリーンジェネレータ309は、プロセスカラーの階調
トナー信号をオン/オフの2値化トナー信号に変換し出
力するものであり、閾値マトリクスと階調表現されたデ
ータ値との比較による2値化処理とエラー拡散処理を行
っている。IOTでは、この2値化トナー信号を入力し、1
6ドット/mmに対応するようにほぼ縦80μmφ、幅60μm
φの楕円形状のレーザビームをオン/オフして中間調の
画像を再現している。
まず、階調の表現方法について説明する。第2図(n)
に示すように例えば4×4のハーフトーンセルsを構成
する場合について説明する。まず、スクリーンジェネレ
ータでは、このようなハーフトーンセルsに対応して閾
値マトリクスmが設定され、これと階調表現されたデー
タ値とが比較される。そして、この比較処理では、例え
ばデータ値が「5」であるとすると、閾値マトリクスm
の「5」以下の部分でレーザビームをオンとする信号を
生成する。
16ドット/mmで4×4のハーフトーンセルを一般に100sp
i、16階調の網点というが、これでは画像が粗くカラー
画像の再現性が悪いものとなる。そこで、本複写機で
は、階調を上げる方法として、この16ドット/mmの画素
を縦(主走査方向)に4分割し、画素単位でのレーザビ
ームのオン/オフ周波数を同図(o)に示すように1/4
の単位、すなわち4倍に上げるようにすることによって
4倍高い階調を実現している。したがって、これに対応
して同図(o)に示すような閾値マトリクスm′を設定
している。さらに、線数を上げるためにサブマトリクス
法を採用するのも有効である。
上記の例は、各ハーフトーンセルの中央付近を唯一の成
長核とする同じ閾値マトリクスmを用いたが、サブマト
リクス法は、複数の単位マトリクスの集合により構成
し、同図(p)に示すようにマトリクスの成長核を2ヵ
所或いはそれ以上(複数)にするものである。このよう
なスクリーンのパターン設計手法を採用すると、例えば
明るいところは141spi、64階調にし、暗くなるにしたが
って200spi、128階調にすることによって暗いところ、
明るいところに応じて自由に線数と階調を変えることが
できる。このようなパターンは、階調の滑らかさや細線
性、粒状性等を目視によって判定することによって設計
することができる。
中間調画像を上記のようなドットマトリクスによって再
現する場合、階調数と解像度とは相反する関係となる。
すなわち、階調数を上げると解像度が悪くなり、解像度
を上げると階調数が低くなるという関係がある。また、
閾値データのマトリクスを小さくすると、実際に出力す
る画像に量子化誤差が生じる。エラー拡散処理は、同図
(q)に示すようにスクリーンジェネレータ3092で生成
されたオン/オフの2値化信号を入力の階調信号との量
子化誤差を濃度変換回路3093、減算回路3094により検出
し、補正回路3095、加算回路3091を使ってフィードバッ
クしてマクロ的にみたときの階調の再現性を良くするも
のであり、例えば前のラインの対応する位置とその両側
の画素をデジタルフィルタを通してたたみこむエラー拡
散処理を行っている。
スクリーンジェネレータでは、上記のように中間調画像
や文字画像等の画像の種類によって原稿或いは領域毎に
閾値データやエラー拡散処理のフィードバック係数を切
り換え、高階調、高精細画像の再現性を高めている。
(ヌ)領域画像制御モジュール 領域画像制御モジュール311では、7つの矩形領域およ
びその優先順位が領域生成回路に設定可能な構成であ
り、それぞれの領域に対応してスイッチマトリクスに領
域の制御情報が設定される。制御情報としては、カラー
変換やモノカラーかフルカラーか等のカラーモード、写
真や文字等のモジュレーションセレクト情報、TRCのセ
レクト情報、スクリーンジェネレータのセレクト情報等
があり、カラーマスキングモジュール302、カラー変換
モジュール304、UCRモジュール305、空間フィルター30
6、TRCモジュール307の制御に用いられる。なお、スイ
ッチマトリクスは、ソフトウエアにより設定可能になっ
ている。
(ル)編集制御モジュール 編集制御モジュールは、矩形でなく例えば円グラフ等の
原稿を読み取り、形状の限定されない指定領域を指定の
色で塗りつぶすようなぬりえ処理を可能にするものであ
り、同図(m)に示すようにCPUのバスにAGDC(Advance
d Graphic Digital Controller)3121、フォントバッフ
ァ3126、ロゴROM128、DMAC(DMA Controller)3129が接
続されている。そして、CPUから、エンコードされた4
ビットのエリアコマンドがAGDC3121を通してプレーンメ
モリ3122に書き込まれ、フォントバッファ3126にフォン
トが書き込まれる。プレーンメモリ3122は、4枚で構成
し、例えば「0000」の場合にはコマンド0であってオリ
ジナルの原稿を出力するというように、原稿の各点をプ
レーン0〜プレーン3の4ビットで設定できる。この4
ビット情報をコマンド0〜コマンド15にデコードするの
がデコーダ3123であり、コマンド0〜コマンド15をフィ
ルパターン、フィルロジック、ロゴのいずれの処理を行
うコマンドにするかを設定するのがスイッチマトリクス
3124である。フォントアドレスコントローラ3125は、2
ビットのフィルパターン信号により網点シェード、ハッ
チングシェード等のパターンに対応してフォントバッフ
ァ3126のアドレスを生成するものである。
スイッチ回路3127は、スイッチマトリクス3124のフィル
ロジック信号、原稿データXの内容により、原稿データ
X、フォントバッファ3126、カラーパレットの選定等を
行うものである。フィルロジックは、バックグランド
(原稿の背景部)だけをカラーメッシュで塗りつぶした
り、特定部分をカラー変換したり、マスキングやトリミ
ング、塗りつぶし等を行う情報である。
本複写機のIPSでは、以上のようにIITの原稿読み取り信
号について、まずEND変換した後カラーマスキングし、
フルカラーデータでの処理の方が効率的な原稿サイズや
枠消し、カラー変換の処理を行ってから下色除去および
墨の生成をして、プロセスカラーに絞っている。しか
し、空間フィルターやカラー変調、TRC、縮拡等の処理
は、プロセスカラーのデータを処理することによって、
フルカラーのデータで処理する場合より処理量を少なく
し、使用する変換デーブルの数を1/3にすると共に、そ
の分、種類を多くして調整の柔軟性、色の再現性、階調
の再現性、精細度の再現性を高めている。
(B)イメージ処理システムのハードウエア構成 第23図はIPSのハードウエア構成例を示す図である。
本複写機のIPSでは、2枚の基板、IPS−AおよびIPS−
Bに分割し、色の再現性や階調の再現性、精細度の再現
性等のカラー画像形成装置としての基本的な機能を達成
する部分について第1の基板IPS−Aに、編集のように
応用、専門機能を達成する部分を第2の基板IPS−Bに
搭載している。前者の構成が第23図(a)〜(c)であ
り、後者の構成が同図(d)である。特に第1の基板に
より基本的な機能が充分達成できれば、第2の基板を設
計変更するだけで応用、専門機能について柔軟に対応で
きる。したがって、カラー画像形成装置として、さらに
機能を高めようとする場合には、他方の基板の設計変更
をするだけで対応できる。
IPSの基板には、第23図に示すようにCPUのバス(アドレ
スバスADRSBUS、データバスDATABUS、コントロールバス
CTRLBUS)が接続され、IITのビデオデータB、G、R、
同期信号としてビデオクロックIIT・VCLK、ライン同期
(主走査方向、水平同期)信号IIT・LS、ページ同期
(副走査方向、垂直同期)信号IIT・PSが接続される。
ビデオデータは、END変換部以降においてパイプライン
処理されるため、それぞれの処理段階において処理に必
要なクロック単位でデータの遅れが生じる。そこで、こ
のような各処理の遅れに対応して水平同期信号を生成し
て分配し、また、ビデオクロックとライン同期信号のフ
ェイルチェックするのが、ライン同期発生&フェイルチ
ェック回路328である。そのため、ライン同期発生&フ
ェイルチェック回路328には、ビデオクロックIIT・VCLK
とライン同期信号IIT・LSが接続され、また、内部設定
書き換えを行えるようにCPUのバス(ADRSBUS、DATABU
S、CTRLBUS)、チップセレクト信号CSが接続される。
IITのビデオデータB、G、RはEND変換部のROM321に入
力される。END変換テーブルは、例えばRAMを用いCPUか
ら適宜ロードするように構成してもよいが、装置が使用
状態にあって画像データの処理中に書き換える必要性は
ほとんど生じないので、B、G、Rのそれぞれに2kバイ
トのROMを2個ずつ用い、ROMによるLUT(ルックアップ
テーブル)方式を採用している。そして、16面の変換テ
ーブルを保有し、4ビットの選択信号ENDSelにより切り
換えられる。
END変換されたROM321の出力は、カラー毎に3×1マト
リクスを2面保有する3個の演算LSI322からなるカラー
マスキング部に接続される。演算LSI322には、CPUの各
パスが接続され、CPUからマトリクスの係数が設定可能
になっている。画像信号の処理からCPUによる書き換え
等のためCPUのバスに切り換えるためにセットアップ信
号SU、チップセレクト信号CSが接続され、マトリクスの
選択切り換えに1ビットの切り換え信号MONOが接続され
る。また、パワーダウン信号PDを入力し、IITがスキャ
ンしていないときすなわち画像処理をしていないとき内
部のビデオクロックを止めている。
演算LSI322によりB、G、RからY、M、Cに変換され
た信号は、同図(d)に示す第2の基板IPS−Bのカラ
ー変換LSI353を通してカラー変換処理後、DOD用LSI323
に入力される。カラー変換LSI353には、非変換カラーを
設定するスレッショルドレジスタ、変換カラーを設定す
るカラーパレット、コンパレータ等からなるカラー変換
回路を4回路保有し、DOD用LSI323には、原稿のエッジ
検出回路、枠消し回路等を保有している。
枠消し処理したDOD用LSI323の出力は、UCR用LSI324に送
られる。このLSIは、UCR回路と墨生成回路、さらには必
要色生成回路を含み、コピーサイクルでのトナーカラー
に対応するプロセスカラーX、必要色Hue、エッジEdge
の各信号を出力する。したがって、このLSIには、2ビ
ットのプロセスカラー指定信号COLR、カラーモード信号
(4COLR、MONO)も入力される。
ラインメモリ325は、UCR用LSI324から出力されたプロセ
スカラーX、必要色Hue,エッジEdgeの各信号を5×7の
デジタルフィルター326に入力するために4ライン分の
データを蓄積するFIFOおよびその遅れ分を整合させるた
めのFIFOからなる。ここで、プロセスカラーXとエッジ
Edgeについては4ライン分蓄積してトータル5ライン分
をデジタルフィルター326に送り、必要色Hueについては
FIFOで遅延させてデジタルフィルター326の出力と同期
させ、MIX用LSI327に送るようにしている。
デジタルフィルター326は、2×7フィルターのLSIを3
個で構成した5×7フィルターが2組(ローパスLPとハ
イパスHP)あり、一方で、プロセスカラーXについての
処理を行い、他方で、エッジEdgeについての処理を行っ
ている。MIX用LSI327では、これらの出力に変換テーブ
ルで網点除去やエッジ強調の処理を行いプロセスカラー
Xにミキシングしている。ここでは、変換テーブルを切
り換えるための信号としてエッジEDGE、シャープSharp
が入力されている。
TRC342は、8面の変換テーブルを保有する2kバイトのRA
Mからなる。変換テーブルは、各スキャンの前、キャリ
ッジのリターン期間を利用して変換テーブルの書き換え
を行うように構成され、3ビットの切り換え信号TRCSel
により切り換えられる。そして、ここからの処理出力
は、トランシーバーより縮拡処理用LSI345に送られる。
縮拡処理部は、8kバイトのRAM344を2個用いてピンポン
バッファ(ラインバッファ)を構成し、LSI343でリサン
プリングピッチの生成、ラインバッファのアドレスを生
成している。
縮拡処理部の出力は、同図(d)に示す第2の基板のエ
リアメモリ部を通ってEDF用LSI346に戻る。EDF用LSI346
は、前のラインの情報を保持するFIFOを有し、前のライ
ンの情報を用いてエラー拡散処理を行っている。そし
て、エラー拡散処理後の信号Xは、スクリーンジェネレ
ータを構成するSG用LSI347を経てIOTインターフェース
へ出力される。
IOTインターフェースでは、1ビットのオン/オフ信号
で入力されたSG用LSI347からの信号をLSI349で8ビット
にまとめてパラレルでIOTに送出している。
第23図に示す第2の基板において、実際に流れているデ
ータは、16ビット/mmであるので、縮小LSI354では、1/4
に縮小して且つ2値化してエリアメモリに蓄える。拡大
デコードLSI359は、フィルパターンRAM360を持ち、エリ
アメモリから領域情報を読み出してコマンドを生成する
ときに16ビットに拡大し、ロゴアドレスの発生、カラー
パレット、フィルパターンの発生処理を行っている。DR
AM356は、4面で構成しコードされた4ビットのエリア
情報を格納する。AGDC355は、エリアコマンドをコント
ロールする専用のコントローラである。
(II−4)イメージ出力ターミナル (A)概略構成 第24図はイメージ出力ターミナル(IOT)の概略構成を
示す図である。
本装置は感光体として有機感材ベルト(Photo Recepter
ベルト)を使用し、4色フルカラー用にブラック
(K)、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー
(Y)からなる現像機404、用紙を転写部に搬送する転
写装置(Tow Roll Transfer Loop)406、転写装置404か
ら定着装置408へ用紙を搬送する真空搬送装置(Vacuum
Transfer)407、用紙トレイ410、412、用紙搬送路411が
備えられ、感材ベルト、現像機、転写装置の3つのユニ
ットはフロント側へ引き出せる構成となっている。
レーザー光源40からのレーザ光を変調して得られた情報
光はミラー40dを介して感材41上に照射されて露光が行
われ、潜像が形成される。感材上に形成されたイメージ
は、現像機404で現像されてトナー像が形成される。現
像機404はK、M、C、Yからなり、図示するような位
置関係で配置される。これは、例えば暗減衰と各トナー
の特性との関係、ブラックトナーへの他のトナーの混色
による影響の違いといったようなことを考慮して配置し
ている。但し、フルカラーコピーの場合の駆動順序は、
Y→C→M→Kである。
一方、2段のエレベータトレイからなる410、他の2段
のトレイ412から供給される用紙は、搬送路411を通して
転写装置406に供給される。転写装置406は転写部に配置
され、タイミングチェーンまたはベルトで結合された2
つのロールと、後述するようなグリッパーバーからな
り、グリッパーバーで用紙をくわえ込んで用紙搬送し、
感材上のトナー像を用紙に転写させる。2色フルカラー
の場合、用紙は転写装置部で4回転し、Y、C、M、K
の像がこの順序で転写される。転写後の用紙はグリッパ
ーバーから解放されて転写装置から真空搬送装置407に
渡され、定着装置408で定着されて排出される。
真空搬送装置407は、転写装置406と定着装置408との速
度差を吸収して同期をとっている。本装置においては、
転写速度(プロセススピード)は190mm/secで設定され
ており、フルカラーコピー等の場合には定着速度は90mm
/secであるので、転写速度と定着速度とは異なる。定着
度を確保するために、プロセススピードを落としてお
り、一方1.5kVA達成のため、パワーをフューザにさくこ
とができない。
そこで、B5、A4等の小さい用紙の場合、転写された用紙
が転写装置406から解放されて真空搬送装置407に載った
瞬間に真空搬送装置の速度を190mm/secから90mm/secに
落として定着速度と同じにしている。しかし、本装置で
は転写装置と定着装置間をなるべく短くして装置をコン
パクト化するようにしているので、A3用紙の場合は転写
ポイントと定着装置間に納まらず、真空搬送装置の速度
を落としてしまうと、A3の後端は転写中であるので用紙
にブレーキがかかり色ズレを生じてしまうことになる。
そこで、定着装置と真空搬送装置との間にバッフル板40
9を設け、A3用紙の場合にバッフル板を下側に倒して用
紙にループを描かせて搬送路を長くし、真空搬送装置は
転写速度と同一速度として転写が終わってから用紙先端
が定着装置に到達するようにして速度差を吸収するよう
にしている。また、OHPの場合も熱伝導が悪いのでA3用
紙の場合と同様にしている。
なお、本装置ではフルカラーだけでなく黒でも生産性を
落とさずにコピーできるようにしており、黒の場合には
トナー層が少なく熱量が小さくても定着可能であるの
で、定着速度は190mm/secのまま行い、真空搬送装置で
のスピードダウンは行わない。これは黒以外にもシング
ルカラーのようにトナー層が1層の場合は定着速度は落
とさずにすむので同様にしている。そして、転写が終了
するとクリーン405で感材上に残っているトナーが掻き
落とされる。
(B)転写装置の構成 転写装置406は第25図(a)に示すような構成となって
いる。
本装置の転写装置はメカ的な用紙支持体を持たない構成
にして色ムラ等が起きないようにし、また、スピードの
コントロールを行って転写速度を上げるようすることを
特徴としている。
用紙はフィードヘッド421でトレイから排出され、ペー
パーパスサーボ423で駆動されるバックルチャンバー422
内を搬送され、レジゲートソレノイド426により開閉制
御されるレジゲート425を介して転写装置へ供給され
る。用紙がレジゲートに到達したことはプリレジゲート
センサ424で検出するようにしている。転写装置の駆動
は、サーボモータ432でタイミングベルトを介してロー
ラ433を駆動することによって行い、反時計方向に回転
駆動している。ローラ434は特に駆動はしておらず、ロ
ーラ間には2本のタイミング用のチェーン、またはベル
トが掛けられ、チェーン間(搬送方向に直角方向)に
は、常時は弾性で閉じており、転写装置入り口でソレノ
イドにより口を開くグリッパーバー430が設けられてお
り、転写装置入口で用紙をくわえて引っ張り回すことに
より搬送する。従来は、マイラーシート、またはメッシ
ュをアルミないしスチール性の支持体に貼って用紙を支
持していたため、熱膨張率の違いにより凹凸が生じて転
写に対して平面性が悪くなり、転写効率が部分的に異な
って色ムラが生じていたのに対し、このグリッパーバー
の使用により、用紙の支持体を特に設ける必要がなく、
色ムラの発生を防止することができる。
転写装置には搬送する用紙の支持体は設けておらず、ロ
ーラ部では用紙は遠心力で外側へ放り出されることにな
るので、これを防止するために2つのローラを真空引き
して用紙をローラの方へ引きつけ、ローラを過ぎるとひ
らひらしながら搬送される。用紙は転写ポイントにおい
て、デタックコロトロン、トランスファコロトロンが配
置された感材の方へ静電的な力により吸着され転写が行
われる。転写終了後、転写装置出口においてグリッパホ
ームセンサ436で位置検出し、適当なタイミングでソレ
ノイドによりグリッパバーの口を開いて用紙を離し、真
空搬送装置413へ渡すことになる。
従って、転写装置において、一枚の用紙はフルカラーの
場合であれば4回転、3色の場合であれば3回転搬送さ
れて転写が行われることになる。
サーボモータ432のタイミング制御を第25図(b)によ
り説明する。転写装置においては、転写中にサーボモー
タ432を一定速度でコントロールし、転写が終了すれば
用紙に転写されたリードエッジが、次の潜像の転写ポイ
ントと同期するように制御すればよい。一方、感材ベル
ト41の長さは、A4で3枚、A3で2枚の潜像が形成される
長さであり、また、ベルト435の長さはA3用紙の長さよ
り少し長く(略4/3倍)設定されている。
従って、A4用紙のカラーコピーを行う場合には、1色目
の潜像I1を転写するときにはサーボモータ432を一定速
度でコントロールし、転写が終了すると用紙に転写され
たリードエッジが、2色目の潜像I2の先端と同期するよ
うに、サーボモータを急加速して制御する。また、A3用
紙の場合には、1色目の潜像I1の転写が終了すると用紙
に転写されたリードエッジが、2色目の潜像I2の先端と
同期するように、サーボモータを減速して待機するよう
に制御する。
(II−5)フィルム画像読取り装置 (A)フィルム画像読取り装置の概略構成 第2図に示されているように、フィルム画像読取り装置
は、フィルムプロジェクタ(F/P)64およびミラーユニ
ット(M/U)65とを備えている。
(A−1)F/Pの構成 第26図に示されているように、F/P64はハウジング601を
備えており、このハウジング601に動作確認ランプ602、
マニュアルランプスイッチ603、オートフォーカス/マ
ニュアルフォーカス切り換えスイッチ(AF/MF切り換え
スイッチ)604、およびマニュアルフォーカス操作スイ
ッチ(M/F操作スイッチ)605a,605bが設けられている。
また、ハウジング601は開閉自在な開閉部606を備えてい
る。この開閉部606の上面と側面とには、原稿フィルム6
33を保持したフィルム保持ケース607をその原稿フィル
ム633に記録されている被写体の写し方に応じて縦また
は横方向からハウジング601内に挿入することができる
大きさの孔608,609がそれぞれ穿設されている。これら
孔608,609の反対側にもフィルム保持ケース607が突出す
ることができる孔(図示されない)が穿設されている。
開閉部606は蝶番によってハウジング601に回動可能に取
り付けられるか、あるいはハウジング601に着脱自在に
取り付けるようになっている。開閉部606を開閉自在に
することにより、孔608,609からハウジング601内に小さ
な異物が侵入したときに容易にこの異物を取り除くこと
ができるようにしている。
このフィルム保持ケース607は35mmネガフィルム用のケ
ースとポジフィルム用のケースとが準備されている。し
たがって、F/P64はこれらのフィルムに対応することが
できるようにしている。また、F/P64は6cm×6cmや4inch
×5inchのネガフィルムにも対応することができるうに
している。その場合、このネがフィルムをM/U65とプラ
テンガラス31との間でプラテンガラス31上に密着するよ
うにしている。
第29図に示されているように、ハウジング601の図にお
いて右側面には被写レンズ610を保持する映写レンズ保
持部材611が摺動自在に支持されている。
また、ハウジング601内にはリフレクタ612およびハロゲ
ンランプ等からなる光源ランプ613が映写レンズ610と同
軸上に配設されている。ランプ613の近傍には、このラ
ンプ613を冷却するための冷却用ファン614が設けられて
いる。更に、ランプ613の右方には、このランプ613から
の光を収束するための非球面レンズ615、所定の波長の
光線をカットするための熱線吸収フィルタ616および凸
レンズ617がそれぞれ映写レンズ610と同軸上に配設され
ている。
凸レンズ617の右方には、例えば35mmネガフィルム用お
よびポジフィルム用のフィルム濃度を調整するための補
正フィルタ635(図では一方のフィルム用の補正フィル
タが示されている)を支持する補正フィルタ保持部材61
8と、の補正フィルタ保持部材618の駆動用モータ619
と、補正フィルタ保持部材618の回転位置を検出する第
1および第2位置検出センサ620,621と駆動用モータ619
を制御するコントロール装置(F/P64内に設けられるが
図示されていない)とをそれぞれ備えた補正フィルタ自
動交換装置が設けられている。そして、補正フィルタ保
持部材618に支持された補正フィルタ635のうち、原稿フ
ィルム633に対応した補正フィルタ635を自動的に選択し
て映写レンズ610等の各レンズと同軸上の使用位置に整
合するようにしている。この補正フィルタ自動交換装置
の補正フィルタ635は、例えばプラテンガラス31とイメ
ージングユニット37との間等、投影光の光軸上であれば
どの場所にも配設することができる。
更に、映写レンズ保持部材611に連動するオートフォー
カスセンサ用発光器623および受光器624と、映写レンズ
610の映写レンズ保持部材611をハウジング601に対して
摺動させる摺動用モータ625とを備えたオートフォーカ
ス装置が設けられている。フィルム保持ケース607が孔6
08または孔609からハウジング601内に挿入されたとき、
このフィルム保持ケース607に支持された原稿フィルム6
33は補正フィルタ保持部材618と発光器623および受光器
624との間に位置するようにされている。原稿フィルム6
35のセット位置の近傍には、この原稿フィルム633を冷
却するためのフィルム冷却用ファン626が設けられてい
る。
このF/P64の電源はベースマシン30の電源とは別に設け
られるが、このベースマシン30内に収納されている。
(A−2)M/Uの構成 第27図に示されているように、ミラーユニット65は底板
627とこの底板627に一端が回動可能に取り付けられたカ
バー628とを備えている。底板627とカバー628との間に
は、一対の支持片629,629が枢着されており、これら支
持片629,629は、カバー628を最大に開いたときこのカバ
ー628と底板627とのなす角度が45度となるようにカバー
628を支持するようになっている。
カバー628の裏面にはミラー630が設けられている。また
底板627には大きな開口が形成されていて、この開口を
塞ぐようにしてフレネルレンズ631と拡散板632とが設け
られている。
第29図に示されているように、これらフレネルレンズ63
1と拡散板632とは一枚のアクリル板からなっており、こ
のアクリル板の表面にフレネルレンズ631が形成されて
いるとともに、裏面に拡散板632が形成されている。フ
レネルレンズ631はミラー630によって反射され、拡散し
ようとする映写光を平行な光に変えることにより、画像
の周辺部が暗くなるのを防止する機能を有している。ま
た拡散板632は、フレネルレンズ631からの平行光によっ
て形成される、イメージングユニット37内のセルフォッ
クレンズ224の影をラインセンサ226が検知し得ないよう
にするために平行光を微小量拡散する機能を有してい
る。
このミラーユニット65はF/P64によるカラーコピーを行
わないときには、折畳まれて所定の保管場所に保管され
る。そして、ミラーユニット65は使用する時に開かれて
ベースマシン30のプラテンガラス31上の所定の場所に載
置される。
(B)フィルム画像読取り装置の主な機能 フィルム画像読取り装置は、以下の主な機能を備えてい
る。
(B−1)補正フィルタ自動交換機能 F/P64に光源ランプ613として一般に用いられているハロ
ゲンランプは、一般的に赤(R)が多く、青(B)が少
ないという分光特性を有しているので、このランプ613
でフィルムを映写すると、投影光の赤(R)、緑(G)
および青(B)の比がランプ613の分光特性によって影
響を受けてしまう。このため、ハロゲンランプを用いて
映写する場合には、分光特性の補正が必要となる。
一方、画像を記録するフィルムには、ネガフィルムやポ
ジフィルム等の種類があるばかりでなく、ネガフィルム
自体あるいはポジフィルム自体にもいくつかの種類があ
るように、多くの種類がある。これらのフィルムはそれ
ぞれその分光特性が異なっている。例えば、ネガフィル
ムにおいてはオレンジ色をしており、Rの透過率が多い
のに対してBの透過率が少ない。このため、ネガフィル
ムにおいては、Bの光量を多くなるように分光特性を補
正する必要がある。
そこで、F/P64には、このような分光特性を補正するた
めの補正フィルタが準備されている。
F/P64はこれらの補正フィルタを自動的に交換すること
ができるようにしている。補正フィルタの交換は、前述
の補正フィルタ自動交換装置によって行われる。すなわ
ち、原稿フィルム633に対応した補正フィルタを使用位
置にセットするように、システム(SYS)リモート内の
マイクロプロセッサ(CPU)から2bitの命令信号が出力
されると、コントロール装置は、第1、第2位置検出セ
ンサ620,621からの2bit信号がCPUの信号に一致するよう
に、駆動用モータ619を駆動制御する。そして、センサ6
20,621からの信号がCPUの信号に一致すると、コントロ
ール装置はモータ619を停止させる。モータ619が停止し
たときには、原稿フィルムに対応した補正フィルタが自
動的に使用位置にセットされるようになる。
したがって、補正フィルタを簡単かつ正確に交換するこ
とができるようになる。
(B−2)原稿フィルム挿入方向検知機能 原稿フィルム633は開閉部606に形成された挿入光608,60
9のいずれの孔からも挿入することができる。すなわ
ち、被写体の写し方に対応して鉛直方向からと水平方向
からとの二方向から原稿フィルム633を装着することが
できるようにしている。その場合、挿入孔608,609の少
なくともいずれか一方にはフィルム検知スイッチが設け
られている。すなわち、フィルム検知スイッチが少なく
とも一つ設けられている。そして、フィルム検知スイッ
チが孔608側に設けられるが孔609側には設けられない場
合には、フィルム保持ケース607が孔608から挿入されて
フィルムが検知されたときオンとなって、検知信号を出
力する。この検知信号があるときにはラインセンサ226
の必要エリアは縦、すなわち副走査方向が投影像の長手
方向となるように設定される。また、フィルム保持ケー
ス607が孔609から挿入されたとき、このスイッチはオフ
状態を保持するので検知信号を出力しない。検知信号が
ないときには必要エリアは横、すなわち主走査方向が投
影像の長手方向となるように設定される。
また、フィルム検知スイッチが孔609側のみに設けられ
ている場合、あるいはフィルム検知スイッチ両方の孔60
8,609側に設けられている場合にも、同様に、フィルム
保持ケース607が孔608から挿入されたときにラインセン
サ226の必要エリアは副走査方向が投影像の長手方向と
なるように、またフィルム保持ケース607が孔609から挿
入されたときにラインセンサ226の必要エリアは主走査
方向が投影像の長手方向となるように、フィルム検知ス
イッチのオン、オフ信号が設定される。
(B−3)ホートフォーカス機能(AF機能) フィルム保持ケース607をF/P64に装着したとき、原稿フ
ィルム633の装着位置には数十μmの精度が要求され
る。このため、原稿フィルム633を装着した後、ピント
合わせが必要となる。このピント合わせを手動で行う場
合、プラテンガラス31の所定位置にセットされたM/U65
の拡散板632に原稿フィルム633の画像を投影し、その投
影画像を見ながら映写レンズ保持部材611を摺動させて
行わなければならない。その場合、拡散板632に投影さ
れた画像はきわめて見にくいので、正確にピントを合わ
せることは非常に難しい。
そこで、原稿フィルム633をF/P64に装着したとき、F/P6
4は自動的にピント合わせを行うことができるようにし
ている。
このAF機能は前述のAF装置により次のようにして行われ
る。
U/I36のディスプレイ上のキーを操作してF/Pモードにす
ることにより、発光器623が光を発し、また第26図にお
いて、F/P64のAF/MF切り換えスイッチ604をAFに選択す
ることにより、AF装置が作動可能状態となる。第29図に
示されているように、原稿フィルム633が入っているフ
ィルムケース607をF/P64に装着すると、発光器623から
の光がこの原稿フィルム633によって反射するようにな
り、その反射光がAFのための例えば2素子型の受光器62
4によって検知される。
そして、受光器624の2素子はそれぞれが検知した反射
光の量に応じた大きさの信号をCPU634に出力する。CPU6
34はこれらの信号の差を演算し、その演算結果が0でな
いときには出力信号を発して2素子からの信号の差が小
さくなる方向にモータ625を駆動する。したがって、映
写レンズ保持部材611が摺動するとともに、これに連動
して、発光器623および受光器624がともに移動する。そ
して、2素子からの出力信号の差が0になると、CPU634
はモータ625を停止する。モータ625が停止したときがピ
ントの合った状態となる。
こうして、AF作動が行われる。これにより、原稿フィル
ムを入れたフィルムケースをF/P64に装着したとき、そ
の都度手動によりピント合わせを行わなくても済むよう
になる。したがって、手間がかからないばかりでなく、
ピントずれによるコピーの失敗が防止できる。
(B−4)マニュアルフォーカス機能(MF機能) AF/MF切り換えスイッチ604をMFに切り換えることによ
り、自動的にランプ613が所定時間点灯し、手動でピン
ト合わせを行うことができるようになる。MFの操作は、
ミラユニット65の拡散板632に映写した原稿フィルムの
画像を見ながら、操作スイッチ605a,605bを押すことに
より行われる。このMFにより、フィルム画像の特定の部
分のピントを合わせることができるようになる。
(B−5)光源ランプのマニュアル点灯機能 マニュアルランプスイッチ603を押すことにより無条件
にランプ613を点灯させることができるようにしてい
る。このスイッチは通常は使用しないが、比較的厚さの
厚いものに記録されている画像をコピーする場合におい
てバックライティングするとき、AF時に長時間映写像を
見るとき、およびランプ切れを確認するとき等に使用さ
れる。
(B−6)倍率自動変更およびスキャンエリア自動変更
機能 U/I36で用紙サイズを設定することにより、倍率を自動
的に設定することができるようにしている。また、U/I3
6で原稿フィルムの種類を選択することにより、そのフ
ィルムに応じてコピーエリアを自動的に選択することが
できるようにしている。
(B−7)自動シェーディング補正機能 CPU634のROMには、一般に、写真撮影によく使用される
ネガフィルムであるFUJI(登録商標)、KODAK(登録商
標)およびKONICA(登録商標)の各ASA100のオレンジマ
スクの濃度データが記憶されており、これらのフィルム
が選択されたとき、CPU634は記憶された濃度データに基
づいて自動的にシェーディング補正を行うことができる
ようにしている。その場合、これらのフィルムのベース
フィルムをF/P64に装着する必要はない。
したがって、ベースフィルムを装着する手間を省くこと
ができるばかりでなく、間違ってベースフィルムを装着
することが防止でき、しかもベースフィルムの管理が不
要となる。
また、この3種類のフィルム以外に他のフィルムの一種
類について、そのフィルムのオレンジマスクの濃度デー
タを登録することができるようにしている。このデータ
は複写機のシステム内のRAMに記憶されるようにしてい
る。この登録されたフィルムの場合にも前述の3種類の
フィルムの場合と同様に自動的にシェーディング補正が
行われる。
(B−8)自動画質調整機能 原稿フィルムの濃度特性やフィルム撮影時の露光条件等
の諸条件に基づいてγ補正等の補正を行い、濃度調整や
カラーバランス調整を自動的に行うことができるように
している。
(C)画像信号処理 (C−1)画像信号の補正の必要性およびその補正の原
理 一般にフィルムの持っている濃度レンズは原稿の濃度レ
ンジよりも広い。また、同じフィルムでも、ポジフィル
ムの濃度レンジはネガフィルムのそれよりも広いという
ようにフィルムの種類によっても濃度レンジが異なる。
更に、フィルムの濃度レンジは、例えばフィルムの露光
量、被写体の濃度あるいは撮影時の明るさ等の原稿フィ
ルムの撮影条件によって左右される。実際に、被写体濃
度はフィルムの濃度レンジ内で広く分布している。
したがって、このようなフィルムに記録されている画像
を、反射光によって原稿をコピーする複写機でコピーし
ようとする場合、同じ信号処理を行ったのでは、良好な
再現性は得られない。そこで、主要被写体の濃度が適正
となるように画像読取り信号を適宜補正することによ
り、良好な再現性を得るようにしている。
第28図は、あるネガフィルムの濃度特性および濃度補正
の原理を示している。この図において、横軸は、右半分
が被写体の露光量(被写体濃度に相当する)を表わし、
左半分がシェーディング補正後の濃度を表わしている。
また、縦軸は、上半分がビデオ回路出力(ほぼネガ濃度
に等しい)を表わし、下半分が出力コピー濃度を表わし
ている。すなわち、第1象限はそのネガフィルムの濃度
特性を、第2象限はシェーディング補正の関係を、第3
象限はγ補正の関係を、そして第4象限は被写体露光量
と補正された出力コピー濃度との関係をそれぞれ表わし
ている。
このネガフィルムの濃度特性は、第28図の第1象限にお
いて線αで示される。すなわち、被写体からの露光量が
多いときにはネガフィルムの濃度が大きく、被写体から
の露光量が少なくなるにしたがって、ネガフィルム濃度
は線形的に小さくなる。被写体からの露光量がある程度
少なくなると、被写体からの露光量とネガフィルム濃度
との線形性がなくなる。そして、この露光量が少ない場
合には、例えば、そのフィルムに記録されている画像が
人間の胸像であるとすると、顔と髪の毛とのコントラス
トがとれなくなってしまう。また、露光量が多い場合で
も、線αの傾き、すなわちγの値が1よりも小さいので
γ補正を行わないと、コピーが軟調になってしまう。
このようなことから、γ補正が必要となる。
次に、第28図を用いて補正の原理を説明する。同図第3
象限には、γ補正のためのENDカーブβが設定されてい
る。このENDカーブβの傾きγ′は、第4象限において
被写体からの露光量と出力コピー濃度との関係が45度の
直線関係となるようにするために、γ′=1/γに設定さ
れている。
例えば、被写体からの露光量が比較的多い領域aの場
合、シェーディング補正回路のレジスタに設定されてい
る濃度調整値が、第2象限において直線で表わされる
値にあるとすると、シェーディング補正後の濃度は領域
a′となる。この領域a′のうち領域についてはENDカ
ーブβの変換範囲に入らなくなり、この領域の部分はコ
ピーをすると白くつぶれてしまう。そこで、第2象限に
おいて濃度調整値を直線から直線にシフトして、シ
ェーディング補正後の濃度をENDカーブβの変換範囲に
入るようにする。このようにすることにより、被写体か
らの露光量と出力コピー濃度との関係が第4象限におい
て45度の直線に従うようになって、コピーは階調をも
った濃度を有するようになる。
また、被写体からの露光量が比較的小さいな領域bの場
合には、被写体からの露光量とネガフィルム濃度との線
形性がなくなる。この場合には、シェーディング補正回
路の濃度調整値を第2象限において直線の値に設定す
る。そして、第3象限において線で表わされるENDカ
ーブβを選択する。このENDカーブβを選択することに
より、被写体からの露光量と出力コピー濃度とが第4象
限の45度の直線で表わされるようにすることができ
る。すなわち、被写体からの露光量が領域bにあると
き、例えば黒い髪の人が茶色い帽子をかぶっているとす
ると、髪と帽子とがほとんど同じ濃度になってしまうこ
とが防止され、髪と帽子とのコントラストを明瞭に出す
ことができるようになる。
こうして、被写体の濃度が適正となるように補正が行わ
れる。
(C−2)画像信号処理方法 第29図に示されているように、ラインセンサ226が原稿
フィルム633の画像の映写光をR、G、B毎の光量とし
てアナログで読み取り、この光量で表わされた画像信号
は増幅器231によって所定レベルに増幅される。増幅さ
れた画像信号はA/Dコンバータ235によってディジタル信
号に変換され、更にログ変換器238によって光量信号か
ら濃度信号に変換される。
濃度で表わされた画像信号はシェーディング補正回路23
9によってシェーディング補正がされる。このシェーデ
ィング補正によって、セルフォックレンズ224の光量ム
ラ、ラインセンサ226における各画素の感度ムラ、補正
フィルタやランプ613の各分光特性や光量レベルのバラ
ツキ、あるいは経時変化による影響分が画像信号から取
り除かれる。
このシェーディング補正を行うに先立って、まず原稿フ
ィルムが前述の3種類のフィルムおよび登録されたフィ
ルムが選択されたときには、補正フィルタがポジフィル
ム用フィルタにセットされ、原稿フィルム633を装着し
ない状態でランプ613からの光量信号を読み取り、その
信号を増幅してディジタル信号に変換した後、さらに濃
度信号に変換したものに基づいて得られたデータを基準
データとしてラインメモリ240に記憶させる。すなわ
ち、イメージングユニット37をR、G、Bの各画素毎に
32ラインステップスキャンしてサンプリングし、これら
のサンプリグデータをラインメモリ240を通してCPU634
に送り、CPU634が32ラインのサンプリングデータの平均
濃度値を演算し、シェーディングデータをとる。このよ
うに平均をとることにより、各画素毎のエラーをなくす
ようにしている。
また、原稿フィルムを装着してその原稿フィルムの画像
の読取り時に、CPU634はROMに記憶されているネガフィ
ルムの濃度データから濃度調整値DADjを演算し、シェー
ディング補正回路239内のLSIのレジスタに設定されてい
るDADj値を書き換える。更に、CPU634は選択されたフィ
ルムに対応してランプ613の光量および増幅器643のゲイ
ンを調整する。
そして、シェーディング補正回路239は原稿フィルムを
読み取った実際のデータにDADj値を加えることにより、
読み取った濃度値をシフトさせる。更に、シェーディン
グ補正回路239はこれらの調整がされたデータから各画
素毎のシェーディングデータを引くことによりシェーデ
ィング補正を行う。
なお、CPU634のROMに記憶されていなく、かつシステム
のRAMに登録されていないフィルムの場合には、ベース
フィルムを装着してそのフィルムの濃度データを得、得
られた濃度データからDADj値を演算しなければならな
い。
シェーディング補正が終わると、IIT32はIPS33にR、
G、Bの濃度信号を出力する。
そして、CPU634は原稿フィルムの実際のデータに基づい
てENDカーブを選択し、この選択したカーブに基づいて
γ補正を行うべく補正信号を出力する。この補正信号に
より、IPS33はγ補正を行って原稿フィルムのγが1で
ないことや非線形特性から生じるコントラストの不明瞭
さを補正する。
(D)操作手順および信号のタイミング 第30図に基づいて、操作手順および信号のタイミングを
説明する。なお、破線で示されている信号は、その信号
を用いてもよいことを示している。
F/P64の操作は、主にベースマシン30のU/I36によって行
われる。すなわち、U/I36にディスプレイの画面に表示
されるF/P操作キーを操作することにより、ベースマシ
ン30をF/Pモードにする。原稿フィルムが前記3種類の
フィルムおよび登録されているフィルムのうちの一つで
ある場合を想定すると、第30図に示されているように、
U/I36のディスプレイの画面には、「ミラーユニットを
置いてからフィルムの種類を選んで下さい」と表示され
る。したがって、まずM/U65を開いてプラテンガラス31
の所定位置にセットする。
次いで、画面上のフィルム選択キーを押すと、画面には
「フィルムを入れずにお待ち下さい」と表示される。同
時に、ランプ613が点灯するとともに、補正フィルタ制
御(FC CONT)信号が(0,0)となってFC動作が行われ
る。すなわち、補正フィルタ自動交換装置が作動してポ
ジ用補正フィルタが使用位置にセットされる。補正フィ
ルタがセットされると、補正フィルタ交換終了 信号がLOWとなる。
このLOWとなったことかクランプ613が点灯して3〜5sec
経過したことをトリガーとしてシェーディング補正のた
めのシェーディングデータの採取が開始される。このシ
ェーディングデータの採取が終了すると、この終了をト
リガーとしてFC CONTが(0,1)となって補正フィルタ自
動交換装置が作動し、フィルム補正用フィルタが使用位
置にセットされる。また、シェーディング補正をトリガ
ーとして画面には「ピントを合わせます。フィルムを入
れて下さい」と表示されると共に、ランプ613が消灯す
る。したがって、原稿フィルム633を入れたフィルムケ
ース607をF/P64に装着する。これにより、発光器623か
らの光がこのフィルムによって反射され、その反射光が
受光器624によって検知される。
反射光が受光器624の2素子間の受光量の差分が0でな
いときには、AF装置のモータ625が作動し、ピントが合
わされる。すなわち、AF作動が行われる。ピント合わせ
が終了すると、F/P作動準備完了 信号がLOWとなる。この 信号がLOWになった後でかつFC SETがLOWとなって1秒経
過した後に、画面には「コピーできます」と表示され
る。U/I36のスタートキーを押すと、画面には「コピー
中です」と表示され、かつランプ613が点灯するととも
に、ランプ613の立ち上がり時間を待って自動濃度調整
(A/E)のためのデータの採取が開始される。すなわ
ち、濃度調整、カラーバランス調整、γ補正等を行うた
めのデータを得るためにイメージングユニット37が一回
スキャンして、投影像の一部または全部を読み取る。
次いで、フルカラーのときには、イメージングユニット
37が4回スキャンしてコピーが行われる。その場合、シ
ェーディングデータおよび自動濃度調整用データに基づ
いてシェーディング補正および濃度調整が自動的に行わ
れる。コピーが終了すると、ランプ613が消灯するとと
もに、画面には「コピーできます」と表示される。した
がって、再びスタートキーを押すと、新たにコピーが行
われる。他の画像をコピーしたい場合には、フィルムの
コマを変えることになる。コマを変える際、 がHIGHとなるとともに画面には「ピントを合わせます」
と表示される。そして、新しいコマがセットされると、
AF動作が行われ、同時に、 がLOWとなるとともに、画面には「コピーできます」と
表示される。その後、スタートキーを押すことにより、
コピーが行われる。
(III)ユーザインターフェース(UI) (III−1)カラーCRTディスプレイと光学式タッチボー
トの採用 これまで述べてきたように、本複写機は、4色フルカラ
ー、3色カラー等のカラーコピーは勿論のこと、白黒の
コピーも行え、しかも種々の編集機能を備えると共に、
全自動化が図られた高機能のディジタルカラー複写機で
あり、従って、複写機の機能あるいは構成を熟知しな
い、いわゆる初心者が単に白黒の文章を必要枚数コピー
するというような場合には勿論のこと、デザイナー等の
複写機をよく活用する、いわゆる熟練者が種々の編集機
能を使用して斬新で独創性のある文章を作成することも
できるものである。
さて、本複写機に限らず、複写機を使用するに当たって
はどのようなコピーを行うかに応じて、コピー実行条件
(コピーモード)の設定、および必要なパラメータの設
定を行わなければならない。これらの設定に際して、ユ
ーザと複写機との間に介在し、対話を支援するのがUIで
ある。
従って、UIにおいては、その操作性が非常に重要なポイ
ントとなる。つまり、様々な機能を備え、信頼性に高い
ものえあれば、それだけ複写機としての評価は高くなる
が、それらの機能が使い難ければ、優れた機能を備えて
いても価値が極端に低下して逆に高価なものになってし
まい、総合的な評価も著しく低下することになる。特
に、本複写機のように多くの編集機能を有する複写機に
おいては、機能の選択やパラメータの設定に多くの操作
が必要になり、操作手順の間違いや誤操作が発生し易く
なるのである。
このような観点から、UIは、複写機が使いやすいかどう
かを大きく左右するファクタとなり、特に、本複写機の
ように多機能化された複写機においては尚更のこと、UI
の操作性が問題になる。
それでは、UIをどのように構成すれば操作性を向上でき
るであろうか。
まず、高機能の複写機と言えども、これまでの複写機と
全く異なる操作を必要とするのではユーザを戸惑わせる
ばかりで、非常に使い勝手の悪いものとなるから、ユー
ザが違和感なく操作できるために、従来の複写機と同様
な操作性を有することが望ましいことは明らかである。
例えば、倍率100%でA4の用紙に3枚コピーをとりたい
とすると、倍率設定のボタンあるいはキーの「100%」
のボタンを押し、用紙設定のボタンからは「A4」のボタ
ンを押し、更にテンキーで「4」を押してコピーをスタ
ートさせる、というように従来の複写機と同様に操作で
きることが重要である。
また、ユーザに対しては、必要なときに必要なだけ情報
を与えることが重要である。余分な情報はユーザを混乱
させるだけでなく、誤操作の原因になるからである。
更に、操作部を分散させると、ユーザはあちこちを見な
ければならないので煩わしいばかりでなく、操作手順も
不明確になるので、操作部は一箇所に集中させることが
望ましい。
また、上述したように、本複写機の初心者から熟練者ま
で使用でき、ユーザの熟練度によって使い方が異なるの
で、UIとしては、種々のユーザの使い方に対応した操作
性を有する必要がある。つまり、単にコピーをとるよう
な場合には、倍率、用紙、カラーか白黒か、というよう
な基本的なモードだけを指示すれば足りるようにし、高
度の編集を行う場合には、煩わしさを解消するために目
的指向の操作性を有するようにすることが望ましい。
以上の要求を全て満足させるものとして、本複写機にお
いては、UIの表示装置としてはカラーCRTディスプレイ
を用い、モードあるいはパラメータの選択手段としては
赤外線を使用した光学式のタッチボードを採用すること
にした。
この構成によれば、例えば、倍率を100%にしたい場合
には、表示画面の倍率の欄の「100%」と表示されてい
る箇所(以下、これをソフトボタンと称す。)を直接タ
ッチすればよく、これは従来のハードボタンを押すのと
同じ操作感を有するものである。なお、タッチボードと
しては感圧式のものも知られているが、これは実際にあ
る程度の力で押す必要があるのに対して、光学式のもの
は赤外線を指その他のもので遮るだけでよいので、操作
感が優れているものである。なお、以下の記載において
は、赤外線を遮る操作を「押す」、または「押下する」
と記すことにする。
また、CRTディスプレイでは表示画面を適宜構成できる
ので、必要な時に必要なだけの情報をユーザに与えるこ
とができる。更に、表示画面を適宜切り変えることで情
報の関連、あるいは操作手順を明確に示すことができる
ものである。
このことで、目的指向の操作性も達成できる。この目的
指向の操作性というのは、例えば、「はめ込み合成」を
行う場合を取り上げて説明すると次のようである。はめ
込み合成は、第50図に示すように、原稿Aの所定部分a
を原稿Bの所定部分bにはめ込むという編集であるが、
この編集を行うには、まず、原稿Aの所定の領域aをト
リミングしてコピーし、次に原稿Bの所定の領域bをマ
スキングし、原稿Aの領域aを原稿Bの領域bに拡大ま
たは縮小してはめ込むといういくつかの作業を行わねば
ならない。他の編集においてもこのようないくつかの作
業が必要になることがある。従来は、はめ込み合成等の
ように、いくつかの作業を連続して行わねばならない場
合、どのような作業が必要かをいちいち確認し、それら
の作業を一つ一つ行っていた。しかし、これは非常に煩
わしく、必要な作業が一つでも抜けると所望の編集作業
を行えなくなる。それに対して、例えば、「はめ込み合
成」等の項目を画面上に表示し、当該ソフトボタンを押
すことで、画面を切り換えたり、あるいはポップアップ
画面を表示することで、当該編集を行うには、何をどの
ように設定すればよいかを案内するようにすれば、上記
の煩わしさは解消され、誤操作が生じることもなくな
る。これが目的指向の操作性であり、容易に且つダイレ
クトに操作を行うことができるものである。
更に、カラーCRTディスプレイを使用するので、見栄え
のよい画面を構築できるだけでなく、色を効果的に使用
することで、ユーザに対して情報を強く印象付けること
ができ、その結果、より正確に、より迅速にユーザに情
報を伝達することができる。また、本複写機はカラー複
写機であるから、色調の調整、色変換などの色に関する
機能を有しているが、これらの機能を使用する際に、出
力されるコピーの色がどのようになるかを画面上で確認
することもできるものである。
以上述べたように、カラーCRTディスプレイと光学式タ
ッチボードとを組み合わせることにより、初心者には分
かりやすく、熟練者には煩わしくなく、1箇所で、しか
もダイレクトにコピーモードの設定を行うことが可能な
UIを構築することができるのである。
(III−2)UIの取り付け 第31図はカラーCRTモニタを用いたUIの複写機本体への
取り付け状態および外観を示す図、第32図はUIの取り付
け角、高さを説明するための図である。
本複写機のUIは、上述した操作性を得るため、第31図に
示すように12インチのカラーCRTモニタ501と、その横に
ハードコントロールパネル502を備えている。カラーCRT
モニタ501のサイズは必要に応じて選択できるが、複写
機本体への取り付ける必要があるので、あまり大きすぎ
るのは得策でなく、その一方、ソフトボタンを適当な大
きさに表示でき、かつ必要な情報を見やすく配置するた
めには、画面にはある程度の大きさが必要である。本複
写機では、これらを勘案して12インチのものを使用して
いるのである。また、ハードコントロールパネル502が
設けられている理由は次のようである。全てのボタンを
ソフトボタンとすることが可能であることは当然である
が、コピー枚数を設定したり暗唱番号を入力するための
テンキー、コピーの開始、中断後の再開に用いるスター
トボタン、コピーを中断させるためのストップボタン等
はいつでも押せる状態にしておかなければならず、これ
らのボタンをソフトボタンで形成するとなると常時画面
上に表示しておかなければならず、その分コピーモード
設定のための表示領域が狭くなってしまい、画面切り換
えを頻繁に行うか、ソフトボタンのサイズを小さくして
必要なボタン数を確保しなければならないことになる。
しかし、画面切り換えが頻繁に行われるのではユーザに
とっては煩わしいだけであるし、ソフトボタンが小さく
なると押し難くなり、画面も見にくくなるので好ましく
ない。そこで、テンキー、スタートボタン等の、いつで
も押せる状態にあることが要求されるボタンはソフトボ
タンとは別に、ハードコントロールパネルとして形成し
ておくのである。
カラー表示の工夫によりユーザへ見やすく、分かりやす
いメニューを提供すると共に、カラーCRTモニタ501に赤
外線タッチボード503を組み合わせて画面のソフトボタ
ンで直接アクセスできるようにしている。また、ハード
コントロールパネル502のハードボタンと、カラーCRTモ
ニタ501の画面に表示したソフトボタンに、操作内容を
効率的に配分することにより操作の簡素化、メニュー画
面の効率的な構成を可能にしている。
カラーCRTモニタ501とハードコントロールパネル502の
裏側には、同図(b)、(c)に示すようにモニター制
御/電源基板504や、ビデオエンジン基板505、CRTのド
ライバー基板506等の種々の基板が配置され、ハードコ
ントロールパネル502は、同図(c)に示すようにカラ
ーCRTモニタ501の面よりさらに中央の方へ向くようにあ
る程度の角度を持って配置されている。
また、カラーCRTモニタ501およびハードコントロールパ
ネル502は、図示のようにベースマシン(複写機本体)5
07上に直接でなく、ベースマシン507に支持アーム508を
立ててその上に取り付けている。従来のようにコンソー
ルパネルを採用するのではなく、スタンドタイプのカラ
ーCRTモニタ501を採用すると、第31図(a)に示すよう
にベースマシン507の上方へ立体的に取り付けることが
できるため、特に、カラーCRTモニタ501を第32図(a)
に示すようにベースマシン507の右奥隅に配置すること
によって、従来のようにコンソールパネルを考慮するこ
となく複写機のサイズを設計することができ、装置のコ
ンパクト化を図ることができる。
複写機において、プラテンの高さすなわち装置の高さ
は、原稿をセットするのに程よい腰の高さになるように
設計され、この高さが装置としての高さを規制してい
る。従来のコンソールパネルは、複写機の上面に取り付
けられるため、ほぼ腰の高さで手から近い位置にあって
操作としてはしやすいが、目から結構離れた距離に機能
選択や実行条件設定のための操作部および表示部が配置
されることになる。その点、本複写機のUIでは、第32図
(b)に示すようにプラテンより高い位置、すなわち目
の高さに近くなるため、見やすくなると共にその位置が
オペレータにとって下方でなく前方で、且つ右側になり
操作もしやすいものとなる。しかも、カラーCRTモニタ5
01の取り付け高さを目の高さに近づけることによって、
その下側をUIの制御基板やメモリカード装置、キーカウ
ンター等のオプションキットの取り付けスペースとして
も有効に活用できる。したがって、メモリカード装置を
取り付けるための構造的な変更が不要となり、全く外観
を変えることなくメモリカード装置を付加装備でき、同
時にカラーCRTモニタ501の取り付け位置、高さを見やす
いものとすることができる。また、カラーCRTモニタ501
は、所定の角度で固定してもよいが、角度を変えること
ができるような構造を採用してもよいことは勿論であ
る。
(III−3)システム構成 次に本複写機のUIの電気的なシステム構成について説明
する。UIの電気的システムにはソフトウェアとハードウ
ェアがあるが、UIのソフトウェアモジュールの構成を第
33図に、UIのハードウエア構成を第34図にそれぞれ示
す。なお、ソフトウェアは第4図のLLUI80に相当するも
のであり、ハードウェアは第3図のUIリモート70に相当
するものである。
本複写機のUIのソフトウェアモジュール構成は、第33図
に示すように、カラーCRTモニタ501の表示画面をコント
ロールするビデオディスプレイモジュール511、および
エディットパッド513、メモリカーッド514の情報の入出
力を処理するエディットパッドインターフェースモジュ
ール512で構成し、これらをコントロールするシステムU
I517、519やサブシステム515、タッチスクリーン503、
コントロールパネル502がビデオディスプレイモジュー
ル511に接続される。
エディットパッドインターフェースモジュール512は、
エディットパッド513からX,Y座標を、また、メモリカー
ド514からジョブやX,Y座標を入力すると共に、ビデオデ
ィスプレイモジュール511にビデオマップ表示情報を送
り、ビデオディスプレイモジュール511との間でUIコン
トロール信号を授受している。
ところで、領域指定には、赤や青のマーカーで原稿上に
領域を指定しトリミングや色変換を行うマーカー指定、
矩形領域の座標による2点指定、エディットパッドでな
ぞるクローズループ指定があるが、マーカー指定は特に
データがなく、また2点指定はデータが少ないのに対
し、クローズループ指定は、編集対象領域として大容量
のデータが必要である。このデータの編集はIPSリモー
トで行われるが、高速で転送するにはデータ量が多い。
そこで、このようなX,Y座標のデータは、一般のデータ
転送ラインとは別に、IIT/IPS516への専用の転送ライン
(第3図の76.8kbpsの転送ライン)を使用するように構
成している。
ビデオディスプレイモジュール511は、タッチスクリー
ン503の縦横の入力ポイント(タッチスクリーンの座標
位置)を入力してボタンIDを認識し、コントロールパネ
ル502のボタンIDを入力する。そして、システムUI517、
519にボタンIDを送り、システムUI517、519から表示要
求を受け取る。また、サブシステム(ESS)515は、例え
ばワークステーションやホストCPUに接続され、本装置
をレーザープリンタとして使用する場合のプリンタコン
トローラである。この場合には、タッチスクリーン503
やコントロールパネル502、キーボード(図示せず)の
情報は、そのままサブシステム515に転送され、表示画
面の内容がサブシステム515からビデオディスプレイモ
ジュール511に送られてくる。
システムUI517、519は、マスターコントローラ518、520
との間でコピーモードやマシンステートの情報を授受し
ている。先に説明した第4図と対応させると、このシス
テムUI517、519の一方が第32図に示すSYSリモートのSYS
UIモジュール81であり、他方が第4図に示すMCBリモー
トのMCBUIモジュール86である。
本複写機のUIは、ハードウエアとして第34図に示すよう
にUICB521とEPIB522からなる2枚のコントロールボード
で構成し、上記モジュール構成に対応して機能も大きく
2つに分けている。そして、UICB521には、UIのハード
をコントロールしエディットパッド513とメモリカード5
14をドライブするために、また、タッチスクリーン503
の入力を処理してCRTに書くためにCPU(例えばインテル
社の8085相当)とCRTコントローラ(例えばインテル社
の6845相当)を使用し、さらに、EPIB522には、ビット
マップエリアに描画する機能が8ビットでは不充分であ
るので16ビットのCPU(例えばインテル社の80C196KA)
を使用し、ビットマップエリアの描画データをダイレク
トメモリアクセス(DMA)でUICB521に転送するように構
成することによって機能分散を図っている。
第35図はUICBの構成を示す図である。UICBでは、上記の
CPUの他にCPU534(例えばインテル社8051相当)を有
し、CCC531が高速通信回路L−NETやオプショナルキー
ボードの通信ラインに接続されてCPU534とCCC531により
通信を制御すると共に、CPU534をタッチスクリーンのド
ライブにも用いている。タッチスクリーンの信号は、そ
の座標位置情報のままCPU534からCCC531を通してCPU532
に取り込まれ、CPU532でボタンIDが認識され処理され
る。また、インプットポート551とアウトプットポート5
52を通してコントロールパネルに接続し、またサブシス
テムインターフェース548、レシーバ549、ドライバ550
を通してEPIB522、サブシステム(ESS)から1MHzのクロ
ックと共に1Mbpsでビデオデータを受け取り、9600bpsで
コマンドやステータス情報の授受を行えるようにしてい
る。
メモリとしては、ブートストラップを格納したブートRO
M535の他、フレームROM538と539、RAM536、ビットマッ
プRAM537、V−RAM542を有している。フレームROM538と
539は、ビットマップではなく、ソフトでハンドリング
しやすいデータ構造により表示画面のデータが格納され
たメモリであり、LNETを通して表示要求が送られてくる
と、CPU532によりRAM536をワークエリアとしてまずここ
に描画データが生成され、DMA541によりV−RAM542に書
き込まれる。また、ビットマップのデータは、DMA540が
EPIB522からビットマップRAM537に転送して書き込まれ
る。キャラクタジェネレータ544はグラフィックタイル
用であり、テキストキャラクタジェネレータ543は文字
タイル用である。V−RAM542は、タイルコードで管理さ
れ、タイルコードは、24ビット(3バイト)で構成し、
13ビットをタイルの種類情報に、2ビットをテキストか
グラフィックかビットマップかの識別情報に、1ビット
をブリンク情報に、5ビットをバックグランドの色情報
に、3ビットをフォアグラウンドの色情報にそれぞれ用
いている。CRTコントローラ533は、V−RAM542に書き込
まれたタイルコードの情報に基づいて表示画面を展開
し、シフトレジスタ545、マルチプレクサ546、カラーパ
レット547を通してビデオデータをCRTに送り出してい
る。ビットマップエリアの描画は、シフトレジスタ545
で切り換えられる。
第36図はEPIBの構成を示す図である。EPIBは、16ビット
のCPU(例えばインテル社の80C196KA相当)555、ブート
ページのコードROM556、OSページのコードROM557、エリ
アメモリ558、ワークエリアとして用いるRAM559を有し
ている。そして、インターフェース561、ドライバ562、
ドライバ/レシーバ563を通してUICBへのビットマップ
データの転送やコマンド、ステータス情報の授受を行
い、高速通信インターフェース564、ドライバ565を通し
てIPSへX,Y座標データを転送している。なお、メモリカ
ード525に対する読み/書きは、インターフェース560を
通して行う。したがって、エディットパッド542やメモ
リカード525からクローズループの編集領域指定情報や
コピーモード情報が入力されると、これらの情報は、適
宜インターフェース561、ドライバ562を通してUICBへ、
高速通信インターフェース564、ドライバ565を通してIP
Sへそれぞれ転送される。
(III−4)ディスプレイ画面構成 次に、画面をどのように構成にすれば操作性のよいUIを
構築できるかを考えてみる。
UIにカラーCRTモニタを採用する場合においても、多機
能化に対応した情報を提供するにはそれだけ情報が多く
なるため、単純に考えると広い表示面積が必要となり、
コンパクト化に対応することが難しくなるという側面を
持っている。また、コンパクトなサイズのディスプレイ
装置を採用すると、必要な情報を全て1画面により提供
することは表示密度の問題だけでなく、オペレータにと
って見やすい、分かりやすい画面を提供するということ
からも難しくなる。
従って、本複写機のUIのように、コンパクトなサイズの
カラーCRTモニタを採用して、見やすく、かつ分かりや
す画面を提供するには種々の工夫が必要になるのであ
る。
さて、本複写機は種々の編集機能を備えるカラー複写機
であるから、UIで設定するコピーモードとしては、4色
フルカラーを行うか、3色カラーとするか、あるいは白
黒コピーを行うかというカラーモードの設定、用紙サイ
ズの設定、倍率の設定等のコピーを行うについて必要不
可欠な基本的なコピーモードの設定に加え、編集機能を
使用する際には、使用する編集機能の指示、およびそれ
に必要なパラメータを設定しなければならない。
しかし、画面サイズが12インチであるから、それらの情
報を一つの画面に表示することは不可能であり、また得
策でもない。なぜなら、表示される情報が多くなる程画
面は見にくく、分かりにくくなるばかりでなく、設定す
べき項目が多くなるから初心者に対して無用の混乱を生
じさせることにもなる。
従って、コピーモード設定を行う画面は、いくつかに分
ける必要があることになるが、その分け方としては、ま
ず、基本的なコピーモードを設定する画面を設けること
が望ましい。つまり、基本的なコピーモードは、設定さ
れないとコピーが実行できないというモードであるか
ら、単にコピーを行う際には勿論のこと、編集機能を使
用する際にも必要だからである。
ところで、ベーシックコピーモードとしては、上述した
カラーモード、用紙サイズ、倍率の他にも、とじ代の設
定、F/Pの使用の有無、コピー濃度の調整、カラー調
整、コピーコントラストの調整等もある。しかし、カラ
ーモード、用紙サイズ、倍率、そしてソータ装着時のソ
ータの使用の有無の設定は本質的に基本的設定条件であ
るのに対して、その他のとじ代の設定、F/Pの使用の有
無、コピー濃度の調整、カラー調整、コピーコントラス
トの調整等は必要に応じて行えばよい項目であるので、
これらの項目を設定する画面を分けるようにする。
このように画面を分けることにより、基本的設定条件で
あるカラーモード、用紙サイズ、倍率、そしてソーダ装
着時のソータの使用の有無の設定は、一つの画面で行え
ることになり(以下、この画面をベーシックコピー画面
と称す。)、また、コピー濃度の調整等を行いたいとき
には別の画面を呼び出して所望の調整、設定を行えるも
のである。
また、ホップアップ画面表示を行うことも非常に有効で
ある。例えば、倍率設定を考えてみると、通常使用され
るのは自動倍率と100%であるが、それ以外にも適宜拡
大、縮小を行いたい場合があり、更に、本複写機では原
稿の縦方向、横方向をそれぞれ別の倍率でコピーできる
偏倍機能をも有しているので、偏倍を行うか否かの選択
も行わねばならないが、それらの設定を、ベーシックコ
ピー画面内で行うようにすると画面表示が煩雑になる。
そこで、ベーシックコピー画面では倍率の設定項目とし
ては、自動倍率、100%、バリアブルの3種類程度にし
て、バリアブルが選択された場合にはポップアップが開
いて所望の倍率を設定できるようにしておくのがよい。
以上述べたところから明らかなように、このようにして
適宜画面を分け、更に適宜ポップアップ画面を表示する
ことによって初めて「必要なときに必要な情報だけ」を
ユーザに対して与えることができ、余分な情報は隠れて
いて必要に応じて呼び出せるので、ユーザを混乱させる
ことはなく、以て、操作性の良好なUIを構築することが
できるのである。
以上、基本的なモードの設定に関して説明したが、次
に、編集機能の設定に関して説明する。
編集機能を設定するには、次の二つの考え方がある。
一つは、複写機の有する編集機能の全てを表示し、その
中から所望の編集機能を選択させるようにすることであ
り、もう一つは、ユーザの熟練度、および編集機能に応
じていくつかの階層に分けることであり、本複写機では
後者を採用している。その理由の一つとしては、前者に
よれば目的指向の操作性が達成できないことがあげられ
る。つまり、「はめ込み合成」を例にとれば、前者では
上述したように、原稿Aの所定領域のトリミング、原稿
Bの所定領域のマスキング等を一つ一つ順序よく行わな
ければならないのに対して、後者では、「はめ込み合
成」のソフトボタンを押すことでダイレクトに行うこと
ができるのである。また、編集機能を使用するユーザに
も慣れてる者もいればそうでない者もおり、それぞれの
熟練度によって同じ編集機能でもその使用方法が異なる
場合がある。例をあげれば次のようである。
いま、原稿の所定の領域の背景に所望の色で色付けを行
う場合を考えると、当該領域の指定の仕方としては、ま
ず所望の領域をマーカペンで囲むようにすることが考え
られる。マシンはマーカペンの色を認識しているので、
自動的に閉ループを検出し、当該閉ループで囲まれた領
域に指定された色で、指定された網を掛けることができ
るのである。これは一番簡単な領域指定の方法であり、
編集を覚えたばかりのユーザでも容易に行うことができ
る。しかし、マーカペンを使用する方法は、原稿にマー
カペンで閉ループを書き込むことになるから、原稿を汚
してしまうことになる。それを避けるためにはエディッ
トパッドを使用して所望の領域を指定することになる
が、この方法ではエディットパッドで所望の領域の座標
を入力しなければならないので、操作の手数が増えると
共に、座標を入力するについては、やはりある程度の熟
練が必要であるので、上述してマーカペンを使用する方
法よりは高度の編集機能といえる。
更に、単に網を掛けるにとどまらず、当該領域にトリミ
ング等のその他の編集機能をも同時に行いたいという場
合がある。この場合には操作はより複雑になるので、使
いこなすには相当な熟練度を要するものになる。
このように、編集機能の中には、ユーザの熟練度によっ
ては使いこなすのに非常な困難を伴うものもあるのであ
って、従って、編集機能をいくつかの段階に分け、階層
化することが望ましいことが分かる。また、このこと
で、「必要なときに必要なだけの情報をユーザに与え
る」という本複写機のUIの狙いを達成できるのである。
つまり、簡単な編集を行いたい場合にはそれに応じた画
面を呼び出して所望の編集機能を指定し、必要なパラメ
ータを設定するだけでよく、余分な情報は表示されるこ
とがなく、ユーザに無用な混乱を生じさせることが無い
からである。
また、編集機能を階層化することによって、ソフトウェ
アが作り易くなるという利点もある。即ち、編集機能を
一纏めにすると分岐が非常に多くなり、ソフトウェア作
成上非常な困難を伴うことになるが、編集の種々の機能
を類似な機能で分けて階層化すると分岐の数が少なくて
済むので、その分ソフトウェアの作成が容易になるので
ある。
以上述べたように、コピーモードの設定を案内する画面
としては、ベーシックコピーモードと編集モードに大別
し、更にベーシックコピーモードと編集モードのそれぞ
れを適宜階層化することにより、情報を正確に、必要な
ときに必要なだけ、ユーザに伝達できるようになるの
で、誤操作が生じることもなく、使い勝手のよいUIを構
築することができるのである。
次に、ベーシックコピーモードと編集モードのそれぞれ
をどのように階層化し、各階層にどのような設定項目を
設けるべきかが問題となるが、ベーシックコピーモード
としては、上述したようにカラーモード、用紙サイズ、
倍率、ソータを一組とし、それ以外のコピー濃度調整等
は別とする。
また、編集モードを幾つに階層化するかは適宜決定でき
るが、上述したように、例えばマーカを使用する段階、
エディットパッドを使用して一つの編集機能だけを行え
る段階、そして、全ての編集機能を使用できる段階の少
なくとも3段階とするのがよい。
(III−5)パスウエイおよびそのレイアウト 次に、画面をどのようにレイアウトすればよいかが問題
となる。
まず、上記のように機能あるいはモードの設定項目を階
層化した場合、各階層毎の表示領域を設けなければなら
ないことは明かである。しかも、どの階層においても最
小ステップで所望のモードが設定できるように、各階層
の表示領域には当該階層において基本的な項目について
のみ表示し、それ以外はポップアップ表示とするのがよ
い。また、各階層の表示領域はいつでも呼び出せるよう
にしておく必要がある。編集を行いたいときにはいつで
もすぐに所望の編集を行える階層の表示領域を呼び出せ
なければ操作性の点で問題があるからである。
これらの表示領域は、各階層毎に機能を選択する領域
(機能選択領域)であり、以下、これをパスウエイと称
す。
以上の考察に基づいて、本複写機においては次のパスウ
エイを設けることにした。
(A)ベーシックフィーチャーパスウエイ 以下、本複写機で採用したパスウエイを図面と共に説明
する。
第37図(a)に示すものは、ベーシックフィーチャーパ
スウエイを表示している画面であり、まずこの画面を用
いて全体的な画面のレイアウトを説明する。
第37図(a)に示すように、表示画面はメッセージエリ
アAをパスウエイBに2分されている。
メッセージエリアAは、スクリーンの上部3行を用い、
第1ラインはステートメッセージ用、第2ラインから第
3ラインは機能選択に矛盾がある場合のその案内メッセ
ージ用、装置の異常状態に関するメッセージ用、警告情
報メッセージ用として所定のメッセージが表示される。
また、メッセージエリアAの右端は枚数表示エリアとし
て使用され、テンキーにより入力されたコピーの設定枚
数や複写中枚数が表示される。
パスウエイBは、各種機能の選択を行う領域であって、
ベーシックフィーチャー、アディドフィーチャー、コピ
ークオリティ、ツール、マーカー編集、ビジネス編集、
フリーハンド編集、クリエイティブ編集の各パスウエイ
を持ち、各パスウエイに対応してパスウエイタブCが表
示される。パスウエイBには、選択肢であってタッチす
ると機能の選択を行うソフトボタンD、選択された機能
に応じて変化し、その機能を表示するアイコン(絵)
E、縮拡率を表示するインジケーターF等が表示され
る。また、各パスウエイは、操作性を向上させるために
ポップアップを持ち、ソフトボタンDを押すとポップア
ップが開かれるものには「△」のポップアップマークG
が付されている。そして、パスウエイタブCをタッチす
ることによってそのパスウエイがオープンできるので所
望のパスウエイをいつでも必要なときに表示することが
できるようになされている。
さて、ベーシックフィーチャーパスウエイでは、コピー
を実行する際に必要不可欠なモードであるカラーモー
ド、用紙サイズ、倍率、ソータの各項目についてのモー
ド設定を行う。
カラーモードは、Y、M、C、K(墨)の4種のトナー
によりコピーをとるフルカラー、Kを除いた3種のトナ
ーによりコピーをとる3パスカラー、通常の白黒コピー
を行う黒、そして赤/黒の選択肢を持ち、電源投入時等
に自動的に選択されるデフォルトはユーザが任意に設定
できるようになっている。なお、赤/黒モードは、赤と
黒のトナーだけを使用してコピーするモードで、原稿の
黒の部分を赤に変換したり、原稿の赤の部分を削除した
り、赤で色付けを行ったりする場合に使用するモードで
あり、当該赤/黒モードを選択してコピーをスタートさ
せれば原稿の赤い部分はより赤く、黒い部分はより黒く
なるので、ジェネレーションコピーを行うこともできる
ものである。
用紙サイズは、自動用紙選択(APS)、トレイ1、2、
3の選択肢を持ち、デフォルトはAPSである。
倍率は、100%、用紙が選択されている場合にその用紙
サイズと原稿サイズから倍率を設定する自動倍率選択
(AMS)、バリアブル(任意変倍)の3つの選択肢を持
ち、インジケーターFには設定された倍率、算出された
倍率、又は自動が表示される。バリアブルが選択される
と第37図(b)に示されるようなポップアップが表示さ
れ、プリセットされた倍率、またはスクロールボタンH
により例えば50%〜400%までの範囲で1%刻みの倍率
が設定できるようになされている。同図のポップアップ
で「Anamorphic」というのは、原稿の縦と横の倍率を独
立に設定することができる偏倍機能であり、当該ソフト
ボタンを押すと、同図(c)に示すポップアップが開い
て原稿の縦方向および横方向の倍率をそれぞれ独立且つ
任意に設定できるようになされている。
このように、特定の機能に対する詳細な設定情報はポッ
プアップ表示を行うこととし、必要に応じてポップアッ
プを開くようにすれば、パスウエイの画面表示を見やす
く、簡素なものになり、且つ最小限必要な情報だけを表
示することができるので、ユーザを正確に誘導すること
ができるものである。なお、デフォルトは例えば100%
とすることができる。
ソータは、コピーをトップトレイに出力するか、ソータ
を使用するかの選択を行う項目である。しかし、このソ
ータの項目は常時表示されるのではなく、シータが装着
されていない場合には、第37図(d)に示されるように
見えない状態になされる。ソータが装着されていない場
合には出力される箇所はトップトレイに限られ、ソータ
を使用するか否かの選択を行う必要はないからであり、
これによりユーザは余分な情報を与えられることはな
く、誤操作の発生を避けることができるのである。
以上がベーシックフィーチャーパスウエイにおけるモー
ド設定であり、これだけのモード設定で何の編集も施さ
ない通常のハイファイコピーを行うことができる。
さて、ベーシックフィーチャーパスウエイに限らず、後
述するその他のパスウエイにおいても同様であるが、表
示すべきメニューをどのように配置するかは重要な問題
である。つまり、第32図からも容易に理解できるよう
に、ソフトボタンを押す場合にはどうしても自分の手や
腕で画面を隠してしまうことになる。従って、各パスウ
エイに設けられるメニューは、単に配列しておけばよい
というものではなく、左側または右側から順序よく選ん
でいけば理想的な順序でモード設定できるように配列す
る必要がある。例えば、カラーモード、用紙サイズ、倍
率、ソータの項目を配置する場合には、本複写機はカラ
ー複写機であることから、まずカラーモードが選択され
ることが望ましく、次にはどのサイズの用紙にどのよう
な大きさでコピーするのか、そしてコピーした用紙をど
こに出力するのか、という用紙搬送路に沿った順序で設
定を進めて行けば、順序よく必要なモード設定を行える
ことが分かる。第37図(a)のベーシックフィーチャー
パスウエイにおけるメニューの配列が上記の考察に基づ
いてなされていることは明かであろう。
そして、右利きのユーザの場合には画面の右側が隠れ、
左利きの左側の画面が隠れることになるから、右利きの
ユーザに対しては第37図(a)に示すように左側から順
番に設定していけばよいようにし、左利きのユーザに対
しては第37図(a)とは逆の配置として、右側から順番
に設定していけばよいように表示を切り換え可能にして
おくことも有効である。
しかし、選択の順序に優先度を設けることは適当ではな
い。ある順序でしかモード設定ができないとすると、ボ
タンを押しても機能しない場合があることになり、かえ
ってユーザに混乱を生じさせることになるからである。
なお、第37図(a)の右下に示されているジョブプログ
ラムは、メモリカードからのジョブの読み込み、および
メモリカードへのジョブの書き込みを行う場合に使用す
るソフトボタンであり、メモリカードが読み取り装置の
スロットに挿入されている時にのみ図のような表示がな
されるようにすることができる。これは上述したように
ユーザに対して不必要な情報を与えないためである。メ
モリカードの要量としては大きい方が望ましいが、例え
ば32kバイトの容量のものを用いれば8ジョブ程度の情
報は格納できるので十分といえる。
(B)アディドフィーチャーパスウエイ アディドフィーチャーパスウエイを第37図(e)に示
す。
当該パスウエイは、編集モードではなく基本的なモード
には属するが、ベーシックフィーチャーパスウエイに設
けられているような、設定されなければ絶対コピーが行
えないというモードではなく、必要に応じて設定すれば
よいモードを一纏めにした機能設定領域であり、第37図
(e)に示すように、コピーポジション、ブックコピ
ー、F/P、Exeption Pages(ページプログラミング)の
各項目について設定するようになされている。
コピーポジションは、コピー像のセンターを用紙のセン
ターに合わせるオートセンター、用紙先端からコピーイ
メージの先端までの幅を、例えば0〜30mmの範囲内で1m
m刻みでコピーの上下左右にマージンを設定できるマー
ジンシフト、コピー像のコーナーを指定された用紙のコ
ーナーに合わせるコーナーシフトの3つの選択肢を要し
ており、マージンシフトで設定するマージンの量はポッ
プアップ画面で行うようになされている。なお、ディフ
ォルトはオートセンターとするのがよい。マージンを設
定する必要が生じるのは特別な場合だからである。
ブックコピーは、書籍をコピーする際に使用するモード
で、ノーマル、サイドA、サイドB、サイドA&Bの4
つの選択肢がある。ノーマルは書籍を見開きにして通常
のコピーを行うものであり、サイドAは見開きの片側、
例えば右側(または左側)だけをコピーするものであ
り、サイドBは同様に見開きのもう一方の側、例えば左
側(または右側)だけをコピーするものであり、サイド
A&Bは頁連写とも称されるもので、見開きの各頁をそ
れぞれ1枚の用紙にコピーするものである。
フィルムプロジェクターは、各種フィルムからコピーを
とるモードであり、オフとオンの2つの選択肢を有し、
オンボタンを押すと第37図(f)に示すようなポップア
ップが開いて、フィルムプロジェクタを使用する際に必
要な種々のパラメータ、即ち、プロジェクターを用いる
場合の35mmネガ、35mmポジの区別、あるいはプラテン上
でコピーを行う場合の35mmネガ、6cm×6cmスライド、
4″×5″スライドの区別、そして、カラー補正の設定
を行うことができるようになる。
ページプログラミングは、表示、裏表紙、合紙の挿入お
よび頁毎のカラーモードの設定変更、用紙を供給するト
レイの変更を行う機能である。
(C)コピークオリティパスウエイ 当該パエスウエイは、第37図(g)に示すように、コピ
ー濃度、カラー調整、シャープネス、コントラストとい
うコピーに関する調整を行うパスウエイであり、基本的
なモードには属するが、コピーを行う際の絶対的条件で
はなく、必要に応じて行えばよい事項であるので、ベー
シックフィーチャーパスウエイとは別のパスウエイで設
定するようになされている。
コピー濃度は、自動と手動の2つの選択肢を有してい
る。自動は白黒原稿に対して自動濃度調整を行うボタン
であり、手動ボタンは、選択されるとポップアップが開
いて7ステップの濃度コントロールを行えるようになさ
れている。
からー調整は、自動カラー調整を行う自動、押されると
ポップアップが開いて、C、M、Y、R、B、Gの6色
の内の任意の色を減色できるカラーサプレッション、そ
して、押されるとポップアップが開いて、C、M、Y、
Kのバランスを任意に調整できるカラーバランスの3つ
の選択肢を有している。
第37図(h)にカラーサプレッションのポップアップ
を、第37図(i)にカラーバランスのポップアップをそ
れぞれ示す。カラーサプレッションのポップアップでは
6種の色の名称と6本のチューブが表示され、各チュー
ブにはそれぞれの色が付けられている。いま、赤色を減
色させようとして「Red」と表示されているソフトボタ
ン(図の上から3番目)を押すと、当該ソフトボタンに
は赤色のチューブが表示されると共に、左から3番目の
赤色のチューブの長さが短くなり、赤色の減色が設定さ
れたことを示す。このように本複写機のUIにおいては、
単にアイコンを表示するだけにとどまらず、モード設定
に応じてアイコンの表示態様を変えるので、ユーザはア
イコンを見るだけでも容易に設定内容を確認することが
できるものである。
第37図(i)はカラーバランスのポップアップであり、
C、M、Y、Kのトナー色選択用のソフトボタンおよび
バランス調整用のスクロールボタンが表示される。従っ
て、色を選択し、スクロールボタンでその量を設定する
と所望のカラーバランスでコピーを行うことができる。
シャープネスは、標準(Normal)と、ポップアップによ
り原稿の種類および7ステップのシャープネスコントロ
ールができるマニュアルの2つの選択肢を備えている。
マニュアルのポップアップを第37図(j)に示す。シャ
ープネスの仕方は文字ばかりの文章(Text)と写真(Ph
oto)、プリント、そして文字と写真がある文章(Mixe
d)とでは異なるので、原稿の種類の設定が必要であ
り、そのためのソフトボタンと、シャープネスの程度を
設定するソフトボタンとが配置されている。
コントラストは、標準と、ポップアップにより7ステッ
プのコントラストコントロールが行えるマニュアルの2
つの選択肢を備えている。
(D)マーカー編集パスウエイ マーカー編集パスウエイは、マーカーというツールを用
いて独自性のある使い方を提案するもので、マシンが認
識できる色のマーカーで直接原稿の所望の領域を囲み、
コマンドを指定するだけで簡単な編集加工を行うことが
できる。
当該パスウエイで行える編集機能としてどのようなもの
を備えるようにするかは任意であるが、もっとも初歩的
な編集を行うパスウエイであるので、例えば第38図
(a)に示されているように、トリム、マスク、メッシ
ュ(色付け)、黒→色変換の4つの編集機能を備える程
度で十分である。
また、当該パスウエイは簡単な操作で編集が行えるこ
と、従って編集機能を覚えたての初心者でも誤操作なし
に行えることを特徴とするので、1原稿に対して1編集
機能だけが設定可能とするのがよい。即ち、マーカーで
複数の領域が設定されたとしても、それらの複数の領域
に対しては一つの編集コマンドだけしか設定できないよ
うにするのがよい。後述するように、より高度な編集を
行うユーザのためには、別のパスウエイが準備されてい
るからである。これが編集機能を階層化したことの特徴
である。しかし、マーカーの色は1色に限定されるもの
ではないから、例えば、青と赤のマーカーでそれぞれ異
なる編集を行わせるようにすることは可能であり、有用
でもある。
更に、当該パスウエイでは、原稿を白黒の文書として取
り扱うようにするのがよい。実際、白黒文書において、
トリム、マスク等の編集は有用であるし、また白黒文書
においてはマーカーの色を容易に判断でき、イメージの
有無、即ち白か黒かをも容易に判断できるので、領域の
判断および色付けを行う際の背景の判断も容易である。
このことはまた階層化することによってはじめて得られ
る特徴である。つまり、カラー原稿に対する編集と白黒
原稿に対する編集とを別の階層とすれば、白黒原稿、カ
ラー原稿の特徴を生かした設計ができると共に、ユーザ
にとっても明確な目的意識を持ってコピーを行うことが
できるからである。
以下、マーカー編集パスウエイの各編集機能について説
明する。
トリムは、マークされた領域内のイメージのみを白黒で
コピーし、それ以外の領域は消去する機能である。
マスクは、マークされた領域内のイメージを消去し、そ
れ以外の領域のイメージを白黒でコピーする機能であ
る。
色付けは、マークされた領域内のイメージが白黒でコピ
ーされると共に、当該領域内に指定された色濃度パター
ンを掛ける機能であり、色および濃度パターンはポップ
アップ画面で指定するようになされている。
そのポップアップを第38図(b)に示す。色は、予め設
定されている8標準色(R,B,G,Y,C,M,ライム,オレン
ジ)と、ユーザが予め登録した8登録色の計16色の中か
ら選択可能で、いま、例えば第3番目の登録色のソフト
ボタンを押したとすると、図のようにチューブから絵具
が出ているアイコンが表示され、当該色が設定されたこ
とが一目で判別できるようになされている。
また、濃度パターンは4種類準備されており、その中か
ら一つ選択できる。
なお、図中Aで示す領域には、例えば「色と濃度パター
ンを選択して下さい」等のモード設定を案内するための
メッセージが表示される。
黒→色変換は、マークされた領域内のイメージを指定さ
れた色でコピーする機能であり、色の指定はポップアッ
プで行う。そのポップアップを第38図(c)に示す。こ
のポップアップは第38図(b)の色付けのポップアップ
と同様であり、8標準色、8登録色の計16色の中から所
望の色を指定する。指定された色のソフトボタンには絵
具が出ているアイコンが表示されるので、図では左端の
コラムの上から2番目にある青(第38図(b)参照)が
指定されたことが分かる。
以上の説明では、マシンは原稿を白黒原稿として取り扱
うものとして説明したが、ベーシックフィーチャーパス
ウエイの項で述べた赤/黒モードも有用であることは明
かである。つまり、白黒原稿において赤は目立つ色であ
るし、実際、試験の採点、原稿または起案文書のチェッ
ク等は白黒の文書に赤で行われるのが通常であり、その
ような赤と黒を有する原稿に対して何等かの編集を施し
たい場合もある。従って、単に白黒文書を扱うだけでな
く、赤/黒モードをも使用可能とするのがユーザにとっ
て有意義であるのである。勿論、イメージを赤色に変換
したり、赤色の濃度パターンを掛けることは、第38図
(b),(c)のポップップで赤色を指定することで行
えるが、マーク外の領域は白黒原稿と判断されるので、
赤色があったとしても黒くコピーされてしまうことにな
る。
そこで、マーカー編集パスウエイにおいて、マークされ
た領域のイメージを赤色に変換したり、赤色の濃度パタ
ーンを掛けたりできると共に、それ以外のマークされな
い領域は赤/黒のジェネレーションコピーが行えるよう
に赤/黒モードを設けるようにしたのである。
さて、以上のように、全ての文書を白黒文書として取り
扱う黒モードの他に、赤黒の文書を取り扱う赤/黒モー
ドをも行えるようにする場合、モード切り換えの方法と
してはいくつか考えられる。まず第1に、第38図(a)
に示すマーカー編集パスウエイの画面に赤/黒モード選
択のソフトボタンを設けることが考えられる。また、第
2には、第37図(a)のベーシックフィーチャーパスウ
エイのカラーモードのコラムに設けられている「赤/
黒」のソフトボタンを編集用にも兼用させて、まずベー
シックフィーチャーパスウエイで赤/黒を押し、次にマ
ーカー編集パスウエイを選択して赤/黒モードで所望の
編集を行えるようにすることが考えられる。第3に、そ
の逆、即ちマーカー編集パスウエイを選択してからベー
シックフィーチャパスウエイに戻り、そこで赤/黒を選
択することも考えられる。更に第4の方法として、上記
3つの方法のどれでもが使用可能とすることが考えられ
る。
以上の方法の内どれを採用するかは必要に応じて決定す
ればよいが、本複写機では、赤/黒モードは特殊なモー
ドであること、操作ステップ数をできる限り少なくする
こと、誤操作があったとしても他のモードに影響を与え
ないこと等を勘案して上記の第2の方法を採用してい
る。
赤/黒モード時のマーカー編集パスウエイを第38図
(d)に示す。上記のように、第37図(a)に示すベー
シックフィーチャーパスウエイのカラーモードのコラム
で「赤/黒」を選択し、次に同図のマーカー編集パスウ
エイのタブを押すと第38図(d)の画面が表示される。
この画面と第38図(a)の画面とを比較すれば明らかな
ように、「Mesh」および「Black to Colopr」という表
示が、それぞれ「Red Mesh」および「Black to Red」に
変わっている。赤/黒モードにおいては濃度パターンの
色は赤に限定され、また黒色は赤色にしか変換されない
からである。従って、「Red Mesh」のポップアップも第
38図(e)に示すように、色の選択はなく、濃度パター
ンの選択のみが行われる。
(E)ビジネス編集パスウエイ マーカー編集パスウエイでは白黒文書を対象としたが、
本パスウエイではカラー文書を対象とし、高品質のオリ
ジナルを容易に、且つ素早くできるようにすることを目
的としている。また、マーカー編集における領域の設定
は、直接原稿にマーカーで色を塗ることで行うのに対し
て、ビジネス編集ではエディットパッドを用いて設定す
るので、原稿を汚さなくて済むという利点がある。
従って、カラー原稿を対象としているので使用できる編
集機能も多く、エディットパッドを使用するので操作も
複雑になるが、マーカー編集よりは高度の編集を行うこ
とができるものである。
ビジネス編集パスウエイには、第39図(a)に示すよう
に、トリム、マスク、色付け、黒→色変換、ロゴ挿入
(Logo Type)、ペイント1の6種の編集機能が備えら
れていると共に、領域の修正、および領域に設定する機
能を修正するためのコレクション(Correction)機能が
設けられている。
トリム、マスク、色付け、および黒→色変換はマーカー
編集にも備えられている機能であるが、第38図(a)と
比較すれば分かるように、ビジネス編集パスウエイでは
全ての機能についてポップアップが開くようになされて
いる。これはマーカー編集ではマーカーで所望の閉ルー
プを描けば領域を設定できるからポップアップを開く必
要はないのに対して、ビジネス編集ではエディットパッ
ドで領域を設定する必要があるからである。例えば、色
付けを押すとポップアップが開き、画面は第39図(b)
のようになり、色付けの色、濃度パターンの設定に加え
て、図のAで示すビットマップエリアで色付けを行う領
域を設定するようになされている。当該ビットマップエ
リアAは、エディットパッド上で編集領域を設定した場
合等において、その設定された領域をビットマップ表示
するものであり、領域を認識できればよいので、白黒表
示を行うようになされている。これはトリム、マスク、
黒→色変換についても同様である。
エディットパッドを使用して領域を設定するには、エデ
ィットパッド上で2点を指示すればよく、このことによ
り自動的に当該2点を対角とする矩形がビットマップエ
リア上に表示される。
また、ビジネス編集をマーカー編集と差別化するために
次のようにするのがよい。つまり、マーカー編集では、
領域はいくつでも設定できるが、全ての領域に対して一
つの機能を共通にしか設定できないようになされている
のに対して、ビジネス編集では各領域毎に異なる機能を
設定できるようにするのである。例えば、二つの領域を
設定したとして、一つの領域には色付け機能を設定し、
もう一つの領域にはマスク機能を設定することができる
ようにするのである。
これにより、マーカー編集より高度な編集を、マーカー
編集と同様な簡単な操作で行うことができるのである。
ロゴ挿入は、指定されたポイントにシンボルマークのよ
うなロゴをコピーできる機能であり、第39図(c)に示
すポップアップにより、ロゴの種類、挿入位置、挿入方
向の3つのパラメータを設定するようになされている。
ロゴのパターンをいくつ持たせるようにするかは、その
必要性、ROMの容量等を勘案して任意に設定できるが、
図に示すように二つは有するようにするのがよい。ま
た、図では挿入方向は縦置き、横置きの2種類であり、
通常はこれで十分であるが、必要なら斜め方向に挿入で
きるようにしてもよいことは明かであろう。
ペイント1は、原稿上に既存のループ内の1点を指示す
ることにより当該ループ内を塗りつぶす機能であり、第
39図(d)に示すポップアップにより、設定された領域
毎に塗りつぶす色と濃度パターンを設定するようになさ
れている。色は8標準色、8登録色の計16色から選択可
能で、濃度パターンは4パターンが用意されている。な
お、ループの数をどれだけ設定可能とするかは任意であ
るが、無制限とするのがよい。所定の領域内を塗りつぶ
す点では色付けと同様であるが、色付けがエディットパ
ッド上で2点を指示して矩形領域を設定する必要がある
のに対して、ペイント1は原稿上の閉じた図形の中のポ
イントを指示することで当該閉じた領域内を塗りつぶす
点で異なっている。
コレクション機能は、領域のサイズの修正、削除、指示
点の位置の修正、および各領域に設定した機能の確認、
修正を行うものであり、当該ボタンが押されると第39図
(e)のポップアップが開いて、設定領域、設定ポイン
トの削除、変更、編集機能の変更を行うことができる。
なお、設定領域が複数個ある場合の削除は、ビットマッ
プエリアの下に配置されているスクロールボタンにより
領域を順次指定することで行うことができるものであ
る。
コレクション機能が設けられている理由は次のようであ
る。つまり、ビジネス編集では多くの領域にそれぞれ異
なる編集機能を設定できるので、領域のサイズや設定す
べき機能を誤ることもあり、従ってコピーをスタートさ
せる前に領域のサイズと、当該領域に設定した機能を確
認したい場合があるので、このコレクション機能が設け
られているのである。
以上、ビジネス編集パスウエイについて説明したが、マ
ーカー編集と同様に、赤/黒モードを設けるのがよい。
ビジネス編集はカラー原稿を対象としたものであるのに
対して、赤/黒モードは、一般的には、白黒原稿の一部
に赤色を含む文字原稿に対して用いられる機能である
が、ビジネス編集で行える機能はマーカー編集で行える
機能を全て含んでいるので、マーカー編集で行えること
はビジネス編集でも行えるようにするのがよいのであ
る。このことでビジネス編集を、マーカー編集より高度
な階層のパスウエイとすることができるのである。
その際のモード切り換えは、マーカー編集におけると同
様に、まずベーシックフィーチャーパスウエイで赤/黒
モードを選択して、次にビジネス編集パスウエイで押す
ようにする。この様にする理由は、マーカー編集で述べ
たと同様であるが、もう一つの理由としては、マーカー
編集で赤/黒モードを使用する場合と、ビジネス編集で
赤/黒モードを使用する場合とで、モード切り換えの方
法が異なるとユーザに戸惑いを与えることになるので、
赤/黒モードへの入り方はパスウエイによらず統一した
い、ということもあげられる。
赤/黒モードが選択された時のビジネス編集パスウエイ
を第39図(f)に示す。「Mesh」が「Red Mesh」に、
「Black to Color」が「Black to Red」に変わることは
マーカー編集と同様であるが、ビジネス編集ではそれに
加えて、ロゴ挿入とペイント1の機能がなくなり、赤色
の文字またはパターンを削除する赤削除(Red Delete)
機能が追加される。これは、赤/黒モードに特有な機能
を纏めた結果であり、実際、当該ビジネス編集では原稿
はフルカラー原稿として扱われるから、赤/黒の文書に
ロゴを挿入したければ第39図(a)に通常の黒モードの
ビジネス編集パスウエイでロゴ挿入を選択すればロゴ以
外の黒はより黒く、赤はより赤くコピーされるのであ
る。また、ポップアップもマーカー編集におけると同様
に、編集機能が上記のように変わるだけで操作の仕方は
黒モードと同じである。
(F)フリーハンド編集パスウエイ ビジネス編集パスウエイにおいては、編集機能を設定す
る各領域は矩形であるが、このフリーハンド編集パスウ
エイにおいては、エディットパッド上で任意の多角形ま
たはループ(閉曲線)をなぞることで任意の形状(自由
形)の領域を設定することができる。勿論、常にエディ
ットパッドで任意の形状の領域を設定できるようにする
ことも考えられるが、自由形を用いるのは特殊な、高度
の編集である場合が多く、また、所望の自由形を描くの
には熟練度を要することもあり、更に、通常の編集では
領域は矩形が設定できれば十分であるので、独立したパ
スウエイとして、自由形が必要である場合に限って使用
できるようになされているのである。
フリーハンド編集には、マーカー編集と同様の、トリ
ム、マスク、色付け、黒→色変換(Black to Color)の
4種の機能が備えられている。これらの機能の内容は、
設定される領域が自由形であることを除いてマーカー編
集で述べたと同様であり、また、パスウエイの画面は全
ての機能についてポップアップマークが付される点で第
38図(a)のマーカー編集パスウエイと異なるだけであ
り、ポップアップ表示はビットマップエリアに自由形が
表示される点を除いて第39図(b)に示すような画面と
同様であるので、図示するのは省略する。
(G)クリエイティブ編集パスウエイ このパスウエイは、デザイナー、コピーサービス業者、
キーオペレータ等の熟練者を対象にしたパスウエイであ
り、本複写機が備えている全ての編集機能を含んだ、編
集の最上位にあるパスウエイである。従って、原稿は全
てフルカラー原稿として取り扱われる。また、これまで
述べてきたパスウエイのように1領域1機能では高度な
編集は行えないので、1領域に対して複数の機能を設定
できるようにするのがよい。
クリエイティブパスウエイは第40図(a)に示すよう
に、トリム、マスク、マスク/シフト(部分移動)、コ
ピーオンコピー(すかし合成)、ロゴ挿入、はめ込み合
成(Image Composition)という、いわばイメージの切
り貼りに関するカット/ペーストコラム、ペイント1、
ペイント2、色変換、色付け(カラーメッシュ)、カラ
ーモードという色の処理に関するカラーコラム、リピー
ト、鏡像、ネガポジ反転、拡大連写(Multi Page Enlar
gement)というイメージに特殊な効果を与えるマニピュ
レートイメージコラム、そしてカラーバランス、コピー
クオリティという画質調整に関するイメージクオリティ
コラムの4つのコラムからなっている。
このようにクリエイティブパスウエイにおいては多くの
選択肢が有り、従って表示面積との関係で上述したパス
ウエイとは異なってアイコンも表示されないが、当該パ
スウエイを使用するのはキーオペレータ、デザイナー等
の熟練者であるから機能名を表示すれば足りるのであ
る。また、熟練者にとっては選択肢が多くても迷うこと
はなく、一つ一つの操作を導く必要はないが、かといっ
て画面の切り換えが多くなると誤操作が生じる機会が多
くなるので、ポップアップをできる限り少なくして、最
小ステップで目的とする編集モードを設定できるように
する必要がある。
以下に各機能について説明する。
トリム、マスクはこれまで述べてきたと同様な機能であ
る。いま、トリムのソフトボタンを押したとすると第40
図(b)に示すポップアップが開いて、トリムを行う領
域をビットマップエリアで設定する。なお、この際に設
定される領域は、エディットパッド上の2点を指示する
ことで形成される矩形である。
マスクも同様で、ソフトボタンが押されると第40図
(c)のポップアップが開いて、マスクする領域を設定
するようになされている。
部分移動は、原稿の所定領域をマスクすると共に、所望
の領域のイメージを所望の位置に移動させる機能であ
る。この機能は、マスクとシフトという二つの機能をパ
ッケージしたもので、一つのソフトボタンを押すことで
簡単にパッケージ機能が設定でき、このことにより目的
指向の操作性を達成することができるのである。
すかし合成は、第1の原稿をコピー後、用紙を転写装置
上に保持し、引続き第2の原稿を重ねてコピーする機能
である。この機能も、二つの原稿をコピーして合成する
という、引続き行われるべきいくつかの機能をパッケー
ジすることが可能であるので、目的指向性の操作性に沿
うものでことは明かであろう。
ロゴ挿入は、ビジネス編集で説明したのと同様な機能で
あり、第40図(d)のポップアップにより挿入位置、ロ
ゴタイプ、挿入方向を設定するようになされている。
はめ込み合成は、ベースとなる第1の原稿をカラーコピ
ーした後、用紙を転写装置上に保持し、引き続きトリミ
ングした第2の原稿を重ねてコピーする機能であり、こ
の機能が目的指向性に沿ったものであることは上述した
ところである。
はめ込み合成のソフトボタンが押されると、第40図
(e)のポップアップが開き、必要なパラメータを設定
するようになされている。ビットマップエリアでは、第
1原稿のマスクする領域、および第2原稿のトリミング
する領域をそれぞれ設定する。倍率は、第1原稿にはめ
込む第2原稿の領域をどのようなサイズにするかを設定
するもので、100%、自動倍率、バリアブルの3つの選
択肢を有している。なお、図中のアドファンクションと
いうソフトボタンは、他の編集機能を追加する場合に使
用するものであって、例えば、第2原稿のトリミングす
る領域の色を所望の色に変換したい場合には、このボタ
ンを押して、色変換機能を選択し、変換される色と変換
後の色を指示すればよい。
ペイント1はビジネス編集で述べた機能と同様であり、
当該ボタンが押されると第40図(f)に示すポップアッ
プが開いて、領域、色および網の種類を選択するように
なされている。
ペイント2は、指定された領域を一旦マスクしてから当
該領域に指定された色で色付けを行う機能である。機能
的には色付けと似ているが、色付けが指定領域内のイメ
ージをそのままコピーするのに対して、指定領域内のイ
メージを消去する点で色付けとは異なっている。
カラーコンバージョン(Color Conversion)は原稿の所
望の領域内の所望の色を他の色に変換する機能であり、
当該ボタンが押されると第40図(g)のポップアップが
開いて、被変換色、変換色および検出の感度を設定でき
るようになされている。被変換色および変換色の指定
は、ポイントボタンを押し、エディットパッドで原稿上
の所望の色を指定することで行ってもよいし、パレット
ボタンで標準8色、登録8色の計16色の中から選択して
もよい。即ち、被変換色のパレットボタン(From側)を
押すと第40図(h)のポップアップが開き、変換色のパ
レットボタン(To側)を押すと第40図(i)のポップア
ップが開いて、それぞれの色を選択できるようになされ
ている。
また、原稿の色の検出感度は第40図(g)の「Color Se
nsitivity」に示すように、例えば7段階に切り換え可
能になされている。
色付けはこれまで述べてきた機能と同様である。
カラーモードはベーシックフィーチャーパスウエイにお
けるカラーモードの選択と同様であり、4色フルカラ
ー、3色カラー、白黒または赤/黒のモードをポップア
ップにより選択することができる。
リピートイメージは所定のイメージを縦方向または横方
向に繰り返しコピーする機能であり、ロゴあるいはサー
ビスマーク等をいくつもコピーする場合に有効な機能で
ある。
ミラーイメージは鏡像を得るための機能である。
ネガポジ反転は指定された単色でネガポジ反転を行う機
能である。
マルチページエンラージメントは、書籍の見開き頁を所
定の倍率に拡大して所定のサイズの用紙に頁毎に連続し
てコピーする機能であり、当該ボタンが押されると第40
図(j)のポップアップが開いて、倍率と用紙サイズが
選択できるようになされている。
倍率には、縦横共に100%、ファイナル出力サイズ、任
意倍率の3つの選択肢がある。ファイナル出力サイズは
倍率を設定するのではなく、出力されるイメージのサイ
ズを直接設定する機能であり、当該ボタンが押されると
第40図(k)のポップアップが開いてイメージの出力サ
イズを設定できるようになされている。また、任意倍率
のボタンが押されると第40図(l)のポップアップが開
いて、プリセットされた倍率または縦、横それぞれに所
望の倍率が設定可能になされている。
カラーバランスはコピークオリティパスウエイで述べた
と同様であり、当該ボタンが押されると第40図(m)の
ポップアップが開いて、カラーバランス調整を行う領
域、トナー色およびその量を任意に設定できるようにな
されている。
コピークオリティは、コピー濃度調整等のコピークオリ
ティパスウエイで述べたと同様な調整を行うための機能
であり、ポップアップにより所望の調整が行えるように
なされている。
カラーバランス、コピークオリティは上述したように基
本モードで設定できるのであるが、原稿の所望の領域内
だけでカラーバランス等の調整の必要性が生じることも
あるので、クリエイティブパスウエイにはこのような調
整機能が設けられているのである。
コレクション(Correction)はビジネス編集パスウエイ
で述べたと同様に、設定機能の追加、削除、変更、設定
領域の削除、サイズの調整、位置の修正、および指示点
(ポイント)の削除、位置の修正等を行う機能である。
第40図(a)のコレクションのボタンが押されると第40
図(n)のポップアップが開いてビットマップエリアと
コレクションのメニューが表示される。ここで、領域の
修正を選択すると、第40図(o)のポップアップが開
き、領域表示の上下左右にあるスクロールボタンによ
り、1mm刻みで領域のサイズの変更を行うことができ
る。また、例えば、上のスクロールボタンで上方に5mm
拡大し、更に下のスクロールボタンで上方に5mm縮小す
れば、設定領域を全体に5mm上方に移動させることがで
きる。
第40図(n)のポップアップでポイントの修正を選択す
れば第40図(p)のポップアップが開き、スクロールボ
タンにより1mm刻みで位置を移動できるようになされて
いる。
以上がクリエイティブパスウエイであるが、上述したと
ころから明らかなように、熟練者が所望の編集を最小ス
テップで行うことができるようになされているものであ
る。
(H)ツールパスウエイ これまで述べてきたパスウエイはユーザがコピーモード
の設定を行う場合に使用されるものであるが、ツール
(Tools)パスウエイはこれらのパスウエイとは異なっ
て、コピーモードの設定を行うものではなく、初期値の
セットアップ等のマシン状態の設定を行うものである。
従って、一般のユーザが設定できないように、暗唱番号
を入力しなければツールパスウエイでの設定は行えない
ようになされている。このことでキーオペレータとカス
タマーエンジニアだけが当該パスウエイでの設定ができ
るようになされている。
ツールパスウエイを第41図(a)に示す。
カラーレジストレーションは、カラーパレット中のレジ
スタカラーボタンに所望の色を登録する場合に使用する
機能であり、当該ボタンが押されると、第41図(b)の
ポップアップが開いて、カラー原稿中の登録すべき色の
ポイントをビットマップエリアで表示すると共に、何番
目のボタンに当該色を登録するかを設定するようになさ
れている。例えば、「1」のボタンに所望の色を登録し
ようとして「1」のボタンを押すと、図のようにチュー
ブのアイコンが表示されるので、オペレータは容易に確
認することができる。また、登録する色の色調を微調整
したい場合には、第41図(b)のカラーコレクションボ
タンを押すと、第41図(c)のポップアップが開くの
で、ここで、各色のトナーの量を調整することができ
る。なお、図ではマゼンタのチューブから絵具が落ちて
いるので、マゼンタのトナーの量を調整していることが
分かる。
フィルムレジストレーションは、フィルムプロジェクタ
で用いるフィルムのタイプを登録する機能である。
デフォルト設定は、カラーモード、用紙サイズ、倍率な
どの各モードについてデフォルトを設定する機能であ
る。
マシンセットアップはマシン全体に関するセッティング
を行う機能であり、ディフォルトを設定する点では上記
のディフォルト設定と同様であるが、ディフォルト設定
がある機能におけるパラメータのディフォルトを設定す
るのに対し、マシンセットアップはそれより上位の概念
のマシンディフォルトを設定する点で異なっている。
ジェネラルアクセサリーは、アクセサリーを使用する場
合にその設定を行う機能である。
ビリングは、トータルビリング、フルカラーコピー、3
色カラーコピー、白黒コピーの各ビリングメータの値を
見るための機能である。
サービスダイアグノスティックスは、自己診断モードを
使用してマシン状態をチェックする機能であり、カスタ
マーエンジニアだけが使用できるようになされている。
(III−6)パスウエイの相互作用 以上、機能選択領域としてのパスウエイの構成について
説明したが、次に各パスウエイ間の相互作用について述
べる。
上述したようにパスウエイは、ベーシックフィーチャー
と編集に大別され、更にベーシックフィーチャー、編集
は共にそれぞれ階層化されている。従って、各パスウエ
イ間における相互作用を規定しておかないと、ユーザは
勝手にパスウエイ間を移動したりして、コピーモードあ
るいはパラメータの設定が台無しになってしまうことも
考えられる。そして、次のような相互作用を規定するこ
とにしたのである。
(0) 各パスウエイの他の部分は異なる色で表示する。これは
現在どのパスウエイが開かれているかユーザが色で容易
に判断できるようにするためである。但し、アディドフ
ィーチャー、コピークオリティおよびツールの各パスウ
エイは、ベーシックフィーチャーパスウエイと同様、基
本的なモード設定に関するパスウエイ(以下、これらの
パスウエイを一纏めにして、基本コピーパスウエイと称
す。)であるので、ベーシックフィーチャーパスウエイ
と同じ色としてよいものである。各パスウエイをどのよ
うな色とするかは任意であるが、原色よりも中間調を使
用して落ち着いた色調で表示するのがよく、例えば、ベ
ーシックフィーチャー、アディドフィーチャー、コピー
クオリティおよびツールの各パスウエイはグレー系統、
マーカー編集パスウエイはブルー系統、ビジネス編集パ
スウエイはグリーン系統、クリエイティブ編集パスウエ
イはピンク系統とするのがよい。
(1)ベーシックフィーチャー、アディドフィーチャ
ー、コピークオリティ、ツールの各パスウエイ間相互作
用 (1−1) 原則的にこれらのパスウエイ間は自由に移動可能とす
る。これらのパスウエイは、どのようなコピーを行う場
合にも設定しなければならない基本的なコピーモードが
纏められたパスウエイであるから、いつでも自由に移動
可能でなければならないからである。ただし、ポップア
ップが開いている場合には、当該ポップアップを閉じて
からでないと他のパスウエイには移動できないようにす
る。つまり、ポップアップが開かれているというのは、
ユーザがポップアップにより何等かのモードまたはパラ
メータの設定を行おうとしている状態であるから、ポッ
プアップを優先させ、当該ポップアップにおける設定が
終了してから他のパスウエイに移動させるようにするの
である。
また、ジョブリカバリーが完了してからスタートボタン
が押されるまでの間はジョブがまだ終了していない状態
であるので、パスウエイ間の移動は禁止される。
(1−2)タイムアウトおよび優先順位 (1−2−1) アディドフィーチャーパスウエイは、開かれてから所定
の時間の間に何の操作も行われない場合には、タイムア
ウトし、自動的にベーシックフィーチャーパスウエイに
戻るようになされる。アディドフィーチャーは必要に応
じて設定すればよく、開かれて何の設定も行われなくと
もコピーは実行できるからである。なお、上記所定の時
間は、ツールパスウエイのマシンセットアップで設定さ
れる。
(1−2−2) ツールパスウエイが開かれている間は、ベーシックフィ
ーチャーおよびアディドフィーチャーで設定されたモー
ドは保持される。上述したように、ツールパスウエイで
は一部のモード、パラメータを変更できるようになされ
ており、従って、どの時点でツールパスウエイで設定し
たモード、パラメータが有効になるかを規定しなければ
ならないが、本複写機のUIでは、ツールパスウエイが開
かれている間はその直前までのモード、パラメータを保
持し、ツールパスウエイでの設定終了後他のパスウエイ
が選択されてツールパスウエイが閉じたときに、設定さ
れたモード、パラメータが有効になることとしたのであ
る。
(1−2−3) ツールパスウエイは、他のパスウエイが選択されたとき
や、ハードコントロールパネルのオールクリアボタンが
押された場合に閉じる。
(1−2−4) 何等かのモードが設定されてコピーが実行されていると
きにフォールトが発生した場合には、当該パスウエイの
画面上にフォールトが発生した旨の表示がなされる。こ
のとき、コピーモードは解除されずにフォールトが発生
した時点の状態を保持する。この規定は、異常が生じた
ときにディスプレイ上に何を優先させて表示するか、そ
のときにマシンのモードをどのような状態にするかを規
定したものである。つまり、異常が生じた場合の表示と
しては、例えば、フォールト画面を用意しておき、パス
ウエイを消して当該フォールト画面を表示するような方
式も考えられるが、それではどのパスウエイを開いてい
たのか分からなくなるので、パスウエイは表示したまま
フォールトの表示を行うようにしたのである。また、フ
ォールトが解消したら残りのジョブを続行する必要があ
るから、フォールトが発生した時点のモードを保持する
ようにしたのである。
(1−2−5) 後述するハードコントロールパネルにはインフォメーシ
ョンボタンがあり、当該ボタンが押されると、本複写機
の機能、操作の仕方等の説明が当該パスウエイ上に表示
される。このときマシンは設定されているモードを保持
する。つまり、モード設定の途中でインフォメーション
ボタンが押されたときにパスウエイを消してしまうので
は、それまでどのパスウエイが開かれていたのか分から
なくなる可能性があるので、インフォメーションはパス
ウエイが表示されている画面上に表示することとし、ま
た、モード設定の途中でインフォメーションボタンが押
されたときにそれまで設定したモードが解消されるので
は、最初から設定し直さなければならず、使い勝手の悪
いものになるので、それまで設定されているモードは保
持されるようにしたのである。
(1−3)パスウエイ内のモードの相互関係 (1−3−1) 複数の選択肢からなるコラムにおいては、各選択肢のソ
フトボタンは互いに排他的になされる。これは明かであ
る。例えば、第37図(a)のカラーモードには4つの選
択肢がある。いま、フルカラーが選択されていてオン状
態にあるときに、赤/黒モードにしようとして「Red an
d Black」を押したとすると、「Red and Black」のソフ
トボタンがオンとなり、フルカラーのソフトボタンはオ
フとなる。
なお、ソフトボタンのオン、オフは、ボタン領域の輝度
を変えることによって行うことができる。即ち、オンの
場合は高輝度で、オフの場合は低輝度でそれぞれ表示す
ると動作、不動作を明確に区別することができる。
(1−3−2) 異なるコラムに配置されているボタンは互いに排他的で
はないが、あるボタンが押されたとき、当該モードと互
いに矛盾するモードのボタンは選択不能となされる。例
えば、自動倍率と自動用紙選択は互いに矛盾するモード
である。なぜなら、自動倍率は原稿と用紙のサイズが決
定されてはじめて機能するモードであり、それに対して
自動用紙選択は原稿サイズと倍率が決定されてはじめて
機能するモードであるから、自動倍率と自動用紙選択が
選択されると、用紙サイズも倍率も決定されないからで
ある。このような場合には、従来は警告メッセージを表
示してユーザに注意を喚起するのが一般的であるが、本
発明のUIでは、例えば、ユーザが自動倍率を選択した
ら、自動用紙選択のボタンを選択不能状態としてユーザ
が当該ソフトボタンを押すことが無いようにするのであ
る。このことで、矛盾するモードが誤って選択されるこ
とを防止することができるので、警告メッセージが表示
されることもなく、ユーザは煩わしさから解消されるこ
とになると共に、マシン使用不能時間を短縮することが
できるのである。
そのための手段としては、例えば、選択可能なソフトボ
タンに対しては第42図(a)に示すようにソフトボタン
920にシャドウ(以下、影と記す。)921を表示し、選択
不能のソフトボタンに対しては、同図(b)に示すよう
に、影を表示しないようにする。ボタンに影を付すとボ
タンが浮き出て見え、いかにも押すことができるという
感じを出せるし、影を付さないとボタンがバックグラン
ドに押し込まれた感じとなり、いかにも押せない状態に
あることをユーザに知らせることができるからである。
しかし、それでも矛盾するモードが選択されることは考
えられる。例えば、いまディフォルトの状態にあり、倍
率は100%、用紙サイズは自動用紙選択であるとし、そ
の状態でユーザが自動倍率でコピーを行いたい場合に
は、影が消えて選択不能となされている自動倍率のボタ
ンを押してしまうことは容易に考えられるところであ
る。このような場合にはマシンは動作せず、従って、モ
ードを変更する以外にないので、警告メッセージを表示
して、モードの変更を要求するようにする。
このような互いに矛盾するモードは他にもあり、白黒モ
ードとカラーバランスの組合せ、SSI(Single Sheet In
serter)と他の用紙選択の組合せ、クリエイティブ編集
で述べたパッケージ機能と他のパッケージ機能の組合せ
等がある。
(2)編集パスウエイ間相互作用 ここでは、マーカー、ビジネス、クリエイティブの各編
集パスウエイ間の相互作用に付いて規定する。
まず、各編集パスウエイ間の基本的は相互作用として、
各編集パスウエイは互いに排他的であるとする。上述し
たように、編集パスウエイはユーザの熟練度および編集
機能によって階層化されており、一つのパスウエイ内だ
けで所望の編集を行うことができ、しかも、ビジネス編
集はマーカー編集の全ての編集機能を含み、クリエイテ
ィブ編集はビジネス編集の全ての編集機能を含んでいる
ので、各編集パスウエイは、それぞれ独立したものとし
て扱うことができるからである。しかし、各編集パスウ
エイは全く独立しているのではなく、常にベーシックフ
ィーチャーその他の基本コピーと協同して使用されるこ
とは明かであろう。
(2−1)機能のキャリーオーバー ここでは異なるパスウエイに同じ機能を有する場合に互
いに影響させるか、させないかを規定する。例えば、コ
ピー濃度の調整はベーシックフィーチャーパスウエイで
も行えるし、クリエイティブ編集パスウエイでも行える
ようになされているが、ベーシックフィーチャーパスウ
エイで濃度調整を行った場合に、当該濃度調整をクリエ
イティブ編集に反映させるようにするか、させないよう
にするかという問題が生じるのである。
(2−1−1) 各編集パスウエイ間では機能のキャリーオーバーは行わ
ない。これは、例えば、クリエイティブ編集で色付けが
選択されたとしても、ビジネス編集の色付けが自動的に
選択されることはないことを意味する。この規定は、各
編集パスウエイが互いに排他的であることから当然であ
ることは明かである。
これはまた、ある編集パスウエイ、例えば、マーカー編
集パスウエイである機能が選択されているときに他のパ
スウエイ、例えば、クリエイティブ編集パスウエイを開
こうとしてパスウエイタブを押しても直ちにはクリエイ
ティブパスウエイが開かないことを意味する。つまり、
編集パスウエイ間で機能のキャリーオーバーが行われる
のであれば、マーカー編集で選択された機能はクリエイ
ティブ編集でも自動的に選択されるのであるが、編集パ
スウエイ間での機能のキャリーオーバーを禁止したため
に、クリエイティブ編集パスウエイが開かれるとマーカ
ー編集で選択した機能は自動的にキャンセルされてしま
うからである。
従って、そのような場合には、「確かですか?(Are yo
u sure?)」等のメッセージまたはポップアップによ
り、ユーザの意志を確認するようにする必要がある。
このように、編集パスウエイ間では機能のキャリーオー
バーを行わないので、ユーザは理解し易く、従って、操
作性のよいものとなっている。
(3)基本コピーパスウエイと編集パスウエイ間相互作
用、および編集パスウエイ内での作用 (3−1)基本コピーパスウエイと編集パスウエイ間相
互作用 ここではベーシックフィーチャー等の基本コピーパスウ
エイと編集パスウエイ間の相互作用を規定する。
(3−1−1) 基本コピーパスウエイで行われた設定は各編集パスウエ
イにおいて有効とされる。これは、編集パスウエイは基
本コピーパスウエイと協同して使用されることから明か
である。
(3−1−2) 基本コピーパスウエイと編集パスウエイに共通の機能が
ある場合には、当該パスウエイ間を移動しても設定内容
は保持される。
これは具体的には次のようである。例えば、基本コピー
のコピークオリティパスウエイではコピー濃度の設定を
行うことができ、また一方、上述したようにクリエイテ
ィブ編集パスウエイは独自にコピークオリティの機能を
有している。いま、基本コピーパスウエイでコピー濃度
を濃い状態になされていたとするとクリエイティブパス
ウエイに移動してもコピー濃度は濃い状態にある。これ
は上記の(3−1−1)項から明かである。そこで、ク
リエイティブパスウエイでコピー濃度を薄くしたとする
と、基本コピーパスウエイにおけるコピー濃度も連動し
て薄くなるのである。つまり、クリエイティブパスウエ
イでのコピー濃度と基本コピーパスウエイでのコピー濃
度を独立させると、ユーザはどのパスウエイでどのよう
なコピー濃度に設定されているか分からなくなり、無用
な混乱を生じさせてしまうので、どのパスウエイにおい
ても同じ濃度でコピーを行えるようにするのである。な
お、以上はコピー濃度を例にとったが、カラーバラン
ス、コントラスト、シャープネス等についても同様であ
る。
(3−2)編集パスウエイ内での機能重複 (3−2−1) クリエイティブ編集においては所望の機能を原稿の全面
に対して施すか、所望の領域に対してのみ施すかを選択
できるようになされているが、ある機能が原稿全面に対
して設定された場合に、当該機能と互いに排他的な関係
にある他の機能のボタンは、第42図(b)のように影が
消されて選択不能状態となされる。
(3−2−2) 上述したように、クリエイティブ編集パスウエイにおい
ては、一つの領域に対して複数の機能を設定することが
できるが、所定の領域に対してある編集機能が設定され
た場合に、当該機能と排他的な関係にある編集機能のボ
タンは影が消されて選択不能となされる。このような関
係にある機能としては、例えば、部分移動(Mask and S
hift)と、はめ込み合成と、すかし合成(Copy on Cop
y)とがある。つまり、これら各機能は、それぞれいく
つかの機能がパッケージされた機能であり、これらの処
理を一度に行うことはできないので、互いに排他的な関
係になされるのである。従って、例えば、部分移動が選
択されると、はめ込み合成およびすかし合成のボタンは
影が消されて選択不能状態となされ、先に設定した機
能、この場合は部分移動をキャンセルしない限りはめ込
み合成、すかし合成を設定することはできないようにな
される。また、鏡像と部分移動、および鏡像とはめ込み
合成の組合せも禁止される。部分移動、はめ込み合成は
共に複雑な処理を経て行われるのであり、それに更に鏡
像を組合せてコピーを行うとコピーされた結果が所望の
イメージ通りかどうかを判断するのに混乱を生じてしま
う場合が多いので禁止されるのである。従って、鏡像が
設定されると、はめ込み合成および部分移動のボタンは
選択不能状態となされる。更に、領域の拡大連写とトリ
ムの組合せも禁止される。これは、明かであろう。なぜ
なら、トリムは所望の領域内のイメージのみをコピーす
る機能であり、領域の拡大連写も所望の領域内のイメー
ジを所望の倍率に拡大してコピーを行う機能であるか
ら、機能が重複するのである。従って、トリムが設定さ
れれば領域の拡大連写は選択不能状態となされ、逆に領
域の拡大連写が設定されればトリムは選択不能状態にな
されるのである。
なお、一つの領域に、設定可能な機能が全て設定された
場合には、機能を追加する場合に使用されるアドファン
クションボタンは使用不能状態になされる。他の追加設
定できる機能がないからである。
(III−7)画面遷移 以上、パスウエイ、およびその相互作用について述べて
きたが、次に、画面遷移、即ち、いつ、どのような条件
でどのような画面を表示するか、という点についてその
概要を図を参照して説明する。
まず、電源が投入されてマシンが立ち上がったときに
は、コピーモードが設定できるように何等かのパスウエ
イを表示する必要がある。それを第43図(a)の922に
示す。ここでウォークアップフレーム(Walkup Frame)
とあるのは全てのパスウエイの集合を意味するものであ
る。このパスウエイが表示されている状態で、ハードコ
ントロールパネルにあるインフォメーションオンボタン
が押されると923のインフォメーションフレームが表示
され、インフォメーションフレームのときにインフォメ
ーションオフボタンまたは割り込みボタンが押されると
ウォークアップフレーム、即ち元のパスウエイに戻るよ
うになされる。また、ウォークアップフレームでモード
を設定し、コピーを実行中にジャム等のフォールトが生
じるとフォールトフレーム924が表示され、ジャムがク
リアされると元のパスウエイに戻るようになされる。ダ
イアグ画面925についても同様であり、所定の操作を行
うことによってダイアグに入ったり、ダイアグから元の
パスウエイに戻ることができる。また、フォスファーセ
ーバー(Phosphor Saver)というのは、カラーCRTモニ
タの蛍光面の焼き付きを防止するためにムービングクロ
ックを表示する画面を意味し、同じ画面が所定時間表示
され続けると自動的にムービングクロックが表示され、
何等かのキーが押されるとフォスファーセーバー画面に
なる直前の画面に遷移するようになされている。但し、
フォスファーセーバー画面表示中にマシンがオートクリ
アしている場合は、キーが押されるとウォークアップフ
レームに遷移する。なお、図中、ウォークアップフレー
ムの「1」、インフォメーションフレームの「2」等の
数値は段層を示すものであり、以下同様である。
以上が全体的な画面遷移であるが、以下にパスウエイの
遷移について説明する。
第43図(b)にパスウエイ間の遷移を示す。
まず、マシンの立ち上げが完了すると基本コピーパスウ
エイ927、即ち、第37図(a)のベーシックフィーチャ
ーパスウエイを表示するようにする。上述したように、
このパスウエイはどのようなコピーを行う場合にも設定
されなけれならないモードを備えているパスウエイだか
らである。なお、図中、Aで示す太い実線の丸はパスウ
エイの画面を示し、Bの太い実線の矩形はウォークアッ
プフレーム以外のフレームを示し、Cの破線の丸は画面
は変化しないがマシン状態が変化するフレームを示し、
Dは矢印方向に向かう画面遷移の条件を示す。以下同様
である。
さて、上述したように、基本コピーパスウエイは各編集
パスウエイと組み合わせて使用することができるから、
基本コピーパスウエイが表示されている画面からパスウ
エイタブを押すことで直接所望のパスウエイに遷移でき
るようになされる必要がある。第43図(b)はそれを示
すもので、基本コピーパスウエイ927からマーカー編
集、ビジネス編集、自由形編集、そしてクリエイティブ
編集の各パスウエイタブを押すことで所望のパスウエイ
に遷移できることが分かる。そのために第37図(a)、
(e)、(g)および第41図(a)に示すように、基本
コピーパスウエイが表示される画面には、必要なときに
いつでも所望の編集パスウエイに遷移できるように、編
集パスウエイのパスウエイタブで表示されているもので
ある。
このことにより、1ステップで所望のパスウエイに遷移
でき、操作性が優れていることが理解できよう。即ち、
一旦基本コピーパスウエイを消して編集パスウエイのメ
ニューを表示し、そこで所望の編集パスウエイを選択す
るようにすることもできるが、操作性の点で劣ることは
明かである。
また、この図から各編集パスウエイ間の遷移は、一旦基
本コピーパスウエイに戻ってから他の所望のパスウエイ
を選択する以外にないから、編集パスウエイは互いに排
他的であることが分かる。このため、第38図(a)、第
39図(a)、第40図(a)に見られるように、編集パス
ウエイが表示されている画面には他の編集パスウエイの
パスウエイタブは表示されないようになされている。
更に、先に、マーカー編集、ビジネス編集で赤/黒モー
ドに設定する場合には、まず、基本コピーパスウエイで
赤/黒モードを選択してから、マーカー編集またはビジ
ネス編集を選択する旨述べたが、この遷移状態も図に示
されている。その理由は先に簡単に述べたが、前項の
(3−1−2)の規定にもよるものである。即ち、マー
カー編集はそもそも白黒の文書を対象とするものである
から、マーカー編集が選択されると自動的に白黒モード
になり、第37図(a)の赤/黒モードのボタンは選択不
能状態になされる。従って、もし、マーカー編集パスウ
エイを選択してから基本コピーパスウエイに戻り、そこ
で赤/黒モードを設定できるようにするためには、赤/
黒モードボタンを選択可能な状態に戻さなければなら
ず、そのためにはマーカー編集を一旦解除しなければな
らないことになる。つまり、矛盾が生じることになり、
従って、操作も非常に複雑になるのである。そこで、操
作の仕方を統一し、且つ容易に、最小ステップで所望の
モードを設定できるようにするために、第43図(b)の
ような画面遷移としたのである。
これはまた操作手順によってプライオリティをつけてい
ることを意味する。つまり、編集を選択したら編集が優
先して、それを解除しない限り赤/黒モードは選択でき
ないのであり、また逆に、赤/黒モードが選択される
と、それが優先されて編集は赤/黒モードに設定される
のである。
また更に、例えば、マーカー編集パスウエイから基本コ
ピーパスウエイに戻る場合の条件は、図中のDに示され
ているように、オールクリア、割り込み、セーブ/クロ
ーズ、キャンセルの各ボタンが押された場合か、マーカ
ー編集パスウエイの表示が所定時間行われてタイムアウ
トした場合か、マーカー編集のパスウエイタブが再度押
された場合か、またはベーシックフィーチャー、アディ
ドフィーチャー、ツールの各基本コピーパスウエイのタ
ブが押された場合であるが、この条件はビジネス編集パ
スウエイから基本コピーパスウエイに戻る場合にも、ク
リエイティブ編集パスウエイから基本コピーパスウエイ
に戻る場合にも当てはまることが分かる。つまり、各編
集パスウエイから基本コピーパスウエイに戻る場合の条
件は、どの編集パスウエイから戻るかに拘らず全く同じ
に統一されているのである。このことは重要である。な
ぜなら、編集パスウエイによって基本コピーパスウエイ
へ戻る条件が異なるのではユーザはそれら全ての操作を
覚えねばならず、非常に煩わしく、また誤操作の原因と
なるからである。
なお、各編集パスウエイから基本コピーパスウエイに戻
る条件の内、オールクリアボタンと割り込みボタンはハ
ードコントロールパネルにあるのでいつでも押せる状態
にあり、また、第38図(a)、第39図(a)、第40図
(a)に示されているように、各編集パスウエイにはセ
ーブ/クローズおよびキャンセルのボタンが配置されて
おり、更に基本コピーのパスウエイタブが表示されてい
る。このことで上記の条件が保証されるのである。
第43図(c)に基本コピーのパスウエイ内の遷移を示
す。図から、パワーオン後、まずベーシックフィーチャ
ーパスウエイが表示され、アディドフィーチャーパスウ
エイまたはツールパスウエイのパスウエイタブを押すこ
とでそれぞれのパスウエイに遷移できることが分かる。
なお、図にはコピークオリティパスウエイは示されてい
ないが、同様に遷移できることは明かであろう。
また、図から、ツールパスウエイから所定の操作により
ダイアグに入れることが分かる。これは、第41図(a)
に関しても述べたところであるが、マシンセットアップ
等のマシン調整の一部はキーオペレータに開放されてい
るが、サービスダイアグはカスタマーエンジニアだけが
入れるように操作の仕方が異なっている。つまり、マシ
ンが操作の仕方によりキーオペレータか、カスタマーエ
ンジニアかを判断し、ダイアグの画面を開くか開かない
かを決定するようになされているのである。
第43図(d)はベーシックフィーチャーパスウエイにお
けるポップアップの遷移状態を示す。なお、図中の細い
実線の丸はポップアップを示すものである。以下、同様
である。
図から、第37図(a)のベーシックフィーチャーパスウ
エイにおいて、任意倍率(Variable R/E)ボタンを押す
ことでポップアップが開くことがわかる。ジョブプログ
ラミングについても同様である。また、第37図(a)に
は「シングルカラー」のボタンは示されていないが、も
し、第43図(e)に示すように、カラーモードの選択肢
としてシングルカラーモードを設けた場合には、第43図
(f)のようなポップアップを開いて所望の色を設定で
きるようにすることができることを示している。
また、第43図(d)によれば、全てのポップアップは、
セーブ/クローズ、キャンセル、オールクリア、割り込
み等のボタンを押すことで、または所定時間時間経過後
に自動的に閉じて、ベーシックフィーチャーパスウエイ
に戻ることが分かる。つまり、ポップアップの開き方、
閉じ方は全て統一されていることになり、一つの操作を
覚えたユーザは、他の操作も推測できるものである。
第43図(d)で、任意倍率のボタンが押されたときに
は、「Variable R/E」と「Anamorphic R/E」の二つのポ
ップアップが開くように示されているが、これは注意を
要する点であり、具体的には次のような意味である。本
複写機においては、第37図(b)に示したように縦横と
も同じ倍率に設定できる以外に第37図(c)に示したよ
うに、偏倍機能をも有しており、それぞれがポップアッ
プで設定可能となされている。従って、任意倍率のボタ
ンが押されたときに、どちらのポップアップを優先して
表示するかが問題になる。そこで、任意倍率が選択され
たとき、以前に等倍で使用されていれば第37図(b)の
等倍のポップアップを開き、以前に偏倍で使用されてい
れば第37図(c)の偏倍のポップアップを開くようにす
るのである。これが第43図(d)の任意倍率のポップア
ップの意味である。最初から一つのポップアップで等倍
率設定も、偏倍率設定も行えるようにすることも可能で
はあるが、それでは選択肢が多くなってユーザを混乱さ
せるだけであるし、等倍率のポップアップを開いてから
でないと偏倍率のポップアップが開けないように予め優
先順位を決めておくのも、偏倍を多く使用するユーザに
とっては煩わしいものである。従って、以前に等倍で使
用されていれば、次にも等倍で使用する可能性が高く、
以前に偏倍で使用されていれば次にも偏倍を行う可能性
が高いことに鑑みて、上記のようなポップアップの開き
方を採用したのである。
第43図(g)は、第43図(e)に示すベーシックフィー
チャーパスウエイでシングルカラーを選択したときには
シングルカラーのポップアップが開くという遷移状態を
示す図であるが、図中、928で示す矢印付の小さな丸
は、シングルカラー以外にもフルカラー、スリーパスカ
ラー、白黒そして赤/黒のボタンが選択可能状態にある
旨を示しており、以下同様である。
以上、ベーシックフィーチャーパスウエイの画面遷移の
概要について述べたが、アディドフィーチャーパスウエ
イ、コピークオリティパスウエイ、ツールパスウエイの
他の基本コピーパスウエイについても同様である。例え
ば、第37図(e)、(g)、第41図(a)を参照すれば
明らかなように、これらの基本コピーパスウエイが表示
される画面においては、常に編集パスウエイのパスウエ
イタブが表示されており、いつでも所望の編集を行うこ
とができるようになされている。
また、第44図(a)にアディドフィーチャーパスウエイ
においてコピーポジションのボタンを押した場合の画面
遷移を示すが、マージンシフトのボタンが押されるとポ
ップアップが開き、そこでリセット、左右方向の微調
整、および上下方向の微調整が可能であることが分か
る。そのポップアップの例を第44図(b)に示すが、上
下左右の位置の微調整はそれぞれのスクロールボタンで
行うことができるものである。コーナーシフトについて
も同様である。また、第44図(a)によれば、コピーポ
ジションの選択肢としては他にもノーシフト、オートセ
ンターのボタンが選択可能であることが分かる。
このように基本コピーパスウエイにおいては、常に編集
パスウエイのタブが表示されて、所望の時にいつでも編
集のパスウエイを開くことができ、しかも、各編集パス
ウエイから基本コピーパスウエイに戻る場合の条件は全
て同じになされている。また、ポップアップを開くには
各ボタンを押す必要があるが、閉じ方は全てのポップア
ップについて、セーブ/クローズボタンまたはキャンセ
ルボタンを押せばよい。
このように操作の仕方が統一されているので、初心者の
ユーザでも一つの操作の仕方を覚えれば、他の操作の仕
方を類推することができ、操作性がよいことが分かる。
第45図にマーカー編集パスウエイ内の画面遷移を示す。
第45図(a)は、第38図(a)からの画面遷移を示す図
で、色付けおよび色変換のボタンを押すとそれぞれポッ
プアップが開くことが分かる。この図は白黒モード時の
遷移を示すものであるが、赤/黒モード時には、第45図
(b)に示すようにポップアップは赤色付けの一つだけ
になる。これらの画面遷移がそれぞれ第38図(a)、
(b)に対応していることは明かである。
また、ポップアップの開き方、閉じ方は基本コピーパス
ウエイにおけると同様であることが分かる。従って、基
本コピーパスウエイを操作できるユーザは、類推により
マーカー編集パスウエイを使用することができるもので
ある。
第46図にビジネル編集パスウエイ内の画面遷移を示す。
まず、白黒モード時においては、第46図(a)に示すよ
うに各機能選択ボタンを押すことでそれぞれのポップア
ップが開く。なお、図には編集機能としてはトリムとペ
イント1が示されているだけであるが、それ以外のマス
ク等の機能についても同様であることは第39図(a)か
ら明かである。また、ポップアップの閉じ方は基本コピ
ーパスウエイ、マーカー編集パスウエイと同じであるこ
とが分かる。
そこで、いま、色付けを選択したとすると、同図(b)
に示すように、色付けのポップアップが開いて、色およ
び濃度の種類、領域設定のための2点指示、それらのデ
ータを確定するためのエンター、領域を削除するための
エリアキャンセルの各設定を行えることが分かる。
また、第39図(a)の画面でコレクションボタンが押さ
れると、ポップアップ(第39図(e))が開いて、領域
の削除、領域のスクロールを行える。いま、ある領域に
設定する機能を色付けに変更しようとして色付けのボタ
ンを押すと、色付けのポップアップ(第39図(b))が
開いて、上記と同様に色、パターンの種類等の設定を行
う。そして、セーブ/クローズボタンでポップアップを
閉じると、再びコレクションのポップアップに戻り、そ
こでまたセーブ/クローズボタンを押してコレクション
のポップアップを閉じるとビジネス編集パスウエイの画
面に戻る。
また、第39図(a)には図示しないが、ビジネス編集パ
スウエイで機能キャンセル(Functional Cancel)のボ
タンを押すと、ポップアップが開いて領域に設定した機
能、この場合色付けをキャンセルすることができる。
第46図(c)にビジネス編集パスウエイでコレクション
ボタンを押した場合の画面遷移を示す。第39図(a)の
ビジネス編集でコレクションボタンが押されると、ポッ
プアップが開いて、エリア/ポイントの削除、エリア/
ポイントのスクロール、各種の編集機能を行えることが
分かる。これは、第39図(e)に示す通りである。な
お、第46図(c)において「Function」とあるのは、第
39図(e)に示す各種の編集機能を示すものである。そ
こで、いま、ある設定領域に設定する機能を変更しよう
として何等かの機能を選択したとすると、ポップアップ
が開いてパラメータが設定でき、当該機能のポップアッ
プでセーブ/クローズボタンを押すと、第39図(e)の
コレクションのポップアップに戻ることができ、これで
設定する機能を変更できるものである。また、領域また
はポイントを変更するには、第39図(e)のポップアッ
プでエリア/ポイントコレクションボタンを押せばよ
い。すると、ポップアップが開いて、領域/ポイントを
上下左右に移動させたり、リセットすることができる。
このようにして領域/ポイントの変更を行った後にセー
ブ/クローズボタンを押すと第39図(e)のコレクショ
ンのポップアップに戻ることができ、これで領域/ポイ
ントの変更を行うことができるのである。そして、コレ
クションのポップアップでセーブ/クローズボタンを押
すとビジネス編集パスウエイに戻り、これで設定領域、
ポイントの変更、または領域に設定する編集機能の変更
を行うことができるのである。
以上が白黒モード時における画面遷移である。
第46図(d),(e),(f)に第46図(a),
(b),(c)に対応する赤/黒モード時における画面
遷移を示すが、これらの図から明らかなように、編集機
能が変わるだけで画面遷移の条件は同じである。これは
重要な事項である。つまり、ビジネス編集という同じパ
スウエイにある白黒モード、赤/黒モードという互いに
排他的な二つのモードの画面遷移の条件、即ち操作の仕
方が異なるのではユーザを混乱させるだけであるが、上
記のように画面遷移の条件が統一されているので、白黒
モードを使用できるユーザは同様に赤/黒モードをも使
用することができるものである。
第47図にクリエイティブパスウエイにおける画面遷移を
示す。
第47図(a)は、第40図(a)に示すクリエイティブ編
集パスウエイからの画面遷移を示す。なお、図では編集
機能としてははめ込み合成だけしか示していないが、こ
れは編集機能を代表して記載されているものであって、
他の編集機能についても同様である。
さて、クリエイティブ編集パスウエイで何等かの編集機
能、例えばはめ込み合成が選択されるとポップアップ92
9が開いて、原稿の全面または原稿中に設定された領域
に所望の編集機能を設定することができる。また、コレ
クションボタンが押されるとポップアップ930が開い
て、領域サイズ、位置/ポイントの位置の変更、領域に
設定する編集機能等を変更することができる。更に、第
40図(a)には図示しないが、機能キャンセルボタンが
押されると、ポップアップ931が開いて、所定の領域ま
たはポイントに設定した編集機能をキャンセルすること
ができるようになされている。そして、これらの各ポッ
プアップでキャンセルボタン、または所定のパラメータ
を設定した後にセーブ/クローズボタンが押されると、
ポップアップが閉じて第40図(a)のクリエイティブ編
集パスウエイの表示画面に戻る。
いま、第40図(a)の画面でははめ込み合成を選択する
と、第47図(b)のポップアップ932(第40図(e))
が開いて、領域の設定、削除、そして倍率設定等を行う
ようになされる。はめ込み合成だけを行うならこれらの
設定を行った後にセーブ/クローズを押してクリエイテ
ィブ編集パスウエイに戻ればよいのであるが、当該設定
領域に他の編集機能をも設定しようとする場合には、ポ
ップアップ932(第40図(e))で追加機能(Add Funct
ion)ボタンを押す。すると、追加機能のポップアップ9
33が開き、当該ポップアップで当該領域に追加する編集
機能を指示すると、更に当該編集機能のポップアップ93
4が開く。このポップアップで必要なパラメータを設定
してセーブ/クローズボタンを押すとポップアップ934
は閉じて、追加機能のポップアップ932に戻ることにな
る。この操作を繰り返すことにより、当該設定領域に複
数の所望の編集機能を設定することができるものであ
る。
以上は領域を新規に設定し、当該領域に所望の機能を設
定する場合の画面遷移であるが、次に一旦領域および当
該領域に施す編集機能が設定された後に、領域、編集機
能の変更を行う場合の画面遷移について説明する。
第40図(a)のクリエイティブ編集パスウエイでコレク
ションボタンを押すと第47図(b)のポップアップ935
(第40図(n))が開いて、領域、ポイント、編集機能
の削除、変更を行うことができる。予め設定した編集機
能を削除したいのであれば、第40図(n)で機能クリア
のボタンを押す。これによりポップアップ936が開いて
不要な編集機能を削除することができる。また、第40図
(n)で機能変更(Function Change)ボタンが押され
ると第47図(b)のポップアップ937が開き、当該ポッ
プアップ937で所望の編集機能を選択すると更にポップ
アップ938が開く。このポップアップで選択した機能を
取りやめてキャンセルボタンを押すか、所定のパラメー
タを設定してセーブ/クローズボタンを押すとコレクシ
ョンのポップアップ935に戻る。更にコレクションのポ
ップアップ935で機能追加(Add Function)ボタンを押
されると、編集機能が羅列されたポップアップ939が開
き、そこで追加したい編集機能のボタンを押すと更にポ
ップアップ938が開く。そのポップアップで編集機能の
追加を取りやめてキャンセルボタンを押すか、所定のパ
ラメータを設定してセーブ/クローズボタンを押すと、
ポップアップ938は閉じてコレクションのポップアップ9
35に戻る。これにより領域、編集機能の修正を行うこと
ができるのである。
なお、図中、933から934への遷移と、939から938への遷
移においては同じポップアップが開かれるが、追加機能
ボタンが押されたときの画面が異なるので、遷移状態も
異なっているのである。このように本UIにおいては、同
じ画面が表示される場合であっても、当該ボタンがどの
ような画面で押されたかによって画面の遷移状態が異な
るようになされているので、ユーザは操作を誤ることな
く行うことができるものである。
以上、はめ込み合成を例にとって画面遷移を説明した
が、第40図(a)のクリエイティブ編集パスウエイで他
の編集機能が選択された場合も同様である。
このようにクリエイティブ編集パスウエイでは、新たに
領域、編集機能を設定する場合の画面遷移と、領域、編
集機能が設定れた後の修正の画面遷移は異なる、つま
り、操作の仕方が異なるので、ユーザは混乱を生じるこ
となく操作を行うことができるのである。
(III−8)SYSUIソフトウェアモジュール この項では以上説明したような画面遷移を具現化するめ
のソフトウェアモジュール(以下、単にモジュールと記
す。)について説明する。
第4図に関して述べたように、UIに搭載するLLUI(Low
Level UI)は単に指示された画面を表示する機能を有す
るのみで、その時々でどのような画面を表示するかはSY
SUIが決定するようになされている。これは複写機の各
リモートを汎用化すると共に、設計負担を軽減するため
である。従って、この項ではSYSUIがどのようなモジュ
ールで構成され、ボタンが押されたときにどのようにし
て次の画面が決定されるかを説明する。
第48図にSYSUIのモジュールの構成を示す。第48図
(a)はその概略構成を示し、同図(b)にユーザコン
トロールのモジュール構成を、同図(c)にユーザモー
ドのモジュール構成を、同図(d)に編集モード制御の
モジュール構成をそれぞれ示す。
第48図(a)に示すように、SYSUI940は、画面表示のた
めのコントロールを行うユーザコントロール941と、現
在表示されている画面と押されたボタンを解釈して次に
表示する画面を決定するユーザモード942とが構成され
る。従って、ユーザモード942がハイレベルのモジュー
ルであり、ユーザコントロール941がローレベルのモジ
ュールである。また、SYSUI940はLNET948(第3図参
照)を介してUI943と接続されており、PAD944からはエ
ディットパッド上で指定された座標データを、CRT945か
らはどのボタンが押されたかというボタン情報を、メモ
リカード946からはメモリカードの情報をそれぞれ取り
込むと共に、CRT945へは表示情報を、メモリカード946
へは新たに書き込むべきデータをそぞれ通知する。
また、SYSUI940はSYS947に対して設定されたモード情報
を通知すると共に、SYS947から表示のために必要なマシ
ンステート情報等を受信する。このための通信949はRAM
を介して行われる。第3図、第4図から明らかなよう
に、SYSUI940とSYS947は同じCPU上で動作しているから
である。
ユーザコントロール941のモジュール構成を第48図
(b)に示す。
以下、各モジュールの機能を説明する。
ボタン解釈950は、主に押されたボタンが受け付け可能
か否かをチェックするモジュールであり、具体的には、
CRTインターフェース955からのボタン情報、座標情報、
コピー情報の受信、ステート管理952への状態コードの
問い合わせ、当該状態コードに基づくボタン受け付け、
受け付けられたボタン情報の各モジュールへの振り分
け、メモリカードへの排出要求の出力等を行う。
ジョブハンドリング951は、主にスタートボタンが押さ
れてからコピーが終了するまでジョブを監視し、メイド
カウントを表示するモジュールであり、具体的には次の
ような処理を行う。
スタートボタンが押下された時には、SYS947に対してマ
シンスタートを出力し、コピーモードを通知する。ま
た、スタートボタンをトリガとしてステート管理952に
対して選択されたモードが互いに矛盾しているか否かの
チュック要求を出力し、ステート管理952でのチェック
の結果モード間に矛盾が生じていればその旨(以下、こ
れをJコード情報と記す。)を表示954に通知してメッ
セージを表示させる。また、状態コードに基づくコピー
スタートの可/不可の決定、色登録/通常コピーの判
断、色登録要求のSYS947への通知、オートスタートの登
録/解除等を行う。
更に、オールクリア、テンキークリアをトリガとしてジ
ョブキャンセルを行い、ユーザモード942に対してトリ
ガを提供し、SYS947に対してジョブキャンセル要求を通
知する。また、ストップボタンをトリガにしたストップ
要求のSYS947への通知、割り込みボタンをトリガとした
割り込み要求のSYS947への通知、コマンドに対応した表
示、トナー補給表示のチェック、オートクリアの処理等
を行う。
ステート管理952は、マシン全体のステートを管理する
ものであり、マシンステート、UIステートの更新および
作成、ジョブステータスの更新、状態コードの作成等を
行う。なお、当該モジュールで行っているステート管理
は表示のためのものであって、SYS947で行っているジョ
ブ実行のためのステート管理とは区別される。
マシン監視953は、マシンステートの更新要求、表示954
に対する表示情報の登録/解除の要求、フォールトおよ
び警告等の登録/解除の要求、SYS947から受信したコマ
ンドの内のジョブ情報のジョブハンドリング951への通
知等を行う。
表示954は、ユーザモード942、ジョブハンドリング95
1、マシン監視953、インフォメーション957から受信し
た表示情報に基づいて、実際にカラーCRTモニタに種々
の画像を表示するものである。
CRTインターフェース955は、CRTからのボタン情報の受
信、CRTから受信した情報のキューイング(Queing)、C
RTへの表示情報およびボタン情報の受け付け結果の通
知、CRTへの通信情報のキューイング、メモリカードか
らのメモリ内容の受信、メモリカードへの書き込み内容
の送信、エディットパッドからの座標データの受信等を
行う。
SYSインターフェース956は、SYS947からのコマンドの受
信、SYS947への送信情報の送信を行うものである。
インフォメーション957は、インフォメーションボタン
が押されたことをトリガとして、表示954に対してイン
フォメーション画面の表示を要求するものである。
第48図(c)にユーザモードのモジュール構成を示す。
図から明らかなように、各パスウエイに対応したモジュ
ールを有しており、それぞれのモジュールは対応するパ
スウエイに必要な情報だけを管理するようになされてい
る。従って、仕様の変更に対しても容易に対応でき、セ
キュリティ性も高いものとなされている。
以下、各モジュールの機能を説明する。
操作フロー960は、画面遷移を司るもので、画面の切り
換え制御、ポップアップの制御、メッセージ表示の制
御、ボタンの選択可/不可の制御、画面ステータスの管
理等を行う。操作フロー960にはユーザコントロール941
からボタン情報を受け取り、当該ボタンがどのパスウエ
イにあるボタンかによって、当該ボタン情報を基本コピ
ー961、マーカー編集962、ビジネス編集963、クリエイ
ティブ編集964に振り分けると共に、ユーザコントロー
ル941に表示情報を通知する。
基本コピー961は、基本コピーパスウエイで設定される
モードの制御を行うものであり、具体的には、用紙サイ
ズの選択、ソータの選択、設定枚数の制御、倍率、カラ
ーモード、コピー濃度、コントラスト、シャープネス、
移動、カラーバランスの各コピーモード作成の制御、コ
ピー初期化が指示された際のコピーモードの初期化と表
示制御、コピー開始が指示された際の内部で管理する編
集データの実際のコピーモードへの変換、互いに矛盾す
る機能が選択された際のJコード情報のステート管理95
2への通知、割り込み開始指示をトリガとする現在のコ
ピーモードの保持および現在のコピーモードの初期化と
表示制御、割り込み終了指示をトリガとする現在のコピ
ーモードから保持中のコピーモードへの変換および表示
のリカバリー制御等を行う。
従って、基本コピー961は、操作フロー960からボタン情
報を得ると共にユーザコントロール941からコピー開始
情報、コピーモード初期化情報を得る一方、ユーザコン
トロール941に対して表示情報、Jコード情報を通知す
る。また、当該モジュールは、編集モード制御966から
編集管理データを受信し、コマンド作成情報を通知す
る。
マーカー編集962は、マーカー編集パスウエイで扱う情
報を管理するものであり、各メニューに対するコピーモ
ード作成の制御、コマンドの取り消し制御等を行う。そ
のために、マーカー編集962は、操作フロー960からボタ
ン情報を、編集モード制御966から画面ステータス情報
を得る一方、ユーザコントロール941へは表示情報を、
編集モード制御966へはコマンド作成情報をそれぞれ通
知するようになされている。
ビジネス編集963は、ビジネス編集パスウエイで扱う情
報を管理するものであり、具体的には、各編集機能のメ
ニューに対するコピーモード作成の指示、コマンド取り
消しの指示、領域/ポイントのスクロールの指示、領域
/ポイントの修正/削除の指示、コマンド訂正の指示、
座標登録の指示、登録座標のキャンセルの指示、操作取
り消しの指示等を行う。そのためにビジネス編集963
は、操作フロー960からボタン情報を、ユーザコントロ
ール941から座標情報を、編集モード制御966から画面ス
テータス情報を得る一方、ユーザコントロール941へは
表示情報を通知し、編集モード制御966へはコマンド作
成情報、コマンド訂正情報、領域スクロール情報、領域
修正情報、領域削除情報、座標登録情報および入力キャ
ンセル情報等を通知するようになされている。
クリエイティブ編集964は、クリエイティブ編集パスウ
エイで扱う情報を管理するものであり、具体的には、各
編集機能のメニューに対するコピーモード作成の指示、
コマンド取り消しの指示、領域/ポイントのスクロール
の指示、領域/ポイントの修正/削除の指示、コマンド
の削除の指示、コマンドの追加の指示、座標登録の指
示、登録座標のキャンセルの指示、登録色の指示、操作
取り消しの指示等を行う。そのためにクリエイティブ編
集964は、操作フロー960からボタン情報を、ユーザコン
トロール941から座標情報と登録色情報を、編集モード
制御966から画面ステータス情報を得る一方、ユーザコ
ントロール941へは表示情報を通知し、編集モード制御9
66へはコマンド作成情報、領域スクロール情報、領域修
正情報、領域削除情報、座標登録情報および入力キャン
セル情報、コマンド追加情報等を通知するようになされ
ている。
エディットパッド制御965は、エディットパッド上で設
定された領域をビットマップエリアに表示するためのも
ので、編集モード制御966から出力パターンを得て、ユ
ーザコントロール941に対して座標情報を通知する。
編集モード制御966は、設定された領域および編集機能
を管理するもので、具体的には第48図(d)に示すモジ
ュール構成となされる。
編集モードI970、および編集モードII971はそれぞれ編
集のチェックを行うもので、IPSで制限されている機能
を全てチェックする。ISPで処理できない機能が設定さ
れ、それをそのままIPSに通知すると誤動作してしまう
ために編集モードI、IIにおいて、排他的な機能が設定
されていないか、あるいはビジネス編集では1領域1機
能であるが、1領域に対して複数の機能が設定されてい
ないか等をチェックするのである。つまり、編集モード
I970、編集モードII971には小さなIPSの世界が備えられ
ており、それに基づいて機能のチェックを行うのであ
る。
編集モードIと編集モードIIの分担は、例えば次のよう
にすることができる。
編集モードI970は、リピート制御、縮小/拡大制御、拡
大連写制御、ロゴ制御、移動制御、とじ代制御、および
鏡像制御のチェックを行い、編集モードII971は、トリ
ムの制御、削除の制御、色塗り制御、色変換制御、色付
け制御、反転制御、コピー濃度制御、コントラスト制
御、シャープネス制御、カラーバランス制御、カラーモ
ード制御、およびペイント制御のチェックを行うように
することができる。なお、以上の役割分担は1例に過ぎ
ないものであって、任意に定めることができるものであ
る。また、図では編集モードはIとIIの二つに分けられ
ているが、ソフトウェアの構成上一つで済むなら一つの
モジュールとしてよいことは明かであり、逆に三つ以上
のモジュールで構成してもよいものである。
以上の制御を行うために、編集モードI970は、上記のコ
マンド作成情報を入力してデータベース制御974にデー
タベース要求を出力し、その返答であるアクセス結果を
データベース制御974から受信する。また、編集モードI
I971はコマンド作成情報、登録座標情報および登録色情
報を受信する一方、データベース制御974に対してデー
タベース要求を出し、そのアクセス結果を得る。
パッケージ制御972は、はめ込み合成、すかし合成、色
合成、部分移動等のいくつかの機能がパッケージされた
編集の制御を行うものであり、ボタン情報を入力して編
集モードI970および編集モードII971に対してコマンド
作成情報を通知する。また、データベース制御974に対
してデータベース要求を出し、アクセス結果を受信す
る。
領域制御973は、エディットパッドで設定される領域に
関する制御を行うものであり、座標の登録の制御、座標
修正の制御、座標の削除制御、領域内のコマンド削除の
制御、コマンド追加の制御、コマンド訂正の制御、領域
のスクロールの制御、座標の登録解除の制御等を行う。
そのために領域制御973は、座標情報、入力キャンセル
情報、スクロール情報、領域修正情報、領域削除情報、
コマンド訂正情報、コマンド追加情報等を入力し、第48
図(c)のエディットパッド制御965に対して、ビット
マップエリアの出力パターン情報を通知する。また、デ
ータベース制御974に対してデータベース要求を出し、
アクセス結果を受信する。
データベース制御974は、設定されたコピーモード、画
面ステータス等を一括して格納したデータベースの管
理、制御を行い、SYS947に渡すパケット、即ち、どのよ
うな機能が選択されたかを通知する情報を作成するもの
であり、具体的には、データベースの初期化、スクロー
ルのポインタの変更、スクロールポインタの指す領域情
報の削除と登録、スクロールポインタの指す領域に対す
る1コマンドの追加およびコマンドの削除、コマンドの
新規登録、座標の新規登録、登録座標の削除、登録座標
ポインタのマークおよびその解除等を行う。従って、デ
ータベース制御974は、編集モードI、編集モードII、
パッケージ制御、領域制御からのデータベース要求に対
して必要なだけの情報をアクセス結果として送り返すと
共に、表示情報、画面ステータス情報などを出力する。
以上のように、パスウエイ毎、編集毎にモジュールを設
けたので、仕様の変更が必要な場合にも該当するモジュ
ールだけを修正すればよく、容易に対応することができ
るものである。また、画面を制御するために必要なデー
タはデータベースで一括して管理し、他のモジュールか
ら要求があった場合に必要なデータを送るようにしたの
で、各モジュール間で矛盾するデータを持つようなこと
はなく、安全性の高いものとなっている。
以上、SYSUIのモジュール構成についてのべたが、次
に、その動作を画面遷移の例をあげて説明する。
いま、ベーシックフィーチャーパスウエイでマーカー編
集パスウエイのパスウエイタブげ押されたとすると、当
該ボタン情報は、CRT945からCRTインターフェース955を
介してボタン解釈950に入力され、当該ボタンが受け付
け可能か否か判断される。マシンがコピー動作中等の場
合には受け付け不可能とされる。受け付け可能であれば
ボタン情報はユーザモード942に送られる。操作フロー9
60は、現在表示されているのがベーシックフィーチャー
パスウエイであるので、基本コピー961にボタン情報を
通知する。基本コピー961は、マーカー編集パスウエイ
のタブが押されたことを認識し、当該タブをオンするた
めに、表示情報をユーザコンロール941の表示954に通知
する。表示954は、マーカー編集のパスウエイタブをオ
ンさせるためのコマンドをCRTインターフェース955を介
してCRT945に通知する。これでマーカー編集のパスウエ
イタブがオンとなる。
次に、ユーザがマーカー編集のパスウエイタブから手を
離すと、このボタン情報は、上述したと同じく、CRTイ
ンターフェース955、ボタン解釈950を介してユーザモー
ド942の操作フロー960に入る。操作フロー960は、画面
をマーカー編集に切り換えるため、画面切り換えのコマ
ンドを表示954に通知する。このことによりベーシック
フィーチャーパスウエイからマーカー編集パスウエイへ
の画面遷移が行われるが、この際、前回使用したモード
が保持されているとユーザを混乱させることになるの
で、初期設定が行われる。
そこで、マーカー編集の画面で、例えば、トリムのボタ
ンが押されたとすると、当該ボタン情報は上述したルー
トを通って操作フロー960に入力され、そこで操作フロ
ー960は、現在表示されているのがマーカー編集パスウ
エイであるので、ボタン情報をマーカー編集962に通知
する。マーカー編集962は、いま押されたトリムボタン
に対してコピーモードが受け付け可能な場合には、トリ
ムのコマンド作成情報を作成し、編集モード制御966に
渡す。編集モード制御966は、コマンド作成情報に基づ
いて種々のチェックを行い、トリムのデータを作成し
て、コピーモードとしてデータベースに登録する。ま
た、SYS947にトリムが選択された旨を知らせるパケット
を作成する。更に、現在どのような画面が表示されてい
るかを示す画面ステータス情報をマーカー編集962に送
ると共に、表示情報をユーザコントロール941の表示954
に送る。これでトリムのボタンがオンとなる。
その後スタートボタンが押されると、トリムのパケット
はジョブハンドリング951からSYSインターフェース956
を介してSYS947に通知され、ジョブが実行される。
コピーが実行されると、SYS947からマシン監視953にマ
シンステータスおよびジョブ情報が通知される。ジョブ
ハンドリング951は、マシン監視953からジョブ情報を得
て、表示情報を作成し、表示954に通知する。これによ
り「コピーしています」等のメッセージや、メイドカウ
ントを表示することができる。
(III−9)その他の画面制御 UIでは、常時コピーの実行状態を監視することにより、
ジャムが発生した場合には、そのジャムに応じた画面を
表示する。また、機能設定では、現在表示されている画
面に対するインフォメーション画面を有し、適宜表示が
可能な状態におかれる。
なお、画面の表示は、ピットマップエリアを除いて幅3m
m(8ピクセル)、高さ6mm(16ピクセル)のタイル表示
を採用しており、横が80タイル、縦が25タイルである。
ピットマップエリアは縦151ピクセル、横216ピクセルで
表示される。
以上のように本複写機のUIでは、ベーシックコピー、ア
ディドフィーチャー、編集等の各パスウエイに類別して
表示画面を切り換えるようにし、それぞれのモードで機
能選択や実行条件の設定等のメニューを表示すると共
に、ソフトボタンをタッチすることにより選択肢を指定
したり実行条件データを入力できるようにしている。ま
た、メニューの選択肢によってはその詳細項目をポップ
アップ表示(重ね表示やウインドウ表示)して表示内容
の拡充を図っている。その結果、選択可能な機能や設定
条件が多くても、表示画面をスッキリさせることがで
き、操作性を向上させることができる。
(III−10)ハードコントロールパネル ハードコントロールパネルは、第31図に示すようにカラ
ーディスプレイの右側に画面よりもさらに中央を向くよ
うな角度で取り付けられ、テンキー、テンキークリア、
オールクリア、ストップ、割り込み、スタート、インフ
ォメーション、オーディトロン、言語の各ボタンが取り
付けられる。
テンキーボタンは、コプー枚数の設定、ダイアグモード
におけるコード入力やデータ入力、ツール使用時の暗証
番号の入力に用いるものであり、ジョブの発生中やジョ
ブ中断中は無効となる。
オールクリアボタンは、設定したコピーモードの全てを
デフォルトに戻し、ツール画面のオープン中を除き、ベ
ーシックコピー画面に戻すのに用いるものであり、割り
込みジョブの設定中では、コピーモードがデフォルトに
戻るが、割り込みモードは解除されない。
ストップボタンは、ジョブ実行中にコピーの切れ目でジ
ョブを中断し、コピー用紙を排出後マシンを停止させる
のに用いるものである。また、ダイアグモードでは、入
出力のチェック等を停止(中断)させるのに用いる。
割り込みボタンは、ジョブ中継中を除く第1次ジョブ中
で割り込みモードに入り、割り込みジョブ中で第1次ジ
ョブに戻すのに用いるものである。また、第1次ジョブ
の実行中にこのボタンが操作されると、予約状態とな
り、コピー用紙排出の切れ目でジョブを中継又は終了し
て割り込みのジョブに入る。
スタートボタンは、ジョブの開始、中断後の再開に用い
るものであり、ダイアグモードでは、コード値やデータ
値の入力セーブ、入出力等の開始に用いる。マシン余熱
中にスタートボタンが走査されると、余熱終了時点でマ
シンはオートスタートする。
インフォメーションボタンは、オンボタンとオフボタン
からなり、コピー実行中を除き受付可能な状態にあっ
て、オンボタンにより現在表示されている画面に対する
インフォメーション画面を表示し、オフボタンにより退
避させるのに用いるものである。
オーディトロンボタンは、ジョブ開始時に暗証番号を入
力するために操作するものである。
ランゲージボタンは、表示画面の言語を切り換えるとき
に操作するものである。したがって、各表示画面毎に複
数言語のデータを持ち、選択できるようにしている。
なお、ハードコントロールパネルには、上記の各ボタン
の他、ボタンの操作状態を表示するために適宜LED(発
光ダイオード)ランプが取り付けられる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る記録装置のユーザインターフェー
スの1実施例の構成を示す図、第2図は本発明が適用さ
れるカラー複写機の全体構成の1例を示す図、第3図は
ハードウェアアーキテクチャーを示す図、第4図はソフ
トウェアアーキテクチャーを示す図、第5図はコピーレ
イヤを示す図、第6図はステート分割を示す図、第7図
はパワーオンステートからスタンバイステートまでのシ
ーケンスを説明する図、第8図はプログレスステートの
シーケンスを説明する図、第9図はダイアグノスティッ
クの概念を説明する図、第10図はシステムと他のリモー
トとの関係を示す図、第11図はシステムのモジュール構
成を示す図、第12図はジョブモードの作成を説明する
図、第13図はシステムと各リモートとのデータフローお
よびシステム内モジュール間データフローを示す図、第
14図は原稿走査機構の斜視図、第15図はステッピングモ
ータの制御方式を説明する図、第16図はIITコントロー
ル方式を説明するタイミングチャート、第17図はイメー
ジングユニットの断面図、第18図はCCDラインセンサの
配置例を示す図、第19図はビデオ信号処理回路の構成例
を示す図、第20図はビデオ信号処理回路の動作を説明す
るタイミングチャート、第21図はIPSのモジュール構成
の概要を示す図、第22図はIPSを構成する各モジュール
を説明する図、第23図はIPSのハードウェアの構成例を
示す図、第24図はIOTの概略構成を示す図、第25図は転
写装置の構成例を示す図、第26図はF/Pの斜視図、第27
図はM/Uの斜視図、第28図はネガフィルムの濃度特性お
よび補正の原理を説明する図、第29図はF/Pの構成を概
略的に示すと共に、F/PとM/UおよびIITとの関連を示す
図、第30図は操作手順およびタイミングを説明する図、
第31図はディスプレイを用いたUIの取り付け例を示す
図、第32図はUIの取り付け角や高さの設定例を説明する
図、第33図はUIのモジュール構成を示す図、第34図はUI
のハードウェア構成を示す図、第35図はUICBの構成を示
す図、第36図はEPIBの構成を示す図、第37図は基本コピ
ーパスウエイの構成例を示す図、第38図はマーカー編集
パスウエイの構成例を示す図、第39図はビジネス編集パ
スウエイの構成例を示す図、第40図はクリエイティブ編
集パスウエイの構成例を示す図、第41図はツールパスウ
エイの構成例を示す図、第42図はソフトボタンの構成例
を示す図、第43図は基本コピーの画面遷移を示す図、第
44図はアディドフィーチャーの画面遷移を示す図、第45
図はマーカー編集の画面遷移を示す図、第46図はビジネ
ス編集の画面遷移を示す図、第47図はクリエイティブ編
集の画面遷移を示す図、第48図はSYSUIのソフトウェア
モジュールの構成例を示す図、第49図は従来のUIの例を
示す図、第50図ははめ込み合成を説明するための図であ
る。 1……表示手段、2……タッチボード、3……ハードコ
ントロールパネル、4……表示制御手段、5……UIコン
トロール、6……高速通信回線。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表示手段と、 表示手段の表示画面を制御する表示制御手段と、 表示制御手段に表示内容を通知するユーザインターフェ
    ースコントローラと を具備する記録装置のユーザインターフェースにおい
    て、 ユーザインターフェースコントローラは、 1色についてのコピープロセスに関する全ての処理を行
    う第1のシステム系と、 コピー枚数に関する処理を行うパーオリジナル処理、及
    びジョブのパラメータに関する処理を行うジョブプログ
    ラミング処理を行う第2のシステム系と を備えることを特徴とする記録装置のユーザインターフ
    ェース。
  2. 【請求項2】表示手段の前面には赤外線を用いた光学式
    タッチボードが配置されて記録のためのモードの設定を
    行うためのソフトボタンが形成されると共に、表示手段
    の近傍には常時押下可能な状態におかれる必要のあるハ
    ードボタンが配置されたハードコントロールパネルが設
    けられてなることを特徴とする請求項1記載の記録装置
    のユーザインターフェース。
  3. 【請求項3】表示制御手段は、 ソフトボタン及びハードボタンからの入力情報をユーザ
    インターフェースコントローラに通知すると共に、ユー
    ザインターフェースコントローラからの指令に基づいて
    所定の画面を表示手段に表示する処理を行い、 ユーザインターフェースコントローラは、 現在表示されている画面およびソフトボタンまたはハー
    ドボタンからの入力情報に基づいて次に表示する画面を
    決定する処理を行う ことを特徴とする請求項1または2記載の記録装置のユ
    ーザインターフェース。
  4. 【請求項4】表示制御手段は、 第1及び第2のハードウェアに機能分割され、 第1のハードウェアは、 表示手段のハードウェアの制御、ソフトボタンからの入
    力を処理して表示手段に所定の画面を表示するものであ
    り、 第2のハードウェアは、設定された編集領域を表示手段
    の所定の領域に表示すると共に、第1のハードウェア及
    び第2のシステム系に対して設定された編集領域に関す
    るデータを転送するもの であることを特徴とする請求項1、2または3記載の記
    録装置のユーザインターフェース。
  5. 【請求項5】表示手段の画面は、 メッセージが表示される第1の表示エリアと、 記録を行うに際して必要不可欠な機能を備え、必要に応
    じて複数の機能設定領域に階層化された基本機能設定領
    域と、 編集機能を備え、ユーザの熟練度および編集機能によっ
    て複数の機能設定領域に階層化された編集機能設定領域
    とからなる機能設定領域が表示される第2の表示エリア
    と に分割されていることを特徴とする請求項1記載の記録
    装置のユーザインターフェース。
  6. 【請求項6】各編集機能設定領域は互いに排他的となさ
    れ、必ず基本機能設定領域と組み合わされて記録モード
    が決定されるものであることを特徴とする請求項5記載
    の記録装置のユーザインターフェース。
  7. 【請求項7】各機能設定領域に設けられるメニューは、
    右側または左側から順に選択することで理想的な順序で
    所望の設定が行われるように配置され、且つメニューの
    選択の順序に優先順位は設けられていないことを特徴と
    する請求項5または6記載の記録装置のユーザインター
    フェース。
  8. 【請求項8】一つの基本機能設定領域からの他の基本機
    能設定領域への画面遷移は所望の基本機能設定領域の選
    択ボタンが押下されたことを条件として行われ、 一つの基本機能設定領域から一つの編集機能設定領域へ
    の画面遷移は所望の編集機能設定領域の選択ボタンが押
    下されたことを条件として行われ、 一つの編集機能設定領域から一つの基本機能設定領域へ
    の画面遷移は所定の操作がなされたことを条件として行
    われる ことを特徴とする請求項5、6または7記載の記録装置
    のユーザインターフェース。
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