JP2861038B2 - 画像読取装置 - Google Patents

画像読取装置

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JP2861038B2
JP2861038B2 JP1099588A JP9958889A JP2861038B2 JP 2861038 B2 JP2861038 B2 JP 2861038B2 JP 1099588 A JP1099588 A JP 1099588A JP 9958889 A JP9958889 A JP 9958889A JP 2861038 B2 JP2861038 B2 JP 2861038B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、原稿フィルムの画像をフィルムプロジェク
タより画像読取装置本体に映写してその映写画像を読み
取ることにより、原稿フィルムに記録されている画像を
再現するための画像読取装置に関し、特に、原稿フィル
ムの画像の読取時にその画像を読取装置の結像面に合焦
させるための焦点調節機構を備えた画像読取装置に関す
るものである。
(従来の技術) 35mmフィルム等の各種フィルムに記録された画像を所
望の大きさにプリントするには、一般に感光紙に焼き付
けることにより行われている。しかしながら、このよう
な感光紙に焼き付ける方法では、高度な専門技術や特殊
設備が必要であり、一般の人が誰でも手軽にプリントを
行うことはできなかった。加えて、プリントの価格もか
なり高く、フィルムの画像を希望する大きさに気軽にプ
リントすることもできなかった。
一方、近年、カラー複写機の技術が進歩して紙に記録
されている画像を高精度にカラーコピーすることができ
るようになってきている。その上、拡大縮小機能を始
め、画像をディジタル信号として扱うことで可能となる
各種の画像処理により、色再現能力の向上、精細度の向
上、画像合成等の処理などカラー複写機の多機能化がユ
ーザの要望に応え得るようになってきている。
このため、各種フィルムに記録された画像をフィルム
プロジェクタによって映写し、その映写画像を例えばデ
ィジタルカラー複写機におけるCCDセンサ等の光電変換
素子を備えた画像読取装置によって画像情報を光電的に
読み取り、電気的な画像信号に変換し、この画像信号に
基づいて複写機により普通紙にカラーコピーを行うこと
が提案されている。このようにフィルム画像を複写機で
直接コピーしようとする場合、フィルムは適当なフィル
ム保持ケースを用いてフィルムプロジェクタに装着され
るようにしている。
ところで、例えばリバーサルフィルムの場合、このフ
ィルムを支持するマウントの厚さに各メーカーによって
種々のばらつきがある。このため、このマウントをフィ
ルム保持ケースに保持せしめた状態で、そのフィルムの
保持ケースをフィルムプロジェクタの所定位置に装着し
たときに、マウントの厚さのばらつきによってフィルム
の位置がばらついてしまう。また、フィルム保持ケース
をフィルムプロジェクタに装着したときにガタが生じて
しまうが、このガタによってもフィルムの位置がずれて
しまう。更に点灯中のランプの熱によるフィルムの反り
やフィルムの歪み等によってもフィルムの位置がずれて
しまう場合がある。
一方、映写レンズと原稿フィルムとの距離等の合焦条
件は複写機に置ける複写画質および複写機側との協働の
ため所定の値に厳密に設定されなければならず、その合
焦条件が例えば距離で所定値と数十μm違うだけでピン
トが合わなくなってしまう。したがって、前述のように
フィルムの位置が所定位置からずれた場合にはピントが
合わなくなって、映写画像がボケてしまう。このような
状態でコピーを行っても鮮明な画像のコピーが得られな
い。
そこで、その映写画像のピントを合わせることが必要
となり、そのためにフィルムプロジェクタには焦点調節
機構が設けられている。
従来の画像読取装置に用いられるフィルムプロジェク
タの焦点調節機構は、ミラーユニットのフレネルレンズ
と拡散板とからなるすりガラスに投影された投影画像を
見ながら、手動により映写レンズを移動させてピントを
合わせる構造となっていた。
一方、一般のプロジェクタにはピント合わせを自動的
に行う自動焦点調節機構(オートフォーカス機構;AF機
構)が設けられているものがある。このようなプロジェ
クタの場合、映写レンズからスクリーンの映像面までの
距離が、例えば部屋の大きさ等の諸条件によって使用す
る毎に異なる。したがって、プロジェクタを使用するに
あたって、スクリーンに投影して手動で最初に一回ピン
トを合わせた後、オートフォーカスを行うようになって
いる。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、すりガラスに映写された画像は見にく
いので、複写機側での手動による合焦条件を満足させる
ことはきわめて難しいという問題がある。また、目視に
よって合焦条件を満足させようとする場合、合焦条件を
満足しているとする判断が各々の人の目により異なるの
で、その判断の幅は比較的広い。したがって、この幅の
範囲内で合焦条件を満足させようとした場合、その人の
目では合焦条件が満足しているように見えても実際には
合焦条件が厳密に満足されているとは限らなく、例えば
ピントずれ等の不具合を生じていることが多い。
このような状態でコピーを行うと、等倍の場合にはそ
れほどコピー画像がずれることはないが、拡大コピーを
行うと、そのようなピントずれ等も拡大されてしまうこ
とになり、例えばボケが生じる等、良好な複写が行われ
なくなる。更に、コピー画像はスクリーンに映写した画
像と異なって近接して見ることになるので、ピントが少
しでもずれるとコピー画像はきわめて見にくいものとな
ってしまう。
そこで、前述の一般のプロジェクタにおける自動焦点
調節機構を、例えば前述のようなカラー複写機に用いら
れるフィルムプロジェクタに適用しようとすることが考
えられる。しかしながら、この自動焦点調節機構をフィ
ルムプロジェクタに適用しようとする場合、このような
自動焦点調節機構では、プロジェクタの使用開始のたび
必ず1回手動でピント合わせを行わなければならないの
で、操作が煩わしくなるという問題もある。特に、カラ
ー複写機に用いられるフィルムプロジェクタにおいて
は、映写レンズからスクリーンの映像面までの距離が一
定であるので、このようにプロジェクタを使用する度に
ピント合わせを行うようにしたのでは、無駄になってし
まう。
そこで、使用開始時における1回の手動によるピント
合わせをしなくて済むような自動焦点調節機構を設ける
ことが考えられるが、ピント合わせを最も効果的に行う
にはフィルム画像のどこのピントを合わせればよいかと
いう問題やフィルムが所定位置に装着されていないにも
かかわらず、誤って自動焦点調節が行われてしまうのを
どのように防止すればよいかという問題が考えられる。
また、フィルム画像を複数回走査して読み取る場合、
自動焦点調節機構により自動焦点調節が一旦行われて
も、複写機等の画像読取装置本体のスキャン時に光源ラ
ンプの熱によりフィルムの撓みが発生することが考えら
れ、このため、自動焦点調節機構が新たに自動焦点調節
を行うことにより映写レンズが動いて光軸のずれが発生
し、直線の曲がりや色ずれが生じてしまう。
更に、映写するフィルムのコマが所望の画像のコマで
あるかどうかを確認する必要があるが、この確認が極め
て煩雑であるという問題が考えられる。特に、フィルム
のコマが小さい場合、素人のユーザにとっては誤って確
認して画像を読み取ってしまうおそれがある。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであ
って、その目的は、自動焦点調節を効果的に行うことが
できるとともに、誤って自動焦点調節機構が行われるの
を確実に防止でき、しかも所望のフィルムのコマの画像
を確実にピントを合わせて読み取ることのできる画像読
取装置を提供することにある。
(課題を解決するための手段およびその作用) 前述の課題を解決するために、請求項1の発明におい
ては、フィルムプロジェクタに自動焦点調節機構を設け
ている。したがって、原稿フィルムをフィルムプロジェ
クタに装着すると、この自動焦点調節機構が作動して自
動的に原稿フィルムのピントが合わせられる。この自動
焦点調節機構によるピント合わせが行われることによ
り、フィルムプロジェクタは原稿フィルムの画像を画像
読取装置本体にピントが合った状態で映写することがで
きるようになり、画像読取装置本体はそのピントの合っ
た映写画像を正確に読み取るようになる。
また請求項1の発明では、フィルムプロジェクタにフ
ィルム検知センサを設けてあり、このフィルム検知セン
サは原稿フィルムがフィルムプロジェクタの所定位置に
正しく装着されたことを検知したときフィルムセット
(FILM SET)信号を発し、このフィルムセット信号によ
り、前記制御装置は前記移動手段を作動して自動焦点調
節を開始するようにしている。これにより、フィルムが
所定位置に装着されていないときに、誤って自動焦点調
節が行われないようにしている。
更に、フィルム検知センサを前記オートフォーカス用
センサによって構成することができる。このようにすれ
ば、別にフィルム検知センサを設ける必要がなく、部品
点数が少なくなると共に、フィルムプロジェクタの構造
がより簡単なものとなる。位置の検出をより正確に行う
ためには、他のセンサとの併用も考えられる。
更に請求項1の発明では、フィルム検知センサをフィ
ルムの中心部でA/F動作が行われるように設定してい
る。通常、フィルムの中心部に主要被写体が撮影されて
いることが多いが、このように設定することにより、主
要被写体のピントをより正確に合わせることが可能とな
る。フィルムの中心部が光学系のピント合わせ位置にあ
ることは、例えば目視による観測で、或いはフィルムケ
ースの枠部分を別個のセンサにより検出してフィルムの
中心部分の位置を把握することで実現できる。
請求項2の発明では、前記画像読取装置本体によるフ
ィルム画像読取中は前記自動焦点調節を禁止するように
している。すなわちフィルム画像読取中は自動焦点調節
は行うことができない。このように前記画像読取装置本
体による画像読取中は、前記自動焦点調節を禁止するこ
とにより、フィルム画像読取中に映写レンズが動いてし
まうことを防止するようにしている。これにより例えば
デジタルカラー複写機のように一つの画像を読み取るた
めに複数回読み取りが必要な場合、少なくともその複数
回の画像読取動作中は前記自動焦点調節を禁止するよう
にできる。また、同様に例えばデジタルカラー複写機の
ように一つの画像を読み取るために複数回読み取りが必
要な場合、少なくとも最初の読取を開始してから少なく
とも最後の読取が終了するまでは前記自動焦点調節を禁
止するようにもできる。更に、一つの画像を複数回読み
取る場合、あるいは複数の画像を読み取る場合、少なく
とも各々の画像読取中は前記自動焦点調節を禁止すると
共に、それ以外は前記自動焦点調節を許可することが好
ましい。更に、一つの画像を複数回読み取る場合、ある
いは複数の画像を読み取る場合、少なくとも最初の読み
取り動作を開始してから少なくとも最後の読み取りを動
作が終了するまでは前記自動焦点調節を禁止することが
好ましい。このようにすることにより、前記画像読取装
置本体が例えばカラー複写機である場合、コピー中のラ
ンプの熱によるフィルムの撓みが発生したときそれに追
従して映写レンズが動くことにより、光軸のずれが発生
するために直線の曲がり、画像の位置ずれや色ずれ等の
問題が生じることがあるが、このような問題によるミス
コピーを確実に防止することができるようになる。
(実施例) 以下、本発明の実施例について説明する。
目次 実施例の説明に先立って、本実施例の説明についての
目次を示す。なお、以下の説明において、項目(I)〜
(II)は、本発明による画像読取装置の画像読取装置本
体を構成するIIT等の画像読取装置を備えたカラー複写
機の全体構成を概略的に説明した項目であって、本発明
の画像読取装置について説明した項目が(III)であ
る。
(I)装置の概要 (I−1)装置構成 (I−2)システムの機能・特徴 (I−3)電気系制御システムの構成 (II)具体的な各部の構成 (II−1)システム (II−2)イメージ入力ターミナル(IIT) (II−3)イメージ処理システム(IPS) (II−4)イメージ出力ターミナル(IOT) (II−5)ユーザインタフェース(U/I) (III)画像読取装置 (III−1)画像読取装置の概略構成 (III−2)画像読取装置の主な機能 (III−3)画像信号処理 (III−4)操作手順および信号のタイミング (I)装置の概要 (I−1)装置構成 第2図は本発明が適用されるカラー複写機の全体構成
の1例を示す図である。
本発明が適用されるカラー複写機は、基本構成となる
ベースマシン30が、上面に原稿を載置するプラテンガラ
ス31、イメージ入力ターミナル(IIT)32、電気系制御
収納部33、イメージ出力ターミナル(IOT)34、用紙ト
レイ35、ユーザインタフェース(U/I)36から構成さ
れ、オプションとして、エディットパッド61、オートド
キュメントフィーダ(ADF)62、ソータ63およびフィル
ムプロジェクタ(F/P)64を備える。
前記IIT、IOT、U/I等の制御を行うためには電気的ハ
ードウェアが必要であるが、これらのハードウェアは、
IIT、IITの出力信号をイメージ処理するIPS、U/I、F/P
等の各処理の単位毎に複数の基板に分けられており、更
にそれらを制御するSYS基板、およびIOT、ADF、ソータ
等を制御するためのMCB基板(マスターコントロールボ
ード)等と共に電気制御系収納部33に収納されている。
IIT32は、イメージングユニット37、該ユニットを駆
動するためのワイヤ38、駆動プーリ39等からなり、イメ
ージングユニット37内のCCDラインセンサ、カラーフィ
ルタを用いて、カラー原稿を光の原色B(青)、G
(緑)、R(赤)毎に読取り、デジタル画像信号に変換
してIPSへ出力する。
IPSでは、前記IIT32のB、G、R信号をトナーの原色
Y(イエロー)、C(シアン)、M(マゼンタ)、K
(ブラック)に変換し、さらに、色、階調、精細度等の
再現性を高めるために、種々のデータ処理を施してプロ
セスカラーの階調トナー信号をオン/オフの2値化トナ
ー信号に変換し、ITO34に出力する。
IOT34は、スキャナ40、感材ベルト41を有し、レーザ
出力部40aにおいて前記IPSからの画像信号を光信号に変
換し、ポリゴンミラー40b、F/θレンズ40cおよび反射ミ
ラー40dを介して感材ベルト41上に原稿画像に対応した
潜像を形成させる。感材ベルト41は、駆動プーリ41aに
よって駆動され、その周囲にクリーナ41b、帯電器41c、
Y、M、C、Kの各現像器41dおよび転写器41eが配置さ
れている。そして、この転写器41eに対向して転写装置4
2が設けられていて、用紙トレイ35から用紙搬送路35aを
経て送られる用紙をくわえ込み、例えば、4色フルカラ
ーコピーの場合には、転写装置42を4回転させ、用紙に
Y、M、C、Kの順序で転写させる。転写された用紙
は、転写装置42から真空搬送装置43を経て定着器45で定
着され、排出される。また、用紙搬送路35aには、SSI
(シングルシートインサータ)35bからも用紙が選択的
に供給されるようになっている。
U/136は、ユーザが所望の機能を選択してその実行条
件を指示するものであり、カラーディスプレイ51と、そ
の横にハードコントロールパネル52を備え、さらに赤外
線タッチボード53を組み合わせて画面のソフトボタンで
直接指示できるようにしている。次に、ベースマシン30
へのオプションについて説明する。1つはプラテンガラ
ス31上に、座標入力装置であるエディットパッド61を載
置し、入力ペンまたはメモリカードにより、各種画像編
集を可能にする。また、既存のADF62、ソータ63の取付
を可能にしている。
さらに、本実施例における特徴は、プラテンガラス31
上にミラーユニット(M/U)65を載置し、これにF/P64か
らフィルム画像を投射させ、IIT32のイメージングユニ
ット37で画像信号として読取ることにより、カラーフィ
ルムから直接カラーコピーをとることを可能にしてい
る。対象原稿としては、ネガフィルム、ポジフィルム、
スライドが可能であり、オートフォーカス装置、補正フ
ィルタ自動交換装置を備えている。
(I−2)システムの機能・特徴 (A)機能 本発明は、ユーザのニーズに対応した多種多彩な機能
を備えつつ複写業務の入口から出口までを全自動化する
と共に、前記ユーザインターフェイスにおいては、機能
の選択、実行条件の選択およびその他のメニュー等の表
示をCRT等のディスプレイで行い、誰もが簡単に操作で
きることを大きな特徴としている。
その主要な機能として、ハードコトロールパネルの操
作により、オペレーションフローで規定できないスター
ト、ストップ、オールクリア、テンキー、インタラプ
ト、インフォメーション、言語切り換え等を行い、各種
機能を基本画面のソフトボタンをタッチ操作することに
より選択できるようにしている。また機能選択領域であ
るパスウエイに対応したパスウエイタブをタッチするこ
とによりマーカー編集、ビジネス編集、クリエイティブ
編集等各種編集機能を選択できるようにし、従来のコピ
ー感覚で使える簡単な操作でフルカラー、白黒兼用のコ
ピーを行うことができる。
本装置では4色フルカラー機能を大きな特徴としてお
り、さらに3色カラー、黒をそれぞれ選択できる。
用紙供給は自動用紙選択、用紙指定が可能である。
縮小/拡大は50〜400%までの範囲で1%刻みで倍率
設定することができ、また縦と横の倍率を独立に設定す
る偏倍機能、及び自動倍率選択機能を設けている。
コピー濃度は白黒原稿に対しては自動濃度調整を行っ
ている。
カラー原稿に対しては自動カラーバランス調整を行
い、カラーバランスでは、コピー上で減色したい色を指
定することができる。
ジョブプログラムではメモリカードを用いてジョブの
リード、ライトができ、メモリカードへは最大8個のジ
ョブが格納できる。容量は32キロバイトを有し、フィル
ムプロジェクターモード以外のジョブがプログラム可能
である。
この他に、付加機能としてコピーアウトプット、コピ
ーシャープネス、コピーコントラスト、コピーポジショ
ン、フィルムプロジェクター、ページプログラミング、
マージンの機能を設けている。
コピーアウトプットは、オプションとしてソーターが
付いている場合、Uncollatedが選択されていると、最大
調整機能が働き、設定枚数をビン収納最大値内に合わせ
込む。
エッジ強調を行うコピーシャープネスは、オプション
として7ステップのマニュアルシャープネス調整、写真
(Photo)、文字(Character)、網点印刷(Print)、
写真と文字の混合(Photo/Character)からなる写真シ
ャープネス調整機能を設けている。そしてデフォルトと
ツールパスウエイで任意に設定できる。
コピーコントラストは、オペレーターが7ステップで
コントロールでき、デフォルトはツールパスウエイで任
意に設定できる。
コピーポジションは、用紙上でコピー像を載せる位置
を選択する機能で、オプションとして用紙のセンターに
コピー像のセンターを載せるオートセンタリング機能を
有し、デフォルトはオートセンタリングである。
フィルムプロジェクターは、各種フィルムからコピー
をとることができるもので、35mmネガ・ボジのプロジェ
クション、35mmネガプラテン置き、6cm×6cmスライドプ
ラテン置き、4in×4inスライドプラテン置きを選択でき
る。フィルムプロジェクタでは、特に用紙を選択しなけ
ればA4用紙が自動的に選択され、またフィルムプロジェ
クタポップアップ内には、カラーバランス機能があり、
カラーバランスを“赤味”にすると赤っぽく、“青味”
にすると青っぽく補正され、また独自の自動濃度コント
ロール、マニュアル濃度コントロールを行っている。
ページプログラミングでは、コピーにフロント・バッ
クカバーまたはフロントカバーを付けるカバー機能、コ
ピーとコピーの間に白紙またはカラーペーパーを挿入す
るインサート機能、原稿の頁別にカラーモードを設定で
きるカラーモード、原稿の頁別にペーパートレイを選択
でき、カラーモードと併せて設定できる用紙選択の機能
がある。
マージンは、0〜30mmの範囲で1mm刻みでマージンを
設定でき、1原稿に対して1辺のみ指定可能である。
マーカー編集は、マーカーで囲まれた領域に対して編
集加工する機能で、文書を対象とするもので、そのため
原稿は白黒原稿として扱い、黒モード時は指定領域内を
CRT上のパレット色に返還し、指定領域外は黒コピーと
なる。また赤黒モード時は、イメージを赤色に変換し、
領域外は赤黒コピーとなり、トリム、マスク、カラーメ
ッシュ、ブロックtoカラーの機能を設けている。なお、
領域指定は原稿面に閉ループを描くか、テンキーまたは
エディットパッドにより領域を指定するかにより行う。
以下の各編集機能における領域指定でも同様である。そ
して指定した領域はCRT上のビットマップエリアに相似
形で表示する。
トリムはマーク領域内のイメージのみ白黒でコピー
し、マーク領域外のイメージは消去する。
マスクはマーク領域内のイメージは消去し、マーク領
域外のイメージのみ白黒でコピーする。
カラーメッシュでは、マーク領域内に指定の色網パタ
ーンを置き、イメージは白黒でコピーされ、カラーメッ
シュの色は8標準色(あらかじめ決められた所定の
色)、8登録色(ユーザーにより登録されている色で16
70万色中より同時8色まで登録可)から選択することが
でき、また網は4パターンから選択できる。
ブロックtoカラーではマーク領域内のイメージを8標
準色、8登録色から選択した指定の色でコピーすること
ができる。
ビジネス編集はビジネス文書中心に、高品質オリジナ
ルがすばやく作製できることを狙いとしており、原稿は
フルカラー原稿として扱われ、全ての機能ともエリアま
たはポイントの指定が必要で、1原稿に対して複数ファ
ンクション設定できる。そして、黒/モノカラーモード
時は、指定領域以外は黒またはモノカラーコピーとし、
領域内は黒イメージをCRT上のパレット色に色変換し、
また赤黒モード時は指定領域外は赤黒コピー、領域内は
赤色に変換する。そして、マーカー編集の場合と同様の
トリム、マスク、カラーメッシュ、ブラックtoカラーの
外に、ロゴタイプ、ライン、ペイント1、コレクショ
ン、ファンクションクリアの機能を設けている。
ロゴタイプは指定ポイントにシンボルマークのような
ロゴを挿入できる機能で、2タイプのロゴをそれぞれ縦
置き、横置きが可能である。但し1原稿に対して1個の
み設定でき、ロゴパターンは顧客ごとに用意してROMに
より供給する。
ラインは、2点表示によりX軸に対して垂線、または
水平線を描く機能であり、ラインの色は8標準色、8登
録色からライン毎に選択することができ、指定できるラ
イン数は無制限、使用できる色は一度に7色までであ
る。
ペイント1は、閉ループ内に対して1点指示すること
によりループ内を8標準色、8登録色からループ毎に選
択した色で塗りつぶす機能である。網は4パターンから
エリア毎に選択でき、指定できるループ数は無制限、使
用できる色網パターンは7パターンまでである。
コレクション機能は、エリア毎の設定ファンクション
を確認及び修正することができるエリア/ポイントチエ
ンジ、エリアサイズやポイント位置の変更を1mm刻みで
行うことができるエリア/ポイントコレクション、指定
のエリアを消去するエリア/ポイントキャンセルモード
を有しており、指定した領域の確認、修正、変更、消去
等を行うことができる。
クリエイティブ編集は、イメージコンポジション、コ
ピーオンコピー、カラーコンポジション、部分イメージ
シフト、マルチ頁拡大、ペイント1、カラーメッシュ、
カラーコンバージョン、ネガ/ポジ反転、リピート、ペ
イント2、濃度コントロール、カラーバランス、コピー
コントラスト、コピーシャープネス、カラーモード、ト
リム、マスク、ミラーイメージ、マージン、ライン、シ
フト、ロゴタイプ、スプリットスキャン、コレクショ
ン、ファンクションクリア、Add Function機能を設けて
おり、この機能では原稿はカラー原稿として扱われ、1
原稿に対して複数のファンクションが設定でき、1エリ
アに対してファンクションの併用ができ、また指定する
エリアは2点指示による矩形と1点指示によるポイント
である。
イメージコンポジションは、4サイクルでベースオリ
ジナルをカラーコピー後、用紙を転写装置上に保持し、
引き続きトリミングしたオリジナルを4サイクルで重ね
てコピーし、出力する機能である。
コピーオンコピーは、4サイクルで第1オリジナルを
コピー後、用紙を転写装置上に保持し、ひき続き第2オ
リジナルを4サイクルで重ねてコピーし出力する機能で
ある。
カラーコンポジションは、マゼンタで第1オリジナル
をコピー、用紙を転写装置上に保持し、ひき続き第2オ
リジナルをシアンで重ねてコピー後、用紙を転写装置上
に保持し、ひき続き第3オリジナルをイエローで重ねて
コピー後出力する機能であり、4カラーコンポジション
の場合は更にブラックを重ねてコピー後出力する。
部分イメージシフトは4サイクルでカラーコピー後、
用紙を転写装置上に保持し、ひき続き4サイクルで重ね
てコピーし出力する機能である。
カラーモードのうちフルカラーモードでは4サイクル
でコピーし、3色カラーモードでは編集モードが設定さ
れている時を除き、3サイクルでコピーし、ブラックモ
ードでは編集モードが設定されている時を除き、1サイ
クルでコピーし、プラス1色モードでは1〜3サイクル
でコピーする。
ツールパスウエイでは、オーディトロン、マシンセッ
トアップ、デフォルトセレクション、カラーレジストレ
ーション、フィルムタイプレジストレーション、カラー
コレクション、プリセット、フィルムプロジェクタース
キャンエリアコレクション、オーディオトーン、タイマ
ーセット、ビリングメータ、診断モード、最大調整、メ
モリカードフォーマッティングを設けている。このパス
ウエイで設定や変更を行なうためには暗証番号を入力し
なければならない。従って、ツールパスウエイで設定/
変更を行なえるのはキーオペレータとカスタマーエンジ
ニアである。ただし、診断モードに入れるのは、カスタ
マーエンジニアだけである。
カラーレジストレーションは、カラーパレット中のレ
ジスタカラーボタンに色を登録するのに用いられ、色原
稿からCCDラインセンサーで読み込まれる。
カラーコレクションは、レジスタカラーボタンに登録
した色の微調整に用いられる。
フィルムタイプレジストレーションは、フィルムプロ
ジェクタモードで用いるレジスタフィルムタイプを登録
するのに用いられ、未登録の場合は、フィルムプロジェ
クタモード画面ではレジスタボタンが選択できない状態
となる。
プリセットは、縮小/拡大値、コピー濃度7ステッ
プ、コピーシャープネス7ステップ、コピーコントラス
ト7ステップをプリセットする。
フィルムプロジェクタスキャンエリアコレクション
は、プロジェクタプロジェクタモード時のスキャンエリ
アの調整を行う。
オーディオトーンは選択音等に使う音量の調整をす
る。
タイマーセットは、キーオペレータに開放することの
できるタイマーに対するセットを行う。
この他にも、サブシステムがクラッシュ状態に入った
場合に再起動をかけるクラッシュリカバリ機能、クラッ
シュリカバリを2回かけてもそのサブシステムが正常復
帰できない場合にはフォルトモードとする機能、ジャム
が発生した場合、緊急停止する機能等の異常系に対する
機能も設けている。
さらに、基本コピーと付加機能、基本/付加機能とマ
ーカー編集、ビジネス編集、クリエイティブ編集等の組
み合わせも可能である。
上記機能を備える本発明のシステム全体として下記の
特徴を有している。
(B)特徴 (イ)高画質フルカラーの達成 本装置においては、黒の画質再現、淡色再現性、ジェ
ネレーションコピー質、OHP画質、細線再現性、フィル
ムコピーの画質再現性、コピーの維持性を向上させ、カ
ラードキュメントを鮮明に再現できる高画質フルカラー
の達成を図っている。
(ロ)低コスト化 感光体、現像機、トナー等の画材原価・消耗品のコス
トを低減化し、UMR、パーツコスト等サービスコストを
低減化すると共に、白黒コピー兼用機としても使用可能
にし、さらに白黒コピー速度も従来のものに比して3倍
程度の30枚/A4を達成することによりランニングコスト
の低減、コピー単価の低減を図っている。
(ハ)生産性の改善 入出力装置にADF、ソータを設置(オプション)して
多枚数原稿を処理可能とし、倍率は50〜400%選択で
き、最大原稿サイズA3、ペーパートレイは上段B5〜B4、
中段B5〜B4、下段B5〜A3、SSIB5〜A3とし、コピースピ
ードは4色フルカラー、A4で4.8CPM、B4で4.8CPM、A3で
2.4CPM、白黒、A4で19.2CPM、B4で19.2CPM、A3で9.6CP
M、ウォームアップ時間8分以内、FCOTは4色フルカラ
ーで28秒以下、白黒で7秒以下を達成し、また、連続コ
ピースピードは、フルカラー7.5枚/A4、白黒30枚/A4を
達成して高生産性を図っている。
(ニ)操作性の改善 ハードコントロールパネルにおけるハードボタン、CR
T画面ソフトパネルのソフトボタンを併用し、初心者に
わかりやすく、熟練者に煩わしくなく、機能の内容をダ
イレクトに選択でき、かつ操作をなるべく1ケ所に集中
するようにして操作性を向上させると共に、色を効果的
に用いることによりオペレータに必要な情報を正確に伝
えるようにしている。ハイフアイコピーは、ハードコン
トロールパネルと基本画面の操作だけで行うように、オ
ペレーションフローで規定できないスタート、ストッ
プ、オールクリア、割り込み等はハードボタンの操作に
より行い、用紙選択、縮小拡大、コピー濃度、画質調
整、カラーモード、カラーバランス調整等は基本画面ソ
フトパネル操作により従来の単色コピーマシンのユーザ
ーが自然に使いこなせるようにしている。さらに、各種
編集機能等はソフトパネルのパスウエイ領域のパスウエ
イタブをタッチ操作するだけで、パスウエイをオープン
して各種編集機能を選択することができる。さらにメモ
リカードにコピーモードやその実行条件等を予め記憶し
ておくことにより所定の操作の自動化を可能にしてい
る。
(ホ)機能の充実 ソフトパネルのパスウエイ領域のパスウエイタブをタ
ッチ操作することにより、パスウエイをオープンして各
種編集機能を選択することができ、例えばマーカ編集で
はマーカーというツールを使用して白黒文書の編集加工
をすることができ、ビジネス編集ではビジネス文書中心
に高品質オリジナルを素早く作製することができ、また
クリエイティブ編集では各種編集機能を用意し、フルカ
ラー、黒、モノカラーにおいて選択肢を多くしてデザイ
ナー、コピーサービス業者、キーオペレータ等の専門家
に対応できるようにしている。また、編集機能において
指定した領域はビットマップエリアにより表示され、指
定した領域を確認できる。このように、豊富な編集機能
とカラークリエーションにより文章表現力を大幅にアッ
プすることができる。
(へ)省電力化の達成 1.5kVAで4色フルカラー、高性能の複写機を実現して
いる。そのため、各動作モードにおける1.5kVA実現のた
めのコントロール方式を決定し、また、目標値を設定す
るための機能別電力配分を決定している。また、エネル
ギー伝達経路の確定のためのエネルギー系統表の作成、
エネルギー系統による管理、検証を行うようにしてい
る。
(C)差別化の例 本発明が適用される複写機は、フルカラー、及び白黒
兼用でしかも初心者にわかりやすく、熟練者に煩わしく
なくコピーをとることができると共に、各種機能を充実
させて単にコピーをとるというだけでなく、オリジナル
の作製を行うことができるので、専門家、芸術家の利用
にも対応することができ、この点で複写機の使用に対す
る差別化が可能になる。以下にその使用例を示す。
例えば、従来印刷によっていたポスター、カレンダ
ー、カードあるいは招待状や写真入りの年賀状等は、枚
数がそれほど多くない場合は、印刷よりはるかに安価に
作製することができる。また、編集機能を駆使すれば、
例えばカレンダー等では好みに応じたオリジナルを作製
することができ、従来、企業単位で画一的に印刷してい
たものを、セクション単位で独創的で多様なものを作製
することが可能になる。
また、近年インテリアや電気製品に見られるように、
色彩は販売量を左右するものであり、インテリアや服飾
品の製作段階において彩色を施した図案をコピーするこ
とにより、デザインと共に色彩についても複数人により
検討することができ、消費を向上させるような新しい色
彩を開発することが可能である。特に、アパレル産業等
では遠方の製作現場に製品を発注する際にも、彩色を施
した完成図のコピーを送ることにより従来より適確に色
を指定することができ、作業能率を向上させることがで
きる。
さらに、本装置はカラーと白黒を兼用することができ
るので、1つの原稿を必要に応じて白黒であるいはカラ
ーでそれぞれ必要枚数ずつコピーすることができる。し
たがって、例えば専門学校、大学等で色彩学を学ぶ時
に、彩色した図案を白黒とカラーの両方で表現すること
ができ、両者を比較検討することにより、例えば赤はグ
レイがほぼ同じ明度であることが一目瞭然で分かる等、
明度および彩色の視覚に与える影響を学ぶこともでき
る。
(I−3)電気系制御システムの構成 この項では、本複写機の電気的制御システムとして、
ハードウェアアーキテクチャー、ソフトウェアアーキテ
クチャーおよびステート分割について説明する。
(A)ハードウェアアーキテクチャーおよびソフトウェ
アアーキテクチャー 本複写機のようにUIとしてカラーCRTを使用すると、
モノクロのCRTを使用する場合に比較してカラー表示の
ためのデータが増え、また、表示画面の構成、画面遷移
を工夫してよりフレンドリーなUIを構築しようとするデ
ータ量が増える。
これに対して、大容量のメモリを搭載したCPUを使用
することはできるが、基板が大きくなるので複写機本体
に収納するのが困難である、仕様の変更に対して柔軟な
対応が困難である、コストが高くなる、等の問題があ
る。
そこで、本複写機においては、CRTコントローラ等の
他の機種あるいは装置との共通化が可能な技術をリモー
トとしてCPUを分散させることでデータ量の増加に対応
するようにしたのである。
電気系のハードウェアは第3図に示されているよう
に、UI系、SYS系およびMCB系の3種の系に大別されてい
る。UI系はUIリモート70を含み、SYS系においては、F/P
の制御を行うF/Pリモート72、原稿読み取りを行うIITリ
モート73、種々の画像処理を行うIPSリモート74を分散
している。IITリモート73はイメージングユニットを制
御するためのIITコントローラ73aと、読み取った画像信
号をデジタル化してIPSリモート74に送るVIDEO回路73b
を有し、IPSリモート74と共にVCPU74aにより制御され
る。前記及び後述する各リモートを統括して管理するも
のとしてSYS(System)リモート71が設けられている。
SYSリモート71はUIの画面遷移をコントロールするた
めのプログラム等のために膨大なメモリ容量を必要とす
るので、16ビットマイクロコンピュータを搭載した8086
を使用している。なお、8086の他に例えば68000等を使
用することもできるものである。
また、MCB系においては、感材ベルトにレーザで潜像
を形成するために使用するビデオ信号をIPSリモート74
から受け取り、IOTに送出するためのラスター出力スキ
ャン(Raster Output Scan:ROS)インターフェースであ
るVCB(Video Control Board)リモート76、転写装置
(タートル)のサーボのためのRCBリモート77、更にはI
OT、ADF、ソータ、アクセサリーのためのI/Oポートとし
てのIOBリモート78、およびアクセサリーリモート79を
分散させ、それらを統括して管理するためのMCB(Maste
r Control Board)リモート75が設けられている。
なお、図中の各リモートはそれぞれ1枚の基板で構成
されている。また、図中の太い実線は187.5kbpsのLNET
高速通信網、太い破線は9600bpsのマスター/スレーブ
方式シリアル通信網をそれぞれ示し、細い実線はコント
ロール信号の伝送路であるホットラインを示す。また、
図中76.8kbpsとあるのは、エディットパッドに描かれた
図形情報、メモリカードから入力されたコピーモード情
報、編集領域の図形情報をUIリモート70からIPSリモー
ト74に通知するための専用回線である。更に、図中CCC
(Communication Control Chip)とあるのは、高速通信
回線LNETのプロトコルをサポートするICである。
以上のようにハードウェアアーキテクチャーは、UI
系、SYS系、MCB系の3つに大別されるが、これらの処理
の分担を第4図のソフトウェアアーキテクチャーを参照
して説明すると次のようである。なお、図中の矢印は第
3図に示す187.5kbpsのLNET高速通信網、9600bpsのマス
ター/スレーブ方式シリアル通信網を介して行われるデ
ータの授受またはホットラインを介して行われる制御信
号の伝送関係を示している。
UIリモート70はLLUI(Low Level UI)モジュール80
と、エディットパッドおよびメモリカードについての処
理を行うモジュール(図示せず)から構成されている。
LLUIモジュール80は通常CRTコントローラとして知られ
ているものと同様であって、カラーCRTに画面を表示す
るためのソフトウェアモジュールであり、その時々でど
のような絵の画面を表示するかは、SYSUIモジュール81
またはMCBUIモジュール86により制御される。これによ
りUIリモートを他の機種または装置と共通化することが
できることは明らかである。なぜなら、どのような画面
構成とするか、画面遷移をどうするかは機種によって異
なるが、CRTコントローラはCRTと一体で使用されるもの
であるからである。
SYSリモート71は、SYSUIモジュール81と、SYSTEMモジ
ュール82、およびSYS.DIAGモジュール83の3つのモジュ
ールで構成されている。
SYSUIモジュール81は画面遷移をコントロールするソ
フトウェアモジュールっであり、SYSTEMモジュール82
は、どの画面でソフトパネルのどの座標が選択された
か、つまりどのようなジョブが選択されたかを認識する
F/F(Feature Function)選択のソフトウェア、コピー
実行条件に矛盾が無いかどうか等最終的にジョブをチェ
ックするジョブ確認のソフトウェア、および、他のモジ
ュールとの間でF/F選択、ジョブリカバリー、マシンス
テート等の種々の情報の授受を行うための通信を制御す
るソフトウェアを含むモジュールである。
SYS.DIAGモジュール83は、自己診断を行うダイアグノ
スティックステートでコピー動作を行うカスタマーシミ
ュレーションモードの場合に動作するモジュールであ
る。カスタマーシミュレーションモードは通常のコピー
と同じ動作をするので、SYS.DIAGモジュール83は実質的
にはSYSTEMモジュール82と同じなのであるが、ダイアグ
ノスティックという特別なステートで使用されるので、
SYSTEMモジュール82とは別に、しかし一部が重畳されて
記載されているものである。
また、IITリモート73にはイメージングユニットに使
用されているステッピングモータの制御を行うIITモジ
ュール84が、IPSリモート74にはIPSに関する種々の処理
を行うIPSモジュール85がそれぞれ格納されており、こ
れらのモジュールはSYSTEMモジュール82によって制御さ
れる。
一方、MCBリモート75には、ダイアグノスティック、
オーディトロン(Auditron)およびジャム等のフォール
トの場合に画面遷移をコントロールするソフトウェアで
あるMCBUIモジュール86、感材ベルトの制御、現像機の
制御、フューザの制御等コピーを行う際に必要な処理を
行うIOTモジュール90、ADFを制御するためのADFモジュ
ール91、ソータを制御するためのSORTERモジュール92の
各ソフトウェアモジュールとそれらを管理するコピーイ
ングエグゼクティブモジュール87、および各種診断を行
うダイアグエグゼクティブモジュール88、暗唱番号で電
子カウンターにアクセスして料金処理を行うオーディト
ロンモジュール89を格納している。
また、RCBリモート77には転写装置の動作を制御する
タートルサーボモジュール93が格納されており、当該タ
ートルサーボモジュール93はゼログラフィーサイクルの
転写工程を司るために、IOTモジュール90の管理の下に
置かれている。なお、図中、コピーイングエグゼクティ
ブモジュール87とダイアグエグゼクティブモジュール88
が重複しているのは、SYSTEMモジュール82とSYS.DIAGモ
ジュール83が重複している理由と同様である。
以上の処理の分担をコピー動作に従って説明すると次
のようである。コピー動作は現像される色の違いを別に
すればよく似た動作の繰り返しであり、第5図(a)に
示すようにいくつかのレイヤに分けて考えることができ
る。
1枚のカラーコピーはピッチと呼ばれる最小の単位を
何回か繰り返すことで行われる。具体的には、1色のコ
ピーを行うについて、現像機、転写装置等をどのように
動作させるか、ジャムの検知はどのように行うか、とい
う動作であって、ピッチ処理をY,M,Cの3色について行
えば3色カラーのコピーが、Y,M,C,Kの4色について行
えば4色フルカラーのコピーが1枚出来上がることにな
る。これがコピーレイヤであり、具体的には、用紙に各
色のトナーを転写した後、フューザで定着させて複写機
本体から排紙する処理を行うレイヤである。ここまでの
処理の管理はMCB系のコピーイングエグゼクティブモジ
ュール87が行う。
勿論、ピッチ処理の過程では、SYS系に含まれているI
ITモジュール84およびIPSモジュール85も使用される
が、そのために第3図、第4図に示されているように、
IOTモジュール90とIITモジュール84の間ではPR−TRUEと
いう信号と、LE@REGという2つの信号のやり取りが行
われる。具体的にいえば、IOTの制御の基準タイミング
であるPR(PITCH RESET)信号はMCBより感材ベルトの回
転を2または3分割して連続的に発生される。つまり、
感材ベルトは、その有効利用とコピースピード向上のた
めに、例えばコピー用紙がA3サイズの場合には2ピッ
チ、A4サイズの場合には3ピッチというように、使用さ
れるコピー用紙のサイズに応じてピッチ分割されるよう
になされているので、各ピッチ毎に発生されるPR信号の
周期は、例えば2ピッチの場合には3secと長くなり、3
ピッチの場合には2secと短くなる。
さて、MCBで発生されたPR信号は、VIDEO信号関係を取
り扱うVCBリモート等のIOT内の必要な箇所にホットライ
ンを介して分配される。
VCBはその内部にゲート回路を有し、IOT内でイメージ
ングが可能、即ち、実際に感材ベルトにイメージを露光
することが可能なピッチのみ選択的にIPSリモートに対
して出力する。この信号がPR−TRUE信号である。なお、
ホットラインを介してMCBから受信したPR信号に基づい
てPR−TRUE信号を生成するための情報は、LNETによりMC
Bから通知される。
これに対して、実際に感材ベルトにイメージを露光す
ることができない期間には、感材ベルトには1ピッチ分
の空ピッチを作ることになり、このような空ピッチに対
してはPR−TRUE信号は出力されない。このようなPR−TR
UEが発生されないピッチとしては、例えば、転写装置で
の転写が終了した用紙を排出してから次の用紙を転写装
置に供給するまでの間の期間を挙げることができる。つ
まり、例えば、A3サイズのように長い用紙を最後の転写
と共に排出するとすると、用紙の先端がフューザの入口
に入ったときのショックで画質が劣化するために一定長
以上の用紙の場合には最後の転写が終了してもそのまま
排出せず、後述するグリッパーバーで保持したまま一定
速度でもう一周回転させた後排出するようになされてい
るため、感材ベルトには1ピッチ分のスキップが必要と
なるのである。
また、スタートキーによるコピー開始からサイクルア
ップシーケンスが終了するまでの間もPR−TRUE信号は出
力されない。この期間にはまだ原稿の読み取りが行われ
ておらず、従って、感材ベルトにはイメージを露光する
ことができないからである。
VCBリモートから出力されたPR−TRUE信号は、IPSリモ
ートで受信されると共に、そのままIITリモートにも伝
送されて、IITのスキャンスタートのためのトリガー信
号として使用される。
これによりIITリモート73およびIPSリモート74をIOT
に同期させてピッチ処理を行わせることができる。ま
た、このときIPSリモート74とVCBリモート76の間では、
感材ベルトに潜像を形成するために使用されるレーザ光
を変調するためのビデオ信号の授受が行われ、VCBリモ
ート76で受信されたビデオ信号は並列信号から直列信号
に変換された後、直接ROSへVIDEO変調信号としてレーザ
出力部40aに与えられる。
以上の動作が4回繰り返されると1枚の4色フルカラ
ーコピーが出来上がり、1コピー動作は終了となる。
次に、第5図(b)〜(e)により、IITで読取られ
た画像信号をIOTに出力し最終的に転写ポイントで用紙
に転写させるまでの信号のやりとりとそのタイミングに
ついて説明する。
第5図(b)、(c)に示すように、SYSリモート71
からスタートジョブのコマンドが入ると、IOT78bではメ
インモータの駆動、高圧電源の立ち上げ等サイクルアッ
プシーケンスに入る。IOT78bは、感材ベルト上に用紙長
に対応した潜像を形成させるために、PR(ピッチリッセ
ット)信号を出力する。例えば、感材ベルトが1回転す
る毎に、A4では3ピッチ、A3では2ピッチのPR信号を出
力する。IOT78bのサイクルアップシーケンスが終了する
と、その時点からPR信号に同期してPR−TRUE信号が、イ
メージングが必要なピッチのみに対応してIITコントロ
ーラ73aに出力される。
また、IOT78bは、ROS(ラスターアウトプットスキャ
ン)の1ライン分の回転毎に出力されるIOT−LS(ライ
ンシンク)信号を、VCPU74a内のTG(タイミングジェネ
レータ)に送り、ここでIOT−LSに対してIPSの総パイプ
ライン遅延分だけ見掛け上の位相を進めたIPS−LSをIIT
コントローラ73aに送る。
IITコントローラ73aは、PR−TRUE信号が入ると、カウ
ンタをイネーブルしてIOT−LS信号をカウントし、所定
のカウント数に達すると、イメージングユニット37を駆
動させるステッピングモータ213の回転をスタートさせ
てイメージングユニットが原稿のスキャンを開始する。
さらにカウントとしてT2秒後原稿読取開始位置でLE@RE
Gを出力しこれをIOT78bに送る。
この原稿読取開始位置は、予め例えば電源オン後1回
だけ、イメージングユニットを駆動させてレジンサ217
の位置(レジ位置の近く、具体的にはレジ位置よりスキ
ャン側に約10mm)を一度検出して、その検出位置を元に
真のレジ位置を計算で求め、また同時に通常停止位置
(ホームポジション)も計算で求めることができる。ま
た、レジ位置は機械のばらつき等でマシン毎に異なるた
め、補正値をNVMに保持しておき、真のレジ位置とホー
ムポジションの計算時に補正を行うことにより、正確な
原稿読取開始位置を設定することができる。この補正値
は工場またはサービスマン等により変更することがで
き、この補正値を電気的に書き換えるだけで実施でき、
機械的調整は不要である。なお、レジンサ217の位置を
真のレジ位置よりスキャン側に約10mmずらしているの
は、補正を常にマイナス値とし、調整およびソフトを簡
単にするためである。
また、IITコントローラ73aは、LE@REGと同期してIMA
GE−AREA信号を出力する。このIMAGE−AREA信号の長さ
は、スキャン長に等しいものであり、スキャン長はSYST
EMモジュール82よりIITモジュール84へ伝達されるスタ
ートコマンドによって定義される。具体的には、原稿サ
イズを検知してコピーを行う場合には、スキャン長は原
稿長さであり、倍率を指定してコピーを行う場合には、
スキャン長はコピー用紙長と倍率(100%を1とする)
との除数で設定される。IMAGE−AREA信号は、VCPU74aを
経由しそこでIIT−PS(ページシンク)と名前を変えてI
PS74に送られる。IIT−PSはイメージ処理を行う時間を
示す信号である。
LE@REGが出力されると、IOT−LS信号に同期してライ
ンセンサの1ライン分のデータが読み取られ、VIDEO回
路(第3図)で各種補正処理、A/D変換が行われIPS74に
送られる。IPS74においては、IOT−LSと同期して1ライ
ン分のビデオデータをIOT78bに送る。このときIOT−BYT
E−CLKの反転信号であるRTN−BYTE−CLKをビデオデータ
と並列してIOTへ送り返しデータとクロックを同様に遅
らせることにより、同期を確実にとるようにしている。
IOT78bにLE@REGが入力されると、同様にIOT−LS信号
に同期してビデオデータがROSに送られ、感材ベルト上
に潜像が形成される。IOT78bは、LE@REGが入るとその
タイミングを基準にしてIOT−CLKによりカウントを開始
し、一方、転写装置のサーボモータは、所定カウント数
の転写位置で用紙の先端がくるように制御される。とこ
ろで、第5図(d)に示すように、感材ベルトの回転に
より出力されるPR−TRUE信号とROSの回転により出力さ
れるIOT−LS信号とはもともと同期していない。このた
め、PR−TRUE信号が入り次のIOT−LSからカウントを開
始し、カウントmでイメージングユニット37を動かし、
カウントnでLE@REGを出力するとき、LE@REGはPR−TR
UEに対してT1時間だけ遅れることになる。この遅れは最
大1ラインシンク分で、4色フルカラーコピーの場合に
はこの遅れが累積してしまい出力画像に色ズレとなって
現れてしまう。
そのために、先ず、第5図(c)に示すように、1回
目のLE@REGが入ると、カウンタ1がカウントを開始
し、2、3回目のLE@REGが入ると、カウンタ2、3が
カウントを開始し、それぞれのカウンタが転写位置まで
のカウント数pに達するとこれをクリアして、以下4回
目以降のLE@REGの入力に対して順番にカウンタを使用
して行く。そして、第5図(e)に示すように、LE@RE
Gが入ると、IOT−CLKの直前のパルスからの時間T3を補
正用クロックでカウントする。感材ベルトに形成された
潜像が転写位置に近ずき、IOT−CLKが転写位置までのカ
ウント数pをカウントすると、同時に補正用クロックが
カウントを開始し、上記時間T3に相当するカウント数r
を加えた点が、正確な転写位置となり、これを転写装置
の転写位置(タイミング)コントロール用カウンタの制
御に上乗せし、LE@REGの入力に対して用紙の先端が正
確に同期するように転写装置のサーボモータを制御して
いる。
以上がコピーレイヤまでの処理であるが、その上に、
1枚の原稿に対してコピー単位のジョブを何回行うかと
いうコピー枚数を設定する処理があり、これがパーオリ
ジナル(PER ORIGINAL)レイヤで行われる処理である。
更にその上には、ジョブのパラメータを変える処理を行
うジョブプログラミングレイヤがある。具体的には、AD
Fを使用するか否か、原稿の一部の色を変える、偏倍機
能を使用するか否か、ということである。これらパーオ
リジナル処理とジョブプログラミング処理はSYS系のSYS
モジュール82が管理する。そのためにSYSTEMモジュール
82は、LLUIモジュール80から送られてきたジョブ内容を
チェック、確定し、必要なデータを作成して、9600bps
シリアル通信網によりIITモジュール84、IPSモジュール
85に通知し、またLNETによりMCB系にジョブ内容を通知
する。
以上述べたように、独立な処理を行うもの、他の機
種、あるいは装置と共通化が可能な処理を行うものをリ
モートとして分散させ、それらをUI系、SYS系、およびM
CB系に大別し、コピー処理のレイヤに従ってマシンを管
理するモジュールを定めたので、設計者の業務を明確に
できる、ソフトウェア等の開発技術を均一化できる、納
期およびコストの設定を明確化できる、仕様の変更等が
あった場合にも関係するモジュールだけを変更すること
で容易に対応することができる、等の効果が得られ、以
て開発効率を向上させることができるものである。
(B)ステート分割 以上、UI系、SYS系およびMCB系の処理の分担について
述べたが、この項ではUI系、SYS系、MCB系がコピー動作
のその時々でどのような処理を行っているかをコピー動
作の順を追って説明する。
複写機では、パワーONからコピー動作、およびコピー
動作終了後の状態をいくつかのステートに分割してそれ
ぞれのステートで行うジョブを決めておき、各ステート
でのジョブを全て終了しなければ次のステートに移行し
ないようにしてコントロールの能率と正確さを期するよ
うにしている。これをステート分割といい、本複写機に
おいては第6図に示すようなステート分割がなされてい
る。
本複写機におけるステート分割で特徴的なことは、各
ステートにおいて、当該ステート全体を管理するコント
ロール権および当該ステートでUIを使用するUIマスター
権が、あるときはSYSリモート71にあり、またあるとき
はMCBリモート75にあることである。つまり、上述した
ようにCPUを分散させたことによって、UIリモート70のL
LUIモジュール80はSYSUIモジュール81ばかりでなくMCBU
Iモジュール86によっても制御されるのであり、また、
ピッチおよびコピー処理はMCB系のコピーイングエグゼ
クティブモジュール87で管理されるのに対して、パーオ
リジナル処理およびジョブプログラミング処理はSYSモ
ジュール82で管理されるというように処理が分担されて
いるから、これに対応して各ステートにおいてSYSモジ
ュール82、コピーイングエグゼクティブモジュール87の
どちらが全体のコントロール権を有するか、また、UIマ
スター権を有するかが異なるのである。第6図において
は縦線で示されるステートはUIマスター権をMCB系のコ
ピーイングエグゼクティブモジュール87が有することを
示し、黒く塗りつぶされたステートはUIマスター権をSY
Sモジュール82が有することを示している。
第6図に示すステート分割の内パワーONからスタンバ
イまでを第7図を参照して説明する。
電源が投入されてパワーONになされると、第3図でSY
Sリモート71からIITリモート73およびIPSリモート74に
供給されるIPSリセット信号およびIITリセット信号がH
(HIGH)となり、IPSリモート74、IITリモート73はリセ
ットが解除されて動作を開始する。また、電源電圧が正
常になったことを検知するとパワーノーマル信号が立ち
上がり、MCBリモート75が動作を開始し、コントロール
権およびUIマスター権を確立すると共に、高速通信網LN
ETのテストを行う。また、パワーノーマル信号はホット
ラインを通じてMCBリモート75からSYSリモート71に送ら
れる。
MCBリモート75の動作開始後所定の時間T0が経過する
と、MCBリモート75からホットラインを通じてSYSリモー
ト71に供給されるシステムリセット信号がHとなり、SY
Sリモート71のリセットが解除されて動作が開始される
が、この際、SYSリモート71の動作開始は、SYSリモート
71の内部の信号である86NMI、86リセットという二つの
信号により上記T0時間の経過後更に200μsec遅延され
る。この200μsecという時間は、クラッシュ、即ち電源
の瞬断、ソフトウェアの暴走、ソフトウェアのバグ等に
よる一過性のトラブルが生じてマシンが停止、あるいは
暴走したときに、マシンがどのステートにあるかを不揮
発性メモリに格納するために設けられているものであ
る。
SYSリモート71が動作を開始すると、約3.8secの間コ
アテスト、即ちROM、RAMのチェック、ハードウェアのチ
ェック等を行う。このとき不所望のデータ等が入力され
ると暴走する可能性があるので、SYSリモート71は自ら
の監督下で、コアテストの開始と共にIPSリセット信号
およびIITリセット信号をL(Low)とし、IPSリモート7
4およびIITリモート73をリセットして動作を停止させ
る。
SYSリモート71は、コアテストが終了すると、10〜310
0msecの間CCCセルフテストを行うと共に、IPSリセット
信号およびIITリセット信号をHとし、IPSリモート74お
よびIITリモート73の動作を再開させ、それぞれコアテ
ストを行わせる。CCCセルフテストは、LNETに所定のデ
ータを送出して自ら受信し、受信したデータが送信され
たデータと同じであることを確認することで行う。な
お、CCCセルフテストを行うについては、セルフテスト
の時間が重ならないように各CCCに対して時間が割り当
てられている。
つまり、LNETにおいては、SYSリモート71、MCBリモー
ト75等の各ノードはデータを送信したいときに送信し、
もしデータの衝突が生じていれば所定時間経過後再送信
を行うというコンテンション方式を採用しているので、
SYSリモート71がCCCセルフテストを行っているとき、他
のノードがLNETを使用しているとデータの衝突が生じて
しまい、セルフテストが行えないからである。従って、
SYSリモート71がCCCセルフテストを開始するときには、
MCBリモート75のLNETテストは終了している。
CCCセルフテストが終了すると、SYSリモート71は、IP
Sリモート74およびIITリモート73のコアテストが終了す
るまで待機し、T1の期間にSYSTEMノードの通信テストを
行う。この通信テストは、9600bpsのシリアル通信網の
テストであり、所定のシーケンスで所定のデータの送受
信が行われる。当該通信テストが終了すると、T2の期間
にSYSリモート71とMCBリモート75の間でLNETの通信テス
トを行う。即ち、MCBリモート75はSYSリモート71に対し
てセルフテストの結果を要求し、SYSリモート71は当該
要求に応じてこれまで行ってきたテストの結果をセルフ
テストリザルトとしてMCBリモート75に発行する。
MCBリモート75は、セルフテストリザルトを受け取る
とトークンパスをSYSリモート71に発行する。トークン
パスはUIマスター権をやり取りする札であり、トークン
パスがSYSリモート71に渡されることで、UIマスター権
はMCBリモート75からSYSリモート71に移ることになる。
ここまでがパワーオンシーケンスである。当該パワーオ
ンシーケンスの期間中、UIリモート70は「しばらくお持
ち下さい」等の表示を行うと共に、自らのコアテスト、
通信テスト等、各種のテストを行う。
上記のパワーオンシーケンスの内、セルフテストリザ
ルトの要求に対して返答されない、またはセルフテスト
リザルトに異常がある場合には、MCBリモート75はマシ
ンをデッドとし、UIコントロール権を発動してUIリモー
ト70を制御し、異常が生じている旨の表示を行う。これ
がマシンデッドのステートである。
パワーオンステートが終了すると、次に各リモートを
セットアップするためにイニシャライズステートに入
る。イニシャライズステートではSYSリモート71が全体
のコントロール権とUIマスター権を有している。従っ
て、SYSリモート71は、SYS系をイニシャライズすると共
に、「INITIALIZE SUBSYSTEM」コマンドをMCBリモート7
5に発行してMCB系をもイニシャライズする。その結果は
サブシステムステータス情報としてMCBリモート75から
送られてくる。これにより例えばIOTではフューザを加
熱したり、トレイのエレベータが所定の位置に配置され
たりしてコピーを行う準備が整えられる。ここまでがイ
ニシャライズステートである。
イニシャライズが終了すると各リモートは待機状態で
あるスタンバイに入る。この状態においてもUIマスター
権はSYSリモート71が有しているので、SYSリモート71は
UIマスター権に基づいてUI画面上にF/Fを表示し、コピ
ー実行条件を受け付ける状態に入る。このときMCBリモ
ート75はIOTをモニターしている。また、スタンバイス
テートでは、異常がないかどうかをチェックするために
MCBリモート75は、500msec毎にバックグランドポールを
SYSリモート71に発行し、SYSリモート71はこれに対して
セルフテストリザルトを200msec以内にMCBリモート75に
返すという処理を行う。このときセルフテストリザルト
が返ってこない、あるいはセルフテストリザルトの内容
に異常があるときには、MCBリモート75がUIリモート70
に対して異常が発生した旨を知らせ、その旨の表示を行
わせる。
スタンバイステートにおいてオーディトロンが使用さ
れると、オーディトロンステートに入り、MCBリモート7
5はオーディトロンコントロールを行うと共に、UIリモ
ート70を制御してオーディトロンのための表示を行わせ
る。スタンバイステートにおいてF/Fが設定され、スタ
ートキーが押されるとプログレスステートに入る。プロ
グレスステートは、セットアップ、サイクルアップ、ラ
ン、スキップピッチ、ノーマルサイクルダウン、サイク
ルダウンシャットダウンという6ステートに細分化され
るが、これらのステートを、第8図を参照して説明す
る。
第8図は、プラテンモード、4色フルカラー、コピー
設定枚数3の場合のタイミングチャートを示す図であ
る。
SYSリモート71は、スタートキーが押されたことを検
知すると、ジョブの内容をシリアル通信網を介してIIT
リモート73およびIPSリモート74に送り、またLNETを介
してジョブの内容をスタートジョブというコマンドと共
にMCBリモート75内のコピーイングエグゼクティブモジ
ュール87に発行する。このことでマシンはセットアップ
に入り、各リモートでは指定されたジョブを行うための
前準備を行う。例えば、IOTモジュール90ではメインモ
ータの駆動、感材ベルトのパラメータの合わせ込み等が
行われる。
スタートジョブに対する応答であるACK(Acknowledg
e)がMCBリモート75から送り返されたことを確認する
と、SYSリモート71は、IITリモート73にプリスキャンを
行わせる。プリスキャンには、原稿サイズを検出するた
めのプリスキャン、原稿の指定された位置の色を検出す
るためのプリスキャン、塗り絵を行う場合の閉ループ検
出のためのプリスキャン、マーカ編集の場合のマーカ読
み取りのためのプリスキャンの4種類があり、選択され
たF/Fに応じて最高3回までプリスキャンを行う。この
ときUIには例えば「しばらくお待ち下さい」等の表示が
行われる。
プリスキャンが終了すると、IITレディというコマン
ドが、コピーイングエグゼクティブモジュール87に発行
され、ここからサイクルアップに入る。サイクルアップ
は各リモートの立ち上がり時間を待ち合わせる状態であ
り、MCBリモート75はIOT、転写装置の動作を開始し、SY
Sリモート71はIPSリモート74を初期化する。このときUI
は、現在プログレスステートにあること、および選択さ
れたジョブの内容の表示を行う。
サイクルアップが終了するとランに入り、コピー動作
が開始されるが、先ずMCBリモート75のIOTモジュール90
から1個目のPR0が出力されるとIITは1回目のスキャン
を行い、IOTは1色目の現像を行い、これで1ピッチの
処理が終了する。次に再びPR0が出されると2色目の現
像が行われ、2ピッチ目の処理が終了する。この処理を
4回繰り返し、4ピッチの処理が終了するとIOTはフュ
ーザでトナーを定着し、排紙する。これで1枚目のコピ
ー処理が完了する。以上の処理を3回繰り返すと3枚の
コピーができる。
ピッチレイヤの処理およびコピーレイヤの処理はMCB
リモート75が管理するが、その上のレイヤであるパーオ
リジナルレイヤで行うコピー設定枚数の処理はSYSリモ
ート71が行う。従って、現在何枚目のコピーを行ってい
るかをSYSリモート71が認識できるように、各コピーの
1個目のPR0が出されるとき、MCBリモート75はSYSリモ
ート71に対してメイドカウント信号を発行するようにな
されている。また、最後のPR0が出されるときには、MCB
リモート75はSYSリモート71に対して「RDY FOR NXT JO
B」というコマンドを発行して次のジョブを要求する。
このときスタートジョブを発行するとジョブを続行でき
るが、ユーザが次のジョブを設定しなければジョブは終
了であるから、SYSリモート71は「END JOB」というコマ
ンドをMCBリモート75に発行する。MCBリモート75は「EN
D JOB」コマンドを受信してジョブが終了したことを確
認すると、マシンはノーマルサイクルダウンに入る。ノ
ーマルサイクルダウンでは、MCBリモート75はIOTの動作
を停止させる。
サイクルダウンの途中、MCBリモート75は、コピーさ
れた用紙が全て排紙されたことが確認されるとその旨を
「DELIVERED JOB」コマンドでSYSリモート71に知らせ、
また、ノーマルサイクルダウンが完了してマシンが停止
すると、その旨を「IOT STAND BY」コマンドでSYSリモ
ート71に知らせる。これによりプログレスステートは終
了し、スタンバイステートに戻る。
なお、以上の例ではスキップピッチ、サイクルダウン
シャットダウンについては述べられていないが、スキッ
プピッチにおいては、SYSリモート71はSYS系を次のジョ
ブのためにイニシャライズし、また、MCBリモート75で
は次のコピーのために待機している。また、サイクルダ
ウンシャットダウンはフォールトの際のステートである
ので、当該ステートにおいては、SYSリモート71およびM
CBリモート75は共にフォールト処理を行う。
以上のようにプログレスステートにおいては、MCBリ
モート75はピッチ処理およびコピー処理を管理し、SYS
リモート71はパーオリジナル処理およびジョブプログラ
ミング処理を管理しているので、処理のコントロール権
は双方が処理の分担に応じてそれぞれ有している。これ
に対してUIマスター権はSYSリモート71が有している。
なぜなら、UIにはコピーの設定枚数、選択された編集処
理などを表示する必要があり、これらはパーオリジナル
処理もしくはジョブプログラミング処理に属し、SYSリ
モート71の管理下に置かれるからである。
プログレスステートにおいてフォールトが生じるとフ
ォールトリカバリーステートに移る。フォールトという
のは、ノーペーパー、ジャム、部品の故障または破損等
のマシンの異常状態の総称であり、F/Fの再設定等を行
うことでユーザがリカバリーできるものと、部品の交換
などサービスマンがリカバリーしなければならないもの
の2種類がある。上述したように基本的にはフォールト
の表示はMCBUIモジュール86が行うが、F/FはSYSモジュ
ール82が管理するので、F/Fの再設定でリカバリーでき
るフォールトに関してはSYSモジュール82がリカバリー
を担当し、それ以外のリカバリーに関してはコピーイン
グエグゼクティブモジュール87が担当する。
また、フォールトの検出はSYS系、MCB系それぞれに行
わせる。つまり、IIT、IPS、F/PはSYSリモート71が管理
しているのでSYSリモート71が検出し、IOT、ADF、ソー
タはMCBリモート75が管理しているのでMCBリモート75が
検出する。従って、本複写機においては次の4種類のフ
ォールトがあることが分かる。
SYSノードで検出され、SYSノードがリカバリーする場
合 例えば、F/Pが準備されないままスタートキーが押さ
れたときにはフォールトとなるが、ユーザは再度F/Fを
設定することでリカバリーできる。
SYSノードで検出され、MCBノードがリカバリーする場
合 この種のフォールトには、例えば、レジセンサの故
障、イメージングユニットの速度異常、イメージングユ
ニットのオーバーラン、PR0信号の異常、CCCの異常、シ
リアル通信網の異常、ROMまたはRAMのチェックエラー等
が含まれ、これらのフォールトの場合には、UIにはフォ
ールトの内容および「サービスマンをお呼び下さい」等
のメッセージが表示される。
MCBノードで検出され、SYSノードがリカバリーする場
合 ソータがセットされていないにも拘らずF/Fでソータ
が設定された場合にはMCBノードでフォールトが検出さ
れるが、ユーザが再度F/Fを設定し直してソータを使用
しないモードに変更することでもリカバリーできる。AD
Fについても同様である。また、トナーが少なくなった
場合、トレイがセットされていない場合、用紙が無くな
った場合にもフォールトとなる。これらのフォールト
は、本来はユーザがトナーを補給する、あるいはトレイ
をセットする、用紙を補給することでリカバリーされる
ものではあるが、あるトレイに用紙が無くなった場合に
は他のトレイを使用することによってもリカバリーでき
るし、ある色のトナーが無くなった場合には他の色を指
定することによってもリカバリーできる。つまり、F/F
の選択によってもリカバリーされるものであるから、SY
Sノードでリカバリーを行うようになされている。
MCBノードで検出され、MCBノードがリカバリーする場
合 例えば、現像機の動作が不良である場合、トナーの配
給が異常の場合、モータクラッチの故障、フューザの故
障等はMCBノードで検出され、UIには故障の箇所および
「サービスマンを呼んで下さい」等のメッセージが表示
される。また、ジャムが生じた場合には、ジャムの箇所
を表示すると共に、ジャムクリアの方法も表示すること
でリカバリーをユーザに委ねている。
以上のようにフォールトリカバリーステートにおいて
はコントロール権およびUIマスター権は、フォールトの
生じている箇所、リカバリーの方法によってSYSノード
が有する場合と、MCBノードが有する場合があるのであ
る。
フォールトがリカバリーされてIOTスタンバイコマン
ドがMCBノードから発行されるとジョブリカバリーステ
ートに移り、残されているジョブを完了する。例えば、
コピー設定枚数が3であり、2枚目をコピーしていると
きにジャムが生じたとする。この場合にはジャムがクリ
アされた後、残りの2枚をコピーしなければならないの
で、SYSノード、MCBノードはそれぞれ管理する処理を行
ってジョブをリカバリーするのである。従って、ジョブ
リカバリーにおいてもコントロール権は、SYSノード、M
CBノードの双方がそれぞれの処理分担に応じて有してい
る。しかし、UIマスター権はSYSノードが有している。
なぜなら、ジョブリカバリーを行うについては、例えば
「スタートキーを押して下さい」、「残りの原稿をセッ
トして下さい」等のジョブリカバリーのためのメッセー
ジを表示しなければならず、これはSYSノードが管理す
るパーオリジナル処理またはジョブプログラミング処理
に関する事項だからである。
なお、プログレスステートでIOTスタンバイコマンド
が出された場合にもジョブリカバリーステートに移り、
ジョブが完了したことが確認されるとスタンバイステー
トに移り、次のジョブを待機する。スタンバイステート
において、所定のキー操作を行うことによってダイアグ
ノスティック(以下、単にダイアグと称す。)ステート
に入ることができる。
ダイアグステートは、部品の入力チェック、出力チェ
ック、各種パラメータの設定、各種モードの設定、NVM
(不揮発性メモリ)の初期化等を行う自己診断のための
ステートであり、その概念を第9図に示す。図から明ら
かなように、ダイアグとしてTECH REPモード、カスタマ
ーシミュレーションモードの2つのモードが設けられて
いる。
TECH REPモードは入力チェック、出力チェック等サー
ビスマンがマシンの診断を行う場合に用いるモードであ
り、カスタマーシミュレーションモードは、通常ユーザ
がコピーする場合に使用するカスタマーモードをダイア
グで使用するモードである。
いま、カスタマーモードのスタンバイステートから所
定の操作により図のAのルートによりTECH REPモードに
入ったとする。TECH REPモードで各種のチェック、パラ
メータの設定、モードの設定を行っただけで終了し、再
びカスタマーモードに戻る場合(図のBのルート)には
所定のキー操作を行えば、第6図に示すようにパワーオ
ンのステートに移り、第7図のシーケンスによりスタン
バイステートに戻ることができるが、本複写機はカラー
コピーを行い、しかも種々の編集機能を備えているの
で、TECH REPモードで種々のパラメータの設定を行った
後に、実際にコピーを行ってユーザが要求する色が出る
かどうか、編集機能は所定の通りに機能するかどうか等
を確認する必要がある。これを行うのがカスタマーシミ
ュレーションモードであり、ビリングを行わない点、UI
にはダイアグである旨の表示がなされる点でカスタマー
モードと異なっている。これがカスタマーモードをダイ
アグで使用するカスタマーシミュレーションモードの意
味である。なお、TECH REPモードからカスタマーシミュ
レーションモードへの移行(図のCのルート)、その逆
のカスタマーシミュレーションモードからTECH REPモー
ドへの移行(図のDのルート)はそれぞれ所定の操作に
より行うことができる。また、TECH REPモードはダイア
グエグゼクティブモジュール88(第4図)が行うのでコ
ントロール権、UIマスター権は共にMCBノードが有して
いるが、カスタマーシミュレーションモードはSYS.DIAG
モジュール83(第4図)の制御の基で通常のコピー動作
を行うので、コントロール権、UIマスター権は共にSYS
ノードが有する。
(II)具体的な各部の構成 (II−1)システム 第10図はシステムと他のリモートとの関係を示す図で
ある。
前述したように、リモート71にはSYSUIモジュール81
とSYSTEMモジュール82が搭載され、SYSUI81とSYSTEMモ
ジュール82間はモジュール間インタフェースによりデー
タの授受が行われ、またSYSTEMモジュール82とIIT73、I
PS74との間はシリアル通信インタフェースで接続され、
MCB75、ROS76、RAIB79との間はLNET高速通信網で接続さ
れている。
次にシステムのモジュール構成について説明する。
第11図はシステムのモジュール構成を示す図である。
本複写機においては、IIT、IPS、IOT等の各モジュー
ルは部品のように考え、これらをコントロールするシス
テムの各モジュールは頭脳を持つように考えている。そ
して、分散CPU方式を採用し、システム側ではパーオリ
ジナル処理およびジョブプログラミング処理を担当し、
これに対応してイニシャライズステート、スタンバイス
テート、セットアップステート、サイクルステートを管
理するコントロール権、およびこれらのステートでUIを
使用するUIマスター権を有しているので、それに対応す
るモジュールでシステムを構成している。
システムメイン100は、SYSUIやMCB等からの受信デー
タを内部バッファに取り込み、また内部バッファに格納
したデータをクリアし、システムメイン100の下位の各
モジュールをコールして処理を渡し、システムステート
の更新処理を行っている。
M/Cイニシャライズコントロールモジュール101は、パ
ワーオンしてからシステムがスタンバイ状態になるまで
のイニシャライズシーケンスをコントロールしており、
CBによるパワーオン後の各種テストを行うパワーオン処
理が終了すると起動される。
M/Cセットアップコントロールモジュール103はスター
トキーが押されてから、コピーレイアーの処理を行うMC
Bを起動するまでのセットアップシーケンスをコントロ
ールし、具体的にはSYSUIから指示されたFEATURE(使用
者の要求を達成するためのM/Cに対する指示項目)に基
づいてジョブモードを作成し、作成したジョブモードに
従ってセットアップシーケンスを決定する。
第12図(a)に示すように、ジョブモードの作成は、
F/Fで指示されたモードを解析し、ジョブを切り分けて
いる。この場合ジョブとは、使用者の要求によりM/Cが
スタートしてから要求通りのコピーが全て排出され、停
止されるまでのM/C動作を言い、使用者の要求に対して
作業分割できる最小単位、ジョブモードの集合体であ
る。例えば、嵌め込み合成の場合で説明すると、第12図
(b)に示すように、ジョブモードは削除と移動、抽出
とからなり、ジョブはこれらのモードの集合体となる。
また、第12図(c)に示すようにADF原稿3枚の場合に
おいては、ジョブモードはそれぞれ原稿1、原稿2、原
稿3に対するフィード処理であり、ジョブはそれらの集
合となる。
そして、自動モードの場合はドキュメントスキャン、
ぬり絵モード時はプレスキャン、マーカー編集モードの
時はプレスキャン、色検知モードの時はサンプルスキャ
ンを行い(プレスキャンは最高3回)、またコピーサイ
クルに必要なコピーモードをIIT、IPS、MCBに対して配
付し、セットアップシーケンス終了時MCBを起動する。
M/Cスタンバイコントロールモジュール102はM/Cスタ
ンバイ中のシーケンスをコントロールし、具体的にはス
タートキーの受付、色登録のコントロール、ダイアグモ
ードのエントリー等を行っている。
M/Cコピーサイクルコントロールモジュール104はMCB
が起動されてから停止するまでのコピーシーケンスをコ
ントロールし、具体的には用紙フィードカウントの通
知、JOBの終了を判断してIITの立ち上げ要求、MCBの停
止を判断してIPSの立ち下げ要求を行う。
また、M/C停止中、あるいは動作中に発生するスルー
コマンドを相手先リモートに通知する機能を果たしてい
る。
フォールトコントロールモジュール106はIIT、IPSか
らの立ち下げ要因を監視し、要因発生時にMCBに対して
立ち下げ要求し、具体的にはIIT、IPSからのフェイルコ
マンドによる立ち下げを行い、またMCBからの立ち下げ
要求が発生後、M/C停止時のリカバリーを判断して決定
し、例えばMCBからのジャムコマンドによりリカバリー
を行っている。
コミニュケーションコントロールモジュール107はIIT
からIITレディ信号の設定、イメージエリアにおける通
信のイネーブル/ディスエイブルを設定している。
DIAGコントロールモジュール108は、DIAGモードにお
いて、入力チェックモード、出力チェックモード中のコ
ントロールを行っている。
次に、これらの各モジュール同士、あるいは他のサブ
システムとのデータの授受について説明する。
第13図はシステムと各リモートとのデータフロー、お
よびシステム内モジュール間データフローを示す図であ
る。図のA〜Nはシリアル通信を、Zはホットライン
を、〜はモジュール間データを示している。
SYSUIリモートとイニシャライズコントロール部101と
の間では、SYSUIからはCRTの制御権をSYSTEM NODEを渡
すTOKENコマンドが送られ、一方イニシャライズコント
ロール部101からはコンフィグコマンドが送られる。
SYSUIリモートとスタンバイコントロール部102との間
では、SYSUIからはモードチェンジコマンド、スタート
コピーコマンド、ジョブキャンセルコマンド、色登録リ
クエストコマンド、トレイコマンドが送られ、一方スタ
ンバイコントロール部102からはM/Cステータスコマン
ド、トレイステータスコマンド、トナーステータスコマ
ンド、回収ボトルステータスコマンド、色登録ANSコマ
ンド、TOKENコマンドが送られる。
SYSUIリモートとセットアップコントロール部103との
間では、セットアップコントロール部103からはM/Cステ
ータスコマンド(プログレス)、APMSステータスコマン
ドが送られ、一方SYSUIリモートからはストップリクエ
ストコマンド、インターラプトコマンドが送られる。
IPSリモートとイニシャライズコントロール部101との
間では、IPSリモートからはイニシャライズエンドコマ
ンドが送られ、イニシャライズコントロール部101から
はNVMパラメータコマンドが送られる。
IITリモートとイニシャライズコントロール部101との
間では、IITリモートからはIITレディコマンド、イニシ
ャライズコントロール部101からはNVMパラメータコマン
ド、INITIALIZEコマンドが送られる。
IPSリモートとスタンバイコントロール部102との間で
は、IPSリモートからイニシャライズフリーハンドエリ
ア、アンサーコマンド、リムーヴエリアアンサーコマン
ド、カラー情報コマンドが送られ、スタンバイコントロ
ール部102からはカラー検出ポイントコマンド、イニシ
ャライズフリーハンドエリアコマンド、リムーヴエリア
コマンドが送られる。
IPSリモートとセットアップコントロール部103との間
では、IPSリモートからIPSレディコマンド、ドキュメン
ト情報コマンドが送られ、セットアップコントロール部
103スキャン情報コマンド、基本コピーモードコマン
ド、エディットモードコマンド、M/Cストップコマンド
が送られる。
IITリモートとスタンバイコントロール部102との間で
は、IITリモートからプレスキャンが終了したことを知
らせるIITレディコマンドが送られ、スタンバイコント
ロール部102からサンプルスキャンスタートコマンド、
イニシャライズコマンドが送られる。
IITリモートとセットアップコントロール部103との間
では、IITリモートからはIITレディコマンド、イニシャ
ライズエンドコマンドが送られ、セットアップコントロ
ール部103からはドキュメントスキャンスタートコマン
ド、サンプルスキャンスタートコマンド、コピースキャ
ンスタートコマンドが送られる。
MCBリモートとスタンバイコントロール部102との間で
は、スタンバイコントロール部102からイニシャライズ
サブシステムコマンド、スタンバイセレクションコマン
ドが送られ、MCBリモートからはサブシステムステータ
スコマンドが送られる。
MCBリモートとセットアップコントロール部103との間
では、セットアップコントロール部103からスタートジ
ョブコマンド、IITレディコマンド、ストップジョブコ
マンド、デクレアシステムフォールトコマンドが送ら
れ、MCBリモートからIOTスタンバイコマンド、デクレア
MCBフォールトコマンドが送られる。
MCBリモートとサイクルコントロール部104との間で
は、サイクルコントロール部104からストップジョブコ
マンドが送られ、MCBリモートからはMADEコマンド、レ
ディフォアネクストジョブコマンド、ジョブデリヴァー
ドコマンド、IOTスタンバイコマンドが送られる。
MCBリモートとフォールトコントロール部106との間で
は、フォールトコントロール部106からデクレアシステ
ムフォールトコマンド、システムシャットダウン完了コ
マンドが送られ、MCBリモートからデクレアMCBフォール
トコマンド、システムシャットダウンコマンドが送られ
る。
IITリモートとコミニュケーションコントロール部107
との間では、IITリモートからスキャンレディ信号、イ
メージエリア信号が送られる。
次に各モジュール間のインターフェースについて説明
する。
システムメイン100から各モジュール(101〜107)に
対して受信リモートNO.及び受信データが送られて各モ
ジュールがそれぞれのリモートとのデータ授受を行う。
一方、各モジュール(101〜107)からシステムメイン10
0に対しては何も送られない。
イニシャライズコントロール部101は、イニシャライ
ズ処理が終了するとフォルトコントロール部106、スタ
ンバイコントロール部102に対し、それぞれシステムス
テート(スタンバイ)を通知する。
コミニュケーションコントロール部107は、イニシャ
ライズコントロール部101、スタンバイコントロール部1
02、セットアップコントロール部103、コピーサイクル
コントロール部104、フォルトコントロール部106に対
し、それぞれ通信可否情報を通知する。
スタンバイコントロール部102は、スタートキーが押
されるとセットアップコントロール部103に対してシス
テムステート(プログレス)を通知する。
セットアップコントロール部103は、セットアップが
終了するとコピーサイクルコントロール部104に対して
システムステート(サイクル)を通知する。
(II−2)イメージ入力ターミナル(IIT) (A)原稿走査機構 第14図は、原稿走査機構の斜視図を示し、イメージン
グユニット37は、2本のスライドシャフト202、203上に
移動自在に載置されると共に、両端はワイヤ204、205に
固定されている。このワイヤ204、205はドライブプーリ
206、207とテンションプーリ208、209に巻回され、テン
ションプーリ208、209には、図示矢印方向にテンション
がかけられている。前記ドライブプーリ206、207が取付
けられるドライブ軸210には、減速プーリ211が取付ら
れ、タイミングベルト212を介してステッピングモータ2
13の出力軸214に接続されている。なお、リミットスイ
ッチ215、216はイメージングユニット37の異常動作を検
出するセンサであり、レジセンサ217は、原稿読取開始
位置の基準点を設定するためのセンサである。
1枚の4色カラーコピーを得るためには、イメージン
グユニット37は4回のスキャンを繰り返す必要がある。
この場合、4回のスキャン内に同期ズレ、位置ズレをい
かに少なくさせるかが大きな課題であり、そのために
は、イメージングユニット37の停止位置の変動を抑え、
ホームポジションからレジ位置までの到達時間の変動を
抑えることおよびスキャン速度の変動を抑えることが重
要である。そのためにステッピングモータ213を採用し
ている。しかしながら、ステッピングモータ213はDCサ
ーボモータに比較して振動、騒音が大きいため、高画質
化、高速化に種々の対策を採っている。
(B)ステッピングモータの制御方式 ステッピングモータ213は、モータ巻線を5角形に結
線し、その接続点をそれぞれ2個のトランジスタによ
り、電源のプラス側またはマイナス側に接続するように
し、10個のスイッチングトランジスタでバイポーラ駆動
を行うようにしている。また、モータに流れる電流値を
フィードバックし、モータに流す電流を一定にするよう
にコントロールしながら駆動している。
第15図(a)はステッピングモータ213により駆動さ
れるイメージングユニット37のスキャンサイクルを示し
ている。図は倍率50%すなわち最大移動速度でフォワー
ドスキャン、バックスキャンさせる場合に、イメージン
グユニット37の速度すなわちステッピングモータに加え
られる周波数と時間の関係を示している。加速時は同図
(b)に示すように、例えば259Hzを逓倍してゆき、最
大11〜12KHz程度にまで増加させる。このようにパルス
列に規則性を持たせることによりパルス生成を簡単にす
る。そして、同図(a)に示すように、259pps/3.9msで
階段状に規則的な加速を行い台形プロファイルを作るよ
うにしている。また、フォワードスキャンとバックスキ
ャンの間には休止時間を設け、IITメカ系の振動が減少
するの待ち、またIOTにおける画像出力と同期させるよ
うにしている。本実施例においては加速度を0.7Gにし従
来のものと比較して大にすることによりスキャンサイク
ル時間を短縮させている。
前述したようにカラー原稿を読み取る場合には、4回
スキャンの位置ズレ、システムとしてはその結果として
の色ズレ或いは画像のゆがみをいかに少なくさせるかが
大きな課題である。第15図(c)〜(e)は色ずれの原
因を説明するための図で、同図(c)はイメージングユ
ニットがスキャンを行って元の位置に停止する位置が異
なることを示しており、次のスタートするときにレジ位
置までの時間がずれて色ずれが発生する。また、同図
(d)に示すように、4スキャン内でのステッピングモ
ータの過度振動(定常速度に至るまでの速度変動)によ
り、レジ位置に到達するまでの時間がずれて色ずれが発
生する。また、同図(e)はレジ位置通過後テールエッ
ジまでの定速走査特性のバラツキを示し、1回目のスキ
ャンの速度変動のバラツキが2〜4回目のスキャンの速
度変動のバラツキよりも大きいことを示している。従っ
て、例えば1回目のスキャン時には、色ずれの目立たな
いYを現像させるようにしている。
上記した色ずれの原因は、タイミングベルト212、ワ
イヤ204、205の経時変化、スライドパッドとスライドレ
ール202、203間の粘性抵抗等の機械的な不安定要因が考
えられる。
(C)IITのコントロール方式 IITリモートは、各種コピー動作のためのシーケンス
制御、サービスサポート機能、自己診断機能、フェイル
セイフ機能を有している。IITのシーケンス制御は、通
常スキャン、サンプルスキャン、イニシャライズに分け
られる。IIT制御のための各種コマンド、パラメータ
は、SYSリモート71よりシリアル通信で送られてくる。
第16図(a)は通常スキャンのタイミングチャートを
示している。スキャン長データは、用紙長と倍率により
0〜432mm(1mmステップ)が設定され、スキャン速度は
倍率(50%〜400%)により設定され、プリスキャン長
(停止位置からレジ位置までの距離)データも、倍率
(50%〜400%)により設定される。スキャンコマンド
を受けると、FL−ON信号により蛍光灯を点灯させると共
に、SCN−RDY信号によりモータドライバをオンさせ、所
定のタイミング後シェーディング補正パルスWHT−REFを
発生させてスキャンを開始する。レジセンサを通過する
と、イメージエリア信号IMG−AREAが所定のスキャン長
分ローレベルとなり、これと同期してIIT−PS信号がIPS
に出力される。
第16図(b)はサンプルスキャンのタイミングチャー
トを示している。サンプルスキャンは、色変換時の色検
知、F/Pを使用する時の色バランス補正およびシェーデ
ィング補正に使用される。レジ位置からの停止位置、移
動速度、微小動作回数、ステップ間隔のデータにより、
目的のサンプル位置に行って一時停止または微小動作を
複数回繰り返した後、停止する。
第16図(c)はイニシャライズのタイミングチャート
を示している。電源オン時にSYSリモートよりコマンド
を受け、レジセンサの確認、レジセンサによるイメージ
ングユニット動作の確認、レジセンサによるイメージン
グユニットのホーム位置の補正を行う。
(D)イメージングユニット 第17図は前記イメージングユニット37の断面図を示
し、原稿220は読み取られるべき画像面がプラテンガラ
ス31上に下向きにセットされ、イメージングユニット37
がその下面を図示矢印方向へ移動し、30W昼光色螢光灯2
22および反射鏡223により原稿面を露光する。そして、
原稿220からの反射光をセルフォックレンズ224、シアン
フィルタ225を通過させることにより、CCDラインセンサ
226の受光面に正立等倍像を結像させる。セルフォック
スレンズ224は4列のファイバーレンズからなる複眼レ
ンズであり、明るく解像度が高いために、光源の電力を
低く抑えることができ、またコンパクトになるという利
点を有する。また、イメージングユニット37には、CCD
ラインセンサドライブ回路、CCDラインセンサ出力バッ
ファ回路等を含む回路基板227が搭載される。なお、228
はランプヒータ、229は照明電源用フレキシブルケーブ
ル、230は制御信号用フレキシブルケーブルを示してい
る。
第18図は前記CCDラインセンサ226の配置例を示し、同
図(a)に示すように、5個のCCDラインセンサ226a〜2
26eを主走査方向Xに千鳥状に配置している。これは一
本のラインセンサにより、多数の受光素子を欠落なくか
つ感度を均一に形成することが困難であり、また、複数
のラインセンサを1ライン上に並べた場合には、ライン
センサの両端まで画素を構成することが困難で、読取不
能領域が発生するからである。
このCCDラインセンサ226のセンサ部は、同図(b)に
示すように、CCDラインセンサ226の各画素の表面にR、
G、Bの3色フィルタをこの順に繰り返して配列し、隣
りあった3ビットで読取時の1画素を構成している。各
色の読取画素密度を16ドット/mm、1チップ当たりの画
素数を2928とすると、1チップの長さが2928/(16×
3)=61mmとなり、5チップ全体で61×5=305mmの長
さとなる。従って、これによりA3版の読取りが可能な等
倍系のCCDラインセンサが得られる。また、R、G、B
の各画素を45度傾けて配置し、モアレを低減している。
このように、複数のCCDラインセンサ226a〜226eを千
鳥状に配置した場合、隣接したCCDラインセンサが相異
なる原稿面を走査することになる。すなわち、CCDライ
ンセンサの主走査方向Xと直交する副走査方向YにCCD
ラインセンサを移動して原稿を読み取ると、原稿を先行
して走査する第1列のCCDラインセンサ226b、226dから
の信号と、それに続く第2列のCCDラインセンサ226a、2
26c、226eからの信号との間には、隣接するCCDラインセ
ンサ間の位置ずれに相当する時間的なずれを生じる。
そこで、複数のCCDラインセンサで分割して読み取っ
た画像信号から1ラインの連続信号を得るためには、少
なくとも原稿を先行して走査する第1列のCCDラインセ
ンサ226b、226dからの信号を記憶せしめ、それに続く第
2列のCCDラインセンサ226a、226c、226eからの信号出
力に同期して読みだすことが必要となる。この場合、例
えば、ずれ量が250μmで、解像度が16ドット/mmである
とすると、4ライン分の遅延が必要となる。
また、一般に画像読取装置における縮小拡大は、主走
査方向はIPSでの間引き水増し、その他の処理により行
い、副走査方向はイメージングユニット37の移動速度の
増減により行っている。そこで、画像読取装置における
読取速度(単位時間当たりの読取ライン数)は固定と
し、移動速度を変えることにより副走査方向の解像度を
変えることになる。すなわち、例えば縮拡率100%時に1
6ドット/mmの解像度であれば、 の如き関係となる。従って縮拡率の増加につれて解像度
が上がることになり、よって、前記の千鳥配列の差250
μmを補正するための必要ラインメモリ数も増加するこ
とになる。
(E)ビデオ信号処理回路 次に第19図により、CCDラインセンサ226を用いて、カ
ラー原稿をR、G、B毎に反射率信号として読取り、こ
れを濃度信号としてのデジタル値に変換するためのビデ
オ信号処理回路について説明する。
原稿は、イメージングユニット37内の5個のCCDライ
ンセンサ226により、原稿を5分割に分けて5チャンネ
ルで、R、G、Bに色分解されて読み取られ、それぞれ
増幅回路231で所定レベルに増幅されたのち、ユニッ
ト、本体間を結ぶ伝送ケーブルを介して本体側の回路へ
伝送される(第20図231a)。次いでサンプルホールド回
路SH232において、サンプルホールドパルスSHPにより、
ノイズを除去して波形処理を行う(第20図232a)。とこ
ろがCCDラインセンサの光電変換特性は各画素毎、各チ
ップ毎に異なるために、同一の濃度の原稿を読んでも出
力が異なり、これをそのまま出力すると画像データにス
ジやムラが生じる。そのために各種の補正処理が必要と
なる。
ゲイン調整回路AGC(AUTOMATIC GAIN CONTROL)233
は、各センサの出力をA/D変換器235の入力信号レンジに
見合う大きさまで増幅するための回路で、原稿の読み取
り以前に予め各センサで白のリファランスデータを読み
取り、これをディジタル化してシェーディングRAM240に
格納し、このデータがSYSリモート71(第3図)におい
て所定の基準値と比較判断され、適当な増幅率が決定さ
れてそれに見合うディジタルデータがD/A変換されてAGC
233に送られることにより各々のゲインが自動的に設定
されている。
オフセット調整回路AOC(AUTOMATIC OFSET CONTROL)
234は、黒レベル調整と言われるもので、各センサの暗
時出力電圧を調整する。そのために、螢光灯を消灯させ
て暗時出力を各センサにより読取り、このデータをデジ
タル化してシェーディングRAM240に格納し、この1ライ
ン分のデータはSYSリモート71(第3図)において所定
の基準値と比較判断され、オフセット値をD/A変換してA
OC234に出力し、オフセット電圧を256段階に調節してい
る。このAOCの出力は、第20図234aに示すように最終的
に読み取る原稿濃度に対して出力濃度が規定値になるよ
うに調整している。
このようにしてA/D変換器235でデジタル値に変換され
(第20図235a)たデータは、GBRGBR………と連なる8ビ
ットデータ列の形で出力される。遅延量設定回路236
は、複数ライン分が格納されるメモリで、FIFO構成をと
り、原稿を先行して走査する第1列のCCDラインセンサ2
26b、226dからの信号を記憶せしめ、それに続く第2列
のCCDラインセンサ226a、226c、226eからの出力信号に
同期して出力している。
分離合成回路237は、各CCDラインセンサ毎にR、G、
Bのデータを分離した後、原稿の1ライン分を各CCDラ
インセンサのR、G、B毎にシリアルに合成して出力す
るものである。変換器238は、ROMから構成され、対数変
換テーブルLUT“1"が格納されており、デジタル値をROM
のアドレス信号として入力すると、対数変換テーブルLU
T“1"でR、G、Bの反射率の情報が濃度の情報に変換
される。
次にシェーディング補正回路239について説明する。
シェーディング特性は、光源の配光特性にバラツキがあ
ったり、蛍光灯の場合に端部において光量が低下した
り、CCDラインセンサの各ビット間に感度のバラツキが
あったり、また、反射鏡等の汚れがあったりすると、こ
れらに起因して現れるものである。
そのために、シェーディング補正開始時に、CCDライ
ンセンサにシェーディング補正の基準濃度データとなる
白色板を照射したときの反射光を入力し、上記信号処理
回路にてA/D変換およびログ変換を行い、この基準濃度
データlog(Ri)をラインメモリ240に記憶させておく。
次に原稿を走査して読取った画像データlog(Di)から
前記基準濃度データlog(Ri)を減算すれば、 log(Di)−log(Ri)=log(Di/Ri) となり、シェーディング補正された各画素のデータの対
数値が得られる。このようにログ変換した後にシェーデ
ィング補正を行うことにより、従来のように複雑かつ大
規模な回路でハードロジック除算器を組む必要もなく、
汎用の全加算器ICを用いることにより演算処理を簡単に
行うことができる。
(II−3)イメージ処理システム(IPS) (A)IPSのモジュール構成 第21図はIPSのモジュール構成の概要を示す図であ
る。
カラー画像形成装置では、IIT(イメージ入力ターミ
ナル)においてCCDラインセンサーを用いて光の原色B
(青)、G(緑)、R(赤)に分解してカラー原稿を読
み取ってこれをトナーの原色Y(イエロー)、M(マゼ
ンタ)、C(シアン)、さらにはK(黒又は墨)に変換
し、IOT(イメージ出力ターミナル)においてレーザビ
ームによる露光、現像を行いカラー画像を再現してい
る。この場合、Y、M、C、Kのそれぞれのトナー像に
分解してYをプロセスカラーとするコピープロセス(ピ
ッチ)を1回、同様にM、C、Kについてもそれぞれを
プロセスカラーとするコピーサイクルを1回ずつ、計4
回のコピーサイクルを実行し、これらの網点による像を
重畳することによってフルカラーによる像を再現してい
る。したがって、カラー分解信号(B、G、R信号)を
トナー信号(Y、M、C、K信号)に変換する場合にお
いては、その色のバランスをどう調整するかやIITの読
み取り特性およびIOTの出力特性に合わせてその色をど
う再現するか、濃度やコントラストのバランスをどう調
整するか、エッジの強調やボケ、モアレをどう調整する
か等が問題になる。
IPSは、IITからB、G、Rのカラー分解信号を入力
し、色の再現性、階調の再現性、精細度の再現性等を高
めるために種々のデータ処理を施して現像プロセスカラ
ーのトナー信号をオン/オフに変換しIOTに出力するも
のであり、第21図に示すようにEND変換(Equivalent Ne
utral Density;等価中性濃度変換)モジュール301、カ
ラーマスキングモジュール302、原稿サイズ検出モジュ
ール303、カラー変換モジュール304、UCR(Under Color
Removal;下色除去)&黒生成モジュール305、空間フィ
ルター306、TRC(Tone Reproduction Control;色調補正
制御)モジュール307、縮拡処理モジュール308、スクリ
ーンジェネレータ309、IOTインターフェースモジュール
310、領域生成回路やスイッチマトリクスを有する領域
画像制御モジュール311、エリアコマンドメモリ312やカ
ラーパレットビデオスイッチ回路313やフォントバッフ
ァ314等を有する編集制御モジュール等からなる。
そして、IITからB、G、Rのカラー分解信号につい
て、それぞれ8ビットデータ(256階調)をEND変換モジ
ュール301に入力し、Y、M、C、Kのトナー信号に変
換した後、プロセスカラーのトナー信号Xをセレクト
し、これを2値化してプロセスカラーのトナー信号のオ
ン/オフデータとしIOTインターフェースモジュール310
からIOTに出力している。したがって、フルカラー(4
カラー)の場合には、プリスキャンでまず原稿サイズ検
出、編集領域の検出、その他の原稿情報を検出した後、
例えばまず初めにプロセスカラーのトナー信号XをYと
するコピーサイクル、続いてプロセスカラーのトナー信
号XをMとするコピーサイクルを順次実行する毎に、4
回の原稿読み取りスキャンに対応した信号処理を行って
いる。
IITでは、CCDセンサーを使いB、G、Rのそれぞれに
ついて、1ピクセルを16ビット/mmのサイズで読み取
り、そのデータを24ビット(3色×8ビット;256階調)
で出力している。CCDセンサーは、上面にB、G、Rの
フィルターが装着されていて16ドット/mmの密度で300mm
の長さを有し、190.5mm/secのプロセススピードで16ラ
イン/mmのスキャンを行うので、ほぼ各色につき毎秒15M
ピクセルの速度で読み取りデータを出力している。そし
て、IITでは、B、G、Rの画素のアナログデータをロ
グ変換することによって、反射率の情報から濃度の情報
に変換し、さらにデジタルデータに変換している。
次に各モジュールについて説明する。
第22図はIPSを構成する各モジュールを説明するため
の図である。
(イ)END変換モジュール END変換モジュール301は、IITで得られたカラー原稿
の光学読み取り信号をグレーバランスしたカラー信号に
調整(変換)するためのモジュールである。カラー画像
のトナーは、グレーの場合に等量になりグレーが基準と
なる。しかし、IITからグレーの原稿を読み取ったとき
に入力するB、G、Rのカラー分解信号の値は光源や色
分解フィルターの分光特性等が理想的でないため等しく
なっていない。そこで、第22図(a)に示すような変換
テーブル(LUT;ルックアップテーブル)を用いてそのバ
ランスをとるのがEND変換である。したがって、変換テ
ーブルは、グレイ原稿を読み取った場合にそのレベル
(黒→白)に対応して常に等しい階調でB、G、Rのカ
ラー分解信号に変換して出力する特性を有するものであ
り、IITの特性に依存する。また、変換テーブルは、16
面用意され、そのうち11面がネガフィルムを含むフィル
ムフプロジェクター用のテーブルであり、3面が通常の
コピー用、写真用、ジェネレーションコピー用のテーブ
ルである。
(ロ)カラーマスキングモジュール カラーマスキングモジュール302は、B、G、R信号
をマトリクス演算することによりY、M、Cのトナー量
に対応する信号に変換するものであり、END変換により
グレーバランス調整を行った後の信号を処理している。
カラーマスキングに用いる変換マトリクスには、純粋
にB、G、RからそれぞれY、M、Cを演算する3×3
のマトリクスを用いているが、B、G、Rだけでなく、
BG、GR、RB、B2、G2、R2の成分も加味するため種々のマ
トリクスを用いたり、他のマトリクスを用いてもよいこ
とは勿論である。変換マトリクスとしては、通常のカラ
ー調整用とモノカラーモードにおける強度信号生成用の
2セットを保有している。
このように、IITのビデオ信号についてIPSで処理する
に際して、何よりもまずグレーバランス調整を行ってい
る。これを仮にカラーマスキングの後に行うとすると、
カラーマスキングの特性を考慮したグレー原稿によるグ
レーバランス調整を行わなければならないため、その変
換テーブルがより複雑になる。
(ハ)原稿サイズ検出モジュール 定型サイズの原稿は勿論のこと切り張りその他任意の
形状の原稿をコピーする場合もある。この場合に、原稿
サイズに対応した適切なサイズの用紙を選択するために
は、原稿サイズを検出する必要がある。また、原稿サイ
ズよりコピー用紙が大きい場合に、原稿の外側を消すと
コピーの出来映えをよいものとすることができる。その
ため、原稿サイズ検出モジュール303は、プリスキャン
時の原稿サイズ検出と原稿読み取りスキャン時のプラテ
ンカラーの消去(枠消し)処理とを行うものである。そ
のために、プラテンカラーは原稿との識別が容易な色例
えば黒にし、第22図(b)に示すようにプラテンカラー
識別の上限値/下限値をスレッショルドレジスタ3031に
セットする。そして、プリスキャン時は、原稿の反射率
に近い情報に変換(γ変換)した信号(後述の空間フィ
ルター306の出力を用いる)Xとスレッショルドレジス
タ3031にセットされた上限値/下限値とをコンパレータ
3032で比較し、エッジ検出回路3034で原稿のエッジを検
出して座標(x,y)の最大値と最小値とを最大/最小ソ
ータ3035に記憶する。
例えば第22図(d)に示すように原稿が傾いている場
合や矩形でない場合には、上下左右の最大値と最小値
(x1,x2、y1,y)が検出、記憶される。また、原稿読み
取りスキャン時は、コンパレータ3033で原稿のY、M、
Cとスレッショルドレジスタ3031にセットされた上限値
/下限値とを比較し、プラテンカラー消去回路3036でエ
ッジの外側、即ちプラテンの読み取り信号を消去して枠
消し処理を行う。
(ニ)カラー変換モジュール カラー変換モジュール305は、特定の領域において指
定されたカラーを変換できるようにするものであり、第
22図(c)に示すようにウインドコンパレータ3052、ス
レッショルドレジスタ3051、カラーパレット3053等を備
え、カラー変換する場合に、被変換カラーの各Y、M、
Cの上限値/下限値をスレッショルドレジスタ3051にセ
ットすると共に変換カラーの各Y、M、Cの値をカラー
パレット3053にセットする。そして、領域画像制御モジ
ュールから入力されるエリア信号にしたがってナンドゲ
ート3054を制御し、カラー変換エリアでない場合には原
稿のY、M、Cをそのままセレクタ3055から送出し、カ
ラー変換エリアに入ると、原稿のY、M、C信号がスレ
ッショルドレジスタ3051にセットされたY、M、Cの上
限値と下限値の間に入るとウインドコンパレータ3052の
出力でセレクタ3055を切り換えてカラーパレット3053に
セットされた変換カラーのY、M、Cを送出する。
指定色は、ディジタイザで直接原稿をポイントするこ
とにより、プリスキャン時に指定された座標の周辺の
B、G、R各25画素の平均をとって指定色を認識する。
この平均操作により、例えば150線原稿でも色差5以内
の精度で認識可能となる。B、G、R濃度データの読み
取りは、IITシェーディング補正RAMより指定座標をアド
レスに変換して読み出し、アドレス変換に際しては、原
稿サイズ検知と同様にレジストレーション調整分の再調
整が必要である。プリスキャンでは、IITはサンプルス
キャンモードで動作する。シェーディング補正RAMより
読み出されたB、G、R濃度データは、ソフトウエアに
よりシェーディング補正された後、平均化され、さらに
END補正、カラーマスキングを実行してからウインドコ
ンパレータ3052にセットされる。
登録色は、1670万色中より同時に8色までカラーパレ
ット3053に登録を可能にし、標準色は、Y、M、C、
G、B、Rおよびこれらの中間色とK、Wの14色を用意
している。
(ホ)UCR&黒生成モジュール Y、M、Cが等量である場合にはグレーになるので、
理論的には、等量のY、M、Cを黒に置き換えることに
よって同じ色を再現できるが、現実的には、黒に置き換
えると色に濁りが生じ鮮やかな色の再現性が悪くなる。
そこで、UCR&黒生成モジュール305では、このような色
の濁りが生じないように適量のKを生成し、その量に応
じてY、M、Cを等量減ずる(下色除去)処理を行う。
具体的には、Y、M、Cの最大値と最小値とを検出し、
その差に応じて変換テーブルより最小値以下でKを生成
し、その量に応じY、M、Cについて一定の下色除去を
行っている。
UCR&黒生成では、第22図(e)に示すように例えば
グレイに近い色になると最大値と最小値との差が小さく
なるので、Y、M、Cの最小値相当をそのまま除去して
Kを生成するが、最大値と最小値との差が大きい場合に
は、除去の量をY、M、Cの最小値よりも少なくし、K
の生成量も少なくすることによって、墨の混入および低
明度高彩度色の彩度低下を防いでいる。
具体的な回路構成例を示した第22図(f)では、最大
値/最小値検出回路3051によりY、M、Cの最大値と最
小値とを検出し、演算回路3053によりその差を演算し、
変換テーブル3054と演算回路3055によりKを生成する。
変換テーブル3054がKの値を調整するものであり、最大
値と最小値の差が小さい場合には、変換テーブル3054の
出力値が零になるので演算回路3055から最小値をそのま
まKの値として出力するが、最大値と最小値の差が大き
い場合には、変換テーブル3054の出力値が零でなくなる
ので演算回路3055で最小値からその分減算された値をK
の値として出力する。変換テーブル3056がKに対応して
Y、M、Cから除去する値を求めるテーブルであり、こ
の変換テーブル3056を通して演算回路3059でY、M、C
からKに対応する除去を行う。また、アンドゲート305
7、3058はモノカラーモード、4フルカラーモードの各
信号にしたがってK信号およびY、M、Cの下色除去し
た後の信号をゲートするものであり、セレクタ3052、30
50は、プロセスカラー信号によりY、M、C、Kのいず
れかを選択するものである。このように実際には、Y、
M、Cの網点で色を再現しているので、Y、M、Cの除
去やKの生成比率は、経験的に生成したカーブやテーブ
ル等を用いて設定されている。
(ヘ)空間フィルターモジュール 本複写機に適用される装置では、先に述べたようにII
TでCCDをスキャンしながら原稿を読み取るので、そのま
まの情報を使うとボケた情報になり、また、網点により
原稿を再現しているので、印刷物の網点周期と16ドット
/mmのサンプリング周期との間でモアレが生じる。ま
た、自ら生成する網点周期と原稿の網点周期との間でも
モアレが生じる。空間フィルターモジュール306は、こ
のようなボケを回復する機能とモアレを除去する機能を
備えたものである。そして、モアレ除去には網点成分を
カットするためローパスフィルタが用いられ、エッジ強
調にはハイパスフィルタが用いられている。
空間フィルターモジュール306は、第22図(g)に示
すようにY、M、C、MinおよびMax−Minの入力信号の
1色をセレクタ3003で取り出し、変換テーブル3004を用
いて反射率に近い情報に変換する。この情報の方がエッ
ジを拾いやすいからであり、その1色としては例えばY
をセレクトしている。また、スレッショルドレジスタ30
01、4ビットの2値化回路3002、デコーダ3005を用いて
画素毎に、Y、M、C、MinおよびMax−MinからY、
M、C、K、B、G、R、W(白)の8つに色相分離す
る。同図(g)のデコーダ3005は、2値化情報に応じて
色相を認識してプロセスカラーから必要色か否かを1ビ
ットの情報で出力するものである。
第22図(g)の出力は、第22図(h)の回路に入力さ
れる。ここでは、FIFO3061と5×7デジタルフィルタ30
63、モジュレーションテーブル3066により網点除去の情
報を生成し、FIFO3062と5×7デジタルフィルタ3064、
モジュレーションテーブル3067、ディレイ回路3065によ
り同図(g)の出力情報からエッジ強調情報を生成す
る。モジュレーションテーブル3066、3067は、写真や文
字専用、混在等のコピーのモードに応じてセレクトされ
る。
エッジ強調では、例えば第22図(i)のような緑の
文字をのように再現しようとする場合、Y、Cを、
のように強調処理し、Mは実線のように強調処理し
ない。このスイッチングを同図(h)のアンドゲート30
68で行っている。この処理を行うには、の点線のよう
に強調すると、のようにエッジのMの混色による濁り
が生じる。同図(h)のディレイ回路3065は、このよう
な強調をプロセスカラー毎にアンドゲート3068でスイッ
チングするためにFIFO3062と5×7デジタルフィルタ30
64との同期を図るものである。鮮やかな緑の文字を通常
の処理で再生すると、緑の文字にマゼンタが混じり濁り
が生じる。そこで、上記のようにして緑と認識すると
Y、Cは通常通り出力するが、Mは抑えエッジ強調をし
ないようにする。
(ト)TRC変換モジュール IOTは、IPSからのオン/オフ信号にしたがってY、
M、C、Kの各プロセスカラーにより4回のコピーサイ
クル(4フルカラーコピーの場合)を実行し、フルカラ
ー原稿の再生を可能にしているが、実際には、信号処理
により理論的に求めたカラーを忠実に再現するには、IO
Tの特性を考慮した微妙な調整が必要である。TRC変換モ
ジュール309は、このような再現性の向上を図るための
ものであり、Y、M、Cの濃度の各組み合わせにより、
第22図(j)に示すように8ビット画像データをアドレ
ス入力とするアドレス変換テーブルをRAMに持ち、エリ
ア信号に従った濃度調整、コントラスト調整、ネガポジ
反転、カラーバランス調整、文字モード、すかし合成等
の編集機能を持っている。このRAMアドレス上位3ビッ
トにはエリア信号のビット0〜ビット3が使用される。
また、領域外モードにより上記機能を組み合わせて使用
することもできる。なお、このRAMは、例えば2kバイト
(256バイト×8面)で構成して8面の変換テーブルを
保有し、Y、M、Cの各サイクル毎にIITキャリッジリ
ターン中に最高8面分ストアされ、領域指定やコピーモ
ードに応じてセレクトされる。勿論、RAM容量を増やせ
ば各サイクル毎にモードする必要はない。
(チ)縮拡処理モジュール 縮拡処理モジュール308は、ラインバッファ3083にデ
ータXを一旦保持して送出する過程において縮拡処理回
路3082を通して縮拡処理するものであり、リサンプリン
グジェネレータ&アドレスコントローラ3081でサンプリ
ングピッチ信号とラインバッファ3083のリード/ライト
アドレスを生成する。ラインバッファ3083は、2ライン
分からなるピンポンバッファとすることにより一方の読
み出しと同時に他方に次のラインデータを書き込めるよ
うにしている。縮拡処理では、主走査方向にはこの縮拡
処理モジュール308でデジタル的に処理しているが、副
走査方向にはIITのスキャンのスピードを変えている。
スキャンスピードは、2倍速から1/4倍速まで変化させ
ることにより50%から400%まで縮拡できる。デジタル
処理では、ラインバッファ3083にデータを読み/書きす
る際に間引き補完することによって縮小し、付加補完す
ることによって拡大することができる。補完データは、
中間にある場合には同図(1)に示すように両側のデー
タとの距離に応じた重み付け処理して生成される。例え
ばデータXi′の場合には、両側のデータXi、Xi+1およ
びこれらのデータとサンプリングポイントとの距離d1、
d2から、 (Xi×d2)+(Xi+1×d1) ただし、d1+d2=1 の演算をして求められる。
縮小処理の場合には、データの補完をしながらライン
バッファ3083に書き込み、同時に前のラインの縮小処理
したデータをバッファから読み出して送出する。拡大処
理の場合には、一旦そのまま書き込み、同時に前のライ
ンのデータを読み出しながら補完拡大して送出する。書
き込み時に補完拡大すると拡大率に応じて書き込み時の
クロックを上げなければならなくなるが、上記のように
すると同じクロックで書き込み/読み出しができる。ま
た、この構成を使用し、途中から読み出したり、タイミ
ングを遅らせて読み出したりすることによって主走査方
向のシフトイメージ処理することができ、繰り返し読み
出すことによって繰り返し処理することができ、反対の
方から読み出すことによって鏡像処理することもでき
る。
(リ)スクリーンジェネレータ スクリーンジェネレータ309は、プロセスカラーの階
調トナー信号をオン/オフの2値化トナー信号に変換し
出力するものであり、閾値マトリクスと階調表現された
データ値との比較による2値化処理とエラー拡散処理を
行っている。IOTでは、この2値化トナー信号を入力
し、16ドット/mmに対応するようにほぼ縦80μmφ、幅6
0μmφの楕円形状のレーザビームをオン/オフして中
間調の画像を再現している。
まず、階調の表現方法について説明する。第22図
(n)に示すように例えば4×4のハーフトーンセルs
を構成する場合について説明する。まず、スクリーンジ
ェネレータでは、このようなハーフトーンセルsに対応
して閾値マトリクスmが設定され、これと階調表現され
たデータ値とが比較される。そして、この比較処理で
は、例えばデータ値が「5」であるとすると、閾値マト
リクスmの「5」以下の部分でレーザビームをオンする
信号を生成する。
16ドット/mmで4×4のハーフトーンセルを一般に100
spi、16階調の網点というが、これでは画像が粗くカラ
ー画像の再現性が悪いものとなる。そこで、本複写機で
は、階調を上げる方法として、この16ドット/mmの画素
を縦(主走査方向)に4分割し、画素単位でのレーザビ
ームのオン/オフ周波数を同図(o)に示すように1/4
の単位、すなわち4倍に上げるようにすることによって
4倍高い階調を実現している。したがって、これに対応
して同図(o)に示すような閾値マトリクスm′を設定
している。さらに、線数を上げるためにサブマトリクス
法を採用するのも有効である。
上記の例は、各ハーフトーンセルの中央付近を唯一の
成長核とする同じ閾値マトリクスmを用いたが、サブマ
トリクス法は、複数の単位マトリクスの集合により構成
し、同図(p)に示すようにマトリクスの成長核を2ヵ
所或いはそれ以上(複数)にするものである。このよう
なスクリーンのパターン設計手法を採用すると、例えば
明るいところは141spi、64階調にし、暗くなるにしたが
って200spi、128階調にすることによって暗いところ、
明るいところに応じて自由に線数と階調を変えることが
できる。このようなパターンは、階調の滑らかさや細線
性、粒状性等を目視によって判定することによって設計
することができる。
中間調画像を上記のようなドットマトリクスによって
再現する場合、階調数と解像度とは相反する関係とな
る。すなわち、階調数を上げると解像度が悪くなり、解
像度を上げると階調数が低くなるという関係がある。ま
た、閾値データのマトリクスを小さくすると、実際に出
力する画像に量子化誤差が生じる。エラー拡散処理は、
同図(q)に示すようにスクリーンジェネレータ3092で
生成されたオン/オフの2値化信号と入力の階調信号と
の量子化誤差を濃度変換回路3093、減算回路3094により
検出し、補正回路3095、加算回路3091を使ってフィード
バックしてマクロ的にみたときの階調の再現性を良くす
るものであり、例えば前のラインの対応する位置とその
両側の画素をデジタルフィルタを通してたたみこむエラ
ー拡散処理を行っている。
スクリーンジェネレータでは、上記のように中間調画
像や文字画像等の画像の種類によって原稿或いは領域毎
に閾値データやエラー拡散処理のフィードバック係数を
切り換え、高階調、高精細画像の再現性を高めている。
(ヌ)領域画像制御モジュール 領域画像制御モジュール311では、7つの矩形領域お
よびその優先順位が領域生成回路に設定可能な構成であ
り、それぞれの領域に対応してスイッチマトリクスに領
域の制御情報が設定される。制御情報としては、カラー
変換やモノカラーかフルカラーか等のカラーモード、写
真や文字等のモジュレーションセレクト情報、TRCのセ
レクト情報、スクリーンジェネレータのセレクト情報等
があり、カラーマスキングモジュール302、カラー変換
モジュール304、UCRモジュール305、空間フィルター30
6、TRCモジュール307の制御に用いられる。なお、スイ
ッチマトリクスは、ソフトウエアにより設定可能になっ
ている。
(ル)編集制御モジュール 編集制御モジュールは、矩形でなく例えば円グラフ等
の原稿を読み取り、形状の限定されない指定領域を指定
の色で塗りつぶすようなぬりえ処理を可能にするもので
あり、同図(m)にするようにCPUのバスにAGDC(Advan
ced Graphic Digital Controller)3121、フォントバッ
ファ3126、ロゴROM128、DMAC(DMA Controller)3129が
接続されている。そして、CPUから、エンコードされた
4ビットのエリアコマンドがAGDC3121を通してプレーン
メモリ3122に書き込まれ、フォントバッファ3126にフォ
ントが書き込まれる。プレーンメモリ3122は、4枚で構
成し、例えば「0000」の場合にはコマンド0であってオ
リジナルの原稿を出力するというように、原稿の各点を
プレーン0〜プレーン3の4ビットで設定できる。この
4ビット情報をコマンド0〜コマンド15にデコードする
のがデコーダ3123であり、コマンド0〜コマンド15をフ
ィルパターン、フィルロジック、ロゴのいずれの処理を
行うコマンドにするかを設定するのがスイッチマトリク
ス3124である。フォントアドレスコントローラ3125は、
2ビートのフィルパターン信号により網点シェード、ハ
ッチングシェード等のパターンに対応してフォントバッ
ファ3126のアドレスを生成するものである。
スイッチ回路3127は、スイッチマトリクス3124のフィ
ルロジック信号、原稿データXの内容により、原稿デー
タX、フォントバッファ3126、カラーパレットの選定等
を行うものである。フィルロジックは、バックグラウン
ド(原稿の背景部)だけをカラーメッシュで塗りつぶし
たり、特定部分をカラー変換したり、マスキングやトリ
ミング、塗りつぶし等を行う情報である。
本複写機のIPSでは、以上のようにIITの原稿読み取り
信号について、まずEND変換した後カラーマスキング
し、フルカラーデータでの処理の方が効率的な原稿サイ
ズや枠消し、カラー変換の処理を行ってから下色除去お
よび墨の生成をして、プロセスカラーに絞っている。し
かし、空間フィルターやカラー変調、TRC、縮拡等の処
理は、プロセスカラーのデータを処理することによっ
て、フルカラーのデータで処理する場合より処理量を少
なくし、使用する変換テーブルの数を1/3にすると共
に、その分、種類を多くして調整の柔軟性、色の再現
性、階調の再現性、精細度の再現性を高めている。
(B)イメージ処理システムのハードウエア構成 第23図はIPSのハードウエア構成例を示す図である。
本複写機のIPSでは、2枚の基板、IPS−AおよびIPS
−Bに分割し、色の再現性や階調の再現性、精細度の再
現性等のカラー画像形成装置としての基本的な機能を達
成する部分について第1の基板IPS−Aに、編集のよう
に応用、専門機能を達成する部分を第2の基板IPS−B
に搭載している。前者の構成が第23図(a)〜(c)で
あり、後者の構成が同図(d)である。特に第1の基板
により基本的な機能が充分達成できれば、第2の基板を
設計変更するだけで応用、専門機能について柔軟に対応
できる。したがって、カラー画像形成装置として、さら
に機能を高めようとする場合には、他方の基板の設計変
更をするだけで対応できる。
IPSの基板には、第23図に示すようにCPUのバス(アド
レスバスADRSBUS、データバスDATABUS、コントロールバ
スCTRLBUS)が接続され、IITのビデオデータB、G、
R、同期信号としてビデオクロックIIT・VCLK、ライン
同期(主走査方向、水平同期)信号IIT・LS、ページ同
期(副走査方向、垂直同期)信号IIT・PSが接続され
る。
ビデオデータは、END変換部以降においてパイプライ
ン処理されるため、それぞれの処理段階において処理に
必要なクロック単位でデータの遅れが生じる。そこで、
このような各処理の遅れに対応して水平同期信号を生成
して分配し、また、ビデオクロックとライン同期信号の
フェイルチェックするのが、ライン同期発生&フェイル
チェック回路328である。そのため、ライン同期発生&
フェイルチェック回路328には、ビデオクロックIIT・VC
LKとライン同期信号IIT・LSが接続され、また、内部設
定書き換えを行えるようにCPUのバス(ADRSBUS、DATABU
S、CTRLBUS)、チップセレクト信号CSが接続される。
IITのビデオデータB、G、RはEND変換部のROM321に
入力される。END変換テーブルは、例えばRAMを用いCPU
から適宜ロードするように構成してもよいが、装置が使
用状態にあって画像データの処理中に書き換える必要性
はほとんど生じないので、B、G、Rのそれぞれの2kバ
イトのROMを2個ずつ用い、ROMによるLUT(ルックアッ
プテーブル)方式を採用している。そして、16面の変換
テーブルを保有し、4ビットの選択信号END Selにより
切り換えられる。
END変換されたROM321の出力は、カラー毎に3×1マ
トリクスを2面保有する3個の演算LSI322からなるカラ
ーマスキング部に接続される。演算LSI322には、CPUの
各パスが接続され、CPUからマトリクスの係数が設定可
能になっている。画像信号の処理からCPUによる書き換
え等のためCPUのバスに切り換えるためにセットアップ
信号SU、チップセレクト信号CSが接続され、マトリクス
の選択切り換えに1ビットの切り換え信号MONOが接続さ
れる。また、パワーダウン信号PDを入力し、IITがスキ
ャンしていないときすなわち画像処理をしていないとき
内部のビデオクロックを止めている。
演算LSI322によりB、G、RからY、M、Cに変換さ
れた信号は、同図(d)に示す第2の基板IPS−Bのカ
ラー変換LSI353を通してカラー変換処理後、DOD用LSI32
3に入力される。カラー変換LSI353には、非変換カラー
を設定するスレッショルドレジスタ、変換カラーを設定
するカラーパレット、コンパレータ等からなるカラー変
換回路を4回路保有し、DOD用LSI323には、原稿のエッ
ジ検出回路、枠消し回路等を保有している。
枠消し処理したDOD用LSI323の出力は、UCR用LSI324に
送られる。このLSIは、UCR回路と墨生成回路、さらには
必要色生成回路を含み、コピーサイクルでのトナーカラ
ーに対応するプロセスカラーX、必要色Hue、エッジEdg
eの各信号を出力する。したがって、このLSIには、2ビ
ットのプロセスカラー指定信号COLR、カラーモード信号
(4COLR、MONO)も入力される。
ラインメモリ325は、UCR用LSI324から出力されたプロ
セスカラーX、必要色Hue、エッジEdgeの各信号を5×
7のデジタルフィルター326に入力するために4ライン
分のデータを蓄積するFIFOおよびその遅れ分を整合させ
るためのFIFOからなる。ここで、プロセスカラーXとエ
ッジEdgeについては4ライン分蓄積してトータル5ライ
ン分をデジタルフィルター326に送り、必要色Hueについ
てはFIFOで遅延させてデジタルフィルター326の出力と
同期させ、MIX用LSI327に送るようにしている。
デジタルフィルター326は、2×7フィルターのLSIを
3個で構成した5×7フィルターが2組(ローパスLPと
ハイパスHP)あり、一方で、プロセスカラーXについて
の処理を行い、他方で、エッジEdgeについての処理を行
っている。MIX用LSI327では、これらの出力に変換テー
ブルで網点除去やエッジ強調の処理を行いプロセスカラ
ーXにミキシングしている。ここでは、変換テーブルを
切り換えるための信号としてエッジEDGE、シャープShar
pが入力されている。
TRC342は、8面の変換テーブルを保有する2kバイトの
RAMからなる。変換テーブルは、各スキャンの前、キャ
リッジのリターン期間を利用して変換テーブルの書き換
えを行うように構成され、3ビットの切り換え信号TRC
Selにより切り換えられる。そして、ここからの処理出
力は、トランシーバーより縮拡処理用LSI345に送られ
る。縮拡処理部は、8kバイトのRAM344を2個用いてピン
ポンバッファ(ラインバッファ)を構成し、LSI343でリ
サンプリングピッチの生成、ラインバッファのアドレス
を生成している。
縮拡処理部の出力は、同図(d)に示す第2の基板の
エリアメモリ部を通ってEDF用LSI346に戻る。EDF用LSI3
46は、前のラインの情報を保持するFIFOを有し、前のラ
インの情報を用いてエラー拡散処理を行っている。そし
て、エラー拡散処理後の信号Xは、スクリーンジェネレ
ータを構成するSG用LSI347を経てIOTインターフェース
へ出力される。
IOTインターフェースでは、1ビットのオン/オフ信
号で入力されたSG用LSI347からの信号をLSI349で8ビッ
トにまとめてパラレルでIOTに送出している。
第23図に示す第2の基板において、実際に流れている
データは、16ビット/mmであるので、縮小LSI354では、1
/4に縮小して且つ2値化してエリアメモリに蓄える。拡
大デコードLSI359は、フィルパターンRAM360を持ち、エ
リアメモリから領域情報を読み出してコマンドを生成す
るときに16ビットに拡大し、ロゴアドレスの発生、カラ
ーパレット、フィルパターンの発生処理を行っている。
DRAM356は、4面で構成しコードされた4ビットのエリ
ア情報を格納する。AGDC355は、エリアコマンドをコン
トロールする専用のコントローラである。
(II−4)イメージ出力ターミナル (A)概略構成 第24図はイメージ出力ターミナル(IOT)の概略構成
を示す図である。
本装置は感光体として有機感材ベルト(Photo Recept
erベルト)を使用し、4色フルカラー用にブラック
(K)、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー
(Y)からなる現像機404、用紙を転写部に搬送する転
写装置(Tow Roll Transfer Loop)406、転写装置404か
ら定着装置408へ用紙を搬送する真空搬送装置(Vacuum
Transfer)407、用紙トレイ410、412、用紙搬送路411が
備えられ、感材ベルト、現像機、転写装置の3つのユニ
ットはフロント側へ引き出せる構成となっている。
レーザー光源4からのレーザ光を変調して得られた情
報光はミラー40dを介して感材41上に照射されて露光が
行われ、潜像が形成される。感材上に形成されたイメー
ジは、現像機404で現像されたトナー像が形成される。
現像機404はK、M、C、Yからなり、図示するような
位置関係で配置される。これは、例えば暗減衰と各トナ
ーの特性との関係、ブラックトナーへの他のトナーの混
色による影響の違いといったようなことを考慮して配置
している。但し、フルカラーコピーの場合の駆動順序
は、Y→C→M→Kである。
一方、2段のエレベータトレイからなる410、他の2
段のトレイ412から供給される用紙は、搬送路411を通し
て転写装置406に供給される。転写装置406は転写部に配
置され、タイミングチェーンまたはベルトで結合された
2つのロールと、後述するようなグリッパーバーからな
り、グリッパーバーで用紙をくわえ込んで用紙搬送し、
感材上のトナー像を用紙に転写させる。4色フルカラー
の場合、用紙は転写装置部で4回転し、Y、C、M、K
の像がこの順序で転写される。転写後の用紙はグリッパ
ーバーから解放されて転写装置から真空搬送装置407に
渡され、定着装置408で定着されて排出される。
真空搬送装置407は、転写装置406と定着装置408との
速度差を吸収して同期をとっている。本装置において
は、転写速度(プロセススピード)は190mm/secで設定
されており、フルカラーコピー等の場合には定着速度は
90mm/secであるので、転写速度と定着速度は異なる。定
着度を確保するために、プロセススピードを落としてお
り、一方1.5kVA達成のため、パワーをフューザにさくこ
とができない。
そこで、B5、A4等の小さい用紙の場合、転写された用
紙が転写装置406から解放されて真空搬送装置407に載っ
た瞬間に真空搬送装置の速度を190mm/secから90mm/sec
に落として定着速度と同じにしている。しかし、本装置
では転写装置と定着装置間をなるべく短くして装置をコ
ンパクト化するようにしているので、A3用紙の場合は転
写ポイントと定着装置間に納まらず、真空搬送装置の速
度を落としてしまうと、A3の後端は転写中であるので用
紙にブレーキがかかり色ズレを生じてしまうことにな
る。そこで、定着装置と真空搬送装置との間にバッフル
板409を設け、A3用紙の場合にはバッフル板を下側に倒
して用紙にループを描かせて搬送路を長くし、真空搬送
装置は転写速度と同一速度として転写が終わってから用
紙先端が定着装置に到達するようにして速度差を吸収す
るようにしている。また、OHPの場合も熱伝導が悪いの
でA3用紙の場合と同様にしている。
なお、本装置ではフルカラーだけでなく黒でも生産性
を落とさずにコピーできるようにしており、黒の場合に
はトナー層が少なく熱量が小さくても定着可能であるの
で、定着速度は190mm/secのまま行い、真空搬送装置で
のスピードダウンは行わない。これは黒以外にもシング
ルカラーのようにトナー層が1層の場合は定着速度は落
とさずにすむので同様にしている。そして、転写が終了
するとクリーナ405で感材上に残っているトナーが掻き
落とされる。
(B)転写装置の構成 転写装置406は第25図(a)に示すような構成となっ
ている。
本装置の転写装置はメカ的な用紙支持体を持たない構
成にして色ムラ等が起きないようにし、また、スピード
のコントロールを行って転写速度を上げるようにするこ
とを特徴としている。
用紙はフィードヘッド421でトレイから排出され、ペ
ーパーパスサーボ423で駆動されるバックルチャンバー4
22内を搬送され、レジゲートソレノイド426により開閉
制御されるレジゲート425を介して転写装置へ供給され
る。用紙がレジゲートに到達したことはプリレジゲート
センサ424で検出するようにしている。転写装置の駆動
は、サーボモータ432でタイミングベルトを介してロー
ラ433を駆動することによって行い、反時計方向に回転
駆動している。ローラ434は特に駆動はしておらず、ロ
ーラ間には2本のタイミング用のチェーン、またはベル
トが掛けられ、チェーン間(搬送方向に直角方向)に
は、常時は弾性で閉じており、転写装置入り口でソレノ
イドにより口を開くグリッパーバー430が設けられてお
り、転写装置入口で用紙をくわえて引っ張り回すことに
より搬送する。従来は、マイラーシート、またはメッシ
ュをアルミないしスチール性の支持体に貼って用紙を支
持していたため、熱膨張率の違いにより凹凸が生じて転
写に対して平面性が悪くなり、転写効率が部分的に異な
って色ムラが生じていたのに対し、このグリッパーバー
の使用により、用紙の支持体を特に設ける必要がなく、
色ムラの発生を防止することができる。
転写装置には搬送する用紙の支持体は設けておらず、
ローラ部では用紙は遠心力で外側へ放り出されることに
なるので、これを防止するために2つのローラを真空引
きして用紙をローラの方へ引きつけ、ローラを過ぎると
ひらひらしながら搬送される。用紙は転写ポイントにお
いて、デタックコロトロン、トランスファコロトロンが
配置された感材の方へ静電的な力により吸着され転写が
行われる。転写終了後、転写装置出口においてグリッパ
ホームセンサ436で位置検出し、適当なタイミングでソ
レノイドによりグリッパバーの口を開いて用紙を離し、
真空搬送装置413へ渡すことになる。
従って、転写装置において、一枚の用紙はフルカラー
の場合であれば4回転、3色の場合であれば3回転搬送
されて転写が行われることになる。
サーボモータ432のタイミング制御を第22図(b)に
より説明する。転写装置においては、転写中はサーボモ
ータ432を一定速度でコントロールし、転写が終了すれ
ば用紙に転写されたリードエッジが、次の潜像の転写ポ
イントと同期するように制御すればよい。一方、感材ベ
ルト41の長さは、A4で3枚、A3で2枚の潜像が形成され
る長さであり、また、ベルト435の長さはA3用紙の長さ
より少し長く(略4/3倍)設定されている。
従って、A4用紙のカラーコピーを行う場合には、1色
目の潜像I1を転写するときにはサーボモータ432を一定
速度でコントロールし、転写が終了すると用紙に転写さ
れたリードエッジが、2色目の潜像I2の先端と同期する
ようにし、サーボモータを急加速して制御する。また、
A3用紙の場合には、1色目の潜像I1の転写が終了すると
用紙に転写されたリードエッジが、2色目の潜像I2の先
端と同期するように、サーボモータを減速して待機する
ように制御する。
(II−5)ユーザインターフェース(U/I) (A)カラーディスプレイの採用 第26図はディスプレイを用いたユーザインターフェー
ス装置の取り付け状態および外観を示す図、第27図はユ
ーザインターフェースの取り付け角や高さを説明するた
めの図である。
ユーザインターフェースは、オペレータと機械とのわ
かりやすい対話を支援するものであり、シンプルな操作
を可能にし、情報の関連を明らかにしつつ必要な情報を
オペレータに印象付け得るものでなければならない。そ
のために、本複写機では、ユーザーの使い方に対応した
オリジナルのユーザインターフェースを作成し、初心者
にはわかりやすく、熟練者には煩わしくないこと、機能
の内容を選択する際にはダイレクト操作が可能であるこ
と、色を使うことにより、より正確、より迅速にオペレ
ータに情報を伝えること、操作をなるべく1ヵ所に集中
することを操作性のねらいとしている。
複写機において、様々な機能を備え、信頼性の高いも
のであればそれだけ装置としての評価は高くなるが、そ
れらの機能が使い難ければ優れた機能を備えていても価
値が極端に低下して逆に高価な装置となる。そのため、
高機能機種であっても使い難いとして装置の総合的評価
も著しく低下することになる。このような点からユーザ
インターフェースは、装置が使いやすいかどうかを大き
く左右するファクタとなり、特に、近年のように複写機
が多機能化してくれば尚更のこと、ユーザインターフェ
ースの操作性が問題になる。
本複写機のユーザインターフェースは、このような操
作性の向上を図るため、第26図に示すように12インチの
カラーディスプレイ501のモニターとその横にハードコ
ントロールパネル502を備えている。そして、カラー表
示の工夫によりユーザへ見やすく判りやすいメニューを
提供すると共に、カラーディスプレイ501に赤外線タッ
チボード503を組み合わせて画面のソフトボタンで直接
アクセスできるようにしている。また、ハードコントロ
ールパネル502のハードボタンとカラーディスプレイ501
の画面に表示したソフトボタンに操作内容を効率的に配
分することにより操作の簡素化、メニュー画面の効率的
な構成を可能にしている。
カラーディスプレイ501とハードコントロールパネル5
02との裏側には、同図(b)、(c)に示すようにモニ
ター制御/電源基板504やビデオエンジン基板505、CRT
のドライバー基板506等が搭載され、ハードコントロー
ルパネル502は、同図(c)に示すようにカラーディス
プレイ501の面よりさらに中央の方へ向くような角度を
有している。
また、カラーディスプレイ501およびハードコントロ
ールパネル502は、図示のようにベースマシン(複写機
本体)507上に直接でなく、ベースマシン507に支持アー
ム508を立ててその上に取り付けている。従来のように
コンソールパネルを採用するのではなく、スタンドタイ
プのカラーディスプレイ501を採用すると、第26図
(a)に示すようにベースマシン507の上方へ立体的に
取り付けることができるため、特に、カラーディスプレ
イ501を第27図(a)に示すようにベースマシン507の右
奥隅に配置することによって、コンソールパネルを考慮
することなく複写機のサイズを設計することができ、装
置のコンパクト化を図ることができる。
複写機において、プラテンの高さすなわち装置の高さ
は、原稿をセットするのに程よい腰の高さになるように
設計され、この高さが装置としての高さを規制してい
る。従来のコンソールパネルは、複写機の上面に取り付
けられるため、ほぼ腰の高さで手から近い位置にあって
操作としてはしやすいが、目から結構離れた距離に機能
選択や実行条件設定のための操作部および表示部が配置
されることになる。その点、本複写機のユーザインター
フェースでは、第27図(b)に示すようにプラテンより
高い位置、すなわち目の高さに近くなるため、見やすく
なると共にその位置がオペレータにとって下方でなく前
方で、且つ右側になり操作もしやすいものとなる。しか
も、ディスプレイの取り付け高さを目の高さに近づける
ことによって、その下側をユーザインターフェースの制
御基板やメモリカード装置、キーカウンター等のオプシ
ョンキットの取り付けスペースとしても有効に活用でき
る。したがって、メモリカード装置を取り付けるための
構造的な変更が不要となり、全く外観を変えることなく
メモリカード装置を付加装備でき、同時にディスプレイ
の取り付け位置、高さを見やすいものとすることができ
る。また、ディスプレイは、所定の角度で固定してもよ
いが、角度を変えることができるような構造を採用して
もよいことは勿論である。
(B)システム構成 第28図はユーザインターフェースのモジュール構成を
示す図、第29図はユーザインターフェースのハードウエ
ア構成を示す図である。
本複写機のユーザインターフェースのモジュール構成
は、第28図に示すようにカラーディスプレイ501の表示
画面をコントロールするビデオディスプレイモジュール
511、およびエディットパッド513、メモリカード514の
情報の入出力を処理するエディットパッドインターフェ
ースモジュール512で構成し、これらをコントロールす
るシステムUI517、519やサブシステム515、タッチスク
リーン503、コントロールパネル502がビデオディスプレ
イモジュール511に接続される。
エディットパッドインターフェースモジュール512
は、エディットパッド513からX,Y座標を、また、メモリ
カード514からジョブやX,Y座標を入力すると共に、ビデ
オディスプレイモジュール511にビデオマップ表示情報
を送り、ビデオディスプレイモジュール511との間でUI
コントロール信号を授受している。
ところで、領域指定には、赤や青のマーカーで原稿上
に領域を指定しトリミングや色変換を行うマーカー指
定、矩形領域の座標による2点指定、エディットパッド
でなぞるクローズループ指定があるが、マーカー指定は
特にデータがなく、また2点指定はデータが少ないのに
対し、クローズループ指定は、編集対象領域として大容
量のデータが必要である。このデータの編集はIPSリモ
ートで行われるが、高速で転送するにはデータ量が多
い。そこで、このようなX,Y座標のデータは、一般のデ
ータ転送ラインとは別に、IIT/IPS516への専用の転送ラ
インを使用するように構成している。
ビデオディスプレイモジュール511は、タッチスクリ
ーン503の縦横の入力ポイント(タッチスクリーンの座
標位置)を入力してボタンIDを認識し、コントロールパ
ネル502のボタンIDを入力する。そして、システムUI51
7、519にボタンIDを送り、システムUI517、519から表示
要求を受け取る。また、サブシステム(ESS)515は、例
えばワークステーションやホストCPUに接続され、本装
置をレーザープリンタとして使用する場合のプリンタコ
ントローラである。この場合には、タッチスクリーン50
3やコントロールパネル502、キーボード(図示せず)の
情報は、そのままサブシステム515に転送され、表示画
面の内容がサブシステム515からビデオディスプレイモ
ジュール511に送られてくる。
システムUI517、519は、マスターコントローラ518、5
20との間でコピーモードやマシンステートの情報を授受
している。先に説明した第4図と対応させると、このシ
ステムUI517、519の一方が第32図に示すSYSリモートのS
YSUIモジュール81であり、他方が第4図に示すMCBリモ
ートのMCBUIモジュール86である。
本複写機のユーザインターフェースは、ハードウエア
として第29図に示すようにUICB521とEPIB522からなる2
枚のコントロールボードで構成し、上記モジュール構成
に対応して機能も大きく2つに分けている。そして、UI
CB521には、UIのハードをコントロールしエディットパ
ッド513とメモリカード514をドライブするために、ま
た、タッチスクリーン503の入力を処理してCRTに書くた
めに2つのCPU(例えばインテル社の8085相当と6845相
当)を使用し、さらに、EPIB522には、ビットマップエ
リアに描画する機能が8ビットでは不充分であるので16
ビットのCPU(例えばインテル社の80C196KA)を使用
し、ビットマップエリアの描画データをDMAでUICB521に
転送するように構成することによって機能分散を図って
いる。
第30図はUICBの構成を示す図である。UICBでは、上記
のCPUの他にCPU534(例えばインテル社8051相当)を有
し、CCC531が高速通信回線L−NETやオプショナルキー
ボードの通信ラインに接続されてCPU534とCCC531により
通信を制御すると共に、CPU534をタッチスクリーンのド
ライブにも用いている。タッチスクリーンの信号は、そ
の座標位置情報のままCPU534からCCC531を通してCPU532
に取り込まれ、CPU532でボタンIDが認識され処理され
る。また、インプットポート551とアウトプットポート5
52を通してコントロールパネルに接続し、またサブシス
テムインターフェース548、レシーバ549、ドライバ550
を通してEPIB522、サブシステム(ESS)から1MHzのクロ
ックと共に1Mbptでビデオデータを受け取り、9600bpsで
コマンドやステータス情報の授受を行えるようにしてい
る。
メモリとしては、ブートストラップを格納したブート
ROM535の他、フレームROM538と539、RAM536、ビットマ
ップRAM537、V−RAM542を有している。フレームROM538
と539は、ビットマップではなく、ソフトでハンドリン
グしやすいデータ構造により表示画面のデータが格納さ
れたメモリであり、LNETを通して表示要求が送られてく
ると、CPU532によりRAM536をワークエリアとしてまずこ
こに描画データが生成され、DMA541によりV−RAM542に
書き込まれる。また、ビットマップのデータは、DMA540
がEPIB522からビットマップRAM537に転送して書き込ま
れる。キャラクタジェネレータ544はグラフィックタイ
ル用であり、テキストキャラクタジェネレータ543は文
字タイル用である。V−RAM542は、タイルコードで管理
され、タイルコードは、24ビット(3バイト)で構成
し、13ビットをタイルの種類情報に、2ビットをテキス
トかグラフィックかビットマップかの識別情報に、1ビ
ットをブリンク情報に、5ビットをタイルの色情報に、
3ビットをバックグラウンドかフォアグラウンドかの情
報にそれぞれ用いている。CRTコントローラ533は、V−
RAM542に書き込まれたタイルコードの情報に基づいて表
示画面を展開し、シフトレジスタ545、マルチプレクサ5
46、カラーパレット547を通してビデオデータをCRTに送
り出している。ビットマップエリアの描画は、シフトレ
ジスタ545で切り換えられる。
第31図はEPIBの構成を示す図である。EPIBは、16ビッ
トのCPU(例えばインテル社の80C196KA相当)555、ブー
トページのコードROM556、OSページのコードROM557、エ
リアメモリ558、ワークエリアとして用いるRAM559を有
している。そして、インターフェース561、ドライバ56
2、ドライバ/レシーバ563を通してUICBへのビットマッ
プデータの転送やコマンド、ステータス情報の授受を行
い、高速通信インターフェース564、ドライバ565を通し
てIPSへX,Y座標データを転送している。なお、メモリカ
ード525に対する読み/書きは、インターフェース560を
通して行う。したがって、エディットパッド524やメモ
リカード525からクローズループの編集領域指定情報や
コピーモード情報が入力されると、これらの情報は、適
宜インターフェース561、ドライバ562を通してUICBへ、
高速通信インターフェース564、ドライバ565を通してIP
Sへそれぞれ転送される。
(C)ディスプレイ画面構成 ユーザインターフェースにディスプレイを採用する場
合においても、多機能化に対応した情報を提供するには
それだけ情報が多くなるため、単純に考えると広い表示
面積が必要となり、コンパクト化に対応することが難し
くなるという側面を持っている。コンパクトなサイズの
ディスプレイを採用すると、必要な情報を全て1画面に
より提供することは表示密度の問題だけでなく、オペレ
ータにとって見やすい、判りやすい画面を提供するとい
うことからも難しくなる。
本発明のユーザインターフェースでは、ディスプレイ
にコンパクトなサイズのものを採用して、その中で表示
画面、その制御に工夫をしている。特に、カラーディス
プレイが、コンソールパネルで使用されているLEDや液
晶表示器に比べ、色彩や輝度、その他の表示属性の制御
により多様な表示態様を採用することができるというメ
リットを生かし、コンパクトなサイズであっても判りや
すく表示するための種々の工夫をしている。
例えば画面に表示する情報を大きく分類して複数の画
面に分割し、さらに1画面単位では、詳細な情報をポッ
プアップ展開にして一次画面から省くことによって必要
最小限の情報で簡潔に画面を構成するように工夫してい
る。そして、複数の情報が盛り込まれた画面では、カラ
ー表示の特徴、強調表示の特徴を出すことによって画面
画面での必要な情報の認識、識別が容易にできるように
工夫している。
(イ)画面レイアウト 第32図はディスプレイ画面の構成例を示す図であり、
同図(a)はベーシックコピー画面の構成を示す図、同
図(b)はベーシックコピー画面にポップアップ画面を
展開した例を示す図、同図(c)はクリエイティブ編集
のペイント1画面の構成を示す図である。
本複写機のユーザインターフェースでは、初期画面と
して、第32図に示すようなコピーモードを設定するベー
シックコピー画面が表示される。コピーモードを設定す
る画面は、ソフトコントロールパネルを構成し、第32図
に示すようにメッセージエリアAとパスウエイBに2分
したものである。
メッセージエリアAは、スクリーンの上部3行を用
い、第1ラインはステートメッセージ用、第2ラインか
ら第3ラインは機能選択に矛盾がある場合のその案内メ
ッセージ用、装置の異常状態に関するメッセージ用、警
告情報メッセージ用として所定のメッセージが表示され
る。また、メッセージエリアAの右端は、枚数表示エリ
アとし、テンキーにより入力されたコピーの設定枚数や
複写中枚数が表示される。
パスウエイBは、各種機能の選択を行う領域であっ
て、ベーシックコピー、エイディドフィーチャー、マー
カー編集、ビジネス編集、フリーハンド編集、クリエイ
ティブ編集、ツールの各パスウエイを持ち、各パスウエ
イに対応してパスウエイタブCが表示される。また、各
パスウエイには、操作性を向上させるためにポップアッ
プを持つ。パスウエイBには、選択肢であってタッチす
ると機能の選択を行うソフトボタンD、選択された機能
に応じて変化しその機能を表示するアイコン(絵)E、
縮拡率を表示するインジケーターF等が表示され、ソフ
トボタンDでポップアップされるものに△のポップアッ
プマークGが付けられている。そして、パスウエイタブ
Cをタッチすることによってそのパスウエイがオープン
でき、ソフトボタンDをタッチすることによってその機
能が選択できる。ソフトボタンDのタッチによる機能の
選択は、操作性を考慮して左上から右下の方向へ向けて
順に操作するような設計となっている。
上記のように他機種との共通性、ハードコンソールパ
ネルとの共通性を最大限持たせるようにベーシックコピ
ー画面とその他を分け、また編集画面は、オペレータの
熟練度に合わせた画面、機能を提供するように複数の層
構造としている。さらに、このような画面構成とポップ
アップ機能とを組み合わせることにより、1画面の中で
も機能の高度なものや複雑なもの等をポップアップで表
示する等、多彩に利用しやすい画面を提供している。
ポップアップは、特定の機能に対する詳細な設定情報
をもつものであって、ポップアップのオープン機能を持
たせ、その詳細な設定情報を必要に応じてポップアップ
オープンすることによって、各パスウエイの画面構成を
見やすく簡素なものにしている。ポップアップは、ポッ
プアップマークが付いているソフトボタンをタッチした
ときオープンする。そして、クローズボタンやキャンセ
ルボタンをセレクトしたとき、オールクリアボタンを押
したとき、オートクリア機能によりオールクリアがかか
ったとき等にクローズする。縮小拡大機能において、変
倍のソフトボタンをタッチしてポップアップをオープン
した画面の様子を示したのが第32図(b)である。
ベーシックコピー画面において、クリエイティブ編集
のパスウエイタブをタッチすると、クリエイティブ編集
パスウエイの画面に切り変わるが、その中のペイント1
の画面を示したのが第32図(c)である。この画面で
は、ビットマップエリアHと誘導メッセージエリアIを
持っている。ビットマップエリアHは、スクリーンの左
上を用い、エディットパッド上で編集エリアを指定した
場合等において、そのエリアを白黒でビットマップ表示
できるようにしている。また、誘導メッセージエリアI
は、スクリーン左下を用い、編集作業に対応してユーザ
を誘導するもので、作業により変わる。スクリーン上で
は、これらビットマップエリアH、誘導メッセージエリ
アIとスクリーン上部のメッセージエリアAを除いた部
分をワークエリアとして用いる。
(ロ)ベーシックコピー画面 ベーシックコピーのパスウエイは、第32図(a)に示
すようにカラーモード、用紙選択、縮小拡大、コピー画
質、カラーバランス、ジョブプログラムの各機能選択の
ソフトボタン(選択肢)を有していると共に、マーカー
編集、ビジネス編集、フリーハンド編集、クリエイティ
ブ編集、さらにエイディドフィーチャー、ツールの各パ
スウエイタブを有している。このパスウエイは、初期の
パスウエイであり、パワーオンやオールクリアボタンオ
ンの後、オートクリア時等に表示される。
カラーモードは、Y、M、C、K4種のトナーによりコ
ピーをとるフルカラー(4パスカラー)、Kを除いた3
種のトナーによりコピーをとる3パスカラー、12色の中
から1色を選択できるシングルカラー、黒、黒/赤の選
択肢を持ち、自動選択されるデフォルトは任意に設定で
きるようになっている。ここで、シングルカラー、黒/
赤の選択肢は、詳細な設定項目を持つことから、その項
目がポップアップ展開される。
用紙選択は、自動用紙選択(APS)、トレイ1、2、
カセット3、4の選択肢を持ち、APSは、縮小拡大にお
いて特定倍率が設定されている場合に成立し、自動倍率
(AMS)が設定されている場合には成立しない。デフォ
ルトはAPSである。
縮小拡大は、100%、用紙が選択されている場合にそ
の用紙サイズと原稿サイズから倍率を設定するAMS、任
意変倍の選択肢を持ち、トップのインジケーターに設定
された倍率、算出された倍率、又は自動が表示される。
変倍では、50%〜400%までの範囲で1%刻みの倍率が
設定でき、縦と横の倍率を独立に設定(偏倍)すること
もできる。したがって、これらの詳細な設定項目は、ポ
ップアップ展開される。なお、デフォルトは100%であ
る。
先に述べたようにこの縮小拡大は、スキャンスピード
の変更によって副走査方向(X方向)、IPSのラインメ
モリからの読み出し方法の変更によって主走査方向(Y
方向)の縮小拡大を行っている。
コピー画質は、白黒原稿に対しては自動濃度調整を行
い、カラー原稿に対しては自動カラーバランス調整を行
う自動とポップアップにより7ステップの濃度コントロ
ールが行える手動の選択肢を持ち、IPSにおいてそのコ
ントロールが行われる。
カラーバランスは、ポップアップによりコピー上で減
色したい色をY、M、C、B、G、Rから指定し、IPS
においてそのコントロールが行われる。
ジョブプログラムは、メモリカードが読み取り装置の
スロットに挿入されている時のみその選択肢が有効とな
り、このモードでは、ポップアップによりメモリカード
からのジョブの読み込み、メモリカードへのジョブの書
き込みが選択できる。メモリカードは、例えば最大8ジ
ョブが格納できる32kバイトの容量のものを用い、フィ
ルムプロジェクタモードを除く全てのジョブをプログラ
ム可能にしている。
(ハ)エイディドフィーチャー画面 エイディドフィーチャーのパスウエイは、コピーアウ
トプット、コピーシャープネス、コピーコントラスト、
コピーポジション、フィルムプロジェクター、ページプ
ログラミング、ジョブプログラム、とじ代の各機能選択
のソフトボタン(選択肢)を有していると共に、マーカ
ー編集、ビジネス編集、フリーハンド編集、クリエイテ
ィブ編集、さらにベーシックコピー、ツールの各パスウ
エイタブを有している。
コピーアウトプットは、トップトレイに出力するかソ
ートモードかの選択肢を持つ。デフォルトはトップトレ
イであり、ソータが装備されていない場合、この項目は
表示されない。
コピーシャープネスは、標準と、ポップアップにより
7ステップのコントロールができるマニュアルと、ポッ
プアップにより写真、文字(キャラクタ)、プリント、
写真/文字に分類される写真との選択肢を持ち、IPSに
おいてそのコントロールが行われる。デフォルトは任意
に設定できる。
コピーコントラストは、7ステップのコントラストコ
ントロールが選択できる。コピーポジションは、デフォ
ルトで用紙のセンターにコピー像のセンターを載せるオ
ートセンター機能の選択肢を持つ。
フィルムプロジェクターは、別項により説明している
ように各種フィルムからコピーをとるモードであり、ポ
ップアップによりプロジェクターによる35mmネガや35mm
ポジ、プラテン上での35mmネガや6cm×6cmスライドや
4″×5″スライドの選択肢を持つ。
ページプログラミングは、コピーにカバーを付けるカ
バー、コピー間に白紙又は色紙を挿入するインサート、
原稿のページ別にカラーモードで設定できるカラーモー
ド、原稿のページ別にトレイが選択できる用紙の選択肢
を持つ。なお、この項目は、ADFがないと表示されな
い。
とじ代は、0〜30mmの範囲で1mm刻みの設定ができ、
1原稿に対し1ヵ所のみ指定可能にしている。とじ代量
は、用紙先端からイメージ領域の先端までの量であり、
主走査方向はIPSのラインバッファを用いたシフト操作
によって、副走査方向はIITのスキャンタイミングをず
らすことによって生成している。
(ニ)編集画面およびツール画面 編集画面としては、マーカー編集、ビジネス編集、フ
リーハンド編集、クリエイティブ編集の4つのパスウエ
イがある。
マーカー編集パスウエイおよびフリーハンド編集パス
ウエイは、抽出、削除、色かけ(網/線/ベタ)、色変
換に関する各機能の選択肢を持ち、さらにベーシックコ
ピー、エイディドフィーチャー、ツールのパスウエイタ
ブを持つ。
ビジネス編集パスウエイは、抽出、削除、色かけ(網
/線/ベタ)、色変換、色塗り、ロゴ挿入、とじ代に関
する各機能の選択肢を持ち、さらにマーカー編集パスウ
エイ等と同様にベーシックコピー、エイディドフィーチ
ャー、ツールのパスウエイタブを持つ。
クリエイティブ編集パスウエイは、抽出、削除、色か
け(網/線/ベタ)、色変換、色塗り、ロゴ挿入、とじ
代、ネガポジ反転、はめこみ合成、すかし合成、ペイン
ト、鏡像、リピート、拡大連写、部分移動、コーナー/
センター移動、マニュアル/オート変倍、マニュアル/
オート偏倍、カラーモード、カラーバランス調整、ペー
ジ連写、色合成に関する各機能の選択肢を持ち、さらに
マーカー編集パスウエイ等と同様にベーシックコピー、
エイディドフィーチャー、ツールのパスウエイタブを持
つ。
ツールパスウエイは、暗証番号を入力することによっ
てキーオペレータとカスタマーエンジニアが入れるもの
であり、オーディトロン、マシン初期値のセットアッ
プ、各機能のデフォルト選択、カラーの登録、フィルム
タイプの登録、登録カラーの微調整、マシンの各種選択
肢のプリセット、フィルムプロジェクタースキャンエリ
ア設定、オーディオトーン(音種、音量)、用紙搬送系
その他の各種(オートクリア等)のタイマーセット、ビ
リングメーター、デュアルランゲージの設定、ダイアグ
モード、最大値調整、メモリカードのフォーマットに関
する各機能の選択肢を持つ。
デフォルト選択は、カラーモード、用紙選択、コピー
濃度、コピーシャープネス、コピーコントラスト、ペー
ジプログラミングの用紙トレイ、シングルカラーの色、
色かけのカラーパレットの色と網、ロゴタイプのパター
ン、とじ代量、カラーバランスがその対象となる。
(ホ)その他の画面制御 ユーザインターフェースでは、常時コピーの実行状態
を監視することにより、ジャムが発生した場合には、そ
のジャムに応じた画面を表示する。また、機能設定で
は、現在表示されている画面に対するインフォメーショ
ン画面を有し、適宜表示が可能な状態におかれる。
なお、画面の表示は、ビットマップエリアを除いて幅
3mm(8ピクセル)、高さ6mm(16ピクセル)のタイル表
示を採用しており、横が80タイル、縦が25タイルであ
る。ビットマップエリアは縦151ピクセル、横216ピクセ
ルで表示される。
以上のように本複写機のユーザインターフェースで
は、ベーシックコピー、エイディドフィーチャー、編集
等の各モードに種別して表示画面を切り換えるように
し、それぞれのモードで機能選択や実行条件の設定等の
メニューを表示すると共に、ソフトボタンをタッチする
ことにより選択肢を指定したり実行条件データを入力で
きるようにしている。また、メニューの選択肢によって
はその詳細項目をポップアップ表示(重ね表示やウイン
ドウ表示)して表示内容の拡充を図っている。その結
果、選択可能な機能や設定条件が多くても、表示画面を
スッキリさせることができ、操作性を向上させることが
できる。
(D)ハードコントロールパネル ハードコントロールパネルは、第26図に示すようにカ
ラーディスプレイの右側に画面よりもさらに中央を向く
ような角度で取り付けられ、テンキー、テンキークリ
ア、オールクリア、ストップ、割り込み、スタート、イ
ンフォメーション、オーディトロン、言語の各ボタンが
取り付けられる。
テンキーボタンは、コピー枚数の設定、ダイアグモー
ドにおけるコード入力やデータ入力、ツール使用時の暗
証番号の入力に用いるものであり、ジョブの発生中やジ
ョブ中断中は無効となる。
オールクリアボタンは、設定したコピーモードの全て
をデフォルトに戻し、ツール画面のオープン中を除き、
ベーシックコピー画面に戻すのに用いるものであり、割
り込みジョブの設定中では、コピーモードがデフォルト
に戻るが、割り込みモードは解除されない。
ストップボタンは、ジョブ実行中にコピーの切れ目で
ジョブを中断し、コピー用紙を排出後マシンを停止させ
るのに用いるものである。また、ダイアグモードでは、
入出力のチェック等を停止(中断)させるのに用いる。
割り込みボタンは、ジョブ中断中を除く第1次ジョブ
中に割り込みモードに入り、割り込みジョブ中で第1次
ジョブに戻すのに用いるものである。また、第1次ジョ
ブの実行中にこのボタンが操作されると、予約状態とな
り、コピー用紙排出の切れ目でジョブを中断又は終了し
て割り込みのジョブに入る。
スタートボタンは、ジョブの開始、中断後の再開に用
いるものであり、ダイアグモードでは、コード値やデー
タ値の入力セーブ、入出力等の開始に用いる。マシン余
熱中にスタートボタンが走査されると、余熱終了時点で
マシンはオートスタートする。
インフォメーションボタンは、オンボタンとオフボタ
ンからなり、コピー実行中を除き受付可能な状態にあっ
て、オンボタンにより現在表示されている画面に対する
インフォメーション画面を表示し、オフボタンにより退
避させるのに用いるものである。
オーディトロンボタンは、ジョブ開始時に暗証番号を
入力するために操作するものである。
ランゲージボタンは、表示画面の言語を切り換えると
きに操作するものである。したがって、各表示画面毎に
複数言語のデータを持ち、選択できるようにしている。
なお、ハードコントロールパネルには、上記の各ボタ
ンの他、ボタンの操作状態を表示するために適宜LED
(発光ダイオード)ランプが取り付けられる。
(III)画像読取装置 (III−1)画像読取装置の概略構成 第2図に示されているように、画像読取装置は、フィ
ルムプロジェクタ(F/P)64、ミラーユニット(M/U)65
およびIIT32等の画像読取装置本体を備えている。
(A)F/Pの構成 第38図に示されているように、F/P64のハウジング601
には、動作確認ランプ602、マニュアルランプスイッチ6
03、オートフォーカス/マニュアルフォーカス切り換え
スイッチ(AF/MF切り換えスイッチ)604、およびマニュ
アルフォーカス操作スイッチ(M/F操作スイッチ)605a,
605bが設けられている。また、ハウジング601は開閉自
在な開閉部606を備えている。この開閉部606の上面と側
面とには、原稿フィルム633を支持したフィルム保持ケ
ース607を縦または横方向からF/P64内に挿入するための
孔608,609がそれぞれ穿設されている。これら孔608,609
の反対側にもフィルム保持ケース607が突出することが
できる孔(図示されない)が穿設されている。
このように、フィルム保持ケース607の挿入方向を縦
または横方向に切り替えることができるようにすること
により、その原稿フィルム633に記憶されている画像を
コピー用紙のフォームに対してコピー画像を所望の向き
に設定してコピーすることができるようになる。すなわ
ち、複写機において、例えばA3のコピー用紙のように向
きが一方向にした設定することができない場合に、その
コピー用紙の向きに対して同じ向きまたは直交する向き
のうち所望の向きにコピーすることができるようなる。
またコピー用紙の一部にコメントを書いて残りの部分に
フィルム画像のコピーをするような場合、そのコメント
の向きに合わせて画像をコピーすることもできるように
なる。
開閉部606は蝶番によってハウジング601に回動可能に
取り付けられるか、あるいはハウジング601に着脱自在
に取り付けるようになっている。開閉部606を開閉自在
にすることにより、孔608,609からハウジング601内に小
さな異物が侵入したときに容易にこの異物を取り除くこ
とができるようにしている。
このフィルム保持ケース607は35mmネガフィルム用の
ケースとリバーサルフィルム用のケースとが準備されて
いる。したがって、F/P64はこれらのフィルムに対応す
ることができるようにしている。また、F/P64は6cm×6c
mや4inch×5inchのリバーサルフィルムにも対応するこ
とができるようにしている。その場合、そのリバーサル
フィルムをM/U65とプラテンガラス31との間でプラテン
ガラス31上に密着するようにしている。
第1図に示されているように、ハウジング601の図に
おいて右側面には映写レンズ610を保持する映写レンズ
保持部材611が摺動自在に支持されている。
また、ハウジング601内にはリフレクタ612およびハロ
ゲンランプ等からなる光源ランプ613が映写レンズ610と
同軸上に配設されている。ランプ613の近傍には、この
ランプ613を冷却するための冷却ファン614が設けられて
いる。更に、ランプ613の右方には、このランプ613から
の光を収束するための非球面レンズ615、所定の波長の
光線をカットするための熱線吸収フィルタ616および凸
レンズ617がそれぞれ映写レンズ610と同軸上に配設され
ている。
凸レンズ617の右方には、例えばリバーサルフィルム
の分光特性およびランプ613の分光特性を補正するため
のリバーサルフィルム用補正フィルタ635等の補正フィ
ルタを支持する補正フィルタ保持部材618と、この補正
フィルタ保持部材618を歯車減速装置640を介して回転す
る駆動用モータ619と、補正フィルタ保持部材618の回転
位置を検出する第1および第2位置検出センサ620,621
と駆動用モータ619を制御するコントロール装置641とを
それぞれ備えた補正フィルタ自動交換装置が設けられて
いる。
そして、この補正フィルタ自動変換装置は、補正フィ
ルタ保持部材618に支持された補正フィルタのうち、例
えば原稿フィルム633がリバーサルフィルムの場合に、
このリバーサルフィルムに対応したリバーサルフィルム
用補正フィルタ635を自動的に選択して映写レンズ610等
の各レンズと同軸上の使用位置に整合するようにしてい
る。
更に、映写レンズ保持部材611に連動するオートフォ
ーカスセンサ用発光器623および受光器624と、映写レン
ズ保持部材611をハウジング601に対して摺動させる摺動
用モータ625、このモータ625を駆動制御する制御装置65
7とを備えた本発明におけるオートフォーカス装置(AF
装置)が設けられている。このAF装置については後で詳
述する。フィルム保持ケース607が孔608または孔609か
らハウジング601内に挿入されたとき、このフィルム保
持ケース607に支持された原稿フィルム633は補正フィル
タ保持部材618と発光器623および受光器624との間に位
置するようにされている。原稿フィルム633の装着位置
の近傍には、この原稿フィルム633を冷却するためのフ
ィルム冷却用ファン626が設けられている。
このF/P64の電源はベースマシン30の電源とは別に設
けられるが、このベースマシン30内に収納されている。
(B)M/Cの構成 第35図に示されているように、ミラーユニット(M/
U)65は底板627とこの底板627に一端が回動可能に取り
付けられたカバー628とを備えている。底板627とカバー
628との間には、一対の支持片629,629が枢着されてお
り、これら支持片629,629は、カバー628を最大に開いた
ときこのカバー628と底板627とのなす角度が45度となる
ようにカバー628を支持するようにしている。
カバー628の裏面にはミラー630が設けられている。ま
た底板627には大きな開口が形成されていて、この開口
を塞ぐようにしてフルネルレンズ631と拡散板632とが設
けられている。
第1図に示されているように、これらフレネルレンズ
631と拡散板632とは一枚のアクリル板からなっており、
このアクリル板の表面にフレネルレンズ631が形成され
ているとともに、裏面に拡散板632が形成されている。
フレネルレンズ631はミラー630によって反射され、拡散
しようとする映写光を平行な光に変えることにより、画
像の周辺部が暗くなるのを防止する機能を有している。
また拡散板632は、フルネルレンズ631からの平行光によ
って形成される。イメージングユニット37内のセルフォ
ックレンズ224の影をラインセンサ226が検知し得ないよ
うにするために平行光を微小量拡散する機能を有してい
る。
そして、フィルムプロジェクタ64による投影像が拡散
板632に形成されるようになっている。この拡散板632に
形成された投影像を目視することができると共にカラー
複写機のIIT32の読取センサによって読取ることができ
るようになっている。
このミラーユニット65はF/P64によるカラーコピーを
行わないときには、折畳まれて所定の保管場所に保管さ
れる。そして、ミラーユニット65は使用する時に開かれ
てベースマシン30のプラテンガラス31上の所定の場所に
載置される。
(III−2)画像読取装置の主な機能 画像読取装置は、以下の主な機能を備えている。
(A)補正フィルタ自動交換機能 前述の通り、F/P64に光源ランプ613として一般に用い
られているハロゲンランプは、可視光域で赤が強く青が
弱いという分光特性を有してるので、フィルム画像の映
写光のR、G、Bの比がアンバランスになってしまう。
またネガフィルムの場合、ベースの色がオレンジ色をし
ているため、映写光の色が赤が強く青が弱いという特性
が一層顕著になる。このため、ハロゲンランプによりフ
ィルム画像を映写した映写光をフィルムの種類に関係な
る一律に読み取ろうとした場合、色によって光量が異な
ることから、読取り系のレンズから色によっては逸脱し
てしまい、良好な読取りを行うことができなくなる。
そこで、画像読取装置には、このような分光特性を補
正するための補正フィルタがフィルムの種類に応じて準
備されている。そして、フィルム画像読取り装置は、こ
れらの補正フィルタを自動的に交換することができるよ
うになっている。
補正フィルタの交換は前述の補正フィルタ交換装置に
よって行われる。すなわち、後述するシェーディング補
正時にはIITで読み取れる濃度レンジに補正するための
例えばリバーサル用補正フィルタをまた原稿フィルム映
写時にはこの原稿フィルムに対応した補正フィルタをそ
れぞれ使用一に装着するように、システム(SYS)内の
マイクロプロセッサ(CPU)71から2bitの命令信号が出
力されると、コントロール装置641は、第1、第2位置
検出センサ620,621からの2bit信号がCPU71の信号に一致
するように、駆動用モータ619を駆動制御する。そし
て、センサ620,621からの信号がCPU71の信号に一致する
と、コントロール装置641はモータ619を停止させる。モ
ータ619が停止したときには、使用すべき補正フィルタ
が自動的に使用位置に装着されるようになる。
したがって、補正フィルタの交換はオペレータがフィ
ルムの種類をU/I36により選択するのみで自動的に交換
されるので手間がかからなく、簡単かつ正確に補正フィ
ルタを交換することができるようになる。
(B)原稿フィルム挿入方向検知機能 原稿フィルム633はフィルム保持ケース607に支持され
る。このフィルム保持ケース607はハウジング601に形成
された挿入孔608,609のいずれの孔からも挿入すること
ができる。すなわち、コピー用紙の向きに対するコピー
画像の所望の向きに対応して鉛直方向からと水平方向か
らとの二方向からフィルム保持ケース607を装着するこ
とができるようにしている。その場合、第1図に示され
ているように、挿入孔608の近傍のハウジング601の内側
には、フィルム保持ケース挿入方向検知センサ642が配
設されている。このセンサ642は市販のセンサによって
構成されている。このようなセンサ642はもう一方の挿
入孔609の方の近傍に設けるようにするともできるし、
また両方の孔608,609の近傍に設けるようにすることも
できる。
そして、第1図に示されているように、フィルム保持
ケース検知センサ642が孔608側にのみ設けられている場
合には、フィルム保持ケース607を孔608から挿入すると
このセンサ642がこの保持ケース607を検知してオンとな
る。したがって、この検知信号がHIGHとなる。この検知
信号がHIGHのときにはラインセンサ226は常に全エリア
の信号を送出し、CPU71で画像エリアとして切り出す領
域を決定するようにしている。すなわち副走査方向が投
影像の長手方向となるように設定される。また、フィル
ム保持ケース607が孔609から挿入されたとき、このスイ
ッチ642はオフ状態を保持するので、検知信号はLOWとな
る。この検知信号がLOWのときには、CPU71で決定される
画像エリアは主走査方向が投影像の長手方向となるよう
に設定される。
また、センサ642が孔609側のみに設けられている場
合、あるいはセンサ642が両方の孔608,609側に設けられ
ている場合にも、同様に、フィルム保持ケース607が孔6
08から挿入されたときにコピー画像エリアは副走査方向
ラインセンサ226の必要エリアは副走査方向が投影像の
長手方向となるように、またフィルム保持ケース607が
孔609から挿入されたときに画像エリアは主走査方向が
投影像の長手方向となるように、センサ642のHIGH、LOW
信号が設定される。
(C)自動焦点調節機能(AF機能) 第33図は第1図に示すF/P64のAF装置部分を拡大して
詳細に示す平面図である。
第33図から明らかなように、ハウジング601には補正
フィルタ635とレンズ保持部材610との間に位置してフィ
ルム保持ケース607を支持するフレーム651が設けられて
おり、このフレーム651には光源ランプ613の光からの光
線が透過するに十分な大きさの開口651aが穿設されてい
る。またフレーム651には、フィルム保持ケース607を上
下方向に案内かつ支持するガイド部652と左右方向に案
内かつ支持するガイド部653とが設けられている。した
がって、これらの両ガイド部652,653はランプ613の光路
上でちょうど交差するようになっている。
原稿フィルムは常に光学系の所定位置に停止するため
に、目視によってフィルムが光学系の所定位置にきたこ
とを確かめることができるようにしている。
更に上下方向のガイド部652には、市販のフィルム保
持ケース607の挿入方向検出センサ642が設けられてお
り、フィルム保持ケース607がF/P64に縦に装着されてい
るか、あるいは横に装着されているかを検知するように
している 第1図に示すように、AFセンサ用発光器623と受光器6
24とはレンズ保持部材611に取り付けられていてこのレ
ンズ保持部材611の移動に連動するようになっている。
しかし、発光器623および受光器624のいずれか一方を固
定し、発光器623および受光器624のいずれか他方をレン
ズ保持部材611に連動させるようにすることもできる。
受光器624は、例えばホトトランジスタ等の光電変換素
子からなり互いに隣接する2個の受光素子を備えてお
り、発光器623から発せられた光が所定位置にセットさ
れたフィルムに当たって反射し、その反射光がこれらの
受光素子に入射するようになっている。その場合、2個
の受光素子の各々に入射する光の量の差が0のとき、フ
ィルムと発光器623および受光器624との距離が所定値と
なるように設定している。更に、ピントを正確に合わせ
るためには、フィルムと映写レンズ610との距離が正確
に所定値となるようにしなければならない。そのため
に、映写レンズ610とレンズ保持部材611とが相対移動す
ることができるようにしている。そして、原稿フィルム
633と発光器623および受光器624とからなるAFセンサが
接続された保持部材611とが所定距離となった状態でレ
ンズ保持部材611に対して映写レンズ610をピントが合う
ように移動させる。この状態で、レンズ610とレンズ保
持部材611とが第1図に示すようにねじ654によって相対
移動不能に固定される。このようにレンズ610とレンズ
保持部材611とを相対移動不能に固定できる理由は、F/P
64をカラー複写機に装着したとき、F/P64と結像面のそ
れぞれの位置が固定されるのでF/P64と結像面との距離
が一定であり、一度ピントを合わせてしまえば、再調整
を行う必要がないためである。このようにすることによ
り、ユーザーがレンズ610等に触れてしまってピントが
ずれることを防止している。こうして、発光器623から
の光の反射光を受光器624の2受光素子が受光する受光
量の差が0となったとき、ピントが正確に合った状態に
設定される。
ピントが合ったときの発光器623からの光がフィルム
に当たる位置、すなわちピント合わせの対象位置はフィ
ルムの中心位置に設定されている。フィルム中心位置で
ピント合わせを行うようにする理由は、通常、フィルム
の中心部に主要被写体が位置している場合が多いので、
その中心部でピントを合わせることが最適であるためで
ある。このようにフィルムの中心位置でAF作動を行うに
あたっては、レンズ610の移動量の決定はフィルムの中
心部とAFセンサとの距離に基づいてなされる。このた
め、AFセンサの光軸面にフィルムの中心が来ることがAF
許可条件の一つとなる。
第34図(A)に示されるように、各々のフィルムはフ
ィルムケース内に所定の間隔をおいて収納されている。
従ってフィルム中心部の位置は、透過型の発光器623′
及びその発光器624′から成る検知手段によって特定で
きる。即ち発光器の出力はフィルムケースの枠607′か
又はフィルムかによって異なるためである。
しかしながら、この実施例のように必ずしもフィルム
の中心位置でなくてもよく、他の適当な位置でもよい。
すなわち、中心部に主要被写体が位置しているフィルム
であっても、フィルムがたわんでいる場合には、中心部
でピントを合わせるようにすると、投影像全体は著しく
ピントがずれてしまうようになる。このような場合を考
慮して、フィルム中心部とフィルム端部との間でピント
を合わせて、フィルム全面を焦点深度内に収めるように
することもできる。
レンズ保持部材611を移動させる手段は、このレンズ
保持部材611に取り付けられたラック655、摺動用モータ
625およびこのモータ625の回転軸に取り付けられ、ラッ
ク655に噛合するピニオン656とから構成されている。し
たがって、モータ625が駆動すると、レンズ保持部材611
はハウジング601に対して相対摺動するようになる。
発光器623、受光器624およびモータ625はそれぞれ制
御装置657に接続されている。この制御装置657は、受光
器624の2受光素子の受光量の差が0でないときには、
この差が0となるまでモータ625を駆動する。このよう
にして、制御装置657はフィルムが装着されると、自動
的にピント合わせを行うようになる。
また、AF機能を行うようにすると、原稿フィルム633
に歪みがある場合やコピーしたい部分がAFのピント合わ
せの対象位置からずれている場合には、AFによってはピ
ント合わせが不可能である。そこで、F/P64は、手動で
ピント合わせを行うマニュアルフォーカス機能(MF機
能)を備えている。このMF機能については、後述する。
次に、AF作動を行わせる制御信号について説明する。
この制御信号には、カラー複写機本体であるベースマ
シン(M/C)30のシステムからF/P64へ発信される F/P64からシステムへ発信される とがある。
はF/P64のAF作動を許可または禁止するために用いら
れ、この信号がLOWのときには、AF作動を許可し、HIGH
のときにはAF作動を禁止するようにしている。
AF作動を禁止する場合として、複写機がフルコピーを
行うにあたってイメージングユニット37が画像を読み取
るためにスキャンを行っている場合がある。すなわち、
イメージングユニット37が最初のスキャンを始めてから
R,G,B,Kの4回スキャンし終わるまではAF作動を禁止す
るようにしている。この禁止は4回スキャンする途中で
AF作動が行われて映写レンズ610が移動してしまうと、
R,G,B,K毎に位置ずれが生じるおそれがあるので、この
位置ずれを防止するために行われる。もちろん位置ずれ
を起こさない高精度のレンズ移動機構があれば、前述の
4回スキャンの間はAF作動を許可してもよい場合があ
る。
また複数枚のコピーをとるときは、各々のコピー終了
時からその次の読取開始時の間は をLOWとなるように設定している。更に自動焦点調節禁
止を行うタイミングはスキャン開始時でも、あるいはイ
メージングユニットがある位置を通過したときでもよ
い。すなわち読み取り開始時またはそれ以前であればよ
い。許可を行うタイミングも同様に設定される。
はF/Pモードが選択されたときから、すなわち最初からL
OWとなるように設定される。したがって、フィルムがF/
P64の所定位置にセットされれば、いつでもAF作動は可
能となるようにしている。
一方、 AFを選択したときには、フィルムがF/P64の所定位置に
セットされ、かつピントが合ったときにLOWとなる。す
なわち はAF作動が終了したことを表す信号の代わりに用いら
れ、この信号がLOWのとき、複写機はコピーが可能とな
る。したがって、AF作動中は、複写機のコピー作動がで
きないようにしている。これによっても、ピントずれに
よるミスコピーを防止している。
また一度コピー動作を開始すれば に関わらず、コピー動作を終了する。
MFが選択されたときには、この はフィルムがセットされていさえすればLOWとなる。
またF/P64においては、AFセンサ623,624をAF動作以外
のセンサにも用いるようにしている。
第34図(A)に示すように、例えばAFセンサ623,624
をフィルムがF/P64の所定位置にセットされているか否
かを検知するフィルム検知センサとして用いるようにし
ている。すなわち、フィルム633がF/P64内の所定位置に
セットされているときには、AFセンサの発光器623から
の光がフィルムにあたって反射し、その反射光が受光器
624によって受光されるようになる。この結果、フィル
ムセット信号が出力され、この信号により、フィルムが
セットされていることを検知することができる。
これに対して、フィルムがF/P64に全くないときに
は、AFセンサの発光器623からの光が反射されないので
受光器624が受光することはなく、またフィルムがF/P64
内にあってもフィルムのコマ送りの際にフィルムとフィ
ルムとの間のフィルム保持ケース607がF/P64の本来フィ
ルムのあるべき所定位置にセットされてしまったとき
は、第34図(B)に示すようにフィルム保持ケースの枠
によって光を拡散させたり、同図(C)に示すように光
の反射方向を変えたりすることにより受光器624が受光
しないようにしているので、AFセンサ623,624から信号
が出力されない。したがって、この信号がないときには
フィルムがF/P64に正確にセットされていないと判断さ
れ、 をHIGHとしている。
そして、 がHIGHのときには、複写機がコピーを行うことを禁止す
るようにしている。このようにすることにより、ミスコ
ピーの発生を防止するようにしている。この信号による
フィルム検知は、受光器624の少なくとも一方の受光素
子が受光すればフィルム有りと判断するようにしてい
る。
また第35図に示すように、AFセンサ623,624を光源ラ
ンプ613の自動点灯スイッチとして用いるようにしてい
る。すなわち、原稿フィルムがF/P64内の所定位置にセ
ットされてAFセンサから信号が出力されたときには、そ
の信号によってランプ613を所定時間(t秒間)だけ点
灯するようにしている。このようにランプ613が点灯す
ると、投影像が拡散板に形成され、操作者が映写しよう
とするフィルム画像を投影して見ることができるように
なると共に、IIT32の読取センサもこの投影像を読み取
ることができるようになる。したがって、間違った画像
をコピーすることがなくなる。ランプ613は、この信号
が所定時間(t秒)経過しないうちにオフとなっても所
定時間(t秒)の間は点灯し続ける。そして、第36図に
示すように、この所定時間(t秒)のうちに一旦AFセン
サからの信号がオフとなり再びこのt秒の間にAFセンサ
から信号が出力されると、ランプ613は信号の再出力の
ときからt秒間点灯するようにする。要するに、最後の
信号出力のときからt秒間経過するまで、ランプ613は
点灯し続けるようになる。これにより、フィルムを保持
したフィルム保持ケース607をF/P64に装着するとき、フ
ィルムの映写したいコマが所定位置にセットされるま
で、他のコマによってAFセンサから信号が出力されてラ
ンプ613が点灯したとしても、その後映写したいコマが
セットされたときに信号が出力されるので、このときの
信号すなわち最後に出力された信号からt秒間ランプ61
3が点灯するようになる。したがって、映写したいコマ
の画像を確実に見ることができる。
次に第37図を用いてこのAF装置の作動を説明する。
U/I36におけるディスプレイの画面上のキーを操作し
てF/Pモードを選択すると、ベースマシン30はF/Pモード
に設定される。F/Pモードが選択されたときは自動的にA
Fモードが選択される。したがって、F/Pモードが選択さ
れたときには、発光器623が光を発する。なお第37図に
おいて、F/P64のAF/MF切り換えスイッチ604によりAFかM
Fかを選択することができるので、MFモードを選択した
い場合にはMFのスイッチを選択することにより、F/P64
に対して手動による焦点調節を行うことができるように
なる。
F/Pモードにおいて、原稿フィルム633が入っているフ
ィルム保持ケース607をF/P64に装着して原稿フィルム63
3を所定の位置に正確にセットすると、発光器623からの
光がこの原稿フィルム633によって反射するようにな
り、その反射光が受光器624の2個の受光素子にそれぞ
れ入射するようになる。
このため、2個の受光素子はそれぞれ入射した反射光
の量に応じた大きさの電圧を発生し、その信号を制御装
置(F/P CONTROL BOAD)657の一対の2値化回路671,672
および減算回路674に出力する。2値化回路671,672の出
力信号はOR回路673に送られ、このOR回路673が出力する
フィルムセット信号が一対のAND回路678,679に入力され
る。
また、カラー複写機本体30から がAND回路678に出力される。AND回路678に のLOWとフィルムセット信号とがともに入力されると、A
ND回路678はモータ駆動回路676にモータ駆動許可信号を
出力する。
一方、減算回路674はこれらの信号差を演算し、その
差分を演算回路675に出力する。ピントが合っていなく
差分が0でないときには、演算回路675はモータ駆動量
制御信号をモータ駆動回路676に出力する。そしてモー
タ駆動回路676はAND回路678からのモータ駆動許可信号
により作動しモータ駆動量制御信号に基づいて2素子か
らの信号の差が小さくなる方向にモータ625を駆動す
る。
このとき、減算回路674からの差分信号が2値化回路6
77にも入力されるようになり、この2値化回路677はピ
ント不合致信号を出力する。したがって、AND回路679は
カラー複写機本体30に HIGHを出力する。
モータ625の駆動により、レンズ保持部材611が摺動す
るとともに、これに連動して、発光器623および受光器6
24がともに移動する。これにより、発光器623とフィル
ム633との間の距離が変化するので、発光器623からの光
がフィルム633に当たって反射する位置が変化する。そ
の結果、2受光素子が受光する反射光の量の差が少なく
なってくる。すなわち、減算回路674からの出力が小さ
くなってくる。そして、2受光素子からの出力信号の差
が0になる、すなわち減算回路674からの出力が0とな
ると、演算回路675がモータ駆動量制御信号を出力しな
くなり、モータ駆動回路676はモータ625を停止する。こ
のモータ625が停止したとき、すなわち2受光素子の出
力信号の差が0となったときが、正確にピントの合った
状態となる。
減算回路674からの出力が0となると、2値化回路677
からピント合致信号が出力され、AND回路679はこのピン
ト合致信号とフィルムセット信号との論理積によりカラ
ー複写機本体30に LOWを出力する。
またOR回路673からのフィルムセット信号により、ラ
ンプ用電源680が作動し、光源ランプ613が点灯する。こ
れにより、F/P64内の所定位置にセットされているコマ
の画像がM/U65の拡散板632に投影されるようになるの
で、コピーしたいコマが所定位置にセットされているか
否かが目視できる。
このようにして、AF作動が行われる。このAF作動によ
り、原稿フィルム633を入れたフィルム保持ケース607を
F/P64に装着し、フィルム633が正確にセットするだけで
ピントを合わせられるので、その都度手動によりピント
合わせを行わなくても済むようになる。したがって、手
間がかからないばかりでなく、ピントずれによるコピー
の失敗が防止できる。
ところで、このようなAF作動においては、例えばAFセ
ンサとして光を用いているので、光源ランプ613の光が
受光器624に入って誤作動してしまうおそれがある。AF
作動が誤作動すると、ピントのあった好ましいコピーが
得られなり、AF装置を設けた意味がなくなる。そこでそ
の対策として、例えば発光器623の光に変調をかけるよ
うにすることが考えられる。そのために、発光器623の
光源として簡単に変調をかけることのできるLEDランプ
が適当である。
(D)マニュアルフォーカス機能(MF機能) 手動によりピントを合わせたい場合には、AF/MF切換
スイッチ604をMFに切り換える。スイッチ604をMFに切り
換えても、AFセンサによるフィルム検知が行われている
ので、フィルムをF/P64に装着すれば自動的にランプ613
が所定時間点灯し、手動でピント合わせを行うことがで
きるようになる。
このMF機能は、例えばフィルムに歪みがある場合でコ
ピーしたい部分がAFのピント合わせ対象位置からずれて
いると、その部分のAFによるピント合わせが不可能とな
るので、これをできるようにするために設けられてい
る。また、AF装置が故障した場合にも、このMF機能によ
ってピント合わせを行うことができるようにしている。
このMFの操作は、第37図においてAF/MF切換スイッチ6
04をMF側に切り換え、ミラーユニット65のフレネルレン
ズ631と拡散板632とが形成されているスリガラスに映写
した原稿フィルム633の画像を見ながら、操作スイッチ6
05a,605bを押すことにより行われる。すなわち、これら
の操作スイッチ605a,605bのいずれかを押すと、演算回
路675は押された方のスイッチ605a,605bに対応してレン
ズ610が移動するようにモータ駆動量制御信号を出力す
る。この信号に基づいてモータ駆動回路676はモータ625
を駆動する。写したい部分のピントが合ったとき、スイ
ッチの押動操作を解除すれば、モータ625が停止し、映
写レンズ610はピントのあった位置にセットされる。こ
のようにして、フィルム画像の特定の部分のピントを合
わせることができるようになる。
またランプ点灯の所定時間(t秒)が経過するとラン
プは消灯するが、更にピント合わせを行いたい場合に
は、マニュアルランプスイッチ603を押すことにより続
けて手動によるピント合わせを可能にしている。
更に、AF/MF切り換えスイッチ604によってMFが選択さ
れると、F/P64はAF作動に優先してMF作動を行うことが
できるようにしている。
(E)光源ランプのマニュアル点灯機能 マニュアルランプスイッチ603を押すことにより無条
件にランプ613を点灯させることができるようにしてい
る。このスイッチ603は通常は使用しないが、比較的厚
さの厚いものに記録されている画像をプラテンモードで
コピーする場合においてコピーに影ができないようにす
るためにバックライティングするとき、AF時に長時間映
写像を見るとき、前述のようにMF作動によるピント合わ
せを行うとき、およびランプ切れを確認するとき等に使
用される。
(F)倍率自動変更およびスキャンエリア自動変更機能 U/I36で用紙サイズを設定すると、設定された用紙サ
イズと原稿読取りサイズとの間の計算により倍率を自動
的に設定することができるようにしてる。また、U/I36
で原稿フィルムの種類を選択することにより、そのフィ
ルムに応じてコピーエリアを自動的に選択することがで
きるようにしている。
(G)自動シェーディング補正機能 光源ランプ613の光量ムラ等の読取り系の空間的ムラ
やフィルム以外の分光特性の変動によって画像の読取り
データが影響を受けてしまう。また、セルフォックレン
ズ224の周期ムラやラインセンサ226の画素感度ムラ等の
読取り系の主走査方向の構造に起因するムラにより、画
像上に副走査方向のすじが生じるので、見苦しくなって
しまう。更に読取り系の経時変化や機器間の差も画像読
取りに影響を与えてしまう。このような影響を排除する
ために、シェーディング補正が行われる。
本発明におけるフィルム画像読取り装置においては、
このシェーディング補正を自動的に行うことができるよ
うにしている。すなわち、ネガフィルム用およびリバー
サルフィルム用の各保持ケース607の交換、補正フィル
タの交換、ベースフィルムの装着等の作業を行うことな
く、U/I36上の一つのキーボタンを操作するだけでシェ
ーディングを行うことができるようにしている。この自
動シェーディングの詳細は後述する。
一方、CPU71のROMには、一般に、写真撮影によく使用
されるネガフィルムであるFUJI(登録商標)、KODAK
(登録商標)およびKONICA(登録商標)の各ASA100の未
露光フィルムを現像したベースフィルムの濃度データが
記憶されており、これらのフィルムが選択されたとき、
CPU71は記憶された濃度データ基づいてフィルムのバッ
クグランド濃度分、すなわちベースフィルム濃度分の濃
度補正を自動的に行うことができるようにしている。そ
の場合、これらのフィルムのベースフィルムをF/P64に
装着する必要はない。
したがって、ベースフィルムを装着する手間を省くこ
とができるばかりでなく、間違ってベースフィルムを装
着することが防止でき、しかもベースフィルムの管理が
不要となる。
また、この3種類のフィルム以外に他のフィルムの一
種類について、そのフィルムのベースフィルムの濃度デ
ータを登録することができるようにしている。そしてこ
のデータをベースマシン30のシステム内の不揮発性メモ
リ(NVM)に記憶するようにしている。この登録された
フィルムの場合にも前述の3種類のフィルムの場合と同
様にベースフィルム分の濃度補正が自動的に行われるよ
うにしている。
(H)自動画質調整機能 フィルム撮影時の露光条件等の諸条件に由来する原稿
フィルムの濃淡やカラーバランスずれに基づいて濃度調
整やカラーバランス調整を自動的に行い、併せてフィル
ムの濃淡に応じたγ補正を自動的に行うことができるよ
うにしている。
(III−3)画像信号処理 (A)画像信号の補正の必要性およびその補正の原理 一般にフィルムの持っている濃度レンジは反射原稿の
濃度レンジよりも広い。また、同じフィルムでも、リバ
ーサルフィルムの濃度レンジはネガフィルムのそれより
も広いというようにフィルムの種類によっても濃度レン
ジが異なる。更に、フィルムの実際に使われている濃度
レンジは、例えばフィルムの露光量、被写体の濃度ある
いは撮影時の明るさ等の原稿フィルムの撮影条件によっ
て左右される。実際に、主要被写体濃度は撮影されたコ
マ毎に種々異なっていてフィルムの濃度レンジ内に広く
分布している。
したがって、このようなフィルムに記憶されている画
像を、反射光によって原稿をコピーする複写機でコピー
しようとする場合、一律に同じ信号処理を行ったので
は、良好な再現性は得られない。そこで、主要被写体の
濃度が適正となるよう画像読取り信号を適宜補正するこ
とにより、良好な再現性を得るようにしている。
第40図は、あるネガフィルムの写真特性曲線(H−D
曲線)および濃度補正の原理を示している。この図にお
いて、横軸は、右半分が被写体の露光量H(被写体濃度
に相当する)を表わし、左半分がシェーディング補正後
の濃度を表わしている。また、縦軸は、上半分がビデオ
回路出力D(ほぼネガ濃度に等しい)を表わし、下半分
が出力コピー濃度を表わしている。すなわち、第1象限
はそのネガフィルムのH−D曲線を、第2象限はシェー
ディング補正の部分で行う濃度の加減算の関係を、第3
象限はENDカーブによるγ補正の関係を、そして第4象
限は被写体露光量と補正された出力コピー濃度との関係
をそれぞれ表わしている。
このネガフィルムのH−D特性は、第40図の第1象限
において線(イ)で示される。すなわち、被写体からの
露光量が多いときにはネガフィルムの濃度が大きく、被
写体からの露光量が少なくなるにしたがって、ネガフィ
ルム濃度は線形的に小さくなる。被写体からの露光量が
ある程度少なくなると、被写体からの露光量とネガフィ
ルム濃度との線形性がなくなる。そして、この露光量が
少ない場合には、例えば、そのフィルムに記録されてい
る画像が人間の胸像であるとすると、顔と髪の毛との間
のコントラストがとれなくなってしまう。これを補正す
るためには、ENDカーブの傾きを非線形の部分のみ大き
くすることによりγ補正を行う必要がある。また、露光
量が多い場合でも、線(イ)の傾き、すなわちγの値が
1よりも小さいのでγ補正を行わないと、コピーが軟調
になってしまう。更に、R、G、B毎に異なるγの差を
補正しないとカラーバランスの再現も良好にされない。
このようなことから、γ補正が必要となる。
次に、第40図を用いて補正の原理を説明する。同図第
3象限には、γ補正のためのENDカーブ(ロ)が設定さ
れている。このENDカーブ(ロ)の傾きγ′は、第4象
限において被写体からの露光量と出力コピー濃度との関
係が45度の直線関係となるようにするために、γ′=1/
γに設定されている。
例えば、被写体からの露光量が比較的多い領域aの場
合、シェーディング補正回路のレジスタ239aに設定され
ている濃度調整値Dadjが、第2象限において直線で表
わされる値にあるとすると、シェーディング補正後の濃
度は領域a′となる。この領域a′のうち領域aについ
てはENDカーブ(ロ)の変換範囲に入らなくなり、この
領域の部分はコピーをすると白くつぶれてしまう。そこ
で、第2象限においてDadj値を直線から直線にシフ
トして、シェーディング補正後の濃度をENDカーブ
(ロ)の変換範囲に入るようにする。このようにするこ
とにより、被写体からの露光量と出力コピー濃度との関
係が第4象限において45度の直線に従うようになっ
て、コピーは階調をもった濃度を有するようになる。
また、被写体からの露光量が比較的小さい領域bの場
合には、被写体からの露光量とネガフィルム濃度との線
形性がなくなる。この場合には、シェーディング補正回
路のDadj値を第2象限において直線の値に設定する。
そして、第3象限において線で表わされるENDカーブ
(ロ)を選択する。このENDカーブ(ロ)を選択するこ
とにより、被写体からの露光量と出力コピー濃度とが第
4象限の45度の直線で表わされるようにすることがで
きる。すなわち、被写体からの露光量が領域bにあると
き、例えば黒い髪の人が茶色い帽子をかぶっているとす
ると、髪と帽子とがほとんど同じ濃度になってしまうこ
とが防止され、髪と帽子とのコントラストを明瞭に出す
ことができるようになる。
こうして、被写体の濃度が適正となるように補正が行
われる。
(B)画像信号処理 第1図に示されているように、F/P64によってプラテ
ンガラス31上に原稿フィルム633の画像が映写される
と、その画像の映写光がセルフォックレンズ224を通し
てラインセンサ226の各センサ226a〜226eによりR、
G、B毎の光量としてアナログで読み取られる。この光
量で表わされた読取画像信号は各センサ別の増幅器231
に入力され、この増幅器231によって所定レベルに増幅
される。
増幅された画像信号はサンプルホールド回路(S/H)2
32においてサンプルホールドパルス用いてノイズを除去
すべく波形処理を行う。整形されたR,G,B毎の画像信号
はAGC233に入力される。このAGC233はD/A変換器241内に
格納されているゲイン値に基づいて各チップセンサ(C
h)からの画像信号の大きさをA/D変換器235の入力信号
レンジに見合う大きさまでR,G,B毎に増幅するようにし
ている。
増幅器231によってR,G,B毎に増幅された画像信号はAO
C234に送られ、このAOC234によって黒レベルが調整され
る。
次いで、AOC234によって黒レベルが調整された画像信
号はA/Dコンバータ235によって8bitのディジタル信号に
変換される。更にこのディジタル画像信号は分離合成回
路237において各センサ別にR、G、B毎に分離され、
分離された各センサのR、G、Bをそれぞれシリアルに
合成される。そして、合成分離回路237はR、G、毎に8
bitの画像信号を出力する。
この画像信号はログ変換器238に入力され、このログ
変換器238によって光量信号から濃度信号に変換され
る。このログ変換器238は、第41図(A),(B)に示
されているような二つの変換テーブルLUT「1」およびL
UT「0」を持ったROMのLook Up Tableで構成されてい
る。
濃度で表わされた画像信号はシェーディング補回路23
9によってシェーディング補正がされる。このシェーデ
ィング補正によって、セルフォックレンズ224の光量ム
ラ、ラインセンサ226における各画素の感度ムラ、補正
フィルタやランプ613の各分光特性や光量レベルのバラ
ツキ、あるいは経時変化による影響分が画像信号から取
り除かれる。
このシェーディング補正を行うに先立って、まず原稿
フィルム633が前述の3種類のフィルムおよび登録され
たフィルムが選択されたときには、補正フィルタ自動変
換装置によって、まず補正フィルタとしてリバーサルフ
ィルム用補正フィタ635が使用位置に装着され、原稿フ
ィルム633を装着しない状態でランプ613からの光量信号
を読み取る。読み取った光量信号が増幅されてディジタ
ル信号に変換され、さらに濃度信号に変換したものに基
づいて得られたデータを基準データとしてラインメモリ
240に記憶させる。すなわち、イメージングユニット37
をR、G、Bの各画素毎に32ラインステップスキャンし
てサンプリングし、これらのサンプリングデータをライ
ンメモリ240を通してCPU71に送り、CPU71が32ラインの
サンプリングデータの各々の画素毎の平均濃度値を演算
し、シェーディングデータをとる。このように平均をと
ることにより、光路上のゴミなどによって各画素データ
毎のエラーをなくすようにしている。
また、フィルム保持ケース607をF/P64に装着してその
ケース607に支持された原稿フィルム633の画像を読み取
るときに、CPU71はROMに記憶されている値またはこのRO
M値を補正更新した不揮発性メモリ(NVM)に記憶されて
いる値に基づくネガフィルムの濃度データを、原稿フィ
ルムをプリスキャンするときのデータとして用いる。更
にCPU71はこのプリスキャンによって得られたデータに
基づいた濃度補正量を前記ネガフィルムデータに加算し
て濃度調整値Dadjを演算し、シェーディング補正用のLS
I239内のレジスタ239aに設定されているDadj値を書き換
える。
そして、シェーディング補正回路239は原稿フィルム
を読み取った実際のデータにこのDadj値を加えることに
より、読み取った濃度値をシフトさせる。更に、シェー
ディング補正回路239はこれらの調整がされたデータか
ら各画素毎のシェーディングデータを引くことによりシ
ェーディング補正を行う。このDadjの加算により濃度の
微調整が行われる。
また、CPU71のROMに記録されていなく、かつシステム
のNVMに登録されていないフィルムの場合には、原稿フ
ィルム633のベースフィルムを装着してそのフィルムの
濃度データを得、得られた濃度データがDadj値を演算し
なければならない。
シェーディング補正が終ると、IIT32はIPS33にR、
G、B毎の濃度信号を出力する。
そして、CPU71は原稿フィルム633の実際のデータに基
づいてENDカーブ(ロ)を選択し、この選択したカーブ
(ロ)に基づいてγ補正を行うべく補正信号を出力す
る。この補正信号により、IPS33はγ補正を行って原稿
フィルム633のγが1でないことや非線形特性から生じ
るコントラストの不明瞭さを補正する。
(III−4)操作手順および信号のタイミング 第42図に基づいて、操作手順および信号のタイミング
を説明する。なお、破線で示す信号は、その信号を用い
てもよいことを示している。
F/P64の操作は、主にベースマシン30のU/I36によって
行われる。すなわち、U/I36のディスプレイの画面に表
示されるF/P操作キーを操作することにより、ベースマ
シン30をF/Pモードにする。
これにより第42図に示すように、U/I36のディスプレ
イの画面には、「ミラーユニットを置いて下さい」と表
示される。したがって、まずM/U65を開いてプラテンガ
ラス31の所定位置にセットする。
次いで、U/I36の画面上のM/U65セット終了キーを操作
すると、画面には「フィルムを入れずにお待ち下さい」
と表示される。同時に、ランプ613が点灯するととも
に、補正フィルタ制御(FC CONT)信号が(0,0)となっ
てFC動作、すなわち補正フィルタ交換動作が行われる。
また同時に、補正フィルタ交換(▲▼)信号
がHIGHとなる。補正フィルタ自動交換装置が作動してリ
バーサルフィルム用補正フィルタ635が使用位置に装着
される。こうして、原稿フィルムがネガフィルムおよび
リバーサルフィルムに関わらず、シェーディングデータ
採取時には常にリバーサルフィルム用補正フィルタ635
が使用位置に装着される。
補正フィルタ635がセットされると、 がLOWとなる。その場合、FC CONT信号が(0,0)となっ
た後所定時間(例えば4秒)通過しても、この がLOWとならないときには、U/I36の画面上に「故障」ま
たは「電源が入っているか否かの確認」と表示される。
これにより、故障または電源の入れ忘れを認識するこ
とができる。
がLOWとなったことかつランプ613が点灯してランプの立
上がり時間(例えば3〜5秒)経過したことをトリガー
としてシェーディング補正のためのシェーディングデー
タの採取が開始される。このシェーディングデータ採取
が終了すると、この終了をトリガーとして画面には「ピ
ントを合わせます フィルムを入れて下さい」と表示さ
れるとともに、ランプ613が消灯する。したがって、原
稿フィルム633を入れたフィルムケース607をF/P64に装
着する。これにより、AF用の発光器623からの光がこの
フィルム633によって反射され、その反射光が受光器624
によって検知される。
受光器623は一対のフォトダイオードからなる2分割
の素子で構成され、予めベストフォーカスのときにこれ
らの2素子間の反射光の受光量の差分が0となるように
設定しておく。この差分がフォーカスの歪等で0でない
ときには、AF装置のモータ625が作動し、ピントが合わ
される。すなわち、自動的にAF動作が行われる。ピント
合わせが終了すると、F/P作動準備完了 がLOWとなる。またピント合わせ終了と同時に、画面に
は「フィルムの種類を選んで下さい」および「各種類の
フィルムの選択キー」が表示される。
いま原稿フィルム633が前記3種類のネガフィルムま
たは登録ネガフィルムであると想定するとする。
「記憶または登録フィルム」のキーを押すと、FC CON
T信号が(0,1)となるとともに、 がHIGHとなる。したがって、補正フィルタ自動交換装置
が作動して、ネガフィルム用補正フィルタ636が使用位
置に装着される。この装着が完了すると、 がLOWとなる。
がLOWとなり、かつFC SET信号がLOWとなって1秒経過し
た後に、画面には「コピーできます」と表示される。
U/I36の画面上の「スタートキー」を押すと、画面に
は「コピー中です」と表示され、かつランプ613が点灯
するとともに、ランプ613立ち上がり時間を待って自動
濃度調整(A/E)のためのデータの採取、すなわちA/E動
作が開始される。すなわち、濃度調整、カラーバランス
調整、γ補正等を行うためのデータを得るためにイメー
ジングユニット37が一回スキャンして、投影像の一部ま
たは全部を読み取る。
次いで、イメージングユニット37がフルカラーのとき
には4回スキャンしてコピーが行われる。その場合、シ
ェーディングデータおよび自動濃度調整用コードに基づ
いてシェーディング補正および濃度調整が自動的に行わ
れる。また、γ補正のためのENDカーブの選択も濃度調
整量に応じて切り替え、原稿フィルム濃度の薄い部分も
有効画素データとする濃度調整量に対しては、第40図の
やが選択される。コピーが終了すると、ランプ613
が消灯するとともに、画面にはコピーできます」と表示
される。したがって、再びスタートキーを押すと、新た
にコピーが行われる。
他の画像をコピーしたい場合には、フィルムのコマを
変えることになる。コマを変える際、 がHIGHとなるとともに、画面には「ピントを合わせま
す」と表示される。新しいコマがセットされると、AF動
作が行われ、同時に、 がLOWとなるとともに、画面には「コピーできます」と
表示される。その後、スタートキーを押すことにより、
コピーが行われる。
以下、本発明の一実施例について説明したが、本発明
はこの実施例に限定されるものではなく、種々の設計変
更が可能である。
例えば、前述の実施例では、F/P64とM/U65とを別体に
設けられるものとしているが、M/U65をF/P64と一体に設
けるようにすることもできる。
(発明の効果) 以上の説明から明らかなように、請求項1の発明の画
像読取装置によれば、原稿フィルムが所定位置に装着さ
れかつ原稿フィルムの中心部が光学系のピント合わせ位
置にきたことをフィルム検知センサにより検知するとと
もに、このフィルム検知センサからのフィルム検知信号
に基づいて、自動焦点調節機構により自動焦点調節を開
始するようにしているので、フィルムをフィルムプロジ
ェクタに単に装着するだけで自動的にかつ正確にピント
合わせを行うことができる。しかも、一般に原稿フィル
ムのコマの中心部に主要被写体が撮像されている場合が
多く、このような原稿フィルムの中心部を基準にピント
合わせを行うことにより、ピント合わせをより効果的に
行うことができるとともに、特に主要被写体のピントを
正確に合わせることができる。こうして、ピント合わせ
の操作をきわめて簡単に行うことができるばかりでな
く、正確にピントが合った鮮明な画像を簡単に得ること
ができるようになる。
また、請求項2の発明の画像読取装置によれば、画像
読取装置本体における複数回の走査によるフィルム画像
読取中は、自動焦点調節機能の自動焦点調節動作を禁止
するようにしているので、映写レンズの移動を確実に阻
止できる。このように映写レンズの移動を阻止できるこ
とにより光軸のずれを防止できるので、直線のずれ、読
取画像の位置ずれ、あるいは色ずれ等による誤った画像
読取を確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明によるフィルム画像読取装置の一実施例
に用いられるフィルムプロジェクタの構成を概略的に示
すとともに、フィルムプロジェクタとミラーユニットと
イメージ入力ターミナルとの関連を示す説明図、第2図
は本発明が適用されるカラー複写機の全体構成の1例を
示す図、第3図はハードウェアアーキテクチャーを示す
図、第4図はソフトウェアアーキテクチャーを示す図、
第5図はコピーレイヤを示す図、第6図はステート分割
を示す図、第7図はパワーオンステートからスタンバイ
ステートまでのシーケンスを説明する図、第8図はプロ
グレスステートのシーケンスを説明する図、第9図はダ
イアグノスティックの概念を説明する図、第10図はシス
テムと他のリモートとの関係を示す図、第11図はシステ
ムのモジュール構成を示す図、第12図はジョブモードの
作成を説明する図、第13図はシステムと各リモートとの
データフローおよびシステム内モジュール間データフロ
ーを示す図、第14図は原稿走査機構の斜視図、第15図は
ステッピングモータの制御方式を説明する図、第16図は
IITコントロール方式を説明するタイミングチャート、
第17図はイメージングユニットの断面図、第18図はCCD
ラインセンサの配置例を示す図、第19図はビデオ信号処
理回路の構成例を示す図、第20図はビデオ信号処理回路
の動作を説明するタイミングチャート、第21図はIPSの
モジュール構成の概要を示す図、第22図はIPSを構成す
る各モジュールを説明する図、第23図はIPSのハードウ
ェアの構成例を示す図、第24図はIOTの概略構成を示す
図、第25図は転写装置の構成例を示す図、第26図はディ
スプレイを用いたUIの取り付け例を示す図、第27図はUI
の取り付け角や高さの設定例を説明する図、第28図はUI
のモジュール構成を示す図、第29図はUIのハードウェア
構成を示す図、第30図はUICBの構成を示す図、第31図は
EPIBの構成を示す図、第32図はディスプレイ画面の構成
例を示す図、第33図はオートフォーカス装置を部分的に
示す断面図、第34図はAFセンサによるフィルム検知の説
明図、第35図はフィルム検知センサによって構成される
光源ランプスイッチを示す図、第36図はこのランプスイ
ッチのタイミングを示す図、第37図はAF動作を行うため
のブロック図、第38図はフィルムプロジェクタの斜視
図、第39図はミラーユニットの斜視図、第40図はネガフ
ィルムの濃度特性および補正の原理を説明する説明図、
第41図はログ変換器内に設けられている変換テーブルを
示す図、第42図はネガフィルムに記録されている画像を
コピーするときの操作手順および信号のタイミングを説
明する説明図である。 32……イメージ入力ターミナル(IIT)[画像読取装置
本体]、64……フィルムプロジェクタ(F/P)、610……
映写レンズ、611……レンズ保持部材、623……発光器、
624……受光器、625……モータ(移動手段)、633……
原稿フィルム、657……制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G02B 7/11 G03B 27/32

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原稿の画像を読み取る画像読取装置本体
    と、この画像読取装置本体に設けられ、原稿フィルムの
    画像を前記画像読取装置本体に映写するフィルムプロジ
    ェクタとを備え、原稿フィルムの画像を前記フィルムプ
    ロジェクタより前記画像読取装置本体に映写してフィル
    ム画像を読み取る画像読取装置において、 前記フィルムプロジェクタは、前記原稿フィルムが所定
    位置に装着されかつ前記原稿フィルムの中心部が前記フ
    ィルムプロジェクタの光学系のピント合わせ位置にきた
    ことを検知するフィルム検知センサと、このフィルム検
    知センサからのフィルム検知信号に基づいて自動焦点調
    節を開始する自動焦点調節機構とを備えていることを特
    徴とする画像読取装置。
  2. 【請求項2】原稿の画像を読み取る画像読取装置本体
    と、この画像読取装置本体に設けられ、原稿フィルムの
    画像を前記画像読取装置本体に映写するフィルムプロジ
    ェクタとを備え、原稿フィルムの画像を前記フィルムプ
    ロジェクタより前記画像読取装置本体に映写してフィル
    ム画像を読み取る画像読取装置において、 前記フィルムプロジェクタは、前記原稿フィルムが所定
    位置に装着されたことを検知するフィルム検知センサ
    と、このフィルム検知センサからのフィルム検知信号に
    基づいて自動焦点調節を開始する自動焦点調節機構と、
    少なくとも前記画像読取装置本体における複数回の走査
    によるフィルム画像読取中は、前記自動焦点調節機構の
    自動焦点調節動作を禁止する手段とを備えていることを
    特徴とする画像読取装置。
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